説明

オープンアーキテクチャフレームワークを用いた薬物送達システム

【課題】 医療システムを提供する。
【解決手段】医療システムは、鎮静システムと、その鎮静システムと通信する中央ステーションとを備える。鎮静システムは、監視ユニットと、薬物送達ユニットとを備える。監視ユニットは、患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するように動作可能である。薬物送達ユニットは、監視ユニットから得たデータに基づいて患者に薬物を送達するように動作可能である。中央ステーションは、患者関連データを記憶し、複数の鎮静システムにアクセスするように動作可能である。中央ステーションは、鎮静システムを通じて薬物送達を遠隔式で制御し、鎮静システムを通じて音声指示を遠隔式で与え、鎮静システムからの配信ビデオを表示し、鎮静システムからの問い合わせに応答し、かつ/又は他の機能を提供してもよい。このシステムはまた、患者に対する外科手技及び/又は治療手技を実施するように動作可能である器具を有してもよい。鎮静システムは、器具に電力を供給しかつ/又はさもなければ器具と通信してもよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
診断手技、外科手技、及び/又は他の様々な種類の医療手技を受ける患者の生理学的パラメータを監視するために、患者監視システムが使用され得る。いくつかの状況において、手術準備室内の看護師及び技師が、次の手技に対して患者の準備をすることがある。この準備には、その手技で用いられる基本データを取得する目的で、モニターを患者に接続することが含まれ得る。そのようなモニターには、とりわけ血圧モニター及びパルスオキシメトリモニターが含まれ得る。血圧の読みは血圧計カフによってなされてもよく、そのため、看護師又は技師は、カフを患者の腕の周りに固定し、ある装置を使用してカフに空気を圧送する。カフからの読みが安定化すると、看護師又は技師は、データを手動で記録し(例えば、1枚の紙に手書きするか、あるいは携帯電子機器に入力する)、後に手技中に参照するために、また最終的に患者報告書のために、この情報を保存しなければならないことがある。看護師又は技師がパルスオキシメーターの読みを取るために、その看護師又は技師は、パルスオキシメーターモジュールを起動し、パルスオキシメータープローブを患者に固定し、患者の読みを取らなければならないことがある。この読みはまた、後に用いるために、紙に書き留められるか、あるいは別の方式で手動で記録されてもよい。患者が手技を受ける準備が整ったと判断されると、看護師又は技師は、手術準備室から手術室に患者を搬送できるように、血圧計カフ及びパルスオキシメトリプローブを患者から取り外さなければならないことがある。
【0002】
患者が手術室に入った後で、かつ手技が始まる前に、患者を手術に備えさせるためにいくつかの作業が必要となることがある。看護師又は技師は、手技が始まる前に血圧リーダーとパルスオキシメトリリーダーの両方を再接続しなければならないことがある。血圧及びパルスオキシメトリに加えて、例えば、カプノグラフィー、酸素補給、及び心電図などの他の接続が必要となり得る。生理学的モニターを患者に接続するためには、また生理学的モニターを監視システムに接続するためには、相当な時間が必要となり得る。そのようないくつかの例において、看護師又は技師は、以前は手術準備室内の患者に接続されていた同じ種類の生理学的モニターを再接続することに時間を費やさなければならない。これらの接続を行うのに要する時間は、貴重な手術室時間を占め、したがって診療の効率を低下させることがある。したがって、患者が手術室にいる間のこれらのモニター接続及び再接続を、最小限にするかあるいは排除することが望ましいこととなり得る。
【0003】
様々な状況において、IV及び/又はフェイスマスクなどを通じて、手技中に患者に薬物を送達することもまた望ましいこととなり得る。そのような薬物には、鎮静薬、鎮痛薬(anelgesics)、健忘薬(amnestics)などを挙げることができる。いくつかの例において、そのような薬物は、(単純に全身麻酔薬によって患者を完全に無意識にさせる代わりに)患者を「意識下鎮静」の状態にするように選択されかつ/又は組み合わされてもよい。また、そのような薬物の送達を自動化するために、特定のシステムが使用されてもよい。例えば、そのようなシステムは、医療手技が実施される同じ部屋に配置されてもよく、また、監視システムによって検出された患者パラメータに基づいて薬物の送達を自動的に調整するために、生理学的監視システムと結合されてもよい。そのようなシステムの例は、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2004年6月8日発行の米国特許第6,745,764号、名称「意識のある患者を、医療又は外科手術手技に伴う痛み及び不安から解放するための装置及び方法(Apparatus and Method for Providing a Conscious Patient Relief from Pain and Anxiety Associated with Medical or Surgical Procedures)」、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2010年11月16日発行の米国特許第7,833,213号、名称「患者監視及び薬物送達のシステム及び方法(Patient Monitoring and Drug Delivery System and Method)」、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2011年5月3日発行の米国特許第7,935,081号、名称「薬物送達カセット及び医療エフェクタシステム(Drug Delivery Cassette and a Medical Effector System)」、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2009年11月26日発行の米国特許公開第2009/0292179号、名称「医療ユニットとディスプレイモニタとを有する医療システム(Medical System having a Medical Unit and a Display Monitor)」、並びに、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2010年1月14日発行の米国特許公開第2010/0010433号、名称「薬物の送達を制御する医療システム(Medical System which Controls Delivery of a Drug)」において開示されている。
【0004】
患者を監視し、患者に薬物を送達するために、様々なシステムが作製され使用されてきたが、本発明者らよりも以前に、本明細書に記載する技術を生み出した又は用いた者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書は、この技術を具体的に指摘しかつ明確に主張する「特許請求の範囲」で完結するが、この技術は、添付の図面と共になされる特定の例の以下の説明により、より理解されると考えられる。添付の図面において、同様の参照符号は同一の要素を識別するものである。
【図1】例示的な患者監視及び薬物送達システムの斜視図。
【図2】図1のシステムの患者監視ユニットの斜視図。
【図3】図1のシステムの薬物送達ユニットの斜視図。
【図4】更なる例示的な構成要素を備えた図1のシステムの構成図。
【図5】図2の患者監視ユニットを使用して、医療手技の前に実施され得る例示的なプロセスの流れ図。
【図6】図1のシステムを使用して、医療手技の間に実施され得る例示的なプロセスの流れ図。
【図7】更なる装置と相互作用するオープンアーキテクチャを有する例示的な患者監視及び薬物送達システムの概略図。
【図8】患者監視ユニット用の例示的なドッキングステーションの斜視図。
【図9】患者監視ユニット用の別の例示的なドッキングステーションの斜視図。
【図10】患者監視ユニット用の別の例示的なドッキングステーションの斜視図。
【図11】図10のドッキングステーションの概略的構成図。
【図12A】図9〜11のドッキングステーションを使用して実施され得る例示的なプロセスの流れ図。
【図12B】図9〜11のドッキングステーションを使用して実施され得る別の例示的なプロセスの流れ図。
【図13】例示的な集中管理ユニットを備えたいくつかの薬物送達システムの概略的構成図。
【図14】図1のシステムを使用して実施され得る例示的なプロセスの流れ図。
【0006】
これらの図面は、いかなる形においても限定を意図したものではなく、本技術の様々な実施形態が、図面に必ずしも示されていないものを含めて、多様な他の方式で実施され得ることが企図されている。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、理解されたいこととして、本技術は、ここに示す厳密な構成に限定されるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の特定の例の以下の説明は、その範囲を限定するために用いられるべきではない。本技術の他の例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、本技術を実施するために企図される最良の形態の1つである。明らかなように、本明細書で説明する技術は、すべて本技術から逸脱することなく、他の様々な明白な態様を可能とするものである。したがって、図面及び説明は、例示的な性質のものであり、限定的なものではないと見なされるべきである。
【0008】
更に理解されたいこととして、本明細書に記載されている教示、表現、実施形態、例などのうちの任意の1つ又は2つ以上が、本明細書に記載されている他の教示、表現、実施形態、例などのうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わされ得る。下記の教示、表現、実施形態、例などはしたがって、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示が組み合わされ得る様々な好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には容易に明らかとなろう。そのような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0009】
I.概論
図1は、ベッドサイドモニターユニット(BMU)(40)と手術室ユニット(PRU)(70)とを備える例示的な患者ケアシステム(10)を示している。患者ケアシステム(10)の例示的な1つの使用法は、患者パラメータを監視し、意識があり、挿管されておらず、自発的に換気している患者に鎮静薬、鎮痛薬、及び/又は健忘薬を送達することであり、その患者は、医師による診断手技、外科手技、又は他の医療手技を受けている。この使用法は、考えられる本発明の使用法のすべてを包括するものではなく、本明細書における例を説明するために用いられるものである。BMU(40)及びPRU(70)は、通信ケーブル(20)を介して接続されている。通信ケーブル(20)は、電子データ並びに様々な油圧信号及びガスをBMU(40)とPRU(70)との間で伝送するための手段となる。例えば、通信ケーブル(20)は、すべて単一のシース又はケーブル内に組み込まれた複数本の気送管と複数本の電線とを含んでもよい。通信ケーブル(20)は、治療効率及びユーザーの利便性を高めるために、BMU(40)とPRU(70)の両方から取り外されてもよい。BMU(40)及びPRU(70)は、通信ケーブル(20)が定位置にない場合、互いに独立に自在に移動する。これにより、各ユニットは互いに独立に移動することができ、この機能は、多数の医療手技を抱えかつ患者をモニターに接続する時間の少ない病院において特に重要である。BMU(40)及びPRU(70)は好ましくは、臨床医がそのように望む場合に、外科手技の過程の中で酸素補給を患者に与えることを意図した外部酸素源を収容する。IVチューブセット(22)がPRU(70)に接続されて示されており、外科手技の間に鎮静薬又は健忘薬を患者に送達する。
【0010】
BMU(40)は患者監視ユニットとして働き、患者の様々な生理学的パラメータを監視する。図2に示すように、BMU(40)は小型でかつ可搬型であり、そのため、ある部屋から別の部屋に移動するのに比較的労力を必要としない。いくつかの変形例において、BMU(40)はIVポール又はベッドレールのいずれかに装着でき、これにより、臨床医は、患者の搬送が必要となるいかなるところにもユニットを携帯するという負担から解放される。BMU(40)は、看護師又は技師の手で保持するのに十分に小型でかつ軽量である。BMU(40)により、ユーザーは、タッチスクリーン組立体(42)又は単純なキーパッドなどによって情報を入力することが可能となる。タッチスクリーン組立体(42)は、ディスプレイ装置上のオーバーレイとして設けられており、このディスプレイ装置は、BMU(40)の一表面に組み込まれており、患者及びシステムのパラメータと、BMU(40)の動作状態を表示する。例示的なベッドサイドタッチスクリーン組立体(42)が、マイクロテック社(MicroTech)によって製造されている13.3cm(5.25インチ)の抵抗型タッチスクリーンであり、この抵抗型タッチスクリーンは、サムスン社(Samsung)によって製造されている13.3cm(5.25インチ)のカラーLCDスクリーン上に装着されている。ディスプレイスクリーン及びタッチスクリーンが取り得る他の好適な形態が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。担当の看護師又は医師が、ベッドサイドタッチスクリーン組立体(42)を用いて、例えば患者の体重及び薬物投与量プロファイルなどの患者情報をBMU(40)に入力することができる。BMU電池(44)がBMU(40)に固定的に取り付けられ、例えばパナソニック社(Panasonic)のモデル番号LC−T122PUなどの標準的な充電式電池を含み、その充電式電池は、長時間にわたってBMU(40)を稼働させるのに十分な電力を供給することが可能である。いくつかの変形例において、BMU電池(44)は、BMU(40)が通信ケーブル(20)によってPRU(70)に接続されている間に再充電され得るか、あるいは独立した電源から直接、充電され得る。電池(44)が充電され得る様々な好適な方式については、以下の段落III.Aにてより詳細に説明することとするが、依然として好適な他の方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。同様に、電池(44)が取り得る様々な好適な形態、並びにそれらの様々な好適な構成が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0011】
図2に示すように、BMU(40)が、患者の生命兆候の監視及び患者への酸素補給の供給に使用される複数の患者センサー及び周辺機器に接続され得る。口腔/鼻カニューレ(46)が、外部の酸素源から酸素を供給し、呼気ガスのサンプルを収集する。口腔/鼻カニューレ(46)は、ケーブル通過接続部(24)に脱着可能に取り付けられる。ケーブル通過接続部(24)は、口腔/鼻カニューレ(46)から取得した信号を直接、PRU(70)内のカプノメーター(例えば、カーディオパルモナリーテクノロジー社(CardioPulmonary Technologies)のCO2WFA OEM)に、好ましくは通信ケーブル(20)を介して送信する(図1)。カプノメーターは、二酸化炭素センサーによって患者の吸気/呼気流の二酸化炭素濃度を、更には呼吸数を測定する。また、ケーブル通過接続部(24)には、患者の心臓周期の電気活動を監視する標準的な心電図(ECG)(48)が接続される。ECG信号はPRU(70)に送信され、そこで信号が処理される。パルスオキシメータープローブ(50)(例えば、ドルフィンメディカル社(Dolphin Medical)製)及び非観血血圧(NIBP)カフ(52)がまた、本例のBMU(40)に接続される。パルスオキシメータープローブ(50)は、赤外線拡散センサーによって患者の動脈血酸素飽和度と心拍数とを測定する。パルスオキシメータープローブ(50)から読み出されたデータは、パルスオキシメーターケーブル(56)によってパルスオキシメーターモジュール(54)(例えば、ドルフィンメディカル社(Dolphin Medical)製)に中継される。NIBPカフ(52)(例えば、サンテックメディカルインスツルメンツ社(SunTech Medical Instruments)製のPN 92−0011−00)は、必要に応じて同様に組み込まれる膨張式カフ及び空気ポンプ(例えばサンテックメディカルインスツルメンツ社製)によって、患者の収縮期圧、拡張期圧、及び平均動脈圧を測定する。NIBPカフ(52)は、BMU(40)に配置されたNIBPモジュール(58)に脱着可能に取り付けられる。
【0012】
本例において、患者の意識水準が、自動応答テスターシステム(ART)を用いて検出されるが、本明細書で説明する様々な他の構成要素と同様に、ARTシステムは単に任意選択によるものであり、必要ではない。例示的なARTシステムが、2005年3月31日に発行された米国特許公開第2005/0070823号、名称「握りのダイナミクスを伴う意識下鎮静に対する応答試験(Response Testing for Conscious Sedation Involving Hand Grip Dynamics)」に開示されており、この開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。この例のARTシステムは、問い合わせ開始装置と問い合わせ応答装置とを備える。このARTシステムは、問い合わせ開始装置で患者の注意を獲得し、問い合わせ応答装置を起動するように患者に命令することによって動作する。問い合わせ開始装置は、イヤピース(60)などを介したスピーカーなど、任意のタイプの刺激装置を備えてよく、その刺激装置は、問い合わせ応答装置を起動するように聴覚命令を患者に与える。この例の問い合わせ応答装置は、例えば、トグル若しくはロッカースイッチ、又は押し下げ可能なボタン、ないしは手で持たれるかあるいは他の方式で患者がアクセス可能な他の可動部材の形態をなし得るハンドピース(62)を備え、その部材は、応答すべき聴覚信号又は他の指示を患者が受け取ると、患者によって移動されるかあるいは押し下げられ得るようになっている。それに代わって、問い合わせ応答装置を起動するように患者に合図する振動機構がハンドピース(62)に組み込まれてもよい。例えば、いくつかの変形例において、問い合わせ開始装置は、円柱状の手持ち式装置(62)を備え、その手持ち式装置(62)は、小型の12V直流双方向モーターを収容しており、このモーターによって手持ち式装置は患者の手を振動させて応答を求めることが可能となっている。
【0013】
問い合わせが開始された後、ARTシステムは、患者が問い合わせ開始装置に応答して問い合わせ応答装置を起動するのに要した時間を反映するように信号を生成する。これらの信号は、BMU(40)の内部に設置されたロジックボードによって処理され、ベッドサイドタッチスクリーン組立体(42)、プロシージャタッチスクリーン組立体(72)(図3)、及び/又は任意選択のモニター104(図4)のいずれかに表示される。患者が問い合わせに応答するのに要した時間により、臨床医は、患者の鎮静レベルに関して見当を付ける。ARTシステムは、まとめてARTシステムモジュール(64、66)と呼ばれる問い合わせ応答モジュール(64)と問い合わせ開始モジュール(66)とを含めて、この例において2つのモジュールを有している。ARTシステムモジュール(64、66)は、問い合わせ応答装置(62)と問い合わせ開始装置(60)とを動作させBMU(40)に接続するのに必要なすべてのハードウェアを有している。
【0014】
いくつかの変形例において、監視モジュール(54、58、64、66)は、機能不良又は技術的進歩があった場合には他の監視モジュールと容易に交換が可能である。これらのモジュール(54、58、64、66)は、それらの対応する周辺機器を動作させるのに必要なハードウェアのすべてを含んでいる。上述の患者モジュール(54、58、64、66)は、PRU(70)及びBMU(40)のそれぞれの内部に設置されたマイクロプロセッサベース電子制御器又はコンピュータ(MLB)に接続される。この電子制御器又はメインロジックボードは、例えば、とりわけテキサスインスツルメンツ社(Texas Instruments)(例えば、XK21E)及びナショナルセミコンダクター社(National Semiconductor)(例えば、HKL72)によって製造されているものなど、入手可能なプログラマブルタイプのマイクロプロセッサ及び他の「チップ」、各種の基板上のメモリ素子及び論理機構の組み合わせを含む。モジュール(54、58、64、66)及びそれに関連する電子機器が取り得る様々な他の好適な形態が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0015】
BMU(40)及びPRU(70)が通信ケーブル(20)によって接続されると、ECG及びカプノグラフィーを監視することができ、補給酸素が患者に供給され得る。理解されたいこととして、これらの接続は治療効率を向上させるために手術準備室で行われてもよい。これらの接続を手術準備室で行うことにより、手術準備室内でカプノグラフィー、ECG及び補給酸素をPRU(70)に接続するのに要する時間がより短くなり得る。口腔/鼻カニューレ(46)及びECGリード線(68)は、直接、ケーブル通過接続部(24)に接続される。BMU(40)上に設置されたケーブル通過接続部(24)は、基本的には通信ケーブル(20)の延長部であり、この延長部は、ECGリード線(68)及び口腔/鼻カニューレ(46)からの信号がBMU(40)を迂回し、直接、PRU(70)に伝送されるようにするものである。しかしながら、当業者には明らかとなることであるが、BMU(40)は、ECG(48)及び口腔/鼻カニューレ(46)の信号を受け取り、それに応じてそれらの信号を処理して、情報をスクリーン(42)上に、そして補給酸素を手術準備室内の患者に供給するように構成され得る。BMU(40)に組み込まれ得る構成要素、特徴、及び機能性の他の例が以下でより詳細に説明されるが、BMU(40)に組み込まれ得る構成要素、特徴、及び機能性の更なる例が、本明細書の教示内容を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0016】
ここで図3を参照すると、PRU(70)により、医師は、鎮静薬、鎮痛薬、及び/又は健忘薬などの薬物を患者に安全に送達し、医療手技の間に患者を監視することが可能となっている。手技タッチスクリーン組立体(72)は、PRU(70)の表面に組み込まれたディスプレイ装置を備えており、その表面に、患者及びシステムパラメータ、並びにPRU(70)の動作状態が表示される。いくつかの変形例において、手技タッチスクリーン組立体(72)が、マイクロテック社(MicroTech)によって製造されている38.1cm(15インチ)の抵抗型タッチスクリーンであり、この抵抗型タッチスクリーンは、サムスン社(Samsung)によって製造されている38.1cm(15インチ)のカラーLCDスクリーン上に装着されている。ディスプレイスクリーン及びタッチスクリーンが取り得る他の好適な形態が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。留意されたいことに、本例において、手技タッチスクリーン組立体(72)は、主要なディスプレイ及びユーザー入力手段であり、ベッドサイドタッチスクリーン組立体(42)よりも相当に大きく、より詳細な情報を表示することが可能である。手技タッチスクリーン組立体(72)に加えて、ユーザーは、薬物送達制御部(74)を用いて情報をPRU(70)に入力してもよい。ボタン、ダイヤルなどの薬物送達制御部(74)がPRU(70)の一方の側に設置されており、臨床医が様々なシステムパラメータを変更し、手技タッチスクリーン組立体(72)を迂回することを可能にしている。プリンタ(76)が、PRU(70)の頂部に一体的に取り付けられている。プリンタ(76)により、臨床医は、手術前検査及び手技自体に関する患者データを含む患者レポートを印刷することが可能となる。患者レポートの印刷と自動データロギング機構の組み合わせにより、看護師又は技師が、手技の過程の中で患者の状態に留意して費やさなければならない時間と労力が低減され得る。プリンタ(76)は、メインロジックボード上に設置されているプリンタインターフェイス(例えば、パラレルシステムズ社(Parallel Systems)のCK205HS)からデータ信号を受け取る。プリンタ(76)は、感熱プリンタ(例えば、アドバンスプリンティングシステムズ社(Advanced Printing Systems)(APS)のELM 205HS)及び/又は任意の他の好適なタイプのプリンタを含んでよい。更に理解されたいことに、プリンタ(76)はPRU(70)から離れていてもよく、また所望により完全に除かれてもよい。
