説明

オーディオデータ処理装置、オーディオデータ処理方法、プログラム、及びオーディオデータ再生システム

【課題】外部機器の音量補正機能の有無に応じて適切なデータを出力することが可能なオーディオデータ処理装置を提供すること。
【解決手段】外部から音声データを抽出する抽出部と、抽出部にて抽出した音声データの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出部と、検出結果を対応する音声データと関連付けてデータベース化するデータベース生成部と、抽出した音声データとデータベースを記録する不揮発性の記録部と、検出結果により対応する音声データの音量を補正して再生する再生部と、音声データの再生機能を有する携帯型の音声データ再生装置を接続するための接続部と、接続部に接続された携帯型の音声データ再生装置が再生レベルの補正機能を有している場合に検出結果と当該検出結果に対応する音声データとを共に携帯型の音声データ再生装置に出力する出力部とを有する音声データ処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオデータ処理装置、オーディオデータ処理方法、プログラム、及びオーディオデータ再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音楽においては、コンパクトディスク等によりユーザーに提供されるようになされており、ユーザーにおいては、オーディオ機器を操作して所望の音量により試聴するようになされている。
【0003】
また近年、パーソナルコンピュータにおいては、このようなコンパクトディスク等により提供される音楽のファイル(以下、音楽ファイルと呼ぶ)を大量に蓄積し、自動的に又は所望する順序により再生するアプリケーションプログラムが提供されるようになされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこのようなコンパクトディスク等により提供される音楽においては、録音レベルが大きく異なる場合がある。特に、レコードにより以前提供された音楽をコンパクトディスクに焼き直して提供する場合等にあっては、近年のコンパクトディスクにより提供される音楽に比して、録音レベルが小さい特徴がある。なお、このような録音レベルの小さな音楽にあっては、記録媒体等による伝送路のダイナミックレンジを有効に利用していないものである。
【0005】
このような音楽を試聴する場合に、コンパクトディスク等の記録媒体を単位にして再生する場合等にあっては、先頭の音楽を再生する時点で音量を調整して、このコンパクトディスクに記録された音楽をほぼ適切な音量により試聴することができる。またFM放送等により試聴する場合には、放送局側でレベル調整することにより、何ら音量を調整することなく試聴することができる。
【0006】
しかしながら種々の記録媒体より音楽ファイルをダウンロードしてパーソナルコンピュータに多量に蓄積し、この蓄積した多量の音楽ファイルを自動的に再生する場合等にあっては、種々の録音レベルの音楽が再生されることにより、このような音量調整が極めて煩雑になる問題がある。なおこのような音量の調整を省略した場合には、音量の小さい音楽が聞きづらくなる。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、煩雑な操作を有効に回避して、録音レベルの異なる音楽ファイルを適切な音量により再生することができるオーディオデータ処理装置、オーディオデータ処理方法、プログラム、及びオーディオデータ再生システムを提案しようとするものである。特に、外部接続機器における音量調整機能の有無に応じて提供するオーディオデータの音量調整を行ったり、録音レベルの情報を提供することで、外部接続機器において適切な音量で音楽ファイルを再生することができるようにする技術に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、外部からオーディオデータを抽出する抽出手段と、前記抽出手段にて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出手段と、前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成手段と、前記抽出したオーディオデータと前記データベースを記録する不揮発性の記録手段と、前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生手段と、オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段と、前記接続手段に接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有している場合に、前記検出結果と当該検出結果に対応するオーディオデータとを共に前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力手段と、を有する、オーディオデータ処理装置が提供される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、外部からオーディオデータを抽出する抽出手段と、前記抽出手段にて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出手段と、前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成手段と、前記抽出したオーディオデータと前記データベースを記録する不揮発性の記録手段と、前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生手段と、オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段と、前記接続手段に接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有していない場合に、前記検出結果に基づいて当該検出結果に対応するオーディオデータの音量を補正して前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力手段と、を有する、オーディオデータ処理装置が提供される。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、外部からオーディオデータを抽出する抽出手段と、前記抽出手段にて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出手段と、前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けて記録する不揮発性の記録手段と、前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生手段と、オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段と、前記携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有しているか否かを判断する判断手段と、を有する、オーディオデータ処理装置が提供される。
【0011】
また、前記録音レベルは、前記オーディオデータの最大振幅値であってもよい。
【0012】
