説明

オリゴマーアルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤混合物、並びにそれを含む洗剤組成物

改良されたデンプンよごれ洗浄を提供するための、オリゴマーのアルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤混合物、並びにそれを使用した洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリゴマーアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤混合物及びそれを含む洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤は、過去に利用されているが、存在するモノマー量を最大化することに注目し、ダイマー及び他のオリゴマーを洗浄目的に効果がない製品と見なしている。ところが、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤のオリゴマーが、デンプン洗浄に対して効果を示すことが見出されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
液体食器用洗剤組成物を使用する消費者は、洗う際に、米、パスタ、ジャガイモ及び他のデンプン等の洗浄の困難なデンプンよごれ(付着物)にしばしば遭遇する。デンプン洗浄の一般的な解決策は、軽質液体食器用洗剤に、酵素、漂白剤、溶媒、研磨剤などを組み入れたり、pHを高くしたりすることである。しかし、これらの解決策では、消費者が満足するデンプン洗浄力を実現させることはできない。
【0004】
また、消費者は、洗浄体験の中で、布地洗浄におけるデンプンよごれに遭遇する。
【0005】
液体食器用組成物でグリース洗浄に対処するいくつかの技術が記載されている。
【0006】
しかし、適切なグリース洗浄の技術の望ましい特性は、適切なデンプン洗浄のそれとは全く別である。デンプンよごれは、親水性であり、デンプン付着物が乾燥するにつれ減少するさまざまな水量を含有し、それがデンプン付着物の除去を困難にしている。対照的に、グリースよごれは本来疎水性である。そういうものとして、これら異なる種類のよごれに対処するためには、異なる技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、ヘプタマー及びこれらの混合物から選択されるアルキルグリセリルスルホネートオリゴマー、アルキルグリセリルサルフェート界面活性剤オリゴマー又はこれらの混合物の混合物に関し、モノマーの重量百分率は、界面活性剤混合物の0重量%〜60重量%である。
【0008】
また、本発明は、組成物の約0.1重量%〜約10重量%のアルキルグリセリルスルホネート、アルキルグリセリルサルフェート界面活性剤又はこれらの混合物を含む洗剤組成物にも関し、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤のモノマーの重量百分率は、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤の0重量%〜約60重量%である。
【0009】
引用するすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に関する従来の技術であることの容認として解釈すべきでない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のオリゴマーアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はオリゴマーアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤混合物は、より高い濃度の(60重量%を超える)モノマーアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤を有するアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤混合物のデンプン洗浄効果を超えるデンプン洗浄効果を提供すると思われる。
【0011】
本発明の洗剤組成物は意外にも、許容できるレベルの液体食器用洗剤組成物の総洗浄量を維持すると同時に、改善されたデンプン洗浄を提供する。
【0012】
本明細書で使用する時、「デンプン」とは、少なくとも一部(すなわち、少なくともデンプンの0.5重量%)にアミロース又はアミロペクチンを含む物質を意味する。
【0013】
本明細書で使用する時、「付着物」とは、表面に付着するデンプンを意味し、食器、グラス、鍋、フライパン、ベーキング皿、皿類又は布地等の表面に付着するデンプンの面積又は体積の点において限定されない。
【0014】
本明細書で使用する時、「液体食器用洗剤組成物」とは、手動(すなわち、手)食器洗いで使用される組成物を指す。前記組成物は一般的には、本来起泡性又は発泡性が高い。
【0015】
本明細書で使用する時、「洗濯洗剤組成物」とは、衣類及びその他の布地を洗う際に使用される組成物及び希釈された形態の前記組成物を含有するいかなる溶液をも指す。前記組成物は一般的には、本来起泡性又は発泡性が低い。
【0016】
本明細書で「X〜Y」又は「約X〜約Y」の形式で記載する時、数の範囲はすべて、本明細書に明確に記載されている場合と同様に本明細書に組み込まれるとともに含まれる。当然のことながら、本明細書全体にわたって提示するあらゆる限界には、場合によっては、更に低い又は更に高い限界が本明細書に明確に記載されている場合と同様に、更に低い又は高い限界が含まれる。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる範囲には、その広い範囲内の更に狭い範囲がすべて、その更に狭い範囲がすべて本明細書に明確に記載されている場合と同様に含まれる。
【0017】
特に指定しない限り、重量百分率は洗剤組成物の重量百分率に関する。指示がない限り、温度はすべて摂氏(℃)で表記する。
【0018】
アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及びアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤
一般に使用されるアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤は、高いモノマー含有量(60重量%を超える)を有する。しかし、デンプン洗浄に関しては、モノマー含有量を最小にし、オリゴマー含有量を最大にする必要があることが見出されている。本明細書で使用する時、「オリゴマー」としては、ダイマー、トリマー、クアドリマー(quadrimer)並びにアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤のヘプタマーまでのオリゴマーが挙げられる。モノマー含有量の最小化は、存在するアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤の0重量%〜約60重量%、0重量%〜約55重量%、0重量%〜約50重量%、0重量%〜約30重量%であってよい。
【0019】
本明細書で用いるアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤としては、C10〜40、C10〜22、C12〜18及びC16〜18のアルキル鎖長を有する前記界面活性剤が挙げられる。アルキル鎖は、分枝状であっても又は直鎖であってもよく、存在する場合、分枝は、メチル(C1)又はエチル(C2)等のC1〜4のアルキル部分を含む。一般に、本明細書で使用されてよい好適なアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤オリゴマーの構造としては、(A)ダイマー、(B)トリマー並びに(C)以下で具体的に例示されないテトラマー及びより高度なオリゴマーが挙げられる。
【0020】
【化1】

