説明

オンライン分析及び制御用の装置を含む、ガス状流出物の脱硫法

【課題】硫黄回収ラインの全体的効率を向上させることができ、99.5重量%、さらには99.8重量%の硫黄収率が達成され得、ひいてはガスの純度を実質的に向上させることができる、ガス状流出物の脱硫法を提供する。
【解決手段】本発明は、クラウス処理装置を用い、次いで、クラウス排煙処理装置(TGT)を用いる硫化水素を含有するガス状流出物の脱硫方法であって、TGT装置からの出口におけるHS/SO比のオンライン分析の装置と、TGT装置からの出口における前記HS/SOモル比を2の近く、一般的には1.5〜2.5の範囲の値に維持することができるフィードバックループとを用いる工程を包含する、方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫黄含有ガスの処理、より正確には、クラウス反応を用いたガスの処理の分野に関する。より特定的には、本発明は、硫化水素を含有するガス状流出物の改善された処理方法であって、クラウスライン(Claus line)の硫黄収率を最大化し、その結果、一般的には1容積%未満、さらには0.5容積%未満又は0.1容積%未満の元素硫黄を含む精製ガスを生じさせることを可能にする、処理方法に関する。
【0002】
本発明は、有利には、水素化脱硫装置、接触分解装置又は天然ガス精製装置から生じるガスを処理するのに使用され得る。
【0003】
本発明は、クラウス処理装置を用い、次いでクラウス排煙処理装置(Claus tail gas treatment unit=TGT)を用いた硫化水素を含有するガス状流出物の改善された脱硫方法であって、TGT装置からの出口におけるモル比HS/SO(ガス相におけるこれら化合物の容積百分率の比に等しい)のオンライン分析の装置と、TGT装置からの出口における前記モル比HS/SOを2近くの値、一般的には1.5〜2.5の範囲に維持することのできるフィードバックループとを使用する工程を含む、方法に関する。
【背景技術】
【0004】
被処理ガスから硫化水素を除去するために種々の方法を用いることができる。これらの方法は、例えば、特許文献1及び2に記載されている。
【0005】
クラウス法は、硫化水素(HS)を含むガス状仕込原料から元素硫黄を回収するために広く用いられている。しかしながら、クラウス型装置を備えた設備によって放出される煙霧は、いくつかの接触工程後であっても無視できない量の酸性ガスを含んでいる。このため、毒性化合物の大部分を除去して汚染防止規制を満たすには、クラウス装置からのそれら流出物又は排煙(tail gas)を処理する必要がある。これらの規制は、次第に厳しくなりつつあり、現行の技術を常に改善する必要がある。
【0006】
例えば、被処理ガス中に存在する元素硫黄の約95重量%をクラウス装置から回収することは公知である。(例えばClauspol(登録商標)装置による)クラウス装置からの該流出物を続いて処理することは、例えば、99.8重量%の硫黄を回収することができることを意味し得る。クラウス反応は周知である:クラウス装置において、硫化水素(HS)は、以下の反応式に従って二酸化硫黄(SO)と反応する。
【0007】
2HS + SO → 3S + 2H
硫黄除去効率の最適化を確実にし、かつ、その二次反応を制限するために、クラウス反応の化学量論に従ってHS/SOモル比を可能な限り2近くに維持することが好ましい。
【0008】
Clauspol(登録商標)の反応の場合、この反応は有機溶媒と有機酸のアルカリ塩又はアルカリ土類塩を含む触媒とから成る反応媒体において行われる。この反応は、一般的に、反応器−接触器(reactor-contactor)内で向流形式(counter-current mode)で行われ、その温度は溶媒の通過により調節され、この溶媒は、反応器の下端から循環ポンプを介して熱交換器に抜き出されて、硫黄への転化が促進され、その一方で、固体状硫黄の形成が回避される。したがって、硫黄は液体状で回収される。該方法は十分に機能するものの、種々の拘束により制限される:すなわち、
・反応の熱力学的平衡は、反応が決して完結しないようにする。硫化水素及び二酸化硫黄は、生じた硫黄及び水と共に平衡状態にとどまる。典型的には、排煙処理からの反応流出物中に見出される反応しなかったHSおよびSOとして存在する硫黄の量は、クラウス装置用仕込原料の全硫黄の約0.2〜0.5重量%に相当する。より良好な転化がより低い操作温度において予測され得るが、この温度は硫黄の凝固点(約120℃)より高く維持されねばならない。そうでない場合、反応器は固体硫黄により詰まらされることになる。
【0009】
・反応器−接触器内で分離されなかった液体硫黄が存在し、これが、循環している溶媒及び触媒中に同伴され、反応器−接触器に再循環させられる。液体硫黄の液滴全部が溶媒から分離されるというわけではなく、液体硫黄が存在することにより、硫黄の蒸気圧(vapour tension)に起因して、流出物中にガス状硫黄の存在を必然的に伴うことになる。一例を挙げると、その蒸気圧に帰せられ得る未回収硫黄量は、当初仕込原料中の硫黄の約0.1重量%である。
【0010】
