説明

オンデマンド避妊方法

本発明は、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えば17α-アセトキシ-11β-[4-N,N-ジメチルアミノ-フェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン (ウリプリスタル酢酸塩)を女性に性交前72時間以内にかまたは性交後120時間以内に投与することを含むオンデマンド避妊方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性、特に定期的に性行為を行わない女性のオンデマンド避妊方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホルモン避妊法は、現在のところ最も信頼性のある再度妊娠可能な避妊方法と考えられる。該方法は、性交の頻度に関わらずピルを一般的には毎日連続的に服用する必要がある。しかしながら、たまにしか性交しない女性では、性交に応じた、すなわち、低頻度で服用でき、有効成分への暴露を減らすことができる製剤がより好都合であろう。長い間認識されていたものの(Canzler et al, Zbl. Gynakol, 1984, 106:1182-1191)、そのようなオンデマンド避妊方法に対する要求は満たされていない(Aitken et al, Contraception, 2008, 78:S28-S35)。
【0003】
女性は、実際に、今ある製品の中からそのような方法を自ら作りだそうとしている。ガーナでは、2003年に行われた研究で、種々の産婦人科的問題の治療用に市販されているノルエチンドロン錠を「オンデマンド(要求に応じた)」経口避妊薬として用いていると報告された。より最近、Family Health Internationalの同僚らが収集したデータおよび事例報告は、アフリカの他の地域およびその他の場所に住む女性がこのように意図的に緊急避妊ピルを用いていることを示す。
【0004】
経口法は、性行為感染症に対する防御はもたらさないが、数十年前に行った研究は、種々の用量のレボノルゲストレルを定期的性交後避妊薬として用いると典型的に用いられるコンドームや他のバリア法の全体的有効性に匹敵する有効性で保護をもたらし得ることを報告した(United Nations Development Programme/ United Nations Population Fund/World Health Organization/World Bank Special Programme of Research, Development and Research Training in Human Reproduction, Task Force on Post-Ovulatory Methods of Fertility Regulation. Efficacy and side effects of immediate postcoital levonorgestrel used repeatedly for contraception. Contraception 2000;61:303-8)。さらに、性交前のレボノルゲストレルゲルの単回膣内投与が排卵過程を妨げるか否かを評価することが提案された(Brache et al, Contraception, 2007; 76:111-116)。
【0005】
他のプロゲステロン作用薬(progestative agent)が性交後緊急避妊薬として用いられている。緊急避妊 (EC)は、女性が望まない妊娠を予防するために非保護の性交後の最初の数日以内に用いることができる避妊緊急事のための支援法を表す。例えばHRA Pharmaが緊急避妊用に開発したウリプリスタル酢酸塩を用いた前臨床試験および第1臨床試験は、50 mgの単回用量のウリプリスタル酢酸塩は、非保護の性交後72時間以内に緊急避妊を望む女性に投与すると安全で有効であることを示した(Creinin et al, 2006, Obstetrics and Gynecology, 108(5):1089-1097)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(発明の要約)
本発明は、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを女性に性交前72時間以内にオンデマンドで投与することを含む、該投与を1週間に少なくとも1回反復することができる避妊方法を提供する。
【0007】
本発明は、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを女性に性交後120時間以内に好ましくは1月間に少なくとも2回、オンデマンドで投与することを含む避妊方法も提供する。
【0008】
好ましい態様において、本発明は、プロゲストゲン剤またはそのプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えば17α-アセトキシ-11β-[4-N,N-ジメチルアミノ-フェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン (ウリプリスタル酢酸塩)またはその代謝物を女性に性交前72時間以内にオンデマンドで投与することを含む、該投与を1週間に少なくとも1回反復することができる避妊方法を提供する。
【0009】
