説明

オリゴヌクレオチド含有薬理学的組成物およびその使用

【課題】ヒトおよび他の哺乳動物の経口または局所投与を容易にするアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、方法および組成物の提供。
【解決手段】アキラルな5’から3’へのヌクレオチド間ホスフェート結合によって結合された7個以上の連続するリボース基を含む10〜75個のヌクレオチドの第1及び第2の修飾オリゴヌクレオチドを含有する医薬組成物であって、該オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのリボース基が修飾された2’置換基を有し、該修飾オリゴヌクレオチドの5’および3’末端が遮断されており、第1の修飾オリゴヌクレオチドがホスホジエステラーゼ4遺伝子の領域に相補的であり、第2の修飾オリゴヌクレオチドがシクロオキシゲナーゼ2遺伝子の領域に相補的であり、各修飾オリゴヌクレオチドが、投与されたときに各遺伝子の発現を減じるのに有効な濃度で存在する組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリゴヌクレオチドを含む組成物に関し、特にヒトおよび他の哺乳動物に投与するのに好適なオリゴヌクレオチド含有組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
選択されたメッセンジャーRNA(センス鎖)の翻訳を阻止するために設計された、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似体および他の配列特異的結合ポリマーは一般に、アンチセンスオリゴヌクレオチドと呼ばれる。治療用途のためのそのようなオリゴヌクレオチドの開発は、人が治療を望む病原体または発病状態に対して独特かつ重要な標的遺伝子配列を選択することを必要とする。人は次に、その選ばれた配列に相補的な遺伝子の塩基(アデニン、シトシン、グアニンおよびチミンもしくはウラシル)のオリゴマーを組み立てる。そのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドがその標的となる疾患を生じる配列に結合すると、その標的を不活化し、それによって疾患を緩和することができる。
【0003】
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、広範囲の難治性疾患のための安全で有効な治療の見込みを有する。それにもかかわらず、真のアンチセンスメカニズムによって機能する治療の開発は、多くの大変な難問を提示する。オリゴヌクレオチドは、患者の細胞内で達成できる濃度で十分な効力を発揮しなければならない。それらは、患者の約2億個の塩基のユニークな配列のRNAのプール中の任意の他の配列に付随的に攻撃することなしに、選択された標的配列を妨げなければならない。それらは、細胞外区画および細胞内で安定でなければならない。それらは、その標的となる配列を含む細胞区画中へ送達されなければならない。それらは、水溶液に十分に可溶性でなければならない。最後に、それらは、治療濃度で、わずかしか、または全く毒性を示さないものでなければならない。
【0004】
第1世代のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、天然の遺伝子物質を含み(Belikovaら, (1967) Tetrahedron Lett. 37, 3557-3562; Zamecnikら, (1978) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75, 280-284; Summerton (1979) J. Theor. Biol. 78, 77-99)、標的を不可逆的に結合するための架橋剤をしばしば含んでいた(Summertonら, (1978) J. Mol. Biol. 122, 145-162)。設計の挑戦が十分高く評価されるようになってきたので、多数の非天然のアンチセンス構造タイプが、効力、安定性および送達を改善するために開発された。特筆すべきは、ホスホトリエステル結合したDNAおよびメチルホスホネート結合したDNAを含む初期の非イオン性DNA類似体である(Cohen(1989) Oligodeoxynucleotides: Antisense Inhibitors of Gene Expression, CRC Press, pp.82-92)。注目すべき他の核酸類似体としては、カルバメート結合したDNA(Cohen(1989) Oligodeoxynucleotides: Antisense Inhibitors of Gene Expression, CRC Press, pp.97-117)、ホスホロアミデート結合したDNA(Froehlerら, (1988) Nucleic Acids Res. 16, 4831-4839)および2’-O-メチルRNA(Shibaharaら, (1989) Nucleic Acids Res.17, 239-252)が包含される。これらの第2世代のオリゴヌクレオチドは、ナイロン等の非環状の主鎖部分を含むオリゴヌクレオチド(Wellerら, (1991) J. Org. Chem. 56, 6000-6006; Huangら, (1991) J. Org. Chem. 56, 6007-6018)、非常に高親和性のペプチド核酸(PNA)(Egholmら, (1992) J. Am. Chem. Soc. 114, 1895-1897)および関連するタイプ(米国特許第5,217,866号)を包含する。
【0005】
アンチセンスオリゴヌクレオチドの有効性を改善するための1つのアプローチは、アンチセンスオリゴヌクレオチドがその標的と相互作用する親和性または効率を高め、その標的遺伝子の転写物のRNase分解を引き起こすことである。効果が観察された投与量は一般に、10〜30mg/kgi.v.の範囲である(Miragliaら, (2000) Antisense Nuc. Acid Drug Devel. 10, 453-461)。しかしながら幾つかの臨床研究は、30 mg/kgi.v.までの投与量ではアンチセンス活性を証明せず(Rudinら, (2001) Clin. Cancer Res. 7, 1214-1220; Kushnerら, (2000) Curr. Oncol. Reports 2, 23-30)、投与されたオリゴヌクレオチドの構造によって結果が異なることを示した。in vivoおよびin vitroの両方でのアンチセンスオリゴヌクレオチドについての典型的投与量-応答曲線は、アンチセンス活性を生じない濃度とアンチセンス活性を生じる濃度がしばしば10倍未満の差で分かれることが示されることがしばしばである(Branch (1998) Trends Biochem. Sci. 23, 45-50)。アンチセンス効果対非アンチセンス効果の比は、限られた濃度範囲外で鋭く低下するので、その標的についてオリゴヌクレオチドの親和性および効率を高めるアンチセンスオリゴヌクレオチドについての共通の構造的特徴を同定することが今なお求められている。さらに、現在までの研究では、経口投与のために好適なものにするアンチセンスオリゴヌクレオチドの共通の構造的特徴は同定されておらず、静脈内投与が必要とされている(Chenら, (2000) Antisense Nuc. Acid. Drug Develop. 10, 415-422)。経口または局所投与を容易にするアンチセンスオリゴヌクレオチドの共通の構造的改変の同定が、したがってまた有利である。
【0006】
これらのより新しい構造タイプのそれぞれは、第1世代のオリゴヌクレオチドより1つ以上の重要な利点を提供するが、好結果の治療用途のためのアンチセンス治療に必要とされる特性の完全な組合せを提供するものは未だ出現していない。
【発明の概要】
【0007】
発明の概要
本発明は、アキラルな5’から3’へのヌクレオシド間ホスフェート結合によって結合された7個以上の連続するリボース基を含む約7〜75個のヌクレオチドの修飾オリゴヌクレオチドを含む、哺乳動物において投与するのに好適な組成物であって、修飾オリゴヌクレオチドが、病理学的疾患に関連する遺伝子の領域に相補的である組成物を包含する。幾つかの実施態様において、哺乳動物はヒトであり、オリゴヌクレオチドはリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドである。修飾オリゴヌクレオチドは、5’UTR領域、翻訳開始部位、3’UTRおよび翻訳終結部位からなる群より選択される遺伝子の領域に相補的であることができる。
【0008】
幾つかの実施態様において、遺伝子は表1から選択される遺伝子であり、病理学的疾患は、食欲異常、高血圧、高コレステロール血症、高脂血症、勃起機能不全、湿疹、うつ病、不安、ストレス、炎症性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病、腎結石、胆石、便秘、片頭痛、発作、多発性硬化症、多発性筋肉痛、線維筋痛(fiboromyalgia)、パーキンソン病、ALS、慢性痛、月経前症候群、副鼻腔炎、感冒、外傷、手根管症候群、慢性疲労症候群、酒さ、関節炎、乾癬、前立腺炎、炎症、胸やけ、感染、うるしかぶれ(poison ivy)、結腸癌、悪性黒色腫および悪性鼻ポリープからなる群より選択される。好ましい実施態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1-81からなる群より選択される。
【0009】
幾つかの実施態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、投与されたときに遺伝子の発現を減じるのに有効な濃度で、組成物中に存在する。組成物を投与するときは、修飾オリゴヌクレオチドは、100μg/kg未満、好ましくは50μg/kg未満、より好ましくは5.0μg/kg未満、なおさらに好ましくは0.50μg/kg未満、なおさらに好ましくは0.050μg/kg未満、最も好ましくは0.0050μg/kg未満の投与量で投与される。さらに、組成物中に存在する修飾オリゴヌクレオチドは、経口投与のために好適であり得る。
【0010】
本発明の組成物中に存在する修飾オリゴヌクレオチドは好ましくは、1mMの濃度で約75〜115℃のTmおよび10〜26個の塩基長を有するか、または1pMの濃度で40〜85℃のTmおよび10〜26個の塩基長を有する。1つの実施態様において、リボース基は、水素、メトキシ、プロポキシ、メトキシ-エトキシ、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群より選択される修飾2’置換基を有する。別の実施態様において、修飾オリゴヌクレオチドは3’または5’末端が遮断されている。
【0011】
本発明の組成物は、医薬組成物、栄養もしくは食事補助組成物として、または化粧組成物として処方することができる。幾つかの実施態様において、本発明の組成物は、2種以上の異なる修飾オリゴヌクレオチドを含み、一方、他の実施態様において、3種以上の異なる修飾オリゴヌクレオチドを含む。
【0012】
本発明はまた、1種以上の上記した本発明の修飾オリゴヌクレオチドを投与することを含む、病理学的疾患を有する患者を治療する方法であって、修飾オリゴヌクレオチドが約7〜75個のヌクレオチドであり、アキラルな5’から3’へのヌクレオシド間ホスフェート結合によって結合された7個以上の連続するリボース基を含む方法を包含する。好ましくは修飾オリゴヌクレオチドは、病理学的疾患に関連する遺伝子の領域に相補的である。より好ましくは、遺伝子は表1から選択され、上記した病理学的疾患は、食欲異常、高血圧、高コレステロール血症、高脂血症、勃起機能不全、湿疹、うつ病、不安、ストレス、炎症性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病、腎結石、胆石、便秘、片頭痛、発作、多発性硬化症、多発性筋肉痛、線維筋痛(fibromyalgia)、パーキンソン病、ALS、慢性痛、月経前症候群、副鼻腔炎、感冒、外傷、手根管症候群、慢性疲労症候群、酒さ、関節炎、乾癬、前立腺炎、炎症、胸やけ、感染、うるしかぶれ、結腸癌、悪性黒色腫および悪性鼻ポリープからなる群より選択される。
【0013】
上記したように、本発明は、アキラルな5’から3’へのヌクレオシド間ホスフェート結合によって結合された7個以上の連続するリボース基を含む約7〜75個のヌクレオチドの修飾オリゴヌクレオチドを含む栄養補助品を包含する。本発明はまた、この栄養補助品を投与することを含む個人の食事を補助する方法であって、栄養補助品の投与が個人の健康を改善する方法を包含する。
【0014】
本発明はさらに、アキラルな5’から3’へのヌクレオシド間ホスフェート結合によって結合された7個以上の連続するリボース基を含む約7〜75個のヌクレオチドの修飾オリゴヌクレオチドを含む化粧組成物であって、修飾オリゴヌクレオチドが皮膚障害に関連する遺伝子の領域に相補的である化粧組成物を包含する。本発明はまた、この化粧組成物を投与することを含む、皮膚障害を有する個人の皮膚の外観を改善する方法を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
本発明は、オリゴヌクレオチド分子を含む組成物ならびに、先端異常感覚、アレルギー(疥癬)状態、アレルギー反応、脱毛症、健忘症、冷感症、アンギナ、関節炎、眼精疲労、胆管毛瘡、火傷、癌状態、例えば結腸癌、悪性黒色腫および悪性鼻ポリープ、手根管症候群、感冒、結膜炎、クローン病、うつ病、大気分障害、甲状腺不全(dysthyroidism)、てんかん、勃起機能不全、過剰食欲(すなわち、食欲制御および抑制、自然に食欲を満たしながらの健康的な体重損失の促進)、歯肉炎、胸やけ(すなわち、時折の胸やけまたは時折の酸消化不良の軽減)、出血、高血圧(すなわち、心臓血管機能ならびに、健康な心臓および循環系の維持を助ける)、高コレステロール(すなわち、正常範囲内にすでにあるコレステロール濃度を維持するのを助ける)、甲状腺機能亢進、感染、炎症性疾患、精神力の欠如、喉頭炎、白血球減少症、肝障害、精神病(すなわち、ストレス、フラストレーション、筋肉の緊張、不安および時折の単純な神経性緊張を減らし;ストレス耐性を高める)、近視、神経症、神経学的疾患、例えば多発性硬化症およびALS、肥満、痛み(すなわち、軽いまたは一時的なうずきおよび痛みの軽減)、膵臓障害、うるしかぶれ、早期老化、月経前症候群(すなわち、月経サイクルに関連する一般的症状、例えば浮腫、胸の圧痛、頭痛、皮膚の問題、下腹痛および穏やかな気分変化の治療)、前立腺炎、乾癬、酒さ、脂漏症、副鼻腔炎および外傷のような疾患の症状/状態を治療するためにそのような組成物を使用することに関する。
【0016】
オリゴヌクレオチド
一般的
遺伝子をコードする二本鎖DNA分子は、センスおよびアンチセンスの両方の鎖を有する。RNAの転写によって、アンチセンス鎖を使用して、(チミジンについてはウリジンを使用し、DNA主鎖の代わりにRNA主鎖を使用するという小さい変化を有して)センス鎖の正確な配列コピーが作られる。かくして、転写で形成されたRNAは、遺伝子のセンス鎖と同じヌクレオチド配列を有する。RNA転写物は、細胞中で処理されてmRNAになり、これは次にタンパク質を作るための鋳型として使用することができる。
【0017】
本明細書において使用される「オリゴヌクレオチド」という語は、ヌクレオチド(すなわち、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドまたは両方)からなる分子をいう。この語は、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドもしくはその混合物のモノマーおよびポリマーを包含し、ヌクレオチドは、例えば5’から3’への結合、5’から2’への結合等によって一緒に連結される。オリゴヌクレオチドにおいて使用されるヌクレオチドは天然のものであることができ、または天然の塩基対と塩基対の関係を形成することができる合成された類似体であることができる。塩基対の関係を形成することができる、非天然の塩基の例としては、限定されるものではないが、アザおよびデアザピリミジン類似体、アザおよびデアザプリン類似体および他の複素環式塩基類似体が含まれ、ここで、プリンおよびピリミジン環の1個以上の炭素原子および窒素原子は、ヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、セレン、リン等で置換されている。
【0018】
本発明のオリゴヌクレオチドは、長さが少なくとも5個の連続するヌクレオチドである。例えば、オリゴヌクレオチドは、長さが5〜75個のヌクレオチドであることができる。オリゴヌクレオチドはまた、長さが少なくとも10個の連続したヌクレオチドであるか、あるいは、少なくとも15個の連続したヌクレオチドであることができる。1つの実施態様において、オリゴヌクレオチドは、長さが12〜26個のヌクレオチドである。オリゴヌクレオチド配列は、表1(配列番号82-132)に挙げられた遺伝子の任意のものに由来することができる。本発明の組成物のために好適なアンチセンスオリゴヌクレオチド配列の例は、以下の表1に記載されている。
【表1】