また、上記のオーディオデータ処理装置は、オーディオデータの音量を補正する旨の指示を外部から受け付ける受付手段をさらに有していてもよい。この場合、前記再生手段は、前記受付手段により受け付けた補正の指示に基づいてオーディオデータの音量を補正して再生する。
【0013】
また、前記再生手段は、外部から指示された再生リストの順序により、又はランダムに、前記オーディオデータを再生するように構成されていてもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、入力されたオーディオデータの録音レベルを検出するレベル検出手段と、オーディオデータ再生装置に外部接続するための外部接続手段と、前記外部接続手段を介して外部接続されたオーディオデータ再生装置にオーディオデータを出力する際、当該オーディオデータ再生装置が前記レベル検出手段で検出された録音レベルに基づくオーディオデータの音量補正機能を有している場合には前記レベル検出手段で検出された録音レベルの情報を共に出力し、当該音量補正機能を有していない場合には当該オーディオデータを単独で出力するデータ出力手段と、を備える、オーディオデータ処理装置が提供される。
【0015】
また、上記のオーディオデータ処理装置は、前記レベル検出手段で検出された録音レベルに基づいて前記オーディオデータの音量を補正する音量補正手段をさらに備えていてもよい。この場合、前記データ出力手段は、前記外部接続手段を介して外部接続されたオーディオデータ再生装置にオーディオデータを出力する際、当該オーディオデータ再生装置が前記レベル検出手段で検出された録音レベルに基づくオーディオデータの音量補正機能を有していない場合に、前記音量補正手段により音量が補正されたオーディオデータを単独で出力する。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、外部からオーディオデータを抽出する抽出手段と、前記抽出手段にて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出手段と、前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成手段と、前記抽出したオーディオデータと前記データベースとを記録する不揮発性の記録手段と、前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生手段と、オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段と、前記携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有している場合に、前記検出結果を、対応するオーディオデータと共に、前記オーディオデータ再生装置に出力する出力手段と、を有する、オーディオデータ処理装置と、前記オーディオデータ処理装置が有する抽出手段にて抽出したオーディオデータと前記オーディオデータ処理装置が有するデータベース生成手段にて生成されたデータベースとを、前記オーディオデータ処理装置から受信する通信手段と、前記通信手段にて受信したデータベースから読み出した、前記オーディオデータに関連付けられた録音レベルに基づき、前記オーディオデータの音量を補正して再生する再生手段と、を有する、オーディオデータ再生装置と、を含む、オーディオデータ再生システムが提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、外部からオーディオデータを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出ステップと、前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成ステップと、前記抽出したオーディオデータと前記データベースを不揮発性の記録手段に記録する記録ステップと、前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生ステップと、オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段を介して接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有している場合に、前記検出結果と当該検出結果に対応するオーディオデータとを共に前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力ステップと、を含む、オーディオデータ処理方法が提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、外部からオーディオデータを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出ステップと、前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成ステップと、前記抽出したオーディオデータと前記データベースを不揮発性の記録手段に記録する記録ステップと、前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生ステップと、オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段を介して接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有していない場合に、前記検出結果に基づいて当該検出結果に対応するオーディオデータの音量を補正して前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力ステップと、を含む、オーディオデータ処理方法が提供される。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、外部からオーディオデータを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出ステップと、前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成ステップと、前記抽出したオーディオデータと前記データベースを不揮発性の記録手段に記録する記録ステップと、前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生ステップと、オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段を介して接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有している場合に、前記検出結果と当該検出結果に対応するオーディオデータとを共に前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力ステップと、をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、外部からオーディオデータを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出ステップと、前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成ステップと、前記抽出したオーディオデータと前記データベースを不揮発性の記録手段に記録する記録ステップと、前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生ステップと、オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段を介して接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有していない場合に、前記検出結果に基づいて当該検出結果に対応するオーディオデータの音量を補正して前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力ステップと、をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
