説明

オーディオ再生システム、オーディオ装置及びサーバ

【課題】ランダム再生時に所定のオーディオデータの再生をスキップさせるオーディオ装置の処理負荷を軽減させ、処理効率を向上させることができるオーディオ再生システムを提供することである。
【解決手段】車載用オーディオ装置2のオーディオデータ記憶処理において、車載用オーディオ装置2はCD5から読み取ったTOC情報をサーバ1に送信し、サーバ1は受信したTOC情報からオーディオ情報の特定と、再生対象フラグの生成を行い、これらオーディオ情報と再生対象フラグを車載用オーディオ装置2に送信する。車載用オーディオ装置2は受信した2つの情報とオーディオデータを対応付けてオーディオデータ記憶部205に記憶させておく。そして、車載用オーディオ装置2に記憶されているオーディオデータのランダム再生処理において、ランダムに選択したオーディオデータに対応する再生対象フラグの値により、再生するか否かを判断させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランダム再生機能を有したオーディオ装置が通信ネットワークを介してサーバからオーディオ情報を取得するオーディオ再生システム、オーディオ装置及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクドライブ(以下、HDD)を搭載したオーディオ装置が提供されており、この種のオーディオ装置では、例えばCD(Compact Disc)からオーディオデータを読み出してHDDに取り込むことにより、複数枚分のCDのオーディオデータをHDDに記録(リッピング)することが可能である。このようにすれば、ユーザは、CDを抜き差しすることなく多くのオーディオデータを視聴することができる。
【0003】
また、一般に、CDは所定のフォーマットを有しており、図14はCDが有する所定のフォーマットを示した概念図である。CDは付随情報としてTOC(Table Of Contents)情報が記録されているリードイン領域、オーディオデータが記録されるデータ領域、データ領域の終了を示すリードアウト領域とから構成される。TOC情報は、CDに記録されているオーディオトラックの数や各オーディオトラックの長さ等を示しており、実質上、CDの種類(アルバム)毎に異なる値を持つ。
このため、オーディオ装置は、CDのオーディオデータをHDDに記録する際、このCDのTOC情報をキーとして、オーディオ装置内蔵またはネットワーク上に存在するCDDB(CD DataBase)にアクセスし、CDに関するオーディオ情報(収録曲のタイトル名、アルバム名、アーティスト名、ジャンル、再生時間など)を取得して、このオーディオ情報とオーディオデータを対応付けてHDDに記録する。これにより、オーディオ装置は、オーディオ情報を使用した楽曲検索やオーディオデータ再生時にオーディオ情報を表示することが可能となっている。
【0004】
このような機能を有するオーディオ装置において、多数のCDをHDDに記憶させておくことができることから、音楽CDだけでなく、語学学習用CDなどの音楽以外のオーディオデータを記録しているCDもHDDに記憶しておくユーザも増えてきている。また、オーディオブックと呼ばれる書籍などの文章を音声化したオーディオデータをHDDに記憶しておくユーザもいる。このような傾向は特に、車載用オーディオ装置にオーディオデータを記録する場合に多く見られる。
【0005】
一方、従来のオーディオ装置では、HDDに記録されたオーディオデータを予め決められた順序で再生する通常再生モードに加え、HDDに記録されたオーディオデータをランダムに選択して再生するランダム再生モードを有しているものが提供されている。このランダム再生モードは、HDDに記録されているオーディオデータをランダムに選曲してくれるため、ユーザは普段聞き慣れたオーディオデータを異なる順序で視聴することができ、新鮮な気分を味わうことができる。
【0006】
しかし、ユーザがこのランダム再生モードにした場合、音楽CDからリッピングされた音楽用オーディオデータと、語学学習用CDからリッピングされた語学学習用オーディオデータとが混在して再生されてしまうという課題がある。特に、語学学習用オーディオデータは複数のトラックを順番に連続して再生することにより、1つの学習内容を学習可能とするものが多く、ランダム再生モードでは、学習内容の1部分のみが分離して再生されてしまっていた。この場合、ユーザは語学学習用オーディオデータが再生される度に、スキップ操作を行わなければならないという煩わしさがある。
またオーディオブックのオーディオデータについても同様の課題がある。
【0007】
そこで、従来技術として、例えば、特許文献1には、音楽情報にイントロ曲や挿入曲が含まれている場合に、これらのオーディオデータをランダム再生の再生対象から除外するオーディオ装置が開示されており、具体的にはタイトル名、アーティスト名、アルバム名、ジャンル名等のオーディオ情報に、所定の文字列がふくまれているかを判定してランダム再生の対象外としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−004217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1の技術を用いて、オーディオ情報に「学習」や「教育」等の文字列を含むオーディオデータがランダム再生時に選択されたとき、前記オーディオデータを自動でスキップさせることが可能である。しかし、特許文献1では、ランダムに選曲されたオーディオデータがランダム再生の再生対象であるか否かを判定する際、文字列の比較処理を、1つのオーディオデータの再生が終了するたびに判定するため、オーディオ装置の処理負荷が高くなる傾向がある。特に、非楽曲データ(語学学習用オーディオデータ、オーディオブックなど)を多く記録している場合、その傾向が顕著になる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ランダム再生時に所定のオーディオデータの再生をスキップさせるオーディオ装置の処理負荷を軽減させ、処理効率を向上させることができるオーディオ再生システム、オーディオ装置及びサーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する為に、本発明のオーディオ再生システムは、通信ネットワークを介してオーディオ情報を送信可能なサーバと、前記サーバから送信されたオーディオ情報と、記録媒体から読み取られたオーディオデータとを対応付けてオーディオデータ記憶部に記憶しておき、ランダム再生機能により前記オーディオデータ記憶部からランダムにオーディオデータを選択し再生可能なオーディオ装置を含み、
