説明

オフライン経路表示システム、携帯端末装置および認識コード生成装置

【課題】オフラインで地図や経路の案内をすることができるオフライン経路表示システム、携帯端末装置および認識コード生成方法を提供する。
【解決手段】オフライン経路表示システム10は、所定の場所から所定の場所までの地図情報および/または経路情報を記録した認識コード50を読取る認識コード読取り手段25を備えた携帯端末装置20を含む。携帯端末装置20は、認識コードデコード手段26と表示手段29とを備え、認識コード読取り手段25により読取った経路情報を表示手段29に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯端末装置を用いる通信型のナビゲーションシステムや地図表示システムにおいて、携帯端末装置がサーバとの間で通信できない場合にオフラインで地図や経路を表示し案内することができるオフライン経路表示システム、携帯端末装置および認識コード生成方法に関するものであり、特に、街路の案内板、電柱、塀などに設置する二次元コードなどの認識コードに、近辺の避難場所などの目的地点とそこまでの経路などを記録しておき、携帯端末装置による通信が不能になった場合でも、認識コードから目的地点、目的地点までの経路を読み取り、携帯端末装置の表示部に表示できるようにした経路表示システム、携帯端末装置および認識コード生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、所望の出発地から目的地までの経路を探索して経路案内を行うナビゲーションシステムが広く利用されている。このようなナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載する車載用のナビゲーションシステム、徒歩および交通機関を使用して移動する歩行者のためのナビゲーションシステムなどが知られている。また、現在位置に基づいて、近辺の地図を表示するシステムも知られている。最近ではこれらのシステムは、携帯電話などの携帯端末装置を使用し、所定の情報配信サーバ、経路探索サーバなどから案内経路や地図をダウンロードする通信型のシステムが広く用いられている。
【0003】
また、雑誌に印刷された二次元コードに記録された情報を読み取り、情報配信サーバからその地点を含む地図情報をダウンロードして表示する地図表示システムも提供されている。二次元コードには、設置位置の位置情報や地図情報を配信する情報配信サーバのURL(Uniform Resource Locator)を記録しておき、携帯端末装置は二次元コードから読み取ったURLを用いて情報配信サーバと通信して地図情報をダウンロードして表示する。
【0004】
このような地図表示システムは、例えば、下記の特許文献1(特開2005−257738号公報)に開示されている。この地図表示システムはカメラなど撮像手段を備えた携帯電話を利用し、道路などに設置された二次元コードに記録された位置情報を読み取り、情報配信サーバからその地点を含む地図情報をダウンロードして表示するものである。
【0005】
通信型のナビゲーションシステムや特許文献1に開示されたような地図表示システムにおいては、携帯端末は情報配信サーバと通信して地図や案内経路データをダウンロードしなければ表示することができない。例えば、飲食店などの地図をダウンロードして場所を確認してからその飲食店に行くかどうか決めたい場合にも情報配信サーバとの通信が必要であり通信コストが発生する。また、携帯端末装置が通信できない場所や電波の状態が悪い場所にある場合には、サーバと通信できないため地図情報を表示できないという問題があった。
【0006】
そのため、地震などの災害が発生し、携帯電話機の通信が規制された場合、避難所までの経路を携帯電話で調べたくても、通信ができないためその情報を得ることができない状態になる。近年では、地震やテロなど局地的に大きな被害を与えるような災害や事件が世界中で多発しており、特にアジア各国においては津波や地震などの大きな災害が頻発している。また、米国における貿易センターへのテロに象徴されるように、世界各国でテロによる被害が報告されている。日本国内においてもこのような災害が発生することが十分予想される。特に、地震については場所と時期を別とすれば高い確率で発生すると考えられている。
【0007】
このような状況に対応するため、各自治体などの行政機関においては地域毎に公園や学校など推奨する避難場所を定め、当該地域の住民や当該地域に勤務する人々の安全を図るようにしている。また、最近では、地震発生時に学校や勤務先から自宅に帰宅する人々を支援するための案内書、いわゆる「震災時帰宅支援マップ 首都圏版(昭文社)」が提供されている。この案内書は、主要な場所から帰宅方向(帰宅方面)別に行政機関が推奨する避難経路、水や食料、医療サービスなどが得られる場所や、コンビニエンスストアなどの企業が帰宅困難者を支援する支援ポイントなどを盛り込んだ地図である。
【0008】
避難場所までの経路案内を得る方法としては、一般に利用されている車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムを利用する方法があり、現在位置から避難場所までの経路案内を受けることも可能である。特に、最近では携帯電話などの携帯端末装置を利用した通信型のナビゲーションサービスが実現されており、通常携帯電話などの携帯端末装置は常時身につけて携帯しているので、災害時に現在位置から最寄りの避難場所までの経路案内を受けることができる。
【0009】
災害時における携帯端末装置を利用した防災システムは、例えば、下記の特許文献2(特開2000−57457号公報)、特許文献3(特開2005−17027号公報)に開示されている。
【0010】