【0021】
当該技術分野における当業者は、対イオンが上記ナトリウム以外の他の好適な可溶性カチオンで置換されてよいことを認識するであろう。上記構造(A)〜(C)におけるRは、C10〜40、C10〜22、C12〜18及びC16〜18である。アルキル鎖は、分枝状であっても又は直鎖であってもよく、存在する場合、分枝は、メチル(C1)又はエチル(C2)等のC1〜4のアルキル部分を含む。また、当該技術分野における当業者は、対応するアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤オリゴマーが、OSO3-部分であるSO3-部分を備える類似構造を有してもよいことを認識するであろう。
【0022】
比較のため、アルキルグリセロールスルホネートのモノマーは、一般に以下の構造:
【0023】
【化2】

(式中、モノマー構造のRはC10〜40、C10〜22、C12〜18及びC16〜18である)を有する。また、当該技術分野における当業者は、対応するアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤モノマーが、OSO3-部分であるSO3-部分を備える類似構造を有してもよいことを認識するであろう。
【0024】
アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤オリゴマー含有量は、アルキルグリセロールスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤の約40重量%〜100重量%、約45重量%〜100重量%、約50重量%〜100重量%、約70重量%〜100重量%であってよい。本明細書で使用する時、「オリゴマー含有量」とは、ダイマー、トリマー、クアドリマー(quadrimer)並びにアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤中に存在する上記(ヘプタマー)等のアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤オリゴマー及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤オリゴマーの合計を意味する。より具体的には、下記の表Iに示されるように、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤オリゴマー含有量の非限定例では、存在するオリゴマーの重量パーセント及びアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤のモノマー含有量の最小化が示される。
【0025】
【表1】

*AGS7は、市販のアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤の比較例である。
【0026】
洗剤組成物中に存在する時、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤オリゴマー混合物は、洗剤組成物の0.1重量%〜10重量%、0.5重量%〜5重量%、1.0重量%〜4重量%存在する。
【0027】
オリゴマーアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤を作製する方法
工程1でオリゴマーアルキルクロログリセリルエーテルを製造する。初期反応物質は、プロクター・アンド・ギャンブル化学部門(Procter and Gamble Chemicals Division)から市販のC16〜18又はC12〜14のアルコール等の所望の鎖長からなる及び該当する場合は分枝したアルコールである。初期アルコールを65℃(150°F)に加熱し、塩化第二スズを初期アルコールと塩化第二スズの質量比100:0.67で加える。反応温度を65℃(150°F)〜80℃(175°F)に維持しながら、エピクロロヒドリンを加える。エピクロロヒドリンの量は、上記表Iに記載されるもののように、所望のオリゴマーの重量百分率に依存する。アルコールとエピクロロヒドリンの典型的なモル比は、1:1.49〜1:4.02の範囲である。非限定例を上記表Iに示す。エピクロロヒドリンの添加に際して発熱の制御を助けるため、エピクロロヒドリンを約12mL/分でゆっくり加える。所望のオリゴマーが得られるまで温度を65℃(150°F)〜90℃(194°F)に30分以上維持する。所望のオリゴマーアルキルクロログリセリルエーテルが得られているかどうかを判断するために、ガスクロマトグラフィーが使用されてよい。
【0028】
工程2でオリゴマーアルキルグリシジルエーテルを製造する。上記工程1からの溶液を90℃(195°F)に加熱する。工程1からの溶液に水酸化ナトリウムの35%水溶液を初期アルコールとNaOHのモル比1:1.5で加える。生じた溶液を1時間反応させる。混合物を室温(20〜25℃)まで冷却し、 水性層をオリゴマーアルキルグリシジルエーテルを含有する有機層から分離する。
【0029】
工程3でオリゴマーアルキルグリシジルエーテルを亜硫酸水素ナトリウムと亜硫酸ナトリウムとの混合物を使用してスルホン化する。工程2からのオリゴマーアルキルグリシジルエーテルを水、メタ重亜硫酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムと混ぜ合わせる。水酸化ナトリウムとメタ重亜硫酸ナトリウムが、以下の式:
【0030】
【数1】

