説明

オレガノ抽出物のα−グルコシダーゼ阻害剤およびその利用

【課題】 生体内において優れたα−グルコシダーゼ阻害作用を有すると共に、食後における血糖値の上昇を十分に抑制する天然由来物質について、食事等による高血糖症、糖尿病等の生活習慣病、そして肥満や過食など生活習慣病のリスクを高める要因に対し有用な成分とその利用方法を提供すること。
【解決手段】 下記化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体、又は該誘導体を含むシソ科植物オレガノの抽出物を含有することを特徴とするα−グルコシダーゼ阻害剤及び食後血糖値上昇抑制剤;該α−グルコシダーゼ阻害剤及び食後血糖値上昇抑制剤を含有することを特徴とする医薬品または医薬部外品、並びに食品または飲料。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α−グルコシダーゼ阻害作用、食後血糖値上昇抑制作用を有するジヒドロキシベンゾエート誘導体、又は該誘導体を含むシソ科植物オレガノの抽出物とその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の発症は生活習慣と密接に関係しており、原因の一つとして、肥満や過食による高血糖症が挙げられている。また、肥満は、糖尿病以外に虚血性心疾患、高血圧、高脂血症等多くの疾患の一因をなしている。
現在、糖尿病や肥満の予防あるいは解消法の一つとして、糖類の分解酵素であり腸管上皮に存在するα−グルコシダーゼの活性を阻害し、腸管からのグルコース吸収を減ずる方法が用いられている。
【0003】
代表的なα−グルコシターゼ阻害剤として、これまでのところ、デオキシノジリマイシンやアカルボース、ボグリボースが知られている。これらのα−グルコシダーゼ阻害剤は、食後における血糖値の上昇を抑制するが、微量で高い阻害活性を示すため、その投与量や使用方法について医師の処方のもと厳密な取扱が要求される。また、腹部膨満、放屁の増加、軟便、下痢などの副作用を引き起こすことが多く、安全性の面で問題が残されている。特に、デオキシノジリマイシンは、低濃度であっても速やかに高いα−グルコシダーゼ阻害効果を発揮するが、副作用の問題が指摘されている。
このようなことから、従来のα−グルコシダーゼ阻害剤が抱える問題点を改善・改良した、α−グルコシダーゼ阻害活性が高く、食後の血糖値の上昇を十分に抑制することはもちろん、より安全性が高く、医薬品や医薬部外品の他、食品や飲料に含ませて気軽に摂取できる有効成分の開発が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、生体内において優れたα−グルコシダーゼ阻害作用を有すると共に、食後における血糖値の上昇を十分に抑制する天然由来物質について、食事等による高血糖症、糖尿病等の生活習慣病、そして肥満や過食など生活習慣病のリスクを高める要因に対し有用な成分とその利用方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上述の目的を達成するために検討を重ね、その過程で、植物の抽出物をはじめとする種々の天然由来物質のα−グルコシダーゼ阻害作用を調べ、その過程で古くからスパイスの原料として用いられていたオレガノに着目した。
その結果、特定の化合物、すなわちジヒドロキシベンゾエート誘導体を含むオレガノの抽出物が、α−グルコシダーゼの酵素活性に対し高い阻害活性を有し、食後における血糖値の上昇を抑制することを、酵素活性の測定、腸管反転法による試験、糖負荷試験、及び糖尿病モデルラットを用いた試験により明らかになった。
オレガノに含まれるジヒドロキシベンゾエート誘導体については、その構造が既に本発明者らの一人により特定され、生体抗酸化作用を有することが解明されている(特願2003−050508明細書参照)。また、脂質代謝の改善作用を有することも解明されている(特願2003−384534明細書参照)。しかしながら、α−グルコシダーゼへの影響については、これまで全く知られていなかった。
【0006】
請求項1記載の発明は、下記化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体、又は該誘導体を含むシソ科植物オレガノの抽出物を含有することを特徴とするα−グルコシダーゼ阻害剤である。
【0007】
【化1】


請求項2記載の本発明は、上記化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体、又は該誘導体を含むシソ科植物オレガノの抽出物を含有することを特徴とする食後血糖値上昇抑制剤である。
【0008】
請求項3記載の本発明は、請求項1記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有することを特徴とする医薬品または医薬部外品である。
