説明

オレフィン共重合体およびその製造方法

【構成】プロピレンとエチレンとα−ωジエンからなり、該α−ωジエン単位の含量が0.0001〜5モル%の範囲にあり、プロピレンとエチレン含量に対するプロピレン含量が10ないし90モル%、エチレン含量が90ないし10モル%であって、共重合体中に含まれるビニル基のモル数(M)とα−ωジエン単位のモル数(M0 )が下記式(数1)で表される関係にあり、沸騰パラキシレン不溶分が1重量%以下で、135℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度数〔η〕が0.1〜10dl/gの範囲にあるオレフィン共重合体。


該α−ωジエンの濃度を0.1モル/リットル以下にして、プロピレンとエチレン/α−ωジエンのモル比を50以上に保ちながら共重合する。
【効果】本発明の共重合体はポリオレフィンの物性改良剤として用いたときに従来公知のプロピレン、エチレン、ジエン共重合体に比較して剛性、耐衝撃性のバランスが優れた成形品を得る。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィン共重合体およびその製造方法に関し、詳しくは、オレフィンとジエン化合物との共重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレン/エチレン/ジエン共重合体は熱可塑性エラストマーとして優れた電気的、機械的、化学的性質を有し、また安価に入手することが出来るためポリオレフィンの成形加工性の改良剤、物性のバランスの改良剤など、各種の材料としてさまざまな分野に非常によく利用されている。
【0003】特にプロピレン/エチレン/ジエン共重合体はポリオレフィンの物性改良剤として用いられた場合、耐衝撃性の改良効果は大きいが耐熱性、剛性が低下するため添加量に限度があり、成形物の剛性と耐衝撃性のバランスとして評価した場合にはそのバランスそのものはほとんど変わらないという問題がある。例えばポリプロピレンの物性改良では、この問題を解決するため分子量分布を変えたり、異なった物性を有するポリプロピレン同志を混合する方法あるいは種々の造核剤や相溶化剤等を添加して剛性や衝撃を改良したり、異なった性質の種々のゴムを添加して剛性と耐衝撃性とのバランスを改善する方法が、一般に知られている。
【0004】最近では特開平2−64111号に架橋構造を有するメタロセン化合物とアルミノキサンよりなる触媒を用いてプロピレン/エチレン/ジエン共重合体を合成する方法が公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の方法ではゴムを添加して耐衝撃性を改善する方法では、柔らかいゴムを添加するため耐衝撃性は改善できるが剛性が低下してしまい、剛性を挙げる手段、例えば造核剤を併用して添加する方法ではポリプロピレンの結晶化度が上がって剛性は高くなる反面、耐衝撃性が低下してしまう。このように物性のバランスとして必ずしも満足できるものではないという問題があり、剛性あるいは耐衝撃性のいずれかを改良することは容易であるあるが、バランス良く改良することは困難であった。剛性と耐衝撃性とのバランスを改善するに有用な化合物の開発が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α−ωジエンの一方の末端ビニル基がプロピレンまたはエチレンと共重合し、さらに残ったもう一方のビニル基とプロピレンまたはエチレンとを共重合させることができるようにプロピレンとエチレンおよび両末端にビニル基を有するα−ωジエンとのモノマーの比とα−ωジエンの濃度をコントロールして、ジエン同志の反応を起こりにくくするとともにジエンの両側にプロピレンエチレン共重合体を成長させることによりゲル化を防ぐことを検討し、得られた共重合体の特徴を調べたところ、ポリプロピレンを初めとするポリオレフィンにこれらの共重合体を添加したときにポリオレフィンの剛性と耐衝撃性のバランスを向上させる優れた効果があることを見いだし本発明を完成した。
【0007】本発明の目的はポリオレフィンの剛性と耐衝撃性のバランスの向上に効果のあるプロピレンとエチレンとα−ωジエンからなる共重合体を提供するとともにその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】即ち本発明は、プロピレンとエチレンとα−ωジエンからなり、該α−ωジエン単位の含量が0.0001〜5モル%の範囲にあり、プロピレンとエチレン含量に対するプロピレン含量が10ないし90モル%、エチレン含量が90ないし10モル%、含有ビニル基のモル数(M)とα−ωジエン含量(M0 )が下記式(数2)で表される関係にあり、135℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度数〔η〕が0.1〜10dl/gの範囲にあるオレフィン共重合体である。
【0009】
【数2】


【0010】また本発明は、プロピレンとエチレンと両末端にビニル基を有するα−ωジエンとをメタロセン化合物及び必要により活性化剤よりなる触媒を用いて共重合させるにあたり、α−ωジエンの濃度を0.1モル/リットル以下にして、プロピレンとエチレン/α−ωジエンのモル比を50以上に保ちながら共重合することを特徴とするオレフィン共重合体の製造方法である。
【0011】本発明において用いられるプロピレンとエチレンと両末端にビニル基を有するα−ωジエン共重合体の製造は、プロピレンとエチレンとα−ωジエンを共重合して得られるものであり、そのα−ωジエンとしては少なくともα位とω位にビニル結合を有するジエン化合物であれば直鎖構造でも分岐した構造でもよく、酸素、硫黄、硼素等のヘテロ原子や原子団を含んでいてもよい。例えば1,3-ブタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン、1,10- ウンデカジエン、1,11- ドデカジエン、1,13- テトラデカジエン、ジビニルベンゼン、などが例示される。
