オリフィス部材
【課題】交換用の部材が不要であって雨水等の流量を制限することのできるオリフィス部材の提供
【解決手段】ここで提案されるオリフィス部材は、略円錐状または略角錐状の先細り形状に形成された中空部を有する切り取り部を有し、切り取り部の表面に、それぞれ周方向に沿って延びる複数の溝または段差が形成されている。
【解決手段】ここで提案されるオリフィス部材は、略円錐状または略角錐状の先細り形状に形成された中空部を有する切り取り部を有し、切り取り部の表面に、それぞれ周方向に沿って延びる複数の溝または段差が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリフィス部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、雨水を集合させて雨水本管に排出する雨水配管経路などにおいて、ますが用いられている。
【0003】
ところで、短時間の間に大量の雨が降った場合などでは、雨水本管に対して、大量の雨水が急激に流れ込むおそれがある。そのため、雨水本管の上流側において、雨水の流量を規制することが好ましい。
【0004】
下記特許文献1には、集水系統における流量調整装置が開示されている。特許文献1に開示された流量調整装置は、基本的に、流入口の開口面積が異なる複数の板状体(装置本体)を適宜交換することにより、流量を調整するものである。例えば、流量を少なめに設定する際には、流入口の開口面積の小さな装置本体を用い、逆に、流量を多めに設定する際には、流入口の開口面積の大きな装置本体を用いる。これにより、下流側に向かう雨水の流量を調整することができる。
【0005】
また、特許文献1に開示された流量調整装置は、装置本体の流入口の一部を遮蔽する流量減少板を備えている。流量減少板は、装置本体に対して上方からスライド可能となっており、そのスライド量を調整することによって、流入口の開閉量を微調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−253745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された流量調整装置では、予め複数の装置本体を準備しておかなければならない。そのため、必要とされる部品点数が多くなってしまうという課題がある。また、流入口の開閉量を微調整するためには、流量減少板が別途必要となる。したがって、必要となる部品点数がさらに多くなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここで提案されるオリフィス部材は、略円錐状または略角錐状の先細り形状に形成された中空部を有する切り取り部を有し、切り取り部の表面に、それぞれ周方向に沿って延びる複数の溝または段差が形成されている。ここで、複数の溝または段差は、切り取り部の根元から先端に向かう方向に並んでいてもよい。また、複数の溝または段差は、切り取り部の根元から先端に向かう方向において、等間隔に並んでいてもよい。また、切り取り部は、上側の稜線が実質的に水平に配置できるように、切り取り部の根元側の端面に対して中心線が傾いていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係るますが設置された配管経路図である。
【図2】実施形態1に係るますの縦断面図である。
【図3】ますの横断面図である。
【図4】バケットの側面図である。
【図5】バケットの縦断面図である。
【図6】オリフィス部材の斜視図である。
【図7】オリフィス部材の平面図である。
【図8】オリフィス部材の正面図である。
【図9】オリフィス部材の側面図である。
【図10】オリフィス部材の裏面図である。
【図11】オリフィス部材のXI−XI線断面図である。
【図12】変形例に係るオリフィス部材における切り取り部の一部を拡大して示す側面図である。
【図13】変形例に係るオリフィス部材における切り取り部の一部を拡大して示す側面図である。
【図14】変形例に係るオリフィス部材の側面図である。
【図15】変形例に係るオリフィス部材の切り取り部の斜視図である。
【図16】実施形態2に係るますの縦断面図である。
【図17】実施形態2に係るオリフィス部材の側面図である。
【図18】実施形態2に係るオリフィス部材の断面図である。
【図19】実施形態3に係るオリフィス部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで開示される、オリフィス部材は、ますの流入口側または流出口側に設けられ、前記ますの内外を流れる水の流量を制限するオリフィス部材であって、異なる位置でその一部を切り取ることが可能であり、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口が形成可能な切り取り部を備えたものである。
なお、「ますの流入口側」とは、ますの流入口の内側(言い換えると、ますの内部)および外側(言い換えると、ますの外部)の両方を含む意味である。同様に、「ますの流出口側」とは、ますの流出口の内側および外側の両方を含む意味である。
【0011】
上記オリフィス部材によれば、切り取り部の切り取り位置を適宜選択することにより、雨水等の流量を自由に制限することができる。したがって、交換用の部材は不要となる。また、切り取り位置を微妙に調整することによって、流通口の開口面積を容易に微調整することができる。したがって、流量を微調整するための流量減少板を別途設ける必要はない。
【0012】
前記切り取り部は、前記ますの内外を流れる水の流通方向または当該流通方向と反対の方向に向かって突出する先細り形状に形成されていることが好ましい。
【0013】
このことにより、比較的簡単な構成によって、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口が形成される切り取り部を実現することができる。また、切り取り部を突出方向と直交する方向に切断することによって、流通口を形成することができる。したがって、のこぎり等の工具を用いて流通口を形成する作業が容易となる。
【0014】
前記切り取り部は、切り取られる前の形状が略円錐状または略角錐状に形成されていてもよい。
【0015】
このことにより、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口が形成される切り取り部を、比較的単純な構成によって実現することができる。
【0016】
前記切り取り部の上側の稜線は、実質的に水平であってもよい。
【0017】
このことにより、のこぎり等の工具で切り取り部の一部を切断する際に、当該工具が切り取り部の表面上を滑ってしまうことを抑制することができる。そのため、切断作業を容易に行うことができる。
【0018】
前記切り取り部の表面には、前記切り取り部の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の標線が設けられていることが好ましい。
【0019】
このことにより、流通口のそれぞれの直径に応じた切断位置が明確となり、切り取り部の一部を当該切断位置(すなわち、標線の位置)で切断することにより、所望の直径の流通口を容易に得ることができる。
【0020】
前記切り取り部の表面には、前記切り取り部の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の溝が形成されていてもよい。
【0021】
このような形態であっても、流通口のそれぞれの直径に応じた切断位置が明確となり、切り取り部の一部を当該切断位置(すなわち、溝の位置)で切断することにより、所望の直径の流通口を容易に得ることができる。また、上記溝によって、のこぎり等の工具が切り取り部の表面上を滑ってしまうことを抑制することができる。
【0022】