【0021】
また、また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記のプログラムが記録された記録媒体が提供されうる。
【発明の効果】
【0022】
上述のように本発明によれば、音楽ファイル毎に録音レベルを検出して記録することにより、またこのようにして検出した録音レベルにより音量を補正することにより、煩雑な操作を有効に回避して、録音レベルの異なる音楽ファイルを適切な音量により再生することができる。
【発明の実施の形態】
【0023】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0024】
(1)実施の形態の構成
図2は、本発明の実施の形態に係る音楽ファイル処理システムを示すブロック図である。この音楽ファイル処理システム1においては、パーソナルコンピュータ2に音楽ファイルを蓄積し、さらにこの蓄積した音楽ファイルをパーソナルコンピュータ2により再生して試聴し、さらには外部再生機器3にダウンロードして外部再生機器3で試聴できるようになされている。
【0025】
すなわちパーソナルコンピュータ2において、CD−ROMドライブ4は、中央処理ユニット(CPU)5の制御により、コンパクトディスク等を再生して再生結果を中央処理ユニット5に出力し、また各種データをCD−R等に記録する。I/Oデバイス6は、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394等のインターフェースであり、外部再生機器3との間で各種のデータを送受する。オーディオデバイス7は、音楽ファイルの再生に供するパーソナルコンピュータ2のデバイスであり、ディジタルアナログ変換回路、増幅回路、スピーカ等により構成される。
【0026】
ハードディスク装置(HDD)8は、中央処理ユニット5のプログラム、CD−ROMドライブ4を介して得られる音楽ファイル等を保持し、また保持したデータを出力する。中央処理ユニット5は、このハードディスク装置8に記録した所定のアプリケーションプログラムの実行により、CD−ROMドライブ4等より得られる音楽ファイルをハードディスク装置8に蓄積して音楽ファイルのデータベースを構成し、さらにこのデータベースの音楽ファイルを外部再生機器3等に出力する。なおパーソナルコンピュータ2は、この図2に示したブロックに加えて、通常のパーソナルコンピュータが有しているモデム等による通信機能を有し、さらにはキーボード、マウス、表示装置等の各種インターフェースを有するようになされている。
【0027】
ここでこのアプリケーションプログラムは、このようにしてデータベースに記録された音楽ファイルを自動的に又はユーザーの設定により順次再生するプログラムである。中央処理ユニット5は、ユーザーによりこのアプリケーションプログラムの起動が指示されると、このアプリケーションプログラムのメイン画面を表示する。中央処理ユニット5は、このメイン画面において、ユーザーによりコンパクトディスクからの音楽ファイルのダウンロードが指示されると、CD−ROMドライブ4の制御により、CD−ROMドライブ4に装填されたコンパクトディスクを再生し、その結果得られる音楽ファイルをハードディスク装置8に記録してデータベースに蓄積する。このとき中央処理ユニット5は、各音楽毎に、図1の処理手順を実行し、これにより音楽ファイルを所定フォーマットによりハードディスク装置8に記録すると共に、各音楽ファイルの録音レベルを検出してデータベースに記録する。
【0028】
すなわち中央処理ユニット5は、コンパクトディスクより得られるTOCの情報に基づいて、CD−ROMドライブ4で1つの音楽ファイルの再生を開始すると、ステップSP1からステップSP2に移り、最大レベル変数Levを値0に設定し、これにより最大レベル変数Levを初期化する。ここで最大レベル変数Levは、処理対象である音楽ファイルの録音レベルを判断する変数であり、音楽ファイルの最大振幅値を示す値である。
【0029】
中央処理ユニット5は、最大レベル変数Levを初期化すると、ステップSP3に移り、入力データが得られたか否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP4に移り、CD−ROMドライブ4の出力データよりオーディオデータを抽出する。続いて中央処理ユニット5は、ステップSP5に移り、抽出したオーディオデータの振幅値Lev newを検出する。なおここで中央処理ユニット5は、このようにして得られるオーディオデータであるリニアPCMデータの信号レベルを絶対値化して振幅値Lev newを検出する。さらに続くステップSP6において、この検出した振幅値Lev newが最大レベル変数Levより大きいか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、中央処理ユニット5は、ステップSP7に移り、検出した振幅値Lev newを最大レベル変数Levにセットした後、ステップSP8に移るのに対し、否定結果が得られると、直接ステップSP8に移る。
【0030】
中央処理ユニット5は、このステップSP8において、このリニアPCMによるオーディオデータをユーザーが選択したフォーマットにより符号化処理してハードディスク装置8に記録した後、ステップSP3に戻る。なおここでこのフォーマットは、ATRAC(Adaptive transform Acoustic Coding)である。
【0031】
これにより中央処理ユニット5は、ステップSP3−SP4−SP5−SP6−SP8−SP3の処理手順、又はステップSP3−SP4−SP5−SP6−SP7−SP8−SP3の処理手順を繰り返し、処理対象の音楽ファイルについて順次最大振幅値を検出する。さらに1曲分の再生を完了すると、ステップSP3で否定結果が得られることにより、ステップSP9に移り、このようにして検出した最大振幅値をデータベースに記録した後、ステップSP10に移ってこの処理手順を終了する。
【0032】
これにより中央処理ユニット5は、いわゆるリニアPCMによるオーディオデータより録音レベルを検出してデータベースに登録するようになされている。中央処理ユニット5は、このようにして検出する録音レベルを最大レベル情報として、オーディオデータの量子化ビット数の情報(量子化ビット数情報)と共にデータベースに記録する。
【0033】
これによりパーソナルコンピュータ2は、この一連の処理において、図3に示す機能ブロックを構成するようになされている。なおこの図3に示す機能ブロックにおいて、オーディオ信号抽出回路11は、CD−ROMドライブ4の出力データよりオーディオデータを抽出する機能ブロックであり、最大レベル検出回路12は、このオーディオデータより最大振幅値を検出する機能ブロックである。
【0034】