【0017】
PRU(70)の外側ケーシング内のスロットを含むメモリカードリーダー(78)により、フラッシュメモリカード(80)をPRU(70)に挿入し、PRU(70)から取り出すことが可能となっている。フラッシュメモリカード(80)は、PRU(70)によって生成されたデータログの容易かつ迅速な情報記憶のために使用される固体記憶装置である。データは、後にフラッシュメモリカード(80)から取り出され得るように記憶される。いくつかの変形例において、メモリカードリーダー(78)は、患者ケアシステム(10)の機能をアップグレードするためのソフトウェアを含んだフラッシュメモリカード(80)を受け取る。ここでも、本明細書で説明する他の構成要素と同様に、メモリカードリーダー(78)は、所望により、修正されても、置き換えられても、追加されても、省略されてもよい。本例において、メモリカードリーダー(78)はデータポート(82)が追加されている。データポート(82)には、限定するものではないが、標準的なシリアルポート、USBポート、RS232ポート、イーサネットポート、又は無線アダプタ(例えば、IEEE 802.11n/g/b/a規格などを利用)を挙げることができる。データポート(82)は、PRU(70)を外部プリンタにリンクして患者レポートを印刷するために、あるいは電子ファイルをパーソナルコンピュータ又はメインフレームに伝送するために使用されてもよい。中央ネットワークシステム構成要素と通信するためにデータポート(82)を使用し得る方法の、単に説明のための例については、以下のIII.B節にてより詳細に説明することにするが、更に他の好適な例が、当業者には本明細書の教示を鑑みれば明らかとなろう。
【0018】
PRU(70)は、蠕動式注入ポンプ(84)(例えば、ビー・ブラウン・マックガウ社(B-Braun McGaw)製)などの注入ポンプによって患者に液体を送達する。蠕動式注入ポンプ(84)はPRU(70)に一体的に取り付けられ、蠕動フィンガーを使用して波状運動を発生させて、液体リザーバに連結された柔軟チューブの内部に液体流動を誘発するものである。薬物カセット(86)は、蠕動式注入ポンプ(84)に隣接して配置される、概ね長方形の形状の構造物である。この例の薬物カセット(86)は、例えばポリカーボネートなどの硬質熱可塑性樹脂でできている。薬物カセット(86)は内部空洞を有しており、その内部空洞は、例えばポリプロピレン(例えば、クルコート社(Kelcourt))などの軟質熱可塑性樹脂でできたIVチューブ材料(22)を収容するものである。薬物カセット(86)は、ポート(88)によってチューブ材料(22)を受容し、露出したIVチューブ材(22)を蠕動式注入ポンプ(84)の蠕動フィンガーに接触させて正確にかつ確実に位置決めする。IVチューブセット(22)は流体バイアル(90)に取り付けられ、IVチューブセット(22)の全長の一部分は薬物カセット(86)内に収容される。IVチューブセット(22)の別の部分は、蠕動式ポンプ(84)との相互作用を促進するために、薬物カセット(86)の外側にある。IVチューブ材料(22)は、薬物カセット(86)内でコイル状にされており、PRU(70)を取り外された患者に到達する長さを有している。流体検出センサー(図示せず)が、薬物カセット(86)の内壁に装着されてもよい。そのような流体検出センサーは、共にMTIインスツルメンツ社製であるMTI−2000フォトニック・センサー(Fotonic Sensor)又はマイクロトラック−II CCDレーザー・トライアンギュレーション・センサー(Microtrak-II CCD Laser Triangulation Sensor)など、既知の流体センサーのうちのいずれかを含んでよい。IVチューブセット(22)は、流体検出センサーを通じて延びた後に薬物カセット(86)を抜け出す。PRU(70)は、ユーザーにとって比較的容易にIVチューブ材料(22)に呼び水を入れるように動作可能な機構を含み得る。そのような呼び水入れの様々な例が、米国特許第7,833,213号に開示されており、その開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0019】
本例において、薬物カセット(86)は、1つのみのバイアル(90)を有している。しかしながら、理解されたいことに、薬物カセット(86)のいくつかの変形例が、複数のバイアル(90)を有してもよい。そのようなバイアル(90)が同じ薬物を含んでもよい。それに代わって、単一の薬物カセット(86)に関連付けられる複数のバイアル(90)が、種々様々な薬物を含んでもよい。換言すれば、2種類又は3種類以上の薬物を同時にかつ/又は特定の順序で選択的に送達するために、単一の薬物カセット(86)が使用されてもよい。バイアル(90)が本例で使用されているが、当業者には本明細書の教示を鑑みれば理解されるように、任意の他の好適なタイプの容器が使用されてもよいことを理解されたい。また、理解されたいこととして、PRU(70)のいくつかの変形例が、2個又は3個以上の薬物カセット(86)を受容するように構成されてもよい。そのような各薬物カセット(86)は、1種類の薬物に関連付けられてもよく(例えば、異なる薬物には異なる薬物カセット(86)が使用される)、あるいは、各薬物カセット(86)は、薬物の組み合わせに関連付けられてもよい(例えば、異なる薬物の組み合わせには異なる薬物カセット(86)が使用される)。
【0020】
図4は、どのようにしてシステム(10)の構成要素が互いに、また患者と相互作用するかを示している。図3には示されていないが、図4は、どのようにしてPRU(70)が一体型ECGモジュール(92)と一体型カニューレモジュール(94)とを含むかを示している。ECGモジュール(92)は、通過接続部(24)から延びるECGリード線(68)によってECG(48)と結合される。カニューレモジュール(94)が、同様に通過接続部(24)を通じて口腔/鼻カニューレ(46)と結合される。上述したモジュール(54、58、64、66)と同様に、モジュール(92、94)は、機能不良又は技術的進歩があった場合には他の監視モジュールと容易に交換可能となり得る。モジュール(92、94)はまた、それらの対応する周辺機器を動作させるのに必要なハードウェアのすべてを含んでもよく、また更に、マイクロプロセッサベース電子制御器又はPRU(70)及び/若しくはBMU(40)内に設置されたコンピュータと結合されてもよい。
【0021】
図4にも示すように、本例のPRU(70)は、外部酸素源(100)、外部電源(102)、及び外部モニター(104)と結合される。外部酸素源(100)は、PRU(70)の1つ又は2つ以上の構成要素によって調整されてもよく、それらの構成要素は、BMU(40)によって検知される1つ又は2つ以上のパラメータに基づいて、カセット(86)からの薬物送達に基づいて、かつ/又は他の要因に基づいて、酸素源(100)から患者へ酸素を送達してもよい。外部電源(102)がPRU(70)の主電源として使用され、電池(96)がバックアップ電源として使用されてもよい。それに代わって、電池(96)がPRUの主電源として使用され、外部電源(102)がバックアップ電力用及び/又は電池(96)の充電用に使用されてもよい。外部モニター(104)が、タッチスクリーン組立体(42)及び/又はタッチスクリーン組立体(72)のディスプレイ機構を追加するためにあるいは置換するために使用されてもよい。例えば、外部モニター(104)は、患者の生理学的パラメータ、システム(10)の動作状態、警報などを含めた情報を表示してもよい。PRU(70)及び/又はBMU(40)は、ケーブルによって外部モニター(104)と無線で(例えば、RF伝送などによって)、あるいは他の方法で通信してもよい。PRU(70)に組み込まれ得る構成要素、機構、及び機能の他の例が以下でより詳細に説明されるが、PRU(70)に組み込まれ得る構成要素、機構、及び機能の更なる例が、本明細書の教示内容を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0022】
図5は、手術準備室の例示的なプロセスを略述するデータ流れ図を示しているが、システム(10)は様々な他の方式でも使用され得ることを理解されたい。図示のように、患者が手術準備室に到着する(工程(200))。看護師又は技師が、ベッドレール又はIVポールのいずれかにBMU(40)を装着する(工程(201))。本例のBMU(40)は、ベッドレール又はIVポールのいずれかにユニットを迅速にかつ容易に装着するために、IVポールクランプ又は急速継ぎ手を装備している。BMU(40)が定位置に収まると、看護師又は技師は、NIBPカフ(52)及びパルスオキシメータープローブ(50)を患者に接続してもよい(工程(202))。これらの接続は、患者とBMU(40)との間で行われる。BMU(40)は、例えば、拡張期圧及び収縮期圧、平均動脈圧、脈拍数、酸素添加プレチスモグラム、及び酸素測定値などのパラメータを自動的に監視し始める(工程(203)、工程(204))。BMU(40)によって得られた読みが、看護師又は技師のために、ベッドサイドタッチスクリーン組立体(42)上に表示される。患者パラメータが監視されている間、看護師又は技師は自由に他の作業を実施することができる。例えば、看護師又は技師は、手術前評価を完了することが必要となり得る(工程(206))。手術前評価には、患者の生命兆候を記録すること、任意の既知のアレルギーを判定すること、患者の既往歴を確定することが含まれてもよい。看護師又は技師が手術前評価を完了すると(工程(206))、看護師又は技師は、患者の腕の中にカテーテルを配置することによって末梢IVを開始してもよい(工程(207))。IVカテーテルは、例えば食塩水の500mL袋など、主要な点滴装置に接続される。上記の作業が完了すると、看護師又は技師は、ECGパッド(48)、ARTハンドピース(62)、ARTイヤピース(60)、及び口腔/鼻カニューレ(46)を患者に取り付け始める(工程(208))。いくつかの変形例において、患者ケアシステム(10)は、モニターが患者からBMU(40)に接続されるとき、それらのモニターの適切な接続を自動的に検知及び認識する能力を有する。
【0023】
患者が上述のアイテムに接続されると、看護師又は技師はARTシステムについて患者に説明してもよい。この説明には、ARTハンドピース(62)を握り込むことによってARTイヤピース(60)からの聴覚刺激及び/又はARTハンドピース(62)からの触覚刺激に応答するように看護師又は技師が患者に指示することが含まれてもよい。患者が聴覚又は触覚刺激に応答できない場合、患者が首尾よく応答するまで刺激の強度が増加される。この時点で、看護師は、自動ART訓練を開始してもよい(工程(209))。自動ART訓練は、ART刺激を検知する方法及びその刺激に応答する方法を患者に教示する、BMU(40)によって実行されるプログラムであり、先に参照した米国特許公開第2005/0070823号に開示されているように、刺激に対する基準患者応答を定めるものである。看護師又は技師は、患者が自動ART訓練に参加している間に、患者に関する他の作業を自在に実施することができる。BMU(40)は、タッチスクリーン組立体(42)によって自動ART訓練の状態を表示し、そのため、看護師又は技師は、患者が自動訓練に参加しているか否かを迅速に判断することができる。患者は、先に進むためには、自動ART訓練を首尾よく完了しなければならない(工程(210))。患者が訓練を完了できない場合、看護師又は技師が介入し、患者が継続できるか否かを判断しなければならない(工程(210A))。ユーザーが先に進んでよいと臨床医が判断した場合、患者は工程(211)に進む。患者が継続できないと臨床医が判断した場合、手順は取り消される(工程(213))。患者が手術室に入るまで待機するように求められた場合、ユーザーは、特定の間隔(例えば、10分間)で自動的に繰り返すように自動ART訓練をカスタマイズしてもよい。これは、新たに学習した応答を教え込むのに役立ち得る。
【0024】
自動ART訓練を首尾よく完了することに加えて、患者のパラメータが許容可能な範囲内になければならない(工程(205))。臨床医は、ベッドサイドタッチスクリーン組立体(42)を用いてこの情報をBMU(40)に入力することによって、許容可能な範囲がどの程度であるかを決定することができる。監視されているパラメータのいずれかが所与の範囲外となる場合、看護師又は他の臨床医が患者を診察して、患者が継続し得るか否かを判断するまで、患者は手技を受けることを容認されない(工程(205A))。患者が継続できると臨床医が判断した場合、患者は工程(211)に進むことになり、患者が継続できないと臨床医が判断した場合、手順は取り消される(工程(213))。手術準備室を去って手術室に向かう直前に、看護師は、例えば1.5mcg/kgのフェンタニルなど、所定の低用量の鎮痛薬を投与する(工程(211))。鎮痛薬の注入後、患者を手術室に移動する準備ができる(工程(212))。
【0025】
図6は、患者が手術室にいる間のシステム(10)の例示的な使用法を示す流れ図であるが、システム(10)が様々な他の方式で使用され得ることは理解されたい。図示のように、患者及びBMU(40)が手術室の中に移動され(工程(220))、医師及び手術看護師によって受け入れられる。患者が手術室に入ると、BMU(40)がケーブル(20)によってPRU(70)に接続され得る(工程(221))。接続すると、患者から得られたNIBP、パルス及び酸素測定の履歴がBMU(40)からPRU(70)に自動的にアップロードされ、最新の監視期間にわたる患者の履歴が表示される。NIBP及びパルスオキシメーターの履歴に加えて、患者がART訓練を完了したことを証明する記録もまたアップロードされる。BMU(40)をPRU(70)に接続すると、BMU(40)上の小型ディスプレイ(42)は、監視スクリーンからPRU(70)用の遠隔入力スクリーンに直ちに変化する。BMU(40)から得られたディスプレイ情報は、PRU(70)に自動的に伝送される。言うまでもなく、いくつかの変形例において、ディスプレイ(42、72)は、異なる情報を同時に表示してもよく、また、一方又は両方が、異なる種類のタッチ入力などを受け取ってもよい。
【0026】
この時点で、手術看護師は、口腔/鼻カニューレ(46)を患者の顔に固定してよい(工程(222))。これで、患者とPRU(70)との間のすべての接続が完了したので、PRU(70)は、例えば、ART、ECG、及びカプノグラフィーなど、患者パラメータの監視を開始してよい(工程(223))。PRU(70)は、例えば、NIBP、パルス、及び酸素測定値などの患者パラメータを監視し続ける(工程(224))。次に、手術看護師は、薬物カセット(86)の上に標準的な薬物バイアル(90)を置き、嵌め込んでよい(工程(225))。本例の薬物カセット(86)は、一体型のカニューレ付き薬物バイアルスパイクを有し、この薬物バイアルスパイクは、ゴム製のバイアルストッパーに穿刺し、薬物バイアル(90)から出た流体を薬物カセット(86)に進入させるのに役立つものである。次に、手術看護師は、IVチューブ材料(22)の露出部分が蠕動フィンガーと整列することを確認して、蠕動式注入ポンプ(84)に隣接させて薬物カセット(86)を置く(工程(226))。流体バイアル(90)及び薬物カセット(86)が正しく装填されると、看護師はIVチューブ材料(22)に自動で呼び水を入れることができる。いくつかの変形例において、手術看護師は、PRU(70)の上に設置されているボタンを押して、自動での呼び水入れを開始し(工程(227))、それによってIVチューブ材料(22)から自動的に空気をパージする。PRU(70)は、自動呼び水入れが全体的に成功したことを判断するために、自動呼び水入れプロセスを継続的に監視する。PUR(70)が、IVチューブ材料(22)を適切にパージできない場合、警報通知がユーザーに対して行われ、そのため、手術看護師は、IVチューブ材料(22)が正常にパージされるまで、自動呼び水入れの手順を繰り返すことができる(工程(227))。
【0027】
自動呼び水入れの手順が正常に完了すると、手術看護師は、患者の体重をポンド単位で入力してよく、一方で、医師は、初期の薬物維持投与量及び投与法(例えば、通常又は急速注入)を入力してよい(工程(229))。患者の体重及び投与量が入力された後、医師又は手術看護師は薬物注入を開始してよい(工程(230))。薬物が患者に対して効いている間、医師は、例えば観察スコープを試験するなど、標準的な手技に関連する作業を実施し、任意の表面麻酔薬を投与してよい。薬物が患者に対して所望の効果を発揮すると、医師及び手術看護師は手技を自在に実施することができる(工程(231))。手技が完了すると、臨床医は、IVチューブ材料(22)から薬物送達カセット(86)を取り外し(工程(232))、PRU(70)からBMU(40)を取り外してもよい(工程(233))。臨床医がそのように望む場合、PRU(70)がこの時点で患者の生理学的パラメータの記録をプリンタ(76)から印刷してもよい(工程(234))。手技の記録の印刷出力は、例えば、NIPB、パルスオキシメトリ、カプノグラフィー、呼吸数、及び心拍数などの患者監視データを含んでもよい。その印刷出力に含まれ得る他のシステムイベントには、ART適格性、手技中のART応答性、酸素運搬履歴、薬物投与量、監視間隔、薬物のボーラス量及び時間、並びに手技中に送達される総薬物量が挙げられる。印刷出力は、例えば、送達された付加的な麻酔剤、使用された局所的スプレー、ラムゼイ鎮静スケール(Ramsey Sedation Scale)、手技の開始及び終了時間、使用された焼灼ユニット及び設定、焼灼接地位置(cautery grounding site)、拡張機器のタイプ及び大きさ、並びにアルドレーテスコア(Aldrete Score)などを手術看護師が自身のノートに記入し得る節を含んでもよい。患者記録を印刷した後、患者は次いで、回復室に移動されてよい(工程(235))。
【0028】
上述の工程(230、231)など、システム(10)が使用されているときの手技の1つ又は2つ以上の段階で、PRU(70)は、1種類又は2種類以上の薬物の患者への送達を自動的に調整してもよい。薬物送達のそのような調整は、BMU(40)から得られた患者の生理学的データに基づいても、BMU(40)及び/若しくはPRU(70)に入力された他のデータに基づいても、かつ/又は、医師若しくはシステム(10)の他のユーザーによってなされた選択(例えば、医療手技の種類、カセット(86)内の薬物の種類などを指示する)に基づいてもよい。いくつかの変形例において、PRU(70)による薬物送達の調整は動的であってもよく、また、患者の生理学的データなどにおける検出された変化に基づいて、医療手技の間に実時間で変化してもよい。PRU(70)及び/又はBMU(40)はまた、BMU(40)などから得られた患者の生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、医療手技の間に医師又はシステム(10)の他のユーザーに警告を提供してもよい。そのような薬物送達の応答及び警告の応答が、PRU(70)内の制御論理を通じて実行される「セーフティシェル」制御アルゴリズムに従って提供されてもよい。いくつかの変形例において、セーフティシェルは、BMU(40)によって検出された条件に基づいて、かつ/又は他の条件に基づいて、PRU(70)から患者への完全に自動化された薬物送達をもたらす。それに加えてあるいはそれに代わって、医師/臨床医/看護師などからの直接的な命令に基づいて、薬物がPRU(70)から送達されてもよく、また、セーフティシェルが患者への薬物の送達を単純に制限して、患者が医師/臨床医/看護師などによって誤って過剰に投薬されないようにしてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、セーフティシェルは、BMU(40)から得られたデータに基づいてかつ/又は他の条件に基づいて、薬物送達に関してかつ/又は患者の状態に関して、医師/臨床医/看護師などに指示を与えてもよい。セーフティシェルの制御論理をPRU(70)内に設けるために使用され得る様々な好適なハードウェア構成要素及びファームウェア構成が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。本例において、セーフティシェルの最終的な目標は、患者の安全を保つことである。
【0029】
システム(10)のいくつかの変形例が、特定の医療手技(例えば、大腸内視鏡検査及び/又は食道胃十二指腸内視鏡検査(EGD)手技など)における使用に特化されてもよい。例えば、PRU(70)が使用されるたびに、セーフティシェルの制御アルゴリズムが比較的一貫したものとなるように、PRU(70)が特定の種類の手技に特化されてもよい。システム(10)のいくつかのそのような変形例は、したがって、セーフティシェル制御アルゴリズムの比較的静的なセットを含み得る。しかしながら、システム(10)のいくつかの他の変形例は、様々な種類の種々の医療手技において使用されるように構成されてよい。いくつかのそのような変形例において、セーフティシェルを通じて実行される制御論理は、システム(10)が使用される医療手技の種類に基づいて異なってもよい。例えば、制御論理は、システム(10)が使用される医療手技の種類に基づいて、種々の患者の生理学的パラメータを、BMU(40)を通じて監視してもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、制御論理は、システム(10)が使用される医療手技の種類に基づいて、BMU(40)を通じて検出された患者の生理学的パラメータにおける種々の閾値又は傾向に応答してもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、PRU(70)は、システム(10)が使用される医療手技の種類に基づいて、薬物送達の種類、量、タイミング、及び/又は期間などを変更してもよい。
【0030】
システム(10)が使用される医療手技の種類に基づいて、セーフティシェルの制御アルゴリズムが適応する変形例において、システム(10)が使用される医療手技の種類についてPRU(70)が知らされ得る様々な方式がある。いくつかのそのような変形例において、判定は自動化されてもよい。例えば、ユーザーによって選択された薬物カセット(86)の種類は、医療手技に基づいて異なってもよく、薬物カセット(86)は、PRU(70)に結合されたリーダーによって走査されるバーコードを有してもよい。PRU(70)は次いで、バーコードからの読取りを処理して、適切なセーフティシェルの制御アルゴリズム又はサブアルゴリズムを自動的に選択してもよい。別の単に例示的な変形例として、薬物カセット(86)がRFIDチップ又は同様の機構を有してもよく、PRU(70)が、薬物カセット(86)を受容するスロットに関連付けられたリーダーを有してもよい。PRU(70)は、RFIDチップからの読取りを処理して、適切なセーフティシェルの制御アルゴリズム又はサブアルゴリズムを自動的に選択してもよい。また、理解されたいこととして、システム(10)が使用される医療手技の種類についてPRU(70)が手動で知らされてもよい。例えば、ユーザーは、タッチスクリーン組立体(42)を用いて、タッチスクリーン組立体(72)を用いて、ネットワークによってシステム(10)に結合されたコンピュータ装置を用いて、かつ/又は、他のユーザー入力機構を用いて選択してよい。システム(10)が使用される医療手技の種類についてシステム(10)が知らされ得る様々な他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。更に、理解されたいこととして、セーフティシェルの制御アルゴリズムは、医療手技を受ける患者のタイプ(例えば、薬物に対する患者の物理的感度及び/又は既知の反応性など)に基づいて適応してもよい。システム(10)は、ネットワークから得たデータに基づいて、BMU(40)から得たデータに基づいて、かつ/又は他の方式で、患者のタイプについて手動で(例えば、タッチスクリーン(42、72)などを用いて)知らされてもよい。
【0031】