1960年代以降、クラウス反応を固体触媒上で低温(125〜160℃)で継続させることに基づいた排煙処理(すなわちTGT)のための種々の方法が開発された。例としては、Sulfreen(登録商標)法、CBA(登録商標)法、又はMCRC(登録商標)法、あるいは液相で行われるClauspol(登録商標)法が挙げられる。
【0011】
TGT装置からの流出物には、反応器の温度における蒸気圧に相当する分圧において残留HS及びSOのほか硫黄蒸気も含まれる。クラウス反応の熱ステージにおいて形成される他の硫黄含有種、特にCOS及びCSも、これらの種がTGT装置でHSに加水分解された後、TGT装置からの流出物中に残留量で存在する。次いで、その残留硫黄の全部が焼却炉でSOに転換された後に大気に放出される。したがって、動作の最適化は、TGT装置の下流に位置する焼却炉に送られる該硫黄含有種を低減させることを目的とする。
【0012】
特許文献3にはクラウス反応を用いたガス処理方法であって、HS/SO比を決定することによって装置動作の最適化を行い、このHS/SO比の決定はクラウス型装置からの出口において実行される、方法が記載されている。この決定は、一方ではガスのSO含有量を測定し、他方ではHSとHSの酸化によるSOとの総量を測定することによるオンライン分析によって行われる。制御弁がクラウス型反応器−接触器入口のガスの流量を調節して、反応器−接触器からの出口のHS/SO比を2の値に維持することができる。かくして、反応器−接触器は化学量論的条件下で機能するので、クラウス反応を良好な条件下で行うことができる。特許文献3に記載の方法によれば、排煙の硫黄含有量はまだ数パーセント存在する。該特許は本発明の方法によって達成される収率を達成することができる排煙処理を用いることを想定していない。
【0013】
特許文献4はクラウス型処理と排煙処理とを組み合わせ、HS/SO比はTGT装置への入口(又はクラウス装置からの出口)において測定される。このことは、クラウス装置の熱ステージに導入される空気の量を調節してその比を可能な限り2の近くに維持することができることを意味する。特許文献5では、クラウス装置からの出口におけるHS/SOモル比を決定することは、HS又はSOを、排煙に又はクラウス装置の最終触媒ステージ前に加えることによって、TGT装置への入口において該比を可能な限り2の近くに維持することができることを意味する。
【0014】
いずれの場合でも、HS/SO比はTGT装置の上流で制御される。存在するHSおよびSO種に加え、他の硫黄含有種(例えばクラウス装置内で生じるCOS及びCS)が、TGT装置への入口において相当な量で一時的に見出されることがある。これらの種をTGT装置内で加水分解すれば、二次的なHSが放出され、最適化された化学量論HS/SO=2に対して過剰なHSが生じさせられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】仏国特許発明第2411802号明細書
【特許文献2】仏国特許発明第2336163号明細書
【特許文献3】特許第56044844号明細書
【特許文献4】米国特許第4836999号明細書
【特許文献5】米国特許第4405593号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、硫黄回収ラインの全体的効率を向上させることができ、99.5重量%、さらには99.8重量%の硫黄収率が達成され得、ひいてはガスの純度を実質的に向上させることができる、ガス状流出物の脱硫法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するため、本発明は、クラウス処理装置を用い、次いでクラウス排煙処理装置(TGT)を用いた硫化水素を含有するガス状流出物の脱硫方法であって、前記TGT装置からの出口におけるHS/SO比をオンライン分析する装置と、前記TGT装置からの出口における前記ガス状流出物のHS/SO比を1.5〜2.5の範囲の値に維持することのできるフィードバックループとを使用する工程を含む、方法である。
【0018】
好ましくは、TGT装置からの出口におけるHS/SO比は1.7〜2.3の範囲の値に維持される。
【0019】
好ましくは、TGT装置からのガス状流出物は硫黄トラップに送られる。
【0020】
好ましくは、TGT装置からの出口におけるガス状流出物は、前記ガス状流出物が硫黄トラップのチャンバに導入されるまでクラウス装置の反応帯域の動作温度に維持される。
【0021】
好ましくは、前記硫黄トラップは、75〜100℃の範囲の温度に維持された多孔性固体の床を含むチャンバを備える。
【0022】
