説明

オーダエントリシステムおよび注文端末入力モード切替方法

【課題】 オーダエントリシステムで使用する、顧客の注文を入力する注文端末において、専用のハードウェアを使用することなく、「スタッフモード」から「顧客モード」への切替えが行えるようにすること。
【解決手段】 顧客の注文を入力する注文端末は、入力モードとして、店員が操作するスタッフモードと顧客が操作する顧客モードとのいずれかで動作する。店員がスタッフモードで顧客の初期情報を入力すると、注文端末の入力モードがスタッフモードから顧客モードに移行して注文入力が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店等の店舗で使用されるオーダエントリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のオーダエントリシステムは、店員によって操作され、顧客の注文を入力する多数のハンディターミナルと、厨房に設置され、顧客の注文情報を出力するキッチンプリンタと、顧客の注文の会計処理を行うPOS(Point of Sales)端末と、顧客の注文を管理し、顧客の注文情報をキッチンプリンタやPOS端末に送信する管理端末と、を備えている。POS端末、管理端末、及びキッチンプリンタは、有線通信で互いに接続される。一方、ハンディターミナルは、無線通信で、システムに接続される。
【0003】
このようなオーダエントリシステムにおいて、人件費を削減し、店員の負担を低減させるため、各テーブルに、客が自ら注文を行うことができるセルフオーダ端末(客用注文端末)が開発されている。セルフオーダ端末は、セルフ端末とも呼ばれる。この場合、ハンディターミナルと同様に、セルフ端末は、無線通信で、システムに接続される。
【0004】
従来から、種々のオーダエントリシステムが提案されている。
【0005】
例えば、特開2004−13254号公報(特許文献1)は、客用注文端末(セルフ端末)と店員用注文端末(ハンディターミナル)とを使い分けることで、的確な入店処理と、客が自らオーダを行うセルフオーダにおけるサービスの質の向上とを実現させることができる「注文管理システム」を開示している。この特許文献1に開示された注文管理システムでは、客係の店員が、店員用端末(ハンディターミナル)のキーボードのキー操作により入店処理を行い、その入店処理が終了した後に、客係の店員により所定のテーブルに案内された客が、テーブル上に備えられている客用注文端末(セルフ端末)の操作キーのキー操作により自らオーダを行っている。また、注文の取消しを、店員用端末(ハンディターミナル)で行っている。
【0006】
また、特開2009−42871号公報(特許文献2)は、接客係の店員用の注文端末(ハンディターミナル)を、顧客用の注文端末(セルフ端末)としても使用できるようにした「注文端末及びオーダエントリシステム」を開示している。この特許文献2では、店員が使用する注文端末にRFIDリーダライタを接続するだけで、その注文端末がテーブルコードの入力機能が制限された顧客モードに移行するようになっている。注文端末は、「店員モード」と「顧客モード」とに移行することができる。「店員モード」において、注文端末を顧客に渡す前に、接客係の店員は、その顧客のテーブルコードと人数とをキーボードによって入力する。次に、携帯しているRFIDリーダライタを接続することによって、注文端末は「顧客モード」に移行する。尚、「店員モード」は「スタッフモード」とも呼ばれる。
【0007】
特開2011−53825号公報(特許文献3)は、低コストで容易に導入可能な客がオーダを行うための「通信装置」を開示している。この特許文献3では、店員用注文モードと客用注文モードとの間でのハンディターミナルのアプリケーションの切り替えを、予め設定されたいずれかの切替えボタンを押す等の操作ボタンユニットを操作することにより、行っている。尚、店員用注文モードおよび客用注文モードは、それぞれ、スタッフモードおよび顧客モードに対応する。
【0008】
更に、特開2007−141120号公報(特許文献4)は、注文担当店員が注文情報を入力するための店員用入力画面と顧客が注文情報を入力するための客用入力画面とを選択的にタッチパネル付き表示器に表示し、タッチパネル付き表示器のタッチ操作により注文情報の入力を受けるようにしたハンディターミナルを開示している。この特許文献4では、ハンディターミナルをクレードルへセットしたり、切替キーを押下したり、スイッチをオン/オフすることにより、入力画面を店員用入力画面から客用入力画面に切り替えるようにしている。尚、店員用入力画面および客用入力画面は、それぞれ、スタッフモードおよび顧客モードに対応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−13254号公報
