説明

カウルカバー装置

【課題】外観を低下させることなく係止爪部の信頼性を向上できるカウルカバー装置を提供する。
【解決手段】カウルトップカバー31は、フロントガラス14と車体パネルとの間のカウル部を覆うカバー本体部36を有する。カウルトップカバー31は、カバー本体部36の裏面36a側に突設した係止爪部41を有する。係止爪部41は、後側に爪部41cを有する。スペーサ32は、フロントガラス14の縁部14aの裏面14b側に被固着部51を固着する。スペーサ32は、被固着部51に爪部41cが係合する係合部53を突設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインドシールドと車体部材との間のカウル部を覆うカウルカバーを備えたカウルカバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のウインドシールドすなわちフロントガラスの前端部とボンネットフードの後側部との間のいわゆるカウル部に配置され、このカウル部を覆って外観を向上するカウルカバーであるカウルトップカバーが用いられている。このようなカウルトップカバーは、合成樹脂により一体形成され、カウル部を覆うカバー本体部と、このカバー本体部の裏面側に突設された係止爪部とを備え、この係止爪部に爪部が突設されている。そして、このカウルトップカバーの係止爪部を、フロントガラスの端部に取り付けられた受け部材としてのスペーサのフロントガラス表面側に開口する開口部に対して押圧して挿入することで、カウルトップカバーが爪部によりスペーサに係止されて組み付けられる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2003−532574号公報 (第10−12頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1記載の構成の場合、係止爪部は、基端側が括れて爪部側が前後両側に膨らんだ、いわゆる矢尻状に形成されており、スペーサの開口部には、係止爪部の基端側の括れ部分に前後両側から嵌合する、かぎ型の爪部が形成されている。そのため、カウルトップカバーの脱着時には、係止爪部に強い負荷が加わるだけでなく、カウルトップカバーあるいはスペーサの寸法にばらつきがあると、組み付け時に開口部に挿入した係止爪部の基端側の括れ部分に応力が集中しやすくなる。そして、係止爪部の強度を向上するためには係止爪部の基端側の板厚を大きくすることが考えられるものの、このような場合、カバー本体部の表面側に成形不良(ひけ)が生じ、外観が低下するおそれがある。
【0005】
一方、カバー本体部の表面側の成形不良(ひけ)を回避するために、カウルトップカバー全体の板厚を厚くすることが考えられるものの、この場合にはカウルトップカバーの重量増加に繋がる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、外観を低下させることなく係止爪部の信頼性を向上できるカウルカバー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のカウルカバー装置は、ウインドシールドと車体部材との間のカウル部を覆うカバー本体部、及びこのカバー本体部の裏面側に突設され、一側面に爪部を有する係止爪部を備えたカウルカバーと、前記ウインドシールドの縁部の裏面側に固着される被固着部、及びこの被固着部から突設され前記爪部が係合する係合部を備えた受け部材とを具備したものである。
【0008】
請求項2記載のカウルカバー装置は、請求項1記載のカウルカバー装置において、爪部は、係止爪部からウインドシールド側に向けて突出して形成されているものである。
【0009】
請求項3記載のカウルカバー装置は、請求項1記載のカウルカバー装置において、受け部材は、被固着部と係合部との間に位置しウインドシールドのカウルカバー側の縁部に対向して突出する突出部を備え、カバー本体部の前記ウインドシールド側の縁部に一体的に突設され、前記ウインドシールドの前記カウルカバー側の縁部と前記突出部との間に先端側が差し込まれて固定されることで前記ウインドシールドの前記カウルカバー側の縁部と前記カバー本体部との間を覆う軟質のカバー部材を具備したものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載のカウルカバー装置によれば、カウルカバーのカバー本体部の裏面側に突設した係止爪部の一側面に爪部を設けることにより、係止爪部の他側面側である爪部の背面側がカバー本体部に拘束されない状態となる。このため、係止爪部のカバー本体部と連続する基端側の厚みを必要以上に大きくすることなく、カウルカバー及び受け部材の寸法のばらつきなどに起因する、ウインドシールドの縁部に位置する受け部材の係合部に係止爪部を係合させる際の係止爪部の基端側への応力集中に対する逃げを確保できるとともに、係止爪部の他側面側に補強用のリブなどを設けて強度を確保することも可能になる。したがって、係止爪部の基端側の厚みの増加に伴うひけなどの成形不良がカバー本体部の表面に発生しにくくなり、外観の低下を防止できるとともに、係止爪部の信頼性を向上できる。
【0011】