特許文献2に開示された都市防災システムは、ナビゲーションシステムによる地図情報及び現在位置を表示する機能を有する複数の端末器と、この複数の端末器のそれぞれに信号を送受信する災害情報センターとからなり、災害情報センターは端末器及び予め設定されている情報源から寄せられる災害情報信号を受信し、受信した災害情報信号を編集した災害情報を各端末器に向けて発信するようにし、端末器は、ナビゲーションシステムから得られた地図と位置関係を表示すると共に、この地図に災害情報を表示するようにしたものである。
【0011】
また、特許文献3に開示された避難誘導システムは、案内ホスト装置が、位置検出手段を有するGPS付携帯電話機から避難誘導の要求と所在地の情報を受信すると、その位置情報からデータベースに記憶された災害情報データベース、地図情報データベースを検索して、所在地近くの避難場所への危険の少ない経路を見つけ出し、GPS付携帯電話機に地図情報と共に避難場所への誘導案内を通知するように構成し、災害時に安全に速やかに避難所へ避難誘導するようにしたものである。
【0012】
また、災害発生時に街角で避難場所を指示するようなシステムは、下記の特許文献4(特開平11−299907号公報)に開示されている。この特許文献4に開示された街角避難誘導システムは、情報指令所と、この情報指令所と回線を通して結ばれ、情報指令所からの災害および避難情報を受信してモニタ画面に表示する避難誘導装置とを備えたものである。
【0013】
【特許文献1】特開2005−257738号公報(図3)
【特許文献2】特開2000−57457号公報(図1)
【特許文献3】特開2005−17027号公報(図1)
【特許文献4】特開平11−299907号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記特許文献1〜特許文献4に開示された通信型のシステムやナビゲーションシステム、地図表示システムなどは、携帯端末装置とサーバが通信により所定の情報を送受することを前提にシステムが構築されている。従って、サーバと通信する都度通信コストが発生する。また、携帯端末装置が通信できない場所や電波の状態が悪い場所にある場合には、サーバと通信できないため地図情報を表示できない、あるいは、必要な情報をダウンロードできないという問題点があった。
【0015】
特に、携帯電話を携帯端末装置として利用する場合、地震などの災害時には被災地およびその周辺で、通信インフラが寸断されていることが予測される。また、多くの携帯端末装置のユーザが家族や友人、知人の安否確認のための通話を行うため、ネットワークの通信負荷が大きくなる。通信負荷が一定の値を超えると、災害救助や緊急の通信を優先するために通信事業者側で一般ユーザの通信を規制する処置が取られる。例えば、地震のあとに携帯電話がかかりにくくなることはしばしば経験することである。このような状態になると、携帯端末装置を使用して避難場所の地図を表示したくても地図情報をダウンロードできず、避難場所の案内や避難場所までの経路の案内を得ることができなくなるという問題点があった。
【0016】
このように災害時には、ナビゲーションが可能な携帯電話機を持っていたとしても、通信できる可能性が低いため、目的とする場所への移動経路表示およびガイドを行うことができないと考えられる。また、災害時に避難する場所を知らない,あるいは家の近所の避難場所は知っていても勤務地や出かけ先の近隣の避難場所は知らないという人のために、その地域の最寄りの避難所までの経路情報があれば便利である。
【0017】
前述した震災時帰宅支援マップや災害時の避難場所案内図や、避難経路案内図のような印刷物を利用する方法もあるが、このような印刷物の場合、常時携帯していないといざ災害という場合に役に立たないという問題点がある。また、これらの印刷物は時間の経過とともに情報が古くなるため、常に最新の情報が盛り込まれたものを購入して準備しておかねばならないという問題点もある。
【0018】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、二次元コードなどの認識コードに所定の場所の案内地図や案内経路のデータを記録しこの二次元コードを所定の媒体や任意の媒体に設置しておき、カメラなどの二次元コード読み取り手段を有する携帯端末装置を用いて二次元コードに記録された情報を読み取って案内地図や案内経路をデコードして表示すればオフラインで地図や所定の場所への経路を表示できることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0019】
すなわち、本発明は携帯電話などの携帯端末装置を用いた通信型のナビゲーションシステムや経路表示システムにおいて、携帯端末装置とサーバとの間の通信ができない場合に、オフラインで地図や経路の案内をすることができるオフライン経路表示システム、携帯端末装置および認識コード生成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
所定の場所から所定の場所までの地図情報および/または経路情報を記録した認識コードを読取る認識コード読取り手段を備えた携帯端末装置を含むオフライン経路表示システムであって、
前記携帯端末装置は、認識コードデコード手段と表示手段とを備え、前記認識コード読取り手段により読取った経路情報を前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるオフライン経路表示システムにおいて、前記携帯端末装置は現在位置を取得するGPS処理手段を備え、該携帯端末装置が独立して前記表示手段に表示した地図情報および/または経路情報に基づいて所定の場所から所定の場所までの経路案内を行うことを特徴とする。
【0022】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかるオフライン経路表示システムにおいて、前記携帯端末装置は更に方位検出手段を備え、当該方位検出手段で検出した携帯端末装置の方位と前記認識コードに記録された方位情報に基づいて前記表示手段に経路を表示することを特徴とする。
