説明

オレキシンレセプターアンタゴニストとしての置換ジアゼパン化合物

【課題】オレキシンレセプターのアンタゴニストであり、かつ、オレキシンレセプターが関与する神経及び精神の障害及び疾患の治療又は予防に使われる置換ジアゼパン化合物の提供。
【解決手段】下式(I)


で示される置換ジアゼパン化合物を含む医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
オレキシン(ヒポクレチン)は、視床下部において産生される2つのニューロペプチド:オレキシンA(OX−A)(33アミノ酸ペプチド)及びオレキシンB(OX−B)(28アミノ酸ペプチド)を含む(Sakurai T.et al.,Cell,1998,92,573−585)。オレキシンは、ラットにおいて食餌消費を刺激することが見出されており、食餌行動を調節する中枢フィードバック機構におけるメディエーターとしてのこれらのペプチドの生理学的役割を示唆している(Sakurai T.et al.,Cell,1998,92,573−585)。オレキシンは睡眠及び覚醒状態を調節し、ナルコレプシー又は不眠症の患者のための潜在的な新規治療手段への道を開く(Chemelli R.M.et al.,Cell,1999,98,437−451)。オレキシンは、覚醒、報酬、学習及び記憶において役割を果たすことも示されている(Harris,et al.,Trends Neurosci.,2006,29(10),571−577)。2つのオレキシンレセプターは、哺乳動物でクローン及び特徴決定されている。これらは、Gタンパク質共役型レセプターのスーパーファミリーに属し(Sakurai T.et al.,Cell,1998,92,573−585)、オレキシン−1レセプター(OX又はOX1R)は、OX−Aに選択的であり、オレキシン−2レセプター(OX2又はOX2R)は、OX−AとOX−Bに結合することができる。オレキシンが関与すると推測される生理学的作用は、オレキシンレセプターの2つのサブタイプであるOX1レセプター及びOX2レセプターの一方又は両方を介して発現すると考えられる。
【0003】
オレキシンレセプターは、哺乳類の脳において見出され、抑うつ症;不安;耽溺;強迫神経症;情動性神経症;抑うつ神経症;不安神経症;気分変調性障害;行動障害;気分障害;性機能不全;性心理学的不全;性障害;統合失調症;躁うつ病;せん妄;認知症;重度の精神発達遅延、並びにハンチントン病及びトゥーレット症候群のような運動障害;食欲不振、過食、悪液質及び肥満のような摂食障害;耽溺性摂食行動;むちゃ食い/瀉下摂食行動;心血管疾患;糖尿病;食欲/味覚障害;嘔吐、催吐、悪心;喘息;癌;パーキンソン病;クッシング症候群/病;好塩基性細胞腺腫;プロラクチノーマ;高プロラクチン血症;下垂体腫瘍/腺腫;視床下部疾患;炎症性腸疾患;胃ジスキネジー;胃潰瘍;フレーリッヒ症候群;副腎下垂体疾患;下垂体疾患;副腎下垂体機能低下;副腎下垂体機能亢進;視床下部性性腺機能低下症;カルマン症候群(嗅覚消失、嗅覚障害);機能性又は心因性無月経;下垂体機能低下症;視床下部性下垂体機能低下症;視床下部性副腎機能不全;突発性高プロラクチン血症;成長ホルモン欠乏症による視床下部障害;突発性発育不全;小人症;巨人症;末端巨大症;生体及び日周期リズム障害;神経障害、神経因性疼痛及び下肢静止不能症候群のような疾患に関連する睡眠障害;心臓及び肺疾患、急性及びうっ血性心不全;低血圧症;高血圧症;尿閉;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;虚血性又は出血性脳卒中;くも膜下出血;潰瘍;アレルギー;良性前立腺肥大症;慢性腎不全;腎疾患;耐糖能障害;偏頭痛;痛覚過敏;疼痛;痛覚過敏、灼熱痛及び異痛のような疼痛に対して増強又は強調された感受性;急性疼痛;熱傷疼痛;非定型顔面痛;神経因性疼痛;背部痛;複合性局所疼痛症候群I型及びII型;関節痛;スポーツによる負傷からの疼痛;感染、例えばHIVに関連する疼痛、化学療法後疼痛;脳卒中後疼痛;術後疼痛;神経痛;嘔吐、催吐、悪心;過敏性腸管症候群及びアンギナのような内臓疼痛に関連する状態;偏頭痛;膀胱失調症、例えば切迫尿失禁;麻薬又は麻薬からの退薬に対する耐性;睡眠障害;睡眠時無呼吸;睡眠発作;不眠症;睡眠時随伴症;時差症候群;並びに脱抑制−認知症−パーキンソン症候群−筋萎縮症症候群のような疾病分類学的実体を含む神経変性障害;淡蒼球−橋−黒質変性;てんかん;発作障害及び一般的なオレキシン系機能不全に関連する他の疾患のような病理において関わっている場合がある。
【0004】
あるオレキシンレセプターアンタゴニストが、PCT特許公報WO99/09024、WO99/58533、WO00/47576、WO00/47577、WO00/47580、WO01/68609、WO01/85693、WO01/96302、WO2002/044172、WO2002/051232、WO2002/051838、WO2002/089800、WO2002/090355、WO2003/002559、WO2003/002561、WO2003/032991、WO2003/037847、WO2003/041711、WO2003/051368、WO2003/051872、WO2003/051873、WO2004/004733、WO2004/026866、WO2004/033418、WO2004/041807、WO2004/041816、WO2004/052876、WO2004/083218、WO2004/085403、WO2004/096780、WO2005/060959、WO2005/075458、WO2005/118548、WO2006/067224、
WO2006/110626、WO2006/127550、WO2007/019234、WO2007/025069に開示されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、オレキシンレセプターのアンタゴニストであり、かつ、オレキシンレセプターが関与する神経及び精神の障害及び疾患の治療又は予防に有用であるジアゼパン化合物を対象とする。本発明は、また、これらの化合物を含む医薬組成物、並びにオレキシンレセプターが関与する疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、式I:
【0007】
【化1】

【0008】
[式中、
は、R1a、R1b及びR1cで置換されているフェニルであり;
は、R2a、R2b及びR2cで置換されているヘテロアリールであり;
1a、R1b、R1c、R2a、R2b及びR2cは、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(mは0又は1であり、nは0又は1であり(mが0又はnが0の場合、結合が存在する)、隣接するR2aとR2b又はR2bとR2cが、一緒になって、シクロアルキル又はシクロアルコキシ環を形成してもよく、
該アルキルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(該シクロアルキルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(該アルケニルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(該アルキニルが、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(該フェニル又はナフチルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(9)−(C=O)−O−複素環(複素環は、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(10)−(C=O)−NR1011(ここで、R10及びR11は、独立して、
(a)水素、
(b)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(c)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているC3−6アルケニル、
(d)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているシクロアルキル、
(e)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているフェニル、及び
(f)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている複素環
からなる群より選択される)、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12(qは0、1又は2であり、R12はR10及びR11の定義から選択される)、
(13)−COH、
(14)−CN、
(15)−NO
(16)=O、及び
(17)−B(OH)
からなる群より選択され;
但し、R2a、R2b又はR2cの少なくとも1つは、ハロゲン又はC1−6アルキルであるか、或いは隣接するR2aとR2b又はR2bとR2cが、一緒になって、シクロアルキル又はシクロアルコキシ環を形成し(該アルキル、シクロアルキル又はシクロアルコキシは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている);
は、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている−C1−6アルキル又は−C3−6シクロアルキルであり;
13は、
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル(該アルキルは、非置換であるか又はR14から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(4)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(該シクロアルキルは、非置換であるか又はR14から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(該アルケニルは、非置換であるか又はR14から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(7)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(該フェニル又はナフチルは、非置換であるか又はR14から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(8)−(C=O)−O−複素環(該複素環は、非置換であるか又はR14から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(9)−(C=O)−NR1011
(10)−S(O)−NR1011
(11)−S(O)−R12
(12)−COH、
(13)−CN、
(14)=O、及び
(15)−NO
からなる群より選択され;
14は、
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)−C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)複素環、
(10)−COH、及び
(11)−CN
からなる群より選択される]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を対象とする。
【0009】
本発明の実施態様は、式Ia:
【0010】
【化2】

【0011】
[式中、R、R及びRは、本明細書で定義されている通りである]で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0012】
本発明の実施態様は、式Ib:
【0013】
【化3】

【0014】
[式中、R、R及びRは、本明細書で定義されている通りである]で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0015】
本発明の実施態様は、式Ic:
【0016】
【化4】

【0017】
[式中、R1a、R1b、R1c、R及びRは、本明細書で定義されている通りである]で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0018】
本発明の実施態様は、式Id:
【0019】
【化5】

【0020】
[式中、R1a、R1b、R1c及びRは、本明細書で定義されている通りである]で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0021】
本発明の実施態様は、式Ie:
【0022】
【化6】