請求項4記載の本発明は、請求項2記載の食後血糖値上昇抑制剤を含有することを特徴とする医薬品または医薬部外品である。
【0009】
請求項5記載の本発明は、請求項1記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有することを特徴とする食品または飲料である。
請求項6記載の本発明は、請求項2記載の食後血糖値上昇抑制剤を含有することを特徴とする食品または飲料である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、α−グルコシダーゼの糖分解活性を顕著に阻害するα−グルコシダーゼ阻害剤が提供されると共に、食後の血糖値上昇を明確に阻害する食後血糖値上昇抑制剤が提供され、これらは、高血糖症、糖尿病等の生活習慣病、あるいは肥満症、過食症などの生活習慣病のリスクを高める要因の予防あるいは治療に有用である。
また、本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤及び食後血糖値上昇抑制剤は、従来から香辛料として利用されてきた天然物であるオレガノの抽出物を有効成分とするので、上述の疾病やこれに伴う症状の改善効果を有し、かつ安全、かつ安心して摂取可能な医薬品、医薬部外品、食品、飲料などとして提供することができる。特に、このような食品等は、糖尿病予備軍を含む糖尿病等の生活習慣病の患者の他、血糖値上昇が気になる人やカロリー制限を強要される人にも有用である。
従って、本発明により、生活習慣病の予防や国民の健康の維持・増進により国民生活の向上に資することが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、前記化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体、又は該誘導体を含むシソ科植物オレガノの抽出物を、α−グルコシダーゼ阻害剤や食後血糖値上昇抑制剤の有効成分とする点で共通する。
【0012】
ここで、化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体とは、前記化学構造式(A)で表されるものであり、正式名は、4’−β−D−グルコピラノシルオキシ−3’−ヒドロキシフェニルメチル−3,4−ジヒドロキシベンゾエート(4’−β−D−glucopyranosyloxy−3’−hydroxyphenylmethyl−3,4−dihydroxybenzoate)である。該誘導体は、後述の実施例から明らかなように、α−グルコシダーゼの糖分解活性を阻害し、食後の血糖値上昇を明確に阻害する効果を発揮する。
【0013】
化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体の製造方法については、限定されず、天然の植物(例えば、ハーブ類)、微生物、動物から抽出されるものであっても良いし、合成されたものであっても良い。
特に、上記誘導体は、シソ科植物の一つであるオレガノに豊富に含まれていることから、オレガノから抽出精製されることが好ましい。
ここで、オレガノとは、先述したとおり、シソ科に属する植物であり、従来から香辛料として用いられて来たものであり、オレガノ(Origanum vulgare L.)の他、グリークオレガノ、シリアンオレガノ、ゴールデンオレガノ等のオレガノ品種、更に、これらのオレガノ品種と他品種との交配種などの品種の全てを含むほか、その近縁種をも含むものである。
上記誘導体はオレガノの植物体の全体に含まれているが、中でも地上部、すなわち葉、花、茎、芽などに豊富である。特に、葉には比較的大量に含有されており、具体的には、葉1g中、約3.8mg程度含まれている。したがって、安全性、副作用の心配を考慮すると共に、取り扱いの平易さや経済的効率といった工業的利用の面からは、天然の植物であるオレガノの地上部、中でも葉部を材料として得ることが好ましい。
【0014】
本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤や食後血糖値上昇抑制剤の有効成分としては、化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体を必ずしも純品として用いる必要はなく、上記誘導体を、純品ではなく使用目的や使用濃度を考慮した適当な純度で、一般には0.1〜90%程度、好ましくは10〜80%で含むオレガノ抽出物も使用することができる。
オレガノの地上部から上記ジヒドロキシベンゾエート誘導体、及び該誘導体を含むオレガノの抽出物を製造するには、所望の使用目的や使用濃度に応じて適宜定めることができる。
【0015】
オレガノの地上部から、化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体、及び/又は該誘導体を含むオレガノの抽出物を製造する方法の一例を、以下に示す。
