説明

オルガノシリコーン組成物とその製造方法

構造(M(M(D(D(T)(Q)〔式中、M=RSiO1/2であり;M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;D=RSiO2/2であり;T=R10SiO3/2であり;そして、Q=SiO4/2であり;式中、各Rは、独立して、エポキシ基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;Rは、構造−L−Si(R11(OR123−gもしくはL(D(M−L−Si(R13(OR143−gを含有し;式中、L、L、およびLは、独立して、二価の結合基であり;gおよびg’は、独立して、0から2までの値を有し;M=R151617SiO1/2であり;D=R1819SiO2/2であり;式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;式中、a、b、c、d、e、f、h、およびiは、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:bは2の値を有し;dは1と等しいかもしくはそれ以上であり;(a+c+e+f)がゼロと等しい時、(b+d)は3と等しいかもしくはそれ以上であり;そして、i=0である時、hは少なくとも1である〕を含有する組成物を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、少なくとも一つのペンダント型官能性の有機ケイ素基を含有する、エポキシでキャップ化されたオルガノシリコーンを含有する組成物に関する。さらに本発明は、これらの組成物を選択的に製造する方法に関する。その上に本発明は、これらの組成物と、カルボン酸端末基のような、エポキシでキャップ化されたシロキサンに対して反応性のある末端基を少なくとも一つ有する重合体との反応生成物を含有する重合体組成物に関する。さらになお、本発明は、重合体組成物の種々の最終的な使用に関する。
【背景技術】
【0002】
末端キャップ化基および/もしくはペンダント型基としてのエポキシ基を有するオルガノシリコーンは、当分野で既知であり、そして例えば、シリコーン系のエポキシ樹脂のような様々な用途に使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ますます大きい要求がされる最終的な使用に対し、より堅牢な生成物を生成するための、エポキシの末端キャップ化基と、少なくとも一つのペンダント型官能性の有機ケイ素基とを単独で有するオルガノシリコーンへの必要性は、いまだ残っている。さらになお、選択的な方法で、そのようなオルガノシリコーンを製造する方法に対する必要性も依然として残っている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、構造:
(M(M(D(D(T)(Q)
を含有する組成物であり;
式中、M=RSiO1/2;M=RSiO1/2;D=RSiO2/2;D=RSiO2/2;T=R10SiO3/2;そして、Q=SiO4/2であり;
式中、各Rは、独立して、エポキシ基を有する一価の炭化水素ラジカルであり;Rは、構造−L−Si(R11(OR123−gもしくはL(D(M−L−Si(R13g’(OR143−g’を含有し;式中、L、L、およびLは、独立して、二価の結合基であり;gおよびg’は、独立して、0から2までの値を有し;M=R151617SiO1/2であり;D=R1819SiO2/2であり;
式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;
式中、a、b、c、d、e、f、h、およびiは、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:bは2の値を有し;dは1と等しいかもしくはそれ以上であり;(a+c+e+f)がゼロと等しい時、(b+d)は3と等しいかもしくはそれ以上であり;そして、i=0である時、hは少なくとも1である。
【0005】
本発明の他の態様は、構造:
(M(D(D
を含有する組成物であり;
式中、M=R2021SiO1/2であり;D=R2223SiO2/2であり;そして、D=R2425SiO2/2であり;式中、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;各Rは、独立して、エポキシ基を有する一価の炭化水素ラジカルであり;R25=−L−Si(R26(OR273−mであり、式中、Lは、二価の結合基であり;mは、0から2までの値を有し;そして、R26およびR27は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;jは2の値を有し;kはゼロもしくは1より大きく;そして、lは1と等しいかもしくはそれ以上である。
【0006】
さらに他の態様において、構造:
(M(M(D(D(T)(Q)
を含有する組成物を製造する方法が供される。この方法は:
(i)構造(M(M(D(T)(Q)を有する有機ケイ素ヒドリドと、エポキシオレフィンとを反応させて、構造(M(M(D(T)(Q)を有する第一の中間体生成物を得るステップであって;式中、M=RSiO1/2であり;M=RHSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;T=R10SiO3/2であり;Q=SiO4/2であり;そして、M=RSiO1/2であり;式中、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;それぞれのRは、独立して、エポキシ基を有する一価の炭化水素ラジカルであり;そして、a、b、c、e、およびfは、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:bは2の値を有し;そして、(a+c+e+f)=0である時、b=2である、ステップ;
(ii)前記第一の中間体生成物と、構造(Dを有する環状シロキサンとを反応させて、構造(M(M(D(D(T)(Q)を有する第二の中間生成物を得るステップであって;式中、Dは、R28SiO2/2であり;式中、Rは、一価の炭化水素ラジカルであって;R28は、一価のアルケニル基であり;a、b、c、e、f、n、およびoは、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:nは3と等しいかもしくはそれ以上であり;oは少なくとも1であり;bは2の値を有し;そして、(a+c+e+f)がゼロと等しい時、(b+o)は3と等しいかもしくはそれ以上である、ステップ;そして、
(iii)前記第二の中間体生成物と、(アルコキシ)ヒドロシランとを反応させて、構造(M(M(D(D(T)(Q)を有する組成物を得るステップであって;式中、M=RSiO1/2であり;M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;D=RSiO2/2であり;T=R10SiO3/2であり;そして、Q=SiO4/2であり;式中、それぞれのRは、独立して、エポキシ基を有する一価の炭化水素ラジカルであり;Rは、構造−L−Si(R11(OR123−gもしくはL(D(M−L−Si(R13g’(OR143−g’を含有するペンダント型官能性の有機ケイ素基を含有し;式中、L、L、およびLは、独立して、二価の結合基であり;gおよびg’は、独立して、0から2までの値を有する;M=R151617SiO1/2であり;D=R1819SiO2/2であり;
式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;
式中、a、b、c、d、e、f、h、およびiは、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:bは2の値を有する;dは1と等しいかもしくはそれ以上であり;(a+c+e+f)がゼロと等しい時、(b+d)は3と等しいかもしくはそれ以上であり;そして、i=0である時、hは少なくとも1である、ステップ;
を含有する。
【0007】
別の様態において、先に開示した組成物と、少なくとも一つのカルボン酸末端基を有する重合体との反応生成物を含有する、重合体組成物とコーティング剤組成物とが供される。
【0008】
本発明のこれらの、そして別の特徴、様態、および長所は、添付される図面を参照して次の詳細な説明を読めば、より理解でき、ここで、図面の全体にわたって同類の文字が同類の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1に記載される第一の中間生成物、M(D)に対する、ピークを同定したプロトン核磁気共鳴スペクトルを表す。