好ましくは、主に硫化水素を含み、かつ、水蒸気、窒素及びCOを含み得るライン(1)中のガス流をクラウス装置(3)の熱ステージに送り、ライン((2)、次に(16))を経由して供給される空気流もクラウス装置の熱ステージに導入して、硫化水素を部分燃焼させて二酸化硫黄を生成させ、熱ステージの後に、2又は3の触媒ステージが続き、該2又は3の触媒ステージにおいて、クラウス反応が継続され、それ故にクラウス装置(3)の一部を形成し、液体硫黄を、凝縮の後に、種々の反応器の間で回収し、ライン(4)を経由してクラウス装置からの出口において抜き出し、ライン(5)を経由して抜き出された排煙を処理装置(TGT装置)(6)に導入し、生じた硫黄をライン(7)を経由して排出し、TGT装置(8)からの流出物の一部を取り出し、これを硫黄トラップ(9)に送り、次いでオンライン分析器(21)に送り、オンライン分析器(21)は弁(32)の調節を可能にし、ライン(8)から取り出された流出物を、前記流出物の一部が硫黄トラップのチャンバに導入されるまで125〜160℃の範囲の反応器−接触器の動作温度に維持し、トラップの頭部を125〜160℃の範囲に維持し、多孔性固体を、チャンバ周囲のジャケット内に温水を循環させることによって、75〜100℃の範囲の温度に維持し、フィードバックループが、弁(32)により調節された二次空気流を調節することによってHS/SOモル比を1.5〜2.5の範囲の値に維持することを可能にし、該二次空気流は、弁(31)によって調節される一次空気流を補い、前記弁自体を、流量コントローラ(22)と酸性ガス中のHSの濃度についてのオンライン分析器(25)とによって、酸性ガス及び空気の流量の測定値から制御する。
【0023】
好ましくは、主に硫化水素を含み、かつ、水蒸気、窒素及びCOを含み得るライン(1)中のガス流をクラウス装置(3)の熱ステージに送り、総流量の約0.5〜2%を示すライン(1)中のガス状流出物の一部を、ライン(11)を経由して炉(12)に送り、HSをSOに全て酸化させ、流量コントローラ(23)によって測定されるライン(1)中のガス流の総流量が固定された割合を示すように、ライン(11)中の流出物の流量を弁(36)によって調節し、ライン(13)を経由して炉(12)に導入される空気の流量を弁(33)によって調節し、弁(33)は、流量コントローラ(24)とHSの濃度を示すオンライン分析器(25)とによって制御され、弁(34)を開けることによって、炉からのライン(15)中の流出物の一部をクラウス装置の下流に送り、ライン(14)中の流出物の残りの部分をライン(1)中のガス流及び空気流(ライン(2)、次いで(16))と一緒にクラウス装置の熱ステージに導入し、オンライン分析器(20)は、クラウス装置からの出口においてライン(5)中の流出物のHS/SO比を測定し、フィードバックループは、弁(32)によって調節された二次空気の流量を調節することによって、この比を2近くの値に維持することを可能にし、該二次空気の流量は、弁(31)によって調節された一次空気流を補い、該弁自体は、酸性ガスおよび空気の流量の測定値から、流量コントローラ(22)および酸性ガス中のHSの濃度についてのオンライン分析器(25)により制御され、オンライン分析器(21)は、ライン(8)中の流出物のHS/SO比の値を、TGT装置からの出口において、硫黄トラップ(9)を経由して通過させた後に測定することを可能にし、フィードバックループは、クラウス装置からのライン(5)中の流出物と混合されているライン(10)および(15)中の流出物を調節することによって前記HS/SO比を維持することを可能にし、得られたライン(17)中の流出物をTGT装置(6)に送り、分析器(21)によりモル比HS/SOが2より大きいことが測定されると、弁(34)が開けられ、かつ、弁(35)が完全に閉じられ、反対に、分析器(21)によりHS/SO比が2未満であることが測定されると、弁(35)か開けられ、かつ、弁(34)が完全に閉じられる。
【0024】
好ましくは、HS/SO比についてのオンライン分析装置は、ガスクロマトグラフである。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、クラウス処理装置を用い、次いで、クラウス排煙処理装置(TGT)を用いる硫化水素を含有するガス状流出物の脱硫方法であって、TGT装置からの出口におけるHS/SO比のオンライン分析の装置と、TGT装置からの出口における前記HS/SOモル比を約2、一般的には1.5〜2.5の範囲の値に維持することができるフィードバックループとを用いる工程を包含する、方法に関し、本発明の方法を実行することによって、TGT装置の効率を向上させることが可能となり、その結果、硫黄回収ラインの全体的効率を向上させることができ、99.5重量%、さらには99.8重量%の硫黄収率が達成され得るので、ひいてはガスの純度を実質的に向上させることができる。硫黄除去に関する性能は、HS/SOモル比が可能な限り2の近くに維持されるので、COS及びCSの量に拘わらず最適化され、このことは、クラウス装置及びTGT装置を含むライン全体を通してクラウス反応が最適化された条件で行われ得ることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来技術に関する図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図3】本発明の好適な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、クラウス処理装置(Claus treatment unit)を用い、次いでクラウス排煙処理装置(tail gas treatment:TGT)を用いた硫化水素を含有するガス状流出物の脱硫方法であって、TGT装置からの出口におけるHS/SO比をオンライン分析する装置と、TGT装置からの出口におけるHS/SO比を1.5〜2.5の範囲の値に維持することのできるフィードバックループとを使用する工程を含む、方法に関する。用語「2の近く(close to 2)」とは、モル比HS/SOが約2の値に調節されることを意味し、一般的には1.5〜2.5の範囲、好ましくは1.7〜2.3の範囲、より好ましくは1.75〜2.25の範囲、さらには1.8〜2.2の範囲である。
