説明

オリゴフラン類、ポリフラン類、それらの作製および使用

本発明は、オリゴフラン類、ポリフラン類、それらの作製および使用に関する。一実施形態では、本発明のオリゴフランは蛍光性である。別の実施形態では、本発明は、本発明のオリゴフランを含む蛍光マーカーを提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明のオリゴフランを含む電界効果トランジスター装置を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明のオリゴフラン含む発光トランジスタデバイスを提供する。また、本発明は、化学構造式III(n+2m)のオリゴフランを作製するための方法であって、化学構造式I(n)で表される化合物を化学構造式II(m)で表される2−(トリブチルスズ)−オリゴフランと反応させて化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランを生成する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリゴフラン類、ポリフラン類、それらの作製および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
長いπ−接合による有機分子は、先進材料として、および太陽電池、有機発光ダイオード(OLED)、有機電界効果トランジスター(OFETs)、有機発光トランジスター(OLETs)、バッテリー、電子発光材料あるいはセンサに使用するナノスケール装置の素材として多くの注目を集めた。安定性、良質固形状パッキング、加工性、硬度/平面性、高蛍光および半導体領域(それは、また、可視域で吸収/放出という結果に導く)のHOMO−LUMO隙間は、有用な先進の有機電子材料が有機電子微小工学の機能材料として適用される主要な要件の一つである。これらの材料が、いろいろな工業的応用(例えば、静電防止塗装、染料または顔料)のためにも使われる。
【0003】
共役鎖とこれらのポリマーの電気的光学特性は、ヘテロ原子の電気陰性度によって影響される。
【0004】
電気化学的手段によってポリフランを合成することは、ポリマーの不可逆的酸化に繋がる電子重合(1.8〜2.5V)を生み出す電解重合を必要とする。テルフラン(terfuran)を用いる電子重合プロセスは、フランと比較してその低級酸化電位のためにより穏やかな重合をもたらす。
【0005】
酸素あるいはNi触媒、塩化第二鉄、フェリシアン化カリウムを用いるいくつかの酸化剤を用いたフランの化学重合によって、低い共役長を生み出す低質のポリマーのみが出来る。使用された別の酸化剤は、底質のポリマーをも生じるピリジニウム塩化クロム(PCC)である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、高品質で安定したオリゴフラン類およびポリフラン類を提供することが本出願の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、本発明は、化学構造式IVで表されるオリゴフランを提供する。
【0008】
【化1】

【0009】
式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−ヘテロシクロアルキル、(C〜C18アルキル)−アリール、(C〜C18アルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、NO、ハロゲン、CO−(C〜C18アルキル)、O−(C〜C18アルキル)、S−(C〜C18アルキル)、NH(C〜C18アルキル)、NHC(O)(C〜C18アルキル)もしくはN[(C〜C18アルキル)][C(O)(C〜C18アルキル)]、ハロ−(C〜C18アルキル)、ヒドロキシル−(C〜C18アルキル)、アミノ−(C〜C18アルキル)、フェニル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。上記のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはテロアリール基は、ハロゲン化合物、[C〜Cアルキル]、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。また、RおよびRが互いに結合して、0〜3個の二重結合およびO、N、SeまたはSから選択される0〜3個のヘテロ原子を含む4〜8の員環を形成することができる。前記4〜8の員環は、C〜C18−アルキル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、ジアルキルアミン、NHC(O)(C〜Cアルキル))またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。上記の(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−シクロアルキルまたは(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール基のアリール、シクロアルキルまたはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、C〜Cアルキル、CN、CO2H、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、N(R)(R)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。mは1〜50の間の整数であり、nは1〜50の間の整数である。RおよびRが水素である場合は、[n+2m]は3または4ではない。
【0010】
一実施形態では、本発明は、化学構造式III(n+2m)のオリゴフランを作製するための方法であって、化学構造式I(n)で表される化合物を化学構造式II(m)で表される2−(トリブチルスズ)−オリゴフランと反応させて化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランを生成する方法を提供する。
【0011】
【化2】

【0012】
【化3】

【0013】
【化6】

【0014】
式中、XはBrまたはIであり、nは1〜20の間の整数であり、mは1〜20の間の整数である。
【0015】
一実施形態では、本発明は、上述した方法によって作製された、式III(n+2m)の構造式で表されるオリゴフランを提供する。
【0016】
一実施形態では、本発明は、化学構造式XIIIで表されるオリゴフランを提供する。
【0017】
【化4】

【0018】
式中、R、R´、R´´、R、R´、R´´、R3およびR4は、互いに独立して、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−ヘテロシクロアルキル、(C〜C18アルキル)−アリール、(C〜C18アルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、NO、ハロゲン、CO−(C〜C18アルキル)、O−(C〜C18アルキル)、S−(C〜C18アルキル)、NH(C〜C18アルキル)、NHC(O)(C〜C18アルキル)もしくはN[(C〜C18アルキル)][C(O)(C〜C18アルキル)]、ハロ−(C〜C18アルキル)、ヒドロキシル−(C〜C18アルキル)、アミノ−(C〜C18アルキル)、フェニル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。上記のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、[C〜Cアルキル]、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。また、RおよびR、R´およびR´、あるいはR´´およびR´´が互いに結合して、0〜3個の二重結合およびO、N、SeまたはSから選択される0〜3個のヘテロ原子を含む4〜8の員環を形成することができる。前記4〜8の員環は、C〜C18−アルキル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、ジアルキルアミン、(NHC(O)(C〜Cアルキル))またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。上記の(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−シクロアルキルまたは(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール基の前記アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、C〜Cアルキル、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、N(R)(R)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。mは1〜50の間の整数であり、m´は0〜50の間の整数であり、nは1〜50の間の整数である。R、R´、R´´、R、R´およびR´´が水素である場合は、[n+m+m´]は3または4ではない。
【0019】
一実施形態では、本発明のオリゴフランは蛍光性である。
【0020】
一実施形態では、本発明は本発明のオリゴフランを含む蛍光マーカーを提供する。一実施形態では、本発明は本発明のオリゴフランを含む電界効果トランジスター装置を提供する。一実施形態では、本発明は本発明のオリゴフラン含む発光トランジスタデバイスを提供する。
【0021】
発明と見なされる主題は、明細書の結論部に特に指摘してあり、明確に請求されている。しかしながら、手術の組織化と方法、同様にそれらの対象、特徴と利点に関して、発明内に添付された図面と共に読む時に、以下の詳細な説明を参照することによって、最も理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のオリゴフランを作製する合成スキームを示す図である。
【図2】本発明の(a)炭酸プロピレン(PC)内のオリゴフラン5F―8F―のサイクリックボルタンメトリー(CV)および0.1Mのテトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフルオロホウ酸塩(TBABF4)、走査速度:50mV/秒;(b)これらの条件下で、0.1MのTBABFを有する1,2−ジクロロエタン内の6Fの反復CVスキャン、走査速度100mV/s、Fc/Fc=0.34V対SCE、(c)これらの条件下で、1,2−ジクロロエタン内のPt電極の6F上のマルチスイープ電子重合、走査速度、50mVs−1、0.1MのTBABF4、参照電極Ag/AgCl、Fc/Fc=0.34V対SCE、SCEの、を示す図である。
【図3】本発明の、N、比率:5℃/分の下、オリゴフランの熱重量分析(TGA)(a)5F―8Fおよび(b)9F、を示す図である。
【図4】本発明の、N、比率:10℃/分の下、オリゴフランの5F―8F示差走査熱量測定(DSC)を示す図である。
【図5】本発明の、α−テルフラン(terfuran)(3F)のクリスタルパッキング、および水素原子が、鮮明度のために放出されているのを示す図である。
【図6】本発明の、α−テルフラン(terfuran)(4F)のクリスタルパッキング、および水素原子が、鮮明度のために放出されることをを示す図である。
【図7】本発明の、α−テルフラン(terfuran)(6F)のクリスタルパッキングを示す図である。
【図8】本発明のUV/VISとオリゴフラン5F−9Fの蛍光範囲(即ち、5Fは、α−ペンタフランを指す;6Fは、α−セキシフラン(sexifuran);7Fは、α−ヘパフラン(hepafuran);8Fは、α−ナノフランnO、Nafuran;9Fは、α−オクタフランをそれぞれ示す図である。(A)ジオキサンの吸光度;(B)ジオキサンの5F−6Fの蛍光、(C)固形状態(粉末)および溶液(ジオキサン)の6Fの蛍光スペクトルをそれぞれ示す図である。
【図9】オリゴフラン6FおよびDH−6Fの合成スキームを示す図である。
【図10】本発明の、N、比率:5℃/分の下、オリゴフラン6FとDH−6Fの示差走査熱量測定(DSC)を示す図である。
【図11】本発明の、N、比率:5℃/分の下、オリゴフラン6F、8FとDH−6Fの熱重量分析(TGA)を示す図である。
【図12】本発明の、6F、DM−6F(ジメチルセキシフラン)およびDH−6F(ジヘキシルセキシフラン)の蛍光スペクトルを示す図である。
【図13】本発明の、Si/SiOに関する、(a)堆積時間20秒後のDH−6F (サブMLレジーム)、(b)堆積時間120秒後のDH−6F(3層厚)、(c)堆積時間20秒および(d)60秒後のDH−8F、(e)堆積時間20秒および(d)60秒後のDH−6F、のAFMイメージと断面図を示す図である。
【図14】本発明の、(a)DH−6F、(b)6Fおよび(c)8Fの真空蒸着膜のXRDパターンを示す図である。
【図15】本発明の、オリゴフランの微分パルスボルタモグラフ(DPV)を示す図である。条件:これらの条件の下、走査速度、20mVs−1、PC参照電極Ag/AgClの0.1MのTBABF4、Fc/Fc+=0.34V対SCE。
【図16】本発明の、6Fと6Tの螺旋ネジリのために必要な計算された(B3LYP/6−31G(d))相対エネルギー対ねじり角度を示す図である。
【図17】本発明の、DPFB−6FおよびDPFB−2Fのオリゴフランまでの合成経路を示す図である。
【図18】本発明の、ジオキサンでDPFB−6Fの吸収および蛍光スペクトルを示す図である。
【図19】本発明の、長いβ−アルキル−オリゴフランまでの合成経路を示す図である。
【図20】本発明の、長いβ−アルキル−オリゴフランまでの合成経路を示す図である。
【図21】本発明の、アセトニトリル内の付加電位の関数としての3´´−オクチル−5Fの分光電気化学(電解液:TBA−CF3SO3のは、0.1M、作用電極:ガラス上のITO、対極:Ptディスク、参照電極Ag/AgCl)を示す図である。
【0023】
説明の単純にまた明確にするために、図に示される素子が一定の比率で必ずしも描かれたわけではないと理解されたい。例えば、素子のいくつかの次元は、明確さのために他の素子と比較して誇張されているかもしれない。さらに、適切であると考えられる場合には、参照数値は、対応するか類似した素子を示すために、図の間で繰り返されることがある。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の詳細な説明では、多数の特定の詳細は、本発明の完全な理解を提供するために述べる。しかし、本発明がこれらの特定の詳細なしで実施できることは、当業者はよく理解されている。他の例では、著名な方法、手順および組成は、本発明を不明瞭にしないように詳述しなかった。
【0025】
一実施形態では、本発明は一連の安定したα−オリゴフランの合成および特性化に関する。これは、高い蛍光性(オリゴチオフェンと交互フランチオフェンオリゴマーと比較して)、電子リッチ、およびオリゴチオフェンと比較して、より堅固なヘリンボーンソリッドステートパッキング、より高い剛性、およびより大きな溶解性を示す。
【0026】
一実施形態では、本発明は、化学構造式IIIで表されるオリゴフランを提供する。
【0027】
【化5】

【0028】
式中、mは1〜20の間の整数であり、nは1〜20の間の整数である。[n+2m]は3または4ではない。
【0029】
別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は5である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は6である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は7である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は8である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は9である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は10である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は5〜10の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は5〜15の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は5〜20の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は5〜30の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は11〜15の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は15〜20の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は20〜25の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は25〜30の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は30〜35の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は35〜40の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は40〜45の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は45〜50の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は50〜55の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は55〜60の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n+2m]は30〜60の間の整数である。
【0030】
別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n]は1である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n]は2である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n]は3である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n]は4である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n]は3〜5の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n]は3〜8の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n]は5〜10の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n]は10〜20の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[n]は15〜20の間の整数である。
【0031】
別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は1である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は2である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は3である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は4である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は3〜5の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は3〜8の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は5〜10の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は10〜20の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は15〜20の間の整数である。
【0032】
別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は2で[n]は1である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は2で[n]は2である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は2で[n]は3である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は3で[n]は2である。別の実施形態では、化学構造式IIIのオリゴマーの[m]は3で[n]は3である。
【0033】
一実施形態では、本発明は、化学構造式IVで表されるオリゴフランを提供する。
【0034】
【化6】