【0023】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかるオフライン経路表示システムにおいて、前記認識コードに記録される地図情報および/または経路情報は、テキストデータ、あるいは、ベクトルデータで表現された情報であることを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるオフライン経路表示システムにおいて、所定の場所から所定の場所までの地図および/または経路データを認識コードに記録するための情報にエンコードする認識コードエンコード手段と、認識コードエンコード手段によりエンコードされた地図および/または経路情報から認識コードを生成する認識コード生成手段と、を備え、所定の場所から所定の場所までの地図および/または経路データを目的場所の緯度、経度、周辺の地図に変換する認識コード生成装置を含むことを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項6にかかる発明は、
所定の場所から所定の場所までの地図および/または経路データを認識コードに記録するための情報にエンコードする認識コードエンコード手段と、認識コードエンコード手段によりエンコードされた地図および/または経路情報から認識コードを生成する認識コード生成手段と、を備え、
所定の場所から所定の場所までの地図および/または経路データを目的場所の緯度、経度、周辺の地図に変換することを特徴とする認識コード生成装置である。
【0026】
また、本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる認識コード生成装置において、前記経路情報は、交差点の緯度および経度、交差点までの距離を含んで構成されることを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項6にかかる認識コード生成装置において、前記認識コードに記録される地図情報および/または経路情報は、テキストデータ、あるいは、ベクトルデータで表現された情報であることを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項9にかかる発明は、
所定の場所から所定の場所までの地図情報および/または経路情報を記録した認識コードを読取る認識コード読取り手段を備えた携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置は、認識コードデコード手段と表示手段とを備え、前記認識コード読取り手段により読取った経路情報を前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0029】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかる携帯端末装置において、前記携帯端末装置は現在位置を取得するGPS処理手段を備え、該携帯端末装置が独立して前記表示手段に表示した地図情報および/または経路情報に基づいて所定の場所から所定の場所までの経路案内を行うことを特徴とする。
【0030】
また、本願の請求項11にかかる発明は、請求項10にかかる携帯端末装置において、前記携帯端末装置は更に方位検出手段を備え、当該方位検出手段で検出した携帯端末装置の方位と前記認識コードに記録された方位情報に基づいて前記表示手段に経路を表示することを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項12にかかる発明は、請求項9にかかる携帯端末装置において、前記認識コードに記録される地図情報および/または経路情報は、テキストデータ、あるいは、ベクトルデータで表現された情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
請求項1にかかる発明においては、携帯端末装置は、所定の場所から所定の場所までの地図情報および/または経路情報を記録した認識コードを読取る認識コード読取り手段、認識コードデコード手段と表示手段と、を備え、前記認識コード読取り手段により読取った経路情報を前記表示手段に表示する。
従って、認識コードに地図や経路の情報を記録して所定の場所に設置しておき、携帯端末装置で認識コードを読取り、設置場所から所定の場所までの地図や経路を表示できるので、目的地までの移動経路をオフライン情報として提供することができるようになる。特に、認識コードに設置場所から近隣の避難場所までの地図、経路を記録しておけば、災害時に携帯端末装置が経路探索サーバと通信できない場合であってもオフラインで避難経路を表示することができるようになる。
【0033】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるオフライン経路表示システムにおいて、携帯端末装置は、現在位置を取得するGPS処理手段を備え、該携帯端末装置が独立して前記表示手段に表示した地図情報および/または経路情報に基づいて所定の場所から所定の場所までの経路案内を行う。
従って、表示手段に表示された地図、経路に、GPS処理手段で取得した現在位置の情報を加え、所定の場所までの経路案内をオフラインで行うことができるようになる。
【0034】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかるオフライン経路表示システムにおいて、携帯端末装置は更に方位検出手段を備え、当該方位検出手段で検出した携帯端末装置の方位と前記認識コードに記録された方位情報に基づいて前記表示手段に経路を表示する。
従って、方位検出手段により検出した携帯端末装置の向きにあわせて地図、経路を表示手段に表示することができるようになり、利用者にわかり易い表示を行うことができるようになる。
