説明

オールインワン型のサンプル調製装置及び方法

【課題】 結合及び洗浄、バッファ交換及び濃縮、及びまたは、完全結合、洗浄及び溶出、バッファ交換及び濃縮を、貴重なサンプル、特にはサンプルサイズが約11mLまでのサンプルを、各装置間でピペット移送する必要無く単一装置内で有効且つ効率的に実施する装置及び方法を提供することである。
【解決手段】 濾過装置50の側壁上に夫々配置した第1及び第2の膜12A及び12Bとを含む。デッドストップ容積を画定する保持液チャンバ14が第1及び第2の膜12A及び12Bの下方に設けられる。濾過装置の中心位置にデッドストップ容積を位置付けると共に遠心分離機の角度方向変化時のデッドストップ容積の変動を実質的に低減させる、全体に弓状で且つ装置の底部周囲から外側に突出する収集先端部30を設け得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願は、ここに参照することにより本明細書の一部とする、2011年7月13日付で提出された米国仮特許出願第61/507,240号及び2012年5月18日付で提出された同61/648,631号の優先権を主張するものである。
本発明はオールインワン型のサンプル調製装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心濾過器は、酵素抗体、核酸、タンパク質等の生体物質を濃縮、脱塩、精製、精留目的で分離させるために使用され得る。遠心濾過器は、最も一般的には、固定角ローター形態またはスイングあるいは可変角ローター形態で構成され得る遠心分離機器で使用される。ろ過処理速度や保持液サンプル回収率に対する顧客関心度は高い。サンプル回収率は、取り出した膜カプセル(サンプルホルダ)を受け管内で逆旋回させることで通常85%以上となる。
【0003】
遠心濾過器は代表的には、尿、血清、血漿、髄液の濃縮で使用される。例えば、尿中の特定タンパク質測定は、それらタンパク質が先ず濃縮せずには検出し得ない程に低含有量の場合もあるが、いろいろの病状の診断及び治療をする上で重要である。従来の遠心濾過器は、一般に、サンプルリザーバを備えるハウジング、当該ハウジングにシールされ、駆動力(遠心力等の)を受けたサンプルを通過せしめるフィルター、濃縮したサンプルを収集する収集チャンバ、を含む。
【0004】
あるタンパク質精製プロトコル等級では、抗原タンパク質アフィニティーを用いて、細胞溶解物または血清等の混合サンプルから関心タンパク質を分離する。それらプロトコルでは、サンプルからの特定タンパク質に結合させるよう抗体と共役させたビーズを少量用いることがある。タンパク質をビーズに有効裡に結合させた後、下流側での分析、アッセイ開発、等のためにビーズからタンパク質(溶離液)を抽出及び収集する必要がある。下流側分析法の代表例には、2Dゲル電気泳動法や質量分析法がある。
【0005】
ワークフローでは多数のプロセスステップが必要となる。それらステップには、結合に先立ちビーズを中性バッファにより平衡化し、結合後のビーズを洗浄して非結合性の汚染物を除去し、関心タンパク質を溶出し、溶出タンパク質からのバッファを交換し、最終希釈サンプルを濃縮し、精製タンパク質サンプルを回収する各ステップが含まれ得る。アフィニティー精製法及び共免疫沈降法の各プロトコルでは、ビーズに結合するタンパク質が関心タンパク質である。デプリーションプロトコルでは非結合画分(ビーズに結合しないタンパク質)が関心サンプルである。
【0006】
これらの精製法で使用するビーズは磁性あるいは非磁性である。最も一般的な非磁性ビーズの1つはアガロースである。血清からのアルブミン及びIgG(免疫グロブリンG)をデプリーションするための、PureProteome タンパク質A&G(商標名)、PureProteome アルブミン(商標名)、PureProteome アルブミン(商標名) 及びIgG(商標名)、クロマチン免疫沈降用のMagna ChIP タンパク質Aビーズ(商標名)、Hisタグ付けした融合タンパク質精製用のPureProteomeニッケル磁性ビーズ(商標名)等の磁性ビーズを、EMDミリポア社から市販入手可能である。
【0007】
磁性ビーズを用いる場合の最新マニュアル法では、サンプル管への液体(バッファ等の)の出し入れ及びある装置から他の装置へのサンプル移動をピペットで行う。ユーザーがビーズを妨害することなくピペットで緩衝材を取り出し得るよう、ビーズはサンプル管の側部に磁石で保持される。ワークフローの代表的な結合/洗浄/溶出におけるピペット操作ステップ数は約8回である。
【0008】
これらの方法でタンパク質をビーズに最適結合させるには培養ステップが必要である。ビーズ及びサンプルを収納する装置は通常10〜30分転倒型ミキサー内で旋回され、またはシェーカー(例えば、渦流量計)内に配置される。洗浄バッファや溶出バッファ等の新規バッファを追加する際、ユーザーは装置を1分程度旋回させてそれらを混合させ且つ洗浄する。
【0009】
洗浄及び溶出の各ステップを有効化させるにはこれらステップを何度も繰り返す必要がある。例えば、標準プロトコルでは、サンプル瓶への洗浄バッファの追加、1分程度の旋回(混合)、緩衝材の除去、を2回以上反復する。磁性ビーズを使用する場合は結合/洗浄/溶出手順に約45分を要する。
【0010】
アガロースビーズは磁性ビーズの代替物である。アガロースビーズを使用する市販入手可能な装置は、開放底部と、当該開放底部を覆って位置決めした多孔質フリットとを備える管を含む。サンプル管からピペットで流体を取り出すのに代えて、ベンチトップ型遠心機で流体をフリットに通し、代表的には4mLあるいは15mL管である収集管に流し込む。フリットの孔サイズは、ビーズを保持しつつも緩衝材及びタンパク質を通過させるよう選択する。
【0011】
ワークフローは、使用する旋回カラムのサイズによっては、磁性ビーズを使用する方法と比較して煩雑且つ時間浪費的である。ベンチトップ型遠心機は代表的には、各ユーザーがその作業エリアでセットアップ可能な微量遠心機とは異なり、共通の場所に配置した機器の共用部分である。
プロセス上、サンプル毎に16回のピペット操作ステップが必要であり、操作完了には約1時間を要する。
【0012】
磁性及びアガロースの各ビーズを用いる何れのワークフローにおいても、下流側ステップにはキャリヤーバッファ交換、及び希釈サンプル濃縮の各ステップが含まれ得る。恐らくはイミダゾールのような溶出剤を除去するためにサンプルのバッファ交換が所望される場合、サンプルは代表的には、クランプその他付きの透析膜管に移送され、次いで、この透析膜管を交換バッファのタンク内に24時間まで配置し、その間、バッファが拡散作用により徐々に交換される。
【0013】
