オーバーヘッドチャネル電力制御を使用したワイヤレス通信システムにおける干渉管理
【課題】ワイヤレス通信中に起こる干渉を、呼中にオーバーヘッドチャネルの電力レベルを減少させることによって管理する方法を提供する。
【解決手段】無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、無計画アクセスポイントのために関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを決定する。オーバーヘッドチャネルは、隣接無計画アクセスポイントに見られる干渉を減少させることとなる上記最適化低減電力レベルに従って送信される。
【解決手段】無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、無計画アクセスポイントのために関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを決定する。オーバーヘッドチャネルは、隣接無計画アクセスポイントに見られる干渉を減少させることとなる上記最適化低減電力レベルに従って送信される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく優先権の主張
本出願は、各々の開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080324P1を付与された、同一出願人が所有する米国仮特許出願第60/990,541号、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080325P1を付与された米国仮特許出願第60/990,547号、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080301P1を付与された米国仮特許出願第60/990,459号、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080330P1を付与された米国仮特許出願第60/990,513号、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080323P1を付与された米国仮特許出願第60/990,564号、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080331P1を付与された米国仮特許出願第60/990,570号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本出願は、一般にワイヤレス通信に関し、より詳細には、限定はしないが、通信パフォーマンスを改善することに関する。
【背景技術】
【0003】
序論
ワイヤレス通信システムは、様々なタイプの通信(たとえば、音声、データ、マルチメディアサービスなど)を複数のユーザに提供するために広く展開されている。高速なマルチメディアデータサービスの需要が急速に増大するにつれて、向上したパフォーマンスをもつ効率的でロバストな通信システムを実装することが課題となっている。
【0004】
従来のモバイル電話ネットワーク基地局を補うために、小カバレージ基地局が、よりロバストな屋内ワイヤレスカバレージをモバイルユニットに与えるために展開(たとえば、ユーザの家庭に設置)されることができる。そのような小カバレージ基地局は、アクセスポイント、基地局、Home NodeB、またはフェムトセルとして一般に知られている。一般に、そのような小カバレージ基地局は、DSLルータまたはケーブルモデムを介してインターネットおよびモバイルオペレータのネットワークに接続される。
【0005】
小カバレージ基地局の無線周波数(「RF」)カバレージはモバイルオペレータによって最適化されないことがあり、そのような基地局の展開はアドホックであることがあるので、RF干渉の問題が生じることがある。その上、小カバレージ基地局の場合にはソフトハンドオーバがサポートされないことがある。最後に、移動局は、制限された関連付け(すなわち、限定加入者グループ)要件のために、最良のRF信号を有するアクセスポイントと通信することを許されないことがある。したがって、ワイヤレスネットワークの干渉管理の改善が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼のためのオーバーヘッド(即ち、制御)チャネルの最適な電力レベルの決定によって干渉を管理することに関する。第1のアクセスポイントにおいてオーバーヘッド信号を最適化することによって、隣接アクセス端末におけるトータルの知覚される干渉が減少される。1つの例示的な実施形態では、通信の方法は、無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、無計画アクセスポイントのために関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化された電力レベルを決定することを含む。最適化された電力レベルが決定されたとき、オーバーヘッドチャネルは、無計画アクセスポイントから関連するアクセス端末へ、最適化された電力レベルで送信される。
【0007】
別の例示的な実施形態では、通信のための装置は、無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、無計画アクセスポイントのために関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化された電力レベルを決定するように構成された干渉コントローラを含む。最適化された電力レベルが決定されたとき、通信コントローラは、無計画アクセスポイントから関連するアクセス端末へ、オーバーヘッドチャネルを最適化された電力レベルで送信する。
【0008】
本開示のこれらおよび他の例示的な態様について、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲、ならびに添付の図面において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、通信システムのいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図2】図2は、例示的な通信システムにおけるコンポーネントのいくつかの例示的な態様を示す簡略ブロック図である。
【図3】図3は、干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの例示的な態様のフローチャートである。
【図4】図4は、ワイヤレス通信システムの簡略図である。
【図5A】図5Aは、フェムトノードを含むワイヤレス通信システムの簡略図である。
【図5B】図5Bは、ネガティブジオメトリー(negative geometries)を示すフェムトノードおよびアクセス端末の特定の構成の簡略図である。
【図6】図6は、ワイヤレス通信用のカバレージエリアを示す簡略図である。
【図7】図7は、ビームおよびヌルステアリングを使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの例示的な態様のフローチャートである。
【図8】図8は、オーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの例示的な態様のフローチャートである。
【図9】図9は、オーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの例示的な態様のフローチャートである。
【図10】図10は、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するために周波数選択性送信を使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの態様のフローチャートである。
【図11A】図11Aは、適応ノイズ指数および経路損失調整を使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの態様のフローチャートである。
【図11B】図11Bは、適応ノイズ指数および経路損失調整を使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの態様のフローチャートである。
【図12】図12は、サブフレーム時間再使用技法を使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの態様のフローチャートである。
【図13】図13は、ハイブリッド時間再使用技法を使用して干渉を管理するために実行されることができるフェムトノードの間のタイムシェアリングを示すスロット図である。
【図14】図14は、ハイブリッド時間再使用を使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの態様のフローチャートである。
【図15】図15は、通信コンポーネントのいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図16】図16は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図17】図17は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図18】図18は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図19】図19は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図20】図20は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図21】図21は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
慣例により、図面中に示される様々な特徴は一定の縮尺で描かれていないことがある。したがって、様々な特徴の寸法は、明快のために任意に拡大または縮小されていることがある。さらに、図面のいくつかは、明快のために簡略化されていることがある。したがって、図面は、所与の装置(たとえば、デバイス)または方法のコンポーネントのすべてを示しているわけではない。最後に、明細書および図の全体にわたって同じ特徴を示すために同じ参照番号が使用されることがある。
【0011】
本開示の様々な態様について以下で説明する。本明細書の教示が多種多様な形で実施されることができ、本明細書で開示された特定の構造、機能またはその両方は代表的なものにすぎないことは明らかであろう。本明細書の教示に基づいて、本明細書で開示される態様は他の態様とは独立に実装されることができること、およびこれらの態様のうちの2つ以上を様々な方法で組み合わせることができることを、当業者なら諒解されたい。たとえば、本明細書に記載の態様をいくつ使用しても、装置が実現され、または方法が実施されることができる。さらに、本明細書で説明した態様の1つまたは複数に加えて、あるいはそれら以外の他の構造、機能、または構造および機能を使用して、そのような装置が実現され、またはそのような方法が実施されることができる。さらに、態様は、請求項の少なくとも1つの要素を備えることができる。
【0012】
いくつかの態様では、マクロスケールのカバレージ(たとえば、一般にマクロセルネットワークと呼ばれる、3Gネットワークなどの広域セルラーネットワーク)、およびより小さいスケールのカバレージ(たとえば、住居ベースまたは建築物ベースのネットワーク環境)を含むネットワーク中で、本明細書の教示が採用されることができる。アクセス端末(「AT」)がそのようなネットワーク中を移動するとき、アクセス端末は、あるロケーションでは、マクロカバレージを与えるアクセスノード(「AN」)によってサービスされ、他のロケーションでは、より小さいスケールのカバレージを与えるアクセスノードによってサービスされることがある。いくつかの態様では、増分キャパシティの増大と、屋内カバレージと、(たとえば、よりロバストなユーザ経験のための)様々なサービスと、を与えるために、より小さいカバレージノードが使用されることができる。本明細書での説明では、比較的大きいエリアにわたってカバレージを与えるノードは、マクロノードと呼ばれることがある。比較的小さいエリア(たとえば、住居)にわたってカバレージを与えるノードは、フェムトノードと呼ばれることがある。マクロエリアよりも小さく、フェムトエリアよりも大きいエリアにわたってカバレージを与える(たとえば、商業建築物内のカバレージを与える)ノードは、ピコノードと呼ばれることがある。
【0013】
マクロノード、フェムトノード、またはピコノードに関連付けられたセルは、それぞれ、マクロセル、フェムトセル、またはピコセルと呼ばれることがある。いくつかの実装形態では、各セルはさらに1つまたは複数のセクタに関連付けられる(たとえば、分割する)ことができる。
【0014】
様々な適用例では、マクロノード、フェムトノード、またはピコノードを参照するために、他の用語が使用されることができる。たとえば、マクロノードは、アクセスノード、基地局、アクセスポイント、eNodeB、マクロセルなどとして構成される、または呼ばれることがある。また、フェムトノードは、Home NodeB、Home eNodeB、アクセスポイント、基地局、フェムトセルなどとして構成される、または呼ばれることがある。
【0015】
図1は、分散ノード(たとえば、アクセスポイント102、104、および106)が、関連する地理的エリアに設置されるまたはその全体にわたってローミングすることができる他のノード(たとえば、アクセス端末108、110、および112)に、ワイヤレス接続性を与える通信システム100の例示的な態様を示す。いくつかの態様では、アクセスポイント102、104、および106は、ワイドエリアネットワーク接続性を可能にするために、1つまたは複数のネットワークノード(たとえば、ネットワークノード114などの集中型ネットワークコントローラ)と通信することができる。
【0016】
アクセスポイント104などのアクセスポイントは、制限されることがあり、それによって、いくつかのアクセス端末(たとえば、アクセス端末110)のみがアクセスポイントにアクセスすることを許され、またはアクセスポイントは何らかの他の方法で制限されることがある。そのような場合、制限されたアクセスポイントおよび/またはその関連するアクセス端末(たとえば、アクセス端末110)は、たとえば、無制限のアクセスポイント(たとえば、マクロアクセスポイント102)、その関連するアクセス端末(たとえば、アクセス端末108)、別の制限されたアクセスポイント(たとえば、アクセスポイント106)、またはその関連するアクセス端末(たとえば、アクセス端末112)など、システム100中の他のノードに干渉することがある。たとえば、所与のアクセス端末に最も近いアクセスポイントは、そのアクセス端末のサービングアクセスポイントではないことがある。したがって、そのアクセス端末による送信は、アクセス端末での受信に干渉することがある。本明細書で論じるように、干渉を緩和するために、周波数再使用、周波数選択性送信、干渉除去(cancellation)およびスマートアンテナ(たとえば、ビームフォーミングおよびヌルステアリング)および他の技法が採用されることができる。
【0017】
システム100などのシステムの例示的な動作が、図2のフローチャートに関してより詳細に論じられるだろう。便宜上、図2の動作(または本明細書で検討または教示する他の動作)は、特定のコンポーネント(たとえば、システム100のコンポーネントおよび/または図3に示すシステム300のコンポーネント)によって実行されるものとして説明されることができる。ただし、これらの動作は、他のタイプのコンポーネントによって実行されることができ、異なる個数のコンポーネントを使用して実行されることができることを諒解されたい。また、本明細書で説明する動作の1つまたは複数は、所与の実装形態では採用されない場合があることを諒解されたい。
【0018】
説明のために、本開示の様々な態様が、互いに通信するネットワークノード、アクセスポイント、およびアクセス端末の文脈で説明されるだろう。ただし、本明細書の教示は、他のタイプの装置、または他の用語を使用して参照される装置に適用されることができることを諒解されたい。
【0019】
図3は、本明細書の教示による、ネットワークノード114(たとえば、無線ネットワークコントローラ)、アクセスポイント104、およびアクセス端末110に組み込まれることができるいくつかの例示的なコンポーネントを示す。これらのノードの所与の1つについて示されるコンポーネントもまた、システム100中の他のノードに組み込まれることができることを諒解されたい。
【0020】
ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110はそれぞれ、互いと、および他のノードと通信するためのトランシーバ302、304、および306を含む。トランシーバ302は、信号を送信するための送信機308と、信号を受信するための受信機310と、を含む。トランシーバ304は、信号を送信するための送信機312と、信号を受信するための受信機314と、を含む。トランシーバ306は、信号を送信するための送信機316と、信号を受信するための受信機318と、を含む。
【0021】
典型的な実装形態では、アクセスポイント104は、1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを介してアクセス端末110と通信し、アクセスポイント104は、バックホールを介してネットワークノード114と通信する。様々な実装形態では、ワイヤレスまたは有線のリンクはこれらのノード間または他との間で使用されることができることを諒解されたい。したがって、トランシーバ302、304、および306は、ワイヤレスおよび/または有線の通信コンポーネントを含むことができる。
【0022】
ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110はまた、本明細書で教示される干渉管理と連携して使用されることができる様々な他のコンポーネントを含む。たとえば、ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110は、それぞれ、干渉を緩和するための、および本明細書で教示されるような他の関連する機能を与えるための干渉コントローラ320、322、および324を含むことができる。干渉コントローラ320、322、および324は、特定タイプの干渉管理を実行するための1つまたは複数のコンポーネントを含むことができる。ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110は、それぞれ、他のノードとの通信を管理するための、および本明細書で教示されるような他の関連する機能を与えるための通信コントローラ326、328、および330を含むことができる。ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110は、それぞれ、他のノードとの通信を管理するための、および本明細書で教示されるような他の関連する機能を与えるためのタイミングコントローラ332、334、および336を含むことができる。図3に示す他のコンポーネントは、以下の開示で論じられるだろう。
【0023】
説明のために、干渉コントローラ320および322は、いくつかのコントローラコンポーネントを含むものとして示されている。しかしながら、実際問題として、所与の実装形態では、これらのコンポーネントのすべてを採用するわけではない。ここで、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)コントローラコンポーネント338または340は、本明細書で教示されるようなHARQインターレース動作に関係する機能を与えることができる。プロファイルコントローラコンポーネント342または344は、本明細書で教示されるような送信電力プロファイルまたは受信減衰動作に関係する機能を与えることができる。タイムスロットコントローラコンポーネント346または348は、本明細書で教示されるようなタイムスロット部分の動作に関係する機能を与えることができる。アンテナコントローラコンポーネント350または352は、本明細書で教示されるようなスマートアンテナ(たとえば、ビームフォーミングおよび/またはヌルステアリング)動作に関係する機能を与えることができる。受信ノイズコントローラコンポーネント354または356は、本明細書で教示されるような適応ノイズ指数および経路損失調整動作に関係する機能を与えることができる。送信電力コントローラコンポーネント358または360は、本明細書で教示する送信電力動作に関係する機能を与えることができる。時間再使用コントローラコンポーネント362または364は、本明細書で教示されるような時間再使用動作に関係する機能を与えることができる。
【0024】
図2は、ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110が、干渉管理(たとえば、干渉緩和)を行うために、どのように互いに相互作用することができるかについて示している。いくつかの態様では、干渉を緩和するために、これらの動作がアップリンクおよび/またはダウンリンクに対して採用されることができる。一般に、図2によって説明される1つまたは複数の技法は、以下で図7〜図14に関して説明される、より具体的な実装形態において採用されることができる。したがって、明快のために、より具体的な実装形態の説明は、これらの技法について再び詳細に説明しないことができる。
【0025】
ブロック202で表されるように、ネットワークノード114(たとえば、干渉コントローラ320)は、アクセスポイント104および/またはアクセス端末110の1つまたは複数の干渉管理パラメータを随意に定義することができる。そのようなパラメータは様々な形態をとることができる。たとえば、いくつかの実装形態では、ネットワークノード114は干渉管理情報のタイプを定義することができる。そのようなパラメータの例は、図7〜図14に関して以下でより詳細に説明されるだろう。
【0026】
いくつかの態様では、干渉パラメータの定義は、1つまたは複数のリソースをどのように割り振るかを判断することを含むことができる。たとえば、ブロック402の動作は、割り振られたリソース(たとえば、周波数スペクトルなど)が部分再使用のためにどのように分割されることができるかを定義することを含むことができる。さらに、部分再使用パラメータの定義は、どのくらいの量の割り振られたリソース(たとえば、いくつのHARQインターレースなど)が、アクセスポイント(たとえば、制限されたアクセスポイント)のセットのうちのいずれか1つによって使用されることができるかを決定することを含むことができる。部分再使用パラメータの定義はまた、どのくらいの量のリソースがアクセスポイント(たとえば、制限されたアクセスポイント)のセットによって使用されることができるかを決定すること含むことができる。
【0027】
いくつかの態様では、ネットワークノード114は、アップリンクまたはダウンリンクに対する干渉があるかどうかを示し、および、干渉がある場合、そのような干渉の程度を示す受信情報に基づいてパラメータを定義することができる。そのような情報は、システム中の様々なノード(たとえば、アクセスポイントおよび/またはアクセス端末)から、様々な方法(たとえば、バックホール経由、無線など)で受信されることができる。
【0028】
たとえば、場合によっては、1つまたは複数のアクセスポイント(たとえば、アクセスポイント104)は、アップリンクおよび/またはダウンリンクを監視し、アップリンクおよび/またはダウンリンク上で検出された干渉の指度を(たとえば、繰り返して、または要求時に)ネットワークノード114に送信することができる。前者の場合の一例として、アクセスポイント104は、アクセスポイント104に関連しない(たとえば、それによってサービスされない)近くのアクセス端末(たとえば、アクセス端末108および112)から受信した信号の信号強度を計算し、これをネットワークノード114に報告することができる。
【0029】
場合によっては、システム中のアクセスポイントの各々は、それらが比較的高い負荷を受けているとき、負荷指度を生成することができる。そのような指度は、たとえば、1xEV−DOではビジービットの形態、3GPPでは相対グラントチャネル(「RGCH」)の形態、または何らかの他の適切な形態をとることができる。従来のシナリオでは、アクセスポイントは、この情報をダウンリンクを介してそのアクセスポイントの関連するアクセス端末に送信することができる。しかしながら、そのような情報は、(たとえば、バックホールを介して)ネットワークノード114にも送信されることができる。
【0030】
場合によっては、1つまたは複数のアクセス端末(たとえば、アクセス端末110)は、ダウンリンク信号を監視し、この監視に基づいて情報を与えることができる。アクセス端末110は、そのような情報を、(たとえば、ネットワークノード114に情報を転送する)アクセスポイント104に送信し、または(アクセスポイント104を介して)ネットワークノード114に送信することができる。システム中の他のアクセス端末は、同様の方法でネットワークノード114に情報を送信することができる。
【0031】
場合によっては、アクセス端末110は、(たとえば、繰り返し)測定報告を生成することができる。いくつかの態様では、そのような測定報告は、アクセス端末110がどのアクセスポイントから信号を受信しているか、各アクセスポイントからの信号に関連する受信信号強度指度(たとえば、Ec/Io)、アクセスポイントの各々に対する経路損失、または何らかの他の適切なタイプの情報を示すことができる。場合によっては、測定報告は、アクセス端末110がダウンリンクを介して受信した負荷指度に関係する情報を含むことができる。
【0032】
ネットワークノード114は、次いで、アクセスポイント104および/またはアクセス端末110が別のノード(たとえば、別のアクセスポイントまたはアクセス端末)に比較的近いかどうかを判断するために、1つまたは複数の測定報告からの情報を使用することができる。さらに、ネットワークノード114は、これらのノードのいずれかがこれらのノードの他の1つに干渉するかどうかを判断するために、この情報を使用することができる。たとえば、ネットワークノード114は、信号を送信したノードの送信電力とこれらのノード間の経路損失とに基づいて、ノードにおける受信信号強度を判断することができる。
【0033】
場合によっては、アクセス端末110は、ダウンリンク上の信号対ノイズ比(たとえば、信号および干渉対ノイズ比(SINR))を示す情報を生成することができる。そのような情報は、たとえばチャネル品質指度(「CQI」)、データ転送レート制御(「DRC」)指度、または何らかの他の適切な情報を備えることができる。場合によっては、この情報はアクセスポイント104に送信されことができ、アクセスポイント104は、干渉管理動作において使用するために、この情報をネットワークノード114に転送することができる。いくつかの態様では、ネットワークノード114は、ダウンリンクに対する干渉があるかどうかを判断し、またはダウンリンク中の干渉が増加または減少しているかどうかを判断するために、そのような情報を使用することができる。
【0034】
以下でより詳細に説明されるように、場合によっては、干渉関連の情報は、どのように干渉を緩和するかを判断するために使用されることができる。一例として、HARQインターレースごとにCQIまたは他の適切な情報が受信されることができ、それにより、どのHARQインターレースが最低レベルの干渉に関連するかが判断されることができる。同様の技法は、他の部分再使用技法に採用されることができる。
【0035】
ネットワークノード114は様々な他の方法でパラメータを定義することができることを諒解されたい。たとえば、場合によっては、ネットワークノード114は1つまたは複数のパラメータをランダムに選択することができる。
【0036】
ブロック204で表されるように、ネットワークノード114(たとえば、通信コントローラ326)は、定義された干渉管理パラメータをアクセスポイント104に送信する。以下で論じられるように、場合によっては、アクセスポイント104はこれらのパラメータを使用し、場合によっては、アクセスポイント104はこれらのパラメータをアクセス端末110に転送する。
【0037】
場合によっては、ネットワークノード114は、システム中の2つ以上のノード(たとえば、アクセスポイントおよび/またはアクセス端末)によって使用されるべき干渉管理パラメータを定義することによって、システム中の干渉を管理することができる。たとえば、部分再使用方式の場合、ネットワークノード114は、異なる(たとえば、相互に排他的な)干渉管理パラメータを隣接アクセスポイント(たとえば、潜在的に互いに干渉するのに十分近いアクセスポイント)に送信することができる。具体的な例として、ネットワークノード114は、第1のHARQインターレースをアクセスポイント104に割り当て、第2のHARQインターレースをアクセスポイント106に割り当てることができる。このようにして、1つの制限されたアクセスポイントにおける通信は、他の制限されたアクセスポイントにおける通信に実質的に干渉することができない。
【0038】
ブロック206で表されるように、アクセスポイント104(たとえば、干渉コントローラ322)は、それが使用することができるか、またはアクセス端末110に送信することができる干渉管理パラメータを決定する。ネットワークノード114がアクセスポイント104の干渉管理パラメータを定義する場合、この決定動作は、単に、指定されたパラメータを受信すること、および/または(たとえば、データメモリから)指定されたパラメータを取り出すことを含むことができる。
【0039】
場合によっては、アクセスポイント104は、それ自体で干渉管理パラメータを決定する。これらのパラメータは、ブロック202に関連する上述のパラメータと同様とされることができる。さらに、場合によっては、これらのパラメータは、ブロック202における上述の方法と同様の方法で決定されることができる。たとえば、アクセスポイント104は、アクセス端末110から情報(たとえば、測定報告、CQI、DRC)を受信することができる。さらに、アクセスポイント104は、そのようなリンクに対する干渉を判断するために、アップリンクおよび/またはダウンリンクを監視することができる。アクセスポイント104は、パラメータをランダムに選択することもできる。
【0040】
場合によっては、アクセスポイント104は、干渉管理パラメータを決定するために、1つまたは複数の他のアクセスポイントと協働することができる。たとえば、場合によっては、アクセスポイント104は、どのパラメータがアクセスポイント106によって使用されているかを判断し(それによって、異なるパラメータを選択し)、または異なる(たとえば、相互に排他的な)パラメータの使用をネゴシエートするために、アクセスポイント106と通信することができる。場合によっては、アクセスポイント104は、(たとえば、別のノードがリソースを使用していることを示すCQIフィードバックに基づいて)それが別のノードに干渉するかどうかを判断し、そうであれば、そのような潜在的な干渉を緩和するために、その干渉管理パラメータを定義することができる。
【0041】
ブロック208で表されるように、アクセスポイント104(たとえば、通信コントローラ328)は、干渉管理パラメータまたは他の関連情報をアクセス端末110に送信することができる。場合によっては、この情報は電力制御に関する(たとえば、アップリンク送信電力を指定する)ことができる。
【0042】
ブロック210および212で表されるように、アクセスポイント104は、したがって、ダウンリンク上でアクセス端末110に送信ことができ、またはアクセス端末110は、アップリンク上でアクセスポイント104に送信することができる。ここで、アクセスポイント104は、ダウンリンク上で送信し、および/またはアップリンク上で受信するために、その干渉管理パラメータを使用することができる。同様に、アクセス端末110は、ダウンリンク上で受信するとき、またはアップリンク上で送信するときに、これらの干渉管理パラメータを考慮に入れることができる。
【0043】
いくつかの実装形態では、アクセス端末110(たとえば、干渉コントローラ306)は、1つまたは複数の干渉管理パラメータを定義することができる。そのようなパラメータは、アクセス端末110によって使用され、および/または(たとえば、アップリンク動作中に使用するために)アクセスポイント104に(たとえば、通信コントローラ330によって)送信されることができる。
【0044】
図4は、本明細書の教示が実装されることができる、いくつかのユーザをサポートするように構成されたワイヤレス通信システム400を示す。システム400は、たとえば、それぞれ対応するアクセスノード404(たとえば、アクセスポイント404A〜404G)によってサービスされる、マクロセル402A〜404Gなど、複数のセル402の通信を提供する。図4に示されるように、アクセス端末406(たとえば、アクセス端末406A〜406L)は、時間とともにシステム全体にわたって様々な位置に分散されることができる。各アクセス端末406は、たとえば、アクセス端末406がアクティブかどうか、およびアクセス端末406がソフトハンドオーバ中かどうかに応じて、所与の瞬間に(順方向リンク(FL)としても知られている)ダウンリンク(DL)および/または(逆方向リンク(RL)としても知られている)アップリンク(UL)上で1つまたは複数のアクセスノード404と通信することができる。ワイヤレス通信システム400は、広い地理的領域にわたってサービスを提供することができる。たとえば、マクロセル402A〜402Gは、近隣内の数ブロックをカバーすることができる。
【0045】
前述のように、比較的小さいエリア(たとえば、住居)にわたってカバレージを与えるノードまたは局在アクセスポイントは、フェムトノードと呼ばれることがある。図5Aは、1つまたは複数のフェムトノードがネットワーク環境内に展開された例示的な通信システム500を示す。特に、システム500は、比較的小規模のネットワーク環境中に(たとえば、1つまたは複数のユーザ住居530中に)設置された複数のフェムトノード510(たとえば、フェムトノード510Aおよび510B)を含む。各フェムトノード510は、DSLルータ、ケーブルモデム、ワイヤレスリンク、または他の接続手段(図示せず)を介して、ワイドエリアネットワーク540(たとえば、インターネット)およびモバイルオペレータコアネットワーク550に結合されることができる。以下で論じるように、各フェムトノード510は、関連するアクセス端末520(たとえば、アクセス端末520A)、および、随意に、関連しない(外来)アクセス端末520(たとえば、アクセス端末520F)にサービスするように構成されることができる。言い換えれば、フェムトノード510へのアクセスは制限されることができ、それによって、所与のアクセス端末520は、指定された(1つまたは複数の)ホームフェムトノード510のセットによってサービスされることはできるが、指定されていない外部(外来)フェムトノード510(たとえば、隣接のフェムトノード510)によってはサービスされることはできない。
【0046】
図5Bは、ネットワーク環境内の複数のフェムトノードおよびアクセス端末のネガティブジオメトリーのより詳細な図を示す。詳細には、フェムトノード510Aおよびフェムトノード510Bは、それぞれ、隣接するユーザ住居530Aおよびユーザ住居530Bにおいて展開される。アクセス端末520A〜520Cは、フェムトノード510Aに関連付け、それと通信することを許可されるが、フェムトノード510Bに関連付け、それと通信することは許可されない。同様に、アクセス端末520Dおよびアクセス端末520Eは、フェムトノード510Bに関連付け、それと通信することを許可されるが、フェムトノード510Aに関連付け、それと通信することは許可されない。アクセス端末520Fおよびアクセス端末520Gは、フェムトノード510Aまたはフェムトノード510Bのいずれかに関連付け、またはそのいずれかと通信することを許可されない。アクセス端末520Fおよびアクセス端末520Gは、マクロセルアクセスノード560(図5A)、または別の住居(図示せず)中の別のフェムトノードに関連付けされることができる。
