カスタマイズされた患者別の整形外科用ピンガイド
【課題】整形外科手術に使用する器具を提供する。
【解決手段】カスタマイズされた患者別の整形外科用機器が開示される。かかる機器の製造及び使用方法も開示される。
【解決手段】カスタマイズされた患者別の整形外科用機器が開示される。かかる機器の製造及び使用方法も開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具に関し、具体的には、カスタマイズされた患者別の整形外科用ピンガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
関節形成術は、疾患及び/又は損傷した天然関節を人工関節で置き換える周知の外科手術である。典型的な膝プロテーゼは、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、高分子挿入物、又は脛骨トレイと大腿骨コンポーネントとの間に位置決めされる軸受部、場合によっては、高分子膝蓋ボタンを含む。天然関節を人工膝関節で置き換えることを容易にするために、整形外科医は、例えば切断ブロック、ドリルガイド、ミリングガイド、及び他の手術器具等の様々な整形外科用手術器具を使用する。通常、整形外科用手術器具は患者に関して一般的であるため、類似する整形外科手術中に、同一の整形外科用手術器具が多数の異なる患者に使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様によれば、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドを含む。ピンガイドは、対応する凸の輪郭を有する、患者の脛骨の前方側の一部を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する、骨接面を有する本体を含む。この本体は、第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備える、内部に形成された第1の穴を有する。第1の固定スロットは第1の穴に通じる。この本体はまた、第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備える、内部に形成された第2の穴を有する。第2の固定スロットは第2の穴に通じる。カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドは本体から後方に延在する第1のタブを有する。第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する患者の脛骨の近位側の第1の部分を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する、骨接面を有する。カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドはまた本体から後方に延在する第2のタブを有し、第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する患者の脛骨の近位側の第2の部分を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を含む。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具はそこから延在する固定フランジを備えるポストを有する、第1の取り外し可能なドリルブッシングも含む。第1の取り外し可能なドリルブッシングのポストは、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体の第1の穴に配置され、これによって第1の取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジは、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体の第1の固定スロットに位置決めされる。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具はそこから延在する固定フランジを備えるポストを有する、第2の取り外し可能なドリルブッシングを更に含む。第2の取り外し可能なドリルブッシングのポストは、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体の第2の穴に位置決めされ、これによって第2の取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジは、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体の第2の固定スロットに配置される。
【0004】
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの固定スロットは、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの穴の周辺に螺旋状に延在する雌ネジとして具体化されてもよく、取り外し可能なドリルブッシングのポストの周囲に螺旋状に延在する雄ネジとして具体化される取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジを備える。ドリルブッシングの雄ネジは、取り外し可能なドリルブッシングをカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドに固定するように、本体の雌ネジに螺入される。
【0005】
