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オルガノポリシロキサン及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材
説明

オルガノポリシロキサン及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材

【課題】光半導体用途において、耐熱黄変性、耐光性、ガスバリア性及び密着性に優れた、透明な硬化物を形成することが可能な熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】式(1)


[R1は置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基、Rはアクリロキシ基又はメタアクリロキシ基、Xは炭素数3〜10の二価の炭化水素基、aは1以上の整数、bは0以上の整数、a+bは3〜20の整数)で表される環状オルガノポリシロキサンを含有する熱硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノポリシロキサン及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材に関する。
【背景技術】
【0002】
酸無水物系硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物は、透明な硬化物を形成し、発光ダイオード及びフォトダイオードなどの光半導体素子の封止材料として好適であることが知られている。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機樹脂骨格のエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組成物が光半導体素子の分野において用いられてきた。
【0003】
しかし、近年の光半導体の高性能化が進むにつれ、光半導体素子の封止材料は、耐熱性、耐光性、などで更に優れた特性を有することが要求されており、従来のエポキシ樹脂組成物では、十分な特性が得られなくなってきている。
【0004】
そこで、特定のシリコーン組成物をヒドロシリル化反応にて硬化させる、光半導体用途の熱硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、硬度を改善した特定のシリコーン組成物の光半導体用途への適用が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、メタアクリロキシ基含有シリコーン組成物の光半導体用途への適用が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。一方で、特定構造を有するオルガノポリシロキサンの組成物が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−1358号公報
【特許文献2】特開2008−274185号公報
【特許文献3】特開2008−131009号公報
【特許文献4】特許第4322949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で開示される組成物の場合、耐熱黄変性や耐光性は優れるが、硬化物の硬度が低いため傷が入りやすく取り扱いが困難である。また、ガスバリア性や基材への密着も低く、光半導体用封止材用途へ好適に用いることができない。
【0007】
特許文献2で開示される組成物は、硬度を高くするためにフェニル基を用いている。しかし、そのフェニル基が耐熱黄変性や耐光性を低下させる原因となってしまうため、光半導体用封止材用途へ好適に用いることができない。
【0008】
特許文献3で開示される組成物の場合、耐熱黄変性や耐光性は優れるものの、硬化物の硬度が低いため傷が入りやすく取り扱いが困難である。また、ガスバリア性や基材への密着も満足できるレベルには至っていない。
【0009】
特許文献4で開示される組成物の場合、ガスバリア性と接着性は優れるものの、耐熱黄変性や耐光性が満足できるレベルには至っておらず、光半導体封止剤用途への適応が難しい。
【0010】
以上のように、耐熱黄変性、耐光性、ガスバリア性及び密着性のいずれの点でも光半導体用途において要求されるレベルを十分に満足する透明な硬化物を得ることは、従来困難であった。
【0011】
本発明の目的は、耐熱黄変性、耐光性、ガスバリア性及び密着性のいずれの点でも光半導体用途において要求されるレベルを十分に満足する、透明な硬化物を形成することが可能な熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。本発明はまた、係る熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される、光半導体用の封止材及びダイボンド材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のオルガノポリシロキサンを含有する熱硬化性樹脂組成物により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の熱硬化性樹脂組成物、光半導体用封止材及び光半導体用ダイボンド材に関する。
1.一般式(1):
【0013】
【化1】