請求項2記載のカウルカバー装置によれば、請求項1記載のカウルカバー装置の効果に加え、爪部を係止爪部からウインドシールド側に向けて突出して形成することにより、カウルカバーの固定中心をよりウインドシールドに接近させた位置とすることができるので、カウルカバー及び受け部材の寸法のばらつきなどがある場合でも、ウインドシールド側とカウルカバーのカバー本体部側との段差を抑制できる。
【0012】
請求項3記載のカウルカバー装置によれば、請求項1記載のカウルカバー装置の効果に加え、カウルカバーの変形あるいは寸法のばらつきなどによりカウルカバーとウインドシールドとの位置関係が相対的に変化しても、ウインドシールドのカウルカバー側の縁部と受け部材の突出部との間に先端を差し込んで固定した軟質のカバー部材が、この変化量に追従するので、ウインドシールドのカウルカバー側の縁部とカバー本体部との間が開いて外観が低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のカウルカバー装置の第1の実施の形態の一部を示す縦断面図である。
【図2】図1のI矢視図である。
【図3】図2のII矢視図である。
【図4】同上カウルカバー装置を組み付けた車体の一部を示す縦断面図である。
【図5】同上車体の外観を示す斜視図である。
【図6】本発明のカウルカバー装置の第2の実施の形態の一部を示す縦断面図である。
【図7】本発明のカウルカバー装置の第3の実施の形態の一部を示す縦断面図である。
【図8】図7のIII矢視図である。
【図9】図8のIV矢視図である。
【図10】本発明のカウルカバー装置の第4の実施の形態の一部を示す縦断面図である。
【図11】同上カウルカバー装置の受け部材の取り付け工程を示す説明断面図である。
【図12】本発明のカウルカバー装置の第5の実施の形態の一部を示す縦断面図である。
【図13】同上カウルカバー装置のカウルカバーの熱変形時の一部を示す縦断面図である。
【図14】同上カウルカバー装置を組み付けた車体の一部を示す縦断面図である。
【図15】本発明のカウルカバー装置の第6の実施の形態の一部を示す縦断面図である。
【図16】本発明のカウルカバー装置の第7の実施の形態の一部を示す縦断面図である。
【図17】本発明のカウルカバー装置の第8の実施の形態の一部を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のカウルカバー装置の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図4及び図5において、10は車両である自動車の車体で、この車体10には、エンジンルーム11を覆う相手部材であるフードとしてのボンネットフード12と、車室13の前側に位置するウインドシールドとしてのガラスであるフロントガラス14との間のカウル部15を覆い、車体10にカウルカバー装置17が取り付けられている。なお、以下、前方(矢印F方向)、上方(矢印U方向)、及び左右方向である両側方向(矢印W方向)などの方向については、車体10の直進方向を基準として説明する。
【0016】
そして、このカウル部15は、エアボックスなどとも呼ばれるもので、例えば鉄板にて形成され車体を構成する車体部材としての車体パネル18により、上側を開口した樋状に形成されている。そして、車体パネル18の上側部には、フロントガラス受部21が設けられ、ホットメルトなどの液密に密着するゴム質の接着剤などの図示しないシール材により、フロントガラス14が車体パネル18に固定されている。また、この車体パネル18は、底板部22の前側部が前側上方に立ち上げられた前板部23と、この前板部23の上端部が前側に略水平に延設された固定受部である支持板部24とが設けられている。そして、このカウル部15には、車室13内に外気を導入する図示しない空調装置の空気取入部が接続されているとともに、このカウル部15の一側である右側には、図示しないワイパーのワイパーアームを駆動するモータなどが配置され、このカウル部15の他側である左側には、バッテリなどの部品が配置されている。
【0017】
また、ボンネットフード12は、外側すなわち閉じた状態で上側に位置するフードアウタ部25と、このフードアウタ部25の内側すなわち閉じた状態で下側に若干の間隔を介して位置するフードインナ部26とが、一体あるいは別体に形成されている。
【0018】
そして、カウルカバー装置17は、図1ないし図5に示すように、フロントガラス14の前端の縁部14aとこのフロントガラス14の前方に位置するエンジンルーム11の後端との間を覆うもので、封隙装置とも呼ばれ、カウルカバーであるカウルトップカバー31と、このカウルトップカバー31を受ける受け部材としてのスペーサ32とを備えている。
【0019】
