説明

オープンショーケースの天井ミラー

【課題】 季節ごとに変化するオープンショーケースの棚構成に追随して対応できる軽量の天井ミラーを提供することを目的とする。
【解決手段】 庫内に商品を陳列するオープンショーケースの天井ミラー2を、可動範囲のどの角度でも停止できるように、回動自在なフリーストップヒンジ14を介して、天井板10aに取り付けるとともに、天井ミラー2の材質を、ミラー効果を有する軽量アルミ樹脂積層複合材またはアクリルミラー板とし、指で押したり引いたりする簡単な操作だけで天井ミラー2を動かし、自由な角度にセットできるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、庫内に商品を陳列するオープンショーケースの天井ミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オープンショーケースの天井ミラーは、天井部から陳列棚最上段の奥上部に亘って、略45°の角度で固定されていた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−27470
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、小売店は、季節ごとに販売する商品が異なることなどから、オープンショーケースの棚構成が、年間を通して同じとは限らない。そのため、天井ミラーが必要な時期と、そうでない時期がある。
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑み創案されたもので、オープンショーケースの棚構成の違い、即ち商品の種類の変化及び陳列商品量の増減に対応できるよう、天井ミラーが指の操作で必要とされる位置から収納位置まで動かすことができるようにしたオープンショーケースの天井ミラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明においては、庫内に商品を陳列するオープンショーケースの天井ミラーにおいて、前記天井ミラーは、可動範囲のどの角度でも停止可能に、回動自在なフリーストップヒンジを介して天井板に取り付けたことを特徴とする。また、前記天井ミラーの材質は、ミラー効果を有する軽量アルミ樹脂積層複合材やアクリルミラー板等の軽量素材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のオープンショーケースの天井ミラーによれば、次のような効果を奏する。
(1)天井ミラーを可動にしたので、必要に応じて異なった角度で使用することができる。
(2)指で押したり引いたりする簡単な操作だけで天井ミラーを動かすことができるので、すこぶる操作性がよい。
(3)フリーストップヒンジを使用することで、天井ミラーを自由な位置(角度)にセットすることができる。
(4)天井ミラーの材質としてガラスミラーでなく、ミラー効果を有する軽量アルミ樹脂積層複合材やアクリルミラー板等の軽量素材を用いたので、天井ミラーの大幅な軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を図面に示す一形態例に基づいて説明する。
図1はオープンショーケースの断面側面図、図2は天井ミラーの取付状況を示す要部断面側面図、図3はフリーストップヒンジの取付状況を示す要部斜視説明図である。
【0008】
まず、図1に示すように、本発明の天井ミラー2が取り付けられたオープンショーケース1は、断面コ字状を呈し、支持台3に支持されるケース本体4の前面に商品取出し用の開口5を設けたものである。
【0009】
前記支持台3とケース本体4との間及びケース本体4の背面には、冷却器6や送風ファン7を収納したダクト8が設けられており、ケース本体4の前面下部に設けた吸込口9から冷気を吸入し、冷却器6で所定温度に冷却して、天井部10前端に設けた吹出口11から前記吸込口9に向けて冷気のエアーカーテンを形成し、商品陳列部12の陳列棚12aに載置した商品を保冷するようになっている。
【0010】
そして、オープンショーケース1の天井部10から陳列棚12aの最上段の奥上部に向かって、本発明の天井ミラー2が取り付けられている。この天井ミラー2は、図2及び図3に示すように、その前端側に取り付けたブラケット13にフリーストップヒンジ14を介して天井部10の天井板10aに回動自在にネジ止めされている。
フリーストップヒンジ14には回動する可動部14aと固定される固定部14bがあり、可動部14aはブラケット13にネジ16で固定されて天井ミラー2と繋がり、固定部14bはネジ17で天井板10aに取り付けられる。なお、天井ミラー2とブラケット13はネジ15により締結されている。
【0011】
このフリーストップヒンジ14は、可動範囲のどの角度でも停止可能であり、天井ミラー2の後端下側を指で押し引き操作するだけで、容易に可動することができる。従って、天井ミラー2が必要な時期には天井部10から陳列棚12a最上段の奥上部に向って、略45°の角度で使用し、天井ミラー2が必要でない時期には略0°の角度で天井部10に沿わせて収納することができる。
また、オープンショーケースの棚構成の違い、即ち商品の種類の変化及び陳列商品量の増減に合わせて、天井ミラーを指で押し引きすることにより、天井ミラー角度を所望角度に設定することができる。これにより、最も販促効果が高いと思われる角度に、いつでも簡単に設定できる。
【0012】
この天井ミラー2は、材質がガラスミラーだと重くなるため、ミラー効果を有する軽量アルミ樹脂積層複合材やアクリルミラー板等の軽量素材を用いるのがよい。ミラー効果を有する軽量アルミ樹脂積層複合材としては、例えば、プラスチック板の両側にアルミ樹脂層を形成し、更にその表面に電気メッキ層を施してミラー効果を高めたアルミ樹脂積層複合材が好ましい。このような素材であると、軽量かつ高剛性となり好適である。即ち、この素材によれば、(1)プラスチックとアルミの複合材であるために、ガラスに比べ割れにくいこと、(2)鏡面材料でありながら、切断、曲げ、打ち抜き等の加工が可能であること、(3)アルミと同程度の線膨張率で、すっきりした目地処理ができ、非帯電性に優れ、ホコリ等が付着しにくいこと、(4)表面は硬く、耐久性に優れていること、等の特徴を有し、ここで用いる天井ミラーの素材として好適である。
【0013】
本形態例は、天井ミラーを冷蔵用のオープンショーケースに適用した例を示したが、冷蔵機能を持たない単なる商品の陳列ケースであっても同様に適用できる。また、冷蔵の場合でもエアカーテンを二重にしたもの等、他の冷蔵形態のショーケースに適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】オープンショーケースの断面側面図である。
【図2】本発明の天井ミラーの取付状況を示す要部断面側面図である。
【図3】フリーストップヒンジの取付状況を示す要部斜視説明図である。
【符号の説明】
【0015】
1 オープンショーケース
2 天井ミラー
3 支持台
4 ケース本体
5 開口
6 冷却器
7 送風ファン
8 ダクト
9 吸込口
10 天井部
10a 天井板
11 吹出口
12 商品陳列部
12a 陳列棚
13 ブラケット
14 フリーストップヒンジ
14a 可動部
14b 固定部
15 ネジ
16 ネジ
17 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
庫内に商品を陳列するオープンショーケースの天井ミラーにおいて、前記天井ミラーは、可動範囲のどの角度でも停止可能に、回動自在なフリーストップヒンジを介して天井板に取り付けたことを特徴とするオープンショーケースの天井ミラー。
【請求項2】
前記天井ミラーの材質は、ミラー効果を有する軽量アルミ樹脂積層複合材であることを特徴とする請求項1記載のオープンショーケースの天井ミラー。
【請求項3】
前記天井ミラーの材質は、アクリルミラー板であることを特徴とする請求項1記載のオープンショーケースの天井ミラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−190160(P2007−190160A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−10517(P2006−10517)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000213493)中野冷機株式会社 (58)
【Fターム(参考)】