バッファを交換及び濃縮する場合は、タンパク質を保持するがバッファは通す寸法の多孔質UF膜を持つ如き膜分離法/タンパク質濃縮装置を使用し得る。旋回時間をコントロールし且つ適宜の装置デザインを選択することで最終濃縮度をコントロールできる。バッファを効率的に交換するにはバッファ交換ステップを2、3度繰り返す(洗浄及び溶出の各ステップにおける如く)必要がある。これら装置は30〜45分を要し、しかも遠心機内での多数回旋回も要する。EMDミリポア社から市販入手可能なAmicon Ultra(商標名)装置ではバッファ交換及び濃縮に要するピペット操作ステップ数は5回である。
【0014】
タンパク質サンプルが少量化するに従い、装置内のホールドアップ容積を原因とするタンパク質サンプルの所望されざる潜在的損失がそれまで以上に重要なものとなる。最新データによれば、50μLの濃縮サンプルにおける損失量が10μLであればタンパク質回収率は80%となることが示唆される。仮にタンパク質損失量が10μLから1μmへと一桁低下すると80%のタンパク質回収率は98%に向上する。タンパク質サンプルの回収率を18%改善させる価値は極めて高いと言えよう。
【0015】
結合及び洗浄、バッファ交換及び濃縮、及びまたは、完全結合、洗浄及び溶出、バッファ交換及び濃縮を、貴重なサンプル、特にはサンプルサイズが約11mLまでのサンプルを、各装置間でのピペット移送を要すること無く、単一装置内で有効且つ効率的に実施する装置及び方法が提供されることが望ましい。
【0016】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/507,240号
【特許文献2】米国仮特許出願第61/648,631号
【特許文献3】米国発行特許第2,009/0078638号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
結合及び洗浄、バッファ交換及び濃縮、及びまたは、完全結合、洗浄及び溶出、バッファ交換及び濃縮を、貴重なサンプル、特にはサンプルサイズが約11mLまでのサンプルを、各装置間でピペット移送する必要無く単一装置内で有効且つ効率的に実施する装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
従来技術の問題はここで開示する各様相において解決され、ある様相では、結合及び洗浄、バッファ交換及び濃縮、及びまたは、完全結合、洗浄、溶出、バッファ交換及び濃縮プロセスを、多数の装置間でサンプルを移送させることなく実施可能なサンプル調製装置を含む。ある様相によれば、入り口を有するリザーバ、充填ビーズ床等の媒体保持用カラム、濾過装置をシール関係下に受けるホルダ部、出口、を含む遠心装置が提供される。ある様相によれば濾過装置は、サンプルリザーバを有するハウジング、当該ハウジング内に配置した1つ以上、好ましくは2つの、実質的に垂直方向の膜(1つ以上の場合は相互に離間した)、当該膜を貫流した流体がその各を通過して濾過液収集チャンバに流入するように前記膜と関係付けされたアンダドレン、を含む。濾過装置は遠心装置のホルダ部内に差し込まれ、このアセンブリが随意的なホルダ内に配置され得る。前記アセンブリは、随意的ホルダと共にあるいはそれ無しで従来の遠心管内に配置して遠心分離され得る。結合、洗浄、溶出、バッファ交換及び濃縮の各ステップの全てを、ピペット移送(及びそれに伴うサンプル損失)を要することなく装置内で実施し得、かくして十分量の関心サンプルが回収される。サンプル調製装置は結合及び洗浄の各ステップ用にも使用され得、その際に濾過装置は不要であり、バッファ交換及び濃縮の各ステップで使用する場合は媒体が不要である。同じ装置内でバッファを多数回交換可能である。
【0019】
ある様相において、装置は引き込み自在のフィーダ管を含むことで、当該フィーダ管の内側湿潤穿孔及び外側表面上への蓄積によるサンプル液損失を低減させ得る。
ある様相において、サンプルを装置内に然るべく配置した媒体と共に培養し、選択したターゲットが当該媒体に結合される。残余の未結合サンプルは洗浄除去され得る。サンプルは、媒体から捕捉ターゲットを釈放させて溶液に戻すバッファを添加して媒体から関心ターゲットサンプルを溶出させることで浄化される。浄化済みサンプルは分析または保存のために有益な濃度(大抵のタンパク質は1mg/ml程度の濃度下に安定する)に濃縮され得る。
【0020】
ある様相において、サンプル調製装置は、装置から少量(例えばホールドアップ容積の)のサンプルを排出させるよう作動し得るバイアシングメンバまたはダイヤフラムを含み得る。
サンプル調製装置は結合、洗浄、溶出、バッファ交換及び濃縮の各プロトコルに関する全体時間を削減する。サンプルのピペット操作は不要であり、かくしてサンプル回収率が高められる。従来は多数の遠心機旋回ステップを要したバッファ交換及び洗浄の各ステップに対する遠心機旋回ステップ数が1回で済むので、従来可能であったよりも実質的に短時間でバッファを交換できる。結合培養期間は不要である。
【0021】
ある様相によれば、濾過装置と交換チャンバとの間のアセンブリのインターフェースが、物理的ストッパ等の機械的手段または、遠心圧勾配を受けて自己動作するジオメトリにより、捕捉したターゲットから先端部を脱係合させる相対動作または相対分離が可能とされ、かくしてサンプル回収率が最適化され得る。
ここで開示する装置及び方法により達成される利益には、これに限定しないが、アフィニティ分離プロセスのための培養時間の短縮、装置の1プラットフォームにおけるサンプル濃縮性の向上、逆旋回排出型の遠心分離装置を使用してのサンプル回収量の向上、そして、単一旋回バッファ交換希釈、が含まれる。
【発明の効果】
【0022】
結合及び洗浄、バッファ交換及び濃縮、及びまたは、完全結合、洗浄及び溶出、バッファ交換及び濃縮を、貴重なサンプル、特にはサンプルサイズが約11mLまでのサンプルを、各装置間でピペット移送する必要無く単一装置内で有効且つ効率的に実施する装置及び方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の1実施例に従うリザーバ/交換部材の断面斜視図である。
【図1B】本発明の1実施例に従う、前充填したビーズカラムを収納するリザーバ/交換部材の断面斜視図である。
【図2】本発明の1実施例に従うリザーバ/交換部材及び濾過装置の拡大図である。
【図3】本発明の1実施例に従う垂直方向での濾過装置の側方断面図である。
【図4】本発明の1実施例に従うリザーバ/交換部材及び該リザーバ/交換部材内に位置決めした濾過装置の断面図である。
【図5】本発明の1実施例に従うリザーバ/交換部材、濾過装置、随意的なアセンブリホルダ、遠心管及びキャップの拡大図である。
【図6】本発明の1実施例に従うリザーバ/交換部材、濾過装置、アセンブリホルダ、遠心管及びキャップを含むアセンブリの断面図である。
【図7】本発明の1実施例に従うリザーバ/交換部材、濾過装置、アセンブリホルダ、遠心管及びキャップを含むアセンブリの、濾過装置のデッドストップ容積部内に位置決めしたリザーバ/交換部材の先端部を示す断面図である。
【図8】本発明の1実施例に従うリザーバ/交換部材、濾過装置、アセンブリホルダ、遠心管及びキャップを含むアセンブリの、濾過装置のデッドストップ容積部外に上昇されたリザーバ/交換部材を示す断面図である。