【0035】
請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかるオフライン経路表示システムにおいて、前記認識コードに記録される地図情報および/または経路情報は、テキストデータ、あるいは、ベクトルデータで表現された情報である。
従って、テキストデータにより簡易な地図や経路を認識コードに記録することができ、または、ベクトルデータにより、拡大、縮小、回転できるように地図、経路を認識コードに記録することができるようになる。
【0036】
請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかるオフライン経路表示システムは、所定の場所から所定の場所までの地図および/または経路データを認識コードに記録するための情報にエンコードする認識コードエンコード手段と、認識コードエンコード手段によりエンコードされた地図および/または経路情報から認識コードを生成する認識コード生成手段と、を備え、所定の場所から所定の場所までの地図および/または経路データを目的場所の緯度、経度、周辺の地図に変換する認識コード生成装置を含む。
従って、認識コードを設置する所定の場所から所定の場所までの地図や経路を認識コードに記録することができるようになる。これにより、携帯端末装置で認識コードを読取り、設置場所から所定の場所までの地図や経路を表示できるので、目的地までの移動経路をオフライン情報として提供することができるようになる。特に、認識コードに設置場所から近隣の避難場所までの地図、経路を記録しておけば、災害時に携帯端末装置が経路探索サーバと通信できない場合であってもオフラインで避難経路を表示することができるようになる。
【0037】
請求項6にかかる発明においては、請求項5にかかるオフライン経路表示システムを構成する認識コード生成装置を提供することができるようになる。
【0038】
また、請求項7にかかる発明においては、請求項6にかかる認識コード生成装置において、経路情報は、交差点の緯度および経度、交差点までの距離を含んで構成される。従って、所定の場所から所定の場所までの経路中の交差点、交差点までの距離、所要時間を案内することができるようになる。
【0039】
また、請求項8にかかる発明においては、請求項6にかかる認識コード生成装置において、前記認識コードに記録される地図情報および/または経路情報は、テキストデータ、あるいは、ベクトルデータで表現された情報である。
従って、テキストデータにより簡易な地図や経路を認識コードに記録することができ、または、ベクトルデータにより、拡大、縮小、回転できるように地図、経路を認識コードに記録することができるようになる。
【0040】
また、請求項9〜請求項12にかかる発明においては、それぞれ請求項1〜請求項4にかかるオフライン経路表示システムを構成する携帯端末装置を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのオフライン経路表示システムを例示するものであって、本発明をこのオフライン経路表示システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のオフライン経路表示案内システムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0042】
本発明の実施例1にかかるオフライン経路表示システム10は、図1に示すようにインターネットなどのネットワーク12を介して接続される携帯電話などからなる携帯端末装置20と経路探索サーバ40を備えて構成されている。経路探索サーバ40はオフライン経路表示の処理には必ずしも必要としないが、携帯端末装置20が通常オンラインでナビゲーションサービスを受ける場合に利用される。
【0043】
本発明においては携帯端末装置20がオフラインで地図や経路を表示するために、地図・経路情報を記録したQRコード(Quick Response Code:登録商標)などの認識コード50を任意の場所に設置し、携帯端末装置20でこの認識コード50から地図・経路情報を得て表示するように構成している。
【0044】
携帯電話などの携帯端末装置20において経路探索サーバ40との間の通信を行わずにオフラインで地図情報や経路情報を表示できれば次のような利点が得られる。
1)通信コストを削減できる。
2)紙媒体の使用が可能になる(認識コードを用いることによる)
3)この情報を誰もが確認することができる(広告として使用可能になる)
4)読み取り誤差が少なくできる(認識コードを用いることによる)
【0045】
特に、前述したように災害時には、ナビゲーションが可能な携帯電話機を持っていたとしても、通信できる可能性が低いため、目的とする場所への移動経路表示およびガイドを行うことができないと考えられる。また、災害時に避難する場所を知らない、あるいは家の近所の避難場所は知っていても勤務地や出かけ先の近隣の避難場所は知らないという人も多い。被災した場所に最寄りの避難場所までの避難経路を記録した認識コード50があれば、経路探索サーバ40と通信が行えなくても避難経路を確認することができる。
【0046】
このように、その地域の最寄りの避難所までの経路情報を認識コード50に記録して設置しておくことにより、携帯端末装置20は認識コード50から地図・経路情報を取得してオフラインで表示することができ、被災した時に取るべき適切な初動行動を明確にすることができるようになる。災害時には目標になる建物などが倒壊することも予想され、認識コード50に記録する地図にランドマークなどの情報を記載することに多くのデータ量を費やすよりも、避難場所までの避難経路などを明確に表示することにデータ量を費やした方が有用である。避難経路は、なるべく安全な道路(国道や県道など、比較的大きな道路)を優先して提供し、ガイドすることが好ましい。
【0047】