【0035】
式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−ヘテロシクロアルキル、(C〜C18アルキル)−アリール、(C〜C18アルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、NO、ハロゲン、CO−(C〜C18アルキル)、O−(C〜C18アルキル)、S−(C〜C18アルキル)、NH(C〜C18アルキル)、NHC(O)(C〜C18アルキル)もしくはN[(C〜C18アルキル)][C(O)(C〜C18アルキル)]、ハロ−(C〜C18アルキル)、ヒドロキシル−(C〜C18アルキル)、アミノ−(C〜C18アルキル)、フェニル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。上記のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、[C〜Cアルキル]、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。また、RおよびRが互いに結合して、0〜3個の二重結合およびO、N、SeまたはSから選択される0〜3個のヘテロ原子を含む4〜8の員環を形成することができる。前記4〜8の員環は、C〜C18−アルキル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、ジアルキルアミン、NHC(O)(C〜Cアルキル))またはN[C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。上記の(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−シクロアルキルまたは(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール基の前記アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、C〜Cアルキル、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、N(R)(R)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。mは1〜50の間の整数であり、nは1〜50の間の整数である。RおよびRが水素である場合は、[n+2m]は3または4ではない。
【0036】
一実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーのRおよびRは互いに同一である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーのRおよびRは互いに異なる。別の実施形態では、化学構造式IVのRは水素である。別の実施形態では、化学構造式IVのRは水素である。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは水素である。別の実施形態では、RおよびRは、水素ではない。別の実施形態では、化学構造式IVのRは、アルキルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRはアルキルである。別の実施形態では、RおよびRはアルキルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは、互いに独立して、ヒドロキシアルキルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは、互いに独立して、アルキルアリールである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは、互いに独立して、アリールがハロゲンで置換されたアルキルアリールである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは、互いに独立して、アリールが1〜5個のフルオロ基で置換されたアルキルアリールである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは、互いに独立して、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0037】
一実施形態では、RおよびRは互いに共同して、6員シクロアルキル環を形成する。一実施形態では、RおよびRは互いに共同して、6員複素環を形成する。一実施形態では、RおよびRは互いに共同して、6員アリール環を形成する。一実施形態では、RおよびRは互いに共同して、6員ヘテロアリール環を形成する。一実施形態では、RおよびRは互いに共同して、5員シクロアルキル環を形成する。一実施形態では、RおよびRは互いに共同して、5員複素環を形成する。一実施形態では、RおよびRは互いに共同して、5員アリール環を形成する。一実施形態では、RおよびRは互いに共同して、5員ヘテロアリール環を形成する。
【0038】
一実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーのRおよびRは互いに同一である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーのRおよびRは互いに異なる。別の実施形態では、化学構造式IVのRは水素である。別の実施形態では、化学構造式IVのRは水素である。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは水素である。別の実施形態では、RおよびRは水素ではない。別の実施形態では、化学構造式IVのRはアルキルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRはアルキルである。別の実施形態では、RおよびRはアルキルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRはヘキシルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRはメチルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRはエチルヘキシルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRはO−アルキルである。別の実施形態では、化学構造式IVのR3およびR4はメトキシ基である。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRはアルキルフェニルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRはアルキルペンタフルオロフェニルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは互いに独立してヒドロキシアルキルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは、互いに独立して、アルキルアリールである。別の実施形態では、化学構造式IVのRおよびRは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0039】
別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は5である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は6である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は7である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は8である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は9である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は10である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は5〜10の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は5〜15の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は5〜20の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は5〜30の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は11〜15の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は15〜20の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は20〜25の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は25〜40の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は40〜60の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は60〜80の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は80〜100の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は100〜120の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は120〜130の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は130〜140の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n+2m]は140〜150の間の整数である。
【0040】
別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は1である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は2である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は3である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は4である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は3〜5の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は3〜8の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は5〜10の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は10〜20の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は15〜20の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は20〜25の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は25〜30の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は30〜35の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は35〜50の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[n]は25〜50の間の整数である。
【0041】
別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は1である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は2である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は3である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は4である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は3〜5の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は3〜8の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は5〜10の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は10〜20の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は15〜20の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は20〜25の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は25〜30の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は30〜35の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は35〜50の間の整数である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は25〜50の間の整数である。
【0042】
別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は2で[n]は1である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は2で[n]は2である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は2で[n]は3である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は3で[n]は2である。別の実施形態では、化学構造式IVのオリゴマーの[m]は3で[n]は3である。
【0043】
一実施形態では、本発明は、化学構造式5Fで表されるオリゴフランに関する。
【0044】
【化7】

【0045】
一実施形態では、本発明は、化学構造式6Fで表されるオリゴフランに関する。
【0046】
【化8】

【0047】
一実施形態では、本発明は、化学構造式7Fで表されるオリゴフランに関する。
【0048】
【化9】

【0049】
一実施形態では、本発明は、化学構造式8Fで表されるオリゴフランに関する。
【0050】
【化10】

【0051】
一実施形態では、本発明は、化学構造式9Fで表されるオリゴフランに関する。
【0052】
【化11】

【0053】
一実施形態では、本発明は、化学構造式IV−Aで表されるオリゴフランに関する。
【0054】
【化12】

【0055】
式中、[n+2m]は化学構造式IVについて記載した通りであり、RおよびRは、互いに独立して、2〜18個の炭素を有するアルキル鎖である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、2〜18個の炭素を有するアルキル鎖である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、2〜12個の炭素を有するアルキル鎖である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、2〜10個の炭素を有するアルキル鎖である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、2〜8個の炭素を有するアルキル鎖である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、3〜8個の炭素を有するアルキル鎖である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、6個の炭素を有するアルキル鎖である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、置換されたまたは非置換のフェニル環である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、ハロゲンで置換されたフェニル環である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、1〜5個のフッ素(F)基で置換されたフェニル環である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、ペンタフルオリンで置換されたフェニル環である。別の実施形態では、RおよびRは、互いに独立して、アリール、シクロアルキルおよびヘテロアリール基である。
【0056】
一実施形態では、本発明は、オリゴフランがジヘキシル鎖およびセキシフラン基を有する、化学構造式DH−6Fで表されるオリゴフランに関する。
【0057】
【化13】

【0058】
一実施形態では、本発明は、化学構造式DPFB−6Fで表されるオリゴフランに関する。
【0059】
【化14】

【0060】
一実施形態では、本発明は、オリゴフランおよびポリフランの作製方法を提供する。
【0061】
一実施形態では、本発明は、化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランをを作製するための方法であって、化学構造式I(n)で表される化合物を化学構造式II(m)で表される2−(トリブチルスズ)−オリゴフランと反応させて、化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランを生成するステップを含む方法を提供する。
【0062】
【化15】

【0063】
【化16】

【0064】
【化17】

【0065】
式中、XはBrまたはIであり、nは1〜20の間の整数であり、mは1〜20の間の整数である。
【0066】
一実施形態では、本発明は、化学構造式IV(n+2m)で表されるオリゴフランを作製するための方法であって、化学構造式V(n)で表される化合物を化学構造式VI(m)で表される2−(トリブチルスズ)−オリゴフランと反応させて、化学構造式IV(n+2m)で表されるオリゴフランを生成するステップを含む方法を提供する。
【0067】
【化18】

【0068】
【化19】

【0069】
【化20】

【0070】
式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−ヘテロシクロアルキル、(C〜C18アルキル)−アリール、(C〜C18アルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、NO、ハロゲン、CO−(C〜C18アルキル)、O−(C〜C18アルキル)、S−(C〜C18アルキル)、NH(C〜C18アルキル)、NHC(O)(C〜C18アルキル)もしくはN[(C〜C18アルキル)][C(O)(C〜C18アルキル)]、ハロ−(C〜C18アルキル)、ヒドロキシル−(C〜C18アルキル)、アミノ−(C〜C18アルキル)、フェニル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。上記のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、[C〜Cアルキル]、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。また、RおよびRが互いに結合して、0〜3個の二重結合およびO、N、SeまたはSから選択される0〜3個のヘテロ原子を含む4〜8の員環を形成することができる。前記4〜8の員環は、C〜C18−アルキル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、ジアルキルアミン、(NHC(O)(C〜Cアルキル))またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。上記の(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−シクロアルキルまたは(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール基のアリール、シクロアルキルまたはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、C〜Cアルキル、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、N(R)(R)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。XはBrまたはIである。
【0071】
一実施形態では、本発明は、化学構造式III(m+2n)で表されるオリゴフランを作製するための方法であって、化学構造式VII(n)で表される化合物を化学構造式VIII(m)で表される2,5−(トリブチルスズ)−オリゴフランと反応させて、化学構造式III(m+2n)で表されるオリゴフランを生成するステップを含む方法を提供する。
【0072】
【化21】

【0073】
【化22】

【0074】
【化23】

【0075】
式中、XはBrまたはIであり、nは1〜20の間の整数であり、mは1〜20の間の整数であり、m+2nは3または4でない。
【0076】
一実施形態では、本発明は、化学構造式IV(m+2n)で表されるオリゴフランを作製するための方法であって、化学構造式IX(n)で表される化合物を化学構造式VIII(m)で表される2,5−(トリブチルスズ)−オリゴフランと反応させて、化学構造式IV(m+2n)で表されるオリゴフランを生成するステップを含む方法を提供する。
【0077】
【化24】

【0078】
【化25】

【0079】
【化26】

【0080】
式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、(〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C0〜Cアルキル)−ヘテロシクロアルキル、(C〜C18アルキル)−アリール、(C〜C18アルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、NO、ハロゲン、CO−(C〜C18アルキル)、O−(C〜C18アルキル)、S−(C〜C18アルキル)、NH(C〜C18アルキル)、NHC(O)(C〜C18アルキル)もしくはN[(C〜C18アルキル)][C(O)(C〜C18アルキル)]、ハロ−(C〜C18アルキル)、ヒドロキシル−(C〜C18アルキル)、アミノ−(C1〜C18アルキル)、フェニル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。上記のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、[C〜Cアルキル]、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。また、RおよびRが互いに結合して、0〜3個の二重結合およびO、N、SeまたはSから選択される0〜3個のヘテロ原子を含む4〜8の員環を形成することができる。前記4〜8の員環は、C〜C18−アルキル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、ジアルキルアミン、(NHC(O)(C〜Cアルキル))またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。上記の(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−シクロアルキルまたは(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール基のアリール、シクロアルキルまたはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、C〜Cアルキル、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、N(R)(R)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。XはBrまたはIであり、mは1〜50の間の整数であり、nは1〜50の間の整数である。
【0081】
一実施形態では、本発明は、本明細書に上述した方法によって作製された化学構造式III(m+2n)で表されるオリゴフランを提供する。一実施形態では、本発明は、本明細書に上述した方法によって作製された化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランを提供する。
【0082】
一実施形態では、本発明は、本明細書に上述した方法によって作製された化学構造式IV(m+2n)のオリゴフランを提供する。一実施形態では、本発明は、本明細書に上述した方法によって作製された化学構造式IV(n+2m)のオリゴフランを提供する。
【0083】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式Iで表されるオリゴフランを提供する。
【0084】
【化27】

【0085】
式中、XはBrまたはIであり、nは1〜20の間の整数である。
【0086】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式IIで表されるオリゴフランを提供する。
【0087】
【化28】

【0088】
式中、mは1〜20の間の整数である。
【0089】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式Vで表されるオリゴフランを提供する。
【0090】
【化29】

【0091】
式中、XはBrまたはIであり、nは1〜50の間の整数であり、RおよびRは式IVについて記載した通りである。
【0092】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式VIで表されるオリゴフランを提供し
【0093】
【化30】

【0094】
式中、mは1〜50の間の整数であり、R、RおよびRは式IVについて記載した通りである。
【0095】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式VIIで表されるオリゴフランを提供する。
【0096】
【化31】

【0097】
式中、XはBrまたはIであり、nは1〜20の間の整数である。
【0098】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式VIIIで表されるオリゴフランを提供する。
【0099】
【化32】

【0100】
式中、mは1〜20の間の整数である。
【0101】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式IXで表されるオリゴフランを提供する。
【0102】
【化33】

【0103】
式中、XはBrであり、mは1〜50の間も整数である。R、RおよびRは式IVについて記載した通りである。
【0104】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式IXで表されるオリゴフランを提供する。
【0105】
【化34】

【0106】
式中、mは1〜50の間の整数であり、RおよびRは式IVについて記載した通りである。
【0107】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式XIで表されるオリゴフランを提供する。
【0108】
【化35】

【0109】
式中、nは4〜50の間の整数である。Rは、直線状または分枝鎖状のC〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−ヘテロシクロアルキル、(C〜C18アルキル)−アリール、(C〜C18アルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、NO、ハロゲン、CO−(C〜C18アルキル)、O−(C〜C18アルキル)、S−(C〜C18アルキル)、NH(C〜C18アルキル)、NHC(O)(C〜C18アルキル)もしくはN[(C〜C18アルキル)][C(O)(C〜C18アルキル)]、ハロ−(C〜C18アルキル)、ヒドロキシル−(C〜C18アルキル)、アミノ−(C〜C18アルキル)、フェニル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。上記のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、[C〜Cアルキル]、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。
【0110】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式XIIで表されるオリゴフランを提供する。
【0111】
【化36】

【0112】
式中、nは4〜50の間の整数である。RおよびR´は、互いに独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−ヘテロシクロアルキル、(C〜C18アルキル)−アリール、(C〜C18アルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、NO、ハロゲン、CO−(C〜C18アルキル)、O−(C〜C18アルキル)、S−(C〜C18アルキル)、NH(C〜C18アルキル)、NHC(O)(C〜C18アルキル)もしくはN[(C〜C18アルキル)][C(O)(C〜C18アルキル)]、ハロ−(C〜C18アルキル)、ヒドロキシル−(C〜C18アルキル)、アミノ−(C〜C18アルキル)、フェニル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。上記のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、[C〜Cアルキル]、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。
【0113】
一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´は、直線状または分枝鎖状のアルキルである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はハロアルキルである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はエチルヘキシルである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はメチルである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はアリールである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はフェニルである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はハロアリールである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はアルキルフェニルである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はアルキルハロフェニルである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はペンタフルロベンゼンである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はアルキルペンタフルロベンゼンである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はアルキルフェニルである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はアリールである。一実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´はペンタフルロベンゼンである。別の実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´は、フェニルが1〜5個のフルオロ基で置換されたアルキルフェニルである。別の実施形態では、化学構造式XIおよび式XIIのRおよび/またはR´は、アリールが1〜5個のフルオロ基と置換されたアリールである。別の実施形態では、化学構造式XIIに例示されたオリゴフランの合成は、図20に記載されている。
【0114】
別の実施形態では、本発明は、化学構造式XIIIで表されるオリゴフランを提供する。
【0115】
【化37】