また、理解されたいこととして、適応するセーフティシェルの制御アルゴリズムがノードネットワーク形式で構築され、各ノードがアルゴリズムにおいてシステム(10)の1つの機能と関連付けられてもよい。各ノードは、定義された個別のロジックの固有のセットを有する。このロジックは次いで、他のノードと通信する通信面を有する。各ノードは同時に、特異な統合的論理システムを作成する。これにより、各ノードを選択的に有効化/無効化する能力が得られるだけでなく、特異なノードを修正して、変化又は適応(手技の前又はシステムによって査定されている際に即座に)をそのノードに限定することができる。いくつかの変形例において、パラメータロジックステートメント及びアクションが、アクション/トリガーを与える抽象的関係を持つ個別のイベントによって定義されてもよい。新たなパラメータが必要とされる場合、ノードパラメータ/リンク関係の導入により、修正されたロジックが得られてもよい(例えば、新たなif/then型の入れ子をなすロジックのセットなどを得る代わりに)。また、ノードが除去されることも可能となり得る。更に、ファジー論理及び/又はニューラルネットワークの概念がノードネットワークタイプの制御アルゴリズムにおいて用いられてもよく、その制御アルゴリズムは、種々の患者の生理学的パラメータ間の関係など、曖昧さに基づいて事例を処理することを可能にするものである。したがって、理解されたいこととして、ノードネットワークタイプの論理構造は、相当な柔軟性をもたらし、種々の医療手技及び患者の対応を促進し得る。
【0032】
どのようにしてセーフティシェル制御アルゴリズムが所与の医療手技及び/又は患者に適応し得るかについて単に説明する一例として、初期の薬物投与量又は「負荷投与量」の持続時間が、他の患者と比較して相対的に高い物理的感度を示す患者に対して延長されてもよい。負荷投与量の間に患者がすべての反応性を失っている(例えば、完全に意識を失っている)ことをシステム(10)が検知した場合、システム(10)は、負荷投与量の今後の投与を調整する(例えば、期間を3分間超に延長し、量を減らす)ことによって、かつ/又は、後の維持投与量の間に与えられる量を調整することなどによって適応してもよい。患者が負荷投与量の後に高い応答性を示す場合、システム(10)はまた、負荷投与量の今後の投与を調整する(例えば、期間を3分間未満に短縮し、量を増やす)ことによって適応してもよい。単に説明のための別の例として、システム(10)は、必要時(PRN)投与の間の遅延を(例えば、90秒超に)増加させ、かつ/又は、PRN後に患者が脱飽和するかあるいは反応しなくなる場合にPRN投与の量を減らしてもよい。患者が依然として、PRN後に比較的反応する場合、システム(10)は、PRN投与の間の遅延を(例えば、90秒未満に)短縮し、かつ/又は、PRN投与の量を増やしてもよい。
【0033】
医療手技が期間中に継続すると、患者は血漿以外の組織及び神経系内に薬物を蓄積し得る。この蓄積したものは、薬物送達が減少した後、最終的に血漿の中に再び放たれ得る。許容可能な維持量が増加し、PRN投与量などはしたがって、時間の経過と共に低減され、この蓄積と釣り合いを取ることができる。長期間の手技にわたって、システム(10)のユーザー入力を介して臨床医によって確認された多数の「誤認警報」を患者が有する場合、システム(10)は適応し、そのような警報にあまり反応しなくなってもよい。例えば、システム(10)は、それが誤認警報である場合に臨床医に(例えば、タッチスクリーン(42)及び/又はタッチスクリーン(72)を介して)尋ねるプロンプトを用いて、警報とそれに関連する薬物作用との間に30秒の遅延を設けることができる。これにより、有害な薬物停止が実質的に防止され得る。
【0034】
患者ケアシステム(10)のいくつかの更なる例示的な変形例が以下でより詳細に説明されるが、他の変形例が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。また、理解されたいこととして、患者ケアシステムの1つ又は2つ以上の部及び/又は態様が、それぞれ参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,745,764号の教示内容及び/又は米国特許第7,833,213号の教示内容に従って提供されてもよい。
【0035】
II.例示的なオープンアーキテクチャフレームワーク
患者ケアシステム(10)のいくつかの変形例が、閉システムとして提供される。例えば、いくつかのそのような変形例は単純に、互いに結合され患者に結合されたBMU(40)とPRU(70)とからなってもよい。患者ケアシステム(10)のいくつかの他の変形例が、様々な他の装置及びサブシステムなどをシステム(10)と相互作用させる開システムとして提供されてもよい。そのような開システム(300)の単に説明のための例が図7に示されている。この例のシステム(300)は患者ケアシステム(310)を備え、患者ケアシステム(310)自体は、BMU(340)と、PRU(370)と、補助装置ドック(320)と、IV溶液送達システムドック(350)とを備える。患者ケアシステム(310)のいくつかの変形例において、BMU(340)及びPRU(370)は、上述のBMU(40)及びPRU(70)と同じ構成要素及び機能性を有する。この例のシステム(300)はまた、治療器具(322)と、エネルギー送達システム(324)と、ドック(320)を通じて患者ケアシステム(310)と結合される補助装置としての位置決めシステム(326)とを備える。しかしながら、理解されたいこととして、本明細書で説明する補助装置に加えてあるいはそれに代わって、様々な他の種類の装置がドック(320)を通じて患者ケアシステム(310)と結合され得る。例えば、画像誘導ディスプレイ(390)が、患者ケアシステム(310)と結合されない補助装置として示されているが、他の変形例においては患者ケアシステム(310)と結合され得る。一例に過ぎないが、タッチスクリーン(42、72)の一方又は両方が、超音波画像処理システムなどの画像処理システムから画像を表示し得る。
【0036】
本例において、補助装置のうちの1つは、ドック(320)と結合され得る治療器具(322)を備える。治療器具(322)には、RFアブレーション器具、HIFU器具、冷凍アブレーション器具、又は治療法を患者に送達するように動作可能な任意の他の種類の器具を挙げることができる。治療器具(322)として使用され得る他の好適な種類の器具が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。また、理解されたいこととして、治療器具(322)は、同様にドック(320)と結合され得る様々な種類の外科器具で置換されても、そのような外科器具を追加されてもよい。以下でより詳細に説明するように、患者ケアシステム(310)は、ドック(320)によって治療器具(322)にデータ及び/又はコマンドを与えることができ、そのため、治療器具(322)の動作は、BMU(340)から得られたデータ、PRU(370)に入力されたデータなどによって(例えば、実時間で)変化され得る。また、理解されたいこととして、治療器具(322)はドック(320)によって患者ケアシステム(310)にデータ及び/又はコマンドを与えることができ、そのため、患者ケアシステム(310)の動作は、治療器具(322)などからのフィードバックによって(例えば、実時間で)変化され得る。したがって、理解されたいこととして、患者ケアシステム(310)は治療器具(322)と(いずれかの方向に)一方向通信をなすかあるいは二方向通信をなす。
【0037】
治療器具(322)は、本例において直接、エネルギー供給システム(324)からエネルギーを受容するが、理解されたいこととして、治療器具(322)は患者ケアシステム(310)(例えば、調整電源供給など)からエネルギーを受容してもよい。エネルギー供給システム(324)はまた、データ及び/又はコマンド、並びに電力を、ドック(320)を介して患者ケアシステム(310)から受容してもよい。同様に、患者ケアシステム(310)は、データ及び/又はコマンドをエネルギー供給システム(324)から受容してもよい。
【0038】
システム(300)のもう1つの補助装置が位置決めシステム(326)であり、この位置決めシステム(326)は、治療器具(322)が患者の体内で治療法を送達する場所を制御するために、治療器具(322)を移動するように動作可能である。治療器具(322)及びエネルギー供給システム(324)と同様に、位置決めシステム(326)は、ドック(320)を介して患者ケアシステム(310)からデータ及び/又はコマンドを受容してもよい。例えば、位置決めシステム(326)は、BMU(340)によって治療器具(322)に対する患者の応答を実時間で追跡してもよく、位置決めシステム(326)は、BMU(340)から得られたデータに基づいて、治療器具(322)の位置を実時間で調整してもよい。言うまでもなく、患者ケアシステム(310)は、治療器具(322)からデータ及び/又はコマンドを受容してもよい。例えば、PRU(370)は、位置決めシステム(326)が治療器具(322)を移動させた位置に基づいて、かつ/又は、治療器具(322)の起動などに基づいて、患者への薬物の送達を調整してもよい。PRU(370)はまた、治療器具(322)から得られた他のデータに基づいて、患者への薬物の送達を調整してもよい。患者ケアシステム(310)が補助装置(322、324、326)と相互作用し得る他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。同様に、ドック(320)と結合され得る他の好適な種類の補助装置が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0039】
本例において、ドック(320、350)は、患者ケアシステム(310)と補助装置との間のハードウェアインターフェイスを提供している。例えば、患者ケアシステム(310)は、ドック(320、350)を通じて補助装置に電力を供給してもよく、そのため患者ケアシステム(310)は電力ハブとして働く。いくつかのそのような変形例において、ドック(320、350)は、1つ又は2つ以上のプラグ及びソケット結合を通じて、かつ/又は、任意の他の好適な種類の結合を通じて、電力の有線伝送をもたらす。それに代わって、電力は、誘導結合などによって、患者ケアシステム(310)から1台又は2台以上の補助装置へと無線式で伝達されてもよい。また、理解されたいこととして、ドック(320、350)が患者ケアシステム(310)と補助装置との間におけるデータ及び/又はコマンドの通信をもたらしてもよい。ここでも、そのような通信は、1つ又は2つ以上のプラグ及びソケット結合を通じて、かつ/又は任意の他の好適な種類の結合を通じてなされてよい。単に説明のための別の例として、データ及び/又はコマンドが、通常の無線RF通信プロトコル(例えば、ブルートゥースなど)をなど通じて、赤外線方式で、あるいは任意の他の好適な方式で、患者ケアシステム(310)と補助装置との間で無線式で通信されてもよい。また、理解されたいこととして、そのような通信は一方向であっても二方向であってもよい。更に、理解されたいこととして、補助装置の存在は、患者ケアシステム(310)のセーフティシェル制御アルゴリズムにおいて考慮されてもよい。
【0040】
患者ケアシステム(310)が、ドック(320)を通じて結合された1台又は2台以上の補助装置からデータ及び/又はコマンドを受信する変形例において、そのような補助装置は、BMU(340)によって監視される生理学的パラメータ(及び/若しくはPRU(370)がBMU(340)から処理する生理学的パラメータ)、PRU(370)によって実行されるセーフティシェル制御アルゴリズムのバージョン、PRU(370)によって送達される薬物の種類/量/持続時間/タイミング、並びに/又は、患者ケアシステム(310)が動作する方式の他の態様を制御してもよい。同様に、1台又は2台以上の補助装置が、患者ケアシステム(310)からデータ及び/又はコマンドを受信する変形例において、そのようなデータ及び/又はコマンドは、補助装置が動作する方式に影響を及ぼし得る。例えば、BMU(370)が患者の警戒すべき状態を検出した場合、1台又は2台以上の補助装置(例えば、電気手術装置など)が、少なくとも一時的に無効化されてもよい。
【0041】
いくつかの変形例において、患者ケアシステム(310)は制御ハブとして働き、コンピュータのオペレーティングシステムに対する等価物をなす。そのようなアーキテクチャにより、サードパーティが、サードパーティの固有の患者ケアシステム(310)の実装(例えば、特定の医療手技に関して)に基づいて、かつ/又は、サードパーティが患者ケアシステム(310)によって部分的に制御されることを望むサードパーティの独自の補助装置に基づいて、患者ケアシステム(310)によって実行され得るプログラムを記述することが可能となり得る。システム(300)のいくつかの変形例において、患者ケアシステム(310)は、ドック(320)と結合する補助装置及び/又はドック(350)と結合するIV溶液送達システム(352)が満たさなければならない1つ又は2つ以上の標準インターフェイス規格を提供する。そのようなインターフェイス規格は、補助装置が患者ケアシステム(310)と互換性を持つために必要となるソフトウェア/ファームウェアインターフェイスを規定し得る。ソフトウェア/ファームウェアインターフェイスに加えて、患者ケアシステム(310)の標準インターフェイス規格は、ドック(320、350)と物理的に結合するために補助装置が適合しなければならないハードウェアインターフェイス(例えば、プラグ及びソケットの形状など)を規定し得る。言うまでもなく、ドック(320)のソフトウェア/ファームウェアインターフェイス規格は、ドック(350)のソフトウェア/ファームウェアインターフェイス規格とは異なってもよい。同様に、ドック(320)のハードウェアインターフェイス規格は、ドック(350)のハードウェアインターフェイス規格とは異なってもよい。
【0042】
したがって、理解されたいこととして、患者ケアシステム(310)により、補助装置の製造業者及び他の供給業者は、患者ケアシステム(310)と共に動作可能となるように自身の補助装置を調整することが可能となる。例えば、電気手術装置のサードパーティ開発者は、患者ケアシステム(310)と互換性を持つようにするために、ソフトウェア/ファームウェアインターフェイス規格及びハードウェアインターフェイス規格を満たす電気手術装置を開発してもよい。更に、その同じサードパーティ開発者が、患者ケアシステム(310)のBMU(340)を通じて取得されたデータ及び/又は患者ケアシステム(310)から得られた他のデータに応答する、自身の電気手術装置内の制御アルゴリズムを開発してもよい。したがって、患者ケアシステム(310)との互換性を与えることにより、補助装置の機能性が高まり得る(例えば、BMU(40)から得られる実時間データなしには存在しない機能性が得られるなど)。
【0043】
補助装置が患者ケアシステム(310)と互換性を持つように調整される上記の状況に加えてあるいはそれに代わって、システム(300)は、既存の市販品の補助装置を患者システム(310)と互換性のあるものにする1台又は2台以上のアダプタを有してもよい。例えば、そのようなアダプタには、既存の補助装置の電力プラグ及び/又はデータプラグを患者ケアシステム(310)の電力ソケット及び/又はデータソケットと結合させるハードウェアアダプタが含まれ得る。それに加えてあるいはそれに代わって、アダプタには、ソフトウェア/ファームウェアインターフェイスアダプタが含まれ得るが、そのソフトウェア/ファームウェアインターフェイスアダプタは基本的に、患者ケアシステム(310)のプロトコルと所与の補助装置のプロトコルとの間で翻訳するものである。理解されたいこととして、ソフトウェア/ファームウェアインターフェイスアダプタは、既存のバージョンの患者ケアシステム(310)を付加的な補助装置に適応させるために追加及び/又は(例えば、ネットワークなどを介して)更新されてもよい。
【0044】
上記から理解されたいこととして、補助装置を患者ケアシステム(310)と結合させることにより、システム(300)のユーザーがシステム(300)の様々な構成要素を同時に監視及び制御することが容易となり得る。例えば、ユーザーは、様々な補助装置上のいくつものディスプレイ画面を見なければならない代わりに、補助装置についての情報を含み得る、患者ケアシステム(310)の1台のディスプレイ画面を単純に見ることが可能となり得る。それに加えて、BMU(340)を通じてあるいは他の形で取得されたデータに基づいて、患者ケアシステム(310)が、補助装置を少なくとも部分的に制御するように動作可能である変形例において、そのような自動制御により、ユーザーが医療手技の間に複数の種々の補助装置に対して手動で調整を行う必要が減じられ得る。換言すれば、ユーザーがさもなければ、複数の種々の独立したシステムと相互作用しなければならず、各システムが独自の操作インターフェイスを有し、各システムが互いと通信できない状況において、単一のユーザーインターフェイスを有する単一の総合システム(300)にて機能のすべてを結び付けることで、ユーザーにとっての利便性が相当に向上し得る。
【0045】
III.例示的な集中化
A.BMU用の例示的なドッキングステーション
図8〜10は、BMU(40)のいくつかの変形例と共に使用され得る例示的なドッキングステーション(400、500、600)を示している。特に、以下でより詳細に説明するように、ドッキングステーション(400、500、600)は、BMU(40)と結合していくつかのBMU(40)との電力及び/又はデータ通信を同時になすように動作可能である。例えば、各種類のドッキングステーション(400、500、600)が、BMU(40)の電池(44)を再充電するために、また電池(44)及び/又はBMU(40)の他のハードウェアを較正するために使用されてもよい。理解されたいこととして、そのような較正は自動であってよく、BMU(40)がドッキングステーション(400、500、600)と結合されると直ちに生じるものであり、ドッキングステーション(400、500、600)はBMU(40)の較正の必要性を自動的に判断する。同様に、ドッキングステーション(400、500、600)は、BMU(40)をドッキングステーション(400、500、600)と結合すると、BMU(40)に対して診断を実施することができる。いくつかの変形例において、各ドッキングステーション(400、500、600)は、電池のステータス、電池の調子、及び/又は電池の使用量の情報を監視し、電池(44)の充電及び寿命を最適化するためにそれに応じて充電方式を調整することなどによって、電池(44)の迅速な充電をもたらす。BMU(40)が1日の終わりにドッキングステーション(400、500、600)と結合される場合、そのような結合により、電池(44)が重放電することが防止され得る。
【0046】
ドッキングステーション(400、500、600)については、BMU(40)と結合されるものとして以下では説明されるが、理解されたいこととして、ドッキングステーション(400、500、600)のいくつかの他の変形例は単純に、直接電池(44)と結合してもよい。したがって、ユーザーは、電池(44)を再充電するために、電池(44)をBMU(40)から分離し、電池(44)をドッキングステーション(400、500、600)と結合することができる。ドッキングステーション(400、500、600)のそのような変形例は、BMU(40)とのドッキングステーション(400、500、600)の結合に関して以下で説明するものと類似した様々な方式で、電池(44)と結合してよい。また、理解されたいこととして、ドッキングステーション(400、500、600)のいくつかの変形例は電池充電能力に欠くこともある。例えば、事前に充電された電池の組が、別々に保管及び再充電されてもよく、また、使用済みの電池(44)を毎日あるいは必要に応じて交換するために使用されてもよい。いくつかのそのような変形例において、ドッキングステーション(400、500、600)は単純に、本明細書で説明するようにあるいは他の方式で、BMU(40)からかつ/又はBMU(40)にデータを通信するために使用される。加えて、ドッキングステーション(400、500、600)は以下ではいくつかのBMU(40)と同時に結合するものとして説明されているが、ドッキングステーション(400、500、600)のいくつかの変形例又は使用例は、単一のBMU(40)をドッキングステーション(400、500、600)とドッキングすることのみをもたらすかあるいは含んでもよい。したがって、理解されたいこととして、複数のポートがドッキングステーション(400、500、600)の一部として含められているという、本明細書における任意の教示は、単一のポートに修正されてもよい。
【0047】
ドッキングステーション(400、500、600)はまた、BMU(40)からデータを受信してもよい。そのようなデータは、BMU(40)及び/又はPRU(70)に関するデータを含んでもよいが、これは次に、請求の目的で、BMU(40)及び/若しくはPRU(70)が提供又は交換されることが必要となるときを判断する目的で、BMU(40)及び/若しくはPRU(70)と関連付けられる使い捨ての構成要素が処分又は修理されるべきか否かを判断する目的で、BMU(40)及び/若しくはPRU(70)の誤用を検出する目的で、かつ/又は、他の目的で使用されてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、ドッキングステーション(400、500、600)はまた、患者に関するデータをBMU(40)から受信してもよい。例えば、BMU(40)が1日の終わりにドッキングステーション(400、500、600)と結合される場合、ドッキングステーション(400、500、600)は、その日にBMU(40)を結合されていた患者に関するデータをBMU(40)から受信してもよい。
【0048】
以下でより詳細に説明するように、ドッキングステーション(400、500、600)はまた、ネットワークを介してリモートサーバー又は他の種類のコンピュータシステムと結合されてもよく、それにより、ドッキングステーション(400、500、600)は、ネットワークを介してBMU(40)からリモートサーバー又は他の種類のコンピュータシステムに少なくとも一部のデータを伝送することができる。一例に過ぎないが、ドッキングステーション(400、500、600)は、BMU(40)及び/又はPRU(70)の使用法、BMU(40)及び/又はPRU(70)に関連付けられる使い捨て構成要素の使用法などに関するデータを遠隔地に伝送してもよい。単に説明のための別の例として、BMU(40)から収集された患者情報が、ローカルなデータ伝送(例えば、USB接続、メモリカード伝送、LAN接続など)を通じて、又はネットワークを通じて(例えば、リモートサーバーなどへ)、ドッキングステーション(400、500、600)から医師の電子カルテシステムに伝送されてもよい。更に、遠隔地の医師(又はコンピュータシステム)が、ドッキングステーション(400、500、600)及びネットワークを介してリモートサーバーに伝送される、BMU(40)からの情報に基づいて、患者の診断を行うこと(及び/又は、いくつかの他の種類の分析を実施すること)ができる。複数のBMU(40)がドッキングステーション(400、500、600)と結合されるとき、ドッキングステーション(400、500、600)は、個別に(例えば、順次的な形式などで)、同時に、あるいは任意の他の好適な方式で、BMU(40)からデータを受信してよい。
【0049】
ドッキングステーション(400、500、600)がBMU(40)からデータを受信することに加えてあるいはそれに代わって、BMU(40)がドッキングステーション(400、500、600)からデータを受信してもよい。例えば、ドッキングステーション(400、500、600)は、ソフトウェア/ファームウェアのアップグレードをいくつかのBMU(40)に同時に伝送してもよい。一例に過ぎないが、ドッキングステーション(400、500、600)は、セーフティシェル制御アルゴリズムをBMU(40)に伝送してもよい。次に、BMU(40)は、BMU(40)が後にPRU(70)と結合されるとき、ドッキングステーション(400、500、600)から受信したデータの少なくとも一部をPRU(70)に中継してもよい。単に説明のための別の例として、ドッキングステーション(400、500、600)は、複数のBMU(40)が特定の施設で初めて使用されているとき、コンフィギュレーションユーティリティを提供するために使用されてもよい。換言すれば、ユーザーは、ドッキングステーション(400、500、600)を通じてそのようなコンフィギュレーションを実施することによって、いくつかのBMU(40)を同時に構成することができる。
【0050】
