説明

オルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料

【課題】乳化安定性、分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れたオルガノポリシロキサンを提供する。
【解決手段】下記式(1)で示されることを特徴とするオルガノポリシロキサン。


[上記式(1)中、Rは、互いに独立に、炭素原子数1以上30以下のフッ素置換されてもよいアルキル基、炭素原子数6以上30以下のアリール基、及び炭素原子数7以上30以下のアラルキル基から選ばれる基であり、Rは、互いに独立に、炭素原子数2以上15以下の酸素原子を介してもよい2価の有機基であり、mは0〜300の整数であり、nは1〜10の整数である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーンオイルは、その安全性等のために諸分野において油剤として用いられている。化粧品においても、多用されており、スキンケア、メイキャップ化粧品等の用途においては、特に100mm/s以下の低粘度シリコーンオイルが、その優れた伸展性、さっぱり感及び安全性により広く使用されている。
【0003】
シリコーンオイルは化粧品等の用途で乳化物として使用されることが多く、その場合シリコーン系界面活性剤が使用されることが多い。このようなシリコーン系界面活性剤としては、シロキサンの末端や側鎖にポリオキシアルキレン基を有するポリエーテル変性シリコーンなどが知られている(特許文献1〜5)。さらに、主鎖のシロキサン部が分岐したポリエーテル変性シリコーンや(特許文献6)、下記式のようなABA(シリコーン−親水基−シリコーン)型共重合体であるポリエーテル変性シリコーンも知られている(特許文献7)。
【化1】

[ここでXは任意の結合基であり、ウレタン、尿素、アミド、エステル、アルキルエーテルが例示されている。また、Rは炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐アルキレン基もしくはフェニル基であり、lは1〜5、mは40〜90、nは10〜40である。]
【0004】
また、シリコーン系界面活性剤としては、その他の親水基として(ポリ)グリセリン基を有するシリコーンや(特許文献8)、シロキサン部分が分岐したシリコーン(特許文献9)、下記式に示したABA型共重合体として(ポリ)グリセリン変性シリコーン(特許文献10)も知られている。これらは粉体を含有する化粧料の粉体分散安定化剤としても知られている。
【化2】

[ここでRは炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基もしくはフェニル基であり、R’は炭素原子数2〜11のアルキレンと例示されている。また、mは10〜120、nは1〜11である。]
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平04−15762号公報
【特許文献2】特公平04−20407号公報
【特許文献3】特公平05−13126号公報
【特許文献4】特公平06−62385号公報
【特許文献5】特公平05−12979号公報
【特許文献6】特許3724988号
【特許文献7】特開2005−154736号公報
【特許文献8】特公昭62−34039号公報
【特許文献9】特許3976226号
【特許文献10】特開2006−218472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記シリコーン系界面活性剤は親水性基の種類、結合部位、親水基/親油基(シリコーン)バランスなど、それぞれ目的に応じて使用されており、特にABA(シリコーン−親水基−シリコーン)型共重合体は乳化系化粧料や粉体含有化粧料で安定性に優れている。しかしながら、一方で、従来のシリコーン系界面活性剤は経時安定性及び皮膚密着性に乏しいことが問題であった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れたオルガノポリシロキサン、およびこれを含有する化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明では、下記式(1)で示されることを特徴とするオルガノポリシロキサンを提供する。
【化3】

[上記式(1)中、
は、互いに独立に、炭素原子数1以上30以下のフッ素置換されてもよいアルキル基、炭素原子数6以上30以下のアリール基、及び炭素原子数7以上30以下のアラルキル基から選ばれる基であり、
は、互いに独立に、炭素原子数2以上15以下の酸素原子を介してもよい2価の有機基であり、
は、互いに独立に、下記式(2)で示されるポリオキシアルキレン基、
【化4】

(上記式(2)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1以上20以下のアルキル基であり、a〜dは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b+c+d)≦50を満たす整数である。)
水素原子、及び下記式(3)で示される基から選ばれる基であって、
【化5】

(上記式(3)中、R、Rは前記と同様である。mは0〜300の整数である。)
一分子中少なくともひとつは上記式(2)で示されるポリオキシアルキレン基であり、
mは0〜300の整数であり、nは1〜10の整数である。]
【0009】
このようなポリオキシアルキレン基を有する新規な構造を有するオルガノポリシロキサンであれば、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れたオルガノポリシロキサンとなる。
【0010】
また、前記Rは−C−で示される2価の有機基であり、前記Rは下記式(4)
【化6】

[上記式(4)中、a及びbは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b)≦50を満たす整数であり、Rは前記同様である。]
で示されるポリオキシアルキレン基であることが好ましい。
【0011】
このようなR及びRであれば、一層、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れたオルガノポリシロキサンとなる。
【0012】
さらに、前記Rは−C−で示される2価の有機基であり、前記Rは、互いに独立に、下記式(4)で示されるポリオキシアルキレン基及び前記式(3)で示される基であり、
【化7】

[上記式(4)中、a及びbは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b)≦50を満たす整数であり、Rは前記同様である。]
前記nは2〜10の整数であることも好ましい。
【0013】
このようなR、R、及びnであれば、一層、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れたオルガノポリシロキサンとなる。
【0014】
前記オルガノポリシロキサンを、化粧料総質量の0.1〜40質量%含有するものであることを特徴とする化粧料。
【0015】
このような化粧料であれば、安定に乳化し、さらには粉体を含む場合は安定に粉体が分散し、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れ、化粧持続性に優れた化粧料となるため好ましい。
【0016】
また、前記化粧料は、さらに水を含み、エマルジョンの形態であることが好ましい。
【0017】
このように水を含んでも、安定に乳化し、さらには粉体を含む場合は安定に粉体が分散し、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れ、化粧持続性に優れた化粧料となる。
【0018】
また、前記化粧料は、さらにシリコーンオイル、グリコール、エステル油、グリセライド油及びこれらの混合物のいずれかを含み、非水エマルジョンの形態であることが好ましい。
【0019】
このようにシリコーンオイルなどを含んでも、安定に乳化し、さらには粉体を含む場合は安定に粉体が分散し、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れ、化粧持続性に優れた化粧料となる。
【0020】
また、前記化粧料は、さらに粉体を含み、該粉体が分散された、液状、ペースト状又は固体状であることが好ましい。
【0021】
このような粉体を含有する化粧料において前記オルガノポリシロキサンを配合すると、粉体処理効果(耐水性、耐皮脂性、油剤への分散安定性)により、粉体が高度に分散された化粧料を形成することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れたオルガノポリシロキサン、およびこれを含有する化粧料を提供することができる。特に、粉体を含有する化粧料において前記オルガノポリシロキサンを配合すると、粉体処理効果(耐水性、耐皮脂性、油剤への分散安定性)により、粉体が高度に分散された化粧料を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のオルガノポリシロキサン、およびこれを含有する化粧料について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前述のように、従来のシリコーン系界面活性剤では経時安定性及び皮膚密着性に乏しいことが問題であった。
【0024】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、本発明のポリオキシアルキル基を有する新規な構造のオルガノポリシロキサンであれば、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れたオルガノポリシロキサンとなることを見出して、本発明を完成させた。
【0025】
[オルガノポリシロキサン]
すなわち、本発明では、下記式(1)で示されることを特徴とするオルガノポリシロキサンを提供する。以下、本発明について詳細に説明する。
【化8】

