説明

カジノシステムの税金徴収方法及びカジノシステム並びに税金徴収プログラム

【課題】 本発明はカジノシステムの税金徴収方法及びカジノシステム並びに税金徴収プログラムに関し、公平な売り上げ高を基に、適正な税収入を得ることができるカジノシステムの税金徴収方法及びカジノシステム並びにカジノシステムの税金徴収プログラムを提供することを目的としている。
【解決手段】 カジノゲーム機とカジノ管理サーバ5とが強制的にオンラインで接続されたカジノシステムにおいて、売上高と払戻金をデータ通信するデータ通信手段1bと、該データ通信手段1bからの売上高を中継するネットワーク網4と、該ネットワーク網4からのデータを受けてカジノゲーム機の売上高、粗利益、税額、純利益を計算する管理サーバ5と、該管理サーバ5で計算した計算結果を記憶するデータベース6とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカジノシステムの税金徴収方法及びカジノシステム並びに税金徴収プログラムに関する。
近年、わが国では観光への取り組みの重要性が認識されるようになってきている。わが国の外国人旅行者受け入れは世界で35位(1999年世界観光機関調べ)にとどまり、旅行収支も大幅な赤字である。諸外国で観光が有力な産業になり、雇用の創出源に育つ中で、わが国でも新しい視点での魅力ある観光資源の研究、検討が求められている。その検討事項の一つとしてわが国でもカジノシステムの取り込みの検討がなされている。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のシステムとしては、例えばインターネットでネットワークを構成し、このネットワークを介して顧客の株の売買に関するサービスを提供するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。また、端末装置からのアクセスを禁止した料金サーバを設け、当該料金サーバにおいて、端末装置から遊技サーバを介して受け取ったデータ要求により、料金に関するデータを遊技サーバを介して端末装置に送信するシステムが知られている(例えば特許文献2参照)。また、料金サーバに保存されている料金データに対する利息を発生させることにより、ゲームを行なっている遊戯者に対しては、ゲームが大当たりに移行するか否かに関係なく利益を与える一方、まだゲームを行なっていない競技者に対しては、気軽に料金サーバに料金データを保存することを促し、ゲームを行なう契機を与えるシステムが知られている(例えば特許文献3参照)。
【0003】
図4はカジノシステムの概念図である。図において、1はゲーム場で、#1〜#nまで設けられている例を示している。2はゲーム場1内に設けられたゲームマシン(GM)で、例えばスロットマシーンが用いられる。これらゲーム場1は、回線3を介してネットワーク網4と接続されている。5はネットワーク網4と接続され、カジノの管理制御を行なうカジノ管理サーバ、6は該カジノ管理サーバ5と接続され、各ゲーム場毎の売上高を記憶する売上管理データベース(DB)である。
【0004】
このように構成されたシステムにおいて、各ゲーム場1からの売上高がネットワーク網4を介してカジノ管理サーバ5に送信される。該カジノ管理サーバ5は、売上高を例えばゲーム場1毎に管理する。
【特許文献1】特開2003−53042号公報(段落0041〜0052、図1、図2)
【特許文献2】特開2003−76872号公報(段落0016〜0024、図1、図2)
【特許文献3】特開2003−150743号公報(段落0032〜0040、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来の技術では、各ゲーム場毎に売上高が決まるが、税収の面で問題がある。例えば規模の大きなゲーム場では、売上高は正確に申告されるが、規模の小さいゲーム場では、その売上高をカジノ管理サーバ5に送信する時に、売上高をごまかすことが可能であった。その結果、税法上、公平で的確な税収が得られないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、公平な売り上げ高を基に、適正な税収入を得ることができるカジノシステムの税金徴収方法及びカジノシステム並びにカジノシステムの税金徴収プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)請求項1記載の発明は、カジノゲーム機とカジノ管理サーバとを強制的にオンラインで接続しておき、カジノゲーム機からの売上高に関する情報を周期的に入力し、入力した売上高情報をネットワーク網を介して送信し、送信したデータを基に当該カジノゲーム機の売上高、粗利益、税額、純利益を計算し、計算結果をデータベースに記憶させる、
ようにしたことを特徴とするカジノシステムの税金徴収方法。
