説明

オンラインショッピングシステム及びオンラインショッピング方法

ユーザの識別情報が第三者に漏洩した場合であっても、当該第三者が他の電子機器を用いてなりすましを行う危険を防止することが可能なオンラインショッピングシステムを提供することを目的とする。本発明は、オンラインショッピングサーバ装置に購入意思表示情報を送信し、課金サーバ装置に機器識別情報と課金容認意思表示情報を送信する電子機器と、機器識別情報を受信し、これを購入者識別情報と関連付けて保持し、購入者識別情報をオンラインショッピングサーバ装置に送信し、販売意思表示情報を取得し、これに対応して課金容認意思表示情報を取得する課金サーバ装置と、購入者識別情報を取得し、これと関連付けて購入意思表示情報を取得し、これに基づき販売意思表示情報を課金サーバ装置に送信するオンラインショッピングサーバ装置とを有するオンラインショッピングシステムを提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器と、課金サーバ装置と、オンラインショッピングサーバ装置とからなるオンラインショッピングシステムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
オンラインショッピングのユーザ(商品購入者)に対する課金処理をネットワークを介して行うシステムにおいては、ユーザの識別のための情報の漏洩に伴ういわゆる第三者によるなりすましを防止する必要があるが、かかるなりすましを防止するためのシステムとして、例えば、購入希望者の認証キーワードをクレジット会社端末のみに送信すること等を特徴とする発明が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−133344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のシステムでは、ユーザを識別するための情報がユーザが使用する電子機器と関連付けられていないため、ひとたびユーザの識別情報が第三者に漏洩してしまえば、当該第三者が他の電子機器を用いてかかるなりすましを行う危険を防止することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、本発明は、電子機器と、課金サーバ装置と、オンラインショッピングサーバ装置とからなるオンラインショッピングシステムであって、前記電子機器は、自身を識別するための機器識別情報を保持する機器識別情報保持部と、前記オンラインショッピングサーバ装置に商品購入の意思を示すための情報である購入意思表示情報を送信する購入意思表示情報送信部と、機器識別情報保持部に保持された機器識別情報を前記課金サーバ装置に送信するための機器識別情報送信部と、前記課金サーバ装置に対して課金容認意思表示情報を送信するための課金容認意思表示情報送信部とを有し、前記課金サーバ装置は、前記電子機器から送信された機器識別情報を受信する機器識別情報受信部と、前記機器識別情報受信部で受信した機器識別情報と、前記オンラインショッピングサーバ装置における購入者を識別するための情報である購入者識別情報と、を関連付けて保持する購入者識別情報保持部と、前記購入者識別情報保持部にて保持されている購入者識別情報を前記オンラインショッピングサーバ装置に対して送信する購入者識別情報送信部と、販売の意思を示す情報である販売意思表示情報を購入者識別情報と関連付けて前記オンラインショッピングサーバ装置から取得するための販売意思表示情報取得部と、前記販売意思表示情報取得部で取得した販売意思表示情報に対応して前記機器識別情報にて識別される電子機器から課金容認の意思を示す情報である課金容認意思表示情報を取得する課金容認意思表示情報取得部とを有し、前記オンラインショッピングサーバ装置は、前記購入者識別情報を取得するための購入者識別情報取得部と、前記電子機器から購入者識別情報と関連付けて購入意思表示情報を取得する購入意思表示情報取得部と、前記購入意思表示情報取得部で取得した購入意思表示情報に基づいて、前記購入者識別情報取得部で取得した購入者識別情報を含む販売意思表示情報を前記課金サーバ装置に送信する販売意思表示情報送信部とを有するオンラインショッピングシステムを提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るオンラインショッピングシステムにより、ユーザの識別情報はユーザが使用する電子機器と関連付けられ、商品の購入は当該電子機器を用いなければ行えない。このため、第三者による他の電子機器を用いたなりすましの危険を防止することが可能となる。
【0006】
また、ショッピングサーバ装置には機器識別情報にユニークに関連付けられた購入者識別情報しか送信されず、機器識別情報は課金サーバ装置にとどめられる。このため、購入者識別情報を架空の内容とすることでユーザのショッピングサーバ装置に対する匿名性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態1を説明するための概念図
【図2】実施形態1を説明するための機能ブロック図
【図3】実施形態1の処理の流れを説明する図
【図4】実施形態2を説明するための機能ブロック図
【図5】実施形態2の処理の流れを説明する図
【図6】実施形態3を説明するための機能ブロック図
【図7】実施形態3の処理の流れを説明する図
【図8】実施形態4を説明するための機能ブロック図
【図9】実施形態4の処理の流れを説明する図
【図10】実施形態5を説明するための機能ブロック図
【図11】実施形態5の処理の流れを説明する図
【符号の説明】
【0008】
0101 電子機器
0102 課金サーバ装置
0103 オンラインショッピングサーバ装置
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態を実施例を用いて説明する。実施例、実施形態及び請求の範囲の相互の関係は以下のとおりである。
【0010】
実施例1:主に請求の範囲1、請求の範囲9などに関する実施形態である実施形態1について説明する。
【0011】
実施例2:主に請求の範囲2などに関する実施形態である実施形態2について説明する。
【0012】
実施例3:主に請求の範囲3、請求の範囲10などに関する実施形態である実施形態3について説明する。
【0013】
実施例4:主に請求の範囲4などに関する実施形態である実施形態4について説明する。
【0014】
実施例5:主に請求の範囲5などに関する実施形態である実施形態5について説明する。
【0015】
なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【実施例1】