[上記式(1)中、
は、互いに独立に、炭素原子数1以上30以下のフッ素置換されてもよいアルキル基、炭素原子数6以上30以下のアリール基、及び炭素原子数7以上30以下のアラルキル基から選ばれる基であり、
は、互いに独立に、炭素原子数2以上15以下の酸素原子を介してもよい2価の有機基であり、
は、互いに独立に、下記式(2)で示されるポリオキシアルキレン基、
【化9】

(上記式(2)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1以上20以下のアルキル基であり、a〜dは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b+c+d)≦50を満たす整数である。)
水素原子、及び下記式(3)で示される基から選ばれる基であって、
【化10】

(上記式(3)中、R、Rは前記と同様である。mは0〜300の整数である。)
一分子中少なくともひとつは上記式(2)で示されるポリオキシアルキレン基であり、
mは0〜300の整数であり、nは1〜10の整数である。]
【0026】
上記式(1)中、Rは、互いに独立に、炭素原子数1以上30以下のフッ素置換されてもよいアルキル基、炭素原子数6以上30以下のアリール基、及び炭素原子数7以上30以下のアラルキル基から選ばれる基である。Rにおいて、前記炭素原子数1以上30以下のフッ素置換されてもよいアルキル基としては、特に制限されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、及びこれらのフッ素置換された基、特にトリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等が挙げられる。また、前記炭素原子数6以上30以下のアリール基としては、特に制限されないが、フェニル基及びトリル基が挙げられる。さらに、前記炭素原子数7以上30以下のアラルキル基としては、特に制限されないが、ベンジル基、及びフェネチル基等が挙げられる。
【0027】
好ましくは、Rは炭素原子数1以上15以下のアルキル基、又はフェニル基であり、より好ましくはメチル基及びブチル基である。さらに、式(1)で示されるオルガノポリシロキサン1分子に含まれるRの50%以上がメチル基であることが好ましく、Rの70%以上がメチル基であることがより好ましい。
【0028】
上記式(1)中、Rは、互いに独立に、炭素原子数2以上15以下の酸素原子を介してもよい2価の有機基である。Rとしては、特に制限されないが、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CHCH(CH)CH−、−(CH−、−(CH11−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−が例示され、好ましくは、−(CH−、−(CH−、−CHCH(CH)CH−である。
【0029】
上記式(1)中、Rは、互いに独立に、下記式(2)で示されるポリオキシアルキレン基、
【化11】

(上記式(2)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1以上20以下のアルキル基であり、a〜dは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b+c+d)≦50を満たす整数である。)
水素原子、及び下記式(3)で示される基から選ばれる基であって、
【化12】

(上記式(3)中、R、Rは前記と同様である。mは0〜300の整数である。)
一分子中少なくともひとつは上記式(2)で示されるポリオキシアルキレン基である。上記式(2)は、エチレンオキサイド(CO)、プロピレンオキサイド(CO)、ブチレンオキサイド(CO)、ペンチレンオキサイド(C10O)からなる繰返し単位を少なくとも一つ有し、これらのランダム、或いはブロック共重合体からなる基でもよく、好ましくはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、及びエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド共重合体からなる基である。
【0030】
上記式(2)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1以上20以下のアルキル基であり、a〜dは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b+c+d)≦50を満たす整数である。Rにおける前記炭素原子数1以上20以下のアルキル基としては、特に制限されないが、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基等が挙げられ、Rとしては、好ましくは水素原子、メチル基、ブチル基である。
【0031】
また、上記式(2)中、a〜dは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b+c+d)≦50を満たす整数である。dは0が好ましく、a〜dの和は1≦(a+b+c+d)≦30が好ましく、より好ましくは1≦(a+b+c+d)≦20である。
【0032】
上記式(3)中、R、Rは前記と同様である。mは0〜300の整数である。
【0033】
また、上記式(1)中、mは0〜300の整数であり、nは1〜10の整数である。mとしては、好ましくは0〜150であり、より好ましくは2〜100である。また、nとしては好ましくは1〜6、より好ましくは2〜5である。
【0034】
このような本発明のオルガノポリシロキサンとしては、特に前記Rは−C−で示される2価の有機基が好ましく、前記Rは下記式(4)
【化13】

[上記式(4)中、a及びbは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b)≦50を満たす整数であり、Rは前記同様である。]
で示されるポリオキシアルキレン基であることが好ましい。このようなR及びRであれば、一層、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れたオルガノポリシロキサンとなる。このようなオルガノポリシロキサンは下記式(5)で示される。
【化14】

[上記式(5)中、R、n、及びmは上記と同様であり、R’は上記式(4)で示されるポリオキシアルキレン基である。]
【0035】
また、前記オルガノポリシロキサンとしては、前記Rは−C−で示される2価の有機基であり、前記Rは、互いに独立に、下記式(4)で示されるポリオキシアルキレン基及び前記式(3)で示される基であり、
【化15】

[上記式(4)中、a及びbは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b)≦50を満たす整数であり、Rは前記同様である。]
前記nは2〜10の整数であることも好ましい。このようなR、R、及びnであれば、一層、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れたオルガノポリシロキサンとなる。このようなオルガノポリシロキサンは下記式(6)で示される。
【化16】