【特許文献2】特開2009−42871号公報
【特許文献3】特開2011−53825号公報(段落[0029])
【特許文献4】特開2007−141120号公報(図7、段落[0034]〜[0038])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した特許文献1〜4には、次に述べるような問題点がある。
【0011】
特許文献1に開示された注文管理システムでは、ハンディターミナルを使用して入店処理を行っているので、ハンディターミナルの台数を減少させることができない。また、特許文献1に開示された客用注文端末(セルフ端末)は、専ら顧客が自らオーダを行うための機能しか有していないので、セルフ端末を使用して、来店客に関する情報を入力することができない。
【0012】
特許文献2では、店員用注文端末(ハンディターミナル)を顧客用注文端末(セルフ端末)として使用するために、RFIDリーダライタを接続する必要がある。換言すれば、特許文献2では、注文入力モードを「スタッフモード」から「顧客モード」へ切り替えるために、RFIDリーダライタを注文端末に接続する必要がある。
【0013】
特許文献3でも、注文入力モードを「スタッフモード」から「顧客モード」へ切り替えるために、切替えボタンが必要である。特許文献4においても、注文入力モードを「スタッフモード」から「顧客モード」へ切り替えるために、クレードルや、切替キー、スイッチなどのハードウェア(部品)を必要とする。
【0014】
すなわち、特許文献2〜4のいずれにおいても、「スタッフモード」から「顧客モード」へ切り替えるために、何らかの専用のハードウェア〔部品〕を必要とする。
【0015】
したがって、本発明の課題は、専用のハードウェア(部品)を使用することなく、「スタッフモード」から「顧客モード」への切り替えを行う、注文端末およびそれを使用したオーダエントリシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による注文端末は、オーダエントリシステムにおいて顧客の注文を入力する注文端末であって、注文端末は、入力モードとして、店員が操作するスタッフモードと顧客が操作する顧客モードとのいずれかで動作し、スタッフモードで顧客の初期情報を入力すると、入力モードがスタッフモードから顧客モードに移行して注文入力が可能となることを特徴とする。
【0017】
本発明によるオーダエントリシステムは、上記注文端末と、顧客の注文情報を受信して管理する管理端末と、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、オーダエントリシステムで使用される注文端末において、専用のハードウェア(部品)を使用することなく、「スタッフモード」から「顧客モード」への切り替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態に係るオーダエントリシステムを示すブロック図である。
【図2】図1に示したオーダエントリシステムの、セルフ端末、管理端末、およびPOS端末の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図3】図1に示したオーダエントリシステムに使用されるセルフ端末のタッチパネル付き表示器に表示される空卓番の表示例を示す図である。
【図4】図1に示したオーダエントリシステムに使用されるセルフ端末のタッチパネル付き表示器に表示される、顧客の初期情報を入力するための画面例を示す図である。
【図5】図1に示したオーダエントリシステムに使用されるセルフ端末のタッチパネル付き表示器に表示される、飲食モードを選択するための画面例を示す図である。
【図6】図1に示したオーダエントリシステムに使用される管理端末に格納されているメニューマスタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1を参照して、本発明の一実施の形態に係るオーダエントリシステム10について説明する。
【0022】
図示のオーダエントリシステム10は、飲食店等の店舗で使用されるオーダエントリシステムである。オーダエントリシステム10は、店員によって操作され、顧客の注文を入力する複数台のハンディターミナル11と、厨房に設置され、顧客の注文情報を出力するキッチンプリンタ12と、顧客の注文の会計処理を行うPOS(Point of Sales)端末13と、顧客の注文を管理し、顧客の注文情報をキッチンプリンタ12やPOS端末13に送信する管理端末14と、顧客が自ら注文を行うことができる複数台のセルフ端末15と、を備えている。
【0023】
本実施の形態では、ハンディターミナル11で従来行っていた顧客管理上の一部の操作をセルフ端末15で行うようにしている。従って、ハンディターミナル11の台数を削減することができる。
