説明

オレフィンの単一重合のためのケトンジイミンリガンドに担持された遷移金属開始剤及び極性コモノマーを用いたオレフィンの共重合

高分子ポリマーへのオレフィンの重合を可能にする有機金属複合体を産生する金属リガンド化合物開始剤が提供される。加えて、これらの開始剤は、また、官能化されたモノマーを伴ったオレフィンの共重合を可能とする。これらの有機金属複合体は、ルイス塩基官能基を含む中性キレートリガンドを伴った後周期遷移金属を含み、該ルイス塩基性基は、金属から官能基に拡張する非局在化された電子の導管と結合している。この構造上の特徴により、高活性な複合体が得られ、これは、独特のミクロ構造を伴った高分子量ポリマーを生成する。特定の条件下で、有機金属複合体は、モノマー及びコモノマーのリビング重合を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2008年5月19日に出願された出願番号61/128,174の先の出願の利益を主張し、それは、参照によってここに取り込まれる。
【0002】
本出願は、一般的にはポリマーに関し、特にオレフィンの重合及び共重合を可能とする有機金属開始剤に関する。
【背景技術】
【0003】
金属に媒介されたオレフィンの重合に関する関心が、学術的及び産業的な研究施設において衰えることなく存在している。近年、機構的及び理論的研究からの洞察と共に、立体規制の進歩や官能基の許容度の改良により、最終的なポリマー構造及びそれにより結果として得られる物質のバルク特性に関する制御が、大きく改良されてきた(1、2、3、4、5、6、7)。
【0004】
合成制御によるポリオレフィンのバルク特性の調整は、未だ多くの産業的及び学術的な研究グループの主要な焦点である。これらの努力は、不均一な触媒から“シングルサイト”システムへの、触媒設計における進歩を生み出してきており、ここで、“シングルサイト”システムの反応は、活性金属中心の周囲におけるリガンド環境の選択によって微細に調整され得る(1、2、3、4、5、6、7)。この発展において、求電子性の前周期遷移金属系触媒に基づく新規な構造は、共触媒による活性の促進や機構的な理解の向上と共に、重要な役割を果たしている。モノマーの挿入制御によって金属中心がどのように特性を作り上げるのかを示す例には、プロピレンの立体特異性重合(8、9、10、11、12、13、14)、及び、エチレンと1−アルケンの共重合(15、16、17、18)が含まれる。
【0005】
近年、前周期金属の対応物に比較して、低い親酸素性や極性官能基による不活性化に対する抵抗性から、後周期遷移金属開始剤の設計に再び関心が寄せられている(19、20、21、22、23)。極性不純物に対するこのような後周期金属の感受性を減少させることは、より厳しくない条件下での重合を可能とし、また、極性コモノマーを用いた共重合を可能とする(24、25、26、27、28)。ニッケル及びパラジウム系触媒は、連鎖歩行反応に参加すること(29、30、31)、極性官能基を許容すること(24、25、26、27、28)、水中で使用されること(32、33、34)が示されてきた。これらの触媒特性は、独特の特性を有する物質の開発や、新たな商業的な工程の開発にとって、重大な関心となっている。
【0006】
ブルックハートらによると、エチレン及びα−オレフィンを高分子量ポリマーへと転換する、カチオン性のPd(II)及びNi(II)系の触媒の導入により、後周期金属触媒を用いたエチレンの重合の領域が復活した(1、2、3、4、5、6、7、19、20)。高い求電子性の金属中心、及び、リガンドにおける立体バルクは、高分子量ポリマーの生成にとって重要な特徴である。後周期金属中心の求電子性によって、オレフィン挿入が急速となり、バルクの使用が連鎖移動における挿入に有利となる。主鎖及びアリール置換基の変化により、リガンドにおいて、さらに金属中心での立体的及び電子的効果に対する制御が可能となる。
【0007】
β−ジイミンリガンドによって担持された銅(II)及び亜鉛(II)複合体が酸化分解して、好気条件下でケトンジイミン誘導体が生成される(ヨコタら)(44)。
【0008】
近ごろの文献には、遷移金属を用いたオレフィンのリビング重合に対する現在の関心が、示されている。これらの反応は、より高次元の構造及び改良された物理的特性を伴ったポリオレフィンの合成を可能とする(47、48)。前周期遷移金属触媒と比較して、後周期金属システムは、官能基に対してより許容性があり(49、20、21、50)、また、“連鎖歩行”反応に参加しており(3、30、51、52、53)、かかる連鎖歩行反応では、一連のβ−水素脱離及び再挿入工程によるポリマー鎖の成長に沿って、金属中心が移動する。後周期金属触媒システムによるエチレンの重合によって、多様な分岐を有するポリエチレン(PE)が生ずる。同様に、“エチレン”連鎖は、より高級なα−オレフィンの直鎖化から生ずる(3、30、51、52、53)。リビング挙動と組み合わさって、これらの明確な特色により、エラストマーのマルチブロックポリ(α−オレフィン)(54)、エチレン−プロピレン系コポリマー(18)、レジオブロックコポリマー(18、55、56)や、末端が官能化されたアモルファスPE(24)といった、新規物質の生成が導かれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
現在、リビング条件下でエチレンから直接半結晶PEの製造を可能とする後周期金属システムは、存在しない。従って、新規なリガンド金属結合、または開始剤が、提供される。様々な共触媒を用いた活性において、開始剤は、エチレン及びプロピレン、及び/または他のオレフィンモノマーを、高分子量ポリマーへと重合する。加えて、官能化されたコモノマーを伴ったオレフィンの共重合が、実行され得る。いくつかの実施形態において、重合は、リビング挙動で実行され得る。
【0010】
一般的な開始剤の構造は、ルイス塩基性官能基を含む中性キレートリガンドを伴った後周期遷移金属を含む。
【0011】
一の側面においては、一般的な開始剤の構造は、下記式(I)を含む:
【化1】

【0012】
ここで、
【0013】
R、R’、R”及びR’’’は、それぞれ独立してアキラルまたはキラルのアルキルまたはアリール基であり、これらは1またはそれ以上の官能基を有していても有していなくてもよく;
【0014】
Mは、Fe、Co、Ni、PdまたはPtであり;
【0015】
Xは、アルキル、水素化物またはハロゲン基であり;及び、
【0016】
Lは、O、N−R’’’’、Sまたは=CH2であり、ここで、R’’’’は、アルキルまたはアリール基である。
【0017】
種々の実施形態が提供され、実施形態としては、R及びR’がそれぞれアルキルであり、R’’及びR’’’がそれぞれアリールであり;実施形態としては、LがOであり;実施形態としては、LがO、R及びR’がそれぞれアルキル、R’’及びR’’’がそれぞれアリールであり;実施形態としては、R及びR’がそれぞれメチル、R’’及びR’’’がそれぞれアリールであって、LがOである実施形態も含み;実施形態としては、R及びR’がそれぞれアルキル、R’’及びR’’’がそれぞれ2,6ジ置換アリールであって、LがOである実施形態も含み;及び、開始剤が2,4−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケル、または、2,4−ビス(2−イソプロピル−6−メチルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケルであることが含まれる。
【0018】
別の側面においては、有機金属開始剤複合体の製造工程が提供され、この製造方法は、下記式(II)のリガンドを伴って金属化合物を混合することが含まれ、
【化2】