【0019】

【0020】

【0021】

【0022】

【0023】
1つの実施態様において、本発明のオリゴヌクレオチド組成物は、少なくとも約2種の、異なる配列のオリゴヌクレオチドを含む。別の実施態様において、本発明のオリゴヌクレオチド組成物は、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9または10種の、異なる配列のオリゴヌクレオチドを含む。表1はデオキシリボヌクレオチド残基のみを含むオリゴヌクレオチドとして配列を示すが、本発明はまた、(例えばチミジンをウリジンで置換し、デオキシリボシル置換基をリボシル置換基で置換することによって)オリゴヌクレオチドがリボヌクレオチド残基からなる実施態様を包含することを理解すべきである。さらには、本発明はまた、オリゴヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド残基のみから、リボヌクレオチド残基のみからまたは、デオキシリボヌクレオチド残基とリボヌクレオチド残基との混合物からなる実施態様を包含することを理解すべきである。
【0024】
本発明におけるオリゴヌクレオチドは、配列番号1-81(表1参照)の群から選択されるヌクレオチド配列に80%以上の配列同一性を示す。また好ましくは、オリゴヌクレオチドは、配列番号1-81の群から選択されるヌクレオチド配列に85%以上の配列同一性を示す。なお好ましくは、オリゴヌクレオチドは、90%の配列同一性、なおさらに好ましくは95%の配列同一性を示す。最も好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチドは、そのヌクレオチド配列が遺伝子のセンス鎖に相補的であるように選択される。
【0025】
2つの配列間の類似度は、当技術分野でよく知られている方法(例えばFasta(Oxford Molecular Group Inc.)およびBLAST(www.ncbi.nlm.nih.gov)(Altschulら, (1997) Nucleic Acid Res. 25, 3389-3402)を含むコンピュータプログラム)を用いて決定することができる。これらの方法は、欠失または挿入による配列中のギャップを考慮するために使用することができる。BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)分析により決定されるヌクレオチドもしくはアミノ酸配列レベルでの相同性または配列同一性は、配列類似性検索のために作られたプログラムblastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastx(Altschulら, (1997) Nucleic Acids Res. 25, 3389-3402およびKarlinら, (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 2264-2268、両方共、引用することにより完全に組み入れられる)によって使用されるアルゴリズムを使用する。BLASTプログラムによって使用されるアプローチは、まず質問配列およびデータベース配列間で、ギャップあり(非連続)およびギャップなし(連続)で類似セグメントを考慮すること、次に同定される全てのマッチの統計的有意性を評価すること、ならびに、最後に、有意な予め選択された限界を満たすそれらのマッチのみをまとめることである。
【0026】
配列データベースの類似性検索における基礎的な論点の議論については、Altschulら, (1994) Nature Genetics 6, 119-129を参照されたい(引用することによって完全に組み入れられる)。ヒストグラム、説明、アラインメント、イクスペクト(すなわち、データベース配列に対してマッチするものを報告するための統計的有意限界)、カットオフ、マトリックスおよびフィルター(低い複雑性)についての検索パラメータは、デフォルト設定である。blastp、blastx、tblastnおよびtblastxにより使用されるデフォルトスコアリングマトリックスは、長さ85個のヌクレオチドもしくはアミノ酸にわたる質問配列について推奨されるBLOSUM62マトリックスである(Henikoffら, (1992) Proc Natl. Acad. Sci. USA 89, 10915-10919)(引用することによって完全に組み入れられる)。
【0027】
blastnについては、スコアリングマトリックスは、M(すなわち1組のマッチする残基についての報酬スコア)対N(すなわちミスマッチ残基についてのペナルティスコア)の比によって設定され、ここでMおよびNについてのデフォルト値はそれぞれ+5および-4である。4つのblastnパラメータは以下のように調整された:Q=10(ギャップ創造ペナルティ);R=10(ギャップ伸長ペナルティ);wink=1(質問に沿ってあらゆるwinkth位置でのワードヒットを生じる);およびgapw=16(ギャップアラインメントを作成するウィンドウ幅を設定する)。等価のBlastpパラメータ設定はQ=9;R=2;wink=1;およびgapw=32であった。GCG package version 10.0において入手可能な配列間のBestfit比較は、DNAパラメータGAP=50(ギャップ創造ペナルティ)およびLEN=3(ギャップ伸長ペナルティ)を使用し、タンパク質比較における等価の設定は、GAP=8およびLEN=2である。
【0028】
関連して、ここで記載されるオリゴヌクレオチドは、35%より上のグアニン:シトシン(GC含量)を有する。GC含量は、好ましくは40%より上であり、最も好ましくは45%より上である。
【0029】
修飾オリゴヌクレオチド
本発明に従い使用することができるオリゴヌクレオチドは修飾することができる。少なくとも1つの修飾を含むオリゴヌクレオチドは、全てもしくは任意の核酸塩基、糖部分、ヌクレオシド間ホスフェート結合の天然の分子構造ならびに、追加された置換基、例えばジアミン、コレステリルもしくは他の親油性基を有する分子の分子レベルでの1つ以上の化学的修飾または、これらの部位での修飾の組み合せを有する。例えば、オリゴヌクレオチドは末端遮断されることができ、プロトン化されることができ、実質的酸耐性、実質的ヌクレアーゼ耐性を示すことができ、かつアキラルなヌクレオシド間ホスフェート結合および修飾されたリボースもしくはデオキシリボース置換基を含むことができる。
【0030】
本明細書において使用されるように、「末端遮断された」という語は、例えばエキソヌクレアーゼ作用による、選ばれたヌクレオチドの分解を防止する分子レベルでの化学修飾を有する核酸をいう。この化学修飾は、核酸の不可欠な部分、例えば生理学的条件で関与する遺伝子に化学的に類似であるRNAもしくはDNAの部分を保護するように配置される。末端遮断は、3’末端遮断、5’末端遮断、またはその両方であることができる。例えば3’末端遮断は、分子の最も3’側の位置であることができ、または、核酸の不可欠な配列の3’である場合には、3’末端より内側であることができる。
【0031】
「プロトン化された化合物」という語は、pH7の水に溶かしたときに溶液のpHを下げる本発明の分子をいう。一般に化合物は、プロトンを分子の反応性の部位に添加することによってプロトン化され、分子の他の修飾が可能であるが、この語に包含されることが意図される。そのようなプロトン化は、例えば強酸、最も好ましくは揮発性共役塩基と一緒の強酸の存在下で化合物をインキュベートすることによって達成することができる。本明細書において交換可能に使用される「プロトン化」および「酸性化」という語は、プロトン(または正に荷電した水素イオン)が、本発明の化合物のプロトン受容体部位に添加されるプロセスをいう。プロトン受容体部位は、中心基の置換もしくは非置換のホスフェートならびに、中心基もしくは末端遮断基の任意の追加のプロトン受容体部位を含む。溶液のpHが低下するにつれて、プロトン化されるこれらの受容体部位の数が増加し、より高プロトン化された化合物を生じる。
【0032】
多数の核酸主鎖がpH4-5で比較的安定であるけれども、多くの核酸主鎖は、低pH(例えばpH1-3)では安定でなく、脱プリン反応を受ける。本発明の1つの態様は、2’-ハライド、2’-O-アルキル、3’-O-アルキルおよび2’-O-アルキル-n(O-アルキル)核酸分子を含むある種の修飾は、2〜1の望ましいpHで安定であるという認識を反映する。これらの修飾は、本発明の薬理学的組成物のオリゴヌクレオチドが、in vivoでの条件に影響を及ぼす能力を高める。かくして、本発明の組成物は、実質的に酸耐性である核酸分子を含むことができる。本発明の組成物はまた、ヌクレアーゼ耐性である核酸分子を含むことができる。これは、2’-O-メチルホスホジエステル、2’-O-アルキル、2’-O-アルキル-n(O-アルキル)、2’-フルオロ、2’-デオキシ-エリスロペントフラノシル、キメラ結合および任意の他の主鎖修飾ならびに、核酸分子を内因性ヌクレアーゼ活性に実質的に耐性にする他の修飾によって完全に誘導される核酸分子を包含する。核酸分子をヌクレアーゼ耐性にするさらなる好適な方法は、限定されることはないが、核酸を含むプリンもしくはピリミジン塩基を共有的に修飾することを含む。例えば、塩基をメチル化、ヒドロキシメチル化、またはさもなければ、修飾塩基を含む核酸分子が実質的にヌクレアーゼ耐性にされるように置換(例えばグリコシル化)することができる。ヌクレアーゼ耐性はまた、本発明の組成物のオリゴヌクレオチドがin vivoでその効果を保持するのを助ける。
【0033】
好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチドは、対象に投与されても比較的化学的に変化しないままであり、酸性条件(6.0未満のpH)下で、またはエンドヌクレアーゼもしくはエキソヌクレアーゼの存在下(例えばin vivo設定)でその活性を保持する。
【0034】
本明細書において使用される「実質的に酸耐性」という語は、未修飾の核酸分子に比べて酸分解に耐性である核酸分子をいう。典型的には、核酸の相対的な酸耐性は、耐性の核酸のパーセント分解を、未修飾の片方(すなわち、「正常な」主鎖および塩基を有する同じ長さおよび配列の対応する核酸)のパーセント分解と比較することによって測定される。酸耐性である核酸は、未修飾の片方より、好ましくは少なくとも1.5倍酸分解に耐性であり、より好ましくは少なくとも2倍耐性であり、なおさらに好ましくは少なくとも5倍耐性であり、最も好ましくは少なくとも10倍耐性である。
【0035】