(式中、ACEはオリゴマーアルキルクロログリセリルエーテルのモルを指し、AGEはオリゴマーアルキルグリシジルエーテルのモルを指し、Xは存在する最も大きいオリゴマーを指し、iは具体的なオリゴマー(すなわち、ダイマーについてはi=2、トリマーについてはi=3、等)を指す)により、ほとんど〜全く過剰分なしに加えられる。最終溶液の水が40重量%〜45重量%になるように水を適量加える。該当する場合、同じ所望の鎖長を有する以前に製造したAGSの残部を総反応質量の約6重量%で使用して、有機層及び水性層の乳化を助けることができる。最終溶液を十分に攪拌し、最終溶液が182℃(360°F)になるまで加熱する。最終溶液を182℃(360°F)前後で約25分間保持し、次に最終溶液を室温(20〜25℃)まで冷却する。8.5〜10.7のpHを得、遊離亜硫酸塩濃度が0.1重量%未満になるよう遊離亜硫酸塩濃度を低くする量で、水酸化ナトリウムと過酸化水素を加える。過酸化水素を加えて遊離亜硫酸塩を除去し、対応するサルフェートを製造してもよい。所望のオリゴマーアルキルグリセロールスルホネート界面活性剤を回収する。
【0031】
水性液体キャリア
本明細書の洗剤組成物は、約30%〜約80%の水性液体キャリアを更に含有してもよく、その他必須及び任意の組成物構成成分は、溶解、分散又は懸濁される。より好ましくは、前記水性液体キャリアは、本明細書の組成物の約45%〜約70%、更に好ましくは約45%〜約65%含まれる。
【0032】
水性液体キャリアの1つの好ましい構成成分は水である。しかしながら、前記水性液体キャリアは、室温(20℃〜25℃)で液状であるか又は前記液体キャリアに溶解する他の物質であって、不活性な充填剤の機能に加えて他のいくつかの機能をも果たすことができる他の物質を含有してもよい。前記物質としては、例えばヒドロトロープ類及び溶媒類を挙げることができ、以下により詳細に論じられる。本発明の洗剤組成物使用の場所によるが、水性液体キャリア中の水は、約2〜30gpg(「gpg」は当該技術分野における当業者に周知の水硬度の尺度で「ガロン当りのグレイン」を表す)の硬度レベルを有してよい。
【0033】
組成物のpH
組成物はいかなる好適なpHを有することもできる。好ましくは、組成物のpHは4〜14に調整する。より好ましくは、組成物は、6〜13、最も好ましくは6〜10のpHを有する。組成物のpHは、当該技術分野において既知のpH調整成分を用いて調節できる。
【0034】
組成物の濃さ
本発明の組成物は、好ましくは、濃縮され、20℃で測定する時、0.7Pa.s(700cP)を超える粘度を有する。より好ましくは、組成物の粘度は0.7〜1.1Pa.s(700〜1100cP)である。本発明では、マイクロエマルション形態の組成物を除外する。
【0035】
界面活性剤
界面活性剤が、本発明の洗剤組成物内に存在してよい。アミンオキシド、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が任意の界面活性剤として挙げられる。
【0036】
アミンオキシド界面活性剤
本発明の洗剤組成物に使用される構成成分は、直鎖アミンオキシドである。本明細書に用いるアミンオキシドとしては、1つのC8〜18のアルキル部分並びにC1〜3のアルキル基及びC1〜3のヒドロキシアルキル基から成る群から選択される2つの部分を含有する水溶性アミンオキシド、1つのC10〜18のアルキル部分並びにC1〜3のアルキル基及びC1〜3のヒドロキシアルキル基から成る群から選択される2つの部分を含有する水溶性ホスフィンオキシド、並びに1つのC10〜18のアルキル部分並びにC1〜3のアルキル及びC1〜3のヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分を含有する水溶性スルホキシドが挙げられる。
【0037】
好ましいアミンオキシド界面活性剤は式(I):
【0038】
【化3】

(式中、式(I)のR3は、C8〜22のアルキル、C8〜22のヒドロキシアルキル、C8〜22のアルキルフェニル基、及びこれらの混合物であり、式(I)のR4は、C2〜3のアルキレン若しくはC2〜3のヒドロキシアルキレン基又はこれらの混合物であり、xは0〜約3であり、式(I)のR5はそれぞれ、C1〜3のアルキル若しくはC1〜3のヒドロキシアルキル基、又は平均約1個〜約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基である)を有する。式(I)のR5基は、例えば酸素又は窒素原子を介して互いに結合させて、環状構造を形成してもよい。
【0039】
これらのアミンオキシド界面活性剤としては、特に、C10〜C18のアルキルジメチルアミンオキシド、及びC8〜C12のアルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが挙げられる。好ましいアミンオキシドとしては、C10、C10〜C12、及びC12〜C14のアルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0040】
少なくとも1つのアミンオキシドが、洗剤組成物内に組成物の約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは少なくとも約0.2重量%〜約12重量%存在するであろう。1つの実施形態において、アミンオキシドは、洗剤組成物内に組成物の約5重量%〜約12重量%存在する。他の実施形態において、アミンオキシドは、洗剤組成物内に組成物の約3重量%〜約8重量%存在する。
【0041】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤は、所望により洗剤組成物の少なくとも15重量%、より好ましくは20重量%〜40重量%、最も好ましくは25重量%〜40重量%の濃度で存在する。
【0042】
本明細書の洗剤組成物での使用に好適なアニオン性界面活性剤としては、C6〜C20の直鎖又は分枝状ヒドロカルビルの水溶性塩又は酸、好ましくはC10〜C20のヒドロカルビル構成成分を有するアルキル、ヒドロキシアルキル又はアルキルアリール、より好ましくはC10〜C14のアルキル若しくはヒドロキシアルキル、サルフェート又はスルホネートが挙げられる。好適な対イオンとしては、水素、アルカリ金属カチオン又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムである。ヒドロカルビル鎖が分枝状の場合、C1〜4のアルキル分枝単位が含まれているのが好ましい。アニオン性界面活性剤の分枝平均百分率は、総ヒドロカルビル鎖の好ましくは30%を超え、より好ましくは35%〜80%、最も好ましくは40%〜60%である。
【0043】
アニオン性界面活性剤は、C11〜C18のアルキルベンゼンスルホネート(LAS)、〜C20の一級、分枝状及びランダムアルキルサルフェート(AS);C10〜C18の二級(2,3)アルキルサルフェート;C10〜C18のアルキルアルコキシサルフェート(AExS)(式中、好ましくはxは1〜30である);好ましくは1〜5のエトキシ単位を含むC10〜C18のアルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載のような中鎖分枝状アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載のような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート;WO99/05243、WO99/05242、WO99/05244、WO99/05082、WO99/05084、WO99/05241、WO99/07656、WO00/23549及びWO00/23548に記載のような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)から選択されてよい。
【0044】
非イオン性界面活性剤
所望により非イオン性界面活性剤は、洗剤組成物内に存在する場合、有効量で、より好ましくは組成物の0.1重量%〜20重量%、更により好ましくは組成物の0.1重量%〜15重量%、更により好ましくはなお組成物の0.5重量%〜10重量%存在する。
【0045】
好適な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールと1〜25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は直鎖状又は分枝状、一級又は二級のいずれであることもでき、一般的には8〜22個の炭素原子を含有する。特に好ましいのは、10〜20個の炭素原子を含有しているアルキル基を有するアルコールとアルコール1モル当り2〜18モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。式R2O(Cn2nO)t(グリコシル)x(式(II))を有するアルキルポリグリコシドも好ましく、式中、式(II)のR2は、アルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル、及びこれらの混合物からなる群から選択され(前記アルキル基は10〜18個、好ましくは12〜14個の炭素原子を含有している)、式(II)のnは2又は3、好ましくは2であり、式(II)のtは0〜10、好ましくは0であり、式(II)のxは1.3〜10、好ましくは1.3〜3、最も好ましくは1.3〜2.7である。グリコシルは好ましくはグルコースに由来する。
【0046】
式(III):
【0047】
【化4】