【図9】本発明の1実施例に従う結合、洗浄、溶出、濃縮用装置の拡大斜視図である。
【図10】本発明の1実施例に従う濾過装置内の交換部材の占有容積を示す断面図である。
【図11】本発明の1実施例に従う遠心動作中の軸方向動作を許容する回旋部付き部分を有するリザーバ/交換部材の断面図である。
【図12】本発明の1実施例に従う遠心動作中の軸方向動作を許容する薄肉化部分を有するリザーバ/交換部材の断面図である。
【図13】本発明の1実施例に従う遠心動作中の軸方向動作を許容するオーバーモールドした薄肉壁部分を有するリザーバ/交換部材の断面図である。
【図14】カラムの外側表面上の粗面成形部の位置を示すリザーバ/交換部材のダイヤグラム図及び、湿潤面及びガス境界層の断面を示す拡大詳細図である。
【図15】本発明の1実施例に従うダイヤフラムキャップの底部斜視図である。
【図16】図15のダイヤフラムキャップの頂部斜視図である。
【図17】図15のダイヤフラムキャップを含むリザーバ/交換部材の断面図である。
【図18】図15のダイヤフラムキャップを受けるように改変したフランジを有するリザーバ/交換部材の頂部斜視図である。
【図19】本発明の1実施例に従うダイヤフラムキャップを含むアセンブリの断面図である。
【図20】開放位置で固定したダイヤフラムキャップを示すリザーバ/交換部材の頂部斜視図である。
【図21】開放位置で固定したダイヤフラムキャップを示すリザーバ/交換部材の側面図である。
【図22】本発明の1実施例に従うダイヤフラムキャップ及び15mlフィルタを含むリザーバ/交換部材の拡大図である。
【図23】本発明の別態様の実施例に従うリザーバ−交換部材の斜視図である。
【図24】本発明の他の別態様の実施例に従うリザーバ−交換部材の斜視図である。
【図25】本発明の更に他の別態様の実施例に従うリザーバ−交換部材の斜視図である。
【図26】本発明の1実施例に従うダイヤフラム付き及びダイヤフラム無しの各装置におけるホールドアップ容積を示すグラフである。
【図27】本発明の1実施例に従う結合−洗浄−溶出手順を3回旋回手順と比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照するに、本発明の1実施例に従うリザーバ/交換部材が示される。リザーバ/交換部材12(以下、単に部材12とも称する)は、低結合性で透明の、遠心分離中に代表的に遭遇する力に耐え得る材料製であることが好ましい。好適な材料には、浄化したポリプロピレンまたはポリカーボネートが含まれる。ある実施例では部材12は、開放頂部(入り口)を有する全体に円筒状のサンプルリザーバを含むが、その他形状であっても良くそれらもここで説明する実施例の範囲内のものとする。
【0025】
リザーバ14の外径より大きい外径を有する頂部環状フランジ16を設け得、これを遠心管キャップ(図1には示さず)内に座着させ得る。リザーバ14の容積またはキャパシティには特に制限が無く、サンプルサイズ及びまたはリザーバを連結する濾過装置のサイズに応じて選択され得る。容積例には3ml及び11mlが含まれる。ある実施例ではリザーバ14の底部は切頭円錐形状を有し、下方に(開放頂部からの流体流れの方向で)且つ半径方向内側に傾斜され、収斂し、かくしてリザーバ14のそれより小直径のカラム18に導通する中央開口となる。
【0026】
カラム18の上方部分の直径及び長さは、結合ステップを実施するに十分な量の媒体30を保持するよう選択され、かくして、サンプルリザーバ14の結合操作中のサンプル流れ方向での下流側に位置決めされる。結合が所望されない(例えばバッファ交換及び濃縮プロトコル)実施例ではカラム18から媒体を省略できる。カラムは、充填床を創出する少なくとも200マイクロリットルのビーズを保持するに十分な直径及び長さを有することが好ましい。
【0027】
直径例は約1/4インチ(約0.6mm)、長さ例は1/2インチ(約1.25mm)である。媒体使用時は、多孔質フリット31等の媒体維持構造を媒体20の下方に配置して媒体を然るべく保持させるが、前充填式カラムの場合は媒体上方に追加の保持構造31aを位置決めしてカラム直径内に媒体を収納する必要が生じ得る(図1B)。カラム18は、濾過装置50がその使用中に接触して位置決めされるところの肩部またはストッパ(例えば、濾過装置50と部材12との間に液体シール用のインターフェースを提供するべく介装させたガスケット40(図2)による)を提供する環状フランジを含み得る。カラムは、中間直径を有するホルダ部20をその環状フランジ19の下方に有し、当該ホルダ部は、当該カラム上にその使用中に位置決めされた濾過装置のサンプルリザーバの上方部分に受けられる。
【0028】
ホルダ部20の外径は環状フランジ19のそれ未満である。ホルダ部20のそれより外径の小さい下流側の減径部21が、使用中のカラム上に位置決めされた場合に濾過装置のサンプルリザーバ部分の下方側で膜の上方に座着される。
【0029】
カラム18の部分22は、比較的厚い上方部分22aから比較的薄い下方部分22bへと半径方向に傾斜され、かくして結合/溶出チャンバを画定するフィン付きジオメトリを有する。カラムは前記薄厚部分22b位置において、位置22cで半径方向内側に傾斜し、ステム23において収斂し、好ましくは開放底端部24を有する中央に位置付けられ、前記ステムはフィン付き形状のカラムから軸方向に伸延する。当該フィン付き形状部は、壁厚を一様に維持するべくくり抜いた濾過装置50の内側部に合致するよう賦形される。ある実施例では、フィン付き形状部が、カラム18の部分22において濾過装置50の膜12A及び12B間の全容積部分を実質的に占有し、かくして開放低端部24付近の所望のサンプル容積を維持する。ステムは円筒形状を有し且つ開放低端部24方向へと半径方向内側に傾斜されるのが好ましい。
【0030】
ある実施例では媒体は、サンプル内の選択された分析物を捕捉し、バッファ条件が明らかに変化した場合にそれらを釈放する媒体等のクロマトグラフィー媒体であり得る。好適な媒体には、金属キレートを結合するビーズ、タンパク質A、グルタチオン、アルブミン等が含まれる。媒体は、磁性、非磁性、アガロース等であり得、IMAC、タンパク質A、グルタチオン、ストレプトアビジン、等の特定のケミストリーにより改変され得る。従って、媒体は所望の結合を実現させる適宜のケミストリーを含み得る。
【0031】
ある実施例では、フィン付き部分及びカラムが、スナップフィット、ルアーフィット、螺着等によるなどでリザーバ14に装着し得る単一の、着脱自在の特徴部を構成し得る。当該着脱自在の特徴部はリザーバ部分の洗浄及び再使用を可能とし、かくしてプラスチック廃棄物量及び廃棄コストを削減させる。図23にはカラム18を取り外し自在の装置例が示される。リザーバ14にカラム18を連結するために任意の好適な連結機構を使用できるが、図23には、カラム18が、リザーバ14の下方部分144にねじ受けされるねじ部分118を含み、前記下方部分144が、ねじ部分118のねじと合致する内側溝145を含む実施例が示される。前記下方部分144は円筒形状を有し且つ、リザーバ14と流体連通するスパウト146に外接することが好ましい。