したがって、認識コード50によって避難経路情報を提供する場合は、地図の情報は簡潔に表示し、避難経路の表示・ガイドを重点的に行うようにする。災害などに被災した場合、少なくとも避難場所までの方向・経路が分かれば安心できる。すなわち、実際に被災した場合、第一の行動として避難場所へ移動し安全を確保するということが重要である。従って、避難場所へ移動するためのなるべく安全な経路(避難経路)を、あらかじめ地域毎に認識コードを用いてオフライン情報として提供することで、地域住民の不安を軽減することができ、住民の安全を確保し、安心感を与えることができる。また、なるべく安全な避難経路を提示することによって、二次災害による被害者を減少させることなどに貢献することができる。
【0048】
経路探索サーバ40は、一般的なナビゲーションサーバと同様に、経路探索手段と経路探索のための道路ネットワークデータ、避難経路データなどを備えている。避難経路データは、主要な地域から帰宅方向(帰宅方面)別に、行政機関が推奨する避難経路、水や食料、医療サービスなどが得られる場所や、コンビニエンスストアなどの企業が帰宅困難者を支援する支援ポイントなどを盛り込んだ経路である。
【0049】
この避難経路データは通常の経路探索に使用される道路ネットワークデータと同様にノード、リンクなどから構成されるデータであり、主として幹線道路などが設定されている。特定の勤務先から当該避難経路まで、避難経路から特定の自宅までの経路は道路ネットワークデータを参照して探索される。
【0050】
携帯端末装置20の利用者がオンラインでナビゲーションサービスを受ける場合には、出発地、目的地などの経路探索条件を設定して経路探索サーバ40に経路探索要求を送信し、経路探索サーバ40は経路探索条件に基づいて道路ネットワークデータを参照して出発地から目的地までの最適経路を探索し、案内経路や地図データを携帯端末装置20に配信する。
【0051】
道路ネットワークデータは、地図上の道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、経路探索サーバ40は、この道路ネットワークデータを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯端末装置20に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。このような構成は一般のナビゲーションシステムと同様のものである。
【0052】
一方、携帯端末装置20は、主制御部21、通信手段22、GPS処理手段23、経路案内要求手段24、認識コード読取り手段25、認識コードデコード手段26、一時記憶手段27、操作・入力手段28、表示手段29、音声出力手段30、方位検出手段31などを備えて構成されている。主制御部21は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
【0053】
操作・入力手段28は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力のためのものであり、出力手段である表示手段29に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段29は操作・入力手段28の一部としても機能する。通信手段22は、ネットワーク12を介して経路探索サーバ40と通信するためのインターフェースである。
【0054】
GPS処理手段23はGPS受信機によりGPS衛星信号を受信し、携帯端末装置20の現在位置(緯度・経度)を測位する。利用者が経路探索サーバ40に経路探索を依頼しようとする場合、操作・入力手段28を操作し、サービスメニュー画面や所定の入力画面を表示手段29に表示して、出発地や目的地、移動手段(徒歩や自動車)、出発予定時刻や到着希望時刻などの経路探索条件の入力を行う。出発地として現在位置を選択するとGPS処理手段22が測位した現在位置が出発地として使用される。
【0055】
経路案内要求手段24は、入力された経路探索条件を経路探索サーバ40に送信するデータに編集し、通信手段22を介して経路探索サーバ40に送信する。経路探索サーバ40から配信された案内経路、地図、ガイダンスデータなどの配信データは一時記憶手段27に一時記憶される。これらの配信データは必要に応じて一時記憶手段27から読み出され、表示手段29に表示される。表示に際しては、GPS処理手段23が測位した現在位置が地図上に案内経路などとともに現在位置マークとして重ね合わせて表示される。
【0056】
利用者が案内経路を進みガイダンスポイントが設定されたノードに接近すると、案内経路データに付加されているガイダンスデータが音声出力手段30から出力され、右左折のガイダンスが行われる。以上がオンラインで経路探索サーバ40から配信された案内経路を表示する場合の動作である。
【0057】
次に携帯端末装置20がオフラインで経路を表示する場合の動作について説明する。オフライン経路表示に当たっては、任意の地点にQRコード(登録商標)などの認識コード50を設置する。この認識コード50には、設置地点から所定の地点までの地図、経路のデータがエンコードされ記録されている。この認識コードを設置地点の掲示板、電柱、塀、歩道表面などに固定的に設置する。地震などの災害時の避難経路をオフライン表示する目的の場合、認識コード設置地点からその近辺の避難場所までの避難経路を認識コード50に記録しておく。設置場所は災害が発生してもおよそ移動することがなく頑丈なものにすることが好ましい。
【0058】
携帯端末装置20は、CDDカメラなどの撮像手段からなる認識コード読取り手段25を備えており、オフライン経路表示においては、この認識コード読取り手段25により近辺に設置された認識コード50を読み取る。読み取られた結果は認識コードデコード手段26によりデコードされる。認識コード50に記録された情報は、当該認識コード50の設置場所から所定の地点までの地図、経路の情報であるから、認識コードデコード手段26でデコードした結果を表示手段29に表示することによって、認識コード50の設置場所、すなわち、携帯端末装置20の現在位置から所定の地点までの経路をオフライン表示することができる。