【0028】
本明細書の残りにおいて、異なって明記されない限り、百分率は容積により表され(容積%)、ppm(parts per million:百万分率)も容積により表されるppmである(ppmまたは容積ppm)。クラウス装置において、硫化水素は二酸化硫黄と反応する。クラウス装置は通常、3つのステージを含み、通常1000〜2000℃の範囲、好ましくは約1400℃の高温で動作する1つの熱ステージにおいて、硫化水素の酸化によって二酸化硫黄が生成し、クラウス反応は、温度が通常150〜300℃の範囲、好ましくは200〜250℃の範囲である2つの触媒ステージで起こる。
【0029】
クラウス装置からの出口において収集されたガスは、大気中に該ガスを放出するには未だ高過ぎる量で硫化水素および二酸化硫黄を依然として含んでいる。このため、クラウス装置からの流出物(排煙)を排煙処理装置(TGT装置)において処理することが必要である。TGT装置(例えばおよび好ましくは、商標名Clauspol(登録商標)を有する市販の装置)の出口において、精製ガスが回収され、次いで、焼却炉に送られた後に大気中に放出される。
【0030】
ここで、本発明の方法を図2および3を参照して説明する。図1は従来技術に関するものである。
【0031】
図1(従来技術)によれば、主に硫化水素を含み、かつ、蒸気、窒素およびCO、ならびにアンモニア及び/又は炭化水素のようなその他の不純物を含み得る、ライン(1)中のガス流はクラウス装置(3)の熱ステージに送られる。硫化水素を部分燃焼させて二酸化硫黄を生成させるために、ライン(2)を経由して供給される空気流も該クラウス装置の熱ステージに導入される。熱ステージの後には通常、2又は3の触媒ステージが続く。この触媒ステージでは、クラウス反応が続けられ、かつ、このようにしてクラウス装置(3)の一部が形成される。液体硫黄が種々の反応器の間で凝縮された後に回収され、ライン(4)を経由して抜き出される。クラウス装置(3)からの出口において回収された部分は、通常、ライン(1)における処理されるべき仕込原料中に硫化水素の形態で存在する硫黄の90〜97%を示す。
【0032】
クラウス装置からの出口において、ライン(5)を経由して抜き出された排煙は、処理装置(TGT装置)(6)に導入される。ライン(5)からのガスは1〜2容積%のHS及びSOを通常含み、それに加え、300〜1000容積ppmの硫黄蒸気を通常含む。ライン(5)内の硫黄の量はHS及びSOの量に関して分析される。このようにオンライン分析器(20)はモル比HS/SOをモニタリングすることができる。フィードバックループは、弁(32)によって調節された二次空気流を調節することによってこの比を2近く及び1.5〜2.5の範囲に維持することができる。二次空気流は、弁(31)によって調節された一次空気流を補い、前記弁自体は、流量コントローラ(22)と酸性ガス中のHSの濃度についてのオンライン分析器(25)とによって、酸性ガス及び空気の流量の測定値から制御される。TGT装置(6)からの出口において、精製ガス状流出物がライン(8)を経由して抜き出され、生じた硫黄がライン(7)を経由して排出される。
【0033】
図2は本発明の第1の実施形態を示す。図2は図1の要素、特に、(1)〜(8)、(16)、(22)、(25)、(31)及び(32)を使用している。
【0034】
TGT装置(6)からの出口におけるライン(8)中の流出物には、HS、SOのほか硫黄蒸気、残留量のCOS及びCSも含まれる。この流出物の一部が取り出され、硫黄トラップ(9)に送られた後、オンライン分析器(21)に送られる。硫黄トラップ(9)からの出口に配設されたオンライン分析器(21)は、弁(32)を調節することができる。硫黄トラップ(9)は多孔性固体の床を含むチャンバを含み、被分析流出物に含まれる水の凝縮を防止しながら硫黄蒸気の大半を凝縮させる。ライン(8)から取り出された流出物は、前記流出物の一部が硫黄トラップチャンバに導入されるまで、反応器−接触器の動作温度(通常125〜160℃の範囲)に維持される。固体硫黄がトラップへの入口に付着して入口を塞いでしまわないように、トラップの頭部も通常125〜160℃の範囲の温度に維持される。多孔性固体を含んだ固体の床それ自体は、例えばチャンバ周囲のジャケット内に温水を循環させることによって、75〜100℃の範囲の温度に維持される。
【0035】
チャンバ内で使用される多孔性固体の床は、例えば、セラミック又はアルミナから形成されたビーズ(beads)又はラシヒリング(Rashing ring)からなり、大きな交換面積をもたらす。硫黄蒸気が除去された(depleted)被分析ガスは、多孔性固体の床を通過した後、チャンバ底部の下方パイプ(down pipe)を経由してチャンバから抜き出される。
【0036】