前記切り取り部の表面には、前記切り取り部の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の段差が形成されていてもよい。
【0023】
このような形態であっても、流通口のそれぞれの直径に応じた切断位置が明確となり、切り取り部の一部を当該切断位置(すなわち、段差の位置)で切断することにより、所望の直径の流通口を容易に得ることができる。また、上記段差によって切り取り部に平らな面が形成される場合には、この平らな面によって、のこぎり等の工具が切り取り部の表面上を滑ってしまうことを抑制することができる。
【0024】
前記オリフィス部材は、一端側が前記切り取り部の根元側に連続し、他端側が前記切り取り部の突出方向と反対の方向に延びる直管部と、前記直管部の他端側に設けられ、前記直管部の延びる方向から見て前記直管部から外側に広がり、前記ますの内面に沿うように湾曲したフランジ部と、をさらに備え、平面視において、前記切り取り部は、前記フランジ部の両端よりも前記突出方向の側に位置していてもよい。
【0025】
上記オリフィス部材によれば、フランジ部が湾曲しているにも拘わらず、のこぎり等の工具を用いて切り取り部の一部を切断する際に、フランジ部が工具と干渉してしまうことを避けることができる。したがって、切り取り部の切断作業を容易に行うことができる。
【0026】
前記オリフィス部材は、一端側が前記切り取り部の根元側に連続し、他端側が前記切り取り部の突出方向と反対の方向に延びる差し込み部をさらに備え、前記差し込み部が、前記ますの流入口部分、前記ますの流出口部分、前記ますの流入口に接続された流入管、または前記ますの流出口に接続された流出管に、直接または間接的に差し込まれるものであってもよい。
【0027】
上記オリフィス部材によれば、差し込み部をますの流入口部分、ますの流出口部分、ますの流入口に接続された流入管、またはますの流出口に接続された流出管に、直接または間接的に差し込むことによって、容易に固定することができる。
【0028】
前記オリフィス部材は、前記切り取り部の周囲に広がるベース部をさらに備え、前記切り取り部と前記ベース部とが一体となって板状に形成されていてもよい。
【0029】
上記オリフィス部材においても、比較的簡単な構成によって、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口が形成される切り取り部を実現することができる。
【0030】
また、ますは、流入口と流出口とが形成されたます本体と、前記流出口側に配置された前記オリフィス部材とを備えたものである。
【0031】
上記ますによれば、交換用の部材が不要なオリフィス部材を備えたますを実現することができる。また、オリフィス部材はますの流出口側に配置されているので、オリフィス部材によって流れが制限された雨水等は、一時的にますの内部に貯留されることになる。したがって、雨水等の流れを制限するにも拘わらず、その影響がますの上流側に及ぶことを抑制することができる。
【0032】
このように、交換用の部材が不要であって雨水等の流量を制限することのできるオリフィス部材、およびそのオリフィス部材を備えたますを実現することができる。
【0033】
(実施形態1)
《配管系統》
図1に示すように、本実施形態に係るます1は、雨水を雨水本管102に導く配管経路100内に設置されている。この配管経路100には、雨水を貯留しかつ地中に浸透させる雨水貯留浸透槽101が設けられている。図示は省略するが、雨水貯留浸透槽101の上流側には、雨樋や他のます等が配置されている。ます1は、雨水貯留浸透槽101の下流側に配置されており、雨水貯留浸透槽101と雨水本管102との間に介在している。なお、図1において、符号Gは地面を表している。雨水貯留浸透槽101、ます1、および雨水本管102は、地中に埋設されている。
【0034】
《ます》
図2に示すように、ます1は、有底円筒状のます本体2と、ます本体2内に設置されるバケット3と、ます本体2から上方に延びる立管(点検用筒ともいう)4と、立管4の上部に取り付けられる蓋5(図1参照)と、後述するオリフィス部材10とを備えている。
【0035】
ます本体2の側部には、流入口2aと流出口2bとが形成されている。図1に示すように、流入口2aには流入管11が差し込まれ、流出口2bには流出管12が差し込まれている。ます本体2の上部には、立管4が接続される受け口2cが形成されている。なお、本実施形態においては、流入口2aは3つ形成されている。ただし、ます本体2における流入口2aの数は特に限定されない。
【0036】
図3に示すように、ます本体2の流出口2bの両側には、上下方向に延びるスライド突起2eと、スライド突起2eに対向する上下方向に延びる案内突起2fとが、それぞれ形成されている。案内突起2fはスライド突起2eよりも短く、スライド突起2eの下側部分に対向している。これらスライド突起2eと案内突起2fとの間には、平面視コ字状の溝2gが形成されている。
【0037】
本実施形態では、ます本体2と立管4とは別体であるが、ます本体2と立管4とは一体物であってもよい。また、ます本体2は、単一部材で形成されていてもよく、本実施形態のように複数の部材が組み合わされて形成されていてもよい。
【0038】
《バケット》
図4はバケット3の側面図であり、図5はバケット3の縦断面図である。バケット3は、ます本体2よりも直径が小さい有底円筒状に形成されている(図2参照)。バケット3には、門形の把手6が設けられている。
【0039】
把手6は、バケット3の上部から上方に向かって延びる2本の支持部6aと、支持部6aの上端を連結する連結部6bとによって構成されている。連結部6bは、ます本体2の内面に沿うように湾曲している。また、支持部6aの外側面には、縦溝(図示省略)が形成されている。当該縦溝部分をます本体2に形成されたスライド突起2e(図3参照)と係合させることにより、バケット3はます本体2内に固定される。
【0040】
また、把手6の支持部6aの内側面には、上下方向に延びる断面コ字状の凹型スライドレール6eが形成されている。図5に示すように、凹型スライドレール6eは中央部分で途切れており、上側部分と下側部分とは略等しい長さに形成されている。
【0041】
《オリフィス部材》
図2に示すように、オリフィス部材10は、先端側(図2における左側)が切断された略円錐状の切り取り部20と、切り取り部20の根元側に連続する直管部21と、直管部21から外側に広がるフランジ部22とを備えている。
【0042】
図6〜図10は、切り取り部20の一部が切断される前の状態のオリフィス部材10を表している。切り取られる前の切り取り部20は、円錐形状に形成されている。この切り取り部20の表面には、切断位置を示す複数の標線40が設けられている。所定の標線に沿って切り取り部20の一部を切断することによって、所定の直径の流通口24を得ることができる。これら複数の標線40は、切り取り部20の根元側から先端側に向かって並んでいる。各標線40は、周状に延びている。なお、切り取り部20の表面であって各標線40の上または近傍に、当該標線40の位置で切断した場合の流通口24の直径を明記しておいてもよい。すなわち、流通口24の寸法表示を行ってもよい。ただし、標線40は必ずしも設ける必要はなく、省略することも可能である。また、切り取り部20を必ずしも標線40に沿って切断しなければならない訳ではなく、標線40以外の箇所で切り取り部20を切断することも勿論可能である。
【0043】
図7に示すように、フランジ部22は、ます本体2の内面に沿うように湾曲している。具体的には、フランジ部22は、左右の両端22aが切り取り部20側に向かうように湾曲している。なお、平面視において、切り取り部20は、フランジ部22の両端22aよりも、切り取り部20の突出方向側(すなわち、図7における左側)に位置している。言い換えると、フランジ部22の両端22aは、直管部21の左端(すなわち、直管部21と切り取り部20とが連続している部分)よりも右側に位置している。これにより、切り取り部20の一部を切断する際に、のこぎり等の切断用工具がフランジ部22に干渉することを容易に避けることができる。そのため、切り取り部20の切断作業が容易になる。