【0116】
式中、R、R´、R´´、R、R´、R´´、RおよびRは、互いに独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−ヘテロシクロアルキル、(C〜C18アルキル)−アリール、(C〜C18アルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、NO、ハロゲン、CO−(C〜C18アルキル)、O−(C〜C18アルキル)、S−(C〜C18アルキル)、NH(C〜C18アルキル)、NHC(O)(C〜C18アルキル)もしくはN[(C〜C18アルキル)][C(O)(C〜C18アルキル)]、ハロ−(C〜C18アルキル)、ヒドロキシル−(C〜C18アルキル)、アミノ−(C〜C18アルキル)、フェニル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。上記のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、[C〜Cアルキル]、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。また、RおよびR、R´およびR´、あるいはR´´およびR´´が互いに結合して、0〜3個の二重結合およびO、N、SeまたはSから選択される0〜3個のヘテロ原子を含む4〜8の員環を形成することができる。前記4〜8の員環は、C〜C18−アルキル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、ジアルキルアミン、(NHC(O)(C〜Cアルキル))またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。上記の(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−シクロアルキルまたは(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール基のアリール、シクロアルキルまたはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、C〜Cアルキル、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、N(R)(R5)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。mは1〜50の間の整数であり、m´は0〜50の間の整数であり、nは1〜50の間の整数である。R、R´、R´´、およびR、R´、R´´が水素である場合は、[n+m+m´]は3または4ではない。
【0117】
一実施形態では、化学構造化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´およびR、R´、R´´は互いに同一である。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´およびR、R´、R´´は互いに異なる。別の実施形態では、化学構造式XIIIのR、R´、R´´は水素である。別の実施形態では、化学構造式XIIIのR、R´、R´´は水素である。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、アルキルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、ヒドロキシアルキルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、アルキルアリールである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、直線状または分枝鎖状のアルキルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、エチルヘキシルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、ヘキシルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、メチルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、アリールである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、フェニルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、ハロアリールである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、アルキルフェニルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、アルキルハロフェニルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、ペンタフルロベンゼンである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、アルキルペンタフルロベンゼンである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、フェニルが1〜5個のフルオロ基で置換されたアルキルフェニルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのR、R´、R´´、R、R´およびR´´は、互いに独立して、アリールが1〜5個のフルオロ基と置換されたアリールである。別の実施形態では、化学構造式XIIIに例示されたオリゴフランの合成は、図19に記載されている。
【0118】
一実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴフランは、フラン繰り返し単位(繰り返し単位の10〜50%のみが置換される)を含む。別の実施形態では、繰り返し単位の10〜50%が一置換される。別の実施形態では、繰り返し単位の10〜50%が二置換される。別の実施形態では、繰り返し単位のうちの少なくとも1つが、一置換または二置換される。
【0119】
一実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのRおよびRは互いに同一である。別の実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーのRおよびRは互いに異なる。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRは水素である。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRは水素である。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRは水素である。別の実施形態では、RおよびRは水素ではない。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRはアルキルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRはアルキルである。別の実施形態では、RおよびRはアルキルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRはO−アルキルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRはメトキシ基である。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRはヘキシルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRはメトキシ基である。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRはメチルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRはメトキシ基である。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRはエチルヘキシルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRはアルキルフェニルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRはアルキルペンタフルオロフェニルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRは、アルキルフルオロフェニルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRは、互いに独立して、ヒドロキシアルキルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRは、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRは、互いに独立して、アルキルアリールである。別の実施形態では、化学構造式XIIIのRおよびRは、互いに独立して、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0120】
一実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーは、下記の化学構造式で表される。
【0121】
【化38】