本発明によれば、被分析ガスは約15容積ppmの硫黄蒸気を含む。この分析はUV吸光分光法によって行われる。HS及びSOはそれぞれ228nmと280nmとに吸収を有する。硫黄蒸気はこれら2波長において著しく干渉する。TGT装置からの出口のガスの典型的な組成、すなわち400容積ppmのHS、200容積ppmのSOに対して、残留量の15容積ppmの硫黄蒸気は、HS及びSOの特徴的な2波長において硫黄含有種の総吸収の約10%に寄与する。この干渉レベルは排煙の分析で通常観察される干渉レベルに匹敵し、HS及びSOの量は約1容積%であり、硫黄蒸気は250容積ppm近傍である。
【0037】
図2の実施形態の硫黄トラップ(9)はこのように、オンライン分析を用いてTGT装置からの出口のHS/SOモル比を決定することと、この比の測定値から二次空気を調節することとを可能にする。この硫黄トラップによって従来技術を超える実質的な改善がもたらされる。
【0038】
工業用のオンライン硫黄分析器では、集積型硫黄トラップが、約115℃で硫黄を凝縮して液状にすることによって硫黄蒸気の一部を除去することができる。次いで、この液体硫黄を重力下で連続的に排出させ、加熱サンプリングループの出口においてガス流と同伴させ、抜き出し点に戻される。上記硫黄トラップを用いる場合、この種の凝縮器は不要である。このトラップには従来技術を超える大きな利点が2つある。
【0039】
第一に、125℃から75℃まで冷点(cold point)を低減させることは、硫黄の蒸気圧を250容積ppmから15容積ppmまで低減させることができることを意味し、このことは、硫黄蒸気に大きく干渉されることなくTGT装置からの出口においてHS及びSOを分析することができることを意味する。実際、250容積ppmにおいて、硫黄蒸気はHS及びSOの測定に使用される波長での硫黄含有種の総吸収の約70%を示す。この寄与は、硫黄蒸気の濃度を15容積ppmに低減させることによって、総吸収の10%に低減させられる。
【0040】
第二に、捕集された硫黄は固体状でトラップ内に蓄積する。このトラップの構成により、サンプリングラインの抜き出し点までの液体硫黄の逆流と関連する目詰まりの危険性が制限される。
【0041】
図3は本発明の好適な実施形態を示す。この実施形態によれば、比HS/SOはクラウス装置(3)からの出口およびTGT装置(6)からの出口の両方で測定される。このように、HS/SO化学量論をモニタリングして硫黄ライン全体を通してこのモル比を可能な限り2近くに維持し、これにより最適化された硫黄除去効率状態が確保される。図3は図2の要素、特に、要素(1)〜(9)、(16)、(21)、(22)、(25)、(31)及び(32)を繰り返している。図3はまた図1の分析器(20)を備えている。
【0042】
総流量の約0.5〜2%を示すライン(1)中のガス流の一部がライン(11)を経由して炉(12)に送られてHSをSOに全て酸化させる。流量コントローラ(23)によって測定されるライン(1)中のガス流の総流量が固定された割合を示すように、ライン(11)中の流出物の流量を弁(36)によって調節する。ライン(13)を経由して炉(12)に導入される空気の流量を、弁(33)によって調節する。弁(33)は、流量コントローラ(24)とHSの濃度を示すオンライン分析器(25)とによって制御される。弁(34)を開けることによって、炉(12)からの流出物の一部をライン(15)によりクラウス装置の下流に送ることができる。流出物の残りの部分は、ライン(14)を介してライン(1)中のガス流及びライン(2)中の空気流と一緒にクラウス装置の熱ステージに導入される。オンライン分析器(20)は、クラウス装置からの出口におけるライン(5)中の流出物のHS/SO比を測定する。フィードバックループは、弁(32)によって調節された二次空気流を調節することによって、この比を2近くの値に維持することができる。二次空気流の流量は弁(31)によって調節された一次空気流を補い、この弁自体は、流量コントローラ(22)と酸性ガス中のHSの濃度についてのオンライン分析器(25)とを経由した酸性ガス及び空気の流量の測定値から制御される。
【0043】
オンライン分析器(21)は、硫黄トラップ(9)の通過後に、TGT装置からの出口におけるライン(8)中の流出物のHS/SO比の値を決定することができる。フィードバックループは、クラウス装置からのライン(5)中の流出物と混合されるライン(10)および(15)中の流出物を調節することによってこのHS/SO比を維持することができる。得られたライン(17)中の流出物をTGT装置(6)に送る。分析器(21)によりモル比HS/SOが2より大きいことが測定されると、弁(34)が開けられ、かつ、弁(35)が完全に閉じられる。このため、過剰のSOがTGT装置への入口に加えられ、前記比が、TGT装置からの出口において2近く、一般的には1.5〜2.5の範囲の値に再確立される。反対に、分析器(21)によりHS/SO比が2未満であることが測定されると、弁(35)が開けられ、かつ、弁(34)が完全に閉じられる。このため、過剰のHSがTGT装置への入口に加えられ、前記比がTGT装置からの出口において2近くの値に再確立される。
【0044】
図2のレイアウトを超える図3のレイアウトの別の利点は、図3のレイアウトが、クラウス装置からの出口とTGT装置からの出口とにおいて独立してHS/SO比を制御することによってライン全体を通して収率の最適化を維持するということにある。このようにして、TGT装置からの出口において2±0.5のHS/SOモル比を維持することが可能になり、ライン全体に関して最適化された収率が保証される。さらに、クラウス装置出口における比を1.5〜2.5の範囲、好ましくは1.8〜2.2の範囲、さらには1.9〜2.1の範囲の値に維持し、これによりクラウス装置を最適化された動作条件に維持することも可能になる。