まず、オレガノの地上部から水または含水有機溶媒で抽出する。
この場合、材料となるオレガノの地上部としては、先述の通り葉、花、茎、芽などが例示されるが、中でも該誘導体を豊富に含むこと、及び乾燥による粉末化等の加工を施し、抽出を容易にすることができることから、葉の使用(例えば、乾燥葉)が適している。
また、含水有機溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノール、ブタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどの有機溶媒の含水物(例えば、含水メタノール溶液)を用いることができる。
抽出後、抽出液と残渣を濾紙やガラスフィルターなどを用いて分離し、所望により減圧下濃縮し、オレガノ抽出物(濃宿液)を得る。
【0016】
この操作により得られるオレガノ抽出物(濃縮液)は、目的とするジヒドロキシベンゾエート誘導体を0.1〜30%程度、好ましくは0.1〜10%含有しており、本発明のオレガノ抽出物として利用することができる。尚、ジヒドロキシベンゾエート誘導体の存在の確認方法としては、既に知られている該誘導体の抗酸化活性を指標として行うことができる。
ここで、抗酸化活性の測定は、一般的な方法で行うことができるが、例えば、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルの消去能を指標にした方法(Yamaguchi,T.,Takamura,H.,Matoba,T.,and Terao,J.,HPLC method for evaluation of the free−radical scavenging activity of foods by using 1,1−diphenyl−2−picrylhydrazyl.Biosci.Biotechnol.Biochem.,62,1201−1204(1998))で行うことができる。
【0017】
使用目的や使用濃度によっては、さらに純度の高い精製された化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体、や該誘導体を含むオレガノの抽出物を得ることもできる。この場合、上述の抽出操作に続けて各種カラムを用いた吸着クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーなどの各種クロマトグラフィーを単独で、または組み合わせて精製することもできる。
具体的には例えば、上述の抽出操作を第一段階として、所望の純度に応じて以下の工程を続けて行うことにより、各工程を経るごとに純度の高い抽出物を得ることができ、最終的には前記ジヒドロキシベンゾエート誘導体を得ることができる。
すなわち、第二段階としては、上述の第一段階で得られたオレガノ抽出物(濃縮液)を、活性炭やダイヤイオンHP−20(三菱化学株式会社)などを担体に用いた吸着カラムクロマトグラフィーに供する。吸着物質を含水有機溶剤(例えば、含水エタノール溶液)を用いて溶出し、上記例示した抗酸化活性を指標とする方法などにより、活性の高い溶出分画を得る。
【0018】
第三段階として、第二段階で得られる溶出分画を、例えば、Sephadex LH-20(Amersham Biosciences社)などのカラムを用いたゲル濾過クロマトグラフィーに供して、含水有機溶媒(例えば、含水エタノール溶液)を用いて溶出し、抗酸化活性を指標として、活性の高い分画を得る。尚、抗酸化活性の測定については、上述したのと同様の方法を用いることができる。
【0019】
第四段階として、第二段階で得られる溶出分画を、逆相系中圧液体カラムクロマトグラフィーに供する。カラムは、例えば、Lobar LiChroprep RP-18(Merck社)などを使用することができる。含水有機溶媒(例えば、エタノール:水:酢酸混液)を用いて溶出し、抗酸化活性を指標として、活性の高い分画を得る。
【0020】
さらに、第五段階として、第四段階で得られる溶出分画を濃縮し、逆相高圧液体カラムクロマトグラフィーに供する。カラムは、例えば、Inertsil ODS カラム(GL Science社)などを使用することができる。移動層として含水有機溶媒(例えば、エタノール:水:酢酸混液)を用いて溶出し、抗酸化活性を指標として、活性の高い溶出区を得る。
【0021】
第五段階終了後、得られる溶出分画を所望により濃縮すると、純度の高い、高度に精製された白色粉末状のジヒドロキシベンゾエート誘導体を得ることができる。
なお、所望の純度のオレガノ抽出物が得られたなどの理由で第二、第三、第四および第五段階のいずれかで抽出を終了する場合も、各段階で得られる溶出分画を所望により濃縮して、オレガノ抽出物を得ることができる。また、所望により、任意の純度のものを凍結乾燥などにより粉末化して用いることもできる。
すなわち、使用目的などに応じて、所望の純度の濃縮液として用いられる他、凍結乾燥により粉末化して使用することができる。
