説明

オリゴペプチドを含む医薬組成物

本発明は、主成分としての水の存在下で、または水が存在しない状態で、1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物をさらに含む、オリゴペプチド、好ましくは環状オリゴペプチドの医薬組成物、前記オリゴペプチドの医薬組成物を作製するための親油性および/または両親媒性化合物の使用、ならびに前記医薬組成物の作製方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)20℃で1mg/ml〜20mg/mlの水溶性を有する少なくとも1つのオリゴペプチドを12〜90%、
b)200g/mol〜2000g/molの範囲のモル重量を有する1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物を0.01〜60%、ならびに任意選択により
c)水を0〜89%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大40%以上である、組成物。
【請求項2】
b)の親油性および/または両親媒性化合物の少なくとも1つが、
α)グリセロール部分、
β)1つもしくは複数の脂肪酸部分、および/または
γ)1つもしくは複数の脂肪アルコール部分
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
b)の親油性および/または両親媒性化合物の少なくとも1つが親水性部分を含む、請求項1および/または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
親水性部分が、エタノールアミン部分、コリン部分、ホスファチジル部分および/もしくはスルファチジル部分、ならびに/またはその塩を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
親水性部分が、ホスホエタノールアミン部分、ホスファチジルコリン部分、ホスファチジルグリセロール部分および/もしくはスルファチジルグリセロール部分、ならびに/またはその塩を含む、請求項3から4に記載の組成物。
【請求項6】
b)の少なくとも1つの親油性化合物が、天然油および合成油ならびにその混合物から選択される1つもしくは複数の化合物を含み、かつ/もしくはb)の少なくとも1つの両親媒性化合物が、親水性部分としてホスファチジル−ポリオールもしくはスルファチジル−ポリオール基を有する両親媒性脂質、ならびにその誘導体、塩および/もしくはアルコラートから選択されるの1つもしくは複数の化合物を含む、請求項1から5の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項7】
a)少なくとも1つのオリゴペプチドを12〜90%、
b)好ましくは天然油および合成油ならびにその混合物から選択される少なくとも1つの親油性化合物を10〜90%、ならびに任意選択により
c)水を0〜30%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上である、請求項1から6の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項8】
a)少なくとも1つのオリゴペプチドを12〜79.99%、
b)1つまたは複数の両親媒性化合物を0.01〜60%、
c)水を20〜89.9%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大70%以上である、請求項1から6の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項9】
a)少なくとも1つのオリゴペプチドを12〜79.99%、
b)b1)ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールの脂肪酸モノ−、ジ−またはポリエステル、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート、ならびに
b2)ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールの脂肪アルコールモノ−、ジ−またはポリエーテル、ならびにその誘導体、塩および/またはアルコラート
から選択される1つまたは複数の両親媒性化合物を0.01〜60%、
c)水を20〜89.9%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、組成物の総重量の最大40%以上である、組成物。
【請求項10】
ホスファチジル−またはスルファチジル−ポリオールが、
a)ポリホスファチジルグリセロール、トリホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、モノホスファチジルグリセロール、ならびに/または
b)ポリスルファチジルグリセロール、トリスルファチジルグリセロール、ジスルファチジルグリセロールおよびモノスルファチジルグリセロール
から選択される、請求項6および/または9に記載の組成物。
【請求項11】
i)脂肪酸が、独立に、オレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リノール酸およびリノレン酸からなる群から選択され、
ii)脂肪アルコールが、独立に、オレイン酸アルコール、ミリスチン酸アルコール、パルミチン酸アルコール、ステアリン酸アルコール、マルガリン酸アルコール、アラキン酸アルコール、ベヘン酸アルコール、エルカ酸アルコール、リノール酸アルコールおよびリノレン酸アルコールからなる群から選択され、
iii)脂肪酸部分が、独立に、i)の脂肪酸のアシル残基から選択され、かつ/または
iv)脂肪アルコール部分が、独立に、ii)の脂肪アルコールのアルキル残基から選択される、請求項1から10の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項12】
両親媒性化合物および/またはポリホスファチジル−ポリオールの脂肪酸ジ−もしくはポリエステルが、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルグリセロホスホコリン、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロール、ジステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、卵ホスファチジルコリンおよび大豆ホスファチジルコリン、ならびに薬学的に許容されるその誘導体、塩および/またはアルコラートからなる群から選択される、請求項1から11の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項13】
両親媒性化合物および/またはポリホスファチジル−ポリオールの脂肪酸ジ−もしくはポリエステルが、ジオレオイルホスファチジルグリセロールおよびジミリストイルホスファチジルグリセロール、ならびに薬学的に許容されるその誘導体、塩および/またはアルコラートからなる群から選択される、請求項1から12の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項14】
d)a)、b)およびc)以外であり、
d1)薬学的に活性な成分、
d2)薬学的に許容される添加剤
から選択される1つまたは複数の化合物を0〜50%
さらに含む、請求項1から13の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項15】
d)a)、b)およびc)以外であり、薬学的に許容される添加剤(d2)から選択される1つまたは複数の化合物を0〜10%
含む、請求項1から14の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項16】
a)の含有されるオリゴペプチドの少なくとも10%が、20℃の温度で懸濁しているか、または懸濁可能な固体形態で組成物中に存在する、請求項1から15の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項17】