また符号化回路13は、このオーディオデータをATRACにより符号化処理してハードディスク装置8に記録する機能ブロックであり、データベース生成回路14は、最大レベル情報、量子化ビット数情報をハードディスク装置8に記録してデータベース化する機能ブロックである。
【0035】
これに対してアプリケーションプログラムのメイン画面において、ユーザーにより音楽のインポートが指示され、さらにこのインポート時にオーディオデータのフォーマット変換が不要な場合、ユーザーにより指示された音楽ファイルを単にデータベースに登録する。このとき中央処理ユニット5は、音楽毎に、図4の処理手順を実行し、これによりオーディオデータの録音レベルの情報を取得してデータベースに記録する。
【0036】
なおここでこのアプリケーションプログラムにより定義されるインポートとは、このアプリケーションプログラムにより利用可能に音楽ファイルを設定する処理であり、この実施の形態では、インターネット等よりハードディスク装置8に既に記録された音楽ファイル、外部入力端子に接続された外部機器より得られるオーディオ信号による音楽ファイルがインポートの処理対象とされる。
【0037】
従って以下の図4の処理手順の説明において、外部機器より得られるオーディオ信号については、サウンドボード等により処理されていることを前提に説明する。因みに、このサウンドボード等による処理において、リニアPCMによるオーディオ信号が得られる場合には、中央処理ユニット5は、図1及び図3について上述したと同様にして録音レベルを検出して音楽ファイルと共にデータベースに記録する。
【0038】
すなわち図4において、中央処理ユニット5は、ユーザーにより指示された音楽ファイルの処理を開始すると、ステップSP11からステップSP12に移り、最大レベル変数Levを初期化する。続いて中央処理ユニット5は、ステップSP13に移り、入力データが得られたか否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP14に移り、処理対象のオーディオデータをリニアPCMデータに復号する。
【0039】
中央処理ユニット5は、続くステップSP15において、この復号したオーディオデータの振幅値Lev newを検出する。さらに続くステップSP16において、この検出した振幅値Lev newが最大レベル変数Levより大きいか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、中央処理ユニット5は、ステップSP17に移り、検出した振幅値Lev newを最大レベル変数Levにセットした後、ステップSP13に戻るのに対し、否定結果が得られると、直接ステップSP13に戻る。
【0040】
これにより中央処理ユニット5は、ステップSP13−SP14−SP15−SP16−SP13の処理手順、又はステップSP13−SP14−SP15−SP16−SP17−SP13の処理手順を繰り返し、処理対象の音楽について順次最大振幅値を検出する。さらに1曲分の処理を完了すると、ステップSP13で否定結果が得られることにより、ステップSP18に移り、このようにして検出した最大振幅値による録音レベルをデータベースに記録した後、ステップSP19に移ってこの処理手順を終了する。
【0041】
これにより中央処理ユニット5は、ATRACによりデータ圧縮されたオーディオデータを一旦データ伸張し、録音レベルを検出してデータベースに登録するようになされている。なお中央処理ユニット5は、上述したようにサウンドボード等により音楽ファイルをインポートする場合には、この音楽ファイルを併せてハードディスク装置8に記録する。
【0042】
これによりパーソナルコンピュータ2は、この一連の処理において、図3との対比により図5に示す機能ブロックを構成するようになされている。なおこの図5に示す機能ブロックにおいて、復号化回路15は、ATRACによりデータ圧縮されたオーディオデータをデータ伸張する機能ブロックである。
【0043】
これに対してユーザーによりインポートが指示された音楽ファイルのフォーマットが、ATRACとは異なる場合、中央処理ユニット5は、音楽毎に、図6の処理手順を実行し、これにより音楽ファイルをフォーマット変換してデータベースに記録すると共に、音楽ファイルの録音レベルを検出してデータベースに記録する。なおこのようなフォーマットの音楽ファイルにおいては、MP3(MPEG1 Audio Layer III )による音楽ファイル等である。
【0044】
すなわち中央処理ユニット5は、ユーザーにより指示された音楽ファイルの処理を開始すると、ステップSP21からステップSP22に移り、最大レベル変数Levを初期化する。続いて中央処理ユニット5は、ステップSP23に移り、入力データが得られたか否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP24に移り、処理対象のオーディオデータを復号化処理する。
【0045】
中央処理ユニット5は、続くステップSP25において、この復号化したオーディオデータの振幅値Lev newを検出する。さらに続くステップSP26において、この検出した振幅値Lev newが最大レベル変数Levより大きいか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、中央処理ユニット5は、ステップSP27に移り、検出した振幅値Lev newを最大レベル変数Levにセットした後、ステップSP28に移るのに対し、否定結果が得られると、直接ステップSP28に移る。
【0046】
中央処理ユニット5は、このステップSP28において、このオーディオデータをATRACのフォーマットにより符号化処理してハードディスク装置8に記録した後、ステップSP23に戻る。
【0047】
これにより中央処理ユニット5は、ステップSP23−SP24−SP25−SP26−SP28−SP23の処理手順、又はステップSP23−SP24−SP25−SP26−SP27−SP28−SP23の処理手順を繰り返し、処理対象の音楽について振幅値を検出する。さらに1曲分の処理を完了すると、ステップSP23で否定結果が得られることにより、ステップSP29に移り、このようにして検出した最大振幅値をデータベースに記録した後、ステップSP30に移ってこの処理手順を終了する。
【0048】
これによりパーソナルコンピュータ2は、この一連の処理において、図3及び図5との対比により図7に示す機能ブロックを構成するようになされている。なおこの図7に示す機能ブロックにおいて、符号化回路21は、リニアPCMによるオーディオデータをATRACによりデータ圧縮する機能ブロックである。
【0049】
これらによりこの実施の形態においては、各音楽ファイルの録音レベルの情報を量子化ビット数の情報と共にデータベース化して保持するようになされている。
【0050】
これに対してアプリケーションプログラムのメイン画面において、ユーザーにより音楽の再生が指示されると、中央処理ユニット5は、ユーザーにより指示された再生のリストの順序により、又はランダムに、この再生リストに記録された音楽ファイルを再生する。この処理において、中央処理ユニット5は、ユーザーにより音量の補正が指示されない場合には、ハードディスク装置8に記録された音楽ファイルの音量を何ら補正することなく再生するように全体の動作を制御する。
【0051】
これに対して、ユーザーにより音量の自動補正が指示されると、中央処理ユニット5は、音楽ファイル毎に、図8に示す処理手順を実行し、これにより録音レベルの検出結果に基づいて、各音楽ファイルの音量を自動調整して再生する。