【0047】
制限された関連付け(すなわち、アクセスポイントは、最も好ましい信号品質を与える「最も近い」フェムトノードに関連付けることを許されることができない)をもつ無計画フェムトノード510の展開では、ジャミングおよびネガティブジオメトリーは一般的であることがある。これらのネガティブジオメトリーに対処する解決策は、以下でさらに説明されるだろう。
【0048】
図6は、各々いくつかのマクロカバレージエリア604を含む、いくつかのトラッキングエリア602(またはルーティングエリアまたは位置エリア)が画定されたカバレージマップ600の例を示す。ここで、トラッキングエリア602A、602B、および602Cに関連付けられたカバレージのエリアは太線によって示され、マクロカバレージエリア604は六角形によって表される。トラッキングエリア602はフェムトカバレージエリア606をも含む。この例では、フェムトカバレージエリア606の各々(たとえば、フェムトカバレージエリア606C)は、マクロカバレージエリア604(たとえば、マクロカバレージエリア604B)内に示される。ただし、フェムトカバレージエリア606は、完全にマクロカバレージエリア604内にあるわけではないことを諒解されたい。実際問題として、多数のフェムトカバレージエリア606が所与のトラッキングエリア602またはマクロカバレージエリア604とともに画定されることができる。また、1つまたは複数のピコカバレージエリア(図示せず)が所与のトラッキングエリア602またはマクロカバレージエリア604内に画定されることができる。
【0049】
再び図5A〜図5Bを参照すると、フェムトノード510の所有者は、たとえば、3Gモバイルサービスなど、モバイルオペレータコアネットワーク550を介して提供されるモバイルサービスに加入することができる。さらに、アクセス端末520は、マクロ環境と、より小規模(たとえば、住居)のネットワーク環境との両方で動作することが可能であることができる。言い換えれば、アクセス端末520の現在位置に応じて、アクセス端末520は、マクロセルモバイルネットワーク550のアクセスノード560によって、または、フェムトノード510のセットのうちのいずれか1つ(たとえば、対応するユーザ住居530内に常駐するフェムトノード510Aおよび510B)によってサービスされることができる。たとえば、加入者が自宅の外にいるときには、標準のマクロアクセスノード(たとえば、ノード560)によってサービスされ、自宅の中にいるとき、フェムトノード(たとえば、ノード510A)によってサービスされる。ここで、フェムトノード520は既存のアクセス端末520と後方互換性があることを諒解されたい。
【0050】
フェムトノード510は、単一の周波数上に展開でき、または代替として、複数の周波数上に展開されることができる。特定の構成に応じて、単一の周波数、あるいは複数の周波数のうちの1つまたは複数は、マクロノード(たとえば、ノード560)によって使用される1つまたは複数の周波数と重なることがある。
【0051】
いくつかの態様では、アクセス端末520は、そのような接続性が可能であるときはいつでも、好ましいフェムトノード(たとえば、関連するアクセス端末520のホームフェムトノード)に接続するように構成されることができる。たとえば、アクセス端末520がユーザの住居530内にあるときはいつでも、アクセス端末520はホームフェムトノード510のみと通信することが望ましいことができる。
【0052】
いくつかの態様では、アクセス端末520がマクロセルラーネットワーク550内で動作しているが、(たとえば、好ましいローミングリスト中に定義された)その最も好ましいネットワーク上に存しない場合、アクセス端末520は、より良好なシステムが現在利用可能であるかどうかを判断するために利用可能なシステムの周期的なスキャンを行い、以後、そのような好ましいシステムに関連付けるために取り組むことができる、ベターシステムリセレクション(Better System Reselection)(「BSR」)を使用して、最も好ましいネットワーク(たとえば、ホームフェムトノード510)を探索し続けることができる。獲得エントリを用いて、アクセス端末520は、特定の帯域およびチャネルの探索を制限することができる。たとえば、最も好ましいシステムの探索は周期的に繰り返されることができる。好ましいフェムトノード510が発見されると、アクセス端末520は、そのカバレージエリア内にとどまる(camp)ために当該フェムトノード510を選択する。
【0053】
フェムトノードは、いくつかの態様では、制限されることがある。たとえば、所与のフェムトノードは、いくつかのサービスをいくつかのアクセス端末のみに与えることができる。いわゆる制限(または限定)関連付けを用いた展開では、所与のアクセス端末は、マクロセルモバイルネットワークと、フェムトノードの定義されたセット(たとえば、対応するユーザ住居530内に常駐するフェムトノード510)とによってのみサービスされることができる。いくつかの実装形態では、ノードは、少なくとも1つのノードにシグナリング、データアクセス、登録、ページング、またはサービスのうちの少なくとも1つを与えないように制限されることができる。
【0054】
いくつかの態様では、(限定加入者グループHome NodeB(Closed Subscriber Group Home NodeB)と呼ばれることもある)制限されたまたは外部(外来)フェムトノードは、サービスを、制限された準備されたアクセス端末のセットに提供するノードである。このセットは、必要に応じて、一時的にまたは永続的に拡大されることができる。いくつかの態様では、限定加入者グループ(Closed Subscriber Group)(「CSG」)は、アクセス端末の共通のアクセス制御リストを共有するアクセスノード(たとえば、フェムトノード)のセットとして定義されることができる。領域中のすべてのフェムトノード(または、制限されたすべてのフェムトノード)が動作するチャネルは、フェムトチャネルと呼ばれることがある。
【0055】
したがって、所与のフェムトノードと所与のアクセス端末との間に様々な関係が存在することがある。たとえば、アクセス端末の観点から、開いたフェムトノードは、制限された関連付けをもたないフェムトノードを指すことができる。制限されたフェムトノードは、何らかの形で制限された(たとえば、関連付けおよび/または登録のために制限された)フェムトノードを指すことができる。ホームフェムトノードは、アクセス端末がアクセスし、その上で動作することを許可されるフェムトノードを指すことができる。ゲストフェムトノードは、アクセス端末がアクセスし、またはその上で動作することを一時的に許可されるフェムトノードを指すことができる。制限されたまたは外部(外来)フェムトノードは、おそらく非常事態(たとえば、911番)を除いて、アクセス端末がアクセスし、またはその上で動作することを許可されないフェムトノードを指すことができる。
【0056】
制限されたまたは外来フェムトノードの観点から、関連するまたはホームアクセス端末は、制限されたフェムトノードへのアクセスを許可されるアクセス端末を指すことができる。ゲストアクセス端末は、制限されたフェムトノードへの一時的アクセスをもつアクセス端末を指すことができる。関連しない(外来)アクセス端末は、たとえば、おそらく911番などの非常事態を除いて、制限されたフェムトノードにアクセスする許可を有していないアクセス端末(たとえば、制限されたフェムトノードに登録する証明書または許可を有していないアクセス端末)を指すことができる。
【0057】
便宜上、本明細書の開示は、フェムトノードの文脈で様々な機能について説明する。ただし、ピコノードは、より大きいカバレージエリアに同じまたは同様の機能を与えることができることを諒解されたい。たとえば、所与のアクセス端末に対して、ピコノードが制限されること、ホームピコノードが定義されること、などが可能である。
【0058】
ワイヤレス多元接続通信システムは、複数のワイヤレスアクセス端末のための通信を同時にサポートすることができる。上述のように、各端末は、ダウンリンク(順方向リンク)およびアップリンク(逆方向リンク)上の伝送を介して1つまたは複数の基地局と通信することができる。ダウンリンクは、基地局から端末への通信リンクを指し、アップリンクは、端末から基地局への通信リンクを指す。この通信リンクは、単入力単出力システム、多入力多出力(「MIMO」)システム、または何らかの他のタイプのシステムを介して確立されることができる。
【0059】
MIMOシステムは、データ送信用の複数(NT)個の送信アンテナおよび複数(NR)個の受信アンテナを使用する。NT個の送信アンテナとNR個の受信アンテナとによって形成されるMIMOチャネルは、空間チャネルと呼ばれることもあるNS個の独立チャネルに分解されることができ、ここで、NS≦min{NT,NR}である。NS個の独立チャネルの各々は1つの次元に対応する。複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって生成された追加の次元数が利用された場合、MIMOシステムは、改善されたパフォーマンス(たとえば、より高いスループットおよび/またはより大きい信頼性)を与えることができる。
【0060】
MIMOシステムは時分割複信(「TDD」)および周波数分割複信(「FDD」)をサポートすることができる。TDDシステムでは、順方向および逆方向リンク伝送が同一周波数領域上で行われるので、相反定理によりアップリンク(逆方向リンク)チャネルからのダウンリンク(順方向リンク)チャネルの推定が可能である。これは、複数のアンテナがアクセスポイントで利用可能なとき、アクセスポイントにダウンリンク上で送信ビームフォーミング利得を取り出すことを可能とする。
【0061】
前述のように、制限された関連付け(すなわち、移動局は、それが最も強いリンクを有する「最も近い」基地局に関連付けることを許されない)をもつ無計画基地局展開では、ジャミングおよびネガティブジオメトリーは一般的である。図5Bに関して空間的に説明された1つの例示的な実施形態では、フェムトノード510Aおよびフェムトノード510Bは、隣接する住居において展開される。アクセス端末520A〜520Cは、フェムトノード510Aに関連付け、それと通信することを許可されるが、フェムトノード510Bに関連付け、それと通信することは許可されない。同様に、アクセス端末520D〜520Eは、フェムトノード510Bに関連付け、それと通信することを許可されるが、フェムトノード510Aに関連付け、それと通信することは許可されない。アクセス端末520F〜520Gは、フェムトノード510A〜510Bのいずれかに関連付けること、またはそのいずれかと通信することを許可されない。アクセス端末520F〜520Gは、マクロセルアクセスノード560(図5A)、または別の住居(図示せず)中の別のフェムトノードに関連付けられることができる。したがって、様々な干渉またはジャミングがアップリンクおよびダウンリンクを制約する場合、アクセス許容フェムトノードおよび隣接アクセス端末に関するそのようなネガティブジオメトリーが生じることがある。
【0062】
アップリンクジャミング
例として、LA3(dB)およびLA5(dB)を、それぞれ、フェムトノード510Aとアクセス端末520Cとの間、およびフェムトノード510Aとアクセス端末520Dとの間の経路損失であるとする。特に、LA3は、LA5よりもはるかに大きいことがある。したがって、アクセス端末520Dは、そのホームフェムトノード510Bに送信するとき、フェムトノード510Aにおいて過大な干渉(またはジャミング)を生じ、フェムトノード510Aにおいてアクセス端末520A〜Cの受信を事実上阻止する。このアップリンクジャミング状況では、アクセス端末520Cがその最大Tx電力P3maxで送信しても、フェムトノード510Aにおけるアクセス端末の受信したC/Iは次のように特徴づけられる。即ち、
C/I(フェムトノード510AにおけるAT520C)=P3max−LA3−(P5−LA5)(dB)
【0063】
いくつかの例示的な実施形態では、送信電力P5に応じて、フェムトノード510Aにおけるアクセス端末520CのC/Iは、LA3の大きい値のために非常に大きい負の値となることがある。そのような構成形状は、より高ネガティブなアップリンクジオメトリーと呼ばれる。
【0064】
ダウンリンクジャミング
同様に、1つの例示的な実施形態では、LB5は、LA5よりもはるかに大きいことがある。これは、フェムトノード510Aが、アクセス端末520Aに送信するとき、アクセス端末520Dにおいて過大な干渉(またはジャミング)を生じることがある、アクセス端末520Dにおけるフェムトノード510Bの受信を事実上阻止することを暗示する。このダウンリンクジャミング状況では、アクセス端末520Dにおけるフェムトノード510Bの受信したC/Iは、次のように計算されることができる。即ち、
C/I(AT5におけるフェムトセルB)=PB−LB5−(PA−LA5)(dB)
【0065】
この場合も、アクセス端末520Dにおけるフェムトノード510BのC/Iは、LB5の大きい値のために非常に大きい負の値となることがある。そのような構成形状は、より高ネガティブなダウンリンク形状と呼ばれる。
【0066】
さらなる実際的な考慮事項は、展開された(レガシー)アクセス端末の動作に対する変更を必要とすることなしにネガティブジオメトリーに対処することを含む。したがって、例示的な本実施形態では、アクセス端末に対する変更を必要とするのではなく、フェムトノードにおける変更プロセスによってネガティブジオメトリーからの干渉緩和に対処することが望ましい。したがって、アップリンクおよびダウンリンクにおけるネガティブジオメトリーは、以下で開示される例示的な実施形態に従って望ましく対処される。
【0067】
次に図7を参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するためのビームステアリングおよびヌルステアリングの使用に関係する動作がより詳細に説明されるだろう。例示的な本実施形態は、制限されたアクセスをもつ無計画基地局展開においてビームステアリングおよびヌルステアリングを使用してジャミングおよびネガティブジオメトリーを防止するための方法および装置を使用する。
【0068】
例示的なフェムトノード展開シナリオでは、近くの(所望または干渉)信号は、これは周波数帯域に(屋内環境における小さい遅延拡散および多重反射経路による)強い指向性成分およびフラットフェージングを含む、性質上ライシアン(Rician)である。特にジャミング状況では、セクタ化は、干渉の強いライシアン成分をなくすための望ましい方法を与えることができる。
【0069】
ブロック702で表されるように、フェムトノード510は、アクセス端末520からの送信を連続的にリッスンする(すなわち、本明細書で説明する様々な受信機構成に従って受信する)。クエリ704で表されるように、フェムトノード510は、アクセス端末によるアクセスプローブ(たとえば、送信)がフェムトノード510に向けられているかどうかを判断する。アクセス端末の検出されたアクセスプローブが特定のフェムトノード510に向けられている場合、ブロック706で表されるように、アクセス端末は、「ホーム」フェムトノードに「関連する」アクセス端末であるので、干渉緩和は不要である。
【0070】
クエリ708で表されるように、フェムトノード510は、アクセスプローブの特性がホームフェムトノードにおいて干渉を生じるのに十分なしきい値レベルであるかどうかを判断するために、特性(たとえば、電力レベル)をさらに比較する。アクセスプローブが干渉しきい値を超えないとき、「ホーム」フェムトノード510によるアクセスプローブの特性は容認できる干渉を生じるので、ブロック706で表されるように、干渉緩和は不要である。
【0071】
ブロック710で表されるように、ホームフェムトノード510が関連しないアクセス端末520から十分に強い(すなわち、干渉しきい値よりも大きい)アクセスプローブあるいは強いアップリンク送信を受信したとき、ホームフェムトノード510は、ダウンリンクおよびアップリンク上で信号または信号の欠如(たとえば、ヌル)を関連しないアクセス端末520のほうへステアリングするためにビームフォーミング(すなわち、指向性送信および受信)アンテナを適用する。
【0072】
例として、送信信号ビームおよび/またはヌルあるいは受信信号ビームおよび/またはヌルを形成するために、本明細書で説明されるセクタ化または指向性(たとえば、切替えビーム)アンテナ構成を使用して、ビームフォーミング(すなわち、ビームステアリング)が実行されることができる。具体的には、受信した無線周波数(Radio Frequency)(RF)信号に対して干渉ヌリング(nulling)が行われ、それによって、ジャミングフェムトノードから生じる受信機のフロントエンド過負荷およびA/D感度抑圧などの問題を小さくすることができる。さらに、セクタ化または指向性アンテナ構成は、ダウンリンクおよびアップリンクが、両方のリンク方向で使用するための同じ指向性成分を維持することを可能にする。
【0073】
ブロック712で表されるように、最小のエネルギーが近くの関連しないアクセス端末に向けられるように、ダウンリンクパイロットおよびオーバーヘッド送信、ならびに、もしあればトラフィックチャネル送信は、ビームフォーミングに従って送信される。関連しないアクセス端末から離れるように送信信号をステアリングすることは、関連しないアクセス端末におけるネガティブジオメトリーの低減に帰着する。
【0074】
ブロック714で表されるように、本明細書で説明されるアンテナ構成(たとえば、セクタ化アンテナまたは適応型フェーズドアレイを用いたヌルステアリング)を使用して、指向性ヌルは近くの関連しないアクセス端末520のほうへステアリングされる。したがって、関連するアクセス端末520が、ホームフェムトノード510との通信を試みるとき、関連するアクセス端末のアクセスプローブ、ならびに他のトラフィック(たとえば、ボイス/データ)通信は、ネガティブジオメトリーを有する近くの関連しないアクセス端末からの強い送信によって妨害されない。
【0075】
一例として、アクセスポイントが2つの別々のアンテナを使用する場合、APは両方のアンテナに対してATアクセスプローブ特性を監視することができる。アンテナの1つにおいて関連しないアクセス端末からの強いアップリンク送信が判断された場合、APは、そのアンテナに対して送信機能(ビームステアリング)をオフにし、受信機能(ヌルステアリング)をオフにすることができる。
【0076】
クエリ716で表されるように、フェムトノード510は、周期的に(たとえば、毎秒1回)受信方向のセクタ化ヌルをなくして、ブロック702で表されるように、強い不要な関連しないアクセス端末520がその通信を移動または終了したかどうかを判断する。クエリ704で表されるように、強い不要信号が消えた場合、フェムトノード510はセクタ化ヌルをなくし、ブロック706で表されるように、全方向送信および受信を用いて動作を続けることができる。ブロック708で表されるように、強い不要信号がまだ存在する場合、または移動しても、しきい値を超える場合、ブロック710で表されるように、フェムトノード510は、送信および受信セクタ化ヌルステアリングを不要な関連しないアクセス端末520の方向に調整することができる。
【0077】
図5Bに関する上記の例は、関連しないアクセス端末520Dが存在して、フェムトノード510Bとのアクティブな呼中である間、関連しないアクセス端末520Dの方向に受信および送信セクタ化ヌルをステアリングするフェムトノード510Aを示す。関連しないアクセス端末520Dがアイドルであるとき、フェムトノード510Aは全方向送信および受信を用いた動作に戻る。
【0078】
フェムトノードがセクタ化ヌルを特定の方向にステアリングしている期間中に、関連するアクセス端末520が同じ方向にある場合、それらは機能停止を経験することになる。したがって、例示的な実施形態では、(i)強い不要な関連しないアクセス端末520がアクティブである間、および(ii)クエリ408で判断されるように、関連しないアクセス端末520からの不要な送信が受信機において高い信号強度しきい値を超え、所望の関連するアクセス端末からのアクセスプローブがフェムトノード510において復号可能ではないことを意味する場合のみ、フェムトノード510はセクタ化ヌルをステアリングする。図5Bに関して、関連しないアクセス端末520Aからの信号があまり強くないので、フェムトノード510Bはセクタ化ヌルを関連しないアクセス端末520Aのほうへステアリングする必要がないことに留意されたい。フェムトノード510Bがそのようなセクタ化ヌルを関連しないアクセス端末520Aのほうへステアリングする場合、セクタ化ヌルにより、所望の関連するアクセス端末520Eにおいて機能停止が生じることになる。
【0079】
説明する方法の一般的な場合として、APが関連しないアクセス端末からの干渉の方向を判断することができない場合(たとえば、AP受信機を飽和させる非常に強いジャミング)、関連するATから受信した信号品質を最大にするために、ビームステアリングおよびヌルステアリングの異なる方向を試みることができる。
【0080】
次に図8を参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するためのオーバーヘッドチャネルに対する送信電力の最適化の使用に関係する動作が、より詳細に説明されるだろうる。例示的な本実施形態は、無計画基地局展開においてオーバーヘッドチャネルに対する最適化送信電力レベルを使用してジャミングおよびネガティブジオメトリーを防止するための方法および装置を使用する。
【0081】
一般に、オーバーヘッドチャネルの送信電力利得およびフェムトノードの総送信電力は、フェムトノードの所望の範囲に基づいて選択される。アクセス端末が、関連付けを制限する隣接フェムトノードによって妨害されている位置においてフェムトノードを捕捉することを可能にするために、オーバーヘッドチャネル(たとえば、パイロット、同期およびブロードキャスト/ページングなどの共通制御チャネル)が時間多重化されることができる。様々な数の時間スケールおよび時分割多重化のための方法が企図される。さらに、関連するアクセス端末がページングメッセージを受信することができるように、オーバーヘッドチャネルが周期的にのみ、たとえば、関連するアクセス端末のスロットサイクルインデックスにおいてオンにされることができる。さらなる構成では、フェムトノードは信号を全く送信しないことができる。
【0082】
しかしながら、アクティブな音声呼出しまたはデータ転送中に、ネガティブジオメトリーから生じたオーバーヘッドチャネルジャミング状況を時間多重化する機会を隣接フェムトノードに与えるアイドル期間がないことがある。したがって、例示的な実施形態は、フェムトノードにおいてアクティブな呼があり、オーバーヘッド信号の時間多重化が実際的でないとき、オーバーヘッド信号(たとえば、パイロット、同期およびブロードキャスト/ページングチャネル)の送信電力を最適化するための方法について説明する。
【0083】
たとえば、1xRTTおよびWCDMAネットワークにおいて、オーバーヘッドチャネル(たとえば、パイロット、ページ、同期チャネル)利得設定は、形状およびカバレージ制約に基づいていくつかのパフォーマンスのために調整される。さらに、マクロセルアクセスノード展開と比較したときに、フェムトノード展開はいくつかの著しい差異を示す。様々な差異は、以下を含む。即ち、
1.限定されたカバレージサイズのために、最大経路損失値は、フェムトノードによってサービスされるエリア(たとえば、セル)では、マクロセルアクセスノードによってサービスされるエリア(たとえば、セル)に比較して、はるかに少ない(たとえば、マクロセルラー展開の140dBに比較して80dBの最大値経路損失)。
2.同時にアクティブなアクセス端末の数は、フェムトノードによってサービスされるセルでは、マクロセルアクセスノードによってサービスされるセルよりも少ない(たとえば、20〜40ユーザに比較して1〜2ユーザ)。
3.上述のように、フェムトノードの制限された関連付け要件のために、ネガティブジオメトリーは、マクロセルアクセスノード展開の場合とは異なりフェムトノード展開の場合では一般的であることができる。
【0084】
これらの差異は、フェムトノード510のオーバーヘッドチャネルに対して非常に異なる最適電力設定を生じることができる。フェムトノード510は、一般に、アクティブなアクセス端末520を少数有するか全く有しないので、フェムトノード510によってサービスされる近接セルおよびマクロセルアクセスノード560によってサービスされるセル(すなわち、同一チャネル動作を仮定する)に対する干渉を最小限に抑えるために、オーバーヘッドチャネルが最小電力設定で維持されることが望ましい。例として、例示的な一実施形態では、パイロットチャネル最適化に重点を置くが、他のオーバーヘッドチャネルにも分析が適用されることができる。
【0085】
例示的な実施形態では、単一の音声呼出しの場合の最適なトラフィック対パイロット(「T2P」)値は、デフォルトパイロット電力設定、EcpDEFAULT、と同様に決定される。ダウンリンク(順方向リンク)電力制御が、トラフィック対パイロットの修正比を生じさせるとき、パイロット電力は、総送信電力および隣接フェムトノードによって生じる干渉の最も小さい値を維持するように調整される。
【0086】
例として、ホームフェムトノード510Aと隣接フェムトノード510Bとの境界におけるアクセス端末520Aは、両方のフェムトノード510に対して等しい経路損失を示し、隣接フェムトノード520Bはフル電力で送信しており、それによって、干渉、Ior_max、を生じる。本例では、ホームフェムトノード510Aが利得レベルEcpでパイロットチャネルを送信している場合、パイロット信号対ノイズ比(SNR)は、Ecp/Ior_maxと表されることができる。例示的な本実施形態によれば、ホームフェムトノード510Aからの最低総送信電力を生じる最適なEcp設定を見つけることが望ましい。
【0087】
ブロック802で表されるように、パイロットチャネル利得レベルEcpは、EcpDEFAULTに初期化される。したがって、Ecpのデフォルト値(EcpDEFAULT)は、フェムトネットワークにおいて予想される妥当な負荷および経路損失差分値に基づいて決定されることができる。
【0088】
ブロック804で表されるように、トラフィック呼(たとえば、音声呼出し)は、Ectとして示されるトラフィックチャネル上で使用される電力を用いてホームフェムト510Aとアクセス端末520Aとの間に確立される。1つの例示的な実施形態では、クエリ806で表されるように、Ect値は、ダウンリンク(順方向リンク)電力制御によって決定される。ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御は、所要のサービス品質(たとえば、パケット誤り率、PER)を維持するために、使用される。ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御は、ブロック808で表されるようにEctを減少させるか、ブロック810で表されるようにEctを増加させるか、またはEctを変化させないかのいずれかを指示する。
【0089】
クエリ812で表されるように、パケット誤り率(PER)の決定は、適切な信号品質を特定するために使用される。一般に、Ecpが非常に低い場合、チャネル推定品質は劣化し、非常に大きいEctを生じることになる。Ecpが増加するにつれて、チャネル推定は改善し、所要のEctは下がる。しかしながら、Ecpが非常に大きい場合、チャネル推定品質は所要の量より高くなるので、Ectのさらなる低減は生じない。したがって、PERが不適切なとき、ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御はEctを調整する。
【0090】
他のフェムトノードに対して生成される干渉を最小限に抑える必要があるので、最小値(Ect+Ecp)を生じる最適なEcp値を有することが望ましい。ブロック814で表されるように、EcpOPTIMALは、次のように決定される。即ち、
【数1】
【0091】
総送信電力を最小限に抑える他の最適なEcp値は、次のように得られる。
【0092】
Ect=f(Ecp)
(関数f(.)は、オフラインシミュレーションまたはテストによって決定されることができる。)
次いで、ブロック816で表されるように、最適なEct値が次のように決定される。即ち、
EctOPTOMAL=f(EcpOPTIMAL)
【0093】
ブロック818で表されるように、T2POPTIMALは、次のように決定される。即ち、
【数2】
【0094】
別の例示的な実施形態では、フェムトノードのセルにおいて予想される典型的なチャネルタイプのEcpOPTIMALおよびEctOPTIMALを得るために、たとえば、電力制御によって追跡できる低いドップラー(Doppler)をもつレイリー(Rayleigh)またはライシアン(Rician)のいずれかのフラットフェージングモデルを使用して、シミュレーションが実行されることができる。これらの最適値は、1つの例示的な実施形態では、アクセス端末と隣接フェムトノードとの特定の経路損失差と、隣接フェムトノードから受信した干渉電力とに依存する(たとえば、モバイル端末が、ホームフェムトに比較して隣接フェムトに対して3dB少ない経路損失を有する場合、最適なEcpおよびEct値は、3dBだけ増加する必要があるだろう)。
【0095】
一方、例示的な代替実施形態では、隣接フェムトノードがIor_maxの半分で送信している場合、最適なEcpおよびEct値は3dBだけ減少させられる必要がある。しかしながら、Ecp値はフェムトセルのハンドオフ境界を決定するので、あまり頻繁にEcp値を変化させることは、あまり実際的ではないことにも留意されたい。したがって、上述のように、Ecpのデフォルト値(EcpDEFAULT)は、フェムトネットワークにおいて予想される妥当な負荷および経路損失差分値に基づいて決定されることができる。
【0096】
次に図9を参照すると、予想される負荷および経路損失差よりも高い場合に最適な動作を維持するために、例示的な一実施形態において、フェムトノードと複数の関連するアクセス端末との間に起こる複数の呼の各々に対して以下アルゴリズムが実行されることができる。
【0097】
ブロック902で表されるように、パイロットチャネル利得レベルEcpが、各音声呼出しの分析のためにEcpDEFAULTに初期化される。したがって、Ecpのデフォルト値(EcpDEFAULT)は、フェムトネットワークにおいて予想される妥当な負荷および経路損失差分値に基づいて決定されることができる。
【0098】
ブロック904で表されるように、Ectとして示されるトラフィックチャネル上で使用される電力を用いてホームフェムト510Aと関連するアクセス端末520との間に確立される各呼に対してプロセスが繰り返される。1つの例示的な実施形態では、クエリ906で表されるように、Ect値は、ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御によって決定される。ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御は、所要のサービス品質(たとえば、パケット誤り率、PER)を維持するために、使用される。ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御は、ブロック908で表されるようにEctを減少させるか、ブロック910で表されるようにEctが増加させるか、またはEctを変化させないかのいずれかを指示することができる。
【0099】
クエリ912で表されるように、パケット誤り率(PER)の決定は、適切な信号品質を特定するために、使用されることができる。したがって、PERが不適切なとき、ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御はEctを調整する。
【0100】
ブロック918で表されるように、T2PFILTERED(たとえば、EctFILTERED/EcpFILTERED)は、呼中に監視される。T2Pをフィルタ処理する目的は、T2P計算から小規模変動を除去することである。たとえば、それぞれ、EctFILTEREDおよびEcpFILTEREDを計算するために、移動平均フィルタはEctおよびEcp値をフィルタ処理するために、使用されることができる。
【0101】
クエリ920で表されるように、T2PFILTEREDの値に関して決定が行われる。T2PFILTERED>T2POPTIMAL+Δ1の場合、ブロック922で表されるように、Ecpが次のように増加される。
Ecp=EctFILTERED/T2POPTIMAL。
【0102】
クエリ924で表されるように、T2PFILTEREDの値に関して決定が行われる。T2PFILTERED<T2POPTIMAL−Δ2の場合、ブロック926で表されるように、Ecpを次のように減少させる。
Ecp=max[EctFILTERED/T2POPTIMAL,EcpDEFAULTE]。
【0103】
T2POPTIMALは、特定のトラフィック構成(レート、コーディングなど)に依存する。たとえば、2つのユーザが同じレートボコーダを用いて音声呼出しを実行している場合、それらは同じT2POPTIMALを有する。しかしながら、データ転送(たとえば、153kbpsでの1xRTTデータ転送)を実行する別のユーザがいる場合、当該別のユーザは異なるT2POPTIMALを必要とする。T2POPTIMALが(そのトラフィックタイプに基づいて)所与のユーザに対して決定されると、アルゴリズムは自動的にEcpを調整する。上記のアルゴリズムは1つのユーザに対して指定される。複数のユーザがいる場合、アルゴリズムは各ユーザに対して異なるEcp値を生じることができる。しかしながら、オーバーヘッドチャネルはすべてのユーザに共通であり、1つのEcp設定のみとすることができる。したがって、複数のユーザに対してアルゴリズムが一般化されることができる。例として、システム中の各ユーザ(i=1,...,N)に対する「最適な」Ecpiは、上述のように求められることができ、次いで、実際のEcpがmax(Ecp1,...,EcpN)として決定されることができる。別のオプションは、オーバーヘッドおよびトラフィックとしてすべてのユーザに送信された総電力が最小限に抑えられるように、最適なEcpを求めることができる。これは、フェムトセル中のユーザ1〜Nに対して、ボックス814の計算を次のように変更することを意味するだろう。
【数3】
【0104】
T2Pをフィルタ処理する目的は、T2P計算から小規模変動を除去することであるだろう。たとえば、EctFILTEREDおよびEcpFILTEREDをそれぞれ計算するために、移動平均フィルタは、EctおよびEcp値をフィルタ処理するために、使用されることができる。
【0105】
最適なT2Pは、シミュレーションによって得られることができ、T2Pが決定されると、(標準の3G動作の一部である)電力制御調整Ectが決定されることができる。次いで、最適なT2Pを達成/維持するようにEcpが調整される。具体的には、2つのアルゴリズム、すなわち、1)Ectを調整する電力制御アルゴリズムと、2)本明細書で説明されるEcpの調整と、が一緒に実行されることができる。
【0106】
上記のアルゴリズムでは、Δ1およびΔ2は、Ecpの高速変動を防止するために使用されるヒステリシスパラメータである。さらに、Ecpの急激な変化を防止するために、例示的な一実施形態において、Ecp訂正がよりゆっくり実行されるように、上記の式は変更されることができる。最後に、他のオーバーヘッドチャネル(たとえば、ページ、同期)は、パイロット電力レベルに基づいて調整されることができる(すなわち、パイロット電力レベルに対するそれらの相対電力レベルは一定に保たれることができる)。
【0107】