[上記式(6)中、R及びmは上記と同様であり、R’’は上記式(4)で示されるポリオキシアルキレン基である。またe及びfは1〜9の整数で、かつ2≦(e+f)≦10を満たす整数である。]
【0036】
[オルガノポリシロキサンの合成方法]
本発明のオルガノポリシロキサンの合成方法としては、特に制限されないが、以下の合成方法を例示することができる。
(工程1:アルケニル基を有するポリグリセリン化合物の合成)
モノアルケニルグリシジルエーテル、グリシドールなどのエポキシ化合物、グリセリン、グリセリンモノアリルエーテル等の水酸基を有する化合物を、アルカリ触媒存在下で、エポキシの開環反応を行うことで、アルケニル基を有するポリグリセリン化合物を合成する。各原料の配合モル比を変えることで、種々の重合度の化合物を合成することができる。
【0037】
(工程2:ポリオキシアルキレン基含有化合物の合成)
工程1で得られたアルケニル基を有するポリグリセリン化合物の水酸基を起点にアルカリ触媒存在下、アルキレンオキサイドを開環反応し、ポリオキシアルキレン基含有化合物を合成する。
【0038】
(工程3:ポリオキシアルキレン基含有オルガノポリシロキサンの合成)
工程2で得られた化合物と片末端ハイドロジェンポリシロキサンを白金触媒又はロジウム触媒の存在下にアルケニル基とSi−H基との付加反応により、ポリオキシアルキレン基含有オルガノポリシロキサンを合成する。
【0039】
工程1、工程2における水酸基とエポキシの開環反応は公知であり、アルカリ触媒としては、特に制限されないが、KOH、NaOH,NaOCHなどが使用できる。アルカリ触媒の添加量は水酸基を有する化合物を100モル%として0.2〜2モル%であり、好ましくは0.2〜1モル%である。
【0040】
工程1の反応時には、原料の配合組成によりさまざまな異性体を含むこともある。一例を示すと、2モルのアリルグリシジルエーテルとグリセリンとの反応では、異性体として下記が含まれる混合物となる。
【化17】