【0045】
まとめると:
本発明は、クラウス処理装置を用い、次いでクラウス排煙処理装置(TGT)を用いて硫化水素を含有するガス状流出物を脱硫する方法であって、前記TGT装置からの出口における比HS/SOのオンライン分析用の装置と、TGT装置からの出口におけるガス状流出物の前記HS/SO比を1.5〜2.5の範囲の値に維持することのできるフィードバックループとを使用する工程を含む、方法に関する。
【0046】
好ましくは、TGT装置からの出口における前記HS/SO比を1.7〜2.3の範囲の値に維持する。
【0047】
好ましくは、TGT装置からのガス状流出物を硫黄トラップに送る。
【0048】
より好ましくは、TGT装置からの出口におけるガス状流出物を、前記ガス状流出物が硫黄トラップのチャンバに導入されるまでクラウス装置の反応帯域の動作温度に維持し、より好ましくは、前記硫黄トラップは75〜100℃の範囲の温度に維持された多孔性固体の床を含むチャンバを備える。
【0049】
本発明の方法の好適な実施形態によれば、主に硫化水素を含み、かつ、水蒸気、窒素及びCOを含み得るライン(1)中のガス流をクラウス装置(3)の熱ステージに送り、ライン((2)、次に(16))を経由して供給される空気流もクラウス装置の熱ステージに導入して、硫化水素を部分燃焼させて二酸化硫黄が生じるようにする;熱ステージの後には、2又は3の触媒ステージが続き、ここで、クラウス反応が続けられ、かつ、クラウス装置(3)の一部がこのように形成される;液体硫黄を、凝縮の後、種々の反応器の間で回収し、ライン(4)を経由してクラウス装置からの出口において抜き出し、ライン(5)を経由して抜き出された排煙を処理装置(TGT装置)(6)に導入し、生じた硫黄を、ライン(7)を経由して排出し、TGT装置からのライン(8)中の流出物の一部を取り出し、硫黄トラップ(9)に送り、次いでオンライン分析器(21)に送る;オンライン分析器(21)は弁(32)を調節することができる;ライン(8)から取り出された流出物を、前記流出物の一部が硫黄トラップのチャンバに導入されるまで125〜160℃の範囲の反応器−接触器の動作温度に維持し;トラップの頭部を125〜160℃の範囲の温度に維持し;多孔性固体を、チャンバ周囲のジャケット内に温水を循環させることによって、75〜100℃の範囲の温度に維持し;フィードバックループが、弁(32)により調節された二次空気流を調節することによってHS/SOモル比を1.5〜2.5の範囲の値に維持することを可能にし、該二次空気流は、弁(31)によって調節された一次空気によって補われ、前記弁自体を、流量コントローラ(22)と酸性ガス中のHSの濃度についてのオンライン分析器(25)とによって、酸性ガス及び空気の流量の測定値により制御する。
【0050】
本発明の方法のより好適な実施形態によれば、主に硫化水素を含み、かつ、水蒸気、窒素及びCOを含み得るライン(1)中のガス流をクラウス装置(3)の熱ステージに送り、総流量の約0.5〜2%を示すライン(1)中のガス状流出物の一部がライン(11)を経由して炉(12)に送られてHSをSOに全て酸化する;流量コントローラ(23)によって測定されるライン(1)中の流れの総流量が固定された割合を示すように、ライン(11)中の流出物の流量を弁(36)によって調節する;ライン(13)を経由して炉(12)に導入される空気の流量を、弁(33)によって調節する;弁(33)は、流量コントローラ(24)とHSの濃度を示すオンライン分析器(25)とによって制御される;弁(34)を開けることによって、炉(12)からの流出物の一部をライン(15)によりクラウス装置の下流に送る;流出物の残りの部分をライン(14)によりライン(1)のガス流及びライン(2)次いでライン(16)の空気流と一緒にクラウス装置の熱ステージに導入する;オンライン分析器(20)は、クラウス装置からの出口におけるライン(5)中の流出物のHS/SO比を測定する;フィードバックループは、弁(32)によって調節された二次空気流を調節することによって、この比を2近くの値に維持することができる;この二次空気流は弁(31)によって調節された一次空気流を補い、この弁自体は、流量コントローラ(22)と、酸性ガス中のHSの濃度についてのオンライン分析器(25)とを経由した酸性ガス及び空気の流量の測定値により制御され、オンライン分析器(21)は、硫黄トラップ(9)の通過の後に、TGT装置からの出口におけるライン(8)中の流出物のHS/SO比の値を決定できるようにする;フィードバックループは、クラウス装置からのライン(5)中の流出物と混合されているライン(10)および(15)中の流出物を調節することによってこのHS/SO比を維持できるようにする;ライン(17)中の得られた流出物をTGT装置(6)に送る;分析器(21)によりモル比HS/SOが2より大きいことが測定されると、弁(34)が開けられ、かつ、弁(35)が完全に閉じられる;反対に、分析器(21)によりHS/SO比が2未満であることが測定されると、弁(35)が開けられ、かつ、弁(34)が完全に閉じられる。