【0014】
[式中R1は置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、Rはアクリロキシ基又はメタアクリロキシ基を示し、Xは炭素数3〜10の二価の炭化水素基を示し、aは1以上の整数を示し、bは0以上の整数を示し、a+bは3〜20の整数を示す。)で表される環状オルガノポリシロキサン。
【0015】
2.1.に記載の環状オルガノポリシロキサン100質量部と、熱ラジカル開始剤0.5〜10質量部とを含有する熱硬化性樹脂組成物。
3.更に、前記環状オルガノポリシロキサン100質量部に対して、シランカップリング剤0.5〜10質量部を含有する、2.に記載の熱硬化性樹脂組成物。
4.更に、前記環状オルガノポリシロキサン100質量部に対して、前記環状オルガノポリシロキサンとは異なる構造の(メタ)アクリロキシ基を含有するオルガノポリシロキサン0〜2000質量部を含有する、2.又は3.に記載の熱硬化性樹脂組成物。
5.(メタ)アクリロキシ基の官能基等量が180〜900g/モルである、2.〜4.のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
6.前記R1が炭素数1〜10のアルキル基である、2.〜5.のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
7.前記R1がメチル基である、2.〜6.のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
8.2.〜7.のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を含む光半導体用封止材。
9.2.〜7.のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を含む光半導体用ダイボンド材。
10.8.に記載の光半導体用封止材を成形したことを特徴とする光半導体パッケージ。
11.8.に記載の光半導体用封止材を用いて製造された光半導体。
【発明の効果】
【0016】
本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、耐熱黄変性、耐光性、ガスバリア性及び密着性のいずれの点でも光半導体用途において要求されるレベルを十分に満足する透明な硬化物を形成することが可能である。
【0017】
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、光半導体用の封止材及びダイボンド材として好適である。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物を光半導体封止材及びダイボンディングペースト等として用いることにより、優れた光半導体パッケージを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す形態に限定されるものではない。
【0019】
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される環状オルガノポリシロキサンを含有する。
【0020】
【化2】

【0021】
上記一般式(1)において、aは1以上の整数を示し、bは0以上の整数を示し、a+bは3〜20の整数である。
【0022】
は、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。炭素数が10以下のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びオクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、及びメシチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、及びフェニルプロピル基等のアラルキル基;又は、これらの基の炭素原子に結合している水素原子の1部若しくは全部をヒドロキシ基、シアノ基、及びハロゲン原子等で置換したヒドロキシプロピル基、シアノエチル基、1−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフルオロピル基等が挙げられる。これらの中で耐熱黄変性、耐光性特に優れている点でメチル基が最も好ましい。
【0023】
式(1)におけるRは、下記式(2)で表されるアクリロキシ基又は下記式(3)で表されるメタアクリロキシ基である。
【0024】
【化3】

【0025】
Xは炭素数3〜10の二価の炭化水素基を示す。この二価の炭化水素基を例示すると、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH10−、−CH(CH)CH−、−C(CH−等が挙げられ、特に−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−が原料の入手のし易さ及び反応性の点から好ましい。
【0026】
本実施形態に係るオルガノポリシロキサンの(メタ)アクリロキシ基の官能基等量は、耐熱黄変性、耐光性の観点から180g/mol以上、ガスバリア性の観点から900g/mol以下であることが好ましい。このような観点から、より好ましい(メタ)アクリロキシ基の官能基等量は190g/mol以上880g/mol以下、最も好ましくは200g/mol以上850g/mol以下である。
【0027】
上記一般式(1)で表される環状オルガノポリシロキサンは、下記一般式(4)で表される1分子中に少なくとも1個のSiH基を持つハイドロジェンポリシロキサン(a)と、アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(b)とを、ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応させる方法により製造できる。
【0028】
【化4】

【0029】
式(4)中、R1は置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、cは1以上の整数を示し、dは0以上の整数を示し、c+dは3〜20の整数である。
【0030】
一般式(4)で表される1分子中に少なくとも1個のSiH基を持つハイドロジェンポリシロキサン(a)は、例えば、以下の式(5)、(6)又は(7)で表されるものが挙げられる。
【0031】
【化5】

【0032】
ハイドロジェンポリシロキサン(a)は、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
【0033】
アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(b)は下記一般式(8)で表される。
【0034】
【化6】