そして、カウルトップカバー31は、カウル部15すなわち車体パネル18の上側を覆って外観を向上するように、全体としては、カウル部15に沿って車体10の両側方向Wすなわち車幅方向を長手方向とする長尺な(横長の)略板状に形成されている。また、このカウルトップカバー31は、例えば、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリアミド系合成樹脂などの熱可塑性樹脂を、例えば厚み方向(上下方向)に開く金型及びスライド金型などを用いて射出成形して一体形成されている。そして、このカウルトップカバー31は、基本的には、カウル部15を覆って両側方向及び前後方向に延びるカバー本体部36と、このカバー本体部36の前端部に連続して両側方向及び上下方向に延びる縦壁部37と、この縦壁部37の下端部に連続して支持板部24に支持される車体取付部38と、縦壁部37の上端部から上側に延設されたシール取付部39と、カバー本体部36の後端部から下方に向けて突設された位置決め部としてのフランジ部40と、カバー本体部36の後端部近傍でかつフランジ部40の前方にて下方に向けて突設された1つ、または複数の係止爪部41とを備えている。
【0020】
また、カバー本体部36は、被覆部とも呼び得るもので、図示しない板状の上壁部により両側方向に沿った雨水排水用の樋部が形成されている。また、この上壁部には、カウル部15の下側に外気を導入可能な格子状の空気取入口が形成されている。さらに、カバー本体部36には、ワイパーの形状などに応じて孔部や凹部が形成されている。
【0021】
さらに、車体取付部38は、支持板部24上に載置される略水平な板状部であり、所定の位置に形成された複数の取付部が、例えば樹脂製のクリップやボルトなどの取付具45を用いて、車体パネル18の支持板部24などに脱着可能に固定されている。
【0022】
また、シール取付部39は、ボンネットフード12の下方すなわち裏面に対向する位置に配置され、上側に向かって突設する板状に形成されている。そして、このシール取付部39の上部には、上側から嵌合して、弾性変形可能なシール部材としてのカウルトップシール46が配置され、そして、このカウルトップシール46は、例えばゴム製あるいは熱可塑性エラストマ製の筒状部を有し、閉じた状態のボンネットフード12に液密に密着し、エンジンルーム11からの熱気や臭気を遮蔽するようになっている。
【0023】
また、フランジ部40は、カバー本体部36に対して略垂直な板状をなす板状部となっている。したがって、フランジ部40と係止爪部41との間には、スペーサ32の一部が位置する空間部47が形成されている。さらに、このフランジ部40には、係止爪部41に対向する位置に開口部48が形成されている。
【0024】
そして、係止爪部41は、フランジ部40に対して略平行、すなわちカバー本体部36に対して略垂直状に突設された板状(舌片状)であり、前後方向の厚みが最も小さい、すなわち太さが最も細い基端部41aを有し、この基端部41aよりも先端側の部分が、この基端部41aよりも前後方向の厚みが大きい係止爪部本体41bとなっている。この係止爪部本体41bには、フロントガラス14側の一側面である後面に、爪部41cがフロントガラス14側である後側に向けて突出するように一体形成されているとともに、この爪部41cの左右両側及び上側に亘って連続して、爪部41cの両側及び上側を囲むコ字状の切欠開口部41dが形成されている。また、この係止爪部本体41bのフロントガラス14(フランジ部40)及び爪部41cと反対側の面、すなわち背面(前面)には、切欠開口部41dの両側、すなわち爪部41cの両側に対して離間された位置に、補強用の補強部であるリブ41eが上下方向に沿ってカバー本体部36に亘って一体形成されている。なお、係止爪部41の基端部41aの板厚T1は、例えばカバー本体部36の板厚T2の50%以下となっている(T1≦T2/2)。
【0025】
また、爪部41cは、スペーサ32に対してカウルトップカバー31を係止固定するものである。すなわち、この爪部41cは、カウルトップカバー31を成形する金型の型抜き方向に対してアンダカット形状、すなわち型抜き方向に対して引っ掛かりが生じ単に型抜き方向に押し出しただけでは成形型から離型できない形状であり、スペーサ32に対して片掛かりとなっている。なお、この爪部41cを成形する際の図示しないスライド金型は、フランジ部40の開口部48によりスライド方向が後方に確保されている。そして、この爪部41cは、両側及び上端部が切欠開口部41dによって離間されて自由端状となっている。さらに、この爪部41cには下端部から上方へと、後方に徐々に傾斜した第1傾斜面である下部傾斜面41fが形成されているとともに、この下部傾斜面41fの上端から爪部41cの上端部に亘って、前方へと傾斜した第2傾斜面である上部傾斜面41gが形成されている。
【0026】
一方、スペーサ32は、封隙部材とも呼び得るもので、例えば合成樹脂、あるいはゴムなどの、軟質でかつ弾性を有する部材などにより形成されており、フロントガラス14の縁部14aの裏面14b側に対して接着剤Gを介して接着される被固着部51と、この被固着部51から前方へと延設された延設部52と、この延設部52の先端部である前端部に設けられた係合部53と、延設部52から上方に突出する軟質部54とを備え、係合部53と軟質部54との間に、溝状の位置決め溝部である差込溝部55が形成されている。そして、このスペーサ32の内部には、補強用の補強芯56が埋め込まれている。
【0027】
被固着部51は、平面状に形成されており、上側に接着剤Gが塗布されている。なお、この接着剤Gは、例えばホットメルトなどの液密に密着するゴム質のものが用いられる。
【0028】