【0052】
すなわち中央処理ユニット5は、音楽ファイルの再生を開始すると、ステップSP31からステップSP32に移り、補正倍率を計算する。ここで補正倍率は、音楽ファイルの最大振幅が量子化ビット数に対応するように、すなわち各音楽ファイルをほぼ同一の音量で試聴できるように、さらに各音楽ファイルでダイナミックレンジを十分に使用できるように、データベースに記録されてなる最大レベル情報と量子化ビット数情報とにより計算される。
【0053】
このようにして再生対象の音楽ファイルについて補正倍率を算出すると、中央処理ユニット5は、ステップSP33に移り、復号すべきデータの有無を判定し、肯定結果が得られると、ステップSP34に移る。ここで中央処理ユニット5は、再生対象の音楽ファイルを所定データ量だけ復号してリニアPCMによるオーディオデータを生成した後、ステップSP35に移り、このデータを補正倍率で乗算して音楽ファイルの音量を補正する。さらに続くステップSP36において、この音量を補正してなるオーディオデータをオーディオデバイス7に出力した後、ステップSP33に戻る。
【0054】
これにより中央処理ユニット5は、ステップSP33−SP34−SP35−SP36−SP33の処理手順を繰り返し、1曲分の再生を完了すると、ステップSP37に移ってこの処理手順を終了する。
【0055】
これにより中央処理ユニット5は、データベースへの記録時等に検出した録音レベルの検出結果に基づいて、ダイナミックレンジを十分に使用してほぼ一定の音量により音楽ファイルを再生できるように、音楽ファイルの音量を補正して再生するようになされている。
【0056】
これによりこの場合、パーソナルコンピュータ2は、図9に示す機能ブロックを構成するようになされている。なおここで復号化回路31は、ATRACによる音楽ファイルをデータ伸張してリニアPCMによるオーディオデータを出力する機能ブロックであり、補正倍率算出回路32は、補正倍率を計算する機能ブロックである。またレベル補正回路33は、補正倍率でリニアPCMによるオーディオデータを乗算して音量を補正する機能ブロックであり、スイッチ回路36は、このレベル補正回路33の動作をオンオフ制御する機能ブロックである。
【0057】
これに対して音楽ファイルを再生する携帯型の再生装置である外部再生機器3が装着され、この外部再生機器3への音楽ファイルのダウンロードがユーザーにより指示された場合、中央処理ユニット5は、音楽ファイル毎に、図10に示す処理手順を実行することにより、各音楽ファイルの音量を補正してダウンロードする。
【0058】
すなわち中央処理ユニット5は、ステップSP41からステップSP42に移り、ここで図8について上述したと同様にして音量の補正倍率を計算する。さらに続いて中央処理ユニット5は、ステップSP43に移り、この外部再生機器3がレベル補正機能を有しているか否か判断する。ここでレベル補正機能は、補正倍率によりリニアPCMによるオーディオデータを乗算して音量を補正する機能である。
【0059】
ここで肯定結果が得られると、中央処理ユニット5は、ステップSP43からステップSP44に移り、ステップSP42で計算した補正倍率の情報を音楽ファイルに付随する情報(サイド情報)として外部再生機器3に出力した後、ステップSP45に移り、この補正倍率に対応する音楽ファイルを外部再生機器3にダウンロードし、ステップSP46に移ってこの処理手順を終了する。
【0060】
これによりこの場合、パーソナルコンピュータ2は、図9との対比により図11に示すように機能ブロックを構成するようになされている。かくするにつき、この場合、外部再生機器3においては、このようにして音楽ファイルと共にダウンロードした補正倍率により、音楽ファイルを復号化して得られるリニアPCMによるオーディオデータを乗算して音量を補正した後、ディジタルアナログ変換処理してスピーカ又はイヤホーンを駆動するようになされている。
【0061】
これに対してステップSP43で否定結果が得られると、中央処理ユニット5は、ステップSP43からステップSP47に移り、復号化すべきデータが存在するか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、中央処理ユニット5は、ステップSP48に移り、音楽ファイルを所定データ量だけ復号してリニアPCMによるオーディオデータを生成し、続くステップSP49において、このオーディオデータを補正倍率により乗算して音量を補正する。さらに続くステップSP50において、このオーディオデータをATRACのフォーマットにより符号化処理した後、ステップSP51において、外部再生機器3に転送してステップSP47に戻る。
【0062】
これにより中央処理ユニット5は、ステップSP47−SP48−SP49−SP50−SP51−SP47の処理手順を繰り返し、1曲分の処理を完了すると、ステップSP47で肯定で結果が得られることにより、ステップSP47からステップSP46に移り、この処理手順を終了するようになされている。
【0063】
これにより中央処理ユニット5は、外部機器がレベル補正機能を有していない場合、ダイナミックレンジを十分に利用して、各音楽ファイルをほぼ同一の音量により試聴できるように音量を補正して、音楽ファイルを外部再生機器3に出力するようになされている。
【0064】
これによりパーソナルコンピュータ2では、この場合、図9、図11との対比により図12に示す機能ブロックを構成するようになされている。なおここで復号化回路31は、ATRACによりデータ圧縮された音楽ファイルをデータ伸張してリニアPCMによるオーディオデータを出力する機能ブロックであり、符号化回路34は、リニアPCMによるオーディオデータをATRACによりデータ圧縮する機能ブロックである。
【0065】
これに対してCD−Rに対する音量を補正した音楽ファイルのダウンロードが指示された場合、中央処理ユニット5は、レベル補正機能を有していない外部機器に音楽ファイルをダウンロードする場合と同様に、ATRACにより音楽ファイルを復号化してリニアPCMによるオーディオデータを生成し、このオーディオデータを補正倍率により乗算して音量を補正する。さらにこの音量を補正したオーディオデータをCD−ROMドライブ4に出力して音楽ファイルをCD−Rに記録する。
【0066】
これに対して音量の補正が指示されないで、CD−Rに対する音楽ファイルのダウンロードが指示された場合、中央処理ユニット5は、レベル補正機能を有している外部機器に音楽ファイルをダウンロードする場合と同様に、ATRACにより音楽ファイルを復号化してリニアPCMによるオーディオデータを生成し、このオーディオデータを補正倍率の情報と共にCD−Rに記録する。
【0067】
これに対してユーザーにより音楽ファイルのフォーマット変換が指示された場合に、音量の補正が指示されると、中央処理ユニット5は、レベル補正機能を有していない外部機器に音楽ファイルをダウンロードする場合と同様に、ATRACによる音楽ファイルを復号化してリニアPCMによるオーディオデータを生成し、このオーディオデータを補正倍率により乗算して音量を補正する。さらにこの音量を補正したオーディオデータをユーザーにより指定されたフォーマットに変換して音楽ファイルを生成するようになされている。
【0068】
(1−2)実施の形態の動作