【0059】
このように、災害時には避難場所までの経路を電柱や鉄塔に貼られている認識コード50から読み取る。もし、災害時に電柱や鉄塔が倒壊していたとしても、認識コードQRコードさえ読みとることができればよい。携帯端末装置20にGPS処理手段23が備えられているので現在位置、経路などをガイドすることが可能であり、また、地磁気センサなどの方位検出手段31を備えていれば携帯端末装置20の方向の判別が可能である。
【0060】
図2は認識コード50の一例を示す図であり、図3は、図2の認識コード50に記録された経路情報を示す図である。すなわち、図3は、テキストデータ(アスキーアート)で表現された駅前の地図の一部を示す図である。このテキストデータをエンコードして認識コード50に記録したものが図2に示されている。図3の地図データに所定の地点までの経路を示すテキストデータを加えてエンコードし認識コード50に記憶すれば、地図とともに所定の地点までの経路を記録することができる。
【0061】
携帯端末装置20にオフラインで地図、経路を表示する場合、認識コード読取り手段25で図2の認識コード50を読取り、認識コードデコード手段26でデコードする。これにより図3のテキストデータで表現された地図、経路データが再現され、表示手段29にオフライン表示することができる。なお、図2は、図3に示すテキストデータを実際にQRコード(登録商標)にエンコードして記録した認識コード50を図示している。
【0062】
例えば、認識コード50としてQRコード(登録商標)を用いた場合、記録可能な文字数は、
数字のみの場合・・・最大7089文字、
文字・英数字・・・・最大4296文字、
バイナリ(8ビット)・・・・最大2953バイト
漢字・全角カナ文字・・・・・最大1817文字
である。
【0063】
図3の簡易地図はテキスト形式(アスキーアート)で描かれているため、携帯端末装置20における地図表示のための計算量を少なくすることができ、携帯端末装置20の消費電力を抑えることができる。また、地図の範囲が大きい場合、あるいは拡大・縮小・向きの変更などを表示画面上で行いたい場合は、ベクトルデータで表現したベクトル地図を用いても良い。
【0064】
図4は、表示手段29に表示される地図、経路の表示例を示す図である。図4において、表示画面411には認識コード50から読取ってデコードしたデータに基づいて出発地ST(現在地:認識コード50の設置場所)から目的地G(所定の場所:この場合近隣の避難場所である学校)までの地図と経路Rが表示される。利用者が地図や経路Rを拡大表示したい場合は、画面上に表示されているズームインボタン414を操作し、縮小表示したい場合はズームアウトボタン413を操作する。メニュー画面に戻る場合にはメニューボタン412を操作する。また、地磁気センサなどで構成される方位検出手段31により携帯端末装置20が向いている方位を検出し、現在の向きに合わせて地図や経路を表示すればよりわかり易い地図表示を行うことができる。このためには、認識コード50に記録する地図や経路情報に方位情報を付加しておけばよい。
【0065】
経路を示すデータのフォーマットは、出発地、経由地(複数地点を経由してもよい)、目的地の各地点の緯度、経度を配列した形式で定義する。例えば、このフォーマットで作成した経路データは以下のようになる。
経路1地点1(出発地)
O35.40.24.05,139.46.23.89
このデータにおいて、Oは出発地を示し、35.40.24.05は緯度を、139.46.23.89は経度を示す。
経路1地点2(経由点)
V35.00.43.67,139.52.15.32
このデータにおいて、Vは経由点を示し、35.00.43.67は緯度を、139.52.15.32は経度を示す。
経路1地点3(目的地)
D36.22.35.78,140.28.50.12
このデータにおいて、Dは目的地を示し、36.22.35.78は緯度を、140.28.50.12は経度を示す。
【0066】
経路データフォーマットはこの例に限ることなく、各地点間の距離情報を加えることにより、目的地までの距離や所要時間を案内することもできるようになる。また、「10m先を右方向」「30m先を左斜め方向」などのガイド情報を出力するポイントに、例えば、
「G35.03.44.47,139.52.16.36R10」、「G35.03.18.87,139.51.46.81LS30」等のコードとして付加しても良い。
これらの地図情報データおよび経路情報データは、別々の認識コード50として提供し、別々に読み込み、携帯端末装置20で合成してから表示しても良いし、同一の認識コード50に記録して提供し、一度に読み込み携帯端末装置20で表示しても良い。
【0067】
図5は上記フォーマットで作成された経路データの具体例を示す図である。図5において、経路1は先に示した出発地から目的地までの1経路分のデータである。図5のようにこの経路データを複数行設定することによって、複数場所への経路あるいは同じ場所への複数経路を表示することができる。図6は、図5に示す経路データをQRコード(登録商標)にエンコードして実際に記録した認識コード50を図示している。
【0068】
図5に示した経路データは、モデル化、符号化の2段構成による可逆圧縮処理によりそのデータ量を削減することができる。このような可逆圧縮処理については、例えば、植松友彦著:文書データ圧縮アルゴリズム入門(CQ出版社, 1994年発行)などに開示されている技術を適用することができる。
【0069】