また、延設部52は、被固着部51から前方下側へと延び、フロントガラス14の縁部14aよりも前方に突出し、この縁部14aとカウルトップカバー31のフランジ部40との間に位置している。
【0029】
また、係合部53は、延設部52の前端部から上方へと突設されており、先端部である上端部が断面円形状に形成されカウルトップカバー31のフランジ部40及びカバー本体部36の裏面36aに当接可能な係合突出部53aとなっており、下部に爪部41cが係合されるようになっている。
【0030】
また、軟質部54は、例えば延設部52と同一の材質により一体成形、あるいは延設部52と異なる軟質の(弾性を有する)材質により二色成形などによって延設部52と一体化されているものであり、中実に形成された中実部となっている。そして、この軟質部54は、フロントガラス14の縁部14aとカウルトップカバー31のフランジ部40との間に挟持されており、これら縁部14aとフランジ部40との間隙を閉塞している。
【0031】
また、差込溝部55には、フランジ部40の下端部が挿入され、スペーサ32(フロントガラス14)に対するカウルトップカバー31の後端の位置が位置決めされている。すなわち、この差込溝部55は、カウルトップカバー31を前後方向に位置決めするものである。
【0032】
また、補強芯56は、スペーサ32よりも剛性が大きい、例えば金属板などの部材により形成されており、被固着部51から延設部52及び係合部53に亘って連続して配置されている。なお、この補強芯56は、必須の構成ではない。
【0033】
次に、カウルカバー装置17の車体10への組み付け方法を説明する。
【0034】
まず、車体10に組み付けられたフロントガラス14の前端の縁部14aの裏面14b側に対して、スペーサ32の被固着部51を接着剤Gにより固着する。このとき、スペーサ32は、軟質部54をフロントガラス14の縁部14aに当接させた位置で固着することにより、フロントガラス14に対して容易かつ正確に位置決めできる。
【0035】
次いで、予め成形したカウルトップカバー31を、フランジ部40をスペーサ32の差込溝部55に差し込んで前後方向に位置決めし、さらに下方へと押し込むことにより、爪部41cの後部の下部傾斜面41fがスペーサ32の係合部53に当接し、この下部傾斜面41fの傾斜によって、係止爪部41が前方へと弾性的に回動して逃げ、さらにカウルトップカバー31を下方へと押し込むことにより、爪部41cがスペーサ32の係合部53を乗り越える、すなわち、スペーサ32の係合部53に当接する位置が爪部41cの下部傾斜面41fから上部傾斜面41gへと切り換わることで、係止爪部41が後方へと復帰回動して爪部41cが係合部53の下部に係合され、この係合部53が空間部47内に位置するとともに、スペーサ32の係合部53の係合突出部53aとフランジ部40及びカバー本体部36の裏面36aと爪部41cとの間で係合部53を上下に挟持した状態となる。この結果、カウルトップカバー31が上方へと抜け止めされた状態でスペーサ32に係止固定され、カウルトップカバー31が上下方向に位置決めされる。この状態で、カウルトップカバー31のフランジ部40とフロントガラス14の縁部14aとの間に軟質部54が介在されてこれらの間隙が閉塞され、カバー本体部36の表面36bがフロントガラス14の表面14cと略面一となる。
【0036】
そして、取付具45を用いて車体取付部38の取付部を支持板部24に固定することで、カウルトップカバー31がカウル部15を覆った状態で車体パネル18に固定される。
【0037】
このように、本実施の形態によれば、カウルトップカバー31のカバー本体部36の裏面36a側に突設した係止爪部41の後面に爪部41cを設けることにより、係止爪部41の前側である爪部41cの背面側がカバー本体部36に拘束されない状態となる。このため、係止爪部41のカバー本体部36と連続する基端部41aの板厚T1を必要以上に大きくすることなく、カウルトップカバー31及びスペーサ32の寸法のばらつきなどに起因する、フロントガラス14の縁部14aに位置するスペーサ32の係合部53に係止爪部41を係合させる際の係止爪部41の基端部41aへの応力集中に対する逃げを確保できるとともに、係止爪部41の前面側に補強用のリブ41eを設けて強度を確保することも可能になる。したがって、係止爪部41の基端部41aの板厚T1の増加に伴うひけなどの成形不良がカバー本体部36の係止爪部41の背面側である表面36bに発生しにくくなり、外観の低下を防止できるとともに、係止爪部41の破損などを防止でき、係止爪部41の信頼性を向上できる。
【0038】
さらに、係止爪部41の基端部41aの板厚を肉抜きすることも可能になり、カバー本体部36の表面36bにひけが発生することをより確実に防止できる。
【0039】
具体的に、係止爪部41の基端部41aの板厚T1を、カバー本体部36の板厚T2の50%以下とすることができ、カバー本体部36の表面36bにひけが発生することを確実に防止できる。
【0040】
また、係止爪部41の基端部41aの強度を確保するためにカウルトップカバー31全体の厚みを増加させる場合のように、カウルトップカバー31の重量が必要以上に大きくなることもない。
【0041】