一実施形態では、固定スロットのそれぞれの外端は、骨接面に対向する、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体の外面に通じ、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体に形成された環状凹部を画定する固定スロットのそれぞれの内端を備える。取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジは、取り外し可能なドリルブッシングのポストから外側に延在するタブを含んでもよく、かかるタブは、取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドに固定するように、環状凹部に捕捉される。
【0006】
カスタマイズされた患者別の整形外科用脛骨ピンガイドは高分子材料から形成されてもよく、両方とも金属材料から形成される第1の取り外し可能なドリルブッシング及び第2の取り外し可能なドリルブッシングを備える。
【0007】
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブは、モノリシックの構造体を画定し得る。
【0008】
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブは、使い捨てのモノリシックの構造体を画定し得る。
【0009】
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブはモノリシックの使い捨て高分子構造体を画定し、両方とも、再利用可能であり、かつ金属材料から形成される第1の取り外し可能なドリルブッシング及び第2の取り外し可能なドリルブッシングを備える。
【0010】
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの第1のタブ及び第2のタブは、それらの間に開口部を画定し得る。
【0011】
第1の取り外し可能なドリルブッシング及び第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、患者の脛骨の前方側上に1対のガイドピンを設置するのを可能するように位置決めされる。
【0012】
他の態様によれば、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドを含む。ピンガイドは、対応する凸の輪郭を有する、患者の大腿骨の前方側の一部を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する、骨接面を含む本体を有する。この本体は、第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備える、内部に形成された第1の穴を有する。第1の固定スロットは第1の穴に通じる。この本体はまた、第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備える、内部に形成された第2の穴を有する。第2の固定スロットは第2の穴に通じる。カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドは本体から後方に延在する第1のタブを有する。第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する患者の大腿骨の遠位側の第1の部分を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を含む、骨接面を有する。第1タブは、第3の穴の軸に平行な方向に延在する第3の固定スロットを備える、内部に形成された第3の穴を有する。第3の固定スロットは第3の穴に通じる。カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドはまた、本体から後方に延在する第2のタブを含む。第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する患者の大腿骨の遠位側の第2の部分を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を含む、骨接面を有する。第2のタブは、第4の穴の軸に平行な方向に延在する第4の固定スロットを備える、内部に形成された第4の穴を有する。第4の固定スロットは第4の穴に通じる。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、第1の穴に固定されるポストを有する、第1の取り外し可能なドリルブッシングも含む。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、第2の穴に固定されるポストを有する、第2の取り外し可能なドリルブッシングを更に含む。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、第3の穴に固定されるポストを有する、第3の取り外し可能なドリルブッシングも含む。そして最後に、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、第4の穴に固定されるポストを有する、第4の取り外し可能なドリルブッシングを含む。
【0013】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの固定スロットは、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの穴の周辺に螺旋状に延在する雌ネジとして具体化されてもよく、取り外し可能なドリルブッシングのポストの周囲に螺旋状に延在する雄ネジとして具体化される取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジを備える。ドリルブッシングの雄ネジは、取り外し可能なドリルブッシングをカスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドに固定するように、ピンガイドの雌ネジに螺入される。