(式中、式(III)のR6は、7〜21個、好ましくは9〜17個の炭素原子を含有するアルキル基であり、式(III)のR7は、水素、C1〜C4のアルキル、C1〜C4のヒドロキシアルキル、及び−(C24O)xHからなる群から選択され、式(III)のxは、1〜3でさまざまである)を有する脂肪酸アミド界面活性剤も好適である。好ましいアミドは、C8〜C20のアンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、及びイソプロパノールアミドである。
【0048】
両性界面活性剤
本明細書の洗剤組成物内で任意である両性界面活性剤の他の好適な非限定例としては、アミドプロピルベタイン並びに脂肪族又は複素環式の二級及び三級アミンの誘導体が挙げられ、脂肪族部分は直鎖又は分枝状であってよく、脂肪族置換基の1つは8〜24個の炭素原子を含有し、少なくとも1つの脂肪族置換基はアニオン水溶性基を含有する。
【0049】
典型的に、存在する場合、両性界面活性剤は洗剤組成物の約0.01重量%〜約20重量%、好ましくは約0.5重量%〜約10重量%含まれる。
【0050】
溶媒
本組成物は、任意に溶媒を含んでもよい。好適な溶媒としては、C4〜14のエーテル及びジエーテル、グリコール又はアルコキシル化グリコール、C6〜C16のグリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化脂肪族分枝鎖アルコール、アルコキシル化直鎖C1〜C5アルコール、直鎖C1〜C5アルコール、アミン、C8〜C14のアルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
好ましい溶媒は、メトキシオクタデカノール、エトキシエトキシエタノール、ベンジルアルコール、2−エチルブタノール及び/又は2−メチルブタノール、1−メチルプロポキシエタノール及び/又は2−メチルブトキシエタノール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルジグリコールエーテル(BDGE)、ブチルトリグリコールエーテル、第三級アミルアルコール、グリセロールのような直鎖C1〜C5アルコール、並びにこれらの混合物から選択される。本明細書で使用できる特に好ましい溶媒は、ブトキシプロポキシプロパノール、ブチルジグリコールエーテル、ベンジルアルコール、ブトキシプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エタノール、メタノール、イソプロパノール、及びこれらの混合物である。
【0052】
本明細書で用いるのに好適な他の溶媒としては、プロピレングリコール誘導体、例えばn−ブトキシプロパノール若しくはn−ブトキシプロポキシプロパノ−ル、水溶性カルビトールR(CARBITOL R)(登録商標)溶媒、又は水溶性セロソルブR(CELLOSOLVE R)(登録商標)溶媒が挙げられる。水溶性カルビトールR(CARBITOL R)(登録商標)溶媒は、2−(2−アルコキシエトキシ)エタノールの部類の化合物であり、アルコキシ基はエチル、プロピル、又はブチルに由来し、好ましい水溶性カルビトール(CARBITOL)(登録商標)は、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノールであり、ブチルカルビトール(BUTYL CARBITOL)(登録商標)としても知られている。水溶性セロソルブR(CELLOSOLVE R)(登録商標)溶媒は、2−アルコキシエトキシエタノールの部類の化合物であり、2−ブトキシエトキシエタノールが好ましい。他の好適な溶媒としては、ベンジルアルコール、並びに2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどのジオール類、並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好ましいいくつかの溶媒は、n−ブトキシプロポキシプロパノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール及びこれらの混合物である。
【0053】
溶媒は、モノ−、ジ−、及びトリ−エチレングリコールのエーテル誘導体、ブチレングリコールエーテル、並びにこれらの混合物を含む、化合物群から選択することもできる。これらの溶媒の重量平均分子量は、好ましくは350未満、より好ましくは100〜300、更に一層好ましくは115〜250である。好ましい溶媒の例としては、例えば、モノエチレングリコールn−ヘキシルエーテル、モノプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びトリプロピレングリコールメチルエーテルが挙げられる。エチレングリコール及びプロピレングリコールエーテルは、ダウケミカル社(Dow Chemical Company)から商標名ダワノール(DOWANOL)(登録商標)で、及びアルコケミカル社(Arco Chemical Company)から商標名アルコソルブ(ARCOSOLV)(登録商標)で市販されている。モノ−及びジ−エチレングリコールn−ヘキシルエーテルを含む他の好ましい溶媒は、ユニオンカーバイド社から入手可能である。
【0054】
存在する場合、洗剤組成物は、洗剤組成物の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%の溶媒を含有する。
【0055】
これらの溶媒は、例えば、水などの水性液体キャリアと組み合わせて使用してもよく、又は水性液体キャリアの存在なしに使用してもよい。
【0056】
ヒドロトロープ