本発明は、プロゲストゲン剤またはそのプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えば17α-アセトキシ-11β-[4-N,N-ジメチルアミノ-フェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン (ウリプリスタル酢酸塩)またはその代謝物を女性に性交後120時間以内に、好ましくは1月間に少なくとも2回オンデマンドで投与することを含む避妊方法も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明者らは、ウリプリスタル酢酸塩を緊急避妊薬としてのみならず、定期的ホルモン避妊薬としても用いることができるか否かについて試験した。
【0011】
そのために、健康な月経周期のボランティアにウリプリスタル酢酸塩 (2.5、5または10 mg)またはプラセボを連続的に毎日3ヶ月間投与した。
【0012】
卵巣ホルモン、卵胞の発達、子宮内膜の病歴、および月経出血パターンの評価を治療の第3月中に実施した。
【0013】
1名の患者(ウリプリスタル酢酸塩10 mg/日で処置)は、第3処置サイクル中に2日間(第1日および第2日)薬剤を投与し損ね、黄体活性または排卵の兆候がまだなかった。このことから、ウリプリスタル酢酸塩は、あらゆるホルモン避妊ピルとして毎日ではなくオンデマンドで投与する避妊薬として用いることができるかもしれないと本発明者らは考えた。
【0014】
これに基づき、本発明は、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えば17α-アセトキシ-11β-[4-N,N-ジメチルアミノ-フェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン (ウリプリスタル酢酸塩)またはその代謝物を女性に性交前72時間以内におよび/または性交後120時間以内に投与することを含むオンデマンド避妊方法を提供する。
【0015】
さらに、本発明は、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を女性に非連続的に投与することを含む避妊方法を提供する。より詳細には、該プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物は月経周期中に1日に1回未満で投与することができる。それらを月経周期中に1週間に少なくとも1回で投与することが好ましい。
【0016】
より一般的には、本発明者らは、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターをオンデマンド避妊に用いることを提案する。
プロゲストゲン剤:
【0017】
該プロゲストゲン剤(プロゲスチンともいう)は、あらゆる黄体活性化合物でありうる。
【0018】
プロゲストゲン剤は、プロゲステロンおよびその誘導体、例えば、17-ヒドロキシプロゲステロンエステル、19-ノル-17-ヒドロキシプロゲステロンエステル、17α-エチニルテストステロンおよびその誘導体、17α-エチニル-19-ノル-テストステロンおよびその誘導体、ノルエチンドロン、ノルエチンドロン酢酸塩、エチノジオール2酢酸塩、ジドロゲステロン、メドロキシ-プロゲステロン酢酸塩、ノルエチノドレル、アリルエストレノール、リノエストレノール、フインゲスタノール酢酸塩、メドロゲストン、ノルゲストリエノン、ジメチデロン、エチステロン、シプロテロン酢酸塩、レボノルゲストレル、DL-ノルゲストレル、D-17α-アセトキシ-13β-エチル-17α-エチニル-ゴナ-4-エン-3-オンオキシム、ゲストデン、デソゲストレル、ノルゲスチメート、ネストロン、およびドロスピレノンなどから選ぶことができる。
【0019】
好ましい態様において、プロゲストゲン剤はいかなる他のホルモン避妊薬、例えばエストロゲンとも併用しないと理解すべきである。その場合には、該避妊薬はしばしば「プロゲスチン単独」避妊薬という。
プロゲステロンレセプターモジュレーター:
【0020】
本発明に用いるためのプロゲステロンレセプターモジュレーターは、例えば、ウリプリスタル酢酸塩、ミフェプリストン、またはCDB-4124、またはその活性代謝物から選ぶことができる。
【0021】
好ましいプロゲステロンレセプターモジュレーターはウリプリスタル酢酸塩である。ウリプリスタル酢酸塩(以前はCDB-2914として知られていた)は、下記式Iで示される17α-アセトキシ-11β-[4-N,N-ジメチルアミノ-フェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオンである。

【0022】
該化合物は、抗黄体および抗グルココルチコイド活性を有するよく知られたステロイド、より具体的には19-ノルプロゲステロンである。この化合物およびその製造方法は、米国特許4,954,490、5,073,548、および5,929,262、および国際特許出願WO2004/065405およびWO2004/078709に記載されている。さらに、本化合物の特性は、Blithe et al、2003、Steroids、68:1013-1017、およびGainer and Ulmann、2003、Steroids、68:1005-1011に記載されている。CDB-2914の代謝物には、Attardi et al、Journal of Steroid Biochemistry & Molecular Biology、2004、88:277-288に記載のもの、例えばモノデメチル化CDB-2914 (CDB-3877);ジデメチル化CDB-2914 (CDB-3963);17α-ヒドロキシCDB-2914 (CDB-3236);CDB-2914の芳香族A環誘導体(CDB-4183)。

オンデマンド(要求に応じた)
【0023】
対象または患者は、あらゆるヒトの女性でありうる。本発明者らは「オンデマンド避妊薬」を提供する。これは、女性が、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を必要なとき、すなわち性交が予期されるか最近行ったときにいつでも服用することができることを意味する。