ある種の酸耐性核酸分子は著しい酸安定性およびエンドヌクレアーゼ耐性を示すが、それらは3’エキソヌクレアーゼに感受性である。2’-O-アルキル置換された核酸分子のエキソヌクレアーゼ耐性を高めるために、核酸の3’または5’および3’末端は好ましくは、エキソヌクレアーゼ保護機能を提供する化学的部分に付けられる。例えば、1個以上のホスホロチオエートヌクレオチドが、RNAまたはDNAの末端に置かれることができる。その上、1個以上の転化された塩基がRNAまたはDNAの末端に置かれることができ、または1個以上のアルキルもしくはアルコール(例えばブタノール-置換された)ヌクレオチドもしくは化学基が1方もしくは両方の末端に置かれることができる。したがって、本発明の好ましい実施態様は、以下の構造を有する核酸を含む核酸である:A-B-C、ここで「B」は、長さが約1〜約98塩基の2’-O-アルキルもしくは2’-O-アルキル-n(O-アルキル)置換されたRNAであり、「A」および「C」は、それぞれの5’および3’末端遮断基である(例えば1個以上のホスホロチオエートヌクレオチド(しかし、典型的には6より小さい)、転化された塩基結合、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、O-アルキルおよびO-アルキル-n(O-アルキル)基または置換ヌクレオチド)。保護基の部分的なリストは、転化された塩基、ジデオキシヌクレオチド、メチルホスフェート、アルキル基、アリール基、コルジセピン、シトシンアラバノシド、2’-メトキシ、エトキシヌクレオチド、ホスホルアミデート、ペプチド結合、ジニトロフェニル基、ホスホロチオエート結合を有する2’-もしくは3’-O-メチル塩基、3’-O-メチル塩基、フルオレセイン、コレステロール、ビオチン、アクリジン、ローダミン、プソラレン、グリセリル、メチルホスホネート、ブタノール、ブチル、ヘキサノールおよび3’-O-アルキルを包含する。酵素耐性ブタノールは好ましくは、構造OH-CH2 CH2 CH2 CH2(4-ヒドロキシブチル)を有し、これはまた、C4スペーサーと称される。
【0036】
「実質的にヌクレアーゼ耐性」という語は、天然に生じるかもしくは未修飾の核酸分子と比べて、ヌクレアーゼ分解に耐性である核酸分子をいう。本発明の修飾オリゴヌクレオチドは、同じヌクレオチド配列および数を有する未修飾の核酸より少なくとも1.25倍ヌクレアーゼ分解に耐性であり、より好ましくはその未修飾の片方より少なくとも2倍耐性であり、なおさらに好ましくはその未修飾の片方より少なくとも5倍耐性であり、最も好ましくはその未修飾の片方より少なくとも10倍耐性である。そのような実質的ヌクレアーゼ耐性の核酸分子としては、限定されることはないが、修飾された主鎖、例えばエチルホスホトリエステル、2’-O-メチルホスホロチオエート、2’-O-メチル-p-エトキシリボヌクレオチド、2’-O-アルキル、2’-O-アルキル-n(O-アルキル)、2’-フルオロ、2’-デオキシ-エリスロペントフラノシル、2’-O-メチルリボヌクレオシド、3’-O-メチルリボヌクレオチド、転化された塩基(例えば転化されたT)またはこれらの主鎖のキメラ版を有する核酸分子が包含される。
【0037】
修飾オリゴヌクレオチドは、糖部分に対する修飾を含むRNAまたはDNA、例えば2’-置換もしくは3’-置換されたリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドモノマーを含み、その任意のものがヌクレオシド間結合によって互いに連結される。修飾RNAまたはDNAはまた、配列の特異性が維持されるPNAもしくはモルホリノ修飾主鎖からなることができる。
【0038】
リボース基およびヌクレオシド間結合は、核酸中の塩基を結合し、核酸主鎖と称される。修飾された主鎖は、ヌクレオチド間の化学結合に対する修飾ならびに、安定性および親和性を高めるために使用することができる他の修飾、例えば糖構造に対する修飾を含む。例えば、デオキシリボースのL-アノマーが使用でき、ここで、塩基は天然のD-アノマーに関して転化される。1つの実施態様において、糖基の2’-OHは2’-ハロゲン、2’-O-アルキルまたは2’-O-アルキル-n(O-アルキル)に変えることができ、これは親和性を損なうことなく分解に対する耐性を提供する。他の好適な修飾主鎖としては、以下のタイプのヌクレオチド間結合が包含される:2’-O-メチル-ホスホジエステル、2’-O-アルキル、2’-O-エチル、2’-O-プロピル、2’-O-ブチル、2’-O-アルキル-n(O-アルキル)、2’-メトキシエトキシ、2’-フルオロ、2’-デオキシ-エリスロペントフラノシル、3’-O-メチル、p-イソプロピルオリゴヌクレオチド、2’-O(CH2CH2O)xCH3および/またはブチン結合。オリゴヌクレオチドは、そのような修飾主鎖の組合せを有することができ、完全に修飾されることができ、またはホスホジエステル結合である結合を全てもしくは幾らか含むことができる。
【0039】
修飾オリゴヌクレオチドにおける好ましいヌクレオシド間結合はアキラルである。本明細書において使用される「アキラル」という語は、その鏡像体と重ね合わせることができる分子をいい、それに対して、「キラル」という語は、その鏡像体と重ね合わせることができない分子をいう。アキラルな5’から3’へのヌクレオシド間ホスフェート結合を含むオリゴヌクレオチドは、アキラルである(すなわち立体化学のない)ヌクレオチド間結合を有する。アキラルなオリゴヌクレオチドは好ましくは、少なくとも約3〜8個の連続するアキラルなヌクレオシド間結合を含み、さらに好ましくは9〜10個の連続するアキラルなヌクレオシド間結合を含み、なおさらに好ましくは11〜12個の連続するアキラルなヌクレオシド間結合を含み、最も好ましくは、全く連続する配列によるアキラルなヌクレオシド間結合から完全に成る。別の実施態様において、アキラルなヌクレオシド間結合は、キラルなヌクレオシド間結合が散在する(例えば、2個の連続するアキラルな結合の次に1個のキラルな結合、次に2個の連続するアキラルな結合;3個の連続するアキラルな結合の次に、1個のキラルな結合;4個の連続するアキラルな結合の次に、2個のアキラルな結合等)。アキラルなヌクレオシド間結合の例としては、限定されることはないが、ホスホジエステルおよびジホスホロチオエート結合が含まれる。主鎖におけるアキラルなRNAおよびDNA結合は、最終構造が対称分子(すなわち両端に同じ原子が付いたホスフェート)であるなら、オリゴヌクレオチドの自動合成中に慣例的に生じる。
【0040】
ヌクレオシド間ホスフェート結合は、ホスホジエステルまたは3’から3’、5’から2’もしくは5’から5’への結合および、(混合主鎖修飾RNAまたはDNAを製造するための)そのような同様の結合の組み合わせであることができる。修飾は、RNAまたはDNA分子の内部(単一もしくは繰り返し)であるか、または末端であることができる。これらの修飾は、核酸分子への付加、例えばコレステリル、アミノ基と末端リボースとの間に種々の数の炭素残基を有するジアミン化合物およびデオキシリボースまたは、反対の鎖または関連酵素もしくは他のタンパク質を開裂させるかもしくは架橋するホスフェート修飾を含むことができる。求電子基、例えばリボース-ジアルデヒドは、そのようなタンパク質のリシル残基のイプシロンアミノ基と共有結合することができる。求核基、例えばRNAまたはDNAにつながれるn-エチルマレイミドは、mRNAの5’末端または別の求電子部位に共有結合することができる。
【0041】
本発明のために好適なオリゴヌクレオチドは、37℃およびTmにて相補的RNA鎖に結合しているオリゴヌクレオチドのデルタGまたはギブスの自由エネルギーを求めることによって決定することができる。ギブスの自由エネルギーおよびTmは、添加されるRNAオリゴヌクレオチドに対応する標的遺伝子の一部から測定される。これらの値は、ftp://rna.chem.rochester.eduに見出されるプログラムを用いて計算することができ、Matthewsら, (1999) J. Mol. Biol. 288, 911-940およびMatthewsら, (1999) RNA 5, 1458-1469に記載されている。
【0042】
したがって、オリゴヌクレオチドを含む組成物であって、(i)該オリゴヌクレオチドが長さ少なくとも10個のヌクレオチドであり、(ii) 37℃での該オリゴヌクレオチド/RNA標的二本鎖の結合のギブスの自由エネルギーが-15kcalであり、(iii)該オリゴヌクレオチドが、5’UTR、翻訳開始部位および翻訳終結部位からなる群より選択される標的遺伝子内の領域に相補的であり、かつ(iv)該標的遺伝子が表1に挙げられた遺伝子である組成物である。ギブスの自由エネルギーは、オリゴヌクレオチドに対応する標的遺伝子のその部分間で測定され、その部分は典型的には、5’UTR、翻訳開始部位または翻訳終結部位である。
【0043】
好ましい実施態様において、37℃での該オリゴヌクレオチド/RNA標的二本鎖の結合のギブスの自由エネルギーが≦-20kcalである。また好ましくは、ギブスの自由エネルギーは≦-25kcalである。12-14merのオリゴヌクレオチドについては、ギブスの自由エネルギーは好ましくは≦-15kcalであり、15-17 merのオリゴヌクレオチドについては、ギブスの自由エネルギーは好ましくは≦-20kcalであり、18-20 merのオリゴヌクレオチドについては、ギブスの自由エネルギーは好ましくは≦-25kcalであり、21-23 merのオリゴヌクレオチドについては、ギブスの自由エネルギーは好ましくは≦-30kcalであり、24-26 merのオリゴヌクレオチドについては、ギブスの自由エネルギーは≦-35kcalである。
【0044】
本発明においてさらに記載されるのは、オリゴヌクレオチドを含む組成物であって、(i)該オリゴヌクレオチドが長さ少なくとも10個のヌクレオチドであり、(ii) 該オリゴヌクレオチドの標的遺伝子に対するTmが約65-90℃であり、(iii) 該オリゴヌクレオチドが、5’UTR、翻訳開始部位および終結部位からなる群より選択される標的遺伝子内の領域に相補的であり、かつ(iv)該標的遺伝子が表1に挙げられた遺伝子から選択される組成物である。好ましくはオリゴヌクレオチドは、約75-90℃のTmを有する。なお好ましくはオリゴヌクレオチドは、約85-90℃のTmを有する。なお好ましくは、1M1価カチオン濃度での標的遺伝子に対する該オリゴヌクレオチドのTmは約65-90℃である。ギブスの自由エネルギーは、オリゴヌクレオチドに対応する標的遺伝子のその部分間で測定され、その部分は典型的には、5’UTR、翻訳開始部位または翻訳終結部位である。
【0045】
栄養補助品
本明細書において使用されるように、「栄養補助品」という語は、食事を補助することを意図された組成物をいう。栄養補助品は、全食事摂取量を増加することによって食事を補助するために哺乳動物において使用される任意の食事物質または濃縮物、代謝物、構成成分、抽出物等を包含する。栄養補助品は、錠剤、カプセル、粉末、ソフト-ゲル、ゲル-キャップまたは液体形態での摂取を意図された任意の製品を包含する。本明細書において使用されるように、「栄養補助品」という語は、明細書中で「食事補助品」および「栄養品(nutraceutical)」という語と同義に使用される。