【図2】図2は、実施例1に記載される第二の中間体生成物、M(D)(DViに対する、ピークを同定したプロトン核磁気共鳴スペクトルを表す。
【図3】図3は、本発明の実施態様による例示的な組成物に対する、ピークを同定したプロトン核磁気共鳴スペクトルを表す。
【図4】図4は、本発明の他の実施態様による、図3の例示的な組成物に対する、ピークを同定したSilicon−29の核磁気共鳴スペクトルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のこれらの、そして別の特徴、様態、および長所は、次の詳細な説明を考慮に入れるとより良く理解できるであろう。
【0011】
単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明かに他のことを指示するのでなければ、複数の指示物を含む。
【0012】
「任意選択の(optional)」もしくは「任意選択で(optionally)」は、この語のあとに記載される事態もしくは状況が、起きてもよく、もしくは起きなくてもよく、そしてこの記載は、事態が起きる場合と、事態が起きない場合とを含む。
【0013】
ここで定義されるとき、用語の「ラジカル(radical)」および「基(group)」は、用語の「アルキル」、「シクロアルキル」、「アリール」、「アルコキシ」、「アリールオキシ」、および「シクロアルコキシ」に用いるとき、この開示の全体にわたって相互互換的に使用される。
【0014】
ここで定義にされるとき、用語の「一価の炭化水素ラジカル」は、一価のアルキルラジカル、一価のシクロアルキルラジカル、もしくは一価のアリールラジカルのいずれをも表す。別に特定されていなければ、用語の「炭化水素ラジカル」は、1から60個の炭素原子を有するそれらのラジカルを含むことを意味する。さらに、この炭化水素ラジカルは、硫黄、酸素、および窒素のようなヘテロ原子を含有してもよい。
【0015】
ここで定義されるとき、用語の「アルキル」は、環状ではなく、かつ、spの炭素原子を介してケイ素原子に連結される、炭素原子の一価の配置を指す。炭素原子の配置は、sp、sp、もしくはspの混成炭素原子の組合せをさらに含んでもよい。炭素原子の配置は、酸素、窒素、および硫黄のような一つもしくはそれ以上のヘテロ原子をさらに含んでもよい。その上に、アルキルラジカルもしくは基は、例えばヒドロキシ基のような別の官能基を含有することができる。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソオクチル、ベンジル、シクロへキシルメチル、フェネチル、3−ヒドロキシプロピル、ブトキシ、2−ヒドロキシエチル、α,α−ジメチルベンジルなどを含む。
【0016】
ここで定義されるとき、用語の「アルコキシ」は、上述されるように、酸素原子に連結される一価のアルキルラジカルを意味する。
【0017】
ここで定義されるとき、用語の「アリール(aryl)」は、sp混成炭素原子と、共役する炭素−炭素二重結合との一価の環状配置を指し、そしてこれはsp混成炭素原子を介してケイ素原子に連結される。この芳香族基もしくはラジカルは、一つから許容される最大数までの置換基を有してよい。アリールラジカルもしくは基、または芳香族ラジカルもしくは基は、硫黄、酸素、および窒素のようなヘテロ原子をさらに含有してよい。その上に芳香族ラジカルもしくは基は、例えばヒドロキシ基のような別の官能基を含有してよい。アリール基の例は、フェニル、置換フェニル、トリル、置換トリル、キシリル、メシチル、クロロフェニル、ナフチル、フリル、フリルメチル、チエニル、ピロリル、2−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニルなどを含む。
【0018】
ここで定義されるとき、用語の「シクロアルキル」は、炭素原子の一価の環状配置を指し、そして炭素原子の環状配置の部分を形成するsp混成炭素原子を介してケイ素原子に連結される。炭素原子の環状配置は、酸素、硫黄、および窒素のような一つもしくはそれ以上のヘテロ原子をさらに含有してもよい。さらに炭素原子の環状配置は、一つから許容される最大数までの置換基により置換されてよい。さらにシクロアルキルオキシ基もしくはラジカル)は、例えばヒドロキシ基のような別の官能基を含有してよい。シクロアルキル基の例は、シクロへキシル、メチルシクロへキシル、トリメチルシクロへキシル、フェニルシクロへキシル、テトラヒドロピラニル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、4−チアシクロヘキシル、シクロオクチルなどを含む。
【0019】
ここで定義されるとき、用語の「一価のアルケニル」基もしくはラジカルは、ケイ素原子に連結されるオレフィン性の基を指す。このアルケニル基は、アルキル基、アリール基、もしくはシクロアルキル基を含有してよい。さらにアルケニル基は、spもしくはspの混成炭素原子を介してケイ素原子に連結されてよい。アルケニル基の幾つかの例は、ビニルもしくはエテニル、1−プロぺニル、1−ブテニル、1−ヘキセニル、スチレニル、およびメタリルを含む。
【0020】
ここで定義されるとき、オルガノシリコーンに用いられる、用語の「エポキシでキャップ化された(epoxy−capped)」は、オルガノシリコーン重合体のそれぞれの末端に、一つのエポキシ含有有機基を有するオルガノシリコーン重合体を指す。
【0021】
本発明の実施様態において、構造(I):
(M(M(D(D(T)(Q) (I)
を有する組成物であって、
式中、M=RSiO1/2であり;M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;D=RSiO2/2であり;T=R10SiO3/2であり;そして、Q=SiO4/2であり;
式中、それぞれのRは、独立して、エポキシ基を含有する一価の炭化水素基であり;Rは、構造−L−Si(R11(OR123−gもしくはL(D(M−L−Si(R13g’(OR143−g’を含有するペンダント型官能性の有機ケイ素基を含有し;式中、L、L、およびLは、独立して、二価の結合基であり;gおよびg’は、独立して、0から2までの値を有し;M=R151617SiO1/2であり;D=R1819SiO2/2であり;
式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;
式中、a、b、c、d、e、f、h、およびiは、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:bは2の値を有し;dは1と等しいかもしくはそれ以上であり;(a+c+e+f)がゼロと等しい時、(b+d)は3と等しいかもしくはそれ以上であり;そして、i=0である時、hは少なくとも1である。
【0022】
一実施態様において、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は、独立して、一価の炭化水素ラジカルである。アルキルラジカルの非限定的な例は、メチル、エチル、sec−ブチル、tert−ブチル、オクチル、デシル、ドデシル、セチル、ブトキシ、ヒドロキシプロピル、2,5,8−トリオキサデシル、トリアコンチル、および3,3,3−トリフルオロプロピルを含む。他の実施態様において、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は、独立して、アルキルラジカルおよびアリールラジカルからなる群より選択される。幾つかの非限定的な例は、RおよびRが、フェニルラジカルのようなアリールラジカルであり、そしてR、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19が、独立して、例えばメチル、エチル、およびプロピルのようなアルキルラジカルである組成物を含む。
【0023】
構造(I)は、構造(I)の中でRとして示される、少なくとも一つのペンダント型官能性の有機ケイ素基を含有する。この官能性の有機ケイ素基は、別の反応性官能基と共に共有結合を形成できる反応性基を一般に含有する。この反応性基は、アルコキシ基、アリールオキシ基、シクロアルコキシ基、チオアルコキシ基、チオアリールオキシ基、もしくはチオシクロアルコキシ基を含有する。一実施態様において、官能性の有機ケイ素基Rは、一般構造(II):
【化1】