【0024】
好ましくは、該女性は、あらゆる他のホルモン避妊薬を用いない。別の好ましい態様において、対象は如何なる防御(コンドーム、子宮避妊具、殺精子剤など)も使用しない。
【0025】
女性は、性行為がより定期的になるとプロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を定期的避妊薬として使用したいと思うかもしれない。すなわち、投与を1週間に少なくとも1回、好ましくは1週間に1回、または月経周期中に4回、または月経周期中に2回、または月経周期中に3回反復するのが好ましい。用語「反復する」は、1用量単位のプロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を月経周期中に2回またはそれ以上投与することを意味する。
【0026】
いずれにしても、女性は、いつもプロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物をオンデマンドで、毎日ではなく、好ましくは連続10日間以下で、好ましくは連続9、8、7、6、5、4、3、または2日間以下で使用する。該プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物は連続4日間以下で、3もしくは2日間投与するのが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0027】
投与経路
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物は、経口、バッカル、舌下、非経口的、経皮、膣内、直腸内などを含むあらゆる好都合な経路で投与することができる。
【0028】
薬剤送達方法の簡単な総説は、Langer、Science 249:1527-1533 (1990)(この内容は本明細書の一部を構成する)を参照のこと。投与可能な化合物の製造方法は知られているか、または当業者に明らかであり、例えば、Remington's Pharmaceutical Science、第17版、Mack Publishing Company、Easton、Pa. (1985)(この内容は本明細書の一部を構成する)(以後「Remington.」という)により詳細に記載されている。
【0029】
単位用量の即時放出製剤が好ましい。
【0030】
固体組成物には、常套的無毒性固体担体を用いることができ、これには例えば医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、ショ糖が含まれる。経口投与には、医薬的に許容される無毒性組成物は、通常用いるあらゆる賦形剤、例えば先に記載の担体を組み込むことにより形成される。
【0031】
経口固体剤形は、選択的に圧縮された錠剤またはカプセルである。圧縮錠は、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターの体積を増加して実用的サイズの圧縮錠の製造を可能にするための希釈剤を含むことができる。粉末物質に粘着性を与える物質である結合剤も必要かもしれない。ポビドン、デンプン、ゼラチン、糖、例えばラクトースもしくはブドウ糖、および天然および合成ゴムを用いることができる。一般的には、錠剤の崩壊を促進するために錠剤中に崩壊剤が必要である。崩壊剤には、デンプン、クレイ、セルロース、アルギン、ゴム、および架橋ポリマーが含まれる。最後に、製造工程において表面に錠剤物質が付着するのを防ぐために、少量の、潤滑剤および流動促進剤として知られる物質を錠剤に含む。コロイド状二酸化ケイ素を流動促進剤として最も一般的に用い、タルク、ステアリン酸マグネシウム、またはステアリン酸などの化合物を潤滑剤として最も一般的に用いる。圧縮錠を生成および製造するための手順は、当業者によく知られている(Remington参照)。
【0032】
カプセルは、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターおよび不活性成分の混合物のための容器として硬または軟ゼラチンシェルを選択的に用いる固体剤形である。硬ゼラチンカプセルおよび軟弾性カプセルの生成および製造手順は当該分野でよく知られている(Remington参照)。
【0033】
バッカルまたは舌下形もしくは器具も有用である。
【0034】
非経口投与用には、液体単位剤形を、化合物および無菌ビークル(水が好ましい)を用いて製造する。プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを、用いるビークルや濃度に応じて、ビークルに懸濁または溶解することができる。溶液の製造において、該化合物を注射用に水に溶解し、ろ過無菌し、次いで適切なバイアルまたはアンプルに充填し、密封することができる。好都合には、アジュバント、例えば、局所麻酔剤、保存料、および緩衝剤をビークルに溶解することができる。安定性を増すために、該組成物をバイアルに充填した後に凍結し、水を真空下で除去することができる。次に、凍結乾燥粉末をバイアルに密封し、添付したバイアルの注射用の水を使用前に適用して液体を再構成する。非経口サスペンジョンは、化合物を溶解するかわりにビークルに懸濁し、ろ過滅菌することができない以外は実質的に同じ方法で製造することができる。該化合物は無菌ビークルに懸濁する前にエチレンオキシドに暴露して滅菌することができる。好都合には、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターの均一な分散を促進するために界面活性剤または湿潤剤を該組成物中に含む。