そして、係止爪部41の強度、すなわちカウルトップカバー31の組み付けの際の係止爪部41の変形量を調整することにより、脱着力の調整が容易にでき、脱着の作業性が向上する。
【0042】
また、カウルトップカバー31及びスペーサ32の寸法のばらつきなどによって仮にカウルトップカバー31が傾いて固定される場合、カウルトップカバー31は、スペーサ32により固定される固定中心Cから離隔される位置ほど、本来の位置から大きくずれることとなる。したがって、本実施の形態では、爪部41cを係止爪部41のフロントガラス14側に向けて突出して形成することにより、カウルトップカバー31の固定中心を、よりフロントガラス14に接近させた位置として、カウルトップカバー31及びスペーサ32の寸法のばらつきなどによって仮にカウルトップカバー31が傾いて固定された場合でも、カウルトップカバー31のフロントガラス14側の位置のずれを抑制できる。このため、フロントガラス14側とカウルトップカバー31のカバー本体部36側との段差を抑制でき、フロントガラス14側からカウルトップカバー31側に亘って平坦(フラット)にできるなど、外観をより向上できる。
【0043】
さらに、スペーサ32に軟質部54を突設することにより、この軟質部54をフロントガラス14の縁部14aに当接させた位置でスペーサ32をフロントガラス14に固着することで、フロントガラス14の面沿い方向にスペーサ32を、容易かつ確実に位置合わせできる。
【0044】
次に、第2の実施の形態を図6を参照して説明する。なお、上記の第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0045】
本実施の形態は、上記の第1の実施の形態のカウルトップカバー31のカバー本体部36の裏面36aの係止爪部41とフランジ部40との間に亘ってリブ部36cが形成されているものである。このリブ部36cは、スペーサ32の係合部53の係合突出部53aと当接することで、このスペーサ32の係合部53の上下方向の位置を設定するものである。
【0046】
そして、カウルトップカバー31を、フランジ部40をスペーサ32の差込溝部55に差し込んで前後方向に位置決めし、さらに下方へと押し込むことにより、爪部41cの後部の下部傾斜面41fがスペーサ32の係合部53に当接し、下部傾斜面41fの傾斜によって、係止爪部41が前方へと弾性的に回動して逃げ、さらにカウルトップカバー31を下方へと押し込むことにより、爪部41cがスペーサ32の係合部53を乗り越えることで、係止爪部41が後方へと復帰回動して爪部41cが係合部53の下部に係合され、カウルトップカバー31が上下方向に位置決めされる。
【0047】
このように、本実施の形態によれば、カウルトップカバー31のカバー本体部36の裏面36aの係止爪部41とフランジ部40との間に亘って設けたリブ部36cとスペーサ32の係合部53の係合突出部53aとが当接することで、係合部53の上下方向の位置が設定される。したがって、この係合部53に爪部41cが係合することで、カウルトップカバー31の上下方向の位置が設定されるので、このリブ部36cの寸法を調整することにより、カウルトップカバー31の上下方向の位置をより容易に調整できる。
【0048】
次に、第3の実施の形態を図7ないし図9を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
本実施の形態は、上記の第1の実施の形態のスペーサ32の軟質部54が、延設部52から係合部53に亘る上部に形成されているとともに、この軟質部54の上部に左右方向に沿って溝状に凹設された受け部材位置決め溝部である差込凹部54aに対して、カウルトップカバー31のフランジ部40が差し込まれているものである。
【0050】
差込凹部54aの内部には、シールリップ部54bが前後に対向して突設されており、これらシールリップ部54bがフランジ部40に対して前後から圧接されることによりこのフランジ部40を差込凹部54a内に保持するとともに、このフランジ部40と差込凹部54aとの間隙を閉塞するように構成されている。したがって、フランジ部40は、軟質部54によって覆われている。
【0051】
また、爪部41cは、上記の各実施の形態の切欠開口部41dにより周囲が区画されることなく、係止爪部41の係止爪部本体41bに左右方向に亘って連続して突設されており、その背面側に補強用のリブ41eが位置している。したがって、この爪部41cは、成形する際の図示しないスライド金型をフランジ部40に沿って左右方向にスライドさせて抜くことが可能となっている。そのため、フランジ部40には、金型を抜くための開口部が不要となる。
【0052】
そして、カウルトップカバー31を組み付ける際には、フランジ部40をスペーサ32の差込凹部54aに差し込んで前後方向に位置決めし、さらに下方へと押し込むことにより、爪部41cの後部の下部傾斜面41fがスペーサ32の係合部53に当接し、この下部傾斜面41fの傾斜によって、係止爪部41が前方へと弾性的に回動して逃げ、さらにカウルトップカバー31を下方へと押し込むことにより、爪部41cがスペーサ32の係合部53を乗り越えることで、係止爪部41が後方へと復帰回動し、係合部53の下部に係合される。この結果、カウルトップカバー31が上方へと抜け止めされた状態でスペーサ32に係止固定される。