を有する(アルコキシシリル)アルキル基であり;
式中、Lは、二価の結合基あり;gは、0から2までの値を有し;そして、R11およびR12は、独立して、一価の炭化水素ラジカルである。一実施態様において、二価の結合基Lは、一価のアルケニル基から誘導される。Lの非限定的な例は、1−エテニル(しばしばビニルとも呼ばれる)、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、およびスチレニルからなる群より選択される。特定の実施態様において、一価のアルケニル基は、ビニル基である。R11およびR12は、独立して、一価のアルキルラジカル、一価のアリールラジカル、もしくは一価のシクロアルキルラジカルである。一実施態様において、R11およびR12は、独立して、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、sec−ブチル、tert−ブチル、オクチル、デシル、ブトキシ、ドデシル、セチル、ヒドロキシプロピル、2,5,8−トリオキサデシル、トリアコンチル、および3,3,3−トリフルオロプロピルからなる群より選択される。
【0024】
他の実施態様において、ペンダント型官能性の有機ケイ素基Rは、構造(III):
(D(M−L−Si(R13g’(OR143−g’ (III)
を含有し;
式中、LおよびLは、独立して、二価の結合基であり;gおよびg’は、独立して、0から2までの値を有し;M=R151617SiOi1/2であり;そして、D=R1819SiO2/2であり;式中、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は、独立して、1から60個の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであり;そして、hおよびiは、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:i=0である時、hは少なくとも1である。結合基LおよびLは、同じであるか、もしくは異なる二価のアルキル基であってよい。この二価のアルキル基は、一価のアルケニル基から誘導できる。L、L、およびLの非限定的な例は、1−エテニル(しばしばビニルとも呼ばれる)、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、およびスチレニルからなる群より選択される例を含む。さらに特に、結合基L、L、およびLは、各々がビニルラジカルである。一価の炭化水素ラジカルR13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は、独立して、アルキルラジカル、シクロアルキルラジカル、およびアリールラジカルから選択される。一実施態様において、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は、独立して、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、sec−ブチル、tert−ブチル、3−ヒドロキシプロピル、ブトキシ、オクチル、デシル、ドデシル、およびセチルからなる群より選択される。一般構造(III)の範囲内に入るペンダント型官能性の有機ケイ素基Rの例は、構造(IV):
【化2】

を有し;
式中、a’は、1から500までの値を有し;そして、D=(CHSiO1/2である。
【0025】
この組成物は、それぞれがエポキシ基を有する、二つまでの一価の炭化水素ラジカルを含有する。このラジカルは、構造(I)においてRとして表され、一般構造(V):
【化3】

を有し;
式中、R29、R30、R31、R32、R33、およびR34は、独立して、水素原子と、1から60個までの炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルとからなる群より選択され;Wは、1から60個までの炭素原子を有する二価もしくは三価の炭化水素ラジカルであり;Wは、1から60個までの炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;そして、下付文字pおよびqは、独立して、ゼロもしくは1であり、Wが三価である時、R29もしくはR31の一つは水素原子である、という限定に従う。一実施態様において、Rは、構造(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、および(XI):
【化4】

【化5】

からなる群より選択され、
式中、rは、2から20までの値を有する。特定の実施態様において、Rは、構造(VI)であり、これは市販の4−ビニルシクロヘキセンから容易に誘導されるからである。
【0026】
他の実施態様において、Rは、構造(V)を有し;式中、R29、R30、R31、R32、R33、およびR34は、水素であり;そして、pおよびqはゼロである。
【0027】
構造(I)によって表される組成物は、bが2の値を有する化合物を一般に包含する。一実施態様において、bが2である時、dは1と等しいかもしくはそれ以上である。構造(I)の範囲内に入る組成物の幾つかの非限定的な例は、構造(XII)を有する。
【化6】

別の実施態様において、この組成物は、sが約6であり、そしてtが約3である構造(XII)を;他の実施態様において、sがゼロであり、そしてtが約3である構造(XII)を;そして、sが約6であり、そしてtが約7である構造(XII)を有する。
【0028】
他の実施態様において、ここで開示される組成物は、構造(XIII):
(M(D(D (XIII)
を含有し;
式中、M=R2021SiO1/2であり;D=R2223SiO2/2であり;そして、D=R2425SiO2/2であり;式中、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;それぞれのRは、独立して、エポキシ基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;R25=−L−Si(R26(OR273−mであり;式中、Lは、二価の結合基であり;mは、0から2までの値を有し;そして、R26およびR27は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;jは2の値を有し;kは0もしくは1より大きく;そして、lは1と等しいかもしくはそれ以上である。さらに、構造(XIII)において示される組成物は、独立して、T単位およびQ単位を含有してよく、これは構造(I)に関して以前になされたのと同様の方法で定義される。一実施態様において、構造(XIII)の組成物は、4−ビニルシクロヘキセンエポキシドの容易な入手可能性のため、構造(VI)を有するRを含有する。
【0029】
構造(I)を有する組成物は、次のような方法で容易に製造できる。最初に、構造(XIV):
(M(M(D(T)(Q) (XIV)
を有する有機ケイ素ヒドリドが、エポキシオレフィンと反応して、構造(XV):
(M(M(D(T)(Q) (XV)
を有する第一の中間体生成物を生成し;
式中、M=RSiO1/2であり;M=RHSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;T=R10SiO3/2であり;Q=SiO4/2であり;そして、M=RSiO1/2であり;式中、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;それぞれのRは、独立して、エポキシ基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;そして、a、b、c、e、およびfは、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:bは2の値を有し;そして、(a+c+e+f)がゼロと等しい時、bは2と等しい。
【0030】
一つもしくは二つの末端Si−H結合を有する任意の有機ケイ素ヒドリドを、エポキシオレフィンのヒドロシリル化に用いてよい。構造(XV)において、bが2である第一の中間体生成物を製造するために、様々な、ヒドリドでキャップ化されたオルガノシリコーン(すなわち、直鎖のオルガノシリコーンの各末端が、一つのSi−H結合を有する)を、有機ケイ素ヒドリドとして使用してよい。市販されているヒドリドでキャップ化されたオルガノシリコーンの任意のものを使用してよい。
【0031】
好適なエポキシオレフィンは、一般構造(XVI):
【化7】