【0035】
式(8)におけるRはアクリロキシ基又はメタアクリロキシ基を示し、Rは炭素数1〜8の二価の炭化水素基である。特に、Rの炭素数は1〜4が好ましい。Rの炭素数が0の場合は、ヒドロシリル化反応が起こらない。一方で、炭素数が9以上の場合は、沸点が高くなるため、反応溶液から余剰のアルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(b)の留去が難しくなる。これらのアルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(b)は、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
【0036】
アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(b)の量は、SiH基を残さず最後まで反応させる観点から、ハイドロジェンポリシロキサン(a)に由来するSiH基のモル量に対して、余剰に添加することが好ましい。具体的には、[アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物のモル量]/[(a)に由来するSiH基のモル量]=1.2〜3.0が好ましい。
【0037】
ヒドロシリル化反応触媒は、特に限定されず、従来公知のものを全て使用することができる。例えば、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の、白金系触媒以外の白金族金属系触媒が挙げられる。ヒドロシリル化反応触媒(d)は、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
【0038】
ヒドロシリル化反応触媒の量には特に制限はないが、ハイドロジェンポリシロキサン(a)と、アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(b)との付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの質量に対して0.01〜100ppmが好ましい。上記反応触媒の量は、その添加効果を十分に得るという観点から0.01ppm以上が好ましく、安全に合成反応を行い、かつコストの観点から100ppm以下が好ましい。また、ヒドロシリル化反応触媒(d)は反応後に活性アルミナや活性炭等の吸着材によって除去することができる。耐熱黄変性、耐光性の観点から、熱硬化性樹脂樹脂組成物中のヒドロシリル化反応触媒の量は、ハイドロジェンポリシロキサン(a)と、アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(b)との付加反応生成物に対して0.001質量部以下が好ましい。
【0039】
上記付加反応は、通常、室温〜100℃で行うことができる。(メタ)アクリロキシ基は高温で反応し易くゲル化する可能性があるため、反応温度は40℃〜70℃が好ましい。
【0040】
上記付加反応は、必要に応じて溶剤中で行うことができる。溶剤としては、トルエン、及びキシレン等の芳香族系溶剤、ヘキサン、及びオクタン等の脂肪族系溶剤、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、及び酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル系溶剤、並びに、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、又はこれらの混合溶剤を使用することができる。
【0041】
反応の雰囲気は空気中、不活性気体中のいずれでもよい。得られたオルガノヒドロポリシロキサンの着色が少ない点で、窒素、アルゴン、及びヘリウム等の不活性気体中が好ましいが、(メタ)アクリロキシ基の重合反応を防止する目的で少量の酸素を導入することもできる。
【0042】
(メタ)アクリロキシ基の重合反応を防止する目的で、反応系に、フェノチアジン,ヒンダードフェノール系化合物,アミン系化合物,及びキノン系化合物等の重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。このような重合禁止剤の種類と量は、それらの添加によってヒドロシリル化反応の進行を妨げることなく、(メタ)アクリロキシ基、すなわち、アクリロキシ基又はメタアクリロキシ基の重合反応を防止することができれば特に限定されない。
【0043】
付加反応終了後、余剰のアルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(b)及び溶剤を使用した場合の溶剤等は、加熱及び/又は減圧下で留去して、上記一般式(1)の環状オルガノシロキサンを得ることができる。
【0044】
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、熱ラジカル重合開始剤を含有する。熱ラジカル重合開始剤は、熱によって(メタ)アクリロキシ基をラジカル重合させるものであれば特に制限されない。熱ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、及びクメンヒドロパーオキサイドのような有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物が挙げられる。具体的には、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、和光純薬製)2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(V−60、和光純薬製)、及び2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59、和光純薬製)等のアゾニトリル化合物;オクタノイルパーオキシド(パーロイルO、日本油脂製)、ラウロイルパーオキシド(パーロイルL、日本油脂製)、ステアロイルパーオキシド(パーロイルS、日本油脂製)、スクシニックアシッドパーオキシド(パーロイルSA、日本油脂製)、ベンゾイルパーオキサイド(ナイパーBW、日本油脂製)、イソブチリルパーオキサイド(パーロイルIB、日本油脂製)、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド(ナイパーCS、日本油脂製)、及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド(パーロイル355、日本油脂製)等のジアシルパーオキサイド類;ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルNPP−50M、日本油脂製)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルIPP−50、日本油脂製)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(パーロイルTCP、日本油脂製)、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート(パーロイルEEP、日本油脂製)、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート(パーロイルOPP、日本油脂製)、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート(パーロイルMBP、日本油脂製)、及びジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート(パーロイルSOP、日本油脂製)等のパーオキシジカーボネート類;t−ブチルヒドロパーオキサイド(パーブチルH−69、日本油脂製)、及び1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド(パーオクタH、日本油脂製)、等のヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド(パーブチルD、日本油脂製)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂製)等のジアルキルパーオキサイド類;α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(ダイパーND、日本油脂製)、クミルパーオキシネオデカノエート(パークミルND、日本油脂製)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(パーオクタND、日本油脂製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート(パーシクロND、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(パーヘキシルND、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(パーブチルND、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(パーヘキシルPV、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシピバレート(パーブチルPV、日本油脂製)、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーオクタO、日本油脂製)2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ250、日本油脂製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーシクロO、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーヘキシルO、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(パーブチルIB、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーヘキシルI、日本油脂製)、及びt−ブチルパーオキシマレイックアシッド(パーブチルMA、日本油脂製)、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(トリゴノックス121、化薬アクゾ製)、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート(カヤエステルAN、化薬アクゾ製)等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これら熱ラジカル重合開始剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0045】
熱ラジカル重合開始剤の含有量は、一般式(1)の環状オルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましい。熱ラジカル重合開始剤の含有量が0.5質量部以上であれば硬化性に優れ、10質量部以下であれば耐熱黄変性に優れる。このような観点から、より好ましくは熱ラジカル重合開始剤の含有量は1質量部以上8質量部以下、最も好ましくは2質量部以上5質量部以下である。
【0046】
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記一般式(1)の環状オルガノシロキサンにシランカップリング剤を配合させることができる。シランカップリング剤は、1つの分子中にガラス、金属、珪石などの無機材料と化学結合する反応基と、合成樹脂などの有機材料と化学結合する反応基又は有機材料と相溶性の良い置換基を有する化合物であれば特に制限されない。無機材料と化学結合する反応基としては、メトキシ基やエトキシ基などが挙げられる。有機材料と化学結合する反応基としては、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタアクリル基、アクリル基、メルカプト基、イソシアネート基などが挙げられ、有機材料と相溶性の良い置換基としてはイソシアヌレート基などが挙げられる。具体的には、ビニルトリメトキシシラン(KBM−1003、信越化学製)、ビニルトリエトキシシラン(KBE−1003、信越化学製)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−402、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE−402、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(KBE−403、信越化学製)、p−スチリルトリメトキシシラン(KBM−1403、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−502、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE−502、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(KBE−503、信越化学製)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学製)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−602、信越化学製)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−603、信越化学製)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学製)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903、信越化学製)、3−トリエトキシシリル3−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン(KBE−9103、信越化学製)、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−573、信越化学製)、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(KBM−575、信越化学製)、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(KBE−585、信越化学製)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−802、信越化学製)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学製)、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE−846、信越化学製)、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(KBE−9007、信越化学製)、トリス−(3− トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(X−12−965、信越化学製)等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらシランカップリング剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
また、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記一般式(1)の環状オルガノシロキサンに、前記環状オルガノポリシロキサンとは異なる構造の(メタ)アクリロキシ基を含有するオルガノポリシロキサンを配合させることができる。前記環状オルガノポリシロキサンとは異なる構造の(メタ)アクリロキシ基を含有するオルガノポリシロキサンとしては、例えば下記一般式(9)又は(10)で示すものが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0048】
【化7】