【0022】
このようにして製造されるジヒドロキシベンゾエート誘導体、及び該誘導体を含むオレガノの抽出物は、α−グルコシダーゼの糖分解活性を顕著に阻害すると共に、食後の血糖値上昇を明確に阻害することから、α−グルコシダーゼ阻害剤、および食後血糖値上昇抑制剤として有用である。このようなα−グルコシダーゼ阻害剤、および食後血糖値上昇抑制剤を提供するのが、請求項1および請求項2に係る本発明である。
すなわち、請求項1に係る本発明は、化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体、又は該誘導体を含むシソ科植物オレガノの抽出物を含有することを特徴とするα−グルコシダーゼ阻害剤を提供するものであり、請求項2に係る本発明は、上記誘導体、又は該誘導体を含むシソ科植物オレガノの抽出物を含有することを特徴とする食後血糖値上昇抑制剤を提供するものである。
【0023】
請求項1に係る本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤は、ジヒドロキシベンゾエート誘導体を含有する場合、該誘導体の含有量は0.1〜100%とすることができる。また、上記オレガノの抽出物の含有量も、該誘導体の含有量が0.1〜100%となるように調整することができる。
また、請求項2に係る本発明の食後血糖値上昇抑制剤は、ジヒドロキシベンゾエート誘導体を含有する場合、該誘導体の含有量は0.1〜100%とすることができる。また、上記オレガノの抽出物の含有量も、該誘導体の含有量が0.1〜100%となるように調整することができる。
【0024】
このような本発明に係るα−グルコシダーゼ阻害剤および食後血糖値上昇抑制剤は、α−グルコシダーゼの糖分解活性を阻害し、食事等による血糖値の急激な上昇を抑えるので、過剰な糖分の摂取制御が期待される。したがって、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防又は治療用の医薬品や医薬部外品の成分として有用であり、これらを提供するのが請求項3および請求項4に係る本発明である。
すなわち、請求項3に係る本発明は、請求項1記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有することを特徴とする医薬品または医薬部外品を提供するものであり、請求項4に係る本発明は、請求項2記載の食後血糖値上昇抑制剤を含有することを特徴とする医薬品または医薬部外品を提供するものである。
請求項3に係る本発明において、請求項1に係る本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤の含有量は、使用目的や抽出の程度によって異なるが、天然物に由来する成分であるため、副作用の心配はなく、厳しく定める必要はない。
また、請求項4に係る本発明において、請求項2に係る本発明の食後血糖値上昇抑制剤の含有量も、上記請求項3に係る本発明の場合と同様の理由から、厳しく定める必要はない。
【0025】
請求項3および4に係る本発明の医薬品または医薬部外品は、経口的に投与されるものとすることができる。オレガノの抽出物を、医薬用担体と共に製剤化し、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ、液剤、顆粒剤、散剤等の形態で用いることができる。その場合には、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、懸濁化剤、安定化剤、着色料、甘味剤等の常用成分を適宜添加することができる。
【0026】
請求項3及び4に係る本発明の医薬品及び医薬部外品において、十分なα−グルコシダーゼ阻害効果、及び食後血糖値上昇抑制効果を得るための摂取量としては、例えば、オレガノの抽出物として1回当たり1〜500mg/kg体重、好ましくは5〜300mg/kg体重を適当量の水と同時に摂取できる量とすることが好ましい。
また、他の組成物中に添加する量としては、上記摂取量を考慮して適宜決定することができる。
【0027】
また、本発明に係るα−グルコシダーゼ阻害剤および食後血糖値上昇抑制剤は、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防又は治療、或いは生活習慣病のリスクを高める肥満や過食といった生活習慣病のリスクを低下させる機能性、或いは特定保健用食品や飲料等の成分としても有用であり、これらを提供するのが請求項5および請求項6に係る本発明である。
すなわち、請求項5に係る本発明は、請求項1記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有することを特徴とする食品または飲料を提供するものであり、請求項6に係る本発明は、請求項2記載の食後血糖値上昇抑制剤を含有することを特徴とする食品または飲料を提供するものである。