単に説明のための更に別の例として、ドッキングステーション(400、500、600)は、あるBMU(40)から別のBMU(40)へとデータを移すことができる。この一実装例が、ドッキングステーション(400、500、600)が複数のBMU(40)の全体にわたってデータ同期をもたらすことであってもよい。例えば、薬物カセット(86)のいくつかの変形例が、RFIDチップ、バーコード、又は他の識別子を含む。そのような識別子は、どの薬物カセット(86)が患者に使用されたかを識別するのに役立てるために使用されてもよく、また、この利用データは、使用済みの薬物カセット(86)を有するPRU(70)と結合されるBMU(40)に記憶されてもよい。BMU(40)が後にドッキングステーション(400、500、600)と結合されるとき、この薬物カセット(86)の利用情報は、ドッキングステーション(400、500、600)を介してBMU(40)の間で共有されてもよい。したがって、グループ内のすべてのBMU(40)が、さもなければ有することになる使用済みの薬物カセット(86)のリストよりも完全なリストを有し得る。したがって、BMU(40)が後に再び使用されるとき、そのBMU(40)は、使用済みの薬物カセット(86)を認識する能力がより高くなり、また、既に使用された薬物カセット(86)を有するPRU(70)と結合されたとき、様々な方式で応答することができる。例えば、BMU(40)は、BMU(40)によってかつ/又はPRU(70)によって、ユーザーに警告を提供してもよく、その警告は、薬物カセット(86)が既に使用されており、交換されるべきであることを示唆するものである。それに加えてあるいはそれに代わって、BMU(40)は、既に使用された薬物カセット(86)と共にPRU(70)が使用されていることをBMU(40)が検知したとき、BMU(40)及び/又はPRUを少なくとも部分的に動作不能にしてもよい。
【0051】
また、理解されたいこととして、リモートサーバー又は他の種類のコンピュータシステムがネットワークを介してドッキングステーション(400、500、600)にデータ(例えば、ソフトウェア/ファームウェアアップデートなど)を伝送してもよい。そのようなデータは、単にドッキングステーション(400、500、600)によって使用されるように、あるいはドッキングステーション(400、500、600)を介してBMU(40)に更に伝送されるように構成されてもよい。いくつかの事例において、リモートサーバー又は他の種類のコンピュータシステムが、ネットワークを介してPRU(70)のアップデートをドッキングステーション(400、500、600)に伝送してもよい。そのようなアップデートは、まずドッキングステーション(400、500、600)からBMU(40)に、次いでBMU(40)からPRU(70)に伝送されてよい(例えば、BMU(40)がドッキングステーション(400、500、600)から分離され、次いでPRU(70)と結合された後)。
【0052】
いくつかの変形例において、ドッキングステーション(400、500、600)は、BMU(40)がドッキングステーション(400、500、600)と結合されているか否かに関わらず、アップデートが入手可能となると直ちに、ドッキングステーション(400、500、600)、BMU(40)、及び/又はPRU(70)からそれらのアップデートを受け取る。ドッキングステーション(400、500、600)は次いで、BMU(40)がドッキングステーション(400、500、600)と結合されているとき、必要に応じてアップデートをBMU(40)に伝送する。理解されたいこととして、アップデートは、そのような変形例において、リモートシステムからドッキングステーション(400、500、600)に押しやられるか、あるいはドッキングステーション(400、500、600)から引き込まれ得る。いくつかの他の変形例において、ドッキングステーション(400、500、600)は、BMU(40)がドッキングステーション(400、500、600)と結合された後、ドッキングステーション(400、500、600)がユーザーから特定のコマンドを受け取った後、かつ/又はいくつかの他の条件下で、アップデートについてリモートサーバー又はコンピュータシステムに問い合わせる。次いで、ドッキングステーション(400、500、600)は、ドッキングステーション(400、500、600)がそれらのアップデートを受け取った直後に、アップデートをBMU(40)に中継する。様々な他の好適なアップデートのシナリオ及び実装が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0053】
いくつかの変形例において、ドッキングステーション(400、500、600)はまた、一体型プリンタ(図示せず)を有する。そのようなプリンタは、ドッキングステーション(400、500、600)に関する情報、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたBMU(40)から収集されたデータに関する情報、及び/又は様々な他の種類の情報を印刷するように動作可能であってよい。以下は、ドッキングステーション(400、500、600)の各例示的な変形例をより詳細に説明するものであるが、これらの変形例は単に例に過ぎないことを理解されたい。ドッキングステーション(400、500、600)が取り得る様々な他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0054】
1.BMUケーブルポートを有する例示的なドッキングステーション
図8は、各ケーブル(420)によって3台のBMU(40)と結合されたドッキングステーション(400)を示している。この例のドッキングステーション(400)は、対応するケーブル(420)のプラグ(422)を受容するように構成された複数のソケット(402)を有する。ソケット(402)及びプラグ(422)は、上述のように、ドッキングステーション(400)からBMU(40)への電力の伝達をもたらすように、かつ/又は、ドッキングステーション(400)とBMU(40)との間のデータの通信をもたらすように構成されている。いくつかの変形例において、ケーブル(420)は上述のケーブル(20)と同じである。例えば、ケーブル(420)は、上述のようにPRU(70)と結合するように構成されてもよく、また単純に、PRU(70)から引き抜かれ、ドッキングステーション(400)の選択されたソケット(402)に差し込まれてもよい。いくつかの他の変形例において、ケーブル(420)はケーブル(20)から分離している。例えば、ケーブル(420)は専用のドッキングケーブルであってもよく、USBケーブルであってもよく、あるいは任意の他の好適な構造であってもよい。また、理解されたいこととして、ドッキングステーション(400)はBMU(40)に無線式で電力及び/又はデータを伝送してもよい。例えば、ドッキングステーション(400)は、誘導結合によって電力(例えば、電池(44)を再充電するためなど)とデータ(例えば、BMU(40)を同期させるため、BMU(40)にアップデートを供給するためなど)の両方を伝送してもよい。単に説明のための別の変形例として、ドッキングステーション(400)は、ケーブル(420)によってBMU(40)への電力の伝達をもたらしても、また無線式でBMU(40)へのデータの通信をもたらしても、あるいはその逆であってもよい。電力及び/又はデータが伝達され得る様々な他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0055】
この例のドッキングステーション(400)はまた、ディスプレイスクリーン(404)とユーザー入力機構(406)とを有する。ディスプレイスクリーン(404)は、ドッキングステーション(400)と結合されているBMU(40)に関する情報を表示するように動作可能である。単に一例に過ぎないが、ディスプレイスクリーン(404)は、グラフィクスのレンダリングが可能なLCDスクリーン、複数の簡素なLED(例えば、変化するステータスを示すための1つ又は2つ以上のLED、ドッキングステーション(400)の電源がオンであることを示すための1つ又は2つ以上のLED、エラーを示すための1つ又は2つ以上のLEDなど)、並びに/又は任意の他の好適な種類のディスプレイを備えてもよい。いくつかの変形例において、ディスプレイスクリーン(404)は単純に、どのソケット(402)がケーブル(420)を結合されているかを示す。それに加えてあるいはそれに代わって、ディスプレイスクリーン(404)は、ドッキングステーション(400)と結合されたBMU(40)の電池(44)の充電ステータスを示してもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、ディスプレイスクリーン(404)は、BMU(40)から通信された他の情報(例えば、BMU(40)の使用に関する情報、BMU(40)を使用した患者に関する情報など)を示してもよい。ディスプレイスクリーン(404)を通じて提供され得る他の好適な種類の情報、並びにディスプレイスクリーン(404)が取り得る様々な好適な形態が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。言うまでもなく、本明細書で説明した他の構成要素と同様に、ディスプレイスクリーン(404)は単に任意選択によるものである。また、理解されたいこととして、ディスプレイスクリーン(404)は、スピーカー及び/又はいくつかの他のオーディオ出力で置き換えられるか、あるいはそれらを追加されてもよい。
【0056】
また、ディスプレイスクリーン(404)が含められるか否かに関わらず、理解されたいこととして、BMU(40)がドッキングステーション(400)と結合されているとき、BMU(40)のスクリーン(42)もまた情報を提供してよい。例えば、プラグ(422)をソケット(402)と結合すると、BMU(40)のスクリーン(42)がモードを変更し、そのBMU(40)に関する電池(44)の充電ステータスを表示し始めてもよい。スクリーン(42)はまた、ドッキングステーション(400)から受け取ったアップグレードに関する情報、及び/又は、1つ又は2つ以上のドッキングプロセスに関連付けられる他の情報を提示してもよい。BMU(40)がドッキングステーション(400)と結合されている間にスクリーン(42)上に示され得る他の種類の情報は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。また、理解されたいこととして、スクリーン(42)は、スピーカー及び/又はいくつかの他のオーディオ出力と置き換えられるか、あるいはそれらを追加されてもよい。
【0057】
ユーザー入力機構(406)には、タッチスクリーン、入力キー、及び/又はユーザー入力を受容するように動作可能な任意の他の好適な種類の機構を挙げることができる。単に一例に過ぎないが、ユーザー入力機構(406)は、遠隔装置からアップデートを取り出すために、BMU(40)にアップデートを伝送するために、情報についてBMU(40)に問い合わせるために、BMU(40)からの情報を分類するために、スクリーン(42)及び/若しくはスクリーン(404)上のディスプレイモードを変更するために、かつ/又は任意の他の機能のために、ユーザーによって操作されてよい。また、理解されたいこととして、ディスプレイスクリーン(404)及びユーザー入力機構(406)は(例えば、タッチスクリーンなどに)統合されてもよい。1台又は2台以上のユーザー入力機構(406)が設けられ使用され得る様々な好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。また、理解されたいこととして、本明細書で参照される様々な他の構成要素と同様に、ユーザー入力機構(406)は単純に、所望により除かれてもよい。
【0058】
ドッキングステーション(400)はまた、電力ケーブル(408)とデータケーブル(410)とを有する。本例において、電力ケーブル(408)及びデータケーブル(410)は別々のケーブルであり、電力ケーブル(408)はドッキングステーション(400)に電力を供給し、データケーブル(410)はドッキングステーション(400)とネットワークとの間のデータ通信をもたらすものである。いくつかの他の変形例において、データ及び電力の伝達は、単一のケーブルに統合される(例えば、BPLアダプタなどの電力線通信技術などを利用)。データケーブル(410)は、イーサネットケーブル、USBケーブル、RS232ケーブル、RS485ケーブル、及び/又はデータを通信するように動作可能な任意の他の好適な種類のケーブルを含んでよい。また、理解されたいこととして、ドッキングステーション(400)は無線通信機能を有してもよく、そのため、データケーブル(410)は所望によって除かれてもよい。更に、ドッキングステーション(400)は、データケーブル(410)又は無線アダプタを含むことに加えてあるいはそれに代わって、メモリカードインターフェイス、USBポート、及び/又は他の種類のデータハードウェアインターフェイスを含んでよい。いくつかの状況において、これらの種類のインターフェイスは、コンピュータネットワーク及び/又はラップトップコンピュータ若しくは他の携帯電子装置とドッキングステーション(400)との間などで、ドッキングステーション(400)にデータを伝送するために、かつ/又は、ドッキングステーション(400)からデータを伝送するために使用されてもよい。このことは、イーサネットネットワーク接続を得ることが困難であるか、あるいは室内でイーサネットケーブルを有することが望ましくない場合、及び/又は、無線通信規格に問題が起こり得る場合、望ましいこととなり得る。
【0059】
いくつかの状況において、ドッキングステーション(400)はIVポールに固定され、相当に機敏な移動性がドッキングステーション(400)にもたらされる。いくつかの他の状況において、ドッキングステーション(400)は、壁に、キャビネット内に、あるいは任意の他の好適な類の場所に装着される。また、理解されたいこととして、ドッキングステーション(400)のいくつかの変形例は、IVポール又は他の構造に装着されたBMU(40)の高さとおよそ同じ高さに装着されるかあるいは他の方式で配置され得る。そのような配置により、BMU(40)をドッキングステーション(400)と結合することが容易となり得る。言うまでもなく、ドッキングステーション(400)は、所望の通りに任意の好適な場所に配置されてよい。
【0060】
2.BMUドッキングステーションの例示的な連鎖
図9は、互いに結合された1対のドッキングステーション(500)を示しているが、理解されたいこととして、多数の付加的なドッキングステーション(500)がまた、連鎖をなしてドッキングステーション(500)と結合されてよい。ドッキングステーション(500)は図9において「500a」及び「500b」と符号を付けられているが、これらはいずれも、本例の両方のドッキングステーション(500)に共通する特徴について説明するとき、本明細書ではまとめて参照符号「500」として参照される。しかしながら、以下の説明にはまた、ドッキングステーション(500a)がドッキングステーション(500b)とは異なって構成されるいくつかの例が含まれる。本例の各ドッキングステーション(500)は、BMU(40)を受容するように構成されたドッキング凹部(502)を有する。各ドッキング凹部(502)は、1つ又は2つ以上の接点などのポート(図示せず)、誘導コイル、及び/又は他の機構を有し、その機構は、上述のように、ドッキングステーション(500)からBMU(40)への電力の伝達をもたらすように、かつ/又は、ドッキングステーション(500)とBMU(40)との間におけるデータの通信をもたらすように構成されたものである。そのようなポートは、BMU(40)がドッキング凹部(502)内に完全に嵌め込まれると直ちに、ドッキングステーション(500)とBMU(40)との間における電力/データの結合をもたらすように構成されてよい。
【0061】
この例のドッキングステーション(500)はまた、ディスプレイスクリーン(504)とユーザー入力機構(506)とを有する。ディスプレイスクリーン(504)は、ドッキングステーション(400)と結合されているBMU(40)に関する情報を表示するように動作可能である。単に一例に過ぎないが、ディスプレイスクリーン(504)は、グラフィクスのレンダリングが可能なLCDスクリーン、複数の簡素なLED(例えば、変化するステータスを示すための1つ又は2つ以上のLED、ドッキングステーション(500)の電源がオンであることを示すための1つ又は2つ以上のLED、エラーを示すための1つ又は2つ以上のLEDなど)、並びに/又は任意の他の好適な種類のディスプレイを備えてもよい。いくつかの変形例において、ディスプレイスクリーン(504)は、ドッキングステーション(500)と結合されたBMU(40)の電池(44)の充電ステータスを示してもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、ディスプレイスクリーン(504)は、BMU(40)から通信された他の情報(例えば、BMU(40)の使用に関する情報、BMU(40)を使用した患者に関する情報など)を示してもよい。ディスプレイスクリーン(504)を通じて提示され得る他の好適な種類の情報、並びにディスプレイスクリーン(504)が取り得る様々な好適な形態が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。言うまでもなく、本明細書で説明した他の構成要素と同様に、ディスプレイスクリーン(504)は単に任意選択によるものである。また、理解されたいこととして、ディスプレイスクリーン(504)は、スピーカー及び/又はいくつかの他のオーディオ出力で置き換えられるか、あるいはそれらを追加されてもよい。
【0062】
また、ディスプレイスクリーン(504)が含められるか否かに関わらず、理解されたいこととして、BMU(40)がドッキングステーション(500)と結合されているとき、BMU(40)のスクリーン(42)もまた情報を提示してよい。例えば、BMU(40)をドッキング凹部(502)の中に挿入すると、BMU(40)のスクリーン(42)がモードを変更し、そのBMU(40)に関する電池(44)の充電ステータスを表示し始めてもよい。スクリーン(42)はまた、ドッキングステーション(500)から受け取ったアップグレードに関する情報、及び/又は、1つ又は2つ以上のドッキングプロセスに関連付けられる他の情報を提示してもよい。BMU(40)がドッキングステーション(500)と結合されている間にスクリーン(42)上に示され得る他の種類の情報は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。また、理解されたいこととして、スクリーン(42)は、スピーカー及び/又はいくつかの他のオーディオ出力で代用されるか、あるいはそれらを追加されてもよい。
【0063】
ユーザー入力機構(506)には、タッチスクリーン、入力キー、及び/又はユーザー入力を受容するように動作可能な任意の他の好適な種類の機構を挙げることができる。単に一例に過ぎないが、ユーザー入力機構(506)は、遠隔装置からアップデートを取り出すために、BMU(40)にアップデートを伝送するために、情報についてBMU(40)に問い合わせるために、BMU(40)からの情報を分類するために、スクリーン(42)及び/若しくはスクリーン(504)上のディスプレイモードを変更するために、かつ/又は任意の他の機能のために、ユーザーによって操作されてよい。また、理解されたいこととして、ディスプレイスクリーン(504)及びユーザー入力機構(506)は(例えば、タッチスクリーンなどに)統合されてもよい。1台又は2台以上のユーザー入力機構(506)が設けられ使用され得る様々な好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。また、理解されたいこととして、本明細書で参照される様々な他の構成要素と同様に、ユーザー入力機構(506)は単純に、所望により除かれてもよい。
【0064】
ドッキングステーション(500a)はまた、電力ケーブル(508)とデータケーブル(510)とを有する。本例において、電力ケーブル(508)とデータケーブル(510)とは別々のケーブルであり、電力ケーブル(508)はドッキングステーション(500a)に電力を供給し、データケーブル(510)はドッキングステーション(500a)とネットワークとの間のデータ通信をもたらすものである。いくつかの他の変形例において、データと電力の伝達は、単一のケーブルに統合される(例えば、BPLアダプタなどの電力線通信技術などを利用)。データケーブル(510)は、イーサネットケーブル、USBケーブル、及び/又はデータを通信するように動作可能な任意の他の好適な種類のケーブルを含んでよい。また、理解されたいこととして、ドッキングステーション(500a)は無線通信機能を有してもよく、そのため、データケーブル(510)は所望によって除かれてもよい。更に、ドッキングステーション(500a)は、データケーブル(510)又は無線アダプタを含むことに加えてあるいはそれに代わって、メモリカードインターフェイス、USBポート、及び/又は他の種類のハードウェアインターフェイスを含んでよい。いくつかの状況において、これらの種類のインターフェイスは、コンピュータネットワーク及び/又はラップトップコンピュータ若しくは他の携帯電子装置とドッキングステーション(500a)との間などで、ドッキングステーション(500a)にデータを伝送するために、かつ/又は、ドッキングステーション(500a)からデータを伝送するために使用されてもよい。
【0065】
ドッキングステーション(500b)はまた、電力ケーブル(518)とデータケーブル(520)とを有する。電力ケーブル(518)は、ドッキングステーション(500a)内のソケットによって受容されるプラグ(538)を有し、そのため、電力がケーブル(518)を介してドッキングステーション(500a)からドッキングステーション(500b)に伝達される。ドッキングステーション(500b)はまたソケット(548)を有し、電力の更なる伝達のために、ケーブルを介して別のドッキングステーション(500)を結合することが可能となっている。理解されたいこととして、いくつかのドッキングステーション(500)がこの方式で結合されてよく、ケーブルによってあるいは別の方式でで、連鎖をなすそのようなすべてのドッキングステーション(500)に沿って電力を伝達することが可能となる。同様に、データケーブル(520)は、ドッキングステーション(500a)内のソケットによって受容されるプラグ(540)を有し、そのため、データがケーブル(520)を介してドッキングステーション(500a)とドッキングステーション(500b)との間で通信される。ドッキングステーション(500b)はまたソケット(550)を有し、電力のデータの通信のために、ケーブルによって別のドッキングステーション(500)と結合することが可能となっている。理解されたいこととして、いくつかのドッキングステーション(500)がこの方式で結合されてよく、ケーブルによってあるいは別の方式で、連鎖をなすそのようなすべてのドッキングステーション(500)に沿ってデータを伝送することが可能となる。
【0066】
本例において、電力ケーブル(508)とデータケーブル(510)は別々のケーブルであり、電力ケーブル(508)はドッキングステーション(500a)に電力を供給し、データケーブル(510)はドッキングステーション(500a)とネットワークとの間のデータ通信をもたらすものである。いくつかの他の変形例において、データと電力の伝達は、単一のケーブルに統合される(例えば、BPLアダプタなどの電力線通信技術などを利用)。データケーブル(510)は、イーサネットケーブル、USBケーブル、RS232ケーブル、RS485ケーブル、及び/又はデータを通信するように動作可能な任意の他の好適な種類のケーブルを含んでよい。また、理解されたいこととして、ドッキングステーション(500a)は無線通信機能を有してもよく、そのため、データケーブル(510)は所望によって除かれてもよい。更に、ドッキングステーション(500a)は、データケーブル(510)又は無線アダプタを含むことに加えてあるいはそれに代わって、メモリカードインターフェイス、USBポート、及び/又は他の種類のハードウェアインターフェイスを含んでよい。いくつかの状況において、これらの種類のインターフェイスは、ラップトップコンピュータ又は他の携帯電子装置とドッキングステーション(500a)との間などで、ドッキングステーション(500a)にデータを伝送するために、かつ/又は、ドッキングステーション(500a)からデータを伝送するために使用されてもよい。このことは、イーサネットネットワーク接続を得ることが困難であるか、あるいは室内でイーサネットケーブルを有することが望ましくない場合、及び/又は、無線通信規格に問題が起こり得る場合、望ましいこととなり得る。同様に、ケーブル(518、520)の一方又は両方が、ケーブル(508、510)に関連して上述したものと同じ変動を受け得る。
【0067】