【0044】
図10に示すように、フランジ部22には、円形状の開口25が形成されている。開口25の直径は特に限定されないが、本実施形態では、ます本体2の流出口2bの直径と略等しくなっている。フランジ部22の開口25の周囲には、開口25と同心状のパッキン溝22fが形成されている。ただし、このパッキン溝22fは必ずしも必要ではなく、省略してもよい。フランジ部22の左右の側面には、上下方向に延びる上下一対の凸型スライドレール22gが形成されている。凸型スライドレール22gは、把手6の支持部6aの内面に形成された凹型スライドレール6e(図4参照)と係合可能に形成されている。これら凸型スライドレール22gと凹型スライドレール6eとが係合することにより、オリフィス部材10はバケット3に固定される。
【0045】
《オリフィス部材の設置》
次に、ます1内にオリフィス部材10を設置する手順について説明する。
【0046】
オリフィス部材10の設置にあたっては、始めに、オリフィス部材10の切り取り部20の一部を切断し、所定の大きさの流通口24を形成する。切断用の工具は特に限定されないが、例えば、のこぎりやサンダー等の汎用的な工具を好適に用いることができる。切断前の切り取り部20は円錐形状に形成されているので、切り取り位置を適宜選択することにより、流通口24の直径を自由に選ぶことができる。前述したように、本実施形態では、切り取り部20の表面に標線40が設けられている。各標線40は、所定の直径の流通口24が形成されるような位置に設けられている。そのため、所望の直径に対応する標線40を選択し、その標線40に沿って切り取り部20を切断することにより、当該直径を有する流通口24を容易に得ることができる。
【0047】
次に、切り取り部20の一部が切断された上記オリフィス部材10を、バケット3に取り付ける。具体的には、オリフィス部材10のフランジ部22の凸型スライドレール22gと、バケット3の把手6の凹型スライドレール6eとを係合させ、フランジ部22を下向きにスライドさせる。これにより、オリフィス部材10はバケット3に取り付けられる。
【0048】
次に、バケット3をます1に取り付ける。具体的には、バケット3を、ます1の立管4の上端開口から挿入し、ます本体2に向かって下降させる。このとき、支持部6aの外側面に形成された縦溝(図示省略)と、ます本体2に形成された一対のスライド突起2e(図3参照)とを係合させ、バケット3を下向きにスライドさせる。これにより、バケット3がます本体2に固定され、ひいては、バケット3を介してオリフィス部材10がます1内の所定の位置に設置されることになる。なお、前述したように、オリフィス部材10のフランジ部22は、平面視において湾曲した形状に形成されている(図7参照)。そのため、バケット3がます本体2内に固定されると、フランジ部22はます本体の内面に隙間無く当接することになる。また、前述したように、パッキン溝22fにパッキンを装着した場合には、このパッキンによってフランジ部22とます本体2の内面との間のシール性を向上させることができる。
【0049】
《オリフィス部材の機能》
図2に示すように、オリフィス部材10の流通口24は、ます1の流出口2bよりも直径が小さい。そのため、ます1内に流入した雨水の流れは、オリフィス部材10の流通口24の上流側において、いったん規制される。したがって、雨水貯留浸透槽101からます1に大量の雨水が流れ込んだとしても、それら雨水の流れは、ます1において規制される。よって、大量の雨水が雨水本管102に急激に流れ込むことが防止される。
【0050】
《実施形態の効果》
本実施形態によれば、オリフィス部材10は、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口24を形成可能な切り取り部20を備えている。そのため、切り取り位置を選択することにより、流通口24の大きさを任意に設定することができ、雨水の流量を適宜に制限することができる。したがって、交換用の部材は不要である。また、切り取り位置を微妙に調整することによって、流通口24の開口面積の微調整が可能である。したがって、流量を微調整するために流量減少板を別途設ける必要はない。本実施形態に係るオリフィス部材10によれば、部品点数を増やすことなく、雨水の流量を自由に制限することが可能となる。
【0051】
オリフィス部材10の切り取り部20は、切り取られる前の形状が略円錐状に形成されており、雨水の流通方向と反対の方向に向かって突出する先細り形状に形成されている。そのため、比較的簡単な構成によって、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口24を形成することができる構成を得ることができる。また、そのような構成を比較的安価に実現することができる。また、本実施形態によれば、切り取り部20を突出方向と直交する方向(すなわち、上下方向)に切断することによって、流通口24を形成することができる。したがって、のこぎり等の工具を用いて流通口24を形成する作業が容易となる。
【0052】
なお、本実施形態では、オリフィス部材10の切り取り部20は、雨水の流通方向と反対の方向に向かって突出する先細り形状に形成されていたが、雨水の流通方向に向かって突出する先細り形状に形成されていてもよい。また、オリフィス部材10の切り取り部20は、切り取られる前の形状が略角錐状に形成されていてもよい。例えば、切り取られる前の切り取り部20は、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐等であってもよい。このような形状であっても、上述の効果を得ることができる。
【0053】
オリフィス部材10の切り取り部20の表面には、切り取り部20の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の標線40が設けられている。そのため、のこぎり等の工具を用いて、切り取り部20の一部を標線40に沿って切断することにより、所望の大きさの流通口24を容易に形成することができる。
【0054】
平面視において、オリフィス部材10のフランジ部22は湾曲している。そのため、オリフィス部材10をます本体2の内面に沿うように配置することができる。また、平面視において、切り取り部20は、フランジ部22の両端22aよりも切り取り部20の突出方向の側に位置している。そのため、フランジ部22が湾曲しているにも拘わらず、のこぎり等の工具を用いて切り取り部20の一部を切断する際に、フランジ部22が工具と接触することを避けることができる。したがって、切り取り部20の切断作業を容易に行うことができる。
【0055】
本実施形態によれば、オリフィス部材10は、ます1の流出口2b側に設置されている。そのため、オリフィス部材10によって流れが制限された雨水は、一時的にます1の内部に貯留されることになる。したがって、雨水の流れを制限するにも拘わらず、その影響がます1の上流側に及ぶことを抑制することができる。
【0056】
《変形例1》
前記実施形態では、オリフィス部材10の切り取り部20の表面に、複数の標線40が設けられていた。しかし、図12に示すように、標線40の代わりに、切り取り部20の表面に複数の溝41を形成してもよい。すなわち、切り取り部20の表面に、切り取り部20の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の溝41を形成してもよい。この場合であっても、流通口24のそれぞれの直径に応じた切断位置が明確となるので、前述の効果を得ることができる。また、溝41を形成することにより、切断開始時に、のこぎり等の工具を切り取り部20の表面の所定箇所に位置付けやすくなる。切り取り部20の表面で工具が滑ることを抑制することができるからである。そのため、切断作業をより簡単に行うことができる。