【0016】
〈概要〉
図1は、本実施形態の一例の概念を示すものである。以下、同図に示す例に即して説明する。
【0017】
(1)本発明に係るオンラインショッピングシステムを用いてユーザが商品を購入する場合、オンラインショッピングサーバ装置(0103)側から提供される情報に基づいて当該商品を購入しようとするユーザが電子機器(0101)に所定の入力を行うと、電子機器(0101)が自ら保持している機器識別情報を課金サーバ装置(0102)に送信し、課金サーバ装置(0102)がこれを受信する。機器識別情報は機器自身を識別するための情報であり、これにより、課金サーバ装置(0102)は当該情報がどの電子機器(0101)から送信されたものであるかを識別することができる。
【0018】
(2)機器識別情報を受信した課金サーバ装置(0102)は、当該機器識別情報と購入者識別情報とを関連付けて保持する。購入者識別情報は、購入者を識別するための情報であり、例えば、購入者の氏名、住所などである。
【0019】
(3)課金サーバ装置(0102)は、購入者識別情報をオンラインショッピングサーバ装置(0103)に送信し、オンラインショッピングサーバ装置(0103)がこれを受信する。ここにおいて、購入者識別情報には機器識別情報が含まれておらず、従って、オンラインショッピングサーバ装置(0103)は当該情報がどの電子機器(0101)から送信されたものであるかを識別するための術がない仕組みになっている。
【0020】
(4)一方、当該商品を購入しようとするユーザが電子機器(0101)に所定の入力を行うと、電子機器(0101)が購入意思表示情報を送信し、オンラインショッピングサーバ装置(0103)がこれを受信する。
【0021】
(5)オンラインショッピングサーバ装置(0103)は、購入意思表示情報を購入者識別情報と関連付けて取得する。即ち、これによりオンラインショッピングサーバ装置(0103)はどの購入者がどの商品を購入しようとしているのかを特定することが可能となる。
【0022】
(6)オンラインショッピングサーバ装置(0103)は、取得した購入意思表示情報に基づいて、購入者識別情報を含む販売意思表示情報を送信し、課金サーバ装置(0102)がこれを受信する。
【0023】
(7)以上のプロセスにより、当該商品の売買について購入者とオンラインショッピングサーバ側の合意が成立することとなるので、これに伴い当該商品の購入に対する課金を容認するユーザが電子機器(0101)に所定の入力を行うと、電子機器(0101)が課金容認意思表示情報を課金サーバ装置(0102)に送信し、課金サーバ装置(0102)がこれを取得する。この結果、課金サーバによるユーザに対する課金処理が実行可能となる。
【0024】
〈構成〉
図2は、本実施形態の機能ブロックの一例を示す図である。
【0025】
本件発明の構成要素である各部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両者、のいずれかによって構成される。たとえば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、メモリ、バス、インターフェイス、周辺機器などから構成されるハードウェアと、これらのハードウェア上にて実行可能なソフトウェアを挙げることができる。
【0026】
具体的には、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インターフェイスを介して入力されるデータの加工、蓄積、出力などにより各部の機能が実現される。
【0027】
本実施形態の「オンラインショッピングシステム」(0200)は、「電子機器」(0210)と、「課金サーバ装置」(0220)と、「オンラインショッピングサーバ装置」(0230)とからなる。
【0028】
前記「電子機器」(0210)は、「機器識別情報保持部」(0211)と、「購入意思表示情報送信部」(0212)と、「機器識別情報送信部」(0213)と、「課金容認意思表示情報送信部」(0214)とを有する。「電子機器」には、パソコン、携帯電話、テレビその他の家電機器等が含まれる。
【0029】
「機器識別情報保持部」(0211)は、機器識別情報を保持するように構成されている。
【0030】
「機器識別情報」とは、自身の識別のための情報を言う。例えば、機器製造番号そのものであってもよいし、これとは別に機器を識別するために独自に付されるIDであってもよい。さらにこれらを組み合わせたものであってもよい。いずれの場合にあっても、当該情報はROMに記憶された情報であり、従って電子機器のユーザ等が当該情報の内容を書き替えることはできないようになっている。かかる機器識別情報は、第三者による他の電子機器を用いたなりすましの危険の防止を実現するため、電子機器と課金サーバ装置の双方にとっては不可欠の情報であり、かつそれ以外のオンラインショッピングサーバ装置を含む第三者には開示されてはならないものである。また、電子機器のユーザ等がその内容を書き替えることはできないようになっているのは、勝手に書き換えられると不正使用がなされるおそれがあるためである。そして、この機器識別情報は、オンラインショッピングサーバ装置には送信されることはありえない点で、前記の購入者識別情報とは異なるものである。
【0031】
「購入意思表示情報送信部」(0212)は、「オンラインショッピングサーバ装置」(0230)に購入意思表示情報を送信するように構成されている。
【0032】
「購入意思表示情報」は、電子機器のユーザである購入者がある特定の商品購入の意思を示すための情報である。当該情報はその必須構成要素として、購入対象である商品を特定するための情報(例えば、商品名、品番、数量。ただし、上に例示列挙した事項のすべてを含むことは必須ではない。またこれ以外のものであって、同一商品について色彩が異なる複数のバリエーションがあり得る場合であって、どの色彩の商品であるかが購入者にとって重要な要素を構成している場合にあってはその色彩を含む。)、当該商品を購入する意思表示を示す情報を有する。また、このほか、当該商品の受領場所、受領時期等を含んでいてもよい。当該情報の由来としては、典型的にはオンラインショッピングサーバ装置によって本発明に利用される通信回線を用いて予め開示された商品販売情報に基づくものである場合が考えられるが、これに限られるものではない。例えば、予め別途配付されたカタログ等に基づくものでもよい。
【0033】