いくつかの変形例において、ドッキングステーション(500a)は主ドッキングステーションとして働き、ドッキングステーション(500b)(及びそれに結合されている他のドッキングステーション(500))は受動ステーションとして働く。例えば、いくつかの変形例において、ドッキングステーション(500a)は、ディスプレイスクリーン(504)及び/又はユーザー入力機構(506)を有する、連鎖内で唯一のドッキングステーション(500)である。それに加えてあるいはそれに代わって、いくつかの変形例において、ドッキングステーション(500a)は、主充電回路、メモリ、及び/又は処理回路/ハードウェアを有し、ドッキングステーション(500b)及び鎖内の他のドッキングステーションは単純に、ドッキングステーション(500a)への中継器として働く。ドッキングステーション(500a)が主ドッキングステーションとして働く変形例において、ドッキングステーション(500b)又は他のドッキングステーションがディスプレイスクリーン(504)を有するか否かに関わらず、ドッキングステーション(500a)のディスプレイスクリーン(504)は、ドッキングステーション(500b)若しくは他のドッキングステーションについての情報、及び/又は、ドッキングステーション(500b)若しくは他のドッキングステーションと結合されたBMU(40)についての情報を表示してもよい。同様に、ドッキングステーション(500a)が主ドッキングステーションとして働く変形例において、ドッキングステーション(500b)又は他のドッキングステーションがユーザー入力機構(506)を有するか否かに関わらず、ドッキングステーション(500a)のユーザー入力機構(506)は、ドッキングステーション(500b)若しくは他のドッキングステーションを制御するために、かつ/又は、ドッキングステーション(500b)若しくは他のドッキングステーションと結合されたBMU(40)を制御するために使用されてもよい。ドッキングステーション(500a)とドッキングステーション(500b)などの他のドッキングステーションとの間に構成要素及び機能を割り当て得る様々な他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0068】
3.BMUドッキング凹部を有する例示的なドッキングステーション
図10〜11は、BMU(40)を受容するように構成された複数のドッキング凹部(602)を有するドッキングステーション(600)を示している。各ドッキング凹部(602)は、上述のように、ドッキングステーション(600)からBMU(40)への電力の伝達をもたらすように、かつ/又は、ドッキングステーション(600)とBMU(40)との間のデータの通信をもたらすように構成されたポート(612)を有する。各ポート(612)は、BMU(40)がドッキング凹部(602)内に完全に嵌め込まれると直ちに、ドッキングステーション(600)とBMU(40)との間における電力/データの結合をもたらすように構成されてもよい。単に一例に過ぎないが、ポート(612)は、1つ又は2つ以上の接点、誘導コイル、及び/又は他の機構を備えてよい。各ポート(612)は、ドッキングステーション(600)内のプロセッサ(620)と通信する。システムクロック(621)もまたプロセッサ(620)と通信する。
【0069】
この例のドッキングステーション(600)もまた、ディスプレイスクリーン(604)とユーザー入力機構(606)とを有し、これらもそれぞれプロセッサ(620)と通信する。ディスプレイスクリーン(604)は、ドッキングステーション(600)と結合されているBMU(40)に関する情報を表示するように動作可能である。単に一例に過ぎないが、ディスプレイスクリーン(604)は、グラフィクスのレンダリングが可能なLCDスクリーン、複数の簡素なLED(例えば、変化するステータスを示すための1つ又は2つ以上のLED、ドッキングステーション(600)の電源がオンであることを示すための1つ又は2つ以上のLED、エラーを示すための1つ又は2つ以上のLEDなど)、並びに/又は任意の他の好適な種類のディスプレイを備えてもよい。いくつかの変形例において、ディスプレイスクリーン(604)は単純に、どのドッキング凹部(602)がBMU(40)を挿入されているかを示す。それに加えてあるいはそれに代わって、ディスプレイスクリーン(604)は、ドッキングステーション(600)と結合されたBMU(40)の電池(44)の充電ステータスを示してもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、ディスプレイスクリーン(604)は、BMU(40)から通信された他の情報(例えば、BMU(40)の使用に関する情報、BMU(40)を使用した患者に関する情報など)を示してもよい。ディスプレイスクリーン(604)を通じて提供され得る他の好適な種類の情報、並びにディスプレイスクリーン(604)が取り得る様々な好適な形態が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。言うまでもなく、本明細書で説明した他の構成要素と同様に、ディスプレイスクリーン(604)は単に任意選択によるものである。また、理解されたいこととして、ディスプレイスクリーン(604)は、スピーカー及び/又はいくつかの他のオーディオ出力で置き換えられるか、あるいはそれらを追加されてもよい。
【0070】
また、ディスプレイスクリーン(604)が含められるか否かに関わらず、理解されたいこととして、BMU(40)がドッキングステーション(600)と結合されているとき、BMU(40)のスクリーン(42)もまた情報を提示してよい。例えば、BMU(40)をドッキング凹部(602)の中に挿入すると、BMU(40)のスクリーン(42)がモードを変更し、そのBMU(40)に関する電池(44)の充電ステータスを表示し始めてもよい。スクリーン(42)はまた、ドッキングステーション(600)から受け取ったアップグレードに関する情報、及び/又は、1つ又は2つ以上のドッキングプロセスに関連付けられる他の情報を提示してもよい。BMU(40)がドッキングステーション(600)と結合されている間にスクリーン(42)上に示され得る他の種類の情報は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。また、理解されたいこととして、スクリーン(42)は、スピーカー及び/又はいくつかの他のオーディオ出力で置き換えられるか、あるいはそれらを追加されてもよい。
【0071】
ユーザー入力機構(606)には、タッチスクリーン、入力キー、及び/又はユーザー入力を受容するように動作可能な任意の他の好適な種類の機構を挙げることができる。単に一例に過ぎないが、ユーザー入力機構(606)は、遠隔装置からアップデートを取り出すために、BMU(40)にアップデートを伝送するために、情報についてBMU(40)に問い合わせるために、BMU(40)からの情報を分類するために、スクリーン(42)及び/若しくはスクリーン(604)上のディスプレイモードを変更するために、かつ/又は任意の他の機能のために、ユーザーによって操作されてよい。また、理解されたいこととして、ディスプレイスクリーン(604)とユーザー入力機構(606)は(例えばタッチスクリーンなどに)統合されてもよい。1台又は2台以上のユーザー入力機構(606)が設けられ使用され得る様々な好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。また、理解されたいこととして、本明細書で参照される様々な他の構成要素と同様に、ユーザー入力機構(606)は単純に、所望によりなくてもよい。
【0072】
ドッキングステーション(600)はまた、電力ケーブル(608)とデータケーブル(610)とを有する。電力ケーブル(608)は、ドッキングステーション(600)内の電力供給機構(622)と通信する。電力供給機構(622)は、ドッキングステーション(600)の電池充電回路(624)及び他の構成要素に電力を供給する。電池充電回路(624)は、上述のようにドッキング凹部(602)内に受容されたBMU(40)の電池(44)を充電するように動作可能である。本例において、電力ケーブル(608)とデータケーブル(610)は別々のケーブルであり、電力ケーブル(608)はドッキングステーション(600)に電力を供給し、データケーブル(610)はドッキングステーション(600)とネットワークとの間のデータ通信をもたらすものである。いくつかの他の変形例において、データ及び電力の伝達は、単一のケーブルに統合される(例えば、BPLアダプタなどの電力線通信技術を使用するなどを利用)。データケーブル(610)は、イーサネットケーブル、USBケーブル、及び/又はデータを通信するように動作可能な任意の他の好適な種類のケーブルを含んでよい。また、理解されたいこととして、ドッキングステーション(600)は無線通信機能を有してもよく、そのため、データケーブル(610)は所望によって除かれてもよい。例えば、図11は、無線インターフェイス/ハブ(624)を有するドッキングステーション(600)を示している。
【0073】
理解されたいこととして、プロセッサ(620)は様々な種類のメモリと通信し得る。例えば、図11に示すように、本例のドッキングステーション(600)は、内部不揮発性メモリ(630)と、内部揮発性メモリ(632)と、メモリカードインターフェイス(634)とを有し、これらのすべてがプロセッサ(620)と通信する。本明細書で参照した他の構成要素と同様に、これらのメモリ構成要素の各々は、所望に応じて、置換、追加、又は更には省略されてもよい。図11はまた、ドッキングステーション(600)に任意選択によって含まれ得る様々な種類のポートを示しており、それらのポートには、モデム(640)、プリンタポート(642)、アナログ入力/出力ポート(644)、デジタル入力/出力ポート(646)、USBポート(648)、及びイーサネットポート(650)が含まれ、これらのすべては、プロセッサ(620)と通信しているものとして示されている。いくつかの状況において、これらの種類のインターフェイスは、ラップトップコンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他の電子装置とドッキングステーション(600)との間などで、ドッキングステーション(600)にデータを伝送するために、かつ/又は、ドッキングステーション(600)からデータを伝送するために使用されてもよい。ドッキングステーション(600)に含められ得る他の好適な種類のポートが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。単に一例に過ぎないが、無線ポート、RS232ポート、RS485ポート、及び/又はI2Cポートが、上記のポートのいずれかに加えてあるいはそれに代わって設けられてもよい。言うまでもなく、ドッキングステーション(600)は、複数のポートを有する必要はなく、上記のポートなどのすべてではなくともほとんどを単純に除いてもよい。ドッキングステーション(600)に組み込まれ得る他の好適な構成要素、機構、構成、及び操作性が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。また、理解されたいこととして、図11に示す様々な構成要素はドッキングステーション(600)の文脈で示されているが、これらの構成要素はドッキングステーション(400、500)にも容易に組み込まれ得る。
【0074】
4.ドッキングステーションを通じて実施される例示的なプロセス
図12A及び12Bは、ドッキングステーション(400、500、600)を通じて実施され得る例示的なプロセスを示している。理解されたいこととして、これらのプロセスのうちの少なくとも一部は、ドッキングステーション(400、500、600)の1台又は2台以上のプロセッサによって実施されてよく、かつ/又は、これらのプロセスのうちの少なくとも一部は、BMU(40)の1台又は2台以上のプロセッサによって実施されてよい。また、理解されたいこととして、そのようなプロセッサは、限定するものではないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGA、CPLD、及び/又は任意の他の好適な種類のハードウェア又はソフトウェア処理装置を含めて、様々な構成要素を含んでよい。図12A及び12Bに示すように、プロセスは、少なくとも1台のBMU(40)がドッキングステーション(400、500、600)とドッキングされているか否かに関する判断で開始する(工程(700))。この判断は、自動的にされても手動でされてもよい。例えば、この判断は、ドッキングステーション(400、500、600)内に1台又は2台以上のセンサーを設けて、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されているBMU(40)の存在を検知することによって、自動でされてもよい。同様に、BMU(40)をドッキングステーション(400、500、600)と結合すると、回路が閉じられていることに応答してある機構を起動する回路を簡単に閉じることができる。この判断が自動的になされ得る他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。この判断は、ユーザー入力機構(406、506、606)を通じてあるいは他の方式でユーザーがドッキングステーション(400、500、600)に結合を知らせることによって、手動でなされてもよい。
【0075】
少なくとも1台のBMU(40)がドッキングステーション(400、500、600)とドッキングされていると判断されると、様々な他のサブプロセスが次いで実施され得る。例えば、図12A及び12Bは、コンフィギュレーションデータ要求プロセス(工程(710))と、記憶データ要求プロセス(工程(730))と、アプリケーションソフトウェア要求プロセス(工程(740))と、電池充電要求プロセス(工程(760))と、診断/較正要求プロセス(工程(780))と、スクリーンセーバー更新プロセス(工程(799))とを示している。これらのサブプロセスについて、以下でより詳細に説明することにする。理解されたいこととして、これらのサブプロセスの各々は単に説明のための例であり、各々は所望の通りに、置換、追加、変更、又は省略されてよい。ドッキングステーション(400、500、600)を通じて実施され得る様々な他の好適なプロセスが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0076】
特に図12Aを参照すると、コンフィギュレーションデータ要求(工程(710))が開始され、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)に対してコンフィギュレーションデータを更新するべきか否かに関して判断され得る(工程(712))。そのようなコンフィギュレーションデータには、限定するものではないが、ディスプレイ設定/限度、患者監視設定/限度、警報設定/限度、電池充電設定/限度、電池較正設定/限度、ポート設定、RTCクロック設定/限度などを含めて、様々なものが含まれ得る。工程(712)における判断は、ドッキングステーション(400、500、600)が最初に構成/導入されたときになされた選択に基づくことなどによって自動的に、あるいは、図12Aに示すプロセスが実施されるたびにユーザーが工程(712)にてユーザー入力機構(406、506、606)を介してなした選択に基づくことなどによって手動で行われてよい。すべてのBMU(40)がこの段階でコンフィギュレーションデータを更新されない場合、ドッキングステーション(400、500、600)は単純に、確認のためにユーザーにデータ又はバージョンを提示する(例えば、ユーザーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)かあるいは他の方式で出力してもよい(工程(714))。例えば、工程(714)は、入手可能であったがアップロードされなかった更新済みのコンフィギュレーションデータ又はバージョンを示す情報をユーザーに提示することを含んでもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、工程(714)は、更新が可能であるにも関わらず依然としてBMU(40)内にあるコンフィギュレーションデータ又はバージョンを示す情報をユーザーに提示することを含んでもよい。いくつかのBMU(40)がドッキング(400、500、600)と結合されており、これらのBMU(40)の間でコンフィギュレーションデータ又はバージョンに違いがある場合、工程(714)は、BMU(40)ごとにBMU(40)のコンフィギュレーションデータ又はバージョンの情報をユーザーに提示することを含んでもよい。
【0077】
工程(712)にて、すべてのBMU(40)がそれらのコンフィギュレーションデータを更新するべきであると判断された場合、このプロセスは次に、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)に対して同じコンフィギュレーションデータが望ましいか否かを判断する(工程(716))。ここでも、この判断は、ドッキングステーション(400、500、600)が最初に構成/導入されたときになされた選択に基づくことなどによって自動的に、あるいは、図12Aに示すプロセスが実施されるたびにユーザーが工程(716)にてユーザー入力機構(406、506、606)を介してなした選択に基づくことなどによって手動で行われてよい。すべてのBMU(40)が同じコンフィギュレーションデータで更新されない場合、ドッキングステーション(400、500、600)は単純に、確認のためにユーザーにデータ又はバージョンを提示する(例えば、ユーザーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)かあるいは他の方式で出力してもよい(工程(714))。理解されたいこととして、工程(714)は、ここでは上述した方式と同じ方式で実施されてもよく、あるいは、工程(714)は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、なんらかの他の方式で実施されてもよい。また、理解されたいこととして、いくつかの変形例において、工程(712)は、更新が望まれるとき、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)を更新するようにユーザーに要求する代わりに、選択したBMU(40)のみをユーザーが更新できるようにしてもよい。例えば、種々のBMU(40)が種々の医療手技で使用され、種々のコンフィギュレーションデータが使用される場合、ユーザーがBMU(40)の更新版を区別することを望むことがある。ドッキングステーション(400、500、600)はしたがって、BMU(40)ごとにBMU(40)のコンフィギュレーションデータの更新を可能にし得る。
【0078】
工程(716)にて、すべてのBMU(40)が同じコンフィギュレーションデータで更新されるべきであると判断された場合、ユーザーは、好ましいコンフィギュレーションを(例えば、ユーザー入力機構(406、506、606)などを介して)選択又は入力するように指示される(工程(718))。この選択がなされると、コンフィギュレーションデータは次いで、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)に対して更新される(工程(720))。更新が完了した後、ドッキングステーション(400、500、600)は、確認のためにユーザーにデータ又はバージョンを提示する(例えば、ユーザーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)かあるいは他の方式で出力してもよい(工程(714))。理解されたいこととして、工程(714)は、ここでは上述した方式と同じ方式で実施されてもよく、あるいは、工程(714)は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、なんらかの他の方式で実施されてもよい。
【0079】
ここでも図12Aを参照すると、記憶データ要求(工程(730))が開始され、BMU(40)に記憶されたデータが、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)の間で同期されるべきか否かに関して判断され得る(工程(732))。この判断は、ドッキングステーション(400、500、600)が最初に構成/導入されたときになされた選択に基づくことなどによって自動的に、あるいは、図12Aに示すプロセスが実施されるたびにユーザーが工程(732)にてユーザー入力機構(406、506、606)を介してなした選択に基づくことなどによって手動で行われてよい。1台又は2台以上のBMU(40)からのデータが、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)の間で同期されない場合、ドッキングステーション(400、500、600)は、確認のためにユーザーにデータ又はバージョンを提示する(例えば、ユーザーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)かあるいは他の方式で出力してもよい(工程(714))。理解されたいこととして、工程(714)は、ここでは上述した方式と同じ方式で実施されてもよく、あるいは、工程(714)は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、なんらかの他の方式で実施されてもよい。
【0080】
工程(732)にて、1台又は2台以上のBMU(40)からのデータが、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)の間で同期されると判断された場合、ドッキングステーション(400、500、600)は、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)からデータをダウンロードする(工程(734))。そのようなデータには、セーフティシェルの動作に関するデータ、BMU(40)内のハードウェアに関するデータ、BMU(40)の使用に関するデータ、BMU(40)と結合されたPRU(70)に関するデータ、BMU(40)と結合された患者に関するデータ、及び/又は他の好適な種類のデータが含まれ得る。データがダウンロードされると(かつ/又はデータがダウンロードされている間)、ドッキングステーション(400、500、600)は、特定のパラメータに基づいてデータを結合及び整理する(工程(736))。データが結合及び整理された後(かつ/又はデータが結合/整理されている間)、データは、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)にアップロードされて、BMU(40)上のデータが同期される(工程(738))。次いでドッキングステーション(400、500、600)は、確認のためにユーザーにデータ又はバージョンを提示する(例えば、ユーザーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)かあるいは他の方式で出力してもよい(工程(714))。理解されたいこととして、工程(714)は、ここでは上述した方式と同じ方式で実施されてもよく、あるいは、工程(714)は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、なんらかの他の方式で実施されてもよい。単に説明のための別の例として、この状況における工程(714)は、電池充電履歴、較正履歴、カセット使用、PRU接続、及び/又は装置使用履歴など、既に記憶されたデータを出力することを含んでもよい。そのようなデータは、すべてのBMU(40)から結合されてもよく(例えば、データが工程(732、734、736、738)を通じて同期されているときなど)、かつ/又は、BMU(40)ごとにBMU(40)に提供されてもよい。
【0081】
図12Aにも示すように、アプリケーションソフトウェア要求プロセス(工程(740))が開始し、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)でソフトウェアバージョンが同じであるか否かについての判断がなされ得る(工程(742))。これは、ドッキングステーション(400、500、600)による単純な問い合わせと比較を通じて実施され得る。BMU(40)にあるソフトウェアバージョンを示す情報を受け取った後、ドッキングステーション(400、500、600)はまた、そのようなソフトウェアに関してアップグレードが利用可能であるか否かを判断してもよい(工程(744))。いくつかの状況において、アップグレードはすでにドッキングステーション(400、500、600)上に存在する。例えば、ドッキングステーション(400、500、600)の電源が周期的にあるいは他の方式でオンにされるたびに、ドッキングステーション(400、500、600)は、ソフトウェアアップグレードを求めてネットワークを自動的に探索してもよい。単に説明のための別の例として、ドッキングステーション(400、500、600)は、プロセスが工程(744)に達したとき、ソフトウェアアップグレードを求めてネットワークのみを探索してもよい。それに代わって、ドッキングステーション(400、500、600)は、任意の他の好適な方式でソフトウェアアップグレードを受け取ってもよい。