【0014】
一実施形態では、固定スロットのそれぞれの外端は、骨接面と対向する、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの本体の外面に通じ、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドに形成された環状凹部を画定する固定スロットの内端を備える。取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジは、取り外し可能なドリルブッシングのポストから外側に延在するタブを含んでもよく、かかるタブは、取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドに固定するように、環状凹部に捕捉される。
【0015】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブは高分子材料から形成されてもよく、第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングのそれぞれは金属材料から形成される。
【0016】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブは、モノリシックの構造体を画定し得る。
【0017】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブは、使い捨てのモノリシックの構造体を画定し得る。
【0018】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブはモノリシックの使い捨て高分子構造体を画定してもよく、再利用可能であり、かつ金属材料から形成される、各第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングを備える。
【0019】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの第1のタブ及び第2のタブは、それらの間に開口部を画定し得る。
【0020】
第1の取り外し可能なドリルブッシング及び第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、患者の脛骨の前方側上に第1の対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされ、第3の取り外し可能なドリルブッシング及び第4の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、患者の頸骨の遠位側上に第2の対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされる。
【0021】
他の態様によると、患者の骨上に整形外科手術処置を実施する方法は、第1の取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別のピンガイドの第1の穴内に固定すること、及び、次いで第2の取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別のピンガイドの第2の穴に固定することによって組み立てることを含む。組み立てられた、カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは次いで、患者の骨と接触させて位置決めされる。1対のガイドピンは、第1の取り外し可能なドリルブッシングを通じて1対のガイドピンの第1のガイドピンを前進させること、及び次いで、第2の取り外し可能なドリルブッシングを通じて、1対のガイドピンの第2のガイドを前進させることによって、患者の骨内に挿入される。カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは次いで、患者の骨から1対のガイドピンを取り外すことなく、患者の骨から取り外される。患者共通の切断ブロックは次いで、1対のガイドピンが患者共通の切断ブロックに画定される1対のガイドピンに受容されるように、患者の骨と接触させて位置決めされる。切れ目は次いで、患者共通の切断ブロックを用いて、患者の骨に作られる。
【0022】
カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは、第1の取り外し可能なドリルブッシングをカスタマイズされた患者別のピンガイドの第1の穴から解放すること、及び次いで、第2の取り外し可能なドリルブッシングをカスタマイズされた患者別のピンガイドの第2の穴から解放することによって解体されてもよい。解体されたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは、患者の骨から1対のガイドピンを取り外すことなく、患者の骨から取り外され得る。
【0023】
患者共通の切断ブロックは、患者の骨に切れ目を入れることの前に、患者の骨から取り外されてもよく、その後患者の骨に切れ目を入れることの前に、患者共通の切断ブロックに画定される第2の異なるガイドピン穴の対に、1対のガイドピンが受容されるように、患者共通の切断ブロックを患者の骨と接触させて再位置決めされてもよい。そうすることによって、患者共通の切断ブロックを患者の骨と接触させて最初に位置決めすることの後に、患者の骨から除去されるべき骨の量が決定され得る。患者の骨から取り除かれるべき骨の量に相当する、第2の異なるガイドピン穴の対は次いで、ガイドピン穴の複数の対から選択され、患者共通の切断ブロックは、患者の骨に切れ目を入れることの前に、患者共通の切断ブロックに画定されるガイドピン穴の選択された第2の異なる対内に、1対のガイドピンが受容されるように、患者共通の切断ブロックは患者の骨と接触して再位置決めされる。
【0024】