【0051】
比HS/SOについてのオンライン分析装置はガスクロマトグラフであることが非常に好ましい。
【0052】
本発明の範囲は以下の実施例からより良く理解されよう。
【0053】
(実施例)
(実施例1:本発明と一致しない)
クラウス装置(3)において93%の硫黄除去効率で脱硫されたガス流を、550kmol/時の流量でTGT装置(6)に導入した。このガス流は水蒸気(34容積%)、二酸化炭素(4容積%)のほか、硫黄含有化合物:HS(1.2容積%)、SO(0.6容積%)、COS(1000容積ppm)、CS(2000容積ppm)及び硫黄蒸気(1000容積ppm)を含んでいた;補充物(complement)は窒素により構成された。
【0054】
使用されたクラウス装置(3)は当業者に周知の装置であった。クラウス装置(3)は1つの熱ステージと2つの触媒ステージとを含む3ステージを含んでいた。
【0055】
使用されたTGT装置(6)は、Clauspol(登録商標)装置であった。TGT装置(6)の動作条件は、COSおよびCS化合物が90%で加水分解されるように適合させられた。
【0056】
クラウス装置(3)からの出口におけるHS/SO比を決定すること及び(図1のレイアウトによる)クラウス装置の熱ステージへ導入される空気の流量を調整してその比を2近くに調節することによって、TGT装置の硫黄収率は77.1%、すなわち、硫黄ラインの収率全体は98.5重量%となった。
【0057】
以下の表1の列1は、TGT装置(6)への入口及びTGT装置(6)からの出口におけるガス状流出物の組成及び得られた硫黄収率をまとめたものである。
【0058】
(実施例2:本発明と一致する)
本実施例では、実施例1で用いられたのと同じクラウス装置(3)からのガス流と、実施例1で用いられたのと同じClauspol(登録商標)装置(6)とを用いた。本実施例は、レイアウトならびに使用されたHS/SO比を調節するための態様が図2に相当する点で実施例1とは異なるものであった。
【0059】
2近くの値に調節されることを可能にするHS/SO比の決定は、TGT装置(6)からの出口において、流出物の一部を硫黄トラップ(9)内に通過させた後に行われた。硫黄トラップ(9)のチャンバは、T=85℃に維持されたアルミナビーズによって構成された固体を含んでいた。次いで、紫外線分析器(21)による分析が行われた。(図2のレイアウトによる)クラウス装置の熱ステージに導入される空気の流量を増大させることによる調節によって、TGT装置の硫黄収率は91.8重量%、すなわち、硫黄ラインの収率全体は99.5重量%という結果になった。
【0060】
以下の表1の列2は、TGT装置への入口及びTGT装置からの出口におけるガス状流出物の組成及び得られた硫黄収率をまとめたものである。
【0061】
(実施例3:本発明と一致する)
本実施例では、実施例1で用いられたのと同じクラウス装置(3)からのガス流および実施例1で用いられたのと同じClauspol(登録商標)装置(6)を用いた。本実施例はレイアウトならびに使用されたHS/SO比を調節するための態様が図3に相当する点で実施例1とは異なるものであった。
【0062】
S/SO比を2近くの値に調節し得るHS/SO比の決定は、クラウス装置(3)からの出口において、およびTGT装置(6)からの出口において流出物の一部を硫黄トラップ(9)内に通過させた後に行われた。硫黄トラップ(9)のチャンバは、T=85℃に維持されたアルミナビーズによって構成された固体を含んでいた。その後、紫外線分析器(21)による分析が行われた。(図3のレイアウトによる)クラウス装置からの流出物にSOを加えることにより調節することによって、TGT装置についての硫黄収率:93.9重量%、すなわち、硫黄ラインについての全体収率:99.6重量%を得た。
【0063】
以下の表1の列3は、TGT装置への入口及びTGT装置からの出口におけるガス状流出物の組成及び得られた硫黄収率をまとめたものである。
【0064】
【表1】

【符号の説明】
【0065】
1 ライン
2 ライン
3 クラウス装置
4 ライン
5 ライン
6 処理装置(TGT装置)
7 ライン
8 ライン
9 硫黄トラップ
16 ライン
21 オンライン分析器
22 流量コントローラ
25 オンライン分析器
31 弁
32 弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウス処理装置を用い、次いでクラウス排煙処理装置(TGT)を用いた硫化水素を含有するガス状流出物の脱硫方法であって、前記TGT装置からの出口におけるHS/SO比をオンライン分析する装置と、前記TGT装置からの出口における前記ガス状流出物のHS/SO比を1.5〜2.5の範囲の値に維持することのできるフィードバックループとを使用する工程を含む、方法。
【請求項2】
TGT装置からの出口におけるHS/SO比を1.7〜2.3の範囲の値に維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
TGT装置からのガス状流出物を硫黄トラップに送る、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