【0046】
本発明は、個体の健康を維持または改善するために栄養補助品として有用である組成物を提供する。食事補助品のために好ましいものを表示すると、限定されることはないが、心臓血管機能および健康な循環系の維持、すでに正常範囲内にあるコレステロール濃度の維持、ストレスおよびフラストレーションの軽減、時々の単純な神経の緊張の軽減、普通の毎日の労働過多および疲労によるいらいらの軽減、不安の緩和、神経過敏性の減少、心配事からの救済、筋肉の緊張の軽減、ストレスへの抵抗性の増進、情緒バランスおよび前向きの見通しの増進、酸性胃または不調胃の軽減、時々の胸やけもしくは時々の酸消化不良の軽減、食欲抑制、自然に食欲を満足させながらの健康的な体重減量の促進、食欲制御、軽いかまたは一時的なうずきおよび痛みの軽減、月経サイクルに関連する普通の症状の治療、月経サイクルに関連する穏やかな気分変化、下腹痛および浮腫の治療、月経前症候群中の正常で健康な態度の維持、月経前症候群の正常な症状の減少およびホルモンバランスの維持ならびに軽い月経前症候群の症状、例えば下腹痛、胸の圧痛、軽い気分変化、頭痛、鼓張および皮膚の問題の緩和が包含される。
【0047】
本発明の栄養補助組成物は、1種のオリゴヌクレオチドおよび/または約2個以上のオリゴヌクレオチドの組合せを有する組成物を含む。本発明の栄養補助組成物は、任意の上記に表示したものを治療するのに使用することができる。これらの剤は、経口投与において、他のよく知られた栄養補助品および/または非フラボノイド酸化防止剤(例えばセレン、ビタミンE(トコフェロール、特にアルファトコフェロール)、ビタミンC(アスコルビン酸)および補酵素Q10)と合わせることができる。食物繊維補助品をまた、組成物において使用できる。
【0048】
他の添加剤を、本発明の栄養補助品に組み込むことができる。そのような添加剤としては、無機物(例えばホウ素等ならびに痕跡の金属、例えば亜鉛、マグネシウム、マンガン、クロム、モリブデン、銅、鉄、カルシウムおよびカリウム;ならびに他の微量栄養素、例えばチアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸、ピリドキシン、コリン、ビオチン、イノシトール、パラ-アミノ安息香酸、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンA)が包含される。本発明の別の実施態様において、食物繊維補助品、例えばオート麦のふすままたは他の天然の繊維源をまた組成物に添加することができる。
【0049】
典型的には、栄養補助品はさらに、製薬上許容される担体、例えばラクトース、グルコース、シュークロース、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、酢酸セルロース、エチルセルロース等を含む。希釈剤および他の添加剤、例えば1種以上の製薬上許容される結合剤、充填剤、支持体、増粘剤、味覚改善剤、着色剤、防腐剤、安定剤、調節剤、乳化剤またはそれらの混合物を、使用される組成物の形態に依存して使用することができる。
【0050】
上記した組成物を提供することの他に、本発明はまた、栄養補助組成物を、個体の健康の維持および改善を助けるのに有効な投与量で経口投与する方法を含む。補助品は好ましくは経口投与される。経口投与のための栄養補助組成物の好適な形態は、1日1回または数回の投与のための補助品の単位投与量を含む、錠剤、カプセル、ロゼンジ、シロップ、顆粒、溶液および懸濁液が包含される。本発明の栄養補助組成物は典型的には、液体、錠剤またはカプセルとして経口投与される。錠剤、ゲルタブ(geltab)、カプセル、液体および徐放性処方物を、製薬工業および種々の投与形態でよく知られている製造技術にしたがって、処方しかつ製造することができる。
【0051】
1つの実施態様において、栄養補助品は、表1に挙げられた1つ以上の遺伝子にハイブリッド化することができる1種以上の修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを含むスポーツドリンクである。好ましい実施態様において、スポーツドリンクは、修飾オリゴヌクレオチドAsm(配列番号1)、Pde5(配列番号16)、FAAH(配列番号23)、CX2(配列番号6)、CRP(配列番号24)、LO5(配列番号12)、P65(配列番号10)、CD18(配列番号5)を含む。
【0052】
治療のオリゴヌクレオチド組成物
関連して、本発明は、少なくとも約1種のオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物であって、該オリゴヌクレオチドが(i) 長さ少なくとも約10個の連続するヌクレオチドを含み、(ii)少なくとも約3〜8個の連続するアキラルなヌクレオシド間結合を含み、(iii)製薬上好適な賦形剤をさらに含む組成物を包含する。代替の実施態様において、本明細書に記載した他のオリゴヌクレオチドが、本発明の組成物において使用される。幾つかの実施態様において、治療組成物は、医薬組成物またはホメオパシー組成物であることができる。
【0053】
本明細書において使用されるように、「医薬組成物」という語は、ヒトにおいて非経口、経口または局所投与のために好適な、特定の疾患または病理学的不調を治療するのに使用される治療組成物をいう。
【0054】
製薬上許容される担体と混合して、本発明の修飾オリゴヌクレオチドを含む組成物は、公知技術にしたがって製造することができる。担体は、投与、例えば静脈内、経口、局所、エアゾール(局所または吸入治療のための)、坐薬、非局所または脊髄注入のために望ましい製造の形態に依存して、広く種々の形態を取ることができる。賦形剤は、任意の数の担体を含むことができる。ホメオパシー医薬品の場合には、担体は好ましくはホメオパシー担体、例えばホメオパシー組成物の効力を増加させるかまたは生理学的状態に関連した症状の緩和を助けるホメオパシー剤である。さらには、組成物は、薬理学的組成物が生理学的状態を治療する能力に悪影響を与えないなら、安定剤、防腐剤および他の成分を、好ましくは約0.5〜2.0重量%の量で含むことができる。好適な投与の方式を決定し、好適な放出系を選択することは、当業者の技術の範囲内でよい。
【0055】
組成物の投与は、修飾オリドヌクレオチドを希釈された量で個体に導入する。経口または局所投与のための投与量の典型的な範囲は、組成物中のオリゴヌクレオチド1日当たり約0.001〜10mg、好ましくは1日当たり約0.010〜1.0mgである。経口投与されるときには、軽減が達成されるまで、または症状が消えるかもしくは十分に和らげられるまで、1回の投与量単位が1日当たり1回〜4回投与されるのが好ましい。普通は、患者は、1日当たり2〜3回の投与量単位を経口的に摂取することを指示される。投与量単位は、患者の舌下に置かれるかまたは単にそのような経口投与のために飲み込まれ得る。
【0056】
本発明の医薬組成物は、液体形態で、または錠剤、丸薬、顆粒、粉末で、または軟膏、クリーム、注射可能物質または坐薬で、ヒトおよび動物に投与するために処方することができる。軟膏およびクリームは、低液体効能(low liquid potency)または時には母チンキ液で含浸され、特定の治療薬として一般に処方される。液体組成物は、光から保護するために、琥珀色のガラス滴びん中で供給され得る。
【0057】
経口投与形態で組成物を製造する場合は、任意の通常の製薬上の媒体、例えば経口液体調製物(例えば懸濁液、エリクシルおよび溶液)の場合には水、グリコール、油、アルコール、風味付け剤、防腐剤、着色剤等;または経口固体調製物(例えば粉末、カプセルおよび錠剤)の場合には担体、例えばデンプン、糖、希釈剤、粒状化剤、滑剤、結合剤、崩壊剤等を使用することができる。ホメオパシー調製物のためには、例えばRNA1重量部を液体に溶解して、10体積の液体希釈物(1xとラベルされる)を製造することができる。低希釈を製造するためには、1mlの1x希釈物を9mlの希釈剤と共に使用(完全に混合)して、2xを製造する。所望の希釈が達成されるまで、このプロセスが繰り返される。
【0058】
注射による投与のためには、調製物は、水溶性もしくは可溶化された、薬理学的に許容される形態の核酸の、好適な液体、例えば水または塩類溶液中の水溶液を含むことができる。注射可能な懸濁液はまた、好適な液体担体、沈殿防止剤、等張性調節剤、防腐剤等を用いて製造することができる。投与可能な薬理学的組成物を製造するための実際の方法および、対象に投与するために必要な調整は、当業者に公知であるか、または明らかである。
【0059】
局所的投与のためには、担体は、製造に依存して、広く種々の形態を取ることができ、それは、クリーム、ドレッシング(dressing)、ゲル、ローション、軟膏または液体であることができる。組成物に界面活性剤を含んで、成分のより深い浸透を提供することができる。天然の界面活性剤が好ましいが、他のもの、例えばミリスチン酸イソプロピルを使用することができる。1つの実施態様において、組成物は、皮膚への局所的投与のための化粧組成物である。本明細書において使用されるように、「化粧組成物」という語は、皮膚に局所的に施用されて、皮膚の外観を改善する組成物をいう。
【0060】
エアゾールは、核酸を推進剤(propellant)、例えばエチルアルコールまたは、推進剤および溶媒相中に溶解もしくは懸濁させることによって製造される。局所的またはエアゾール形態のための医薬組成物は一般に、使用する特定の形態に依存して、約0.001〜約40重量%、好ましくは約0.02〜約10重量%、さらに好ましくは約0.05〜約5重量%(の核酸)を含む。坐薬は、核酸を液体賦形剤、例えばカカオ脂、カカオバター、グリセリン、ゼラチンまたはポリオキシエチレングリコールと混合することによって製造される。
【0061】
本発明の組成物はまた、植物またはハーブの抽出物を含むことができる。例えば、局所組成物は、膨張および赤味を減じると示されているメチルキサンチン、サポニン(saponius)、タンニンおよびグリコシドの供給源を提供する、マテ茶、コーラおよびガラナを含むことができる。マテ茶の抽出物は、「マテ抽出物(Mate extract)」として知られており、International Cosmetic Ingredient Dictionary, 5th Editionに記載されている。マテ抽出物は、コーラおよびガラナの抽出物と組合せて市販されていて入手可能であり、これは、Cosmetic Ingredient Resources (Stamford, CT)により商標「QUENCHT」の下に販売されている。使用することができる好適なハーブはまた、Symphytum officinale, Moschus moscheferous, Pripalia geniculata, Plantago asiatica, Causticum, Helianthemum canadense, Ornithogalum umbellatum, Clematis crispa, Impatiens pallida, Prunus cerasus, arnica等を包含する。