組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは、大腿骨ピンガイドとして具体化されてもよい。
【0025】
組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは、頸骨ピンガイドとして具体化されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
発明を実施するための形態は、特に以下の図面を参照する。
【図1】カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具を設計及び製作するためのアルゴリズムの簡略化フローチャート。
【図2】患者別の整形外科用器具のモデルを生成するための方法の簡略化フローチャート。
【図3】基準輪郭を拡大縮小するための方法の簡略化フローチャート。
【図4】患者の脛骨の3次元モデル。
【図5】患者の脛骨の3次元モデル。
【図6】患者の脛骨の3次元モデル。
【図7】患者の大腿骨の3次元モデル。
【図8】患者の大腿骨の3次元モデル。
【図9】患者の大腿骨の3次元モデル。
【図10】カスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドの前方の立面図。
【図11】矢印の方向に見た際の図10の線11−11に沿って取った、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの断面図。
【図12】矢印の方向に見た際の図10の線12−12に沿って取った、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの断面図。
【図13】取り外し可能なドリルブッシングの斜視図。
【図14】図13の取り外し可能なドリルブッシングの正面図。
【図15】図13の取り外し可能なドリルブッシングの断面図。
【図16】患者の頸骨を外科的に切除するために使用される、図10のカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドを示す。
【図17】患者の頸骨を外科的に切除するために使用される、図10のカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドを示す。
【図18】患者の頸骨を外科的に切除するために使用される、図10のカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドを示す。
【図19】患者の頸骨を外科的に切除するために使用される、図10のカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドを示す。
【図20】患者の頸骨を外科的に切除するために使用される、図10のカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドを示す。
【図21】カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの斜視図。
【図22】図21のカスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの側面図。
【図23】患者の大腿骨に連結された図21のカスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドを示す。
【図24】カスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドの別の実施形態の前方の立面図。
【図25】矢印の方向に見た際の図24の線25−25に沿って取った、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの断面図。
【図26】取り外し可能なドリルブッシングの別の実施形態の斜視図。
【図27】図26の取り外し可能なドリルブッシングの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、ここに詳しく述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての改変物、均等物及び代替物を網羅することを意図するものである点を理解すべき。
【0028】
解剖学的参照を表す前部、後部、内側、外側、上、下等の用語は、本開示全体にて、患者の天然の解剖学的構造を伴って、本明細書に記載する整形外科用インプラント及び器具に関して使用され得る。これらの用語は、解剖学的形態の研究及び整形外科の分野の両方にて十分理解される意味を有する。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に言及しない限り、それらの十分理解された意味と一致することが意図される。
【0029】
図1を参照すると、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具を製作するためのアルゴリズム10が示されている。本明細書で用語「カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具」が意味するものは、特定の患者での使用が意図され、その使用のために構成された、整形外科手術の実施において外科医により使用される手術道具。したがって、本明細書で使用されるとき、用語「カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具」は、様々な異なる患者での使用を意図され、いずれか特定の患者のために製造されていない、若しくはカスタマイズされていない、患者別ではない標準的な整形外科用手術器具(すなわち、患者共通の切断ブロックなど、「患者共通の機器」)とは区別されることを理解するべき。加えて、本明細書で使用されるとき、用語「カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具」は、患者別のものであるか一般的なものであるかに関わらず、患者の身体内に外科的に埋め込まれる整形外科用人工関節とは区別されることを理解するべき。むしろ、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、整形外科用人工関節の埋め込みを補助するために整形外科医により使用される。「カスタマイズされた患者別の整形外科用手術機器」の例には、カスタマイズされた患者別のドリル/ピンガイド、カスタマイズされた患者別の頸骨切断ブロック、及びカスタマイズされた患者別の大腿骨切断ブロックが挙げられる。