【0049】
前記環状オルガノポリシロキサンとは異なる構造の(メタ)アクリロキシ基を含有するオルガノポリシロキサンの配合量は、上記一般式(1)の環状オルガノシロキサン100質量部に対して、耐擦傷性、ガスバリア性の観点から0〜2000質量部含有することができる。このような観点から、より好ましくは前記(メタ)アクリロキシ基を含有するオルガノポリシロキサンの配合量は1000質量部以下、最も好ましくは200質量部以下である。
【0050】
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物には、本発明の範囲を逸脱しない量的質的範囲内で、染料、劣化防止剤、離型剤、希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、難燃剤、可塑剤、及び界面活性剤等の添加剤を配合することができる。
【0051】
耐熱性、耐光性、硬度、導電性、熱伝導性、チキソ性、及び低熱膨張性の改良等を目的として、必要に応じて無機酸化物に代表されるフィラーを熱硬化性樹脂組成物が含有してもよい。フィラーとしては、シリカ(ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、及び沈降性シリカ等)、窒化ケイ素、窒化ホウ素、アルミナ、チタニア及びチタン酸バリウム等の無機酸化物又は無機窒化物、ガラス、セラミックス、銀粉、金粉、及び銅粉等が挙げられる。
【0052】
フィラーは表面処理をしているか又はしていない状態で使用することができ、表面処理をしていると、組成物の流動性が高まり、充填率を上げることができ、工業的に好ましい。
【0053】
フィラーの平均粒径は、500ナノメートル以下であると硬化物の透明性が上昇して工業的に好ましく、0.1ナノメートル以上であると樹脂組成物の粘度が低くなり、成形性が良くなる。
【0054】
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、硬化前は液状又は固形であり、加熱によって硬化する。硬化温度は通常100〜250℃である。熱硬化性樹脂組成物の硬化成形方法には特に限定されず、例えば、注型、低圧トランスファ成形、ポッティング、ディッピング、加圧成形、及び射出成形によって成形することができる。熱硬化性樹脂組成物が固形の場合は、プレス機、低圧トランスファ成形機等を用いて加圧下で加熱硬化させて、成形することができる。
【0055】
熱硬化性樹脂組成物が硬化して形成される硬化物は、光半導体装置の封止材として好適に用いられる。熱硬化性樹脂組成物をダイボンディングペーストとして用い、その硬化物をダイボンド材として形成してもよい。熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、チップの周囲を被覆するチップコート材、レンズ材等の光半導体装置用途に好適に使用することができる。この場合、光半導体としては、LEDランプ、チップLED、半導体レーザ、フォトカプラ、及びフォトダイオード等を挙げることができる。
【0056】
光半導体装置は、ハウジング材と、該ハウジング内に設けられたシリコンチップと、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、シリコンチップを封止する封止材とを有する。ハウジング材の材料は特に制限されないが、ポリフタルアミド等の芳香族ポリアミド、66ナイロン等のエニジニアリングプラスチック、セラミック等が挙げられ、ポリフタルアミドの場合、特に高い密着性が発現される。
【0057】
ハウジング材にガラス繊維を含有させると接着強度が高くなり好ましい。ガラス繊維のの含有量は、ハウジング材の質量を基準として、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%である。ガラス繊維の含有量がこれら数値範囲内にあると、本発明の効果がより一層顕著に発揮される。
【0058】
熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、その耐熱黄変性や高い透明性を活かして、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、CDやDVDのピックアップ用レンズ、自動車ヘッドランプ用レンズ、及びプロジェクター用レンズ等のレンズ材料、光ファイバー、光導波路、光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基板、ディスプレイ基板、及び反射防止膜等のコーティング材料等、各種光学部材にも好適に使用される。
【実施例】
【0059】
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例、比較例においては以下の方法により測定及び評価を行った。
【0060】
(1)官能基当量の算出
サンプル30mgに対して、1mlの割合で重水素化クロロホルム溶媒に溶解した溶液を測定試料とした。この測定試料を用いて、日本分光社製α−400でH NMRの測定を積算回数200回にて行い、得られた結果を解析してオルガノポリシロキサン1分子中の平均組成を求めた。
【0061】
サンプル0.15gに対して、1gの割合で重水素化クロロホルム溶媒に溶解し、Cr(acac)をシリコーンに対して8wt%添加した溶液を測定試料とした。この測定試料を用いて、日本分光社製α−400で29Si NMRの測定を積算回数4000回にて行い、得られた結果を解析してオルガノポリシロキサン1分子中の平均組成を求めた。H NMR及び29Si NMRにより得られた結果を解析して、(メタ)アクリロキシ基の官能基当量(官能基1モル当たりの質量)を算出した。
【0062】
(2)耐熱黄変性
厚さ3mmの硬化物を用い、コニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。次に該硬化物をアルミホイルに包み、空気下で150℃、150時間加熱処理を行った。その後、再びコニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。この加熱処理前後におけるYIの変化をΔYIとし、ΔYIが1.0未満を◎、1.0以上3.0未満を○、3.0以上を×と評価した。
【0063】
(3)耐光性
厚さ3mmの硬化物を用い、コニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。次に該硬化物を50℃一定にした恒温乾燥機中にセットし、365nmバンドパスフィルターを備えたUV照射装置(ウシオ電機社製、商品名:SP−7)を用いて、365nmにおける照度4W/cmで100時間照射した。その後、再びコニカミノルタ社製分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。このUV照射前後におけるYIの変化をΔYIとし、ΔYIが1.0未満を◎、1.0以上3.0未満を○、3.0以上を×と評価した。
【0064】
(4)ガスバリア性
厚さ0.2mmの100mm×100mmの硬化物を用い、イリノイ社製、酸素透過率測定装置Model8001にて、温度23℃、乾燥条件化にて酸素透過率を測定した。酸素透過率が500cc/m/day未満を◎、500cc/m/day以上1000cc/m/day未満を○、1000cc/m/day以上を×と評価した。
【0065】
(5)密着性
20mm×20mm×2mmの平板の中央に10mmφ、深さ1mmの窪みが形成されたポリフタルアミド樹脂(ソルベイ社製アモデル4122)の型枠内に、熱硬化性樹脂組成物を注型し、加熱硬化して試験片を得た。得られた試験片をエスペック社製小型冷熱衝撃装置TSE−11で室温〜−40℃(15分)〜120℃(15分)〜室温を1サイクルとして、剥離が発生するまでの回数を目視で観察した。100回サイクル以上剥離が発生しなかったものを◎、50回以上100回未満剥離が発生したものを○、50回未満で剥離が発生したものを×とした。