オリゴペプチドが、Arg−Gly−Asp−部分配列を含む、請求項1から16の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項18】
オリゴペプチドが環状オリゴペプチドである、請求項1から17の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項19】
オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドが、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−Val)、ならびに薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩からなる群から選択される、請求項1から18の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項20】
オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドが、20℃で1mg/ml〜15mg/mlの水溶性を有するシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)ならびに薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩からなる群から選択される、請求項1から19の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項21】
オリゴペプチドまたは環状オリゴペプチドが、格子定数a=9.8±0.1Å、b=19.5±0.5Åおよびc=15.4±0.1Åの結晶学的単位胞を有する多形体の固体シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)を含む、請求項1から20の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項22】
a)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩を20〜40%、
b)好ましくはジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルグリセロホスホグリセロールおよびその混合物、ならびにそのアルカリ塩から選択される、請求項1から13の一項または複数項に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物を0.01〜10%、
c)水、ならびに任意選択により
d1)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分を0〜20%、ならびに/あるいは
d2)b)およびc)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を0〜20%
含み、
ただし、a)、b)、c)、d1)およびd2)の合計が、組成物の最大100%である、組成物。
【請求項23】
a)シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩を20〜40%、
b)好ましくはジオレオイルホスファチジルグリセロールおよびジミリストイルホスファチジルグリセロールおよびその混合物、ならびにそのアルカリ塩から選択される、請求項1から13の一項または複数項に記載の1つまたは複数の両親媒性化合物を0.01〜10%、
c)水、ならびに任意選択により
d1)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分を0〜20%、ならびに/あるいは
d2)b)およびc)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を0〜20%
含み、
ただし、a)、b)、c)、d1)およびd2)の合計が、組成物の最大100%である、組成物。
【請求項24】
a)懸濁しているか、または懸濁可能な形態の固体シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩を12〜60%、
b)請求項1から13の一項または複数項に記載の1つまたは複数の親油性および/または両親媒性化合物を0.01〜60%、ならびに
c)水を0〜89.99%
含み、
ただし、a)、b)およびc)の合計が、全組成物の最大80%以上である、組成物。
【請求項25】
1つまたは複数の両親媒性化合物と1つまたは複数のオリゴペプチドとのモル比が、0.01〜0.5の範囲である、請求項1から24の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項26】
1つまたは複数の両親媒性化合物と1つまたは複数のオリゴペプチドとのモル比が、0.001〜0.05の範囲である、請求項1から25の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項27】
以下のステップ、
i)水に1つまたは複数の両親媒性化合物を可溶化するステップと、
ii)i)に従って得られた混合物または溶液に、1つまたは複数のオリゴペプチドを添加するか、または好ましくは懸濁させるステップと、任意選択により
ii)a)の化合物以外の、1つまたは複数の薬学的に活性な成分、ならびに/あるいは水および1つまたは複数の両親媒性化合物以外の1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を添加するステップ
の1つまたは複数を含む、請求項1から26の一項または複数項に記載の組成物の製造方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法によって得ることができる組成物。
【請求項29】
0〜20%、0.001〜10%または0.001〜2%の範囲の残留含水量が達成されるまで、含水量を低減することによって、請求項1から26および/または28の一項または複数項に記載の組成物から得ることができる、流動性または再構成可能な粉末形態の固体組成物。
【請求項30】
含有される1つまたは複数のオリゴペプチド、環状オリゴペプチドまたはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)の10%以上を固体粒子および/または固体結晶粒子の形態で含む、請求項1から26および/または28の一項または複数項に記載の組成物、あるいは請求項29に記載の固体組成物。
【請求項31】
1つまたは複数のオリゴペプチド、環状オリゴペプチドまたはシクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)が、少なくとも部分的に固体粒子および/または固体結晶粒子の形態で存在し、前記粒子が5μm〜250μmの範囲の平均粒径を有する、請求項1から26、28および/または30の一項または複数項に記載の組成物、あるいは請求項29に記載の固体組成物。
【請求項32】
請求項1から26、28、29、30および/または31の一項または複数項に記載の組成物の製造のための、シクロ−(Arg−Gly−Asp−DPhe−NMeVal)、薬学的に許容されるその誘導体、溶媒和物および/または塩の使用。
【請求項33】
医薬品としての、請求項1から26、28、30および/もしくは31の一項もしくは複数項に記載の組成物、または請求項29に記載の固体組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2013−513556(P2013−513556A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542389(P2012−542389)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007396
【国際公開番号】WO2011/069629
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】