【0062】
核酸分子は、脂質、カチオン脂質もしくはアニオン脂質および、核酸/脂質エマルジョンによって放出される活性剤 またはリポソーム懸濁物と合わせることができる。カチオン、アニオンおよび/もしくは中性の脂質組成物またはリポソームの使用は一般に、国際公開 WO90/14074, WO91/16024, WO91/17424および米国特許第4,897,355号に記載されており、全て引用することにより本明細書に組み入れられる。核酸分子を脂質-会合構造へと組み立てることによって、核酸分子は、in vivoで増加された半減期を示すことができる。RNAまたはDNAと共に使用するのに好適なアニオン脂質の例は、限定されることはないが、カルジオリピン、ジミリストイル、ジパルミトイルもしくはジオレオイルホスファチジルコリンまたはホスファチジルグリセロール、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリンまたはホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、リソホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールおよびコレステロールのアニオン形態を包含する。
【0063】
オリゴヌクレオチド組成物の製造
本発明は、オリゴヌクレオチド組成物の製造方法であって、(i)遺伝子の標的領域に隣接するかまたは重複するオリゴヌクレオチドを選択すること、(ii)該標的遺伝子に関して該オリゴヌクレオチドに関連するギブスの自由エネルギーを決定すること、(iii) 該標的遺伝子に関してTmを査定すること、および(iv)配列データベース検索を行なって、該オリゴヌクレオチドが、標的遺伝子と異なる遺伝子のmRNAの5’UTR、翻訳開始配列または翻訳終結部位と重複するかどうか決定すること、を含む方法を包含する。
【0064】
本発明のオリゴヌクレオチドは、翻訳開始部位、5’UTRまたは終結部位に指向することができる。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、少なくとも約1個の塩基によって遺伝子の翻訳開始部位に隣接するかまたは重複する。なお好ましくは、オリゴヌクレオチドは、少なくとも約2個の塩基によって翻訳開始部位に重複する。なおさらに好ましくは、オリゴヌクレオチドは、少なくとも約3個の塩基によって翻訳開始部位に重複する。
【0065】
RNAの5’末端をエンコードする遺伝子の補体の一部と同じかまたは同様の塩基配列を有するRNAまたはDNAを設計することが一般に好ましい。しかしながら、核酸はまた、例えば遺伝子の他の領域、例えば翻訳開始部位をエンコードする領域または3’非翻訳領域と同じかまたは同様の塩基配列を有し得る。別の例においては、核酸は、介在性イントロンを有するかまたは有さないで、スプライスドナーまたはスプライスアクセプター部位の周りの領域を反映するように設計することができる。特に関心のあるのは、配列が、疾患または状態を示す個体において過剰発現された遺伝子の補体の配列の全部または断片を含む核酸分子である。遺伝子の過剰発現の同定は、分子手段、例えば慣用の分子技術を用いる、作用を受けた組織における発現の検出(例えばSambrookら, (1989)Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press)によることができる。遺伝子の過剰発現はまた、配列技術を用いて検出することができるか、またはタンパク質アッセイ、例えばELISAの結果から推測することができる。
【0066】
ホメオパシーオリゴヌクレオチド組成物の製造
ホメオパシー組成物を作る方法であって、(i) 固体RNAを1/9比でラクトースと共に粉砕して、1x固体を製造することおよび、(ii)所望の希釈が達成されるまでプロセスを繰り返すことを含む方法が、本発明において記載されている。関連して、ホメオパシー組成物を作る方法であって、(i)1重量部のRNAを液体に溶かして、1xとラベルされる10体積の液体希釈物を製造することおよび、任意的に(ii)1mlの1x希釈物を9mlの希釈剤と混合して、より低濃度を製造することを含む方法がまた記載されている。
【0067】
別の実施態様において、本発明は、修飾オリゴヌクレオチドを含むホメオパシー組成物を包含する。1つの実施態様において、ホメオパシー用途のための錠剤は好ましくは、ほとんど100%の浸透率を保証するようなやり方で錠剤に液体効能(liquid potency)を滴下または噴霧することによって投薬される、偽薬錠剤として製造される。偽薬錠剤は好ましくは、圧縮によって形成される。丸薬または顆粒は好ましくは、約4ミリメートルの直径および3〜5センチグラムの重量の球形の形である。それらは好ましくは、錠剤と同じ方法で製造(純ラクトースを形成)され、投薬される。例えば、固体RNAを1/9の比でラクトースと共に(1グラムのRNA+9グラムのラクトース)粉砕して(すなわちすり砕いて)、1x固体を製造することができる。このプロセスは、所望の希釈が達成されるまで繰り返される(1グラムの材料プラス9グラムのラクトース)。
【0068】
ホメオパシー組成物のためには、賦形剤は任意の数の担体、好ましくはホメオパシー担体、例えばホメオパシー組成物の効力を増加させるかまたは生理学的状態に関連した症状の緩和を助けることができるホメオパシー剤を含むことができる。例えば、RNA1重量部を液体に溶かして、1xとラベルされる10体積の液体希釈物を製造することができる。低希釈を製造するためには、1mlの1x希釈物を9mlの希釈剤と共に使用して(完全に混合して)2xを製造する。所望の希釈が達成されるまで、このプロセスを繰り返す。ホメオパシー担体溶液、例えば米国特許第5,603,915号に記載された溶液を、ホメオパシー剤の効力を増すために使用することができる。この担体溶液は、交互の電流電気処理および直接の電流電気処理に逐次的に供され、その後、さらなる成分、例えば海水、脳ホルモンおよび生物学的に活性な酵素が添加される。ホメオパシー的に活性な物質の添加と一緒の、担体の電気処理は、ホメオパシー組成物の効力を増すために使用することができる。あるいは、電磁担体、例えば米国特許第5,830,140号に記載されている担体を使用することができる。
【0069】
治療の方法
本発明は、治療上有効な量でオリゴヌクレオチドを患者に投与することを含む、疾患を治療する方法を包含する。本明細書において使用されるように、「治療上有効な」量という語は、非毒性であり、所望の生理学的効果を提供するのに必要な最低量である薬理学的組成物の量をいうことを意味する。好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチド組成物は、体重1kg当たり100μg以下の濃度で投与される。また好ましくは、濃度は体重1kg当たり10μg以下であり、なお好ましくは、濃度は体重1kg当たり1μg以下であり、なおさらに好ましくは濃度は体重1kg当たり0.1μg以下である。さらに、ホメオパシー用途のためには、本発明のオリゴヌクレオチド組成物は、任意のホメオパシー薬と合わせることができ、なお治療効果を引き出すことができる。
【0070】
好ましくは、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの本発明に従う修飾を含む。好ましい修飾は、少なくとも約3〜8個の連続するアキラルなヌクレオシド間ホスフェート結合のオリゴヌクレオチド主鎖への組み込みである。さらに好ましくは、オリゴヌクレオチドは、少なくとも9〜10個の連続するアキラルなヌクレオシド間ホスフェート結合を組み込み、さらに好ましくは11〜12個のアキラルなヌクレオシド間ホスフェート結合を組み込み、最も好ましくは全オリゴヌクレオチドが、アキラルなヌクレオシド間ホスフェート結合を含む。また好ましくは、オリゴヌクレオチドは、3’末端遮断されており、配列番号1-81から選択されるヌクレオチド配列に80%以上一致する少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含む。また好ましくは、オリゴヌクレオチドは、配列番号1-81からなる群より選択されるヌクレオチド配列に少なくとも85%一致する。なお好ましくは、オリゴヌクレオチドは少なくとも90%一致し、さらに好ましくは少なくとも95%一致する。最も好ましくは、オリゴヌクレオチドは、配列番号1-81からの配列を含む。
【0071】
本発明の方法は、限定されることはないが、先端異常感覚、アレルギー(疥癬)状態、アレルギー反応、脱毛症、健忘症、冷感症、アンギナ、関節炎、眼精疲労、胆管毛瘡、火傷、癌状態、例えば結腸癌、悪性黒色腫および悪性鼻ポリープ、手根管症候群、感冒、結膜炎、クローン病、うつ病、大気分障害、甲状腺不全、てんかん、勃起機能不全、過剰食欲(すなわち、食欲制御および抑制、自然に食欲を満たしながらの健康的な体重損失の促進)、歯肉炎、胸やけ(すなわち、時折の胸やけまたは時折の酸消化不良の軽減)、出血、高血圧(すなわち、心臓血管機能ならびに、健康な心臓および循環系の維持を助ける)、高コレステロール(すなわち、正常範囲内にすでにあるコレステロール濃度を維持するのを助ける)、甲状腺機能亢進、感染、炎症性疾患、精神力の欠如、喉頭炎、白血球減少症、肝障害、精神病(すなわち、ストレス、フラストレーション、筋肉の緊張、不安および時折の単純な神経性緊張を減らし;ストレス耐性を高める)、近視、神経症、神経学的疾患、例えば多発性硬化症およびALS、肥満、痛み(すなわち、軽いまたは一時的なうずきおよび痛みの軽減)、膵臓障害、うるしかぶれ、早期老化、月経前症候群(すなわち、月経サイクルに関連する一般的症状、例えば浮腫、胸の圧痛、頭痛、皮膚の問題、下腹痛および穏やかな気分変化の治療)、前立腺炎、乾癬、酒さ、脂漏症、副鼻腔炎および外傷を含む疾患を治療するために使用することができる。
【0072】
表2は、種々の症状および状態の治療のために治療薬において好ましく使用される、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの組合せを挙げる。表2においては、オリゴヌクレオチドの組合せの使用は、「/」によって示され(例えば、「A/B/C」はオリゴヌクレオチドA、BおよびCの組合せの使用を示す)、ここで、2つ以上の異なる組合せが好ましく、それぞれのそのような組合せは、別々の線で示される。オリゴヌクレオチドは通常、1:1:1の比で使用されるが、これは変わり得る。例えば、4x、5xおよび6xの溶液の組合せを使用することができ、これは1:1:1から逸脱する。
【表2】