【0057】
《変形例2》
また、図13に示すように、オリフィス部材10の切り取り部20の表面に、複数の段差42を形成してもよい。すなわち、切り取り部20の表面に、切り取り部20の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の段差42を形成してもよい。このような場合であっても、流通口24のそれぞれの直径に応じた切断位置が明確となるので、前述の効果を得ることができる。また、段差42がない場合に比べて、切断開始時に、のこぎり等の工具を切り取り部20の表面の所定箇所に位置付けやすくなる。そのため、切断作業をより簡単に行うことができる。なお、段差42を設けることによって平らな面42aが形成される場合、この平らな面42aによって、のこぎり等の工具が切り取り部21の表面上を滑ってしまうことを抑制することができる。
【0058】
また、図14に示すように、切り取り部20の表面に複数のリブ43を配置することによって、段差42を形成してもよい。
【0059】
《変形例3》
前記実施形態では、オリフィス部材10の切り取り部20は、中心線が水平に延びる略円錐形状に形成されていた。しかし、図15に示すように、切り取り部20は、上側の稜線21kが実質的に水平となるような略円錐形状に形成されていてもよい。これにより、切り取り部20の一部を切断する際に、のこぎり等の工具が切り取り部20の表面上を先端側に向かって滑ることが防止される。したがって、のこぎり等の工具を切り取り部20の表面の所定箇所に位置付けやすくなり、切断作業をより簡単に行うことができる。
【0060】
(実施形態2)
実施形態1に係るオリフィス部材10は、フランジ部22を備えたものであった。これに対し、図16〜図18に示すように、実施形態2に係るオリフィス部材10bは、差し込み部29を備えたものである。
【0061】
図17および図18に示すように、実施形態2に係るオリフィス部材10bは、実施形態1と同様の切り取り部20と、切り取り部20の根元側に連続する差し込み部29とから構成されている。差し込み部29は直管状に形成され、いわゆる差口となっている。図16に示すように、本実施形態では、差し込み部29は、ブッシング35を介して、ます本体2の流出口2bに接続された流出管12の内部に差し込まれる。すなわち、差し込み部29は、流出管12の内部に間接的に差し込まれる。
【0062】
なお、本実施形態では、差し込み部29はブッシング35を介して流出管12の内部に差し込まれているが、差し込み部29を流出管12の内部に直接差し込むことも可能である。
【0063】
また、差し込み部29は、ます本体2の流出口2b側の受け口の内部に差し込まれるものであってもよい。差し込み部29を、ます本体2の流入口2a側の受け口の内部に差し込むことも可能である。また、差し込み部29を流入管11の内部に差し込んでもよい。
【0064】
ます本体2等に対するオリフィス部材10bの固定方法は特に限定されない。例えば、差し込み部29、ブッシング35、ます本体2、および流出管12を互いに接着させることによって、オリフィス部材10bを固定するようにしてもよい。
【0065】
なお、本実施形態によれば、オリフィス部材10bは、ます1の内部に突出していない。そのため、ます1内にバケット3を着脱する際に、オリフィス部材10bが邪魔になることはない。
【0066】
ただし、オリフィス部材10bを、その一部がます1の内部に突出するように配置することも勿論可能である。
【0067】
なお、実施形態1と同様、実施形態2においても、切り取り部20には種々の変形例が考えられる。切り取り部20の形状は、図16〜図18に示す形状に限定される訳ではない。
【0068】
(実施形態3)
実施形態1および2に係るオリフィス部材10,10bは、切り取り部20が先細り形状に形成されたものであった。これに対し、図19に示すように、実施形態3に係るオリフィス部材10cは、切り取り部20が板状に形成されたものである。
【0069】
詳しくは、実施形態3に係るオリフィス部材10cは、板状に形成された切り取り部20と、切り取り部20の周囲に広がる板状のベース部30とから構成されている。ベース部30と切り取り部20とは滑らかに連続しており、全体として一枚の板を形成している。なお、本実施形態では、オリフィス部材10cはます本体2の内面に沿うように湾曲している。すなわち、本実施形態に係るオリフィス部材10cは、ベース部30と切り取り部20とが一体となった湾曲板となっている。ただし、オリフィス部材10cは湾曲板に限らず、平板であってもよい。
【0070】
切り取り部20には、同心円状の複数の標線40が設けられている。いずれか一つの標線40に沿って切り取り部20の一部を抜き取ることによって、所定の直径の流通口を形成することができる。なお、標線40の代わりに、溝を形成するようにしてもよい。
【0071】
本実施形態においても、オリフィス部材10cは、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口が形成可能な切り取り部20を備えている。そのため、切り取り位置を選択することにより、流通口の大きさを適宜設定することが可能であり、雨水の流量を適宜制限することができる。したがって、本実施形態に係るオリフィス部材10cにおいても、交換用の部材は不要である。
【0072】
なお、前記実施形態1〜3において、切り取り部20の一部が切断可能である限り、オリフィス部材10,10b,10cの材料は特に限定されない。オリフィス部材10,10b,10cの材料として、例えば、塩化ビニル、ABS等を好適に用いることができる。ただし、少なくとも切り取り部20は、切断容易な材料で形成されていることが好ましい。切り取り部20は、オリフィス部材10,10b,10cの他の部分と同一の材料であってもよく、異なっていてもよい。切り取り部20は、可撓性を有する材料(例えばゴム等)で形成されていてもよい。切り取り部20は、はさみで切断できるような材料であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、ここで開示されるオリフィス部材は、雨水配管経路等における雨水等の流量を制限する用途等に有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 ます
2 ます本体
2a 流入口
2b 流出口
3 バケット
4 立管
10,10b,10c オリフィス部材
11 流入管
12 流出管
20 切り取り部
21k 稜線
21 直管部
22 フランジ部
24 流通口
29 差し込み部
30 ベース部
40 標線
41 溝
42 段差
100 配管経路
101 雨水貯留浸透槽
102 雨水本管
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリフィス部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、雨水を集合させて雨水本管に排出する雨水配管経路などにおいて、ますが用いられている。
【0003】
ところで、短時間の間に大量の雨が降った場合などでは、雨水本管に対して、大量の雨水が急激に流れ込むおそれがある。そのため、雨水本管の上流側において、雨水の流量を規制することが好ましい。
【0004】
下記特許文献1には、集水系統における流量調整装置が開示されている。特許文献1に開示された流量調整装置は、基本的に、流入口の開口面積が異なる複数の板状体(装置本体)を適宜交換することにより、流量を調整するものである。例えば、流量を少なめに設定する際には、流入口の開口面積の小さな装置本体を用い、逆に、流量を多めに設定する際には、流入口の開口面積の大きな装置本体を用いる。これにより、下流側に向かう雨水の流量を調整することができる。