【0012】これらのモノマーの共重合体中の含量はα−ωジエン含有量が0.0001ないし5モル%であり、プロピレンとエチレン含量に対するプロピレン含量が10ないし90モル%、エチレン含量が90ないし10モル%、の範囲であることが好ましい。
【0013】特に両末端にビニル基を有するα−ωジエン単位の含有量が0.0001モル%に満たないとポリオレフィンの剛性と耐衝撃性のバランスの向上の効果が達成されない。また5モル%を越えて含有させると共重合体の分子量が非常に大きくなりポリマーが溶媒に不溶になり、また加熱しても不融部分が存在するようになり、成形加工性が悪化するとともに物性も悪くなるので工業的な利用価値がなくなる。
【0014】またプロピレンとエチレン含量に対するプロピレン含量が10モル%に満たないとポリオレフィンの成形加工性、物性のバランスの改良効果が小さくなる。また90モル%を越えるとゴム分が非常に少なくなるため改質剤としての性質、効果が出なくなるので好ましくない。
【0015】本発明のプロピレンとエチレンとα−ωジエンの共重合体はプロピレン、エチレンおよびα−ωジエンのランダム共重合体またはブロック共重合体であつてもよいが、ランダム共重合体がより好ましい。この共重合体の分子量としては、135 ℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度数〔η〕(以下、単に〔η〕と記す。)として0.1〜10dl/g程度である。
【0016】本発明の共重合体では共重合体中に含まれるビニル基のモル数(M)とα−ωジエン単位のモル数(M0 )が上記式(数2)で表される関係にあることが特徴である。
【0017】共重合体に含まれるビニル基のモル数(M)は共重合体の赤外吸収スペクトルやNMRスペクトルでビニル基の吸収スペクトルから計算して求めることができる。またα−ωジエン含量(M0 )は同様に共重合体の赤外吸収スペクトルやNMRスペクトルから計算して求めることもできるが、重合時に供給したジエンモノマーのモル数から重合終了時の未反応のモノマーのモル数の差から計算することもできる。
【0018】共重合体中に含まれるビニル基のモル数(M)とα−ωジエン単位のモル数(M0 )の関係式(数2)が0.9以下であるということはジエンの両端が反応してプロピレンとエチレンの共重合体をジエンで結合した構造あるいはジエン同志が結合した構造あるいはジエンが環状になって導入された構造となっている物が導入されたジエンのうち0.1以上であるということであり、この様な構造がポリオレフィンにこれらの共重合体を添加したときにポリオレフィンの剛性と耐衝撃性のバランスを向上させるという効果をもたらすものと考えられる。一方、共重合して導入されたジエンの一方のビニル基が残っているものはジエンの両側にプロピレンとエチレンの共重合体が成長していないので上述の効果がでない。従って関係式(数2)の値が0.9以下が好ましく、より好ましくは0.5以下である。
【0019】このような共重合体は、α−ωジエンの一方の末端ビニル基がプロピレンまたはエチレンと共重合し、さらに残ったもう一方のビニル基とプロピレンまたはエチレンを共重合させることにより得られる。この時ビニル基同志が反応すると架橋してゲル化し易くなるため、プロピレンおよびエチレンと両末端にビニル基を有するα−ωジエンとのモノマーの比をコントロールして、ジエン同志の反応を起こりにくくするとともにジエンの両側にプロピレンとエチレン共重合体を成長させるようにすることが重要である。
【0020】従って、本発明ではプロピレンとエチレンとα−ωジエンとをこれらのメタロセン化合物及び必要により活性化剤よりなる触媒を用いて共重合させるにあたり、α−ωジエンの濃度を0.1モル/リットル以下として、プロピレンとエチレン/α−ωジエンのモル比を50以上に保ちながら共重合することが必要である。ここでα−ωジエンの濃度が0.1モル/リットルを越えると生成ポリマーがゲル化するので好ましくない。またプロピレンとエチレン/α−ωジエンのモル比が50に満たないとやはり生成ポリマーがゲル化するので好ましくない。重合時にはこれらのモノマーを一括で導入しておいてもよいし、消費されたプロピレンとエチレンとジエンを上記濃度及び量比から外れない範囲で連続的に或いは断続的に供給することができる。
【0021】これらプロピレンとエチレンとα−ωジエンの共重合体の製造において、重合に用いる触媒は、ジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドとアルミノキサンの組み合わせで代表されるようなシクロペンタジエニル化合物を配位子とする周期律表第3族、第4族、第5族のメタロセン化合物であり、必要により有機アルミニウムと水または結晶水とを反応することで得られるオリゴマーないしポリマーであるアルミノキサン化合物よりなる活性化剤、あるいはシクロペンタジエニル化合物を配位子とする周期律表第3族、第4族、第5族の金属カチオン錯体と安定アニオンを形成する化合物より成る活性化剤を組み合わせた触媒も利用できる。
【0022】本発明で用いるメタロセン化合物は下記式(化1)、(化2)または(化3)で表わされる化合物が例示される。
【0023】
【化1】


【0024】
【化2】


【0025】
【化3】


【0026】式中、AおよびBまたはA’およびB’およびA”は互いに同じか異なる1価または2価の不飽和炭化水素残基を、Rは側鎖を有してもよい2価の直鎖状飽和炭化水素残基またはその直鎖の炭素原子の一部または全部が珪素原子、ゲルマニウム原子、もしくは錫原子で置換されている残基を、Mは周期律表第3族、第4族、第5族の金属原子を、そしてXは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1ないし40の炭化水素残基、炭素数1ないし10のアルコキシ基、炭素数6ないし10のアリールオキシ基で、好ましくはハロゲン原子を表す。nは金属原子Mの価数と等しく、nが2以上の場合には、Xは互いに同じか異なっていても良い。