【0023】
[式中、R1a、R1b、R1c及びRは、本明細書で定義されている通りである]で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0024】
本発明の実施態様は、
が、フェニルであり、これが非置換であるか又は
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−O−C1−6アルキル(nは0又は1であり(nが0の場合、結合が存在する)、該アルキルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(4)−O−フェニル(該フェニルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(5)−複素環(該複素環は、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(6)−NR1011(R10及びR11は、独立して、
(a)水素、
(b)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているC1−6アルキル
からなる群より選択される)、
(7)−S(O)−NR1011
(8)−COH、
(9)−CN、
(10)−NO、及び
(11)−B(OH)
の1つ以上で置換されている化合物を含む。
【0025】
本発明の実施態様は、
がフェニルであり、これが、非置換であるか又はメチル、−CF、ハロ、−OCF、−OCH、−OCHCH、−COCH、−CN、−N(CH)、−NH(CHCH)、−NO、−B(OH)、トリアゾリル若しくはフェニルの1つ以上で置換されている化合物を含む。
【0026】
本発明の実施態様は、
がフェニルであり、これが、非置換であるか又はメチル、−CF、クロロ、フルオロ、−OCF、−OCH、−OCHCH、−COCH、−B(OH)、トリアゾリル若しくはフェニルの1つ以上で置換されている化合物を含む。
【0027】
本発明の実施態様は、
がフェニルであり、これが、非置換であるか又はメチル、−CF、フルオロ、−OCF、−OCH、−COCH、−B(OH)、トリアゾリル若しくはフェニルの1つ以上で置換されている化合物を含む。
【0028】
本発明の実施態様は、
が、
(1)フェニル、
(2)ビフェニル、
(3)2,6−ジメトキシフェニル、
(4)2,4−ジクロロフェニル、
(5)2,6−ジクロロフェニル、
(6)2,3−ジフルオロフェニル、
(7)2,4−ジフルオロフェニル、
(8)2,6−ジフルオロフェニル、
(9)2−メトキシ−4−メチル−フェニル、
(10)3−メトキシ−ビフェニル、
(11)3−メチル−ビフェニル、及び
(12)5−メチル−2−トリアゾリル−フェニル
からなる群より選択される化合物を含む。
【0029】
本発明の実施態様は、Rがフェニルであり、これが非置換であるか又はメチル若しくはトリアゾリルの1つ以上で置換されている化合物を含む。本発明の実施態様は、Rがフェニルである化合物を含む。本発明の実施態様は、Rがトリアゾリル、フェニル又はトリアゾリル(メチル)フェニルである化合物を含む。本発明の実施態様は、Rが5−メチル−2−トリアゾリル−フェニルである化合物を含む。
【0030】
本発明の実施態様は、
が、ヘテロアリールであり、これが非置換であるか又は
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−O−C1−6アルキル(nは0又は1であり(nが0の場合、結合が存在する)、該アルキルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(4)−O−フェニル(該フェニルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(5)−複素環(該複素環は、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(6)−NR1011(R10及びR11は、独立して、
(a)水素、
(b)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているC1−6アルキル
からなる群より選択される)、
(7)−S(O)−NR1011
(8)−COH、
(9)−CH、及び
(10)−NO
の1つ以上で置換されており、
但し、少なくとも1つの置換基は、ハロゲン又はC1−6アルキルであるか、或いは2つの隣接する置換基が、一緒になってシクロアルキル環を形成する化合物を含む。
【0031】
本発明の実施態様は、
がヘテロアリールであり、これが、ハロゲン又はC1−6アルキルで置換されており、さらにヒドロキシル、−O−C1−6アルキル又はフェニルで置換されていてもよい化合物を含む。
【0032】
本発明の実施態様は、R2a、R2b及びR2cのうちの1つがハロゲン又はC1−6アルキルであり、R2a、R2b及びR2cの他方が水素である化合物を含む。この実施態様の範囲内において、本発明は、R2a、R2b及びR2cのうちの1つがクロロ、フルオロ又はメチルであり、R2a、R2b及びR2cの他方が水素である化合物を含む。本発明の実施態様は、R2a、R2b及びR2cのうちの2つが一緒になってC1−6アルキル環を形成し、R2a、R2b及びR2cの他方が水素である化合物を含む。この実施態様の範囲内において、本発明は、R2a、R2b及びR2cのうちの2つが一緒になって、=Oで置換されているC1−6アルキル環を形成し、R2a、R2b及びR2cの他方が水素である化合物を含む。
【0033】
本発明の実施態様は、
が、
(1)ベンゾイミダゾリル、
(2)ベンゾチアゾリル、
(3)ベンゾオキサゾリル、
(4)シクロペンチルピリミジニル、
(5)ジヒドロシクロペンタピリミジニル、
(6)ジヒドロキノリニル、
(7)フロピリミジニル、
(8)ピラゾロピリミジニル、
(9)ピリジニル、
(10)ピリドピリミジニル、
(11)ピリミジニル、
(12)キナゾリニル、
(13)キノリニル、
(14)キノキサリニル、
(15)テトラヒドロキナゾリニル、
(16)チアジアゾリル、及び
(17)チエノピリミジニル
からなる群より選択され、
これが、ハロゲン又はC1−6アルキルで置換されており、さらにヒドロキシル、−O−C1−6アルキル、ケト、−NH又はフェニルで置換されていてもよい化合物を含む。
【0034】
本発明の実施態様は、
が、
(1)1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル、
(2)2−(6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン)−イル、
(3)2−(7,8−ジヒドロキノリン−5(6H)−オン)−イル、
(4)2−(フロ[2,3]ピリミジン)−イル、
(5)2−(ピラゾロ[3,4]ピリミジン)−イル、
(6)2−ピリジニル、
(7)2−(ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン)−イル、
(8)2−ピリミジニル、
(9)2−キナゾリニル、
(10)2−キノキサリニル、
(11)2−(5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン)−イル、
(12)2−(チエノ[2,3−d]ピリミジン)−イル、及び
(13)2−(チエノ[2,3]ピリミジン−4−アミン)−イル
からなる群より選択され、
これが、メチル、クロロ又はフルオロで置換されている化合物を含む。
【0035】
本発明の実施態様は、
が、
(1)1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル、
(2)2−ピリミジニル、
(3)2−キナゾリニル、
(4)2−キノキサリニル、及び
(5)2−(チエノ[2,3]ピリミジン−4−アミン)−イル
からなる群より選択され、
これが、メチル、クロロ又はフルオロで置換されている化合物を含む。
【0036】
本発明の実施態様は、
がベンゾオキサゾリルであり、これが、メチル、クロロ又はフルオロで置換されている化合物を含む。
【0037】
本発明の実施態様は、
がピリミジニルであり、これが、メチル、クロロ又はフルオロで置換されている化合物を含む。
【0038】
本発明の実施態様は、
がキナゾリニルであり、これが、メチル、クロロ又はフルオロで置換されている化合物を含む。
【0039】
本発明の実施態様は、
がキノキサリニルであり、これが、メチル、クロロ又はフルオロで置換されている化合物を含む。
【0040】
本発明の実施態様は、
が(チエノ[2,3]ピリミジン−4−アミン)−イルであり、これが、メチル、クロロ又はフルオロで置換されている化合物を含む。
【0041】
本発明の実施態様は、Rが6−クロロ−ベンゾチアゾリル以外である化合物を含む。
【0042】
本発明の実施態様は、Rが−C1−6アルキルであり、これが非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている化合物を含む。
【0043】
本発明の実施態様は、Rが−C1−6アルキルであり、これが非置換であるか又は
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−C1−6アルキル
(4)−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(5)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(6)−C3−6シクロアルキル、及び
(7)−C2−4アルケニル
から選択される1つ以上の置換基で置換されている
化合物を含む。
【0044】
本発明の実施態様は、Rが−C1−6アルキルである化合物を含む。この実施態様の範囲内において、本発明は、Rが、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、ネオ−ペンチル及びヘキシルからなる群より選択される化合物を含む。この実施態様の範囲内において、本発明は、Rがメチルである化合物を含む。
【0045】
本発明の特定の実施態様は、本明細書の実施例の主題化合物又はその薬学的に許容される塩からなる群より選択される化合物を含む。
【0046】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含んでもよく、したがって、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして生じることができる。追加的な不斉中心は、分子の多様な置換基の性質に応じて存在することができる。そのような不斉中心は、それぞれ独立して、2つの光学異性体を生じ、混合物中の可能な光学異性体及びジアステレオマー、並びに純粋又は部分的に精製された化合物は、全て本発明の範囲内に含まれることが意図される。本発明は、これら化合物のそのような異性体形態を全て含むことを意図する。式Iは、特定の立体化学のない化合物の構造を示す。
【0047】
これらのジアステレオマーの個々の合成又はクロマトグラフによる分離は、本明細書に開示されている方法論の適切な変更により、当該技術で知られているようにして達成することができる。これらの絶対立体化学は、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬を用いて、結晶質生成物又は必要であれば誘導体化された結晶質中間体のX線結晶学により決定することができる。望ましい場合、化合物のラセミ混合物を、個々の鏡像異性体が単離されるように分離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物とカップリングして、ジアステレオマー混合物を形成すること、続いて個々のジアステレオマーを分別結晶化又はクロマトグラフィーのような標準的な方法により分離することのような、当該技術で周知の方法により実施することができる。カップリング反応は、多くの場合、鏡像異性的に純粋な酸又は塩基を使用して塩を形成する。次にジアステレオマー誘導体を、添加したキラル残基の開裂により純粋な鏡像異性体に変換することができる。化合物のラセミ混合物を、キラル固定相を利用するクロマトグラフィー法により直接分離することもでき、この方法は当該技術においてよく知られている。あるいは、化合物の任意の鏡像異性体を、当該技術において周知の方法により光学的に純粋な出発物質又は既知の立体配置の試薬を使用して、立体選択的合成によって得ることができる。
【0048】
当業者に理解されるように、本明細書において使用されるハロゲン又はハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含むことが意図される。同様に、C1−6アルキルのようなC1−6は、基が、直鎖又は分岐鎖の配置で1、2、3、4、5又は6個の炭素を有する基であることと定義し、これによりC1−8アルキルには、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシルが含まれる。置換基で独立して置換されていると指定される基は、そのような置換基により独立して複数回置換されうる。本明細書で使用されるとき、用語「複素環」には、不飽和と飽和の両方の複素環式部分が含まれ、不飽和複素環式部分(すなわち、「ヘテロアリール」)には、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、及びこれらのN−酸化物が含まれ、飽和複素環式部分には、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル及びテトラヒドロチエニル、並びにこれらのN−酸化物が含まれる。
【0049】
用語「薬学的に許容される塩」は、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を意味する。無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。特定の実施態様は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩を含む。固体形態の塩は、1つ以上の結晶構造で存在することができ、また、水和物の形態で存在することができる。薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、塩素、N,N′−ジベンジルエチレン−ジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどのような、第一級、第二級及び第三級アミン、天然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂が含まれる。
【0050】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機及び有機酸を含む薬学的に許容される非毒性酸から調製することができる。そのような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが含まれる。特定の実施態様は、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸を含む。本明細書で使用されるとき、式Iの化合物への参照は、薬学的に許容される塩を含むことも意図されることが理解される。
【0051】
本発明を例示するものは、実施例及び本明細書に開示されている化合物の使用である。本発明の範囲内の特定の化合物には、以下の実施例に開示されている化合物、並びにその薬学的に許容される塩及びその個々の鏡像異性体又はジアステレオマーからなる群より選択される化合物が含まれる。
【0052】
主題の化合物は、化合物の有効量を投与することを含む、オレキシンレセプター活性の拮抗を、そのような阻害の必要性のある哺乳動物のような患者で行う方法において有用である。本発明は、オレキシンレセプター活性のアンタゴニストとしての、明細書に開示されている化合物の使用を対象とする。霊長類、特にヒトに加えて、多様な他の哺乳動物を本発明の方法に従って治療することができる。本発明は、薬剤における使用のための、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を対象とする。本発明は、更に、オレキシンレセプター活性を拮抗するための、又はヒト及び動物において本明細書に示した障害及び疾患を治療するための薬剤の製造における、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を対象とする。
【0053】
本発明の方法で治療される被験者は、一般に、哺乳動物、例えば、男性又は女性のヒトである。用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医により追求される組織、系、動物又はヒトにおいて生物学的又は医学的反応を誘発する、主題化合物の量を意味する。当業者は、本発明の化合物の有効量を用いて、現在疾患に罹患している患者を治療すること又は疾患に罹患している患者に予防的治療をすることにより、神経及び精神疾患に影響を与えることができることが認識される。本明細書で使用されるとき、用語「治療」及び「治療する」は、本明細書に記載されている神経及び精神疾患の進展を遅延、中断、制止、制御又は停止させうる全ての過程を意味するが、障害の全ての症状の完全な消失、また特にそのような疾患又は障害に罹患しやすくなっている患者における記述された状態の予防的治療を必ずしも示してはいない。化合物の「投与」又は化合物を「投与する」という用語は、本発明の化合物又は本発明化合物のプロドラッグをその必要性がある個人に提供することを意味すると理解されるべきである。
【0054】
本明細書で使用されるとき、用語「組成物」は、特定の量で特定の成分を含む生成物、並びに特定の量で特定の成分の組み合わせにより直接的又は間接的にもたらされる任意の生成物を含む。医薬組成物に関するそのような用語は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む生成物を含み、並びに任意の2つ以上の成分の組み合わせ、錯化若しくは凝集、又は1つ以上の成分の解離、又は1つ以上の成分の他の種類の反応、若しくは1つ以上の成分の相互作用により、直接的又は間接的にもたらされるあらゆる生成物を含むことを意図する。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を薬学的に許容される担体と混合して作製されるあらゆる組成物を含む。「薬学的に許容される」とは、担体、稀釈剤又は賦形剤は、製剤の他の成分と適合性がなければならず、摂取者に有害であってはならないことを意味する。
【0055】
本発明の化合物のオレキシンレセプターOX1R及び/又はOX2Rアンタゴニストとしての有用性は、“FLIPR Ca2+ Flux Assay”(Okumura et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.280:976−981,2001)を含む、当該技術において周知の方法論によって、必要以上に実験を行うことなく容易に決定することができる。典型的な実験において、本発明の化合物のOX1及びOX2レセプター拮抗活性は、以下の実験方法に従って決定された。細胞内カルシウム測定では、ラットオレキシン−1レセプター又はヒトオレキシン−2レセプターを発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、2mMのL−グルタミン、0.5g/mlのG418、1%ヒポキサチン−チミジンサプリメント、100U/mlのペニシリン、100ug/mlのストレプトマイシン及び10%熱不活性化ウシ胎児血清(FCS)を含有するイソコーブ(Iscove)修飾DMEMにおいて増殖させる。細胞を、ポリ−D−リシンで被覆したBecton−Dickinson黒色384ウエル透明底滅菌プレートに、20,000細胞/ウエルで接種する。試薬は全てGIBCO−Invitrogen Corp.からのものであった。接種プレートを37℃及び5%CO2で一晩インキュベートする。アゴニストとしてAla−6,12ヒトオレキシンAを、1%ウシ血清アルブミン(BSA)中の1mMの保存溶液として調製し、アッセイで使用するのに、アッセイ緩衝液(20mMのHEPES、0.1%BSA及び2.5mMのプロベネシドを含有するHBSS、pH7.4)により最終濃度70pMに希釈する。試験化合物は、DMSO中の10mMの保存溶液として調製し、次に、384ウエルプレートにおいて、最初にDMSOにより、次にアッセイ緩衝液により希釈する。アッセイの当日、細胞を100μlのアッセイ緩衝液で3回洗浄し、次に1uMのFluo−4AMエステル、0.02%プルロン酸及び1%BSAを含有する60μlのアッセイ緩衝液において60分間(37℃、5%CO2)インキュベートする。次に染料添加液を吸引し、細胞を100μlのアッセイ緩衝液で3回洗浄する。同じ緩衝液の30μlをそれぞれのウエルに残す。Fluorescent Imaging Plate Reader(FLIPR,Molecular Devices)内で、試験化合物をプレートに25μlの容量で加え、5分間インキュベートし、最後に25μlのアゴニストを加える。蛍光をそれぞれのウエルにおいて1秒間隔で5分間測定し、それぞれの蛍光ピークの高さを、アンタゴニストの代わりに緩衝液により70pMにしたAla−6,12オレキシンAにより誘発された蛍光の高さと比較する。それぞれのアンタゴニストでは、IC50(アゴニスト反応の50%を阻害するのに必要な化合物の濃度)を決定する。本発明で使用することができる化合物の固有のオレキシンレセプターアンタゴニスト活性を、このアッセイにより決定することができる。
【0056】
特に、以下の実施例の化合物は、上記のアッセイにおいて、一般に約50μM未満のIC50でラットオレキシン−1レセプター及び/又はヒトオレキシン−2レセプターを拮抗する活性を有した。本発明の範囲内の多くの化合物は、上記のアッセイにおいて、約100μM未満のIC50でラットオレキシン−1レセプター及び/又はヒトオレキシン−2レセプターを拮抗する活性を有した。そのような結果は、オレキシン−1レセプター及び/又はオレキシン−2レセプターのアンタゴニストとして使用される化合物の固有の活性を示す。本発明は、オレキシン−1レセプター及び/又はオレキシン−2レセプターのアゴニストとしての活性を有する、本発明の一般的な範囲内の化合物も含む。他のジアゼパン化合物に対して、本発明は、経口生物学的利用能、代謝安定性、時間依存的阻害及び/又は他のレセプターに対する選択性に関するような予想外の特性を示す。
【0057】
オレキシンレセプターは、生物学的機能に広く関わっている。これは、ヒト又は他の種での多様な疾患の経過におけるこれらのレセプターの潜在的な役割を示唆している。本発明の化合物は、以下の症状又は疾患の1つ以上を含む、オレキシンレセプターが関与する多様な神経及び精神障害の危険性を治療、予防、改善、制御又は低減するのに有用である:睡眠の質の向上、睡眠の質の改善、睡眠の効率の改善、睡眠の維持の増大を含む睡眠障害、睡眠障害;被験者が眠った時間を被験者が眠ろうと試みた時間で割って計算した値の増加;睡眠の開始の改善;睡眠潜時又は開始(眠りに落ちるまでの時間)の減少;寝付きの困難さの減少;睡眠の連続性の増加;睡眠時の目覚めの回数の減少;睡眠時の断続的な目覚めの減少;夜間覚醒の減少;最初の睡眠開始後の目覚めに費やされる時間の減少;睡眠の総量の増加;睡眠の断片化の低減;REM睡眠期間の適時、頻度又は持続時間の変更;徐波(すなわち、第3又は4段階)睡眠期間の適時、頻度又は持続時間の変更;第2段階睡眠の量及び率の増加;徐波睡眠の促進;睡眠時のEEG−δ活動の向上;夜間覚醒、特に早朝目覚めの減少;日中の機敏性の増加;日中の眠気の減少;日中の過剰な眠気の治療又は低減;眠りの深さの満足度の増加;睡眠維持の増加;突発的不眠症;睡眠の問題;不眠症、過眠症、突発性過眠症、反復性過眠症、内因性過眠症、睡眠発作、睡眠の中断、睡眠時無呼吸、覚醒状態、夜間ミオクローヌス、REM睡眠中断、時差ぼけ、交代勤務従業員の睡眠妨害、睡眠異常、夜驚症、抑うつ症、情動/気分障害、アルツハイマー病又は認知障害関連不眠症、並びに夢遊病及び夜尿症、及び加齢に関連する睡眠障害;アルツハイマーの日没幻覚;日周期リズムに関連する状態、並びに時間帯を横断する旅行に関連する及び交代制勤務に関連する精神的及び肉体的障害、副作用としてRME睡眠の減少を引き起こす薬剤に起因する状態;線維筋痛症;非回復的睡眠及び筋肉疼痛により又は睡眠時の呼吸障害に関連する睡眠時無呼吸により発症する症候群;睡眠の質の減少によりもたらされる状態;学習の増加;記憶の増強;記憶保持の増加;過剰食物摂取及びそれに関連する合併症に関連する摂食障害、強迫性摂食障害、肥満(遺伝的又は環境的のいずれかの原因に起因する)、食べ過ぎ及び過食を含む肥満関連障害、高血圧症、糖尿病、血漿インスリン濃度の上昇及びインスリン抵抗性、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌及び結腸癌、骨関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心疾患、異常心臓律動及び不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈性心疾患、突然死、脳卒中、多嚢胞性卵巣症候群、頭蓋咽頭腫、プラダー・ウィリー症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠乏被験者、正常範囲内変異低身長症、ターナー症候群、及び全除脂肪体重の率で低減した代謝活性又は減少した安静時エネルギー消費を示す他の病理学的状態、例えば急性リンパ性白血病の子供、X症候群としても知られているメタボリック症候群、インスリン抵抗性症候群、生殖ホルモン異常、性機能及び生殖機能不全、例えば受精能障害、不妊症、男性の性機能不全症及び女性の男性型多毛症、母体肥満に関連する胎児欠陥、胃腸運動機能障害、例えば肥満関連胃食道逆流性疾患、呼吸障害、例えば肥満低喚起症候群(ピックウイック症候群)、息切れ、心血管障害、炎症、例えば血管系の全身性炎症、動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆嚢疾患、痛風、腎癌、麻酔危険度の増加、肥満の続発性転帰の危険性の低減、例えば左心室肥大の危険性の低減;抑うつ症、偏頭痛、神経因性疼痛、パーキンソン病、精神病及び統合失調症を含む脳に異常振動活動が生じる疾患又は障害、並びに特に視床を介して活動の異常共役が存在する疾患又は障害;認知機能の向上;記憶の向上;記憶保持の増加;免疫反応の増加;免疫機能の増加;ほてり;寝汗;寿命の延長;統合失調症;心拍リズムのような神経系により課される興奮/弛緩リズムにより制御される筋肉関連疾患及び心臓血管系の他の疾患;血管拡張又は血管拘束及び血圧のような細胞の増殖に関連する状態;癌;心不整脈;高血圧症;うっ血性心不全;生殖器/必尿器系の状態;性機能及び生殖能の障害;妥当な腎機能;麻酔に対する反応性;抑うつ病のような気分障害、又はとりわけ抑うつ性障害、例えば単回発症若しくは再発性大うつ病性障害及び気分変調性障害、又は双極性障害、例えば双極I型障害、双極II型障害及び循環病、一般的な医療状態に起因する気分障害及び物質誘発性気分障害;急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫神経症、パニック発作、パニック障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、社会恐怖症、特定恐怖症、物質誘発性不安障害及び一般的な医療状態に起因する不安を含む不安障害;心臓バイパス手術及び移植後の脳欠損、脳卒中、虚血性発作、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖神経細胞損傷のような急性神経及び精神障害;ハンチントン舞踏病;筋萎縮性側索硬化症;多発性硬化症;眼球損傷;網膜症;認知障害;突発性及び薬剤誘発性パーキンソン病;筋痙縮及び振戦、てんかん、痙攣を含む筋肉痙縮に関連する障害;認知症(アルツハイマー病、虚血、外傷、血管障害又は脳卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、周産期低酸素症、他の一般的な医療状態又は物質乱用に関連する)を含む認知障害;せん妄、健忘障害又は年齢関連認知低下;統合失調症(妄想性、解体型、緊張型又は未分化型)、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神障害、共有精神障害、一般的な医療状態に起因する精神障害及び物質誘発性精神障害を含む統合失調症及び精神病;物質関連障害及び常習行為(物質誘発性せん妄、持続性認知症、持続性健忘障害、精神障害又は不安障害;アルコール、アンフェタミン、カンナビス、コカイン、幻覚剤、吸入剤、ニコチン、オピオイド、フェンシクリンジン、鎮静剤、催眠剤又は抗不安薬を含む物質に対する耐容性、中毒、依存性又はそれらの使用中止を含む);無動症及び硬直症候群を含む運動障害(パーキンソン病、薬剤誘発性パーキンソニズム、脳炎後パーキンソニズム、進行性核上麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、パーキンソニズム−ALS認知症複合及び大脳基底核石灰化を含む)、パーキンソン疲労、多発性硬化症疲労、睡眠障害又は日周期リズムの障害により引き起こされる疲労、投薬誘発性パーキンソニズム(例えば、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム、神経遮断薬悪性症候群、神経遮断薬誘発性急性ジストニー、神経遮断薬誘発性急性静坐不能症、神経遮断薬誘発性遅発性ジスキネジー及び投薬誘発性姿勢時振戦)を含む慢性疲労症候群、疲労、ジル・ド・ラ・トゥーレット症候群、てんかん及び運動障害[次を含む:振戦(例えば、静止時振戦、本態性振戦、姿勢時振戦及び企図振戦)、舞踏病(例えば、シドナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球症、症候性舞踏病、薬剤誘発性舞踏病及び片側バリズム)、ミオクローヌス(全身性ミオクローヌス及び局所性ミオクローヌスを含む)、チック(単純チック、複合チック及び症候性チックを含む)、下肢静止不能症候群及びジストニー(突発性ジストニー、薬剤誘発性ジストニー、症候性ジストニー及び発作性ジストニーのような全身性ジストニー、並びに眼瞼痙攣、口下顎骨ジストニー、痙攣性発声障害、痙性斜頸、軸性ジストニア、ジストニー書痙及び片麻痺性ジストニーのような局所性ジストニーを含む)];注意欠陥/多動性障害(ADHD);行動障害;偏頭痛(片頭痛を含む);尿失禁;物質耐容性、物質離脱(アヘン、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、催眠剤などのような物質を含む);精神病;統合失調症;不安(全般的不安障害、パニック障害及び強迫神経症を含む);気分障害(抑うつ症、そう病、双極性障害を含む);三叉神経痛;難聴;耳鳴;眼鏡損傷を含む神経細胞損傷;網膜症;眼の黄斑変性;嘔吐;脳水腫;急性及び慢性疼痛状態、激痛、難治性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、外傷後疼痛、骨関節疼痛(骨関節炎)、反復性運動疼痛、歯痛、癌性疼痛、筋膜疼痛(筋肉損傷、線維筋痛)、周術期疼痛(一般外科、婦人科)、慢性疼痛、神経因性疼痛、外傷後疼痛、三叉神経痛、偏頭痛及び片頭痛を含む疼痛。
【0058】
したがって、特定の実施態様において、本発明は、睡眠の質の向上;睡眠の維持の増大;REM睡眠の増加;第2段階睡眠の増加;睡眠パターンの断片化の減少;不眠症の治療;認知の向上;記憶保持の増加;肥満の治療若しくは制御;抑うつ症の治療若しくは制御;欠神てんかんを含むてんかんの危険性の治療、制御、改善若しくは低減;神経因性疼痛を含む疼痛の治療若しくは制御;パーキンソン病の治療若しくは制御;精神病の治療若しくは制御;又は統合失調症の危険性の治療、制御、改善若しくは低減を、その必要性のある哺乳類の患者において行う方法であって、患者に本発明の化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0059】
主題の化合物は、更に、本明細書に示された疾患、障害及び状態の危険性を予防、治療、制御、改善又は低減する方法において有用である。本発明の組成物の活性成分の用量は変えることができるが、活性成分の量は、適切な投与形態が得られるようなものである必要がある。活性成分を、そのような治療が必要な患者(動物及びヒト)に、最適な薬学的効能をもたらす用量で投与することができる。選択される用量は、所望の治療効果、投与経路及び治療期間に応じて決定される。用量は、疾患の性質及び重篤性、患者の体重、患者が従っている食事療法、併用薬、及び当業者が認識する他の要因に応じて患者毎に変わる。一般に、毎日0.0001〜10mg/kg体重の用量レベルを、患者、例えばヒト及び高齢のヒトに投与して、オレキシンレセプターの有効な拮抗を得る。用量範囲は、一般に、1日に患者1人あたり約0.5mg〜1.0gであり、単回又は反復で投与することができる。一つの実施態様において、用量範囲は、1日に患者1人あたり約0.5mg〜500mg、別の実施態様では、1日に患者1人あたり約0.5mg〜200mg、なお別の実施態様では、1日に患者1人あたり約5mg〜50mgである。本発明の医薬組成物は、例えば、約0.5mg〜500mgの活性成分を含むか又は約1mg〜250mgの活性成分を含む、固体製剤で提供することができる。医薬組成物は、約1mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、200mg又は250mgの活性成分を含む固体製剤で提供することができる。経口投与では、組成物は、1.0〜1000ミリグラムの活性成分、例えば1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600,750,800、900及び1000ミリグラムの、治療される患者への用量を症状に応じて調整した活性成分を含有する錠剤の剤形で提供することができる。化合物を、1日あたり1〜4回、例えば1日あたり1回又は2回のレジメンで投与することができる。
【0060】
本発明の化合物は、本発明の化合物又は他の薬剤が有用性を有する場合がある疾患又は状態の危険性の治療、予防、抑制、改善又は低減において、1つ以上の他の薬剤と組み合わせて使用することができ、薬剤と一緒に組み合わせることは、いずれかの薬剤の単独よりも安全であるか又はより効果的である。そのような他の薬剤は、それに慣用的に使用される経路及び量によって、本発明の化合物と同時に又は連続して投与することができる。本発明の化合物が1つ以上の他の薬剤と同時に使用される場合、そのような他の薬剤及び本発明の化合物を含有する単位投与形態の医薬組成物が考慮される。しかし、併用治療は、本発明の化合物及び1つ以上の他の薬剤が異なる重複スケジュールで投与される治療を含むこともできる。1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用する場合、本発明の化合物及び他の活性成分は、それぞれ単独で使用されるときよりも低い用量で使用することができることも考慮される。したがって、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものが挙げられる。上記の組み合わせには、本発明の化合物と、1つの他の活性化合物ばかりでなく、2つ以上の他の活性化合物との組み合わせも含まれる。
【0061】
同様に、本発明の化合物を、本発明の化合物が有用である疾患又は状態の危険性の予防、治療、制御、改善又は低減に使用される他の薬剤と組み合わせて使用することができる。したがって、そのような他の薬剤は、慣用的に使用される経路及び量によって、本発明の化合物と同時に又は連続して投与することができる。本発明の組成物が1つ以上の他の薬剤と同時に使用される場合、本発明の組成物に加えてそのような他の薬剤を含有する医薬組成物が考慮される。したがって、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分も含有するものが挙げられる。
【0062】
本発明の化合物と第2の活性成分の重量比は変わることができ、それぞれの成分の有効用量に応じて決定される。一般に、それぞれの有効用量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物が別の作用物質と組み合わされる場合、本発明の化合物と他の作用物質の重量比は、一般に約1000:1〜約1:1000の範囲であり、例えば約200:1〜約1:200である。また、本発明の化合物と他の活性成分の組み合わせは、一般に上記の範囲内であるが、それぞれの場合において、それぞれの活性成分の有効用量が使用されるべきである。そのような組み合わせにおいて、本発明の化合物及び他の活性作用物質を、別々又は一緒に投与することができる。加えて、一つの構成成分の投与は、別の作用物質の投与の前、同時に、又は後であることができる。
【0063】
本発明の化合物は、例えば、鎮静剤、催眠剤、抗不安薬、抗神経病剤、抗不安剤、抗ヒスタミン剤、ベンゾジアゼピン、バルビツール、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT−2Aアンタゴニスト及び5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む5HT−2アンタゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニスト、ヒスタミンH3インバースアゴニストを含むヒスタミンアンタゴニスト、イミダゾピリジン、緩和精神安定剤、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動性剤、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニスト及びアンタゴニスト、ピラゾリピロミジン、T型カルシウムチャンネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジンなど、例として、アジナゾラム、アロバルビタール、アロンイミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼプ酸、クロレテート、クロザピン、コナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デキスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エトクロリノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセトアミド、トリクロホス、トリフロペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム、及びこれらの塩、並びにこれらの組み合わせなどを含む、睡眠の質を向上する、並びに睡眠障害及び睡眠妨害を予防及び治療するのに有用であることが当該技術において知られている化合物と組み合わせて投与することができるか、或いは本発明の化合物は、光線療法又は電気刺激のような物理的方法の使用と併せて投与することができる。
【0064】
別の実施態様において、主題の化合物は、(i)グリタゾン(例えばシグリタゾン;ダルグリタゾン;エングリタゾン;イサグリタゾン(MCC−555);ピオグリタゾン;ロシグリタゾン;トログリタゾン;ツラリク;BRL49653;CLX−0921;5−BTZD)、GW−0207、LG−100641及びLY−300512などのようなPPARγアンタゴニスト;(iii)ビグアナイド剤、例えばメトホルミン及びフェンフォルミンを含むインスリン増感剤;(b)インスリン又はインスリン模倣剤、例えば、ビオタ、LP−100、ノバラピド、インスリンデテミール、インスリンリプロ、インスリングランギル、インスリン亜鉛懸濁剤(レント及びウルトラレント);Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン);及びGLP−1(7−36)−NH);(c)スルホニル尿素、例えば、アセトヘキサミド;クロルプロパミド;ジアビネース;グリベンクラミド;グリピジド;グリブリド;グリメピリド;グリクラジド;グリペンチド;グリキドン;グリソールアミド;トラザミド;及びトルブタミド;(d)α−グルコシダーゼインヒビター、例えば、アカルボース;アジポシン;カミグリボース;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボース、プラディマイシン−Q;サルボスタチン;CKD−711;MDL−25,637;MDL−73,945;及びMOR14など;(e)コレステロール低下剤、例えば、(i)HMG−CoAレダクターゼインヒビター(アトバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン及び他のスタチン)、(ii)胆汁酸吸収剤/捕捉剤、例えばコレスチラミン、コレスチポール及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;Colestid(登録商標);LoCholest(登録商標)など、(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はその塩、;(iii)増殖因子−活性化因子レセプターαアゴニスト、例えばフェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)、(iv)コレステロール吸収インヒビター、例えばスタノールエステル、ベータ−シトステロール、チクエシドのようなステロールグリコシド;エゼチミブのようなアゼチジノンなど、並びに(アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT))インヒビター、例えばアバシミブ及びメリナミド、(v)酸化防止剤、例えばプロブコール、(vi)ビタミンE、並びに(vii)甲状腺模倣剤;(f)PPARαアゴニスト、例えば、ベクロフィブレート、ベンザフィブレート、シプロフィブレート、クロフィブレート、エトフィブレート、フェノフィブレート及びゲムフィブロジル;他のフィブリン酸誘導体、例えば、Atromid(登録商標)、Lopid(登録商標)及びTricor(登録商標)など、並びにGlaxoによりWO97/36579に記載されているPPARαアゴニスト;(g)PPARδアゴニスト;(h)PPARα/δアゴニスト、例えば、ムラグリタザール及びUS6,414,002に開示されている化合物;並びに(i)抗肥満剤、例えば、(1)成長ホルモン分泌促進薬、成長ホルモン分泌促進薬レセプターアゴニスト/アンタゴニスト、例えばNN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429及びL−163,255;(2)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)インヒビター;(3)カンナビノイドレセプターリガンド、例えばカンナビノイドCBレセプターアンタゴニスト又はインバースアゴニスト、例えばリモナバン(Sanofi Synthelabo)、AMT−251、SR−14778及びSR141716A(Sanofi Synthelabo)、SLV−319(Solvay)、BAY65−2520(Bayer);(4)抗肥満セロトニン作動薬、例えばフェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン及びシブトラミン;(5)β3−アデノレセプターアゴニスト、例えばAD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、Trecadrine、Zeneca D7114、SR59119A;(6)膵臓リパーゼインヒビター、例えばオーリスタット(Xenical(登録商標))、Triton WR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン、ジエチルウンベリフェリルホスフェート;(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A;(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト、例えばGW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A及びJCF−104;(9)メラニン凝集ホルモン(MCH)レセプターアンタゴニスト;(10)メラニン凝集ホルモン1レセプター(MCH1R)アンタゴニスト、例えばT−226296(Takeda);(11)メラニン凝集ホルモン2レセプター(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシンレセプターアンタゴニスト、例えばSB−334867−A及び本明細書における特許公報に開示されているもの;(13)セロトニン再取込み阻害薬、例えばフルオキセチン、パロキセチン及びセルトラリン;(14)メラノコルチンアゴニスト、例えばメラノタン−II;(15)他のMc4r(メラノコルチン4レセプター)アゴニスト、例えばCHIR86036(Chiron)、ME−10142及びME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron);PT−141及びPT−14(Palatin);(16)5HT−2アゴニスト;(17)5HT2C(セロトニンレセプター2C)アゴニスト、例えばBVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065;(18)ガラニンアンタゴニスト;(19)CCKアゴニスト;(20)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えばAR−R15849、GI181771、JMV−180、A−71378、A−71623及びSR146131;(22)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(23)ヒスタミンレセプター−3(H3)モジュレーター;(24)ヒスタミンレセプター−3(H3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えばヒオペルアミド、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピルN−(4−ペンテニル)カルバメート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)及びO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]−カルバメート;(25)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1インヒビター(β−HSD−1);(26)PDE(ホスホジエステラーゼ)インヒビター、例えばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム及びシロミラスト;(27)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)インヒビター;(28)NE(ノルエピネフリン)輸送インヒビター、例えばGW320659、デスピラミン、タルスプラム及びノミフェンシン;(29)グレリンレセプターアンタゴニスト;(30)組み換えヒトレプチン(PEG−OB,Hoffman La Roche)及び組み換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含むレプチン;(31)レプチン誘導体;(32)BRS3(ボンベシンレセプターサブタイプ3)アゴニスト、例えば[D−Phe6,β−Ala11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)及び[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド、並びにPept.Sci.2002 Aug;8(8):461−75)に開示されている化合物;(33)CNTF(繊毛様神経栄養因子)、例えばGI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジド、PD170,292及びPD149164(Pfizer);(34)CNTF誘導体、例えばアキソキン(Regeneron);(35)モノアミン再取り込みインヒビター、例えばシブトラミン;(36)UCP−1(非結合タンパク質−1)、2又は3アクチベーター、例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸;(37)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えばKB−2611(KaroBioBMS);(38)FAS(脂肪酸シンターゼ)インヒビター、例えばセルレニン及びC75;(39)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)インヒビター;(40)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)インヒビター;(41)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)インヒビター;(42)グルココルチコイドアンタゴニスト;(43)アシル−エストロゲン、例えばdel Mar−Grasa,M.et al.,Obesity Research,9:202−9(2001)に開示されているオレオイル−エストロン;(44)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)インヒビター、例えばイソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、NVP−DPP728、LAF237、MK−431、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444;(46)ジカルボキシレートトランスポーターインヒビター;(47)グルコーストランスポーターインヒビター;(48)ホスフェートトランスポーターインヒビター;(49)メトホルミン(Glucophage(登録商標));(50)トピラメート(Topimax(登録商標));(50)ペプチドYY、PYY3−36、ペプチドYY類似体、誘導体及びフラグメント、例えばBIM−43073D、BIM−43004C(Olitvak,D.A.et al.,Dig.Dis.Sci.44(3):643−48(1999));(51)ニューロペプチドY2(NPY2)レセプターアゴニスト、例えばNPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−V及びシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPY;(52)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニスト、例えば膵臓ペプチド(PP)及び他のY4アゴニスト、例えば1229U91;(54)シクロ−オキシゲナーゼ−2インヒビター、例えばエトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、BMS347070、チラコキシブ又はJTE522、ABT963、CS502及びGW406381、並びにそれらの薬学的に許容される塩;(55)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A;(56)オピオイドアンタゴニスト、例えばナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン;(57)11βHSD−1(11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型)インヒビター、例えばBVT3498、BVT2733;(58)アミノレクス;(59)アン
フェクロラール;(60)アンフェタミン;(61)ベンズフェタミン;(62)クロルフェンテルミン;(63)クロベンゾレクス;(64)クロフォレクス;(65)クロミノレクス;(66)クロルテルミン;(67)シクレキセドリン;(68)デキストロアンフェタミン;(69)ジフェメトキシジン;(70)N−エチルアンフェタミン;(71)フェンブトラゼート;(72)フェニソレクス;(73)フェンプロポレクス;(74)フルドレクス;(75)フルミノレクス;(76)フルフリルメチルアンフェタミン;(77)レバンフェタミン;(78)レボファセトペラン;(79)メフェノレクス;(80)メタンフェプラモン;(81)メタンフェタミン;(82)ノルプソイドエフェドリン;(83)ペントレクス;(84)フェンジメトラジン;(85)フェンメトラジン;(86)ピシロレクス;(87)フィトファーム57;及び(88)ゾニサミドが含まれるが、これらに限定されない、別々に又は同じ医薬組成物で投与される、当該技術において既知である他の化合物と組み合わせて用いることができる。
【0065】
別の実施態様において、主題の化合物は、ノルエピネフリン再取込みインヒビター(第三級アミン三環式化合物及び第二級アミン三環式化合物を含む)、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的インヒビター(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再取込みインヒビター(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレノセプターアンタゴニスト、ニューロキニン−1レセプターアンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニスト及びコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストを含む抗うつ剤又は抗不安剤と組み合わせて用いることができる。特定の薬剤には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン及びトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン及びセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン及びセレギリン;モクロベミド;ベンラファキシン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン及びビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム及びプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン及びイプサピロン、並びにこれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0066】
別の実施態様において、主題の化合物は、抗アルツハイマー剤;β−セクレターゼインヒビター;γ−セクレターゼインヒビター;成長ホルモン分泌促進薬;組み換え成長ホルモン;HMG−CoAレダクターゼインヒビター;イブプロフェンを含むNSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体;CB−1レセプターアンタゴニスト又はCB−1レセプターインバースアゴニスト;ドキシサイクリン及びリファンピンのような抗生物質;メマンチンのようなN−メチル−D−アスパラギン酸塩(NMDA)レセプターアンタゴニスト;ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル及びタクリンのようなコリンエステラーゼインヒビター;イブタモレン、メシル酸イブタモレン及びカプロモレリンのような成長ホルモン分泌促進薬;ヒスタミンHアンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IVインヒビター;GABAインバースアゴニスト;又はニューロンニコチンアゴニストと組み合わせて用いることができる。
【0067】
別の実施態様において、主題の化合物は、鎮静剤、催眠剤、抗不安薬、抗精神病薬、抗不安剤、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾリピロミジン、緩和精神安定剤、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、5HT−2アンタゴニストなど、例えば、アジナゾラム、アロバルビタール、アロンイミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼペート、クロレテート、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デキスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エチクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、ミダフルル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、テマゼパム、チオリダジン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセトアミド、トリクロホス、トリフロペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾルピデム及びこれらの塩、並びにこれらの組み合わせなどと組み合わせて用いることができるか、又は主題化合物は光線療法又は電気刺激のような物理的方法の使用と併せて投与することができる。
【0068】
別の実施態様において、主題の化合物は、レボドパ(カルビドパ又はベンセラジドのような選択的脳外デカルボキシラーゼインヒビターを有するか又は有さない)、ビペリデンのような抗コリン作動薬(場合によりその塩酸塩又は乳酸塩)及び塩酸トリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)、エンタカポンのようなCOMTインヒビター、MOA−Bインヒビター、酸化防止剤、A2aアデノシンレセプターアンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDAレセプターアンタゴニスト、セロトニンレセプターアンタゴニスト及びドーパミンレセプターアゴニスト、例えばアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリド及びプラミペキソールと組み合わせて用いることができる。ドーパミンアゴニストは、薬学的に許容される塩の形態、例えばアレンテモール臭化水素酸塩、メシル酸ブロモクリプチン、メシル酸フェノルドパム、ナキサゴリド塩酸塩及びメシル酸ペルゴリドであることができる。リスリド及びプラミペキソールは、慣用的に非塩形態で使用される。
【0069】
別の実施態様において、主題の化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、ベンセラジドを有するレボドパ、カルビドパを有するレボドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセン又はトリフロペラジンと組み合わせて用いることができる。
【0070】
別の実施態様において、主題の化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンザゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジン及びインドロンの部類の神経遮断剤と組み合わせて用いることができる。フェノチアジンの適切な例には、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン及びトリフロペラジンが挙げられる。チオキサンテンの適切な例には、クロルプロチキセン及びチオチキセンが挙げられる。ジベンザゼピンの例は、クロザピンである。ブチロフェノンの例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの例は、ピモジドである。インドロンの例は、モリンドロンである。他の神経遮断剤には、ロキサピン、スルピリド及びリスペリドンが挙げられる。神経遮断剤は、主題の化合物と組み合わせて使用される場合、薬学的に許容される塩の形態であることができ、例えば、塩酸クロルプロマジン、ベシル酸メソリダジン、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナト酸フルルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフロペラジン、塩酸チオチキセン、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロキサピン及び塩酸モリンドンである。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジド及びリスペリドンは、慣用的に非塩形態で使用される。
【0071】
別の実施態様において、主題の化合物は、アミノレクス、アンフェクロラール、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレクス、クロフォレクス、クロミノレクス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デキスフェンフルラミン、デキストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラゼート、フェンフルラミン、フェニソレクス、フェンプロポレクス、フルドレクス、フルミノレクス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マチンドール、メフェノレクス、メタンフェプラモン、メタンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、ペントレクス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレクス及びシブトラミン;選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI);クロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックス及びシブトラミンを含むハロゲン化アンフェタミン誘導体、並びにこれらの薬学的に許容される塩のような食欲抑制剤と組み合わせて用いることができる。
【0072】
別の実施態様において、主題の化合物は、アヘンアゴニスト、5−リポオキシゲナーゼのインヒビターのようなリポオキシゲナーゼインヒビター、シクロオキシゲナーゼ−2インヒビターのようなシクロオキシゲナーゼインヒビター、インターロイキン−1インヒビターのようなインターロイキンインヒビター、NMDAアンタゴニスト、酸化窒素のインヒビター若しくは酸化窒素の合成のインヒビター、非ステロイド性抗炎症剤又はサイトカイン抑制抗炎症剤と組み合わせて、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛剤、スフェンタニール、サンリンダク、テニダップなどのような化合物と組み合わせて用いることができる。同様に、主題の化合物を、疼痛緩和剤;カフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウム又はマグネシウムのような増強剤;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エフィネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン又はレボ−デソキシ−エフェドリンのような充血除去剤;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン又はデキストロメトルファンのような鎮咳剤;利尿剤;及び鎮静型又は非鎮静型抗ヒスタミン剤と共に投与することができる。
【0073】
本発明の化合物を、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢内注射若しくは注入、皮下注射若しくは移植)、吸入噴霧、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下、又は局所経路の投与によって投与することができ、単独で又は一緒に、それぞれの投与経路に適した従来の非毒性で薬学的に許容される担体、佐剤及びビヒクルを含有する適切な投与単位製剤に配合することができる。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどのような温血動物の治療に加えて、本発明の化合物はヒトにおける使用に有効である。
【0074】
本発明の化合物の投与用の医薬組成物は、投与単位形態で都合よく存在することができ、薬剤学の技術において周知の方法のいずれかによって調製することができる。全ての方法は、活性成分と、1つ以上の補助成分を構成する担体とを関連させる工程を含む。一般に、医薬組成物は、活性成分を液体担体と又は微粉化固体担体と又はその両方と均一かつ緊密に関連させ、次に必要であれば生成物を所望の製剤に造形することによって調製される。医薬組成物において、活性の目的化合物は、疾患の過程又は状態に対して所望の効果を生じるのに十分な量で含まれる。本明細書で使用されるとき、用語「組成物」は、特定の量で特定の成分を含む生成物、並びに特定の量で特定の成分の組み合わせにより直接的又は間接的にもたらされるあらゆる生成物を含むことを意図する。
【0075】
経口使用が意図される医薬組成物は、医薬組成物の製造における当該技術において既知のあらゆる方法に従って調製することができ、そのような組成物は、薬学的に洗練された口当たりのよい製剤を提供するため、甘味料、風味剤、着色剤及び防腐剤からなる群より選択される1つ以上の作用物質を含有することができる。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適切である非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;造粒剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアカシア、並びに滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであることができる。錠剤は被覆されていなくてもよいか、又はこれらは、胃腸管における分解及び吸収を遅延させ、それにより長期間にわたって持続的に作用するために、既知の技術で被覆されていてもよい。経口使用の組成物は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合している硬質ゼラチンカプセル剤として、又は活性成分が水若しくは油媒質、例えばピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油と混合している軟質ゼラチンカプセル剤として存在することもできる。水性懸濁剤は、活性物質を水性懸濁剤の製造に適切な賦形剤と混合して含有する。油性懸濁剤は、活性成分を適切な油に懸濁することによって配合することができる。水中油乳剤を用いることもできる。水の添加による水性懸濁剤の調製に適切な分散性粉末及び顆粒は、活性成分を、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種以上の防腐剤と混合して提供する。本発明の医薬組成物は、滅菌された注射用水性又は油性懸濁剤の形態であることができる。本明細書の化合物を、直腸内投与のために坐剤の剤形で投与することもできる。局所使用には、本発明の化合物を含有する、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、液剤又は懸濁剤などを用いることができる。本発明の化合物を吸入による投与のために配合することもできる。本発明の化合物を、当該技術で既知の方法により経皮パッチ剤で投与することもできる。
【0076】
本発明の化合物を調製するいくつかの方法が、以下のスキーム及び実施例で例示される。出発材料は、当該技術で既知の手順に従って、又は本明細書に例示されているようにして作製される。本明細書において次の略語が使用される:Me:メチル;Et:エチル;t−Bu:tert−ブチル;Ar:アリール;Ph:フェニル;Bn:ベンジル;Ac:アセチル;THF:テトラヒドロフラン;DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド;HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;EtN:トリエチルアミン;DCM:ジクロロメタン;DCE:ジクロロエタン;BSA:ウシ血清アルブミン;TFA:トリフルオロ酢酸;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;MTBE:メチルtert−ブチルエーテル;SOCl:塩化チオニル;CDI:カルボニルジイミダゾール;rt:室温;HPLC:高速液体クロマトグラフィー。本発明の化合物は、多様な様式で調製することができる。
【0077】
いくつかの場合において、最終生成物を、例えば、置換基の操作により更に変更することができる。これらの操作には、当業者に慣用的に知られている還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの場合において、前述の反応スキームを実施する順序は、反応を促進するため又は不要な反応生成物を避けるために変えることができる。以下の実施例は、本発明をより完全に理解できるように提供される。これらの実施例は、例示のためだけであり、本発明をいかようにも制限するものとして考慮されるべきではない。
【0078】
【化7】