前記サーバは、オーディオデータに関する付随情報に対応させてオーディオ情報を記憶するオーディオ情報記憶部と、前記オーディオ装置から受信した付随情報に基づきオーディオ情報記憶部を検索し、前記付随情報に対応するオーディオ情報を特定するオーディオ情報特定部と、前記オーディオ情報特定部で特定した前記オーディオ情報に基づいて、楽曲データであるか否かを判定し、この判定結果に基づき、所定のオーディオデータに対する再生対象情報を生成する再生対象情報生成部と、前記オーディオ情報特定部で特定した前記オーディオ情報と、前記再生対象情報生成部により生成された前記再生対象情報を前記通信ネットワークにより前記オーディオ装置に送信するオーディオ情報送信部と、を備え、
前記オーディオ装置は、記録媒体から付随情報とオーディオデータを読み取る記録媒体読取部と、前記記録媒体読取部より読み取られた付随情報を前記サーバに送信する付随情報送信部と、前記サーバからオーディオ情報と再生対象情報を受信するオーディオ情報受信部と、前記記録媒体読取部より読み取られたオーディオデータと、前記オーディオ情報受信部が受信したオーディオ情報と再生対象情報とを対応付けて前記オーディオデータ記憶部に記憶させるオーディオデータ記憶制御部と、前記ランダム再生機能が選択されたとき、前記オーディオデータ記憶部に記憶されている再生対象情報に基づいて再生対象とするオーディオデータのみを選択し、ランダム再生させるオーディオデータ再生制御部と、を備えている。
【0012】
本発明の前記オーディオ装置は、前記サーバより取得した再生対象情報に基づき、ランダム再生対象となるオーディオ情報を管理した再生対象リストを作成する再生対象リスト作成部と、前記再生対象リスト作成部により作成された再生対象リストを記憶する再生対象リスト記憶部と、を更に備え、前記オーディオデータ再生制御部は、ランダム再生機能が選択されたとき、前記再生対象リスト記憶部に記憶されたリストからオーディオ情報をランダムに選択し、選択されたオーディオ情報に対応するオーディオデータを前記オーディオデータ記憶部から読み出して再生制御を行うようにしてもよい。
【0013】
前記再生対象情報は、楽曲データまたは非楽曲データを示すフラグデータであり、前記オーディオ情報は、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名、タイトル名の組み合わせであり、前記再生対象情報生成部は、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名、タイトル名の少なくとも1つに対し、所定の文字列を有するか否かを判定することにより、楽曲データであるか否かを判定し、前記フラグデータを生成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オーディオ装置でオーディオデータのランダム再生を行わせる際、サーバにより各オーディオデータに対し、再生対象となるか否かを予め判断させておくことで、ランダム再生時に非楽曲などの再生させたくないオーディオデータを容易にスキップでき、オーディオ装置の処理負荷が軽減され、処理効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1に係るオーディオ再生システムの全体構成図である。
【図2】実施例1に係るサーバの構成図である。
【図3】実施例1に係る車載用オーディオ装置の構成図である。
【図4】CDDBの構成を示す図である。
【図5】表示画面の表示例を示す図である。
【図6】オーディオデータ記憶部に記憶されているデータ構成を示す図である。
【図7】実施例1に係るオーディオデータ記憶処理のフローチャートである。
【図8】実施例1に係る再生対象フラグ生成処理のフローチャートである。
【図9】実施例1に係るランダム再生処理のフローチャートである。
【図10】実施例2に係る車載用オーディオ装置の構成図である。
【図11】再生対象リストの一例を示す図である。
【図12】実施例2に係る再生対象リスト作成処理のフローチャートである。
【図13】実施例2に係るランダム再生処理のフローチャートである。
【図14】CDが有する所定のフォーマットを示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態に係るオーディオ再生システムについて図面を参照して詳細に説明する。本発明の好ましい実施の形態として、本発明に係るオーディオ装置は、車載用オーディオ装置として利用される例を説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は実施例1に係るオーディオ再生システムの全体構成図を示しており、図2は実施例1に係るサーバの構成を示しており、図3は実施例1に係る車載用オーディオ装置の構成図を示している。
図1に示すように、オーディオ再生システムは、通信ネットワーク3に接続された車載用オーディオ装置2及びサーバ1で構成され、車載用オーディオ装置2が通信ネットワーク3を介してサーバ1からオーディオ情報を取得するようになっている。
【0018】
最初に、サーバ1の構成について図2を参照して説明する。サーバ1は、その機能構成として、第1データ通信部101、オーディオ情報記憶部102、オーディオ情報特定部103、再生対象情報生成部104、オーディオデータ情報送信部105とにより構成される。
【0019】
第1データ通信部101は、通信ネットワーク3と接続可能であり、車載用オーディオ装置2と通信ネットワーク3を介してデータ通信を行うことができる。
オーディオ情報記憶部102は、CDDBであり、オーディオデータが記録された各CDに関するTOC情報(付随情報に相当する)と、このTOC情報に関連付けられたオーディオ情報(ジャンル名、アルバム名、アーティスト名、タイトル名)とを記憶するデータベースである。
図4はCDDBの一例であり、例えば、TOC#01のTOC情報を記録するCDに対応するオーディオ情報は、ジャンル名が「J−POP」、アーティスト名が「ArtistA」、アルバム名が「MusicA」、そしてタイトル名が「TrackA」、「TrackB」、「TrackC」であるというがわかる。なお、このCDDBは、CDが発売される度に追加更新される。さらに、CDDBに記憶されているオーディオ情報は、ユーザによって編集可能であってもよい。
【0020】
オーディオ情報特定部103は、車載用オーディオ装置2から送信されたオーディオ情報取得要求を通信ネットワーク3を介して第1データ通信部101より受信する。そして、オーディオ情報特定部103は、受信したオーディオ情報取得要求からTOC情報を抽出する。その後、オーディオ情報特定部103は、抽出したTOC情報をキーに、オーディオ情報記憶部102を検索し、このTOC情報に対応するオーディオ情報を特定する。
【0021】