また、上述のように、購入者識別情報が課金サーバ装置からオンラインショッピングサーバ装置に送信されるように構成されているところ、後述のように当該購入者識別情報と当該購入意思表示情報とはオンラインショッピングサーバ装置がこれらを関連付けて取得するように構成されている。これは、オンラインショッピングサーバ装置が、当該商品の購入をどの購入者が行おうとしているのかを特定するためには、これら両者の情報を関連付けて取得することが不可欠なためである。この場合において購入者識別情報と購入意思表示情報を関連付けることを可能とする方法として、例えば、両情報の内容自体を関連付ける方法が考えられる。例えば、購入意思表示情報の一部に購入者識別情報に含まれる符号を含めるといったごときである。あるいは、両情報の送信の仕方を関連付ける方法も考えられる。例えば、購入意思表示情報を一旦課金サーバ装置に送信し、課金サーバ装置が、オンラインショッピングサーバ装置との間に開かれた通信回線を用いた単一の通信機会内(通信可能状態が閉じられることなく開かれ続けている間)に両情報をオンラインショッピングサーバ装置に対して送信するといったごときである。
【0034】
「機器識別情報送信部」(0213)は、「機器識別情報保持部」(0211)に保持された機器識別情報を前記「課金サーバ装置」(0220)に送信するように構成されている。当該送信は、購入者が商品を購入しようとする都度行われるように構成されていてもよい。あるいは、一度当該情報と課金容認意思表示情報とを関連付けて送信すれば、次回からは課金容認意思表示情報を送付すれば機器の識別も可能となるので、かかる方法を取ることにより、機器識別情報は最初に1回送信されるだけであるように構成されていてもよい。さらに、購入意思表示情報が一旦課金サーバ装置に中継されてオンラインショッピングサーバ装置に送信されるという構成を取るならば、上述の課金容認意思表示情報を購入意思表示情報に置き換えたものであってもよい。
【0035】
「課金容認意思表示情報送信部」(0214)は、前記「課金サーバ装置」(0220)に対して課金容認意思表示情報を送信するように構成されている。
【0036】
「課金容認意思表示情報」は、購入者とオンラインショッピングサーバとの間で当該商品の売買契約が合意されたことに伴い発生する課金処理の前提となるものである。かかる情報の送信は、購入者が本発明の構成要素以外の手段でオンラインショッピングサーバ装置の販売意思を確認したうえで送信するものであってもよいし、あるいは課金サーバ装置がオンラインショッピングサーバ装置から販売意思表示情報を取得した場合に課金処理を容認するとの意思表示として予め送信するものであってもよい。
【0037】
後者は、例えば、コンサート等のチケットの販売に際し、枚数が限られているため購入の意思表示をした者の全員にはチケットを販売できないことが予想される場合等が考えられる。かかる場合、チケットの購入を希望するユーザの電子機器からオンラインショッピングサーバ装置への購入意思表示情報の送信と同時に又はほぼ同時に課金サーバ装置への課金容認意思表示情報の送信がまずあって、その後、購入希望者のうち販売相手方として選定されたユーザに係る購入意思表示情報に基づいて販売意思表示情報が発信される。したがって、かかる場合は、販売相手方として選定されなかったユーザに係る購入意思表示情報に基づいては、当該ユーザに係る課金容認意思表示情報の送信がなされたにもかかわらず販売意思表示情報は発信されないことになる。
【0038】
次に、前記「課金サーバ装置」(0220)は、「機器識別情報受信部」(0221)と、「購入者識別情報保持部」(0222)と、「購入者識別情報送信部」(0223)と、「販売意思表示情報取得部」(0224)と、「課金容認意思表示情報取得部」(0225)とを有する。
【0039】
当該「課金サーバ装置」(0220)は、予め商品の価格に関する情報を保持するように構成され、電子機器とオンラインショッピングサーバ装置の間で購入・販売意思及び対象商品が合致した場合に、当該価格にて課金するように構成される。その際、商品の価格は商品自体の価格として設定されたものであるのが典型であるが、必ずしもこれに限られる必要はなく、例えば、電子機器とオンラインショッピングサーバ装置の間で予め結ばれた取り決めに基づく、商品一つ一つの価格とは異なる基準(例えば、月極め価格でカラオケの曲を何曲でもダウンロードできる場合)により設定された価格であってもよい。
【0040】
「機器識別情報受信部」(0221)は、前記「電子機器」(0210)から送信された機器識別情報を受信するように構成されている。
【0041】
「購入者識別情報保持部」(0222)は、前記「機器識別情報受信部」(0221)で受信した機器識別情報と購入者識別情報とを関連付けて保持するように構成されている。「購入者識別情報」は、前記「オンラインショッピングサーバ装置」(0230)における購入者を識別するための情報であり、例えば、購入者の氏名、住所などである。これらは商品を購入者の自宅に配達する場合などにオンラインショッピングサーバ装置にとって必要な情報となり得る。しかし、オンラインショッピンサーバ装置が取得する必要のない情報は極力同装置に取得させないことが、本発明の目的である第三者による他の電子機器を用いたなりすましの危険の防止や購入者のオンラインショッピングサーバ装置に対する匿名性の確保に資するものであり、望ましいといえる。このような観点からは、例えば、購入者の銀行預金口座は本発明における購入者識別情報に含まれないことが望ましい。
【0042】
さらに、購入者のオンラインショッピングサーバ装置に対する匿名性をより一層確保するため、購入者識別情報は上記の例に示すような購入者の氏名、住所等のかわりに架空の記号、番号等独自に設けられたものであってもよい。かかる構成をとった場合、当該購入者識別情報は何ら実体的な意味を持たない空虚な符号の羅列となり、購入者を識別する情報たり得ないようにも思われる。しかし、オンラインショッピングサーバ装置が課金処理を行うわけではなく、同装置の側から見た関心事項は、当該購入者が確かに課金サーバ装置によってその使用する電子機器と関連付けられ、課金サーバ装置の課金処理によって商品の対価の支払いが確実な正当な者であるということであるから、課金サーバ装置による管理を通じてかかる正当な購入者であることさえ識別できれば当該装置にとって何ら不都合はなく、当該購入者を氏名、住所等の実体的な情報によって把握する必要はない。
【0043】
次に、「購入者識別情報送信部」(0223)は、前記「購入者識別情報保持部」(0222)にて保持されている購入者識別情報を前記「オンラインショッピングサーバ装置」(0230)に対して送信するように構成されている。
【0044】