によって表され;
式中、R29、R30、R31、R32、R33、およびR34は、独立して、水素原子と、1から60個までの炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルとからなる群より選択され;Wは、1から60個までの炭素原子を有する二価もしくは三価の炭化水素ラジカルであり;Wは、1から60個までの炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;そして、下付き文字pおよびqは、独立して、ゼロもしくは1であり、Wが三価である時、R29もしくはR30の一つは水素原子である、という限定に従う。
【0032】
エポキシオレフィンの具体例は、構造(XVII)から(XXII)において示される。
【化8】

【化9】

【0033】
一実施態様において、エポキシオレフィンは、リモネンオキシド、1,2−エポキシ−7−オクテン、1,2−エポキシ−9−デセン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセン、3,4−エポキシ−1−ブテン、アリルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−7−オクテン、2,3−エポキシ−5,6−ノルボルネン、および2−(4−アリルオキシフェニル)−2−(4−グリシジルロキシフェニル)プロパン、もしくはそれらの混合物からなる群より選択される。
【0034】
次に、上述のように得られた第一の中間体生成物は、構造(XXIII):
(D (XXIII)
を有する環状シロキサンと反応して、構造(M(M(D(D(T)(Q)を有する第二の中間体生成物を生成し;式中、Dは、R28SiO2/2であり;式中、Rは、一価の炭化水素ラジカルであり;R28は、一価のアルケニル基であり;そして、a、b、c、e、およびfは、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、そしてnおよびoは、正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:nは3と等しいかもしくはそれ以上であり;bは2の値を有し;dは1と等しいかもしくはそれ以上であり;そして、(a+c+e+f)がゼロと等しい時、(b+o)は3と等しいかもしくはそれ以上である。環状シロキサンは、環状の(オルガノアルケニル)シロキサンを含有する。各ケイ素原子が一つのアルキル基と、一つのアルケニル基とを有する任意の環状の(オルガノアルケニル)シロキサンを使用してよい。構造(XXII)の環状シロキサンの非限定的な例は、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、テトラプロピルテトラビニルテトラシロキサン、テトラアリルテトラエチルシクロテトラシロキサン、およびテトラオクチルテトラビニルシクロテトラシロキサンを含む。触媒は、この反応を促進するために一般に使用される。例えば、水酸化セシウムのようなアルカリ金属水酸化物は、第二の中間体生成物を生成するために用いられ得る。
【0035】
第二の中間体生成物は、次に、(アルコキシ)ヒドロシランと反応し、それによって、アルケニル基が(アルコキシ)ヒドロシランのSi−H結合によってヒドロシリル化され、一般構造(I)を有する、所望の組成物を生成する。一般に、化合物のどこかに位置している一つのSi−H結合と、少なくとも一つのケイ素−アルコキシ結合とを有する任意の化合物は、第三ステップのために有用な(アルコキシ)ヒドロシランとみなされ得る。一実施態様において、(アルコキシ)ヒドロシランは、構造(XXIII):
HSi(R11(OR123−g (XXIII)
を有し;
式中、R11およびR12は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;そして、gは、ゼロから2までの値を有する。この(アルコキシ)ヒドロシラン(XXIII)は、第二の中間体生成物と反応して、構造(M(M(D(D(T)(Q)を含有する所望の組成物を与え;式中、M=RSiO1/2であり;M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;D=RSiO2/2であり;T=R10SiO3/2であり;そして、Q=SiO4/2であり;
式中、R、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;各Rは、エポキシ基を含有する一価の炭化水素ラジカルであるであり;そして、Rは、−L−Si(R11(OR123−gを含有し;式中、Lは、構造(M(M(D(D(T)(Q)(上述)を有する第二の中間体生成物において、アルケニル基R28から誘導され;そして、R11、R12、およびgは、構造(XIII)に関して記載したとおりである。
【0036】
(アルコキシ)ヒドロシランはまた、構造(XXIV):
(M(D−L−Si(R13g’(OR143−g’ (XXIV)
を有していてもよく;
式中、L、g、およびg’は、構造(III)に関して以前に説明したとおりであり;M=R151617SiO1/2であり;D=R1819SiO2/2であり;そして、M=HR3536SiO2/2であり;式中、R15、R16、R17、R18、R19、R35、およびR36は、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;そして、式中、hおよびiは、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:i=0である時、hは少なくとも1である。
【0037】
構造(XXIV)を有する(アルコキシ)シラン化合物は、例えばヒドリドでキャップ化されたシロキサン(すなわち、シロキサン各末端に、一つのSi−H結合を有するシロキサン)の一つの末端を選択的にヒドロシリル化することによって、(アルケニル)アルコキシシランから製造され得る。ロジウム触媒は、この種の選択性を達成するのに用いてよい。次に、構造(XXIV)を有する(アルコキシ)ヒドロシランを第二の中間体生成物(以前に記載した)と反応させて、構造(I)を有する所望の組成物を製造できる。構造(XXIV)を有する(アルコキシ)ヒドロシランの例は、構造(XXV)に示され、これは反応式(I):
【化10】