【0019】
ここで、R、R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立してアキラルまたはキラルのアルキルまたはアリール基であり、これらは、1またはそれ以上の官能基を有していても有していなくてもよく、Lは、O、N−R’’’’、Sまたは=CH2であり、ここで、R’’’’は、アルキルまたはアリール基である。
【0020】
種々の実施形態が提供され、実施形態としては、R及びR’がそれぞれアルキルであり、R’’及びR’’’がそれぞれアリールであり;実施形態としては、LがOであり;実施形態としては、LがO、R及びR’がそれぞれアルキル、R’’及びR’’’がそれぞれアリールであり;実施形態としては、R及びR’がそれぞれメチル、R’’及びR’’’がそれぞれアリールであって、LがOである実施形態も含み;実施形態としては、R及びR’がそれぞれアルキル、R’’及びR’’’がそれぞれ2、6ジ置換アリールであって、LがOである実施形態も含み;実施形態としては、R’’及びR’’’がそれぞれ2,6−ジイソプロピルフェニルまたは2−イソプロピル−6−メチルフェニルであることが含まれる。
【0021】
いくつかの実施形態では、有機金属複合体の製造工程は、金属化合物としてハロゲン化金属複合体を利用しており、一実施形態では、そのハロゲン化金属複合体は、(1,2−ジメトキシエタン)NiBr2複合体である。
【0022】
さらなる側面においては、重合工程が提供される。その工程は、有機金属複合体を伴った1またはそれ以上のオレフィンを、当該1またはそれ以上のオレフィンを含むポリマーを製造するために混合することを含む。この工程において、有機金属複合体は、式(I)の構造、または式(I)のあらゆる実施形態を有している。種々の実施形態が提供され、実施形態としては、R及びR’がそれぞれアルキルであり、R’’及びR’’’がそれぞれアリールであり;実施形態としては、LがOであり;実施形態としては、LがO、R及びR’がそれぞれアルキル、R’’及びR’’’がそれぞれアリールであり;実施形態としては、R及びR’がそれぞれメチル、R’’及びR’’’がそれぞれアリールであって、LがOである実施形態も含み;実施形態としては、R及びR’がそれぞれアルキル、R’’及びR’’’がそれぞれ2,6ジ置換アリールであって、LがOである実施形態も含み;及び、実施形態としては、有機金属複合体が2,4−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケル、または、2,4−ビス(2−イソプロピル−6−メチルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケルであることが含まれる。
【0023】
種々の実施形態において、重合工程は、1またはそれ以上のオレフィンを利用しており、該オレフィンは、それぞれ独立して:R1CH=CH2;シクロペンテン;スチレン;ノルボルネン;1またはそれ以上の官能基で置換されたシクロペンテン、スチレンまたはノルボルネン;または、式H2C=CR2Xの極性オレフィン;ここで、R1は、水素、アルキル基、または、1またはそれ以上の官能基で置換されたアルキル基のいずれかであり、R2は、水素、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基であり、及び、Xは、極性基である。Xの例は、特に限定されないが、Cl、BrまたはFのようなハロゲン;−CN;−C65N;−CONR34;−OR3;−COOR3;−OCOR3;−COR3;−C65OR3;及び/または−C65NR34を含み;ここで、R3及びR4は、それぞれ独立して水素またはアルキル基であり、該アルキル基は、C112アルキル基であり得る。
【0024】
好ましい実施形態としては、極性オレフィンがH2C=CH(CH2nCO25であり得るものが挙げられ、ここで、R5は、水素またはアルキル基であり、nは、0から20の間である。
【0025】
いくつかの実施形態においては、重合工程は、ここに記載されたいずれかのオレフィンのような単一オレフィンを利用しており、これにより、単一重合がなされる。他の実施形態においては、重合工程は、ここに記載されたオレフィンの少なくとも1つまたはいかなる組み合わせを含むところの、2またはそれ以上の異なるオレフィンを利用しており、これにより、共重合がなされる。
【0026】
重合工程は、リビング重合工程によってポリマーが製造されるような、リビング重合条件下で実行される。そのような実施形態においては、2、3またはそれ以上の異なるモノマーを使用することによってブロックコポリマーを製造しており、ここで、上記モノマーは、ここに記載されたオレフィンの少なくとも1つまたはいかなる組み合わせを含み得る。
【0027】
さらに、上記重合工程の一側面においては、共触媒が使用される。共触媒は、重合工程におけるいずれの実施形態にも追加され得るものであり、アルキルアルミニウム、アルミノキサンまたはホウ酸塩化合物であり得る。
【0028】
種々の実施形態においては、重合工程によって製造された重合生成物は、半結晶ポリマーを含む。
【0029】
本発明をより完全に理解するためには、添付された図面と合わせて以下の記載が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、50%確率水準での開始剤1のORTEP図である。
【図2】図2は、ポリエチレンへのアクリル酸メチルの取り込みを示すコポリマーの、IRスペクトルのグラフである。
【図3】図3は、重合実験において開始剤を伴う共触媒の最適化を示すグラフである。
【図4】図4は、開始剤1を伴ったエチレンの大規模重合を示す表である。
【図5】図5は、開始剤1を伴ったエチレン及びアクリル酸エステルの大規模共重合を示す表である。
【図6】図6は、エチレン及び1−ヘキセンの大規模共重合を示す表である。
【図7】図7は、半結晶ポリプロピレンの示差走査熱量測定トレースである。
【図8】図8Aは、低温で開始剤1を使用し、対称性を有するGPCトレース及び1.1未満の多分散を伴った、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリ(1−ヘキセン)の合成を示す反応式であり、図8Bは、種々のポリマーのGPCトレースを示すグラフである。
【図9】図9は、種々のポリマーにおける時間に対するMnのプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
新規な有機金属開始剤複合体が提供され、該有機金属開始剤複合体は、高分子量ポリマー(≧5,000)を産生するために、オレフィンの重合、または、官能化されたコモノマーを伴ったオレフィンの共重合が可能である。
【0032】
特に、これらの開始剤たる複合体は、下記式(I)を有する:
【化3】

【0033】
ここで、R、R’、R’’及びR’’‘は、それぞれ独立してアキラルまたはキラルのアルキルまたはアリール基であり、これらは、1またはそれ以上の官能基を有していても有していなくてもよく;Mは、Fe、Co、NiまたはPdであり;Xは、アルキル、水素またはハロゲン基であり;Lは、O、N−R’’’’、Sまたは=CH2であり、ここで、R’’’’は、アルキルまたはアリール基である。好ましい実施形態においては、開始剤が2,4−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケルまたは2,4−ビス(2−イソプロピル−6−メチルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケルである。
【0034】
用語“アルキル”は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシル等のような分岐したまたは分岐していない飽和ヒドロカルビル基や、シクロペンチル、シクロヘキシル等のようなシクロアルキル基をいう。好ましい実施形態においては、アルキル基は、C130またはC120であり得る。
【0035】
用語“アリール”は、単一の芳香族環または複数の芳香族環を含む芳香族ヒドロカルビル基をいい、該複数の芳香族環は、一緒に縮合され、共有結合的に結合され、または、メチレンやエチレンの一部分のような共通の基に結合されている。いくつかの実施形態においては、アリール基は、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノン等のような、1つの芳香族環、または、2つの縮合されまたは結合された芳香族環を含む。好ましい実施形態においては、いくつかの置換基を含むアリール基は、4から50の炭素原子、4から40の炭素原子、4から30の炭素原子、4から20の炭素原子、または4から10の炭素原子を有することができ、または、より好ましくは、6〜50の炭素原子、6〜40の炭素原子、6〜30の炭素原子、6〜20の炭素原子、または6〜10の炭素原子を有することができる。
【0036】
用語“アルコキシ”は、単一の末端のエーテル結合に結合されたアルキル基をいい;すなわち、アルコキシ基は、O−アルキルと表され、ここにおいて、アルキルは上記のように定義される。
【0037】
アルキル基またはアリール基は、官能基で置換され得る。ここで使用されるように、ヒドロカルビル基との結合における用語“置換された”は、炭素原子に結合された少なくとも1つの水素原子が1またはそれ以上の置換基で置き換えられたヒドロカルビル基をいう。例えば、ジイソプロピルフェニル基のようなジ置換されたアリール基は、元のアリール基の2つの水素原子に取って代わった2つの置換基を有している。置換基は、限定されるものではないが、ハロ、エステル、ケト(オキソ)、アミノ、イミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、ホスファイト、ホスフォニット、ホスフィン、ホスフィニット、チオエーテル、アミド、ニトリル及びエーテルのような“官能性”または“官能基”であり得る。例えば、アクリル酸メチルは、カルボキシル官能基で置換されたヒドロカルビルと考えられ得る。好ましい実施形態においては、アルキルまたはアリール基は、1、2、3、4またはそれ以上の置換基を有し得る。
【0038】
式(I)の複合体においては、R、R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立してアキラルまたはキラルのヒドロカルビル基であり得る。よく知れらているように、用語“キラル”は、鏡像相手と重なり合うことができない特性を有する分子をいい、用語“アキラル”は、鏡像相手と重なり合うことができる分子をいう。
【0039】
開始剤は、リガンドが適切な金属と結合することによって調製され得る。いくつかの具体例においては、開始剤は、例1(後述 )に示されるような反応系列によって調製される。そのようなリガンドの一般式(II)は、以下の通りである:
【化4】