再生対象情報生成部104は、オーディオ情報特定部103で特定された前記オーディオ情報を取得し、このオーディオ情報に所定の文字列が含まれるか否かを判定する。ここで、所定の文字列とは、例えば、「教育」、「学習」、「Study」、「Lesson」、「オーディオブック」、「AudioBook」などの非楽曲データであることを示す文字列であり、再生対象情報生成部104に予め設定されている。また、これらの文字列は、オーディオ情報の各項目に対して共通に設定してもよいし、個別に設定することもできる。そして、その判定結果に応じて、楽曲データか非楽曲データかを示す再生対象情報のフラグデータ(以下、再生対象フラグ)を生成する。
【0022】
具体的には、再生対象情報生成部104は、オーディオ情報に所定の文字列が含まれている場合には、再生対象フラグとして、「1(非楽曲データを示す)」を生成する。一方、オーディオ情報に所定の文字列が含まれていない場合には、再生対象フラグとして「0(楽曲データを示す)」を生成する。
そして、再生対象情報生成部104は、生成した再生対象フラグとともに、オーディオ情報特定部103で特定されたオーディオ情報をオーディオ情報送信部105に出力する。
【0023】
オーディオ情報送信部105は、再生対象情報生成部104から入力されたオーディオ情報と再生対象フラグとを、第1データ通信部101を介して、車載用オーディオ装置2へ送信する。
【0024】
次に、車載用オーディオ装置2の構成について図3を参照して説明する。車載用オーディオ装置2は、その機能構成として、ディスク読取部201、付随情報送信部202、第2データ通信部203、オーディオ情報受信部204、オーディオデータ記憶部205、操作部206、表示部207、オーディオデータ再生部208、制御部220により構成される。
【0025】
ディスク読取部(記録媒体読取部に相当)201は、光ピックアップ装置や前記光ピックアップ装置を駆動するモータ等により構成され、CD5に光を照射し、CD5からの反射光を検知器等で検知する機能を有する。このディスク読取部201は、制御部220からCD5の再生要求があった場合、CD5からオーディオデータを読み取り、制御部220へ出力する。また、制御部220からオーディオデータの録音要求があった場合、CD5からTOC情報とオーディオデータを読み込み、制御部220へ出力する。
付随情報送信部202は、TOC情報が制御部220から入力されると、この入力されたTOC情報を含むオーディオ情報取得要求を生成する。生成されたオーディオ情報取得要求は、第2データ通信部203を介して、通信ネットワーク3に接続されたサーバ1に送信される。
【0026】
第2データ通信部203は、通信ネットワーク3と接続可能であり、本発明に係るサーバ1と通信ネットワーク3を介してデータ通信を行うことが出来る。なお、第2データ通信部203は、車載用オーディオ装置2に内蔵された通信装置でも、携帯電話などの通信機能を有する外部通信装置でもよい。
オーディオ情報受信部204は、サーバ1から送信されたオーディオ情報と再生対象フラグを第2データ通信部203を介して受信し、それらを制御部220へ出力する。
オーディオデータ記憶部205は、後述するオーディオデータ記憶制御部221にて関連付けられたTOC情報、オーディオ情報、オーディオデータ、再生対象フラグ、を記憶する。これらのオーディオデータ記憶処理については後述する。本実施例では、オーディオデータ記憶部205にHDDを適用しているが、これに限らず、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリなどを適用することも可能である。
【0027】
操作部206は、タッチパネルやリモコンなどから構成され、ユーザ指示による各種操作・設定ができ、これらの指示が制御部220に入力される。具体的には、CD5やオーディオデータ記憶部205に記憶されているオーディオデータの再生モード(通常再生、ランダム再生など)の選択及びオーディオデータの再生開始/停止の指示、CD5からオーディオデータ記憶部205にオーディオデータを記憶させる録音指示を、ユーザの操作指示によって行うことができる。
表示部207は、液晶表示装置で構成され、現在再生されているオーディオデータに関するオーディオ情報を表示する再生画面(図5−(a))、再生モードをユーザに選択させる画面(図5−(b))、オーディオデータをオーディオデータ記憶部205へ録音するか否かを選択させる画面(図5−(c))を表示する。
オーディオデータ再生部208は、制御部220から取得したオーディオデータに対して復号処理やD/A変換処理等を行い、スピーカ209に出力する。スピーカ209は、オーディオデータ再生部208より入力されたオーディオデータを音として出力する。
【0028】
制御部220は、車載用オーディオ装置2の全体を制御し、オーディオデータ記憶制御部221と、オーディオデータ再生制御部222により構成される。
オーディオデータ記憶制御部221は、選択画面(図5−(c))により操作部206からオーディオデータの録音指示が入力されると、ディスク読取部201からTOC情報とオーディオデータを取得し、取得したTOC情報を付随情報送信部202へ出力する。
付随情報送信部202は、出力されたTOC情報を基に、オーディオ情報取得要求を作成し、サーバ1に送信すると、サーバ1は、受信したオーディオ情報取得要求を基に、オーディオ情報の特定と再生対象フラグの生成を行い、これらをオーディオ情報受信部204へ送信する。
【0029】
そして、オーディオデータ記憶制御部221は、オーディオ情報受信部204がサーバ1から受信したオーディオ情報と再生対象フラグを取得する。オーディオデータ記憶制御部221は、これまでの処理により、TOC情報、オーディオデータ、オーディオデータに対応したオーディオ情報、再生対象フラグを取得していることになり、オーディオデータ記憶制御部221は、これら4つのデータを関連付けて、符号化処理を行った後、オーディオデータ記憶部205に記憶する。その結果、オーディオデータ記憶部205には、TOC情報、オーディオ情報、オーディオデータ、再生対象フラグが関連付いて記憶される(図6)。
【0030】
オーディオデータ再生制御部222は、操作部206からCD5に記録されているオーディオデータの再生が入力されると、ディスク読取部201からCD5に記録されているオーディオデータを順に取得し、取得したオーディオデータをオーディオデータ再生部208へ出力する。また、オーディオデータ再生制御部222は、操作部206からCD5に記録されているオーディオデータのランダム再生指示が入力されると、ディスク読取部201からオーディオデータをトラック単位でランダムに取得し、取得したオーディオデータをオーディオデータ再生部208へ出力する。
【0031】