【0030】
いくつかの実施形態において、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、器具が大腿骨及び/又は脛骨等の患者の1つ以上の骨に連結されるべき器具の場所に基づいて、特定の患者に対してカスタマイズされてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、患者の関連する骨の一部の輪郭に一致するか、又はほぼ一致する凹の輪郭を有する、骨接触面又は骨接面を有してもよい。したがって、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、患者の骨に対して固有の場所及び位置で患者の骨に連結されるよう構成されている。つまり、骨接触面の凹の輪郭は、患者の骨の一部の一致する輪郭表面を受容するよう構成されている。したがって、整形外科用手術器具の配置に関連した整形外科医の当て推量、及び/又は手術中の意志決定が低減される。例えば、整形外科医は、典型的には外科医側で若干の推定を必要とする、整形外科用手術器具の配置を容易にするための患者の骨のランドマークを示す必要がない場合がある。むしろ、整形外科医は、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具を、固有の場所で患者の骨上に単に連結することができる。そのように連結される際、切断面、ドリル穴/ピン留め穴、ミリング穴、及び/又は他のガイドは、骨及び目的とする整形プロテーゼに対して適切な場所内で画定されている。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、例えば、骨切断ブロック、ドリル/ピンガイド、ミリングガイド、又は患者の骨に連結されるよう構成された他の種類の整形外科用手術器具等の、任意の種類の整形外科用手術器具として具体化され得る。
【0031】
図1に示すように、アルゴリズム10は、プロセス工程12及び14を含み、ここで整形外科医は、患者に実施するべき整形外科手術の手術前計画を実施する。プロセス工程12及び14は、任意の順序で、又は互いに同時に実施されてもよい。プロセス工程12で、患者の関連する骨の解剖学的形態又は関節のいくつかの医用画像が生成される。これを行うために、整形外科医又は他の医療提供者は、イメージングシステムを操作して医用画像を生成することができる。医用画像は、患者の骨の解剖学的形態及び関連関節の3次元表現モデルの生成に使用することができる任意の数及び種類の医用画像として具体化され得る。例えば、医用画像は、任意の数のコンピュータ断層撮影(CT)画像、磁気共鳴断層撮影(MRI)画像、又は他の3次元医用画像として具体化され得る。加えて、又は代替的に、プロセス工程18に関して以下に更に詳細に説明するように、医用画像は、いくつかのX線画像又は他の2次元画像として具体化することができ、これらの画像から患者の関連する骨の解剖学的形態の3次元表現モデルが生成され得る。加えて、いくつかの実施形態において、医用画像は、患者の膝関節の軟骨面を強調するように設計された造影剤で強化されてもよい。
【0032】
プロセス工程14では、整形外科医は、任意の追加の術前の制約データを決定することができる。制約データは、整形外科医の嗜好、患者の嗜好、患者の解剖学的様相、医療機関により確立されたガイドライン等に基づくものであってよい。例えば、制約データは、金属対金属界面、埋め込みの傾斜量、切除する骨の厚さ、整形外科用埋め込みの寸法範囲等に対する整形外科医の選好を含むことができる。いくつかの実施形態において、整形外科医の選好は、整形外科医のプロファイルとして保存され、このプロファイルは、更なる手術計画のための初期設定制約値として使用することができる。
【0033】
プロセス工程16において、医用画像及び制約データは、存在する場合、整形外科用手術器具の業者又は製造者に送信され又は別様に提供される。医用画像及び制約データは、例えばネットワーク等の電子手段を介して、業者に送信することができる。ベンダーが医用画像及び制約データを受信した後、ベンダーは工程18で画像を処理する。整形外科用手術器具のベンダー又は製造者は、以下で詳細に説明するように、医用画像を処理して、骨切断面、インプラントの寸法決め、及びカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の製作を容易にする。例えば、プロセス工程20において、ベンダーは、医用画像から3次元画像を変換するか、又は別様に生成することができる。例えば、医用画像がいくつかの2次元画像として具体化される実施形態において、ベンダーは好適なコンピュータアルゴリズムを使用して、このいくつかの2次元画像から1つ以上の3次元画像を生成することができる。加えて、いくつかの実施形態において、医用画像は、例えば医用におけるデジタル画像と通信(Digital Imaging and Communications in Medicine)(DICOM)規格等の確立された規格に基づき生成することができる。エッジ検出、二値化、水域(watershead)、又は形状マッチングアルゴリズムを使用して、画像をコンピュータ支援設計用途又は他の画像処理用途にて許容可能なフォーマットに変換又は再構成することができる。更に、いくつかの実施形態において、アルゴリズムを使用して、生成した医用画像中で識別できない軟骨等の組織を明らかにすることができる。そのような実施形態において、患者別の器具の任意の3次元モデル(例えば、以下のプロセス工程26を参照)を、そのようなアルゴリズムに従って変更して、器具の適合度及び機能を増大させることができる。