【0005】
また、特許文献1に開示された流量調整装置は、装置本体の流入口の一部を遮蔽する流量減少板を備えている。流量減少板は、装置本体に対して上方からスライド可能となっており、そのスライド量を調整することによって、流入口の開閉量を微調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−253745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された流量調整装置では、予め複数の装置本体を準備しておかなければならない。そのため、必要とされる部品点数が多くなってしまうという課題がある。また、流入口の開閉量を微調整するためには、流量減少板が別途必要となる。したがって、必要となる部品点数がさらに多くなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここで提案されるオリフィス部材は、略円錐状または略角錐状の先細り形状に形成された中空部を有する切り取り部を有し、切り取り部の表面に、それぞれ周方向に沿って延びる複数の溝または段差が形成されている。ここで、複数の溝または段差は、切り取り部の根元から先端に向かう方向に並んでいてもよい。また、複数の溝または段差は、切り取り部の根元から先端に向かう方向において、等間隔に並んでいてもよい。また、切り取り部は、上側の稜線が実質的に水平に配置できるように、切り取り部の根元側の端面に対して中心線が傾いていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係るますが設置された配管経路図である。
【図2】実施形態1に係るますの縦断面図である。
【図3】ますの横断面図である。
【図4】バケットの側面図である。
【図5】バケットの縦断面図である。
【図6】オリフィス部材の斜視図である。
【図7】オリフィス部材の平面図である。
【図8】オリフィス部材の正面図である。
【図9】オリフィス部材の側面図である。
【図10】オリフィス部材の裏面図である。
【図11】オリフィス部材のXI−XI線断面図である。
【図12】変形例に係るオリフィス部材における切り取り部の一部を拡大して示す側面図である。
【図13】変形例に係るオリフィス部材における切り取り部の一部を拡大して示す側面図である。
【図14】変形例に係るオリフィス部材の側面図である。
【図15】変形例に係るオリフィス部材の切り取り部の斜視図である。
【図16】実施形態2に係るますの縦断面図である。
【図17】実施形態2に係るオリフィス部材の側面図である。
【図18】実施形態2に係るオリフィス部材の断面図である。
【図19】実施形態3に係るオリフィス部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで開示される、オリフィス部材は、ますの流入口側または流出口側に設けられ、前記ますの内外を流れる水の流量を制限するオリフィス部材であって、異なる位置でその一部を切り取ることが可能であり、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口が形成可能な切り取り部を備えたものである。
なお、「ますの流入口側」とは、ますの流入口の内側(言い換えると、ますの内部)および外側(言い換えると、ますの外部)の両方を含む意味である。同様に、「ますの流出口側」とは、ますの流出口の内側および外側の両方を含む意味である。
【0011】
上記オリフィス部材によれば、切り取り部の切り取り位置を適宜選択することにより、雨水等の流量を自由に制限することができる。したがって、交換用の部材は不要となる。また、切り取り位置を微妙に調整することによって、流通口の開口面積を容易に微調整することができる。したがって、流量を微調整するための流量減少板を別途設ける必要はない。
【0012】
前記切り取り部は、前記ますの内外を流れる水の流通方向または当該流通方向と反対の方向に向かって突出する先細り形状に形成されていることが好ましい。
【0013】
このことにより、比較的簡単な構成によって、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口が形成される切り取り部を実現することができる。また、切り取り部を突出方向と直交する方向に切断することによって、流通口を形成することができる。したがって、のこぎり等の工具を用いて流通口を形成する作業が容易となる。
【0014】
前記切り取り部は、切り取られる前の形状が略円錐状または略角錐状に形成されていてもよい。
【0015】
このことにより、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口が形成される切り取り部を、比較的単純な構成によって実現することができる。
【0016】
前記切り取り部の上側の稜線は、実質的に水平であってもよい。
【0017】
このことにより、のこぎり等の工具で切り取り部の一部を切断する際に、当該工具が切り取り部の表面上を滑ってしまうことを抑制することができる。そのため、切断作業を容易に行うことができる。
【0018】
前記切り取り部の表面には、前記切り取り部の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の標線が設けられていることが好ましい。
【0019】
このことにより、流通口のそれぞれの直径に応じた切断位置が明確となり、切り取り部の一部を当該切断位置(すなわち、標線の位置)で切断することにより、所望の直径の流通口を容易に得ることができる。
【0020】
前記切り取り部の表面には、前記切り取り部の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の溝が形成されていてもよい。
【0021】
このような形態であっても、流通口のそれぞれの直径に応じた切断位置が明確となり、切り取り部の一部を当該切断位置(すなわち、溝の位置)で切断することにより、所望の直径の流通口を容易に得ることができる。また、上記溝によって、のこぎり等の工具が切り取り部の表面上を滑ってしまうことを抑制することができる。
【0022】
前記切り取り部の表面には、前記切り取り部の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の段差が形成されていてもよい。
【0023】
このような形態であっても、流通口のそれぞれの直径に応じた切断位置が明確となり、切り取り部の一部を当該切断位置(すなわち、段差の位置)で切断することにより、所望の直径の流通口を容易に得ることができる。また、上記段差によって切り取り部に平らな面が形成される場合には、この平らな面によって、のこぎり等の工具が切り取り部の表面上を滑ってしまうことを抑制することができる。
【0024】
前記オリフィス部材は、一端側が前記切り取り部の根元側に連続し、他端側が前記切り取り部の突出方向と反対の方向に延びる直管部と、前記直管部の他端側に設けられ、前記直管部の延びる方向から見て前記直管部から外側に広がり、前記ますの内面に沿うように湾曲したフランジ部と、をさらに備え、平面視において、前記切り取り部は、前記フランジ部の両端よりも前記突出方向の側に位置していてもよい。
【0025】
上記オリフィス部材によれば、フランジ部が湾曲しているにも拘わらず、のこぎり等の工具を用いて切り取り部の一部を切断する際に、フランジ部が工具と干渉してしまうことを避けることができる。したがって、切り取り部の切断作業を容易に行うことができる。
【0026】
前記オリフィス部材は、一端側が前記切り取り部の根元側に連続し、他端側が前記切り取り部の突出方向と反対の方向に延びる差し込み部をさらに備え、前記差し込み部が、前記ますの流入口部分、前記ますの流出口部分、前記ますの流入口に接続された流入管、または前記ますの流出口に接続された流出管に、直接または間接的に差し込まれるものであってもよい。