【0032】
カラム18が取り外し可能であることにより、同一のリザーバ14に異なるカラム18を使用する融通性が得られる。図24及び25にはリザーバに多数のカラムを装着する類似実施例が示される。例えば、図24の実施例ではリザーバ14’は2つの出口を有し、2つの取り外し自在のカラム18A及び18Bの各々を前記出口に装着可能である。同様に、図25のリザーバ14”は4つの出口を有し、各出口には4つのリザーバカラム18A、18B、18C、18Dの各々を装着可能である。
【0033】
図2には部材12及び濾過装置50の拡大図が示され、濾過装置50が部材12のカラム18に受けられる方向で示されている。カラム18の部分22が平坦であり且つ傾斜され、濾過装置50が対称性を有することから、濾過装置50は図2に示す2通りの何れかで且つその状態から180°回転した状態においてのみ、カラム18上に嵌装され得る。図示実施例では濾過装置50と部材12との間にガスケット40を用いた液密シールが提供される。Oリング等のその他シール機構または、フェースシール、可撓性のリードタイプシール等を含む、オーバーモールドによるカスタム形状の成型シールを使用できる。それらオーバーモールドによる成型シールは一体成型され得る。
【0034】
図3を参照するに、本発明の1実施例で使用するに好適な濾過装置50が示される。当該濾過装置50は、ここでの参照により本明細書の一部とする米国発行特許第2,009/0078638号に記載されるものである。濾過装置50は、未濾過サンプルを受けるサンプルリザーバ11と、図示の如く濾過装置50の側壁上に夫々配置した第1及び第2の膜12A及び12Bとを含む。デッドストップ容積を画定する保持液チャンバ14が第1及び第2の膜12A及び12Bの下方に設けられる。濾過装置の中心位置にデッドストップ容積を位置付けると共に遠心分離機の角度方向変化時のデッドストップ容積の変動を実質的に低減させる、全体に弓状で且つ装置の底部周囲から外側に突出する収集先端部30を設け得る。
【0035】
濾過装置50は、液体不透過性で、タンパク質低結合性で、遠心分離中の付加重力(Gs)に対する強耐性を有することが好ましい。好ましい材料には、アクリル、CYROLITE G20 HiFlo樹脂、ESTAR HN631樹脂、及びKRATONポリマーが含まれる。特にサイドパネルは、オペレーターまたはユーザーが装置内腔を目視して濾過プロセス前後の流体高さを判定し得るよう、透明プラスチック材料製とされ得る。各サイドパネルは膜を支持し且つ保持液チャンバ14への流体連通を提供するアンダドレンサポートを含む。当該アンダドレンサポートは、例えば、膜下方に位置付けられて当該膜を通過する濾過液を捕捉し、当該捕捉濾過液をドレン孔に送り、受け瓶に流入させるための、長手方向に間隔を置いた一連の溝、チャンネル、または表面テクスチャを含み得る。
【0036】
各膜は各サイドパネルにシールされ、かくして、当該膜を通過する流体のみが濾過装置のサイドパネルに位置付けたドレン孔から排出され得る。ある実施例では各膜12A及び12Bはアンダドレンサポートの各々と同一長さを有し且つ当該アンダドレンサポートにシールされる。アンダドレンサポートは、膜を支持し且つ可能な限り平坦に維持し、他方、流体が濾過装置のドレン孔18へと流動させ且つ通過させるに十分な開放空間が膜下方に許容されるジオメトリを有する。流体の流体力学的抵抗は可能な限り低く維持されるのが好ましい。
【0037】
好適な膜には、微孔質膜や超微孔質膜が含まれるが、後者は限外濾過用に有益である。再生セルロース限外濾過膜(例えば、“Ultracel Amicon YM”膜(商標名)や、“Ultracel PL”膜(商標名)をマサチューセッツ州ベドフォードのミリポア社から入手できる)は極めて希釈されまたは疎水性のサンプル液の濃縮または脱塩用の濾過装置に適する。“タイト”なマイクロ構造を持つ親水性膜を使用することで、タンパク質、DNA及びその他の高分子材料の保持性の良好化が、吸着率を低下させる状態下に促進される。ポリエーテルスルフォン限外濾過膜(例えば、やはりミリポア社から入手可能な“Amicon PM”や“Biomax PB”(何れも商標名))あるいはその他の、急速分離用に好適な“開放”マイクロ構造を有する同様の膜は、血清、血漿等の更に濃縮されたサンプル液、及び条件組織培地等の濃縮及び脱塩を目的とする装置用としてより好適なものである。
【0038】
各膜12A及び12Bは、装置10の長手方向中心線に関し、各膜の頂部間が膜の底部間よりも長い距離離間されるように若干角度付けして配向することが好ましい。これにより漏斗形態が形成される。従って、各膜を位置決めすると遠心分離中に接線方向流れ効果が得られる利益が生じる。前記角度は約0°で且つ約5度未満、好ましくは約3°が好適であることが分かった。
【0039】
各サイドパネルは1つ以上のドレン孔18(図2)を有し、これらドレン孔は保持液チャンバ14流体連通し、かくして濾過液を装置ハウジングを通過させて別のハウジング内に収集させ得る。各ドレン孔18は各アンダドレン溝またはアンダドレンチャンネルの底部に好ましく位置付けられ、好ましくは実質的に円形断面を有する。各ドレン孔は、装置製造中に使用され得るヒートシール操作により潰されたり、あるいはそうでなければ悪性変質化されないよう各サイドパネルの側縁部から十分話して位置付けるべきである。ドレン孔18は相互に等間隔で且つ共直線上にあることが好ましい。
【0040】
図4には、濾過装置50を部材12のカラム18上に然るべく位置決めした部材12が示される。ガスケット40が、濾過装置50とカラム18のフランジ19との間にシールインターフェースを提供する。部材12のステム23は、以下に詳しく説明するように濾過装置50のデッドストップ容積内に位置決めすることが好ましい。
図5に示すように、本発明のある実施例では、濾過装置50に取り付けた部材12を、アセンブリに代表的に印加される遠心力下に維持するための随意的なアセンブリホルダ60を設け得る。
【0041】
ある実施例では、アセンブリホルダ60は部材12と同一材料製とされ得、部材12のリザーバ14を受ける構成を有する円筒形状の頂部保持スリーブ62を含む。半径方向外側に伸延する頂部環状フランジ6が部材12の環状フランジ16の座部を提供する。ある実施例では、頂部保持スリーブ62の底部63は、リザーバ14の類似形状の底部を受けるべく切頭円錐形状を有する。底部63の中央に位置付けた孔が、軸方向に伸び且つ穿孔を有する円筒状カラム64に導通される。前記穿孔は、濾過装置50を受け、当該濾過装置の下方部分を穿孔から軸方向に突出させる(図6)形状を有する。
【0042】