【0066】
[実施例1]
<メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A1)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、(a)成分として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン40g(SiH:0.7モル)、(b)成分としてアリルメタクリレート(メタクリル酸アリル)130g(1.0モル)及び、トルエン200g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.05g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの質量に対して10ppmとなる量添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、72時間攪拌した。フラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の赤外吸光(FT−IR)による2130cm−1の特性吸収は消失していた。その後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、付加反応生成物であるメタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A1)110gを得た。得られたメタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A1)の官能基当量は186g/molであった。
【0067】
<硬化物の製造と特性評価>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A1)100質量部にtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
【0068】
[実施例2]
<メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、(a)成分として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン25g(SiH:0.4モル)、(b)成分として3−ブテニルメタクリレート(メタクリル酸3−ブテニル)140g(1.0モル)、トルエン200g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.05g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの質量に対して10ppmとなる量を添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、72時間攪拌した。フラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の赤外吸光(FT−IR)による2130cm−1の特性吸収は消失していた。その後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、付加反応生成物であるメタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)124gを得た。得られたメタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)の官能基当量は200g/molであった。
【0069】
<硬化物の製造と特性評価>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)100質量部にtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
【0070】
[実施例3]
<メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A3)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.7Lの3つ口フラスコに、(a)成分として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン40g(SiH:0.7モル)、(b)成分として5−ヘキセニルメタクリレート(メタクリル酸5−ヘキセニル)140g(0.8モル)、トルエン200g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.05g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの質量に対して10ppmとなる量添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、72時間攪拌した。フラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の赤外吸光(FT−IR)による2130cm−1の特性吸収は消失していた。その後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、付加反応生成物であるメタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A3)134gを得た。得られたメタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A3)の官能基当量は228g/molであった。
【0071】
<硬化物の製造と特性評価>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A3)100質量部にtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
【0072】
[実施例4]
<メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)の製造>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)は実施例2と同様の方法で製造した。
【0073】
<硬化物の製造と特性評価>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)100質量部に、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−502、信越化学製)5質量部を混合した。この組成物の官能基等量は191g/molであった。更に、tert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
【0074】
[実施例5]
<メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)の製造>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)は実施例2と同様の方法で製造した。
【0075】
<アクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A4)>
アクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A4)は、(A2)とは異なる構造の下記一般式(11)で示した信越化学工業製アクリロキシ基含有オルガノポリシロキサンを用いた。アクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A4)の官能基当量は920g/molであった。
【0076】
【化8】