【0027】
上記オリフィス部材によれば、差し込み部をますの流入口部分、ますの流出口部分、ますの流入口に接続された流入管、またはますの流出口に接続された流出管に、直接または間接的に差し込むことによって、容易に固定することができる。
【0028】
前記オリフィス部材は、前記切り取り部の周囲に広がるベース部をさらに備え、前記切り取り部と前記ベース部とが一体となって板状に形成されていてもよい。
【0029】
上記オリフィス部材においても、比較的簡単な構成によって、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口が形成される切り取り部を実現することができる。
【0030】
また、ますは、流入口と流出口とが形成されたます本体と、前記流出口側に配置された前記オリフィス部材とを備えたものである。
【0031】
上記ますによれば、交換用の部材が不要なオリフィス部材を備えたますを実現することができる。また、オリフィス部材はますの流出口側に配置されているので、オリフィス部材によって流れが制限された雨水等は、一時的にますの内部に貯留されることになる。したがって、雨水等の流れを制限するにも拘わらず、その影響がますの上流側に及ぶことを抑制することができる。
【0032】
このように、交換用の部材が不要であって雨水等の流量を制限することのできるオリフィス部材、およびそのオリフィス部材を備えたますを実現することができる。
【0033】
(実施形態1)
《配管系統》
図1に示すように、本実施形態に係るます1は、雨水を雨水本管102に導く配管経路100内に設置されている。この配管経路100には、雨水を貯留しかつ地中に浸透させる雨水貯留浸透槽101が設けられている。図示は省略するが、雨水貯留浸透槽101の上流側には、雨樋や他のます等が配置されている。ます1は、雨水貯留浸透槽101の下流側に配置されており、雨水貯留浸透槽101と雨水本管102との間に介在している。なお、図1において、符号Gは地面を表している。雨水貯留浸透槽101、ます1、および雨水本管102は、地中に埋設されている。
【0034】
《ます》
図2に示すように、ます1は、有底円筒状のます本体2と、ます本体2内に設置されるバケット3と、ます本体2から上方に延びる立管(点検用筒ともいう)4と、立管4の上部に取り付けられる蓋5(図1参照)と、後述するオリフィス部材10とを備えている。
【0035】
ます本体2の側部には、流入口2aと流出口2bとが形成されている。図1に示すように、流入口2aには流入管11が差し込まれ、流出口2bには流出管12が差し込まれている。ます本体2の上部には、立管4が接続される受け口2cが形成されている。なお、本実施形態においては、流入口2aは3つ形成されている。ただし、ます本体2における流入口2aの数は特に限定されない。
【0036】
図3に示すように、ます本体2の流出口2bの両側には、上下方向に延びるスライド突起2eと、スライド突起2eに対向する上下方向に延びる案内突起2fとが、それぞれ形成されている。案内突起2fはスライド突起2eよりも短く、スライド突起2eの下側部分に対向している。これらスライド突起2eと案内突起2fとの間には、平面視コ字状の溝2gが形成されている。
【0037】
本実施形態では、ます本体2と立管4とは別体であるが、ます本体2と立管4とは一体物であってもよい。また、ます本体2は、単一部材で形成されていてもよく、本実施形態のように複数の部材が組み合わされて形成されていてもよい。
【0038】
《バケット》
図4はバケット3の側面図であり、図5はバケット3の縦断面図である。バケット3は、ます本体2よりも直径が小さい有底円筒状に形成されている(図2参照)。バケット3には、門形の把手6が設けられている。
【0039】
把手6は、バケット3の上部から上方に向かって延びる2本の支持部6aと、支持部6aの上端を連結する連結部6bとによって構成されている。連結部6bは、ます本体2の内面に沿うように湾曲している。また、支持部6aの外側面には、縦溝(図示省略)が形成されている。当該縦溝部分をます本体2に形成されたスライド突起2e(図3参照)と係合させることにより、バケット3はます本体2内に固定される。
【0040】
また、把手6の支持部6aの内側面には、上下方向に延びる断面コ字状の凹型スライドレール6eが形成されている。図5に示すように、凹型スライドレール6eは中央部分で途切れており、上側部分と下側部分とは略等しい長さに形成されている。
【0041】
《オリフィス部材》
図2に示すように、オリフィス部材10は、先端側(図2における左側)が切断された略円錐状の切り取り部20と、切り取り部20の根元側に連続する直管部21と、直管部21から外側に広がるフランジ部22とを備えている。
【0042】
図6〜図10は、切り取り部20の一部が切断される前の状態のオリフィス部材10を表している。切り取られる前の切り取り部20は、円錐形状に形成されている。この切り取り部20の表面には、切断位置を示す複数の標線40が設けられている。所定の標線に沿って切り取り部20の一部を切断することによって、所定の直径の流通口24を得ることができる。これら複数の標線40は、切り取り部20の根元側から先端側に向かって並んでいる。各標線40は、周状に延びている。なお、切り取り部20の表面であって各標線40の上または近傍に、当該標線40の位置で切断した場合の流通口24の直径を明記しておいてもよい。すなわち、流通口24の寸法表示を行ってもよい。ただし、標線40は必ずしも設ける必要はなく、省略することも可能である。また、切り取り部20を必ずしも標線40に沿って切断しなければならない訳ではなく、標線40以外の箇所で切り取り部20を切断することも勿論可能である。
【0043】
図7に示すように、フランジ部22は、ます本体2の内面に沿うように湾曲している。具体的には、フランジ部22は、左右の両端22aが切り取り部20側に向かうように湾曲している。なお、平面視において、切り取り部20は、フランジ部22の両端22aよりも、切り取り部20の突出方向側(すなわち、図7における左側)に位置している。言い換えると、フランジ部22の両端22aは、直管部21の左端(すなわち、直管部21と切り取り部20とが連続している部分)よりも右側に位置している。これにより、切り取り部20の一部を切断する際に、のこぎり等の切断用工具がフランジ部22に干渉することを容易に避けることができる。そのため、切り取り部20の切断作業が容易になる。
【0044】
図10に示すように、フランジ部22には、円形状の開口25が形成されている。開口25の直径は特に限定されないが、本実施形態では、ます本体2の流出口2bの直径と略等しくなっている。フランジ部22の開口25の周囲には、開口25と同心状のパッキン溝22fが形成されている。ただし、このパッキン溝22fは必ずしも必要ではなく、省略してもよい。フランジ部22の左右の側面には、上下方向に延びる上下一対の凸型スライドレール22gが形成されている。凸型スライドレール22gは、把手6の支持部6aの内面に形成された凹型スライドレール6e(図4参照)と係合可能に形成されている。これら凸型スライドレール22gと凹型スライドレール6eとが係合することにより、オリフィス部材10はバケット3に固定される。
【0045】
《オリフィス部材の設置》
次に、ます1内にオリフィス部材10を設置する手順について説明する。
【0046】