【0041】
工程3の付加反応は、白金触媒又はロジウム触媒の存在下で行うことが望ましく、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等が好適に使用される。なお、触媒の使用量は、触媒として有効な量であってよいが、白金又はロジウム量で50ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
【0042】
上記工程3の付加反応は、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンが挙げられる。好ましくは炭化水素溶剤又は低級アルコールを使用する。
【0043】
付加反応条件は特に限定されないが、溶剤を用いた場合にはその還流下で、1〜10時間反応させることが好適である。
【0044】
[化粧料]
以上のようにして合成された本発明のオルガノポリシロキサンは、皮膚や毛髪に外用される化粧料に好適に使用される。本発明では前記オルガノポリシロキサンを、化粧料総質量の0.1〜40質量%含有するものであることを特徴とする化粧料を提供する。このような化粧料であれば、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れ、化粧持続性に優れた化粧料となるため好ましい。前記オルガノポリシロキサンの配合量は、化粧品総質量の0.1〜40質量%であり、好ましくは0.5〜20質量%の範囲が好適である。
【0045】
また、本発明の化粧料は、さらに水を含み、エマルジョンの形態であることが好ましい。このように水を含んでも、安定に乳化し、さらには粉体を含む場合は安定に粉体が分散し、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れ、化粧持続性に優れた化粧料となるため好ましい。特に、極性溶剤として水を含む化粧料の乳化剤として本発明のオルガノポリシロキサンを含めることができる。
【0046】
また、本発明の化粧料は、さらにシリコーンオイル、グリコール、エステル油、グリセライド油及びこれらの混合物のいずれかを含み、非水エマルジョンの形態であることが好ましい。このようにシリコーンオイルなどを含んでも、安定に乳化し、さらには粉体を含む場合は安定に粉体が分散し、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れ、化粧持続性に優れた化粧料となるため好ましい。特に、化粧料に慣用されているシリコーンオイル、グリコール、エステル油、グリセライド油等の極性溶剤を含む化粧料の乳化剤として本発明のオルガノポリシロキサンを含めることができる。このようなシリコーンオイル、グリコール、エステル油、グリセライド油等は下記で例示する。
【0047】
また、本発明の化粧料は、さらに粉体を含み、該粉体が分散された、液状、ペースト状又は固体状であることが好ましい。このような粉体を含有する化粧料において前記オルガノポリシロキサンを配合すると、粉体処理効果(耐水性、耐皮脂性、油剤への分散安定性)により、粉体が高度に分散された化粧料を形成することができる。特に、粉体を含む化粧料の分散剤として好適である。粉体を含む化粧料の場合には、前記オルガノポリシロキサンの配合量は、粉体100質量部に対して1〜40質量部、好ましくは1〜20質量部用いることが好ましい。
【0048】
[その他の成分]
本発明の化粧料は、本発明の目的を阻害しない範囲でその他の成分を含むことができる。以下、例示する。
【0049】
(油剤)
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の油剤を配合することができる。通常の化粧料に使用されるものであれば、固体、半固体、液状、いずれの油剤も使用することができ、例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、グリセライド油、慣用のシリコーン油、フッ素系油剤を用いることができる。
【0050】
前記天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。但し、POEはポリオキシエチレンを意味する。
【0051】
炭化水素油としては、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0052】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0053】
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
【0054】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、テトラキストリメチルシロキシシラン、メチルフェニルポリシロキサン,メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン,テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
【0055】
フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。これら油剤の配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料全体の1〜98質量%の範囲が好適である。
【0056】
(水)
本発明の化粧料には、その目的に応じて水を配合することも出来る。その配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料全体の1〜95質量%の範囲が好適である。
【0057】
(アルコール)
本発明の化粧料には、その目的に応じて、炭素原子数2以上5以下の低級アルコール、炭素原子数2以上10以下の多価アルコールを1種又は2種以上用いることもできる。該アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等があり、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール等の多価アルコール等がある。配合量としては、化粧料全体の0.1〜98質量%の範囲が好適である。
【0058】
(水溶性或いは水膨潤性高分子)
本発明の化粧料には、その目的に応じて水溶性或いは水膨潤性高分子を用いることができる。なかでも、植物系高分子、微生物系高分子、動物系高分子、デンプン系高分子、セルロース系高分子、アルギン酸系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、アクリル系高分子、及び無機系水溶性高分子から選ばれる1種又は2種以上の水溶性増粘剤が好ましく使用される。例えば、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなど他の合成水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子などがある。配合量としては、化粧料全体の0.1〜25質量%の範囲が好適である。
【0059】
(粉体)
本発明の化粧料には、その目的に応じて、粉体を1種又は2種以上、用いることもできる。粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等があげられ、具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体である。
【0060】
これらの粉体は本発明の効果を妨げない範囲で、粉体を複合化したものや、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができ、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアルキル基で処理したもの、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有する直鎖状及び/又は分岐状のオルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有し長鎖アルキルで共変性された直鎖状及び/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有しポリオキシアルキレンで共変性された直鎖状及び/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアクリル−シリコーン系共重合体等も必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0061】
また、粉体の配合量としては、化粧料全体の0.1〜99質量%の範囲が好適である。特に、粉末固形化粧料の場合の配合量としては、化粧料全体の80〜99質量%の範囲が好適である。
【0062】
(界面活性剤)
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の界面活性剤を用いることもできる。このような界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。
【0063】
アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
【0064】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0065】
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖状或いは分岐状のポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖状或いは分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
【0066】
両性界面活性剤としては、ベタイン、ホスファチジルコリン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。これらの界面活性剤の中でも、分子中にポリオキシアルキレン鎖、または、ポリグリセリン鎖を有する直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサン、或いはさらに炭素数6〜20の長鎖アルキル基を有する直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0067】
また、これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシアルキレン基、またはポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10〜70質量%を占めることが好ましく、配合量としては、化粧料全体の0.1〜20質量%、特に好ましくは、0.2〜10質量%の範囲が好適である。
【0068】
(シリコーン樹脂)
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上のアクリルシリコーン樹脂及び網状シリコーン樹脂から選ばれるシリコーン樹脂を含んでよい。アクリルシリコーン樹脂はアクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体である。また、ピロリジニル基、長鎖アルキル基、ポリオキシアルキレン基分及びフルオロアルキル基、カルボキシル基などのアニオン性の基の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。
【0069】
網状シリコーン樹脂はRSiO0.5単位とSiO単位から構成される樹脂、RSiO0.5単位とRSiO単位及びSiO単位から構成される樹脂、RSiO0.5単位とRSiO1.5単位から構成される樹脂、RSiO0.5単位とRSiO単位及びRSiO1.5単位から構成される樹脂、RSiO0.5単位、RSiO単位、RSiO1.5単位及びSiO単位から構成される樹脂から選ばれる。ここでRは有機基を示す。また、ピロリジニル基、長鎖アルキル基、ポリオキシアルキレン基及びフルオロアルキル基、アミノ基の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有する網状シリコーンを使用することもできる。シリコーン樹脂を用いる場合の配合量としては、化粧料の総量に対して0.1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは1〜10質量%である。
【0070】
(架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物)
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物を用いることもできる。この架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油を含んで膨潤することが好ましい。液状油としては、上記液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、たとえば、0.65mm/秒(25℃)〜100.0mm/秒(25℃)の低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N−アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油などの天然動植物油が挙げられる。また、この架橋型オルガノポリシロキサンの架橋剤は、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持ち、かつ、ケイ素原子に直接結合した水素原子との間で反応することにより、架橋構造を形成するものであることが好ましい。分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものとしては、分子中に二つ以上のビニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリオキシアルキレン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリグリセリン、α、ω−アルケニルジエンなどが挙げられる。また、ポリオキシアルキレン基、ポリグリセリン残基、長鎖アルキル基、アルケニル基、アリール基、及びフルオロアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種を有する架橋剤を使用することもできる。架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物を用いる場合の配合量としては、化粧料の総量に対して0.1〜80質量%が好ましく、更に好ましくは1〜50質量%である。
【0071】
(シリコーン変性オレフィンワックス)
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上のα−オレフィンとジエンを反応させて得られる不飽和基を有するオレフィンワックスと1分子1個以上のSiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させることによって得られるシリコーン変性オレフィンワックスを含むことができる。α−オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル1−ペンテンなどの炭素原子数2〜12が好ましく、ジエンとしてはブタジエン、イソプレン、1.4ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、などが好ましい。SiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは直鎖状やシロキサン分岐型等の構造のものが使用できる。
【0072】
(その他の添加成分)
更に本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用される成分、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、防菌防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
【0073】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等から選ばれるゲル化剤が挙げられる。
【0074】
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等から選ばれる制汗剤が挙げられる。
【0075】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、フェニルベンズイミダゾールスルフォン酸、トリアジン誘導体等が挙げられ、紫外線吸収散乱剤としては微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粉体が挙げられ、これらの紫外線を吸収散乱する粉体をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
【0076】
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等がある。
【0077】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0078】
香料としてはアロエ、ウコン、ウーロン茶、オリーブ、オレンジ、カンゾウ、キイチゴ、ケイヒ、サルビア、シソ、シャクヤク、ニンジン、ビワ、ベニバナ、ペパーミント、モモ、ライム、ラベンダー、緑茶、ローズマリー、ローヤルゼリー、ワイルドタイム等の抽出液等がある。
【0079】
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、たとえば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等がある。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、更には、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
酸化防止剤としては、トコフェロール、p−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0080】
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0081】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、 L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等がある。
【0082】
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0083】
包接化合物としては、シクロデキストリン、クラウンエーテル類等が挙げられる。
【0084】
毛髪固定用高分子化合物としては、両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N、N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチンおよびコラーゲンまたはその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0085】
本発明において、化粧料の剤形もしくは形態は特に限定されず、水性、油性、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、非水エマルジョン、W/O/W(水/オイル/水)やO/W/O(オイル/水/オイル)などのマルチエマルジョン、サスペンジョン、ペースト、固形であってよい。
【0086】
化粧料の用途も任意のものであってよい。例えば、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、美容液、美容オイル、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し等のスキンケア化粧料;メークアップ下地、コンシーラー、白粉、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメークアップ化粧料;シャンプー、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料;日焼け止めオイルや日焼け止め乳液、日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料;その他、洗浄剤、脱臭剤、制汗剤等が挙げられる。
【実施例】
【0087】
以下、本発明のオルガノポリシロキサンの合成例、及び本発明の化粧料の実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0088】
<合成例1>
反応器に下記平均式(7)で表される、トリグリセリンジアリルエーテル1モルに対してエチレンオキサイドを合計9モル付加した付加化合物35.3質量部、
【化18】

下記式(8)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン456質量部、及び
【化19】

イソプロピルアルコール500質量部を仕込み、塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.5質量部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(9)で表されるポリオキシエチレン基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化20】

【0089】
<合成例2>
反応器に下記平均式(10)で表される、ペンタグリセリンジアリルエーテル1モルに対してエチレンオキサイド10モル、プロピレンオキサイド10モルを付加した付加化合物37.2質量部、
【化21】

下記式(11)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン376質量部、及び
【化22】

イソプロピルアルコール500質量部を仕込み、塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.5部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(12)で表されるポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化23】

【0090】
<合成例3>
反応器に下記平均式(13)で表される、テトラグリセリントリアリルエーテル1モルに対してエチレンオキサイドを合計9モル付加した付加化合物41.5質量部、
【化24】

下記式(14)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン240質量部、及び
【化25】

イソプロピルアルコール300質量部を仕込み、塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.3部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(15)で表されるポリオキシエチレン基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化26】