【0034】
プロセス工程22において、業者は医用画像、及び/又は工程20からの変換/再構成された画像を処理して、患者の骨の解剖学的形態に関連した多数の様相、例えば患者の骨の解剖上の軸、患者の骨の機械的な軸、他の軸及び様々なランドマーク、並びに/又は患者の骨の解剖学的形態の他の様相等を決定することができる。これを行うために、業者は、任意の好適なアルゴリズムを使用して画像を処理することができる。
【0035】
プロセス工程24において、患者の骨の切断面が決定される。計画された切断面は、整形外科手術中に使用される整形プロテーゼの種類、寸法、及び位置に基づいて、画像で識別される特定のランドマーク等の処理画像に基づいて、またプロセス工程14及び16で整形外科医によって供給された制約データに基づいて決定される。整形プロテーゼの種類及び/又は寸法は、患者の解剖学的形態及び制約データに基づいて決定されてもよい。例えば、制約データは、整形プロテーゼの種類、製造、モデル、寸法、又は他の特性を決定することができる。患者の骨の解剖学的形態に使用でき、また制約データ又は整形外科医の選好に一致する整形プロテーゼが選択されるように、整形プロテーゼの選択はまた、医用画像に基づいても変更されてもよい。
【0036】
整形プロテーゼの種類及び寸法に加えて、患者の骨の解剖学的形態に関連した整形プロテーゼの計画された場所及び位置が決定される。これを行うために、選択された整形プロテーゼのデジタルテンプレートは、1つ以上の処理済み医用画像の上に重ね合わせてもよい。ベンダーは任意の好適なアルゴリズムを使用して、処理済み医用画像(例えば、画像内に画定された患者の骨のランドマーク)、及び/又は制約データに基づいて、患者の骨に関連した整形プロテーゼ(即ち、デジタルテンプレート)の推奨場所及び配向を決定することができる。加えて、患者の骨の解剖学的形態の1つ以上の任意の他の様相を使用して、デジタルテンプレートの適切な位置決めを決定することができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、デジタルテンプレートは、外科的整合パラメータ(surgical alignment parameter)と共に、承認のために整形外科医に提示され得る。承認文書は、大腿骨上顆、後方顆、溝(ホワイトサイド(Whiteside)の線)、並びに股関節、膝、及び/又は足首の中心によって画定される機能軸等の骨のランドマークに対するインプラントの回転を含むことができる。
【0038】
その後、患者の骨に対して計画された切断面は、整形プロテーゼの決定された寸法、場所及び配向に基づいて決定することができる。加えて、工程22で決定された患者の骨の解剖学的形態の他の様相を使用して、計画された切断面を決定するか、又は調整することができる。例えば、患者の大腿骨関連する骨の決定された機械軸、ランドマーク、及び/又は他の決定された様相を使用して、計画された切断面を決定することができる。
【0039】
プロセス工程26で、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具のモデルが生成される。いくつかの実施形態において、モデルは、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の3次元表現として具体化される。他の実施形態において、モデルは、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の原寸模型又は高速プロトタイプとして具体化されてもよい。モデルを作る、また製作されるべき整形外科用手術器具の特定の種類は、実施される整形外科手術、制約データ、及び/又は患者に埋め込まれる整形プロテーゼの種類に基づいて決定され得る。したがって、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、整形外科手術の実施における使用のための、任意の種類の整形外科用手術器具として具体化され得る。例えば、整形外科用手術器具は、骨切断ブロック、ドリル/ピン留めガイド、ミリングガイド、及び/又は任意の他の種類の整形外科用手術工具若しくは器具として具体化されてもよい。
【0040】
カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の特定の形状は、患者の骨の解剖学的形態に関連する整形外科用手術器具の計画された場所に基づいて決定される。患者の骨の解剖学的形態に関連するカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の場所は、整形外科手術中に使用される整形プロテーゼの種類及び決定場所に基づいて決定される。つまり、患者の骨の解剖学的形態に関連するカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の計画された場所は、一部において、工程24で決定される患者の骨の計画された切断面に基づいて選択され得る。例えば、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具が、患者共通の切断ブロックと併用して使用するためのドリル/ピン留めガイド(すなわち、以下、単に「ピンガイド」)として具体化される実施形態では、整形外科用手術器具の位置は、患者共通の切断ブロックが、カスタマイズされた患者別のピンガイドの使用によって骨に配置されるガイドピン上に設置されたとき、プロセス工程24で決定される、予定切断面の1つ以上に一致するように選択される。