に示される合成方法によって製造でき;
式中、M=H(CHSiO1/2であり;そして、D=(CHSiO2/2である。この例において、結合基Lは、反応物のアリルトリエトキシシランのアリル基から誘導される。(アルコキシ)シラン(XXV)が、構造(M(M(D(D(T)(Q)(上述)を有する第二の中間体生成物と反応する時、結合基Lは、構造(XXV)のM単位と反応する第二の中間体生成物のD単位のアルケニル基R28から誘導される。
【0038】
(アルコキシ)ヒドロシランによる、第二の中間体生成物のアルケニル基R28のヒドロシリル化を伴う第三ステップは、通常は触媒の存在下で実施される。この触媒は、有機過酸化物もしくは有機アゾ化合物のような遊離基触媒であってよい。過酸化触媒の例は、ベンゾイルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどを含む。触媒は、白金のような遷移金属の有機金属錯体であってもよく、これはヒドロシリル化触媒として一般に使用される。ロジウム触媒もまた用いられ得る。通常、白金触媒は、熱エネルギーもしくは光化学エネルギーのような外部からの刺激の適用により、活性状態が発生しうるような、潜在性の状態で導入される。例えば、1−エチニル−シクロヘキサン−1−オールの白金錯体は、触媒の潜在性の状態として使用され得る。ヒドロシリル化反応混合物が加熱されるとき、この白金錯体は、1−エチニルシクロヘキサン−1−オールを放出し、これによって白金触媒の活性な状態を放出する。当分野で既知の別の触媒、例えば、プロピオン酸ナトリウムもまた使用できる。触媒の混合物も使用できる。少なくとも一つのアルコキシ基と、一つのSi−H結合とを有する任意のアルコキシシランを使用できる。Si−H結合を含有する(アルコキシ)ヒドロシランの非限定的な例は、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリフェノキシシラン、およびトリブトキシシランを含む。
【0039】
先に記載した方法を、構造(I)を有する組成物を製造するのに利用してよく;式中、eおよびfはゼロであり、aは1もしくは2であり、(a+b)=2、という限定を伴い;そして、cは0から500までの値を有する。他の実施態様において、この方法は、構造(XXIII)を有する環状シロキサンを選択することによって、構造(I)を有する組成物を製造するのに使用され得;式中、Rは、メチル、エチル、sec−ブチル、tert−ブチル、オクチル、デシル、ドデシル、セチル、ヒドロキシプロピル、ブトキシ、2,5,8−トリオキサデシル、トリアコンチル、および3,3,3−トリフルオロプロピルからなる群より選択され;R28は、1−エテニル、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、およびスチレニルからなる群より選択され;そして、nは3から6の値を有する。より詳細に、この方法は、Rがメチルであり、R28が1−エテニルであり、そして、nが4である、構造(XXIII)を有する環状シロキサンを利用できる。
【0040】
(I)および(XIII)のような構造によって表される組成物は、様々な重合体組成物を製造するのに有益である。この重合体組成物は、構造(I)もしくは(XIII)のエポキシ端末基およびペンダント型の(アルコキシシリル)アルキル基と、エポキシ基および/もしくは(アルコキシシリル)アルキル基に対して反応性のある少なくとも一つの官能基を有する重合体との反応から生じる反応生成物を含有する。様々な官能基が、エポキシ基と反応しうる。エポキシ基と反応できる官能基の非限定的な例は、カルボキシル含有基、アミン基、メルカプタン基、およびヒドロキシ基を含む。反応性アミン基は、第一級および第二級のアミン基を含み;反応性ヒドロキシ基は、芳香族ヒドロキシ基(もしくは、フェノール性のOH基)、脂肪族ヒドロキシ基、もしくは脂環式ヒドロキシ基を含む。反応性のカルボキシル含有基の幾つかの例は、カルボン酸基、カルボキシルエステル基、およびカルボキシアミド基を含む。カルボン酸官能基は、エポキシ基との反応でエステル結合を生成することができるので、特に有用である。それ故に、一実施態様において、構造(I)もしくは(XIII)を有するシリコーン組成物は、カルボン酸のような、反応性末端基を有するポリエステルにとって、鎖長の延長剤としての役割を果たすことができる。エポキシ基に対して反応性のある重合体は、脂肪族、芳香族、および脂環式のカルボン酸官能基を含有してよい。さらに、エポキシ基に対して反応性のある重合体は、一つの実施態様において、一つのカルボン酸官能基を、そして他の実施態様において、二つのカルボン酸官能基を含有することができる。一つのカルボン酸官能基では、鎖長の延長は、シリコーン組成物(I)もしくは(XIII)の一方の端で起きるのに対して、二つのカルボン酸基では、鎖長の延長は、シリコーン組成物の両方の端で起きる。カルボン酸末端基を有する重合体の例は、種々のポリエステルを含む。そのようなポリエステルは、当分野で既知の技術を使い、ジカルボン酸とジヒドロキシ化合物との相対的な化学量論を調整することによって容易に製造され得る。構造(I)もしくは(XIII)を有する組成物から、鎖長が延長した重合体組成物を製造するために使用できる有用なポリエステルの具体例は、構造(XXVI)および(XXVII)を有する。
【化11】