【0082】
ソフトウェアアップグレードが利用可能でない場合、またBMU(40)上の各ソフトウェアバージョンが異なっていることが判明した場合、ドッキングステーション(400、500、600)は、すべてのBMU(40)の間でソフトウェアバージョンを同期させてもよい。ドッキングステーション(400、500、600)は、この工程を実際に実施する前に、この工程を実施することを確認するようにユーザーに指示してもよい。いずれにしても、ソフトウェアアップグレードが利用可能である場合、ドッキングステーション(400、500、600)は、ソフトウェアがBMU(40)上でアップグレードされるべきか否かを示すようにユーザーに指示してもよい(工程(746))。そのような指示は、ユーザーインターフェイス(404、504、604、42)を通じて提示されてもよく、また、ユーザーの応答はユーザー入力機構(406、506、606)を通じて受け取られてもよい。ユーザーがソフトウェアのアップグレードを拒否した場合、ドッキングステーション(400、500、600)は、確認のためにユーザーにデータ又はバージョンを提示する(例えば、ユーザーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)かあるいは他の方式で出力してもよい(工程(714))。理解されたいこととして、工程(714)は、ここでは上述した方式と同じ方式で実施されてもよく、あるいは、工程(714)は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、なんらかの他の方式で実施されてもよい。例えば、ソフトウェアの以前のバージョンは、アップグレードが生じなかったこと、及び、以前のバージョンが依然として存在し、十分に機能していることなどを確認するために、ユーザーに提示されてもよい。
【0083】
ユーザーがソフトウェアのアップグレードを選んだ場合、ドッキングステーションは、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)に新しいソフトウェアをアップロードしてよい(工程(748))。ドッキングステーション(400、500、600)は次いで、任意選択により、アップグレードがBMU(40)上で成功したか否かを確認してもよい(工程(750))。アップグレードが成功しなかった場合、ドッキングステーション(400、500、600)はそのプロセスを繰り返してもよい。アップグレードが成功した場合、ドッキングステーション(400、500、600)は、確認のためにユーザーにデータ又はバージョンを提示する(例えば、ユーザーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)かあるいは他の方式で出力してもよい(工程(714))。理解されたいこととして、工程(714)は、ここでは上述した方式と同じ方式で実施されてもよく、あるいは、工程(714)は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるように、なんらかの他の方式で実施されてもよい。
【0084】
ここで図12Bを参照すると、電池充電要求(工程(760))が開始され、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)で電池充電が必要であるか否かに関して判断され得る(工程(762))。これは、単純に各BMU(40)の電池(44)に依然として残存する充電量を測定することによって行われてもよい。工程(762)にて判断を行う際、ドッキングステーション(400、500、600)は、所定の閾値に対して、各電池(44)の充電量を比較してもよい。例えば、ドッキングステーション(400、500、600)は、電力レベルが90%未満である場合には電池(44)が再充電されるべきであり、また、電力レベルが90%超である場合には再充電は必要でないと判断してもよい。他の好適な閾値及びアルゴリズムが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。電池の充電が必要でないと判断された場合、ドッキングステーション(400、500、600)はユーザーにデータを提示するか(例えば、ユーザーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)あるいは別の方式で出力して、充電が必要でないことを示し、かつ/又はそのような電池(44)の充電レベルを示してもよい(工程(764))。
【0085】
電池の充電が必要であると判断された場合、ドッキングステーション(400、500、600)は、各電池(44)の充電状態を判定し(工程(766))、電池(44)ごとに、ドッキングステーション(400、500、600)及び/又はBMU(40)内の充電回路を有効化してもよい(工程(768))。電池(44)が充電されている間、ドッキングステーション(400、500、600)は、各電池(44)の充電パラメータを監視し続けてもよい(工程(770))。所望により、ユーザーインターフェイス(404、504、604)及び/又はユーザーインターフェイス(42)は、電池(44)が再充電されているとき、関連する電池(44)の充電ステータスを表示してもよい。そのようなステータスが、実時間であるいはほぼ実時間で更新されてもよい。ドッキングステーション(400、500、600)は、電池(44)が完全に充電されているか否かを繰り返し判断してもよい(工程(774))。電池(44)が完全に充電されていない場合、ドッキングステーション(400、500、600)は、電池(44)が完全に充電される(あるいは少なくとも十分に充電される)まで、電池(44)を充電し続けてよい。電池(44)が再び完全に充電されたとドッキングステーション(400、500、600)が判断すると、ドッキングステーション(400、500、600)は、電池(44)が完全に充電されたことを示すデータをユーザーに提示するか(例えば、ユーザーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)あるいは他の方式で出力してもよい(工程(764))。
【0086】
また図12Bに示すように、診断/較正要求プロセス(工程(780))が開始し、診断/較正試験が必要であるか否かが判定され得る。そのような試験は、BMU(40)のハードウェア、ソフトウェアなどが適切に作動しているか否かを判断するために、かつ/又はそれらが適切に較正されるようにするために用いられてもよい。いくつかの変形例において、試験が必要であるか否かの判断は、試験が最後に実施されてからの時間の経過に基づく。例えば、ドッキングステーション(400、500、600)は、そのような試験が実施される事例を追跡してもよく、また、所定の周期で試験が必要であることを示すロジックを含んでもよい。その判断を自動化するための他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。それに代わって、ドッキングステーション(400、500、600)は、ドッキングステーション(400、500、600)が診断/較正を実施することをユーザーが望むか否かを示すようにユーザーに指示してもよい。いずれにしても、診断/較正が必要でないと判断された場合、ドッキングステーション(400、500、600)は単純に、診断/較正試験が必要でないという示唆をユーザーに提示するか(例えば、ユーサーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)あるいは他の方式で出力してもよい(工程(784))。
【0087】
診断/較正試験が必要であると判断された場合、ドッキングステーション(400、500、600)は、試験/較正が手動入力に基づいて実施されるか、あるいは純粋に自動化されたシーケンスに基づいて実施されるか否かを判断してもよい(工程(786))。試験/較正が手動入力に基づいて実施される場合、ユーザーは次いで、ユーザー入力機構(406、506、606)などを通じて、試験/較正のための所望のパラメータなどを入力する(工程(788))。試験/較正が手動入力に基づいて実施されるか、あるいは純粋に自動化されたシーケンスに基づいて実施されるかに関わらず、ドッキングステーション(400、500、600)は、ドッキングステーションと結合されたBMU(40)に対して試験/較正を実施する(工程(790))。試験/較正が完了した後、ドッキングステーション(400、500、600)は試験/較正が成功したことを確認する(工程(792))。試験/較正が成功しなかった場合、試験/較正は繰り返される。試験/較正の成功が確認された後、診断/較正試験が完了したという示唆をユーザーに提示するか(例えばユーサーインターフェイス(404、504、604、42)などを介して)あるいは他の方式で出力する(工程(784))。
【0088】
図12Bはまた、スクリーンセーバー更新プロセス(工程(799))を示しており、このスクリーンセーバー更新プロセスは、1台又は2台以上のBMU(40)がドッキングステーション(400、500、600)と結合されているという判断に基づいて実施されてよい。このサブプロセスは、1台又は2台以上のユーザーインターフェイス(404、504、604、42、72)が、必ずしも医療データに関連しないスクリーンセーバー又は他の種類の視覚的レンダリングを表示するように動作可能であるときに利用されてもよい。例えば、そのようなスクリーンセーバー又は他の種類の視覚的レンダリングは、広告などを含んでもよい。したがって、スクリーンセーバー更新プロセスは、ドッキングステーション(400、500、600)と結合されたすべてのBMU(40)に対してスクリーンセーバーを更新するために利用され得る。例えば、ドッキングステーション(400、500、600)は、任意の好適な基準でネットワークからスクリーンセーバーの更新版を受け取ることができ、また、BMU(40)をドッキングステーション(400、500、600)と結合すると、そのようなスクリーンセーバーのうちの1つ又は2つ以上をBMU(40)に自動的に伝送することができる。単に説明のための別の例として、ドッキングステーション(400、500、600)は、複数のスクリーンセーバーをすでに記憶していてもよく、また、これらの事前に保存されたスクリーンセーバーから引き出して、周期的にBMU(40)のスクリーンセーバーを更新してもよい。言うまでもなく、本明細書で説明する他のプロセスと同様に、(例えば、スクリーンセーバーが使用されないか、あるいは変更され得ない変形例などにおいて)スクリーンセーバー更新プロセスは単純に除かれてもよい。ドッキングステーション(400、500、600)を通じて実施され得る更に他の好適なプロセスが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0089】
B.PRUの遠隔監視及び制御のための例示的な中央制御ユニット
図13は、複数のPRU(70)が中央ステーション(702)と結合される例示的なシステム(700)を示している。中央ステーション(702)は、ネットワークを介してPRU(70)と通信するサーバー及び/又は他のコンピュータ関連のハードウェア構成要素を有してもよい。例えば、そのような通信は、ケーブルを介して及び/又は無線式で提供されてよい。また、理解されたいこととして、中央ステーション(702)は、病院の患者医療記録データベースなど、1台又は2台以上の他の装置又はシステム(704)と結合されてもよい。いくつかの変形例において、麻酔科医などの人物が中央ステーション(702)に座り、中央ステーション(702)を介して複数のPRU(70)の動作を同時に監視しかつ/又は少なくとも部分的に制御することが可能である。企図されることとして、中央ステーション(702)のいくつかの変形例は、固定された又は所定の地理的位置を有さなくてもよい。例えば、中央ステーション(702)のいくつかの変形例は、麻酔科医又は他の人物によって携帯されるスマートホン又は他の携帯電子装置を含んでもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、中央ステーション(702)は、様々な位置からアクセス可能である安全なウェブインターフェイス又は他のポータルを通じて設けられてもよい。したがって、本明細書において、ある人物が中央制御ステーション(702)に「いる」という言及は、中央制御ステーション(702)が固定の位置にあるいは所定の位置にいることなどを要求するものとして読まれるべきではない。
【0090】
本例において、中央ステーション(702)は、PRU(70)の動作を統合的に表示するものである。例えば、中央ステーション(702)は、ユーザーが、各PRU(70)と関連付けられる1つ又は2つ以上のウィンドウ又はスクリーンに目を通すことなどによって、各PRU(70)と関連付けられるデータを個別に選択的に閲覧することを可能にし得るものである。例えば、中央ステーション(702)は、各PRU(70)がどのように動作しているかを示すデータをユーザーが実時間で閲覧することを可能にし得る。中央ステーション(702)はまた、PRU(70)の使用に関する履歴データ、PRU(70)を通じて与えられた警報に関するデータなどを確認するための媒体を提供してもよい。各PRU(70)に関するデータを個別に示すことに加えて、中央ステーション(702)はまた、PRU(70)と関連付けられるデータをユーザーが総合的に閲覧することを可能にし得る。例えば、中央ステーション(702)は、各PRU(70)から受け取ったデータを処理し、複数のPRU(70)から得たデータに基づいた平均、傾向、及び/又は他の総合的情報を示すレポートを提供してもよい。
【0091】
同様に、中央ステーション(702)は、BMU(40)からの(例えば、中央ステーション(702)のPRU(70)と結合されたBMU(40)などからの)データを総合的に表示してもよい。したがって、中央ステーション(702)にいる人物は、BMU(40)を結合された患者の物理的パラメータを監視すると共に、PRU(70)からの薬物及び酸素などの送達を監視することもできる。それに加えてあるいはそれに代わって、中央ステーション(702)は、他の患者情報(例えば、BMU(40)を結合された患者の身元、BMU(40)を結合された患者の人口統計学データ、BMU(40)を結合された患者の記録からの抜書き及び/又は注意書きなど)、BMU(40)を結合された患者に実施されている医療手技、各BMU(40)を備えた部屋にいる臨床チーム(例えば、医者、看護師など)、並びに/又は、様々な他の種類の情報をユーザーに提示してもよい。PRU(70)から得られるデータと同様に、BMU(40)から得られるデータは、各BMU(40)に関連する中央ステーション(702)にいるユーザーに個別に、かつ/又は、複数のBMU(40)に関連する集合的情報として提示されてもよい。また、各BMU(40)が設置されている各部屋から中央ステーション(702)にいるユーザーにストリーミングビデオを提供して、中央ステーション(702)にいるユーザーが各医療手技を実時間で視聴できるようにするために、1台又は2台以上のカメラが使用されてもよい。
【0092】
本例の中央ステーション(702)はまた、中央位置から1台又は2台以上のPRU(70)を制御するために使用されてもよい。例えば、制御ステーション(702)は、PRU(70)のセーフティシェル制御アルゴリズムを置き換えるために、さもなければセーフティシェルに従ってPRU(70)を通じて送達される薬物の送達を停止するために、PRU(70)を通じた酸素の送達を向上させるために、PRU(70)のパラメータ及び/若しくはセーフティプロファイルを変更するために、PRU(70)による1種類又は2種類以上の薬物の送達速度を変化させるために、かつ/又は、そのほかの方式でPRU(70)の動作を変化させるために使用されてもよい。いくつかのそのような変形例において、中央ステーション(702)は、そのような処置が遠隔式でなされたことをPRU(70)のユーザー(例えば、臨床医)に通知してもよい。加えて、いくつかのそのような変形例において、中央ステーション(702)にいる操作者が、PRU(70)による薬物送達を減少させることしかできず、PRU(70)による薬物送達を増加させることができないように、中央ステーション(702)にいる操作者による制御が制限されることがある。制御ステーション(702)にいるユーザーはまた、PRU(70)の警告レベルを設定し、さもなければPRU(70)のセーフティシェル制御アルゴリズムを修正し、かつ/又は、PRU(70)内で始動された警告に応答してもよい。
【0093】
単に説明のための別の例として、PRU(70)は2モードのセーフティシェルを設けられてもよい。例えば、1つのモードは、非麻酔科医によって(例えば、臨床医/看護師のチームによって)PRU(70)を操作するために構成されてもよい。このモードにおいて、セーフティシェルは、薬物送達に対する制限など、PRU(70)の動作に対して特定の制限を課してもよく、かつ/又は、患者の応答性に種々の感度を設けてもよい。第2のモードは、制御ステーション(702)に着席する麻酔科医によってPRU(70)を操作するために構成されてもよい。そのような第2のモードのいくつかの変形例において、制御ステーション(702)にいる麻酔科医は、第1のモード下で課せられる薬物送達の制限を受けることなく、標準的な薬物注入ポンプ(例えば、プロポフォール注入ポンプ)としてPRU(70)を制御してもよい。麻酔科医は、所与のPRU(70)をセーフティシェルの第1のモードからセーフティシェルの第2のモードへ、そしてその逆に切り換える能力を制御ステーション(702)にて与えられ得る。いくつかのそのような変形例において、セーフティシェルの第2のモードは、BMU(40)からのデータに基づいて、患者の物理的パラメータが特定の状態(例えば、患者の安定化)に戻るかあるいは特定の状態に達したとき、PRU(70)をセーフティシェルの第1のモードに再び切り換えることのみを認めることになる。
【0094】
制御ステーション(702)が、拡張された機能を麻酔科医に与える変形例において(例えば、上述した第2のモードなど)、制御ステーション(702)は、麻酔科医の身元を確認するための機構を有してもよい。例えば、制御ステーション(702)は、生体認証機構(例えば、指紋読取り機、網膜スキャナーなど);パスワード保護;手動キースイッチ;RFIDタグ;EASタグ;磁気、光学、又は物理的カード読取り装置などを有してもよい。センサーに近づけることで検出可能なRFIDタグ又は同様の種類の装置の存在を感知する変形例において、制御ステーション(702)は、麻酔科医が制御ステーション(702)を去ると直ちに、より制限されたモード(例えば、上述の第1のモード)に再び自動的に切り替わるように構成されてもよい。
【0095】
中央ステーション(702)はまた、PRU(70)を介して患者、看護師、臨床医、及び/又は他の人物と通信するために使用されてもよい。例えば、中央ステーション(702)にいる人物が、少なくとも1台の選択されたPRU(70)のディスプレイスクリーン(72)に、テキストメッセージ、ビデオメッセージ、ストリーミングビデオなどを送信してもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、中央ステーション(702)にいる人物が、少なくとも1台の選択されたPRU(70)を通じて別の人物に音声を通信してもよい。PRU(70)はまた、PRU(70)にいる看護師又は臨床医が麻酔科医などの援助を必要とするときなど、PRU(70)にいる人物が中央ステーション(702)にいる人物と、テキスト形式、ビデオ形式、及び/又はオーディオ形式の議論を開始できるようにしてもよい。単に説明のための更に別の例として、中央ステーション(702)は、BMU(40)及び/又はPRU(70)にいる人物が中央ステーション(702)に問い合わせて、患者データ、医療手技の次の工程などの情報を取得できるようにしてもよい。中央ステーション(702)に組み込まれ得る又は中央ステーション(702)によって提供され得る更に他の好適な構成要素、機構、及び機能性が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0096】
IV.PRUに対する例示的な付加入力
上で詳細に説明したように、PRU(70)は、患者の実時間の生理学的状態に関する入力をBMU(40)から受け取る。このデータは、患者への薬物送達を調整するために、警告及び他の情報を臨床医及び/若しくは看護師に与えるために、かつ/又は他の目的で、PRU(70)のセーフティシェル制御アルゴリズムによって処理される。また、理解されたいこととして、PRU(70)は様々な他の種類の入力を受け取ってもよい。そのような付加的な入力のいくつかの例が以下でより詳細に説明されるが、更に他の例が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。また本明細書の教示を鑑みれば明らかとなるように、PRU(70)に対する付加的な入力は、手動で与えられても自動で与えられてもよい。例えば、手動入力が、タッチスクリーン組立体(72)を介して、薬物送達制御部(74)を介して、中央ステーション(702)を介して、かつ/又は他の方式で、ユーザー(例えば、看護師又は臨床医など)によって手動で与えられてよい。入力は、BMU(40)から、1台又は2台以上の補助装置(例えば、システム(300)との関連で上述したもののいずれかなど)から、中央ステーション(702)から、かつ/又はいくつかの他の入力源から、自動で与えられてよい。
【0097】
PRU(70)のいくつかの変形例において、タッチスクリーン(72)は、動作のいかなる瞬間にも、オプション、アイコン、ウィジェットなどのサブセットを提示することが可能である。これらを提示されたとき、PRU(70)を起動してある種類の処置を実施するために、ユーザーはいずれかを選択することができる。例えば、オプション、アイコン、ウィジェットなどのセットが、PRU(70)を更新すること、薬物を送達すること、中央ステーション(702)にいる人物と連絡することなどと関連付けられるものを含んでよい。タッチスクリーン(72)は、PRU(70)への1つ又は2つ以上の入力に少なくとも部分的に基づいて、提示されるオプション、アイコン、ウィジェットなどを選択的に変更してもよい。例えば、ユーザーが薬物送達アイコンを操作してもよく、それにより、タッチスクリーン(72)が、特定の種類の薬物と関連付けられる付加的なオプション、アイコン、ウィジェットなどを表示してもよい。単に説明のための別の例として、BMU(40)から得られる実時間患者データが、タッチスクリーン(72)を介してユーザーに提示されるオプションを変化させてもよい。オプション、アイコン、ウィジェットなどが変化及び動作し得る様々な他の好適な方式、並びに、オプション、アイコン、ウィジェットなどの提示を制御し得る様々な種類の入力が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0098】
A.外部薬物の投与に関連する例示的な入力
上述のように、PRU(70)のいくつかの変形例は、送達される薬物の量、送達される薬物の種類、薬物送達の期間などの選択において、実時間での人間による判断の役割を最低限にすること、又は、実時間での人間による判断の役割を排除することのいずれかなどによって、患者への薬物の送達を簡潔にすることを意図したものであってよい。PRU(70)のいくつかの変形例はまた、必要とされる薬物のすべてを薬物カセット(84)内に収容することによって、患者への薬物の送達を簡潔にするものである。しかしながら、PRU(70)の外部にある供給源から1種類又は2種類以上の薬物を患者に送達することが望まれる状況も存在し得る。例えば、BMU(40)から得たデータに基づいて、特定の患者の独自の医療履歴若しくは処置(例えば、インシュリン注射を必要とする糖尿病)に基づいて、かつ/又は他の検討事項に基づいて、薬物カセット(84)内に収容されていない特定の薬物(例えば、鎮痛薬など)を一定の投与量、患者が受けることが必要であると麻酔科医が判断することもある。そのような状況において、その薬物が患者に送達されていることをPRU(70)に知らせるための手段を設けることが望ましいこととなり得る。そのように、PRU(70)内のセーフティシェル制御アルゴリズムは、この「外部」薬物の送達を説明し、適切な調整を行ってもよい。そのような調整は、PRU(70)による後の薬物送達、BMU(40)によって監視される生理学的パラメータ、警報を発する条件などに影響を及ぼし得る。外部薬物が送達されていること及び/又は送達されたことの示唆にPRU(70)が応答し得る様々な好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0099】