本発明の洗剤組成物は、洗剤組成物が適切に水に相溶性であるよう所望により有効量のヒドロトロープを含んでよい。「適切に水に相溶性である」とは、製品が、洗浄習慣と使用条件の双方によって十分迅速に水に溶解することを意味する。水に素早く溶解しない製品は、全般的なグリース及び/若しくは洗浄、起泡、食器類/グラス類などの表面からの製品のすすぎやすさ、又は洗浄後の表面上に残留する製品に関して、性能がマイナスとなり得る。ヒドロトロープを含めることは、文献や先行技術でよく知られているように、製品の安定性及び配合性(formulatibility)の改善にも役立つ。
【0057】
本明細書で使用するのに好適なヒドロトロープとしては、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物、並びに関連する化合物(米国特許第3,915,903号に開示されているようなもの)が挙げられる。
【0058】
典型的に、本発明の洗剤組成物は、洗剤組成物の0重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは3重量%〜6重量%のヒドロトロープ、又はその混合物を含む。
【0059】
マグネシウムイオン
任意のマグネシウムイオンの存在は、わずかな二価イオンしか含まない軟水中で洗剤組成物を使用する場合に、前記組成物中で利用できる。利用する場合、マグネシウムイオンは、好ましくは水酸化物、塩化物、酢酸塩、サルフェート、ギ酸塩、酸化物塩又は硝酸塩として本発明の組成物に加える。
【0060】
含有される場合、マグネシウムイオンは、洗剤組成物の0.01重量%〜1.5重量%、好ましくは0.015重量%〜1重量%、より好ましくは0.025重量%〜0.5重量%の活性レベルで存在する。
【0061】
疎水性ブロックポリマー
本発明の洗剤組成物は、所望により、アルキレンオキシド部分及び少なくとも500であるが好ましくは10,000未満、より好ましくは1,000〜5,000、最も好ましくは1,500〜3,500の重量平均分子量を有する、疎水性ブロックポリマーを含んでよい。好適な疎水性ポリマーは、25℃において、そのポリマーの約1重量%未満、好ましくは約0.5重量%未満、より好ましくは約0.1重量%未満の水溶解度を有する。
【0062】
本明細書で使用する時、「ブロックポリマー」とは、結びついて1個のポリマー構造を形成する2つ以上の異なるホモポリマー及び/又はモノマー単位を含むポリマーを包含していることを意味する。好ましいコポリマーは、モノマー単位の1つとしてエチレンオキシドを含む。より好ましいコポリマーは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドとのコポリマーである。このような好ましいポリマーのエチレンオキシド含有量は、約5重量%超、より好ましくは約8重量%超、かつ約50重量%未満、より好ましくは約40重量%未満である。好ましいポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーであり、BASF社より、商標名プルロニックL81(PLURONIC L81)(登録商標)又はプルロニックL43(PLURONIC L43)(登録商標)で入手可能である。
【0063】
本発明の洗剤組成物は、所望により、洗剤組成物の0重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは3重量%〜6重量%の1以上の疎水性ブロックポリマーを含む。
【0064】
増粘剤
本明細書の洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.2重量%〜5重量%の増粘剤を含有してもよい。より好ましくは、このような増粘剤は、本明細書の洗剤組成物の約0.5重量%〜2.5重量%含まれる。増粘剤は、典型的に、セルロース誘導体の部類から選択される。好適な増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン性疎水変性ヒドロキシエチルセルロース(アマコール社(Amerchol Corporation)からクアトリソフト(QUATRISOFT)(登録商標)LM200として入手可能)などが挙げられる。好ましい増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0065】
高分子泡安定剤
本発明の洗剤組成物は、所望により高分子泡安定剤を含有してよい。これらの高分子泡安定剤は、洗剤組成物の泡体積と泡持続時間を拡大する。これらの高分子泡安定剤は、(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルエステルのホモポリマー及び(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルアクリレートエステルのホモポリマーから選択してよい。前記高分子泡促進剤の重量平均分子量は、従来のゲル浸透クロマトグラフィーで求められ、1,000〜2,000,000、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜750,000、更に好ましくは20,000〜500,000、更になお好ましくは35,000〜200,000である。高分子泡安定剤は、所望により、無機塩又は有機塩のどちらかの塩の形態で存在することができ、例えば、(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステルのクエン酸塩、サルフェート、又は硝酸塩の形態で存在することができる。
【0066】
好ましい高分子泡安定剤の1つは、(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステル類、すなわち以下の式(I)で表されるアクリレートエステルである:
【0067】
【化5】