「電子機器」(0210)の「機器識別情報送信部」(0213)の説明で述べたように、「オンラインショッピングサーバ装置」(0230)において購入者識別情報は、購入意思表示情報と関連付けられて取得されることから、かかる関連付けられた取得を可能とするために購入者識別情報はその全部又は一部が購入意思表示情報の全部又は一部と重複するものであってもよい。あるいは、購入意思表示情報が一旦課金サーバ装置に中継され、購入者識別情報が当該購入意思表示情報と単一の通信機会内にて送信されるものであってもよい。
【0045】
「販売意思表示情報取得部」(0224)は、販売意思表示情報を購入者識別情報と関連付けて前記「オンラインショッピングサーバ装置」(0230)から取得するように構成されている。
【0046】
販売意思表示情報は、オンラインショッピングサーバ装置側が、購入者に対してある特定の商品の販売の意思を示す情報である。当該情報はその必須構成要素として、購入販売対象である商品を特定するための情報(その具体的内容は上述の購入意思表示情報と基本的に同一である)、当該商品を販売する意思表示を示す情報を有する。また、このほか、当該商品の販売価格、当該商品の履行場所、履行時期等を含んでいてもよい。当該販売意思表示情報の送信は、典型的には、前記前記購入意思情報によって示される当該商品の購入申込に対する承諾の意思表示としてなされ、これにより当該商品の売買合意が成立したこととなる。即ち、この場合には、本発明にかかるシステムにおいて、オンラインショッピングサーバ装置による電子機器からの購入意思表示情報の取得が先に行われ、その後当該情報に基づいてオンラインショッピングサーバ装置が課金サーバ装置に対して販売意思表示情報を送信することにより課金サーバ装置の「販売意思表示情報取得部」(0224)が当該販売意思表示情報を取得するように構成されることとなる。しかし、購入意思表示情報と販売意思表示情報の送信の順序は、上の例とは逆であってもよい。即ち、予め本発明の構成要素以外の手段で購入者からオンラインショッピングサーバ装置側に対し購入意思表示が表明され、これに基づいてオンラインショッピングサーバ装置が課金サーバ装置に対し販売意思表示情報を送信することにより課金サーバ装置の「販売意思表示情報取得部」(0224)が当該販売意思表示情報を取得し、しかる後、オンラインショッピングサーバ装置による電子機器からの購入意思表示情報の取得がなされてもよい。
【0047】
「課金容認意思表示情報取得部」(0225)は、前記「販売意思表示情報取得部」(0224)で取得した販売意思表示情報に対応して、前記機器識別情報にて識別される電子機器から課金容認意思表示情報を取得するように構成されている。
【0048】
「課金容認意思表示情報」とは、電子機器が課金サーバ装置による課金を容認する意思を示す情報である。これは、その後の課金サーバ装置による課金処理を可能にするために必要な情報である。
【0049】
前記「オンラインショッピングサーバ装置」(0230)は、「購入者識別情報取得部」(0231)と、「購入意思表示情報取得部」(0232)と、「販売意思表示情報送信部」(0233)とを有する。
【0050】
「購入者識別情報取得部」(0231)は、前記購入者識別情報を取得するように構成されている。
【0051】
「購入意思表示情報取得部」(0232)は、前記電子機器から購入者識別情報と関連付けて購入意思表示情報を取得するように構成されている。
【0052】
「販売意思表示情報送信部」(0233)は、前記「購入意思表示情報取得部」(0232)で取得した購入意思表示情報に基づいて、前記「購入者識別情報取得部」(0231)で取得した購入者識別情報を含む販売意思表示情報を前記課金サーバ装置に送信するように構成されている。
【0053】
〈処理の流れ〉
図3は、本実施形態における処理の流れの一例を示したものである。本実施形態における処理の流れは、以下のステップからなる。
【0054】
まず、機器識別情報の送信ステップ(S0301)において、本実施形態のシステムは、電子機器から機器識別情報を送信し、機器識別情報の受信ステップ(S0302)において課金サーバ装置でこれを受信する。
【0055】
次に、購入者識別情報の取得ステップ(S0303)において、本実施形態のシステムは、課金サーバ装置において、前記ステップ(S0302)において受信した機器識別情報と購入者識別情報とを関連付けて取得する。
【0056】
次に、購入者識別情報の送信ステップ(S0304)において、本実施形態のシステムは、購入者識別情報を課金サーバ装置から送信し、購入者識別情報の取得ステップ(S0305)において、オンラインショッピングサーバ装置でこれを取得する。
【0057】
次に、購入意思表示情報の送信ステップ(S0306)において、本実施形態のシステムは、電子機器から購入意思表示情報を送信し、購入意思表示情報の取得ステップ(S0307)において、オンラインショッピングサーバ装置で購入者識別情報の取得ステップ(S0305)において取得した購入者識別情報と関連付けてこれを取得する。
【0058】
次に、販売意思表示情報の送信ステップ(S0308)において、本実施形態のシステムは、購入意思表示情報の取得ステップ(S0307)においてオンラインショッピングサーバ装置で取得した購入意思表示情報に基づいて、購入者識別情報を含む販売意思表示情報をオンラインショッピングサーバ装置から送信し、販売意思表示情報の取得ステップ(S0309)において課金サーバ装置でこれを取得する。
【0059】
次に、課金容認意思表示情報の送信ステップ(S0310)において、電子機器が課金容認意思表示情報を課金サーバ装置に送信し、課金容認意思表示情報の取得ステップ(S0311)において、課金サーバ装置でこれを取得する。
【0060】
さらに、課金処理ステップ(S0312)において、本実施形態のシステムは、課金サーバにおいて課金処理を行う。
【0061】
なお、上記のステップは必ずしもこの順序でなくてもよい。例えば、S0307はS0306の前に処理されてもよいし、あるいは、S0306とS0307が同時に処理されてもよい。
【0062】
〈効果〉
本発明に係るオンラインショッピングシステムにより、ユーザの識別情報はユーザが使用する電子機器と関連付けられるため、商品等の購入は当該電子機器を用いなければ行えない。このため、なりすましの危険を防止することが可能となる。
【0063】
また、ショッピングサーバ側には機器識別情報にユニークに関連付けられた購入者識別情報しか送信されないため、ユーザのショッピングサーバ側に対する匿名性を確保することが可能となる。
【実施例2】
【0064】
〈概要〉