以上の構成において、この音楽ファイル処理システム1では、コンパクトディスクにより提供される音楽ファイル、インターネットによりダウンロードした音楽ファイルをハードディスク装置8に記録し、この音楽ファイルをユーザーの指示により順次再生してスピーカ等より出力し、又は外部再生機器3にこの音楽ファイルをダウンロードする。
【0069】
この音楽ファイル処理システム1においては、この一連の処理を実行するアプリケーションプログラムにおいて、音楽ファイルを利用可能に取り込む際に、リニアPCMによるオーディオデータの状態で、最大振幅値が音楽ファイル毎に検出され、この最大振幅値が録音レベルの判断基準としてハードディスク装置8に記録されてデータベース化される。また同時に、量子化ビット数がハードディスク装置8に記録される。また音楽ファイルにおいて、リニアPCMによるオーディオデータについては、所定フォーマットによりデータ圧縮されてハードディスク装置8に記録される。また異なるフォーマットによりデータ圧縮されてなる音楽ファイルについては、一旦、リニアPCMによるオーディオデータに変換されて、所定フォーマットによりデータ圧縮されてハードディスク装置8に記録される。
【0070】
このようにして取り込んだ音楽ファイルをパーソナルコンピュータ2で再生して試聴する場合、ユーザーにより音量の補正が指示されると、このようにして検出した録音レベル及び量子化ビット数に応じて、ダイナミックレンジを十分に利用して、各音楽ファイル間でほぼ同一の音量により再生できるように、補正倍率が計算され、この補正倍率によりリニアPCMによるオーディオデータが乗算されて音量が補正され、このリニアPCMによるオーディオデータがディジタルアナログ変換処理されてユーザーに提供される。
【0071】
これによりユーザーにおいては、録音レベルが種々に異なる音楽ファイルを再生する場合でも、煩雑な音量の操作を実行することなく、ほぼ一定の音量により音楽ファイルを試聴することができ、従来に比して格段的に使い勝手を向上することができる。また十分にダイナミックレンジを利用して音楽ファイルを再生できることにより、ディジタルアナログ変換回路、増幅回路等の再生系における音質の劣化等を有効に回避することもできる。
【0072】
またこのように録音レベルの判断基準をデータベース化することにより、所望する音楽ファイルについて、判断基準を短時間で迅速に検出して対応する処理を実行することができる。
【0073】
また音楽ファイルについては、音量を何ら操作することなく、ハードディスク装置8に記録して保持し、再生時、音量を補正することにより、いわゆるオリジナルの状態で音楽ファイルを保存することができ、これによりいわゆるオリジナルの録音レベルにより再生する等の、ユーザーの嗜好に対応して音楽ファイルを再生することができる。
【0074】
すなわちこのような音楽ファイルである音楽の作品においては、意図的に、録音レベルを小さく設定した場合も考えられる。これによりこの音楽ファイル処理システム1においては、ユーザーによりこのような音量の補正が指示されないで、パーソナルコンピュータ2による再生が指示された場合、何ら音量を補正することなく、音楽ファイルをデータ伸張して得られるリニアPCMによるオーディオデータをディジタルアナログ変換処理してスピーカ等より再生され、これによりオリジナルの雰囲気をそのまま維持して各種音楽作品をユーザーに提供することができる。
【0075】
これに対して外部再生機器3に音楽ファイルをダウンロードする場合にあって、この外部再生機器3が音量の補正機能を有している場合、この音楽ファイル処理システム1においては、音楽ファイルと、対応する補正倍率の情報とが外部再生機器3にダウンロードされる。またこのようにしてダウンロードした音楽ファイルを外部再生機器3で再生する際に、音楽ファイルをデータ伸張して得られるリニアPCMによるオーディオデータが補正倍率と乗算されて音量が補正され、この音量が補正されてなるオーディオデータがディジタルアナログ変換処理されてスピーカ等より再生される。
【0076】
これにより外部機器により再生して音楽を楽しむ場合でも、ダイナミックレンジを十分に利用して、各音楽ファイル間でほぼ同一の音量により再生することができ、これにより従来に比して格段的に使い勝手を向上することができる。また十分にダイナミックレンジを利用して音楽ファイルを再生できる。
【0077】
これに対してこのような音量の補正機能を有していない外部再生機器3に音楽ファイルをダウンロードする場合、ユーザーが音量の補正を指示すると、音楽ファイルをデータ伸張して得られるリニアPCMによるオーディオデータが補正倍率と乗算されて音量が補正され、この音量が補正されてなるオーディオデータが再びデータ圧縮され、その結果得られる音量を補正してなる音楽ファイルが外部再生機器3にダウンロードされる。
【0078】
これによりこのような音量の補正機能を有していない簡易な構成による外部再生機器3で音楽ファイルを楽しむ場合でも、ダイナミックレンジを十分に利用して、各音楽ファイル間でほぼ同一の音量により再生することができ、これにより従来に比して格段的に使い勝手を向上することができる。
【0079】
これに対してこのような音量の補正機能を有していない外部再生機器3に音楽ファイルをダウンロードする場合に、ユーザーが音量の補正を指示しない場合、単にユーザーの指示に係る音楽ファイルが外部再生機器3にダウンロードされる。これによりこの場合、オリジナルの雰囲気をそのまま維持して各種音楽作品をユーザーに提供することができる。
【0080】
またこのような外部再生機器3に代えて、CD−Rに音楽ファイルをダウンロードする場合に、さらには音楽ファイルのフォーマット変換する場合に、ユーザーにより音量の補正が指示された場合、音楽ファイルをデータ伸張して得られるリニアPCMによるオーディオデータが補正倍率と乗算されて音量が補正される。さらにこのように音量を補正してなるオーディオデータが、ユーザーの指示に対応するように処理される。
【0081】
これによりこの場合も、以降の処理においては、ダイナミックレンジを十分に利用して、各音楽ファイル間でほぼ同一の音量により再生することができ、これにより従来に比して格段的に使い勝手を向上することができる。
【0082】
これに対してこのような場合に、ユーザーにより音量の補正が指示されない場合、このような補正倍率による乗算処理が省略されて音楽ファイルが処理される。これによりこの場合にも、オリジナルの雰囲気をそのまま維持して各種音楽作品をユーザーに提供することができる。
【0083】
(3)実施の形態の効果
以上の構成によれば、音楽ファイル毎に録音レベルを検出して記録することにより、またこのようにして検出した録音レベルにより音量を補正することにより、煩雑な操作を有効に回避して、録音レベルの異なる音楽ファイルを適切な音量により再生することができる。
【0084】
また録音レベルを音楽ファイルの最大振幅値により検出することにより、簡易な処理により録音レベルを検出することができ、その分、全体構成を簡略化することができる。
【0085】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、録音レベルの判定基準を最大振幅値に設定する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平均電力、平均振幅値等、必要に応じて録音レベルの判断基準においては種々に設定することができる。
【0086】
また上述の実施の形態においては、録音レベルの検出結果をデータベース化する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は対応する音楽ファイルと関連付けて記録するようにして、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0087】