【0053】
このように、本実施の形態によれば、フランジ部40を軟質部54によって覆うことにより、止水性能が高まり、カウルトップカバー31と軟質部54との間の僅かな間隙などからカウル部15及びエンジンルーム11内へと外部の水分が侵入することをより確実に防止できる。
【0054】
次に、第4の実施の形態を図10及び図11を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】
本実施の形態は、上記の第1の実施の形態の軟質部54に代えて、スペーサ32に、左右方向に沿って溝状の位置決め溝部であるスペーサ凹部61を形成したものである。
【0056】
このスペーサ凹部61は、延設部52の上側に凹設されており、カウルトップカバー31のフランジ部40の先端側が挿入されて固定される。また、このスペーサ凹部61は、フロントガラス14の前端の縁部14aの前方下側、すなわちフロントガラス14の裏面14bよりも下方に位置している。
【0057】
さらに、カウルトップカバー31のカバー本体部36の裏面36aとフランジ部40との間には、フランジ部40の補強用のリブ部36dが設けられている。
【0058】
そして、スペーサ32をフロントガラス14に固着する際には、図11に示す治具63を用いる。
【0059】
ここで、この治具63は、平面状の平坦部63aと、この平坦部63aから上方に向けてフロントガラス14の厚みよりも大きい突出量で略垂直状に突出する治具凸部63bとを備えている。そして、平坦部63aをフロントガラス14の表面14cに当接させるとともに、治具凸部63bをフロントガラス14の縁部14aに当接させ、この治具凸部63bの先端にスペーサ凹部61を嵌合させるようにスペーサ32を取り付け、フロントガラス14の縁部14aの裏面14bに被固着部51を沿わせて接着剤Gにより固着することで、スペーサ32がフロントガラス14に対して正確に位置決めされた状態で固着される。
【0060】
そして、カウルトップカバー31を組み付ける際には、フランジ部40をスペーサ32のスペーサ凹部61に差し込んで前後方向に位置決めし、さらに下方へと押し込むことにより、爪部41cの後部の下部傾斜面41fがスペーサ32の係合部53に当接し、この下部傾斜面41fの傾斜によって、係止爪部41が前方へと弾性的に回動して逃げ、さらにカウルトップカバー31を下方へと押し込むことにより、爪部41cがスペーサ32の係合部53を乗り越えることで、係止爪部41が後方へと復帰回動して爪部41cが係合部53の下部に係合される。この結果、カウルトップカバー31が上方へと抜け止めされた状態でスペーサ32に係止固定される。この状態で、フランジ部40がフロントガラス14の縁部14aに当接し、カウルトップカバー31とフロントガラス14の縁部14aとの間隙が閉塞される。
【0061】
このように、本実施の形態によれば、スペーサ32にスペーサ凹部61を設け、このスペーサ凹部61にフランジ部40を差し込んで位置決めするように構成することで、二色成形などをすることなくスペーサ32を容易に形成しつつ、カウルトップカバー31を前後方向に確実に位置決めできる。
【0062】
また、スペーサ32は、治具63を用いてフロントガラス14に固着することにより、フロントガラス14に対してスペーサ凹部61を確実に位置決めした状態で固定できる。
【0063】
次に、第5の実施の形態を図12ないし図14を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0064】
本実施の形態は、上記の各実施の形態のカウルトップカバー31の爪部41cが、係止爪部41に対して前方、すなわち反フロントガラス14側に突設されているとともに、カバー本体部36の後端部に、フランジ部40に代えてカバー部材としてのスペーサ65を備え、かつ、スペーサ32に代えて、受け部材66を備えるものである。
【0065】
爪部41cは、カウルトップカバー31を成形する金型の型抜き方向に対してアンダカット形状であり、受け部材66に対して片掛かりとなっている。
【0066】
また、スペーサ65は、例えば合成樹脂、あるいはゴムなどの、カウルトップカバー31を形成する合成樹脂などの部材よりも軟質で弾性を有する部材などにより、カウルトップカバー31のカバー本体部36と二色成形などによって一体に成形されており、カバー本体部36の後端部から、後方に向けて水平状に突出する覆い部71と、この覆い部71の先端部である後端部から下方に向けて屈曲状(フランジ状)に突出する位置決め部としての差込部72とを備えている。
【0067】
覆い部71は、フロントガラス14の前端の縁部14aとカウルトップカバー31のカバー本体部36の後端との間を覆って閉塞する部分である。
【0068】
また、差込部72は、フロントガラス14の固着された受け部材66によって保持されることにより、覆い部71によるフロントガラス14の前端の縁部14aとカウルトップカバー31のカバー本体部36の後端との間の閉塞を維持するものである。さらに、この差込部72の下端部は、カウルトップカバー31の係止爪部41の下端部よりも上方に位置している。
【0069】