したがって、フェムトノードにおいてアクティブな呼があるとき、最適なオーバーヘッド信号電力レベルを決定することによって、オーバーヘッド信号(たとえば、パイロット、同期およびブロードキャスト/ページングチャネル)の送信電力を低減するための例示的な実施形態が説明された。例示的な実施形態は、例示的なチャネルとしてパイロットチャネルにおいて使用する例として開示されているが、他のオーバーヘッドチャネルにも分析が適用されることができる。
【0108】
次に図10を参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するための周波数選択性送信の使用に関係する動作がより詳細に説明されるだろう。上述のように、フェムトノードの無計画展開のため、関連するアクセス端末の受信SINRは、隣接フェムトノード送信からの干渉のために極めて低くなることができる。この干渉は、アクセス端末に対する制御チャネルおよびトラフィックチャネルのパフォーマンスを劣化させ、機能停止またはサービスの低下を生じることがある。本明細書で開示される例示的な実施形態は、レガシーアクセス端末を改変する必要なしに、高い干渉エリアでのアクセス端末のパフォーマンスを改善するための動作を扱う。
【0109】
概して、例示的な実施形態は、干渉を最小限に抑えるために、隣接フェムトノード間の送信波形を直交させることによってダウンリンク送信に意図的な周波数選択性を導入する。一例として、各フェムトノード510は、たとえば、3×3DFT行列の所与の行からの各係数セットを用いて、利用可能な波形から、たとえば3つの3タップチャネル波形から、チャネル検知によって送信パルス整形を選択する。この場合、所与のアクセスポイントに対してそれぞれ、送信波形は、(通常のベースバンドフィルタリングに加えて)以下の3つの波形のうちの1つから選択されたフィルタインパルス応答を用いて3つのタップFIRによってフィルタ処理されるだろう。
【数4】
【0110】
ただし、exp(jx)=cos(x)+jsin(x)。
【0111】
代替の選択肢は、2×2 DFT(N=2)からの係数を用いた2つのインパルス応答である。送信フィルタの選択は、ある期間の間だけ持続し、その後、フェムトノード510はチャネル検知に基づいて再び選択を行うことができる。
【0112】
最初に図10を参照すると、図10は、ワイヤレス通信システム送信波形選択における干渉管理のための方法を記載している。ブロック1002で表されるように、N個の送信波形のセットが、ダウンリンク送信において使用するためにフェムトノード510に割り振られる。1つの例示的な実施形態では、チャネル波形は、N×N DFT行列中の特定の行から導出された各係数セットをもつNタップチャネルフィルタの係数から形成されることができる。
【0113】
ブロック1004で表されるように、フェムトノード510は、規定の選択プロセス(たとえば、ランダム化、ネットワークによってランダムに割り当てられる、など)に従って初期化時(たとえば、電源投入時)にデフォルト波形を選択する。デフォルト波形は、N個の送信(ダウンリンク)波形のセットからなる。デフォルト波形は最初は、好ましい送信波形、TxWavePREFERED、として割り当てられる。
【0114】
クエリ1006で表されるように、呼が起動されると、フェムトノード510は、好ましい送信波形を使用してダウンリンク上で送信する。関連するアクセス端末520との呼セットアップが行われ、この呼セットアップは、アクセス端末520によって判断されアップリンク上でフェムトノード510に転送されるチャネル品質指度(たとえば、チャネル品質インジケータCQI、データ転送速度制御DRC)を含む。
【0115】
クエリ1008で表されるように、フェムトノードは、すべての可能な波形がテストされるまでT_test_waveformの時間期間の波形テストサイクルを始動する。ブロック1010で表されるように、フェムトノード510は、現在の波形を使用して関連するアクセス端末520と通信する。関連するアクセス端末は、ダウンリンク送信を受信し、信号品質に応答してチャネル品質指度を生成する。チャネル品質指度は、アップリンク(逆方向リンク)中でフェムトノード510に転送される。
【0116】
ブロック1012で表されるように、フェムトノードは、受信されたチャネル品質指度に基づいて現在の波形を使用するチャネル品質を判断するためにアップリンクを監視する。フェムトノード510は、波形と対応するチャネル品質指度とのテーブルを形成するか、あるいは、現在のチャネル品質指度を任意の前のチャネル品質指度と比較し、好ましい波形の指度を保持することができる。
【0117】
ブロック1014で表されるように、評価を継続するために、テスト波形が、次の割り振られた波形にインクリメントされる。可能性のある波形がダウンリンク上の送信に関与し、対応するチャネル品質指度がアップリンク上で受信されるまで、例示的な波形選択プロセスが繰り返される。そして、ブロック1016で表されるように、チャネル品質判断に基づかれる好ましい波形が、他の無計画基地局展開の展開に関連するネガティブジオメトリーからの干渉の存在下で最良のチャネル品質を与える好ましい送信波形として選択される。
【0118】
ブロック1018で表されるように、特定の時間期間、呼終了、チャネル品質劣化しきい値、または当業者によって知られている他のチャネル状態を含む様々なファクタに基づいて、好ましい波形が周期的に更新されることができる。更新決定されると、処理は、様々な考えられる送信波形のチャネル品質の評価に戻る。
【0119】
例示的な本実施形態は、ISIによって自己ノイズを生成することで高形状でのパフォーマンスを制限するという代償により、畳み込み中における優勢な信号エネルギー上でのフーリエ(Fourier)級数の直交性により、強力な隣接干渉エネルギーからの干渉を管理する。所望の干渉信号に対するインパルス応答の異なる周波数カラーリングによりMMSE等化器を用いて、さらなる利得が達成されることができる。遅延拡散は1チップ間隔よりもかなり小さいので、この機構はフェムトノード構成において実現可能である。
【0120】
次に図11A〜図11Bを参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、適応ノイズ指数の使用に関係する動作と、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処する経路損失調整とが、より詳細に説明されるだろう。例示的な本実施形態は、適応ノイズ指数および経路損失調整を使用してジャミングを防止し、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するための方法および装置を使用する。
【0121】
一般に、フェムトノードは、広帯域接続(たとえば、DSLルータまたはケーブルモデム)を介してインターネット540およびモバイルオペレータコアネットワーク550に接続される。フェムトノード510のRFカバレージはモバイルオペレータコアネットワーク550によって手作業で最適化されず、展開は一般にアドホックなので、適切な干渉緩和方法が利用されない限り、深刻なRF干渉が発生する。
【0122】
マクロセルネットワークにおいて、アクセス端末520およびマクロセルアクセスノード560は、あるダイナミックレンジ内で動作するように設計される。フェムトノード510によって形成されたセルでは、ホームフェムトノード510および関連するアクセス端末520は任意に空間的に近くになり、したがって、それぞれの受信機の感度範囲を超える極めて高い信号レベルが生成されることがある。ダウンリンク(順方向リンクFL)上では、そのような構成は、関連するアクセス端末の受信機を飽和状態とさせ、復調性能の劣化をもたらすことができる。逆方向リンク上では、そのような構成は、ホームフェムトノード510において不安定性を生じることも知られている、極めて高いノイズ上昇(RoT)を生じることができる。したがって、それに応じて最大および最小の電力レベル、ならびに受信機ノイズ指数値は、ホームフェムトノード510のために調整される必要がある。この状況は、ホームフェムトノード510Aおよび関連するアクセス端末520Aに関して図5Bに示されている。
【0123】
フェムトノード510Bは、マクロセルアクセスノード560によってサービスされるセルのアップリンクUL(逆方向リンクRL))とダウンリンクDL(順方向リンクFL)の両方で干渉を引き起こすことができる。たとえば、住居530Bの窓の近くに設置されたフェムトノード510Bは、フェムトノード510Bによってサービスされない家屋の外部にあるアクセス端末520F(すなわち、関連しないアクセス端末)に著しいダウンリンクDL干渉を引き起こすことができる。また、アップリンクUL上では、特定のホームフェムトノード510によってサービスされる関連するアクセス端末520は、マクロセルアクセスノード560上で著しい干渉を引き起こすことができる。
【0124】
アップリンクUL上では、マクロセルアクセスノード560によってサービスされる関連しないアクセス端末520Fは、ホームフェムトノード510A上で著しい干渉を引き起こすことができる。
【0125】
上述のように、フェムトノード510は、また、無計画展開により互いに著しい干渉を生成することができる。たとえば、近くの住居530では、2つの住居530を分離している壁の近くに設置されたフェムトノード510が、隣接する住居530中の隣接フェムトノード510に著しい干渉を引き起こすことができる。そのような場合、フェムトノード510からアクセス端末520への(RF信号強度に関して)最も強い信号は、上述の限定された関連要件により、必ずしも関連するアクセス端末のホームフェムトノードであるわけではないことができる。そのようなシナリオは、ダウンリンクDL上でフェムトノード510Aがアクセス端末520Dに著しい干渉(たとえば、低SINR)を引き起こすことがある図5Bに示されている。また、アップリンクUL上では、関連しないアクセス端末520Dは、外部(外来)フェムトノード510Aに著しい干渉(たとえば、高RoT)を引き起こすことがある。
【0126】
たとえば、CDMAワイヤレスネットワークのアップリンク上では、システム安定性および負荷は、通常、フェムトノードにおける、ノイズ上昇としても知られる、ライズオーバサーマル(RoT)の計量によって判断される。ライズオーバサーマル(RoT)は、次のようにフェムトノードにおけるすべてのソースから受信された全電力と熱ノイズとの間の比を示す。即ち、
RoT=(Ioc+Ior+No)/No、
ただし、
Ior:フェムトノードがアクティブセット中にあるすべてのワイヤレスデバイスからフェムトノードにおいて受信された全受信電力
Ioc:フェムトノードがアクティブセット中にないすべてのワイヤレスデバイスからフェムトノードにおいて受信された全受信電力
No:フェムトノードノイズ指数(NF)を含む熱ノイズの分散。
【0127】
アップリンクUL上での安定したシステム動作のためには、RoTは制御される必要がある。一般に、RoTは約5dB以上になるように制御される。高RoT値は著しい性能劣化を引き起こすことができる。たとえば、2つの隣接するセルがフェムトノード510Aおよび510Bによって形成される図5Bでは、アクセス端末520Dによってフェムトノード510Aにおいて引き起こされた高RoTは、関連するアクセス端末520Cの性能劣化を生じさせる。1つの特定の干渉シナリオは、隣接クセス端末520Dが、バースト的なアップリンクULトラフィックを有し、フェムトノード510Aにおいて(たとえば、極めて近接して)過度に高い電力レベルを示すときに発生する。したがって、アクセス端末520Dからの高レートデータアップリンクULバースト中に、フェムトノード510AのRoTは20dBを上回る。さらに、CDMAシステム(たとえば、CDMA2000、WCDMA、1xEV−DO)におけるアップリンクUL電力制御機構は、このタイプの干渉シナリオをなくすように設計されている。しかしながらRoTの過大な変化により、この機構は、関連しないアクセス端末520Dによって引き起こされた干渉をフェムトノード510Aが克服するように関連するアクセス端末520Cを電力制御するのに多少の時間を要することがある。一方、関連するアクセス端末520Cの信号対干渉比(SIR)は、所要のレベルを下回り、その結果、関連するアクセス端末520Cからホームフェムトノード510AへのアップリンクUL上で連続的パケットエラーが生じる。
【0128】
上記のシナリオにおいてSIRの急落を最小限に抑えるために、1つの選択肢は、ホームフェムトノード510Aから関連するアクセス端末520Cに搬送されるアップリンクUL上の電力制御ステップサイズを増大させることであることができる。しかしながら、システムが極めて大きい電力制御ステップサイズで動作すると、他のシステム劣化が生じるので、通信規格によって課された電力制御ステップサイズの上限が通常は存在する。したがって、フェムトノード510におけるRoTレベルを制御することが望ましい。
【0129】
関連しないアクセス端末によって生じた干渉(たとえば、フェムトノード510Aにおける関連しないアクセス端末520Dによって生じた干渉)の急増によるRoTの急上昇を防止するために、ノイズ指数NFが増大させられることができ、または、アップリンクUL上に何らかの経路損失(PL)成分を加えることによって受信信号が減衰させられることができる。しかしながら、そのような操作は、高レベルの干渉を受けているフェムトノードにおいて実行される。図5Bに示すシナリオでは、フェムトノード510Aとフェムトノード510Bの両方が同じ量だけノイズ指数NFまたは減衰を増大させると、アクセス端末520Cとアクセス端末520Dの両方のアップリンクUL送信電力レベルがより大きくなる。したがって、フェムトノード510Aにおいて発生する高RoTの問題は改善されない。
【0130】
例示的な一実施形態によれば、高RoTを示すフェムトノード、本シナリオではフェムトノード510Aは、そのノイズ指数NFまたは減衰レベルを増大させ、高RoTを示さないフェムトノード、本シナリオではフェムトノード510Bは、高レベルのセル外干渉を受けていない限りそれらのノイズ指数NFを一定に保つ。したがって、特有のフェムトノードに高レベルのセル外干渉があるときにノイズ指数NFまたは減衰を調整するための方法が提供される。ワイヤレス通信システムにおける干渉の管理のための例示的な一実施形態によれば、所与のタイムスロットnにおけるRoTは、以下のように表すことができる。即ち、
RoT(n)=[Ioc(n)+Ior(n)+No(n)]/No(n)
および、
【数5】
【0131】
ただし、Eciはユーザi当たりの全受信エネルギーである。
【0132】
最初に図11A〜図11Bを参照すると、図11A〜図11Bは、RoTを制御するために経路損失を適応的に調整するのに適応ノイズ指数と経路損失調整とを使用するワイヤレス通信システムにおける干渉管理のための方法を説明している。アップリンクUL減衰またはフェムトノードのノイズ指数NFのいずれにも調整ファクタが適用されることができることに留意されたい。
【0133】
クエリ1104で表されるように、本明細書で説明される動作は、後続のタイムスロットnの発生時などにおいて周期的に発生することができる。例として、スロットnごとに、フェムトノード510は通信システムに干渉管理を与えるための以下の方法を実施することができる。ブロック1104で表されるように、様々な信号が測定され、レベルが計算される。特にブロック1106で表されるように、熱ノイズ指数No(n)が、フェムトノード510で測定される。熱ノイズ指数No(n)はフェムトノードノイズ指数(NF)を含む熱ノイズの分散である。
【0134】
ブロック1108で表されるように、全受信信号強度Io(n)が測定される。全受信信号強度Io(n)は、フェムトノードがアクティブセット中にあるすべてのワイヤレスデバイス、およびフェムトノードがアクティブセット中にないすべてのワイヤレスデバイスからフェムトノードにおいて受信された全受信電力である。ブロック1112で表されるように、フェムトノードがアクティブセット中にあるすべてのワイヤレスデバイスからフェムトノードにおいて受信された全受信電力であるセル内(関連するアクセス端末)干渉レベルIorが計算される。計算されるセル内干渉レベルは、次のように表されることができる。即ち、
【数6】
【0135】
ブロック1110で表されるように、受信パイロットチップエネルギーEcp(n)対干渉およびノイズNt(n)比が、フェムトノードがアクティブセット中にあるすべてのワイヤレスデバイスから測定される。
【0136】
ブロック1114で表されるように、フェムトノードがアクティブセット中にないすべてのワイヤレスデバイスからフェムトノードにおいて受信された全受信電力であるセル外(関連しないアクセス端末)干渉レベルIocが計算される。計算されるセル外干渉レベルは次のように表されることができる。即ち、
Ioc(n)=Io(n)−Ior(n)−No(n)
【0137】
ブロック1116で表されるように、受信セル外干渉レベル対熱ノイズ指数No(n)比と、セル内アクセス端末間の最大フィルタ処理済み受信パイロットチップエネルギーEcp(n)対干渉+ノイズNt(n)比とが計算される。ブロック1118で表されるように、例として、dB変域における無限インパルス応答(IIR)フィルタリングに従って、すべてのセル内アクセス端末についての受信パイロットチップエネルギーEcp(n)対干渉およびノイズNt(n)比として測定されたアクセス端末信号対ノイズ比がフィルタ処理される。フェムトノードがアクティブセット中にあるアクセス端末の間での最大フィルタ処理済み値は、次のように表されることができる。即ち、
【数7】
【0138】
ブロック1120で表されるように、セル外受信干渉レベルIocと熱ノイズ指数No(n)との信号対ノイズ比が計算される。また、この信号対ノイズ比はさらに、例として、dB変域における有限インパルス応答(FIR)フィルタリングに従ってフィルタ処理される。計算されるセル外(関連しないアクセス端末)信号対ノイズ比は、次のように表されることができる。即ち、
【数8】
【0139】
ブロック1122で表されるように、通信システムが確実に動作することができる許容(目標)量を超えた過大な受信セル外干渉と、セル内アクセス端末の間での最大の過大な受信パイロットチップエネルギー対干渉およびノイズ比とが決定される。ブロック1124で表されるように、受信パイロットチップエネルギー対干渉およびノイズ比の過量は、次のように表されることができる。即ち、
【数9】
【0140】
ただし、上記の許容しきい値EcpNt_targetはdBの単位を有する。
【0141】
ブロック1126で表されたように、セル外受信干渉レベルの過量Ioc_excessは、次のように表されることができる。即ち、
【数10】
【0142】
ただし、上記の許容しきい値Ioc_targetはdBの単位を有する。
【0143】
ブロック1128で表されるように、適用されることを必要とする追加の経路損失の量(PL_adjust)が計算される。ブロック1130で表されるように、候補経路損失調整量が決定される。候補調整量は、次のように表されることができる。即ち、
【数11】
【0144】
候補調整値を決定することに関して、候補値は様々な特性または規則に基づかれることができる。例として、様々なポイントが次のように表されることができる。即ち、
(1)PL_cand1およびPL_cand2は、高閾値を超える高いEcp/NtまたはIoc値に基づいてPLを迅速に調整するように設計される。
(2)Ecp/NtとIocの両方が許容限界を下回る場合、PL_cand3は、不必要に高くならないようにPLをゆっくり低減する(ディケイする)ように設計される。
(3)セル中に唯一のアクティブユーザしかいない場合、RoT制御機構がRoTレベルをすでに制御することができるので、Iocを直接に制限すべき理由が存在しないことがある。したがって、システム中に唯一のアクティブユーザしかいない場合に、Ioc_targetは極めて大きい値に設定されることができる。
【0145】
ブロック1132で表されるように、適切な経路損失(PL_adjust)は、以下のように表される上側および下側の経路損失PL調整の制限に従って適用されることができる。即ち、
【数12】
【0146】
ブロック1134で表されるように、アップリンクUL減衰(またはノイズ指数)は、PL_adjust(n)だけ増大させられる。実際の実装では、ハードウェア制限は、最も近い可能な設定へのPL_adjust(n)の量子化を必要とすることがあることに留意されたい。
【0147】
次に図12を参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するためのサブフレーム時間再利用の使用に関係する動作が、より詳細に説明されるだろう。例示的な本実施形態は、サブフレーム時間再利用を使用して、ジャミングを防止し、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するための方法および装置を使用する。
【0148】
1つの例示的な実施形態では、エアインターフェースが時分割多重を許可する場合、ネガティブジオメトリーをもつ時間期間をなくすような方法で送信がスケジュールされることができる。したがって、フェムトノード510Bは、フェムトノード510Aが沈黙状態である期間中に、関連するアクセス端末520Dと通信することができる。同様に、関連するアクセス端末520Cは、フェムトノード510Aによって関連しないアクセス端末520Dが沈黙状態であるようにスケジュールされた期間中に、フェムトノード510Aと通信することができる。同期およびスケジューリング手法のそのような方法は、1xEVDOなどの時分割スケジュールを可能にするシステムへの適用を見出す。例として、1xEVDO制御チャネルは時分割多重化されるので、隣接フェムトノード510はこれらの制御チャネルの時間再使用を使用するように編成されることができる。
【0149】
しかしながら、次に論じるように、これは、スケジューリングと時分割多重とを用いる動作を許可しないエアインターフェース技術、たとえば、1xRTT、WCDMA、およびHSPAを含むCDM制御チャネルを使用する技術と一緒には作動しない。サブフレーム時間再利用の設計詳細については、下記の実施形態で詳細に説明される。
【0150】
1つの例示的な実施形態では、サブフレーム時間再利用は、ハイブリッド時間再利用が適用されることができない技術に適用スノウである。cdma2000およびWCDMAなどの多くのセルラー技術では、基地局は、連続的なパイロットと、初期スキャニングおよび捕捉、アイドルモードトラッキングおよびチャネル推定を含む様々な目的のためにアクセス端末が使用する、他のCDM制御チャネル(たとえば、同期、ページング、およびブロードキャストなど)と、を送信する。フェムトノードからのパイロットおよびオーバーヘッドチャネルのこの連続的な送信は、ジャマーにおいてアクティブトラフィックがないときでさえ上述のダウンリンクジャミングを生じることができる。
【0151】
1つの例示的な実施形態では、第1のステップは、アクセス端末520において所望のフェムトノード510のパイロットおよびオーバーヘッドチャネル(たとえば、同期およびページング)が受信されることができないときの機能停止状況に対処することである。例として、cdma2000フレームは、16個の電力制御グループ(PCG)に分割される。パイロット信号を捕捉できるようにするために、パイロットおよびオーバーヘッドチャネル送信の小部分がゲートオフされる。
【0152】
図5Bを参照すると、関連するアクセス端末520A〜520Cに送信しているフェムトノード510Aは、そのようなゲートフレームを(すなわち、FLトラフィックが送信されないゲートオフ期間中に)送信する。関連しないアクセス端末520Dにおいて、フェムトノード510Bからの送信に関して、搬送波対干渉波比C/Iは、フェムトノード510Aがゲートオフされる期間中に劇的に改善され、アクセス端末520Dにおける高度にネガティブな形状にもかかわらず、アクセス端末520Dにおけるフェムトノード510Bからのパイロットおよび同期チャネルの捕捉が可能になる。
【0153】
1つの例示的な実施形態では、これらのゲートオンオフ期間は重複しないようにスケジュールされる。したがって、フェムトノード510Aおよびフェムトノード510Bは、重複しないサブフレーム(または電力制御グループ)を使用することができる。1つの例示的な実施形態では、たとえば、サブフレームの1/2、2/3または3/4の部分をゲートオフする(すなわち、FLトラフィックを送信しない)ことによって、2、3または4の時分割再利用パターンが生成されることができる。パイロット捕捉ならびにオーバーヘッドチャネルの復号用にパイロットおよびオーバーヘッドチャネルが十分な冗長性を有する場合、これは、たとえば、パイロットおよびオーバーヘッドチャネルのリンクバジェット(budget)に3〜6dBの影響を及ぼすだろう。しかしながら、フェムトノード510展開では、構成は送信電力によって制限されないので、これは、フェムトノード510の送信電力を上げることによって容易に補償されることができる。
【0154】
パイロットおよびオーバーヘッドチャネルに加えて、同じゲート方法がボイスまたはデータチャネル送信にも適用されることができる。1つの例示的な実施形態では、フェムトノード510は、各フレーム送信の部分をゲートオフする。たとえば、cdma2000順方向リンクボイスパケット送信では、オフにされる部分(たとえば、1/2)が、その送信に使用されるチャネルコーディングレートよりも小さい場合、特定の標準的なフォーマット(RC3)は、レート1/4の畳み込み符号を使用し、アクセス端末520は、パケット送信の半分がゲートオフされてもパケットを復号することが可能であるだろう。これらの形状を知り、これらの重複しないゲートオフ時間をスケジュールする必要を避けるために、以下の方法が、サブフレーム時間再利用を使用してジャミングを防止し、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するために開示される。
【0155】
最初に図12を参照すると、図12には、サブフレーム時間再利用を使用したワイヤレス通信システムにおける干渉管理のための例示的な一実施形態が記載されている。ブロック1202で表されるように、ゲートシーケンス(またはパターン)は、たとえば、5/16の再利用を得るために16個の電力制御グループ(PCG)のうちのいずれか11個、または、2の再利用を得るために16個のPCGのうちの8個をゲートオフするために、それぞれ識別される。
【0156】
ゲートシーケンスは、潜在的に干渉するフェムトノード510からのゲートシーケンスのペア間の相互相関を最小限に抑えるような方法で選択されることができる。ブロック1204で表されるように、各フェムトノード510は、ゲートシーケンスのうちの1つを選択する。フェムトノード510は、隣接フェムトノードと重ならないゲートシーケンスを選択するように試みることができるが、全般的な選択は重複しない構成を必ずしも生じるわけではない。しかしながら、例示的な実施形態は、重複しないゲートシーケンスが識別され、選択されることができる機構を提供する。
【0157】
ブロック1206で表されるように、アクセス端末520はフェムトノード510とのアクティブな接続を確立する。接続の確立に応答して、アクセス端末520は、フェムトノード510lが所望の重複しないゲートシーケンスを選択することを可能にする、「高速な」サブフレームごとのダウンリンク(順方向リンク)電力制御フィードバックを提供する。
【0158】
特に、ブロック1208で表されるように、フェムトノード510Bは、たとえば、すべての電力制御グループ(PCG)をゲートオンにしてデータ/ボイスチャネル上で一連のフレームをアクセス端末520Dに送信する。ブロック1210で表されるように、潜在的に干渉する隣接フェムトノード530Aはサブフレームゲート技法を使用してすでにアクセス端末520A〜Cとの通信に関与しているので、アクセス端末520Dは、干渉隣接フェムトノード510Aによるゲート送信に応答してサブフレームのサブセット上の干渉を観測するだろう。さらに、サブフレームの別のサブセット中で隣接フェムトノード510Aがゲートオフされるとき隣接フェムトノード520Aからの干渉が観測されない場合、アクセス端末520Dは、サブフレームのそのサブセットも観測するだろう。
【0159】
フェムトノード510Aがゲートオンされているサブフレーム中に、アクセス端末520Dは、たとえば、低いEb/Noを観測するだろう。ブロック1212で表されるように、アクセス端末520Dからのダウンリンク(順方向リンク)電力制御フィードバックは、フェムトノード510Bが特定のサブフレームに対して送信電力を上げるべきことを指示するだろう。同様に、フェムトノード510Aがゲートオフされているサブフレーム中に、アクセス端末520Dは高いEb/Noを観測し、アクセス端末520Dからのダウンリンク(順方向リンク)電力制御フィードバックは、フェムトノード510Bが特定のサブフレームに対して送信電力を下げるべきことを指示するだろう。
【0160】
ブロック1214で表されるように、アクセス端末520Dによってフェムトノード510Bに提供されるサブフレームダウンリンク(順方向リンク)電力制御フィードバックは、干渉隣接フェムトノード510Aによって送信されるサブフレームのどれがゲートオンされ、どのサブフレームがゲートオンされるかを示す。したがって、そのような指度により、フェムトノード510Bは、干渉隣接フェムトノード510Aによって選択され、使用されているゲートシーケンス(パターン)と重ならない(相補的である)ゲートシーケンス(パターン)を選択することが可能になる。例示的な実施形態は、干渉する隣接フェムトノード510Aによって選択されるゲートシーケンス(パターン)への適用を見出す。
【0161】
実装技術に応じて、他の考察事項は、さらに、このサブフレームゲート技法に最適なゲートシーケンス(パターン)のタイプを決定することができる。さらに、レガシーアクセス端末は、ダウンリンク(順方向リンク)上で行われているゲーティングに気づかないので、短縮「オン」期間の間に短縮「オフ」期間を点在させるゲートシーケンス(パターン)を選択することを含めるために他の考察事項は適用されることができる。そのような考慮事項は、レガシーアクセス端末によって使用されるダウンリンク(順方向リンク)チャネル推定およびチャネル品質フィードバック推定の方法への影響を低減することができる。したがって、たとえば、16個のサブフレームのうち8つがゲートオフされる場合、交互にゲートオフされゲートオンされるべきサブフレームを選択することに対する有利な理由があることができる。
【0162】
別の例示的な実施形態では、ゲートシーケンスの選択は、隣接フェムトノード510が同期されない展開のために異なる考慮事項を適用することができる。そのような考察事項は、たとえば、WCDMAフェムトノード510が同期されないときに存在することできる。非同期フェムトノード510の1つの例示的な実施形態では、交互オンオフゲートサブフレームの代わりに、ゲートオフサブフレームのすべてまたは多数を連続させ、ならびにゲートオンサブフレームのすべてまたは多数を連続させることが有益であることがある。たとえば、10msにわたって15個のサブフレームをもつ、または20msにわたって30個のサブフレームをもつWCDMAシステムの場合、有利な方法は、各フェムトノード510が15個のサブフレームのうち9つの連続するサブフレームをゲートオフし、6つの連続するサブフレームをゲートオンすることであることがある。代替的に、20msのフレームを使用して、フェムトノード510は、30個のサブフレームのうち16個の連続するサブフレームをゲートオフし、14個の連続するサブフレームをゲートオンすることができる。
【0163】
代替の例示的な実施形態では、この状況に対処し、ダウンリンクC/Iを改善するための他の方法は、関連するアクセス端末がないときには、パイロットおよびオーバーヘッドチャネル送信をゲートオフし、関連するアクセス端末520がフェムトノード510についてスキャンしていることが予想されるときにのみ、パイロットおよびオーバーヘッドチャネルを周期的におよび/または極めて低電力でオンにするように構成されたフェムトノード510を含む。
【0164】
次に図13〜14を参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するためのハイブリッド時間再利用の使用に関係する動作が、より詳細に説明されるだろう。例示的な本実施形態は、ハイブリッド時間再利用技法を使用してジャミングを防止し、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するための方法および装置を使用する。
【0165】
例示的な一実施形態では、エアインターフェースが(1xEV−DOなどの)時分割多重を許可する場合、送信は、ネガティブジオメトリーをもつ時間期間をなくすような方法でスケジュールされることができる。したがって、フェムトノード510Bは、フェムトノード510Aが送信していない期間中に、関連するアクセス端末520Dと通信することができる。同様に、関連するアクセス端末520Cは、フェムトノード510Bによってアクセス端末520Dが送信しないようにスケジュールされた期間中に、フェムトノード510Aと通信することができる。
【0166】
ハイブリッド時間再利用方法の例示的な一実施形態では、ダウンリンクDL送信は、以下の3つの時間的に別々のグループに分割される。即ち、
1.同期制御チャネル(SCC)送信期間
2.制限付きHARQインターレースTx期間
3.無制限HARQインターレースTx期間。
【0167】
図13は、256個のタイムスロットの各同期制御チャネル(SCC)サイクル期間中に3つの異なる時間期間を含む例示的なダウンリンクDLタイムラインを示す。「無制限HARQインターレース」中のリソースのタイムシェアリングに基づく1つの例示的な実施形態では、定義された3つの異なるフェムトチャネルがある。後でより詳細に説明するように、隣接するフェムトノード510は、他の隣接フェムトノード510から干渉を受けないように異なるフェムトチャネルを選ぶ(すなわち、各フェムトノードは、隣接フェムトノード510とは異なる一次(primary)フェムトチャネルを選択する)ことが望ましい。隣接フェムトノードからの干渉がない場合、(一次フェムトチャネルに加えて)複数のフェムトチャネルが1つのフェムトノード510によって使用されることができる。ハイブリッド時間再利用動作の1つの例示的な実施形態の詳細が、以下に説明される。
【0168】
最初に図14を参照すると、図14には、例示的な一実施形態によるハイブリッド時間再利用を使用したワイヤレス通信システムにおける干渉管理のための方法を記載している。ブロック1402で表されるように、フェムトノード510の初期電源投入または他の同期において、フェムトノード510はマクロセルネットワーク(たとえば、マクロセルアクセスノード560)との時間同期を実行する。ブロック1404で表されるように、マクロセルアクセスノード560との時間同期中に、フェムトノード510は、マクロセルアクセスノード560と隣接フェムトノード510とによって使用される二次同期チャネル(SCC)オフセット(MSCCO)を測定する。この測定に基づいて、ブロック1406で表されるように、フェムトノード510は最小の干渉をもつ好ましいHARQインターレースを識別する。識別された好ましいHARQインターレースから、好ましいスロットオフセット(PSO)が定義される。
【0169】
ブロック1408で表されるように、一次フェムトチャネルが選択される。例として、1つの例示的な選択プロセスは以下のアルゴリズムに従うことができる。即ち、
mod(PSO−MSCCO,4)=1の場合、一次フェムトチャネルとしてフェムトチャネル1が選ばれる
mod(PSO−MSCCO,4)=2の場合、一次フェムトチャネルとしてフェムトチャネル2が選ばれる
mod(PSO−MSCCO,4)=3の場合、一次フェムトチャネルとしてフェムトチャネル3が選ばれる
ただし、チャネル1、チャネル2、およびチャネル3は図13に記載されたものである。
【0170】