【0068】
前記組成物中に存在する場合、高分子泡促進剤は、前記組成物中に0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.05重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜5重量%存在してもよい。
【0069】
ジアミン
本発明による組成物の別の任意成分はジアミンである。洗剤組成物のユーザーの習慣及び慣習はかなり異なるので、組成物は、前記組成物の0重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.2重量%〜10重量%、より好ましくは0.25重量%〜6重量%、より好ましくは0.5重量%〜1.5重量%の少なくとも1つのジアミンを含有するのが好ましい。
【0070】
好ましい有機ジアミンは、pK1及びpK2が8.0〜11.5の範囲、好ましくは8.4〜11の範囲、更により好ましくは8.6〜10.75にあるものである。好ましい物質としては、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン(pKa=10〜10.5)、1,3プロパンジアミン(pK1=10.5、pK2=8.8)、1,6ヘキサンジアミン(pK1=11、pK2=10)、1,3ペンタンジアミン(ダイテック(DYTEK)EP(登録商標))(pK1=10.5、pK2=8.9)、2−メチル1,5ペンタンジアミン(ダイテックA(登録商標))(pK1=11.2、pK2=10.0)が挙げられる。その他の好ましい物質としては、C4〜C8の範囲のアルキレンスペーサーを持つ一級/一級ジアミンが挙げられる。一般に、一級ジアミンは、二級及び三級ジアミンより好ましいと考えられている。
【0071】
pK1及びpK2の定義−本明細書で使用する時、「pKa1」及び「pKa2」は、当業者には「pKa」という総称で知られている種類の量であり、本明細書ではpKaは、化学技術分野において当業者に一般に既知のものと同様に使用される。本明細書で参照する値は、スミス(Smith)及びマーテル(Martel)著、「臨界安定性定数(Critical Stability Constant):第2巻、アミン」(プレナム(Plenum)出版、ニューヨーク及びロンドン、1975年)などの文献から入手できる。pKaに関する追加的な情報は、ジアミン類の供給元であるデュポン(DUPONT)(登録商標)により供給される情報のような、関連する会社の文献から得ることができる。本明細書で実用的な定義として、ジアミンのpKaは、25℃においてオール水溶液(all-aqueous solution)で、イオン強度0.1〜0.5Mについて規定される。
【0072】
好ましくは、本明細書の洗剤組成物は、透明な液体組成物として配合される。「透明な」とは、安定的かつ透明であることを意味する。透明な組成物を得るために、溶媒及びヒドロトロープを使用することは、軽質液体食器用組成物の技術分野に精通しているものには周知である。本発明による好ましい洗剤組成物は、透明な単一相の液体であるが、本発明はエリリ(Erilli)らに対する米国特許第5,866,529号及びトゥーサン(Toussaint)らに対する米国特許第6,380,150号に記載されるようにビーズ又は真珠等の分散した相を含有する透明及び不透明な製品をも含む(前記製品が、貯蔵に際して物理的に安定である(すなわち、分離しない)という条件で)。
【0073】
本発明の洗剤組成物は、使用のため洗剤組成物を送達するための好適ないかなる包装のパッケージであってもよい。好ましくは、前記パッケージは、ガラス又はプラスチックで作られた透明なパッケージである。
【0074】
その他の任意成分
本明細書の洗剤組成物は、本明細書の洗剤組成物が一般的に4〜14、好ましくは6〜13、最も好ましくは6〜10のpHを有するように、香料、染料、不透明化剤、及びpH緩衝手段等の、洗剤組成物での使用に適した多くの他の任意成分を更に含むことができる。洗剤組成物、具体的には軽質洗剤組成物の使用に適した許容できる任意成分の更なる記載を、米国特許第5,798,505号で見出すことができる。
【0075】
使用方法
本発明の方法の態様では、よごれた食器は、有効量、典型的には約0.5ml〜約20ml、好ましくは約3ml〜約10ml(処理される食器25枚当り)の、水で希釈された本発明の洗剤組成物と接触させられる。使用される洗剤組成物の実際の量は、ユーザーの判断に基づくが、典型的には組成物中の有効成分の濃度、洗浄されるべきよごれた食器の数、食器のよごれの度合等を含む、組成物の特定の製品配合等の要因によって決まる。また、特定の製品配合は、本組成物製品の対象とする市場(すなわち、米国、ヨーロッパ、日本など)のような多数の要因に左右されることになる。好適な例は、以下の表IIに見ることができる。
【0076】
一般的に、約0.01ml〜約150ml、好ましくは約3ml〜約40mlの本発明の洗剤組成物を約1,000ml〜約20,000ml、より典型的には約5,000ml〜約15,000mlの範囲の容積を有するシンク内の約2,000ml〜約20,000ml、より典型的には約5,000ml〜約15,000mlの水と混ぜ合わせる。汚れた食器は、こうして得られる希釈組成物の入ったシンク内に浸して、食器の汚れた表面を、布、スポンジ、又は類似の物品と接触させて食器を洗浄する。布、スポンジ、又は類似の物品は、食器表面と接触する前に洗剤組成物と水との混合物に浸して、通常約1〜約10秒間にわたって食器表面とよく接触させるが、実際の時間は、各用途及びユーザーによって異なる。布、スポンジ、又は類似の物品と食器表面との接触は、好ましくは食器表面を擦るのと同時に起こる。
【0077】
別の使用方法には、汚れた食器類を、いかなる液体食器用洗剤をも含まない水浴に浸けることが含まれる。スポンジのように、液体食器用洗剤を吸収するための用具を、別の量の非希釈の液体食器用組成物中に直接、典型的には約1〜約5秒間置く。次に、前記吸収用具及びひいては非希釈の液体食器用組成物を、汚れた食器それぞれの表面に個々に接触させて、汚れを除去する。吸収用具は通常、約1〜約10秒間にわたって各食器表面と接触させるが、実際の適用時間は、食器の汚れの程度などの要因に左右されることになる。吸収用具と皿表面の接触は、擦ることと同時に起こるのが好ましい。
【0078】
本発明には、表面又は布地を洗浄するための方法が含まれる。前記方法は、本発明のアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤オリゴマー及び/若しくはアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤オリゴマー又は本発明のアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤オリゴマー及び/若しくはアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤オリゴマーを含む洗剤組成物の実施形態を純粋な形態で又は洗浄溶液に希釈させて、少なくとも表面又は布地の一部分と接触させ、次に所望により前記表面又は布地をすすぐ工程を含む。好ましくは、表面又は布地には、前述した任意のすすぎ工程の前に洗浄工程が実施される。本発明の目的上、洗浄することは、擦ること及び機械的攪拌を含むが、これらに限定されない。
【0079】
試験方法
デンプン洗浄方法