(2)請求項2記載の発明は、カジノゲーム機とカジノ管理サーバとが強制的にオンラインで接続されたカジノシステムにおいて、売上高と払戻金をデータ通信するデータ通信手段と、該データ通信手段からの売上高を中継するネットワーク網と、該ネットワーク網からのデータを受けてカジノゲーム機の売上高、粗利益、税額、純利益を計算する管理サーバと、該管理サーバで計算した計算結果を記憶するデータベースとから構成されることを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、カジノゲーム機からの売上高に関する情報を周期的に入力するステップと、入力した売上高情報をネットワークを介して送信するステップと、送信したデータを基に当該カジノゲーム機の売上高、粗利益、税額、純利益を計算するステップと、計算結果をデータベースに記憶させるステップとをコンピュータで実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
(1)請求項1記載の発明によれば、各カジノゲーム機とカジノ管理サーバとを強制的に接続してオンライン状態としておき、カジノゲーム機からの売上高に関する情報を受信して、カジノ管理サーバが受信した情報を基に売上高情報をから所定の情報(売上高、粗利益、税額、純利益)を計算するようにしているので、売上のごまかしはできず、公平な売り上げ高を基に、適正な税収入を得ることができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、各カジノゲーム機とカジノ管理サーバとを強制的に接続しておきオンライン状態としておき、カジノゲーム機からの売上高に関する情報を受信して、カジノ管理サーバが受信した情報を基に売上高情報をから所定の情報(売上高、粗利益、税額、純利益)を計算するようにしているので、売上のごまかしはできず、公平な売り上げ高を基に、適正な税収入を得ることができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、カジノの売上高、粗利益、税額、純利益をコンピュータで計算させることができ、必要な場合にはデータベースに記憶させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態例を示すブロック図である。図4と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、1はゲーム場であり、n個設けられている。カジノゲーム機とカジノ管理サーバ5とは、第三者が不正操作することができないように、オンラインで接続されている。ゲーム場1において、1aは売上高と払戻金を入力する入力手段、1bは該入力手段1aの出力を受けて売上高データを送信するデータ通信手段である。売上高及び払戻金データは、図示されないデータ作成手段により自動的に作成される。従って、売上高及び払戻金に対するデータ操作ができないようになっている。
【0010】
4は各ゲーム場1からのデータを中継するネットワーク網である。該ネットワーク網4としては、例えば公衆回線、ISDN網、インターネット網等が用いられる。カジノ管理サーバ5において、5aはネットワーク網4からの売上高データを受信するデータ受信手段、5bは該データ受信手段5aからの売上高データを受けてデータ処理を行なう売上データ受信処理手段、5cは該売上データ受信処理手段5bからのデータを受けて課税控除の処理を行なう売上高課税処理手段、6は該売上データ受信処理手段5bからのデータを記憶する売上管理データベース(DB)である。該売上高課税処理手段5cの出力は、売上管理データベース(DB)に記憶される。
【0011】
このように構成されたシステムの動作を図2のフローチャートを基に説明すれば、以下の通りである。
各ゲーム場1では、スロットマシン、ルーレット等のゲームが行われている。この時のゲームマシン(カジノゲーム機)毎のデータは入力手段1aに自動的に入力される(S1)。該入力手段1aでは、売上金データ、払戻金データを認識してデータ通信手段1bに与える。データ通信手段1bは入力されたデータを通信する(S3)。このデータは、ネットワーク網4を介してカジノ管理サーバ5に中継される。
【0012】
一方、カジノ管理サーバ5側では、ゲーム場1からのデータが受信されたかどうかを常時監視している(S4)。データが送信されてきたら、データ受信手段5aがそのデータを受信する(S5)。売上データ受信処理手段5bは、売上データの受信処理を行ない(S6)、売上高(粗利益)の計算を行なう(S7)。具体的には、売上高から払戻金を引いた値が粗利益である。
【0013】
売上データ受信処理手段5bは計算した粗利益データを売上高課税処理手段5cに送る。該売上高課税処理手段5cは、送られてきた粗利益データを基に、ゲーミング課税控除の計算処理を行なう(S8)。次に、売上高(粗利益)×15%の式でゲーミング課税額を算出する(S9)。算出されたゲーミング課税額は、売上管理データベース6に記憶される。以上の処理は一定周期、例えば30分周期で繰り返される。その結果、売上管理データベース6に記憶される各種のデータも順次増加していくことになる。以上の処理で1つのゲーム場に対する処理が終了する。そこで、カジノ管理サーバ5は全てのゲーム場からのデータを受信したかどうかチェックする(S10)。全てのゲーム場からのデータを受信していない場合には、ステップS4に戻り、データの受信処理を繰り返すことになる。
【0014】
以上、説明したように、本発明によれば、各カジノゲーム機とカジノ管理サーバとを強制的に接続しておきオンライン状態としておき、カジノゲーム機からの売上高に関する情報を受信して、カジノ管理サーバが受信した情報を基に売上高情報をから所定の情報(売上高、粗利益、税額、純利益)を計算するようにしているので、売上のごまかしはできず、公平な売り上げ高を基に、適正な税収入を得ることができる。売上管理データベース6に記憶されたデータは、例えば1年周期で課税処理される。
【0015】
図3はカジノの事業収益性の説明図である。図は1年間の収益性を示している。(a)は売上高(粗利益)、(b)はゲーミング課税控除、(c)は費用控除、(d)は純施行収益を示している。例えば、(a)に示すように1年間の粗利益が1000億円であるものとする。年間来場者数を約1000万人と設定し、一人1回の消費額を1万円と設定している。延賭金はその10倍で、還元率を90%とした。
【0016】
粗利益が1000億円の場合、その15%を国・地方自治体へのゲーミング課税額とする。従って、ゲーミング課税額は150億円である。この150億円が国・地方自治体へ納められるので、国・地方自治体としては、新たな収入源となり、いままで税収の増加に取り組んでいた国・地方自治体には合法的に税収が増加することとなり、既存の税額を引き上げることによる税収の増加に対してよりも好ましい対策となる。
【0017】
残りの850億円に対して、民間への委託費用を(c)に示すように450億円とする。設定経常費用に対して110%を委託費用として設定している。この結果、純施行利益は、粗売上1000億円の40%程度の400億円となる。
【0018】
なお、本発明によれば、カジノゲーム機からの売上高に関する情報を周期的に入力するステップと、入力した売上高情報をネットワークを介して送信するステップと、送信したデータを基に当該カジノゲーム機の売上高、粗利益、税額、純利益を計算するステップと、計算結果をデータベースに記憶させるステップとをコンピュータで実行させることができる。これによれば、カジノの売上高、粗利益、税額、純利益をコンピュータで計算させることができ、必要な場合には計算結果をデータベースに記憶させることができる。
【0019】
上記実施の形態例では、ゲーム機としてルーレットやスロットマシンを用いた場合を例にとったが、本発明はこれに限るものではなく、賭け金を賭けてゲームするあらゆる種類のゲーム機に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態例を示すブロック図である。
【図2】本発明の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】カジノの事業収益性の説明図である。
【図4】カジノシステムの概念図である。
【符号の説明】
【0021】
1 ゲーム場
1a 入力手段
1b データ通信手段
4 ネットワーク網
5 カジノ管理サーバ
5a データ受信手段
5b 売上データ受信処理手段
5c 売上高課税処理手段
6 売上管理データベース(DB)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カジノゲーム機とカジノ管理サーバとを強制的にオンラインで接続しておき、
カジノゲーム機からの売上高に関する情報を周期的に入力し、
入力した売上高情報をネットワーク網を介して送信し、
送信したデータを基に当該カジノゲーム機の売上高、粗利益、税額、純利益を計算し、
計算結果をデータベースに記憶させる、
ようにしたことを特徴とするカジノシステムの税金徴収方法。
【請求項2】
カジノゲーム機とカジノ管理サーバとが強制的にオンラインで接続されたカジノシステムにおいて、
売上高と払戻金をデータ通信するデータ通信手段と、
該データ通信手段からの売上高を中継するネットワーク網と、
該ネットワーク網からのデータを受けてカジノゲーム機の売上高、粗利益、税額、純利益を計算する管理サーバと、
該管理サーバで計算した計算結果を記憶するデータベースと、
から構成されることを特徴とするカジノシステム。
【請求項3】
カジノゲーム機からの売上高に関する情報を周期的に入力するステップと、
入力した売上高情報をネットワークを介して送信するステップと、
送信したデータを基に当該カジノゲーム機の売上高、粗利益、税額、純利益を計算するステップと、
計算結果をデータベースに記憶させるステップと、
をコンピュータで実行させることを特徴とするカジノシステムの税金徴収プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−338230(P2006−338230A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160891(P2005−160891)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)