【0024】
セルフ端末15は、基本的に顧客自身が操作するための注文端末であるため、会計情報の管理などの操作は、ハンディターミナル11やPOS端末13を使用して行う必要がある。具体的には、注文の取消し操作や座席の移動などの操作は、ハンディターミナル11やPOS端末13を使用して行う。
【0025】
セルフ端末15は、「スタッフモード」と「顧客モード」とを切り替えて使用することが可能な、注文端末である。スタッフモードとは、店員が操作するモードであり、顧客モードとは、顧客が操作するモードである。セルフ端末15は、タッチパネル付き表示器(図示せず)を備える。タッチパネル付き表示器は、セルフ画面とも呼ばれる。スタッフモードでは、タッチパネル付き表示器(セルフ画面)は、店員が顧客の初期情報(後述する)を入力するための店員用入力画面となる。一方、顧客モードでは、タッチパネル付き表示器(セルフ画面)は、顧客が注文情報を入力するための客用入力画面となる。
【0026】
POS端末13、管理端末14、及びキッチンプリンタ12は、有線通信で互いに接続される。一方、ハンディターミナル11およびセルフ端末15は、無線基地局16を介して、システムに接続される。
【0027】
尚、キッチンプリンタ12の代わりに、顧客の注文情報を表示するキッチンディスプレイを使用してもよい。また、POS端末13が管理端末14の機能を備えている場合、管理端末14がなくてもよい。
【0028】
セルフ端末15は、スタッフモードで店員によって顧客の初期情報が入力されると、自動的にスタッフモードから顧客モードに移行する。この顧客モードとなった後、セルフ端末15は、顧客によって注文を入力することが可能となる。
【0029】
次に、図2を参照して、セルフ端末15、管理端末14、およびPOS端末13の動作について説明する。
【0030】
顧客が来店すると、受付にて店員が顧客を客席まで案内する。そのときに、店員は、セルフ端末15を受付から持ち出して、顧客を客席まで案内する。そして、セルフ端末15の電源がONされると(ステップS101)、セルフ端末15は管理端末14に接続される(ステップS102)。管理端末14は、セルフ端末15の端末情報をセルフ端末15へ送信する(ステップS201)。これにより、セルフ端末15は、自身の端末情報を取得する。
【0031】
管理端末14には、端末番号毎にIP番号、通常据置モードとスタッフモードのいずれで立ち上がるかの情報、通常据置モードで立ち上がる場合の卓番等を設定した端末情報が記憶されている。
【0032】
当該セルフ端末15が端末モードとして通常据置モードで立ち上がるように設定されているとする(ステップS103の「通常据置モード」)。この場合、セルフ端末15を設定されている卓番で起動し(ステップS104)、セルフ端末15はセルフ端末として使用される。この場合は、従来通り、顧客の初期情報は、店員のハンディターミナル11によって入力される。その後、顧客がセルフ端末15を使用して注文をすることが可能となる。
【0033】
当該セルフ端末15がスタッフモードで立ち上がるように設定されているとする(ステップS103の「スタッフモード」)。この場合、セルフ端末15は、図3に示されるように、タッチパネル付き表示器に空卓番を表示する(ステップS105)。すなわち、当該セルフ端末15以外の他のセルフ端末の端末番号と紐付けられていない卓番号が、タッチパネル付き表示器に表示される。
【0034】
管理端末14は、卓が空いているか、占有されているかを管理しており、それに基づいて、セルフ端末15は空いている卓番を表示する。尚、図示していないが、セルフ端末15は、空卓番の情報を、空卓番を表示する前に管理端末14から取得する。
【0035】
また、店員のみがスタッフモードで入力可能となるように、空卓番をタッチパネル付き表示器に表示する前に、店員のみが知る暗証番号もしくはパスワードを入力する画面をタッチパネル付き表示器に表示し、正しい暗証番号もしくはパスワードが入力されたことが確認された後に、空卓番をタッチパネル付き表示器に表示するようにしてもよい。
【0036】
店員がいずれかを押下して卓番を選択する(ステップS106)。図3に示す例では、店員が「16」の卓番を選択している。この選択された卓番は、管理端末14へ送られる。管理端末14は、卓番をチェックする(ステップS202)。先に他のセルフ端末で卓番が選択された場合、NGとなり、当該セルフ端末15のタッチパネル付き表示器にエラーが表示され(ステップS107)、空卓番の表示に戻る。
【0037】
一方、卓番チェックがOKの場合(ステップS202のOK)、管理端末14は卓設定処理を行い(ステップS203)、端末番号と卓番とを紐付ける。
【0038】