【0027】A、B、A’またはB’またはA”で表される不飽和炭化水素残基としては炭素原子数5ないし50の単環、あるいは多環の共役π電子を有する基が例示でき、具体的にはシクロペタジエニルもしくはその一部または全部の水素が炭素原子数1ないし10の炭化水素残基で置換したもの(ここで炭化水素残基はその末端が再びそのシクロペンタジエン環に結合した構造であっても良い。)、あるいはインデニル、フルオレニルなどの多環芳香族炭化水素残基もしくはその水素の一部または全部が炭素原子数1ないし10の炭化水素残基で置換したものなどが例示される。
【0028】Rで表される2価の基としては下記式(化4)で表されるメチレン基またはそのメチレン基の炭素原子の一部または全部が珪素原子、ゲルマニウム原子、もしくは錫原子で置換されたシリレン基、ゲルミレン基、スタニレン基となっているものが例示される。
【0029】
【化4】−(R'2C)n−(R'2Si)m−(R'2Ge)p-(R'2Sn)q-(式中R'は水素原子または炭素原子数1ないし20の炭化水素残基を表し2つのR’は同じでも異なっていても良く、n、m、p、qは0ないし4の整数でかつ式n+m+p+q>0を満足させる整数を表す。)
【0030】一般式(化1)で表されるハロゲン化メタロセン化合物の具体的な例を挙げれば次のようなものがある。例えば、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(1,2-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(1,2,3-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(1,2,4-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(1,2,3,4-テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(1,2-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(1,3-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(フェニルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(4-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(5-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(6-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(7-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(5-メトキシ-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(2,3-ジメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(4,7-ジメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(4,7-ジメトキシ-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(トリエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(テトラエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(ペンタエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペンタジエニル)(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(ジメチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(ジメチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(ジメチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(エチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(エチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(エチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(エチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(ジエチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(ジエチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(ジエチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(ジエチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド等が挙げられる。