ここで、R、R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立してアキラルまたはキラルのアルキルまたはアリール基であり、これらは、1またはそれ以上の官能基を有していても有していなくてもよく、Lは、O、N−R’’’’、Sまたは=CH2であり、ここで、R’’’’は、アルキルまたはアリール基である。
【0040】
本発明に係る開始剤は、1またはそれ以上のオレフィンを重合及び/または共重合することができ、当該オレフィンは、:R1CH=CH2;シクロペンテン;スチレン;1またはそれ以上の官能基を有する置換されたシクロペンテン、スチレンまたはノルボルネン誘導体;または式H2C=CR2Xの極性オレフィン;ここで、R1は水素、アルキル基、または、1またはそれ以上の官能基で置換されたアルキル基であり、R2は、水素、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基であり、Xは極性基である。これらの実施形態において、R’は水素、アルキルまたは1またはそれ以上の官能基(例えば、−OH、−NH2、−CN、−COOR、−OCOR、−C(O)Rまたは−C(O)NRR’であり、ここで、R及びR’は、それぞれ独立して水素またはアルキル基)を有する、置換されたアルキルである。Xの例は、限定されるものではないが、:Cl、BrまたはFといったハロゲン;−CN、−C65N、−CONR34;−OR3;−COOR3;−OCOR3;−C65OR3;−COR3、及び/または−C65NR34;ここで、R3及びR4は、それぞれ独立して水素またはアルキル基であり、該アルキル基は、C112のアルキル基であり得る。加えて、極性オレフィンは、H2C=CH(CH2nCO25であり得、ここで、R5は、水素またはアルキル基であり、nは、0から20の間である。これらの開始剤と関連して産生されるポリマーは、特有のミクロ構造を示し得る。
【0041】
重合は、−100℃または約−100℃から、250℃または約250℃までの温度で起こり得る。好ましい範囲は、60℃または約60℃から、200℃または約200℃である。エチレンまたはプロピレンを伴ってそのような重合条件を用いることによって、特有の構造を有する高分子量ポリマーが製造され得る(後述する例2及び3参照)。他の実施形態においては、これらの開始剤は、官能化されたコモノマー(後述する例4参照)または他の1−アルケンを伴う共重合に使用され得る。
【0042】
共触媒は、重合/共重合反応のための上記開始剤を伴って使用され得る。そのような共触媒は、限定されるものではないが、当該技術分野において知られたいかなるアルキルアルミニウム、アルキルアルミノキサン及びホウ酸塩の共触媒を含む。そのような共触媒は、限定されるものではないが、メチルアルミノキサン(MAO)、修飾メチルアルミノキサン タイプ3A、または、トリメチルアルミニウム(TMA)を含む。
【0043】
式(I)の開始剤たる複合体を伴ったある実施形態においては、重合は、結果としてリビング重合工程となるような条件下で起こり得る。これらの実施形態においては、単一モノマーがリビング挙動で重合され、または、1つよりも多くのモノマーがリビング重合を起こし得る。温度や圧力といった条件を調整することにより、ポリマーにおける時間の関数としてのMnの成長が直線的になるように、リビング重合が生じる。リビング条件下では、対称性を有する分子量分布、及び、1.3以下のPDI値を有するポリマーが、得られ得る。
【0044】
リビング条件を用いることによって、ジブロック、トリブロック及び他のマルチブロックコポリマーを含むブロックコポリマーが調製され得る。例えば、リビング重合条件下では、第1のモノマーがポリマー生成物を製造するために重合され、そして、第2のモノマーがブロックコモノマーを製造するためにポリマーに添加され得る。加えて、テーパードの、レジオブロックの、及び/または末端が官能化されたポリマーが、調製され得る。
【0045】
リビング条件下での重合は、また、半結晶ポリエチレンまたはポリプロピレンといった半結晶ポリマーを産生し得る。用語“半結晶”は、結晶の部分と非晶質の部分の両方を有しているポリマーをいう。リビング条件下での重合は、また、非晶質のポリマーを産生し得る。
【0046】
本発明は、実施例を伴って説明されることによってより良く理解され得るが、これは、単に説明を目的とすることを意図しており、いかなる場合においても、これに添付された請求の範囲で定義された発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0047】
例1
開始剤1の合成
2,4−ビス(2,6−ジイソプロピルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケル(開始剤1)
【0048】
開始剤1は、リガンドたる、2,4−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンから合成される。このリガンドは、下記反応式及び手順に従って作製され得る。
【化5】

【0049】
[CuII(1)(AcO)]。CH3OH−CH2Cl2(v/v=1:1,500mL)中にCuII(CH3COO)2−H2O(2.38g)を含有する溶液に、室温で攪拌しながら、CH2Cl2(20mL)中に1(5g)を含有する溶液を滴下した。混合物を1晩攪拌した後、真空下で溶媒を除去した。得られた茶色の物質を、CH2Cl2(100mL)に溶解させ、水で3回(100mL×3)抽出した。真空下で溶媒を除去し、茶色の固体を水で洗浄し、フリット漏斗上にろ過して集め、高真空下で1晩乾燥した(5.5g、84.9%)。
【0050】
[CuII(1)AcO](5g)を、2つのセプタムで栓をされた三つ口丸底フラスコ及びオイルバブラーに装着された還流凝縮器において、メタノール(1000mL)中で50℃で処理した。その溶液に、72時間または茶色から紫色へと完全な色変化が認められるまで、酸素を勢いよく泡立てた。この時点で、酸素をもう12時間泡立て、50℃での酸素の泡立てによって体積が100mLまで減少した。そのメタノール溶液を、室温で、1晩、酸素雰囲気下で放置させることにより冷却した。紫色の結晶を、ろ過して集めた。その紫色の結晶をNH3水で処理することによって、2,4−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ペンタン−3−オン(3g、75.2%)を単離した。溶媒除去することにより、淡い黄色の固体を得た。
【0051】
反応式1に従って、不活性雰囲気下で開始剤1の合成を実行した。使用前に、種々の方法によって、全てのリガンドを乾燥した。15mLのメチレンクロライド中に(1,2−ジメトキシエタン)NiBr2複合体(71.1mg、0.231mmol)を含有する懸濁液を攪拌しながら、該懸濁液に、5mLのメチレンクロライド中に含有された2,4−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ペンタン−3−オン(100mg、0.231mmol)を、室温で一度に添加した。そのリガンドの添加の直ぐ後に、溶液は赤色に変わり始めた。その懸濁液を、室温でさらに2.5時間攪拌した。それから、反応混合物を、セライトで濾過し、真空下で溶媒を除去した。当該赤色の粉体を、冷却されたジエチルエーテル(−35℃、3×、10mL)で洗浄し、乾燥し、メチレンクロライド(10mL)に再度懸濁させ、セライトで再度濾過してから乾燥したところ、赤い粉体としての純水な化合物が、収率49.0%で得られた(73.7mg、0.113mmol)。Anal.Calc.(C29402)C,53.49;H,6.19;N,4.30.Found:C,53.71;H,6.24;N,4.23。
【化6】