【0122】
一実施形態では、化学構造式XIIIのオリゴマーは、下記の化学構造式で表される。
【0123】
【化39】

【0124】
別の実施形態では、上記の構造体(3´´−オクチル−5Fおよび4´´−ヘキシル−7F)の合成は、図19に記載されている。
【0125】
一実施形態では、本発明のオリゴマーの[n]は1〜20の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[n]は1〜50の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[n]は1〜10の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[n]は1〜5の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[n]は5〜10の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[n]は20〜30の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[n]は25〜50の間の整数である。
【0126】
一実施形態では、本発明のオリゴマーの[m]は1〜20の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[m]は1〜50の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[m]は1〜10の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[m]は1〜5の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[m]は5〜10の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[m]は20〜30の間の整数である。別の実施形態では、本発明のオリゴマーの[m]は25〜50の間の整数である。
【0127】
別の実施形態では、本発明のオリゴフランは、5個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、6個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、7個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、8個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、9個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、10個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、5〜10個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、5〜15個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、5〜20個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、5〜30個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、4〜50個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、10〜15個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、15〜20個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、20〜25個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、25〜30個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、30〜40個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、40〜50個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、50〜60個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、50〜80個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、80〜100個の繰り返し単位を含む。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、100〜150個の繰り返し単位を含む。
【0128】
一実施形態では、本発明のオリゴフランは、一置換または二置換されたフラン繰り返し単位を含む。別の実施形態では、フラン繰り返し単位の10〜50%のみが一置換または二置換される。別の実施形態では、フラン繰り返し単位の100%が一置換または二置換される。別の実施形態では、フラン繰り返し単位の少なくとも1個が一置換または二置換される。
【0129】
1つの実施形態において、「アルキル」基とは、直鎖で、分岐の鎖状、および環式のアルキル基を含む脂肪族飽和炭化水素を指す。1つの実施形態において、アルキル基は1〜25のカーボンを持つ。1つの実施形態において、アルキル基は1〜18のカーボンをを持つ。1つの実施形態において、アルキル基は1〜12のカーボンを持つ。1つの実施形態において、アルキル基は1〜15のカーボンを持つ。別の実施形態では、アルキル基は1〜7のカーボンを持つ。1つの実施形態は、n−ヘキシルのアルキルである。1つの実施形態において、アルキルはメチルである。1つのある実施形態は、n−オクチルのアルキルである。別の実施形態では、アルキル基は1〜6のカーボンを持つ。別の実施形態では、アルキル基は1〜4のカーボンを持つ。アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ・カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオ、およびチオアルキルからなる群から選択された1個または複数の基によって非置換であるか置換されることがある。
【0130】
「ハロアルキル」基とは、上に定義したようなアルキル基を指す。このアルキル基は、1個または複数のハロゲン原子、即ち、1つの実施形態においてF、別の実施形態ではCl、別の実施形態ではBr、別の実施形態ではI、によって置換される。
【0131】
「ヒドロキシアルキル」基とは、1または複数の水酸基で置換された、上記に定義したようなアルキル基を指す。
【0132】
「シクロアルキル基」とは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオ、およびチオアルキルからなる群から選択された1個または複数の基によって非置換であるか置換されることがある飽和炭素環式基を少なくとも1個有するシクロ基を指す。シクロアルキル環の非限定的な例は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、などである。1つの実施形態において、シクロアルキル基は3〜12の員環である。別の実施形態では、シクロアルキル基は3〜8の員環である。別の実施形態では、シクロアルキル基は1〜4の縮合環を構成する。
【0133】
「アリール」基とは、芳香族基を指し、この芳香族基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオ、およびチオアルキルからなる群から選択された1個または複数の基によって非置換であるか置換されることがある炭素環式の芳香族基または複素環式の芳香族基を少なくとも1個有する。アリール環の非限定例は、フェニル、ナフチル、ピラニル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、などである。1つの実施形態において、アリール基は3〜12の員環である。別の実施形態では、アリール基は3〜8の員環である。別の実施形態では、アリール基は3〜4の縮合環を含む。
【0134】
「ヒドロキシル」基とは、ヒドロキシ基を指す。
【0135】
「ハロゲン」という用語は、1つの実施形態においてフッ素(F)を指し、別の実施形態では臭素(Br)を指し、別の実施形態では塩素(Cl)を指し、別の実施形態ではヨウ素(I)を指す。
【0136】
「環」という用語は、3〜10の原子含む単環または二環式芳香族または脂肪族環構造を指す。1つの実施形態において、前記環は、O、NとSから選択される0〜4のヘテロ原子を含む。別の実施形態では、前記環は、0〜3の基と任意選択で置換できる。別の実施形態では、前記環は、シクロヘキサンである。別の実施形態では、前記環は、シクロペンタンである。別の実施形態では、前記環は、ベンゼンである。別の実施形態では、前記環は、ナフタレンである。別の実施形態では、前記環は、ピペラジンである。別の実施形態では、前記環は、キノリンである。
【0137】
一実施形態では、「ヘテロ環」基とは、環の一部として、炭素原子に加えて、硫黄、酸素、窒素またはそれらの任意の組み合わせを含む環構造を指す。別の実施形態では、ヘテロ環は3〜12員環である。別の実施形態では、ヘテロ環は6員環である。別の実施形態では、ヘテロ環は5〜7員環である。別の実施形態では、ヘテロ環は4〜8員環である。もう1つの実施形態で、ヘテロ環基が、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、シアノ、ニトロ、COH、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオおよび/またはチオアルキルによって非置換であるか置換される。別の実施形態では、ヘテロ環は、もう1つの飽和であるか不飽和シクロアルキルまたは複素環式の3〜8員環と融合することがある。別の実施形態では、複素環は飽和環である。別の実施形態では、複素環は不飽和環である。
【0138】
「置換される」という用語は、1個または複数の水素を非水素基で置換することを指す。非水素基の非制限例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヒドロキシル、アルコキシル、シアノ、アミド、カルボキシル、アミノ、ハロゲン、その他を含む。
【0139】
別の実施形態では、「アルケニル」基は1個または複数の二重結合がある直鎖、分岐鎖および環基を含む不飽和炭化水素を指す。アルケニル基は、1つの二重結合、2つの二重結合、3つの二重結合などを持って良い。アルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルなどである。アルケニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ・カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシルおよびチオアルキルから選択された1つまたは複数の基によって非置換であるか置換されて良い。
【0140】
別の実施形態では、「アルキニル」基は、1個または複数の三重結合がある直鎖、分岐鎖と環基を含む不飽和炭化水素を指す。アルキニル基は、1つの三重結合、2つの三重結合、3つの三重結合などを持って良い。アルキニル基の例は、エチニル、プロピニル、ブチニルなどである。アルキニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ・カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシルおよびチオアルキルから選択された1つまたは複数の基によって非置換であるか置換されて良い。
【0141】
一実施形態では、本発明は、化学構造式IIIで表されるポリフランを作製するための方法であって、
(a)化学構造式III(m+2n)で表されるオリゴフランまたは化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランを臭素化して、2,5−ジブロモ−オリゴフランまたは2−ブロモ−オリゴフランを生成するステップと、
(b)化学構造式III(m+2n)で表されるオリゴフランまたは化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランを塩化トリブチルスズと反応させて、2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランを生成するステップと、
(c)ステップ(a)で生成された2,5−ジブロモ−オリゴフランまたは2−ブロモ−オリゴフランを、ステップ(b)で生成された2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムPd(PPhの存在下で反応させて、化学構造式IIIで表されるポリフラン鎖を生成するステップとを含む方法を提供する。
【0142】
別の実施形態では、より長鎖の化学構造式IIIのポリフランを得るために、ステップ(a)〜(c)が繰り返される。
【0143】
一実施形態では、本発明は、化学構造式IVで表されるポリフランを作製するための方法であって、
(a)化学構造式IV(m+2n)で表されるオリゴフランまたは化学構造式IV(n+2m)で表されるオリゴフランを臭素化して、2,5−ジブロモ−オリゴフランまたは2−ブロモ−オリゴフランを生成するステップと、
(b)化学構造式IV(m+2n)で表されるオリゴフランまたは化学構造式IV(n+2m)で表されるオリゴフランを塩化トリブチルスズと反応させて、2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランを生成するステップと、
(c)ステップ(a)で生成された2,5−ジブロモ−オリゴフランまたは2−ブロモ−オリゴフランを、ステップ(b)で生成された2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムPd(PPhの存在下で反応させて、化学構造式IVで表されるポリフラン鎖を生成するステップとを含む方法を提供する。
【0144】
別の実施形態では、より長鎖の化学構造式IVのポリフランを得るために、ステップ(a)〜(c)が繰り返される。
【0145】
別の実施形態では、2,5−ジブロモ−オリゴフランを2−トリブチルスズ−オリゴフランと反応させる。別の実施形態では、2−ブロモ−オリゴフランを2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランと反応させる。別の実施形態では、2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランを2,5−ジブロモ−オリゴフランと反応させる。
【0146】
一実施形態では、本発明は、上述した本発明の方法によって作製された化学構造式IIIまたはIVで表されるポリフランまたはオリゴフランを提供する。
【0147】
一実施形態では、化学構造式IIIまたはIVで表されるポリフランまたはオリゴフランを作製するための本発明の方法は、2,5−ジブロモ−オリゴフランまたは2−ブロモ−オリゴフランを、2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランと反応させるステップを含む。別の実施形態では、前記反応はパラジウムPd(PPhの存在下で行われる。
【0148】
一実施形態では、本発明は、オリゴフランまたはポリフランを作製する方法を提供し、2,5−ジブロモ−オリゴフランまたは2−ブロモ−オリゴフランが反応生成物として得られる。別の実施形態では、2,5−ジブロモ−オリゴフランまたは2−ブロモ−オリゴフランは、対応するオリゴフランの臭素化によって生成される。
【0149】
別の実施形態では、前記臭素化はN‐ブロモスクシンイミド(NBS)存在下で行われる。別の実施形態では、前記臭素化は、参照により本明細書に援用される「Fumio et al., Bull., Chem. Soc. Jpn. 63, 2828 (1990)」に記載されている方法を用いて行われる。
【0150】
一実施形態では、本発明は、化学構造式IIIで表されるポリフランを作製するための方法であって、
(a)化学構造式III(m+2n)で表されるオリゴフランまたは化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランをヨウ素化して、2,5−ジヨード−オリゴフランまたは2−ジヨード−オリゴフランを生成するステップと、
(b)化学構造式III(m+2n)で表されるオリゴフランまたは化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランを塩化トリブチルスズと反応させて、2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランを生成するステップと、
(c)ステップ(a)で生成された2,5−ジヨード−オリゴフランまたは2−ジヨード−オリゴフランを、ステップ(b)で生成された2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムPd(PPhの存在下で反応させて、化学構造式IIIのポリフラン鎖を生成するステップとを含む方法を提供する。
【0151】
別の実施形態では、より長鎖の化学構造式IIIのポリフランを得るために、ステップ(a)〜(c)が繰り返される。
【0152】
一実施形態では、本発明は、化学構造式IVで表されるポリフランを作製するための方法であって、
(a)化学構造式IV(m+2n)で表されるオリゴフランまたは化学構造式IV(n+2m)で表されるオリゴフランをヨウ素化して、2,5−ジヨード−オリゴフランまたは2−ジヨード−オリゴフランを生成するステップと、
(b)化学構造式IV(m+2n)で表されるオリゴフランまたは化学構造式IV(n+2m)で表されるオリゴフランを塩化トリブチルスズと反応させて、2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランを生成するステップと、
(c)ステップ(a)で生成された2,5−ジヨード−オリゴフランまたは2−ジヨード−オリゴフランを、ステップ(b)で生成された2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムPd(PPhの存在下で反応させて、化学構造式IVで表されるポリフラン鎖を生成するステップとを含む方法を提供する。
【0153】
別の実施形態では、より長鎖の化学構造式IVのポリフランを得るために、ステップ(a)〜(c)が繰り返される。
【0154】
別の実施形態では、2,5−ジヨード−オリゴフランを2−トリブチルスズ−オリゴフランと反応させる。別の実施形態では、2−ヨード−オリゴフランを2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランと反応させる。別の実施形態では、2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランを2,5−ジヨード−オリゴフランと反応させる。
【0155】
一実施形態では、本発明は、上述した本発明の方法によって作製された化学構造式IIIまたはIVで表されるポリフランまたはオリゴフランを提供する。
【0156】
一実施形態では、化学構造式IIIまたはIVで表されるポリフランまたはオリゴフランを作製するための本発明の方法は、2,5−ジヨード−オリゴフランまたは2−ヨード−オリゴフランを、2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランと反応させるステップを含む。別の実施形態では、前記反応は、パラジウムPd(PPhの存在下で行われる。
【0157】
一実施形態では、本発明は、オリゴフランまたはポリフランを作製する方法を提供し、2,5−ジヨード−オリゴフランまたは2−ヨード−オリゴフランが反応生成物として得られる。別の実施形態では、2,5−ジヨード−オリゴフランまたは2−ヨード−オリゴフランは、対応するオリゴフランの臭素化によって生成される。
【0158】
一実施形態では、本発明は、オリゴフランまたはポリフランを作製する方法を提供し、2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−ポリゴフランが反応生成物として得られる。別の実施形態では、2−トリブチルスズ−オリゴフランまたは2,5−ビス(トリブチル)スズ−オリゴフランは、対応するオリゴフランをブチルリチウムで、そしてその後に塩化トリブチルスズで誘導体化することによって作製される。別の実施形態では、スズオリゴフランと臭化オリゴフランまたはヨウ化オリゴフランとの間のスティルカップリングが、次に濾液を減圧真空昇化することよってオリゴフランを産生する。
【0159】
一実施形態では、フランを再生可能資源から得ることができる。別の実施形態では、本発明のオリゴフランは生物分解可能である。別の実施形態では、本発明は、再生可能資源に基づく生物分解可能なオリゴフランに関する。
【0160】
一実施形態では、フランは、モノ、オリゴおよび多糖(例えばセルロースポリマー、ブドウ糖、フルクトース、トウモロコシの穂軸、オート麦、籾殻、砂糖きび、綿実、オリーブ外皮と石)の再生可能資源から作製することができる。フランに至る反応シーケンスは、まず、ポリマー・ペントースまたはヘキソースの酸触媒加水分解を行い、次に酸接触脱水を行い、そして、最終的に環化させてポリマー合成に使用することができるフランが得られる。別の実施形態では、リグノセルロース系バイオマスは、「Joseph B. Binder and RO、Nald T Raines, JACS, 2009, 131, 1979-1985」(参照により本明細書に援用される)に記載されているように、ブレンステッド酸(例えば、HSO)による触媒作用を介して、N,Nジメチルアセトアミド(DMA)および塩化リチウム(LiCl)を用いることにより、燃料および化学薬品(例えばフラン)のための再生可能資源である。
【0161】
一実施形態では、本発明のオリゴフランは、生物分解可能である。別の実施形態では、本発明のオリゴフランは、ブタのすい臓、クモノスカビ属デルマーまたはシュードモナス菌種などの非限定的な例を含むリパーゼを用いて酵素分解される。別の実施形態では、本発明のオリゴフランは、土中埋没によって生物分解可能である。別の実施形態では、主にバクテリアおよび/または菌類が土中埋没による分解に関与する。
【0162】
酵素分解度は、水溶性分解生成物を含む水溶液の全有機性炭素内容(TOC)を測定することによって評価される。
【0163】
共役化合物は、本質的に難溶解性を有する。経済的に現実的なプロセスが得られるならば、溶液からの加工が可能な多くの工業的応用にとって、したがって溶解性からの加工性は本質的必要条件である。したがって、一実施形態では、本発明のプロセスは、対応するオリゴチオフェンと比較して、例えば加工性の容易さを改善しかつドロップ/スピン鋳型技術が使用できるようにするより高い溶解性を有するオリゴフランを提供する。(6Fの溶解性は、6ユニットを所有する6T−オリゴチオフェンがわずか0.05mg/mL未満であることと比較して、0.7mg/mLである)別の実施形態では、本発明の置換オリゴフラン(Oligofuran IV、IV−A、DH−6F、V、VI、IX、X、XI、XIIとXIII)は本発明の非置換のオリゴマーより溶解性がある。もう1つの実施例で、オリゴフランIV、IVA、V、VI、IX、X、XI、XIIおよびXIIIのR、R´、R、R´、R´´、R、R´、R´´がオリゴフランの電子的性質を改善する。もう1つの実施例で、オリゴフランIV、IVA、V、VI、IX、X、XI、XIIおよびXIIIのR、R´、R、R´、R´´、R、R´、R´´がオリゴフランの安定特性を改善する。
【0164】
別の実施形態では、本発明の方法により作製されたオリゴフラン、ポリフランおよびコポリマーは、対応するオリゴチオフェンより高い蛍光性およびより良いパッキング(即ち、より短い平面間距離)を提供する。
【0165】
一実施形態では、本発明のオリゴフランおよびポリフランは、効果的な荷電輸送材料(例えば、OFETsに対して)を、また有機発光装置(OLEDとOLETs)の発光材料として提供する。オリゴチオフェン(OT)と主に比較されるように、これらの利点は以下を含む。(i)高等蛍光量子収率(最高75%)、(ii)高剛直性と高平面性、(iii)高剛直性と高平面性、(iv)高電荷易動性、(v)対応するオリゴチオフェン(表1)と比較してより良い溶解性、および(vi)フラン含有ポリマーが生物分解可能である。
【0166】
一実施形態では、本発明のオリゴフランとポリフランは、対応するオリゴチオフェンより高い蛍光量子収率を提供する。短いOFsは、効率的なエレクトロルミネッセント装置には非常に挑戦的である紺青スペクトル領域で、高い蛍光量子収率を示す。
【0167】
一実施形態では、本発明のオリゴフランとポリフランは、対応するオリゴチオフェンより高剛直性と高平面性を提供する。オリゴフランは、オリゴチオフェン(図16)よりかなり剛直である。OFsの高剛直性は、それらのかなり低級ストークスシフト(3F〜9Fに対し約0.25eVおよび3T〜6Tに対して約0.40eV(表1))に見られる。第2には、溶液のOFsの光学吸収スペクトルは、OTで典型的に存在しない振動構造を示す。6Fのねじれに必要とするエネルギーは、6Tのそれよりかなり大きい。さらに、高い平面性によって、分子の(−軌道の良いオーバーラップ、従って高度な電荷移動特性が生み出されるはずの高密度固体物理パッキングが容易になることが期待されている。一実施形態では、本発明のオリゴフランは、オリゴチオフェンよりさらに平面性を維持する。別の実施形態では、6FのX線構造(即ち、フランの6つの繰り返し単位を所有しているこ)は、図7に示されるように、α−六チオフェン(6T)に関して、オリゴマーが、ヘリンボーンパッキングを有し完全に平面であることを示している。分子間距離は、6Tと比較してより短い。平面間び距離は6Fで2.57Åである。そして、それは6T(2.89Å)での場合よりかなり短く、より良い電荷移動度を提供する。また、分子密度(単位セルの体積あたりの分子数を割ることによって得られる)は、6T(6つのチオフェン基を所有するオリゴチオフェン)より6F(6つのフランユニットを所有するオリゴフラン)で、17%高い。別の実施形態では、チオフェン類似体とは異なり、3Fおよび4Fパッキングは、ヘリンボーンでない。
【0168】
一実施形態では、本発明のオリゴフランとポリフランは、対応するオリゴチオフェンより高度な電荷移動度を提供する。OFsが、OTより電子が豊富で平面であるので、OFsが有望な良い荷電輸送材料であると期待できる。オリゴフランがかなりの電界効果移動度を実現するので、ナノ材料(例えばOFETs、OLETs、およびセンサ)に基づく異なる装置のアプリケーションへの道を開かれる。したがって、オリゴフランに基づくナノ材料は、例えば、正孔伝導のために非常に有望である。
【0169】
一実施形態では、本発明のオリゴフランとポリフランは、対応するオリゴチオフェンより良い溶解性を提供する。溶解性は、高いスケール有機電子微小工学の材料に課された鍵となる技術的要求の一つである。フランはチオフェンより一般の有機溶媒に1桁以上溶解する。そして、それによって非置換のフランが溶液(例えば、回転/滴下/浸漬塗布技術によって)から処理できる。そのうえ、より長いフランを合成することができる。
【0170】
これによって、異なる放出波長(3Fの350nmから9Fの473nmまで)を持つ沢山の種類のオリゴマーが青から緑の領域までの溶液発光スペクトルの微調整を可能にする。一実施形態では、本発明のオリゴフランの溶解性は、対応するオリゴチオフェンより大きい。別の実施形態では、クロロホルムのオリゴフラン6F(即ち、フランの6つの繰り返し単位を所有する)は、対応する6T(即ち、チオフェンの6つの繰り返し単位を所有する)より10倍以上溶解する:6Tの0.05mg以下/mLと比較して0.7mg/mL。
【0171】
一実施形態では、本発明のオリゴフランとポリフランは生物分解可能で、それらのチオフェン類似体と対照的である、そして、フランは、他の有機電子材料と違って再生可能資源から得ることができる。
【0172】
一実施形態では、本発明は、空気中で安定であるオリゴフランとポリフランを提供する。別の実施形態では、オリゴフラン6F(即ち、6個の繰り返し単位を有する)は光が無い空気中で安定であり、図3に示されるように、303℃だけで分解することを示す。別の実施形態では、本発明のオリゴフランとポリフランは、固体状態で安定である。X線結晶構造解析によって、それがチオフェンの観察されたものより固体状態で、ヘリンボーン分子パッキングがより緻密にパッキングされているのが明らかになった。
【0173】
一実施形態では、本発明のオリゴフランおよびポリフランは、例えばピロール、チオフェン、芳香族、アルキン、置換されたフランまたはそれらの任意の組み合わせなどの、他の重合可能な複素環化合物または不飽和系と共重合する。
【0174】
別の実施形態では、アルキンは、アセチレン、ジアルキン、ポリアルキン、アルケニルアルキン、ハロゲン置換アセチレン誘導体、アリールアセチレンまたはアルキルアセチレンである。別の実施形態では、アルキルは1〜25個の炭素原子を有する。別の実施形態では、アルキルは1〜18個の炭素原子を有する。別の実施形態では、アルキルは1〜12個の炭素原子を有する。アルキルアセチレンの例は、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ヘプチン、オクチンとデシンである。別の実施形態では、アリールアセチレンはエチニルベンゼンである。別の実施形態では、ジアルキンおよびポリアルキンは、ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、ジエチニルベンゼン、トリエチルベンゼンを含む。
【0175】
別の実施形態では、前記芳香族は、線形融合された多核芳香族類(例えばアントラセン、テトラセン、ペンタセン)である。別の実施形態では、前記芳香族は、フェニル基を含む。
【0176】
一実施形態では、本発明のオリゴフランおよびポリフランは、非置換のフランである。別の実施形態では、フラン自体が置換される。別の実施形態では、置換フランは、N−アルキルフラン、N−アリールフラン、アルキル置換フラン、ハロゲン化フランである。前記コポリマーの作製において、フランは単独で使用してもよいし、互いに混合させて使用してもよい。そのため、前記コポリマーは1つ以上の互いに異なるフランを含み得る。別の実施形態では、前記コポリマーのフラン繰り返し単位は、本質的に非置換のフラン自体に基づく。
【0177】
一実施形態では、本発明は、フランおよび重合させるモノマーを含むコポリマーを作製するための方法であって、(上記したように)化学構造式Iの2,5−ジブロモ−オリゴフランを、一置換されたトリブチルスズオリゴマーと反応させるステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、2,5−ジブロモ−オリゴフランと一置換されたトリブチルスズオリゴマーとの反応は、Pd(PPhの存在下で行われる。別の実施形態では、一置換されたトリブチルスズオリゴマーは、水素末端基とトリブチルスズ末端基とを有するオリゴマーを指す。別の実施形態では、オリゴマーはピロール、チオフェン、芳香族、アルキン、置換フランまたはこれらの任意の組み合わせを含む。別の実施形態では、トリブチルスズ末端基は、ピロールまたはチオフェンのアルファ位に位置する。
【0178】
一実施形態では、本発明は、フランおよび重合させるモノマーを含むコポリマーを作製するための方法であって、ジブロモ−オリゴマーを化学構造式IIの2−トリブチルスズオリゴマーと反応させるステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、ジブロモ−オリゴマーと2−トリブチルスズオリゴマーと反応は、Pd(PPhの存在下で行われる。別の実施形態では、前記ジブロモオリゴマーは、2つの臭素末端基を有するオリゴマーを指す。別の実施形態では、前記オリゴマーは、ピロール、チオフェン、芳香族、アルキン、置換フランまたはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0179】
一実施形態では、本発明は、フランおよびチオフェンをモノマーとして含むコポリマーを作製する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、フランおよびピロールをモノマーとして含むコポリマーを作製する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、フランおよびフェニルモノマーをモノマーとして含むコポリマーを作製する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、フランおよびアルキンをモノマーとして含むコポリマーを作製する方法を提供する。
【0180】
一実施形態では、本発明は、本発明の方法によって作製された、フランおよび置換フランをモノマーとして含むコポリマーを提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の方法によって作製された、フラン、またはピロールで置換された置換フラン、または置換ピロールをモノマーとして含むコポリマーを提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の方法によって作製された、フラン、またはチオフェンで置換された置換フラン、または置換チオフェンをモノマーとして含むコポリマーを提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の方法によって作製された、フラン、またはフェニルで置換された置換フラン、または置換フェニルをモノマーとして含むコポリマーを提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の方法によって作製された、フラン、またはアルキンで置換された置換フラン、または置換アルキンをモノマーとして含むコポリマーを提供する。
【0181】
一実施形態では、置換されたピロール、チオフェン、フェニルまたはアルキンは、アルキル(1〜18個の炭素を有する)、フェニル、アミン、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、SH、CN、NOまたはCOOH基を含む。
【0182】
別の実施形態では、ポリフランまたはオリゴフランと、重合させるモノマーとの比率は、コポリマーの種類や意図する性質に応じて、様々な値を取ることができる。例えば、重合させるモノマーの総重量(重量パーセントは、重合させるモノマーの総重量に基づくものである)の1〜99重量%までの値を取ることができる。別の実施形態では、オリゴフランまたはポリフランと、重合させるモノマーとの比率は、20:80〜90:10である。
【0183】
使用法
【0184】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明の方法によって作製されたポリフラン、オリゴフラン、またはコポリマーを、電極、触媒、蓄電システム、遮蔽材料、蛍光マーカー、染料、顔料、電気スイッチ、半導体構成要素、エレクトロクロミック材料、電磁干渉対策材料(electromagnetic interference materials)、発光ダイオードなどの電気光学デバイス、電界効果トランジスタ、太陽電池、偏光光学素子、および蓄電池の製造、またはプラスチックの帯電防止処理のために使用することができる。
【0185】
一実施形態では、本発明は、プラスチックフィルムに帯電防止特性を与えるための、本発明のオリゴフラン、ポリフラン、およびコポリマーの使用を提供する。別の実施形態では、プラスチックフィルムに帯電防止特性を与えることは、コーティングされたフィルムの熱処理とそのフィルムの機械的変形とを含み、前記フィルムは、本発明のオリゴフラン、ポリフラン、またはコポリマーからなる。このタイプの同時に行われる熱処理と機械的変形は、プラスチックフィルムを熱成形することによる、プラスチックフィルムからのプラスチック成形品の製造において行われる。
【0186】
一実施形態では、本発明は、基板と共に、本発明のオリゴフラン、ポリフラン、またはコポリマーの膜コーティングまたは層を提供する。別の実施形態では、基板の非限定的な例として、金属箔、グラファイト、金、シリコン、ガラス、半導体、チタンが挙げられる。
【0187】
別の実施形態では、本発明のオリゴフランは高蛍光性であり、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などのポリマーマトリクス内に埋め込まれる、蛍光材料、マーカー、電界効果トランジスタとして使用することができる。
【0188】
一実施形態では、本発明のオリゴマーは、蛍光性である。別の実施形態では、オリゴフランIV−B(DH−6F)は、蛍光性であり、量子収率が72%であり、融解温度が、6Fの融解温度よりも低い(それぞれ231℃および260℃、DSCトレースについての図10を参照されたい)。別の実施形態では、本発明のオリゴフランは、熱的に安定である。別の実施形態では、本発明のオリゴフランについての熱重量分析(TGA)結果は、熱的に安定であり、分解前に昇華が起こる(図11)。
【0189】
一実施形態では、アルキル鎖による末端置換によって、分子に液晶様特性が与えられ、そのことによって、秩序化が強まり、得られる蒸着膜の電荷移動度が高まる。別の実施形態では、鎖長の伸長(すなわち、フランユニットの数の増加)または長いアルキル鎖の導入は、HUMO−LUMOギャップの減少、および電荷キャリア移動度の増大をもたらす。
【0190】
一実施形態では、本発明は、オリゴフランまたはポリフランの構造改変を使用して、p型導電性を与える方法をさらに含むことができる。
【0191】
一実施形態では、本発明は、オリゴフランまたはポリフランの構造改変を使用して、n型導電性を与える方法をさらに含むことができる。そのような方法は、(1)伸長したオリゴフランまたはポリフランを作製すること、(2)n型導電性を促進するのに十分にそのオリゴフランを構造改変することを含み、そうした改変としては、限定されないが、アルキル、フルオロアルキル置換、フッ素置換、フルオロアリール挿入、ヘテロ環挿入、およびそれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、その後に続いて、所望の改変に応じて、様々な合成法を行うことができる。そのような改変は、多様なオリゴフラン組成物をもたらすことができ、そうした組成物としては、限定されないが、先に検討した実施形態のものが挙げられる。
【0192】
別の実施形態では、本発明のオリゴマーは、スピンキャスティング、ドロップキャスティング、噴霧、ナイフコーティング、ブラッシング、昇華、または印刷によって、基板上に被覆される。
【0193】
一実施形態では、本発明に従って作製されたオリゴフラン、ポリフラン、またはコポリマーの電気伝導性を増大または改善するために、ドーパントが添加される。
【0194】
一実施形態では、本発明のオリゴフラン、ポリフラン、またはコポリマーは、ドーパントを含む。別の実施形態では、ドーパントは、p型である。別の実施形態では、p型ドーパントは、Br、I、AsF、ClO、BF、またはFeClである。別の実施形態では、ドーパントは、n型である。別の実施形態では、n型ドーパントは、Li、Na、またはKである。
【0195】
一実施形態では、正孔を有する導電性ポリフラン膜/オリゴフラン膜/コポリマー膜(pドープされた)は、従来のpドーパントを介して形成することができる。このpドーパントとしては、ハロゲン原子、例えば、I、Cl、Br、ICl、ICl、IBr、およびIF;ルイス酸、例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、SbCl、BBr、およびSO;プロトン酸、有機酸、またはアミノ酸、例えば、HF、HCl、HNO、HSO、HClO、FSOH、およびClSOH;遷移金属化合物、例えば、FeCl、Fe(OCl)、Fe(ClO、Fe(CHSO3、TiCl、ZrCl、HfCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、MoCl、WF、WCl、UF、およびLnX(ここで、Lnは、ランタノイドであり、Xは、アニオン、例えば、Cl、Br、I、I、HSO、SO42、NO、ClO、BF、B12122−、PF、AsF、SbF、FeCl、Fe(CN)3−、およびアリール−SOなどの様々なスルホン酸のアニオンである)が挙げられる。また、OならびにOを使用することもできる。nドープされたポリマー膜のように、電子をキャリアとして用いる導電性ポリマー膜は、従来のnドーパントを利用する。このnドーパントとしては、アルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、およびCs)、アルカリ土類金属、例えば、Ca、Sr、およびBaが挙げられる。
【0196】
一実施形態では、本発明のポリフラン/オリゴフラン/コポリマーは、各モノマーの重合後に、従来のp型およびn型ドーパントでドープすることができる。ドーピングプロセスは、一般的に、酸化還元反応において酸化剤または還元剤で膜材料を処理して、適用したドーパントから誘導された対応する対イオンによる、非局在化イオン中心を膜材料中に形成することを含む。ドーピング方法は、例えば、大気圧または減圧下でのドーピング蒸気への暴露、ドーパントを含有する溶液中での電気化学的ドーピング、ドーパントを、熱拡散されることとなるポリマーに接触させること、および半導体材料へのドーパントのイオン注入を含む。
【0197】
用語「ドーパント」は、一実施形態では、ポリフラン/コポリマーに少量で添加されて、ポリフラン/コポリマーとドーパントとの混合物を導電性にさせる物質を指す。しかし、ドーパントがなくても、これらのポリフラン/コポリマーは導電性であるが、ドーパント材料を添加することによって、その導電率を高めることができる。
【0198】
一実施形態では、本発明のオリゴフラン、ポリフラン、およびコポリマーの、薄膜被覆のための層および/または複合物は、集積回路に組み込めるような薄膜トランジスタおよび関連デバイスの製作に関して有用である。
【0199】
一実施形態では、本発明は、電界効果トランジスタである半導体デバイスで、本発明のオリゴフラン、ポリフラン、またはコポリマーを電界効果活性層として使用することを提供する。様々なゲート電圧において電流電圧特性を測定することによって、電界効果が観察される。電界効果電荷キャリア移動度の典型的な値は、あるバルク導電率において、約10−0〜10−6cm/Vsである。これらの値は、溶液から加工された非晶質半導電性ポリマーに典型的なものである。優れた電界効果トランジスタは、高い移動度と低いバルク導電率を併せもつ。
【0200】
一実施形態では、本発明は、本発明のオリゴフラン、ポリフラン、またはコポリマーを使用する、ドロップキャスティング、スピンキャスティング、スピン噴霧、ナイフコーティング、ブラッシング、または(インクジェット印刷などの)印刷による層の形成を含む、半導電性層を有する半導体デバイスを提供する。
【0201】
スピンコーティングは、エレクトロルミネッセンス材料のパターニングが不必要なデバイス、例えば、照明用途、または単純な白黒のセグメントディスプレイに特に適している。
【0202】
インクジェット印刷は、高情報量ディスプレイ、とりわけフルカラーディスプレイに特に適している。OLEDのインクジェット印刷は、例えば、参照により本明細書に組み込まれているEP0880303に記載されている。
【0203】
一実施形態では、本発明は、本発明のオリゴフラン、ポリプラン、またはコポリマーの、電極のコーティング層としての使用を提供する。適用されたコーティングの乾燥後のコーティング厚は、望まれる導電率、および望まれるコーティングの透明度に応じて、通常、0.1から100μmである。
【0204】
一実施形態では、本発明は、本発明のオリゴフラン、ポリフラン、またはコポリマーの、充電式電池用の電極材料としての使用を提供する。別の実施形態では、本発明のオリゴフラン、ポリフラン、またはコポリマーは、自己放電率がより低く、頻繁に再充電と放電(すなわち、サイクル化)できる充電式電池用の電極材料として使用される場合、安定である。
【0205】
一実施形態では、本発明は、本発明のポリフランまたはコポリマーを含む、エレクトロクロミック装置を提供する。
【0206】
一実施形態では、用語「エレクトロクロミック装置」は、2つの電極にわたって印加された低バイアス(通常、1〜2V)に応答して、光を透過(または反射)する能力を変える電解槽を指す。
【0207】
別の実施形態では、エレクトロクロミック装置としては、ディスプレイ、電子インク、センサ、サングラス、交通標識、または記憶素子が挙げられる。
【0208】
一実施形態では、本発明は、第1の電極と、第2の電極と、第1電極と第2電極との間に置かれる発光層と、発光層と第1電極との間に置かれる、前記導電性ポリマーから得られた正孔輸送層と正孔注入層のうちの少なくとも一方とを含む、有機発光デバイスを提供する。別の実施形態では、それらの層は、本発明のポリフラン/オリゴフラン/コポリマーからなる。
【0209】
一実施形態では、発光デバイスの電荷注入層として、エレクトロクロミックディスプレイの部品として、電界効果トランジスタの電極として、およびITOの代替物としての光電池として、本発明の導電性ポリフラン/オリゴフラン/コポリマーを含む、電気デバイス、例えば、光電デバイスが提供される。
【0210】
一実施形態では、本発明のポリフラン/コポリマーを含む、電気デバイス、例えば、光電デバイスが提供される。別の実施形態では、電気デバイスは、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間の有機半導体層とを含む。該導電性ポリフラン/コポリマーを、アノードとカソードとの間の層において提供することができる。該導電性ポリフラン/コポリマーが、正孔注入材料として使用される場合、該導電性ポリマーを含む層は、好ましくは、アノードと有機半導体層との間に配置される。該導電性ポリマーが、電子輸送材料として使用される場合、該導電性ポリマーは、好ましくは、カソードと有機半導体層の間、または有機半導体層の中に配置される。有機半導体層は、好ましくは、発光性である。アノードは、好ましくは、酸化インジウムスズ(ITO)を含む。
【0211】
別の実施形態では、本発明のポリフラン、オリゴフラン、またはコポリマーを含む、本発明のデバイスは、例えば、イメージング用途および電子機器用途で使用することができる。別の実施形態では、該デバイスは、電界効果トランジスタ、発光ダイオード、光電池として、またはディスプレイのバックプレーンとして使用することができる。
【0212】
発光トランジスタ(LET)は、発光する形態のトランジスタである。こうしたトランジスタは、デジタルディスプレイ、およびオンチップ光配線にとって有望である。LETは、標準的なマイクロ電子技術を使用して、シリコン、ガラス、紙のような基板に容易に組み入れることができる平面光源を提供する、新しい発光概念である。発光し、かつ有機材料から作製されるトランジスタは、より安価なデジタルディスプレイ、およびコンピュータチップ上の高速スイッチング光源をもたらすことができると思われる。トランジスタベースの光源は、ダイオードよりもはるかに速くスイッチングするであろうし、また、その平面設計を理由に、コンピュータチップ上により容易に組み入れることができると思われ、それによって、銅線よりも速い、チップにわたるデータ伝送が可能になる。より高い効率の鍵は、薄膜が互いに積み重ねられた、3層構造である。一方は電子を有し、他方は正孔を有する、最上層および最下層を電流が水平に流れる一方で、中間層に流れ込むキャリアは再結合し、光子を放出する。キャリアは、それら自身の材料層へ分離されるので、再結合したキャリア(一重項として知られる)は、他のキャリアに衝突せず、それらのエネルギー状態は、光子を放出しない程度にまで変化する。こうした消光は、OLEDの効率の重大な制限要素の1つである。
【0213】
一実施形態では、本発明は、(i)ゲート電極と、(ii)ソース電極およびドレイン電極と、(iii)ゲート電極の上の誘導層と、前記ソースおよびドレイン電極間の、それらと電気的に接触する本発明のオリゴフランまたはポリフランとを含む、電界効果トランジスタ(FET)に関する。別の実施形態では、FETは、薄膜としての本発明のオリゴフランまたはポリプランを上に有する基板をさらに含む。別の実施形態では、該トランジスタは、接合型電界効果トランジスタである。別の実施形態では、ゲート電極は、p型のオリゴフラン/ポリフラン有機半導体と電気的に接触する。別の実施形態では、該オリゴフランまたはポリフランは、n型半導電性である。別の実施形態では、該オリゴフランまたはポリフランは、p型半導電性である。
【0214】
一実施形態では、本発明は、(i)ゲート電極と、(ii)ソース電極およびドレイン電極と、(iii)ゲート電極の上の誘導層と、前記ソースおよびドレイン電極間の、それらと電気的に接触する本発明のオリゴフランとを含む、光効果トランジスタ(light effect transistor)(LET)デバイスに関する。別の実施形態では、LETは、薄膜としての本発明のオリゴフランを上に有する基板をさらに含む。別の実施形態では、ゲート電極は、p型のオリゴフラン有機半導体と電気的に接触する。別の実施形態では、該オリゴフランは、n型半導電性である。別の実施形態では、該オリゴフランは、p型半導電性である。
【0215】
一実施形態では、本発明は、本発明の有機トランジスタデバイスを含む、相補型論理回路、能動マトリクスディスプレイ、能動マトリクスLEDディスプレイに関する。
【0216】
有機半導体層は、正孔輸送体、電子輸送体、および発光材料のうちの1つまたは複数を含むことができる。1つまたは複数のさらなる有機半導体層を、アノードとカソードとの間に設けることができる。アノードおよびカソードの1つまたは両方は、互いに独立して、該導電性ポリマー組成物を含むことができる。
【0217】
一実施形態では、該デバイスの多層が、溶液処理によって形成される場合、当業者は、例えば、次の層を被覆する前に1つの層を架橋すること、またはこれらの層の最初の層を形成する材料が、2番目の層を被覆するのに使用される溶媒に溶けないように、近接する層の材料を選択することにより、近接する層の混合を防ぐ技術を意識するであろう。あるいは、1つの層は、好ましくは、溶液からの被覆により形成された後に、次の層の被覆のために使用される溶媒に実質的に不溶になるように、熱処理される。この方法においては、架橋をしなくてもよい。
【0218】
さらに詳しく述べなくても、当業者は、先の説明を生かして、本発明を最大限に利用すると考えられる。以下の実施例、および好ましい特定の実施形態は、したがって、単に例示的にすぎず、本開示の残り部分を決して限定しないと解釈されるべきである。
【0219】
実施例
【0220】
オリゴフランの作製
【0221】
本発明のオリゴフランを、図1に示した通りの合成経路に従って作製した。
【0222】
全般的な情報
H−NMRスペクトルは、外部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)を含むH−クロロホルム溶液として、300MHzの分光計(Brucker)で記録した。化学シフトは、δ単位で表す。13C NMRは、H−クロロホルム溶液として、62.50MHzの分光計(Brucker)で記録した。UV−VIS吸収測定は、Cary−50分光計(Varian)で行った。定常状態蛍光測定は、直角の励起/発光幾何学的配置を有するCary Eclipse蛍光光度計(Varian)で実施した。蛍光量子収率は、標準的手順(Lakowicz, J. R., Principles of Fluorescence spectroscopy. 2nd ed.; Kluwer Academic/Plenum: New York, 1999;この参照により本明細書に援用されるものとする)を使用して決定した。ジオキサンに入ったクアテルフラン(λabs=364nm、λem=393,418nm、Φ=0.82)を、蛍光基準物質として使用した(de MeIo, J. S.; Elisei, F.; Gartner, C.; Aloisi, G. G.; Becker, R. S. J. Phys. Chem. A 2000, 104, 6907;この参照により本明細書に援用されるものとする)。量子収率測定は、4つの励起波長を使用して行い、20回の測定にわたって、量子収率を平均化し、誤差を5%未満と見積もった。0.1Mのテトラフルオロホウ酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBABF)を含有する炭酸プロピレンを、溶媒として使用した。フェロセン/フェロセニウム酸化還元対(Fc/Fc、CHCl中で0.475V(対SCE))を、すべての測定のための内部基準物質として使用した。すべての電気化学的測定は、乾燥窒素雰囲気下で実施した。乾燥した無水炭酸プロピレン(PC)を、Sigma-Aldrichから購入し、そのまま使用した。テトラフルオロホウ酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBABF)(Fluka)は、真空中で乾燥させた。フェロセン粉末(Fluka)を使用して、電気化学的基準物質を作った。Ag/AgCl線は、FeClとHClとの溶液に銀線を浸すことによって作製した。
【0223】
実施例1
【0224】
トリブチルスタンニル−ビフランおよびトリフラン中間体の作製。
【0225】
【化40】