【0028】
請求項5および請求項6に係る本発明においては、オレガノの抽出物を、ハム・ソーセージ・かまぼこなどの水産・畜産加工食品、加工乳や発酵乳などの乳製品、パン類、麺類、菓子・スナック類等の食品;清涼飲料、炭酸飲料、乳酸飲料、栄養飲料、茶飲料などの飲料;ゼリー状食品その他種々の形態の一般食品(飲料)、健康・栄養補助食品(飲料)、保険機能食品(飲料)等の原料に添加して利用することができる。これらの食品または飲料を製造するに当たり通常用いられる補助的な原料や添加物を利用することができる。また、利用目的に合わせて、食物繊維や、抗酸化剤としてビタミンCなどを含有しても良い。
また、オレガノの抽出物は水溶性であることから、オレガノの植物体としてのオレガノ乾燥葉を熱水抽出していわゆるお茶などの形態とし、これを他のお茶(ハーブ茶など)とブレンドして飲料とすることもできる。
【0029】
請求項5及び6にかかる本発明の食品及び飲料において、十分なα−グルコシダーゼ阻害効果及び食後血糖値上昇抑制効果を得るための摂取量としては、例えば、オレガノの抽出物として1回当たり1〜500mg/kg体重、好ましくは5〜300mg/kg体重を適当量の水と同時に摂取できる量とすることが好ましい。
また、他の組成物中に添加する量としては、上記摂取量を考慮して適宜決定することができる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に示す。ただし、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0031】
製造例〔ジヒドロキシベンゾエート誘導体を含むオレガノ抽出物の分離〕
オレガノ乾燥葉(100g)を、含水メタノール溶液(メタノール:水=8:2)を用いて抽出した。抽出液は濾紙を用いて濾過し、濾液を減圧下、濃縮した。得られた濃緑色シラップを、有機溶媒(酢酸エチル)可溶部と水可溶部とに分配した。
有機溶媒(酢酸エチル)可溶部と水可溶部のそれぞれについて、抗酸化活性を調べた。すなわち、所定の濃度の1,1−diphenyl−2−picrylhydrazyl(DPPH)ラジカルエタノール溶液に各可溶部を加え、吸光度を測定することで、20分後の溶液の脱色の度合いを評価した。脱色能が高い画分に抗酸化物質が含まれていると判断した。なお、以下の工程における抗酸化活性の測定も、同様の方法で行った。
測定の結果、両可溶部に抗酸化活性が観察されたが、水可溶部において、より強い抗酸化活性が観察された。
【0032】
そこで、強い抗酸化活性が観察された水可溶部について再び精査した。
すなわち、水可溶部を濃縮して80%エタノール溶液になるように調製し、−25℃の条件で静置した。この工程により沈殿が生じたので、濾紙を用いて沈殿を除去し、得られた濾液を濃縮した。
濃縮後、得られたシラップを、ダイヤイオンHP−20(三菱化学株式会社)を担体に用いたカラムクロマトグラフィーに供した。水および含水メタノール溶液(メタノール:水=7:3)を用いて溶出した。活性の確認された溶出区を濃縮し、シラップを凍結乾燥してジヒドロキシベンゾエート誘導体を約10%含むオレガノ抽出物(粉体)3.98gを得た。
【0033】
実施例1〔オレガノ抽出物におけるα−グルコシダーゼ活性に対する阻害効果〕
上記製造例で得られたジヒドロキシベンゾエート誘導体を含むオレガノ抽出物の消化酵素α−グルコシダーゼ活性に対する阻害作用を、酵素活性測定により評価した。
すなわち、まず、シュクロース(最終濃度50mM)を含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)に、最終濃度が1〜1000μg/mlとなるように試料(製造例1で得られたオレガノ抽出物(粉体)をリン酸緩衝液で100mg/mlに調整したもの)を添加し、37℃で5分間予備加温した。その後、α−グルコシダーゼ(和光純薬工業)を最終濃度1μg/mlとなるように添加し、撹拌後、37℃で20分間の酵素反応を行った。酵素反応終了後、氷中にて高濃度のデオキシノジリマイシン(α−グルコシダーゼ阻害剤,和光純薬工業)を添加して反応を停止し、生成されたグルコースの量を、グルコースオキシダーゼ法に基づくグルコースCテストワコーキット(和光純薬工業)を用いて定量した。
一方、対照コントロールとして、オレガノ抽出物を添加しなかったほかは上記と同様にして、生成されたグルコースの量を定量した。
【0034】
次に、対照コントロール(オレガノ抽出物無添加)における生成グルコース量に対する、オレガノ抽出物における生成グルコース量の割合を百分率で算出し、α−グルコシダーゼのシュクロース分解活性に対する抑制率とした。
10μg/ml,100μg/ml,200μg/ml,500μg/ml,800μg/ml,1000μg/mlの各濃度のオレガノ抽出物によるα−グルコシダーゼのシュクロース分解活性の抑制率を、図1に示す。