【0091】
<合成例4>
反応器に下記平均式(16)で表される、モノグリセリンジアリルエーテル1モルに対してエチレンオキサイド20モル、ブチレンオキサイド3モルを付加した付加化合物63.4質量部、
【化27】

前記式(8)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン456質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を仕込み、塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.5部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(17)で表されるポリオキシエチレン・ポリオキシブチレン基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化28】

【0092】
<合成例5>
反応器に前記式(7)で表される、トリグリセリンジアリルエーテル1モルに対してエチレンオキサイドを合計9モル付加した付加化合物35.8質量部、下記式(18)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン306質量部、及び
【化29】

イソプロピルアルコール300質量部を仕込み、塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.3部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(19)で表されるポリオキシエチレン基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化30】

【0093】
<合成例6>
反応器に前記式(10)で表される、ペンタグリセリンジアリルエーテル1モルに対してエチレンオキサイド10モル、プロピレンオキサイド10モル付加した付加化合物44.6質量部、下記式(20)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン348質量部、及び
【化31】

イソプロピルアルコール300質量部を仕込み、塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.3部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(21)で表されるポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化32】

【0094】
<実施例1〜3、比較例1〜2>
下記表1に示す組成のW/O型乳化物(配合量は質量%を示す)を下記方法で調製し、経時安定性の評価を行った。
(製造方法)
下記成分1〜6をデイスパーミキサーを用いて1500rpmで攪拌混合した後、成分7、8をゆっくり添加し、乳化した。
(評価方法)
経時安定性は、得られた乳化物の100gを密閉容易に入れて、50℃で1週間静置後、その乳化状態を目視にて観察し、下記基準で評価した。
(評価基準)
○:分離なし、△:わずかに分離、×:二層分離
【0095】
【表1】

(注1)下記式で示されるオルガノポリシロキサン
【化33】

(注2)下記式で示されるオルガノポリシロキサン
【化34】

【0096】
表1に示すように、合成例1〜3を使用した乳化物(実施例1〜3)は、50℃1週間経過後も初期乳化状態を維持していたが、比較例1、2は油相が十分に均一ではなく乳化系の経時安定性を欠いた。
【0097】
<実施例4〜6,比較例3、4>
合成例1〜3で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、W/O型ファンデーションを作成し、経時安定性、特性評価(使用性(感触)、色調の均一性、化粧持ち(化粧持続性)を行った。
(製造方法)
A:成分1〜7を加熱混合し、成分8〜14を添加して均一にする。
B:成分15、16及び18を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分17を添加しファンデーションを得た。
(評価方法)
経時安定性は、得られたファンデーション、100gを密閉容易に入れて、50℃で1ヶ月静置後、その乳化状態、顔料分散性を目視にて観察し、下記基準で評価した。
(評価基準)
○:分離なし、△:わずかに分離、×:二層分離
【0098】
【表2】

(注1)、(注2)は前記と同じ
(注3)疎水化処理;粉体に対して2%のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、加熱処理したもの
【0099】
表2に示すように、合成例1〜3を使用したファンデーション(実施例4〜6)は、50℃1ヶ月経過後も初期状態を維持していたが、比較例1、2は粉体分散性が十分ではなく経時安定性を欠いた。
【0100】
次に、実施例4〜6、比較例3、4で得られたファンデーションについて、女性50名の専門パネルにより使用テストを行ない、使用性(感触)の良さ、色調の均一性の良さ、化粧持ちの良さについて下記評価基準で評価した。評価結果を表3に示す。
【0101】
[評価基準]
各評価項目毎に、全パネルの評価点の平均を取った。
5点: 非常に良好
4点: 良好
3点: 普通
2点: やや不良
1点: 不良
表3における、各符号の意味は以下のとおりである。
得られた平均点が4.5点以上 ◎
得られた平均点が3.5点以上4.5点未満 ○
得られた平均点が2.5点以上3.5点未満 △
得られた平均点が1.5点以上2.5点未満 ×
得られた平均点が1.5点未満 ××
【0102】
【表3】