一方、受け部材66は、例えば合成樹脂、あるいはゴムなどの、軟質でかつ弾性を有する部材などにより形成されており、フロントガラス14の縁部14aの裏面14b側に対して接着剤Gを介して固着される被固着部74と、この被固着部74の前部に延設されフロントガラス14の縁部14aに対向する位置に突出する突出部75と、この突出部75の前端から前方へと延設された延設部76と、この延設部76の先端部に設けられた係合部77とを備え、この係合部77と延設部76との間に、左右幅方向に沿って溝状の係合溝部78が形成されている。そして、この受け部材66の内部には、補強用の補強芯79が埋め込まれている。
【0070】
被固着部74は、平面状に形成されており、上側に接着剤Gが塗布されている。
【0071】
また、突出部75は、フロントガラス14の縁部14aに対して前方へと離間されており、この突出部75とフロントガラス14の縁部14aとの間に、フロントガラス14の縁部14aの前部に沿う(フロントガラス14の縁部14aの曲率に追従した)溝状の位置決め溝部である差込溝部80が形成されている。この差込溝部80には、スペーサ65の差込部72の下端部が挿入され、受け部材66(フロントガラス14)に対するカウルトップカバー31の後端の位置が位置決めされている。
【0072】
また、係合部77は、延設部76の前端部から上方へと突設されており、先端部である上端部に、後方、すなわち係合溝部78内に向けて係合爪77aが突設されている。
【0073】
また、係合溝部78は、カウルトップカバー31の係止爪部41が挿入される部分である。
【0074】
また、補強芯79は、受け部材66よりも剛性が大きい、例えば金属板などの部材により形成されており、被固着部74から突出部75、延設部76及び係合部77に亘って配置されている。なお、この補強芯79は、必須の構成ではない。
【0075】
そして、カウルカバー装置17を組み付ける際には、まず、車体10に組み付けられたフロントガラス14の前端の縁部14aの裏面14b側に対して、受け部材66の被固着部74を接着剤Gにより固着する。このとき、受け部材66は、例えば図示しない治具などを用いて、突出部75がフロントガラス14の縁部14aに対して所定の距離で離間されて差込溝部80を形成する位置に位置決めすることが好ましい。
【0076】
次いで、スペーサ65を一体に成形したカウルトップカバー31を、差込部72を差込溝部80に差し込んで前後方向に位置決めし、かつ、係止爪部41を係合溝部78に差し込んで、さらに下方へと押し込むことにより、爪部41cの前部の下部傾斜面41fが係合部77の係合爪77aに当接し、この下部傾斜面41fの傾斜によって、係止爪部41が係合溝部78内で後方へと弾性的に回動して逃げ、さらにカウルトップカバー31を下方へと押し込むことにより、爪部41cが係合部77の係合爪77aを乗り越えて係止爪部41が前方へと復帰回動し、爪部41cが係合部77に係合される。この結果、カウルトップカバー31が上方へと抜け止めされた状態で受け部材66に係止固定され、カウルトップカバー31が上下方向に位置決めされる。この状態で、カウルトップカバー31と一体となったスペーサ65がフロントガラス14の縁部14aに密着してこの縁部14aとの間隙が閉塞され、カバー本体部36の表面36bがフロントガラス14の表面14cと略面一となる。
【0077】
そして、取付具45を用いて車体取付部38の取付部を支持板部24に固定することで、カウルトップカバー31がカウル部15を覆った状態で車体パネル18に固定される。
【0078】
このように、本実施の形態によれば、例えばエンジンルーム11などからの熱の伝達による収縮などのカウルトップカバー31の変形、あるいは、カウルトップカバー31の寸法のばらつきなどにより、カウルトップカバー31とフロントガラス14との位置関係が相対的に変化しても、フロントガラス14のカウルトップカバー31側の縁部14aと受け部材66の突出部75との間に先端である差込部72を差し込んで固定した軟質のスペーサ65が、この変化量に追従するので、フロントガラス14のカウルトップカバー31側の縁部14aとカバー本体部36との間が開いて外観が低下したり水分がカウル部15などに浸入したりすることを防止できる。
【0079】
なお、上記の第5の実施の形態において、図15に示す第6の実施の形態のように、スペーサ65の被固着部74と突出部75との間に、差込溝部80と連通する凹部82を形成するとともに、スペーサ65の差込部72を係止爪部41の下端部よりも下方まで突出させ、この差込部72を差込溝部80及び凹部82に対して、より深く差し込み、受け部材66にスペーサ65の差込部72を、より確実に保持するようにしてもよい。この場合には、カウルトップカバー31の熱収縮変形量がより大きくなった場合でもスペーサ65が外れることがなく、カバー本体部36とフロントガラス14の縁部14aとの間に間隙が生じることをより確実に防止できる。
【0080】
次に、第7の実施の形態を図16を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0081】
本実施の形態は、上記の第5の実施の形態の受け部材66の突出部75の後側の上部に、嵌合爪部83が突設されているものである。
【0082】