各コンポーネントを遠心分離等用にアセンブリ化するに際しては、濾過装置50を部材12のカラム18上に差し込み、次いでホルダ60内に差し込み得る。この組み合わせ構造を、その上面上にフランジ61を座着させ得る外径を有する従来型の遠心管70内(例えば15または50mlの)に配置する(図6)。次いでキャップ72を管上に螺着させあるいはそうでなければ連結し、かくしてアセンブリを管内に固定し得る。随意的なホルダ60を省略する場合は部材12のフランジ16を管70の上面上に座着させる。
【0043】
大抵の浄化及びIPプロトコルに関し、結合及び洗浄の各ステップをカラム22から脱着した濾過装置と共に実施し得る。次いで濾過装置をカラム22に装着し、遠心分離を介して装置から直接タンパク質を溶出させ得る。未結合画分が関心サンプルであるデプリーション操作では、濾過装置はプロセス開始時からカラム22に装着したままとされる。
【0044】
ある実施例では、媒体カラム30は好ましくはビーズである媒体を、クロマトグラフィーカラムとほぼ同様のカラム内に収束させる。これにより充填床が創出され、流体はその移動相(貫通流動)及び静止相(媒体)間で相互作用し得る確率が高くなる状態下に当該充填床を貫通する。これにより、結合、洗浄及び溶出がより効率化される。実際、洗浄及び溶出の各ステップ数を、結合(培養)必要時間を最小または全く要することなく、各3回から1回に減少させ得る。濃縮ステップ数が1回のみである場合は回収タンパク質の活性は増大することが示される。結合(培養)が所望される場合、フリット31を疎水性フリットとしてサンプル流体の貫流を阻止させ、かくして遠心分離による流動開始までの培養時間を延長させ得ることが好ましい。例えば、疎水性材料を含むフリットは、磁性ビーズ溶液中でドリッピングの発生無くアガロースを培養し得、約100〜約700Gの間の遠心力Gを受けると濾過液をレシーバ管中に通過させ得る。好適な材料には、Porex社の製造するケース(case sintered)焼結ポリプロピレン、フッ素化プラズマ処理等で表面コーティング処理したFiltronna社の製造するフィラメント押し出し成型(filament extruded)ポリプロピレンが含まれる。結合が所望されない、バッファ交換及び濃縮等の場合は媒体はアセンブリから省略できる。フリット(媒体保持構造)も省略できるが、当該フリットはバッファ交換とは干渉しないため、所望であれば装置に残して良い。
【0045】
カラム22のフィン付き下方部分は、バッファ交換効率を従来法におけるよりも効率化させ得る。本願発明者は当該作用は、理論に束縛されるものではないが、膜分離法原理に基づくものと考える。交換カラムと濾過装置との間のジオメトリーを合致させることでシステムにおける交換用バッファの流れが最適化される。ある実施例では、フィンは濾過装置内の未使用キャビティ空間の大半を充填し且つ出口孔24付近のサンプル容積を維持するジオメトリを有することが好ましい。カラム22内の交換用バッファと濾過装置内のサンプルとは遠心分離中は静的平衡条件下にあるため、交換用バッファのヘッド高さが低下すると所定時間でのサンプルのシステム排出容積は減少し、他方、交換用バッファ流量は増加する。
【0046】
図10に示すように、膜12Aに面するフィン表面間(及び膜12Bに面するフィン表面との間)のオフセット量“A”は、濾過装置の膜無し表面(例えば、81A及び81B)に面するフィン表面間のオフセット量“B”より大きく、かくしてフィンは、膜貫通流れを阻止し得るところの膜部分を閉塞することがない。ある実施例では各膜に面するフィン表面間のオフセット量“A”は、約0.005〜0.02インチ(0.127〜0.508mm)、好ましくは0.02インチ(0.508mm)である。濾過装置の膜無し表面に面する各フィン表面間のオフセット量“B”は約0.005〜0.02インチ(0.127〜0.508mm)、好ましくは0.005インチ(0.127mm)である。膜の流れ特性を最適化しつつ、サンプル容積を最小化させることが最適である(交換率が最適化されるため)。フィンは、各膜の作用エリア間への流体位置付けを助成し、膜の不作用部分とフィンとの間の流大量を最小化するジオメトリを有する。
【0047】
更には、ビーズストッパ内にステム23を位置決めすることで混合性が高められ、変性由来の凝集が回避され、また、交換用バッファがバッファ交換カラムを介して常に入手可能であることからタンパク質乾燥が回避される。デッドストップ容積の流体空間内にコントロール容積部分が形成されることから、バッファがより効率的に混合され得る。このコントロール容積部分内には安定した流れシステムが存在する。リザーバ14からのバッファと混合液とはドレン孔18から排出される。コントロール容積部分内では先端部23から排出されるバッファ流れにより渦混合流が発生し且つ維持される。この渦混合流が、バッファとサンプル流体との混合効率を向上させる。バッファ交換は、遠心分離中に交換装置の先端部23が、図7に示すように濾過装置50のサンプル容積画室の底部付近まで(底面と接触して出口穴を詰まらせ且つ出口流れを詰まらせることなく)沈下した場合に最適化及び効率化される。
【0048】
ある実施例では、バッファ交換の完了後、遠心分離中に交換装置の先端部23を図8に示すようにサンプル外に上昇させる等して先端部23と濾過装置50とを相対移動させ得ることによる追加的利益が得られる。この相対移動により、材料の表面張力に起因してサンプルが先端部の内外の各面に粘着することによるサンプル損失の恐れが低減される。先端部と濾過装置とが、物理的ストッパまたは、遠心圧勾配を受けて自己動作するジオメトリ等により、捕捉したターゲットから先端部を脱係合させる相対動作が可能とされ、かくしてサンプル回収率が最適化され得る。
【0049】
先端部は図11に示す如き引き込み自在形状部を含むことから、当該先端部の内側湿潤穿孔及び外側面上への蓄積によるサンプル液損失量が低減される。濃縮サンプル液は初期において既に濾過装置50の底部に位置付けされる。バッファ交換液がリザーバ14に追加され、フリット材料を通過して濾過装置に流入され得る。遠心旋回動作中、バッファ交換液は濾過装置50に流入して混合される。この混合により、塩分濃縮タンパク質サンプルがバッファ交換液により希釈され得る。旋回完了後、先端部23の端部は尚、濃縮サンプルの容積中に伸延され得る。先端部の遠位端の内側穿孔内に吸引され且つ先端部の外側壁面をコーティングする少量のサンプルは5〜6μLにもなり得る。混合挙動は、先端部の遠位端が濃縮サンプル容積中に沈降されていることで最良化される。
【0050】
1オプションでは二次的な旋回操作により前記5〜6μLのサンプル液を移動させる。当該オプションには、遠心分離を停止し、機械的管理によりリザーバ全体を0.100インチ(0.004mm)の距離サンプル容積から上昇させることを含み得る。しかしながら、二次旋回仕様は望ましくない。