【0077】
式中、lは83であり、mは8である。
【0078】
<硬化物の製造と特性評価>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)100質量部に、上記一般式(11)で示したアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A4)2000質量部を混合した。この組成物の官能基等量は885g/molであった。更に、tert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
【0079】
[実施例6]
<メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)の製造>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)は実施例2と同様の方法で製造した。
【0080】
<メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A5)>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A5)は、(A2)とは異なる構造の下記一般式(12)で示した信越化学工業製メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサンを用いた。アクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A5)の官能基当量は893g/molであった。
【0081】
【化9】

【0082】
式中、nは20である。
【0083】
<硬化物の製造と特性評価>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A2)100質量部に、上記一般式(12)で示したメタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A5)200質量部を混合した。この組成物の官能基等量は657g/molであった。更に、tert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
【0084】
[比較例1]
<アクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A4)>
アクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A4)は、(A2)とは異なる構造の上記一般式(11)で示した信越化学工業製アクリロキシ基含有オルガノポリシロキサンを用いた。アクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A4)の官能基当量は920g/molであった。
【0085】
<硬化物の製造と特性評価>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A4)100質量部にtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
【0086】
[比較例2]
<メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A5)>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A5)は、(A2)とは異なる構造の上記一般式(12)で示した信越化学工業製メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサンを用いた。アクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A5)の官能基当量は893g/molであった。
【0087】
<硬化物の製造と特性評価>
メタアクリロキシ基含有オルガノポリシロキサン(A5)100質量部にtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
【0088】
[比較例3]
<エポキシ基含有オルガノポリシロキサン(A6)>
エポキシ基含有オルガノポリシロキサン(A6)は、下記一般式(13)で示した信越化学工業製エポキシ基含有オルガノポリシロキサンを用いた。
【0089】
【化10】