【0035】
さらに、坐剤またはペッサリーを用いてプロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを送達することができる。活性化合物を、当該分野で知られた方法によりあらゆる既知の坐剤基剤に組み込むことができる。そのような基剤の例には、ココアバター、ポリエチレングリコール(カーボワックス)、ポリエチレンソルビタンモノステアレート、およびこれらと融点または溶解速度を修飾する他の適合物質の混合物が含まれる。これら坐剤は重さが約1〜2.5gmでありうる。
【0036】
浸透促進剤および密封バックを含む経皮送達系を用いて、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを送達する。浸透促進剤の例には、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルホルムアミドが含まれる。経皮ゲルも好都合かもしれない。そのようなゲルの例は例えば米国特許5,904,931に記載されている。
【0037】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを膣内経路で、例えばゲルもしくは膣内用具の形で投与することができる。別の態様において、本発明の方法は、女性に、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを放出する膣内用具、例えば膣内リングを性交の前または後24時間以内にオンデマンドで挿入することを含む。
【0038】
通常、膣内リングは、合成ポリマー(シリコンエラストマーまたは非シリコン樹脂でありうる)を含む。特定の態様において、該リングは、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを含むポリマーの外層で囲まれたポリマーコアを含む。特定の態様において、該リングは、国際特許出願WO2006/010097に記載されている。好ましくは、膣内リングは性交後12時間以内に除去される。最も好ましくは膣内リングは最小6〜12時間所定の場所に維持される。
【0039】
経口経路が好ましい。他の投与経路は臨床的成功をもたらす血液レベルを用いる経口経路に比べて適切でありうる。
用量
【0040】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物の単位用量は、10〜40mg、好ましくは20mgまたは30mgでありうる。好ましくは、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物の単位用量を経口投与する。
投与計画:
【0041】
本発明の第1の態様において、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物は、性交前72時間以内、好ましくは性交前48時間以内、より好ましくは性交前24時間以内、さらにより好ましくは性交前12時間以内に投与することができる。
【0042】
本発明の第2の態様において、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物は、性交後120時間以内、好ましくは性交後72時間以内、より好ましくは性交後48時間以内、さらにより好ましくは性交後24時間以内、さらにより好ましくは、性交後12時間以内に投与することができる。
【0043】
好ましい態様において、該投与は1月間に少なくとも2回、好ましくは1月間に3回、または1週間に1回反復する。
【0044】
最善の効果を得るには、2つの態様を組み合わせることができ、すなわち、プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えば、ウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を性交前72時間以内に投与し、同じ女性にプロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーター、例えばウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を性交後120時間以内に投与することもできる。
【0045】
以下の実施例は、限定のためではなく、例示のみのために示す。
【実施例】
【0046】
月経周期内でのウリプリスタル酢酸塩の複数回摂取
複数の女性が、月経周期中に2回、公表した性交後にウリプリスタル酢酸塩 (30 mg)を摂取した。
【0047】
妊娠はみられなかった。

【0048】
*時間は24時間表示で表した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを女性に性交前72時間以内にオンデマンドで投与することを含む避妊方法。
【請求項2】
プロゲステロンレセプターモジュレーターが17α-アセトキシ-11β-[4-N,N-ジメチルアミノ-フェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン (ウリプリスタル酢酸塩)またはその代謝物である請求項1記載の方法。
【請求項3】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを性交前48時間以内に投与する請求項1記載の方法。
【請求項4】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを性交前24時間以内に投与する請求項1記載の方法。
【請求項5】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを性交前12時間以内に投与する請求項1記載の方法。