TGT装置からの出口におけるガス状流出物を、前記ガス状流出物が硫黄トラップのチャンバに導入されるまでクラウス装置の反応帯域の動作温度に維持する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記硫黄トラップは、75〜100℃の範囲の温度に維持された多孔性固体の床を含むチャンバを備える、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、主に硫化水素を含み、かつ、水蒸気、窒素及びCOを含み得るライン(1)中のガス流をクラウス装置(3)の熱ステージに送り、ライン((2)、次に(16))を経由して供給される空気流もクラウス装置の熱ステージに導入して、硫化水素を部分燃焼させて二酸化硫黄を生成させ、熱ステージの後に、2又は3の触媒ステージが続き、該2又は3の触媒ステージにおいて、クラウス反応が継続され、それ故にクラウス装置(3)の一部を形成し、液体硫黄を、凝縮の後に、種々の反応器の間で回収し、ライン(4)を経由してクラウス装置からの出口において抜き出し、ライン(5)を経由して抜き出された排煙を処理装置(TGT装置)(6)に導入し、生じた硫黄をライン(7)を経由して排出し、TGT装置(8)からの流出物の一部を取り出し、これを硫黄トラップ(9)に送り、次いでオンライン分析器(21)に送り、オンライン分析器(21)は弁(32)の調節を可能にし、ライン(8)から取り出された流出物を、前記流出物の一部が硫黄トラップのチャンバに導入されるまで125〜160℃の範囲の反応器−接触器の動作温度に維持し、トラップの頭部を125〜160℃の範囲に維持し、多孔性固体を、チャンバ周囲のジャケット内に温水を循環させることによって、75〜100℃の範囲の温度に維持し、フィードバックループが、弁(32)により調節された二次空気流を調節することによってHS/SOモル比を1.5〜2.5の範囲の値に維持することを可能にし、該二次空気流は、弁(31)によって調節される一次空気流を補い、前記弁自体を、流量コントローラ(22)と酸性ガス中のHSの濃度についてのオンライン分析器(25)とによって、酸性ガス及び空気の流量の測定値から制御する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、主に硫化水素を含み、かつ、水蒸気、窒素及びCOを含み得るライン(1)中のガス流をクラウス装置(3)の熱ステージに送り、総流量の約0.5〜2%を示すライン(1)中のガス状流出物の一部を、ライン(11)を経由して炉(12)に送り、HSをSOに全て酸化させ、流量コントローラ(23)によって測定されるライン(1)中のガス流の総流量が固定された割合を示すように、ライン(11)中の流出物の流量を弁(36)によって調節し、ライン(13)を経由して炉(12)に導入される空気の流量を弁(33)によって調節し、弁(33)は、流量コントローラ(24)とHSの濃度を示すオンライン分析器(25)とによって制御され、弁(34)を開けることによって、炉からのライン(15)中の流出物の一部をクラウス装置の下流に送り、ライン(14)中の流出物の残りの部分をライン(1)中のガス流及び空気流(ライン(2)、次いで(16))と一緒にクラウス装置の熱ステージに導入し、オンライン分析器(20)は、クラウス装置からの出口においてライン(5)中の流出物のHS/SO比を測定し、フィードバックループは、弁(32)によって調節された二次空気の流量を調節することによって、この比を2近くの値に維持することを可能にし、該二次空気の流量は、弁(31)によって調節された一次空気流を補い、該弁自体は、酸性ガスおよび空気の流量の測定値から、流量コントローラ(22)および酸性ガス中のHSの濃度についてのオンライン分析器(25)により制御され、オンライン分析器(21)は、ライン(8)中の流出物のHS/SO比の値を、TGT装置からの出口において、硫黄トラップ(9)を経由して通過させた後に測定することを可能にし、フィードバックループは、クラウス装置からのライン(5)中の流出物と混合されているライン(10)および(15)中の流出物を調節することによって前記HS/SO比を維持することを可能にし、得られたライン(17)中の流出物をTGT装置(6)に送り、分析器(21)によりモル比HS/SOが2より大きいことが測定されると、弁(34)が開けられ、かつ、弁(35)が完全に閉じられ、反対に、分析器(21)によりHS/SO比が2未満であることが測定されると、弁(35)か開けられ、かつ、弁(34)が完全に閉じられる、方法。
【請求項8】
S/SO比についてのオンライン分析装置は、ガスクロマトグラフである、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−248068(P2010−248068A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94791(P2010−94791)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(591007826)イエフペ エネルジ ヌヴェル (261)
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
【Fターム(参考)】