水に加え、ほとんどの水(94容量%超)が米に吸着されるような時間、米を沸騰させることにより、予め調理したインスタントの強化米を調製する。高出力のブレンダー内に30秒間入れた時にペースト状になるように、調理した米を少量の水とブレンドする。7.62cm×3.81cm(厚み0.0625)(3インチ×1.5インチ(厚み1/16インチ))の鋼金属スライドの重量を計量し記録する。5グラムの米ペーストを金属スライドに塗り、試料を調製する。試料を25℃、相対湿度58%で48時間チャンバー内に設置する。56.6L(3,456in3)の 密封容器内で、相対湿度を飽和臭化ナトリウム溶液で維持する。
【0080】
ジャガイモ
142g(5オンス)の乾燥ジャガイモスライスを水270ml(2カップ)、牛乳180ml(3/4カップ)及びバター30ml(大さじ2)と混合する。混合物をベーキング皿内で96.1℃(205°F)において30〜35分間調理する。7.62cm×3.81cm(厚み0.0625)(3インチ×1.5インチ(厚み1/16インチ))の鋼金属スライドの重量を計量し記録する。調理したジャガイモ0.3〜0.5gを鋼金属スライド上に置き試料を調製する。試料を96.1℃(205°F)で5分間調理する。試料を室温(20℃)まで冷却させる。
【0081】
パスタ
マカロニ200gを沸騰水中で15分間調製する。過剰の水をマカロニから水切りし、パスタをフードプロセッサで2分間ブレンドする。75mm×38mm(厚み0.96〜1.06mm)(3インチ×1.5インチ(厚み約1/30インチ))のガラスのパイレックス(PYREX)(登録商標)スライドの重量を計量し記録する。調製したパスタ0.3〜0.5gをガラススライド上に置き、試料を形成する。試料を96.1℃(205°F)で5分間調理する。試料を室温(20℃)まで冷却させる。
【0082】
洗い工程
硬度7gpgに調節された脱イオン水2,100mlと重炭酸塩100ppmとの溶液を調製する。前記溶液を48.9℃(120°F)まで加熱する。下記の表I及び表IIに示す洗剤製剤のいずれか1つを加え、2,700ppmの洗剤溶液を作製する。400mlのガラスビーカー中に、調製した洗剤溶液300mlを加え、洗剤溶液を46.1℃(115°F)の温度 まで冷却させる。デンプン付着物が沈められ、攪拌しながら(攪拌棒により約200rpmで)5分間浸るように、金属/ガラススライド試料を46.1℃(115°F)の洗剤溶液に加える。洗剤溶液から試料を取り除く。スポンジを洗剤溶液で湿らせ、デンプン付着物を有する試料表面を2回拭う(1回は前、1回は後)。蒸留水中で試料をすすぐ。試料を室温(25℃)で12〜14時間乾燥させ、計量して、除去されたデンプン付着物(よごれ)の量を測定する。
【0083】
粘度試験方法
本発明の組成物の粘度は、ブルックフィールド粘度計モデル#LVDVII+を用い、20℃にて測定される。これらの測定に使用するスピンドルは、異なる粘度の製品を測定するために適切な速度を有するS31であり、例えば、12rpmで1Pa.s(1,000cP)を超える粘度の製品を測定し、30rpmで0.5〜1Pa.s(500cP〜1,000cP)の粘度の製品を測定し、60rpmで0.5Pa.s(500cP)未満の粘度の製品を測定する。
【0084】
製剤
【0085】
【表2】