図7は、携帯端末装置20がオフライン経路表示を行う場合の動作手順を示すフローチャートである。利用者は携帯端末装置20にオフラインで地図や経路を表示しようとする場合、まず、ステップS11の処理において認識コード読取り手段25で図2や図6に図示した認識コード50を読取る。次にステップS12の処理において認識コードデコード手段26は読取った認識コード50のデータをデコードする。次いでステップS13の処理においてデコードした地図、経路を表示手段29に表示する。
【0070】
以上説明した携帯端末装置20は認識コード50を読取り、地図や経路を再現する機能を有するものであったが、携帯端末装置20に更に、認識コード50に地図や経路データをエンコードして記録するための機能を備えることによって、認識コード作成を行うことができるようになる。
【実施例2】
【0071】
図8は、本発明の実施例2にかかる認識コード作成機能を有する携帯端末装置20の構成を示すブロック図である。この携帯端末装置20は、認識コードエンコード手段32、認識コード生成手段33を備えている点を除けば、基本的には実施例1における携帯端末装置20と同様である。図8においては説明の重複を避けるため実施例1の携帯端末装置20と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。
【0072】
この携帯端末装置20により認識コードを作成する手順は、図9のフローチャートに示されている。所望の地図や経路を認識コード50に出力する場合、携帯端末装置20は出発地と目的地を設定して経路探索サーバ40から地図や経路の探索結果を取得しておく。そして、ステップS21の処理においてこの地図や経路のデータを生成する。このデータのフォーマットは例えば、実施例1において説明したと同様のフォーマットでよい。
【0073】
次いでステップS22の処理において、認識コードエンコード手段32が認識コード50の記録方式に従ってデータの形式変換、圧縮処理をしてデータをエンコードする。そしてステップS23の処理において認識コード生成手段33が認識コードへの変換、出力を行い、認識コード50を作成する。生成された認識コードを認識コード生成手段33により直接紙などの媒体に印刷してもよく、フラッシュメモリなどの記憶媒体に出力して、別途印刷手段により認識コードを印刷するようにしてもよい。
【0074】
認識コード50を避難経路の案内に利用する場合には、出発地として当該認識コード50を設置する場所の位置(緯度・経度)を、目的地として設置場所近隣の指定避難場所の位置を指定して経路の情報を取得すればよい。また、認識コード50を店舗の案内などに利用する場合には、出発地として駅など認識コード50を設置する場所の位置を、目的地として店舗の位置を指定して情報を取得すればよい。
【0075】
上記実施例1、実施例2において認識コード50はQRコード(登録商標)など二次元コードを用いた例を示したが、二次元コード以外の他の認識コード、例えば、ICタグのような認識コードを用いることも可能である。ICタグなどの非接触型の情報読取技術を使用することで、より多くのデータを記録、読取りすることが可能となる。またICタグは記録データのリライトも可能であるためICタグ設置場所と当該ICタグに記録する地図、経路のデータの書換えやメンテナンスが行いやすくなる。更に、ICタグは汚れなどにも強く屋外に設置する認識コードとして使用するのにも適する。認識コードとしてICタグを用いる場合、携帯端末装置20には認識コード読取り手段としてICタグ読み取り装置を用い、短距離無線通信によりICタグに記録された地図、経路のデータを読取るように構成すればよい。
【0076】
以上、説明したように本発明によれば、認識コードに地図や経路の情報を記録して所定の場所に設置しておき、携帯端末装置で認識コードを読取り地図や経路を表示できるので、目的地までの移動経路をオフライン情報として提供することができるようになり、特に防災対策として、地域毎に避難場所への避難経路を提供することができるようになる。
【0077】
また、移動経路をQRコード(Quick Response Code:登録商標)などの認識コードに変換して、紙媒体などで提供するので、特に防災対策として、対象場所の近隣にある避難場所への経路(複数場所への複数経路でも可)をオフライン利用可能に提供することができる。この認識コードを各地域の電柱や鉄柱など災害が発生してもおよそ移動することがなく頑丈なものに貼り付けておけば、建物や電柱の倒壊などがあっても認識コードを読取り避難場所へ至る経路をオフライン表示することができるようになる。
【0078】
また、オフライン情報として、目的場所の緯度経度、経路・ガイド情報(交差点の緯度経度、交差点までの距離等)などを埋め込む。特に防災対策として経路案内する場合は、なるべく耐震・防火対策が施された国道・県道沿い、あるいは建造物の崩壊などが少なそうな道を優先した経路情報を提供しガイドすることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明によれば、通信を必要としないナビゲーションを行うことができるため、人間の目に見える形、例えば紙媒体で地図および経路情報を提供することが可能であると共に、その情報を携帯端末装置に記憶することによって、紙媒体を持ち歩かなくてもオフラインで経路を表示、案内でき、店舗への集客のための広告などに利用することができる。
【0080】
また、特に災害時に避難場所への移動経路を地域毎にオフライン情報として提供することができ、防災としての効果、および地域住民の安全・安心に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施例1にかかるオフライン経路表示システム、携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】テキストデータ形式で表現した地図、経路を記録した認識コードの一例を示す図である。
【図3】図2の認識コードに記録された地図、経路をデコードした例を示す図である。