また、理解されたいこととして、PRU(70)は外部薬物の送達を様々な方式で知らされてよい。例えば、PRU(70)は、付加的な1つ又は2つ以上のボタンを有してもよく、そのボタンによって、そのような入力がなされてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、タッチスクリーン(72)が、外部薬物の送達を示唆する入力を受け取ってもよい。いくつかの変形例において、ユーザーはボタン又はタッチスクリーン(72)などを作動させて、外部薬物が送達されようとしていること又は送達されたことを示唆する。タッチスクリーン(72)は次いで、送達される薬物の種類、送達された薬物の量などを更に示すためのオプションをユーザーに提示する。
【0100】
いくつかの変形例において、「外部薬物」は、薬物カセット(84)内に収容されないものであり、そのため、その薬物はPRU(70)の外部にある。例えば、外部薬物は、IV溶液送達システム(352)などにおいて、別の注射器に収容されてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、「外部薬物」は、薬物カセット(84)内に収容されているが、その選択、送達のタイミング、送達の期間、及び/又は投与の他の態様が、現在稼働しているセーフティシェル制御アルゴリズムの範囲外にあるものを含んでもよい。例えば、セーフティシェル制御アルゴリズムが通常、特定の状況が存在するときのみ、特定の薬物のみを送達させ、通常、特定の量のその薬物のみを送達する場合、それは薬物の外部送達と見なされてもよく、そこでは、ある人物が基本的にセーフティシェルを無効にし、種々の時間にかつ/又は種々の期間などにわたって、薬物が薬物カセット(84)から送達されるようにする。いずれの種類の外部薬物送達においても、セーフティシェル制御アルゴリズムは適応可能であり、それにより、後の薬物送達、後の警報の発生などを調節し、外部薬物送達を考慮することが可能となり得る。セーフティシェル制御アルゴリズムにおいてなされ得る様々な好適な変更、及び/又は、外部薬物の送達に基づいてなされ得る他の種類の対応が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0101】
B.医療手技の段階に関連する例示的な入力
上述したPRU(70)入力の具体的な例には、BMU(40)からの実時間患者関連データと、1種類又は2種類以上の外部薬物の送達に関する情報が挙げられる。上述したように、これらの入力は、後の薬物の送達、警報の発生、及びセーフティシェル制御アルゴリズムに従ってPRU(70)を通じて実行される他のプロセスに影響を与え得る。セーフティシェル制御アルゴリズムに従ってPRU(70)を通じて実施される1つ又は2つ以上のプロセスに影響を及ぼし得る入力の別の例示的な種類には、患者が受けている医療手技の種類を示唆することが含まれてもよい。同様に、医療手技の現在の段階を示唆する入力が、セーフティシェル制御アルゴリズムに従ってPRU(70)を通じて実施される1つ又は2つ以上のプロセスに影響を及ぼし得る。一例に過ぎないが、ある手技の始まりに、タッチスクリーン(72)が、各種の医療手技の一覧をユーザーに提示してもよい。ユーザーはしたがって、タッチスクリーン(72)と相互作用して、PRU(70)が使用される医療手技の種類を選択してもよい。各種の手技の目録が、PRU(70)に事前にロードされてもよく、BMU(40)(ドッキングステーション(400、500、600)を通じてカタログのアップデートを受け取っていてもよい)からPRU(70)に伝送されてもよく、中央ステーション(702)からPRU(70)に伝送されてもよく、かつ/又はその他の方式でPRU(70)に受け取られてもよい。
【0102】
PRU(70)が使用される医療手技の種類についてユーザーがPRU(70)に知らせると、タッチスクリーン(72)は、その手技の種々の主要段階のリストを順にユーザーに提示してもよい。医療手技がそれらの段階を通じて進行するとき、ユーザーは、タッチスクリーン(72)との相互作用を通じてそれらの段階を手動で「チェックする」ことができ、かつ/又は、各段階が開始及び/若しくは完了しているときに各段階の開始及び/若しくは完了を、他の方式でPRU(70)に知らせてもよい。PRU(70)のセーフティシェル制御アルゴリズムは、それに応じて各段階の開始及び/又は完了に応答するように構成されてもよい。大腸内視鏡検査及び食道胃十二指腸内視鏡検査(EGD)の状況におけるそのような応答の例については、以下でより詳細に説明することにするが、他の例が本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0103】
図14は、大腸内視鏡検査が特定の段階に達したという入力にセーフティシェル制御アルゴリズムが応答し得る方法の例を示している。具体的には、この例示的な方法(800)は、内視鏡が大腸から引き抜かれているときに、更に時間をかけて大腸を調べるように内視鏡医に勧め得るものであり、その結果、大腸内のポリープの検出が増加することになり得る。それに加えて、この方法(800)は、大腸から内視鏡を引き抜く際、患者への鎮静薬の送達を低減し得るものであり、それにより、患者の回復時間が改善され得る。内視鏡医が内視鏡を患者の盲腸に到達させた後、内視鏡医は、PRU(70)上の(例えば、タッチスクリーン(72)上などの)ボタンを作動させるか、あるいはボタンを作動させるように看護師に指示して、内視鏡が盲腸に到達したことを示唆してもよい(工程(802))。この入力に応答して、PRU(70)は、プロポフォールなどの薬物の送達を50%、低減すると同時に(工程(804))、タイマーを始動する(工程(806))。PRU(70)は次いで、タイマーで時間の経過を追跡する。2分が経過したとき、セーフティシェルにより、PRU(70)は、プロポフォール送達を50%、低減すると同時に(工程(808))、ベル又は他の音響警告を1回、鳴らす(工程(810))。PRU(70)は引き続き、タイマーで時間の経過を追跡する。更に2分が経過した後(すなわち、工程(802)でボタンが押されてから4分)、セーフティシェルにより、PRU(70)は、プロポフォールの送達を停止すると同時に(工程(812))、ベル又は他の音響警告を2回、鳴らす(工程(814))。更に2分が経過した後(すなわち、工程(802)でボタンが押されてから6分)、セーフティシェルにより、PRU(70)は、ベル又は他の音響警告を3回、鳴らす(工程(816))。更に2分が経過した後(すなわち、工程(802)でボタンが押されてから8分)、セーフティシェルにより、PRU(70)は、ベル又は他の音響警告を4回、鳴らす(工程(818))。内視鏡医は、そのベル又は他の音響警告を内視鏡医が4回、聴くまで、患者から内視鏡を完全に引き抜くことを回避するように訓練され得る。これにより、内視鏡医が少なくとも8分をかけて内視鏡を引き抜くことが確実となり得る。上記の例において、PRU(70)は、ユーザーからまたタイマーから入力を受け取るが(工程(802))、理解されたいこととして、他の入力が用いられてもよい。
【0104】
患者が痛みに非常に敏感であるなど、特定の状況において、上述の薬物送達の低減(工程(804、808、812))は理想的でないこともある。そのような状況において、PRU(70)は、臨床医がPRN薬物投与量を送達することを可能にし、かつ/又は、臨床医がプロポフォール若しくは他の薬物の送達における低減を調節することを可能にしてもよい。また、理解されたいこととして、上述の方法(800)は、大腸内視鏡検査に対しても、様々な方式で改良され得る。例えば、PRU(70)は、ベルが鳴る間隔をより長くするか、ベルがより頻繁に鳴るようにするか、プロポフォール又は他の薬物の送達における頻度及び/若しくは低減の量を調整するか、さもなければ、ユーザー定義のパラメータに基づいてその方法(800)を改良するように、ユーザーがセーフティシェルをプログラムできるようにしてもよい。また、理解されたいこととして、上述の方法(800)及びそれらの変形例は、EGD手技などの他の手技に容易に適用され得る。例えば、工程(802)は、内視鏡が患者の十二指腸に達したときに実行され、それによって方法(800)の実施を開始してもよい。方法(800)はまた、EGDに大腸内視鏡検査が続くなど、複数の手技が実施される状況にも容易に適合され得る。本明細書の教示が容易に適用され得る様々な他の種類の手技が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には容易に明らかとなろう。
【0105】
本明細書で説明する例において、ユーザーが、タッチスクリーン(72)と相互作用すること又は他の方式によって、医療手技の各主要段階の開始及び/又は完了を手動でPRU(70)に知らせる。いくつかの他の変形例において、付加的な補助装置がPRU(70)と通信する、上述したシステム(300)の例などでは、PRU(70)は、医療手技の1つ又は2つ以上の段階の開始及び/又は完了について自動的に知らされてもよい。例えば、内視鏡が、その長さ方向に沿って配置された1台又は2台以上の外部光センサーを有してもよい。そのような光センサーは、患者の体外にあることによって内視鏡のうちのどの程度の長さが光にさらされるかに基づいて、患者の体内への内視鏡の挿入深さを検知するために、かつ/又は、患者に対する内視鏡の軸方向運動の方向を判断するために使用されてもよい。内視鏡の位置に関するこの情報は、外科手技の段階を示すものとして解釈されてもよく(例えば、内視鏡の引き抜きが検知されたことは、手技が終わりに近づいていることを示すなど)、またセーフティシェルがそれに応じて反応してもよい。同様に、再び大腸内視鏡検査及びEGDの上記の例を参照すると、内視鏡の位置に関するそのような情報は、内視鏡が患者から過度に急速に引き抜かれているときに、ユーザーに警告するために使用されてもよい。
【0106】
単に説明のための別の例として、上述のシステム(300)の状況に引き続き、PRU(70)と結合された治療器具(322)から得られたデータがPRU(70)によって解釈されて、医療手技のある段階の完了又は開始が示唆されてもよい。例えば、PRU(70)は、治療器具(322)が起動されたことを単純に感知してもよく、これが解釈されて、手技の特定の段階が始まったことが意味されてもよい。PRU(70)が医療手技の各段階の進行を自動的に知らされ得る様々な他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。PRU(70)が医療手技の進行を自動的に知らされる変形例において、その段階が実際に開始及び/又は完了していることの確認を求めて、タッチスクリーン(72)が依然として、ポップアップ又は同様の指示をユーザーに提示してもよい。また、理解されたいこととして、PRU(70)に対する医療段階の入力は、特定の変形例において、手動でされても自動でされてもよい。例えば、所与の手技のいくつかの段階は、同じ手技の他の段階が自動で入力される一方で、手動で入力されてもよい。
【0107】
C.患者データ点に関する例示的な入力
BMU(40)の上記の説明には、BMU(40)によって検出され得るものであり、それによってPRU(70)に伝送され得るいくつかの患者の物理パラメータが含まれているが、理解されたいこととして、上で参照した種類の患者データに加えてあるいはそれに代わって、他の種類の患者データがPRU(70)に対する入力として与えられてもよい。そのような付加的な患者データが、BMU(40)の1つ又は2つ以上の付属品を使用して、補助装置としてPRU(70)と結合された1つ又は2つ以上の付属品を使用して、あるいは他の方式で補足されてよい。患者データの付加的な一形態には、患者の呼吸商(RQ)に関するデータが含まれてもよく、この呼吸商とは、体から排出された二酸化炭素の体積と体で消費された酸素の体積との比である。単に一例に過ぎないが、ウィスコンシン州サセックス(Sussex)のカーディオパルモナリーテクノロジー社(CardioPulmonary Technologies,Inc.)による1台又は2台以上のRQ監視構成要素が、BMU(40)に組み込まれるか、あるいは他の方式で、PRU(70)と通信させて配置されてもよい。それに代わって、任意の他の好適な構成要素が、RQデータを取得するために使用されてよい。
【0108】
いくつかの変形例において、RQはいくつかの状況で呼吸困難をより早期に予知するものとなり得るので、セーフティシェル制御アルゴリズムが呼吸数の代わりにRQを監視してもよい。言うまでもなく、セーフティシェル制御アルゴリズムは、所望により、RQと呼吸数の両方を監視し、更には、呼吸の音、圧力、温度、及び/又は呼吸に関連付けられる他のパラメータを監視してもよい。呼吸に関連付けられるそのような他のパラメータが監視され得る様々な好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。セーフティシェル制御アルゴリズムは、RQレベル及び/若しくはRQの傾向に少なくとも部分的に基づいて警報を与えるように、かつ/又は、RQレベル及び/若しくはRQの傾向に少なくとも部分的に基づいて患者への薬物及び/若しくは酸素の送達を調整するように構成されてもよい。セーフティシェル制御アルゴリズムがRQデータに応答し得る様々な他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0109】
また、理解されたいこととして、特定の患者にPRU(70)を使用することの適否を判定するためにRQデータが検討されてもよい。例えば、患者の呼吸が比較的弱い(呼吸の質が低い)ことをRQデータが示す場合、臨床医はその患者にPRU(70)を使用しないように判断してもよい。したがって、RQデータは、PRU(70)の動作における判断を下すために臨床医に使用されてもよい。換言すれば、RQデータは、セーフティシェル制御アルゴリズムにおける使用に限定される必要はない。更に、理解されたいこととして、RQが酸素の運搬によって不正確にならないように、RQデータを計算するときにPRU(70)による酸素運搬を考慮することが望ましいこととなり得る。したがって、PRU(70)は、患者が吸息している時期、及び患者に与えられている酸素濃度に基づいて、RQを調整してもよい。
【0110】
単に説明のための別の例として、PRU(70)は、患者の医療履歴(例えば、以前の手技上の履歴、現在及び以前の薬物療法など)、体重、性別、年齢、民族性などに関する入力を受け取ってもよく、そしてこの情報はまた、セーフティシェル制御アルゴリズムの選択及びセーフティシェル制御アルゴリズムの実行に影響を与え得る。この情報により、所与の患者に対してより完全で正確なリスクプロファイルを、特に鎮静に対する患者のリスクを示すことが可能となる。換言すれば、この情報はリスク入力を与えるために使用されてもよい。この種類の情報の少なくとも一部は、図5に示すプロセスの一部として看護師又は臨床医によってBMU(40)に入力されてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、この種類の情報の少なくとも一部は、図6に示すプロセスの一部としてBMU(40)にかつ/又は直接、PRU(70)に入力されてもよい。また、理解されたいこととして、この情報は、手動で入力されても(例えば、タッチスクリーン(42、72)などを介して)、メモリカードを介して入力されても、ネットワークを介して入力されても(例えば、中央ステーション(702)からかつ/又は病院の医療記録データベースなどから)、あるいは他の方式で入力されてよい。そのような情報がPRU(70)に与えられ得る様々な他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0111】
理解されたいこととして、患者の医療履歴、体重、性別、年齢、民族性などに関する情報は、様々な方式でセーフティシェル制御アルゴリズムに影響を及ぼし得る。例えば、そのような情報は、セーフティシェルを通じて送達される薬物の選択、セーフティシェルを通じて送達される薬物の量、セーフティシェルを通じた薬物送達のタイミング、セーフティシェルを通じた薬物送達の期間、警告を発生させる条件、警告発生器の感度などに影響を与え得る。したがって、セーフティシェルは、リスク連続体(risk continuum)上のどこに患者が存在するかを、患者の医療履歴、体重、性別、年齢、民族性などに関する情報に基づいて判断することができ、次いで、そのリスク連続体上のどこに患者が存在するかに基づいてセーフティシェルを適合させることができる。一例に過ぎないが、PRU(70)は、体重が特定の閾値に満たない患者に対して、女性の患者に対して、薬物への既知の感受性を有する患者などに対して、薬物送達を自動的に低減してもよい。単に説明のための別の例として、患者を麻酔薬に対して耐性にする処方薬を患者が定期的に服用している(例えば、患者がセロトニン再取込み阻害薬(SRI)などを服用している)ことを示す入力をPRU(70)が受け取った場合、PRU(70)は、鎮静のレベルを適切にするために、自動的に、薬物送達の初期維持量をより多くし、かつ/又は薬物送達の維持量をより多くしてもよい。単に説明のための別の例として、上記のリスク関連情報は、リスクプロファイルに部分的に基づいてPRU(70)の警告を1つ又は2つ以上の監視生理学的条件に対してより敏感にすることなどによって、そのような警告に影響を与え得る。同様に、上記のリスク関連情報は、リスクプロファイルに部分的に基づいてPRU(70)の薬物送達の限界を低減することなどによって、そのような限界に影響を与え得る。上述したようなリスクプロファイル情報に対する他の好適な応答が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0112】
また、理解されたいこととして、リスクプロファイル上の患者の位置が医療手技の間に変化してもよい。例えば、BMU(40)が、脱飽和又は無呼吸症状の発現を示す状態を検出した場合、連続体における患者のリスクレベルは増大し得る。リスクレベルの増大が、警告の感度を増加させ、かつ/又はセーフティシェルを通じた薬物送達に対する制限を増加させてもよい。逆に、患者が医療手技の間の一定期間にわたって副作用を示さない場合、連続体における患者のリスクレベルは低下されてもよい。セーフティシェルに影響を与えるために使用され得る更に他の好適な入力、並びに、そのような入力がセーフティシェルに影響を与え得る様々な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0113】
V.例示的な音響出力
上記のように、セーフティシェル制御アルゴリズムが、特定の状態又は状態の組み合わせに対する応答として1つ又は2つ以上の警告を与えてもよい。そのような警告は、BMU(40)を通じてかつ/又はPRU(70)を通じて発生されてよい。いくつかの事例において、警告は、医師/臨床医/看護師/麻酔科医などに向けられてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、警告は患者に向けられてもよい。以下では、システム(10)を通じて与えられ得る警告の、単に説明のためのいくつかの例について議論するが、他の種類の警告が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。それに加えて、以下の例は主に音響警告に関するものであるが、理解されたいこととして、警告はまた視覚的に(例えば、スクリーン(42)を通じて、スクリーン(72)を通じて、かつ/又は別様に)与えられてもよい。警告が与えられ得る他の様々な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0114】
A.言語表現としての音響警告
いくつかの事例において、警告は可聴音の形態でユーザー(例えば、医師/臨床医/看護師/麻酔科医/患者など)に与えられる。いくつかのそのような変形例において、種々の警告が、種々の音色、種々のパターン、種々の期間、種々の音量、及び/又は他の種々の特徴を有する音によって通信されてもよい。したがって、ユーザーは、システム(10)を後に使用する間にこれらの種々の音の意味を容易に解釈できるように、システム(10)を使用する前にこれらの違いを覚えることができる。同様に、警告条件(又は条件の組み合わせ)が解除されたときに、かつ/又は様々な他の状況において、システム(10)のいくつかの変形例が可聴音を再生してもよい。例えば、警告が解除された後、システム(10)は、PRU(70)が薬物送達を再び開始したことを示すために、可聴音を発してもよい。
【0115】
様々な状況でシステム(10)が可聴音を発するようにすることに加えてあるいはそれに代わって、システム(10)は、言語指示を発するように構成されてもよい。例えば、システム(10)は、ハンドピース(62)上のボタンを押すかあるいは他の方式でハンドピース(62)と相互作用するように、言語指示を患者に与えてもよい。単に説明のための別の例として、システム(10)は、「深呼吸する」ように患者に言語で指示してもよい。いくつかの事例において、言語指示及び/又は他の言語メッセージが、イヤピース(60)を介して患者に与えられる。それに加えてあるいはそれに代わって、言語指示及び/又は他の言語メッセージが、BMU(40)内のスピーカー、PRU(70)内のスピーカーを介して、かつ/又は他の方式で、患者に与えられてもよい。
【0116】
患者以外に対する言語指示及び/又は他の言語メッセージに関して言えば、システム(10)は、警告が解除された後に「プロポフォール注入を再開する」ように医師/臨床医/看護師などに言語で指示してもよい。単に説明のための更に別の例として、システム(10)は、「これで安全に維持量で再始動できるようになった」ことを、医師/臨床医/看護師などに言語で助言してもよい。他の言語指示/メッセージは、次のうちの1つ又は2つ以上に関するものであってもよく、それらはつまり、患者が自動ART訓練を正常に完了したか否かの通知(図5の工程(210)から)、患者の生理機能に関する警報条件、定期的に与えられ得る基本的な患者の生理計量(例えば、心拍数、血圧、呼吸数など)、障害状態を是正する方法に関する指示を伴うシステム助言、印刷出力が発生する時期及び設定に対して行われた変更などの他のシステム関連情報、システムに対してあるいはシステムによって行われた薬物の変更、負荷投与が完了した時期の通知、及び/又はPRN投与が再び可能となる時期の通知である。システム(10)が医師/臨床医/看護師/麻酔科医/患者などに与え得る他の様々な言語指示及び/又は他のメッセージは、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0117】
理解されたいこととして、可聴音の代わりに言語指示及び/又はメッセージを用いることで、システム(10)のユーザーが様々な抽象的な可聴音の意味を学習及び記憶しなければならなくなることが回避され得る。また、理解されたいこととして、有意味の音響警告により、医師/臨床医/看護師/麻酔科医などが視覚警告を探してスクリーン(42、72)にさほど集中する必要なく、医師/臨床医/看護師/麻酔科医などが患者に更に集中できるようになるが、音響警告は言うまでもなく、所望により、スクリーン(42、72)上の視覚警告を追加されるか、あるいはその視覚警告で置き換えられてもよい。
【0118】
B.イヤピースを介した音響警告
システム(10)のいくつかの変形例において、手術室内の様々な人に警告が聞き取られ得るように、音響警告(例えば、音色、言語指示、言語メッセージなど)がスピーカーを通じて与えられる。例えば、BMU(40)及び/又はPRU(70)は、そのような警告を発するように構成された1台又は2台以上のスピーカーを有してもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、警告がイヤピースを介して医師/臨床医/看護師などに与えられてもよい。そのような警告は、上で議論したような様々な可聴音を含んでもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、そのような警告は、上で議論したような言語指示/メッセージを含んでもよい。そのようなイヤピースは、1本又は2本以上の電線を介して、かつ/又は無線式で(例えば、ブルートゥースなど)、BMU(40)及び/又はPRU(70)と通信してもよい。いくつかの変形例において、イヤピースはまた、他の種類のオーディオと通信することが可能である。例えば、イヤピースはまた、前胸部聴診器システムの一部であってもよく、そのため、イヤピースは患者の心拍及び/又は呼吸の音、並びにシステム(10)からの様々な警告を通信することが可能となる。概して音響警告に関連して上述したように、イヤピースを通じた警告により、医師/臨床医/看護師/麻酔科医などが視覚警告を探してスクリーン(42、72)にさほど集中する必要なく、医師/臨床医/看護師/麻酔科医などが患者に更に集中できるようになるが、イヤピースを通じた音響警告は、言うまでもなく、所望により、スクリーン(42、72)上の視覚警告を追加されるか、あるいはその視覚警告で置き換えられてもよい。