フェムトチャネルが決定されると、フェムトノード510は、トラフィックをダウンリンク(順方向リンク)中で送信することができる。フェムトノード510による送信は、マクロセル送信および他のフェムトノード送信との干渉を低減するようにタイミングを調整される。様々なマクロセル送信期間、SCC送信期間、制限付きHARQインターレース送信期間、および無制限HARQインターレース送信期間でのフェムトノード送信プロトコルが、以下に説明される。
【0171】
ブロック1410で表されるように、図13を参照すると、SCC送信期間1302は、SCCオフセット(たとえば、あらゆるSCCサイクルの最初の32スロット)を送信することができるように、各SCCサイクル1304(たとえば、256スロット)の開始時に定義される。1つの例示的な実施形態では、2つのサブ期間1306、1308は、好ましいスロットオフセット、および好適でないスロットオフセットのHARQインターレースに基づいて定義される。
【0172】
好ましいスロットオフセット(PSO)をもつHARQインターレース上で、フェムトノード510はSCC情報を送信する。これは、制御チャネル情報の確実な送信を許し、関連するアクセス端末520をフェムトノード510からハンドインおよびハンドアウトできるようにする。好ましくないスロットオフセット上のHARQインターレース中に、隣接マクロセルおよび隣接フェムトノードSCC送信に対する干渉が最小となるように、フェムトノード510は、どのようなダウンリンク(順方向リンク)トラフィック(DTX FL送信)も送信しない。これらのスロットオフセット上では、パイロット(Pilot)チャネルおよびMACチャネルが正常に動作することができるように、これらのチャネルにはダウンリンクDL電力の一部が使用される。
【0173】
ブロック1412で表されるように、図13を参照すると、制限付きHARQインターレース送信期間中に、フェムトノード510は、PSOのHARQインターレース上でダウンリンク(順方向リンク)トラフィックを送信することが許可され、遅延に敏感なトラフィックは、ベストエフォートトラフィックに勝る絶対優先権が与えられる。図13を参照すると、制限付きHARQインターレース送信期間は、遅延に敏感なトラフィック(VoIPなど)があまりに過大な遅延を受けないように、各フェムトノードに送信機会を与える。一例では、制限付きHARQインターレース送信期間中に、要求されたDRCがヌルである場合、38.4kbpsのシングルユーザパケットタイプが使用されることができる。DRCがヌルであるかまたは消去された場合、シングルユーザパケット(SUP)38.4kbpsや、256/512/1024ビットのマルチユーザパケット(MUP)などの、互換性のあるパケットタイプが利用されることができる(DRC消去マッピングと同様)。
【0174】
1つの例示的な実施形態では、ダウンリンク(順方向リンク)トラフィックは、MSCCOのHARQインターレース上でも送信されることができる。一実施形態では、隣接フェムトノード510は、同様に、このインターレースを使用することができる(すなわち、干渉に対して保護しない)。他のスロットオフセットのHARQインターレース中に、フェムトノードは、いかなるダウンリンク(順方向リンク)トラフィック(時間再使用)も送信しないが、パイロットおよびMACチャネルの正常な動作のためにダウンリンク(順方向リンク)電力の一部がこれらのチャネルに割り振られることができる。
【0175】
ブロック1414で表されるように、図13を参照すると、無制限HARQインターレース送信期間中に、フェムトノード510は、4つのHARQインターレースのすべての上でダウンリンク(順方向リンク)トラフィックを送信することが許可される。その期間の開始時に、ダウンリンク(順方向リンク)送信電力は、アクセス端末レート予測器をランプアップさせるために、ゆっくりランプアップされることができる。1つの例示的な実施形態では、DRC値のランプアップをさらに高めるために、1スロットのDRC長が使用されなければならない。予測器の慎重な動きにより、無制限HARQインターレース送信期間の開始時にモバイルによってヌルDRCが要求された場合、フェムトノード510は、互換性のあるパケットタイプ(マルチ使用パケット、または38.4kbpsシングルユーザパケット)を送信することができる。また、フェムトノードダウンリンク(順方向リンク)スケジューラは、どのデータ転送レートならばアクセス端末520によって復号されることができるかについて決定するために、以前に要求されたDRC値を追跡し、最終送信期間およびHARQ早期終了統計からのDRC値を保持することができる。
【0176】
本明細書の教示は、少なくとも1つの他のノードと通信するための様々なコンポーネントを使用するノード(たとえば、デバイス)に組み込まれることができる。図15は、ノード間の通信を可能にするために採用できるいくつかの例示的なコンポーネントを示す。具体的に言うと、図15は、MIMOシステム1500のワイヤレスデバイス1510(たとえば、アクセスポイント)とワイヤレスデバイス1550(たとえば、アクセス端末)とを示す。デバイス1510では、いくつかのデータストリームのトラフィックデータが、データソース1512から送信(「TX」)データプロセッサ1514に与えられる。
【0177】
いくつかの態様では、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ1514は、符号化データを供給するために、そのデータストリーム用に選択された特定の符号化方式に基づいて、データストリームごとにトラフィックデータをフォーマットし、符号化し、インタリーブする。
【0178】
各データストリームの符号化データは、OFDM技法を使用してパイロットデータと多重化されることができる。パイロットデータは、一般に、知られている方法で処理される、知られているデータパターンであり、チャネル応答を推定するために受信機システムで使用されることができる。次いで、各データストリームの多重化されたパイロットデータと符号化データは、変調シンボルを与えるために、そのデータストリーム用に選択された特定の変調方式(たとえば、BPSK、QSPK、M−PSK、またはM−QAM)に基づいて変調(すなわち、シンボルマッピング)される。各データストリームのデータ転送速度、符号化、および変調は、プロセッサ1530によって実行される命令によって決定されることができる。データメモリ1532は、プログラムコード、データ、および、デバイス1510のプロセッサ1530または他のコンポーネントによって使用される他の情報、を記憶することができる。
【0179】
次いで、すべてのデータストリームの変調シンボルは、(たとえば、OFDMの場合に)その変調シンボルをさらに処理するTX MIMOプロセッサ1520に供給される。次いで、TX MIMOプロセッサ1520は、NT個の変調シンボルストリームをNT個のトランシーバ(「XCVR」)1522A〜1522Aに供給する。いくつかの態様では、TX MIMOプロセッサ1520は、データストリームのシンボルと、シンボルが送信されているアンテナと、にビーム形成重みを付加する。
【0180】
各トランシーバ1522は、1つまたは複数のアナログ信号を生成するために、それぞれのシンボルストリームを受信して処理し、さらに、MIMOチャネルを介して送信するのに適した変調信号を与えるために、それらのアナログ信号を調整(たとえば、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)する。そして、トランシーバ1522A〜1522TからのNT個の変調信号は、それぞれ、NT個のアンテナ1524A〜1524Tから送信される。
【0181】
デバイス1550では、送信された変調信号はNR個のアンテナ1552A〜1552Rによって受信され、各アンテナ1552からの受信信号は、それぞれのトランシーバ(「XCVR」)1554A〜1554Rに供給される。各トランシーバ1554は、それぞれの受信信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、およびダウンコンバート)し、サンプルを供給するためにその調整された信号をデジタル化し、さらに、対応する「受信」シンボルストリームを供給するためにそれらのサンプルを処理する。
【0182】
次いで、受信(「RX」)データプロセッサ1560は、NT個の「検出」シンボルストリームを供給するために、特定の受信機処理技法に基づいてNR個のトランシーバ1554からNR個の受信シンボルストリームを受信して処理する。次いで、RXデータプロセッサ1560は、データストリームに対するトラフィックデータを回復するために、各検出シンボルストリームを復調し、デインターリーブして、復号する。RXデータプロセッサ1560による処理は、デバイス1510におけるTX MIMOプロセッサ1520およびTXデータプロセッサ1514によって実行される処理を補足するものである。
【0183】
プロセッサ1570は、どのプリコーディング行列(以下で論じる)を使用すべきかを定期的に判断する。プロセッサ1570は、行列インデックス部とランク値部とを備える逆方向リンクメッセージを作成する。データメモリ1572は、プログラムコード、データ、および、デバイス1550のプロセッサ1570または他のコンポーネントによって使用される他の情報、を記憶することができる。
【0184】
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信データストリームに関する様々な種類の情報を備えることができる。次いで、逆方向リンクメッセージは、データソース1536からいくつかのデータストリームのトラフィックデータをも受信するTXデータプロセッサ1538によって処理され、変調器1580によって変調され、トランシーバ1554A〜1554Rによって調整され、デバイス1510に戻される。
【0185】
デバイス1510において、デバイス1550からの変調信号は、デバイス1550によって送信された逆方向リンクメッセージを抽出するために、アンテナ1524によって受信され、トランシーバ1522によって調整され、復調器(「DEMOD」)1540によって復調され、RXデータプロセッサ1542によって処理される。そして、プロセッサ1530は、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用すべきかを判断し、次いで、抽出されたメッセージを処理する。
【0186】
図15はまた、通信コンポーネントが、本明細書で教示する干渉制御動作を実行する1つまたは複数のコンポーネントを含むことができることを示す。たとえば、干渉(「INTER.」)制御コンポーネント1590は、本明細書で教示する別のデバイス(たとえば、デバイス1550)との間で信号を送信/受信するために、デバイス1510のプロセッサ1530および/または他のコンポーネントと協働することができる。同様に、干渉制御コンポーネント1592は、別のデバイス(たとえば、デバイス1510)との間で信号を送信/受信するために、デバイス1550のプロセッサ1570および/または他のコンポーネントと協働することができる。各デバイス1510および1550について、記載のコンポーネントの2つ以上の機能が単一のコンポーネントによって提供されることができることを諒解されたい。たとえば、単一の処理コンポーネントが干渉制御コンポーネント1590およびプロセッサ1530の機能を提供し、また、単一の処理コンポーネントが干渉制御コンポーネント1592およびプロセッサ1570の機能を提供することができる。
【0187】
本明細書の教示は、様々なタイプの通信システムおよび/またはシステムコンポーネントに組み込まれることができる。いくつかの態様では、本明細書の教示は、利用可能なシステムリソースを共有することによって(たとえば、帯域幅、送信電力、符号化、インタリーブなどのうちの1つまたは複数を指定することによって)、複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続システムで使用されることができる。たとえば、本明細書の教示は、以下の技術、即ち、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)(「CDMA」)システム、多重キャリアCDMA(Multiple-Carrier CDMA)(「MCCDMA」)、Wideband CDMA(「W−CDMA」)、高速パケットアクセス(High-Speed Packet Access)(「HSPA」、「HSPA+」)システム、時分割多元接続(Time Division Multiple Access)(「TDMA」)システム、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access)(「FDMA」)システム、単一搬送波FDMA(Single-Carrier FDMA)(「SC−FDMA」)システム、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)(「OFDMA」)システム、または他の多元接続技法、のいずれか1つまたは組合せに適用されることができる。本明細書の教示を使用するワイヤレス通信システムは、IS−95、cdma2000、IS−856、W−CDMA、TDSCDMA、および他の規格など、1つまたは複数の規格を実装するように設計されることができる。CDMAネットワークは、Universal Terrestrial Radio Access(「UTRA」)、cdma2000、または何らかの他の技術などの無線技術を実装することができる。UTRAは、W−CDMAおよび低チップレート(Low Chip Rate)(「LCR」)を含む。cdma2000技術は、IS−2000、IS−95、およびIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(「GSM(登録商標)」)などの無線技術を実装することができる。OFDMAネットワークは、Evolved UTRA(「E−UTRA」)、IEEE802.11、IEEE802.16、IEEE802.20、Flash−OFDM(登録商標)などの無線技術を実装することができる。UTRA、E−UTRA、およびGSMは、Universal Mobile Telecommunication System(「UMTS」)の一部である。本明細書の教示は、3GPP Long Term Evolution(「LTE」)システム、Ultra−Mobile Broadband(「UMB」)システム、および他のタイプのシステムに実装されることができる。LTEは、E−UTRAを使用するUMTSのリリースである。本開示のいくつかの態様については、3GPP用語を使用して説明されるが、本明細書の教示は、3GPP(Rel99、Rel5、Rel6、Rel7)技術、ならびに3GPP2(1xRTT、1xEV−DO Rel0、RevA、RevB)技術および他の技術に適用されることができることを理解されたい。
【0188】
本明細書の教示は、様々な装置(たとえば、ノード)に組み込まれる(たとえば、装置内に実装される、または装置によって実行される)ことができる。いくつかの態様では、本明細書の教示に従って実装されるノード(たとえば、ワイヤレスノード)は、アクセスポイントまたはアクセス端末を備えることができる。
【0189】
たとえば、アクセス端末は、ユーザ機器、加入者局、加入者ユニット、移動局、モバイル、モバイルノード、リモート局、リモート端末、ユーザ端末、ユーザエージェント、ユーザデバイス、または何らかの他の用語を備える、いずれかとして実装される、またはいずれかとして知られることがある。いくつかの実装形態では、アクセス端末は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(「SIP」)電話、ワイヤレスローカルループ(「WLL」)局、携帯情報端末(「PDA」)、ワイヤレス接続能力を有するハンドヘルドデバイス、またはワイヤレスモデムに接続された何らかの他の好適な処理デバイスを備えることができる。したがって、本明細書で教示する1つまたは複数の態様は、電話(たとえば、セルラー電話またはスマートフォン)、コンピュータ(たとえば、ラップトップ)、携帯型通信デバイス、携帯型コンピューティングデバイス(たとえば、個人情報端末)、娯楽デバイス(たとえば、音楽デバイスまたはビデオデバイス、あるいは衛星ラジオ)、全地球測位システムデバイス、あるいはワイヤレス媒体を介して通信するように構成された他の好適デバイスに組み込まれることができる。
【0190】
アクセスポイントは、ノードB、eNodeB、無線ネットワークコントローラ(「RNC」)、基地局(「BS」)、無線基地局(「RBS」)、基地局コントローラ(「BSC」)、送受信基地局(「BTS」)、トランシーバ機能(「TF」)、無線トランシーバ、無線ルータ、基本サービスセット(「BSS」)、拡張サービスセット(「ESS」)、または何らかの他の同様の用語を備える、いずれかとして実装される、またはいずれかとして知られることがある。
【0191】
いくつかの態様では、ノード(たとえば、アクセスポイント)は、通信システムのためのアクセスノードを備えることができる。そのようなアクセスノードは、たとえば、ネットワークへの有線またはワイヤレス通信リンクを介した、ネットワーク(たとえば、インターネットまたはセルラーネットワークなどワイドエリアネットワーク)のための、またはネットワークへの接続性を与えることができる。したがって、アクセスノードは、別のノード(たとえば、アクセス端末)がネットワークまたは何らかの他の機能にアクセスできるようにすることができる。さらに、一方または両方のノードはポータブルでも、場合によっては比較的非ポータブルでもよいことを諒解されたい。
【0192】
また、ワイヤレスノードは、有線の方式で(たとえば、有線接続を介して)情報を送信および/または受信することができることを諒解されたい。したがって、本明細書で論じられる受信機および送信機は、非ワイヤレス媒体を介して通信するために適切な通信インターフェースコンポーネント(たとえば、電子的または光学的インターフェースコンポーネント)を含むことができる。
【0193】
ワイヤレスノードは、好適なワイヤレス通信技術に基づくあるいはサポートする1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを介して通信することができる。たとえば、いくつかの態様では、ワイヤレスノードは、ネットワークに関連付けることができる。いくつかの態様では、ネットワークは、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワークを備えることができる。ワイヤレスデバイスは、本明細書で論じる様々なワイヤレス通信技術、プロトコル、または規格(たとえば、CDMA、TDMA、OFDM、OFDMA、WiMAX、Wi−Fiなど)のうちの1つまたは複数をサポートまたは使用することができる。同様に、ワイヤレスノードは、様々な対応する変調方式または多重化方式のうちの1つまたは複数をサポートまたは使用することができる。したがって、ワイヤレスノードは、上記または他のワイヤレス通信技術を使用して1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを確立し、それを介して通信するために適切なコンポーネント(たとえば、エアインターフェース)を含むことができる。たとえば、ワイヤレスノードは、ワイヤレス媒体上の通信を可能にする様々なコンポーネント(たとえば、信号発生器および信号処理器)を含むことができる関連する送信機コンポーネントおよび受信機コンポーネントをもつワイヤレストランシーバを備えることができる。
【0194】
本明細書で説明されるコンポーネントは、様々な方法で実装されることができる。図16〜図21を参照すると、装置1600、1700、1800、1900、2000、および2100は一連の相互に関連する機能ブロックとして表される。いくつかの態様では、これらのブロックの機能は、1つまたは複数のプロセッサコンポーネントを含む処理システムとして実装されることができる。いくつかの態様では、これらのブロックの機能は、たとえば、1つまたは複数の集積回路(たとえば、ASIC)の少なくとも一部を使用して実装されることができる。本明細書で論じるように、集積回路は、プロセッサ、ソフトウェア、他の関連したコンポーネント、またはその何らかの組合せを含むことができる。これらのブロックの機能は、本明細書で教示される方法とは別の何らかの方法で実装されることもできる。
【0195】
装置1600、1700、1800、1900、2000、および2100は、様々な図に関して上述した機能の1つまたは複数を実行することができる1つまたは複数のモジュールを含むことができる。いくつかの態様では、干渉コントローラ320または干渉コントローラ322のうちの1つまたは複数のコンポーネントは、たとえば、干渉受信/方向手段1602、干渉比較/判断/更新手段1606、オーバーヘッドチャネル電力手段1702、送信波形手段1802、チャネル品質手段1806、干渉判断手段1902、経路損失手段1906、ゲートシーケンス手段2002、再利用パターン手段2102、および同期/オフセット/タイミング手段2106に関係する機能を提供することができる。いくつかの態様では、通信コントローラ326または通信コントローラ328は、たとえば、送受信(送信/受信)手段1604、1704、1804、1904、2004、および2104に関係する機能を提供することができる。
【0196】
本明細書における「第1」、「第2」などの名称を使用した要素への言及は、それらの要素の数量または順序を概括的に限定するものでないことを理解されたい。むしろ、これらの名称は、本明細書において2つ以上の要素またはある要素の複数の例を区別する便利な方法として使用されることができる。したがって、第1および第2の要素への言及は、そこで2つの要素のみが使用されることができること、または第1の要素が何らかの方法で第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。また、別段の規定がない限り、1組の要素は1つまたは複数の要素を備えることができる。
【0197】
情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表されることができることを、当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって言及されるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表されることができる。
【0198】
さらに、本明細書で開示された態様に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、およびアルゴリズムステップのいずれかは、電子ハードウェア(たとえば、ソース符号化または何らかの他の技法を使用して設計されることができる、デジタル実装形態、アナログ実装形態、またはそれら2つの組合せ)、命令を組み込んだ様々な形態のプログラムまたは設計コード(便宜上、本明細書では「ソフトウェア」または「ソフトウェアモジュール」と呼ばれることがある)、あるいは両方の組合せとして実装されることができることを当業者は諒解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、上記では概してそれらの機能に関して説明された。そのような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じると解釈すべきではない。
【0199】
本明細書で開示された態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末、またはアクセスポイント内に実装されることができるか、またはそれらによって実行されることができる。ICは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタロジック、個別ハードウェアコンポーネント、電子的コンポーネント、光学的コンポーネント、機械的コンポーネント、または本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを備えることができ、ICの内部に、ICの外側に、またはその両方に常駐するコードまたは命令を実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、また、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成としても実装されることができる。
【0200】
開示されたプロセス中のステップの特定の順序または階層は例示的な手法の一例であることを理解されたい。設計の選好に基づいて、プロセス中のステップの特定の順序または階層は、本開示の範囲内のまま再構成されることができることを理解されたい。添付の方法クレームは、様々なステップの要素を例示的な順序で提示するものであり、提示された特定の順序または階層に限定されるものではない。
【0201】
説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せで実装されることができる。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信されることができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる任意の利用可能な媒体でよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置を備えることができ、あるいは所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形態で担持または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる、任意の他の媒体を備えることができる。さらに、いかなる接続も正しくはコンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記のものの組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。要約すると、コンピュータ可読媒体は任意の好適なコンピュータプログラム製品に実装できることを諒解されたい。
【0202】
開示した態様の前述の説明は、当業者が本開示を実施または使用できるようにするために与えたものである。これらの態様への様々な変更は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の態様に適用できる。したがって、本開示は、本明細書で示した態様に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく優先権の主張
本出願は、各々の開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080324P1を付与された、同一出願人が所有する米国仮特許出願第60/990,541号、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080325P1を付与された米国仮特許出願第60/990,547号、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080301P1を付与された米国仮特許出願第60/990,459号、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080330P1を付与された米国仮特許出願第60/990,513号、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080323P1を付与された米国仮特許出願第60/990,564号、2007年11月27日に出願され、代理人整理番号080331P1を付与された米国仮特許出願第60/990,570号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本出願は、一般にワイヤレス通信に関し、より詳細には、限定はしないが、通信パフォーマンスを改善することに関する。
【背景技術】
【0003】
序論
ワイヤレス通信システムは、様々なタイプの通信(たとえば、音声、データ、マルチメディアサービスなど)を複数のユーザに提供するために広く展開されている。高速なマルチメディアデータサービスの需要が急速に増大するにつれて、向上したパフォーマンスをもつ効率的でロバストな通信システムを実装することが課題となっている。
【0004】
従来のモバイル電話ネットワーク基地局を補うために、小カバレージ基地局が、よりロバストな屋内ワイヤレスカバレージをモバイルユニットに与えるために展開(たとえば、ユーザの家庭に設置)されることができる。そのような小カバレージ基地局は、アクセスポイント、基地局、Home NodeB、またはフェムトセルとして一般に知られている。一般に、そのような小カバレージ基地局は、DSLルータまたはケーブルモデムを介してインターネットおよびモバイルオペレータのネットワークに接続される。
【0005】
小カバレージ基地局の無線周波数(「RF」)カバレージはモバイルオペレータによって最適化されないことがあり、そのような基地局の展開はアドホックであることがあるので、RF干渉の問題が生じることがある。その上、小カバレージ基地局の場合にはソフトハンドオーバがサポートされないことがある。最後に、移動局は、制限された関連付け(すなわち、限定加入者グループ)要件のために、最良のRF信号を有するアクセスポイントと通信することを許されないことがある。したがって、ワイヤレスネットワークの干渉管理の改善が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼のためのオーバーヘッド(即ち、制御)チャネルの最適な電力レベルの決定によって干渉を管理することに関する。第1のアクセスポイントにおいてオーバーヘッド信号を最適化することによって、隣接アクセス端末におけるトータルの知覚される干渉が減少される。1つの例示的な実施形態では、通信の方法は、無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、無計画アクセスポイントのために関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化された電力レベルを決定することを含む。最適化された電力レベルが決定されたとき、オーバーヘッドチャネルは、無計画アクセスポイントから関連するアクセス端末へ、最適化された電力レベルで送信される。
【0007】
別の例示的な実施形態では、通信のための装置は、無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、無計画アクセスポイントのために関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化された電力レベルを決定するように構成された干渉コントローラを含む。最適化された電力レベルが決定されたとき、通信コントローラは、無計画アクセスポイントから関連するアクセス端末へ、オーバーヘッドチャネルを最適化された電力レベルで送信する。
【0008】
本開示のこれらおよび他の例示的な態様について、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲、ならびに添付の図面において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、通信システムのいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図2】図2は、例示的な通信システムにおけるコンポーネントのいくつかの例示的な態様を示す簡略ブロック図である。
【図3】図3は、干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの例示的な態様のフローチャートである。
【図4】図4は、ワイヤレス通信システムの簡略図である。
【図5A】図5Aは、フェムトノードを含むワイヤレス通信システムの簡略図である。
【図5B】図5Bは、ネガティブジオメトリー(negative geometries)を示すフェムトノードおよびアクセス端末の特定の構成の簡略図である。
【図6】図6は、ワイヤレス通信用のカバレージエリアを示す簡略図である。
【図7】図7は、ビームおよびヌルステアリングを使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの例示的な態様のフローチャートである。
【図8】図8は、オーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの例示的な態様のフローチャートである。
【図9】図9は、オーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの例示的な態様のフローチャートである。
【図10】図10は、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するために周波数選択性送信を使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの態様のフローチャートである。
【図11A】図11Aは、適応ノイズ指数および経路損失調整を使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの態様のフローチャートである。
【図11B】図11Bは、適応ノイズ指数および経路損失調整を使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの態様のフローチャートである。
【図12】図12は、サブフレーム時間再使用技法を使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの態様のフローチャートである。
【図13】図13は、ハイブリッド時間再使用技法を使用して干渉を管理するために実行されることができるフェムトノードの間のタイムシェアリングを示すスロット図である。
【図14】図14は、ハイブリッド時間再使用を使用して干渉を管理するために実行されることができる動作のいくつかの態様のフローチャートである。
【図15】図15は、通信コンポーネントのいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図16】図16は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図17】図17は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図18】図18は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図19】図19は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図20】図20は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【図21】図21は、本明細書で教示されるような干渉を管理するように構成された装置のいくつかの例示的な態様の簡略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
慣例により、図面中に示される様々な特徴は一定の縮尺で描かれていないことがある。したがって、様々な特徴の寸法は、明快のために任意に拡大または縮小されていることがある。さらに、図面のいくつかは、明快のために簡略化されていることがある。したがって、図面は、所与の装置(たとえば、デバイス)または方法のコンポーネントのすべてを示しているわけではない。最後に、明細書および図の全体にわたって同じ特徴を示すために同じ参照番号が使用されることがある。
【0011】
本開示の様々な態様について以下で説明する。本明細書の教示が多種多様な形で実施されることができ、本明細書で開示された特定の構造、機能またはその両方は代表的なものにすぎないことは明らかであろう。本明細書の教示に基づいて、本明細書で開示される態様は他の態様とは独立に実装されることができること、およびこれらの態様のうちの2つ以上を様々な方法で組み合わせることができることを、当業者なら諒解されたい。たとえば、本明細書に記載の態様をいくつ使用しても、装置が実現され、または方法が実施されることができる。さらに、本明細書で説明した態様の1つまたは複数に加えて、あるいはそれら以外の他の構造、機能、または構造および機能を使用して、そのような装置が実現され、またはそのような方法が実施されることができる。さらに、態様は、請求項の少なくとも1つの要素を備えることができる。
【0012】
いくつかの態様では、マクロスケールのカバレージ(たとえば、一般にマクロセルネットワークと呼ばれる、3Gネットワークなどの広域セルラーネットワーク)、およびより小さいスケールのカバレージ(たとえば、住居ベースまたは建築物ベースのネットワーク環境)を含むネットワーク中で、本明細書の教示が採用されることができる。アクセス端末(「AT」)がそのようなネットワーク中を移動するとき、アクセス端末は、あるロケーションでは、マクロカバレージを与えるアクセスノード(「AN」)によってサービスされ、他のロケーションでは、より小さいスケールのカバレージを与えるアクセスノードによってサービスされることがある。いくつかの態様では、増分キャパシティの増大と、屋内カバレージと、(たとえば、よりロバストなユーザ経験のための)様々なサービスと、を与えるために、より小さいカバレージノードが使用されることができる。本明細書での説明では、比較的大きいエリアにわたってカバレージを与えるノードは、マクロノードと呼ばれることがある。比較的小さいエリア(たとえば、住居)にわたってカバレージを与えるノードは、フェムトノードと呼ばれることがある。マクロエリアよりも小さく、フェムトエリアよりも大きいエリアにわたってカバレージを与える(たとえば、商業建築物内のカバレージを与える)ノードは、ピコノードと呼ばれることがある。
【0013】
マクロノード、フェムトノード、またはピコノードに関連付けられたセルは、それぞれ、マクロセル、フェムトセル、またはピコセルと呼ばれることがある。いくつかの実装形態では、各セルはさらに1つまたは複数のセクタに関連付けられる(たとえば、分割する)ことができる。
【0014】
様々な適用例では、マクロノード、フェムトノード、またはピコノードを参照するために、他の用語が使用されることができる。たとえば、マクロノードは、アクセスノード、基地局、アクセスポイント、eNodeB、マクロセルなどとして構成される、または呼ばれることがある。また、フェムトノードは、Home NodeB、Home eNodeB、アクセスポイント、基地局、フェムトセルなどとして構成される、または呼ばれることがある。
【0015】
図1は、分散ノード(たとえば、アクセスポイント102、104、および106)が、関連する地理的エリアに設置されるまたはその全体にわたってローミングすることができる他のノード(たとえば、アクセス端末108、110、および112)に、ワイヤレス接続性を与える通信システム100の例示的な態様を示す。いくつかの態様では、アクセスポイント102、104、および106は、ワイドエリアネットワーク接続性を可能にするために、1つまたは複数のネットワークノード(たとえば、ネットワークノード114などの集中型ネットワークコントローラ)と通信することができる。
【0016】
アクセスポイント104などのアクセスポイントは、制限されることがあり、それによって、いくつかのアクセス端末(たとえば、アクセス端末110)のみがアクセスポイントにアクセスすることを許され、またはアクセスポイントは何らかの他の方法で制限されることがある。そのような場合、制限されたアクセスポイントおよび/またはその関連するアクセス端末(たとえば、アクセス端末110)は、たとえば、無制限のアクセスポイント(たとえば、マクロアクセスポイント102)、その関連するアクセス端末(たとえば、アクセス端末108)、別の制限されたアクセスポイント(たとえば、アクセスポイント106)、またはその関連するアクセス端末(たとえば、アクセス端末112)など、システム100中の他のノードに干渉することがある。たとえば、所与のアクセス端末に最も近いアクセスポイントは、そのアクセス端末のサービングアクセスポイントではないことがある。したがって、そのアクセス端末による送信は、アクセス端末での受信に干渉することがある。本明細書で論じるように、干渉を緩和するために、周波数再使用、周波数選択性送信、干渉除去(cancellation)およびスマートアンテナ(たとえば、ビームフォーミングおよびヌルステアリング)および他の技法が採用されることができる。
【0017】
システム100などのシステムの例示的な動作が、図2のフローチャートに関してより詳細に論じられるだろう。便宜上、図2の動作(または本明細書で検討または教示する他の動作)は、特定のコンポーネント(たとえば、システム100のコンポーネントおよび/または図3に示すシステム300のコンポーネント)によって実行されるものとして説明されることができる。ただし、これらの動作は、他のタイプのコンポーネントによって実行されることができ、異なる個数のコンポーネントを使用して実行されることができることを諒解されたい。また、本明細書で説明する動作の1つまたは複数は、所与の実装形態では採用されない場合があることを諒解されたい。
【0018】
説明のために、本開示の様々な態様が、互いに通信するネットワークノード、アクセスポイント、およびアクセス端末の文脈で説明されるだろう。ただし、本明細書の教示は、他のタイプの装置、または他の用語を使用して参照される装置に適用されることができることを諒解されたい。
【0019】
図3は、本明細書の教示による、ネットワークノード114(たとえば、無線ネットワークコントローラ)、アクセスポイント104、およびアクセス端末110に組み込まれることができるいくつかの例示的なコンポーネントを示す。これらのノードの所与の1つについて示されるコンポーネントもまた、システム100中の他のノードに組み込まれることができることを諒解されたい。
【0020】
ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110はそれぞれ、互いと、および他のノードと通信するためのトランシーバ302、304、および306を含む。トランシーバ302は、信号を送信するための送信機308と、信号を受信するための受信機310と、を含む。トランシーバ304は、信号を送信するための送信機312と、信号を受信するための受信機314と、を含む。トランシーバ306は、信号を送信するための送信機316と、信号を受信するための受信機318と、を含む。
【0021】
典型的な実装形態では、アクセスポイント104は、1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを介してアクセス端末110と通信し、アクセスポイント104は、バックホールを介してネットワークノード114と通信する。様々な実装形態では、ワイヤレスまたは有線のリンクはこれらのノード間または他との間で使用されることができることを諒解されたい。したがって、トランシーバ302、304、および306は、ワイヤレスおよび/または有線の通信コンポーネントを含むことができる。
【0022】
ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110はまた、本明細書で教示される干渉管理と連携して使用されることができる様々な他のコンポーネントを含む。たとえば、ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110は、それぞれ、干渉を緩和するための、および本明細書で教示されるような他の関連する機能を与えるための干渉コントローラ320、322、および324を含むことができる。干渉コントローラ320、322、および324は、特定タイプの干渉管理を実行するための1つまたは複数のコンポーネントを含むことができる。ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110は、それぞれ、他のノードとの通信を管理するための、および本明細書で教示されるような他の関連する機能を与えるための通信コントローラ326、328、および330を含むことができる。ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110は、それぞれ、他のノードとの通信を管理するための、および本明細書で教示されるような他の関連する機能を与えるためのタイミングコントローラ332、334、および336を含むことができる。図3に示す他のコンポーネントは、以下の開示で論じられるだろう。
【0023】
説明のために、干渉コントローラ320および322は、いくつかのコントローラコンポーネントを含むものとして示されている。しかしながら、実際問題として、所与の実装形態では、これらのコンポーネントのすべてを採用するわけではない。ここで、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)コントローラコンポーネント338または340は、本明細書で教示されるようなHARQインターレース動作に関係する機能を与えることができる。プロファイルコントローラコンポーネント342または344は、本明細書で教示されるような送信電力プロファイルまたは受信減衰動作に関係する機能を与えることができる。タイムスロットコントローラコンポーネント346または348は、本明細書で教示されるようなタイムスロット部分の動作に関係する機能を与えることができる。アンテナコントローラコンポーネント350または352は、本明細書で教示されるようなスマートアンテナ(たとえば、ビームフォーミングおよび/またはヌルステアリング)動作に関係する機能を与えることができる。受信ノイズコントローラコンポーネント354または356は、本明細書で教示されるような適応ノイズ指数および経路損失調整動作に関係する機能を与えることができる。送信電力コントローラコンポーネント358または360は、本明細書で教示する送信電力動作に関係する機能を与えることができる。時間再使用コントローラコンポーネント362または364は、本明細書で教示されるような時間再使用動作に関係する機能を与えることができる。
【0024】
図2は、ネットワークノード114、アクセスポイント104、およびアクセス端末110が、干渉管理(たとえば、干渉緩和)を行うために、どのように互いに相互作用することができるかについて示している。いくつかの態様では、干渉を緩和するために、これらの動作がアップリンクおよび/またはダウンリンクに対して採用されることができる。一般に、図2によって説明される1つまたは複数の技法は、以下で図7〜図14に関して説明される、より具体的な実装形態において採用されることができる。したがって、明快のために、より具体的な実装形態の説明は、これらの技法について再び詳細に説明しないことができる。
【0025】
ブロック202で表されるように、ネットワークノード114(たとえば、干渉コントローラ320)は、アクセスポイント104および/またはアクセス端末110の1つまたは複数の干渉管理パラメータを随意に定義することができる。そのようなパラメータは様々な形態をとることができる。たとえば、いくつかの実装形態では、ネットワークノード114は干渉管理情報のタイプを定義することができる。そのようなパラメータの例は、図7〜図14に関して以下でより詳細に説明されるだろう。
【0026】
いくつかの態様では、干渉パラメータの定義は、1つまたは複数のリソースをどのように割り振るかを判断することを含むことができる。たとえば、ブロック402の動作は、割り振られたリソース(たとえば、周波数スペクトルなど)が部分再使用のためにどのように分割されることができるかを定義することを含むことができる。さらに、部分再使用パラメータの定義は、どのくらいの量の割り振られたリソース(たとえば、いくつのHARQインターレースなど)が、アクセスポイント(たとえば、制限されたアクセスポイント)のセットのうちのいずれか1つによって使用されることができるかを決定することを含むことができる。部分再使用パラメータの定義はまた、どのくらいの量のリソースがアクセスポイント(たとえば、制限されたアクセスポイント)のセットによって使用されることができるかを決定すること含むことができる。
【0027】
いくつかの態様では、ネットワークノード114は、アップリンクまたはダウンリンクに対する干渉があるかどうかを示し、および、干渉がある場合、そのような干渉の程度を示す受信情報に基づいてパラメータを定義することができる。そのような情報は、システム中の様々なノード(たとえば、アクセスポイントおよび/またはアクセス端末)から、様々な方法(たとえば、バックホール経由、無線など)で受信されることができる。
【0028】
たとえば、場合によっては、1つまたは複数のアクセスポイント(たとえば、アクセスポイント104)は、アップリンクおよび/またはダウンリンクを監視し、アップリンクおよび/またはダウンリンク上で検出された干渉の指度を(たとえば、繰り返して、または要求時に)ネットワークノード114に送信することができる。前者の場合の一例として、アクセスポイント104は、アクセスポイント104に関連しない(たとえば、それによってサービスされない)近くのアクセス端末(たとえば、アクセス端末108および112)から受信した信号の信号強度を計算し、これをネットワークノード114に報告することができる。
【0029】
場合によっては、システム中のアクセスポイントの各々は、それらが比較的高い負荷を受けているとき、負荷指度を生成することができる。そのような指度は、たとえば、1xEV−DOではビジービットの形態、3GPPでは相対グラントチャネル(「RGCH」)の形態、または何らかの他の適切な形態をとることができる。従来のシナリオでは、アクセスポイントは、この情報をダウンリンクを介してそのアクセスポイントの関連するアクセス端末に送信することができる。しかしながら、そのような情報は、(たとえば、バックホールを介して)ネットワークノード114にも送信されることができる。
【0030】
場合によっては、1つまたは複数のアクセス端末(たとえば、アクセス端末110)は、ダウンリンク信号を監視し、この監視に基づいて情報を与えることができる。アクセス端末110は、そのような情報を、(たとえば、ネットワークノード114に情報を転送する)アクセスポイント104に送信し、または(アクセスポイント104を介して)ネットワークノード114に送信することができる。システム中の他のアクセス端末は、同様の方法でネットワークノード114に情報を送信することができる。
【0031】
場合によっては、アクセス端末110は、(たとえば、繰り返し)測定報告を生成することができる。いくつかの態様では、そのような測定報告は、アクセス端末110がどのアクセスポイントから信号を受信しているか、各アクセスポイントからの信号に関連する受信信号強度指度(たとえば、Ec/Io)、アクセスポイントの各々に対する経路損失、または何らかの他の適切なタイプの情報を示すことができる。場合によっては、測定報告は、アクセス端末110がダウンリンクを介して受信した負荷指度に関係する情報を含むことができる。
【0032】
ネットワークノード114は、次いで、アクセスポイント104および/またはアクセス端末110が別のノード(たとえば、別のアクセスポイントまたはアクセス端末)に比較的近いかどうかを判断するために、1つまたは複数の測定報告からの情報を使用することができる。さらに、ネットワークノード114は、これらのノードのいずれかがこれらのノードの他の1つに干渉するかどうかを判断するために、この情報を使用することができる。たとえば、ネットワークノード114は、信号を送信したノードの送信電力とこれらのノード間の経路損失とに基づいて、ノードにおける受信信号強度を判断することができる。
【0033】
場合によっては、アクセス端末110は、ダウンリンク上の信号対ノイズ比(たとえば、信号および干渉対ノイズ比(SINR))を示す情報を生成することができる。そのような情報は、たとえばチャネル品質指度(「CQI」)、データ転送レート制御(「DRC」)指度、または何らかの他の適切な情報を備えることができる。場合によっては、この情報はアクセスポイント104に送信されことができ、アクセスポイント104は、干渉管理動作において使用するために、この情報をネットワークノード114に転送することができる。いくつかの態様では、ネットワークノード114は、ダウンリンクに対する干渉があるかどうかを判断し、またはダウンリンク中の干渉が増加または減少しているかどうかを判断するために、そのような情報を使用することができる。
【0034】
以下でより詳細に説明されるように、場合によっては、干渉関連の情報は、どのように干渉を緩和するかを判断するために使用されることができる。一例として、HARQインターレースごとにCQIまたは他の適切な情報が受信されることができ、それにより、どのHARQインターレースが最低レベルの干渉に関連するかが判断されることができる。同様の技法は、他の部分再使用技法に採用されることができる。
【0035】
ネットワークノード114は様々な他の方法でパラメータを定義することができることを諒解されたい。たとえば、場合によっては、ネットワークノード114は1つまたは複数のパラメータをランダムに選択することができる。
【0036】
ブロック204で表されるように、ネットワークノード114(たとえば、通信コントローラ326)は、定義された干渉管理パラメータをアクセスポイント104に送信する。以下で論じられるように、場合によっては、アクセスポイント104はこれらのパラメータを使用し、場合によっては、アクセスポイント104はこれらのパラメータをアクセス端末110に転送する。
【0037】
場合によっては、ネットワークノード114は、システム中の2つ以上のノード(たとえば、アクセスポイントおよび/またはアクセス端末)によって使用されるべき干渉管理パラメータを定義することによって、システム中の干渉を管理することができる。たとえば、部分再使用方式の場合、ネットワークノード114は、異なる(たとえば、相互に排他的な)干渉管理パラメータを隣接アクセスポイント(たとえば、潜在的に互いに干渉するのに十分近いアクセスポイント)に送信することができる。具体的な例として、ネットワークノード114は、第1のHARQインターレースをアクセスポイント104に割り当て、第2のHARQインターレースをアクセスポイント106に割り当てることができる。このようにして、1つの制限されたアクセスポイントにおける通信は、他の制限されたアクセスポイントにおける通信に実質的に干渉することができない。
【0038】
ブロック206で表されるように、アクセスポイント104(たとえば、干渉コントローラ322)は、それが使用することができるか、またはアクセス端末110に送信することができる干渉管理パラメータを決定する。ネットワークノード114がアクセスポイント104の干渉管理パラメータを定義する場合、この決定動作は、単に、指定されたパラメータを受信すること、および/または(たとえば、データメモリから)指定されたパラメータを取り出すことを含むことができる。
【0039】
場合によっては、アクセスポイント104は、それ自体で干渉管理パラメータを決定する。これらのパラメータは、ブロック202に関連する上述のパラメータと同様とされることができる。さらに、場合によっては、これらのパラメータは、ブロック202における上述の方法と同様の方法で決定されることができる。たとえば、アクセスポイント104は、アクセス端末110から情報(たとえば、測定報告、CQI、DRC)を受信することができる。さらに、アクセスポイント104は、そのようなリンクに対する干渉を判断するために、アップリンクおよび/またはダウンリンクを監視することができる。アクセスポイント104は、パラメータをランダムに選択することもできる。
【0040】
場合によっては、アクセスポイント104は、干渉管理パラメータを決定するために、1つまたは複数の他のアクセスポイントと協働することができる。たとえば、場合によっては、アクセスポイント104は、どのパラメータがアクセスポイント106によって使用されているかを判断し(それによって、異なるパラメータを選択し)、または異なる(たとえば、相互に排他的な)パラメータの使用をネゴシエートするために、アクセスポイント106と通信することができる。場合によっては、アクセスポイント104は、(たとえば、別のノードがリソースを使用していることを示すCQIフィードバックに基づいて)それが別のノードに干渉するかどうかを判断し、そうであれば、そのような潜在的な干渉を緩和するために、その干渉管理パラメータを定義することができる。
【0041】
ブロック208で表されるように、アクセスポイント104(たとえば、通信コントローラ328)は、干渉管理パラメータまたは他の関連情報をアクセス端末110に送信することができる。場合によっては、この情報は電力制御に関する(たとえば、アップリンク送信電力を指定する)ことができる。
【0042】
ブロック210および212で表されるように、アクセスポイント104は、したがって、ダウンリンク上でアクセス端末110に送信ことができ、またはアクセス端末110は、アップリンク上でアクセスポイント104に送信することができる。ここで、アクセスポイント104は、ダウンリンク上で送信し、および/またはアップリンク上で受信するために、その干渉管理パラメータを使用することができる。同様に、アクセス端末110は、ダウンリンク上で受信するとき、またはアップリンク上で送信するときに、これらの干渉管理パラメータを考慮に入れることができる。
【0043】
いくつかの実装形態では、アクセス端末110(たとえば、干渉コントローラ306)は、1つまたは複数の干渉管理パラメータを定義することができる。そのようなパラメータは、アクセス端末110によって使用され、および/または(たとえば、アップリンク動作中に使用するために)アクセスポイント104に(たとえば、通信コントローラ330によって)送信されることができる。
【0044】
図4は、本明細書の教示が実装されることができる、いくつかのユーザをサポートするように構成されたワイヤレス通信システム400を示す。システム400は、たとえば、それぞれ対応するアクセスノード404(たとえば、アクセスポイント404A〜404G)によってサービスされる、マクロセル402A〜404Gなど、複数のセル402の通信を提供する。図4に示されるように、アクセス端末406(たとえば、アクセス端末406A〜406L)は、時間とともにシステム全体にわたって様々な位置に分散されることができる。各アクセス端末406は、たとえば、アクセス端末406がアクティブかどうか、およびアクセス端末406がソフトハンドオーバ中かどうかに応じて、所与の瞬間に(順方向リンク(FL)としても知られている)ダウンリンク(DL)および/または(逆方向リンク(RL)としても知られている)アップリンク(UL)上で1つまたは複数のアクセスノード404と通信することができる。ワイヤレス通信システム400は、広い地理的領域にわたってサービスを提供することができる。たとえば、マクロセル402A〜402Gは、近隣内の数ブロックをカバーすることができる。
【0045】
前述のように、比較的小さいエリア(たとえば、住居)にわたってカバレージを与えるノードまたは局在アクセスポイントは、フェムトノードと呼ばれることがある。図5Aは、1つまたは複数のフェムトノードがネットワーク環境内に展開された例示的な通信システム500を示す。特に、システム500は、比較的小規模のネットワーク環境中に(たとえば、1つまたは複数のユーザ住居530中に)設置された複数のフェムトノード510(たとえば、フェムトノード510Aおよび510B)を含む。各フェムトノード510は、DSLルータ、ケーブルモデム、ワイヤレスリンク、または他の接続手段(図示せず)を介して、ワイドエリアネットワーク540(たとえば、インターネット)およびモバイルオペレータコアネットワーク550に結合されることができる。以下で論じるように、各フェムトノード510は、関連するアクセス端末520(たとえば、アクセス端末520A)、および、随意に、関連しない(外来)アクセス端末520(たとえば、アクセス端末520F)にサービスするように構成されることができる。言い換えれば、フェムトノード510へのアクセスは制限されることができ、それによって、所与のアクセス端末520は、指定された(1つまたは複数の)ホームフェムトノード510のセットによってサービスされることはできるが、指定されていない外部(外来)フェムトノード510(たとえば、隣接のフェムトノード510)によってはサービスされることはできない。
【0046】
図5Bは、ネットワーク環境内の複数のフェムトノードおよびアクセス端末のネガティブジオメトリーのより詳細な図を示す。詳細には、フェムトノード510Aおよびフェムトノード510Bは、それぞれ、隣接するユーザ住居530Aおよびユーザ住居530Bにおいて展開される。アクセス端末520A〜520Cは、フェムトノード510Aに関連付け、それと通信することを許可されるが、フェムトノード510Bに関連付け、それと通信することは許可されない。同様に、アクセス端末520Dおよびアクセス端末520Eは、フェムトノード510Bに関連付け、それと通信することを許可されるが、フェムトノード510Aに関連付け、それと通信することは許可されない。アクセス端末520Fおよびアクセス端末520Gは、フェムトノード510Aまたはフェムトノード510Bのいずれかに関連付け、またはそのいずれかと通信することを許可されない。アクセス端末520Fおよびアクセス端末520Gは、マクロセルアクセスノード560(図5A)、または別の住居(図示せず)中の別のフェムトノードに関連付けされることができる。
【0047】
制限された関連付け(すなわち、アクセスポイントは、最も好ましい信号品質を与える「最も近い」フェムトノードに関連付けることを許されることができない)をもつ無計画フェムトノード510の展開では、ジャミングおよびネガティブジオメトリーは一般的であることがある。これらのネガティブジオメトリーに対処する解決策は、以下でさらに説明されるだろう。
【0048】
図6は、各々いくつかのマクロカバレージエリア604を含む、いくつかのトラッキングエリア602(またはルーティングエリアまたは位置エリア)が画定されたカバレージマップ600の例を示す。ここで、トラッキングエリア602A、602B、および602Cに関連付けられたカバレージのエリアは太線によって示され、マクロカバレージエリア604は六角形によって表される。トラッキングエリア602はフェムトカバレージエリア606をも含む。この例では、フェムトカバレージエリア606の各々(たとえば、フェムトカバレージエリア606C)は、マクロカバレージエリア604(たとえば、マクロカバレージエリア604B)内に示される。ただし、フェムトカバレージエリア606は、完全にマクロカバレージエリア604内にあるわけではないことを諒解されたい。実際問題として、多数のフェムトカバレージエリア606が所与のトラッキングエリア602またはマクロカバレージエリア604とともに画定されることができる。また、1つまたは複数のピコカバレージエリア(図示せず)が所与のトラッキングエリア602またはマクロカバレージエリア604内に画定されることができる。
【0049】
再び図5A〜図5Bを参照すると、フェムトノード510の所有者は、たとえば、3Gモバイルサービスなど、モバイルオペレータコアネットワーク550を介して提供されるモバイルサービスに加入することができる。さらに、アクセス端末520は、マクロ環境と、より小規模(たとえば、住居)のネットワーク環境との両方で動作することが可能であることができる。言い換えれば、アクセス端末520の現在位置に応じて、アクセス端末520は、マクロセルモバイルネットワーク550のアクセスノード560によって、または、フェムトノード510のセットのうちのいずれか1つ(たとえば、対応するユーザ住居530内に常駐するフェムトノード510Aおよび510B)によってサービスされることができる。たとえば、加入者が自宅の外にいるときには、標準のマクロアクセスノード(たとえば、ノード560)によってサービスされ、自宅の中にいるとき、フェムトノード(たとえば、ノード510A)によってサービスされる。ここで、フェムトノード520は既存のアクセス端末520と後方互換性があることを諒解されたい。
【0050】
フェムトノード510は、単一の周波数上に展開でき、または代替として、複数の周波数上に展開されることができる。特定の構成に応じて、単一の周波数、あるいは複数の周波数のうちの1つまたは複数は、マクロノード(たとえば、ノード560)によって使用される1つまたは複数の周波数と重なることがある。
【0051】
いくつかの態様では、アクセス端末520は、そのような接続性が可能であるときはいつでも、好ましいフェムトノード(たとえば、関連するアクセス端末520のホームフェムトノード)に接続するように構成されることができる。たとえば、アクセス端末520がユーザの住居530内にあるときはいつでも、アクセス端末520はホームフェムトノード510のみと通信することが望ましいことができる。
【0052】
いくつかの態様では、アクセス端末520がマクロセルラーネットワーク550内で動作しているが、(たとえば、好ましいローミングリスト中に定義された)その最も好ましいネットワーク上に存しない場合、アクセス端末520は、より良好なシステムが現在利用可能であるかどうかを判断するために利用可能なシステムの周期的なスキャンを行い、以後、そのような好ましいシステムに関連付けるために取り組むことができる、ベターシステムリセレクション(Better System Reselection)(「BSR」)を使用して、最も好ましいネットワーク(たとえば、ホームフェムトノード510)を探索し続けることができる。獲得エントリを用いて、アクセス端末520は、特定の帯域およびチャネルの探索を制限することができる。たとえば、最も好ましいシステムの探索は周期的に繰り返されることができる。好ましいフェムトノード510が発見されると、アクセス端末520は、そのカバレージエリア内にとどまる(camp)ために当該フェムトノード510を選択する。
【0053】
フェムトノードは、いくつかの態様では、制限されることがある。たとえば、所与のフェムトノードは、いくつかのサービスをいくつかのアクセス端末のみに与えることができる。いわゆる制限(または限定)関連付けを用いた展開では、所与のアクセス端末は、マクロセルモバイルネットワークと、フェムトノードの定義されたセット(たとえば、対応するユーザ住居530内に常駐するフェムトノード510)とによってのみサービスされることができる。いくつかの実装形態では、ノードは、少なくとも1つのノードにシグナリング、データアクセス、登録、ページング、またはサービスのうちの少なくとも1つを与えないように制限されることができる。
【0054】
いくつかの態様では、(限定加入者グループHome NodeB(Closed Subscriber Group Home NodeB)と呼ばれることもある)制限されたまたは外部(外来)フェムトノードは、サービスを、制限された準備されたアクセス端末のセットに提供するノードである。このセットは、必要に応じて、一時的にまたは永続的に拡大されることができる。いくつかの態様では、限定加入者グループ(Closed Subscriber Group)(「CSG」)は、アクセス端末の共通のアクセス制御リストを共有するアクセスノード(たとえば、フェムトノード)のセットとして定義されることができる。領域中のすべてのフェムトノード(または、制限されたすべてのフェムトノード)が動作するチャネルは、フェムトチャネルと呼ばれることがある。
【0055】
したがって、所与のフェムトノードと所与のアクセス端末との間に様々な関係が存在することがある。たとえば、アクセス端末の観点から、開いたフェムトノードは、制限された関連付けをもたないフェムトノードを指すことができる。制限されたフェムトノードは、何らかの形で制限された(たとえば、関連付けおよび/または登録のために制限された)フェムトノードを指すことができる。ホームフェムトノードは、アクセス端末がアクセスし、その上で動作することを許可されるフェムトノードを指すことができる。ゲストフェムトノードは、アクセス端末がアクセスし、またはその上で動作することを一時的に許可されるフェムトノードを指すことができる。制限されたまたは外部(外来)フェムトノードは、おそらく非常事態(たとえば、911番)を除いて、アクセス端末がアクセスし、またはその上で動作することを許可されないフェムトノードを指すことができる。
【0056】
制限されたまたは外来フェムトノードの観点から、関連するまたはホームアクセス端末は、制限されたフェムトノードへのアクセスを許可されるアクセス端末を指すことができる。ゲストアクセス端末は、制限されたフェムトノードへの一時的アクセスをもつアクセス端末を指すことができる。関連しない(外来)アクセス端末は、たとえば、おそらく911番などの非常事態を除いて、制限されたフェムトノードにアクセスする許可を有していないアクセス端末(たとえば、制限されたフェムトノードに登録する証明書または許可を有していないアクセス端末)を指すことができる。
【0057】
便宜上、本明細書の開示は、フェムトノードの文脈で様々な機能について説明する。ただし、ピコノードは、より大きいカバレージエリアに同じまたは同様の機能を与えることができることを諒解されたい。たとえば、所与のアクセス端末に対して、ピコノードが制限されること、ホームピコノードが定義されること、などが可能である。
【0058】
ワイヤレス多元接続通信システムは、複数のワイヤレスアクセス端末のための通信を同時にサポートすることができる。上述のように、各端末は、ダウンリンク(順方向リンク)およびアップリンク(逆方向リンク)上の伝送を介して1つまたは複数の基地局と通信することができる。ダウンリンクは、基地局から端末への通信リンクを指し、アップリンクは、端末から基地局への通信リンクを指す。この通信リンクは、単入力単出力システム、多入力多出力(「MIMO」)システム、または何らかの他のタイプのシステムを介して確立されることができる。
【0059】
MIMOシステムは、データ送信用の複数(NT)個の送信アンテナおよび複数(NR)個の受信アンテナを使用する。NT個の送信アンテナとNR個の受信アンテナとによって形成されるMIMOチャネルは、空間チャネルと呼ばれることもあるNS個の独立チャネルに分解されることができ、ここで、NS≦min{NT,NR}である。NS個の独立チャネルの各々は1つの次元に対応する。複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって生成された追加の次元数が利用された場合、MIMOシステムは、改善されたパフォーマンス(たとえば、より高いスループットおよび/またはより大きい信頼性)を与えることができる。
【0060】
MIMOシステムは時分割複信(「TDD」)および周波数分割複信(「FDD」)をサポートすることができる。TDDシステムでは、順方向および逆方向リンク伝送が同一周波数領域上で行われるので、相反定理によりアップリンク(逆方向リンク)チャネルからのダウンリンク(順方向リンク)チャネルの推定が可能である。これは、複数のアンテナがアクセスポイントで利用可能なとき、アクセスポイントにダウンリンク上で送信ビームフォーミング利得を取り出すことを可能とする。
【0061】
前述のように、制限された関連付け(すなわち、移動局は、それが最も強いリンクを有する「最も近い」基地局に関連付けることを許されない)をもつ無計画基地局展開では、ジャミングおよびネガティブジオメトリーは一般的である。図5Bに関して空間的に説明された1つの例示的な実施形態では、フェムトノード510Aおよびフェムトノード510Bは、隣接する住居において展開される。アクセス端末520A〜520Cは、フェムトノード510Aに関連付け、それと通信することを許可されるが、フェムトノード510Bに関連付け、それと通信することは許可されない。同様に、アクセス端末520D〜520Eは、フェムトノード510Bに関連付け、それと通信することを許可されるが、フェムトノード510Aに関連付け、それと通信することは許可されない。アクセス端末520F〜520Gは、フェムトノード510A〜510Bのいずれかに関連付けること、またはそのいずれかと通信することを許可されない。アクセス端末520F〜520Gは、マクロセルアクセスノード560(図5A)、または別の住居(図示せず)中の別のフェムトノードに関連付けられることができる。したがって、様々な干渉またはジャミングがアップリンクおよびダウンリンクを制約する場合、アクセス許容フェムトノードおよび隣接アクセス端末に関するそのようなネガティブジオメトリーが生じることがある。
【0062】
アップリンクジャミング
例として、LA3(dB)およびLA5(dB)を、それぞれ、フェムトノード510Aとアクセス端末520Cとの間、およびフェムトノード510Aとアクセス端末520Dとの間の経路損失であるとする。特に、LA3は、LA5よりもはるかに大きいことがある。したがって、アクセス端末520Dは、そのホームフェムトノード510Bに送信するとき、フェムトノード510Aにおいて過大な干渉(またはジャミング)を生じ、フェムトノード510Aにおいてアクセス端末520A〜Cの受信を事実上阻止する。このアップリンクジャミング状況では、アクセス端末520Cがその最大Tx電力P3maxで送信しても、フェムトノード510Aにおけるアクセス端末の受信したC/Iは次のように特徴づけられる。即ち、
C/I(フェムトノード510AにおけるAT520C)=P3max−LA3−(P5−LA5)(dB)
【0063】
いくつかの例示的な実施形態では、送信電力P5に応じて、フェムトノード510Aにおけるアクセス端末520CのC/Iは、LA3の大きい値のために非常に大きい負の値となることがある。そのような構成形状は、より高ネガティブなアップリンクジオメトリーと呼ばれる。
【0064】
ダウンリンクジャミング
同様に、1つの例示的な実施形態では、LB5は、LA5よりもはるかに大きいことがある。これは、フェムトノード510Aが、アクセス端末520Aに送信するとき、アクセス端末520Dにおいて過大な干渉(またはジャミング)を生じることがある、アクセス端末520Dにおけるフェムトノード510Bの受信を事実上阻止することを暗示する。このダウンリンクジャミング状況では、アクセス端末520Dにおけるフェムトノード510Bの受信したC/Iは、次のように計算されることができる。即ち、
C/I(AT5におけるフェムトセルB)=PB−LB5−(PA−LA5)(dB)
【0065】
この場合も、アクセス端末520Dにおけるフェムトノード510BのC/Iは、LB5の大きい値のために非常に大きい負の値となることがある。そのような構成形状は、より高ネガティブなダウンリンク形状と呼ばれる。
【0066】
さらなる実際的な考慮事項は、展開された(レガシー)アクセス端末の動作に対する変更を必要とすることなしにネガティブジオメトリーに対処することを含む。したがって、例示的な本実施形態では、アクセス端末に対する変更を必要とするのではなく、フェムトノードにおける変更プロセスによってネガティブジオメトリーからの干渉緩和に対処することが望ましい。したがって、アップリンクおよびダウンリンクにおけるネガティブジオメトリーは、以下で開示される例示的な実施形態に従って望ましく対処される。
【0067】
次に図7を参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するためのビームステアリングおよびヌルステアリングの使用に関係する動作がより詳細に説明されるだろう。例示的な本実施形態は、制限されたアクセスをもつ無計画基地局展開においてビームステアリングおよびヌルステアリングを使用してジャミングおよびネガティブジオメトリーを防止するための方法および装置を使用する。
【0068】
例示的なフェムトノード展開シナリオでは、近くの(所望または干渉)信号は、これは周波数帯域に(屋内環境における小さい遅延拡散および多重反射経路による)強い指向性成分およびフラットフェージングを含む、性質上ライシアン(Rician)である。特にジャミング状況では、セクタ化は、干渉の強いライシアン成分をなくすための望ましい方法を与えることができる。
【0069】
ブロック702で表されるように、フェムトノード510は、アクセス端末520からの送信を連続的にリッスンする(すなわち、本明細書で説明する様々な受信機構成に従って受信する)。クエリ704で表されるように、フェムトノード510は、アクセス端末によるアクセスプローブ(たとえば、送信)がフェムトノード510に向けられているかどうかを判断する。アクセス端末の検出されたアクセスプローブが特定のフェムトノード510に向けられている場合、ブロック706で表されるように、アクセス端末は、「ホーム」フェムトノードに「関連する」アクセス端末であるので、干渉緩和は不要である。
【0070】
クエリ708で表されるように、フェムトノード510は、アクセスプローブの特性がホームフェムトノードにおいて干渉を生じるのに十分なしきい値レベルであるかどうかを判断するために、特性(たとえば、電力レベル)をさらに比較する。アクセスプローブが干渉しきい値を超えないとき、「ホーム」フェムトノード510によるアクセスプローブの特性は容認できる干渉を生じるので、ブロック706で表されるように、干渉緩和は不要である。
【0071】
ブロック710で表されるように、ホームフェムトノード510が関連しないアクセス端末520から十分に強い(すなわち、干渉しきい値よりも大きい)アクセスプローブあるいは強いアップリンク送信を受信したとき、ホームフェムトノード510は、ダウンリンクおよびアップリンク上で信号または信号の欠如(たとえば、ヌル)を関連しないアクセス端末520のほうへステアリングするためにビームフォーミング(すなわち、指向性送信および受信)アンテナを適用する。
【0072】
例として、送信信号ビームおよび/またはヌルあるいは受信信号ビームおよび/またはヌルを形成するために、本明細書で説明されるセクタ化または指向性(たとえば、切替えビーム)アンテナ構成を使用して、ビームフォーミング(すなわち、ビームステアリング)が実行されることができる。具体的には、受信した無線周波数(Radio Frequency)(RF)信号に対して干渉ヌリング(nulling)が行われ、それによって、ジャミングフェムトノードから生じる受信機のフロントエンド過負荷およびA/D感度抑圧などの問題を小さくすることができる。さらに、セクタ化または指向性アンテナ構成は、ダウンリンクおよびアップリンクが、両方のリンク方向で使用するための同じ指向性成分を維持することを可能にする。
【0073】
ブロック712で表されるように、最小のエネルギーが近くの関連しないアクセス端末に向けられるように、ダウンリンクパイロットおよびオーバーヘッド送信、ならびに、もしあればトラフィックチャネル送信は、ビームフォーミングに従って送信される。関連しないアクセス端末から離れるように送信信号をステアリングすることは、関連しないアクセス端末におけるネガティブジオメトリーの低減に帰着する。
【0074】
ブロック714で表されるように、本明細書で説明されるアンテナ構成(たとえば、セクタ化アンテナまたは適応型フェーズドアレイを用いたヌルステアリング)を使用して、指向性ヌルは近くの関連しないアクセス端末520のほうへステアリングされる。したがって、関連するアクセス端末520が、ホームフェムトノード510との通信を試みるとき、関連するアクセス端末のアクセスプローブ、ならびに他のトラフィック(たとえば、ボイス/データ)通信は、ネガティブジオメトリーを有する近くの関連しないアクセス端末からの強い送信によって妨害されない。
【0075】
一例として、アクセスポイントが2つの別々のアンテナを使用する場合、APは両方のアンテナに対してATアクセスプローブ特性を監視することができる。アンテナの1つにおいて関連しないアクセス端末からの強いアップリンク送信が判断された場合、APは、そのアンテナに対して送信機能(ビームステアリング)をオフにし、受信機能(ヌルステアリング)をオフにすることができる。
【0076】
クエリ716で表されるように、フェムトノード510は、周期的に(たとえば、毎秒1回)受信方向のセクタ化ヌルをなくして、ブロック702で表されるように、強い不要な関連しないアクセス端末520がその通信を移動または終了したかどうかを判断する。クエリ704で表されるように、強い不要信号が消えた場合、フェムトノード510はセクタ化ヌルをなくし、ブロック706で表されるように、全方向送信および受信を用いて動作を続けることができる。ブロック708で表されるように、強い不要信号がまだ存在する場合、または移動しても、しきい値を超える場合、ブロック710で表されるように、フェムトノード510は、送信および受信セクタ化ヌルステアリングを不要な関連しないアクセス端末520の方向に調整することができる。
【0077】
図5Bに関する上記の例は、関連しないアクセス端末520Dが存在して、フェムトノード510Bとのアクティブな呼中である間、関連しないアクセス端末520Dの方向に受信および送信セクタ化ヌルをステアリングするフェムトノード510Aを示す。関連しないアクセス端末520Dがアイドルであるとき、フェムトノード510Aは全方向送信および受信を用いた動作に戻る。
【0078】
フェムトノードがセクタ化ヌルを特定の方向にステアリングしている期間中に、関連するアクセス端末520が同じ方向にある場合、それらは機能停止を経験することになる。したがって、例示的な実施形態では、(i)強い不要な関連しないアクセス端末520がアクティブである間、および(ii)クエリ408で判断されるように、関連しないアクセス端末520からの不要な送信が受信機において高い信号強度しきい値を超え、所望の関連するアクセス端末からのアクセスプローブがフェムトノード510において復号可能ではないことを意味する場合のみ、フェムトノード510はセクタ化ヌルをステアリングする。図5Bに関して、関連しないアクセス端末520Aからの信号があまり強くないので、フェムトノード510Bはセクタ化ヌルを関連しないアクセス端末520Aのほうへステアリングする必要がないことに留意されたい。フェムトノード510Bがそのようなセクタ化ヌルを関連しないアクセス端末520Aのほうへステアリングする場合、セクタ化ヌルにより、所望の関連するアクセス端末520Eにおいて機能停止が生じることになる。
【0079】
説明する方法の一般的な場合として、APが関連しないアクセス端末からの干渉の方向を判断することができない場合(たとえば、AP受信機を飽和させる非常に強いジャミング)、関連するATから受信した信号品質を最大にするために、ビームステアリングおよびヌルステアリングの異なる方向を試みることができる。
【0080】
次に図8を参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するためのオーバーヘッドチャネルに対する送信電力の最適化の使用に関係する動作が、より詳細に説明されるだろうる。例示的な本実施形態は、無計画基地局展開においてオーバーヘッドチャネルに対する最適化送信電力レベルを使用してジャミングおよびネガティブジオメトリーを防止するための方法および装置を使用する。
【0081】
一般に、オーバーヘッドチャネルの送信電力利得およびフェムトノードの総送信電力は、フェムトノードの所望の範囲に基づいて選択される。アクセス端末が、関連付けを制限する隣接フェムトノードによって妨害されている位置においてフェムトノードを捕捉することを可能にするために、オーバーヘッドチャネル(たとえば、パイロット、同期およびブロードキャスト/ページングなどの共通制御チャネル)が時間多重化されることができる。様々な数の時間スケールおよび時分割多重化のための方法が企図される。さらに、関連するアクセス端末がページングメッセージを受信することができるように、オーバーヘッドチャネルが周期的にのみ、たとえば、関連するアクセス端末のスロットサイクルインデックスにおいてオンにされることができる。さらなる構成では、フェムトノードは信号を全く送信しないことができる。
【0082】
しかしながら、アクティブな音声呼出しまたはデータ転送中に、ネガティブジオメトリーから生じたオーバーヘッドチャネルジャミング状況を時間多重化する機会を隣接フェムトノードに与えるアイドル期間がないことがある。したがって、例示的な実施形態は、フェムトノードにおいてアクティブな呼があり、オーバーヘッド信号の時間多重化が実際的でないとき、オーバーヘッド信号(たとえば、パイロット、同期およびブロードキャスト/ページングチャネル)の送信電力を最適化するための方法について説明する。
【0083】
たとえば、1xRTTおよびWCDMAネットワークにおいて、オーバーヘッドチャネル(たとえば、パイロット、ページ、同期チャネル)利得設定は、形状およびカバレージ制約に基づいていくつかのパフォーマンスのために調整される。さらに、マクロセルアクセスノード展開と比較したときに、フェムトノード展開はいくつかの著しい差異を示す。様々な差異は、以下を含む。即ち、
1.限定されたカバレージサイズのために、最大経路損失値は、フェムトノードによってサービスされるエリア(たとえば、セル)では、マクロセルアクセスノードによってサービスされるエリア(たとえば、セル)に比較して、はるかに少ない(たとえば、マクロセルラー展開の140dBに比較して80dBの最大値経路損失)。
2.同時にアクティブなアクセス端末の数は、フェムトノードによってサービスされるセルでは、マクロセルアクセスノードによってサービスされるセルよりも少ない(たとえば、20〜40ユーザに比較して1〜2ユーザ)。
3.上述のように、フェムトノードの制限された関連付け要件のために、ネガティブジオメトリーは、マクロセルアクセスノード展開の場合とは異なりフェムトノード展開の場合では一般的であることができる。
【0084】
これらの差異は、フェムトノード510のオーバーヘッドチャネルに対して非常に異なる最適電力設定を生じることができる。フェムトノード510は、一般に、アクティブなアクセス端末520を少数有するか全く有しないので、フェムトノード510によってサービスされる近接セルおよびマクロセルアクセスノード560によってサービスされるセル(すなわち、同一チャネル動作を仮定する)に対する干渉を最小限に抑えるために、オーバーヘッドチャネルが最小電力設定で維持されることが望ましい。例として、例示的な一実施形態では、パイロットチャネル最適化に重点を置くが、他のオーバーヘッドチャネルにも分析が適用されることができる。
【0085】
例示的な実施形態では、単一の音声呼出しの場合の最適なトラフィック対パイロット(「T2P」)値は、デフォルトパイロット電力設定、EcpDEFAULT、と同様に決定される。ダウンリンク(順方向リンク)電力制御が、トラフィック対パイロットの修正比を生じさせるとき、パイロット電力は、総送信電力および隣接フェムトノードによって生じる干渉の最も小さい値を維持するように調整される。
【0086】
例として、ホームフェムトノード510Aと隣接フェムトノード510Bとの境界におけるアクセス端末520Aは、両方のフェムトノード510に対して等しい経路損失を示し、隣接フェムトノード520Bはフル電力で送信しており、それによって、干渉、Ior_max、を生じる。本例では、ホームフェムトノード510Aが利得レベルEcpでパイロットチャネルを送信している場合、パイロット信号対ノイズ比(SNR)は、Ecp/Ior_maxと表されることができる。例示的な本実施形態によれば、ホームフェムトノード510Aからの最低総送信電力を生じる最適なEcp設定を見つけることが望ましい。
【0087】
ブロック802で表されるように、パイロットチャネル利得レベルEcpは、EcpDEFAULTに初期化される。したがって、Ecpのデフォルト値(EcpDEFAULT)は、フェムトネットワークにおいて予想される妥当な負荷および経路損失差分値に基づいて決定されることができる。
【0088】
ブロック804で表されるように、トラフィック呼(たとえば、音声呼出し)は、Ectとして示されるトラフィックチャネル上で使用される電力を用いてホームフェムト510Aとアクセス端末520Aとの間に確立される。1つの例示的な実施形態では、クエリ806で表されるように、Ect値は、ダウンリンク(順方向リンク)電力制御によって決定される。ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御は、所要のサービス品質(たとえば、パケット誤り率、PER)を維持するために、使用される。ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御は、ブロック808で表されるようにEctを減少させるか、ブロック810で表されるようにEctを増加させるか、またはEctを変化させないかのいずれかを指示する。
【0089】
クエリ812で表されるように、パケット誤り率(PER)の決定は、適切な信号品質を特定するために使用される。一般に、Ecpが非常に低い場合、チャネル推定品質は劣化し、非常に大きいEctを生じることになる。Ecpが増加するにつれて、チャネル推定は改善し、所要のEctは下がる。しかしながら、Ecpが非常に大きい場合、チャネル推定品質は所要の量より高くなるので、Ectのさらなる低減は生じない。したがって、PERが不適切なとき、ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御はEctを調整する。
【0090】
他のフェムトノードに対して生成される干渉を最小限に抑える必要があるので、最小値(Ect+Ecp)を生じる最適なEcp値を有することが望ましい。ブロック814で表されるように、EcpOPTIMALは、次のように決定される。即ち、
【数1】
【0091】
総送信電力を最小限に抑える他の最適なEcp値は、次のように得られる。
【0092】
Ect=f(Ecp)
(関数f(.)は、オフラインシミュレーションまたはテストによって決定されることができる。)
次いで、ブロック816で表されるように、最適なEct値が次のように決定される。即ち、
EctOPTOMAL=f(EcpOPTIMAL)
【0093】
ブロック818で表されるように、T2POPTIMALは、次のように決定される。即ち、
【数2】
【0094】
別の例示的な実施形態では、フェムトノードのセルにおいて予想される典型的なチャネルタイプのEcpOPTIMALおよびEctOPTIMALを得るために、たとえば、電力制御によって追跡できる低いドップラー(Doppler)をもつレイリー(Rayleigh)またはライシアン(Rician)のいずれかのフラットフェージングモデルを使用して、シミュレーションが実行されることができる。これらの最適値は、1つの例示的な実施形態では、アクセス端末と隣接フェムトノードとの特定の経路損失差と、隣接フェムトノードから受信した干渉電力とに依存する(たとえば、モバイル端末が、ホームフェムトに比較して隣接フェムトに対して3dB少ない経路損失を有する場合、最適なEcpおよびEct値は、3dBだけ増加する必要があるだろう)。
【0095】
一方、例示的な代替実施形態では、隣接フェムトノードがIor_maxの半分で送信している場合、最適なEcpおよびEct値は3dBだけ減少させられる必要がある。しかしながら、Ecp値はフェムトセルのハンドオフ境界を決定するので、あまり頻繁にEcp値を変化させることは、あまり実際的ではないことにも留意されたい。したがって、上述のように、Ecpのデフォルト値(EcpDEFAULT)は、フェムトネットワークにおいて予想される妥当な負荷および経路損失差分値に基づいて決定されることができる。
【0096】
次に図9を参照すると、予想される負荷および経路損失差よりも高い場合に最適な動作を維持するために、例示的な一実施形態において、フェムトノードと複数の関連するアクセス端末との間に起こる複数の呼の各々に対して以下アルゴリズムが実行されることができる。
【0097】
ブロック902で表されるように、パイロットチャネル利得レベルEcpが、各音声呼出しの分析のためにEcpDEFAULTに初期化される。したがって、Ecpのデフォルト値(EcpDEFAULT)は、フェムトネットワークにおいて予想される妥当な負荷および経路損失差分値に基づいて決定されることができる。
【0098】
ブロック904で表されるように、Ectとして示されるトラフィックチャネル上で使用される電力を用いてホームフェムト510Aと関連するアクセス端末520との間に確立される各呼に対してプロセスが繰り返される。1つの例示的な実施形態では、クエリ906で表されるように、Ect値は、ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御によって決定される。ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御は、所要のサービス品質(たとえば、パケット誤り率、PER)を維持するために、使用される。ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御は、ブロック908で表されるようにEctを減少させるか、ブロック910で表されるようにEctが増加させるか、またはEctを変化させないかのいずれかを指示することができる。
【0099】
クエリ912で表されるように、パケット誤り率(PER)の決定は、適切な信号品質を特定するために、使用されることができる。したがって、PERが不適切なとき、ダウンリンク(順方向リンクFL)電力制御はEctを調整する。
【0100】
ブロック918で表されるように、T2PFILTERED(たとえば、EctFILTERED/EcpFILTERED)は、呼中に監視される。T2Pをフィルタ処理する目的は、T2P計算から小規模変動を除去することである。たとえば、それぞれ、EctFILTEREDおよびEcpFILTEREDを計算するために、移動平均フィルタはEctおよびEcp値をフィルタ処理するために、使用されることができる。
【0101】
クエリ920で表されるように、T2PFILTEREDの値に関して決定が行われる。T2PFILTERED>T2POPTIMAL+Δ1の場合、ブロック922で表されるように、Ecpが次のように増加される。
Ecp=EctFILTERED/T2POPTIMAL。
【0102】
クエリ924で表されるように、T2PFILTEREDの値に関して決定が行われる。T2PFILTERED<T2POPTIMAL−Δ2の場合、ブロック926で表されるように、Ecpを次のように減少させる。
Ecp=max[EctFILTERED/T2POPTIMAL,EcpDEFAULTE]。
【0103】
T2POPTIMALは、特定のトラフィック構成(レート、コーディングなど)に依存する。たとえば、2つのユーザが同じレートボコーダを用いて音声呼出しを実行している場合、それらは同じT2POPTIMALを有する。しかしながら、データ転送(たとえば、153kbpsでの1xRTTデータ転送)を実行する別のユーザがいる場合、当該別のユーザは異なるT2POPTIMALを必要とする。T2POPTIMALが(そのトラフィックタイプに基づいて)所与のユーザに対して決定されると、アルゴリズムは自動的にEcpを調整する。上記のアルゴリズムは1つのユーザに対して指定される。複数のユーザがいる場合、アルゴリズムは各ユーザに対して異なるEcp値を生じることができる。しかしながら、オーバーヘッドチャネルはすべてのユーザに共通であり、1つのEcp設定のみとすることができる。したがって、複数のユーザに対してアルゴリズムが一般化されることができる。例として、システム中の各ユーザ(i=1,...,N)に対する「最適な」Ecpiは、上述のように求められることができ、次いで、実際のEcpがmax(Ecp1,...,EcpN)として決定されることができる。別のオプションは、オーバーヘッドおよびトラフィックとしてすべてのユーザに送信された総電力が最小限に抑えられるように、最適なEcpを求めることができる。これは、フェムトセル中のユーザ1〜Nに対して、ボックス814の計算を次のように変更することを意味するだろう。
【数3】
【0104】
T2Pをフィルタ処理する目的は、T2P計算から小規模変動を除去することであるだろう。たとえば、EctFILTEREDおよびEcpFILTEREDをそれぞれ計算するために、移動平均フィルタは、EctおよびEcp値をフィルタ処理するために、使用されることができる。
【0105】
最適なT2Pは、シミュレーションによって得られることができ、T2Pが決定されると、(標準の3G動作の一部である)電力制御調整Ectが決定されることができる。次いで、最適なT2Pを達成/維持するようにEcpが調整される。具体的には、2つのアルゴリズム、すなわち、1)Ectを調整する電力制御アルゴリズムと、2)本明細書で説明されるEcpの調整と、が一緒に実行されることができる。
【0106】
上記のアルゴリズムでは、Δ1およびΔ2は、Ecpの高速変動を防止するために使用されるヒステリシスパラメータである。さらに、Ecpの急激な変化を防止するために、例示的な一実施形態において、Ecp訂正がよりゆっくり実行されるように、上記の式は変更されることができる。最後に、他のオーバーヘッドチャネル(たとえば、ページ、同期)は、パイロット電力レベルに基づいて調整されることができる(すなわち、パイロット電力レベルに対するそれらの相対電力レベルは一定に保たれることができる)。
【0107】
したがって、フェムトノードにおいてアクティブな呼があるとき、最適なオーバーヘッド信号電力レベルを決定することによって、オーバーヘッド信号(たとえば、パイロット、同期およびブロードキャスト/ページングチャネル)の送信電力を低減するための例示的な実施形態が説明された。例示的な実施形態は、例示的なチャネルとしてパイロットチャネルにおいて使用する例として開示されているが、他のオーバーヘッドチャネルにも分析が適用されることができる。
【0108】
次に図10を参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するための周波数選択性送信の使用に関係する動作がより詳細に説明されるだろう。上述のように、フェムトノードの無計画展開のため、関連するアクセス端末の受信SINRは、隣接フェムトノード送信からの干渉のために極めて低くなることができる。この干渉は、アクセス端末に対する制御チャネルおよびトラフィックチャネルのパフォーマンスを劣化させ、機能停止またはサービスの低下を生じることがある。本明細書で開示される例示的な実施形態は、レガシーアクセス端末を改変する必要なしに、高い干渉エリアでのアクセス端末のパフォーマンスを改善するための動作を扱う。
【0109】
概して、例示的な実施形態は、干渉を最小限に抑えるために、隣接フェムトノード間の送信波形を直交させることによってダウンリンク送信に意図的な周波数選択性を導入する。一例として、各フェムトノード510は、たとえば、3×3DFT行列の所与の行からの各係数セットを用いて、利用可能な波形から、たとえば3つの3タップチャネル波形から、チャネル検知によって送信パルス整形を選択する。この場合、所与のアクセスポイントに対してそれぞれ、送信波形は、(通常のベースバンドフィルタリングに加えて)以下の3つの波形のうちの1つから選択されたフィルタインパルス応答を用いて3つのタップFIRによってフィルタ処理されるだろう。
【数4】
【0110】
ただし、exp(jx)=cos(x)+jsin(x)。
【0111】
代替の選択肢は、2×2 DFT(N=2)からの係数を用いた2つのインパルス応答である。送信フィルタの選択は、ある期間の間だけ持続し、その後、フェムトノード510はチャネル検知に基づいて再び選択を行うことができる。
【0112】
最初に図10を参照すると、図10は、ワイヤレス通信システム送信波形選択における干渉管理のための方法を記載している。ブロック1002で表されるように、N個の送信波形のセットが、ダウンリンク送信において使用するためにフェムトノード510に割り振られる。1つの例示的な実施形態では、チャネル波形は、N×N DFT行列中の特定の行から導出された各係数セットをもつNタップチャネルフィルタの係数から形成されることができる。
【0113】
ブロック1004で表されるように、フェムトノード510は、規定の選択プロセス(たとえば、ランダム化、ネットワークによってランダムに割り当てられる、など)に従って初期化時(たとえば、電源投入時)にデフォルト波形を選択する。デフォルト波形は、N個の送信(ダウンリンク)波形のセットからなる。デフォルト波形は最初は、好ましい送信波形、TxWavePREFERED、として割り当てられる。
【0114】
クエリ1006で表されるように、呼が起動されると、フェムトノード510は、好ましい送信波形を使用してダウンリンク上で送信する。関連するアクセス端末520との呼セットアップが行われ、この呼セットアップは、アクセス端末520によって判断されアップリンク上でフェムトノード510に転送されるチャネル品質指度(たとえば、チャネル品質インジケータCQI、データ転送速度制御DRC)を含む。
【0115】
クエリ1008で表されるように、フェムトノードは、すべての可能な波形がテストされるまでT_test_waveformの時間期間の波形テストサイクルを始動する。ブロック1010で表されるように、フェムトノード510は、現在の波形を使用して関連するアクセス端末520と通信する。関連するアクセス端末は、ダウンリンク送信を受信し、信号品質に応答してチャネル品質指度を生成する。チャネル品質指度は、アップリンク(逆方向リンク)中でフェムトノード510に転送される。
【0116】
ブロック1012で表されるように、フェムトノードは、受信されたチャネル品質指度に基づいて現在の波形を使用するチャネル品質を判断するためにアップリンクを監視する。フェムトノード510は、波形と対応するチャネル品質指度とのテーブルを形成するか、あるいは、現在のチャネル品質指度を任意の前のチャネル品質指度と比較し、好ましい波形の指度を保持することができる。
【0117】
ブロック1014で表されるように、評価を継続するために、テスト波形が、次の割り振られた波形にインクリメントされる。可能性のある波形がダウンリンク上の送信に関与し、対応するチャネル品質指度がアップリンク上で受信されるまで、例示的な波形選択プロセスが繰り返される。そして、ブロック1016で表されるように、チャネル品質判断に基づかれる好ましい波形が、他の無計画基地局展開の展開に関連するネガティブジオメトリーからの干渉の存在下で最良のチャネル品質を与える好ましい送信波形として選択される。
【0118】
ブロック1018で表されるように、特定の時間期間、呼終了、チャネル品質劣化しきい値、または当業者によって知られている他のチャネル状態を含む様々なファクタに基づいて、好ましい波形が周期的に更新されることができる。更新決定されると、処理は、様々な考えられる送信波形のチャネル品質の評価に戻る。
【0119】
例示的な本実施形態は、ISIによって自己ノイズを生成することで高形状でのパフォーマンスを制限するという代償により、畳み込み中における優勢な信号エネルギー上でのフーリエ(Fourier)級数の直交性により、強力な隣接干渉エネルギーからの干渉を管理する。所望の干渉信号に対するインパルス応答の異なる周波数カラーリングによりMMSE等化器を用いて、さらなる利得が達成されることができる。遅延拡散は1チップ間隔よりもかなり小さいので、この機構はフェムトノード構成において実現可能である。
【0120】
次に図11A〜図11Bを参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、適応ノイズ指数の使用に関係する動作と、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処する経路損失調整とが、より詳細に説明されるだろう。例示的な本実施形態は、適応ノイズ指数および経路損失調整を使用してジャミングを防止し、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するための方法および装置を使用する。
【0121】
一般に、フェムトノードは、広帯域接続(たとえば、DSLルータまたはケーブルモデム)を介してインターネット540およびモバイルオペレータコアネットワーク550に接続される。フェムトノード510のRFカバレージはモバイルオペレータコアネットワーク550によって手作業で最適化されず、展開は一般にアドホックなので、適切な干渉緩和方法が利用されない限り、深刻なRF干渉が発生する。
【0122】
マクロセルネットワークにおいて、アクセス端末520およびマクロセルアクセスノード560は、あるダイナミックレンジ内で動作するように設計される。フェムトノード510によって形成されたセルでは、ホームフェムトノード510および関連するアクセス端末520は任意に空間的に近くになり、したがって、それぞれの受信機の感度範囲を超える極めて高い信号レベルが生成されることがある。ダウンリンク(順方向リンクFL)上では、そのような構成は、関連するアクセス端末の受信機を飽和状態とさせ、復調性能の劣化をもたらすことができる。逆方向リンク上では、そのような構成は、ホームフェムトノード510において不安定性を生じることも知られている、極めて高いノイズ上昇(RoT)を生じることができる。したがって、それに応じて最大および最小の電力レベル、ならびに受信機ノイズ指数値は、ホームフェムトノード510のために調整される必要がある。この状況は、ホームフェムトノード510Aおよび関連するアクセス端末520Aに関して図5Bに示されている。
【0123】
フェムトノード510Bは、マクロセルアクセスノード560によってサービスされるセルのアップリンクUL(逆方向リンクRL))とダウンリンクDL(順方向リンクFL)の両方で干渉を引き起こすことができる。たとえば、住居530Bの窓の近くに設置されたフェムトノード510Bは、フェムトノード510Bによってサービスされない家屋の外部にあるアクセス端末520F(すなわち、関連しないアクセス端末)に著しいダウンリンクDL干渉を引き起こすことができる。また、アップリンクUL上では、特定のホームフェムトノード510によってサービスされる関連するアクセス端末520は、マクロセルアクセスノード560上で著しい干渉を引き起こすことができる。
【0124】
アップリンクUL上では、マクロセルアクセスノード560によってサービスされる関連しないアクセス端末520Fは、ホームフェムトノード510A上で著しい干渉を引き起こすことができる。
【0125】
上述のように、フェムトノード510は、また、無計画展開により互いに著しい干渉を生成することができる。たとえば、近くの住居530では、2つの住居530を分離している壁の近くに設置されたフェムトノード510が、隣接する住居530中の隣接フェムトノード510に著しい干渉を引き起こすことができる。そのような場合、フェムトノード510からアクセス端末520への(RF信号強度に関して)最も強い信号は、上述の限定された関連要件により、必ずしも関連するアクセス端末のホームフェムトノードであるわけではないことができる。そのようなシナリオは、ダウンリンクDL上でフェムトノード510Aがアクセス端末520Dに著しい干渉(たとえば、低SINR)を引き起こすことがある図5Bに示されている。また、アップリンクUL上では、関連しないアクセス端末520Dは、外部(外来)フェムトノード510Aに著しい干渉(たとえば、高RoT)を引き起こすことがある。
【0126】
たとえば、CDMAワイヤレスネットワークのアップリンク上では、システム安定性および負荷は、通常、フェムトノードにおける、ノイズ上昇としても知られる、ライズオーバサーマル(RoT)の計量によって判断される。ライズオーバサーマル(RoT)は、次のようにフェムトノードにおけるすべてのソースから受信された全電力と熱ノイズとの間の比を示す。即ち、
RoT=(Ioc+Ior+No)/No、
ただし、
Ior:フェムトノードがアクティブセット中にあるすべてのワイヤレスデバイスからフェムトノードにおいて受信された全受信電力
Ioc:フェムトノードがアクティブセット中にないすべてのワイヤレスデバイスからフェムトノードにおいて受信された全受信電力
No:フェムトノードノイズ指数(NF)を含む熱ノイズの分散。
【0127】
アップリンクUL上での安定したシステム動作のためには、RoTは制御される必要がある。一般に、RoTは約5dB以上になるように制御される。高RoT値は著しい性能劣化を引き起こすことができる。たとえば、2つの隣接するセルがフェムトノード510Aおよび510Bによって形成される図5Bでは、アクセス端末520Dによってフェムトノード510Aにおいて引き起こされた高RoTは、関連するアクセス端末520Cの性能劣化を生じさせる。1つの特定の干渉シナリオは、隣接クセス端末520Dが、バースト的なアップリンクULトラフィックを有し、フェムトノード510Aにおいて(たとえば、極めて近接して)過度に高い電力レベルを示すときに発生する。したがって、アクセス端末520Dからの高レートデータアップリンクULバースト中に、フェムトノード510AのRoTは20dBを上回る。さらに、CDMAシステム(たとえば、CDMA2000、WCDMA、1xEV−DO)におけるアップリンクUL電力制御機構は、このタイプの干渉シナリオをなくすように設計されている。しかしながらRoTの過大な変化により、この機構は、関連しないアクセス端末520Dによって引き起こされた干渉をフェムトノード510Aが克服するように関連するアクセス端末520Cを電力制御するのに多少の時間を要することがある。一方、関連するアクセス端末520Cの信号対干渉比(SIR)は、所要のレベルを下回り、その結果、関連するアクセス端末520Cからホームフェムトノード510AへのアップリンクUL上で連続的パケットエラーが生じる。
【0128】
上記のシナリオにおいてSIRの急落を最小限に抑えるために、1つの選択肢は、ホームフェムトノード510Aから関連するアクセス端末520Cに搬送されるアップリンクUL上の電力制御ステップサイズを増大させることであることができる。しかしながら、システムが極めて大きい電力制御ステップサイズで動作すると、他のシステム劣化が生じるので、通信規格によって課された電力制御ステップサイズの上限が通常は存在する。したがって、フェムトノード510におけるRoTレベルを制御することが望ましい。
【0129】
関連しないアクセス端末によって生じた干渉(たとえば、フェムトノード510Aにおける関連しないアクセス端末520Dによって生じた干渉)の急増によるRoTの急上昇を防止するために、ノイズ指数NFが増大させられることができ、または、アップリンクUL上に何らかの経路損失(PL)成分を加えることによって受信信号が減衰させられることができる。しかしながら、そのような操作は、高レベルの干渉を受けているフェムトノードにおいて実行される。図5Bに示すシナリオでは、フェムトノード510Aとフェムトノード510Bの両方が同じ量だけノイズ指数NFまたは減衰を増大させると、アクセス端末520Cとアクセス端末520Dの両方のアップリンクUL送信電力レベルがより大きくなる。したがって、フェムトノード510Aにおいて発生する高RoTの問題は改善されない。
【0130】
例示的な一実施形態によれば、高RoTを示すフェムトノード、本シナリオではフェムトノード510Aは、そのノイズ指数NFまたは減衰レベルを増大させ、高RoTを示さないフェムトノード、本シナリオではフェムトノード510Bは、高レベルのセル外干渉を受けていない限りそれらのノイズ指数NFを一定に保つ。したがって、特有のフェムトノードに高レベルのセル外干渉があるときにノイズ指数NFまたは減衰を調整するための方法が提供される。ワイヤレス通信システムにおける干渉の管理のための例示的な一実施形態によれば、所与のタイムスロットnにおけるRoTは、以下のように表すことができる。即ち、
RoT(n)=[Ioc(n)+Ior(n)+No(n)]/No(n)
および、
【数5】
【0131】
ただし、Eciはユーザi当たりの全受信エネルギーである。
【0132】
最初に図11A〜図11Bを参照すると、図11A〜図11Bは、RoTを制御するために経路損失を適応的に調整するのに適応ノイズ指数と経路損失調整とを使用するワイヤレス通信システムにおける干渉管理のための方法を説明している。アップリンクUL減衰またはフェムトノードのノイズ指数NFのいずれにも調整ファクタが適用されることができることに留意されたい。
【0133】
クエリ1104で表されるように、本明細書で説明される動作は、後続のタイムスロットnの発生時などにおいて周期的に発生することができる。例として、スロットnごとに、フェムトノード510は通信システムに干渉管理を与えるための以下の方法を実施することができる。ブロック1104で表されるように、様々な信号が測定され、レベルが計算される。特にブロック1106で表されるように、熱ノイズ指数No(n)が、フェムトノード510で測定される。熱ノイズ指数No(n)はフェムトノードノイズ指数(NF)を含む熱ノイズの分散である。
【0134】
ブロック1108で表されるように、全受信信号強度Io(n)が測定される。全受信信号強度Io(n)は、フェムトノードがアクティブセット中にあるすべてのワイヤレスデバイス、およびフェムトノードがアクティブセット中にないすべてのワイヤレスデバイスからフェムトノードにおいて受信された全受信電力である。ブロック1112で表されるように、フェムトノードがアクティブセット中にあるすべてのワイヤレスデバイスからフェムトノードにおいて受信された全受信電力であるセル内(関連するアクセス端末)干渉レベルIorが計算される。計算されるセル内干渉レベルは、次のように表されることができる。即ち、
【数6】
【0135】
ブロック1110で表されるように、受信パイロットチップエネルギーEcp(n)対干渉およびノイズNt(n)比が、フェムトノードがアクティブセット中にあるすべてのワイヤレスデバイスから測定される。
【0136】
ブロック1114で表されるように、フェムトノードがアクティブセット中にないすべてのワイヤレスデバイスからフェムトノードにおいて受信された全受信電力であるセル外(関連しないアクセス端末)干渉レベルIocが計算される。計算されるセル外干渉レベルは次のように表されることができる。即ち、
Ioc(n)=Io(n)−Ior(n)−No(n)
【0137】
ブロック1116で表されるように、受信セル外干渉レベル対熱ノイズ指数No(n)比と、セル内アクセス端末間の最大フィルタ処理済み受信パイロットチップエネルギーEcp(n)対干渉+ノイズNt(n)比とが計算される。ブロック1118で表されるように、例として、dB変域における無限インパルス応答(IIR)フィルタリングに従って、すべてのセル内アクセス端末についての受信パイロットチップエネルギーEcp(n)対干渉およびノイズNt(n)比として測定されたアクセス端末信号対ノイズ比がフィルタ処理される。フェムトノードがアクティブセット中にあるアクセス端末の間での最大フィルタ処理済み値は、次のように表されることができる。即ち、
【数7】
【0138】
ブロック1120で表されるように、セル外受信干渉レベルIocと熱ノイズ指数No(n)との信号対ノイズ比が計算される。また、この信号対ノイズ比はさらに、例として、dB変域における有限インパルス応答(FIR)フィルタリングに従ってフィルタ処理される。計算されるセル外(関連しないアクセス端末)信号対ノイズ比は、次のように表されることができる。即ち、
【数8】
【0139】
ブロック1122で表されるように、通信システムが確実に動作することができる許容(目標)量を超えた過大な受信セル外干渉と、セル内アクセス端末の間での最大の過大な受信パイロットチップエネルギー対干渉およびノイズ比とが決定される。ブロック1124で表されるように、受信パイロットチップエネルギー対干渉およびノイズ比の過量は、次のように表されることができる。即ち、
【数9】
【0140】
ただし、上記の許容しきい値EcpNt_targetはdBの単位を有する。
【0141】
ブロック1126で表されたように、セル外受信干渉レベルの過量Ioc_excessは、次のように表されることができる。即ち、
【数10】
【0142】
ただし、上記の許容しきい値Ioc_targetはdBの単位を有する。
【0143】
ブロック1128で表されるように、適用されることを必要とする追加の経路損失の量(PL_adjust)が計算される。ブロック1130で表されるように、候補経路損失調整量が決定される。候補調整量は、次のように表されることができる。即ち、
【数11】
【0144】
候補調整値を決定することに関して、候補値は様々な特性または規則に基づかれることができる。例として、様々なポイントが次のように表されることができる。即ち、
(1)PL_cand1およびPL_cand2は、高閾値を超える高いEcp/NtまたはIoc値に基づいてPLを迅速に調整するように設計される。
(2)Ecp/NtとIocの両方が許容限界を下回る場合、PL_cand3は、不必要に高くならないようにPLをゆっくり低減する(ディケイする)ように設計される。
(3)セル中に唯一のアクティブユーザしかいない場合、RoT制御機構がRoTレベルをすでに制御することができるので、Iocを直接に制限すべき理由が存在しないことがある。したがって、システム中に唯一のアクティブユーザしかいない場合に、Ioc_targetは極めて大きい値に設定されることができる。
【0145】
ブロック1132で表されるように、適切な経路損失(PL_adjust)は、以下のように表される上側および下側の経路損失PL調整の制限に従って適用されることができる。即ち、
【数12】
【0146】
ブロック1134で表されるように、アップリンクUL減衰(またはノイズ指数)は、PL_adjust(n)だけ増大させられる。実際の実装では、ハードウェア制限は、最も近い可能な設定へのPL_adjust(n)の量子化を必要とすることがあることに留意されたい。
【0147】
次に図12を参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するためのサブフレーム時間再利用の使用に関係する動作が、より詳細に説明されるだろう。例示的な本実施形態は、サブフレーム時間再利用を使用して、ジャミングを防止し、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するための方法および装置を使用する。
【0148】
1つの例示的な実施形態では、エアインターフェースが時分割多重を許可する場合、ネガティブジオメトリーをもつ時間期間をなくすような方法で送信がスケジュールされることができる。したがって、フェムトノード510Bは、フェムトノード510Aが沈黙状態である期間中に、関連するアクセス端末520Dと通信することができる。同様に、関連するアクセス端末520Cは、フェムトノード510Aによって関連しないアクセス端末520Dが沈黙状態であるようにスケジュールされた期間中に、フェムトノード510Aと通信することができる。同期およびスケジューリング手法のそのような方法は、1xEVDOなどの時分割スケジュールを可能にするシステムへの適用を見出す。例として、1xEVDO制御チャネルは時分割多重化されるので、隣接フェムトノード510はこれらの制御チャネルの時間再使用を使用するように編成されることができる。
【0149】
しかしながら、次に論じるように、これは、スケジューリングと時分割多重とを用いる動作を許可しないエアインターフェース技術、たとえば、1xRTT、WCDMA、およびHSPAを含むCDM制御チャネルを使用する技術と一緒には作動しない。サブフレーム時間再利用の設計詳細については、下記の実施形態で詳細に説明される。
【0150】
1つの例示的な実施形態では、サブフレーム時間再利用は、ハイブリッド時間再利用が適用されることができない技術に適用スノウである。cdma2000およびWCDMAなどの多くのセルラー技術では、基地局は、連続的なパイロットと、初期スキャニングおよび捕捉、アイドルモードトラッキングおよびチャネル推定を含む様々な目的のためにアクセス端末が使用する、他のCDM制御チャネル(たとえば、同期、ページング、およびブロードキャストなど)と、を送信する。フェムトノードからのパイロットおよびオーバーヘッドチャネルのこの連続的な送信は、ジャマーにおいてアクティブトラフィックがないときでさえ上述のダウンリンクジャミングを生じることができる。
【0151】
1つの例示的な実施形態では、第1のステップは、アクセス端末520において所望のフェムトノード510のパイロットおよびオーバーヘッドチャネル(たとえば、同期およびページング)が受信されることができないときの機能停止状況に対処することである。例として、cdma2000フレームは、16個の電力制御グループ(PCG)に分割される。パイロット信号を捕捉できるようにするために、パイロットおよびオーバーヘッドチャネル送信の小部分がゲートオフされる。
【0152】
図5Bを参照すると、関連するアクセス端末520A〜520Cに送信しているフェムトノード510Aは、そのようなゲートフレームを(すなわち、FLトラフィックが送信されないゲートオフ期間中に)送信する。関連しないアクセス端末520Dにおいて、フェムトノード510Bからの送信に関して、搬送波対干渉波比C/Iは、フェムトノード510Aがゲートオフされる期間中に劇的に改善され、アクセス端末520Dにおける高度にネガティブな形状にもかかわらず、アクセス端末520Dにおけるフェムトノード510Bからのパイロットおよび同期チャネルの捕捉が可能になる。
【0153】
1つの例示的な実施形態では、これらのゲートオンオフ期間は重複しないようにスケジュールされる。したがって、フェムトノード510Aおよびフェムトノード510Bは、重複しないサブフレーム(または電力制御グループ)を使用することができる。1つの例示的な実施形態では、たとえば、サブフレームの1/2、2/3または3/4の部分をゲートオフする(すなわち、FLトラフィックを送信しない)ことによって、2、3または4の時分割再利用パターンが生成されることができる。パイロット捕捉ならびにオーバーヘッドチャネルの復号用にパイロットおよびオーバーヘッドチャネルが十分な冗長性を有する場合、これは、たとえば、パイロットおよびオーバーヘッドチャネルのリンクバジェット(budget)に3〜6dBの影響を及ぼすだろう。しかしながら、フェムトノード510展開では、構成は送信電力によって制限されないので、これは、フェムトノード510の送信電力を上げることによって容易に補償されることができる。
【0154】
パイロットおよびオーバーヘッドチャネルに加えて、同じゲート方法がボイスまたはデータチャネル送信にも適用されることができる。1つの例示的な実施形態では、フェムトノード510は、各フレーム送信の部分をゲートオフする。たとえば、cdma2000順方向リンクボイスパケット送信では、オフにされる部分(たとえば、1/2)が、その送信に使用されるチャネルコーディングレートよりも小さい場合、特定の標準的なフォーマット(RC3)は、レート1/4の畳み込み符号を使用し、アクセス端末520は、パケット送信の半分がゲートオフされてもパケットを復号することが可能であるだろう。これらの形状を知り、これらの重複しないゲートオフ時間をスケジュールする必要を避けるために、以下の方法が、サブフレーム時間再利用を使用してジャミングを防止し、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するために開示される。
【0155】
最初に図12を参照すると、図12には、サブフレーム時間再利用を使用したワイヤレス通信システムにおける干渉管理のための例示的な一実施形態が記載されている。ブロック1202で表されるように、ゲートシーケンス(またはパターン)は、たとえば、5/16の再利用を得るために16個の電力制御グループ(PCG)のうちのいずれか11個、または、2の再利用を得るために16個のPCGのうちの8個をゲートオフするために、それぞれ識別される。
【0156】
ゲートシーケンスは、潜在的に干渉するフェムトノード510からのゲートシーケンスのペア間の相互相関を最小限に抑えるような方法で選択されることができる。ブロック1204で表されるように、各フェムトノード510は、ゲートシーケンスのうちの1つを選択する。フェムトノード510は、隣接フェムトノードと重ならないゲートシーケンスを選択するように試みることができるが、全般的な選択は重複しない構成を必ずしも生じるわけではない。しかしながら、例示的な実施形態は、重複しないゲートシーケンスが識別され、選択されることができる機構を提供する。
【0157】
ブロック1206で表されるように、アクセス端末520はフェムトノード510とのアクティブな接続を確立する。接続の確立に応答して、アクセス端末520は、フェムトノード510lが所望の重複しないゲートシーケンスを選択することを可能にする、「高速な」サブフレームごとのダウンリンク(順方向リンク)電力制御フィードバックを提供する。
【0158】
特に、ブロック1208で表されるように、フェムトノード510Bは、たとえば、すべての電力制御グループ(PCG)をゲートオンにしてデータ/ボイスチャネル上で一連のフレームをアクセス端末520Dに送信する。ブロック1210で表されるように、潜在的に干渉する隣接フェムトノード530Aはサブフレームゲート技法を使用してすでにアクセス端末520A〜Cとの通信に関与しているので、アクセス端末520Dは、干渉隣接フェムトノード510Aによるゲート送信に応答してサブフレームのサブセット上の干渉を観測するだろう。さらに、サブフレームの別のサブセット中で隣接フェムトノード510Aがゲートオフされるとき隣接フェムトノード520Aからの干渉が観測されない場合、アクセス端末520Dは、サブフレームのそのサブセットも観測するだろう。
【0159】
フェムトノード510Aがゲートオンされているサブフレーム中に、アクセス端末520Dは、たとえば、低いEb/Noを観測するだろう。ブロック1212で表されるように、アクセス端末520Dからのダウンリンク(順方向リンク)電力制御フィードバックは、フェムトノード510Bが特定のサブフレームに対して送信電力を上げるべきことを指示するだろう。同様に、フェムトノード510Aがゲートオフされているサブフレーム中に、アクセス端末520Dは高いEb/Noを観測し、アクセス端末520Dからのダウンリンク(順方向リンク)電力制御フィードバックは、フェムトノード510Bが特定のサブフレームに対して送信電力を下げるべきことを指示するだろう。
【0160】
ブロック1214で表されるように、アクセス端末520Dによってフェムトノード510Bに提供されるサブフレームダウンリンク(順方向リンク)電力制御フィードバックは、干渉隣接フェムトノード510Aによって送信されるサブフレームのどれがゲートオンされ、どのサブフレームがゲートオンされるかを示す。したがって、そのような指度により、フェムトノード510Bは、干渉隣接フェムトノード510Aによって選択され、使用されているゲートシーケンス(パターン)と重ならない(相補的である)ゲートシーケンス(パターン)を選択することが可能になる。例示的な実施形態は、干渉する隣接フェムトノード510Aによって選択されるゲートシーケンス(パターン)への適用を見出す。
【0161】
実装技術に応じて、他の考察事項は、さらに、このサブフレームゲート技法に最適なゲートシーケンス(パターン)のタイプを決定することができる。さらに、レガシーアクセス端末は、ダウンリンク(順方向リンク)上で行われているゲーティングに気づかないので、短縮「オン」期間の間に短縮「オフ」期間を点在させるゲートシーケンス(パターン)を選択することを含めるために他の考察事項は適用されることができる。そのような考慮事項は、レガシーアクセス端末によって使用されるダウンリンク(順方向リンク)チャネル推定およびチャネル品質フィードバック推定の方法への影響を低減することができる。したがって、たとえば、16個のサブフレームのうち8つがゲートオフされる場合、交互にゲートオフされゲートオンされるべきサブフレームを選択することに対する有利な理由があることができる。
【0162】
別の例示的な実施形態では、ゲートシーケンスの選択は、隣接フェムトノード510が同期されない展開のために異なる考慮事項を適用することができる。そのような考察事項は、たとえば、WCDMAフェムトノード510が同期されないときに存在することできる。非同期フェムトノード510の1つの例示的な実施形態では、交互オンオフゲートサブフレームの代わりに、ゲートオフサブフレームのすべてまたは多数を連続させ、ならびにゲートオンサブフレームのすべてまたは多数を連続させることが有益であることがある。たとえば、10msにわたって15個のサブフレームをもつ、または20msにわたって30個のサブフレームをもつWCDMAシステムの場合、有利な方法は、各フェムトノード510が15個のサブフレームのうち9つの連続するサブフレームをゲートオフし、6つの連続するサブフレームをゲートオンすることであることがある。代替的に、20msのフレームを使用して、フェムトノード510は、30個のサブフレームのうち16個の連続するサブフレームをゲートオフし、14個の連続するサブフレームをゲートオンすることができる。
【0163】
代替の例示的な実施形態では、この状況に対処し、ダウンリンクC/Iを改善するための他の方法は、関連するアクセス端末がないときには、パイロットおよびオーバーヘッドチャネル送信をゲートオフし、関連するアクセス端末520がフェムトノード510についてスキャンしていることが予想されるときにのみ、パイロットおよびオーバーヘッドチャネルを周期的におよび/または極めて低電力でオンにするように構成されたフェムトノード510を含む。
【0164】
次に図13〜14を参照し、さらに図5A〜図5Bを参照しながら、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するためのハイブリッド時間再利用の使用に関係する動作が、より詳細に説明されるだろう。例示的な本実施形態は、ハイブリッド時間再利用技法を使用してジャミングを防止し、ジャミングおよびネガティブジオメトリーに対処するための方法および装置を使用する。
【0165】
例示的な一実施形態では、エアインターフェースが(1xEV−DOなどの)時分割多重を許可する場合、送信は、ネガティブジオメトリーをもつ時間期間をなくすような方法でスケジュールされることができる。したがって、フェムトノード510Bは、フェムトノード510Aが送信していない期間中に、関連するアクセス端末520Dと通信することができる。同様に、関連するアクセス端末520Cは、フェムトノード510Bによってアクセス端末520Dが送信しないようにスケジュールされた期間中に、フェムトノード510Aと通信することができる。
【0166】
ハイブリッド時間再利用方法の例示的な一実施形態では、ダウンリンクDL送信は、以下の3つの時間的に別々のグループに分割される。即ち、
1.同期制御チャネル(SCC)送信期間
2.制限付きHARQインターレースTx期間
3.無制限HARQインターレースTx期間。
【0167】
図13は、256個のタイムスロットの各同期制御チャネル(SCC)サイクル期間中に3つの異なる時間期間を含む例示的なダウンリンクDLタイムラインを示す。「無制限HARQインターレース」中のリソースのタイムシェアリングに基づく1つの例示的な実施形態では、定義された3つの異なるフェムトチャネルがある。後でより詳細に説明するように、隣接するフェムトノード510は、他の隣接フェムトノード510から干渉を受けないように異なるフェムトチャネルを選ぶ(すなわち、各フェムトノードは、隣接フェムトノード510とは異なる一次(primary)フェムトチャネルを選択する)ことが望ましい。隣接フェムトノードからの干渉がない場合、(一次フェムトチャネルに加えて)複数のフェムトチャネルが1つのフェムトノード510によって使用されることができる。ハイブリッド時間再利用動作の1つの例示的な実施形態の詳細が、以下に説明される。
【0168】
最初に図14を参照すると、図14には、例示的な一実施形態によるハイブリッド時間再利用を使用したワイヤレス通信システムにおける干渉管理のための方法を記載している。ブロック1402で表されるように、フェムトノード510の初期電源投入または他の同期において、フェムトノード510はマクロセルネットワーク(たとえば、マクロセルアクセスノード560)との時間同期を実行する。ブロック1404で表されるように、マクロセルアクセスノード560との時間同期中に、フェムトノード510は、マクロセルアクセスノード560と隣接フェムトノード510とによって使用される二次同期チャネル(SCC)オフセット(MSCCO)を測定する。この測定に基づいて、ブロック1406で表されるように、フェムトノード510は最小の干渉をもつ好ましいHARQインターレースを識別する。識別された好ましいHARQインターレースから、好ましいスロットオフセット(PSO)が定義される。
【0169】
ブロック1408で表されるように、一次フェムトチャネルが選択される。例として、1つの例示的な選択プロセスは以下のアルゴリズムに従うことができる。即ち、
mod(PSO−MSCCO,4)=1の場合、一次フェムトチャネルとしてフェムトチャネル1が選ばれる
mod(PSO−MSCCO,4)=2の場合、一次フェムトチャネルとしてフェムトチャネル2が選ばれる
mod(PSO−MSCCO,4)=3の場合、一次フェムトチャネルとしてフェムトチャネル3が選ばれる
ただし、チャネル1、チャネル2、およびチャネル3は図13に記載されたものである。
【0170】
フェムトチャネルが決定されると、フェムトノード510は、トラフィックをダウンリンク(順方向リンク)中で送信することができる。フェムトノード510による送信は、マクロセル送信および他のフェムトノード送信との干渉を低減するようにタイミングを調整される。様々なマクロセル送信期間、SCC送信期間、制限付きHARQインターレース送信期間、および無制限HARQインターレース送信期間でのフェムトノード送信プロトコルが、以下に説明される。
【0171】
ブロック1410で表されるように、図13を参照すると、SCC送信期間1302は、SCCオフセット(たとえば、あらゆるSCCサイクルの最初の32スロット)を送信することができるように、各SCCサイクル1304(たとえば、256スロット)の開始時に定義される。1つの例示的な実施形態では、2つのサブ期間1306、1308は、好ましいスロットオフセット、および好適でないスロットオフセットのHARQインターレースに基づいて定義される。
【0172】
好ましいスロットオフセット(PSO)をもつHARQインターレース上で、フェムトノード510はSCC情報を送信する。これは、制御チャネル情報の確実な送信を許し、関連するアクセス端末520をフェムトノード510からハンドインおよびハンドアウトできるようにする。好ましくないスロットオフセット上のHARQインターレース中に、隣接マクロセルおよび隣接フェムトノードSCC送信に対する干渉が最小となるように、フェムトノード510は、どのようなダウンリンク(順方向リンク)トラフィック(DTX FL送信)も送信しない。これらのスロットオフセット上では、パイロット(Pilot)チャネルおよびMACチャネルが正常に動作することができるように、これらのチャネルにはダウンリンクDL電力の一部が使用される。
【0173】
ブロック1412で表されるように、図13を参照すると、制限付きHARQインターレース送信期間中に、フェムトノード510は、PSOのHARQインターレース上でダウンリンク(順方向リンク)トラフィックを送信することが許可され、遅延に敏感なトラフィックは、ベストエフォートトラフィックに勝る絶対優先権が与えられる。図13を参照すると、制限付きHARQインターレース送信期間は、遅延に敏感なトラフィック(VoIPなど)があまりに過大な遅延を受けないように、各フェムトノードに送信機会を与える。一例では、制限付きHARQインターレース送信期間中に、要求されたDRCがヌルである場合、38.4kbpsのシングルユーザパケットタイプが使用されることができる。DRCがヌルであるかまたは消去された場合、シングルユーザパケット(SUP)38.4kbpsや、256/512/1024ビットのマルチユーザパケット(MUP)などの、互換性のあるパケットタイプが利用されることができる(DRC消去マッピングと同様)。
【0174】
1つの例示的な実施形態では、ダウンリンク(順方向リンク)トラフィックは、MSCCOのHARQインターレース上でも送信されることができる。一実施形態では、隣接フェムトノード510は、同様に、このインターレースを使用することができる(すなわち、干渉に対して保護しない)。他のスロットオフセットのHARQインターレース中に、フェムトノードは、いかなるダウンリンク(順方向リンク)トラフィック(時間再使用)も送信しないが、パイロットおよびMACチャネルの正常な動作のためにダウンリンク(順方向リンク)電力の一部がこれらのチャネルに割り振られることができる。
【0175】
ブロック1414で表されるように、図13を参照すると、無制限HARQインターレース送信期間中に、フェムトノード510は、4つのHARQインターレースのすべての上でダウンリンク(順方向リンク)トラフィックを送信することが許可される。その期間の開始時に、ダウンリンク(順方向リンク)送信電力は、アクセス端末レート予測器をランプアップさせるために、ゆっくりランプアップされることができる。1つの例示的な実施形態では、DRC値のランプアップをさらに高めるために、1スロットのDRC長が使用されなければならない。予測器の慎重な動きにより、無制限HARQインターレース送信期間の開始時にモバイルによってヌルDRCが要求された場合、フェムトノード510は、互換性のあるパケットタイプ(マルチ使用パケット、または38.4kbpsシングルユーザパケット)を送信することができる。また、フェムトノードダウンリンク(順方向リンク)スケジューラは、どのデータ転送レートならばアクセス端末520によって復号されることができるかについて決定するために、以前に要求されたDRC値を追跡し、最終送信期間およびHARQ早期終了統計からのDRC値を保持することができる。
【0176】
本明細書の教示は、少なくとも1つの他のノードと通信するための様々なコンポーネントを使用するノード(たとえば、デバイス)に組み込まれることができる。図15は、ノード間の通信を可能にするために採用できるいくつかの例示的なコンポーネントを示す。具体的に言うと、図15は、MIMOシステム1500のワイヤレスデバイス1510(たとえば、アクセスポイント)とワイヤレスデバイス1550(たとえば、アクセス端末)とを示す。デバイス1510では、いくつかのデータストリームのトラフィックデータが、データソース1512から送信(「TX」)データプロセッサ1514に与えられる。
【0177】
いくつかの態様では、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ1514は、符号化データを供給するために、そのデータストリーム用に選択された特定の符号化方式に基づいて、データストリームごとにトラフィックデータをフォーマットし、符号化し、インタリーブする。
【0178】
各データストリームの符号化データは、OFDM技法を使用してパイロットデータと多重化されることができる。パイロットデータは、一般に、知られている方法で処理される、知られているデータパターンであり、チャネル応答を推定するために受信機システムで使用されることができる。次いで、各データストリームの多重化されたパイロットデータと符号化データは、変調シンボルを与えるために、そのデータストリーム用に選択された特定の変調方式(たとえば、BPSK、QSPK、M−PSK、またはM−QAM)に基づいて変調(すなわち、シンボルマッピング)される。各データストリームのデータ転送速度、符号化、および変調は、プロセッサ1530によって実行される命令によって決定されることができる。データメモリ1532は、プログラムコード、データ、および、デバイス1510のプロセッサ1530または他のコンポーネントによって使用される他の情報、を記憶することができる。
【0179】
次いで、すべてのデータストリームの変調シンボルは、(たとえば、OFDMの場合に)その変調シンボルをさらに処理するTX MIMOプロセッサ1520に供給される。次いで、TX MIMOプロセッサ1520は、NT個の変調シンボルストリームをNT個のトランシーバ(「XCVR」)1522A〜1522Aに供給する。いくつかの態様では、TX MIMOプロセッサ1520は、データストリームのシンボルと、シンボルが送信されているアンテナと、にビーム形成重みを付加する。
【0180】
各トランシーバ1522は、1つまたは複数のアナログ信号を生成するために、それぞれのシンボルストリームを受信して処理し、さらに、MIMOチャネルを介して送信するのに適した変調信号を与えるために、それらのアナログ信号を調整(たとえば、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)する。そして、トランシーバ1522A〜1522TからのNT個の変調信号は、それぞれ、NT個のアンテナ1524A〜1524Tから送信される。
【0181】
デバイス1550では、送信された変調信号はNR個のアンテナ1552A〜1552Rによって受信され、各アンテナ1552からの受信信号は、それぞれのトランシーバ(「XCVR」)1554A〜1554Rに供給される。各トランシーバ1554は、それぞれの受信信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、およびダウンコンバート)し、サンプルを供給するためにその調整された信号をデジタル化し、さらに、対応する「受信」シンボルストリームを供給するためにそれらのサンプルを処理する。
【0182】
次いで、受信(「RX」)データプロセッサ1560は、NT個の「検出」シンボルストリームを供給するために、特定の受信機処理技法に基づいてNR個のトランシーバ1554からNR個の受信シンボルストリームを受信して処理する。次いで、RXデータプロセッサ1560は、データストリームに対するトラフィックデータを回復するために、各検出シンボルストリームを復調し、デインターリーブして、復号する。RXデータプロセッサ1560による処理は、デバイス1510におけるTX MIMOプロセッサ1520およびTXデータプロセッサ1514によって実行される処理を補足するものである。
【0183】
プロセッサ1570は、どのプリコーディング行列(以下で論じる)を使用すべきかを定期的に判断する。プロセッサ1570は、行列インデックス部とランク値部とを備える逆方向リンクメッセージを作成する。データメモリ1572は、プログラムコード、データ、および、デバイス1550のプロセッサ1570または他のコンポーネントによって使用される他の情報、を記憶することができる。
【0184】
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信データストリームに関する様々な種類の情報を備えることができる。次いで、逆方向リンクメッセージは、データソース1536からいくつかのデータストリームのトラフィックデータをも受信するTXデータプロセッサ1538によって処理され、変調器1580によって変調され、トランシーバ1554A〜1554Rによって調整され、デバイス1510に戻される。
【0185】
デバイス1510において、デバイス1550からの変調信号は、デバイス1550によって送信された逆方向リンクメッセージを抽出するために、アンテナ1524によって受信され、トランシーバ1522によって調整され、復調器(「DEMOD」)1540によって復調され、RXデータプロセッサ1542によって処理される。そして、プロセッサ1530は、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用すべきかを判断し、次いで、抽出されたメッセージを処理する。
【0186】
図15はまた、通信コンポーネントが、本明細書で教示する干渉制御動作を実行する1つまたは複数のコンポーネントを含むことができることを示す。たとえば、干渉(「INTER.」)制御コンポーネント1590は、本明細書で教示する別のデバイス(たとえば、デバイス1550)との間で信号を送信/受信するために、デバイス1510のプロセッサ1530および/または他のコンポーネントと協働することができる。同様に、干渉制御コンポーネント1592は、別のデバイス(たとえば、デバイス1510)との間で信号を送信/受信するために、デバイス1550のプロセッサ1570および/または他のコンポーネントと協働することができる。各デバイス1510および1550について、記載のコンポーネントの2つ以上の機能が単一のコンポーネントによって提供されることができることを諒解されたい。たとえば、単一の処理コンポーネントが干渉制御コンポーネント1590およびプロセッサ1530の機能を提供し、また、単一の処理コンポーネントが干渉制御コンポーネント1592およびプロセッサ1570の機能を提供することができる。
【0187】
本明細書の教示は、様々なタイプの通信システムおよび/またはシステムコンポーネントに組み込まれることができる。いくつかの態様では、本明細書の教示は、利用可能なシステムリソースを共有することによって(たとえば、帯域幅、送信電力、符号化、インタリーブなどのうちの1つまたは複数を指定することによって)、複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続システムで使用されることができる。たとえば、本明細書の教示は、以下の技術、即ち、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)(「CDMA」)システム、多重キャリアCDMA(Multiple-Carrier CDMA)(「MCCDMA」)、Wideband CDMA(「W−CDMA」)、高速パケットアクセス(High-Speed Packet Access)(「HSPA」、「HSPA+」)システム、時分割多元接続(Time Division Multiple Access)(「TDMA」)システム、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access)(「FDMA」)システム、単一搬送波FDMA(Single-Carrier FDMA)(「SC−FDMA」)システム、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)(「OFDMA」)システム、または他の多元接続技法、のいずれか1つまたは組合せに適用されることができる。本明細書の教示を使用するワイヤレス通信システムは、IS−95、cdma2000、IS−856、W−CDMA、TDSCDMA、および他の規格など、1つまたは複数の規格を実装するように設計されることができる。CDMAネットワークは、Universal Terrestrial Radio Access(「UTRA」)、cdma2000、または何らかの他の技術などの無線技術を実装することができる。UTRAは、W−CDMAおよび低チップレート(Low Chip Rate)(「LCR」)を含む。cdma2000技術は、IS−2000、IS−95、およびIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(「GSM(登録商標)」)などの無線技術を実装することができる。OFDMAネットワークは、Evolved UTRA(「E−UTRA」)、IEEE802.11、IEEE802.16、IEEE802.20、Flash−OFDM(登録商標)などの無線技術を実装することができる。UTRA、E−UTRA、およびGSMは、Universal Mobile Telecommunication System(「UMTS」)の一部である。本明細書の教示は、3GPP Long Term Evolution(「LTE」)システム、Ultra−Mobile Broadband(「UMB」)システム、および他のタイプのシステムに実装されることができる。LTEは、E−UTRAを使用するUMTSのリリースである。本開示のいくつかの態様については、3GPP用語を使用して説明されるが、本明細書の教示は、3GPP(Rel99、Rel5、Rel6、Rel7)技術、ならびに3GPP2(1xRTT、1xEV−DO Rel0、RevA、RevB)技術および他の技術に適用されることができることを理解されたい。
【0188】
本明細書の教示は、様々な装置(たとえば、ノード)に組み込まれる(たとえば、装置内に実装される、または装置によって実行される)ことができる。いくつかの態様では、本明細書の教示に従って実装されるノード(たとえば、ワイヤレスノード)は、アクセスポイントまたはアクセス端末を備えることができる。
【0189】
たとえば、アクセス端末は、ユーザ機器、加入者局、加入者ユニット、移動局、モバイル、モバイルノード、リモート局、リモート端末、ユーザ端末、ユーザエージェント、ユーザデバイス、または何らかの他の用語を備える、いずれかとして実装される、またはいずれかとして知られることがある。いくつかの実装形態では、アクセス端末は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(「SIP」)電話、ワイヤレスローカルループ(「WLL」)局、携帯情報端末(「PDA」)、ワイヤレス接続能力を有するハンドヘルドデバイス、またはワイヤレスモデムに接続された何らかの他の好適な処理デバイスを備えることができる。したがって、本明細書で教示する1つまたは複数の態様は、電話(たとえば、セルラー電話またはスマートフォン)、コンピュータ(たとえば、ラップトップ)、携帯型通信デバイス、携帯型コンピューティングデバイス(たとえば、個人情報端末)、娯楽デバイス(たとえば、音楽デバイスまたはビデオデバイス、あるいは衛星ラジオ)、全地球測位システムデバイス、あるいはワイヤレス媒体を介して通信するように構成された他の好適デバイスに組み込まれることができる。
【0190】
アクセスポイントは、ノードB、eNodeB、無線ネットワークコントローラ(「RNC」)、基地局(「BS」)、無線基地局(「RBS」)、基地局コントローラ(「BSC」)、送受信基地局(「BTS」)、トランシーバ機能(「TF」)、無線トランシーバ、無線ルータ、基本サービスセット(「BSS」)、拡張サービスセット(「ESS」)、または何らかの他の同様の用語を備える、いずれかとして実装される、またはいずれかとして知られることがある。
【0191】
いくつかの態様では、ノード(たとえば、アクセスポイント)は、通信システムのためのアクセスノードを備えることができる。そのようなアクセスノードは、たとえば、ネットワークへの有線またはワイヤレス通信リンクを介した、ネットワーク(たとえば、インターネットまたはセルラーネットワークなどワイドエリアネットワーク)のための、またはネットワークへの接続性を与えることができる。したがって、アクセスノードは、別のノード(たとえば、アクセス端末)がネットワークまたは何らかの他の機能にアクセスできるようにすることができる。さらに、一方または両方のノードはポータブルでも、場合によっては比較的非ポータブルでもよいことを諒解されたい。
【0192】
また、ワイヤレスノードは、有線の方式で(たとえば、有線接続を介して)情報を送信および/または受信することができることを諒解されたい。したがって、本明細書で論じられる受信機および送信機は、非ワイヤレス媒体を介して通信するために適切な通信インターフェースコンポーネント(たとえば、電子的または光学的インターフェースコンポーネント)を含むことができる。
【0193】
ワイヤレスノードは、好適なワイヤレス通信技術に基づくあるいはサポートする1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを介して通信することができる。たとえば、いくつかの態様では、ワイヤレスノードは、ネットワークに関連付けることができる。いくつかの態様では、ネットワークは、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワークを備えることができる。ワイヤレスデバイスは、本明細書で論じる様々なワイヤレス通信技術、プロトコル、または規格(たとえば、CDMA、TDMA、OFDM、OFDMA、WiMAX、Wi−Fiなど)のうちの1つまたは複数をサポートまたは使用することができる。同様に、ワイヤレスノードは、様々な対応する変調方式または多重化方式のうちの1つまたは複数をサポートまたは使用することができる。したがって、ワイヤレスノードは、上記または他のワイヤレス通信技術を使用して1つまたは複数のワイヤレス通信リンクを確立し、それを介して通信するために適切なコンポーネント(たとえば、エアインターフェース)を含むことができる。たとえば、ワイヤレスノードは、ワイヤレス媒体上の通信を可能にする様々なコンポーネント(たとえば、信号発生器および信号処理器)を含むことができる関連する送信機コンポーネントおよび受信機コンポーネントをもつワイヤレストランシーバを備えることができる。
【0194】
本明細書で説明されるコンポーネントは、様々な方法で実装されることができる。図16〜図21を参照すると、装置1600、1700、1800、1900、2000、および2100は一連の相互に関連する機能ブロックとして表される。いくつかの態様では、これらのブロックの機能は、1つまたは複数のプロセッサコンポーネントを含む処理システムとして実装されることができる。いくつかの態様では、これらのブロックの機能は、たとえば、1つまたは複数の集積回路(たとえば、ASIC)の少なくとも一部を使用して実装されることができる。本明細書で論じるように、集積回路は、プロセッサ、ソフトウェア、他の関連したコンポーネント、またはその何らかの組合せを含むことができる。これらのブロックの機能は、本明細書で教示される方法とは別の何らかの方法で実装されることもできる。
【0195】
装置1600、1700、1800、1900、2000、および2100は、様々な図に関して上述した機能の1つまたは複数を実行することができる1つまたは複数のモジュールを含むことができる。いくつかの態様では、干渉コントローラ320または干渉コントローラ322のうちの1つまたは複数のコンポーネントは、たとえば、干渉受信/方向手段1602、干渉比較/判断/更新手段1606、オーバーヘッドチャネル電力手段1702、送信波形手段1802、チャネル品質手段1806、干渉判断手段1902、経路損失手段1906、ゲートシーケンス手段2002、再利用パターン手段2102、および同期/オフセット/タイミング手段2106に関係する機能を提供することができる。いくつかの態様では、通信コントローラ326または通信コントローラ328は、たとえば、送受信(送信/受信)手段1604、1704、1804、1904、2004、および2104に関係する機能を提供することができる。
【0196】
本明細書における「第1」、「第2」などの名称を使用した要素への言及は、それらの要素の数量または順序を概括的に限定するものでないことを理解されたい。むしろ、これらの名称は、本明細書において2つ以上の要素またはある要素の複数の例を区別する便利な方法として使用されることができる。したがって、第1および第2の要素への言及は、そこで2つの要素のみが使用されることができること、または第1の要素が何らかの方法で第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。また、別段の規定がない限り、1組の要素は1つまたは複数の要素を備えることができる。
【0197】
情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表されることができることを、当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって言及されるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表されることができる。
【0198】
さらに、本明細書で開示された態様に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、およびアルゴリズムステップのいずれかは、電子ハードウェア(たとえば、ソース符号化または何らかの他の技法を使用して設計されることができる、デジタル実装形態、アナログ実装形態、またはそれら2つの組合せ)、命令を組み込んだ様々な形態のプログラムまたは設計コード(便宜上、本明細書では「ソフトウェア」または「ソフトウェアモジュール」と呼ばれることがある)、あるいは両方の組合せとして実装されることができることを当業者は諒解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、上記では概してそれらの機能に関して説明された。そのような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じると解釈すべきではない。
【0199】
本明細書で開示された態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末、またはアクセスポイント内に実装されることができるか、またはそれらによって実行されることができる。ICは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタロジック、個別ハードウェアコンポーネント、電子的コンポーネント、光学的コンポーネント、機械的コンポーネント、または本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを備えることができ、ICの内部に、ICの外側に、またはその両方に常駐するコードまたは命令を実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、また、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成としても実装されることができる。
【0200】
開示されたプロセス中のステップの特定の順序または階層は例示的な手法の一例であることを理解されたい。設計の選好に基づいて、プロセス中のステップの特定の順序または階層は、本開示の範囲内のまま再構成されることができることを理解されたい。添付の方法クレームは、様々なステップの要素を例示的な順序で提示するものであり、提示された特定の順序または階層に限定されるものではない。
【0201】
説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せで実装されることができる。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信されることができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる任意の利用可能な媒体でよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置を備えることができ、あるいは所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形態で担持または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる、任意の他の媒体を備えることができる。さらに、いかなる接続も正しくはコンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記のものの組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。要約すると、コンピュータ可読媒体は任意の好適なコンピュータプログラム製品に実装できることを諒解されたい。
【0202】
開示した態様の前述の説明は、当業者が本開示を実施または使用できるようにするために与えたものである。これらの態様への様々な変更は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の態様に適用できる。したがって、本開示は、本明細書で示した態様に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信の方法であって、
無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、前記無計画アクセスポイントのために前記関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを決定することと、
前記無計画アクセスポイントから前記関連するアクセス端末へ、前記オーバーヘッドチャネルを前記最適化低減電力レベルで送信することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記オーバーヘッドチャネルに関連付けられたトラフィックチャネルの電力レベルへの調整を指示する順方向リンク電力制御信号を受信することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
適切な誤り率が決定されるまで、前記トラフィックチャネルの前記電力レベルを調整することをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オーバーヘッドチャネルの前記電力レベルに関する前記トラフィックチャネルの前記電力レベルの、トラフィック対オーバーヘッドチャネル比を決定することをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記オーバーヘッドチャネルの前記最適化低減電力レベルは、
【数1】
として決定される、ただしEct=f(Ecp)である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記オーバーヘッドチャネルは、パイロットチャネル、同期チャネル、及びブロードキャスト/ページングチャネル、のうちの一つである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
それぞれ複数の関連するアクセス端末との前記無計画アクセスポイントからの前記複数の呼のそれぞれの各オーバーヘッドチャネルのための最適化低減電力レベルを決定することを繰り返すことと、
前記複数の呼から全最適化低減電力レベルを決定することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
通信のための装置であって、
無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、前記無計画アクセスポイントのために前記関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを決定するように構成された干渉コントローラと、
前記無計画アクセスポイントから前記関連するアクセス端末へ、前記オーバーヘッドチャネルを前記最適化低減電力レベルで送信するように構成された通信コントローラと、
を備える装置。
【請求項9】
前記通信コントローラは、前記オーバーヘッドチャネルに関連付けられたトラフィックチャネルの電力レベルへの調整を指示する順方向リンク電力制御信号を受信するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記通信コントローラは、適切な誤り率が決定されるまで、前記トラフィックチャネルの前記電力レベルを調整するようにさらに構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記通信コントローラは、前記オーバーヘッドチャネルの前記電力レベルに関する前記トラフィックチャネルの前記電力レベルの、トラフィック対オーバーヘッドチャネル比を決定するようにさらに構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記オーバーヘッドチャネルの前記最適化低減電力レベルは、
【数2】
として決定される、ただしEct=f(Ecp)である、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記オーバーヘッドチャネルは、パイロットチャネル、同期チャネル、及びブロードキャスト/ページングチャネル、のうちの一つである、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記干渉コントローラは、それぞれ複数の関連するアクセス端末との前記無計画アクセスポイントからの前記複数の呼のそれぞれの各オーバーヘッドチャネルのための最適化低減電力レベルを決定することを繰り返し、前記複数の呼から全最適化低減電力レベルを決定するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
通信のための装置であって、
無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、前記無計画アクセスポイントのために前記関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを決定するための手段と、
前記無計画アクセスポイントから前記関連するアクセス端末へ、前記オーバーヘッドチャネルを前記最適化低減電力レベルで送信するための手段と、
を備える装置。
【請求項16】
前記オーバーヘッドチャネルに関連付けられたトラフィックチャネルの電力レベルへの調整を指示する順方向リンク電力制御信号を受信するための手段をさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
適切な誤り率が決定されるまで、前記トラフィックチャネルの前記電力レベルを調整するための手段をさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記オーバーヘッドチャネルの前記電力レベルに関する前記トラフィックチャネルの前記電力レベルの、トラフィック対オーバーヘッドチャネル比を決定するための手段をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記オーバーヘッドチャネルの前記最適化低減電力レベルは、
【数3】
として決定される、ただしEct=f(Ecp)である、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記オーバーヘッドチャネルは、パイロットチャネル、同期チャネル、及びブロードキャスト/ページングチャネル、のうちの一つである、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
それぞれ複数の関連するアクセス端末との前記無計画アクセスポイントからの前記複数の呼のそれぞれの各オーバーヘッドチャネルのための最適化低減電力レベルを決定することを繰り返すための手段と、
前記複数の呼から全最適化低減電力レベルを決定するための手段と、
をさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項22】
コンピュータプログラム製品であって、
無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、前記無計画アクセスポイントのために前記関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを決定することと、
前記無計画アクセスポイントから前記関連するアクセス端末へ、前記オーバーヘッドチャネルを前記最適化低減電力レベルで送信することと、
をコンピュータに行わせるためのコードを備えるコンピュータ可読媒体、
を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
前記コンピュータに、前記オーバーヘッドチャネルに関連付けられたトラフィックチャネルの電力レベルへの調整を指示する順方向リンク電力制御信号を受信することを行わせるためのコードをさらに備える、請求項22に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
前記コンピュータに、適切な誤り率が決定されるまで、前記トラフィックチャネルの前記電力レベルを調整することを行わせるためのコードをさらに備える、請求項23に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項25】
前記コンピュータに、前記オーバーヘッドチャネルの前記電力レベルに関する前記トラフィックチャネルの前記電力レベルの、トラフィック対オーバーヘッドチャネル比を決定することを行わせるためのコードをさらに備える、請求項24に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項26】
前記オーバーヘッドチャネルの前記最適化低減電力レベルは、
【数4】
として決定される、ただしEct=f(Ecp)である、請求項22に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項27】
前記オーバーヘッドチャネルは、パイロットチャネル、同期チャネル、及びブロードキャスト/ページングチャネル、のうちの一つである、請求項22に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
前記コンピュータに、
それぞれ複数の関連するアクセス端末との前記無計画アクセスポイントからの前記複数の呼のそれぞれの各オーバーヘッドチャネルのための最適化低減電力レベルを決定することを繰り返すことと、
前記複数の呼から全最適化低減電力レベルを決定することと、
を行わせるためのコードをさらに備える、請求項22に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項1】
通信の方法であって、
無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、前記無計画アクセスポイントのために前記関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを決定することと、
前記無計画アクセスポイントから前記関連するアクセス端末へ、前記オーバーヘッドチャネルを前記最適化低減電力レベルで送信することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記オーバーヘッドチャネルに関連付けられたトラフィックチャネルの電力レベルへの調整を指示する順方向リンク電力制御信号を受信することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
適切な誤り率が決定されるまで、前記トラフィックチャネルの前記電力レベルを調整することをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オーバーヘッドチャネルの前記電力レベルに関する前記トラフィックチャネルの前記電力レベルの、トラフィック対オーバーヘッドチャネル比を決定することをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記オーバーヘッドチャネルの前記最適化低減電力レベルは、
【数1】
として決定される、ただしEct=f(Ecp)である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記オーバーヘッドチャネルは、パイロットチャネル、同期チャネル、及びブロードキャスト/ページングチャネル、のうちの一つである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
それぞれ複数の関連するアクセス端末との前記無計画アクセスポイントからの前記複数の呼のそれぞれの各オーバーヘッドチャネルのための最適化低減電力レベルを決定することを繰り返すことと、
前記複数の呼から全最適化低減電力レベルを決定することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
通信のための装置であって、
無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、前記無計画アクセスポイントのために前記関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを決定するように構成された干渉コントローラと、
前記無計画アクセスポイントから前記関連するアクセス端末へ、前記オーバーヘッドチャネルを前記最適化低減電力レベルで送信するように構成された通信コントローラと、
を備える装置。
【請求項9】
前記通信コントローラは、前記オーバーヘッドチャネルに関連付けられたトラフィックチャネルの電力レベルへの調整を指示する順方向リンク電力制御信号を受信するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記通信コントローラは、適切な誤り率が決定されるまで、前記トラフィックチャネルの前記電力レベルを調整するようにさらに構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記通信コントローラは、前記オーバーヘッドチャネルの前記電力レベルに関する前記トラフィックチャネルの前記電力レベルの、トラフィック対オーバーヘッドチャネル比を決定するようにさらに構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記オーバーヘッドチャネルの前記最適化低減電力レベルは、
【数2】
として決定される、ただしEct=f(Ecp)である、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記オーバーヘッドチャネルは、パイロットチャネル、同期チャネル、及びブロードキャスト/ページングチャネル、のうちの一つである、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記干渉コントローラは、それぞれ複数の関連するアクセス端末との前記無計画アクセスポイントからの前記複数の呼のそれぞれの各オーバーヘッドチャネルのための最適化低減電力レベルを決定することを繰り返し、前記複数の呼から全最適化低減電力レベルを決定するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
通信のための装置であって、
無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、前記無計画アクセスポイントのために前記関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを決定するための手段と、
前記無計画アクセスポイントから前記関連するアクセス端末へ、前記オーバーヘッドチャネルを前記最適化低減電力レベルで送信するための手段と、
を備える装置。
【請求項16】
前記オーバーヘッドチャネルに関連付けられたトラフィックチャネルの電力レベルへの調整を指示する順方向リンク電力制御信号を受信するための手段をさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
適切な誤り率が決定されるまで、前記トラフィックチャネルの前記電力レベルを調整するための手段をさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記オーバーヘッドチャネルの前記電力レベルに関する前記トラフィックチャネルの前記電力レベルの、トラフィック対オーバーヘッドチャネル比を決定するための手段をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記オーバーヘッドチャネルの前記最適化低減電力レベルは、
【数3】
として決定される、ただしEct=f(Ecp)である、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記オーバーヘッドチャネルは、パイロットチャネル、同期チャネル、及びブロードキャスト/ページングチャネル、のうちの一つである、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
それぞれ複数の関連するアクセス端末との前記無計画アクセスポイントからの前記複数の呼のそれぞれの各オーバーヘッドチャネルのための最適化低減電力レベルを決定することを繰り返すための手段と、
前記複数の呼から全最適化低減電力レベルを決定するための手段と、
をさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項22】
コンピュータプログラム製品であって、
無計画アクセスポイントと関連するアクセス端末との間の呼中に、前記無計画アクセスポイントのために前記関連するアクセス端末へのオーバーヘッドチャネルの最適化低減電力レベルを決定することと、
前記無計画アクセスポイントから前記関連するアクセス端末へ、前記オーバーヘッドチャネルを前記最適化低減電力レベルで送信することと、
をコンピュータに行わせるためのコードを備えるコンピュータ可読媒体、
を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
前記コンピュータに、前記オーバーヘッドチャネルに関連付けられたトラフィックチャネルの電力レベルへの調整を指示する順方向リンク電力制御信号を受信することを行わせるためのコードをさらに備える、請求項22に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
前記コンピュータに、適切な誤り率が決定されるまで、前記トラフィックチャネルの前記電力レベルを調整することを行わせるためのコードをさらに備える、請求項23に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項25】
前記コンピュータに、前記オーバーヘッドチャネルの前記電力レベルに関する前記トラフィックチャネルの前記電力レベルの、トラフィック対オーバーヘッドチャネル比を決定することを行わせるためのコードをさらに備える、請求項24に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項26】
前記オーバーヘッドチャネルの前記最適化低減電力レベルは、
【数4】
として決定される、ただしEct=f(Ecp)である、請求項22に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項27】
前記オーバーヘッドチャネルは、パイロットチャネル、同期チャネル、及びブロードキャスト/ページングチャネル、のうちの一つである、請求項22に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
前記コンピュータに、
それぞれ複数の関連するアクセス端末との前記無計画アクセスポイントからの前記複数の呼のそれぞれの各オーバーヘッドチャネルのための最適化低減電力レベルを決定することを繰り返すことと、
前記複数の呼から全最適化低減電力レベルを決定することと、
を行わせるためのコードをさらに備える、請求項22に記載のコンピュータプログラム製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−102462(P2013−102462A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−277058(P2012−277058)
【出願日】平成24年12月19日(2012.12.19)
【分割の表示】特願2010−536141(P2010−536141)の分割
【原出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−277058(P2012−277058)
【出願日】平成24年12月19日(2012.12.19)
【分割の表示】特願2010−536141(P2010−536141)の分割
【原出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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