本実施形態のシステムは、実施形態1を基本とし、前記機器識別情報送信部は、前記機器識別情報を付加情報と関連付けた情報である付加情報付機器識別情報を送信する付加情報付機器識別情報送信手段を有し、前記機器識別情報受信部は、前記付加情報付機器識別情報を受信する付加情報付機器識別情報受信手段を有する。
【0065】
〈構成〉
図4は、本実施形態の機能ブロックの一例を示す図である。
【0066】
本実施形態の「オンラインショッピングシステム」(0400)は、「電子機器」(0410)と、「課金サーバ装置」(0420)と、「オンラインショッピングサーバ装置」(0430)とからなる。
【0067】
前記「電子機器」(0410)は、「機器識別情報保持部」(0411)と、「購入意思表示情報送信部」(0412)と、「機器識別情報送信部」(0413)と、「課金容認意思表示情報送信部」(0414)とを有する。
【0068】
前記「機器識別情報送信部」(0413)は、「付加情報付機器識別情報送信手段」(0415)を有する。
【0069】
「付加情報付機器識別情報」とは、同一の機器識別情報の下位に属する識別情報であって一の機器識別情報配下の複数の識別情報を構成することを目的とするものをいう。付加情報の典型例は購入者の暗証番号であるが、付加情報は必ずしもこれに限られず、例えば、個人の所有する携帯電話から発せられる識別情報や指紋等のバイオメトリックス情報であってもよい。
【0070】
付加情報付機器識別情報の送信は、例えば、付加情報が購入者の暗証番号である場合に即していえば、購入者が所定の方法により電子機器に暗証番号を入力すると、当該電子機器が当該暗証番号を予め保持する暗証番号に関する情報と照合して一致することを確認したうえで、当該暗証番号に係る付加情報付機器識別情報を課金サーバ装置に送信するように構成される。あるいは、購入者自身が所定の方法により付加情報付機器識別情報として暗証番号を入力してもよい。また、電子機器においては暗証番号の照合を行わないような構成であってもよい。かかる場合、暗証番号の照合は「課金サーバ装置」(0420)の「機器識別情報受信部」(0421)において行われる。
【0071】
前記「課金サーバ装置」(0420)は、「機器識別情報受信部」(0421)と、「購入者識別情報保持部」(0422)と、「購入者識別情報送信部」(0423)と、「販売意思表示情報取得部」(0424)と、「機器識別情報受信部」(0425)とを有する。
【0072】
前記「機器識別情報受信部」(0421)は、前記付加情報付機器識別情報を受信する「付加情報付機器識別情報受信手段」(0426)を有する。
【0073】
「購入者識別情報保持部」(0422)は、前記「機器識別情報受信部」(0421)の「付加情報付機器識別情報受信手段」(0426)で受信した付加情報付機器識別情報と購入者識別情報とを関連付けて保持するように構成されている。この場合、当該付加情報付機器識別情報が複数存在する場合には、同部は、それぞれの付加情報付機器識別情報ごとに購入者識別情報と関連付けて保持するように構成される。あるいは、特定の付加情報については、必ず他の特定の付加情報が付加され、これらの複数の付加情報が含まれるもののみが当該付加情報付機器識別情報として取り扱われるように構成されていてもよい。例えば、同一家族内の親子に別々の暗証番号が付されている場合に、子供の暗証番号は親の暗証番号と一緒に機器識別情報に付加された場合にのみ当該情報が付加情報付機器識別情報として扱われるといったごときである。これは、特定の商品群(例えば大人向け商品、高価な商品など)は子供のみでは購入できない仕組みを構築することを目的とした構成である。
【0074】
あるいは、これと同様の目的を達成するために、上述の構成の代わりに、課金容認意思表示情報にこれらの暗証番号が付加されることとし、「課金容認意思表示情報取得部」(0425)が、前記「販売意思表示情報取得部」(0424)で取得した販売意思表示情報に対応して、前記機器識別情報にて識別される電子機器から課金容認意思表示情報を取得する際に、上述の複数の暗証番号が含まれるもののみが当該課金容認意思表示情報として取り扱われるように構成されていてもよい。
【0075】
前記「オンラインショッピングサーバ装置」(0430)は、「購入者識別情報取得部」(0431)と、「購入意思表示情報取得部」(0432)と、「販売意思表示情報送信部」(0433)とを有する。
【0076】
その余の構成は実施形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0077】
〈処理の流れ〉
図5は、本実施形態における処理の流れの一例を示したものである。本実施形態における処理の流れは、同図に示す各ステップからなり、その処理内容は以下のとおりである。なお、これ以外の処理の流れは実施形態1における処理の流れと同じであるので、説明を省略する。
【0078】
機器識別情報の送信ステップ(S0501)において、本実施形態のシステムは、電子機器から機器識別情報を送信し、機器識別情報の受信ステップ(S0502)において、課金サーバ装置でこれを受信する。その際、前記機器識別情報を付加情報と関連付けた情報である付加情報付機器識別情報を送受信する。
【0079】
〈効果〉
機器識別情報を付加情報と関連付けることで、機器識別情報の秘匿性を高め、なりすましの危険の一層の防止に資する。
【0080】
同一機器のユーザが複数いる場合に、これらユーザ間での識別を行い、ユーザの特性(年齢等)に応じた差別化を図るための手段として用いることができる。例えば、同一家族内の親子を識別するといったごときである。
【実施例3】
【0081】
〈概要〉
本実施形態のシステムは、実施形態1又は2を基本とし、前記購入意思表示情報には、前記電子機器を識別するための情報を含まない。
【0082】
〈構成〉
図6は、本実施形態の機能ブロックの一例を示す図である。
【0083】
本実施形態の「オンラインショッピングシステム」(0600)は、「電子機器」(0610)と、「課金サーバ装置」(0620)と、「オンラインショッピングサーバ装置」(0630)とからなる。
【0084】
前記「電子機器」(0610)は、「機器識別情報保持部」(0611)と、「購入意思表示情報送信部」(0612)と、「機器識別情報送信部」(0613)と、「課金容認意思表示情報送信部」(0614)とを有する。
【0085】
前記購入意思表示情報には、前記電子機器を識別するための情報を含まない。
【0086】
これはオンラインショピングサーバが電子機器の特定をできなくするための構成であり、これにより、購入者のオンラインショッピングサーバに対する匿名性確保をさらに確実にすることを目的とする。
【0087】