【0226】
2−(トリブチルスタンニル)ビフラン(1)n−BuLiの溶液(7.7mL、ヘキサン中、2.5M、19.2mmol、1.3当量)を、N下で、−78℃で、ビフラン(2g、14.9mmol)の無水THF(100mL)溶液に滴下した。混合物を、室温になるまで放置して、1時間撹拌した。この白い懸濁液に、0℃で、BuSnCl(4mL、14.9mmol)を滴下し、反応物を、室温に達するまで放置して、2時間撹拌した。混合物を、ヘキサンで抽出し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。塩基性シリカ(EtN)およびヘキサンを使用したクロマトグラフィーによる分離によって、無色のオイルとして、1が得られた(3.8g、収率60%)。H NMR(300MHz、CDCl):δ0.85〜0.91(t,J=7.3Hz,9H)、1.03〜1.13(m,6H)、1.26〜1.39(m,6H)、1.48〜1.63(m,6H)、6.40〜6.42(m,1H)、6.50(d,J=3.3Hz,1H)、6.57(dd,J=3.3、6.0Hz,2H)、7.34(dd,J=0.7、1.8Hz,1H)ppm。13C NMR(300MHz、CDCl):δ10.2、13.7、27.2、28.9、104.6、105.0、111.3、123.0、141.4、147.5、151.0、160.9 ppm
【0227】
【化41】