【0090】
<硬化物の製造と特性評価>
エポキシ基含有オルガノポリシロキサン(A6)100質量部にメチルヘキサヒドロ無水フタル酸60.5質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩1質量部を混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物を型枠に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
【0091】
[比較例4]
<硬化性樹脂組成物(A7)>
硬化性樹脂組成物(A7)は、光半導体封止材用硬化性樹脂として市販されている、信越化学製KER−2500を用いた。
<硬化物の製造と特性評価>
市販のKER−2500AとKER−2500Bを100質量部ずつ混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で1時間、更に150℃で5時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
【0092】
[比較例5]
<硬化性樹脂組成物(A8)>
硬化性樹脂組成物(A8)は、光半導体封止材用硬化性樹脂として市販されている、信越化学製ASP−1010を用いた。
【0093】
<硬化物の製造と特性評価>
市販のASP−1010AとASP−1010Bを100質量部ずつ混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物を得た。硬化性組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で1時間、更に150℃で5時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
【0094】
【表1】

【0095】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、透明性、耐熱黄変性、耐光性、ガスバリア性、密着性が高く、強靭な硬化物が得られる。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、光半導体用封止材及びダイボンディング材等の光学部材を形成するために好適に用いられ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】

[式中R1は置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、Rはアクリロキシ基又はメタアクリロキシ基を示し、Xは炭素数3〜10の二価の炭化水素基を示し、aは1以上の整数を示し、bは0以上の整数を示し、a+bは3〜20の整数を示す。)で表される環状オルガノポリシロキサン。
【請求項2】
請求項1記載の環状オルガノポリシロキサン100質量部と、熱ラジカル開始剤0.5〜10質量部とを含有する熱硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
更に、前記環状オルガノポリシロキサン100質量部に対して、シランカップリング剤0.5〜10質量部を含有する、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
更に、前記環状オルガノポリシロキサン100質量部に対して、前記環状オルガノポリシロキサンとは異なる構造の(メタ)アクリロキシ基を含有するオルガノポリシロキサン0〜2000質量部を含有する、請求項2又は3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
(メタ)アクリロキシ基の官能基等量が180〜900g/モルである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記R1が炭素数1〜10のアルキル基である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
前記R1がメチル基である、請求項2〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む光半導体用封止材。
【請求項9】
請求項2〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む光半導体用ダイボンド材。
【請求項10】
請求項8に記載の光半導体用封止材を成形したことを特徴とする光半導体パッケージ。
【請求項11】
請求項8に記載の光半導体用封止材を用いて製造された光半導体。

【公開番号】特開2012−211235(P2012−211235A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77011(P2011−77011)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】