管理端末14による卓設定処理後、当該セルフ端末15のタッチパネル付き表示器には、図4に示されるような、顧客の初期情報を入力するための画面が表示され、店員は顧客の人数等を入力する(ステップS108)。
【0039】
図4において、「人数」は顧客の総人数を入力するための欄であり、「未成年」は顧客中の未成年者の人数を入力するための欄であり、「席料」は子供を除く大人の人数(大人のみ席料が発生する)を入力するための欄であり、「お通し」は酒類を注文する予定の人数(お通しは酒類を注文する人のみに出す)を入力するための欄であり、「ドライバー」は未成年者を除いた後の顧客中のドライバーの人数を入力するための欄である。
【0040】
ここで、図4はあくまでも顧客の初期情報を入力するための画面の一例である。したがって、顧客の初期情報は、店舗の形態などによって適宜選定される情報である。尚、本明細書中において、「顧客の初期情報」とは、卓番を含み、従来、顧客がセルフ端末で注文を行えるようになるまでに、店員によってハンディターミナル11を使用して入力されていた、店員によって入力されるべき情報である。
【0041】
上記顧客の人数等の入力後、当該セルフ端末15のタッチパネル付き表示器には、図5に示されるような、飲食モードを選択するための画面が表示され、いずれかの飲食モードを押下する(ステップS109)。
【0042】
図5は、飲食モードとして、「通常モード」と「飲み放題モード」を選択可能な例を示している。デフォルト(初期設定)では、「通常モード」が選択されている。ここで、「通常モード」とは、注文できるメニューに制限がないモードである。「飲み放題モード」とは、注文できる飲み物のメニューに制限があるモードである。「飲み放題モード」が選択された場合、当該セルフ端末15のタッチパネル付き表示器に注文できる飲み物のメニューのみを表示する等によって、注文できる飲み物を制限する。「通常モード」と「飲み放題モード」のいずれかが選択されたかの情報も、顧客の初期情報である。
【0043】
なお、図5には図示されていないが、飲食モードとして「食べ放題モード」を選択するようにすることもできる。「食べ放題モード」は、注文できる食べ物のメニューに制限があるモードである。「食べ放題モード」が選択された場合、当該セルフ端末15のタッチパネル付き表示器に注文できる食べ物のメニューのみを表示する等によって、注文できる食べ物を制限する。「飲み放題モード」と「食べ放題モード」とを、「放題モード」と総称する。
【0044】
飲食モードの入力後、入力された情報が顧客の初期情報として管理端末14へ送信される。換言すれば、管理端末14は、顧客の初期情報を受信する(ステップS204)。入力すべき情報が入力されていない等の異常がなければ、管理端末14は、新規顧客による新規オーダとして受け付け、記憶する(ステップS205のOK)。
【0045】
管理端末14によって新規顧客による新規オーダとして受け付けられると、当該セルフ端末15は、入力モードを「スタッフモード」から自動的に「顧客モード」に移行し(ステップS110)、当該セルフ端末15を使用した顧客による注文が可能となる(ステップS111)。
【0046】
なお、図2中では、セルフ端末15で注文を行い、注文情報が1回のみ記載されているが、顧客による注文が複数回あれば、これが複数回繰り返される。顧客の注文は、卓番に紐付けられて管理される。
【0047】
管理端末14は、注文情報を記憶する(ステップS206)。
【0048】
セルフ端末15若しくはハンディターミナル11により会計が指示されると、POS端末13で会計処理が行われる(ステップS301)。
【0049】
会計処理が終わると、セルフ端末15は、端末モードの判定を行う(ステップS112)。端末モードが「通常据置モード」である場合(ステップS112の「通常据置モード」)、セルフ端末15を設定されている卓番で起動する(ステップS104)。端末モードが「スタッフモード」である場合(ステップS112の「スタッフモード」)、セルフ端末15は、管理端末14へ卓番開放要求を送信する(ステップS113)。この卓番開放要求に応答して、管理端末14は、卓番と端末番号の紐付け開放処理を行う(ステップS207)。
【0050】
管理端末14での紐付け開放処理後、セルフ端末15は、スタッフモードで起動する(ステップS114)。
【0051】
このように、セルフ端末15は、顧客自身で注文商品を入力できる注文端末である。顧客として未成年者やドライバーが入店した場合、彼/彼女らへ誤って酒類の提供を行ってしまうケースがある。
【0052】
従来のオーダエントリシステムでは、店員が注文の都度座席へ赴き、会話をしながら注文を受け付けていたため、そのようなケースを見逃すことは少なかった。
【0053】
しかしながら、セルフ端末15を導入したオーダエントリシステムにおいては、店員が注文商品を単に座席へ運ぶだけとなってしまうために、そのようなケースを見逃すケースが増えてしまう。