【0031】また一般式(化2)で表されるハロゲン化メタロセン化合物の具体的な例を挙げれば次のようなものがある。エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(1,2-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(1,2,3-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(1,2,4-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(1,2,3,4-テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(1,2-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(1,3-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(フェニルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(4-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(5-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(6-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(7-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(5-メトキシ-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2,3-ジメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(4,7-ジメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(4,7-ジメトキシ-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1- インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(トリエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(テトラエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(ペンタエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジクロルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニル)(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジメチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジメチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジメチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(エチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(エチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(エチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(エチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(4-メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(4,5-メチレンフェナントレン)ジルコニウムジクロライド、このほかに架橋部分エチレン基の代わりにイソプロピリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、1,4-シクロペンタン−ジ−イリデン基、1,4-シクロヘキサン−ジ−イリデン基、ジメチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジメチルゲルミレン基、ジメチルスタニレン基等が結合した物が挙げられる。またジルコニウム原子の代わりにチタニウム原子及びハフニウム原子に変えた錯体、さらにクロライドの代わりにブロマイド、ヨーダイド、フルオライドに変えた錯体が挙げられる。例えば、エチレン架橋部分をジメチルシリレン基に代えた化合物としては、ジメチルシリレンビス(3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4-ジ-t- ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(3-エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4-ジフェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,5-トリエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド,ジメチルシリレンビス(3-イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(3-フェニルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(3-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(3-エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)(2,4-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等が挙げられ、またジルコニウム原子の代わりにチタニウム原子及びハフニウム原子に変えた錯体、さらにクロライドの代わりにブロマイド、ヨーダイド、フルオライドに変えた錯体が挙げられる。