図1において明らかなように、オレガノ抽出物は、10〜1000μg/mlの間の濃度で濃度に依存してα−グルコシダーゼ活性の阻害作用を示していた。尚、IC50(50%抑制する濃度)は308.7μg/mlであった。
このことから、ジヒドロキシベンゾエート誘導体を含むオレガノ抽出物は、α−グルコシダーゼの活性に対し有意な阻害作用を有することが明らかとなった。
【0035】
実施例2〔オレガノ抽出物における腸管からのグルコース吸収に対する抑制作用〕
上記製造例で得られたオレガノ抽出物の腸管からのグルコース吸収に対する作用を、反転腸管法により評価した。
動物としては、ddY系雄性マウス(SPF,約30g)を使用した。エーテル麻酔下において小腸をすばやく摘出して、冷却したKRB(Krebs−ringer bicarbonate solution)中で反転腸管を作製した。すなわち、トライツ靭帯から下部の小腸をKRB中にて約2cm断片とし、一方の断端を縫合糸で結紮した後、腸管を反転(粘膜側と漿膜側を反転)し、腸管内に10mMグルコースを含むKRBを満たして、袋状の反転腸管を作製した。
【0036】
次に、製造例で得られたオレガノ抽出物(最終濃度0.01〜10mg/ml)を含むKRB液中に浸漬し、37℃で10分間の前処置の後、マルトース(最終濃度5mM)、シュクロース(最終濃度10mM)、あるいはグルコース(最終濃度10mM)を腸管外液に添加して、37℃で1時間の反応を行った。
反応終了後、反転腸管外液(粘膜側)および反転腸管内液(漿膜側)のグルコース濃度を、グルコースCテストワコー(和光純薬工業)を用いて実施例1と同様に測定し、腸管外液におけるグルコース濃度の確認を行うと共に、腸管内におけるグルコース濃度を算出した。なお、実験中は、混合ガス(95%酸素および5%二酸化炭素含有)を通気しながら行った。
一方、対照コントロールとして、オレガノ抽出物を添加しなかったほかは上記と同様にして生成されたグルコースの量を定量した。
図2に腸管外液に、対照コントロール(オレガノ抽出物無添加(None))、並びに、0.1mg/ml,1mg/ml,10mg/mlの各濃度のオレガノ抽出物と共にマルトースを添加した場合の腸管内グルコース濃度(mg/dl)を示す。尚、図2中の白カラムは反応前の腸管内グルコース濃度を、黒カラムは反応後の腸管内グルコース濃度を表す。
【0037】
図2から明らかなように、腸管外液にマルトース(5mM)を添加して1時間の反応を行うと、対照コントロール(オレガノ抽出物無添加)においては、腸管内グルコース濃度が約150mg/dlから250mg/dlへ上昇したことから、能動輸送による顕著なグルコース濃度の上昇が認められた。
これに対し、オレガノ抽出物は、0.1〜10mg/mlの濃度で濃度に依存して腸管内グルコース濃度の上昇を有意に抑制したことから、オレガノ抽出物は、マルトース処理後の腸管において、グルコース吸収を抑制する作用があることが明らかとなった。
【0038】
続いて、図3に対照コントロール(オレガノ抽出物無添加(None))、並びに、0.1mg/ml,0.1mg/ml,1mg/mlの各濃度のオレガノ抽出物と共にシュクロースを添加した場合の腸管内グルコース濃度(mg/dl)を示す。尚、図3中の白カラムは反応前の腸管内グルコース濃度を、黒カラムは反応後の腸管内グルコース濃度を表す。
図3から明らかなように、腸管外液にシュクロース(10mM)を添加して1時間の反応を行うと、対照(オレガノ抽出物無添加)においては、腸管内グルコース濃度が約170mg/dlから約230mg/dlへ上昇したことから、能動輸送による顕著なグルコース濃度の上昇が認められた。
これに対し、オレガノ抽出物は、0.1mg/mlおよび1mg/mlの濃度で腸管内グルコース濃度の上昇を有意に抑制したことから、オレガノ抽出物は、シュクロース処理後の腸管において、グルコース吸収を抑制する作用があることが明らかとなった。
【0039】
更に、図4に対照コントロール(オレガノ抽出物無添加(None))、並びに、0.01mg/ml,0.1mg/ml,1mg/mlの各濃度のオレガノ抽出物と共にグルコースを添加した場合の腸管内グルコース濃度(mg/dl)を示す。尚、図4中の白カラムは反応前の腸管内グルコース濃度を、黒カラムは反応後のグルコース濃度を示す。
図4から明らかなように、腸管外液にグルコース(10mM)を添加して1時間の反応を行っても、腸管内グルコース濃度上昇に対する抑制効果は認められなかったことから、オレガノ抽出物は、グルコース処理後の腸管においては、グルコース吸収に対し何ら影響しないことが明らかとなった。
【0040】
これらの結果から、オレガノ抽出物は、マルトースあるいはシュクロースから単糖であるグルコースへの分解を抑制(α−グルコシダーゼ阻害作用)し、腸管内のグルコース濃度の上昇を顕著に抑制することが明らかとなった。
【0041】
実施例3〔オレガノ抽出物の食後血糖値上昇抑制作用、糖負荷試験〕