【0079】
2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(A−1)
DMF中の2−ヨード安息香酸(3.0g、12.09mmol)の溶液を、1,2,3−トリアゾール(1.5g、21.7mmol)、CsCO 7.08g(21.7mmol)、CuI 114mg(0.60mmol)及びトランス−N,N′−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン310mg(2.17mmol)で処理した。混合物をマイクロ波反応器により120℃で10分間加熱した。反応をrtに冷却し、EtOAcで希釈し、セライトで濾過した。残渣をSiO(0.1%AcOHを含有するDCM中のMeOH)の勾配溶出により精製して、速く溶出する所望の2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸、A−1を得た。A−1のデータ:HNMR(500MHz,DMSO−d)δ13.05(brs,1H),8.12(s,2H),7.81−7.52(m,4H)ppm。望ましくない2−(1H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸が2番目に溶出した。
【0080】
2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−メチル安息香酸(A−2)
DMF(10mL)中の2−ヨード−5−メチル安息香酸(4.0g、15.3mmol)の溶液を、1,2,3−トリアゾール(2.1g、30.5mmol)、CsCO(9.95g、30.5mmol)、CuI(0.145g、0.76mmol)及びトランス−N,N′−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.43g、3.05mmol)で処理した。混合物をマイクロ波反応器により120℃で10分間加熱した。反応を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAcで洗浄した。水層を1N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥、濾過し、濃縮した。残渣をSiO(0.1%AcOHを含有するDCM中のMeOH)の勾配溶出により精製して、速く溶出する2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−メチル安息香酸、A−2を得て、続いて望ましくない位置異性体である2−(1H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−5−メチル安息香酸を得た。A−2のデータ:HNMR(500MHz,DMSO−d)d12.98(brs,1H),8.04(s,2H),7.72−7.45(m,3H),2.41(s,3H)ppm。
【0081】
5−ブロモ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(A−3)
DMF中の5−ブロモ−2−ヨード安息香酸(10.0g、30.6mmol)の溶液を、1,2,3−トリアゾール(2.11g、30.6mmol)、KPO・HO 14.09g(61.2mmol)及びCuI 583mg(3.06mmol)で処理した。混合物を、N下で撹拌しながら60℃で3時間加熱した。反応をrtに冷却し、水で希釈し、1N HClで酸性化した。混合物をEtOAcで3つに分けた。有機層を合わせ、ブラインですすぎ、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc、1%AcOH緩衝液)により精製して、速く溶出する所望の5−ブロモ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸、A−3を得た。A−3のデータ:HNMR(500MHz,DMSO−d)δ13.4(brs,1H),8.12(m,2H),7.94−7.88(m,2H),7.78−7.73(m,1H)ppm。望ましくない5−ブロモ−2−(1H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸が2番目に溶出した。
【0082】
【化8】

【0083】
2−(ジブトキシメチル)−4−フルオロ−1−ニトロベンゼン(B−1)
5−フルオロ−2−ニトロベンズアルデヒド(75g、443mmol)、パラ−トルエンスルホン酸一水和物(8.4g、44.3mmol)及びn−ブタノール(122mL、1.33mol)の溶液を、Dean−Stark装置を使用してトルエン(630mL)で15時間還流した。反応を冷却し、濃縮し、水(1L)とEtOAc(1L)に分配した。有機層を水(1L)及びブライン(1L)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。粗反応をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc、1%トリエチルアミン緩衝液)により精製して、B−1を油状物として得た。B−1のデータ:HNMR(500MHz,CDCl)δ7.92(dd,J=8.5,4.5Hz,1H),7.54(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),7.15−7.11(m,1H),6.05(s,1H),3.67−3.52(m,4H),1.63−1.57(m,4H),1.43−1.35(m,4H),0.94−0.91(m,6H)ppm;LRMS(M+H)m/z=実測値169.8;要求値300.3(アセタールの損失を参照すること)。
【0084】
2−クロロ−6−フルオロキナゾリン(B−3)
EtOAc(350mL)中のB−1(26.1g、87mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、25℃で、Pd−C(10重量%、2.3g)を加え、反応を水素雰囲気下(1気圧)に置いた。反応を12時間撹拌し、セライトで濾過し、濃縮した。残渣をTHF(350mL)に再溶解し、0℃に冷却した。この溶液に、トリエチルアミン(45.0mL、323mmol)及びTHF(60mL)中のトリホスゲン(8.6g、29.1mmol)を滴下した。反応を10分間撹拌し、メタノール中のアンモニア(46.1mL、323mmol、7M溶液)を加えた。反応を0℃で10分間撹拌し、周囲温度に急速に温めた。室温で15分後、反応を、ジオキサン(120mL)中の4M HClでpH2に酸性化した。反応を室温で1時間撹拌し、直接濃縮した。残渣をトルエン及びメタノールと共沸して、B−2を黄色のケーキとして得た。B−2のデータ:LRMSm/z(M+H)=実測値164.9;要求値165.1。黄色のケーキをオキシ塩化リン原液(130mL)に溶解し、1時間還流(120℃)した。反応を冷却し、過剰溶媒を真空下で除去した。粗反応混合物をEtOAc(600mL)に溶解し、水(500mL)により0℃でゆっくりと停止させた。水層をEtOAc(2×200mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。粗反応をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ジクロロメタン)により精製して、B−3をオフホワイトの固体として得た。B−3のデータ:HNMR(500MHz,CDCl)δ9.29(s,1H),8.04(dd,J=9.0,5.0Hz,1H),7.77−7.72(m,1H),7.59(dd,
J=7.5,2.5Hz,1H)ppm;LRMSm/z(M+H)=実測値183.2;要求値183.0。
【0085】
【化9】

【0086】
4−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−チオール(C−1)
30mLのEtOH中の2−アミノ−m−クレゾール(4.0g、32.5mmol)及びエチルキサントゲン酸カリウム(10.4g、65.0mmol)の溶液を3時間還流した。溶媒をロータリー蒸発により除去し、残渣をおよそ50mLの水に溶解し、酢酸を加えてpHを約5に調整した。このようにして形成された固体を濾過により集め、真空下で乾燥して、C−1を白色の固体として得た。C−1のデータ:LC/MS:保持時間=1.67分;m/z(M+H)=実測値166.0;要求値166.0。
【0087】
2−クロロ−4−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール(C−2)
POCl(4.5mL、48.4mmol)中のC−1(1.6g、9.7mmol)の懸濁液に、PCl(2.2g、10.6mmol)及び約10mLのCHClを加えた。一晩撹拌した後、溶媒をロータリー蒸発により除去し、残渣をCHClと5%NaCO水溶液に分配した。層を分離し、有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、C−2を白色の固体として得た。C−2のデータ:LC/MS:保持時間=2.28分;m/z(M+H)=実測値168.0;要求値168.0。
【0088】
【化10】

【0089】
2,5−ジクロロ−1,3−ベンゾオキサゾール(D−1)
POCl(12.6mL、135mmol)中の5−クロロ−2−メルカプトベンゾオキサゾール(5.0g、26.9mmol)の懸濁液に、PCl(6.2g、129.6mmol)及び約20mLのCHClを加えた。5日間撹拌した後、溶媒をロータリー蒸発により除去し、残渣をEtOAcと飽和NaHCO水溶液に分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残渣を最小量のCHClに溶解し、ヘキサンを加え、少量の固体を濾取した。濾液を濃縮して、D−1を白色の固体として得た。D−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.38分;m/z(M+H)=実測値188.0;要求値188.0。
【0090】
【化11】

【0091】
メチルケトン(E−1)
250mLのEtO中のBoc−エチレンジアミン(20.0g、125mmol)の溶液にメチルビニルケトン10.2mL(125mmol)を滴下して処理し、24時間撹拌した。次に反応を0℃に冷却し、トリエチルアミン22.6mL(162mmol)を加え、次いでクロロギ酸ベンジル19.6mL(137mmol)を加えた。反応を一晩撹拌しながらゆっくりと室温に温めた。反応をEtOAcで希釈し、10%クエン酸水溶液、次に飽和NaHCO、次いでブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、E−1を淡黄色の油状物として得た。E−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.22分、m/z(M+H)=実測値265.2;要求値365.2(Boc基の損失を参照すること)。
【0092】
5−メチル−1,4−ジアゼパン−2−カルボン酸ベンジル(E−2)
300mLのEtOAc中のE−1 39.0g(107mmol)の溶液を、HCl(g)で飽和し、フラスコに蓋をして、2時間撹拌した。溶媒をロータリー蒸発により除去し、残渣を1M HClに溶解し、EtOで洗浄し、NaOHで塩基性化し、2:1のCHCl/EtOHで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、濃縮し、CHClに溶解し、濾過して、19.2gの褐色の油状物を得た。この物質をCHCl 200mLに溶解し、これに、5mLのHOAcを加えた。2時間撹拌した後、23.1g(109mmol)のNa(OAc)BHを加え、得られた混合物を室温で48時間撹拌した。溶媒の一部をロータリー蒸発により除去し、残渣を、飽和NaHCO溶液及び2:1のCHCl/EtOHを含有している分液漏斗の中に一度に入れた。層を分離し、水層を2:1のCHCl/EtOHで2回抽出した。合わせた有機層を、最小量のブラインで洗浄し、濃縮し、CHClに溶解し、濾過し、濃縮して、E−2を褐色の油状物として得た。E−2のデータ:LC/MS:保持時間=1.12分;m/z(M+H)=実測値249.1;要求値249.2。
【0093】
5−メチルー1,4−ジアゼパン−1,4−ジカルボン酸1−ベンジル4−tert−ブチル(E−3)
200mLのCHCl中の23.8g(96mmol)のE−2の溶液に、トリエチルアミン26.7mL(192mmol)及びジ−tert−ブチルジカーボネート25.1g(115mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応をCHClで希釈し、分液漏斗の中に一度に入れ、飽和NaHCO溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、E−3を無色の油状物として得た。E−3のデータ:LC/MS:保持時間=2.64分;m/z(M+H)=実測値249.2;要求値349.4(Boc基の損失を参照すること)。
【0094】
(5R)−5−メチル−1,4−ジアゼパン−1,4−ジカルボキシレート(E−4)及び1−ベンジル4−tert−ブチル(5S)−5−メチル−1,4−ジアゼパン−1,4−ジカルボン酸1−ベンジル4−tert−ブチル(E−5)
E−3の鏡像異性体を、60%EtOH及び40%ヘキサン(0.1%ジエチルアミンを含有)を用いて175mL/分の流速で定組成溶出する10cm×50cmのChiralpak ADカラムにより分取的に分離した。およそ6gのE−3を、これらの条件下で1回実施して分離することができた。解析的分析を、60%EtOH及び40%ヘキサン(0.1%ジエチルアミンを含有)を用いて1mL/分の流速で0.46cm×25cmのChrialpak ADカラムにより行った。溶出した第1の鏡像異性体(E−4)は、(R)−鏡像異性体と思われ、所望の異性体であり、4.12分の保持時間を有した。>98%eeの無色のガムであった。溶出した第2の鏡像異性体(E−5)は、(S)−鏡像異性体と思われ、望ましくない異性体であり、4.82分の保持時間を有した。それは、約90%eeの無色の粘性物質であった。
【0095】
【化12】

【0096】
(5R)−5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸ベンジル(F−1)
350mLのEtOAc中のE−4 15.0g(43.0mmol)の溶液を、HCl(g)で飽和し、フラスコに蓋をして、15分間撹拌した。溶液を、再びHCl(g)で飽和し、フラスコに蓋をし、30分間撹拌してから、揮発物をロータリー蒸発により除去して、F−1の塩酸塩13.0gを無色の粘性物質として得た。F−1のデータ:LC/MS:保持時間=1.10分;m/z(M+H)=実測値249.2;要求値249.3。
【0097】
(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸ベンジル(F−2)
200mLのDMF中のF−1の塩酸塩12.0g(42.3mmol)、A−1 8.8g(46.6mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール6.92g(50.8mmol)及びN−メチルモルホリン18.6mL(169mmol)の溶液に、EDC 12.2g(63.5mmol)を加え、反応を室温で一晩撹拌した。反応をEtOAcと10%KHSO水溶液に分配し、水、飽和NaHCO水溶液、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、ロータリー蒸発により濃縮した。前記の酸性及び塩基性の層をEtOAcで再び抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮し、上記の有機残渣と合わせた。残渣の総量を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、F−2を無色の油状物として得た。F−2のデータ:LC/MS:保持時間=2.25分;m/z(M+H)=実測値420.3;要求値420.5。
【0098】
(7R)−7−メチル−1−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン(F−3)
EtOAc 250mL中のF−2 12.2g(29.0mmol)の溶液を含む丸底フラスコを、減圧下で脱気し、Nの雰囲気で3回パージした。次いで、フラスコに20.4gの20%Pd(OH)炭素を加えた。フラスコを再び減圧下で脱気し、Nの雰囲気で3回、次にHで3回パージした。反応をHの雰囲気下で一晩撹拌し、次に、EtOAc、続いてMeOHですすぎながら、セライトパッドにより濾過した。濾液を濃縮して、F−3を白色の固体として得た。F−3のデータ:LC/MS:保持時間=0.81及び1.01分(これらの条件下での2つの配座異性体を参照すること);m/z(M+H)=実測値286.2;要求値286.3。
【0099】
6−フルオロ−2−{(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}キナゾリン(F−4)
50mLのDMF中のF−3 3.0g(10.5mmol)に、トリエチルアミン4.40mL(31.5mmol)及びB−3 1.92g(10.5mmol)を加え、混合物を油浴により75℃で4時間加熱し、その油浴の温度を50℃に下げ、反応をその温度で一晩撹拌した。室温に冷却した後、反応をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO水溶液、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。ロータリー蒸発により濃縮した後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOH)により精製して、F−4を黄色の固体として得た。F−4のデータ:LC/MS:保持時間=1.88及び1.95分(これらの条件下での2つの配座異性体を参照すること);m/z(M+H)=実測値432.2;要求値432.2;HRMS(APCI)m/z(M+H)実測値432.1949;要求値432.1943。
【0100】
【化13】

【0101】
(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸ベンジル(G−1)
300mLのDMF中のF−1の塩酸塩22.3g(78mmol)、A−2 15.9g(78mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール12.8g(94mmol)及びN−メチルモルホリン43.1mL(392mmol)の溶液に、EDC 22.5g(118mmol)を加え、反応を室温で一晩撹拌した。反応をEtOAcと飽和NaHCO水溶液に分配し、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、ロータリー蒸発により濃縮した。残渣を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、G−1を無色の粘性物質として得た。G−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.22分;m/z(M+H)=実測値434.2;要求値434.2。
【0102】
(7R)−7−メチル−1−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン(G−2)
300mLのEtOAc及び200mlのMeOH中のG−1 29.6g(68.3mmol)の溶液を含む丸底フラスコを、減圧下で脱気し、Nの雰囲気で3回パージした。次に、フラスコに2.4gの20%Pd(OH)炭素を加えた。フラスコを再び減圧下で脱気し、Nの雰囲気で3回、次にHで3回パージした。反応をHの雰囲気下で3日間撹拌し、次に、EtOAc、続いてMeOHですすぎながら、セライトパッドにより濾過した。濾液を濃縮して、G−2を白色の泡状物として得た。G−2のデータ:LC/MS:保持時間=0.96及び1.13分(これらの条件下での2つの配座異性体を参照すること);m/z(M+H)=実測値300.0;要求値300.2。
【0103】
5−クロロ−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール(G−3)
250mLのDMF中のG−2 21.0g(70.1mmol)に、トリエチルアミン29.3mL(210mmol)及びD−1 13.2g(70.1mmol)を加え、混合物を油浴で75℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、反応をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO水溶液、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。ロータリー蒸発により濃縮した後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOH)により精製して、粘性物質を得た。粘性物質を、EtOAc 150ml及びヘキサン300mlの混合物で一晩撹拌した。濾過することによって、G−3を白色の固体として得た。G−3のデータ:LC/MS:保持時間=2.29分;m/z(M+H)=実測値451.1;要求値451.2;HRMS(APCI)m/z(M+H)実測値451.1631;要求値451.1644。
【0104】
【化14】

【0105】
(5R)−4−[5−ブロモ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸ベンジル(H−1)
35mLのDMF中のF−1の塩酸塩2.5g(8.8mmol)、A−3 2.35g(8.8mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール1.43g(10.5mmol)及びN−メチルモルホリン4.83mL(43.9mmol)の溶液に、EDC 2.52g(13.2mmol)を加え、反応を室温で一晩撹拌した。反応をEtOAcと飽和NaHCO水溶液に分配し、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、ロータリー蒸発により濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、H−1を白色の固体として得た。H−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.28及び2.34分(これらの条件下での2つの配座異性体を参照すること);m/z(M+H)=実測値498.1;要求値498.1。
【0106】
(5R)−4−[5−(メトキシカルボニル)−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−5−メチル−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸ベンジル(H−2)
20mLのメタノール及び10mlのDMSO中の2.63g(5.3mmol)のH−1、酢酸パラジウム(II)118mg(0.53mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン218mg(0.53mmol)及びトリエチルアミン2.21mL(15.8mmol)の溶液中、一酸化炭素を80℃で10分間泡立てた。次に反応を一酸化炭素のバルーン下に置いて、80℃で一晩撹拌した。反応をEtOAcと飽和NaHCO水溶液に分配し、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、ロータリー蒸発により濃縮した。残渣を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、H−2を無色の粘性物質として得た。H−2のデータ:LC/MS:保持時間=2.10及び2.16分(これらの条件下での2つの配座異性体を参照すること);m/z(M+H)=実測値478.1;要求値478.2。
【0107】
3−{[(7R)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]カルボニル}−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸メチル(H−3)
EtOAc 100mL及びMeOH 20ml中のH−2 750mg(1.57mmol)の溶液を含む丸底フラスコを、減圧下で脱気し、Nの雰囲気で3回パージした。次に、フラスコに1.1gの20%Pd(OH)炭素を加えた。フラスコを再び減圧下で脱気し、Nの雰囲気で3回、次にHで3回パージした。反応をHの雰囲気下で24時間撹拌し、次に、EtOAc、続いてMeOHですすぎながら、セライトパッドにより濾過した。濾液を濃縮して、H−3を無色の粘性物質として得た。H−3のデータ:LC/MS:保持時間=1.01及び1.13分(これらの条件下での2つの配座異性体を参照すること);m/z(M+H)=実測値344.1;要求値344.2。
【0108】
3−{[(7R)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]カルボニル}−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸メチル(H−4)
10mLのDMF中のH−3 540mg(1.57mmol)に、トリエチルアミン0.22mL(1.57mmol)及びD−1 310mg(1.65mmol)を加え、混合物をアルミニウムブロックにより50℃で一晩加熱した。室温に冷却した後、反応をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO水溶液、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。ロータリー蒸発により濃縮した後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOH)により精製して、H−4を白色の固体として得た。H−4のデータ:LC/MS:保持時間=2.24分;m/z(M+H)=実測値495.1;要求値495.2。HRMS(APCI)m/z(M+H)実測値495.1561;要求値495.1542。
【0109】
3−{[(7R)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]カルボニル}−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(H−5)
それぞれ20mLのMeOH/THF/HO中のH−4 120mg(0.24mmol)に、1M水酸化ナトリウム水溶液1.94mL(1.94mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応を濃縮して有機溶媒を除去し、次いでEtOAcで希釈し、1M NaOHで3回洗浄した。水層を1M HClで酸性化し、EtOAcで3回洗浄し、有機物を合わせ、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。ロータリー蒸発により濃縮した後、残渣をEtO/ヘキサンに懸濁し、濃縮して、H−5を白色の固体として得た。H−5のデータ:LC/MS:保持時間=1.94分;m/z(M+H)=実測値481.1;要求値481.1。HRMS(APCI)m/z(M+H)実測値481.1409;要求値481.1386。
【0110】
【化15】

【0111】
[3−{[(7R)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]カルボニル}−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノール(I−1)
10mLのTHF中のH−4 400mg(0.81mmol)に、THF中の2.3M水素化アルミニウムリチウム溶液0.70mL(1.62mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。反応を水で停止させ、EtOAcで希釈し、1M HCl、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。ロータリー蒸発により濃縮した後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製し、濃縮し、EtO/ヘキサンに懸濁し、再び濃縮して、I−1を白色の固体として得た。I−1のデータ:LC/MS:保持時間=1.86分;m/z(M+H)=実測値467.1;要求値467.2。HRMS(APCI)m/z(M+H)実測値467.1623;要求値467.1593。
【0112】
【化16】

【0113】
2−クロロ−6.7−ジフルオロキノキサリン(J−1)
EtOH(100ml)中の4,5−ジフルオロ−1,2−フェニレンジアミン(3g、20.82mmol)の溶液を、グリオキシル酸(2.34mL、21.02mmol、水中50重量%)で処理し、3時間加熱還流した。混合物を0℃に冷却し、固体を濾過により集めた。この物質をPOCl(29.1ml、312mmol)で希釈し、1時間加熱還流した。還流冷却器を取り外し、Nガス流を混合物に吹きかけて濃縮させた。残渣をDCMで希釈し、0℃に冷却し、5%NaCO水溶液をゆっくりと加えた。混合物を分液漏斗に注ぎ、層を分離した。有機層を5%NaCO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗物質をCHClに溶解し、12gのシリカゲルで処理し、濃縮して細粉にした。これをシリカゲルに装填し、定組成溶出(DCM中10%EtOAc)により精製して、J−1をオフホワイトの固体として得た。J−1のデータ:HNMR(500MHz.CDCl):δ8.8(s,1H),7.9(m,1H),7.8(m,1H)ppm。
【0114】
6,7−ジフルオロ−2−{(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}キノキサリン(J−2)
10mLのDMF中のF−3 711mg(2.5mmol)に、トリエチルアミン1.04mL(7.5mmol)及びJ−1 500mg(2.5mmol)を加え、混合物をアルミニウムブロックにより75℃で5時間加熱した。室温に冷却した後、反応をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO水溶液、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。ロータリー蒸発により濃縮した後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製し、濃縮し、EtO/ヘキサンに懸濁し、再び濃縮して、J−2を黄色の固体として得た。J−2のデータ:LC/MS:保持時間=2.20分;m/z(M+H)=実測値450.0;要求値450.2。HRMS(APCI)m/z(M+H)実測値450.1862;要求値450.1848。
【0115】
【化17】

【0116】
2−クロロ−5−メチルチエノ[2,3−d]ピリミジン(K−1)
アセトニトリル(9mL)中の1.5g(10.9mmol)の2−アミノ−4−メチルチオフェン−3−カルボニトリルに、2.0mL(16.3mmol)のジホスゲンを加え、混合物を封管中、100℃で15時間加熱した。室温に冷却した後、反応を水の中にゆっくりと注ぎ、水とEtOAcに分配した。有機層を飽和NHClで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残留した黄色の固体をエタノール(30mL)に溶解し、この懸濁液に2.4g(36.1mmol)の亜鉛末及び3.1mL(22.6mmol)の水酸化アンモニウムを加え、反応を78℃で1時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却した後、混合物をセライトで濾過し、EtOAcと水に分配し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、K−1をオフホワイトの固体として得た。K−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.03分;m/z(M+H)=実測値185.1;要求値185.0。
【0117】
5−メチル−2−{(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}チエノ[2,3−d]ピリミジン(K−2)
DMF(1.0mL)中の27mg(0.15mmol)の2−クロロ−5−メチルチエノ[2,3−d]ピリミジン及び42mg(0.15mmol)のF−3に、0.1mL(0.73mmol)のトリエチルアミンを加え、混合物を90℃で15時間加熱した。室温に冷却した後、反応を水に注ぎ、水とEtOAcに分配した。有機層を飽和NHClで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、K−2をオフホワイトの泡状固体として得た。K−2のデータ:LC/MS:保持時間=2.68分;m/z(M+H)=実測値434.1;要求値434.2;HRMSm/z(M+H)=実測値434.1769;要求値434.1764。
【0118】
【化18】

【0119】
2,4−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン(L−1)
エタノール(200mL)中の10.0g(58.8mmol)の2−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチルに、29.4mL(118mmol)のナトリウムメトキシド及び4.6g(76mmol)の尿素を加え、混合物を80℃で15時間加熱した。室温に冷却した後、白色の固体を濾取し、冷ジエチルエーテルで数回洗浄した。高真空下で乾燥した後、白色の固体をオキシ塩化リン原液(77mL)に溶解し、120℃で1時間加熱した。反応を室温に冷却し、過剰オキシ塩化リンをロータリー蒸発により除去した。残渣をEtOAc(400mL)と水(200mL)に分配し、有機層を飽和NaHCO溶液(200mL)及びブライン(200mL)で連続的に洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、L−1を僅かに黄色の固体として得た。L−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.49分;m/z(M+H)=実測値203.1;要求値203.0。
【0120】
2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン(L−2)
4.7g(23.1mmol)のL−1を、K−1で記載したものと同様の方法によって脱塩素化して、L−2を白色の固体として得た。L−2のデータ:LC/MS:保持時間=1.92分;m/z(M+H)=実測値169.2;要求値169.1。
【0121】
2−{(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン(L−3)
284mg(1.68mmol)のL−2及び400mg(1.40mmol)のF−3を、K−2で記載したものと同様の方法によってカップリングして、L−3を白色の固体として得た。L−3のデータ:LC/MS:保持時間=1.73分;m/z(M+H)=実測値418.1;要求値418.2;HRMSm/z(M+H)=実測値418.2348;要求値418.2355。
【0122】
【化19】

【0123】
2,4−ジクロロ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(M−1)
エタノール(130mL)中の10g(64.0mmol)の2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチルに、0.80mL(9.6mmol)の濃HCl及び5.8g(96.0mmol)の尿素を加え、混合物を80℃で4時間加熱した。室温に冷却した後、固体を濾取し、冷ジエチルエーテルで数回洗浄した。高真空下で乾燥した後、白色の固体を1N NaOH(100mL)に溶解し、110℃で1時間加熱した。反応を室温に冷却し、3N HClでpH2に酸性化し、固体を濾過により集めた。固体を冷ジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で乾燥した(Eur.J.Med.Chem.1980,15,317−322を僅かに変更した手順)。高真空下で乾燥した後、固体をオキシ塩化リン原液(55mL)に溶解し、120℃で1時間加熱した。反応を室温に冷却し、過剰オキシ塩化リンをロータリー蒸発により除去した。残渣をEtOAc(400mL)と水(200mL)に分配し、有機層を飽和NaHCO溶液(200mL)及びブライン(200mL)で連続的に洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、M−1を白色の固体として得た。M−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.40分;m/z(M+H)=実測値189.1;要求値189.0。
【0124】
2−クロロ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(M−2)
4.2g(22.2mmol)のM−1を、K−1で記載したものと同様の方法によって脱塩素化して、M−2を白色の固体として得た。M−2のデータ:LC/MS:保持時間=1.22分;m/z(M+H)=実測値155.1;要求値155.0。
【0125】
2−{(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(M−3)
32.5mg(0.21mmol)のM−2及び30mg(0.105mmol)のF−3を、K−2で記載したものと同様の方法によってカップリングして、M−3を白色の固体として得た。M−3のデータ:LC/MS:保持時間=1.88分;m/z(M+H)=実測値404.4;要求値404.2;HRMSm/z(M+H)=実測値404.2204;要求値404.2199。
【0126】
【化20】

【0127】
2−クロロ−7,8−ジヒドロキノリン−5(6H)−オン(N−1)
アセトニトリル(6.1mL)中の200mg(1.23mmol)の7.8−ジヒドロキノリン−2,5(1H,6H)−ジオンに、1.14mL(12.3mmol)のオキシ塩化リンを加え、混合物を65℃で3時間加熱した。反応を室温に冷却し、過剰オキシ塩化リンをロータリー蒸発により除去した。残渣をEtOAc(400mL)と水(200mL)に分配し、有機層を飽和NaHCO溶液(200mL)及びブライン(200mL)で連続的に洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮して、N−1をベージュ色の固体として得た。N−1のデータ:LC/MS:保持時間=1.64分;m/z(M+H)=実測値182.1;要求値182.0。
【0128】
2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−7,8−ジヒドロキノリン−5(6H)−オン(N−2)
36.4mg(0.21mmol)のN−1及び50mg(0.105mmol)のG−2を、K−2で記載したものと同様の方法によってカップリングして、N−2を白色の固体として得た。N−2のデータ:LC/MS:保持時間=1.88分;m/z(M+H)=実測値445.1;要求値445.2;HRMSm/z(M+H)=実測値445.2357;要求値445.2352。
【0129】
【化21】

【0130】
2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(O−1)
CHCl(17mL)中の670mg(3.47mmol)の2−(メチルチオ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(J.Med.Chem.2000,43,4606−4616に記載の手順によって合成)に、1.55g(6.93mmol)のmCPBAを加え、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応を直接濃縮し、ジオキサン(10mL)に再溶解した。この溶液に、675mg(2.25mmol)のG−2及び2.4mL(17.3mmol)のトリエチルアミンを加えた。反応を100℃で6時間加熱した。反応を周囲温度に冷却し、飽和NHClで停止させ、EtOAc(4×20mL)で抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、O−1を固体として得た。O−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.01分;m/z(M+H)=実測値445.4;要求値445.2。
【0131】
6−クロロ−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(O−2)
DMF(7.4mL)中の660mg(1.49mmol)のO−1に、347mg(2.60mmol)のN−クロロスクシンイミド(NCS)及び108mg(0.45mmol)の過酸化ベンゾイルを加え、混合物を周囲温度で24時間撹拌した。反応をEtOAc(75mL)で希釈し、水(4×30mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、O−2を白色の固体として得た。O−2のデータ:LC/MS:保持時間=2.19分;m/z(M+H)=実測値479.1;要求値479.2;HRMSm/z(M+H)=実測値479.1748;要求値479.1710。
【0132】
【化22】

【0133】
2−クロロ−5−メチルチエノ[2,3]ピリミジン−4−アミン(P−1)
5mLのTHF中の2,4−ジクロロ−5−メチルチエノ[2,3]ピリミジン(0.20g、0.9mmol)の溶液に、水酸化アンモニウム(0.57g、4.5mmol)を加え、室温で2日間撹拌した。次に系をEtOAcと水に分配し、MgSOで乾燥し、濃縮し、順相クロマトグラフィー(0→75%のEtOAc/ヘキサン)を使用して精製して、P−1を骨粉末として得た。P−1のデータ:LC/MS:保持時間=1.48分;m/z(M+H)=実測値200.1;要求値200.1。
【0134】
5−メチル−2−{4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}チエノ[2,3]ピリミジン−4−アミン(P−2)
2mLのDMF中のP−1(0.09g、0.49mmol)及びF−3(0.15g、0.54mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.25g、2.5mmol)を加え、系をマイクロ波により185℃で40分間加熱した。次に系をEtOAcと水に分配し、MgSOで乾燥し、濃縮し、順相クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)を使用して精製して、P−2を白色の泡状物として得た。P−2のデータ:LC/MS:保持時間=1.45分;m/z(M+H)=実測値449.1;要求値449.1。HRMSm/z(M+H)=実測値449.1869;要求値449.1867。
【0135】
【化23】

【0136】
2−アミノ−4−メチル−3−フロニトリル(Q−1)
45mLのMeOH中のヒドロキシアセトン(1.0g、13.5mmol)の溶液に、TEA(1.36g、13.5mmol)及び10mLのMeOH中のマロニトリル(0.9g、13.5mmol)の溶液を加えた。室温で一晩撹拌した後、溶媒をロータリー蒸発により除去して、Q−1を褐色の半固体として得た。Q−1のデータ:HNMR(500MHz,CDCl)δ2.01(s,3H),4.71(brs,2H),6.57(s,1H)。
【0137】
2−クロロ−5−メチルフロ[2,3]ピリミジン(Q−2)
封管中の13mLのACN中のQ−1(1.6g、13.1mmol)の溶液に、ジホスゲン(3.9g、19.6mmol)を加え、95℃で一晩加熱した。系を周囲温度に冷却し、内容物をEtOAc/DCMと水に分配し、MgSOで乾燥し、濃縮して、褐色の油状物を得た。30mLのEtOH中のこの褐色の油状物(1.0g、4.9mmol)の溶液に、亜鉛末(2.6g、39.4mmol)、水酸化アンモニウム(3.0g、24.6mmol)を加え、78℃で0.5時間加熱した。次に系を冷却し、セライトパッドで濾過した。次に濾液をEtOAcと水に分配し、MgSOで乾燥し、濃縮し、順相クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、Q−2を黄色の結晶質固体として得た。Q−2のデータ:LC/MS:保持時間=1.65分;m/z(M+H)=実測値169.0;要求値169.0。
【0138】
5−メチル−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}フロ[2,3]ピリミジン(Q−3)
2mLのDMF中のQ−2(0.02g、0.14mmol)及びG−2(0.04g、0.14mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.07g、0.71mmol)を加え、系をマイクロ波により120℃で25分間加熱した。反応内容物を濾過し、逆相条件(5%→95%の水中0.1%TFA:ACN中0.1%TFA)により精製し、続いて飽和重炭酸ナトリウムにより遊離塩基化して、Q−3を骨泡状物として得た。Q−3のデータ:LC/MS:保持時間=2.55分;m/z(M+H)=実測値432.3;要求値432.4。HRMSm/z(M+H)=実測値432.2144;要求値432.2143。
【0139】
【化24】

【0140】
2−クロロ−5,6−ジメチルフロ[2,3]ピリミジン(R−2)及び2−クロロ−4−エトキシ−5,6−ジメチルフロ[2,3]ピリミジン(R−3)
封管中の7mLのACN中の2−アミノ−4,5−ジメチル−3−フロニトリル(1.0g、7.3mmol)の溶液に、ジホスゲン(3.9g、19.6mmol)を加え、95℃で一晩加熱した。系を周囲温度に冷却し、内容物をEtOAc/DCMと水に分配し、MgSOで乾燥し、濃縮し、順相クロマトグラフィー(0→100%のEtOAc/ヘキサン)を使用して精製して、R−1をピンク色の固体として得た。8mLのEtOH中のこの固体(0.23g、1.0mmol)に、亜鉛末(0.56g、8.6mmol)、水酸化アンモニウム(0.67g、5.4mmol)を加え、78℃で一晩加熱した。次に系を冷却し、セライトパッドで濾過した。次に濾液をEtOAcと水に分配し、MgSOで乾燥し、濃縮して、R−2とR−3の混合物を黄褐色の固体として得て、それをそのまま使用した。R−2のデータ:LC/MS:保持時間=2.04分;m/z(M+H)=実測値183.0;要求値183.0。R−3のデータ:LC/MS:保持時間=3.19分;m/z(M+H)=実測値227.1;要求値227.0。
【0141】
【化25】

【0142】
5−アミノ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボニトリル(S−1)
75mLのMeOH中の(1−エトキシエチリデン)マロニトリル(4.0g、29.4mmol)の溶液に、メチルヒドラジン(1.3g、29.4mmol)を加え、系を65℃で2時間撹拌した。反応内容物を、1N HClを含むフラスコの中に注いだ。室温で一晩撹拌した後、溶媒をロータリー蒸発により除去して、褐色の半固体を得た。この物質をEtOAcと水に分配し、MgSOで乾燥し、濃縮して、S−1を黄褐色の粉末として得た。S−1のデータ:HNMR(500MHz,CDCl)δ2.21(s,3H),3.55(s,3H),4.13(brs,2H)。
【0143】
6−クロロ−1,3−ジメチルピラゾロ[3,4]ピリミジン(S−2)
封管中の7mLのACN中のS−1(1.0g、7.3mmol)の溶液に、ジホスゲン(2.1g、11.0mmol)を加え、95℃で一晩加熱した。系を周囲温度に冷却し、内容物をEtOAc/DCMと水に分配し、MgSOで乾燥し、濃縮し、順相クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)を使用して精製して、白色の結晶質粉末を得た。12mLのEtOH中のこの白色の結晶質粉末(0.37g、1.7mmol)の溶液に、亜鉛末(0.9g、13.9mmol)、水酸化アンモニウム(1.1g、8.7mmol)を加え、78℃で0.5時間加熱した。次に系を冷却し、セライトパッドで濾過した。濾液をEtOAcと水に分配し、MgSOで乾燥し、濃縮して、S−2を黄色の固体として得た。S−2のデータ:LC/MS:保持時間=1.31分;m/z(M+H)=実測値183.1;要求値183.0。
【0144】
【化26】

【0145】
5−ブロモ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−チオール(T−1)
45mLのEtOH中の2−アミノ−4−ブロモフェノール(3.0g、15.9mmol)の溶液に、エチルキサントゲン酸カリウム(5.1g、31.9mmol)を加え、系を80℃で3時間撹拌し、室温に冷却し、一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去し、次に水に溶解し、酢酸で酸性化して、沈殿物を形成した。この沈殿物を濾過により集めて、T−1を灰色を帯びた白色の粉末として得た。T−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.17分;m/z(M+H)=実測値230.0;要求値230.0。
【0146】
5−ブロモ−2−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール(T−2)
6mLのDCM中のT−1(1.8g、7.8mmol)の溶液に、オキシ塩化リン(6.0g、39.1mmol)、続いて五塩化リン(2.4g、11.7mmol)を加え、系を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去し、反応内容物をDCM、飽和重炭酸ナトリウム溶液及び水に分配した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、順相クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)を使用して精製して、T−2を白色の固体として得た。T−2のデータ:LC/MS:保持時間=2.37分;m/z(MS)=実測値232.9;要求値232.9。
【0147】
【化27】

【0148】
4−(アリルオキシ)−2−(メチルチオ)−5−ビニルピリミジン(U−1)
THF(65mL)中の3.0g(12.9mmol)の4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチルに、1.12g(19.3mmol)のアリルアルコール及びNaHMDS 6.45mL(12.9mmol、THF中2M)を加えた。反応を周囲温度で2時間撹拌し、ブラインで停止させた。水層をEtOAc(4×20mL)で抽出し、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗反応混合物をTHF(50mL)に再溶解し、38.7mL(38.7mmol、THF中1M)の水素化ジイソブチルアルミニウムを周囲温度で加えた。反応を45分後に飽和酒石酸カリウムナトリウムで停止させた。水層をEtOAc(4×50mL)で抽出し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、油状物を得た。得られた油状物をクロロホルム(31mL)に溶解し、この溶液に4.1g(4.7mmol)のMnOを加えた。反応を周囲温度で4時間撹拌し、セライトで濾過し、濃縮して、明澄な油状物を得た。得られた油状物をTHF(10mL)に加え、それを、THF(40mL)中のNaHMDS 8.3mL(16.7mmol、THF中2M)及びメチルトリフェニルホスホニウムブロミド6.8g(19.0mmol)の懸濁液に加え、反応を2時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で停止させ、EtOAc(4×50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、油状物を得た。U−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.87分;m/z(M+H)=実測値208.9;要求値209.1。
【0149】
(5R)−1−[4−(アリルオキシ)−5−ビニルピリミジン−2−イル]−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン(U−2)
CHCl(12.0mL)中の500mg(2.40mmol)のU−1に、1.08g(4.8mmol)のmCPBAを加え、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応を直接濃縮し、残渣をDMF(10mL)に溶解した。反応混合物に、1.67mL(12.0mmol)のトリエチルアミン及び1.44g(4.8mmol)のG2を加え、反応を100℃に加熱した。4時間後、反応を冷却し、EtOAcと水に分配した。合わせた有機層を、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、U−2を泡状の固体として得た。U−2のデータ:LC/MS:保持時間=2.30分;m/z(M+H)=実測値460.3;要求値460.2。
【0150】
2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−7H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン(U−3)
脱気1,2−ジクロロエタン(5.4mL)中の500mg(1.09mmol)のU−2に、0.12g(4.8mmol)のZhan 1b触媒を加え、混合物を周囲温度で15時間撹拌した。反応をEtOAcと水に分配し、合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、U−3を泡状の固体として得た。U−3のデータ:LC/MS:保持時間=1.69分;m/z(M+H)=実測値432.2;要求値432.2;HRMSm/z(M+H)=実測値432.2155;要求値432.2143。
【0151】
2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン(U−4)
脱気酢酸エチル(9.7mL)中の420mg(0.97mmol)のU−3に、68mgの20重量%水酸化パラジウムを加え、反応混合物を周囲温度で水素雰囲気下に置いた。2時間後、反応をセライトで濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、U−4を泡状の固体として得た。U−4のデータ:LC/MS:保持時間=1.63分;m/z(M+H)=実測値434.2;要求値434.1;HRMSm/z(M+H)=実測値434.2312;要求値434.2299。
【0152】
【化28】