一方、オーディオデータ再生制御部222は、操作部206からオーディオデータ記憶部205に記録されているオーディオデータの再生指示が入力されると、まず、表示部207へ再生モード選択画面(図5−(b))を表示させる指示を出す。この再生モードは、オーディオデータ再生制御部222が有しており、例えば、本発明に係るランダム再生モードの他、ユーザによって選択されたアルバムのオーディオデータのみを再生対象とするアルバム再生モード、ユーザによって選択されたアーティストのオーディオデータのみを再生対象とするアーティスト再生モード、ユーザによって選択されたジャンルのオーディオデータのみを再生対象とするジャンル再生モードなど、異なる再生条件に従って各オーディオデータを再生するための複数の再生モードを有している。そして、どの再生モードでオーディオデータの再生を開始するかは、ユーザが選択画面に基づいて操作部206を操作することによって選択することができる。これにより、オーディオデータ再生制御部222は、選択された所望の再生モードでオーディオデータの再生を開始することが可能となる。
【0032】
例えば、再生モード選択画面(図5−(b))にて、ランダム再生モードが選択されると、オーディオデータ再生制御部222は、オーディオデータ記憶部205に記憶されている全オーディオデータ(図6)を対象に、オーディオデータをランダムに選択し、この選択したオーディオデータに対応する再生対象フラグに応じて、オーディオデータをオーディオデータ記憶部205から取得し、オーディオデータ再生部208へ出力するとともに、このオーディオデータに関連したオーディオ情報を表示部207へ出力する。
具体的には、オーディオデータ再生制御部222は、オーディオデータ記憶部205からオーディオデータをランダムに選択し、この選択したオーディオデータに対応した再生対象フラグが「0(楽曲データ)」であるオーディオデータのみをオーディオデータ再生部208へ出力する。
【0033】
続いて、上記のように構成した実施例1によるオーディオ再生システムの各種処理について説明する。
まず、実施例1に係るオーディオ再生システムのオーディオデータ記憶処理について、図7を用いて説明する。
【0034】
車載用オーディオ装置2において、ユーザが操作部206より、CD5のオーディオデータの録音指示を行う(S101)と、オーディオデータ記憶制御部221は、この指示に基づいて、ディスク読取部201にTOC情報とオーディオデータを出力するように指示する。これにより、ディスク読取部201は、CD5に記録されたTOC情報と、オーディオデータとを読み取り、それらを、オーディオデータ記憶制御部221に出力する(S102)。
オーディオデータ記憶制御部221は、ディスク読取部201から入力されたTOC情報とオーディオデータのうち、TOC情報のみを付随情報送信部202へ入力する。そして、付随情報送信部202は、オーディオデータ記憶制御部221から入力されたTOC情報を含めたオーディオ情報取得要求を生成し(S103)、このオーディオ情報取得要求を第2データ通信部203を介して、通信ネットワーク3に接続されたサーバ1へ情報を送信する(S104)。
【0035】
次に、サーバ1のオーディオ情報特定部103は、車載用オーディオ装置2の付随情報送信部202より送信されたオーディオ情報取得要求を第1データ通信部101を介して受信する。オーディオ情報特定部103は、受信したオーディオ情報取得要求からTOC情報を抽出し、抽出したTOC情報をキーに、オーディオ情報記憶部102からオーディオ情報の特定を行う(S105)。
例えば、TOC情報がTOC#02であるCD5のオーディオデータである場合、オーディオ情報特定部103は、付随情報送信部202より送信されたオーディオ情報取得要求から「TOC#02」を抽出する。そして、この「TOC#02」という情報を用いて、オーディオ情報記憶部102のCDDBから「TOC#02」に対応するオーディオ情報を特定する。その結果、CD5に対応するオーディオ情報は、ジャンル名として「R&B」、アーティスト名として「ArtistB」、アルバム名として「MusicB」、そしてタイトル名としてトラック順に「TrackF」、「TrackG」が特定される。
【0036】
オーディオ情報の特定が完了すると、オーディオ情報特定部103は、特定したオーディオ情報を再生対象情報生成部104へ入力する。再生対象情報生成部104は、オーディオ情報特定部103より送信されたオーディオ情報について、楽曲データか非楽曲データかの判定を行い、再生対象フラグを生成する処理を行う(S106)。この再生対象フラグ生成処理については図8を用いて詳細に説明する。
【0037】
図8は、再生対象フラグ生成処理についてのフロー図である。
サーバ1の再生対象情報生成部104は、初めに変数Nを準備し、初期値“1”を設定する(S201)。次に、再生対象情報生成部104は、オーディオ情報特定部103から入力されたオーディオ情報のN番目のトラックに対する情報を取得する(S202)。そして、この取得したN番目に対するオーディオ情報のうち、ジャンル名に「学習」、「教育」、「Study」、「Lesson」、「オーディオブック」、「AudioBook」等の所定の文字列が含まれているか否かを確認する(S203)。
ジャンル名に上記文字列が含まれている場合は、再生対象情報生成部104は、オーディオ情報に対し、非楽曲データであると判定し、車載用オーディオ装置2でランダム再生する際の再生対象フラグとして「1」を生成する(S208)。一方、ジャンル名に上記文字列が含まれていない場合は、続いてアーティスト名による楽曲データ/非楽曲データの判定を行う(S204)。
アーティスト名に上記文字列が含まれている場合は、再生対象情報生成部104は、オーディオ情報に対し、非楽曲データであると判定し、車載用オーディオ装置2でランダム再生する際の再生対象フラグとして「1」を生成する(S208)。一方、アーティスト名に上記文字列が含まれていない場合は、続いてアルバム名による楽曲データ/非楽曲データの判定を行う(S205)。
【0038】
アルバム名に上記文字列が含まれている場合は、再生対象情報生成部104は、オーディオ情報に対し、非楽曲データであると判定し、車載用オーディオ装置2でランダム再生する際の再生対象フラグとして「1」を生成する(S208)。一方、アルバム名に上記文字列が含まれていない場合は、続いてタイトル名による楽曲データ/非楽曲データの判定を行う(S206)。
タイトル名に上記文字列が含まれている場合は、再生対象情報生成部104は、オーディオ情報に対し、非楽曲データであると判定し、車載用オーディオ装置2でランダム再生する際の再生対象フラグとして「1」を生成する(S208)。一方、タイトル名に上記文字列が含まれていない場合は、再生対象情報生成部104は、オーディオ情報に対し、楽曲データであると判定し、車載用オーディオ装置2でランダム再生する際の再生対象フラグとして「0」を生成する(S207)。
【0039】