【0054】
店舗でも啓発活動などを行っているが、提供の都度、店員が顧客に対して「未成年者か、ドライバーではないか」と聞くことは、提供時間の問題や、店員の数の問題でも難しい。
【0055】
そこで、本実施の形態に係るオーダエントリシステム10では、顧客の入店時に未成年者の人数やドライバーの人数を予め確認して、店員がセルフ端末15で未成年者の人数やドライバーの人数を入力するようにしている(図2のステップS108および図4参照)。
【0056】
セルフ端末15を顧客モードへ移行させるための入力事項として、人数を1回だけ入力するため、店員も顧客に確認し易くなり、座席への商品の提供の都度、人数を確認するなどの不快感もない。これにより、サービス提供に関して、法令順守、人命尊重などの企業価値を高めることができる。
【0057】
具体的な計算式は、次の通りである。
顧客の人数>(未成年者の人数+ドライバーの人数)の場合は、提供制限なし、
顧客の人数=(未成年者の人数+ドライバーの人数)の場合は、提供制限あり。
【0058】
図6は、管理端末14に格納されているメニューマスタを示す図である。図6(a)は、食べ物類のメニューを示し、図6(b)は、飲み物類のメニューを示し、図6(c)は、食べ放題の対象(「食べ放題モード」で注文可能)となるメニューを示し、図6(d)は、飲み放題の対象(「飲み放題モード」で注文可能)となるメニューを示す。「食べ放題モード」や「飲み放題モード」が選択された場合、対象メニューではない他のメニューは表示しない等によって、対象メニューのみ注文可能とする。
【0059】
図6(b)の飲み物類のメニューには、酒類制限フラグ欄がある。顧客の人数=(未成年者の人数+ドライバーの人数)の場合に、この酒類制限フラグ欄にフラグを立てて、制限される飲み物(アルコールを含む飲み物)を判別する。すなわち、酒類制限フラグ欄にフラグがたっているメニューを、セルフ端末15のタッチパネル付き表示器の注文画面に表示しない等によって、注文できる飲み物類のメニューを制限する。
【0060】
上述した様に、店員によって「顧客の初期情報」が入力されていないと、セルフ端末は「顧客モード」に移行せず、顧客はセルフ端末で注文を行うことができない。「顧客の初期情報」が入力されていないと、セルフ端末の入力モードを「顧客モード」に移行させないようにしたのは、以下のような理由による。
【0061】
1)会計上必要な「席料」や「お通し」の情報が入力されていないと、会計ができず、情報入力のために顧客を待たせてしまうというトラブルが生じる。
【0062】
2)「通常モード」と「放題モード」のいずれを選択するかの情報が入力されていないと、顧客が放題メニューのつもりで通常メニューを注文し、会計時値段の相違が判明してトラブルとなる。
【0063】
3)「顧客の人数」、「未成年者の人数」、「ドライバーの人数」の情報が入力されていないと、提供すべきではない商品を提供してしまうという恐れがある。
【0064】
以上説明した本発明の実施の形態においては、以下に記載するような効果を奏する。
【0065】
第1の効果は、本実施の形態による注文端末15では、入力モードを切り替えるための専用のハードウェア(部品)を必要としないことである。その理由は、スタッフモードで店員が顧客の初期情報を入力すると、入力モードが自動的にスタッフモードから顧客モードに移行するからである。
【0066】
第2の効果は、ハンディターミナル11の台数を少なくすることができることである。その理由は、店員が顧客の初期情報を入力するためのハンディターミナルが不要となるからである。
【0067】
第3の効果は、会計時のトラブルを回避できることである。その理由は、顧客がセルフ端末15を使用して注文を開始する際には、会計上必要となる顧客の初期情報が入力された後、顧客モードに移行するからである。
【0068】
第4の効果は、顧客の注文に関するトラブルを回避できることである。その理由は、顧客の初期情報として、「通常モード」と「放題モード」のいずれを選択するかを入力しているからである。
【0069】
第5の効果は、商品の提供不可を判断することができ、提供すべきではない商品の提供を防ぐことができることである。その理由は、顧客の初期情報として、顧客の人数を客層(未成年者、ドライバー等)別に分けて入力しているからである。
【0070】
尚、セルフ端末(注文端末)15は、コンピュータによって実現され得る。コンピュータは、周知のように、中央処理装置(CPU)と、データを格納する記憶装置(RAM)と、プログラムを格納するプログラム用メモリ(ROM)と、を備えている。セルフ端末(注文端末)15用のコンピュータは、データを入力したり、データを出力(表示)するためのタッチパネル付き表示器などの入出力装置と、無線基地局16との間で無線通信するための無線通信装置と、を更に備えている。そして、プログラム用メモリ(ROM)に格納されたプログラムを読み出すことにより、CPUは、図2のシーケンス図に示されるような機能を実現する。