開始剤1の結晶構造
【0052】
−35℃でのメチレンクロライド中における濃縮溶液から、単一の結晶が得られた。その分子結合性は、リガンドが中性ドナーとして結合されるところのN,N−配位構造と一致した。六員キレート環内の結合距離は、下記の選択された結合長さ(A)によって示されるように、反応式1に示された構造と一致し、該結合長さ(A)は:C(4)−N(2)1.291,C(3)−C(4)1.518,C(2)−N(1)1.288,C(2)−C(3)1.511及びC(3)−O(1)1.222である。Ni(II)原子は、室温で比較的狭い線幅を示す、接触相互作用が生じた1H−NMRを伴って、擬四面体配位構造を採用している。六員キレート環は、舟型配座を採用している。開始剤1を示すORTEPとしての図1を参照されたい。
例2
エチレンの重合
【0053】
開始剤1を用い、下記の方法でエチレンの単一重合を行った。追加の漏斗を備えた300mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器のグローブボックス内に、90mLのトルエンに含有された開始剤1を、投入した。最終的な体積が10mLになるように、トルエンに引き続き、メチルアルミノキサン(アルドリッチ、トルエン中に10重量%)(MAO)を、追加の漏斗に添加した。その反応器をグローブボックスの内部において封をし、エチレンラインを取り付けた。その反応器を、エチレンを伴って予め加圧した。それから、所定のエチレン圧力下で、MAO溶液を投入し、ここで、該MAO溶液を反応の過程にわたってその圧力で連続的に供給した。所定時間の後に、エチエンを排出し、重合を冷却するために酸性メタノール(10%HCl)を添加した。沈殿したポリマーをろ過して集め、多量のメタノールで洗浄し、引き続きアセトンで洗浄し、高真空下で1晩乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。o−ジクロロベンゼン中において135℃で、ポリマーを、ポリスチレン標準と比較してGPC分析によって評価した(ポリマー研究施設において、高温度クロマトグラフ、Pl−GPC 200)。ポリマーの融点を、TAインスツルメンツの示差走査熱量計において、0〜180℃の温度範囲で10℃/分の速度で3サイクルにて測定した。共触媒(MAO)の最適な量を、図3に示すように測定した。表1は、選択された重合データを示す。
【0054】
【表1】

【0055】
表1は、温度と活性との間の関係を示す。活性は、温度に伴って劇的に増加したが、物質移動の制限された速度のみが40℃を超えて得られた。ポリマーは、比較的短い反応時間(計算では10分)で高分子量(>1×106)を示す。製造されたポリマーは、80から125℃の間に融点を有している。
例3
プロピレンの重合
【0056】
開始剤1を用い、下記の方法でプロピレンの単一重合を行った。追加の漏斗を備えた300mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器のグローブボックス内に、90mLのトルエンに含有された開始剤1を、投入した。最終的な体積が10mLになるように、トルエンに引き続き、MAO(アルドリッチ、トルエン中に10重量%)を、追加の漏斗に添加した。その反応器をグローブボックスの内部において封をし、プロピレンラインを取り付けた。その反応器を、プロピレンを伴って予め加圧した。それから、所定のプロピレン圧力下で、MAO溶液を投入し、ここで、該MAO溶液を反応の過程にわたってその圧力で連続的に供給した。所定時間の後に、エチエンを排出し、重合を冷却するために酸性メタノール(10%HCl)を添加した。沈殿したポリマーをろ過して集め、多量のメタノールで洗浄し、引き続きアセトンで洗浄し、高真空下で1晩乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。o−ジクロロベンゼン中において135℃で、ポリマーを、ポリスチレン標準と比較してGPC分析によって評価した(ポリマー研究施設において、高温度クロマトグラフ、Pl−GPC 200)。TAインスツルメンツの示差走査熱量計(型式 DSC 2920)において、70〜180℃の温度範囲を用い、5℃/分の速度で3サイクルにてガラス転位温度(Tg)及び融点(Tm)を測定した。室温で1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2において、ポリマーの13C NMRスペクトルを得た。表2(下記)に、選択された重合データを示す。
【0057】
【表2】

【0058】
製造されたポリプロピレンは、反応温度に依存して−35℃から−20℃の範囲のTgを伴って、主として非晶質である。以下の表3に示すように、エントリー1、2及び4は、下記の立体規則性を表す。
【0059】
【表3】

【0060】
異なる温度で製造されたポリプロピレンのミクロ構造における本質的な相違は、これらの触媒が、温度、圧力、モノマー濃度及び他の種々の反応条件における変化によって、最終生成物におけるミクロ構造の制御を可能にする、ということを示す。加えて、リガンドの変化によって、更なる制御及び実質的な立体規則性が与えられることが期待される。エントリー3における融点Tm=150℃及びTc=117℃であることは、開始剤1を伴って得られたポリプロピレンがある結晶性を表す、ということを示す。
例4
エチレン及びアクリル酸メチルの共重合
【0061】
開始剤1を用い、下記の方法でエチレン及びアクリル酸メチルの共重合を行った。追加の漏斗を備えた300mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器のグローブボックス内に、90mLのトルエンに含有された開始剤1を、投入した。最終的な体積が10mLになるように、トルエンに引き続き、所定量のMAO(アルドリッチ、トルエン中に10重量%)を、追加の漏斗に添加した。その反応器をグローブボックスの内部において封をし、エチレンラインを取り付けた。その反応器を、エチレンを伴って予め加圧した。それから、そのMAO−アクリル酸メチル溶液を、エチレンの所定圧力下で投入し、ここで、該溶液を反応の過程にわたってその圧力で供給した。所定時間の後に、エチレンを排出し、重合を冷却するために酸性メタノール(10%HCl)を添加した。沈殿したポリマーを遠心分離によって集め、多量のメタノールで洗浄し、引き続きTHFで洗浄し、高真空下で1晩乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。o−ジクロロベンゼン中において135℃で、ポリマーを、ポリスチレン標準と比較してGPC分析によって評価した(ポリマー研究施設において、高温度クロマトグラフ、Pl−GPC 200)。115℃で1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2において、ポリマーの1H NMRスペクトルを得た。
【0062】
【表4】