【図4】表示手段に表示される地図、経路の表示例を示す図である。
【図5】認識コードに記録される経路データの具体例を示す図である。
【図6】図5に示す経路データをエンコードして実際に記録した認識コードを示す図である。
【図7】携帯端末装置がオフライン経路表示を行う場合の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例2にかかる認識コード作成機能を有する携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図9】実施例2の携帯端末装置により認識コードを作成する動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
10・・・・オフライン経路表示システム
12・・・・ネットワーク
20・・・・携帯端末装置
21・・・・主制御部
22・・・・通信手段
23・・・・GPS処理手段
24・・・・経路案内要求手段
25・・・・認識コード読取り手段
26・・・・認識コードデコード手段
27・・・・一時記憶手段
28・・・・操作・入力手段
29・・・・表示手段
30・・・・音声出力手段
31・・・・方位検出手段
32・・・・認識コードエンコード手段
33・・・・認識コード生成手段
50・・・・認識コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の場所から所定の場所までの地図情報および/または経路情報を記録した認識コードを読取る認識コード読取り手段を備えた携帯端末装置を含むオフライン経路表示システムであって、
前記携帯端末装置は、認識コードデコード手段と表示手段とを備え、前記認識コード読取り手段により読取った経路情報を前記表示手段に表示することを特徴とするオフライン経路表示システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置は現在位置を取得するGPS処理手段を備え、該携帯端末装置が独立して前記表示手段に表示した地図情報および/または経路情報に基づいて所定の場所から所定の場所までの経路案内を行うことを特徴とする請求項1に記載のオフライン経路表示システム。
【請求項3】
前記携帯端末装置は更に方位検出手段を備え、当該方位検出手段で検出した携帯端末装置の方位と前記認識コードに記録された方位情報に基づいて前記表示手段に経路を表示することを特徴とする請求項2に記載のオフライン経路表示システム。
【請求項4】
前記認識コードに記録される地図情報および/または経路情報は、テキストデータ、あるいは、ベクトルデータで表現された情報であることを特徴とする請求項1に記載のオフライン経路表示システム。
【請求項5】
所定の場所から所定の場所までの地図および/または経路データを認識コードに記録するための情報にエンコードする認識コードエンコード手段と、認識コードエンコード手段によりエンコードされた地図および/または経路情報から認識コードを生成する認識コード生成手段と、を備え、所定の場所から所定の場所までの地図および/または経路データを目的場所の緯度、経度、周辺の地図に変換する認識コード生成装置を含むことを特徴とする請求項1に記載のオフライン経路表示システム。
【請求項6】
所定の場所から所定の場所までの地図および/または経路データを認識コードに記録するための情報にエンコードする認識コードエンコード手段と、認識コードエンコード手段によりエンコードされた地図および/または経路情報から認識コードを生成する認識コード生成手段と、を備え、
所定の場所から所定の場所までの地図および/または経路データを目的場所の緯度、経度、周辺の地図に変換することを特徴とする認識コード生成装置。
【請求項7】
前記経路情報は、交差点の緯度および経度、交差点までの距離を含んで構成されることを特徴とする請求項6に記載の認識コード生成装置。
【請求項8】
前記認識コードに記録される地図情報および/または経路情報は、テキストデータ、あるいは、ベクトルデータで表現された情報であることを特徴とする請求項6に記載の認識コード生成装置。
【請求項9】
所定の場所から所定の場所までの地図情報および/または経路情報を記録した認識コードを読取る認識コード読取り手段を備えた携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置は、認識コードデコード手段と表示手段とを備え、前記認識コード読取り手段により読取った経路情報を前記表示手段に表示することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
前記携帯端末装置は現在位置を取得するGPS処理手段を備え、該携帯端末装置が独立して前記表示手段に表示した地図情報および/または経路情報に基づいて所定の場所から所定の場所までの経路案内を行うことを特徴とする請求項9に記載の携帯端末装置。
【請求項11】
前記携帯端末装置は更に方位検出手段を備え、当該方位検出手段で検出した携帯端末装置の方位と前記認識コードに記録された方位情報に基づいて前記表示手段に経路を表示することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末装置。
【請求項12】
前記認識コードに記録される地図情報および/または経路情報は、テキストデータ、あるいは、ベクトルデータで表現された情報であることを特徴とする請求項9に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−147528(P2007−147528A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344886(P2005−344886)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】