【0228】
【化42】

【0229】
2−(トリブチルスタンニル)テルフラン(2)および5,5´´−ビス(トリブチルスタンニル)2,2´:5´,2´´−テルフラン(5)2.5M n−BuLiのヘキサン溶液(3.2mL、8mmol、1.6当量)を、N下で、−78℃で、テルフラン(1g、5mmol)の無水THF(50mL)に滴下した。混合物を、室温になるまで放置して、30分間撹拌した。この白い懸濁液に、0℃で、トリメチルスズクロリド(1.5mL、5.5mmol)を滴下し、反応物を、室温に達するまで放置して、2時間撹拌した。混合物を、ヘキサンで抽出し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。塩基性シリカ(Net)およびヘキサンを使用したクロマトグラフィーによる分離によって、3(1.05g、収率27%)、2(890mg、収率48%)、および出発材料(110mg、収率11%)が得られた。
【0230】
2−(トリブチルスタンニル)テルフラン(2)H NMR(300MHz、CDCl):δ0.83〜0.90(t,J=7.3Hz,9H)、1.03〜1.08(m,6H)、1.22〜1.38(dq,J=14.3、7.2Hz,6H)、1.49〜1.59(m,6H)、6.41〜6.43(dd,J=3.4、1.8Hz,1H)、6.52〜6.60(m,5H)、7.37(d,J=1.2Hz,1H)ppm。13C NMR(300MHz、CDCl):δ10.3、13.7、27.2、28.9、105.1、105.4、106.5、107.0、111.4、123.1、141.8、145.4、146.5、146.6、150.6、161.4ppm。HRMS(FD)、C2434Snについてのm/z計算値:490.1535;実測値490.1534。
【0231】
5,5´´−ビス(トリブチルスタンニル)2,2´:5´,2´´−テルフラン(5)H NMR(300MHz、CDCl):δ0.82〜0.90(t,J=7.2Hz,18H)、1.01〜1.11(m,12H)、1.23〜1.37(dq,J=7.2、14.2Hz,12H)、1.48〜1.60(m,12H)、6.53(s,2H)、6.54〜6.58(q,J=3.2Hz,4H)ppm。13C NMR(300MHz、CDCl):δ10.3、13.7、27.2、28.9、105.1、106.5、123.1、146.3、150.8、161.1ppm。HRMS(FD)、C3660Snについてのm/z計算値:778.2595;実測値778.2599。
【0232】
実施例2
【0233】
オリゴフラン(4F)の作製。
【0234】
【化43】

【0235】
α−クアテルフラン(4F)。Pd(PPh(60mg、0.05mmol、5%mol)を、乾燥トルエン(20mL)に入った、2,5´−(ジブロモ)ビスフラン(289mg,1mmol)および2−トリブチルスズフラン(790mg、2.2mmol)に添加し、混合物を、N下で5時間還流した。次いで、混合物を冷却し、蒸発させて、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。ヘキサンを溶出液として使用して、塩基性シリカ(NEt)カラムで生成物を分離する(R=0.2)と、白色の結晶性生成物が得られた。4Fの特徴付けは、他の所に記載されている(Kauffmann et al., Chemisette Berichte 114, (11), 3667-73 (1981))。
【0236】
実施例3
【0237】
オリゴフラン5Fの作製。
【0238】
【化44】

【0239】
α−ペンタフラン(5F)。Pd(PPh(350mg、0.3mmol、10%mol)を、乾燥トルエン(150mL)に入った、2,5´´−(ジブロモ)テルフラン(600mg,1.39mmol)および2−トリブチルスズフラン(1.2g、2.80mmol)に添加し、混合物を、N下で5時間還流した。次いで、混合物を冷却し、約50mLに蒸発させて、濾過した。濾液を、減圧下(10−5bar)で、165℃で昇華させると、明るい黄色の粉末として、150mgの5Fが得られた(収率32%)。H NMR(300MHz、CDCl):6.43〜6.45(dd,J=3.4、1.8Hz,2H)、6.58〜6.65(m,8H)、7.39〜7.40(m,2H)ppm。13C NMR(300MHz、CDCl):δ105.6、107.1、107.3、107.4、111.5、142.1、145.3、145.5、146.0、146.2ppm。m.p.208.7℃、HRMS(FD)、C2414についてのm/z計算値:332.0685;実測値332.0681、C2012についての分析計算値:C、72.29;H、3.64。実測値:C、72.42;H、3.74。
【0240】
実施例4
【0241】
オリゴフラン6Fの作製。
【0242】
【化45】

【0243】
α−セキシフラン(6F)。Pd(PPh(600mg、0.5mmol、10%mol)を、乾燥トルエン(200mL)に入った、2,5´−(ジブロモ)ビスフラン(681mg,2.35mmol)および2−(トリブチルスズ)ビスフラン(1)(2.1g、4.95mmol)に添加し、混合物を、N2下で5時間還流した。次いで、混合物を冷却し、約50mLに蒸発させて、濾過した。濾液を、減圧下(10−5bar)で、190〜200℃で昇華させると、明るい黄色の粉末として、315mgの6Fが得られた(収率34%)。H NMR(300MHz、CDCl):δ6.43〜6.45(m,2H)、6.58〜6.65(m,10H)、7.38〜7.40(d、1.4Hz,2H)ppm。m.p.260.5℃、HRMS(FD):C2414についてのm/z計算値:398.0790;実測値398.0787。C2414についての分析計算値:C、72.36;H、3.54。実測値:C、72.65;H、3.58。
【0244】
実施例5
【0245】
オリゴフラン7Fの作製。
【0246】
【化46】

【0247】
α−ヘプタフラン(7F)Pd(PPh(350mg、0.3mmol、10%mol)を、乾燥トルエン(250mL)に入った、2,5´−(ジブロモ)テルフラン(500mg,1.4mmol)および2−(トリブチルスズ)ビフラン(1)(1.2g、2.8mmol)に添加し、混合物を、N2下で5時間還流した。次いで、混合物を冷却し、約50mLに蒸発させて、濾過した。濾液を、減圧下(10−5bar)で、240℃で昇華させると、明るいオレンジ色の粉末として、315mgの6Fが得られた(収率14%)。m.p.298.8℃、HRMS(FD):C2816についてのm/z計算値:464.0896;実測値:464.0902。C2816についての分析計算値:C、72.41;H、3.47。実測値:C、72.12;H、3.52
【0248】
実施例6
【0249】
オリゴフラン8Fの作製。
【0250】
【化47】

【0251】
α−オクタフラン(8F)Pd(PPh(305mg、0.3mmol、10%mol)を、乾燥トルエン(250mL)に入った、2,5´−(ジブロモ)ビスフラン(355mg,1.2mmol)および2−(トリブチルスズ)テルフラン(2)(1.2g、2.4mmol)に添加し、混合物を、N2下で5時間還流した。次いで、混合物を冷却し、約50mLに蒸発させて、濾過した。濾液を、減圧下(10−5bar)で、250℃で昇華させると、明るいオレンジ色の粉末として、315mgの6Fが得られた(収率16%)。m.p.327.9℃、HRMS(FD):C3218についてのm/z計算値:530.1002;実測値530.1004。
【0252】
実施例7
【0253】
オリゴフラン9Fの作製。
【0254】
【化48】

【0255】
5−ブロモ−2,2´:5´,2´´−テルフラン(6)。氷浴で冷却した、テルフラン(265mg、1.3mmol)のベンゼン(60mL)溶液中に、N−ブロモスクシンイミド(NBS、211mg、1.2mmol)を添加し、混合物を、暗室で、1時間撹拌した。次いで、混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出し、ヘキサンを溶出液として使用して、有機画分を、塩基性(NEt)シリカのカラムに通した。20mLの乾燥トルエンを添加し、減圧蒸発によって、ヘキサンを除去した。得られた溶液を、さらに精製することなく、次のステップで使用した。
【0256】
【化49】

【0257】
α−ノナフラン(2,2´:5´,2´´:5´´,2´´´:5´´´,2´´´´:5´´´´,2´´´´´:5´´´´´,2´´´´´´:5´´´´´´,2´´´´´´´:5´´´´´´´,2´´´´´´´´−ノビフラン)(9F)上述した、2−ブロモテルフラン(6)のトルエン溶液を、乾燥トルエン(100mL)に入った、Pd(PPh(24mg、0.02mmol、10%mol)および5,5´´−ビス(トリブチルスタンニル)2,2´:5´,2´´−テルフラン(5)(実施例1参照)(80mg、0.1mmol)に添加して、混合物を、N下で12時間還流した。次いで、混合物を冷却し、約50mLに蒸発させ、沈殿物を、濾過によって収集し、ヘキサンで洗浄し、真空中(10−2mbar)で、265℃で昇華させると、明るいオレンジ色の粉末として、9Fが得られた。HRMS(FD):C3620についてのm/z計算値:596.1107;実測値596.1109。
【0258】
この生成物は、温めたアセトンにわずかに溶けるので、ソックスレー抽出によって分離することもできる。アセトンを用いて2時間ソックスレー抽出した後、可溶性の不純物が除去され、新たな少量のアセトンを導入して、フラスコ中に、オレンジ色の沈殿物として、生成物を見ることができた。
【0259】
実施例8
【0260】
本発明のオリゴフランの光物理的特性
【0261】
すべての電気化学測定を、Ag/AgCl線、Pt線、およびPtディスク電極(直径1.6mm、BASi製)をそれぞれ、擬似参照電極、対電極、および作用電極として備えた、標準3電極の1室配置において、PARのポテンショスタット263Aモデルを使用して実施した。Ptディスク電極を、アルミナで研磨した後に、超音波処理し、さらに、Ag/AgCl飽和NaCl電極(BASi)に対して、−0.23から1.25Vの間で循環させることによって、0.5M HClO4中で電解研磨した。この電解質媒体は、無水炭酸プロピレン(PC)および0.1Mテトラフルオロホウ酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBABF)を電解質として含有した。すべての電気化学的溶液を、少なくとも15分間、乾燥Nでパージした。これらの条件下で、Fc/Fc+基準を、0.34Vと定めた。モノマー濃度は、約10−2Mであった。
【0262】
オリゴフランは、高蛍光性であり、量子収率が、9Fにおける58%から、5Fにおける74%の範囲である(表1、図8)。ストークスシフト値は、3F〜9Fについて、約0.25eVであり、対応するオリゴチオフェン3T〜6Tについてのもの(約0.40eV)よりも実質的に小さく、オリゴフランの方が剛性であることを示している。6Fの固体蛍光は、溶液における値に対して、0.35eVレッドシフトしているピークを示した(図8)。上述した、より小さいストークスシフトと最密充填に加えて、オリゴフランの剛性は、算出された、ねじれポテンシャルから分かる(図16)。6Fをねじるのに必要となるエネルギーは、6Tよりも著しく大きかった。例えば、6Fを36°のねじれ角にねじるには、12.5kcal/molが必要である一方で、6Tを同じようにねじるには、2.3kcal/molしか必要としない。硫黄原子と比較して酸素原子の方がサイズが小さいことは、オリゴフランの立体要求が、オリゴチオフェンと比較して少なくなることにつながり、剛性の著しい差異に寄与することもできる。上記の発見は、オリゴフランが、より優れた可溶性にもかかわらず、オリゴチオフェンよりも剛性であることを示している。
【0263】
表1は、本発明のオリゴフランの吸光、蛍光量子収率、および酸化還元特性を示す。
【0264】
【表1】