また上述の実施の形態においては、音量を補正しないで外部機器に音楽ファイルを出力する場合、補正倍率を計算して音楽ファイルを出力する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、録音レベルの検出結果を音楽ファイルと共に直接出力するようにしてもよい。
【0088】
また上述の実施の形態においては、音楽ファイルをオリジナルのまま保持する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、事前に音量を補正して保持するようにしてもよい。
【0089】
また上述の実施の形態においては、本発明をパーソナルコンピュータに適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば音楽コンテンツを蓄積して提供するホームネットワークサーバー等、種々のオーディオ機器に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態に係る音楽ファイル処理システムにおけるパーソナルコンピュータの動作の説明に供するフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態に係る音楽ファイル処理システムを示すブロック図である。
【図3】図1の処理手順によるパーソナルコンピュータの機能ブロック図である。
【図4】音楽ファイルのインポート時における処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図4の処理手順によるパーソナルコンピュータの機能ブロック図である。
【図6】音楽ファイルのインポート時におけるフォーマット変換を伴う処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図6の処理手順によるパーソナルコンピュータの機能ブロック図である。
【図8】音楽ファイルの再生時における処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図8の処理手順によるパーソナルコンピュータの機能ブロック図である。
【図10】音楽ファイルのダウンロード時における処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図10の処理手順において、音量を補正しない場合のパーソナルコンピュータの機能ブロック図である。
【図12】図10の処理手順において、音量を補正する場合のパーソナルコンピュータの機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0091】
1……音楽ファイル処理システム、2……パーソナルコンピュータ、3……外部再生装置、4……CD−ROMドライブ、5……中央処理ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からオーディオデータを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段にて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出手段と、
前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成手段と、
前記抽出したオーディオデータと前記データベースを記録する不揮発性の記録手段と、
前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生手段と、
オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段と、
前記接続手段に接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有している場合に、前記検出結果と当該検出結果に対応するオーディオデータとを共に前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力手段と、
を有する、オーディオデータ処理装置。
【請求項2】
外部からオーディオデータを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段にて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出手段と、
前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成手段と、
前記抽出したオーディオデータと前記データベースを記録する不揮発性の記録手段と、
前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生手段と、
オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段と、
前記接続手段に接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有していない場合に、前記検出結果に基づいて当該検出結果に対応するオーディオデータの音量を補正して前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力手段と、
を有する、オーディオデータ処理装置。
【請求項3】
外部からオーディオデータを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段にて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出手段と、
前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けて記録する不揮発性の記録手段と、
前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生手段と、
オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段と、
前記携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有しているか否かを判断する判断手段と、
を有する、オーディオデータ処理装置。
【請求項4】
前記録音レベルは、前記オーディオデータの最大振幅値である、請求項1に記載のオーディオデータ処理装置。
【請求項5】
オーディオデータの音量を補正する旨の指示を外部から受け付ける受付手段をさらに有し、
前記再生手段は、前記受付手段により受け付けた補正の指示に基づいてオーディオデータの音量を補正して再生する、請求項1又は4に記載のオーディオデータ処理装置。
【請求項6】
前記再生手段は、外部から指示された再生リストの順序により、又はランダムに、前記オーディオデータを再生する、請求項1又は4に記載のオーディオデータ処理装置。
【請求項7】
入力されたオーディオデータの録音レベルを検出するレベル検出手段と、
オーディオデータ再生装置に外部接続するための外部接続手段と、
前記外部接続手段を介して外部接続されたオーディオデータ再生装置にオーディオデータを出力する際、当該オーディオデータ再生装置が前記レベル検出手段で検出された録音レベルに基づくオーディオデータの音量補正機能を有している場合には前記レベル検出手段で検出された録音レベルの情報を共に出力し、当該音量補正機能を有していない場合には当該オーディオデータを単独で出力するデータ出力手段と、