【0103】
表3に示すように、比較例3、4のファンデーションは、塗付時の色調は良好であったが、皮膚への親和性(皮膚密着性)が弱く、化粧持ち(化粧持続性)が悪かった。これに対して、実施例4〜6のファンデーションは使用性が良く、顔料分散性が良いため、きめが細かく、色調も均一で、皮膚との親和性に優れ、化粧持ちも良かった。
【0104】
以下の実施例において、経時安定性は化粧料を密閉容器内に入れて50℃で1ヶ月放置した後の外観の変化が無いことによって確認した。
【0105】
[実施例7:アイライナー]
(成分) (%)
1 オクタメチルシクロテトラシロキサン 残量
2 合成例6のオルガノポリシロキサン 3.0
3 シリコーン樹脂(注1) 15.0
4 ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト 3.0
5 シリコーン処理黒酸化鉄(注2) 10.0
6 1,3−ブチレングリコール 5.0
7 防腐剤 適量
8 香料 適量
9 精製水 10.0
(注1)シリコーン樹脂:[MeSiO1/2]/[SiO]比が0.8のシリコ
ーン網状化合物の50%−D5溶液。(Meはメチル基を示す。)
(注2)シリコーン処理黒酸化鉄:黒酸化鉄の質量に対し、2質量%のメチルハイドロ
ジェンポリシロキサン添加後、150℃で加熱処理したもの。
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5を加えて均一に混合分散した。
B:成分6〜7及び9を混合した。
C:Bで得られた混合物をAで得られた分散物に徐添して乳化した後、成分8を加え
てアイライナーを得た。
(評価)
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすく、べたつきがなく、温度や経時による変化もなく、化粧持ちも非常に良かった。
【0106】
[実施例8:サンタンクリーム]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
2 ジメチルポリシロキサン(100mm/s) 5.0
3 シリコーンワックス 0.5
4 合成例3のオルガノポリシロキサン 6.0
5 パルミチン酸 0.2
6 ジメチルオクチルパラアミノ安息香酸 0.5
7 4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン 0.5
8 カオリン 0.5
9 ベンガラ 0.2
10 黄酸化鉄 0.3
11 黒酸化鉄 0.1
12 酸化チタンコーテッドマイカ 1.0
13 L−グルタミン酸ナトリウム 3.0
14 1,3−ブチレングリコール 5.0
15 ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド 0.1
16 酸化防止剤 適量
17 防腐剤 適量
18 香料 適量
19 精製水 残量
(製造方法)
A:成分1〜7及び16〜17を加熱溶解した。
B:成分15及び19の一部を加熱攪拌後、成分8〜12を添加し分散処理した。
C:成分13〜14及び19の残部を溶解し、Bで得られた分散物と混合した。
D:攪拌下、Aで得られた混合物にCで得られた分散物を徐添して乳化し、冷却して
成分18を添加しサンタンクリームを得た。
(評価)
以上のようにして得られたサンタンクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、経時変化も無かった。さらに化粧持ちも良かった。
【0107】
[実施例9:クリーム]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
2 トリオクタン酸グリセリル 10.0
3 合成例2のオルガノポリシロキサン 4.0
4 フェニルジメチルステアリルアンモニウムクロリド 1.0
5 ジプロピレングリコ−ル 10.0
6 マルチトール 10.0
7 サポナイト 1.5
8 防腐剤 適量
9 香料 適量
10 精製水 残量
(製造方法)
A:成分1〜4及び8を加熱混合した。
B:成分5〜7及び10を加熱溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、冷却して成
分9を添加し、クリームを得た。
(評価)
以上のようにして得られたクリームは、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、経時変化も無かった。
【0108】
[実施例10:日焼け止めクリーム]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
2 流動パラフィン 10.0
3 合成例1のオルガノポリシロキサン 4.0
4 4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 7.0
5 ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド 0.8
6 ビタミンEアセテート 0.1
7 エタノール 1.0
8 ケイ酸アルミニウムマグネシウム 1.2
9 防腐剤 適量
10 香料 適量
11 精製水 残量
(製造方法)
A:成分1〜6及び9を加熱混合した。
B:成分7〜8及び11を加熱し均一になるよう分散混合した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた分散物を徐添して乳化し、冷却して
成分10を添加し日焼け止めクリームを得た。
(評価)
以上のようにして得られた日焼け止めクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽く、経時変化も無かった。また、べたつきがないため、砂が全くつかず、使用性が非常に良かった。さらに、化粧持ちも良いため、紫外線防止効果が持続した。
【0109】
[実施例11:アイシャドウ]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
2 ジメチルポリシロキサン(6mm/s) 10.0
3 合成例5のオルガノポリシロキサン 2.0
4 PEG(10)ラウリルエ−テル 0.5
5 シリコーン処理酸化クロム(注1) 6.2
6 シリコーン処理群青(注1) 4.0
7 シリコーン処理チタン被覆マイカ(注1) 6.0
8 塩化ナトリウム 2.0
9 プロピレングリコール 8.0
10 防腐剤 適量
11 香料 適量
12 精製水 残量
(注1)シリコーン処理:粉体質量に対して3質量%のメチルハイドロジェンポリシ
ロキサン添加後、150℃で加熱処理したもの
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5〜7を添加して均一になるよう分散した。
B:成分8〜10及び12を均一溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた分散物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、成分11を
添加してアイシャドウを得た。
(評価)
以上のようにして得られたアイシャドウは、のび広がりが軽くて油っぽさや粉っぽさがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくく、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0110】
[実施例12:リップクリーム]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 40.0
2 イソパラフィン(沸点155℃) 10.0
3 スクワラン 10.0
4 ラノリン 2.0
5 トリメチルシロキシシリケート 3.0
6 マイクロクリスタリンワックス 3.0
7 合成例6のオルガノポリシロキサン 3.0
8 ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミド 5.0
9 乳酸ナトリウム 0.3
10 L−グルタミン酸ナトリウム 0.3
11 ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
12 ソルビトール 0.5
13 グリセリン 5.0
14 赤色202号 適量
15 メントール 適量
16 防腐剤 適量
17 香料 適量
18 精製水 残量
(製造方法)
A:成分1〜8を加熱混合した。
B:成分9〜16及び18を加熱溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、成分17を
添加してカプセルに充填し、リップクリームを得た。
(評価)
以上のようにして得られた固形状の油中水型リップクリームは、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に経時変化も無く、施与されたリップクリームは持ちがよかった。
【0111】
[実施例13:液状乳化ファンデーション]
(成分) (%)
1 ジメチルポリシロキサン(6mm/s) 5.0
2 デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
3 スクワラン 4.0
4 ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
5 ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセライド 2.0
6 α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 1.0
7 合成例1のオルガノポリシロキサン 1.0
8 ジステアリン酸アルミニウム塩 0.2
9 疎水化処理酸化チタン(注1) 5.0
10 疎水化処理セリサイト(注1) 2.0
11 疎水化処理タルク(注1) 3.0
12 疎水化処理ベンガラ(注1) 0.4
13 疎水化処理黄酸化鉄 (注1) 0.7
14 疎水化処理黒酸化鉄(注1) 0.1
15 硫酸マグネシウム 0.7
16 グリセリン 3.0
17 防腐剤 適量
18 香料 適量
19 精製水 残量
(注1)疎水化処理粉体:粉体質量に対し、2質量%のステアリン酸で処理したもの
(製造方法)
A:成分1〜8を加熱混合し、成分9〜14を添加して均一にした。
B:成分15〜17及び19を加熱溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、冷却して成
分18を添加し液状乳化ファンデーションを得た。
(評価)
以上のようにして得られた液状乳化ファンデーションは、粘度が低くキメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に経時変化も無かった。皮膚上での化粧持ちも良かった。
【0112】
[実施例14:透明ゲル化粧料]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
2 合成例2のオルガノポリシロキサン 10.0
3 1,3−ブチレングリコール 10.0
4 ポリエチレングリコール400 9.0
5 2−ヒドロキシオクタン酸 1.0
6 ソルビトール(70%水溶液) 10.0
7 クエン酸 適量
8 クエン酸ナトリウム 適量
9 防腐剤 適量
10 香料 適量
11 精製水 残量
(製造方法)
A:成分3〜11を均一溶解した。
B:成分1〜2を混合し、均一にした。
C:攪拌下、Aで得られた溶液をBで得られた混合物に徐添、乳化して透明ゲル化粧
料を得た。
(評価)
以上のようにして得られた透明ゲル化粧料は、のび広がりが軽く、べたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、皮膚になじみやすく、経時変化も無かった。
【0113】
[実施例15:日焼け止め化粧水]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 14.0
2 合成例2のオルガノポリシロキサン 10.0
3 スクワラン 1.5
4 パラメトキシ桂皮酸オクチル 3.0
5 疎水化処理超微粒子酸化チタン(注1) 2.0
6 1,3−ブチレングリコール 10.0
7 塩化ナトリウム 2.0
8 L−プロリン 0.1
9 2−ヒドロキシオクタン酸 1.0
10 2−ヒドロキシプロパン酸 5.0
11 水酸化ナトリウム 適量
12 防腐剤 適量
13 香料 適量
14 精製水 残量
(注1)疎水化処理超微粒子酸化チタン:チタンTTO−V−4(石原産業社製)
(製造方法)
A:成分6〜14を均一になるよう溶解した。
B:成分1〜4を混合し、成分5を加えて均一にした。
C:攪拌下、AにBを徐添、乳化して日焼け止め化粧水を得た。
(評価)
以上のようにして得られた日焼け止め化粧水は、のび広がりが軽く、べたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、皮膚になじみやすく、経時変化も無かった。また、日焼け止め効果にも優れていた。
【0114】
[実施例16:乳液]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 18.0
2 ジメチルポリシロキサン(6mm/s) 6.0
3 スクワラン 5.0
4 ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
5 α−モノオレイルグリセリルエーテル 1.0
6 合成例4のオルガノポリシロキサン 2.0
7 ジステアリン酸アルミニウム塩 0.2
8 硫酸マグネシウム 0.7
9 グリセリン 5.0
10 防腐剤 適量
11 香料 適量
12 精製水 残量
(製造方法)
A:成分1〜7を加熱混合した。
B:成分8〜10及び12を加熱溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、冷却して成
分11を添加し乳液を得た。
(評価)
以上のようにして得られた乳液は、低粘度でキメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に経時変化も無かった。さらに皮膚上での化粧持ちも良かった。
【0115】
[実施例17:日焼け止めクリーム]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 18.0
2 メチルフェニルポリシロキサン 2.0
3 流動パラフィン 1.5
4 合成例3のオルガノポリシロキサン 4.0
5 パラメトキシ桂皮酸オクチル 5.0
6 1,3−ブチレングリコール 4.0
7 塩化ナトリウム 1.0
8 防腐剤 適量
9 香料 適量
10 精製水 残量
(製造方法)
A:成分1〜5を加熱混合した。
B:成分6〜8及び10を加熱溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、冷却して成
分9を添加し日焼け止めクリームを得た。
(評価)
以上のようにして得られた日焼け止めクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽く、しっとりとしてみずみずしく、油っぽさやべたつきがなく、経時変化も無かった。また、施与されたクリームは、耐水性、耐汗性に優れて化粧持ちも良く、紫外線防止効果も持続した。
【0116】
[実施例18:液状ファンデーション]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 16.0
2 ジメチルポリシロキサン(6mm/s) 8.0
3 パラメトキシ桂皮酸オクチル 3.0
4 12−ヒドロキシステアリン酸 1.0
5 フッ素変性シリコーン(注1) 15.0
6 合成例1のオルガノポリシロキサン 5.0
7 球状シリコーン樹脂粉体(注2) 3.0
8 フッ素化合物処理微粒子酸化チタン(注3) 8.0
9 フッ素化合物処理雲母チタン(注3) 1.0
10 フッ素化合物処理酸化チタン(注3) 5.0
11 フッ素化合物処理ベンガラ(注3) 0.9
12 フッ素化合物処理黄酸化鉄(注3) 2.0
13 フッ素化合物処理黒酸化鉄(注3) 1.0
14 エタノール 15.0
15 グリセリン 3.0
16 硫酸マグネシウム 1.0
17 防腐剤 適量
18 香料 適量
19 精製水 残量
(注1)フッ素変性シリコーン:FL−100(信越化学工業社製)
(注2)球状シリコーン樹脂粉体:KMP590(信越化学工業(株)製)
(注3)フッ素化合物処理:パーフルオロアルキルエチルリン酸ジエタノールアミン
塩にて5%被覆したもの
(製造方法)
A:成分7〜13を均一に混合した。
B:成分1〜6を70℃に加熱混合し、Aで得られた混合物を加えて均一になるよう
分散及び混合した。
C:成分14〜17及び19を40℃に加温して溶液を得、これをBで得られた分散
物に徐添して乳化し、冷却して成分18を加え、液状ファンデーションを得た。
(評価)
以上のようにして得られた液状ファンデーションは、べたつきがなく、のび広がりも軽く、しかも、さっぱり感を与えた。また、経時変化も無かった。
【0117】
[実施例19:乳液]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
2 メチルフェニルポリシロキサン 5.0
3 スクワレン 5.0
4 テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール 5.0
5 合成例5のオルガノポリシロキサン 3.0
6 オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体(注1) 2.0
7 疎水化シリカ(注2) 0.5
8 アスコルビン酸リン酸マグネシウム 1.0
9 塩化ナトリウム 1.0
10 ポリエチレングリコール11000 1.0
11 プロピレングリコール 8.0
12 防腐剤 適量
13 香料 適量
14 精製水 残量
(注1)オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体:KMP594(信越化学工
業(株)製)
(注2)疎水化シリカ:アエロジルR972(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分1〜5を均一に混合し、成分6〜7を加えて均一になるよう分散した。
B:成分14に成分8〜10を加えて溶解し、更に成分11、12を混合したものを
、添加した。
C:Bで得られた混合物をAで得られた分散物に徐添して乳化した後冷却し、成分1
3を加えて乳液を得た。
(評価)
以上のようにして得られた乳液は、のび広がりも軽く、さらっとしてべたつきがなく、経時変化も無かった。
【0118】
[実施例20:保湿クリーム]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
2 メチルフェニルポリシロキサン 3.0
3 流動パラフィン 5.0
4 テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール 3.0
5 2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
6 合成例1のオルガノポリシロキサン 1.0
7 オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体(注1) 2.5
8 疎水化シリカ(注2) 2.0
9 ステアリン酸亜鉛 2.0
10 ビタミンEアセテート 3.0
11 ポリエチレングリコール400 1.0
12 乳酸ナトリウム 1.0
13 1,3−ブチレングリコール 5.0
14 防腐剤 適量
15 香料 適量
16 精製水 残量
(注1)オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体:KMP594(信越化学工
業(株)製)
(注2)疎水化シリカ:アエロジルR972(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分1〜6及び9〜10を均一に混合し、成分7〜8を加えて均一になるよう分
散した。
B:成分11〜14及び16を加えて溶解した。
C:Bで得られた溶液をAで得られた混合物に徐添して乳化した後冷却し、成分15
を加えて保湿クリームを得た。
(評価)
以上のようにして得られた保湿クリームは、のび広がりも軽く、べたつきがなく、経時変化も無かった。
【0119】
[実施例21:アイライナー]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 22.0
2 ジメチルポリシロキサン(6mm/s) 5.0
3 シリコーン処理黒酸化鉄 20.0
4 ビタミンEアセテート 0.2
5 ホホバ油 2.0
6 ベントナイト 3.0
7 合成例6のオルガノポリシロキサン 2.0
8 エタノール 10.0
9 1,3−ブチレングリコール 10.0
10 防腐剤 適量
11 香料 適量
12 精製水 残量
(製造方法)
A:成分1〜2、4〜7を混合し、成分3を加えて均一に混合分散した。
B:成分8〜10及び12を混合した。
C:Bで得られた混合物をAで得られた分散物に徐添して乳化した後冷却し、成分1
1を加えてアイライナーを得た。
(評価)
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすく、経時変化も無かった。また、皮膚上での、耐水性、耐汗性に優れ、化粧持ちも非常に良かった。
【0120】
[実施例22:サンカットクリーム]
(成分) (%)
1 デカメチルシクロペンタシロキサン 17.5
2 KP545(注1) 12.0
3 トリイソオクタン酸グリセリル 5.0
4 パラメトキシケイ皮酸オクチル 6.0
5 KSG210(注2) 5.0
6 合成例1のオルガノポリシロキサン 1.0
7 親油化処理酸化亜鉛 20.0
8 塩化ナトリウム 0.5
9 1,3−ブチレングリコール 2.0
10 防腐剤 適量
11 香料 適量
12 精製水 残量
(注1) KP545:アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製)
(注2) KSG210:シリコーンゲル(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1の一部に成分2を加えて均一にし、成分7を添加してビーズミルにて分散
した。
B:成分1の残部と及び3〜6を混合し、均一に混合した。
C:成分8〜10及び12を混合、溶解した。
D:Bで得られた混合物にCで得られた溶液を加えて乳化し、A及び成分11を加添
加してサンカットクリームを得た。
(評価)
以上のようにして得られたサンカットクリームは、べたつきがなく、のび広がりも軽く、密着感を与えた。経時変化も無く、皮膚上での紫外線効果も持続した。
【0121】
[実施例23:O/Wハンドクリーム]
(成分) (%)
1 KP545(注1) 10.0
2 KSG16(注2) 2.0
3 イソパラフィン 5.0
4 ワセリン 5.0
5 トリイソオクタン酸グリセリル 3.0
6 合成例4のオルガノポリシロキサン 0.5
7 モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0
8 セピゲル305(注3) 2.0
9 1,3−ブチレングリコール 5.0
10 グリセリン 5.0
11 防腐剤 適量
12 香料 適量
13 精製水 残量
(注1)KP545:アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製)
(注2)KSG16:シリコーンゲル(信越化学工業(株)製)
(注3)セピゲル305:(SEPPIC社製)
(製造方法)
A:成分1〜7を均一に混合した。
B:成分8〜11及び13を均一に混合した。
C:Aで得られた混合物にBで得られた溶液を加えて乳化し、成分12を添加してO/Wハンドクリームを得た。
(評価)
以上のようにして得られたO/Wハンドクリームはのび広がりも軽く、優れた密着感を与え、水仕事から皮膚を効果的に保護した。さらに、経時変化も無かった。
【0122】
[実施例24:O/Wハンドクリーム]
(成分) (%)
1 KP545(注1) 10.0
2 KP561P(注2) 8.0
3 セタノール 1.0
4 トリイソステアリン酸グリセリル 5.0
5 ステアリン酸 3.0
6 モノステアリン酸グリセリル 1.5
7 合成例2のオルガノポリシロキサン 0.7
8 セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
9 モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0
10 水酸化ナトリウム(1%水溶液) 10.0
11 1,3−ブチレングリコール 5.0
12 防腐剤 適量
13 香料 適量
14 精製水 残量
(注1)KP545:アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製)
(注2)KP561P:ステアリル変性アクリルシリコーン(信越化学工業(株)
製)
(製造方法)
A:成分1〜9を混合、加熱溶解した。
B:成分10〜12及び14を加熱混合した。
C:Aで得られた溶液にBで得られた混合物を加えて乳化し、冷却して成分13を添
加し、O/Wハンドクリームを得た。
(評価)
以上のようにして得られたO/Wハンドクリームは、べたつきがなく、のび広がりも軽く、優れた密着感を与え、水仕事から皮膚を効果的に保護した。さらに、経時変化も無かった。
【0123】
以上説明したように、本発明によれば、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、経時安定性及び皮膚密着性に優れたオルガノポリシロキサン、およびこれを含有する化粧料を提供することができることが示された。特に、粉体を含有する化粧料において前記オルガノポリシロキサンを配合すると、粉体処理効果(耐水性、耐皮脂性、油剤への分散安定性)により、粉体が高度に分散された化粧料を形成することができる。
【0124】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示されることを特徴とするオルガノポリシロキサン。
【化1】