【0265】
ジオキサンにおいて測定。対応するオリゴチオフェン(nTs)の蛍光量子収率(Becker et al. J. Phys.〜Chem. 1996, 100, 18683から引用)を、括弧内に示す。C0.1Mテトラフルオロホウ酸テトラ−n−ブチルアンモニウムを含有する炭酸プロピレンにおいて測定した酸化電位(参照電極Ag/AgCl、Fc/Fc=0.34V(対SCE)、走査速度:100mV/sという条件下で)。括弧内の値は、示差パルスボルタモグラム(DPV)の測定結果(図15)に相当する。計算値(B3LYP/6−31G(d)。データは、de MeIo, et al. J. Phys. Chem., A 2000, 104, 6907(MeCNにおいて測定)から引用した。
【0266】
実施例9
【0267】
本発明のオリゴフランの結晶化およびX線分析
【0268】
全般のX線法手順
【0269】
X線回折データは、NO、NiusのKappaCCD回折計、MoKα(λ=0.71073Å)、グラファイトモノクロメーター、T=100(2)Kで収集した。データは、Denzo−Scalepackによって処理した。SHELXL−97を用いて、F2に基づくフルマトリックス最小二乗によって、構造を精密化した。
【0270】
α−セキシフラン(6F)のX線構造分析。化合物6Fを、ヘプタンから結晶化させて、淡い黄色の結晶(板状のもの)を得た。結晶データ:C2414、0.10×0.10×0.01mm、単斜晶、P2(1)/C,a=19.4403(16)Å、b=5.2922(4)Å、C=8.9457(0)Å、18度のデータからα=90、β=99.719(5)、γ=90(18度のデータから)、Z=2、Fw=398.35、Dc=1.458Mg.m−3、μ=0.106mm―1。データの収集および加工:Bruker Kappa ApexII CCD回折計、MoKα(λ=0.71073Å)、グラファイトモノクロメーター、MiraCol光学素子、−23≦h≦23、−6≦k≦6、−6≦l≦0、走査フレーム幅=0.5°、走査速度1.0°/160秒、代表的な最高モザイク角0.67°、収集した反射数6398個、独立反射数1725個(R−int=0.0984)。データは、Apex2で加工した。決定と精密化:BrukerのAuto−Structureを用いた、直接法による構造の決定。SHELXL−97を用いた、Fに基づくフルマトリックス最小二乗精密化、制限値0の136個のパラメータ、I>2σ(I)およびR=0.1807(反射数3763個に関して)であるデータの最終R=0.0501(Fに基づく)、Fに関する適合度=0.925、最大の電子密度ピーク=0.212e/Åおよび正孔−0.257e/Å
【0271】
α−テルフラン(3F)のX線構造分析。化合物3Fを、ヘプタンから結晶化させて、無色の結晶を得た。結晶データ:C12、0.36×0.11×0.08mm、単斜晶、Cc,a=17.982(5)Å、b=16.300(5)Å、C=10.747(2)Å、β=116.82(3)(27度のデータから)、V=2811.2(15)Å、Z=12、Fw=200.18、Dc=1.419Mg.m―3、μ=0.103mm―1。データの収集および加工:NO、NiusのKappaCCD回折計、MoKα(λ=0.71073Å)、グラファイトモノクロメーター、−24≦h≦18、−21≦k≦21、−13≦l≦14、走査フレーム幅=1.0°、走査速度1.0°/80秒、代表的な最高モザイク角0.72°、収集した反射数24341個、独立反射数7021個(R−int=0.0463)。データは、Apex2で加工した。決定および精密化:SHELXS−97を用いた、PattersO、N法による構造の決定。SHELXL−97を用いた、Fに基づくフルマトリックス最小二乗精密化、2つの制限値をもつ406個のパラメータ、I>2σ(I)およびR=0.0529(反射数3543個に関して)であるデータの最終R=0.0403(Fに基づく)、Fに関する適合度=1.016、最大の電子密度ピーク=0.369e/Åおよび正孔−0.222e/Å
【0272】
α−テルフラン(4F)のX線構造分析。化合物4Fを、ヘプタンから結晶化させて、無色の結晶を得た。結晶データ:C1610、0.3×0.1×0.2mm、単斜晶、P2/C(No.14)、a=11.2338(17)Å、b=5.3584(7)Å、C=10.9863(16)Å、β=114.828(5)(20度のデータから)、V=600.20(15)Å、Z=2、Fw=266.24、Dc=1.473Mg.m―3、μ=0.107mm−1。データの収集および加工:Bruker Kappa ApexII CCD回折計、MoKα(λ=0.71073Å)、グラファイトモノクロメーター、MiraCol光学素子、−12≦h≦12、−5≦k≦5、−12≦l≦12、走査フレーム幅=0.5°、走査速度1.0°/140秒、代表的な最高モザイク角0.46°、収集した反射数5329個、独立反射数869個(R−int=0.0731)。データは、Apex2で加工した。決定および精密化:SHELXSを用いた、直接法による構造の決定。SHELXL−97を用いた、Fに基づくフルマトリックス最小二乗精密化、制限値0の91個のパラメータ、I>2σ(I)およびR=0.0837(反射数863個に関して)であるデータの最終R=0.0428(Fに基づく)、Fに関する適合度=1.026、最大の電子密度ピーク=0.191e/Åおよび正孔−0.298e/Å
【0273】
実施例10
【0274】
化合物IV−B(ジヘキシル−6F)の合成
【0275】
全般的な情報
【0276】
Hおよび13C NMRスペクトルは、溶媒としてH−クロロホルム、外部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を使用して、300MHzの分光計(Brucker)で、溶液において記録した。化学シフトは、δ単位で表す。高分解能マススペクトルは、Waters MicromassのGCT Premierで測定した。
【0277】
合成
【0278】
【化50】

【0279】
2−ヘキシル−5−ヨードフラン。n−BuLiの溶液(24.7mL、ヘキサン中、1.6M、39.5mmol、1.4当量)を、N下で、−78℃で、2−ヘキシルフラン(4.3g、28.3mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(THF、50mL)溶液に滴下した。反応混合物を、0℃に温め、10分撹拌し、−78℃に再度冷却した。この溶液に、25mLのTHFに入ったヨウ素(9.3g、36.7mmol)にゆっくりと添加し、溶液を、ゆっくりと0℃に温め、0℃で2時間撹拌した。100mLの水を添加した後、溶液を、ヘキサンで抽出した。有機層を、Na水溶液(30mL)および水で洗浄し、MgSOで乾燥させて、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンで溶出)によって精製すると、淡い茶色のオイルとして、6gの2−ヘキシル−5−ヨードフラン(76%)が得られた。H NMR(300MHz、CDCl):δ6.37(d,J=3.14Hz,1H)、5.88(d,J=3.16Hz,1H)、2.60(t,J=7.56、7.56Hz,2H)、1.58(td,J=15.11、7.66、7.66Hz,2H)、1.24〜1.39(m,6H)、0.86(t,J=6.77、6.77Hz,3H)ppm。13C NMR(75MHz、CDCl):δ162.3、120.6、108.0、84.3、31.6、28.8、28.3、27.8、22.6、14.1ppm。HRMS(FD):C1015IOについてのm/z計算値:278.0168;実測値278.0172。
【0280】
【化51】

【0281】
5−ヘキシル−2,2´−ビフラン。Pd(PPh(1.15g、1mmol、5%mol)を、乾燥トルエン(150mL)に入った、2−トリブチルスズフラン(7.05g、20mmol)および2−ヘキシル−5−ヨードフラン(5.5g,20mmol)に添加し、反応混合物を、N下で5時間還流した。次いで、混合物を冷却し、ヘキサンで分離し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンで溶出)によって精製すると、無色のオイルとして、3.8gの5−ヘキシル−2,2´−ビフラン(88%)が得られた。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.35(d,J=1.1Hz,1H)、6.39〜6.45(m,3H)、6.00(d,J=3.2Hz,1H)2.62(t,J=7.6,2H)、1.64(td,J=2H)、1.28〜1.34(m,6H)、0.87(t,3H)ppm。13C NMR(75MHz、CDCl):δ156.3、147.0、144.8、141.3、111.3、106.5、105.9、104.1、31.6、28.9、28.1、28.0、22.6、14.1ppm。HRMS(FD):C1418についてのm/z計算値:218.1307;実測値218.1315。
【0282】
【化52】

【0283】
トリブチル(5´−ヘキシル−[2,2´−ビフラン]−5−イル)スタンナン)。n−BuLiの溶液(14.1mL、ヘキサン中、1.6M、22.5mmol、1.3当量)を、N下で、−78℃で、2−ヘキシル−5−ヨードフラン(3.8g、17.4mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(THF、100mL)溶液に滴下した。反応混合物を、室温に達するまで放置して、1時間撹拌した。得られた混合物を−78℃に冷却し、BuSnCl(6.1mL、22.5mmol)を滴下し、反応混合物を室温に達するまで放置して、2時間撹拌した。混合物を水で急冷し、ヘキサンで抽出し、乾燥させて(MgSO)、蒸発させた。ヘキサンを溶出液として使用した、塩基性(NEt)シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーによって、無色のオイルとして、トリブチル(5´−ヘキシル−[2,2´−ビフラン]−5−イル)スタンナン)が得られた(1.9g、収率20%)。H NMR(300MHz、CDCl):ppm。13C NMR(75MHz、CDCl):δ106.1、155.9、151.4、145.7、122.9、106.4、105.4、104.0、31.6、28.9、28.8、28.1、28.0、27.2、22.6、14.7、14.1、10.2ppm。HRMS(FD):C2644についてのm/z計算値:508.2368;実測値508.2374。
【0284】
【化53】