オリフィス部材10の設置にあたっては、始めに、オリフィス部材10の切り取り部20の一部を切断し、所定の大きさの流通口24を形成する。切断用の工具は特に限定されないが、例えば、のこぎりやサンダー等の汎用的な工具を好適に用いることができる。切断前の切り取り部20は円錐形状に形成されているので、切り取り位置を適宜選択することにより、流通口24の直径を自由に選ぶことができる。前述したように、本実施形態では、切り取り部20の表面に標線40が設けられている。各標線40は、所定の直径の流通口24が形成されるような位置に設けられている。そのため、所望の直径に対応する標線40を選択し、その標線40に沿って切り取り部20を切断することにより、当該直径を有する流通口24を容易に得ることができる。
【0047】
次に、切り取り部20の一部が切断された上記オリフィス部材10を、バケット3に取り付ける。具体的には、オリフィス部材10のフランジ部22の凸型スライドレール22gと、バケット3の把手6の凹型スライドレール6eとを係合させ、フランジ部22を下向きにスライドさせる。これにより、オリフィス部材10はバケット3に取り付けられる。
【0048】
次に、バケット3をます1に取り付ける。具体的には、バケット3を、ます1の立管4の上端開口から挿入し、ます本体2に向かって下降させる。このとき、支持部6aの外側面に形成された縦溝(図示省略)と、ます本体2に形成された一対のスライド突起2e(図3参照)とを係合させ、バケット3を下向きにスライドさせる。これにより、バケット3がます本体2に固定され、ひいては、バケット3を介してオリフィス部材10がます1内の所定の位置に設置されることになる。なお、前述したように、オリフィス部材10のフランジ部22は、平面視において湾曲した形状に形成されている(図7参照)。そのため、バケット3がます本体2内に固定されると、フランジ部22はます本体の内面に隙間無く当接することになる。また、前述したように、パッキン溝22fにパッキンを装着した場合には、このパッキンによってフランジ部22とます本体2の内面との間のシール性を向上させることができる。
【0049】
《オリフィス部材の機能》
図2に示すように、オリフィス部材10の流通口24は、ます1の流出口2bよりも直径が小さい。そのため、ます1内に流入した雨水の流れは、オリフィス部材10の流通口24の上流側において、いったん規制される。したがって、雨水貯留浸透槽101からます1に大量の雨水が流れ込んだとしても、それら雨水の流れは、ます1において規制される。よって、大量の雨水が雨水本管102に急激に流れ込むことが防止される。
【0050】
《実施形態の効果》
本実施形態によれば、オリフィス部材10は、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口24を形成可能な切り取り部20を備えている。そのため、切り取り位置を選択することにより、流通口24の大きさを任意に設定することができ、雨水の流量を適宜に制限することができる。したがって、交換用の部材は不要である。また、切り取り位置を微妙に調整することによって、流通口24の開口面積の微調整が可能である。したがって、流量を微調整するために流量減少板を別途設ける必要はない。本実施形態に係るオリフィス部材10によれば、部品点数を増やすことなく、雨水の流量を自由に制限することが可能となる。
【0051】
オリフィス部材10の切り取り部20は、切り取られる前の形状が略円錐状に形成されており、雨水の流通方向と反対の方向に向かって突出する先細り形状に形成されている。そのため、比較的簡単な構成によって、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口24を形成することができる構成を得ることができる。また、そのような構成を比較的安価に実現することができる。また、本実施形態によれば、切り取り部20を突出方向と直交する方向(すなわち、上下方向)に切断することによって、流通口24を形成することができる。したがって、のこぎり等の工具を用いて流通口24を形成する作業が容易となる。
【0052】
なお、本実施形態では、オリフィス部材10の切り取り部20は、雨水の流通方向と反対の方向に向かって突出する先細り形状に形成されていたが、雨水の流通方向に向かって突出する先細り形状に形成されていてもよい。また、オリフィス部材10の切り取り部20は、切り取られる前の形状が略角錐状に形成されていてもよい。例えば、切り取られる前の切り取り部20は、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐等であってもよい。このような形状であっても、上述の効果を得ることができる。
【0053】
オリフィス部材10の切り取り部20の表面には、切り取り部20の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の標線40が設けられている。そのため、のこぎり等の工具を用いて、切り取り部20の一部を標線40に沿って切断することにより、所望の大きさの流通口24を容易に形成することができる。
【0054】
平面視において、オリフィス部材10のフランジ部22は湾曲している。そのため、オリフィス部材10をます本体2の内面に沿うように配置することができる。また、平面視において、切り取り部20は、フランジ部22の両端22aよりも切り取り部20の突出方向の側に位置している。そのため、フランジ部22が湾曲しているにも拘わらず、のこぎり等の工具を用いて切り取り部20の一部を切断する際に、フランジ部22が工具と接触することを避けることができる。したがって、切り取り部20の切断作業を容易に行うことができる。
【0055】
本実施形態によれば、オリフィス部材10は、ます1の流出口2b側に設置されている。そのため、オリフィス部材10によって流れが制限された雨水は、一時的にます1の内部に貯留されることになる。したがって、雨水の流れを制限するにも拘わらず、その影響がます1の上流側に及ぶことを抑制することができる。
【0056】
《変形例1》
前記実施形態では、オリフィス部材10の切り取り部20の表面に、複数の標線40が設けられていた。しかし、図12に示すように、標線40の代わりに、切り取り部20の表面に複数の溝41を形成してもよい。すなわち、切り取り部20の表面に、切り取り部20の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の溝41を形成してもよい。この場合であっても、流通口24のそれぞれの直径に応じた切断位置が明確となるので、前述の効果を得ることができる。また、溝41を形成することにより、切断開始時に、のこぎり等の工具を切り取り部20の表面の所定箇所に位置付けやすくなる。切り取り部20の表面で工具が滑ることを抑制することができるからである。そのため、切断作業をより簡単に行うことができる。
【0057】
《変形例2》
また、図13に示すように、オリフィス部材10の切り取り部20の表面に、複数の段差42を形成してもよい。すなわち、切り取り部20の表面に、切り取り部20の根元側から先端側に向かって並び、それぞれ周状に延びる複数の段差42を形成してもよい。このような場合であっても、流通口24のそれぞれの直径に応じた切断位置が明確となるので、前述の効果を得ることができる。また、段差42がない場合に比べて、切断開始時に、のこぎり等の工具を切り取り部20の表面の所定箇所に位置付けやすくなる。そのため、切断作業をより簡単に行うことができる。なお、段差42を設けることによって平らな面42aが形成される場合、この平らな面42aによって、のこぎり等の工具が切り取り部21の表面上を滑ってしまうことを抑制することができる。
【0058】
また、図14に示すように、切り取り部20の表面に複数のリブ43を配置することによって、段差42を形成してもよい。
【0059】
《変形例3》
前記実施形態では、オリフィス部材10の切り取り部20は、中心線が水平に延びる略円錐形状に形成されていた。しかし、図15に示すように、切り取り部20は、上側の稜線21kが実質的に水平となるような略円錐形状に形成されていてもよい。これにより、切り取り部20の一部を切断する際に、のこぎり等の工具が切り取り部20の表面上を先端側に向かって滑ることが防止される。したがって、のこぎり等の工具を切り取り部20の表面の所定箇所に位置付けやすくなり、切断作業をより簡単に行うことができる。