本発明で用いるオレガノ抽出物の食後血糖値上昇抑制効果を、糖負荷試験(シュクロース負荷試験及びマルトース負荷試験)により評価した。
【0042】
シュクロース負荷試験は、被検動物としてddY系雄性マウス(SPF,5週齢)を使用し、24時間の絶食後、尾静脈採血による空腹時血糖値を測定した。
その後、オレガノ抽出物(30および100mg/kg)を強制経口投与し、10分後にシュクロース(1g/kg)を同様に強制経口投与した。投与の30、60、90、120分後に尾静脈採血を行って血糖値を測定した。なお、血糖値はメディセーフ血糖測定システム(テルモ製)を用いて測定した。
一方、対照コントロールとして、オレガノ抽出物を添加しなかったほかは上記と同様にして血糖値を測定した。
シュクロース負荷試験における血糖値の経時的変化を図5に示す。
【0043】
図5に示すように、シュクロースの負荷により、対照コントロールにおいては投与30分後をピークとする顕著な血糖値上昇が認められた。
これに対し、オレガノ抽出物は、100mg/kg投与群において、投与の30分後の血糖値上昇を有意に抑制したことから、オレガノ抽出物は、シュクロース強制投与マウスの血糖値上昇に対し抑制効果を示すことが明らかとなった。
【0044】
一方、マルトース負荷試験は、被検動物としてddY系雄性マウス(SPF,5週齢)を使用し、24時間の絶食後、尾静脈採血による空腹時血糖値を測定した。
その後、オレガノ抽出物(30および100mg/kg)を強制経口投与し、10分後にマルトース(0.5g/kg)を同様に経口投与した。投与の30、60、90、120分後に尾静脈採血を行って血糖値を測定した。なお、血糖値はメディセーフ血糖測定システム(テルモ製)を用いて測定した。
【0045】
一方、対照コントロールとして、オレガノ抽出物を添加しなかったほかは上記と同様にして血糖値を測定した。
マルトース負荷試験における血糖値の経時的変化を図6に示す。
図6に示すように、マルトースの負荷により、対照コントロールにおいては投与30分後をピークとする顕著な血糖値上昇が認められた。
これに対し、オレガノ抽出物は、100mg/kg投与群において投与の60分後の血糖値上昇を有意に抑制したことから、オレガノ抽出物は、マルトース強制投与マウスの血糖値上昇に対し抑制効果を示すことが明らかとなった。
【0046】
これらの結果から、オレガノ抽出物は、糖負荷による急激な血糖値の上昇を抑制する効果を有し、糖尿病や糖尿病予備軍あるいは肥満に悩む人など、食後血糖値の上昇が気になる人にとって有用であることが示唆された。
【0047】
実施例4〔オレガノ抽出物による糖尿病誘発モデルマウスの血糖値上昇抑制試験〕
製造例で得られたオレガノ抽出物による血糖値上昇抑制効果について、糖尿病誘発剤投与によるモデルマウスを用いて評価した。
【0048】
糖尿病誘発モデルマウスは、供試動物としてddY系雄性マウス(SPF,6週齢)を使用し、一週間の予備飼育の後、糖尿病誘発剤としてstreptozotosin(STZ、100mg/kg)を腹腔内投与して作製した。オレガノ抽出物投与群には、オレガノ抽出物(100mg/kg)を1日1回、試験中毎日、強制経口投与した。また、オレガノ抽出物(最終濃度が0.5mg/ml)を含む0.5Mのシュクロース水溶液を自由摂取させた。
対照コントロール群およびSTZ投与群には、水(0.5ml/100g体重あたり)を同様に経口投与し、給水は0.5Mのシュクロース水溶液を自由摂取させた。
各群について、試験開始前(0W)、投与1週後(1W)および2週後(2W)にマウスの尾静脈から採血を行い、血糖値を測定した。尚、血糖値は、メディセーフ血糖測定システム(テルモ製)を用いて測定した
【0049】
各群のSTZ誘発糖尿病モデルマウスの血糖値の経時的変化を図7に示す。
図7から明らかなように、STZ投与による糖尿病モデルマウスにおいて、オレガノ抽出物投与群及びSTZ投与群においては、STZ投与1週間後から血糖値の上昇傾向が認められ、2週間後には約400mg/dlの顕著な血糖値上昇を示した。
しかし、STZ投与群では、STZ投与2週間後における血糖値が顕著に上昇したのに対し、オレガノ抽出物投与群では、STZ投与に誘発される糖尿病症状が顕著に抑えられ、STZ投与2週間後における血糖値も有意に抑制されていた。
【0050】
一方、STZ誘発糖尿病モデルマウスにおける試験開始前に対する2週間後の血糖値の上昇率を、図8に示す。尚、図8中の*は、有意差の存在を示す。
図8から明らかなように、STZ投与による糖尿病モデルマウスにおいて、オレガノ抽出物投与群は、STZ群と比較して血糖値の上昇率を有意に抑制し、抗糖尿病効果を示すことが明らかとなった。
このことから、ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病モデルマウスにおいて、オレガノ抽出物は血糖値上昇抑制効果を有することが明らかとなった。
【0051】
上記実施例の結果をまとめると、以下のとおりである。
まず、実施例1の結果から明らかなように、ジヒドロキシベンゾエート誘導体を含むオレガノ抽出物は、糖分解酵素であるα−グルコシダーゼのショ糖(シュクロース)分解活性を有意に阻害する。
次に、実施例2の結果から明らかなように、ジヒドロキシベンゾエート誘導体を含むオレガノ抽出物は、腸管からのブドウ糖(グルコース)の吸収について、二糖類である麦芽糖(マルトース)及びショ糖(シュクロース)の分解をそれぞれ有意に阻害する作用を有する。
さらに、実施例3の結果から明らかなように、ジヒドロキシベンゾエート誘導体を含むオレガノ抽出物は、上記二糖類による糖負荷における急激な血糖値上昇を有意に阻害する作用をも有する。
さらにまた、実施例4の結果から、ジヒドロキシベンゾエート誘導体を含むオレガノ抽出物は、糖尿病誘発モデルマウスの血糖値上昇をも有意に抑制する。
以上の実施例の結果から、ジヒドロキシベンゾエート誘導体を含むオレガノ抽出物は、本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤及び食後血糖値上昇抑制剤の有効成分として有用であることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明により、α−グルコシダーゼの糖分解活性を顕著に阻害するα−グルコシダーゼ阻害剤が提供されると共に、食後の血糖値上昇を明確に阻害する食後血糖値上昇抑制剤が提供され、これらは、高血糖症、糖尿病等の生活習慣病、あるいは肥満症、過食症などの生活習慣病のリスクを高める要因の予防あるいは治療に有用である。
また、本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤及び食後血糖値上昇抑制剤は、従来から香辛料として利用されてきた天然物であるオレガノの抽出物を有効成分とするので、上述の疾病やこれに伴う症状の改善効果を有し、かつ安全、かつ安心して摂取可能な医薬品、医薬部外品、食品、飲料などとして提供することができる。特に、このような食品等は、糖尿病予備軍を含む糖尿病等の生活習慣病の患者の他、血糖値上昇が気になる人やカロリー制限を強要される人にも有用である。
従って、本発明により、生活習慣病の予防や国民の健康の維持・増進により国民生活の向上に資することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】オレガノ抽出物によるα−グルコシダーゼのシュクロース分解活性の抑制率を示す図である。
【図2】腸管外液にマルトースを添加した場合の腸管内グルコース濃度を示す図である。
【図3】腸管外液にシュクロースを添加した場合の腸管内グルコース濃度を示す図である。
【図4】腸管外液にグルコースを添加した場合の腸管内グルコース濃度を示す図である。
【図5】シュクロース負荷試験における血糖値の経時的変化を示す図である。
【図6】マルトース負荷試験における血糖値の経時的変化を示す図である。
【図7】STZ誘発糖尿病モデルマウスの血糖値の経時的変化を示す図である。
【図8】STZ誘発糖尿病モデルマウスにおける血糖値の上昇率を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
図2〜図4中、白カラムは反応前の腸管内グルコース濃度を、黒カラムは反応後の腸管内グルコース濃度を示す。
図8中の*は、有意差を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体、又は該誘導体を含むシソ科植物オレガノの抽出物を含有することを特徴とするα−グルコシダーゼ阻害剤。
【化1】

【請求項2】
下記化学構造式(A)で表されるジヒドロキシベンゾエート誘導体、又は該誘導体を含むシソ科植物オレガノの抽出物を含有することを特徴とする食後血糖値上昇抑制剤。
【化2】

【請求項3】
請求項1記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有することを特徴とする医薬品または医薬部外品。
【請求項4】
請求項2記載の食後血糖値上昇抑制剤を含有することを特徴とする医薬品または医薬部外品。
【請求項5】
請求項1記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有することを特徴とする食品または飲料。
【請求項6】
請求項2記載の食後血糖値上昇抑制剤を含有することを特徴とする食品または飲料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−8555(P2006−8555A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185958(P2004−185958)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】