【0032】また一般式(化3)で表されるハロゲン化メタロセン化合物の具体的な例を挙げれば次のようなものがある。シクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、メチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、1,2-ジメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、1,3-ジメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、1,2,3-トリメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、1,2,4-トリメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、1,2,4-テトラメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、エチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ビス1,2-ジエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、1,3-ジエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、イソプロピルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、フェニルプロピルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、t-ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、インデニルジルコニウムトリクロライド、4-メチル-1- インデニルジルコニウムトリクロライド、5-メチル-1- インデニルジルコニウムトリクロライド、6-メチル-1- インデニルジルコニウムトリクロライド、7-メチル-1- インデニルジルコニウムトリクロライド、5-メトキシ-1- インデニルジルコニウムトリクロライド、2,3-ジメチル-1- インデニルジルコニウムトリクロライド、4,7-ジメチル-1- インデニルジルコニウムトリクロライド、4,7-ジメトキシ-1- インデニルジルコニウムトリクロライド、フルオレニルジルコニウムトリクロライド、オクタヒドロフルオレニルジルコニウムトリクロライド、4-メトキシフルオレニルジルコニウムトリクロライド、2,7-ジ-t- ブチルフルオレニルジルコニウムトリクロライド等が挙げられ、またジルコニウム原子の代わりにチタニウム原子及びハフニウム原子に変えた錯体、さらにクロライドの代わりにブロマイド、ヨーダイド、フルオライドに変えた錯体が挙げられる。
【0033】また必要により用いられる活性化剤としてはアルキルアルミニウム化合物やトリアルキルアルミニウムを水で加水分解して得られるアルミノキサン化合物が例示できる。中でも特にメチルアルミノキサンが利用される。上記メタロセン化合物に対するアルミノキサンの使用割合としては1〜10000 モル倍、通常1〜1000モル倍である。
【0034】その他の活性化剤として上記メタロセン化合物と反応してイオン性化合物を形成する化合物も用いられる。これらはカチオンとアニオンのイオン対から形成されるイオン性化合物や親電子性の化合物が挙げられる。これらの化合物は通常、ルイス酸化合物として知られている化合物で、適当なルイス酸性を有しており、触媒として用いられる中性のメタロセン化合物と反応してイオン性化合物に変える性質を有することが必要で、メタロセン化合物あるいはメタロセン化合物とアルキルアルミニウム化合物と反応して、メタロセンカチオン化合物を生成ならしめるものであり、ルイス酸自体あるいはイオン対となったアニオンが生成したメタロセンカチオン化合物に対して再結合したり、強く配位して重合活性を不活性化しないものである。イオン性化合物のカチオンの例としては、カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオン等が挙げられる。
【0035】イオン性化合物のアニオンの例としては、有機硼素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機リン化合物アニオン、有機砒素化合物アニオン、有機アンチモン化合物アニオン等であり、また、親電子性化合物としてはハロゲン化金属や固体酸として知られている金属酸化物等が挙げられる。
【0036】上記メタロセン化合物に対する該メタロセン化合物と反応してイオン性化合物を形成する化合物の使用割合としては0.1 〜10000 モル倍、通常0.5 〜5000モル倍である。
【0037】その重合方法は溶媒重合法あるいは実質的に溶媒の存在しない塊状重合法、気相重合法などの従来の方法が利用でき、また重合条件についても特に制限はなく通常、反応温度は常温〜200 ℃、圧力が常圧〜50kg/cm2 で行われる。
【0038】上記各成分の混合、あるいは必要に応じ添加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、あるいは他の核剤など公知の添加剤との混合方法については特に制限は無く、それぞれの成分をヘンシェルミキサー、V型ブレンダー等で混合後、押出機、あるいはロール、バンバリーミキサー、ニーダー等で溶融混合し一度造粒してペレット状にしておくことが好ましい。
【0039】本発明の共重合体は射出成形等の通常のポリプロピレンの成形に用いられている方法で成形して剛性と耐衝撃性のバランスの良好な成形物を製造する。成形温度としては特に制限はなく通常の成形温度で可能であり、通常200 〜300 ℃である。
【0040】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに説明する。