【0060】
(実施形態2)
実施形態1に係るオリフィス部材10は、フランジ部22を備えたものであった。これに対し、図16〜図18に示すように、実施形態2に係るオリフィス部材10bは、差し込み部29を備えたものである。
【0061】
図17および図18に示すように、実施形態2に係るオリフィス部材10bは、実施形態1と同様の切り取り部20と、切り取り部20の根元側に連続する差し込み部29とから構成されている。差し込み部29は直管状に形成され、いわゆる差口となっている。図16に示すように、本実施形態では、差し込み部29は、ブッシング35を介して、ます本体2の流出口2bに接続された流出管12の内部に差し込まれる。すなわち、差し込み部29は、流出管12の内部に間接的に差し込まれる。
【0062】
なお、本実施形態では、差し込み部29はブッシング35を介して流出管12の内部に差し込まれているが、差し込み部29を流出管12の内部に直接差し込むことも可能である。
【0063】
また、差し込み部29は、ます本体2の流出口2b側の受け口の内部に差し込まれるものであってもよい。差し込み部29を、ます本体2の流入口2a側の受け口の内部に差し込むことも可能である。また、差し込み部29を流入管11の内部に差し込んでもよい。
【0064】
ます本体2等に対するオリフィス部材10bの固定方法は特に限定されない。例えば、差し込み部29、ブッシング35、ます本体2、および流出管12を互いに接着させることによって、オリフィス部材10bを固定するようにしてもよい。
【0065】
なお、本実施形態によれば、オリフィス部材10bは、ます1の内部に突出していない。そのため、ます1内にバケット3を着脱する際に、オリフィス部材10bが邪魔になることはない。
【0066】
ただし、オリフィス部材10bを、その一部がます1の内部に突出するように配置することも勿論可能である。
【0067】
なお、実施形態1と同様、実施形態2においても、切り取り部20には種々の変形例が考えられる。切り取り部20の形状は、図16〜図18に示す形状に限定される訳ではない。
【0068】
(実施形態3)
実施形態1および2に係るオリフィス部材10,10bは、切り取り部20が先細り形状に形成されたものであった。これに対し、図19に示すように、実施形態3に係るオリフィス部材10cは、切り取り部20が板状に形成されたものである。
【0069】
詳しくは、実施形態3に係るオリフィス部材10cは、板状に形成された切り取り部20と、切り取り部20の周囲に広がる板状のベース部30とから構成されている。ベース部30と切り取り部20とは滑らかに連続しており、全体として一枚の板を形成している。なお、本実施形態では、オリフィス部材10cはます本体2の内面に沿うように湾曲している。すなわち、本実施形態に係るオリフィス部材10cは、ベース部30と切り取り部20とが一体となった湾曲板となっている。ただし、オリフィス部材10cは湾曲板に限らず、平板であってもよい。
【0070】
切り取り部20には、同心円状の複数の標線40が設けられている。いずれか一つの標線40に沿って切り取り部20の一部を抜き取ることによって、所定の直径の流通口を形成することができる。なお、標線40の代わりに、溝を形成するようにしてもよい。
【0071】
本実施形態においても、オリフィス部材10cは、切り取り位置を変えることによって開口面積の異なる流通口が形成可能な切り取り部20を備えている。そのため、切り取り位置を選択することにより、流通口の大きさを適宜設定することが可能であり、雨水の流量を適宜制限することができる。したがって、本実施形態に係るオリフィス部材10cにおいても、交換用の部材は不要である。
【0072】
なお、前記実施形態1〜3において、切り取り部20の一部が切断可能である限り、オリフィス部材10,10b,10cの材料は特に限定されない。オリフィス部材10,10b,10cの材料として、例えば、塩化ビニル、ABS等を好適に用いることができる。ただし、少なくとも切り取り部20は、切断容易な材料で形成されていることが好ましい。切り取り部20は、オリフィス部材10,10b,10cの他の部分と同一の材料であってもよく、異なっていてもよい。切り取り部20は、可撓性を有する材料(例えばゴム等)で形成されていてもよい。切り取り部20は、はさみで切断できるような材料であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、ここで開示されるオリフィス部材は、雨水配管経路等における雨水等の流量を制限する用途等に有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 ます
2 ます本体
2a 流入口
2b 流出口
3 バケット
4 立管
10,10b,10c オリフィス部材
11 流入管
12 流出管
20 切り取り部
21k 稜線
21 直管部
22 フランジ部
24 流通口
29 差し込み部
30 ベース部
40 標線
41 溝
42 段差
100 配管経路
101 雨水貯留浸透槽
102 雨水本管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円錐状または略角錐状の先細り形状に形成された中空部を有する切り取り部を有し、
前記切り取り部の表面に、それぞれ周方向に沿って延びる複数の溝または段差が形成された、オリフィス部材。
【請求項2】
前記複数の溝または段差は、前記切り取り部の根元から先端に向かう方向に並んでいる、請求項1に記載されたオリフィス部材。
【請求項3】
前記複数の溝または段差は、前記切り取り部の根元から先端に向かう方向において、等間隔に並んでいる、請求項2に記載されたオリフィス部材。
【請求項4】
前記切り取り部は、上側の稜線が実質的に水平に配置できるように、前記切り取り部の根元側の端面に対して中心線が傾いている、請求項1または2に記載されたオリフィス部材。
【請求項1】
略円錐状または略角錐状の先細り形状に形成された中空部を有する切り取り部を有し、
前記切り取り部の表面に、それぞれ周方向に沿って延びる複数の溝または段差が形成された、オリフィス部材。
【請求項2】
前記複数の溝または段差は、前記切り取り部の根元から先端に向かう方向に並んでいる、請求項1に記載されたオリフィス部材。
【請求項3】
前記複数の溝または段差は、前記切り取り部の根元から先端に向かう方向において、等間隔に並んでいる、請求項2に記載されたオリフィス部材。
【請求項4】
前記切り取り部は、上側の稜線が実質的に水平に配置できるように、前記切り取り部の根元側の端面に対して中心線が傾いている、請求項1または2に記載されたオリフィス部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−40559(P2013−40559A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−220377(P2012−220377)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【分割の表示】特願2008−32183(P2008−32183)の分割
【原出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【分割の表示】特願2008−32183(P2008−32183)の分割
【原出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】
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