続いて、N+1番目のトラックに対するオーディオ情報が存在するか否かを確認する(S209)。N+1番目のトラックに対するオーディオ情報が存在する場合、全てのトラックのオーディオ情報に対して再生対象フラグの判定が完了していないと判断し、変数Nに“1”を加算して(S210)、ステップS202の処理を行う。一方、N+1番目のトラックに対するオーディオ情報が存在しない場合、全てのトラックのオーディオ情報に対して再生対象フラグ判定が完了したと判断し、再生対象フラグ生成処理を終了する。
【0040】
上記に示したTOC#02であるCD5のオーディオデータ記憶処理の例では、1つ目のトラックに対するジャンル名、アーティスト名、アルバム名、タイトル名、全てにおいて所定の文字列を含んでいないため、1つ目のトラックに対して、ステップS207にて、再生対象フラグとして「0」が生成される。続いて、2つ目のトラックに対しても、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名、タイトル名、全てにおいて所定の文字列を含んでいないため、ステップS207にて、再生対象フラグとして「0」が生成される。TOC#02を構成するオーディオデータは、3番目のトラックは存在しないため、全てのオーディオデータに対して判定が完了したと判断し、ここで再生対象フラグ生成処理を終了する。
【0041】
また、TOC#03であるCD5のオーディオデータ記憶処理の場合、ステップS105により、このCD5に対応するオーディオ情報は、ジャンル名として「Education」、アーティスト名として「PublisherA」、アルバム名として「Study English CD (Basic)」、タイトル名として「Lesson01」、「Lesson02」、「Lesson03」が特定される。そして、ステップS106(図7)の再生対象フラグ生成処理において、まず1つ目のトラックに対してジャンル名、アーティスト名、アルバム名、タイトル名に所定の文字列を含んでいないかを確認する。その結果、ステップS205のアルバム名による楽曲データ/非楽曲データの判定により、非楽曲データであると判定され、再生対象フラグとして「1」が生成される。同様に2つ目、3つ目のトラックに対してもアルバム名に所定の文字列が含まれているため、再生対象フラグとして「1」が生成される。そして、4つ目のトラックは存在しないため、全てのオーディオデータに対して判定が完了したと判断し、再生対象フラグ生成処理を終了する。
【0042】
なお、上記記載の図8に示す再生対象フラグ生成処理の例では、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名、タイトル名の全てに対して、楽曲データ/非楽曲データの判定を行ったが、これに限られるものではない。例えば、ジャンル名の1種類で判定を行う場合は、図8の再生対象フラグ生成処理におけるステップS204、ステップS205、ステップS206の処理を行わないようにすればよい。また、アルバム名とタイトル名の2種類で判定を行う場合は、ステップS203とステップS204の処理を行わないようにすればよく、その組み合わせは自由である。
【0043】
次に、再生対象情報生成部104は、再生対象フラグとオーディオ情報をオーディオ情報送信部105へ出力し、そして、オーディオ情報送信部105は、これらのデータを通信ネットワーク3を介し、車載用オーディオ装置2に送信する(S107)。
【0044】
車載用オーディオ装置2のオーディオ情報受信部204は、サーバ1のオーディオ情報送信部104から送信されてきたオーディオ情報と再生対象フラグを第2データ通信部203を介して受信する。
オーディオ情報受信部204は、受信したオーディオ情報と再生対象フラグを制御部220へ出力する。制御部220のオーディオデータ記憶制御部221は、入力されたオーディオ情報と再生対象フラグ、そしてディスク読取部201から入力されたTOC情報とオーディオデータとを関連付けて、符号化処理を行う(S108)。符号化処理が完了すると、オーディオデータ記憶部205に記憶する(S109)。
上記オーディオデータ記憶処理を複数枚のCDで行うことで、図6のようにオーディオデータがオーディオデータ記憶部205に記憶される。
【0045】
続いて、実施例1に係るランダム再生システムのオーディオデータ記憶部205に記憶されているオーディオデータのランダム再生処理について、図9を用いて説明する。
ユーザが操作部206を用いて、表示部207に表示された再生モード選択画面(図5−(b))から、オーディオデータ記憶部205に記憶されているオーディオデータのランダム再生モードを選択する(S301)と、オーディオデータ再生制御部222は、この選択操作に基づいて、オーディオデータ記憶部205に記憶されているオーディオデータをランダムに1つ選択する(S302)。
【0046】
そして、オーディオデータ再生制御部222は、選択したオーディオデータに対応した再生対象フラグを確認する(S303)。この再生対象フラグが「0」である場合、オーディオデータ再生制御部222は、選択したオーディオデータを楽曲データであると判断し、このオーディオデータをランダム再生の対象とする。これにより、オーディオデータ再生制御部222は、このオーディオデータをオーディオデータ再生部208へ出力し、オーディオデータ再生部208は、オーディオデータに対して、復号処理、D/A変換処理を行った後、スピーカ209より音として出力させる(S304)。また、オーディオデータ再生制御部222は、再生しているオーディオデータに対応するオーディオ情報を表示部207へ出力し、このオーディオ情報を再生画面として表示部207に表示させる(S305)。
例えば、オーディオデータ再生制御部222が、オーディオデータ記憶部205からランダムにオーディオデータ「DATA9」(図6)を選択した場合、オーディオデータ「DATA9」に対する再生対象フラグは「0」であるため、楽曲データと判断し、オーディオデータ「DATA9」が再生処理される。また、オーディオデータ「DATA9」に対応するオーディオ情報(ジャンル名が「R&B」、アーティスト名が「ArtistB」、アルバム名が「MusicB」、タイトル名が「TrackF」)を表示部207へ出力し、図5−(a)に示す再生画面を表示させる。
【0047】
一方、再生対象フラグが「1」である場合、オーディオデータ再生制御部222は、選択したオーディオデータを非楽曲データであると判断し、このオーディオデータをランダム再生の対象から除外する。これにより、オーディオデータ再生制御部222は、再生処理を行わず、このオーディオデータをスキップする。そして、ステップS302に戻り、次のオーディオデータをオーディオデータ記憶部205からランダムに1つ選択する。例えば、オーディオデータ再生制御部222が、オーディオデータ記憶部205からランダムにオーディオデータ「DATA1」を選択した場合、オーディオデータ「DATA1」に対する再生対象フラグは「1」であるため、非楽曲データと判断し、オーディオデータ「DATA1」は再生処理を行われず、スキップされる。そして、オーディオデータ再生制御部222は、次のオーディオデータ「DATA5」をランダムに選択し、再生対象フラグの確認を行う。