【0285】
5,5´´´´´−ジヘキシル−2,2´:5´,2´´:5´´,2´´´:5´´´,2´´´´:5´´´´,2´´´´´−セキシフラン(DH−6F)。Pd(PPh(115mg、0.1mmol、5%mol)を、乾燥トルエン(200mL)に入った、2,5´−(ジブロモ)ビスフラン(283mg、1mmol)およびトリブチル(5´−ヘキシル−[2,2´−ビフラン]−5−イル)スタンナン(1g,2mmol)に添加し、反応混合物を、N下で5時間還流した。次いで、混合物を冷却し、約50mLに濃縮した。残留物を、濾過によって収集して、アセトンで洗浄し、減圧下(10−2mbar)で、190℃〜200℃で昇華させると、明るい黄色の粉末として、190mgのDH−6F(収率35%)が得られた(m.p.261℃)。H NMR(400MHz、1,1,2,2−テトラクロロエタン−d):δ6.62〜6.67(m,4H)、6.52(d,J=3.54Hz,2H)、6.50(d,J=3.19Hz,2H)、6.03(d,J=3.32Hz,2H)、2.64(t,J=7.51、7.51Hz,4H)、1.59〜1.67(m,4H)、1.26〜1.36(m,12H)、0.86(t,J=7.04Hz,6H)。13C NMR(100MHz、1,1,2,2−テトラクロロエタン−d):δ156.5、144.9、144.3、143.7、107.1、107.0、106.7、106.2、106.1、105.8、105.7、30.9、28.2、27.5、27.3、21.9、13.4ppm。HRMS(FD):C3638についてのm/z計算値:566.2668;実測値566.2674
【0286】
実施例11
【0287】
本発明の選択されたオリゴフラン膜のモルホロジー
【0288】
方法および材料
【0289】
示差走査熱量計(DSC)測定は、TaQ200DSC測定器で実施した。元素分析は、FlashEA 1 1 12(Thermo Finnigan)CHN元素分析装置を用いて行った。UV−vis吸収測定は、Cary−50分光計(Varian)で行った。定常状態蛍光測定は、直角の励起/発光幾何学的配置を有するCary Eclipse蛍光光度計(Varian)で実施した。蛍光量子収率は、蛍光量子収率は、標準的手順(Lakowicz, J. R., Principles of Fluorescence spectroscopy. 2nd ed.; Kluwer Academic/Plenum: New York, 1999)を使用して決定した。アセトニトリルに入れたクマリン30(λabs=403nm、λem=480nm、Φ=0.67)を、Φ測定の基準物質とした。(Jones, G.; Jackson, W. R.; Choi, C; Bergmark, W. R. J. Phys. Chem. 1985, 89, 294-300)。
【0290】
量子収率測定は、4つの励起波長を使用して行い、20回の測定にわたって、量子収率を平均化し、誤差を5%未満と見積もった。固体蛍光については、化合物を、2枚の石英スライドガラスの間に置いた粉末として測定した。0.1Mのテトラフルオロホウ酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBABF)を含有する炭酸プロピレンを、溶媒として使用した。Ag/AgClを、参照電極として使用した。フェロセン/フェロセニウム酸化還元対(CHCl中で、飽和カロメル電極(SCE)に対して、Fc/Fc=0.475V)を、すべての測定のための内部基準物質として使用した。すべての電気化学測定は、乾燥窒素雰囲気下で実施した。乾燥した無水PCを、Sigma-Aldrichから購入し、そのまま使用した。TBABF(Fluka)は、真空中で乾燥させた。フェロセン粉末(Fluka)を使用して、電気化学的基準物質を作った。Ag/AgCl線は、FeClとHClとの溶液に銀線を浸すことによって作製した。THFおよびトルエンは、使用前に、乾燥アルゴン雰囲気下で、ナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留した。カラムは、シルカゲル(60〜230メッシュ)を用いて作製した。
【0291】
結果
【0292】
Si/SiO上に真空蒸着したオリゴフランの膜モルホロジ−を、原子間力顕微鏡(AFM)およびX線回析(XRD)によって調査した。DH6FのAFM画像は、層の厚さが約2.8〜3.0nmである、交互積層を示す(図13a)。これは、これらの膜に関するXRD測定結果と一致する。この測定結果は、対応するd間隔が2.75nmである、DH6Fの一連のh00回折ピーク(図14a)のみを見せている。この距離は、傾斜角度が45°である、算出されたDH6Fの長さ(3.89nm(メチル基の半径0.2nm))に相当する。少なくとも最初の3つの単層については、交互積層の形で、膜成長が続く(図13b)。8Fについても同様に、厚さ3nmの積層が観察され、それは、分子が表面に垂直に整列していることを示している(算出された長さは、3.09nmである)(図13c、d)。さらに、交互積層を、XRDによって確認する。XRDは、d間隔が2.54nmである、一連のh00ピーク(8オーダーまで)を示す(図14b)。6Fのモルホロジ−は、8FおよびDH−6Fのものと非常に異なる。AFM画像は、より長い積層時間で、束を形成する(図13f)、1D「ワイヤ」の形成(図13e)を示す。そのような膜のXRDパターンは、基板に対して、6Fの結晶面の選択的整列がないことを示す(図14c)。この分子を、OTS修飾またはHMDS修飾Si/SiOウェハに蒸着すると、類似の結果が得られた(HMDS=ヘキサメチルジシラザン)。
【0293】
実施例12
【0294】
本発明のオリゴフランの電気化学
【0295】
材料および方法
【0296】
すべての電気化学測定を、Ag/AgCl線、Pt線、およびPtディスク電極(直径1.6mm、BASi製)をそれぞれ、擬似参照電極、対電極、および作用電極として備えた、標準3電極の1室配置において、PARのポテンショスタット263Aモデルを使用して実施した。Ptディスク電極を、アルミナで研磨した後に、超音波処理し、さらに、Ag/AgCl飽和NaCl電極(BASi)に対して、−0.23から1.25Vの間で循環させることによって、0.5M HClO4中で電解研磨した。この電解質媒体は、無水炭酸プロピレン(PC)および0.1M TBABFを電解質として含有した。すべての電気化学的溶液を、少なくとも15分間、乾燥Nでパージした。これらの条件下で、Fc/Fc+基準を、0.34Vと定めた。モノマー濃度は、約10−2Mであった。
【0297】
結果
【0298】
5F〜8Fのサイクリックボルタンメトリー(CV)は、非可逆な酸化ピークSCEに対して、0.71V(5Fについて)から0.67V(8Fについて)で、非可逆なピークを示した(図2a、および実施例8の表1、Fc/Fc=0.34Vに定めた(対SCE))。これは、5F〜8FのHOMOエネルギー(表1)の、たった0.14eVという算出された差異に一致する。長鎖オリゴフランは、その酸化電位が相対的に低いことから明らかな通り、オリゴチオフェンと比較して、著しく電子が豊富である。比較として、類似の条件下で、3Tおよび4Tはそれぞれ、1.16Vおよび1.14Vである。5F〜7Fの場合には、周期が繰り返される間(図2b)、順調なポリマー成長が観察される。形成された膜の色は、中性状態では、黄色がかったオレンジ色であり、ドープすると、緑色に変化する。
【0299】
実施例13
【0300】
DPFB−6Fオリゴフランの合成
【0301】
DPFB−6Fオリゴフランの作製のための合成スキームを、図17に表す。
【0302】
【化54】

【0303】
2´,2−(トリブチルスタンニル)−2,2´−ビフラン(1)。n−BuLiの溶液(16mL、ヘキサン中、2.5M、40mmol)を、N下で、−78℃で、ビフラン(2.2g、16.5mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(THF、50mL)溶液に滴下した。反応混合物を、室温に達するまで放置して、1時間撹拌した。得られた白い懸濁液を、−78℃に冷却し、BuSnCl(11mL、40mmol)を滴下して、室温に達するまで放置して、2時間撹拌した。混合物を水で急冷し、ヘキサンで抽出し、乾燥させて(MgSO)、蒸発させた。ヘキサンを溶出液として使用した、塩基性(NEt)シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーによって、無色のオイルとして、1(1.6g、収率14%)と、無色のオイルとして、2 1(0.5g、収率7%)が得られた。
【0304】
【化55】

【0305】
【化56】

【0306】
5,5´−ビス(ペルフルオロフェニル)−2,2´−ビフラン(DPFB−2F)およびトリブチル(5´−(ペルフルオロフェニル)−[2,2´−ビフラン]−5−イル)スタンナン(3)Pd(PPh(10mg、0.3mmol、10%mol)を、乾燥トルエン(20mL)に入った、ブロモペンタフルオロベンゼン(200mg、0.8mmol)および1(0.5g、0.7mmol)に添加し、反応混合物を、N下で4時間還流した。次いで、混合物を冷却し、水/ヘキサン混合物で分離して、有機画分を乾燥させて(MgSO)、蒸発させた。ヘキサンを溶出液として使用した、塩基性(NEt)シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーによって、3(200mg、収率33%)、およびDPFB−2F(100mg、収率8%)が得られた。
【0307】
【化57】

【0308】
5,5´´´´−ビス(ペルフルオロフェニル)−2,2´:5´,2´´:5´´,2´´´:5´´´,2´´´´:5´´´´,2´´´´´−セキシフラン(DPFB−6F)Pd(PPh(140mg、0.12mmol、10%mol)を、乾燥トルエン(100mL)に入った、2,2´−(ジブロモ)ビフラン(170mg、0.6mmol)および3(700mg、2.80mmol)に添加し、反応混合物を、N下で3時間還流した。次いで、混合物を冷却し、約20mLに濃縮した。残留物を、濾過によって収集し、ヘキサンおよびアセトンで洗浄し、減圧下(10-2mbar)で、260℃で昇華させると、明るい黄色の粉末として、150mgのDPFB−6Fが得られた(収率17%)。HRMS(FD):C361210についてのm/z計算値:730.0474;実測値730.0485。DPFB−6FのUVABSおよび蛍光性を、図18に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学構造式IVで表されるオリゴフラン。
【化1】

式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−ヘテロシクロアルキル、(C〜C18アルキル)−アリール、(C〜C18アルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、NO、ハロゲン、CO−(C〜C18アルキル)、O−(C〜C18アルキル)、S−(C〜C18アルキル)、NH(C〜C18アルキル)、NHC(O)(C〜C18アルキル)もしくはN[(C〜C18アルキル)][C(O)(C〜C18アルキル)]、ハロ−(C〜C18アルキル)、ヒドロキシル−(C〜C18アルキル)、アミノ−(C〜C18アルキル)、フェニル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。上記のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、[C〜Cアルキル]、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。
また、RおよびRが互いに結合して、0〜3個の二重結合およびO、N、SeまたはSから選択される0〜3個のヘテロ原子を含む4〜8の員環を形成することができる。前記4〜8の員環は、C〜C18−アルキル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、ジアルキルアミン、NHC(O)(C〜Cアルキル))またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。上記の(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−シクロアルキルまたは(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール基のアリール、シクロアルキルまたはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、C〜Cアルキル、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、N(R)(R5)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。
mは1〜50の間の整数であり、nは1〜50の間の整数である。RおよびRが水素である場合は、[n+2m]は3または4ではない。
【請求項2】
請求項1に記載のオリゴフランであって、
下記の化学構造式で表されることを特徴とするオリゴフラン。
【化59】

【請求項3】
請求項2に記載のオリゴフランであって、
下記の化学構造式で表されることを特徴とするオリゴフラン。
【化8】

【請求項4】
請求項2に記載のオリゴフランであって、
下記の化学構造式で表されることを特徴とするオリゴフラン。
【化9】

【請求項5】
請求項2に記載のオリゴフランであって、
下記の化学構造式で表されることを特徴とするオリゴフラン。
【化10】

【請求項6】
請求項2に記載のオリゴフランであって、
下記の化学構造式で表されることを特徴とするオリゴフラン。
【化11】

【請求項7】
請求項2に記載のオリゴフランであって、
下記の化学構造式で表されることを特徴とするオリゴフラン。
【化12】

【請求項8】
請求項1に記載のオリゴフランであって、
下記の化学構造式で表されることを特徴とするオリゴフラン。
【化14】

【請求項9】
請求項1に記載のオリゴフランであって、
下記の化学構造式で表されることを特徴とするオリゴフラン。
【化15】

【請求項10】
請求項1に記載のオリゴフランであって、
蛍光性であることを特徴とするオリゴフラン。
【請求項11】
請求項1に記載のオリゴフランを含む蛍光マーカー。
【請求項12】
請求項1に記載のオリゴフランを含む電界効果トランジスタデバイス。
【請求項13】
請求項1に記載のオリゴフランを含む発光トランジスタデバイス。
【請求項14】
下記の化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランの作製方法であって、
下記の化学構造式I(n)で表される化合物を下記の化学構造式II(m)で表される2−(トリブチルスズ)−オリゴフランと反応させて、下記の化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフランを生成するステップを含むことを特徴とする方法。
【化2】

【化3】

【化6】

(式中、XはBrまたはIであり、mは1〜20の整数であり、nは1〜20の整数である)
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記mが1〜3の整数であり、前記nが1〜3の整数であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
前記mが1であり、前記nが2であることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法であって、
前記mが2であり、前記nが1であることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法であって、
前記mが2であり、前記nが2であることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法であって、
前記mが2であり、前記nが3であることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法であって、
前記mが3であり、前記nが2であることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項14に記載の方法であって、
前記mが3であり、前記nが3であることを特徴とする方法。。
【請求項22】
請求項14に記載の方法であって、
化学構造式I(n)で表される前記化合物と化学構造式II(m)で表される前記2−(トリブチルスズ)−オリゴフランとの反応が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[Pd(PPh]の存在下で行われることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項14に記載の方法であって、
化学構造式I(n)で表される前記化合物が、下記の化学構造式III(n)で表されるオリゴフランを臭素化することによって作製されることを特徴とする方法。
【化60】

【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記臭素化が、N−ブロモスクシンイミド(NBS)の存在下で行われることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項14に記載の方法であって、
化学構造式I(n)で表される前記化合物が、下記の化学構造式III(m)で表されるオリゴフランをn−ブチルリチウム(n−BuLi)と反応させた後、トリブチルスズ(BuSnCl)を添加することによって作製されることを特徴とする方法。
【化61】

【請求項26】
請求項14に記載の方法によって作製された、下記の化学構造式III(n+2m)で表されるオリゴフラン。
【化6】

【請求項27】
前記オリゴフランが蛍光性であることを特徴とする請求項26に記載のオリゴフラン。
【請求項28】
請求項26に記載のオリゴフランを含む蛍光マーカー。
【請求項29】
請求項26に記載のオリゴフランを含む電界効果トランジスタデバイス。
【請求項30】
請求項26に記載のオリゴフランを含む発光トランジスタデバイス。
【請求項31】
下記の化学構造式XIIIで表されるオリゴフラン
【化5】

式中、式中、R、R´、R´´、R、R´、R´´、R3およびR4は、互いに独立して、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−ヘテロシクロアルキル、(C〜C18アルキル)−アリール、(C〜C18アルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、NO、ハロゲン、CO−(C〜C18アルキル)、O−(C〜C18アルキル)、S−(C〜C18アルキル)、NH(C〜C18アルキル)、NHC(O)(C〜C18アルキル)もしくはN[(C〜C18アルキル)][C(O)(C〜C18アルキル)]、ハロ−(C〜C18アルキル)、ヒドロキシル−(C〜C18アルキル)、アミノ−(C〜C18アルキル)、フェニル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリールである。上記のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基またはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、[C〜Cアルキル]、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。
また、RおよびR、R´およびR、あるいはR´´およびR´´が互いに結合して、0〜3個の二重結合およびO、N、SeまたはSから選択される0〜3個のヘテロ原子を含む4〜8の員環を形成することができる。前記4〜8の員環は、C〜C18−アルキル、(C〜Cアルキル)−シクロアルキル、(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、ジアルキルアミン、(NHC(O)(C〜Cアルキル))またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。上記の(C〜Cアルキル)−アリール、(C〜Cアルキル)−シクロアルキルまたは(C〜Cアルキル)−ヘテロアリール基の前記アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリール基は、ハロゲン化合物、C〜Cアルキル、CN、COH、OH、SH、NH、CO−(C〜Cアルキル)、O−(C〜Cアルキル)、S−(C〜Cアルキル)、NH(C〜Cアルキル)、N(R4)(R5)、NHC(O)(C〜Cアルキル)またはN[(C〜Cアルキル)][C(O)(C〜Cアルキル)]を含む1〜3個の基で任意選択で置換することができる。
mは1〜50の間の整数であり、m´は0〜50の間の整数であり、nは1〜50の間の整数である。RおよびRが水素である場合は、[n+m+m´]は3または4ではない。
【請求項32】
請求項31に記載のオリゴフランであって、
下記の化学構造式で表されることを特徴とするオリゴフラン。
【化39】

【請求項33】
請求項31に記載のオリゴフランであって、
下記の化学構造式で表されることを特徴とするオリゴフラン。
【化40】

【請求項34】
請求項31、32または33に記載のオリゴフランを含む蛍光マーカー。
【請求項35】
請求項31、32または33に記載の前記オリゴフランを含む電界効果トランジスタデバイス。
【請求項36】
請求項31、32または33に記載の前記オリゴフランを含む発光トランジスタ(LET)デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2013−503152(P2013−503152A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526181(P2012−526181)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000700
【国際公開番号】WO2011/024171
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(500018608)イエダ リサーチ アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド (35)
【Fターム(参考)】