【0119】
C.患者の心拍を変化させるための可聴音
上記のように、BMU(40)は、患者の心拍、呼吸数、及び/又は他の生理学的状態を監視するように構成されてもよい。このデータは、PRU(70)に通信され、それにより、PRU(70)によって実行されるセーフティシェル制御アルゴリズムによって処理されてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、セーフティシェル制御アルゴリズムがBMU(40)によって実行されてもよい。鎮静薬が患者に投与される場合など、いくつかの事例において、患者の心拍数は所定の閾値を下回ることがあり(例えば、徐脈)、不規則なパターンを規定することがあり、かつ/又はその他にも望ましくない特性を示すことがある。そのような状況では、患者の心拍数を是正するために、適切な処置を取ることが望ましいこととなり得る。これを行い得る一法は、患者の心拍数に影響を与えるように、毎分、一定のビートなどで、パルス音を患者に通信することである。例えば、パルス音の拍数は、患者の測定心拍数よりも多くてもよい。いくつかの事例において、このようにより多い拍数のパルス音を患者に通信すると、患者の心拍数を増加又は安定させることなどによって、患者の心拍数に影響を与え得る。
【0120】
本例において、セーフティシェルは、患者の心拍数が毎分60拍を下回ると直ちにパルス音パターンが患者に通信されるように構成される。言うまでもなく、任意の他の好適な閾値が、パルス音パターンを発生させるために用いられてよい。同様に、条件及び/又は状態の傾向の組み合わせが、パルス音パターンを発生させるために必要とされ得る。パルス音の拍数は、所定の数であってもよい(例えば、毎分70回のパルス音など)。それに代わって、パルス音の拍数は、患者の心拍数の関数であってもよい(例えば、患者の測定心拍数の110%など)。また、理解されたいこととして、パルス音の拍数は、患者の心拍数が変化するにつれて変化してもよい。そのような変形例において、パルス音の拍数は、パルス音の拍数が特定のレベルに達するまで、かつ/又は患者の心拍数が特定のレベルに達するまで、患者の心拍数が増加するにつれて増加してもよい。この音の振幅及び/又は可聴周波数もまた、パルス音の拍数の変化に加えて変化してよい。例えば、患者の心拍数がパルス音パターンに応答しない(例えば、患者の心拍数がパルス音パターンにかかわらず低下し続ける)場合、心拍数に対する外部刺激を増加させるために、トーン音の振幅及び/又は可聴周波数が増加してもよい。
【0121】
患者の心拍数に影響を与えるためにトーンパターンが患者に通信される変形例において、トーンパターンが患者に通信され得る様々な方式がある。例えば、トーンパターンはイヤピース(60)を介して患者に通信されてもよい。それに代わって、トーンパターンは、BMU(40)内のスピーカー又はPRU(70)内のスピーカーを介して患者に通信されてもよい。トーンパターンがシステム(10)内で実現され得る様々な他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0122】
D.データの傾向に基づいた警告
システム(10)のいくつかの変形例において、セーフティシェル制御アルゴリズムは、BMU(40)から得られた患者の生理学的データと、所定の個別の閾値との間の比較に基づくものである。特定の生理学的パラメータの値と閾値との関係は、薬物送達の自動化、手動薬物送達の有効化、通信される警告、及び/又はPRU(70)及び/又はBMU(40)を通じた様々な他の種類の応答を決定し得るものである。いくつかの変形例において、単にそのようなイベントを、所与の瞬間に閾値に対してパラメータ値がどのあたりにあるかに基づいて発生させるのではなく、そのようなイベントを、データの傾向に基づいて発生させることが有効となり得る。例えば、患者の心拍数が急速にかつ大幅に減少しているときに、セーフティシェルが警報を発生させてもよい。このアラームは、患者の心拍数が実際に所定のレベルを下回る前に発生されてもよい。単に説明のための別の例として、心拍数が特定の閾値を超えるのを必ずしも待たずに、PRU(70)が、患者の心拍数の増加に応答して、自動的に薬物を送達するかあるいは薬物の送達量を増加させてもよい。単に説明のための更に別の例として、PRU(70)が自動的に、動脈の飽和度の低下に応答して薬物の送達量を減少させ、かつ/又は、無呼吸(apena)の検出に応答して薬物を停止させてもよい。また、一方又は両方のスクリーン(42、72)が、測定データに適合する線を示すことなどによって、生理学的データの傾向を表示してもよい。
【0123】
イベントを発生させる傾向が定義及び/又は適用され得る様々な方式がある。例えば、一法は、ある期間にわたるデータに線形最良適合を形成することを含んでもよく、その線形最良適合は、データ解像度又は感度パターンに基づいて、ユーザー定義のものであっても、静的であっても、動的であってもよい。線形最良適合が十分な相関係数を有する場合、傾向の存在が確認され得る。傾向の勾配は、閾値の勾配と比較され得る。勾配が所定の値を超える場合、傾向が確認され得る(正又は負)。また、理解されたいこととして、ある傾向が、対数的、指数的、あるいはその他の形式で非線形的になり得る(例えば、データ、パラメータ、及び観測される傾向などに依存する)。例えば、患者の飽和度が極端に急激に指数的に低下することに応答して、別のアラームが発生されてもよく、一方で、心拍数の緩やかな低下に対しては、それよりも優先度の低いアラームが発生されてもよい。データの傾向がセーフティシェル制御アルゴリズムに組み込まれ得る様々な他の好適な方式が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0124】
上述した装置の変形例は、医療専門家によって実施される通常の医学的治療及び手技における用途、並びに、ロボット支援による医学的治療及び手技における用途を有し得る。
【0125】
上述したものの変形例は、1回の使用後に処分されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されることもできる。各変形例は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてよい。再調整することは、装置を分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄又は交換する工程、及びその後に再組み立てする工程の任意の組み合わせを含んでもよい。特に、装置のいくつかの変形例は分解されてもよく、また、装置の任意の個数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の各変形例は、再調整用の施設で、又は手技の直前にユーザーによって、後の使用のために再組み立てされてよい。装置の再調整では、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術が利用され得ることが当業者には理解されよう。そのような技術の利用、及びその結果として得られる再調整された装置はすべて、本願の範囲に含まれる。
【0126】
一例に過ぎないが、本明細書で説明した変形例は、手術前及び/又は手術後に滅菌されてもよい。ある滅菌技術において、装置は、プラスチック製又はタイベック(TYVEK)製のバックなど、閉じられ密封された容器に置かれる。次いで、容器及び装置は、ガンマ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線の場に置かれてもよい。放射線により、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次いで、滅菌された装置は、後に使用するために滅菌容器内に格納されてもよい。装置はまた、限定されるものではないが、ベータ若しくはガンマ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0127】
本開示において様々な変形形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく達成され得る。そのような考えられる修正のいくつかが述べられており、また、その他の修正が当業者には明らかとなろう。例えば、上で議論した例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の「特許請求の範囲」から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0128】
〔実施の態様〕
(1) 医療システムであって、
(a)鎮静システムであって、
(i)患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するように動作可能である監視ユニットと、
(ii)前記監視ユニットと通信する薬物送達ユニットであって、前記患者の前記少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて、前記患者への1種類又は2種類以上の薬物の送達を少なくとも部分的に自動化するように動作可能である、薬物送達ユニットと、を備える、鎮静システムと、
(b)前記鎮静システムと通信する中央ステーションであって、複数の他の鎮静システムとも通信し、患者関連データを記憶するように動作可能であり、前記鎮静システム及び前記複数の他の鎮静システムに個別にアクセスするように更に動作可能である、中央ステーションと、を備える、医療システム。
(2) 前記中央ステーションは、前記鎮静システム及び前記複数の他の鎮静システムから得たデータを処理するように構成されており、前記中央ステーションは、前記鎮静システムの前記薬物送達ユニットを通じて薬物送達を選択的にかつ遠隔式で制御するように更に動作可能である、実施態様1に記載の医療システム。
(3) 前記中央ステーションは、前記鎮静システムを通じて音声指示を遠隔式で与えるように動作可能である、実施態様1に記載の医療システム。
(4) 前記中央ステーションは、前記鎮静システムと関連付けられた前記患者を観察する配信ビデオを表示するように動作可能である、実施態様1に記載の医療システム。
(5) 前記鎮静システムは、セーフティシェル制御アルゴリズムに従って操作され、前記中央ステーションは、前記鎮静システムと関連付けられた前記セーフティシェル制御アルゴリズムを遠隔式で変更するように動作可能である、実施態様1に記載の医療システム。
(6) 前記中央ステーションは、前記鎮静システムの前記薬物送達ユニットと関連付けられた薬物送達量を遠隔式で変更するように動作可能である、実施態様1に記載の医療システム。
(7) 前記鎮静システムは、前記中央ステーションに問い合わせをし、問い合わせに応答する前記中央ステーションからデータを受け取るように動作可能である、実施態様1に記載の医療システム。
(8) 前記中央ステーションは、前記問い合わせに応答して、医療手技の各工程に関するデータを前記鎮静システムに伝送するように動作可能である、実施態様7に記載の医療システム。
(9) 前記鎮静システムと通信する器具を更に備え、前記器具は、前記患者に対する手術又は前記患者に対する治療の一方又は両方を実施するように動作可能である、実施態様1に記載の医療システム。
(10) 前記鎮静システムは前記器具にデータを伝送するように動作可能であり、前記データは、前記監視ユニットによって監視される、前記患者の生理学的パラメータに関するものである、実施態様9に記載の医療システム。
【0129】
(11) 前記鎮静システムは、前記監視ユニットによって監視される、前記患者の生理学的パラメータに関するデータに少なくとも部分的に基づいて、前記器具の動作を少なくとも部分的に制御するように動作可能であり、前記鎮静システムは、前記監視ユニットによって監視される、前記患者の生理学的パラメータに関するデータに少なくとも部分的に基づいて、前記器具を少なくとも部分的に無効化するように動作可能である、実施態様9に記載の医療システム。
(12) 前記鎮静システムは前記器具からデータを受け取るように構成されており、前記鎮静システムは、前記器具から得たデータに少なくとも部分的に基づいて、前記薬物送達ユニットを通じて前記薬物の送達を調整するように動作可能であり、前記監視ユニットは、患者の複数の生理学的パラメータを監視するように動作可能であり、前記薬物送達ユニットは、前記器具から得たデータに少なくとも部分的に基づいて、特定の患者の1つ又は2つ以上の生理学的パラメータを選択して処理するように構成されている、実施態様9に記載の医療システム。
(13) 前記鎮静システムは前記器具からデータを受け取るように構成されており、前記監視ユニットは、患者の複数の生理学的パラメータを監視するように動作可能であり、前記監視ユニットは、前記器具から得たデータに少なくとも部分的に基づいて、特定の患者の1つ又は2つ以上の生理学的パラメータを選択して監視するように構成されている、実施態様9に記載の医療システム。
(14) 前記鎮静システムは、前記器具に電力を供給するように動作可能である、実施態様9に記載の医療システム。
(15) 前記鎮静システムは、前記器具と無線式で通信するように動作可能である、実施態様9に記載の医療システム。
(16) アダプタを更に備え、前記器具は前記アダプタを介して前記鎮静システムと結合され、前記アダプタは、前記鎮静システムのソフトウェア又はファームウェアと前記器具のソフトウェア又はファームウェアとの間の通信をなすように構成されたソフトウェアアダプタ又はファームウェアアダプタの一方又は両方を含む、実施態様9に記載の医療システム。
(17) 前記鎮静システムはディスプレイスクリーンを有し、前記ディスプレイスクリーンは、前記監視ユニットから得たデータ、前記薬物送達ユニットから得たデータ、及び前記器具から得たデータを表示するように動作可能である、実施態様9に記載の医療システム。
(18) 前記鎮静システムと無線式で通信するイヤピースを更に備え、前記鎮静システムは、前記監視ユニットから得たデータに少なくとも部分的に基づいて、前記イヤピースを通じて音響警告又はメッセージを無線式で伝送するように動作可能である、実施態様1に記載の医療システム。
(19) 医療システムであって、
(a)鎮静システムであって、
(i)患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するように動作可能である監視ユニットと、
(ii)前記監視ユニットと通信する薬物送達ユニットであって、前記患者の前記少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて、前記患者への1種類又は2種類以上の薬物の送達を少なくとも部分的に自動化するように動作可能である、薬物送達ユニットと、を備える、鎮静システムと、
(b)前記鎮静システムと通信する器具ポートであって、前記患者に対する手術又は前記患者に対する治療の一方又は両方を実施するように動作可能である器具と結合するように構成されている、器具ポートと、を備え、
前記鎮静システムは、前記器具ポートを介して、前記鎮静システムと前記器具との間におけるデータの双方向通信をもたらすように動作可能である、医療システム。
(20) 医療システムであって、
(a)複数の鎮静システムであって、各々が、
(i)患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するように動作可能である監視ユニットと、
(ii)前記監視ユニットと通信する薬物送達ユニットであって、前記患者の前記少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて、前記患者への1種類又は2種類以上の薬物の送達を少なくとも部分的に自動化するように動作可能である、薬物送達ユニットと、を備える、鎮静システムと、
(b)前記複数の鎮静システムのうちの各鎮静システムと通信する中央ステーションであって、前記鎮静システムの各々の前記薬物送達ユニットを通じて薬物送達を選択的にかつ遠隔式で制御するように更に動作可能である、中央ステーションと、を備える、医療システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
(a)鎮静システムであって、
(i)患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するように動作可能である監視ユニットと、
(ii)前記監視ユニットと通信する薬物送達ユニットであって、前記患者の前記少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて、前記患者への1種類又は2種類以上の薬物の送達を少なくとも部分的に自動化するように動作可能である、薬物送達ユニットと、を備える、鎮静システムと、
(b)前記鎮静システムと通信する中央ステーションであって、複数の他の鎮静システムとも通信し、患者関連データを記憶するように動作可能であり、前記鎮静システム及び前記複数の他の鎮静システムに個別にアクセスするように更に動作可能である、中央ステーションと、を備える、医療システム。
【請求項2】
前記中央ステーションは、前記鎮静システム及び前記複数の他の鎮静システムから得たデータを処理するように構成されており、前記中央ステーションは、前記鎮静システムの前記薬物送達ユニットを通じて薬物送達を選択的にかつ遠隔式で制御するように更に動作可能である、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記中央ステーションは、前記鎮静システムを通じて音声指示を遠隔式で与えるように動作可能である、請求項1に記載の医療システム。
【請求項4】
前記中央ステーションは、前記鎮静システムと関連付けられた前記患者を観察する配信ビデオを表示するように動作可能である、請求項1に記載の医療システム。
【請求項5】
前記鎮静システムは、セーフティシェル制御アルゴリズムに従って操作され、前記中央ステーションは、前記鎮静システムと関連付けられた前記セーフティシェル制御アルゴリズムを遠隔式で変更するように動作可能である、請求項1に記載の医療システム。
【請求項6】
前記中央ステーションは、前記鎮静システムの前記薬物送達ユニットと関連付けられた薬物送達量を遠隔式で変更するように動作可能である、請求項1に記載の医療システム。
【請求項7】
前記鎮静システムは、前記中央ステーションに問い合わせをし、問い合わせに応答する前記中央ステーションからデータを受け取るように動作可能である、請求項1に記載の医療システム。
【請求項8】
前記中央ステーションは、前記問い合わせに応答して、医療手技の各工程に関するデータを前記鎮静システムに伝送するように動作可能である、請求項7に記載の医療システム。
【請求項9】
前記鎮静システムと通信する器具を更に備え、前記器具は、前記患者に対する手術又は前記患者に対する治療の一方又は両方を実施するように動作可能である、請求項1に記載の医療システム。
【請求項10】
前記鎮静システムは前記器具にデータを伝送するように動作可能であり、前記データは、前記監視ユニットによって監視される、前記患者の生理学的パラメータに関するものである、請求項9に記載の医療システム。
【請求項11】
前記鎮静システムは、前記監視ユニットによって監視される、前記患者の生理学的パラメータに関するデータに少なくとも部分的に基づいて、前記器具の動作を少なくとも部分的に制御するように動作可能であり、前記鎮静システムは、前記監視ユニットによって監視される、前記患者の生理学的パラメータに関するデータに少なくとも部分的に基づいて、前記器具を少なくとも部分的に無効化するように動作可能である、請求項9に記載の医療システム。
【請求項12】
前記鎮静システムは前記器具からデータを受け取るように構成されており、前記鎮静システムは、前記器具から得たデータに少なくとも部分的に基づいて、前記薬物送達ユニットを通じて前記薬物の送達を調整するように動作可能であり、前記監視ユニットは、患者の複数の生理学的パラメータを監視するように動作可能であり、前記薬物送達ユニットは、前記器具から得たデータに少なくとも部分的に基づいて、特定の患者の1つ又は2つ以上の生理学的パラメータを選択して処理するように構成されている、請求項9に記載の医療システム。
【請求項13】
前記鎮静システムは前記器具からデータを受け取るように構成されており、前記監視ユニットは、患者の複数の生理学的パラメータを監視するように動作可能であり、前記監視ユニットは、前記器具から得たデータに少なくとも部分的に基づいて、特定の患者の1つ又は2つ以上の生理学的パラメータを選択して監視するように構成されている、請求項9に記載の医療システム。
【請求項14】
前記鎮静システムは、前記器具に電力を供給するように動作可能である、請求項9に記載の医療システム。
【請求項15】
前記鎮静システムは、前記器具と無線式で通信するように動作可能である、請求項9に記載の医療システム。
【請求項16】
アダプタを更に備え、前記器具は前記アダプタを介して前記鎮静システムと結合され、前記アダプタは、前記鎮静システムのソフトウェア又はファームウェアと前記器具のソフトウェア又はファームウェアとの間の通信をなすように構成されたソフトウェアアダプタ又はファームウェアアダプタの一方又は両方を含む、請求項9に記載の医療システム。
【請求項17】
前記鎮静システムはディスプレイスクリーンを有し、前記ディスプレイスクリーンは、前記監視ユニットから得たデータ、前記薬物送達ユニットから得たデータ、及び前記器具から得たデータを表示するように動作可能である、請求項9に記載の医療システム。
【請求項18】
前記鎮静システムと無線式で通信するイヤピースを更に備え、前記鎮静システムは、前記監視ユニットから得たデータに少なくとも部分的に基づいて、前記イヤピースを通じて音響警告又はメッセージを無線式で伝送するように動作可能である、請求項1に記載の医療システム。
【請求項19】
医療システムであって、
(a)鎮静システムであって、
(i)患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するように動作可能である監視ユニットと、
(ii)前記監視ユニットと通信する薬物送達ユニットであって、前記患者の前記少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて、前記患者への1種類又は2種類以上の薬物の送達を少なくとも部分的に自動化するように動作可能である、薬物送達ユニットと、を備える、鎮静システムと、
(b)前記鎮静システムと通信する器具ポートであって、前記患者に対する手術又は前記患者に対する治療の一方又は両方を実施するように動作可能である器具と結合するように構成されている、器具ポートと、を備え、
前記鎮静システムは、前記器具ポートを介して、前記鎮静システムと前記器具との間におけるデータの双方向通信をもたらすように動作可能である、医療システム。
【請求項20】
医療システムであって、
(a)複数の鎮静システムであって、各々が、
(i)患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するように動作可能である監視ユニットと、
(ii)前記監視ユニットと通信する薬物送達ユニットであって、前記患者の前記少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて、前記患者への1種類又は2種類以上の薬物の送達を少なくとも部分的に自動化するように動作可能である、薬物送達ユニットと、を備える、鎮静システムと、
(b)前記複数の鎮静システムのうちの各鎮静システムと通信する中央ステーションであって、前記鎮静システムの各々の前記薬物送達ユニットを通じて薬物送達を選択的にかつ遠隔式で制御するように更に動作可能である、中央ステーションと、を備える、医療システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−39374(P2013−39374A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−180077(P2012−180077)
【出願日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【Fターム(参考)】