【0048】
次に、オーディオデータ再生制御部222は、操作部206からランダム再生の停止指示が入力されたか否かを確認する(S306)。ランダム再生の停止指示は、ユーザがオーディオデータの再生画面(図5−(a))に表示されている停止キーa1を操作部206にて操作をした時に、操作部206からランダム再生の停止指示が、オーディオデータ再生制御部222へ入力され、オーディオデータ再生制御部222は、ランダム再生処理を終了させる。また、ユーザがオーディオデータの再生画面(図5−(a))に表示されている再生モード切替キーa2を操作して、再生モード選択画面(図5−(b))を呼び出し、ランダム再生モード以外の再生モードを選択した時に、操作部206からランダム再生の停止及び再生モード切替指示が、オーディオデータ再生制御部222へ入力される。
オーディオデータ再生制御部222は、入力された指示に基づき、ランダム再生処理を終了させるとともに、選択された再生モードでオーディオデータの再生を開始させる。一方、上記のような操作が行われず、オーディオデータ再生制御部222にランダム再生モードの停止指示が入力されていなければ、オーディオデータ再生制御部222は、現在再生中のオーディオデータの再生が終了したか否かを確認する(S307)。
【0049】
オーディオデータ再生制御部222は、現在再生中のオーディオデータの再生が終了したことを確認すると、ステップS302に戻り、次の曲をオーディオデータ記憶部205からランダムに選択する。一方、オーディオデータの再生が終了していなければ、ステップS306に戻る。
【0050】
上記の構成と処理により、車載用オーディオ装置2でオーディオデータのランダム再生を行わせる際、サーバ1により各オーディオデータに対し、再生対象となるか否かを予め判断させておくことで、ランダム再生時に非楽曲などの再生させたくないオーディオデータを容易にスキップでき、車載用オーディオ装置2の処理負荷が軽減され、処理効率を向上することができる。
【実施例2】
【0051】
実施例2に係るオーディオ再生システムの全体構成及びサーバ1の構成は、実施例1に示す構成(図1及び図2)と同じである。
図10は、実施例2に係る車載用オーディオ装置2の構成図であり、その機能構成として、ディスク読取部201、付随情報送信部202、第2データ通信部203、オーディオ情報受信部204、オーディオデータ記憶部205、操作部206、表示部207、オーディオデータ再生部208、再生対象リスト記憶部410、制御部420により構成される。なお、実施例1に示す車載用オーディオ装置2と同じ構成要素については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0052】
再生対象リスト記憶部410は、後述する再生対象リスト作成部423が作成するランダム再生モードで再生対象となるオーディオ情報を管理する再生対象リスト(図11)を記憶する。再生対象リストには、オーディオデータに対応するオーディオ情報と、オーディオデータ記憶部205のどの位置にオーディオデータが記憶されているかを示すオーディオデータ格納アドレスとが対応して記憶される。
【0053】
制御部420は、車載用オーディオ装置2の全体を制御し、オーディオデータ記憶制御部221、オーディオデータ再生制御部422、再生対象リスト作成部423により構成される。
【0054】
オーディオデータ再生制御部422は、操作部206からCD5に記録されているオーディオデータの再生が入力されると、ディスク読取部201からCD5に記録されているオーディオデータを順に取得し、取得したオーディオデータをオーディオデータ再生部208へ出力する。また、オーディオデータ再生制御部422は、操作部206からCD5に記録されているオーディオデータのランダム再生指示が入力されると、ディスク読取部201からオーディオデータをトラック単位でランダムに取得し、取得したオーディオデータをオーディオデータ再生部208へ出力する。
【0055】
一方、オーディオデータ再生制御部422は、操作部206からオーディオデータ記憶部205に記憶されているオーディオデータの再生指示が入力されると、まず、表示部207へ再生モード選択画面(図5−(b))を表示させる指示を出す。この再生モードはオーディオデータ再生制御部422が有しており、例えば、本発明に係るランダム再生モードの他、ユーザによって選択されたアルバムのオーディオデータのみを再生対象とするアルバム再生モード、ユーザによって選択されたアーティストのオーディオデータのみを再生対象とするアーティスト再生モード、ユーザによって選択されたジャンルのオーディオデータのみを再生対象とするジャンル再生モードなど、異なる再生条件に従って各オーディオデータを再生するための複数の再生モードを有している。そして、どの再生モードでオーディオデータの再生を開始するかは、ユーザが選択画面に基づいて操作部206を操作することによって選択することができる。これにより、オーディオデータ再生制御部422は、選択された所望の再生モードでオーディオデータの再生を開始することが可能となる。
【0056】
例えば、再生モード選択画面(図5−(b))にて、ランダム再生モードが選択されると、オーディオデータ再生制御部422は、再生対象リスト記憶部410に記憶されている再生対象リストを取得し、取得した再生対象リストからオーディオデータをランダムに選択し、この選択されたオーディオデータに対応するオーディオデータ格納アドレスを基にオーディオデータをオーディオデータ記憶部205から取得する。そして、オーディオデータ再生制御部422は、取得したオーディオデータをオーディオデータ再生部208へ出力するとともに、オーディオデータに関連するオーディオ情報を表示部207へ出力する。
【0057】
再生対象リスト作成部423は、オーディオデータ記憶処理(図7)が完了した後、オーディオデータ記憶部205に記憶されているオーディオデータに対応する再生対象フラグを基に再生対象リストの作成を行う。再生対象リスト作成処理については後述する。そして、再生対象リスト作成部423は、作成した再生対象リストを再生対象リスト記憶部410に記憶する。
【0058】
続いて、上記のように構成した実施例2に係るオーディオ再生システムの各種処理について説明する。
実施例2に係るオーディオ再生システムのオーディオデータ記憶処理と再生対象フラグ生成処理は、それぞれ実施例1の図7、図8と同じであるため、その説明を省略する。
【0059】
次に、実施例2に係るオーディオ再生システムのオーディオデータ記憶部205に記憶されているオーディオデータのランダム再生モードで利用する再生対象リストの作成処理について、図12を用いて説明する。