【0073】
本発明の組成物は、「栄養的に有効な」または「逆症療法的に有効な」または「ホメオパシー的に有効な」量の1種以上の核酸分子を含むように処方される。本明細書において使用されるように、「栄養的に有効な」量という語は、非毒性であり、所望の生理学的効果を維持するのに必要な最小量より多い、オリゴヌクレオチド組成物の量をいうことを意味する。本明細書において使用されるように、「逆症療法的に有効な」量という語は、非毒性であり、所望の生理学的効果を生じるのに必要な最小量より多い、オリゴヌクレオチド組成物の量をいうことを意味する。
【0074】
本明細書において使用されるように、「ホメオパシー的に有効な」量という語は、非毒性であり、所望の生理学的効果を提供するのに必要な最低量である、オリゴヌクレオチド組成物の量をいうことを意味する。本発明に従うホメオパシー効果は、特定の状態または疾患の症状を治療する(すなわち緩和、改善または防止する)のに有効である、修飾核酸の投与量によって達成される。そのような治療は、自然に予防的であることができ(すなわち、完全にまたは部分的に症状の将来の発生を予防する)、および/または自然に治療的であることができる(すなわち、症状の一部もしくは全部の停止または改善を提供する)。本発明の治療方法は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の症状の任意の治療を包含し、以下のことを含む:
(a) 病気に罹患しやすいがまだ罹患していると診断されていない対象において疾患の症状が発生するのを防止すること;
(b) 疾患の症状を抑制すること(すなわち、その展開を阻止すること);または
(c) 疾患の症状を緩和すること(すなわち、病気の改善および/もしくは病気の退縮を引き起こすこと);ならびに/または
(d) ホメオスタシス(すなわち、対象におけるRNAもしくはDNAの正常なバランス)を維持すること。
【0075】
当業者は、医療従業者または患者の観点から、望ましくない症状の実質的にどのような緩和または抑制も望ましいことを認識するであろう。ホメオパシー組成物は典型的には、逆症療法組成物において使用されるより実質的に少ない核酸を使用する。本発明に従い使用されるべき典型的な投与量は、以下の表3に記載されている。
【表3】