鎖長が延長されたポリエステルのような、鎖長が延長された重合体は、一般に元のポリエステルと比較して、改良された堅牢性と、改良された耐化学性とを有する。利用してよい別の有用な重合体は、ヒドロキシ基とカルボン酸基とを有する単量体を重合することによって製造されるものを含む。
【0041】
アミン末端重合体は、構造(I)および(XIII)を有する組成物の鎖長延長ができる重合体としての役割を果たすこともできる。例えば、重合体における第一級もしくは第二級のアミン末端基は、エポキシ基と反応して、有用な反応生成物を生じる。そのような反応生成物は、金属表面への密着性のような、優れた性質を有することができ、これにより、反応生成物を、例えば金属表面を保護するようなコーティング剤用途のために有益なものとなす。
【0042】
(i)上述のような構造(I)もしくは(XIII)におけるエポキシ基と、種々の反応性官能基との反応ならびに(ii)ペンダント型の(アルコキシシリル)アルキル基のさらなる反応の組合せは、種々の最終的な使用の用途にとって有益な様々な架橋生成物を提供する。この(アルコキシシリル)アルキル基のさらなる変換は、ケイ素に結合したアルコキシ基が反応するために公知の条件下で実施し得る。一般構造(II)もしくは(III)において記載されるように、(アルコキシシリル)アルキル基は、三つまでのアルコキシ基を有し得るので、種々な程度の架橋が達成され得る。(アルコキシシリル)アルキル基のアルコキシ基は、いずれも自己縮合して、架橋されたシリコーン重合体の網目を形成できる。代替的に、(アルコキシシリル)アルキル基のアルコキシ基は、アルコキシ基を有する別のシリコーン樹脂と反応でき、新しい型の架橋シリコーン産物を提供する。それゆえに、一実施態様において、有用な重合体組成物は、反応(i)および(ii)から生じる反応生成物を含有する。例えば、有用な重合体組成物は、鎖長が延長されたポリエステルと、架橋されたシリコーン網目とを含有する構造を有する。
【0043】
上述の重合体組成物は、コーティング剤を製造するために一般的に有用である。このコーティング剤は、例えば耐候性コーティング剤、耐腐食性コーティング剤、および耐薬品性コーティング剤のような種々の最終用途に使われ得る。さらに、構造(I)もしくは(XIII)を有する組成物は、脂肪族エポキシ樹脂、シリコーン中間体、アルコキシシラン、およびアミノシランにより構造化されて、別の有用なタイプの重合体組成物を提供する。アミノシランのアミノ基は、通常の方法でエポキシ樹脂を硬化し、そしてシリコーンとアルコキシシランの成分と共に、加水分解性の重縮合反応に関与する。さらに、長期の柔軟性を維持するコーティング剤を製造することができ、これはそれらを耐久力のある保護コーティング剤を生成するのに魅力的なものにする。このコーティング剤は、刷毛、ローラー、および、無気スプレーもしくは汎用のスプレーによって塗布される。ここで開示されるコーティング剤組成物は、鋼鉄への優れた密着性と、無機基質との融和性を潜在的に有する。いかなる理論にも縛られることなく、高い密着性は、優れた濡れ特性ならびに接着促進剤として機能を果たす能力に起因すると考えられる。ペンダント型の(アルコキシシリル)アルキル基のアルコキシシラン基は、加水分解し、そして金属の無機基質上のヒドロキシ基と反応して、周知のシラン接着促進剤と同様の方法で化学結合を生成する。このコーティング剤物質は、必ずしも表面をきれいにしたり、整えたりすることなく、砂吹き鋼鉄表面や錆びた鋼鉄へと塗布され得る。有機下塗剤は、ここに開示されたコーティング剤組成物を含有するコーティング剤組成物の塗布に先立って、使われてもよい。ケイ酸亜鉛のような無機下塗剤もまた使われてよい。
【0044】
別の用途において、エポキシでキャップ化された組成物は、光沢を調節する添加物として使用されてよい。例えば、エポキシでキャップ化された組成物が、押出機の中で、ABSのような耐衝撃改良剤やポリブチレンテレフターレートのような重合体と共に配合されるとき、生じる物質は、エポキシでキャップ化された組成物なしで製造された配合物と比較して、減少した光沢を有する。そのような減少した光沢を有する重合物は、フロントパネルのような自動車の装飾用として有用である。
【0045】
このコーティング剤組成物は、アルカリおよび溶媒に対して優れた耐性をも潜在的に与える。さらに、このコーティング剤は、優れた耐候性を潜在的に有しており、これはそれらを屋外のコーティング剤用途に適したものにする。そのようなコーティング剤は、粉吹き、割れ、脆化、もしくは色褪せがないか、ほとんどなく、そして延長された期間にわたり光沢を維持する、もしくは調節すると期待される。一実施態様において、このような耐久力のあるコーティング剤は、長い直線状のシリコーン鎖を含有する構造(I)もしくは(XIII)を含有する組成物を使用することによって達成され得る。それ故に、一実施態様において、そのようなコーティング剤組成物は、優れた色彩保有と光沢保持とを、一方では優れた腐食耐性と化学耐性との維持をも示すことができる。一実施態様において、コーティング剤組成物の架橋密度は、構造(I)および(XIII)において、適切な(アルコキシアルキル)シラン官能基を使用することによって制御できる。このような方法は、改良された密着性、および/もしくは、改良された化学的な耐性、および/もしくは、改良された湿気耐性を有することのできるコーティング剤を導き得る。構造(I)もしくは(XIII)のシロキサン鎖部分における炭化水素ラジカルの適切な選択によって、柔軟性および/もしくは、調節された光沢を保持するコーティング剤を製造することが可能である。
【0046】
ここに記載されたコーティング剤組成物の多くの別の最終使用の用途が、可能である。金属へのコーティングに加えて、プラスチック、織物、および紙のような物質のコーティングに、それらを用いてよい。紙への用途としては、それらを紙剥離剤および紙のにじみ防止助剤として使用してよい。これらは概して汚れ耐性コーティング剤を製造するためにも使ってよい。
【実施例】
【0047】
実施例1.エポキシでキャップ化されたオルガノシリコーンM(D)(D
【化12】