前記「課金サーバ装置」(0620)は、「機器識別情報受信部」(0621)と、「購入者識別情報保持部」(0622)と、「購入者識別情報送信部」(0623)と、「販売意思表示情報取得部」(0624)と、「機器識別情報受信部」(0625)とを有する。
【0088】
前記「機器識別情報受信部」(0621)は、前記暗証番号付機器識別情報を受信する「暗証番号付機器識別情報受信手段」(0626)を有する。
【0089】
前記「オンラインショッピングサーバ装置」(0630)は、「購入者識別情報取得部」(0631)と、「購入意思表示情報取得部」(0632)と、「販売意思表示情報送信部」(0633)とを有する。
【0090】
なお、本図には示されていないが、前記「機器識別情報送信部」は、前記機器識別情報を購入者の暗証番号と関連付けた情報である暗証番号付機器識別情報を送信する「暗証番号付機器識別情報送信手段」を有し、前記「機器識別情報受信部」は、前記暗証番号付機器識別情報を受信する「暗証番号付機器識別情報受信手段」を有するものも本実施形態に含まれる。
【0091】
なお、その余の構成は実施形態1における構成と同じであるので、説明を省略する。
【0092】
〈処理の流れ〉
図7は、本実施形態における処理の流れの一例を示したものである。本実施形態における処理の流れは、同図に示す各ステップからなり、その処理内容は以下のとおりである。
【0093】
なお、その余の処理の流れは実施形態1における処理の流れと同じであるので、説明を省略する。
【0094】
購入意思表示情報の送信ステップ(S0506)において、本実施形態のシステムは、電子機器から購入者識別情報を送信し、オンラインショッピングサーバ装置でこれを取得する。その際、購入意思表示情報には、前記電子機器を識別するための情報を含まない。
【0095】
購入意思表示情報の取得ステップ(S0507)において、本実施形態のシステムは、オンラインショッピングサーバ装置において購入意思表示情報を購入者識別情報と関連付けて取得する。その際、購入意思表示情報には、前記電子機器を識別するための情報を含まない。
【0096】
また、本図には示されていないが、機器識別情報の送信ステップ(S0501)において、本実施形態のシステムは、電子機器から機器識別情報を送信し、課金サーバ装置でこれを受信する。その際、前記機器識別情報を購入者の暗証番号と関連付けた情報である暗証番号付機器識別情報を送受信するものも本実施形態に含まれる。
【0097】
〈効果〉
購入意思表示情報には、前記電子機器を識別するための情報を含まないため、電子機器を識別するための情報はオンラインショッピングサーバ装置には送信されない。このため、ユーザのショッピングサーバ側に対する匿名性の確保をさらに確実なものとすることが可能となる。
【実施例4】
【0098】
〈概要〉
本実施形態のシステムは、実施形態1から3の何れか一を基本とし、前記課金サーバ装置は、前記電子機器と、前記オンラインショッピングサーバ装置との通信を中継する中継部を有し、前記電子機器と前記オンラインショッピング装置とは、前記中継部を介さなければ通信をすることができない。
【0099】
〈構成〉
図8は、本実施形態の機能ブロックの一例を示す図である。
【0100】
本実施形態の「オンラインショッピングシステム」(0800)は、「電子機器」(0810)と、「課金サーバ装置」(0820)と、「オンラインショッピングサーバ装置」(0830)とからなる。
【0101】
前記「電子機器」(0810)は、「機器識別情報保持部」(0811)と、「購入意思表示情報送信部」(0812)と、「機器識別情報送信部」(0813)と、「課金容認意思表示情報送信部」(0814)とを有する。
【0102】
前記「課金サーバ装置」(0820)は、「機器識別情報受信部」(0821)と、「購入者識別情報保持部」(0822)と、「購入者識別情報送信部」(0823)と、「販売意思表示情報取得部」(0824)と、「機器識別情報受信部」(0825)と、「中継部」(0826)とを有する。
【0103】
「中継部」(0826)は、前記電子機器と、前記オンラインショッピングサーバ装置との通信を中継するように構成されている。前記電子機器と前記オンラインショッピング装置とは、前記中継部を介さなければ通信をすることができないように構成されている。例えば、課金サーバ装置が、予め登録されたショッピングサイトの中からさらに一定のサイトに絞り込んで指定するといったものである。あるいは、電子機器は予め固定されたURIのみを保持しており、電子機器のユーザがショッピングサイトにアクセスするために所定の入力操作を行うと必ず課金サーバ装置に接続されるように構成され、課金サーバ装置が指定したショッピングサイト以外にはアクセスできないという構成でもよい。かかる構成は、例えばネットワーク上にゲートウェイを設けることにより実現される。ゲートウェイの設置によりかかる構成を実現する方法には様々なものがあるが、例えば、リバースプロキシを設けて、電子機器がショッピングサイトにアクセスする場合には必ず当該リバースプロキシを経由しなければならないように構成されたものが考えられる。
【0104】
本実施形態のシステムは、電子機器からオンラインショッピングサーバ装置に対する購入意思の送信を課金サーバ装置の仲介にかからしめることにより、課金サーバ装置が電子機器からのオンラインショッピングサーバ装置へのアクセス権をすべて制御し、これにより課金サーバ装置の運営者による顧客の囲い込みを可能にすることを目的とするものである。また、かかる構成により、電子機器からのオンラインショッピングサーバ装置へのアクセスに関し、課金サーバ装置がオンラインショッピングサーバ装置から仲介手数料をとる仕組みの構築も可能となる。
【0105】
かかる仲介手数料をとる場合の手数料の付加対象としては、例えば、電子機器のユーザがアクセス可能な情報をオンラインショッピングサーバ装置がネットワーク上で提供すること自体を対象とするものが挙げられる。この場合、当該情報を提供するページごとに料金を課してもよいし、あるいは、全体を一括してこれに料金を課してもよい。また、上記情報に実際にユーザからアクセスがあった場合に初めて当該アクセスを対象として手数料を付加してもよい。さらに、ユーザが実際に商品を購入した場合に限って当該商品購入に伴う購入意思表示の伝達の仲介を対象として手数料を付加してもよい。
【0106】
なお、かかる中継に際し、課金サーバ装置で購入意思表示情報に何らかの情報を付加するような構成をとれば、万一機器情報がオンラインショッピングサーバ装置側に漏洩した場合であっても、かかる構成によりなりすまし危険防止を一層可能ならしめることも可能となる。また、かかる構成は、上述の仲介手数料をとる場合の具体例の最後の場合において、ユーザが本発明の構成要素以外の手段によりオンラインショッピングサーバ装置の運営者と直に取引することにより当該手数料の付加を免れることのないようにすることを担保する方法としても有用である。