加えて、整形外科用手術器具の計画された場所は、プロセス工程22で特定された患者の骨の特定されたランドマークに基づくことができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の特定の形状及び構造は、患者の骨の解剖学的形態に関連する器具の計画された場所に基づいて決定されてもよい。つまり、整形外科用手術器具が、器具のための予め計画された場所に対応する固有の場所で患者の骨の解剖学的形態に連結されるように、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、患者の骨の解剖学的形態の一部の輪郭に一致する凹の輪郭を有する骨接触面を含むことができる。整形外科用手術器具が固有の場所で患者の骨の解剖学的形態に連結される際に、整形外科用手術器具の1つ以上のガイド(例えば、切断又はドリルガイド)は、上記のように骨切断面のうちの1つ以上と整合され得る。
【0042】
コンピュータモデル等の患者別の整形外科用器のモデルを生成するための方法40の説明に役立つ一実施形態を図2〜9に示す。方法40は、軟骨厚さ値が決定されている工程42から開始する。軟骨厚さ値は、患者の骨の軟骨の平均厚さを示す。したがって、一実施形態において、軟骨厚さ値は、患者と同様の特徴を有する個人に対する軟骨の平均厚さと同等。例えば、軟骨厚さ値は、患者と同じ性別、患者と同じ年齢、患者と同じ活動レベルを有する個人の平均厚さ同等であり得る。他の実施形態において、軟骨厚さ値は、プロセス工程16で送信される画像等の患者の骨の1つ以上の医用画像に基づいて決定される。
【0043】
工程44で、患者の関連する骨の基準輪郭が決定される。基準輪郭は、工程20で生成される3次元モデル等の患者の関連する骨の3次元モデルの表面輪郭に基づく。まず、基準輪郭は、患者の骨の領域(即ち、患者の大腿骨の遠位端又は患者の脛骨の近位端等の関心領域)と同一。つまり、いくつかの実施形態において、基準輪郭は、患者の領域の表面輪郭上に並置される。
【0044】
続いて、工程42で決定された軟骨厚さ値を補うために、工程46で基準輪郭は拡大縮小される。これを行うために、一実施形態において、基準輪郭の尺度は、軟骨厚さ値に基づいて増加される。例えば、基準輪郭の尺度は、軟骨厚さ値と同等の量によって増加されるか、又は軟骨厚さ値から決定されてもよい。しかしながら、他の実施形態において、基準輪郭は、基準輪郭が患者の骨上の軟骨の厚さに対して補われる寸法に基準輪郭を拡大縮小するように設計された他の技術を使用して拡大縮小されてもよい。
【0045】
例えば、特定の一実施形態において、基準輪郭は、固定基準点と、基準輪郭上にあり、一部で基準輪郭を画定する点との間の距離を増加させることによって拡大縮小される。これを行うために、一実施形態において、図3に示される基準輪郭を拡大縮小するための方法60を使用することができる。方法60は、内側/外側の線分が患者の関連する骨の3次元モデル上に確立される工程62から開始する。内側/外側線分は、患者の骨の内側面上にある点から患者の骨の外側面上にある点まで延在するように画定されるか、別様に選択される。内側表面点及び外面点は、いくつかの実施形態において、患者の骨のほぼ最大の局所的内側/外側幅を画定するために、選択され得る。
【0046】
工程64で、前方側/後方側の線分は、患者の関連する骨の3次元モデル上に確立される。前方側/後方側の線分は、患者の骨の前方面上のある点から患者の骨の後方面上のある点まで延在するように画定されるか、又は別様に選択される。前方面点及び後方面の点は、いくつかの実施形態において、患者の骨のほぼ最大の局所的前方側/後方側幅を画定するように選択されてもよい。
【0047】
基準輪郭が拡大縮小される基準点は、内側/外側線分及び前方側/後方側線分の交点として工程66で画定される。したがって、当然のことながら、内側表面の点、外面点、前方面の点、及び後方面の点は、同じ平面上にある。基準点が工程66で最初に確立された後、基準点は、患者の骨の末端部に向かって移動され又は別様に平行移動される。例えば、患者の骨が大腿骨として具体化される実施形態において、基準点は、患者の大腿骨の遠位端に向かって下方に移動される。逆に、患者の骨が脛骨として具体化される実施形態において、基準点は、患者の脛骨の近位端に向かって上方に移動される。一実施形態において、基準点は、工程64で決定される前方側/後方側線分の長さの約半分と同等の距離だけ移動される。しかしながら、他の実施形態において、基準点は、患者の骨上に存在する軟骨の厚さに対して基準輪郭を補うために十分な他の距離だけ移動されてもよい。
【0048】
基準点の場所が工程68で決定されると、工程70で、基準点と、基準輪郭上にあり、一部で基準輪郭を画定するそれぞれの点との間の距離を増加させる。これを行うために、特定の一実施形態において、基準輪郭のそれぞれの点は、基準点と基準輪郭上の特定の点との間で画定される最初の距離の割合値に基づいて、基準点から離れる距離だけ移動される。例えば、一実施形態において、基準輪郭上にあり、一部で基準輪郭を画定するそれぞれの点は、基準点と特定の点との間の最初の距離の割合値と同等の距離だけ基準点から離れるように移動される。一実施形態において、割合値は、約5%〜約30%の範囲。特定の一実施形態において、割合値は、約10%。
【0049】
ここで図4〜9を参照すると、別の実施形態において、基準輪郭は、患者の骨の3次元画像の表面輪郭上の局所の「高い」点を手動で選択することによって拡大縮小される。例えば、関連する患者の骨が、図4〜6で示される脛骨として具体化される実施形態において、基準点90は、脛骨モデル92の脛骨プラトー高点上にまず位置する。脛骨プラトーのいずれの側も使用することができる。基準点90が脛骨プラトー高点上に最初に確立されると、基準点を画定するZ軸が、脛骨モデル92の機能軸と平行であるように、基準点90は、図5で示されるプラトーのほぼ中央へ平行移動される。その後、図6で示されるように、基準点は、所定の量だけ遠位方向に移動される。特定の一実施形態において、基準点は、約20ミリメートルだけ遠位方向に移動されるが、他の実施形態において、他の距離が使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、基準点が移動される距離は、軟骨厚さ値に基づいてもよい。