を備える、オーディオデータ処理装置。
【請求項8】
前記レベル検出手段で検出された録音レベルに基づいて前記オーディオデータの音量を補正する音量補正手段をさらに備え、
前記データ出力手段は、前記外部接続手段を介して外部接続されたオーディオデータ再生装置にオーディオデータを出力する際、当該オーディオデータ再生装置が前記レベル検出手段で検出された録音レベルに基づくオーディオデータの音量補正機能を有していない場合に、前記音量補正手段により音量が補正されたオーディオデータを単独で出力する、請求項7に記載のオーディオデータ処理装置。
【請求項9】
外部からオーディオデータを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段にて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出手段と、
前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成手段と、
前記抽出したオーディオデータと前記データベースとを記録する不揮発性の記録手段と、
前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生手段と、
オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段と、
前記携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有している場合に、前記検出結果を、対応するオーディオデータと共に、前記オーディオデータ再生装置に出力する出力手段と、
を有する、オーディオデータ処理装置と;
前記オーディオデータ処理装置が有する抽出手段にて抽出したオーディオデータと前記オーディオデータ処理装置が有するデータベース生成手段にて生成されたデータベースとを、前記オーディオデータ処理装置から受信する通信手段と、
前記通信手段にて受信したデータベースから読み出した、前記オーディオデータに関連付けられた録音レベルに基づき、前記オーディオデータの音量を補正して再生する再生手段と、
を有する、オーディオデータ再生装置と;
を含む、オーディオデータ再生システム。
【請求項10】
外部からオーディオデータを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出ステップと、
前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成ステップと、
前記抽出したオーディオデータと前記データベースを不揮発性の記録手段に記録する記録ステップと、
前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生ステップと、
オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段を介して接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有している場合に、前記検出結果と当該検出結果に対応するオーディオデータとを共に前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力ステップと、
を含む、オーディオデータ処理方法。
【請求項11】
外部からオーディオデータを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出ステップと、
前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成ステップと、
前記抽出したオーディオデータと前記データベースを不揮発性の記録手段に記録する記録ステップと、
前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生ステップと、
オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段を介して接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有していない場合に、前記検出結果に基づいて当該検出結果に対応するオーディオデータの音量を補正して前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力ステップと、
を含む、オーディオデータ処理方法。
【請求項12】
外部からオーディオデータを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出ステップと、
前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成ステップと、
前記抽出したオーディオデータと前記データベースを不揮発性の記録手段に記録する記録ステップと、
前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生ステップと、
オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段を介して接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有している場合に、前記検出結果と当該検出結果に対応するオーディオデータとを共に前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力ステップと、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項13】
外部からオーディオデータを抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにて抽出したオーディオデータの録音レベルを検出して検出結果を出力する検出ステップと、
前記検出結果を、対応するオーディオデータと関連付けてデータベース化するデータベース生成ステップと、
前記抽出したオーディオデータと前記データベースを不揮発性の記録手段に記録する記録ステップと、
前記検出結果により、対応するオーディオデータの音量を補正して再生する再生ステップと、
オーディオデータの再生機能を有する携帯型のオーディオデータ再生装置を接続するための接続手段を介して接続された携帯型のオーディオデータ再生装置が再生レベルの補正機能を有していない場合に、前記検出結果に基づいて当該検出結果に対応するオーディオデータの音量を補正して前記携帯型のオーディオデータ再生装置に出力する出力ステップと、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−199720(P2009−199720A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137232(P2009−137232)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【分割の表示】特願2001−184666(P2001−184666)の分割
【原出願日】平成13年6月19日(2001.6.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】