【0153】
2−クロロ−5−メチル−4−[(1E)−プロパ−1−エン−1−イル]ピリミジン(V−1)
DMF(35mL)中の1.5g(9.2mmol)の2,4−ジクロロ−5−メチルピリミジンに、1.5g(10.1mmol)のアリルトリフルオロホウ酸カリウム、150mg(0.18mmol)のPdCl(ddpf)−DCM及びトリエチルアミン1.54mL(11mmol)を加えた。反応を100℃で15時間撹拌した。反応をEtOAc(60mL)で希釈し、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、油状物を得た。V−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.06分;m/z(M+H)=実測値169.1;要求値169.6。
【0154】
2−クロロ−5−メチル−4−プロピルピリミジン(V−2)
エタノール(10mL)中の550mg(3.26mmol)のV−1に、100mgの10%白金炭素を加え、混合物を水素ガスバルーン圧力下、周囲温度で15時間撹拌した。反応をセライトで濾過し、濃縮して、油状物を得た。V−2のデータ:LC/MS:保持時間=2.04分;m/z(M+H)=実測値171.1;要求値171.6。
【0155】
(5R)−5−メチル−1−(5−メチル−4−プロピルピリミジン−2−イル)−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン(V−3)
DMF(5mL)中の289mg(0.97mmol)のG−2、165mg(0.97mmol)のV−2及びトリエチルアミン674μL(4.83mmol)の混合物を、100℃で15時間撹拌した。反応をEtOAc(60mL)で希釈し、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、泡状の固体を得た。V−3のデータ:LC/MS:保持時間=2.30分;m/z(M+H)=実測値434.2;要求値434.5;HRMSm/z(M+H)=実測値434.2667;要求値434.2663。
【0156】
【化29】

【0157】
(5R)−1−[4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン(W−1)
DMF(2mL)中の100mg(0.33mmol)のG−2、87mg(0.4mmol)の2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン及びトリエチルアミン233μL(1.67mmol)の混合物を、マイクロ波合成器により100℃で30分間撹拌した。反応をEtOAc(60mL)で希釈し、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、泡状の固体を得た。W−1のデータ:LC/MS:保持時間=2.63分;m/z(M+H)=実測値480.1;要求値480.9。
【0158】
(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1−[4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−1,4−ジアゼパン(W−2)
DMF(1.5mL)中の30mg(0.063mmol)のW−1、テトラメチルスズ22mg(0.125mmol)、PdCl(dppf)5mg(0.006mmol)及びLiCl 26mg(0.625mmol)の混合物を、130℃で30分間撹拌した。更に22mg(0.125mmol)のテトラメチルスズを加え、反応を更に1時間撹拌した。反応をEtOAc(60mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、泡状の固体を得た。W−2のデータ:LC/MS:保持時間=3.48分;m/z(M+H)=実測値460.0;要求値460.5;HRMSm/z(M+H)=実測値460.2090;要求値460.2067。
【0159】
(5R)−1−[4−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン(W−3)
312mg(0.65mmol)のW−1及びナトリウム446μL(1.95mmol、メタノール中4.37)の混合物を、室温で30分間撹拌した。反応をEtOAc(60mL)で希釈し、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、泡状の固体を得た。W−3のデータ:LC/MS:保持時間=3.27分;m/z(M+H)=実測値476.0;要求値476.5;HRMSm/z(M+H)=実測値476.2022;要求値476.2017。
【0160】
【化30】

【0161】
2−メチル−6−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}ニコチンアルデヒド(X−1)
DMF(3mL)中の50mg(0.17mmol)のG−2、34mg(0.22mmol)の2,6−ジクロロピリジン−3−カルボキシアルデヒド及びトリエチルアミン116μL(0.84mmol)の混合物を、100℃で45分間撹拌した。反応をEtOAc(60mL)で希釈し、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、泡状の固体を得た。W−1のデータ:LC/MS:保持時間=1.96分;m/z(M+H)=実測値419.1;要求値419.5。
【0162】
2−メチル−6−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}ピリジン−3−イル)メタノール(X−2)
メタノール(1mL)中の30mg(0.072mmol)のX−1及び水素化ホウ素ナトリウム2.7mg(0.072mmol)の混合物を、周囲温度で10分間撹拌した。反応をEtOAc(60mL)で希釈し、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、固体を得た。X−2のデータ:LC/MS:保持時間=1.25分;m/z(M+H)=実測値421.2;要求値421.5;HRMSm/z(M+H)=実測値421.2347;要求値421.2347。
【0163】
表1
以下の化合物は、前記の反応スキーム及び実施例において記載された適切に置換された試薬を用いる以外は、前記の手順を用いて調製した。必要な出発原料は、市販されているか、文献に記載されているか又は有機合成の当業者により過度の実験を行うことなく容易に合成された。
【0164】
【表1】

【0165】
【表2−1】

【0166】
以下の化合物は、前記の反応スキーム及び実施例において記載された適切に置換された試薬を用いる以外は、前記の手順を用いて調製される。必要な出発原料は、市販されているか、文献に記載されているか又は有機合成の当業者により過度の実験を行うことなく容易に合成される:6−フルオロ−2−{(5S)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}キナゾリン;5−クロロ−2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール;3−{[(7S)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]カルボニル}−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸メチル;3−{[(7S)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]カルボニル−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸;[3−{[(7S)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]カルボニル}−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノール;6,7−ジフルオロ−2−{(5S)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}キノキサリン;5−メチル−2−{(5S)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}チエノ[2,3−d]ピリミジン;2−{(5S)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン;2−{(5S)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン;2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−7,8−ジヒドロキノリン−5(6H)−オン;6−クロロ−2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン;5−メチル−2−(4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}チエノ[2,3]ピリミジン−4−アミン;5−メチル−2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}フロ[2,3]ピリミジン;2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン;(5S)−5−メチル−1−(5−メチル−4−プロピルピリミジン−2−イル)−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン;(5S)−1−[4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン;(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1−[4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−1,4−ジアゼパン;(5S)−1−[4−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン;2−メチル−6−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}ピリジン−3−イル)メタノール;4−メチル−2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール;5−メチル−2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}チエノ[2,3−d]ピリミジン;2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン;2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン;5,6−ジメチル−2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}フロ[2,3−d]ピリミジン;4−エトキシ−5,6−ジメチル−2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}フロ[2,3−d]ピリミジン;1,3−ジメチル−6−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;5−ブロモ−2−{(5S)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール;(5S)−5−メチル−1−[4−メチル−5−(トリフルオロメチル)−ピリミジン−2−イル]−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン;(5S)−1−[4−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン。
【0167】
本発明をある特定の実施態様を参照して記載及び説明してきたが、当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、手順及びプロトコールの多様な適合、変更、修正、置換、削除、又は追加を行えることを理解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
は、R1a、R1b及びR1cで置換されているフェニルであり;
は、R2a、R2b及びR2cで置換されているヘテロアリールであり;
1a、R1b、R1c、R2a、R2b及びR2cは、独立して、:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(mは0又は1であり、nは0又は1であり(mが0又はnが0の場合、結合が存在する)、隣接するR2aとR2b又はR2bとR2cが、一緒になって、シクロアルキル又はシクロアルコキシ環を形成してもよく、
該アルキルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(該シクロアルキルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(該アルケニルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(該アルキニルが、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(該フェニル又はナフチルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(9)−(C=O)−O−複素環(複素環は、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(10)−(C=O)−NR1011(ここで、R10及びR11は、独立して、
(a)水素、
(b)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているC1−6アルキル、
(c)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているC3−6アルケニル、
(d)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているシクロアルキル、
(e)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているフェニル、及び
(f)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている複素環
からなる群より選択される)、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12(qは0、1又は2であり、R12はR10及びR11の定義から選択される)、
(13)−COH、
(14)−CN、
(15)−NO
(16)=O、及び
(17)−B(OH)
からなる群より選択され;
但し、R2a、R2b又はR2cの少なくとも1つは、ハロゲン又はC1−6アルキルであるか、或いは隣接するR2aとR2b又はR2bとR2cが、一緒になって、シクロアルキル又はシクロアルコキシ環を形成し(該アルキル、シクロアルキル又はシクロアルコキシは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている);
は、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている−C1−6アルキル又は−C3−6シクロアルキルであり;
13は、
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル(該アルキルは、非置換であるか又はR14から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(4)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(該シクロアルキルは、非置換であるか又はR14から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(該アルケニルは、非置換であるか又はR14から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(7)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(該フェニル又はナフチルは、非置換であるか又はR14から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(8)−(C=O)−O−複素環(該複素環は、非置換であるか又はR14から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(9)−(C=O)−NR1011
(10)−S(O)−NR1011
(11)−S(O)−R12
(12)−COH、
(13)−CN、
(14)=O、及び
(15)−NO
からなる群より選択され;
14は、
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)−C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)複素環、
(10)−COH、及び
(11)−CN
からなる群より選択される]で示される化合物又はその薬学的に許容される塩(但し、5−クロロ−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール又は薬学的に許容されるその塩を除く)。
【請求項2】
式Ia:
【化2】

で示される請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
式Ie:
【化3】

で示される請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
が、非置換のフェニルであるか、又は
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−O−C1−6アルキル(nは0又は1であり(nが0の場合、結合が存在する)、該アルキルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(4)−O−フェニル(該フェニルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(5)−複素環(該複素環は、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(6)−NR1011(R10及びR11は、独立して、
(a)水素、
(b)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているC1−6アルキル
からなる群より選択される)、
(7)−S(O)−NR1011
(8)−COH、
(9)−CN、
(10)−NO、及び
(11)−B(OH)
の1つ以上で置換されているフェニルである請求項1記載の化合物。
【請求項5】
が非置換のフェニルであるか、又はメチル、−CF、ハロ、−OCF、−OCH、−OCHCH、−COCH、−CN、−N(CH)、−NH(CHCH)、−NO、−B(OH)、トリアゾリル若しくはフェニルの1つ以上で置換されているフェニルである請求項4記載の化合物。
【請求項6】
が非置換のフェニルであるか、又はメチル若しくはトリアゾリルの1つ以上で置換されているフェニルである請求項5記載の化合物。
【請求項7】
が、非置換のヘテロアリールであるか、又は
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−O−C1−6アルキル(nは0又は1であり(nが0の場合、結合が存在する)、該アルキルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(4)−O−フェニル(該フェニルは、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(5)−複素環(該複素環は、非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されている)、
(6)−NR1011(R10及びR11は、独立して、
(a)水素、
(b)非置換であるか又はR13から選択される1つ以上の置換基で置換されているC1−6アルキル
からなる群より選択される)、
(7)−S(O)−NR1011
(8)−COH、
(9)−CH、及び
(10)−NO
の1つ以上で置換されているヘテロアリールであり;
但し、少なくとも1つの置換基は、ハロゲン又はC1−6アルキルであるか、或いは2つの隣接する置換基が、一緒になってシクロアルキル環を形成する請求項1記載の化合物。
【請求項8】
が、
(1)ベンズイミダゾリル、
(2)ベンゾチアゾリル、
(3)ベンゾオキサゾリル、
(4)シクロペンチルピリミジニル、
(5)ジヒドロシクロペンタピリミジニル、
(6)ジヒドロキノリニル、
(7)フロピリミジニル、
(8)ピラゾロピリミジニル、
(9)ピリジニル、
(10)ピリドピリミジニル、
(11)ピリミジニル、
(12)キナゾリニル、
(13)キノリニル、
(14)キノキサリニル、
(15)テトラヒドロキナゾリニル、
(16)チアジアゾリル、及び
(17)チエノピリミジニル
からなる群より選択され、
これが、ハロゲン又はC1−6アルキルで置換されており、ヒドロキシル、−O−C1−6アルキル、ケト、−NH又はフェニルで置換されていてもよい請求項7記載の化合物。
【請求項9】
が、
(1)1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル、
(2)2−(6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン)−イル、
(3)2−(7,8−ジヒドロキノリン−5(6H)−オン)−イル、
(4)2−(フロ[2,3]ピリミジン)−イル、
(5)2−(ピラゾロ[3,4]ピリミジン)−イル、
(6)2−ピリジニル、
(7)2−(ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン)−イル、
(8)2−ピリミジニル、
(9)2−キナゾリニル、
(10)2−キノキサリニル、
(11)2−(5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン)−イル、
(12)2−(チエノ[2,3−d]ピリミジン)−イル、及び
(13)2−(チエノ[2,3]ピリミジン−4−アミン)−イル
からなる群より選択され、
これが、メチル、クロロ又はフルオロで置換されている請求項8記載の化合物。
【請求項10】
2a、R2b又はR2cのうちの1つが、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、そしてR2a、R2b又はR2cの他のものが水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
が−C1−6アルキルであり、これが非置換であるか又は
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−C1−6アルキル
(4)−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(5)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル、
(6)−C3−6シクロアルキル、及び
(7)−C2−4アルケニル
からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換されている請求項1記載の化合物。
【請求項12】
が−C1−6アルキルである、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
がメチルである、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
6−フルオロ−2−{(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}キナゾリン;
3−{[(7R)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]カルボニル}−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸メチル;
3−{[(7R)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]カルボニル}−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸;
[3−{[(7R)−4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−7−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]カルボニル}−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノール;
6,7−ジフルオロ−2−{(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}キノキサリン;
5−メチル−2−{(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}チエノ[2,3−d]ピリミジン;
2−{(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン;
2−{(5R)−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン;
2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−7,8−ジヒドロキノリン−5(6H)−オン;
6−クロロ−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン;
5−メチル−2−{4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}チエノ[2,3]ピリミジン−4−アミン;
5−メチル−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}フロ[2,3]ピリミジン;
2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン;
(5R)−5−メチル−1−(5−メチル−4−プロピルピリミジン−2−イル)−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン;
(5R)−1−[4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン;
(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1−[4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−1,4−ジアゼパン;
(5R)−1−[4−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン;
2−メチル−6−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}ピリジン−3−イル)メタノール;
4−メチル−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール;
5−メチル−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}チエノ[2,3−d]ピリミジン;
2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン;
2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン;
5,6−ジメチル−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}フロ[2,3−d]ピリミジン;
4−エトキシ−5,6−ジメチル−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}フロ[2,3−d]ピリミジン;
1,3−ジメチル−6−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
5−ブロモ−2−{(5R)−5−メチル−4−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール;
(5R)−5−メチル−1−[4−メチル−5−(トリフルオロメチル)−ピリミジン−2−イル]−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン;及び
(5R)−1−[4−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル]−5−メチル−4−[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,4−ジアゼパン
からなる群より選択される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
不活性担体と、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩とを含む医薬組成物。
【請求項16】
薬剤における使用のための、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
睡眠障害の治療又は予防のための薬剤の製造における、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。

【公開番号】特開2011−68665(P2011−68665A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264809(P2010−264809)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【分割の表示】特願2009−539355(P2009−539355)の分割
【原出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】