[上記式(1)中、
は、互いに独立に、炭素原子数1以上30以下のフッ素置換されてもよいアルキル基、炭素原子数6以上30以下のアリール基、及び炭素原子数7以上30以下のアラルキル基から選ばれる基であり、
は、互いに独立に、炭素原子数2以上15以下の酸素原子を介してもよい2価の有機基であり、
は、互いに独立に、下記式(2)で示されるポリオキシアルキレン基、
【化2】

(上記式(2)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1以上20以下のアルキル基であり、a〜dは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b+c+d)≦50を満たす整数である。)
水素原子、及び下記式(3)で示される基から選ばれる基であって、
【化3】

(上記式(3)中、R、Rは前記と同様である。mは0〜300の整数である。)
一分子中少なくともひとつは上記式(2)で示されるポリオキシアルキレン基であり、
mは0〜300の整数であり、nは1〜10の整数である。]
【請求項2】
前記Rは−C−で示される2価の有機基であり、前記Rは下記式(4)
【化4】

[上記式(4)中、a及びbは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b)≦50を満たす整数であり、Rは前記同様である。]
で示されるポリオキシアルキレン基であることを特徴とする請求項1に記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項3】
前記Rは−C−で示される2価の有機基であり、前記Rは、互いに独立に、下記式(4)で示されるポリオキシアルキレン基及び前記式(3)で示される基であり、
【化5】

[上記式(4)中、a及びbは0〜50の整数で、かつ1≦(a+b)≦50を満たす整数であり、Rは前記同様である。]
前記nは2〜10の整数であることを特徴とする請求項1に記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンを、化粧料総質量の0.1〜40質量%含有するものであることを特徴とする化粧料。
【請求項5】
さらに水を含み、エマルジョンの形態であることを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
【請求項6】
さらにシリコーンオイル、グリコール、エステル油、グリセライド油及びこれらの混合物のいずれかを含み、非水エマルジョンの形態であることを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
【請求項7】
さらに粉体を含み、該粉体が分散された、液状、ペースト状又は固体状であることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の化粧料。



【公開番号】特開2012−207078(P2012−207078A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72254(P2011−72254)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】