この嵌合爪部83は、先端部のフロントガラス14の縁部14a側である後部に、嵌合爪83aが突設され、この嵌合爪83aが、差込部72の先端側の前部に突設された爪嵌合部72aに嵌合することで、スペーサ65の差込部72を受け部材66に係止するように構成されている。
【0083】
そして、スペーサ65を一体に成形したカウルトップカバー31を組み付ける際には、差込部72を差込溝部80に差し込むことで、カウルトップカバー31を前後方向に位置決めするとともに、この差込部72の爪嵌合部72aにスペーサ65の嵌合爪部83を嵌合させてスペーサ65を受け部材66に対して確実に抜け止めする。
【0084】
このように、本実施の形態によれば、差込溝部80に向けて受け部材66に突設した嵌合爪部83を、差込溝部80に差し込まれるスペーサ65の差込部72の爪嵌合部72aに嵌合させることにより、スペーサ65をより確実に固定でき、カバー本体部36とフロントガラス14の縁部14aとの間に間隙が生じることをより確実に防止できる。したがって、スペーサ65の外れ及びぶかつき(浮き)に対する、より高品質な要求に対応できる。
【0085】
次に、第8の実施の形態を図17を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0086】
本実施の形態は、上記の第7の実施の形態のスペーサ65が、カウルトップカバー31のカバー本体部36と別体で押し出し成形などにより成形されているとともに、固定部85を介してカバー本体部36の後端部に一体的に固定されているものである。
【0087】
固定部85は、例えばカバー本体部36の後端部から後方に向けて水平状に突設された嵌合凸部87と、スペーサ65の覆い部71の前端部に凹設された嵌合凹部88とを備えている。
【0088】
嵌合凸部87は、左右方向に沿って長手状のレール状に形成されている。そして、この嵌合凸部87には、先端部である後端部の上部に、係合爪部87aが突設されており、この係合爪部87aが、嵌合凹部88に設けられた係合凹部88aに係合することにより、スペーサ65をカバー本体部36に固定するように構成されている。
【0089】
このように、本実施の形態によれば、スペーサ65をカウルトップカバー31と別体で形成することにより、二色成形などをすることなく押し出し成形などによりスペーサ65をより容易に成形できる。
【0090】
なお、上記の第8の実施の形態において、スペーサ65とカバー本体部36に固定する固定部85は、例えば圧入、溶着、接着、あるいは粘着テープなどの既存の手法を用いて構成してもよい。
【0091】
また、上記の固定部85は、上記の第5ないし第7の実施の形態にそれぞれ適用してもよい。
【0092】
さらに、上記の各実施の形態において、また、カウルトップカバー31は、車体10の前部以外の部分に設け、例えば、リアガラスとリアのトランクフードとの間に配置することもできる。
【0093】
また、上記の各実施の形態において、ウインドシールドは、ガラス製のものに限られず、アクリルなどの透明な素材を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、例えば、自動車のエンジンルームに隣接して配置されるカウルカバー装置に適用できる。
【符号の説明】
【0095】
14 ウインドシールドとしてのフロントガラス
15 カウル部
17 カウルカバー装置
18 車体部材としての車体パネル
31 カウルカバーであるカウルトップカバー
32 受け部材としてのスペーサ
36 カバー本体部
41 係止爪部
41c 爪部
51,74 被固着部
53,77 係合部
65 カバー部材としてのスペーサ
66 受け部材
75 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウインドシールドと車体部材との間のカウル部を覆うカバー本体部、及びこのカバー本体部の裏面側に突設され、一側面に爪部を有する係止爪部を備えたカウルカバーと、
前記ウインドシールドの縁部の裏面側に固着される被固着部、及びこの被固着部から突設され前記爪部が係合する係合部を備えた受け部材と
を具備したことを特徴とするカウルカバー装置。
【請求項2】
爪部は、係止爪部からウインドシールド側に向けて突出して形成されている
ことを特徴とする請求項1記載のカウルカバー装置。
【請求項3】
受け部材は、被固着部と係合部との間に位置しウインドシールドのカウルカバー側の縁部に対向して突出する突出部を備え、
カバー本体部の前記ウインドシールド側の縁部に一体的に突設され、前記ウインドシールドの前記カウルカバー側の縁部と前記突出部との間に先端側が差し込まれて固定されることで前記ウインドシールドの前記カウルカバー側の縁部と前記カバー本体部との間を覆う軟質のカバー部材を具備した
ことを特徴とする請求項1記載のカウルカバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−86720(P2013−86720A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230823(P2011−230823)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】