再生対象リスト作成部423は、オーディオデータ記憶処理(図7)が行われた後(S401)、まず、オーディオデータ記憶部205に記憶されている全てのオーディオデータから再生対象フラグが「0(楽曲データ)」であるオーディオデータを特定し、特定したオーディオデータに対応するオーディオ情報とそのオーディオデータの記憶位置を示すオーディオデータ格納アドレスをオーディオデータ記憶部205から取得する(S402)。
次に、再生対象リスト作成部423は、取得したオーディオ情報とオーディオデータ格納アドレスをそれぞれのオーディオデータ毎に関連付けた再生対象リスト(図11)を作成する(S403)。
最後に、再生対象リスト作成部423は、作成した再生対象リストを、再生対象リスト記憶部410に記憶する(S404)。
【0060】
具体的には、再生対象リスト作成部423は、オーディオデータが図6のようにオーディオデータ記憶部205に記憶されている場合、再生対象フラグが「0」であるオーディオデータとして「DATA3」、「DATA4」、「DATA5」、「DATA9」、「DATA10」を特定し、それぞれに対応するオーディオ情報、オーディオデータ格納アドレスをオーディオデータ記憶部205から取得する。例えば、「DATA3」に対応するオーディオ情報として、ジャンル名「J−POP」、アーティスト名「ArtistA」、アルバム名「MusicA」、タイトル名「TrackA」を取得し、オーディオデータ格納アドレスとして、「ADR3」を取得し、それぞれの関連付けを行う。同様に「DATA4」、「DATA5」、「DATA9」、「DATA10」に対してもオーディオ情報とオーディオデータ格納アドレスの取得と関連付けを行い、その結果、再生対象フラグが「0」であるオーディオデータのオーディオ情報とオーディオデータ格納アドレスを関連付けた再生対象リスト(図11)を作成する。そして、再生対象リスト作成部423は、作成した再生対象リストを再生対象リスト記憶部410に記憶する。
【0061】
続いて、実施例2に係るランダム再生システムのオーディオデータ記憶部205(図10)に記憶されているオーディオデータのランダム再生処理について、図13を用いて説明する。
ユーザが操作部206を用いて、表示部207に表示された再生モード選択画面(図5−(b))から、オーディオデータ記憶部205に記憶されているオーディオデータのランダム再生モードを選択する(S501)と、オーディオデータ再生制御部422は、操作部206からランダム再生の開始指示が入力され、再生対象リスト記憶部410から再生対象リストを取得する(S502)。
オーディオデータ再生制御部422は、取得した再生対象リストからオーディオ情報をランダムに1つ選択する(S503)。
オーディオデータ再生制御部422は、ステップS503にて選択したオーディオ情報に対応するオーディオデータ格納アドレスを特定し、特定したオーディオデータ格納アドレスを基にオーディオデータ記憶部205に記憶されているオーディオデータを取得し(S504)、オーディオデータ再生部208へ出力する。出力されたオーディオデータは、オーディオデータ再生部208が復号処理を行い、スピーカ209を通じて音として再生される(S505)。また、このとき、オーディオデータ再生制御部422は、再生中のオーディオデータに対応したオーディオ情報の表示画面を生成して表示部207に表示する(S506)。これにより、ユーザに再生中のオーディオ情報を提供することが可能となる。
【0062】
次に、オーディオデータ再生制御部422は、操作部206からランダム再生の停止指示が入力されたか否かを確認する(S507)。ランダム再生の停止指示は、ユーザがオーディオデータの再生画面(図5−(a))に表示されている停止キーa1を操作部206にて操作をした時に、操作部206からオーディオデータ再生制御部422へ入力され、オーディオデータ再生制御部422が、ランダム再生処理を終了させる。また、ランダム再生の停止及び再生モード切替指示は、ユーザがオーディオデータの再生画面(図5−(a))に表示されている再生モード切替キーa2を操作して、再生モード選択画面(図5−(b))を呼び出し、ランダム再生モード以外の再生モードを選択した時に、操作部206からオーディオデータ再生制御部422へ入力され、オーディオデータ再生制御部422が、ランダム再生処理を終了させるとともに、選択された再生モードでオーディオデータの再生を開始させる。一方、上記のような操作が行われず、オーディオデータ再生制御部422にランダム再生モードの停止指示が入力されていなければ、オーディオデータ再生制御部422は、現在再生中のオーディオデータの再生が終了したか否かを確認する(S508)。
【0063】
オーディオデータ再生制御部422は、現在再生中のオーディオデータの再生が終了したことを確認すると、ステップS503に戻り、次の曲を再生対象リストからランダムに選択する。一方、オーディオデータの再生が終了していなければ、ステップS507に戻る。
【0064】
上記の構成と処理により、車載用オーディオ装置2でオーディオデータのランダム再生を行わせる際、サーバ1により各オーディオデータに対し、再生対象となるか否かを予め判断させておき、さらに車載用オーディオ装置2により再生対象となるオーディオデータのみを管理した再生対象リストを作成させ、この再生対象リストからランダムに選曲するようにすることで、ランダム再生時に非楽曲などの再生させたくないオーディオデータを容易にスキップでき、車載用オーディオ装置2の処理負荷が軽減され、処理効率を向上することができる。
【0065】
なお、本発明は記載されている本実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0066】
1 サーバ
2 車載用オーディオ装置
3 通信ネットワーク
5 CD
101 第1データ通信部
102 オーディオ情報記憶部
103 オーディオ情報特定部
104 再生対象情報生成部
105 オーディオ情報送信部
201 ディスク読取部
202 付随情報送信部
203 第2データ通信部
204 オーディオ情報受信部
205 オーディオデータ記憶部
206 操作部
207 表示部
208 オーディオデータ再生部
209 スピーカ
220、420 制御部
221 オーディオデータ記憶制御部
222、422 オーディオデータ再生制御部
410 再生対象リスト記憶部
423 再生対象リスト作成部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介してオーディオ情報を送信可能なサーバと、
前記サーバから送信されたオーディオ情報と、記録媒体から読み取られたオーディオデータとを対応付けてオーディオデータ記憶部に記憶しておき、ランダム再生機能により前記オーディオデータ記憶部からランダムにオーディオデータを選択し再生可能なオーディオ装置からなるオーディオ再生システムにおいて、
前記サーバは、
オーディオデータに関する付随情報に対応させてオーディオ情報を記憶するオーディオ情報記憶部と、
前記オーディオ装置から受信した付随情報に基づきオーディオ情報記憶部を検索し、前記付随情報に対応するオーディオ情報を特定するオーディオ情報特定部と、
前記オーディオ情報特定部で特定した前記オーディオ情報に基づいて、楽曲データであるか否かを判定し、この判定結果に基づき、再生対象情報を生成する再生対象情報生成部と、
前記オーディオ情報特定部で特定した前記オーディオ情報と、前記再生対象情報生成部により生成された前記再生対象情報を前記通信ネットワークにより前記オーディオ装置に送信するオーディオ情報送信部と、を備え、
前記オーディオ装置は、
記録媒体から付随情報とオーディオデータを読み取る記録媒体読取部と、
前記記録媒体読取部より読み取られた付随情報を前記サーバに送信する付随情報送信部と、
前記サーバからオーディオ情報と再生対象情報を受信するオーディオ情報受信部と、
前記記録媒体読取部より読み取られたオーディオデータと、前記オーディオ情報受信部が受信したオーディオ情報と再生対象情報とを対応付けて前記オーディオデータ記憶部に記憶させるオーディオデータ記憶制御部と、
前記ランダム再生機能が選択されたとき、前記オーディオデータ記憶部に記憶されている再生対象情報に基づいて再生対象とするオーディオデータを選択し、ランダム再生させるオーディオデータ再生制御部と、
を備えることを特徴とするオーディオ再生システム。
【請求項2】
前記オーディオ装置は、
前記サーバより取得した再生対象情報に基づき、ランダム再生対象となるオーディオ情報を管理した再生対象リストを作成する再生対象リスト作成部と、
前記作成された再生対象リストを記憶する再生対象リスト記憶部と、を更に備え、
前記オーディオデータ再生制御部は、ランダム再生機能が選択されたとき、前記記憶された再生対象リストからオーディオ情報をランダムに選択し、選択されたオーディオ情報に対応するオーディオデータを前記オーディオデータ記憶部から読み出して再生制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載のオーディオ再生システム。
【請求項3】
前記再生対象情報は、楽曲データまたは非楽曲データを示すフラグデータであり、
前記オーディオ情報は、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名、タイトル名の組み合わせであり、
前記再生対象情報生成部は、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名、タイトル名の少なくとも1つに対し、所定の文字列を有するか否かを判定することにより、楽曲データであるか否かを判定し、前記フラグデータを生成する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオーディオ再生システム。
【請求項4】
オーディオ装置と通信ネットワークを介して接続され、前記オーディオ装置から送信される付随情報に対応するオーディオ情報を特定し、特定した前記オーディオ情報を前記オーディオ装置に送信するサーバにおいて、
オーディオデータに関する付随情報に対応させてオーディオ情報を記憶するオーディオ情報記憶部と、
前記オーディオ装置から受信した付随情報に基づいて、前記オーディオ情報記憶部を検索し、前記付随情報に対応するオーディオ情報を特定するオーディオ情報特定部と、
前記オーディオ情報特定部で特定した前記オーディオ情報に基づいて、楽曲データであるか否かを判定し、この判定結果に基づき、再生対象情報を生成する再生対象情報生成部と、
前記オーディオ情報特定部で特定した前記オーディオ情報と、前記再生対象情報生成部で生成された前記再生対象情報を前記通信ネットワークにより前記オーディオ装置に送信するオーディオ情報送信部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項5】
前記再生対象情報は、楽曲データまたは非楽曲データを示すフラグデータであり、
前記オーディオ情報は、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名、タイトル名の組み合わせであり、
前記再生対象情報生成部は、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名、タイトル名の少なくとも1つに対し、所定の文字列を有するか否かを判定することにより、楽曲データであるか否かを判定し、前記フラグデータを生成する、
ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
通信ネットワークを介してサーバから送信されたオーディオ情報と、記録媒体から読み取られたオーディオデータとを対応付けてオーディオデータ記憶部に記憶させておき、ランダム再生機能により前記オーディオデータ記憶部からランダムにオーディオデータを選択し再生可能なオーディオ装置において、
前記記録媒体から付随情報とオーディオデータを読み取る記録媒体読取部と、
前記記録媒体読取部より読み取られた付随情報を前記サーバに送信する付随情報送信部と、
前記サーバからオーディオ情報と再生対象情報を受信するオーディオ情報受信部と、
前記記録媒体読取部より読み取られたオーディオデータと、前記オーディオ情報受信部が受信したオーディオ情報と再生対象情報とを対応付けて前記オーディオデータ記憶部に記憶させるオーディオデータ記憶制御部と、
前記ランダム再生機能が選択されたとき、前記オーディオデータ記憶部に記憶されている再生対象情報に基づいて再生対象とするオーディオデータを選択し、ランダム再生させるオーディオデータ再生制御部と、
を備えることを特徴とするオーディオ装置。
【請求項7】
前記オーディオ装置は、
前記サーバより取得した再生対象情報に基づき、ランダム再生対象となるオーディオ情報を管理した再生対象リストを作成する再生対象リスト作成部と、
前記作成された再生対象リストを記憶する再生対象リスト記憶部と、を更に備え、
前記オーディオデータ再生制御部は、ランダム再生機能が選択されたとき、前記記憶された再生対象リストからオーディオ情報をランダムに選択し、選択されたオーディオ情報に対応するオーディオデータを前記オーディオデータ記憶部から読み出して再生制御を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載のオーディオ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−252745(P2012−252745A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125019(P2011−125019)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】