【0063】
その反応へのアクリル酸メチルの添加によって、著しく活性が低下したが、低い水準の結合を伴ってランダムコポリマーが生成された。反応条件及び開始剤の構造を変化させることによる最終生成物のより良い制御によって、収率、活性、制御及び取り込みを改良することが期待される。表4のエントリー1は、IRスペクトルにおける特徴的な(C=O)伸縮を表すが、1H NMRによって取り込みは検出されていない。エチレン圧力の減少及びアクリル酸メチル濃度の増加では、取り込みがより高い(エントリー2)。図2に、エントリー1及び2のIRスペクトルを示す。
例5
開始剤1を用いたエチレンの大規模共重合
【0064】
開始剤1を用い、下記の方法でエチレンの単一重合を行った。追加のストローを備えた2000mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器を、オーブン内において150℃で1晩加熱した。その反応器を組み立て、合計3回、窒素を伴って加熱及びパージを行い、排気した。それから反応器を窒素下で封をした。標準的なシュレンク及びエア−フリー技術を用いて所定量の溶液及び共触媒を添加した。開始剤の原液を調製し、窒素流下で添加ストローに添加した。その反応器の封をし、エチレンラインを取り付けた。その反応器を、エチレンを伴って予め加圧した。それから、所定のエチレン圧力下で、開始剤溶液を投入し、ここで、該開始剤溶液を反応の過程にわたってその圧力で連続的に供給した。重合を冷却するために10mLのエタノールを添加した。沈殿したポリマーをろ過して集め、多量の酸性メタノール(10%HCl)で洗浄し;それから、メタノールで洗浄し、引き続きアセトンで洗浄し、真空オーブンで1晩乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。o−ジクロロベンゼン中において135℃で、ポリマーを、ポリスチレン標準と比較してGPC分析によって評価した(ポリマー研究施設において、高温度クロマトグラフ、Pl−GPC 200)。TAインスツルメンツの示差走査熱量計(型式 DSC 2920)において、0〜180℃の温度範囲を用い、10℃/分の速度で3サイクルにてポリマーの融点を測定した。
【0065】
図4に、エチレンの単一重合から得られた、選択された重合データを示し、また下記を示す。エチレン消費は、30分の過程にわたって一貫している。共触媒としてMMAOが用いられるときには、MAOのときに対して、活性が著しく高い。
【0066】
活性は、50℃で22800kgP/mol Ni hrまで、温度に伴って著しく増加した(反応17)。エチレン消費は、75℃で30分間一貫しており(反応11)、触媒特性は、温度上昇での分解に対して頑強であることを示す。加えて、触媒特性は、H2の存在において活性が高い(反応13)。また、反応13で得られる重合体のメルトフローレートは、H2が鎖転換剤として作用することを示唆している。
例6
開始剤(1)を伴ったエチレン及びアクリル酸エステルの大規模共重合
【0067】
開始剤1を用い、下記の方法でエチレンとメチルまたはt−ブチルのアクリル酸エステルとの共重合行った。追加のストローを備えた2000mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器のオーブン内を、150℃で1晩加熱した。その反応器を組み立て、合計3回、窒素を伴って加熱及びパージを行い、排気した。それから、反応器を窒素下で封をした。標準的なシュレンク及びエア−フリー技術を用いて所定量の溶液、共触媒及びアクリル酸エステルを添加した。反応14及び15にアクリル酸エステルを加えて、0.082M溶液とした。開始剤の原液を調製し、追加のストローに添加した。その反応器の封をし、エチレンラインを取り付けた。その反応器を、エチレンを伴って予め加圧した。それから、所定のエチレン圧力下で、開始剤溶液を投入し、ここで、該開始剤溶液を反応の過程にわたってその圧力で連続的に供給した。重合を冷却するために10mLのエタノールを添加した。沈殿したポリマーをろ過して集め、多量の酸性メタノール(10%HCl)で洗浄し;その後、メタノールで洗浄し、引き続きアセトンで洗浄し、真空オーブンで1晩乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。o−ジクロロベンゼン中において135℃で、ポリマーを、ポリスチレン標準と比較してGPC分析によって評価した(ポリマー研究施設において、高温度クロマトグラフ、Pl−GPC 200)。115℃で1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2において、ポリマーの1H 及び13C NMRスペクトルを得た。
【0068】
図5に、エチレン及びアクリル酸エステルを用いた共重合の結果を示す。その図は、エチレン及びアクリル酸メチルの共重合が、50℃、3.0MPagでMMAOの存在において良好な活性をもって進行することを示す。反応14でのアクリル酸メチルの取り込みは、0.14モル%であった。小規模反応と比較して、これは、共触媒及び反応条件の選択が、活性、取り込み及びポリマーのミクロ構造にとって重要であることを、示す。同じ条件下で、エチレン及びアクリル酸tert−ブチルの共重合は、より低い活性及びより少ない取り込みを示す。反応15においてNMRによって取り込みは検出されなかったが、生成されたコポリマーのIRスペクトルにおいて、(C=O)伸縮に相当するピークが観察された。
例7
開始剤(1)を伴ったエチレン及び1−ヘキセンの大規模共重合
【0069】
開始剤1を用い、下記の方法でエチレン及び1−ヘキセンの共重合を行った。追加のストローを備えた2000mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器を、オーブン内において150℃で1晩加熱した。その反応器を組み立て、合計3回、窒素を伴って加熱及びパージを行い、排気した。それから反応器を窒素下で封をした。標準的なシュレンク及びエア−フリー技術を用いて所定量の溶液、共触媒及び50mLの1−ヘキセンを添加した。開始剤の原液を調製し、追加のストローに添加した。反応器の封をし、エチレンラインを取り付けた。その反応器を、エチレンを伴って予め加圧した。それから、所定のエチレン圧力下で、開始剤溶液を投入し、ここで、該開始剤溶液を反応の過程にわたってその圧力で連続的に供給した。重合を冷却するために10mLのエタノールを添加した。沈殿したポリマーをろ過して集め、多量の酸性メタノール(10%HCl)で洗浄し;それから、メタノールで洗浄し、引き続きアセトンで洗浄し、真空オーブンで1晩乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。o−ジクロロベンゼン中において135℃で、ポリマーを、ポリスチレン標準と比較してGPC分析によって評価した(ポリマー研究施設において、高温度クロマトグラフ、Pl−GPC 200)。115℃で1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2において、ポリマーの1H 及び13C NMRスペクトルを得た。
【0070】
エチレン及び1−ヘキセンの上記共重合反応の結果を図6に示す。その図は、反応16が共重合反応において速度の増加と一致した、高い活性を表すことを、示す。温度制御は維持されなかったが、追加のブチル及び長鎖の分岐に基づいて、1−ヘキセンの取り込みは、0.32モル%であると計算された。これは、エチレンと1−ヘキセンが高い活性で共重合され得ることを示す。
例8
2,4−ビス(2−イソプロピル6−メチルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケルの合成(開始剤2)
【0071】
反応式2に従って、不活性雰囲気下で開始剤2の合成を実行した。使用前に、種々の方法によって、全てのリガンドを乾燥した。15mLのメチレンクロライドに(1,2−ジメトキシエタン)NiBr2複合体(82.0mg、0.266mmol)を含有する懸濁液を攪拌しながら、該懸濁液に、5mLのメチレンクロライドに含有された2,4−ビス(2−イソプロピル−6−メチルフェニルイミノ)ペンタン−3−オン(100mg、0.266mmol)を、室温で一度に添加した。そのリガンドの添加の直ぐ後に、溶液は赤色に変わり始めた。その懸濁液を、室温でさらに2.5時間攪拌した。それから、反応混合物を、セライトで濾過し、真空下で溶媒を除去した。当該赤色の粉体を、冷却されたジエチルエーテル(−35℃、3×、10mL)で洗浄し、乾燥し、メチレンクロライド(10mL)に再度懸濁させ、セライトで再度濾過してから乾燥したところ、赤い粉体としての純水な化合物が収率82.0%で得られた(130.0mg、0.218mmol)。Anal.CaIc.(C25322)C,50.46;H,5.42;N,4.71.Found:C,52.38;H,5.67;N,4.80。
【化7】

例9
開始剤2を伴ったエチレンの重合
【0072】
開始剤2を用い、下記の方法でエチレンの単一重合を行った。追加の漏斗を備えた300mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器のグローブボックス内に、90mLのトルエンに含有された開始剤2を投入した。最終的な体積が10mLになるように、トルエンに引き続き、MAO(アルドリッチ、トルエン中に10重量%)を、追加の漏斗に添加した。その反応器をグローブボックスの内部において封をし、エチレンラインを取り付けた。その反応器を、エチレンを伴って予め加圧した。それから、所定のエチレン圧力下で、MAO溶液を投入し、ここで、該MAO溶液を反応の過程にわたってその圧力で連続的に供給した。所定時間の後に、エチエンを排出し、重合を冷却するために酸性メタノール(10%HCl)を添加した。沈殿したポリマーをろ過して集め、多量のメタノールで洗浄し、引き続きアセトンで洗浄し、高真空下で1晩乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。o−ジクロロベンゼン中において135℃で、ポリマーを、ポリスチレン標準と比較してGPC分析によって評価した(ポリマー研究施設において、高温度クロマトグラフ、Pl−GPC 200)。ポリマーの融点を、TAインスツルメンツの示差走査熱量計(型式 DSC 2920)において、0〜180℃の温度範囲で10℃/分の速度で3サイクルにて測定した。下記表5に、選択された重合データを示す。
【0073】
【表5】