対照的に、図11〜13に示す如き引き込み自在の先端部デザインでは、旋回速度に至る遠心力Gによって先端部をサンプル容積中に引き込み、遠心旋回速度がゼロに低下する際にサンプル容積から弾性的に引き出し得る。遠心力Gは先端部23を濾過装置50のサンプル容積の底部内に引き込み、単一の旋回操作におけるもっと有効なバッファ希釈を達成する上で必要な最も有効な混合挙動を促進する。全てのバッファ交換液が装置を通過した後、旋回低下中に減少する静水圧及び遠心力Gが、先端部23をサンプル容積から引き出す。引き出された先端部は当該先端部の内側穿孔内及び先端部の外側面の残留流体を剥離させ得る。
【0051】
図11には、本発明の1実施例に従う単一のリザーバ14及び先端部23における長さを、旋回以前は短く、旋回中は伸張させる構造を例示する。伸張は、カラム22を画定する弾性材料製の薄肉壁内に回旋部90を1つ以上、例えば1〜5(図では3)箇所成型あるいはそうでなければ形成してアコーディオン構造部とすることで実現し得る。好適な1つの材料は、破れずに50〜200%にも伸長し得る射出成型シリコーンである。その他好適な材料には、ポリウレタン及びその他の熱可塑性エラストマーが含まれ得るが、それらの非特異的タンパク質結合性は妥当な低さであるべきである。
【0052】
装置のリザーバ部分を高剛性化する必要がある場合、エラストマー材製の回旋部90を、ポリプロピレンまたは同等材料から前成型したリザーバの端部上にオーバーモールド成型し得る。
図12には、カラム22が直線状の薄肉壁部分91を含む更に簡単な設計形状例が示される。当該実施例では多数の回旋部は省略されている。薄肉壁部分により、カラム22の軸方向長さが遠心分離中の遠心力Gにより延長され得る。薄肉壁の好適な厚さには約0.015〜約0.040インチ(0.381〜1.016mm)が含まれる。
【0053】
図13にはオーバーモールド設計例が示される。クロスハッチ部分が前成型したリザーバ部分を表わす。カラム22は、液体射出成型(LIM)、シリコーン、熱可塑性エラストマー、あるいは同等材料等の、透明または事実上透明なエラストマー材料を用いてリザーバ上にオーバーモールドされる。好適な材料は、関心サンプルタンパク質の回収を妨げない非特異的タンパク質結合特性を有するべきである。
【0054】
ある実施例では、サンプルホールドアップ容積の低減は、フィーダー管カラム22及びまたは先端部23の外側表面における入手可能な湿潤表面積を、粗化され且つテクスチャ付けした表面をカラム及びまたは先端部の外側表面上に含ませる等により一段と改善され得る。それらのテクスチャ付け表面は、少なくとも直径約10μ及び高さ約10μの粗面部(小凹凸部)から構成され得る。これらの粗面部は、ポリプロピレン、ポリエチレン、PTFE、あるいは同等材等の低表面エネルギー材料を用いて装置内に成型し得る。これら粗面部は、装置表面の表面湿潤化を有意に低減させる表面トポグラフィーを創出する。粗面部の最高点部分のみが流体流れで湿潤化され、且つサンプル流体と接触するようになる。
【0055】
谷部またはトラフ部は非湿潤状態に維持され、当該実施例では代表的には空気であるガスの薄い境界層で覆われる。これにより、湿潤化挙動(疎水性挙動)によるサンプル損失が著しく低減される。またこれにより、サンプル流体の非特異的タンパク質結合に基づくサンプル損失発生の機会をも著しく低下させる。低表面エネルギー材料と粗面部ジオメトリとの組み合わせで創出されるところのロータス効果として知られる効果が、流体の表面保持に関わるサンプル損失の低減及び、関心度は高いが低含量のタンパク質画分の所望されざる結合、の低減を助成する。
【0056】
装置内の粗面成型が非常に困難または容易でない場合、各表面22及び23をシリコン溶媒エマルジョンでコーティングして装置の表面エネルギーを最小化する、またはプラズマ処理し得る。
サンプル(得に、高価値のサンプル溶液)回収の更なる最大化が望まれる場合はホールッドアップ容積や非特異的なタンパク質結合に基づくサンプル損失の最小化が必須となる。タンパク質サンプル容積が少量化するに従い、装置内のホールドアップ容積による所望されざるサンプル損失は重要となる。ある実施例では、装置はバイアス部材またはダイヤフラムを有するダイヤフラムキャップを含み得、当該ダイヤフラムキャップが、フィーダ管の湿潤化穿孔上等に堆積するサンプル液の損失を防止する。例えば、遠心分離完了時、少量のサンプルがフィーダ管の遠位端の内側穿孔内に吸引され得る。この少量のサンプルまたはホールドアップ容積は5〜10μLもの量であり得る。このホールドアップ容積の幾分かまたは全てが、バイアス部材を作動して装置内に圧力を発生させ、これらホールドアップ容積の幾分かまたは全てを装置外に強制排除させることで装置の内側穿孔から排出され得る。
【0057】
図15及び16には、ある実施例におけるダイヤフラムキャップ300が、リザーバ/交換部材12に固定、好ましくはヒンジ連結され得る状況が示される。ダイヤフラムキャップ300は装置キャップ72とは干渉しないことが好ましい。ある実施例では、ダイヤフラムキャップ300は周囲部301と、この周囲部301から半径方向内側に位置付けたバイアス部分302とを含む。バイアス部分302は、肩部303を介して周囲部301からステップダウンされ、空気を逃出させ得る孔320を含む。ある実施例ではダイヤフラムキャップ300は全体に円形であり、周囲部301は環状リングとされ、バイアス部分も円形とされ且つ、部材12のサンプルリザーバ14の入り口(例えば、フランジ16位置の)の内径に相当する直径を有する。バイアス部分302を前記寸法形状とすることで、当該バイアス部分302の外側周囲縁部は、図17に示すように部材12の内壁とシール係合する。
【0058】
ある実施例では、リザーバ/交換部材12のフランジ16の上部表面は図18に示す如きキャップ受け部305を有する。キャップ受け部はフランジ16の上部表面の残余部から若干軸方向に後退し、且つ、フランジ16の上部表面の前記残余部を超えて上方に伸びるボタン306を含む。ボタン306は、キャップ300の周囲部301の孔307と形状が一致し、前記孔307は、周囲部301の残余部から(図16)軸方向に若干(肩部311、312の高さ)後退した周囲部分308に形成される。図16及び17に示されるように、周囲部分308から半径方向内側に第2の孔313が画定される。ある実施例では、ボタン306の上部表面316は孔307(図19及び21に最もよく示される)の幅より幅広であり、かくして、リザーバ/交換部材12からのキャップ300の意図せざる脱落を防止する。
【0059】
フランジ16は、ダイヤフラムキャップ300上の軸方向に伸延するタブ309と協働してキャップ300を部材12上にスナップ係合させ得るよう形状付け及び位置決めした半径方向凹部307をも含む。かくして、ダイヤフラムキャップ300が図17に示す如き閉位置にあると、タブ309はフランジ16の半径方向凹部307内に位置決めされる。ある実施例では、半径方向凹部307はキャップ受け部305とは反対側に位置決めされ、タブ309は同様に周囲部分308とは反対側に位置決めされる。タブ309と半径方向凹部307とが協働することでダイヤフラムキャップを片手で操作可能となる。例えば、ユーザーは、親指の先をタブの底部自由端の下側に置き、前記タブを半径方向凹部307から解放されるまで上方に持ち上げることで、装置を保持しつつダイヤフラムキャップをその閉位置から開位置へと移動させ得る。