1:平均0.6個のエトキシ基を含有するC12〜13のアルキルエトキシスルホネート。
2:リアール(LIAL)(登録商標)、サフォール(SAFOL)(登録商標)、ルテンゾール(LUTENSOL)(登録商標)、ネオドール(NEODOL)(登録商標)の商標名で入手可能なもの、又は前記商標名でアルコール類に由来するもの、及び米国特許第6,008,181号に記載されているもの。サフォール(SAFOL)(登録商標)23−3は、3個のエトキシ基を有するC12〜13の分枝状エトキシ化アルコールである。
3:(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレートホモポリマー
【0086】
【表3】

1 上記表IのOAGS1〜6のいずれか
2 米国特許第4,891,160号(バンダーミア(VanderMeer)ら)による1以上のポリマー
3 WO00/105923(プライス(Price)ら)による1以上のポリマー
【0087】
【表4】

18〜10のアミドプロピルジメチルアミン
2 非晶質ケイ酸ナトリウム(SiO2:Na2O;2.0比) 3 0.1〜10マイクロメートルの範囲の一次粒径を有する式Na12(A102SiO212.27H2Oの水和アルミノケイ酸ナトリウム
4 200μm〜900μmの粒径を有する無水炭酸ナトリウム
5 上記表IのOAGS1〜6のいずれか
6 4:1のアクリル酸/マレイン酸、約70,000の平均分子量、又は6:4のアクリル酸/マレイン酸、約10,000の平均分子量)
7 米国特許第4,659,802号(ルビン(Rubingh)ら)、例2a:
8 1以上の酵素、例えば:
プロテアーゼ − タンパク質分解酵素、3.3重量%の活性酵素を有し、ノボ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)により商標名サビナーゼ(SAVINASE)(登録商標)として販売;WO95/10591に記載される、タンパク質分解酵素、4重量%の活性酵素を有し、ジェネンコア・インターナショナル社(Genencor Int.Inc.)により販売。
アルカラーゼ(Alcalase) − タンパク質分解酵素、5.3重量%の活性酵素を有し、ノボ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)により販売
セルラーゼ − セルロース分解酵素、0.23重量%の活性酵素を有し、ノボ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)により商標名ケアザイム(CAREZYME)(登録商標)として販売。
アミラーゼ − デンプン分解酵素、1.6重量%の活性酵素を有し、ノボ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)により商標名ターマミル(TERMAMYL)120T(登録商標)として販売;デンプン分解酵素、PCT/US9703635に開示される通り。
リパーゼ − 脂肪分解酵素、2.0重量%の活性酵素を有し、ノボ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)により商標名リポラーゼ(LIPOLASE)(登録商標)として販売;脂肪分解酵素、2.0重量%の活性酵素を有し、ノボ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)により商標名リポラーゼ・ウルトラ(LIPOLASE ULTRA)(登録商標)として販売。
エンドラーゼ(Endolase) − エンドグルカナーゼ酵素、1.5重量%の活性酵素を有し、ノボ・インダストリーズA/S(NOVO Industries A/S)により販売。
【0088】
【表5】

1 トリポリリン酸ナトリウム
2 ゼオライトA:0.1〜10マイクロメートルの範囲の一次粒径を有する式Na12(A102SiO212.27H2Oの水和アルミノケイ酸ナトリウム
3 上記表IのOAGS1〜6のいずれか
4 米国特許第4,661,288号によるポリマー
5 泡抑制剤 6 Mw=4,500
【0089】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、ヘプタマー及びこれらの混合物から選択されるオリゴマーアルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤混合物であって、モノマーの重量百分率が前記アルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤混合物の0重量%〜60重量%である、オリゴマーアルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤混合物。
【請求項2】
洗剤組成物であって、
a)前記組成物の約0.1重量%〜約10重量%のアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤、アルキルグリセリルサルフェート界面活性剤及びこれらの混合物であって、前記アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤のモノマーの重量百分率が、前記界面活性剤の0重量%〜約60重量%である、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤、アルキルグリセリルサルフェート界面活性剤及びこれらの混合物、並びに
b)その他の洗剤組成物補助剤である残部
を含む、洗剤組成物。
【請求項3】
前記アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤、前記アルキルグリセリルサルフェート界面活性剤及びこれらの混合物が、ダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、ヘプタマー及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項4】
前記アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤、アルキルグリセリルサルフェート界面活性剤及びこれらの混合物が、C10〜44のアルキル鎖長、好ましくはC12〜18のアルキル鎖、好ましくはC12〜14のアルキル鎖又はC16〜18のアルキル鎖を含み、前記アルキル鎖は直鎖であっても又はC1〜4のアルキル分枝鎖を含んでいてもよい、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項5】
前記洗剤組成物が、前記液体洗剤組成物の30重量%〜80重量%の水性液体キャリア及び前記組成物の約5重量%〜約10重量%の直鎖アミンオキシドを更に含み、好ましくは前記洗剤組成物の約0.1重量%〜約20重量%のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物を更に含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項6】
前記洗剤組成物が、前記液体洗剤組成物の30重量%〜80重量%の水性液体キャリア、前記組成物の約3重量%〜約8重量%の直鎖アミンオキシド及び前記洗剤組成物の約0.1重量%〜約20重量%の非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤が、1〜25モルのエチレンオキシドを有するC8〜C22の脂肪族アルコール、アルキルポリグリコシド、脂肪酸アミド界面活性剤及びこれらの混合物の群から選択される、請求項7又は8のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項8】
前記アニオン性界面活性剤が、直鎖アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アルコキシル化アルキルサルフェート及びこれらの混合物から選択される、請求項7に記載の洗剤組成物。
【請求項9】
食器を洗うための請求項2に記載の組成物の使用。
【請求項10】
食器を洗うための請求項のアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤オリゴマー、アルキルグリセリルサルフェート界面活性剤オリゴマー及びこれらの混合物の使用。

【公表番号】特表2008−516048(P2008−516048A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535723(P2007−535723)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/035340
【国際公開番号】WO2006/041740
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】