例10
プロピレンの低温重合
【0074】
開始剤2を用い、下記の方法でプロピレンの単一重合を行った。追加の漏斗を備えた300mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器のグローブボックス内に、90mLのトルエンに含有された開始剤2を投入した。最終的な体積が10mLになるように、トルエンに引き続き、MAO(アルドリッチ、トルエン中に10重量%)を、追加の漏斗に添加した。その反応器をグローブボックスの内部において封をし、プロピレンラインを取り付けた。プロピレンを0℃で5分間凝縮した。それから、反応器を所望の温度下まで冷却し、MAO溶液を投入した。所定時間の後に、プロピレンを排出し、重合を冷却するために酸性メタノール(10%HCl)を添加した。沈殿したポリマーをろ過して集め、多量のメタノールで洗浄し、引き続きアセトンで洗浄し、高真空下で1晩乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。o−ジクロロベンゼン中において135℃で、ポリマーを、ポリスチレン標準と比較してGPC分析によって評価した(ポリマー研究施設において、高温度クロマトグラフ、Pl−GPC 200)。TAインスツルメンツの示差走査熱量計(型式 DSC 2920)において、−70〜180℃の温度範囲を用い、5℃/分の速度で3サイクルにてガラス転位温度(Tg)及び融点(Tm)を測定した。下記表6に、選択された重合データを示す。
【0075】
【表6】

【0076】
図7に、示差走査熱量測定によって上記表6のエントリー2のために作成されたグラフを、示す。融点(Tm)及び対応する結晶化温度(Tc)は、純粋な非晶質のポリマーから、リガンドの対称性及び反応条件に基づいて結晶性を伴ったポリマーへの転換を示す。これは、ミクロ構造が、リガンドの選択及び対応する反応条件に基づいて制御され得ることを示す。
例11
比較例
【0077】
リガンドにおけるケトン官能基の重要性を示すために、下記の比較例が盛り込まれる。複合体5(ArN=C−(Me)CH2C(Me)=NAR]NiBr2、ここで、Ar=2,6−ジイソプロピルフェニル)(46)は、主鎖(図1のC(3))におけるケトン官能基を欠いたNi(II)のβ−ジイミン複合体に対応する。複合体5は、2つの重要な方法において類似のα−ジイミン複合体(すなわち、[ArN=C−(Me)C(Me)=NAr]NiBr2、ここでAr=2,6ジイソプロピルフェニル)によって触媒されたエチレン重合とは異なるエチレン重合を行うための前駆体であり:製造されたポリエチレンは、より直線的であり、複合体5は、より活性の低い触媒前駆体である。報告された実験では、100mLのオートクレーブ反応器に複合体5(52mg、0.080mmol)を入れ、エチレンを流した。40mLのトルエン中に修飾メチルアルミノキサンを含有する溶液(240mL、アクゾからのトルエン中に64重量%を有するAl、4.88mmol)を、窒素下で添加した。その反応器をエチレンで280psiに加圧し、3.5時間攪拌した。このとき反応温度が27から31℃に増加し、4.07gのPE(Tm=120.2℃)が得られた。分子量データは含まれない。これは、14.5(kg P/mol Ni hr)の活性に相当する。
【0078】
100mLのトルエンを収容し、エチレンで1気圧下のシュレンクフラスコに、標準触媒溶液(1.7μmolの触媒)を添加することにより、25℃で複合体ArN=C(Me)−C(Me)=NAr)NiBr2(Ar=2,6−ジイソプロピル)/MAOによるエチレンの重合を実行した。その溶液を所望の温度にし、トルエン中にMAO(〜1000eq)を含有する10%溶液を添加した。その溶液を15分間攪拌した。数分でモノマーが析出し始めた。その重合を冷却し、アセトンでポリマーを沈殿させた。得られたポリマーを真空下で乾燥して4.6gのPEを得た。Mw=7.6×10-4、Mn=3.1×10-4。活性=11000kg PEmol-1Ni hr-1
リビング重合
【0079】
例12〜15は、リビング重合反応に関する。例12は、重合反応の結果を示し、例13〜15は、例12に示された結果をサポートする情報を提供する。
例12
開始剤1を用いたリビング重合
【0080】
前述した開始剤1/MAOの反応性を伴って開始したところ、PE生成物の多分散性(PDI)は、反応温度(Trxn)(57)の低下に伴って低下することが示された。その活性種がリビング挙動でエチレンを重合し得るか否かを評価するために、商業的に入手可能なMAOから揮発性物質を、自由に流動する白い粉体が得られるまで、真空下で除去した。この処理は、終了及び鎖転換反応に関与し得るフリーTMAを除去するために、一般に利用されている(58)。一連の重合を実行して、Trxn及びエチレン圧力(PC2H4)の影響を調べた。これらの反応において、100mLのオートクレーブ反応器に40mLのトルエン及びMAOを、[Al]/[Ni]=250となるように加えた。開始剤1の原液を調製し、約1mLのCH2Cl2に含有された1.5μmolの開始剤1を、追加の漏斗に添加した。反応器及び追加的な漏斗にエチレンで前もって圧力を加え、適切な温度に冷却し、急速攪拌条件下で開始剤(1)を投入することによって重合を開始した。重合の過程にわたってエチレンを連続して供給し、メタノールまたはトリエチルシランで冷却することによって反応を終了させた。
【0081】
表7に、初期のスクリーニング研究の結果の概要を示す。ポリスチレン標準に対して校正されたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定されるように、エントリー1及び2の比較は、PC2H4を300psiで一定に維持している間に20℃から10℃へとTrxnを減少させることにより、PDI(1.60vs.1.35)が狭くなることを、示す。エントリー3に示すように、Trxn=10℃でPC2H4を150psiに減少させることによって、PDIが1.22までさらに狭くなる。Trxn=−10℃、PC2H4=150psiで、PEのPDI=1.09が得られた(エントリー4)。同じ条件下で、重合を10分の代わりに20分間進行させるとき、概ね2つの因子(エントリー4vs.5)によって分子量が増加した。エントリー6は、PC2H4を50psiに減少させることにより、PDI、数平均分子量(Mn)及び融点(Tm)に関して、PC2H4=150psi(エントリー4)を伴って得られたものとほぼ同じ特性が得られるが、エントリー4(例13参照等、下記)よりもより対称性を有するGPCピークが得られることを、示す。その冷却する剤および方法の影響は、エントリー6(メタノール)をエントリー7(トリエチルシラン)と比較することによって示される。表7のデータは、生成物の特性は識別できないことを示すが、メタノールで冷却した後のGPCトレースは、高分子量生成物の小さなショルダーを含んでおり、これは、トリエチルシランで冷却した後には見られない。この理由により、トリエチルシランは、連続反応において利用された。エントリー8は、分子量特性における優れた制御が、60分後に得られ得ることを示し;この生成物における反応式及びGPCトレースを、それぞれ図8A及び8Bに示す。このPEは、低いエチレン圧力(PCH2H4=50psi)にもかかわらず、122℃の融点(Tm)及び32%の結晶性(Xc)を示す。
【0082】
【表7】