【0076】
疾患の治療処置に使用されるときには、1種以上の本発明の治療組成物の好適な投与量は、任意の幾つかのよく確立された方法によって、決定することができる。その上、投与量はまた、感染のひどさおよび宿主の大きさまたは種のような要因に依存して変わり得る。
【0077】
好ましくは、特定の動物に好適な配列を有する核酸分子を含む組成を有する剤を有する本発明の組成物を用いて、動物は治療される。標的とされる種としては、限定されることはないが、鳥、魚および哺乳動物(特に、豚、ヤギ、羊、牛、犬、馬、猫および、最も好ましくはヒト)が含まれる。
【0078】
ここで一般的に本発明を説明してきたが、実例によって提供される以下の実施例を参照することによって本発明はさらに容易に理解されるであろう。実施例は、指定されるのでなければ、本発明を限定することを意図されない。本発明の好ましい実施態様に従うRNAオリゴヌクレオチド組成物の有効性は、以下の実施例において証明される。
【実施例1】
【0079】
癌を有する個体に、シクロ-オキシゲナーゼ2およびNFκBp65に相補的なオリゴヌクレオチドを含む組成物が、3〜30A260/RNA/ml(1.0〜10μg/kg)の濃度で局所投与された。数個体は、リポキシゲナーゼ5に相補的なオリゴヌクレオチドをさらに投与された。治療の約1〜2ヵ月後、組成物の効果を、試験を終了した個体について評価した(表4参照)。治療の効力は各患者によって評価され、治療をしている医師によって確かめられた。1〜10の定められたスコアを使用して、1〜2ヵ月にわたって治療の効力を評価した。ここで、スコア=10は改善のなかったことを示し、スコア=1は症状の完全な緩和を示した。
【実施例2】
【0080】
過剰食欲を有する個体に、トリペプチジル遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。RNAオリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.3〜3.0 A260/RNA/mlであり、投与量(1日2回0.5mlの0.1〜1.0μg/kg)で与えられた。次に組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表5参照)。治療の効力は各患者によって評価され、治療をしている医師によって確かめられた。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は貪欲な食欲を示し、スコア=1は空腹がなく、体重を減らす能力を示した。
【実施例3】
【0081】
関節炎と診断された個体に、ホスホジエステラーゼ4およびNFκBp65に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。数人は追加的に、他の遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドをさらに含む組成物を与えられた。RNAオリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.3〜300 A260/RNA/mlの範囲にあり、1日2回0.5mlの投与量(0.1〜100μg/kg)で与えられた。次に組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表6参照)。治療の効力は各患者によって評価され、治療をしている医師によって確かめられた。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は痛みのある関節を自由に動かすことができないこと、限られた運動、痛みおよび炎症により特徴づけられるひどい関節炎を示し、スコア=1は炎症の減少、運動の回復、および痛みがないことを示した。
【実施例4】
【0082】
血圧が上昇した個体に、CEおよび/または中性エンドペプチダーゼ遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。数人の個体は追加的に、他の遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを有する組成物を与えられた。濃度は、典型的には3.0〜30 A260/RNA/mlであり、1日2回0.5mlの投与量(1.0〜10μg/kg)で与えられた。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表7参照)。治療の効力は、血圧変化を測定することによって決定され、160/89より下の血圧の減少は、成功裏の治療と査定された。というのは、このレベルより上の血圧は、卒中、心臓疾患および腎臓の機能不全と関連していたからである。
【実施例5】
【0083】
コレステロールが上昇した個体に、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイムAレダクターゼ遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。数人の個体にはまた、他の遺伝子、例えばホスホジエステラーゼ4およびホスホジエステラーゼ5に相補的なRNAオリゴヌクレオチドをさらに含むオリゴヌクレオチド組成物が与えられた。RNAオリゴヌクレオチド濃度は、典型的には3.0〜30 A260/RNA/mlであり、1日2回0.5mlの投与量(1.0〜10μg/kg)で与えられた。血清コレステロールへの組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表8参照)。治療の効力は、血清コレステロールの変化を測定することによって決定され、1ポイントの低下は心臓疾患の可能性の2%減少に対応し、25ポイントの低下は心臓疾患の可能性の50%減少に対応した。
【0084】
さらに、コレステロール濃度への、8個以上の連続するアキラルなヌクレオシド間ホスフェート結合を有するRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物の効果がまた査定された。典型的な個体において、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイムAレダクターゼ、ホスホジエステラーゼ4およびホスホジエステラーゼ5に相補的なアキラルなRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、1日2回0.5mlの投与量で3.0 A260/RNA/mlの濃度で、組合せて経口的に与えられた。アキラルなRNAオリゴヌクレオチドは、血清コレステロールに46mg/dLの減少を生じさせた。アキラルな2’メトキシ-RNA補助品は、血清コレステロール濃度に31mg/dLの減少を生じた。
【実施例6】
【0085】
感情障害を有する個体に、ホスホジエステラーゼ4およびホスホジエステラーゼ5遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。RNAオリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.3〜3.0 A260/RNA/mlであり、1日2〜6回0.5mlの投与量(0.1〜1.0μg/kg)で与えられた。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表9参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は自殺傾向を有する鬱がひどい患者を示し、スコア=1は感情的に安定した患者を示した。
【実施例7】
【0086】
種々の胃腸障害を有する個体に、ホスホジエステラーゼ4および/またはシクロオキシゲナーゼ2遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばホスホジエステラーゼ5およびNFκBp65に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを追加的に含む組成物を与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.3〜3.0 A260/RNA/mlであり、1日2回0.5mlの投与量(0.1〜1.0μg/kg)で与えられた。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表10参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は正常より上の腸運動の頻度を有し、大便中に血液が存在する患者を示し、スコア=1は腸運動の正常な頻度を有し、大便中に血液のない患者を示した。
【実施例8】
【0087】
種々のタイプの炎症を有する個体に、ホスホジエステラーゼ4またはインターロイキン5遺伝子に相補的なオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、(指示されたように)経口または局所投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばシクロオキシゲナーゼ2およびNFκBp65に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを追加的に含む組成物を与えられた。RNAオリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.03〜300 A260/RNA/mlであり、1日2回0.5mlの投与量(0.01〜100μg/kg)で与えられた。次に組成物の効果が評価された(表11参照)。1〜10の定められたスコアを使用して、治療の約1〜2ヵ月後に治療の効力を評価し、ここで、スコア=10はひどい痛みを伴う消耗性の炎症の存在を示し、スコア=1は炎症および痛みの不在を示した。
【実施例9】
【0088】
片頭痛を有する個体に、ホスホジエステラーゼ4、ホスホジエステラーゼ5、シクロオキシゲナーゼ2および3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイムAレダクターゼ遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には3.0〜30 A260/RNA/mlで、1日2〜4回0.5mlの投与量(1.0〜10μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表12参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、吐き気および光に対する敏感性を伴う、顔の痛みを含むひどい消耗性の頭痛の痛みを示し、スコア=1はこれらの状態の不在を示した。
【実施例10】
【0089】
種々の神経障害を有する個体に、ホスホジエステラーゼ4、シクロオキシゲナーゼ2およびp65遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばリポキシゲナーゼ5に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物が与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には3.0〜30 A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(1〜10μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表13参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、示された神経障害(すなわち、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病)の消耗性形態を有する患者を示し、スコア=1は、示された神経障害に関連する症状がないかまたは穏やかな症状を有する患者を示した。
【実施例11】
【0090】
種々のタイプの痛みに苦しむ個体に、ホスホジエステラーゼ4および/またはシクロオキシゲナーゼ2に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばホスホジエステラーゼ5およびp65に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物が与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.3〜3.0 A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(0.1〜10μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表14参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、指定鎮痛薬での治療を必要とするひどい痛みを有する患者を示し、スコア=1は痛みのない患者を示す。
【実施例12】
【0091】
月経前症候群の診断をされた女性個体に、ホスホジエステラーゼ4遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばホスホジエステラーゼ5およびシクロオキシゲナーゼ2に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物が与えられた。RNAオリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.03〜3.0 A260/RNA/mlで、1日2〜4回0.5mlの投与量(0.01〜1.0μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表15参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、下腹痛、鼓張、過敏性、吐き気および嘔吐を有する患者を示し、スコア=1はこれらの状態のない患者を示した。
【実施例13】
【0092】
前立腺炎を診断された男性個体に、ステロイド5-α-レダクターゼ-2遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、経口投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばホスホジエステラーゼ4およびp65に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物が与えられた(Super 8+組成物=Asm, X2, D5, P65, cd-18, IL-5, LO5,およびICAM)。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には3.0 A260/RNA/mlで、1日2〜4回0.5mlの投与量(1.0μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表16参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、1晩に3〜5回排尿する差し迫った必要のある患者を示し、スコア=1は、排尿せずに一晩中眠った患者を示した。
【実施例14】
【0093】
感冒および副鼻腔炎の症状を患っている個体に、ホスホジエステラーゼ4およびDNAモノマーNu3に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、(鼻腔内)投与された。数人の個体は、他の遺伝子標的、例えばシクロオキシゲナーゼ2およびNFκBp65に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物を与えられた。RNAおよびDNA濃度は、典型的には0.3〜30 A260/RNA/mlであった(0.1〜10μg/kg)。治療の効力は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表17参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、くしゃみ、鼻詰まりの鼻および涙目(water eye)の患者を示し、スコア=1はこれらの状態のない患者を示した。
【実施例15】
【0094】
種々のタイプの外傷を有する個体に、ホスホジエステラーゼ4に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、経口もしくは局所的に(指示されたように)投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばシクロオキシゲナーゼ2およびNFκBp65に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物を与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、0.3〜3.0 A260/RNA/mlの範囲にあり、1日2〜4回0.5mlの投与量(0.1〜1.0μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表18参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、示された外傷に関連するひどい炎症および痛みのある患者を示し、スコア=1は炎症または痛みのない患者を示した。
【実施例16】
【0095】
手根管症候群を診断された個体に、ホスホジエステラーゼ4遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が経口投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばシクロオキシゲナーゼ2、NFκBp65および他の遺伝子標的に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物を与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.03〜300 A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(0.01〜100μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表19参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、手根に痛み、ヒリヒリ感および麻痺があり、手根装具(wrist brace)の使用を必要とする患者を示し、スコア=1は、これらの状態がなく、手根装具の補助を必要としなかった患者を示した。
【実施例17】
【0096】
慢性疲労症候群または線維筋痛を診断された個体に、ホスホジエステラーゼ4遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が経口投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばシクロオキシゲナーゼ2およびp65に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物を与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には3.0〜30 A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(1.0〜10μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表20参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、軽いうずきおよび痛みを伴った、慢性的に極度の疲労を訴えた患者を示し、スコア=1はそのような症状を訴えなかった患者を示した。
【実施例18】
【0097】
湿疹およびアトピー性皮膚炎を患っている個体に、ホスホジエステラーゼ4遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が、経口もしくは局所的に(指示されたように)投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばシクロオキシゲナーゼ2およびp65および他の遺伝子標的に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物を与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.3〜3.0 A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(0.1〜1.0μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表21参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、かゆい炎症のある皮膚および軽い出血のある患者を示し、スコア=1は正常な皮膚を有する患者を示した。
【実施例19】
【0098】
勃起機能不全を患っている男性個体に、ホスホジエステラーゼ4遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物が経口投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばホスホジエステラーゼ5に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物を与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には3.0〜3.0 A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(1.0〜10μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表22参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、勃起を得ることができないかまたは維持することができなかった患者を示し、スコア=1は勃起を得、かつ維持できた患者を示した。
【実施例20】
【0099】
酸逆流を患っている個体に、ATP4A遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物が経口投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばATP4Bに相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物を与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には3.0〜30 A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(1.0〜10μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表23参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、過剰量の制酸薬での治療を必要とする胸やけを有する患者を示し、スコア=1は胸やけのない患者を示した。
【実施例21】
【0100】
うるしかぶれを患っている個体に、ホスホジエステラーゼ4遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物が、経口もしくは局所的に(指示されたように)投与された。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.3〜300A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(0.1〜100μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表24参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、皮膚の分泌物および目を開けることを制限する二次的な炎症を有して、体全体の95%までを覆ううるしかぶれを有する患者を示し、スコア=1はこれらの症状のない患者を示した。
【実施例22】
【0101】
乾癬を有する個体に、ホスホジエステラーゼ4遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物が、経口もしくは局所投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばホスホジエステラーゼ5およびp65に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物を与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.3〜300 A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(0.1〜100μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表25参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、皮膚の分泌物および出血のある、皮膚の厚い銀色の鱗状斑点を有する患者を示し、スコア=1は正常な皮膚を有する患者を示した。
【実施例23】
【0102】
酒さを有する10人の個体に、ホスホジエステラーゼ4遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物が、経口もしくは局所投与された。数人の個体は、他の遺伝子、例えばシクロオキシゲナーゼ2およびp65に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物を与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.3〜300 A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(0.1〜100μg/kg)で服用された。組成物の効果は、治療の約1〜2ヵ月後に評価された(表26参照)。1〜10の定められたスコアを使用して治療の効力を評価し、ここで、スコア=10は、丘疹(例えばアクネ)を有する赤い炎症のある顔面皮膚を有する患者を示し、スコア=1は正常な皮膚の患者を示した。
【表4】