【0060】
図20及び21にはダイヤフラムキャップ300が開位置において例示される。ダイヤフラムキャップ300はその開位置ではボタン306を介してフランジ16との連結状態に維持される。孔313が、開位置及び閉位置間でダイヤフラムキャップ300がそこを中心としてピボット動作する半径方向軸を画定する。図22には、15mLフィルタ50’等の大型フィルタを含む実施例の拡大図が示される。図示実施例では、アセンブリホルダは使用されないが使用は可能である。
【0061】
バイアス部材またはダイヤフラム302は変形可能な可撓性材料から作製され、従って、ダイヤフラムキャップがその閉位置にある場合はユーザーが人差し指等で軸方向に容易に偏向させ得る。ダイヤフラム302をそのように動作させることで、フィーダ管や遠位部の管の内腔中のホールドアップ流体を排出し、かくしてホールドアップ容積を低減または排除させるする力が装置内に発生する。
ダイヤフラムキャップ300は、然るべく配置した螺溝キャップ70付き、またはそれ無しの装置アセンブリの遠心分離を可能とする。
ダイヤフラムまたはバイアス部材はエラストマーで、または熱形成され得る。
【0062】
例1:アフィニティーデプリーション
当該プロトコルではサンプルの主たる汚染物は、関心成分が溶液に残存する間に媒体に選択的に結合する。溶液は結合ステップ完了時に更なる分析用に回収される。
完全アセンブリ化した、結合、洗浄、溶出及び濃縮(BWEC)装置(例えば図9)にアルブミン及びIgGに結合するビーズを添加する。次いで、血清サンプルを添加してビーズとの相互作用を可能とし、該ビーズが、固定化抗アルブミン抗体及び固定化タンパク質Aとの相互作用を介してアルブミン及びIgGをビーズ表面上に吸着してこれらを選択的に除去する。培養ステップ後、遠心分離によりビーズを液体中の未結合成分から分離する。ビーズは、分析物及び関心バイオマーカーを含む溶液が下方のチャンバに送られる間、BWEC装置内のフリットにより留置される。前記チャンバは簡易的には試験管であり得または、ビーズ除去用の同じ遠心分離ステップにおいてサンプル内のタンパク質バイオマーカーが濃縮され得る利益が提供されるところの、Amicon Ultra−0.5遠心分離機ユニット等のろ過装置であり得る。この点は、血清サンプルは代表的には、除去するべきアルブミン及びIgGが非常に高濃度であるため、完全除去するには大量のビーズと接触させる必要があることからビーズ培養に先立ち10倍に希釈する必要がある点で、アフィニティーデプリーションでは特に重要である。希釈サンプルから十分量のタンパク質を除去した後、残余の関心ターゲットを代表的には濃縮させる必要がある。かくして、ビーズ除去分離及びサンプル濃縮の各ステップを組み合わせることで、ワークフローにおける取り扱い量が低減される。
【0063】
例2:アフィニティー浄化
ここではアフィニティービーズを使用しての関心分析物の浄化の代表例を説明する。この場合、ビーズはターゲットを選択的に結合するために使用され、汚染物が洗浄され、バッファシステムを変更することで関心分析物をビーズから溶出させる。
銅を充填した固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)ビーズを、アフィニティー浄化6XHisタグにリンクさせた融合タンパク質を収納するサンプルと共にBWEC装置に装填する。6XHisタグは銅充填IMACビーズ(a.k.a.his タグビーズ)に結合することが知られている。結合完了後、装置を遠心分離し、ビーズを装置内のフリットに保持させつつ、溶液中の残留汚染物を除去する。追加装填したバッファでビーズを洗浄し、かくして一段と清浄に浄化させ得る。しかしながら、初期分離及び洗浄はろ過装置(例えば、Amicon Ultra−0.5遠心分離装置)無しで実施され、未結合溶液及び洗浄液は遠心管の底部に廃棄物として収集される。洗浄完了後、ろ過装置(例えばAmicon Ultra−0.5遠心分離装置)をBWEC装置の出口に装着し、ターゲットをビーズから分離させる溶出バッファを添加する。次いで、浄化済みターゲットを追加的な移送ステップを要することなく単一旋回でろ過装置内で収集させ且つ濃縮させる。
【0064】
例3:バッファ交換
例1及び例2はBWEC装置のビーズ取り扱い機能の利益のみに関するものである。本例ではバッファ交換能力を説明する。バッファ交換用に限外ろ過装置が長年使用されてきている。バッファは、サンプルを単に濃縮(例えば、500μlから50μlの10倍に)し、次いで新規のバッファで本来の容積に戻るまで希釈することで交換される。この単一ステップにおいてバッファ交換率はおよそ10倍あるいは90%に上昇する。これは代表的には、Amicon Ultra−0.5遠心分離装置等の代表的遠心分離装置を用いて分離旋回を3回要する99.9%のオーダーの最適条件には不十分である。しかも、単一旋回を用い、本例では1.5mlであるところの全容積で単に希釈した場合は各0.5mlとして3回旋回する場合(99.9%)より効率的(96.7%)ではない。96.7%は99.9%に近いが、96.7%交換時のサンプル中の残留バッファ量は実際は33倍になる。単一旋回を成功させるには、単一回の大量希釈よりむしろ、新規バッファを攪拌しつつサンプル中に低速供給するのが重要である。
【0065】
アジ化物あるいは幾分かのその他の非所望バッファあるいは塩を含有するタンパク質/DNAサンプルを、完全アセンブリ化した装置(BWEC+ろ過装置、例えばAmicon Ultra−0.5遠心分離装置)に先ず添加する。次いで、これを遠心分離して50μlに濃縮する。その後、新規バッファ1.5mlを装置に追加し、再度遠心分離する。装置が新規バッファをサンプル中に低速供給し、かくして所望されざる以前のバッファを流出させ、新規バッファ中に濃縮されたサンプルを残す。
【0066】
例4:アフィニティ浄化とバッファ交換との組合せ
アフィニティー浄化済みまたはアフィニティーデプリート済みサンプルの濃縮に加えてバッファ交換も必要である場合、浄化ステップとバッファ交換ステップを単に組み合わせることで当該バッファ交換を実施し得る。
IMACビーズを、6XHisにリンクさせた融合タンパク質を収納するサンプルと共にBWEC装置に装填する。結合完了後、装置を遠心分離し、ビーズを装置内のフリットに保持させつつ溶液中の残留汚染物を除去する。追加装填したバッファでビーズを洗浄し、かくして一段と清浄に浄化し得る。洗浄完了後、ろ過装置(例えばAmicon Ultra−0.5遠心分離装置)をBWEC装置の出口に装着し、ビーズをターゲットから分離させる溶出バッファを追加する。次いで、浄化済みターゲットを、追加的な位相ステップを要することなく単一旋回でろ過装置内で収集させ且つ濃縮させる。溶出バッファに代表的に使用するイミダゾールを除去するべく1.5mlのPBSを装置に添加し、再度旋回させ得る。PBSは予め溶出されたサンプル内に低速供給され、かくしてイミダゾールを流出させ、PBSで置換させる。