【0071】
上記の実施形態では、顧客の初期情報として卓番を入力していたが、セルフ端末(注文端末)と卓番を予め対応付けておき、卓番入力をしないようにしてもよい。この場合、セルフ端末は、予め対応付けられた卓番に固定されており、卓番入力とそれに伴うセルフ端末及び管理端末の処理は不要となる。
【0072】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細は、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0073】
例えば、上記実施の形態によるオーダエントリシステム10では、顧客の総人数、未成年者の人数、及びドライバーの人数を、店員がスタッフモードでセルフ端末15を使用して入力した例を挙げて説明しているが、それらの人数を、セルフ端末15からではなく、従来通り、店員がハンディターミナル11から入力するようにしてもよい。また、セルフ端末15を備えず、ハンディターミナル11のみを備えるオーダエントリシステムで、同様に、従来通り、店員がハンディターミナル11から入力するようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施の形態によるオーダエントリシステム10では、先に顧客中の未成年者の人数を入力し、その後で、未成年者の除いた後の顧客中のドライバーの人数を入力する場合を例に挙げて説明しているが、先に顧客中のドライバーの人数を入力し、その後で、ドライバーを除いた後の顧客中の未成年者の人数を入力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10 オーダエントリシステム
11 ハンディターミナル
12 キッチンプリンタ
13 POS端末
15 セルフ端末(注文端末)
16 無線基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーダエントリシステムにおいて顧客の注文を入力する注文端末であって、
前記注文端末は、入力モードとして、店員が操作するスタッフモードと前記顧客が操作する顧客モードとのいずれかで動作し、
前記スタッフモードで前記顧客の初期情報を入力すると、前記入力モードが前記スタッフモードから前記顧客モードに移行して注文入力が可能となることを特徴とする注文端末。
【請求項2】
前記顧客の初期情報は、少なくとも卓番を含むことを特徴とする、請求項1に記載の注文端末。
【請求項3】
前記注文端末は、飲食モードとして、「通常モード」もしくは「放題モード」を前記顧客の初期情報として選択可能で、選択に応じた画面を表示することを特徴とする、請求項1に記載の注文端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の注文端末と、
前記顧客の注文情報を受信して管理する管理端末と、
を有するオーダエントリシステム。
【請求項5】
前記顧客の初期情報として、1組の顧客の総人数、当該顧客中の未成年者の人数、及び当該顧客中のドライバーの人数を入力し、
前記1組の顧客の総人数が、前記顧客中の未成年者の人数と前記顧客中のドライバーの人数とを合わせた人数に等しければ、前記注文端末の画面に表示するメニューを制限する、
請求項4に記載のオーダエントリシステム。
【請求項6】
入力モードとして、店員が操作するスタッフモードと前記顧客が操作する顧客モードとのいずれかで動作する、オーダエントリシステム用注文端末の前記入力モードを切り替える方法であって、
前記スタッフモードで前記顧客の初期情報が入力されると、前記入力モードを前記スタッフモードから前記顧客モードに切り替えて注文入力が可能となることを特徴とする入力モード切替方法。
【請求項7】
前記顧客の初期情報は、少なくとも卓番を含むことを特徴とする、請求項6に記載の入力モード切替方法。
【請求項8】
入力モードとして、店員が操作するスタッフモードと前記顧客が操作する顧客モードとのいずれかで動作する、オーダエントリシステム用注文端末に、前記入力モードを切り替えさせるプログラムであって、前記注文端末に、
前記スタッフモードで前記顧客の初期情報が入力されると、前記入力モードを前記スタッフモードから前記顧客モードに切り替えて注文入力が可能となる機能を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
前記顧客の初期情報は、少なくとも卓番を含むことを特徴とする、請求項8に記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate