説明

オートバイ起動専用のリチウムイオン蓄電池

【課題】 構造設計が合理的で、省エネ・環境に優しく、長持ちでき、放電性能が良く、無障碍取り替え能力の強いオートバイ起動専用のリチウムイオン蓄電池を提供する。
【解決手段】本発明はリチウムイオン電池に関するもので、その中には、正極端子(61)や、負極端子(62)、カバー無し長方体状ケース(1)、およびケースとマッチングするカバー(2)などが含まれており、前記正極端子(61)と負極端子(62)はいずれもカバー(2)上に固定され、前記カバー(2)はケース(1)上に固定される。また、前記リチウムイオン電池には、電池コンポーネント(3)や、正極リード(51)、負極リード(52)、電池ブラケット(4)および少なくとも3つのサポートガスケット(72)などが含まれており、前記電池コンポーネント(3)は4つのリチウムイオン電池の直列連結からなり、当該電池コンポーネント(3)は電池ブラケット(4)上に取り付けられ、しかも、2つの隣接するリチウムイオン電池の間にはサポートガスケット(72)が支えられ、前記電池コンポーネント(3)には、正極(31)と負極(32)が設置されており、前記正極リード(51)の1端は正極端子(61)上に固定され、当該正極リード(51)の他の1端は電池コンポーネント(3)の正極(31)上に固定されており、前記負極リード(52)の1端は負極端子(62)上に固定され、当該負極リード(52)の他の1端は電池コンポーネント(3)の負極(32)上に固定されており、前記電池ブラケット(4)はケース(1)の中に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウムイオン電池に関するもので、特にオートバイ起動専用のリチウムイオン蓄電池に関するもので、専門にオートバイの起動中に使われており、オートバイ上の一つの部材である。
【背景技術】
【0002】
オートバイは1種の交通工具であり、広い普及率を持っており、オートバイに使われる蓄電池は主に鉛酸蓄電池を使っているが、鉛酸蓄電池は数多くの欠点がある。その欠点の一、鉛酸蓄電池の性能が良くない。例えば、重量が大きく、比エネルギーが低く、循環寿命が短いなどの欠点があり、パワーも小さく、起動電流は10Cぐらいである。その欠点の二、鉛酸蓄電池の中には重金属の鉛と硫酸などの厳重な環境汚染の原因となる成分が含まれているので、人間の生存環境が絶えず悪化し、人々の環境保護意識が絶えず増強されるにつれ、鉛酸蓄電池のオートバイ起動への応用は、すでに益々大きな環境的圧力に直面しており、多くの国では鉛含有製品の製造と使用を制限しており、国際上では鉛禁止令を実施しつつあり、オートバイ起動に使われる鉛酸蓄電池は最終的に淘汰される運命にある。
【0003】
専門にオートバイの起動に使われる鉛酸蓄電池は、サイズと性能上一定な要求があり、当該類蓄電池の電圧は通常12Vで、オートバイに特定サイズのスペースを用意して、鉛酸蓄電池の取り付けに使っており、しかも、1種のタイプのオートバイには、1種のサイズの鉛酸蓄電池だけとマッチングするので、同一のオートバイに異なるサイズの鉛酸蓄電池が使えなくなっている。つまり、一旦オートバイの中で起動に使われる鉛酸蓄電池が壊れると、今のところは同じタイプの鉛酸蓄電池に替えなければならない。オートバイの排気量のニーズが多いため、車両起動用の鉛酸蓄電池の容量範囲も広く、同一容量の鉛酸蓄電池であっても、異なるタイプのオートバイの電池取り付けスペースの制限を受けて、オートバイの鉛酸蓄電池には、およそ100種ほどの外形サイズ、400種の規格とタイプを有するありさまである。これによって、企業のダイスへの投資が大きくなり、生産管理が煩雑で、材料の品種も多いので、大規模の機械化生産を実現できない不利な局面になっている。
【0004】
また、欧米の国の場合、オートバイは中産階層以上の者らのレジャー・スポーツ道具として使われているが、レース用として使用する場合は、スピードを上げるために、オートバイの重量をなるべく軽くしている。しかし、鉛酸電池の重量比エネルギーはリチウム電池の四分の一で、重量はリチウム電池の4倍もあるため、オートバイの全体重量を増やすだけでなく、重量が大きくなる分、車両走行の際のオイル消耗も増えて来る。
【0005】
オートバイのコンパクト構造の制限を受けて、オートバイの全体設計において、一般的に、十分な容量および起動性能を有する鉛酸蓄電池を取り付けることができない。鉛酸蓄電池の体積比エネルギーは、リチウム電池の三分の一であり、オートバイの限定されたスペースの中に十分な容量および起動性能を有する鉛酸電池を取り付けることができないということは、長期間に渡ってオートバイ外形構造設計の革新を悩ませてきた難点の一つでもあった。
【0006】
目下、オートバイの起動電池において、軽量で、環境に優しく、長持ちでき、比エネルギーが高くて、比較的少ない規格品種およびダイスへの投資で、既存の鉛酸蓄電池を全面的に代替できる新型の起動電池はまだない。これらの電池を開発して、目下大量に使われている鉛酸蓄電池を代替することは、産業の傾向にもなっており、極めて広い市場前途がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、既存技術中に存在する上記欠点を克服して、構造設計が合理的で、省エネ・環境に優しく、長持ちでき、放電性能が良く、無障碍取り替え能力の強いオートバイ起動専用のリチウムイオン蓄電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では上記問題を解決するために、次の技術方法を採択している。正極端子や、負極端子、カバー無し長方体状ケース、ケースとマッチングするカバーなどからなり、前記正極端子と負極端子はいずれもカバー上に固定され、前記カバーはケース上に固定されており、構造的に、前記リチウムイオン蓄電池には、電池コンポーネントや、正極リード、負極リード、電池ブラケットおよび少なくとも3つのサポートガスケットなどが含まれており、前記電池コンポーネントは4つのリチウムイオン電池の直列連結からなり、当該電池コンポーネントは電池ブラケット上に取り付けられ、しかも、2つの隣接するリチウムイオン電池の間にはサポートガスケットが支えられ、前記電池コンポーネントには、正極と負極が設置されており、前記正極リードの1端は正極端子上に固定され、当該正極リードの他の1端は電池コンポーネントの正極上に固定されており、前記負極リードの1端は負極端子上に固定され、当該負極リードの他の1端は電池コンポーネントの負極上に固定されており、前記電池ブラケットはケースの中に取り付けられることを特徴とするオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【0009】
本発明に記載のケースは電池取り付けキャビティ付きケースであり、前記正極端子と/又は負極端子上には、絶縁ジャケットが設置され、前記電池ブラケットは電池取り付けキャビティの中に取り付けられており、前記電池コンポーネントは4つの3.2Vのリチウム電池の直列連結からなり、当該4つのリチウムイオン電池はお互いに平行になっており、前記リチウムイオン電池はいずれもリン酸鉄リチウムのリチウムイオン電池構造となっており、当該2つの隣接するリチウム電池の間には隙間があり、前記個々の隙間にはいずれも少なくとも1つのサポートガスケットが支えられており、前記ケースとカバーとの間には防水ユニットが設置される。そのため、本発明はオートバイ起動の専用として使用することができ、重量が軽く、長持ちでき、環境に優しく、特にその製造と使用中、鉛の汚染が発生しなくなる。
【0010】
本発明の前記防水ユニットには、前記ケースの上部に設置される防水凹溝と前記防水凹溝とマッチングするようにカバーの底部に設置される防水ストリップが含まれており、前記防水ストリップは防水凹溝の中に位置される。これによって、本発明中の防水ユニットの構造がもっと簡単になり、製造がもっと便利になり、防水効果ももっと良い。
【0011】
本発明の前記電池ブラケットには4つのベアラが含まれており、前記それぞれのベアラにはいずれも4層の直角三角柱形のキャビティが設置され、当該キャビティの底面の形状は直角三角形となっており、前記それぞれのベアラ中の4層のキャビティはお互いに重なり、前記それぞれのキャビティには1つの入口が設置され、当該入口はキャビティの底面直角三角形中の直角と相対しており、前記個々のリチウムイオン電池の4つの角はそれぞれ4つのベアラの同じ高さのキャビティの中に取り付けられる。これによって、本発明の構造の設計がもっと合理的になり、電池ブラケットはさらに効果的に4つのリチウムイオン電池を取り付けることができる。
【0012】
本発明の前記電池取り付けキャビティの内壁には4つのロッキング溝があり、当該4つのロッキング溝はそれぞれ4つのベアラとマッチングし、前記4つのベアラはそれぞれ4つのロッキング溝中にロッキングされる。これによって、本発明中の電池ブラケットは、より便利に、堅牢に、ケースの電池取り付けキャビティに取り付けられ、リチウムイオン電池の全体的な性能を向上させることができる。
【0013】
本発明の前記電池取り付けキャビティ中2つの相対する内壁上には、それぞれ電池取り付けキャビティの内壁を沿って、底部から上部に向かって延ばされる2つのファーストストリップが設置され、前記ファーストストリップは、その突出し方向の末端にて曲がることによって、ベアラとマッチングする4つのロッキング溝が形成される。前記電池取り付けキャビティの他の2つの相対する内壁にはそれぞれ電池取り付けキャビティ内壁に沿って、底部から上部に向かって延ばされる2つの円柱体が設置され、前記2つの円柱体中の少なくとも1つはその軸方向に延ばされるセカンドストリップがあり、前記セカンドストリップは、その突出し方向の末端にて曲がることによって、2つの前記ベアラとマッチングするリミットストリップが形成され、前記ロッキング溝と前記リミットストリップは前記ベアラの固定に使われる。
【0014】
本発明の前記電池取り付けキャビティの2つの相対する内壁にはそれぞれ電池取り付けキャビティの内壁に沿って、底部から上部に向かって延ばされる2つのストリップが設置されており、前記ストリップは突出し方向の末端にて曲がることによって4つのベアラとマッチングするロッキング溝が形成される。前記電池取り付けキャビティの他の2つの相対する内壁にはそれぞれ電池取り付けキャビティ内壁に沿って底部から上部に向かって延ばされる2つの円柱体が設置され、しかも、前記電池取り付けキャビティの他の二つの相対する内壁は、前記2つの円柱体の間にてその中の1つの円柱体と近い位置には、電池取り付けキャビティの内壁に沿って、底部から上部に向かって延ばされるリミットプレートが設置され、前記ロッキング溝と前記リミットプレートは前記ベアラの固定に使われる。
【0015】
本発明の前記リチウムイオン蓄電池には、また、ボトムブラケットが含まれており、前記ボトムブラケットはケースの底部に固定されている。前記カバーの底部には幾つかのポジショニングラグが設置されており、当該ポジショニングラグは電池ブラケット上に突き当たる。ボトムブラケットの設計は、電池の各種使用条件において、型式やサイズ変化のニーズを満たすようにしており、応用範囲を効果的に広め、自由に異なる外形サイズに組み合わせることができるようにし、目下オートバイに使われている異なる型式の鉛酸電池を代替できるようにしている。
【0016】
本発明の正極端子と負極端子は、いずれもプラスチック射出成型によってケース上に固定されており、前記正極リードの1端はねじによって正極端子上に固定され、前記負極リードの1端はねじによって負極端子上に固定される。これによって、本発明中の正極端子と負極端子は、もっとしっかりとケース上に固定されることができ、本発明の全体構造の堅牢度を増強することができる。それに、正極リードの1端はねじによって正極端子上に固定され、負極リードの1端はねじによって負極端子上に固定されるので、正極リードと負極リードの長さを最も短くすることができ、本発明の起動性能の向上に有利である。
【0017】
本発明の前記電池コンポーネント中の4つのリチウムイオン電池の形状はいずれもへん平の長方体であり、当該4つのリチウムイオン電池は重なり配列となっている。これによって、本発明中、電池ブラケット上に取り付けられる4つのリチウムイオン電池はもっと優れた耐振性能と放熱性能を持っており、リチウム電池のひずみを防げるため、本発明の性能を向上し、本発明の使用寿命を伸ばすことができる。
【0018】
本発明の前記リチウムイオン蓄電池には、また、防水凹溝とマッチングするシールリングが含まれており、前記シールリングはケースの防水凹溝の中に取り付けられる。これによって、本発明はもっと優れた防水機能を持つようになり、全体的な性能が向上される。
【0019】
本発明の前記リチウムイオン蓄電池には、また、幾つかの固定ねじが含まれており、前記ケースには固定ねじとマッチングするねじ貫通穴が設置されており、当該ねじ貫通穴はケースの底面と垂直しており、前記ねじ貫通穴の上端はケースの上部に位置し、当該ねじ貫通穴の下端はケースの底部に位置され、前記カバーの底部にはねじ穴とマッチングするねじめくら穴が設置されており、当該カバーは固定ねじによってケース上に固定され、前記固定ねじはねじ貫通穴とねじめくら穴を通し接続させる。これによって、本発明の構造はもっと簡単、堅牢になり、取り付けと取り外しがもっと便利になり、本発明の全体的な構造の設計がもっと合理的になる。
【0020】
本発明の前記ねじ貫通穴は円柱体のセンターに位置し、その軸方向に沿って、円柱体全体を貫通する。
【0021】
本発明の前記ケースの電池取り付けキャビティの中には、配線溝が設置されており、当該配線溝は正極リードや負極リードとマッチングしており、前記正極リードと負極リードはいずれも配線溝の中に位置される。前記電池コンポーネント中の4つのリチウムイオン電池はプラグボード又は接続線によって直列連結される。これによって、本発明の構造の設計がもっと合理化され、正極リードと負極リードの配線がもっと便利になり、正極リードと負極リードがケースに押さえられないようにし、電池ブラケットがさらに便利にケースの電池取り付けキャビティ中に取り付けられるようにする。
【0022】
本発明の前記ケースの底部には固定フレームが設置されており、前記固定フレームは電池ブラケットを高く支えており、前記固定フレームは「井」字形、交差形又は平行線形となっている。これによって、本発明のケースが便利に電池ブラケット上に取り付けられるようにし、ケース中の「井」字形固定フレームを調整可能な固定フレームに設置することによって、異なる型式の電池コンポーネントを取り付けることができ、本発明の適用範囲を広めている。
【0023】
本発明の前記カバー又はケース中には波形等化回路基板が設置されており、前記波形等化回路基板は接続線によって電池コンポーネントと接続される。
【0024】
本発明の前記ベアラの形状は直角三角柱形で、2つの隣接するベアラの間は補強リブと/又はテープによって接続される。これによって、本発明のベアラの間は堅牢度がもっと良くなり、使用中さらに優れた安全性、安定性、信頼性が得られる。
【0025】
本発明の前記直角三角柱の1つの直角辺は前記ケースの内壁と緊密に接している。
【0026】
本発明の前記ボトムブラケットの1面には固定穴が設置され、相対する他の1面にはボトムブラケットの支え脚が設置されており、前記ボトムブラケット支え脚とケースの外側底部の固定穴は固定接続され、隣接するボトムブラケットの間はボトムブラケット支え脚とボトムブラケット上の固定穴によって固定接続される。そのため、取り外しが便利になり、自由にサイズを換えることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は既存技術に比べて、次のメリットと有益な効果がある。
【0028】
1.ケースとカバーに既存オートバイ用の標準電池ケースの外法寸法を使用することによって、オートバイ中の現在使われている鉛酸電池を無障碍に取り替えられる。それだけでなく、異なる高さのボトムブラケットは同一のリチウムイオン電池ケースと異なる外法寸法を構成されるので、オートバイ中の現在使われている異なるタイプの鉛酸電池を代替することができ、プラスチックケーシングダイスの研究製作を減らすことができる。
【0029】
2.電池コンポーネントは組立が便利で、構造が簡単で、生産コストが低く、内部構造の組立が自由に調節でき、適用性が強く、構造の安定性と信頼性が高い。
【0030】
3.重量が軽く、全体の重量が通常の鉛酸起動電池重量の三分の一しかない。
【0031】
4.環境に優しく、鉛や、カドミウムおよび水銀などの重金属汚染問題がない。
【0032】
5.パワーが大きく、起動電流が40C以上である。
【0033】
6.極めて高い循環使用寿命が得られ、充放電回数は2000回以上にも達する。
【0034】
7.安全性が高く、爆発や発火などの安全問題がない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1は本発明の実施例1中の絶縁ジャケットを取り外した正面構造の見取図である。
図2は図1の左側面構造の見取図である。
図3は図1中のカバーとケースを分離した構造の見取図である。
図4は本発明の実施例1中のカバー底部構造の見取図である。
図5は本発明の実施例1中のケースの俯瞰構造の見取図である。
図6は図5の背面構造見取図である。
図7は本発明の実施例1中の電池コンポーネントが電池ブラケット上に取り付けられた情況と、それを拡大した正面構造の見取図である。
図8は図7の俯瞰構造の見取図である。
図9は図7中の電池ブラケットを取り除いた構造の見取図である。
図10は本発明の実施例2中の絶縁ジャケットを取り外した正面構造の見取図である。
図11は図10の俯瞰構造の見取図である。
図12は本発明の実施例2中のカバー底部構造の見取図である。
図13は本発明の実施例2中のケースの俯瞰構造の見取図である。
図14は本発明の実施例2中の電池コンポーネントが電池ブラケット上に取り付けられた情況と、それを拡大した構造の見取図である。
図15は図14の俯瞰構造の見取図である。
図16は図14中の電池ブラケットを取り除いた構造の見取図である。
図17は本発明の実施例2の電池ブラケット中のベアラを拡大した構造の見取図である。
図18は図17の左側面構造の見取図である。
図19は図17の俯瞰構造の見取図である。
図20は図17中のA−A断面構造の見取図でる。
図21は図19を右回りに45°回した構造の見取図である。
図22は図21の仰視構造の見取図である。
図23は波形等化回路基板と電池コンポーネントの構造の見取図である。
図24は波形等化回路基板とケースの構造の見取図である。
図25はボトムブラケットの構造の見取図である。
図26はボトムブラケットの仰視構造の見取図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明のケースの上部には防水凹溝が設置されており、カバーの底部には防水凹溝とマッチングする防水ストリップが設置されている。カバーがケース上に固定される際、防水ストリップは防水凹溝に嵌められ、防水凹溝と緊密に接触されるので、本発明のより優れた密封性を保証し、外部の雨水がケースの中に入らないようにし、本発明の安全性を向上し、本発明の使用寿命を大きく向上する。本発明のカバーの底部には幾つかのポジショニングラグが設置されており、カバーがケース上に固定される際、当該ポジショニングラグは電池ブラケット上に突き当り、電池ブラケットをより良くケースの電池取り付けキャビティの中にポジショニングするために使われる。正極端子と/又は負極端子上には絶縁ジャケットが取り付けられ、本発明製品が輸送中ショートなどの情況が発生しないようにし、輸送中の安全性を向上し、運搬が便利になる。
【0037】
リチウムイオン電池、特にリン酸鉄リチウムのリチウムイオン電池、例えば、高倍率リン酸鉄リチウム重合物のリチウムイオン電池は、エネルギー密度が高く、鉛や、カドミウムおよび水銀などの重金属汚染元素を含有していなく、鉛酸電池に比べてパワー密度がもっと高く、安全性に優れているので、鉛酸電池の代替に使われる優れた起動電池製品となっている。既存のリチウム電池のケーシングは2種類に分けられるが、その一は、金属ケーシングで、その二は、アルミニウム・プラスチック複合膜ケーシングである。フレキシブルアルミニウム・プラスチック膜はより優れた安全性があるため、オートバイ起動電池にもっと適合するが、アルミニウム・プラスチックは強度不足のため、本発明では電池ブラケットを使用することによって、リチウム電池をより良く支えて、電池内部構造の堅牢度と安定性を実現している。
【0038】
本発明の4つのリチウム電池中、1つの電池の電圧はいずれも3.2Vで、4つのリチウム電池を直列連結すると、12.8Vの電圧が得られるが、ちょうどオートバイ起動に必要とする電圧を満たすことができるので、本発明をオートバイ起動専用として使用することができる。本発明中のケースの外法寸法は既存のオートバイ起動に使われている鉛酸蓄電池のケースの外法寸法と変わらないので、現在使われているオートバイに電池を換えようとする場合、本発明のケースは単独又は異なるサイズのボトムブラケットと組み合わせることによって、オートバイ中の起動電池を取り付ける部位とぴったり合うようにすることができるので、オートバイを改装する必要などなく、既存起動電池製品の同等無障碍取り替えが実現でき、本発明の普及が便利となる。本発明では4つのベアラを標準部品に作ることができ、数百種の型式、サイズのそれぞれ異なる起動電池にも適用するので、大量の材料費を節減するだけでなく、大量のダイス費用も節減できる。
【0039】
本発明に使われるリチウム電池は環境に優しく、使用中鉛の汚染などが発生しないので、市場前途が非常に広い。本発明は長持ちでき、放電性能が良いので、オートバイ全体性能の向上にも有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
次は添付図に合わせて、そして実施例を挙げて本発明についてさらに詳しく説明するものとする。次の実施例は本発明についての解釈であり、本発明は次の実施例だけに限られるものではない。
【実施例1】
【0041】
図1〜図9に示されている通り、本実施例中の専らオートバイの起動に使われるリチウムイオン蓄電池は、ケース1や、カバー2、電池コンポーネント3、電池ブラケット4、正極リード51、負極リード52、正極端子61、負極端子62、絶縁ジャケット、4つ固定ねじ、4つの抵抗増加クッション71、シールリングと6つのサポートガスケット72からなり、その中、電池コンポーネント3は、4つの3.2Vのリチウム電池がプラグボード33による直列連結からなり、電池コンポーネント3の電圧は12.8Vで、ちょうどオートバイ起動に必要とする電圧を満たすことができ、本発明をオートバイ起動専用として使用することができる。ケース1の底部には「X」型の交差形固定フレーム18が設置されていて、電池ブラケット4を交差形の固定フレーム18に固定することができ、本発明の交差形固定フレーム18中、電池ブラケット4の取り付けに使われる構造も調節可能タイプにすることができ、つまり、異なるサイズの電池ブラケット4によって調節が可能となり、異なるサイズの電池ブラケット4の取り付けに使用することができ、本発明の適用範囲を広めることができる。電池コンポーネント3中の4つのリチウムイオン電池の形状はいずれもヘン平の長方体状のもので、4つのリチウムイオン電池はいずれもリン酸鉄リチウムのリチウムイオン電池構造となっており、リチウムイオン電池はアルミニウム・プラスチック複合膜ケーシングを使っており、当該4つのリチウムイオン電池はお互いに平行しており、しかも4つのリチウム電池は重なり配列となっており、2つの隣接するリチウム電池の間にはいずれも隙間34があって、電池コンポーネント3の放熱性を向上し、電池コンポーネント3には正極31と負極32が設置されており、本実施例中、電池コンポーネント3は電池ブラケット4上に取り付けられており、電池コンポーネント3中の2つの隣接するリチウムイオン電池間の隙間34にはいずれも2つのサポートガスケット72が支えられていて、電池ブラケット4上に取り付けられる4つのリチウム電池にさらに優れた耐振性と放熱性を持たせることができる。サポートガスケット72はリチウム電池をさらに良く支えて、リチウム電池のひずみを防ぐことができる。本実施例では2つのサポートガスケット72が1組となり、合わせて3組のサポートガスケット72からなっている。本発明中の電池ブラケット4と電池コンポーネント3の間は固定テープで固定することができ、例えば、固定テープを電池ブラケット4と電池コンポーネント3上に巻いて、電池ブラケット4と電池コンポーネント3との間の構造の堅牢度を強化することによって、電池コンポーネント3がさらにしっかりと電池ブラケット4上に取り付けられるようにする。本発明中のリン酸鉄リチウムのリチウム電池構造のリチウム電池に使われている技術は、既存技術同様であるか、或いは近似している。本実施例中の電池ブラケット4は、4つのベアラ9からなり、本発明中、2つの隣接するベアラ9の間は補強リブ91で補強することもでき、例えば、ベアラ9中に延長チップ91を設置して、2つの隣接するベアラ9上の延長チップ91はサーマル又は接着方式で接合されて補強リブが形成される。これによって、電池ブラケットがさらにしっかりとリチウムを固定することができ、4つのベアラ9の間はテープと補強リブを使って、同時に補強することもできる。
【0042】
本実施例中の正極端子61と負極端子62は、いずれもプラスチック射出成形の方式によってカバー2上に固定され、正極端子61と負極端子62がもっとしっかりとカバー2上に固定れるようにし、正極端子61と負極端子62上にはいずれも絶縁ジャケットが取り付けられ、オートバイ起動専用のリチウムイオン電池が輸送中ショートなどの情況が発生しないようにし、本発明製品の輸送中の安全性をさらに効果的に保証することができる。勿論、本発明は正極端子61又は負極端子62上に絶縁ジャケットを取り付けることもでき、本発明中の絶縁ジャケットは既存技術と同様又は近似している。本実施例中の正極リード51の1端はねじによって正極端子61上に固定され、正極リード51の他の1端は電池コンポーネント3の正極31上に固定されており、負極リード52の1端はねじによって負極端子62上に固定され、負極リード52の他の1端は電池コンポーネント3の負極32上に固定されるので、正極リード51と負極リード52の長さを最も短くすることができ、正極リード51と負極リード52の長さが短ければ短いほど本発明中のオートバイ起動専用リチウムイオン蓄電池の起動性能も良くなるので、本実施例中の正極リード51の1端がねじによって正極端子61上に固定されることと、負極リード52の1端がねじによって負極端子62上に固定されることによって、本実施例中のオートバイ起動専用リチウムイオン蓄電池の起動性能を向上することができる。
【0043】
本実施例中のケース1はカバー無しの長方体状構造となっており、本発明中のケース1の外法寸法サイズは既存オートバイに使われる鉛酸電池のケースサイズと同様で、つまり、オートバイ用の標準電池ケースであって、本発明は既存オートバイ中の鉛酸電池と無障碍に取り替えられる。ケース1には電池取り付けキャビティ11が設置されており、電池ブラケット4は電池取り付けキャビティ11の中に設置される。電池取り付けキャビティ11には配線溝15が設置されており、当該配線溝15は正極リード51と負極リード52とマッチングしており、電池コンポーネント3が電池ブラケット4とともに電池取り付けキャビティ11に取り付けられると、正極リード51と負極リード52はいずれも配線溝15中に位置され、正極リード51と負極リード52が電池コンポーネント3とケース1との間にて押し付けられないようにし、正極リード51と負極リード52の配線が便利になり、本発明の取り付けと取り外しが便利になる。ケース1の上部には1周りの連続の防水凹溝13が設置されており、防水凹溝13はケース1上部の周辺に回されており、当該防水凹溝13は長方形構造となっており、シールリングの形状と大きさはいずれも防水凹溝13とマッチングしており、当該シールリングは防水凹溝13の中に嵌められており、シールリングと防水凹溝13は緊密に接触されている。勿論、本発明中の防水凹溝13はその全体が連続になっていなくても良く、例えば、中間に幾つかの区切りに分けられた防水凹溝13を設置することもでき、当該防水凹溝13がカバー2のマッチングされた後、防水役割さえあれば、それで良い。
【0044】
本実施例のケース1には、4つのねじ貫通穴14が設置されており、当該4つのねじ貫通穴14はケース1の底面と垂直しており、それぞれのねじ貫通穴14の上端はいずれもケース1の上部に位置しており、それぞれのねじ貫通穴14の下端はいずれもケース1の底部に位置している。本実施例中の4つの抵抗増加クッション71は4つのねじ貫通穴14とマッチングしており、4つの抵抗増加クッション71はそれぞれ4つのねじ貫通穴14の下端に固定される、つまり、抵抗増加クッション71はケース1の底面に固定されており、本実施例において、抵抗増加クッション71の底面上には抵抗増加縞が設置されており、当該抵抗増加縞はネット状構造となっているので、抵抗増加クッション71により優れた緩衝と抵抗増加作用を持たせ、本発明がより安定にオートバイに取り付けられることを保証する。勿論、本発明中の抵抗増加クッション71の底面に抵抗増加縞を設置しないこともできる。なぜならば、抵抗増加クッション71は通常ゴム材質で作られるので、抵抗増加クッション71の底面が平たくても比較的優れた抵抗増加役割を有するからである。
【0045】
本実施例のカバー2の底部には4つのねじめくら穴23が設置されており、ねじめくら穴23はケース1中のねじ貫通穴14とマッチングし、ねじめくら穴23とねじ貫通穴14はいずれもねじとマッチングし、固定ねじはねじめくら穴23とねじ貫通穴14を通し接続させて、カバー2をケース1上に固定することができる。本発明中の固定ねじがねじ貫通穴14を通し接続させた後、抵抗増加クッション71がねじ貫通穴14の下端に固定されるので、抵抗増加クッション71がねじ貫通穴14に対する密封作用が得られ、外部の雨水がねじ貫通穴14を通じてケース1に入らないようにし、これによって、本発明の構造の設計がもっと合理的になる。また、本実施例のカバー2の底部には、4つのポジショニングラグ22と1周りの連続した防水ストリップ21がセットされており、その中、防水ストリップ21の形状とサイズはいずれもケース1中の防水凹溝13とマッチングしており、カバー2が固定ねじによってケース1に固定されると、防水ストリップ21は防水凹溝13に嵌められて、防水ストリップ21と防水凹溝13は緊密に接触されて、カバー2とケース1の間にて優れた密封役割を果し、外部の雨水がカバー2とケース1の隙間を通じてケース1の中に入らないようにすることができ、これによって本発明の使用寿命を延ばすことができる。本発明では防水ストリップ21と防水凹溝13の表面を磨いて、防水ストリップ21と防水凹溝13の表面を少し粗くして、防水ストリップ21と防水凹溝13の間の密封がさらに緊密になることを保証する。カバー2が固定ねじによってケース1に固定されると、カバー2の底部の4つのポジショニングラグ22は電池ブラケット4上に突き当り、電池ブラケット4がしっかりとケース1の電池取り付けキャビティ11の中にポジショニングできるようにする。勿論、本発明中の防水ストリップ21は1周り全体が連続でなくても良く、例えば、中間に幾つかの区切りに分けられた防水ストリップ21にしても良く、当該ストリップ21がケース1の上部の防水凹溝13とマッチングされた後、カバー2とケース1との間の優れた密封性能さえ保証できれば、それで良い。
【0046】
本実施例中のケース1とカバー2との間の防水ユニット構造は次のとおりである。ケース1の上部には1周りの連続の防水凹溝13が設置されており、カバー2の底部には1周りの連続の防水ストリップ21が設置されており、防水ストリップ21と防水凹溝13はマッチングしている。本発明中のケース1とカバー2との間の防水ユニットはその他の構造を使用することもできる。例えば、ケース1の上部に1周りの連続の防水ストリップ21を設置し、カバー2の底部に1周りの連続の防水凹溝13を設置することもでき、当該防水凹溝13は防水ストリップ21とマッチングしている。本発明中の抵抗増加クッション71の個数は好ましくて4個とし、本発明中のねじ貫通穴14や、ねじめくら穴23および固定ねじの個数はいずれも同様で、ねじ貫通穴14の個数と抵抗増加クッション71の個数を同様にすることができる。本発明には、ボトムブラケットを設置することもでき、ボトムブラケットはケース1の底部に固定されるので、ボトムブラケットでケース1全体の高さを調節することによって、適用範囲を広めることができる。
【実施例2】
【0047】
図10〜図24に示されているとおり、本実施例中のオートバイ起動専用のリチウムイオン蓄電池は、ケース1や、カバー2、電池コンポーネント3、電池ブラケット4、正極リード、負極リード、正極端子61、負極端子62、絶縁ジャケット、4つの固定ねじ、シールリングと6つのサポートガスケット72からなり、その中、電池コンポーネント3は、4つの3.2Vのリチウム電池がプラグボード33による直列連結からなり、当該4つのリチウム電池はお互いに平行しており、しかも4つのリチウム電池は重なり配列となっており、2つの隣接するリチウム電池の間には隙間34があり、その構造は実施例1と同様で、電池コンポーネント3には正極31と負極32が設置されており、電池コンポーネント3中の2つの隣接するリチウム電池の間の隙間34には1つの長いサポートガスケット72が支えられている。
【0048】
本実施例中の電池ブラケット4は4つのベアラ9からなり、ベアラ9の形状は三角柱形で、それぞれのベアラ9にはいずれも4層のキャビティ91が設置されており、この4層のキャビティ91はそれぞれ1号キャビテ911、2号キャビティ912、3号キャビティ913および4号キャビティ914からなり、当該4層のキャビティ91はお互いに重なっている。本実施例中のキャビティ91の構造は直角三角柱形で、キャビティ91の底面は二等辺直角三角形となっており、つまり、キャビティ91の底面には1つの直角92がある。本発明中のキャビティ91の底面は実際情況に応じてその他のタイプの直角三角形に設置することもでき、必ずしも二等辺直角三角形にする必要はない。キャビティ91には1つの入口93が設置されており、当該入口93はキャビティ91底面の直角三角形中の直角92と相対しており、つまり、入口93は直角92の対面に位置している。本実施例中のベアラ9は標準部品に作ることができ、主にキャビティ91の高さによって、4〜6種の異なるサイズに設計することによって、この数種のサイズのベアラ9は数百種の型式と寸法がそれぞれ異なる起動電池に適用することになり、材料費が節減できるだけでなく、ダイス費用とダイス開発に必要とする費用も節減でき、ベアラ9の適用範囲を広め、ベアラ9の汎用性を向上することができる。
【0049】
本実施例中の電池コンポーネント3は電池ブラケット4上に取り付けられており、つまり、4つのリチウムイオン電池は電池ブラケット4上に取り付けられる。当該4つのリチウム電池はお互いに重なり、それぞれのリチウム電池の4つの角はそれぞれ4つのベアラ9の同じ高さのキャビティ91中に取り付けられ、つまり、第1枚のリチウムイオン電池の4つの角はそれぞれ、4つのベアラ9の1号キャビティ911中に取り付けられ、第2枚のリチウムイオン電池の4つの角はそれぞれ、4つのベアラ9の2号キャビティ912中に取り付けられ、第3枚のリチウムイオン電池の4つの角はそれぞれ、4つのベアラ9の3号キャビティ913中に取り付けられ、第4枚のリチウムイオン電池の4つの角はそれぞれ、4つのベアラ9の4号キャビティ914中に取り付けられる。また、リチウムイオン電池の各はキャビティ91の入口93からキャビティ91の中に押し込まれ、リチウムイオン電池中のそれぞれの角はいずれもキャビティ91中の直角92とお互いに重なるようにさせて、リチウムイオン電池がしっかりと電池ブラケット4中に取り付けられるようにする。本実施例中の4つのリチウムイオン電池はお互いに平行しており、リチウムイオン電池中の4つの角の下表面とキャビティ91の底面との間は接着剤で補強することによって、リチウムイオン電池をさらにしっかりと電池ブラケット4上に取り付けることができる。本実施例のリチウムイオン電池中の4つの角の上表面とキャビティ91の上面との間には通常一定の隙間があり、リチウムイオン電池中の4つの角の下表面とキャビティ91の底面を固定するだけで、電池ブラケットへのリチウムイオン電池を取り付ける機能が実現できる。そのため、本発明中のベアラ9は標準部品に作って使用することができ、生産コストを低減することができる。
【0050】
本実施例中の正極端子61と負極端子62は、いずれもプラスチック射出成形によってカバー2上に固定されており、正極端子61と負極端子62にはいずれも絶縁ジャケットが設置されており、正極リードの1端はねじによって正極端子61上に固定され、正極リードの他の1端は電池コンポーネント3の正極31上に固定されており、負極リードの1端はねじによって負極端子62上に固定され、負極リードの他の1端は電池コンポーネント3の負極32上に固定されている。
【0051】
本実施例中のケース1はカバー無し長方体状構造となっており、ケース1には1つの電池取り付けキャビティ11が設置されており、電池取り付けキャビティ11の底部にはボス12が設置されており、当該ボス12の形状と大きさはいずれも電池ブラケット4とマッチングしており、電池取り付けキャビティ11の前後に相対する内壁にはそれぞれ電池取り付けキャビティ11の内壁に沿って底部から上部に向かって延ばされる2つのストリップが設置されており、ストリップはその突出し方向の末端にて曲がることによって4つのベアラとマッチングするロッキング溝15が形成されており、電池取り付けキャビティ11の他の2つの相対する内壁にはそれぞれ電池取り付けキャビティ11の内壁に沿って底部から上部に向かって延ばされる2つの円柱体151が設置されており、電池取り付けキャビティ11の他の2つの相対する内壁上の2つの円柱体151において、その中の1つの円柱体151に近い位置には、電池取り付けキャビティ11の内壁に沿って底部から上部に向かって延ばされるリミットプレート152が設置され、ロッキング溝15とリミットプレート152はベアラ9の固定に使われる。ここに、リミットプレート152を使用せず、4面にいずれもロッキング溝15を使用することもできる。これによって、電池ブラケット4を電池取り付けキャビティ11の中に便利且つしっかりと固定する機能が実現でき、電池コンポーネント3を電池取り付けキャビティ11の中に取り付けることができる。ケース1の上部には1周りの連続の防水凹溝13が設置されており、防水凹溝13はケース1の上部の周辺を回っており、当該防水凹溝13は長方形構造となっており、シールリングの形状と大きさはいずれも防水凹溝13とマッチングしており、当該シールリングは防水凹溝13中に嵌め込まれ、シールリングと防水凹溝13は緊密に接触されている。
【0052】
本実施例のケース1には、4つのねじ貫通穴14が設置され、カバー2の底部には4つのねじめくら穴23が設置されており、ねじめくら穴23とケース1中のねじ貫通穴14はマッチングしており、固定ねじはねじめくら穴23とねじ貫通穴14の中を通し接続させることによって、カバー2をケース1上に固定することができる。また、本実施例のカバー2の底部には、4つのポジショニングラグ22と1周りの連続の防水ストリップ21が設置されており、その中、防水ストリップ21の形状と大きさはいずれもケース1中の防水凹溝13とマッチングしており、カバー2が固定ねじによってケース1に固定されると、防水ストリップ21は防水凹溝13に嵌め込まれ、防水ストリップ21と防水凹溝13は緊密に接触される。カバー2が固定ねじによってケース1に固定されると、カバー2の底部の4つのポジショニングラグ22は電池ブラケット4上に突き当り、電池ブラケット4がしっかりとケース1の電池取り付けキャビティ11中にポジショニングできる。
【0053】
本実施例のカバー2の中には、波形等化回路基板201が設置されており、カバー2上にはめくら穴206があり、波形等化回路基板201はめくら穴206によってカバー2上に固定される。波形等化回路基板201は電池コンポーネント3の上に取り付けられており、波形等化回路基板201には波形等化回路202と5ピン接続コンセント203が接されており、接続コンセント203と接続プラグ204はお互いにマッチングしており、接続プラグ204は配線205と接続され、接続配線205の他の一端はそれぞれ電池コンポーネント3の等電位ポイント261、262、263、264、265と接続される。これによって、波形等化回路基板203は電池コンポーネント3中の4つの電池の電圧を測定・コントロールすることができ、これによって、電池コンポーネント3中の単一電池の間の電圧等化を実現し、電圧差を0.1V以内にコントロールし、電池の過充電が発生しないようにして、電池コンポーネントを保護することができ、電池コンポーネントの使用寿命を延ばすことができる。既存のリチウム起動電池ダイスの設計において、統一のカバー2の取り付けサイズを使用することによって、一種のサイズの波形等化回路基板201を全ての起動電池中に使えるように設計されている。これによって、タイプの管理が少なくなり、製造コストも低くなる。
【0054】
上記実施例中、図25、26に示されているとおり、ケース1の下方にはボトムブラケット100を取り付けることもでき、前記ボトムブラケット100の下表面には固定穴101が設置されており、ボトムブラケット100の上表面にはボトムブラケット支え脚102が設置され、取り付ける時に、ボトムブラケット支え脚102はねじ貫通穴14の中にロッキングされ、異なるタイプの必要によっては、異なるサイズのボトムブラケット100を取り付けることができ、異なるボトムブラケット100のボトムブラケット支え脚102は、ボトムブラケット100の固定穴101の中に挿し入れて取り付けることができ、電池外法寸法を変える目的に達成するために、異なるサイズのボトムブラケット100を合わせて使用することもできる。最も下の層のボトムブラケット100の固定穴101には、抵抗増加クッションを取り付けることもできる。
【0055】
オートバイの中で、電池を取り付けるスペースは限度があるため、オートバイ用の鉛酸電池のタイプも非常に多く(数百種のタイプがある)、数多くのタイプは幅のサイズは同様であるが、高さは異なっており、低い電池はいずれも原の高い電池の取り付けスペースに入れられる(高さが高ければ高いほど、容量が大きく、オートバイの排気量が異なるにつれ、異なる電池の容量が必要とする)。リチウム電池の体積比エネルギーは鉛酸電池の3倍もあるので、最も低い鉛酸電池タイプの外法寸法によって、1セットのカバー2や、ケース1および組み合わせが可能なボトムブラケット100のプラスチックダイスを開発製造することができ、およそ10種のタイプの同様な長さ・幅の鉛酸電池を代替することができ、これによって、治具やダイスなどの費用を大きく節減することができ、電池のコストを低減することができる。
【0056】
上記実施例中、固定フレームの形状は「井」字形と平行形などの各種形式を取ることもできる。
【0057】
上記実施例において、サポートガスケットの数量は9つ又は12個に増やすことができ、当該サポートガスケットの構造は長方体のプレート状の構造となっており、前記2枚の隣接するリチウムイオン電池の間には3つ又は4つのサポートガスケットが支えられ、サポートガスケットの間はお互いに平行している。これによって、本発明中電池ブラケット上に取り付けられる4枚のリチウムイオン電池はもっと優れた耐振性能と放熱性能を持つようになり、特に4枚のリチウムイオン電池が水平状に電池ブラケット上に取り付けられる場合、サポートガスケットはより良くリチウムイオン電池を支えることができ、リチウムイオン電池にひずみなどが発生しないようにし、これによって、本発明の性能を向上し、本発明の寿命を延ばすことができる。
【0058】
本明細書に記載されている上記内容は、本発明の構造について例を挙げて説明したものである。本発明の技術分野に所属する技術者なら、上記具体的な実施例に対して、様々な修正又は追加又は類似した方式を以って代替することができ、本発明の構造又は本「特許請求の範囲」に定義された範囲を超えていなければ、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0059】
1・・・ケース 2・・・カバー 3・・・電池コンポーネント
4・・・電池ブラケット 9・・・ベアラ
11・・・電池取り付けキャビティ 12・・・ボス
13・・・防水凹溝 14・・・ねじ貫通穴
15・・・配線溝、ロッキング溝 18・・・交差形固定フレーム
21・・・防水ストリップ 22・・・ポジショニングラグ
23・・・ねじめくら穴 31・・・正極 32・・・負極
33・・・プラグボード 34・・・隙間 51・・・正極リード
52・・・負極リード 61・・・正極端子 62・・・負極端子
71・・・抵抗増加クッション 72・・・サポートガスケット
91・・・補強リブ、延長チップ、キャビティ 92・・・ 直角
93・・・入口 100・・・ボトムブラケット
101・・・固定穴 102・・・ボトムブラケット支え脚
151・・・円柱体 152・・・リミットプレート
201・・・波形等化回路基板 202・・・波形等化回路
203・・・接続コンセント 204・・・接続プラグ
205・・・配線 206・・・めくら穴
261、262、263、264、265・・・等電位ポイント
911・・・1号キャビティ 912・・・2号キャビティ
913・・・3号キャビティ 914・・・4号キャビティ
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】


【図26】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極端子や、負極端子、カバー無し長方体状ケース、ケースとマッチングするカバーなどからなり、前記正極端子と負極端子はいずれもカバー上に固定され、カバーはケース上に固定されており、リチウムイオン蓄電池には、電池コンポーネントや、正極リード、負極リード、電池ブラケットおよび少なくとも3つのサポートガスケットなどが含まれており、前記電池コンポーネントは4つのリチウムイオン電池の直列連結からなり、当該電池コンポーネントは電池ブラケット上に取り付けられ、しかも、2つの隣接するリチウムイオン電池の間にはいずれもサポートガスケットが支えられ、前記電池コンポーネントには、正極と負極が設置されており、前記正極リードの1端は正極端子上に固定され、当該正極リードの他の1端は電池コンポーネントの正極上に固定されており、前記負極リードの1端は負極端子上に固定され、当該負極リードの他の1端は電池コンポーネントの負極上に固定されており、前記電池ブラケットはケースの中に取り付けられることを特徴とするオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項2】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記ケースは電池取り付けキャビティ付きケースであり、正極端子と/又は負極端子上には、絶縁ジャケットが設置され、前記電池ブラケットは電池取り付けキャビティの中に取り付けられており、前記電池コンポーネントは4つの3.2Vのリチウム電池の直列連結からなり、当該4つのリチウムイオン電池はお互いに平行になっており、前記リチウムイオン電池はいずれもリン酸鉄リチウムのリチウムイオン電池構造となっており、2つの隣接するリチウム電池の間には隙間があり、前記個々の隙間にはいずれも少なくとも1つのサポートガスケットが支えられており、前記ケースとカバーとの間には防水ユニットが設置されることを特徴とする請求項1に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項3】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記防水ユニットには、前記ケースの上部に設置される防水凹溝と前記防水凹溝とマッチングするようにカバーの底部に設置される防水ストリップが含まれており、前記防水ストリップは防水凹溝の中に位置されることを特徴とする請求項2に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項4】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記電池ブラケットには4つのベアラが含まれており、前記それぞれのベアラにはいずれも4層の直角三角柱形のキャビティが設置され、当該キャビティの底面の形状は直角三角形となっており、前記それぞれのベアラ中の4層のキャビティはお互いに重なり、前記それぞれのキャビティには1つの入口が設置され、当該入口はキャビティの底面直角三角形中の直角と相対しており、前記個々のリチウムイオン電池の4つの角はそれぞれ4つのベアラの同じ高さのキャビティの中に取り付けられることを特徴とする請求項2又は3に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項5】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記電池取り付けキャビティの内壁には4つのロッキング溝があり、当該4つのロッキング溝はそれぞれ4つのベアラとマッチングし、前記4つのベアラはそれぞれ4つのロッキング溝中にロッキングされることを特徴とする請求項4に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項6】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記電池取り付けキャビティ中2つの相対する内壁上には、それぞれ電池取り付けキャビティの内壁を沿って、底部から上部に向かって延ばされる2つのファーストストリップが設置され、前記ファーストストリップは、その突出し方向の末端にて曲がることによって、ベアラとマッチングする4つのロッキング溝が形成される。前記電池取り付けキャビティの他の2つの相対する内壁にはそれぞれ電池取り付けキャビティ内壁に沿って、底部から上部に向かって延ばされる2つの円柱体が設置され、前記2つの円柱体中の少なくとも1つはその軸方向に延ばされるセカンドストリップがあり、前記セカンドストリップは、その突出し方向の末端にて曲がることによって、2つの前記ベアラとマッチングするリミットストリップが形成され、前記ロッキング溝と前記リミットストリップは前記ベアラの固定に使われることを特徴とする請求項5に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項7】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記電池取り付けキャビティの2つの相対する内壁にはそれぞれ電池取り付けキャビティの内壁に沿って、底部から上部に向かって延ばされる2つのストリップが設置されており、前記ストリップは突出し方向の末端にて曲がることによって4つのベアラとマッチングするロッキング溝が形成される。前記電池取り付けキャビティの他の2つの相対する内壁にはそれぞれ電池取り付けキャビティ内壁に沿って底部から上部に向かって延ばされる2つの円柱体が設置され、しかも、前記電池取り付けキャビティの他の二つの相対する内壁は、前記2つの円柱体の間にてその中の1つの円柱体と近い位置には、電池取り付けキャビティの内壁に沿って、底部から上部に向かって延ばされるリミットプレートが設置され、前記ロッキング溝と前記リミットプレートは前記ベアラの固定に使われることを特徴とする請求項5に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項8】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記リチウムイオン蓄電池には、また、ボトムブラケットが含まれており、前記ボトムブラケットはケースの底部に固定されている。前記カバーの底部には幾つかのポジショニングラグが設置されており、当該ポジショニングラグは電池ブラケット上に突き当たることを特徴とする請求項2又は3に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項9】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記正極端子と負極端子は、いずれもプラスチック射出成型によってケース上に固定されており、前記正極リードの1端はねじによって正極端子上に固定され、前記負極リードの1端はねじによって負極端子上に固定されることを特徴とする請求項2又は3に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項10】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記電池コンポーネント中の4つのリチウムイオン電池の形状はいずれもへん平の長方体であり、当該4つのリチウムイオン電池は重なり配列となることを特徴とする請求項2又は3に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項11】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記リチウムイオン蓄電池には、また、防水凹溝とマッチングするシールリングが含まれており、前記シールリングはケースの防水凹溝の中に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項12】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記リチウムイオン蓄電池には、また、幾つかの固定ねじが含まれており、前記ケースには固定ねじとマッチングするねじ貫通穴が設置されており、当該ねじ貫通穴はケースの底面と垂直しており、前記ねじ貫通穴の上端はケースの上部に位置し、当該ねじ貫通穴の下端はケースの底部に位置され、前記カバーの底部にはねじ穴とマッチングするねじめくら穴が設置されており、当該カバーは固定ねじによってケース上に固定され、前記固定ねじはねじ貫通穴とねじめくら穴を通し接続させることを特徴とする請求項2又は3に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項13】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記リチウムイオン蓄電池には、また、幾つかの固定ねじが含まれており、前記ケースには固定ねじとマッチングするねじ貫通穴が設置されており、当該ねじ貫通穴はケースの底面と垂直しており、前記ねじ貫通穴の上端はケースの上部に位置し、当該ねじ貫通穴の下端はケースの底部に位置され、前記カバーの底部にはねじ穴とマッチングするねじめくら穴が設置されており、当該カバーは固定ねじによってケース上に固定され、前記固定ねじはねじ貫通穴とねじめくら穴を通し接続させることを特徴とする請求項6又は7に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項14】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記ねじ貫通穴は円柱体のセンターに位置し、その軸方向に沿って、円柱体全体を貫通することを特徴とする請求項13に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項15】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記ケースの電池取り付けキャビティの中には、配線溝が設置されており、当該配線溝は正極リードや負極リードとマッチングしており、前記正極リードと負極リードはいずれも配線溝の中に位置される。前記電池コンポーネント中の4つのリチウムイオン電池はプラグボード又は接続線によって直列連結されることを特徴とする請求項2又は3に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項16】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記ケースの底部には固定フレームが設置されており、前記固定フレームは電池ブラケットを高く支えており、前記固定フレームは「井」字形、交差形又は平行線形となっていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項17】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記カバー又はケース中には波形等化回路基板が設置されており、前記波形等化回路基板は接続線によって電池コンポーネントと接続されることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項18】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記ベアラの形状は直角三角柱形で、2つの隣接するベアラの間は補強リブと/又はテープによって接続されることを特徴とする請求項4に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項19】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記直角三角柱の1つの直角辺は前記ケースの内壁と緊密に接していることを特徴とする請求項18に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。
【請求項20】
前記オートバイ起動専用のリチウムイオン電池において、前記ボトムブラケットの1面には固定穴が設置され、相対する他の1面にはボトムブラケットの支え脚が設置されており、前記ボトムブラケット支え脚とケースの外側底部の固定穴は固定接続され、隣接するボトムブラケットの間はボトムブラケット支え脚とボトムブラケット上の固定穴によって固定接続されることを特徴とする請求項8に記載のオートバイ起動専用のリチウムイオン電池。

【公表番号】特表2013−516041(P2013−516041A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546309(P2012−546309)
【出願日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【国際出願番号】PCT/CN2010/002136
【国際公開番号】WO2011/079513
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(512136271)杭州万▲馬▼高能量▲電▼池有限公司 (1)
【Fターム(参考)】