を製造する手順であって;
式中、M= 、D=(CHSiO2/2であり、;そして、D=(CO)SiCHCHSi(CH)−O2/2である。この手順で使用されるヒドロシリル化剤は、構造M(D)を有し、式中、M=H(CHSi−O3/2であり;そして、Dは、M(D)(Dについて上で定義したとおりである。
【0048】
100mlの二口丸底フラスコに入れた、ヒドリドでキャップ化されたポリジメチルシロキサンM(D)(20グラム)に、トリエチルアミン(20マイクロリットル)、ジクロロメタン(6ミリリットル)と、4−ビニルシクロヘキセンエポキシド(VCHE、9グラム)とを、常温でマグネチックスタラーを使って撹拌しながら加えた。次に、カルステッド触媒(ジクロロメタン溶液を10マイクロリットル)を加えた。発熱反応がその結果として起きた。一晩(18時間)撹拌したあと、ロータリーエバポレーターを使って反応混合物から揮発物を取り除いた。蒸発フラスコに残った残渣物質は、無色の液体であり、これが所望の第一の中間体、M(D)〔式中、MおよびDは、上で定義したとおりである〕であることを赤外(IR)分光法と核磁気共鳴(NMR)分光法とによって同定した。この生成物の重量は、23.5グラムであり、理論収率の82パーセントである。生成物のプロトンNMRスペクトルは、ピークを同定して図1に示され、これはエポキシのプロトン、シクロヘキシルとこれに隣接するメチレンとのプロトン、Si−CHのプロトン、およびSi−CHのプロトンに起因するピークの相対強度比が、理論で期待されたように、それぞれ4:18:18:44であることを示した。
【0049】
(D)(57.9グラム)と、(DVi〔式中、DVi=CH(CH=CH)SiO2/2である〕(18.1グラム)との攪拌されている混合物に対して、水酸化セシウム触媒(M(D)と(DViとの合計重量に対して100万当たり10部)を常温で加えた。生じた混合物を130℃に加熱した。反応の経過は、固体の含量を測定することによって観察した。28時間加熱したあと、固体の含量は、90.5パーセントで一定であることが見出された。揮発物は、減圧蒸留によって取り除き、そして反応フラスコに残った残渣物質が、所望の第二の中間体生成物、M(D)(DViであることをIR分光法とNMR分光法とによって同定した。単離した生成物の重量は、68.5g(理論の90パーセント)であった。この生成物のプロトンNMRスペクトルは、ピークを同定して図2に示され、これはビニルのプロトン、エポキシのプロトン、シクロヘキシルとこれに隣接するメチレンとのプロトン、Si−CHのプロトン、およびSi−CHのプロトンに起因するピークの相対強度比は、理論によって期待されるように、それぞれ9:4:15:18:57であることを示した。さらに生成物のsilicon−29NMRスペクトルは、理論的によって期待されるように、2:6:3の相対比でMのケイ素、Dのケイ素、およびDViのケイ素のピークを示した。全反射減衰法で測定された生成物のIRスペクトルは、2961、1598、1408、1258、1018、793、633、および538毎センチメートル(cm−1)で共振を示した。
【0050】
250mlの二口丸底フラスコにM(D)(DVi(23グラム)を入れ、そしてトリエトキシシラン(10.4グラム)により常温で処理した。次に、撹拌した混合物をカルステッド触媒(M(D)(DViと、トリエトキシシランとの合計重量に対して100万当たり10部)により処理し、そして70℃の温度に加熱した。反応の経過は、IR分光法でSi−H吸収帯の消失を観察することによって観察した。24時間加熱したあと、Si−HのIR吸収帯は、完全に消失した。揮発物を減圧蒸留によって反応混合物から蒸発させて、残渣物質を得て、これが所望の生成物、M(D)(DであることをIR分光法およびNMR分光法によって同定した。生成物は、29gの収量(理論の87パーセント)で得られた。ピークの同定をして図3に示すプロトンNMRスペクトルは、OCHのプロトン;エポキシのプロトン;シクロヘキシルのプロトンと、シクロヘキシル基に隣接するCHのプロトンと、エポキシ基のメチルのプロトンとの組合せ;Si−CHのプロトン;および、Si−CHのプロトン;に起因するピークの相対強度比は、それぞれ18:4:45:16:57を示し、これは理論によって期待される相対強度比に非常に近い。さらに、生成物のsilicon−29NMRスペクトルは、図4でピークを同定して示され、これは理論によって期待されるように、Mのケイ素、Dのケイ素、およびDViのケイ素のピークを2:6:3の相対比で示した。全反射減衰法で測定された生成物のIRスペクトルは、2963、1444、1390、1257、1073、1016、750、および542毎センチメートル(cm−1)で共振を示した。
【0051】
MBSを有する配合物の場合において、エポキシでキャップ化されたシリコーンを有していない対照−1として表される配合物は、0.25重量パーセントおよび3重量パーセントのエポキシ化されたシリコーンをそれぞれ有する実施例2および3の配合物よりも高い光沢を有することを、データは示す。さらに、エポキシでキャップ化されたオルガノシリコーンの重量パーセントが、0.25重量パーセントから3重量パーセントまで増加するとき、重合体配合物の光沢は、96.5から87.5まで減少することが、実施例2および3からも明らかである。
【0052】
【表1】

【0053】
本発明の特定の特徴だけを説明し、そして記載してきたけれども、多くの修正や変更を、当業者は思いつくであろう。それゆえに、添付された請求項は、総てのそのような修正や変更を、本発明の真の精神の範囲内に入るものとして包含することを意図されている、と理解するべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造:
(M(M(D(D(T)(Q)
を含有する組成物であって、
式中、M=RSiO1/2であり;M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;D=RSiO2/2であり;T=R10SiO3/2であり;そして、Q=SiO4/2であり;
式中、各Rが、独立して、エポキシ基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;Rが、−L−Si(R11(OR123−gもしくはL(D(M−L−Si(R13g’OR143−g’を含有し;式中、L、L、およびLが、独立して、二価の結合基であり;gおよびg’が、独立して、0から2までの値を有し;M=R151617SiO1/2であり;D=R1819SiO2/2であり;
式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19が、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;
式中、a、b、c、d、e、f、h、およびiが、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:bが2の値を有し;dが1と等しいかもしくはそれ以上であり;(a+c+e+f)がゼロと等しい時、(b+d)が3と等しいかもしくは以上であり;i=0である時、hが少なくとも1である、組成物。
【請求項2】
が、構造:
【化13】

を有し、
式中、R29、R30、R31、R32、R33、およびR34が、独立して、水素原子と、1から60個までの炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルとからなる群より選択され;Wが、1から60個までの炭素原子を有する二価もしくは三価の炭化水素ラジカルであり;Wが、1から60個までの炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;そして、下付文字pおよびqが、独立して、ゼロもしくは1であり、Wが三価である時、R29もしくはR31の一つが水素原子である、という限定に従う、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
が、
【化14】

または、これらの組合せからなる群より選択され;式中、rが2から20までの値を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
29、R30、R31、R32、R33、およびR34が、水素であり;そして、pおよびqが、ゼロである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
、L、およびLが、独立して、一価のアルケニル基から誘導される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
、L、およびLが、独立して、1−エテニル、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、およびスチレニルからなる群より選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19が、独立して、メチル、エチル、sec−ブチル、tert−ブチル、オクチル、デシル、ブトキシ、ドデシル、セチル、ヒドロキシプロピル、ブトキシ、2,5,8−トリオキサデシル、トリアコンチル、および3,3,3−トリフルオロプロピルからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
11およびR12が、独立して、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、sec−ブチル、tert−ブチル、オクチル、デシル、ドデシル、セチル、ヒドロキシプロピル、ブトキシ、2,5,8−トリオキサデシル、トリアコンチル、および3,3,3−トリフルオロプロピルからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
が、−(CHSi(OCである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
が、構造:
【化15】