【0107】
前記「機器識別情報受信部」(0821)は、前記暗証番号付機器識別情報を受信する「暗証番号付機器識別情報受信手段」(0826)を有する。
【0108】
前記「オンラインショッピングサーバ装置」(0830)は、「購入者識別情報取得部」(0831)と、「購入意思表示情報取得部」(0832)と、「販売意思表示情報送信部」(0833)とを有する。
【0109】
なお、本図には示されていないが、前記「機器識別情報送信部」は、前記機器識別情報を購入者の暗証番号と関連付けた情報である暗証番号付機器識別情報を送信する「暗証番号付機器識別情報送信手段」を有し、前記「機器識別情報受信部」は、前記暗証番号付機器識別情報を受信する「暗証番号付機器識別情報受信手段」を有するものも本実施形態に含まれる。
【0110】
なお、本図には示されていないが、前記購入意思表示情報には前記電子機器を識別するための情報を含まないものも本実施形態に含まれる。
【0111】
〈処理の流れ〉
図9は、本実施形態における処理の流れの一例を示したものである。本実施形態における処理の流れは、同図に示す各ステップからなり、その処理内容は以下のとおりである。なお、これ以外の処理の流れは実施形態1における処理の流れと同じであるので、説明を省略する。
【0112】
購入意思表示情報の送信ステップ(1)(S0906)において、本実施形態のシステムは、電子機器から購入者識別情報を課金サーバ装置に送信し、購入意思表示情報の受信ステップ(S0907)において課金サーバ装置で受信する。さらに、購入意思表示情報の送信ステップ(2)(S0908)で課金サーバ装置からオンラインショッピングサーバ装置に送信し、購入意思表示情報の取得ステップ(S0910)においてオンラインショッピングサーバ装置でこれを取得する。
【0113】
また、本図には示されていないが、機器識別情報の送信ステップ(S0901)において、本実施形態のシステムは、電子機器から機器識別情報を送信し、課金サーバ装置でこれを受信する。その際、前記機器識別情報を購入者の暗証番号と関連付けた情報である暗証番号付機器識別情報を送受信するものも本実施形態のオンラインショッピングシステムに含まれる。
【0114】
また、購入者識別情報の送信ステップ(S0902)において、電子機器から購入者識別情報を送信し、オンラインショッピングサーバ装置でこれを受信し、その際、購入意思表示情報には、前記電子機器を識別するための情報を含まないものも、本実施形態のオンラインショッピングシステムに含まれるが、その際、当該情報は課金サーバによる中継により電子機器から課金サーバを介してオンラインショッピングサーバ装置に送信される。
【0115】
〈効果〉
電子機器からオンラインショッピングサーバ装置に対する購入意思の送信を課金サーバ装置の仲介にかからしめることにより、課金サーバ装置が電子機器からのオンラインショッピングサーバ装置へのアクセス権をすべて制御し、これにより課金サーバ装置の運営者による顧客の囲い込みが可能となる。また、かかる構成により、電子機器からのオンラインショッピングサーバ装置へのアクセスに関し、課金サーバ装置がオンラインショッピングサーバ装置から仲介手数料をとる仕組みの構築も可能となる。
【0116】
なお、かかる中継に際し、課金サーバ装置で購入意思表示情報に何らかの情報を付加するように構成をとれば、万一機器情報がオンラインショッピングサーバ装置側に漏洩した場合であっても、かかる構成によりなりすまし危険防止を一層可能ならしめることも可能となる。
【実施例5】
【0117】
〈概要〉
本実施形態のシステムは、実施形態4を基本とし、前記中継部は、前記電子機器が前記オンラインショッピング装置に送信する情報から前記電子機器を特定するための情報を削除する電子機器特定情報削除手段を有する。
【0118】
〈構成〉
図10は、本実施形態の機能ブロックの一例を示す図である。
【0119】
本実施形態の「オンラインショッピングシステム」(1000)は、「電子機器」(1010)と、「課金サーバ装置」(1020)と、「オンラインショッピングサーバ装置」(1030)とからなる。
【0120】
前記「電子機器」(1010)は、「機器識別情報保持部」(1011)と、「購入意思表示情報送信部」(1012)と、「機器識別情報送信部」(1013)と、「課金容認意思表示情報送信部」(1014)とを有する。
【0121】
前記「課金サーバ装置」(1020)は、「機器識別情報受信部」(1021)と、「購入者識別情報保持部」(1022)と、「購入者識別情報送信部」(1023)と、「販売意思表示情報取得部」(1024)と、「機器識別情報受信部」(1025)と、「中継部」(1026)とを有する。
【0122】
なお、本図には示されていないが、前記「機器識別情報送信部」は、前記機器識別情報を購入者の暗証番号と関連付けた情報である暗証番号付機器識別情報を送信する「暗証番号付機器識別情報送信手段」を有し、前記「機器識別情報受信部」は、前記暗証番号付機器識別情報を受信する「暗証番号付機器識別情報受信手段」を有するものも本実施形態に含まれる。
【0123】
また、本図には示されていないが、前記購入意思表示情報には前記電子機器を識別するための情報を含まないものも本実施形態に含まれる。
【0124】
以上の構成において、前記中継部は、前記電子機器が前記オンラインショッピング装置に送信する情報から前記電子機器を特定するための情報を削除する電子機器特定情報削除手段を有する。
【0125】
かかる手段を設けたのは、前記電子機器が前記オンラインショッピング装置に送信する情報から電子機器を特定するための情報を削除することにより、かかる情報が漏洩することによるなりすましの危険の防止を一層確実ならしめることを目的とするためである。
【0126】
具体例を挙げれば、例えば、機器を特定するための情報は住所である場合が挙げられる。かかる場合、住所を削除することにより、当該情報を手掛かりにしてその住所に設置されている機器を特定することを防ぐことが可能となる。この場合、オンラインショッピングサーバ装置は商品配達先の住所を知りえないので、一旦課金サーバ装置の住所又はその指定する住所に配達し、課金サーバ装置から再配達する仕組みを別途構築する必要が生じる。
【0127】
〈処理の流れ〉