【0083】
図8Bに、表7のそれぞれエントリー8、9及び10の条件下でのPE、PP及びPHのGPCトレースを示す。
【0084】
図9は、エントリー7と同様の条件下での時間に対するMnのプロットを示す(GPCによって測定されたPE、PP及びPHにおける、−10℃で開始剤1/MAOを使用するときの時間に対するMn(■)及びPDI(×))。時間の関数としてのMnの直線的な増加及び1.10以下のPDI値は、表7の結果と共に、リビング条件下での半結晶PEの形成と一致する。開始剤1/MAO化合物は、リビング条件下でプロピレンを重合するために使用され得る。これらの反応は、[Al]/[Ni]=250となるように100mLのトルエンとMAOが充填された300mLの反応器に5mLのプロピレンを凝縮することを含んでいた。その反応を、−10℃まで冷却し、重合を、10μmolの開始剤1の導入によって開始した。表7のエントリー9は、120分の反応後に得られたPPの結果を示し;この生成物のGPCトレースを、図8Bに示す。その重合の過程にわたって得られたアリコートは、図9に示すように、時間の関数としてのMnが直線的な関係にあることを示す。これらの特徴は、PDI値が1.06未満であることと相俟って、リビング重合であることを示している。Tm=59℃で及び9%までの結晶化度で、融解転移が観察された。
【0085】
1−ヘキセンを伴った反応は、エントリー9と同じ条件下で、[1−ヘキセン]=0.85Mを伴って実行された。その重合は、反応の過程にわたって試料採取され、生成物の試験は、図9に示すように、時間に対するMnの直線的な増加と低PDI値を示す。表7のエントリー10は、120分で生成されたポリマーの結果を含み;この生成物のGPCトレースは、図8Bに示される。DSC分析は、製造されたポリマーが非晶質であることを示す(Tg=−62.0℃)。
【0086】
ここに記載された方法は、開始剤1/MAOの使用によりエチレン及びα−オレフィンのリビング重合が可能となる条件を提供する。これは、ディアマンティら(25)の方法のような擬リビング重合と比較して、明らかに、半結晶PEを得るためにリビング挙動でエチレンを重合し得る第1の後周期金属システムである。この優れた制御によって、驚くべきことに、反応の過程にわたってPEが沈殿するという事実が得られる。加えて、製造されたPPがアイソタクティックな連鎖を含むことを示すのは、興味深い。これらの結果は、他の後周期金属システムと対照的であり、ここで、該他の後周期金属システムは、キラルなリガンドが無い場合において非晶質及びアタクティックなPP(54;また、パパラルド、デットら(63)のα−ジイミンNi(II)システムを使用した、部分的にアイソタクティックなPP([mm]=0.41))を一般的に産生したり、または、より低温でのシンジオタクティックな連鎖を導入したりする。1−ヘキセンへの、モノマーのサイズの増加は、結果として立体制御の損失となる。
例13
【0087】
標準的なグローブボックス及びシュレンク−ライン技術を使用して不活性雰囲気下で、空気及び/または水感応性化合物の全ての操作を行った。ジクロロメタン(CH2Cl2)をCaH2を用いて蒸留し、1−ヘキセンをNa/K合金を用いて蒸留した。トルエンを、アルドリッチ(無水グレード) から購入し、受け取った状態でそのまま使用した。MAO(メチルアルミノキサン溶液、トルエン中に10重量%)を、アルドリッチから購入し、自由に流動する白色の粉体が得られるまで真空下で乾燥した。エチレン(99.99%)及びプロピレン(99.97%)を 、マテソントライガスから購入し、アジレントの水分及び酸素トラップを通過させることによって精製した。開始剤1を、前述のように合成した(57)。特に指定の無い限り、試薬をアルドリッチから購入し、更なる精製を伴うことなく使用した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。o−ジクロロベンゼン中において135℃で、ポリマーを、ポリスチレン標準と比較してGPC分析によって評価した(ポリマー研究施設において、高温度クロマトグラフ、Pl−GPC 200)。TAインスツルメンツの示差走査熱量計(型式 Q−20)において、−70〜180℃の温度範囲を用い、10℃/分の速度で3サイクルにて融点(Tm)及びガラス転移温度(Tg)を測定した。
例14
【0088】
エチレンの重合:追加の漏斗を備えた100mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器のグローブボックスの内部に、トルエン(40mL)及び固体のMAOを[Al]/[Ni]=250(22mg、0.375mmol)となるように投入した。開始剤1の原液を調製し、約1mLのCH2Cl2に含有された1.5μmolの開始剤1を、追加的の漏斗に添加した。表8のエントリー8において、約1mLのCH2Cl2中に含有された0.75μmolの開始剤1を、追加の漏斗に添加した。この反応において[Al]/[Ni]=250(11mg、0.188mmol)を維持した。その反応器をグローブボックスの内部において封をし、エチレンラインを取り付けた。追加の漏斗を、エチレンを伴う上記した望ましい反応圧力である50psiで、エチレンを伴って予め加圧した。その反応器を、エチレンを伴って(PCH2H4)まで予め加圧し、適切な温度(Trxn)まで冷却した。その重合を、開始剤1の溶液の投入によって開始し、その反応の過程にわたって反応器内にエチレンを連続的に供給した。反応温度(Trxn)は、ドライ−アイス/アセトン浴を使用して制御し、内部の熱電対によって監視したところ±2℃であった。所定時間の後に、エチレンを排出し、重合を冷却するためにメタノールを添加した(エントリー1〜6)。そのポリマーを、メタノールで沈殿させ、ろ過して集め、酸性メタノール(10%HCl)、メタノール及びアセトンで連続して洗い、一定の重量まで高真空下で乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。冷却剤としてトリエチルシラン(Et3SiH)を利用した反応において(表7、エントリー7及び8、及び、表8)、2mlのトルエン中に含有された1mLのEt3SiHを、開始剤の原料溶液の導入に引き続いて追加の漏斗に添加した。追加的な漏斗を、エチレンを伴う上記した望ましい反応圧力(PCH2H4)である50psiで、エチレンを伴って予め加圧し、急速攪拌条件下でその溶液を適切な時点で投入した。
【0089】
【表8】

例15
【0090】
プロピレンのリビング重合:追加の漏斗を備えた300mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器のグローブボックス内に、トルエン(100mL)及び固体のMAOを[Al]/[Ni]=250(145mg、2.50mmol)となるように投入した。約1mLのCH2Cl2中に含有された10μmolの開始剤1を追加の漏斗に添加した。その反応器をグローブボックスの内部において封をした。その反応器をドライ−アイス/アセトン浴中で冷却し、5mLのプロピレンを反応器内に移動させた。その反応器を適切な反応温度(Trxn)にし、開始剤1の溶液をアルゴン下で投入することによって重合を開始した。反応温度(Trxn)は、ドライ−アイス/アセトン浴によって制御し、内部の熱電対によって監視したところ±2℃であった。時間に伴う生成物の数平均分子量(Mn)及び多分散性(PDI)を監視するために;ガスタイトシリンジを用いてアルゴン流下で、重合溶液における5.0mLのアリコートを、20、40、60及び90分で採取した。シリンジの内容物を、メタノールで速やかに冷却した。真空下で揮発物を除去し、残留物を、酸性メタノール(10%HCl)、メタノール及びアセトンで連続して洗浄し、高真空下で乾燥した。残っている残留物を、約5gのo−ジクロロベンゼンに、攪拌しながら135℃まで内容物を加熱することによって溶解させた。この溶液のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を、表9に示すように、各ポリマー試料のMn及びPDIを得るために使用した。120分の時点での反応を、メタノール(5mL)を追加の漏斗に充填しそのメタノールを、攪拌している反応混合物中にアルゴン下で直接投入することによって、冷却した。そのポリマーをメタノールで沈殿させ、ろ過して集め、酸性メタノール(10%HCl)、メタノール及びアセトンで連続して洗浄し、高真空下で一定重量まで乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。
【0091】
【表9】