【請求項6】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを経口投与する請求項1記載の方法。
【請求項7】
ウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を10〜40mgの用量で投与する請求項2記載の方法。
【請求項8】
ウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を30mgの用量で投与する請求項7記載の方法。
【請求項9】
ウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を20mgの用量で投与する請求項7記載の方法。
【請求項10】
さらにプロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを性交後120時間以内に投与することを含む請求項1記載の方法。
【請求項11】
1週間に1回反復する請求項1記載の方法。
【請求項12】
月経周期中に2回反復する請求項1記載の方法。
【請求項13】
月経周期中に3回反復する請求項1記載の方法。
【請求項14】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを連続4日間以下で投与する請求項1記載の方法。
【請求項15】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを連続2日間以下で投与する請求項1記載の方法。
【請求項16】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを女性に性交後120時間以内にオンデマンドで投与することを含む、1月間に少なくとも2回反復する避妊方法。
【請求項17】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターが17α-アセトキシ-11β-[4-N,N-ジメチルアミノ-フェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン (ウリプリスタル酢酸塩)またはその代謝物である請求項16記載の方法。
【請求項18】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを性交後48時間以内に投与する請求項16記載の方法。
【請求項19】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを性交後24時間以内に投与する請求項16記載の方法。
【請求項20】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを性交後12時間以内に投与する請求項16記載の方法。
【請求項21】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを経口投与する請求項16記載の方法。
【請求項22】
ウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を10〜40mgの用量で投与する請求項17記載の方法。
【請求項23】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを30mgの用量で投与する請求項16記載の方法。
【請求項24】
ウリプリスタル酢酸塩またはその代謝物を20mgの用量で投与する請求項15記載の方法。
【請求項25】
1週間に1回反復する請求項16記載の方法。
【請求項26】
月経周期中に3回反復する請求項16記載の方法。
【請求項27】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを連続4日間以下で投与する請求項16記載の方法。
【請求項28】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを連続2日間以下で投与する請求項16記載の方法。
【請求項29】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを女性に非連続的に投与することを含む避妊方法。
【請求項30】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターが17α-アセトキシ-11β-[4-N,N-ジメチルアミノ-フェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン (ウリプリスタル酢酸塩)またはその代謝物である請求項29記載の方法。
【請求項31】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを月経周期中に1日に1回未満で投与する請求項30記載の方法。
【請求項32】
プロゲストゲン剤またはプロゲステロンレセプターモジュレーターを月経周期中に1週間に少なくとも1回投与する請求項30記載の方法。

【公表番号】特表2012−523446(P2012−523446A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505146(P2012−505146)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054812
【国際公開番号】WO2010/119029
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(510207461)
【氏名又は名称原語表記】LABORATOIRE HRA−PHARMA
【Fターム(参考)】