【0067】
例5:ホールドアップ容積
ホールドアップ容積を結合−洗浄−溶出−濃縮(BWEC)の各装置及びダイヤフラムキャップにより評価する。各装置を、4000xg下に1.5mlBSA(1mg/mlPBS)で2分間予備洗浄し、0.5μmフィルタ装置(EMDミリポア社から入手可能なAMICON ULTRA 0.5ml 10k)を組み込んだ後、0.5mlBSA(1mg/mlPBS)を添加し、次いで、4000xg下に15分間遠心分離する。ホールドアップ容積は、ダイヤフラムの作動前後における装置の重量差により算出する。図26に結果が示され、ダイヤフラム作動時のサンプル回収量はダイヤフラム作動無しの場合と比較して1.5μl以上であることが示される。
【0068】
例6:
結合−洗浄−溶出(BWE)の各装置をバッファ交換に関し評価する。50μlの10mM Tris、pH7.5、1M NaClを、フィルタ装置(EMDミリポア社から入手可能なAmicon Ultra−0.5遠心分離装置)に分与し、これら装置を交換管内に組み込み、1.5mlの10mM Tris、pH7.5を前記交換管内に添加した後、4000xg下に15分間遠心分離した。1000xg下に2分間逆旋回させて保持液を収集し、10mM Trisを含む最終容積を100μlに調整した。4.9ml Milli−Qウォーターを追加して導電性を計測した。3回旋回コントロール用に、バッファ交換を0.5mlでの3回の連続洗浄で交換した。図27には、3回旋回法と同等の結合−洗浄−溶出が単一旋回のみで実施されたことが示される。
【符号の説明】
【0069】
6 頂部環状フランジ
10 装置
11 サンプルリザーバ
12 部材
12A 膜
12 リザーバ/交換部材
14 サンプルリザーバ
16 頂部環状フランジ
18 カラム
18A リザーバカラム
18 ドレン孔
19 環状フランジ
20 媒体
21 減径部
22a 上方部分
22b 下方部分
22 フィーダー管カラム
23 先端部
24 開放底端部
30 媒体
31a 保持構造
31 フリット
40 ガスケット
50 濾過装置
60 アセンブリホルダ
61 フランジ
62 頂部保持スリーブ
63 底部
64 円筒状カラム
70 管
72 装置キャップ
90 回旋部
91 薄肉壁部分
144 下方部分
145 内側溝
146 スパウト
300 ダイヤフラムキャップ
301 周囲部
302 ダイヤフラム
303 肩部
305 部
306 ボタン
307 半径方向凹部
308 周囲部分
309 タブ
311 肩部
313 孔
316 上部表面
320 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル調製装置であって、
サンプルリザーバを有するリザーバ/交換部材、
前記サンプルリザーバから軸方向に伸延するカラム、
前記サンプルリザーバと流体連通し且つ該サンプルリザーバから離間する出口、
前記リザーバ/交換部材に装着した濾過装置にして、濾液チャンバ、前記サンプルリザーバと濾液チャンバとの間にシール状態下に位置決めした1つ以上の離間する膜、該膜下方のデッドストップ容積を画定する保持液チャンバ、を含む濾過装置、
を含み、前記リザーバ/交換部材の出口が前記デッドストップ容積内に位置決めされるサンプル調製装置。
【請求項2】
前記サンプルリザーバを受ける構成を有する保持スリーブ、前記濾過装置に適合する穿孔を有し且つ軸方向に伸延するカラムに導通する孔、を含むアセンブリホルダを更に含む請求項1に記載のサンプル調製装置。
【請求項3】
前記出口が、前記カラムから軸方向に伸延するステムの孔を含む請求項1に記載のサンプル調製装置。
【請求項4】
前記ステムが軸方向に伸延自在であり且つデッドストップ容積内に軸方向に引き込み自在である請求項3に記載のサンプル調製装置。
【請求項5】
前記ステムがサンプルリザーバによりその一端位置で固定され、且つ、軸方向に伸延自在であり且つデッドストップ容積内に軸方向に引き込み自在のエラストマーオーバーモールド部分を含む請求項4に記載のサンプル調製装置。
【請求項6】
前記ステムが、軸方向に伸延自在であり且つデッドストップ容積内に軸方向に引き込み自在とさせ得る1つ以上の回旋部を含む請求項4に記載のサンプル調製装置。
【請求項7】
前記濾過装置が離間する2つの膜を含み、該離間する膜間の容積を有し、前記カラムが、前記膜間の容積を占有する形状のチャンバを含み、該チャンバが前記各膜からオフセットされる請求項1に記載のサンプル調製装置。
【請求項8】
カラムのチャンバが、前記リザーバ/交換部材の出口方向へと半径方向内側に傾斜される請求項5に記載のサンプル調製装置。
【請求項9】
前記リザーバ/交換部材内に位置決めしたバイアス部材を含むダイヤフラムキャップを更に含む請求項1に記載のサンプル調製装置。
【請求項10】
前記カラムがクロマトグラフィー媒体を含む請求項1に記載のサンプル調製装置。
【請求項11】
前記カラムがフリットを含む請求項1に記載のサンプル調製装置。
【請求項12】
前記フリットが疎水性材料を含む請求項11に記載のサンプル調製装置。
【請求項13】
サンプル調製方法であって、
サンプルリザーバを有するリザーバ/交換部材、前記サンプルリザーバから軸方向に伸延し且つ媒体を収納するカラム、前記サンプルリザーバから離間され且つサンプルリザーバと流体連通する出口、前記リザーバ/交換部材に装着された濾過装置にして、濾液チャンバ、前記サンプルリザーバと該濾液チャンバとの間にシール状態下に位置決めした1つ以上の離間する膜、該膜の下方にデッドストップ容積を画定する保持液チャンバ、を含む濾過装置、を含むサンプル調製装置を提供するステップ、
前記媒体にターゲットを選択結合させ、媒体に結合した前記サンプルを洗浄して汚染物を除去し、単一ステップで遠心力を付加することで前記媒体から前記ターゲットを前記濾過装置内に溶出させるステップ、
を含む方法。
【請求項14】
前記リザーバ/交換部材内にバイアス部材を提供し、該バイアス部材を軸方向に動かすことで濾過装置内のサンプルのホールドアップ容積を減少させるステップを更に含む請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図1B】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図21】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図27】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図25】
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