を有し;式中、a’が、1から500までの値を有し:そして、D=(CHSiO1/2である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の組成物と、少なくとも一つの反応性末端基を有する重合体との反応生成物を含有する重合体組成物。
【請求項12】
前記反応性末端基が、カルボン酸基である、請求項11に記載の重合体組成物。
【請求項13】
前記重合体が、ポリエステルおよびポリアミドからなる群より選択される、請求項12に記載の重合体組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の組成物と、カルボン酸基により末端キャップ化されたポリエステルとの反応生成物を含有する重合体組成物。
【請求項15】
カルボン酸基により末端キャップ化された重合体が、ポリエステルおよびポリアミドからなる群より選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
請求項11に記載の重合体組成物を含有するコーティング剤組成物。
【請求項17】
請求項15に記載の重合体組成物を含有するコーティング剤組成物。
【請求項18】
金属用コーティング剤、プラスチック用コーティング剤、織物用コーティング剤、もしくは紙用コーティング剤を含有する、請求項16に記載のコーティング剤組成物。
【請求項19】
金属用コーティング剤、プラスチック用コーティング剤、織物用コーティング剤、もしくは紙用コーティング剤を含有する、請求項17に記載のコーティング剤組成物。
【請求項20】
構造:
(M(D(D
を含有する組成物であって、
式中、M=R2021SiO1/2であり;D=R2223SiO2/2であり;そして、D=R2425SiO2/2であり;式中、R20、R21、R22、R23、R24、およびR25が、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;各Rが、独立して、エポキシ基を有する一価の炭化水素ラジカルであり;R25=−L−Si(R26(OR273−mであり;式中、Lが、二価の結合基であり;mが、0から2までの値を有し;そして、R26およびR27が、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;jが2の値を有し;kが、ゼロもしくは1より大きく;そして、lが、1と等しいかもしくは以上である、組成物。
【請求項21】
20、R21、R22、R23、R24、およびR25が、独立して、メチル、エチル、sec−ブチル、tert−ブチル、オクチル、デシル、ドデシル、セチル、ヒドロキシプロピル、ブトキシ、2,5,8−トリオキサデシル、トリアコンチル、および3,3,3−トリフルオロプロピルからなる群より選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
26およびR27が、独立して、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、sec−ブチル、tert−ブチル、オクチル、デシル、ドデシル、セチル、ヒドロキシプロピル、ブトキシ、2,5,8−トリオキサデシル、トリアコンチル、および3,3,3−トリフルオロプロピルからなる群より選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
が、
【化16】

である、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
請求項22に記載の組成物と、カルボン酸基により末端キャップ化された重合体との反応生成物を含有する重合体組成物。
【請求項25】
請求項24に記載の重合体組成物を含有するコーティング剤組成物。
【請求項26】
組成物を製造する方法であって:
構造(M(M(D(T)(Q)を有する有機ケイ素ヒドリドをエポキシオレフィンと反応させて、構造(M(M(D(T)(Q)を有する第一の中間体生成物を生成するステップであって、;
式中、M=RSiO1/2であり;M=RHSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;T=R10SiO3/2であり;Q=SiO4/2であり;そして、M=RSiO1/2であり;式中、R、R、R、R、R、R、R、およびR10が、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;各Rが、独立して、エポキシ基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;そして、a、b、c、e、およびfが、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:bが、0≦b≦2であるような値を有し;そして、(a+c+e+f)がゼロと等しい時、bが2と等しい、ステップ;
前記第一の中間体生成物を、構造(Dを有する環状シロキサンと反応させて、構造(M(M(D(D(T)(Q)を有する第二の中間体生成物を生成するステップであって;
式中、Dが、R28SiO2/2であり;式中、Rが、一価の炭化水素ラジカルであり;R28が、一価のアルケニル基であり;a、b、c、e、f、n、およびoが、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:nが3と等しいかもしくはそれ以上であり;oが少なくとも1であり;bが2の値を有し;そして、(a+c+e+f)がゼロと等しい時、(b+o)は3と等しいかもしくはそれ以上である、ステップ;そして、
前記第二の中間体生成物を、(アルコキシ)ヒドロシランと反応させて、構造(M(M(D(D(T)(Q)を有する前記組成物を生成するステップであって、;
式中、M=RSiO1/2であり;M=RSiO1/2であり;D=RSiO2/2であり;D=RSiO2/2であり;T=R10SiO3/2であり;そして、Q=SiO4/2であり;式中、各Rが、独立して、エポキシ基を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;Rが、構造−L−Si(R11(OR123−gもしくはL(D(M−L−Si(R13g’(OR143−g’を含有するペンダント型官能性の有機ケイ素基を含有し;
式中、L、L、およびLが、独立して、二価の結合基であり;gおよびg’が、独立して、0から2までの値を有し;M=R151617SiO1/2であり;D=R1819SiO2/2であり;
式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19が、独立して、一価の炭化水素ラジカルであり;
式中、a、b、c、d、e、f、h、およびiが、ゼロもしくは正である化学量論的な下付文字であり、次の限定に従う:bが2の値を有し;dが1と等しいかもしくはそれ以上であり;(a+c+e+f)がゼロと等しい時、(b+d)が3と等しいかもしくはそれ以上であり;そして、i=0である時、hが少なくとも1である、ステップ、
を含有する、方法。
【請求項27】
前記エポキシオレフィンが、構造:
【化17】

を有し、
式中、R29、R30、R31、R32、R33、およびR34が、独立して、水素原子と、1から60個までの炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルとからなる群より選択され;Wが、1から60個までの炭素原子を有する二価もしくは三価の炭化水素ラジカルであり;Wが、1から60個までの炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;そして、下付文字pおよびqが、独立して、ゼロもしくは1であり、Wが三価である時、R29もしくはR30の一つが水素原子である、という限定に従う、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記エポキシオレフィンが、リモネンオキシド、1,2−エポキシ−7−オクテン、1,2−エポキシ−9−デセン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセン、3,4−エポキシ−1−ブテン、アリルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−7−オクテン、2,3−エポキシ−5,6−ノルボルネン、2−(4−アリルオキシフェニル)−2−(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
eおよびfが、ゼロであり;aが、1もしくは2であり、(a+b)=2という限定があり;そして、cが0から500までの値を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
が、メチル、エチル、sec−ブチル、tert−ブチル、オクチル、デシル、ドデシル、セチル、ブトキシ、ヒドロキシプロピル、2,5,8−トリオキサデシル、トリアコンチル、および3,3,3−トリフルオロプロピルからなる群より選択され;R28が、1−エテニル、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、およびスチレニルからなる群より選択され;そして、nが3から6の値を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
がメチルであり、R28が1−エテニルであり、そしてnが4である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記(アルコキシ)ヒドロシランが、トリエトキシシランを含有する、請求項26に記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−504202(P2011−504202A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534921(P2010−534921)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/024298
【国際公開番号】WO2009/067100
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【出願人】(310023346)
【出願人】(310023357)
【出願人】(310023379)
【出願人】(310023380)
【出願人】(310023391)
【出願人】(310023405)
【Fターム(参考)】