【表5】

【表6】

【0103】

【表7】

【表8】

【表9】

【0104】

【0105】

【表10】

【表11】

【0106】

【0107】

【表12】

【表13】

【表14】

【0108】

【表15】

【表16】

【表17】

【0109】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【0110】

【表24】

【表25】

【表26】

【0111】

【表27】

【実施例24】
【0112】
動物の研究のために、異なる徴候を有する動物に、ホスホジエステラーゼ4、ホスホジエステラーゼ5遺伝子または図24に示された遺伝子に相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド組成物が提供された。数匹の動物は、他の遺伝子、例えばシクロオキシゲナーゼ2およびp65に相補的な追加のRNAオリゴヌクレオチドを含む組成物を追加的に与えられた。オリゴヌクレオチド濃度は、典型的には0.3〜300 A260/RNA/mlであり、1日2〜4回0.5mlの投与量(0.1〜100μg/kg)で摂取された。次に組成物の効果が評価された(表27参照)。治療の効力は、付き添った獣医師によって評価された。
【表28】

【実施例25】
【0113】
以下は、オリゴヌクレオチドの設計のために公知の遺伝子配列から核酸配列を選択するための方法である。好ましい選択は、開始部位に隣接するかまたは重複する配列、次いで5’非翻訳領域にある配列、次いで終結シグナルにすぐ隣接するかまたは重複している配列である。この方法は非常に有効であり、アキラルなRNAと合わせたときに、堅実に治療効力を示すオリゴヌクレオチドを生じる。
【0114】
例えば、アキラルなRNAオリゴヌクレオチド(長さ10-30塩基)またはアキラルな2’-メトキシオリゴヌクレオチド(長さ10-30塩基)またはアキラルな2’-メトキシオリゴヌクレオチド(長さ10-30塩基)であって、
(a)5’UTRに位置して3’または3’&5’の酸安定な末端遮断を有するもの、または
(b)開始部位にすぐ隣接するか、またはより好ましくは開始部位の3個の塩基の少なくとも1個重複していて、開始部位の5’または3’を伸長するもの、または
(c)終結シグナルにすぐ隣接するか、または終結シグナルの3個の塩基の少なくとも1個重複していて、終結部位の5’または3’を伸長するものであって、長さが10〜30個の連続する塩基であり、RNAまたはDNAに相補的であり、かつ以下の結合の特徴を有するもの:
(d)37℃での相補的RNA鎖を結合するオリゴヌクレオチドのΔG
(i)10〜14merについては、(G37°)≦-15KCal以下(負が大きい=より安定)、
(ii)15〜17 merについては、(G37°)≦-20KCal以下(負が大きい=より安定)、
(iii)18〜20 merについては、(G37°)≦-25KCal以下(負が大きい=より安定)、
(iv)21〜23 merについては、(G37°)≦-30KCal以下(負が大きい=より安定)、
(v)24〜30 merについては、(G37°)≦-35KCal以下(負が大きい=より安定)、
(e) オリゴヌクレオチドが想定し得る任意のヘアピン構造のΔGは≧-3.0、
(f)形成することができる任意のヘアピンのTmは、標的RNAまたはDNAに結合しているオリゴヌクレオチドのTmより少なくとも10℃低い、
(g) 標的RNAに結合しているオリゴヌクレオチドの溶融温度は、1.0Mの塩でパーセントGC法により45℃である。
【0115】
組成物パラメータのために、使用されるべきオリゴヌクレオチドのパーセントG+Cは>35パーセントであり、各特異的RNAは、RNA当たり100μg/kgを超えない、またはより好ましくは10μg/kgを超えない、またはより好ましくは1μg/kgを超えない、またはなおさらに好ましくは1<μg/kgの投与量で濃度(1.0g/100ml)以下であるように投与される。次に、ヒトの配列の全GenBankリストに対してBLAST検索を行なうことによって、他の公知の遺伝子における同じ領域と重複しないことが確かであるように、配列はスクリーニングされる。
【0116】
本発明の修飾オリゴヌクレオチドによるin vivoでの遺伝子発現の選択的阻害に寄与する要因は、溶融温度へのキラリティの影響を含む。アキラルな結合を有する2’-O-メチル修飾したRNAオリゴヌクレオチドは、通常の未修飾の核酸に非常に似ている主鎖結合に似ている。典型的には、ホスホロアミダイトに基づくホスホロチオエートの合成を用いて合成されたオリゴヌクレオチドは、各修飾ホスホロチオエート結合に存在する混合異性体を生じる。これらの混合異性体の存在の測定可能な結果は、同じ二本鎖における未修飾のオリゴヌクレオチドと比べたときに、プライマー標的二本鎖におけるホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの溶融温度の低下である。2’-O-メチルRNAオリゴヌクレオチドの溶融温度はしかしながら、未修飾のオリゴヌクレオチドに対して実質的に低下しない。かくして、2’-O-メチルRNAオリゴヌクレオチドについての溶融温度は、未修飾のRNAについての溶融温度とよく似ている。というのは、2’-O-メチル基の存在は異性体の発生という結果を生じさせないからである。
【0117】
種々の特定の物質、手順および例に言及することによって本明細書において本発明を記載し、説明してきたが、本発明は、その目的のために選択された物質の特定の組合せおよび手順に限定されないことが理解される。当業者に認識されるように、そのような詳細の多くの変更を包含することができる。明細書および実施例は具体例としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および意図は、特許請求の範囲によって示されることが意図される。本願において言及された全ての参考文献、特許および特許出願は、引用することにより、その全てが本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アキラルな5’から3’へのヌクレオチド間ホスフェート結合によって結合された7個以上の連続するリボース基を含む10〜75個のヌクレオチドの第1及び第2の修飾オリゴヌクレオチドを含有する、哺乳動物に投与するための医薬組成物であって、(a)該オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのリボース基が修飾された2’置換基を有し、(b)該修飾オリゴヌクレオチドの5’および3’末端が遮断されており、(c)第1の修飾オリゴヌクレオチドがホスホジエステラーゼ4遺伝子の領域に相補的であり、第2の修飾オリゴヌクレオチドがシクロオキシゲナーゼ2遺伝子の領域に相補的であり、(d)各修飾オリゴヌクレオチドが、投与されたときに各遺伝子の発現を減じるのに有効な濃度で該組成物中に存在する、上記組成物。
【請求項2】
アキラルな5’から3’へのヌクレオチド間ホスフェート結合によって結合された7個以上の連続するリボース基を含む10〜75個のヌクレオチドの第3の修飾オリゴヌクレオチドをさらに含み、該オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのリボース基が修飾された2’置換基を有し、該修飾オリゴヌクレオチドの5’および3’末端が遮断されており、該修飾オリゴヌクレオチドがNFκB遺伝子の領域に相補的であり、該修飾オリゴヌクレオチドが、投与されたときにNFκB遺伝子の発現を減じるのに有効な濃度で該組成物中に存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
哺乳動物がヒトである、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
各オリゴヌクレオチドがリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドである、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項5】
各修飾オリゴヌクレオチドが、5’UTR領域、翻訳開始部位、3’UTRおよび翻訳終結部位からなる群より選択される遺伝子の領域に相補的である、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項6】
第1の修飾オリゴヌクレオチドが、CGTGTCAGGAGAAC(配列番号1)のヌクレオチド配列を含み、及び/又は第2の修飾オリゴヌクレオチドが、TCTACAGTTCAGTCGA(配列番号6)のヌクレオチド配列を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
第3の修飾オリゴヌクレオチドが、GAACAGTTCGTCCATG(配列番号10)のヌクレオチド配列を含む、請求項2記載の組成物。
【請求項8】
修飾オリゴヌクレオチドが経口投与されるものである、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項9】
2’置換基が、メトキシ、プロポキシ、メトキシ-エトキシ、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群より選択される、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項10】
医薬組成物、栄養補助組成物、食事補助組成物または化粧組成物である、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項11】
病理学的障害の治療に使用するための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
痛みの治療に使用するための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
痛みを治療するための医薬の製造における、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項14】
関節炎、炎症、外傷、手根管症候群、胃腸障害、神経学的疾患および痛みからなる群より選択される病理学的障害の治療に使用するための、請求項2〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
関節炎、炎症、外傷、手根管症候群、胃腸障害、神経学的疾患および痛みからなる群より選択される病理学的障害を治療するための医薬の製造における、請求項2〜10のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【公開番号】特開2010−229143(P2010−229143A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125456(P2010−125456)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【分割の表示】特願2003−512248(P2003−512248)の分割
【原出願日】平成14年7月10日(2002.7.10)
【出願人】(510104632)レイクウッド−アメディックス,インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】