図11は、本実施形態における処理の流れの一例を示したものである。本実施形態における処理の流れは、同図に示す各ステップからなり、その処理内容は以下のとおりである。なお、その余の処理の流れは実施形態1における処理の流れと同じであるので、説明を省略する。
【0128】
購入意思表示情報の送信ステップ(S1106)において、本実施形態のシステムは、電子機器から購入者識別情報を課金サーバ装置に送信し、購入意思表示情報の受信ステップ(S1107)において課金サーバ装置で受信する。
【0129】
次に、電子機器を特定する情報の削除ステップ(S1108)において、前記ステップ(S1107)において受信した購入意思表示情報から電子機器を特定する情報を削除する。
【0130】
次に、購入意思表示情報(電子機器を特定する情報を削除済み)の送信ステップ(S1109)において上記電子機器を特定する情報を削除済みの購入意思表示情報を課金サーバ装置からオンラインショッピングサーバ装置に送信し、当該情報の取得ステップ(S1110)において、オンラインショッピングサーバ装置でこれを取得する。
【0131】
また、本図では示されていないが、課金サーバが購入者識別情報の送信を中継する際に電子機器を特定するための情報を削除するか否かの判断ステップを有し、削除すると判断された場合は購入意思表示情報の送信ステップにおいて課金サーバは削除した情報を送信し、削除しないと判断された場合は削除しない情報を送信するものでもよい。
【0132】
〈効果〉
電子機器を特定するための情報を削除することにより、かかる情報が漏洩することによるなりすましの危険の防止を一層確実ならしめることが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と、課金サーバ装置と、オンラインショッピングサーバ装置と、からなるオンラインショッピングシステムであって、
前記電子機器は、
自身の識別のための機器識別情報を保持する機器識別情報保持部と、
前記オンラインショッピングサーバ装置に商品購入の意思を示すための情報である購入意思表示情報を送信する購入意思表示情報送信部と、
機器識別情報保持部に保持された機器識別情報を前記課金サーバ装置に送信するための機器識別情報送信部と、
前記課金サーバ装置に対して課金容認意思表示情報を送信するための課金容認意思表示情報送信部と、
を有し、
前記課金サーバ装置は、
前記電子機器から送信された機器識別情報を受信する機器識別情報受信部と、
前記機器識別情報受信部で受信した機器識別情報と、前記オンラインショッピングサーバ装置における購入者を識別するための情報である購入者識別情報と、を関連付けて保持する購入者識別情報保持部と、
前記購入者識別情報保持部にて保持されている購入者識別情報を前記オンラインショッピングサーバ装置に対して送信する購入者識別情報送信部と、
販売の意思を示す情報である販売意思表示情報を、購入者識別情報と関連付けて前記オンラインショッピングサーバ装置から取得するための販売意思表示情報取得部と、
前記販売意思表示情報取得部で取得した販売意思表示情報に対応して、前記機器識別情報にて識別される電子機器から課金容認の意思を示す情報である課金容認意思表示情報を取得する課金容認意思表示情報取得部と、
を有し、
前記オンラインショッピングサーバ装置は、
前記購入者識別情報を取得するための購入者識別情報取得部と、
前記電子機器から購入者識別情報と関連付けて購入意思表示情報を取得する購入意思表示情報取得部と、
前記購入意思表示情報取得部で取得した購入意思表示情報に基づいて、前記購入者識別情報取得部で取得した購入者識別情報を含む販売意思表示情報を前記課金サーバ装置に送信する販売意思表示情報送信部と、
を有するオンラインショッピングシステム。
【請求項2】
前記電子機器の
前記機器識別情報送信部は、前記機器識別情報を購入者の暗証番号と関連付けた情報である暗証番号付機器識別情報を送信する暗証番号付機器識別情報送信手段を有し、
前記課金サーバ装置の
前記機器識別情報受信部は、前記暗証番号付機器識別情報を受信する暗証番号付機器識別情報受信手段を有する請求の範囲1に記載のオンラインショッピングシステム。
【請求項3】
前記購入意思表示情報には、前記電子機器を識別するための情報を含まない請求の範囲1又は2に記載のオンラインショッピングシステム。
【請求項4】
前記課金サーバ装置は、
前記電子機器と、前記オンラインショッピングサーバ装置との通信を中継する中継部を有し、
前記電子機器と前記オンラインショッピング装置とは、前記中継部を介さなければ通信をすることができない
請求の範囲1から3の何れか一に記載のオンラインショッピングシステム。
【請求項5】
前記課金サーバ装置の
前記中継部は、前記電子機器が前記オンラインショッピング装置に送信する情報から前記電子機器を特定するための情報を削除する電子機器特定情報削除手段を有する請求の範囲4に記載のオンラインショッピング装置。
【請求項6】
請求の範囲1から5の何れか一に記載の電子機器。
【請求項7】
請求の範囲1から5の何れか一に記載の課金サーバ装置。
【請求項8】
請求の範囲1から5の何れか一に記載のオンラインショッピングサーバ装置。
【請求項9】
電子機器、課金サーバ装置及びオンラインショッピングサーバ装置を利用したオンラインショッピング方法であって、電子機器自身の識別のための機器識別情報を課金サーバ装置に送信する機器識別情報の送信ステップと、前記機器識別情報の送信ステップにおいて送信された前記機器識別情報を受信する機器識別情報の受信ステップと、購入者識別情報の送信ステップと、購入者識別情報の取得ステップと、購入意思表示情報の送信ステップと、購入意思表示情報の取得ステップと、販売意思表示情報の送信ステップと、販売意思表示情報の取得ステップと、課金容認意思表示情報の送信ステップと、課金容認意思表示情報の取得ステップと、課金処理ステップとを有するオンラインショッピング方法。
【請求項10】
前記購入意思表示情報の送信ステップにおいて送信される購入意思表示情報には前記電子機器を識別するための情報を含まない請求の範囲9に記載のオンラインショッピング方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【国際公開番号】WO2005/081156
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【発行日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510325(P2006−510325)
【国際出願番号】PCT/JP2005/003165
【国際出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】