【0041】実施例1〔プロピレン/エチレン/ジエン共重合体の合成〕内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにトルエン1リットルを入れ、さらにメチルアルミノキサン(東ソー・アクゾ製、重合度16.2)0.72gを入れ、さらに20℃でプロピレンガスを導入して3kg/cm2-G として常法にしたがって合成したジメチルシリルビス(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド5 mgを10mlのトルエンに溶解した溶液を加えて、20℃で5分間重合した。さらに20℃に保ちながらプロピレンをパージして圧力を0.1 kg/cm2-Gとしてと1,5-ヘキサジエン1.5 gおよびエチレン10gを装入し、20℃で15分間重合した。未反応のプロピレンとエチレンをパージして除き、さらに20℃でプロピレンガスを導入して3kg/cm2-G として20℃で30分間重合した。
【0042】重合終了後、未反応のプロピレンをパージしてポリマーをろ過して取り出し、80℃で8時間真空乾燥して秤量したところ90.9gのプロピレン/エチレン/1,5-ヘキサジエン共重合体を得た。重合前後の反応液の組成をガスクロマトグラフで分析して1,5-ヘキサジエンの反応量を計算すると0.7 gであった。沸騰パラキシレン可溶分は99.5%であり、ゲルは生成していなかった。また、プレスシートのIR吸収スペクトルを(図1−1)に示し、比較のためプロピレン/エチレン共重合体のIR吸収スペクトルを(図1−3)示す。
【0043】この共重合体は 906cm-1および1640cm-1(図示せず)にビニル基の吸収があり、ジエンが共重合していることが明瞭に認められる。また共重合体には 884cm-1にビニリデン基の吸収が見られる事が特徴である。1H-NMRでは末端ビニル基のシグナルが6ppm 付近に観測され、その量は約0.1 重量%であり、ほとんどの二重結合は反応しているものと考えられる。また、〔η〕は1.21、1,2,4-トリクロロベンゼンで測定した重量平均分子量と数平均分子量との比(以下、MW/MN と記す。)は3.1 であった。
【0044】比較例1実施例1において1,5-ヘキサジエンの量を13.0gを用いた他は実施例1と同様にして共重合をおこなったところ116.2 gのプロピレン/エチレン/1,5-ヘキサジエン共重合体を得た。この共重合体の沸騰パラキシレン可溶分は87.5%であり多量のゲルが生成していた。
【0045】実施例21,5-ヘキサジエンの代わりに1,7-オクタジエン 2.5gを用いた他は実施例1と同様にして共重合を行ったところ102.7 gのプロピレン/エチレン/1,7-オクタジエン共重合体を得た。重合前後の反応液の組成をガスクロマトグラフで分析して1,7-オクタジエンの反応量を計算すると1.0 gであった。沸騰パラキシレン可溶分は99.5%であり、ゲルは生成していなかった。また、プレスシートのIR吸収スペクトルを(図1−2)に示す。
【0046】得られた共重合体bは 906cm-1および1640cm-1(図示せず)にビニル基の吸収がありジエンが共重合していることが明瞭に認められる。また共重合体bには 884cm-1にビニリデン基の吸収が見られる事が特徴である。1H-NMRでは末端ビニル基のシグナルが6ppm 付近に観測され、その量は約0.1 重量%であり、ほとんどの二重結合は反応しているものと考えられる。また〔η〕は1.35、MW/MN は3.2であった。
【0047】実施例31,5-ヘキサジエンの代わりに1,4-ペンタジエン 2.5gを用いた他は実施例1と同様にして共重合をおこなったところ138.4 gのプロピレン/エチレン/1,4-ペンタジエン共重合体を得た。重合前後の反応液の組成をガスクロマトグラフで分析して1,4-ペンタジエンの反応量を計算すると1.12gであった。沸騰パラキシレン可溶分は99.5%でありゲルは生成していなかった。1H-NMRでは末端ビニル基のシグナルが6ppm 付近に観測され、その量は約0.1 重量%であり、ほとんどの二重結合は反応しているものと考えられる。また〔η〕は1.25、MW/MN は3.1 であった。
【0048】
【発明の効果】本発明の共重合体はポリオレフィンの物性改良剤として用いたときに従来公知のプロピレン、エチレン、ジエン共重合体に比較して剛性、耐衝撃性のバランスが優れた成形品を得ることが可能となり工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロピレン/エチレン/ジエン共重合体のIR吸収スペクトルであり、1は実施例1で得られた共重合体のIR吸収スペクトルを示し、2は実施例2で得られた共重合体のIR吸収スペクトルを示す。また、3は比較のためにプロピレン/エチレン共重合体のIR吸収スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】プロピレンとエチレンと両末端にビニル基を有するα−ωジエンからなり、該α−ωジエン単位の含量が0.0001〜5モル%の範囲にあり、プロピレンとエチレン含量に対するプロピレン含量が10ないし90モル%、エチレン含量が90ないし10モル%であって、共重合体中に含まれるビニル基のモル数(M)とα−ωジエン単位のモル数(M0 )が下記式(数1)で表される関係にあり、沸騰パラキシレン不溶分が1重量%以下で、135℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度数〔η〕が0.1〜10dl/gの範囲にあるオレフィン共重合体。
【数1】


【請求項2】プロピレンとエチレンと両末端にビニル基を有するα−ωジエンとをメタロセン化合物及び必要により活性化剤よりなる触媒を用いて共重合させるにあたり、該α−ωジエンの濃度を0.1モル/リットル以下にして、プロピレンとエチレン/α−ωジエンのモル比を50以上に保ちながら共重合することを特徴とするオレフィン共重合体の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開平7−138327
【公開日】平成7年(1995)5月30日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−288170
【出願日】平成5年(1993)11月17日
【出願人】(000003126)三井東圧化学株式会社 (49)