例16
【0092】
1−ヘキセンのリビング重合:追加の漏斗を備えた300mLの鋼鉄製オートクレーブ反応器のグローブボックスの内部に、トルエン(125mL)、1−ヘキセン及び固体のMAOを、[Al]/[Ni]=250(181mg、3.13mmol)となるように投入した。開始剤1の原液を調製し、約1mLのCH2Cl2に含有された12.5μmolの開始剤1を、追加の漏斗に添加した。反応器を、グローブボックス内部において封をし、ドライ−アイス/アセトン浴中で適切な反応温度(Trxn)まで冷却した。重合を、アルゴン下で開始剤1の溶液の投入によって開始した。反応温度(Trxn)は、ドライ−アイス/アセトン浴によって制御し、内部の熱電対によって監視したところ±2℃であった。時間に伴う生成物の数平均分子量(Mn)及び多分散性(PDI)を監視するために;ガスタイトシリンジを用いてアルゴン流下で、重合溶液における5.0mLのアリコートを、20、40、60及び90分で採取した。シリンジの内容物を、メタノールで速やかに冷却した。真空下で揮発物を除去し、残留物を、酸性メタノール(10%HCl)、メタノール及びアセトンで連続して洗浄し、高真空下で乾燥した。残っている残留物を、約5gのo−ジクロロベンゼンに、攪拌しながら135℃まで内容物を加熱することによって溶解させた。この溶液のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を、表10に示すように、各ポリマー試料のMn及びPDIを得るために使用した。120分の時点での反応を、メタノール(5mL)を追加的な漏斗に充填しそのメタノールをアルゴン下で攪拌している反応混合物中に直接投入することによって、冷却した。ポリマーを、メタノールで沈殿させ、沈殿したポリマーをろ過して集め、酸性メタノール(10%HCl)、メタノール及びアセトンで連続して洗浄し、一定の重量まで高真空下で乾燥した。得られた生成物の質量から、重合活性を計算した。
【0093】
【表10】

【0094】
本発明は、好ましい実施形態に関連して記載されたが、当該分野において通常の知識を有する者が容易に理解するように、本発明の原理及び範囲から離れないことをもって変更及び変形が利用され得ることは、理解されるべきである。従って、そのような改変は、請求項の範囲内で実施され得る。

参考文献

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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)に従って、オレフィンの高分子量ポリマーへの重合及び共重合を可能とする開始剤たる有機金属複合体:
【化1】

ここで:
R、R’、R”及びR’’’は、1またはそれ以上の官能基を有するまたは有しない、それぞれ独立してアキラルまたはキラルのアルキルまたはアリール基であり;
Mは、Fe、Co、Ni、PdまたはPtであり;
Xは、アルキル、水素またはハロゲン基であり;及び、
Lは、O、N−R’’’’、Sまたは=CH2であり、ここで、R’’’’は、アルキルまたはアリール基である。
【請求項2】
R及びR’が、それぞれアルキルであり、R’’及びR’’’が、それぞれアリールである請求項1に記載の複合体。
【請求項3】
Lが、Oである請求項1に記載の複合体。
【請求項4】
R及びR’が、それぞれアルキルであり、R’’及びR’’’が、それぞれアリールである請求項3に記載の複合体。
【請求項5】
R及びR’が、それぞれメチルである請求項4に記載の複合体。
【請求項6】
R’’及びR’’’が、それぞれ2,6ジ置換アリールである請求項4に記載の複合体。
【請求項7】
前記複合体が、2,4−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケルまたは2,4−ビス(2−イソプロピル−6−メチルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケルである請求項4に記載の複合体。
【請求項8】
金属化合物を式IIのリガンドを伴って混合することを含む開始剤たる有機金属複合体の製造方法:
【化2】

ここで、R、R’、R’’及びR’’’は、1またはそれ以上の官能基を有するまたは有しない、それぞれ独立してアキラルまたはキラルのアルキルまたはアリール基であり、Lは、O、N−R’’’’、Sまたは=CH2であり、ここで、R’’’’は、アルキルまたはアリール基である。
【請求項9】
R及びR’が、それぞれアルキルであり、R’’及びR’’’が、それぞれアリールである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
Lが、Oである請求項8に記載の方法。
【請求項11】
R及びR’が、それぞれアルキルであり、R’’及びR’’’が、それぞれアリールである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
R’’及びR’’’が、それぞれ2,6−ジイソプロピルフェニルまたは2−イソプロピル−6−メチルフェニルである請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記金属化合物が、金属ハロゲン化合物複合体である請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記金属化合物が、(1,2−ジメトキシエタン)ジブロモニッケル複合体である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
1またはそれ以上のオレフィンを含むポリマーを製造するために1またはそれ以上の有機金属複合体を伴って混合することを含み、該有機金属複合体は式(I)を有している重合方法:
【化3】

ここで、
R、R’、R”及びR’’’は、1またはそれ以上の官能基を有するまたは有しない、それぞれ独立してアキラルまたはキラルのアルキルまたはアリール基であり;
Mは、Fe、Co、Ni、PdまたはPtであり;
Xは、アルキル、水素またはハロゲン基であり;及び、
Lは、O、N−R’’’’、Sまたは=CH2であり、ここで、R’’’’は、アルキルまたはアリール基である。
【請求項16】
R及びR’が、それぞれアルキルであり、R’’及びR’’’が、それぞれアリールである請求項15に記載の重合方法。
【請求項17】
Lが、Oである請求項15に記載の重合方法。
【請求項18】
R及びR’が、それぞれアルキルであり、R’’及びR’’’が、それぞれアリールである請求項17に記載の重合方法。
【請求項19】
前記複合体が、2,4−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケルまたは2,4−ビス(2−イソプロピル−6−メチルフェニルイミノ)ペンタン−3−オンジブロモニッケルである請求項15に記載の重合方法。
【請求項20】
1またはそれ以上のオレフィンは、それぞれ独立して:R1CH=CH2;シクロペンテン;スチレン;ノルボルネン;1またはそれ以上の置換基で置換された、シクロペンテン、スチレンまたはノルボルネン;または式H2C=CR2Xの極性オレフィン;ここで、R1は、水素、アルキル基、または、1またはそれ以上の官能基で置換されたアルキル基であり;R2は、水素、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基であり;Xは、極性基である請求項15に記載の重合方法。
【請求項21】
Xが、:ハロゲン;−CN;−C65N;−CONR34;−OR3;−COOR3;−OCOR3;−COR3;−C65OR3;または−C65NR34であり;ここで、R3及びR4は、それぞれ独立して水素またはアルキル基である請求項20に記載の重合方法。
【請求項22】
単一のオレフィンを重合する請求項15に記載の重合方法。
【請求項23】
生成されるポリマーが、ポリエチレンまたはポリプロピレンである請求項22に記載の重合方法。
【請求項24】
2つの異なるオレフィンを重合する請求項15に記載の重合方法。
【請求項25】
前記ポリマーを、リビング重合工程によって重合する請求項15に記載の方法。
【請求項26】
2つの異なるオレフィンを、ブロック重合が製造されるように重合する請求項25に記載の方法。
【請求項27】
さらに共触媒を含む請求項15に記載の重合方法。
【請求項28】
前記共触媒が、アルキルアルミニウム、アルミノキサンまたはホウ酸塩化合物である請求項27に記載の重合方法。
【請求項29】
請求項15の方法によって製造されるポリマー。
【請求項30】
前記ポリマーが、半結晶である請求項29に記載のポリマー。
【請求項31】
前記ポリマーが、ポリエチレンまたはポリプロピレンである請求項30に記載のポリマー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−522071(P2011−522071A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510554(P2011−510554)
【出願日】平成21年5月5日(2009.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/042877
【国際公開番号】WO2009/151825
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】