【0050】
逆に、関連する患者の骨が図7〜9で示される大腿骨として具体化される実施形態において、基準点90は、大腿骨モル94の遠位端の最遠位点上に最初に位置する。様々な実施形態において、大腿骨モデル94のどちらの顆も使用することができる。基準点90が最遠位点上に最初に確立されると、基準点90を画定するZ軸が、大腿骨モデル92の機能軸に平行となるように、基準点90は、図8に示される大腿骨モデル94の遠位端のほぼ中央に平行移動される。大腿骨モデル94の遠位端の前方−後方幅96も決定される。その後、図9で示されるように、基準点は、距離98だけ近位又は上方の方向に移動されるか、又は別様に平行移動される。特定の一実施形態において、基準点は、距離96の約半分と同等の距離98だけ遠位又は上方の方向に移動される。したがって、当然のことながら、いくつかの異なる技術のうちの1つを使用して、例えば、骨の種類に基づいて基準点の場所を画定することができる。
【0051】
ここで図2を参照すると、工程46で基準輪郭が拡大縮小されると、工程48で基準輪郭の内側/外側が調整される。これを行うために、一実施形態において、基準点と、基準輪郭の内側及び外側上にあり、一部で基準輪郭の内側及び外側を画定するそれぞれの点との間の距離が減少される。例えば、いくつかの実施形態において、基準点と、拡大縮小された基準輪郭の内側及び外側上の点との間の距離は、そのような点の間の本来の距離まで減少される。したがって、当然のことながら、基準輪郭は、患者の骨の前方側に対してオフセットされるか、又は別様に拡大され、患者の骨の内側及び外側に対してほぼ一致するか、又は別様に拡大縮小されない。
【0052】
工程48で、基準輪郭は、軟骨の厚さが少ない患者の骨の箇所に対して調整されることもできる。軟骨厚さの少ないそのような箇所は、医用画像、シミュレーション等において識別される骨と骨との接触の存在に基づいて決定されてもよい。加えて、そのような箇所を示す情報は、整形外科医の経験に基づいて整形外科医によって提供されてもよい。軟骨厚さが少ない1つ以上の箇所が特定される場合、患者の骨のそのような箇所に対応する基準輪郭は減少する(即ち、縮小される)。
【0053】
加えて、いくつかの実施形態において、患者の骨上の1つ以上の骨棘は識別されてもよく、基準輪郭は、骨棘のそのような存在のために補われることができる。そのような骨棘を補うことによって、基準輪郭は、患者の骨の表面輪郭により厳密に一致する。更に、いくつかの実施形態において、基準輪郭の遠位端(患者の骨が脛骨として具体化される実施形態)又は近位端(患者の骨が大腿骨として具体化される実施形態)を調整して、骨の表面輪郭に対する基準輪郭の適合性を増加させてもよい。例えば、患者の骨が大腿骨にある実施形態において、拡大縮小された基準輪郭の上端は、患者の大腿骨上に画定される軟骨境界線より上方に位置する領域で患者の大腿骨の表面輪郭の近くへ減少されるか、又は別様に移動されてもよい。逆に、患者の骨が脛骨として具体化される実施形態では、拡大縮小された基準輪郭の下端は、患者の脛骨の軟骨境界線より下方に位置する領域にある患者の脛骨の表面輪郭の近くへ減少されるか、又は別様に移動させることができる。したがって、当然のことながら、患者の骨上の患者の軟骨の厚さを補うために、拡大縮小された基準輪郭がまず拡大される。その後、拡大縮小された基準輪郭の部分は、元の位置、及び/又は軟骨が不足しているか、少ない、又は別様に存在しないそれらの箇所における基準点へ減少されるか、又は別様に移動される。
【0054】
工程46及び48で基準輪郭が拡大縮小され、調整されると、工程50で切断ガイドの位置が画定される。特に、切断ガイドの位置は、患者の大腿骨の機能軸と患者の脛骨の機能軸との間で定められる角度に基づいて画定される。角度は、患者の大腿骨の遠位端へ患者の大腿骨の近位端から始まる線分又は射線を確立し、患者の足首から患者の脛骨の近位端を通って延在する第2の線分又は射線を画定することによって決定され得る。これら2つの線分/射線によって定められる角度は、患者の大腿骨及び脛骨の機能軸の間において定められる角度と同等。その後、骨切断ガイドの位置は、患者の大腿骨の機能軸と脛骨の機能軸との間の角度に基づいて決定される。以下に更に詳細に記載されるように、切断ガイドの位置は、それがカスタマイズされた患者別のピンガイドの使用によって骨に配置されたガイドピン上に配置されたとき、患者共通の切断ブロックの切断面の位置及び方向を画定する。その後、工程52で、カスタマイズされた患者別のピンガイドの輪郭は、拡大縮小され、調整された基準輪郭、並びに大腿骨及び脛骨の機能軸の間において定められる角度に基づいて画定される。
【0055】
図1に戻って参照すると、プロセス工程26で、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具のモデルが生成された後、プロセス工程28でモデルが検証される。モデルは、例えば、切断ガイド及び平面、ドリルガイド及び計画されたドリル点等の相関を検証するために患者の解剖学的形態の3次元モデルに連結されつつ、表現モデルを分析することによって検証され得る。加えて、モデルは、工程26にて生成したモデルを、再考のために整形外科医に送信し又は別様に提供することにより検証され得る。例えば、モデルが3次元表現モデルである実施形態において、モデルは、患者の関連する骨の3次元画像と共に、再考のために外科医に送信されてよい。モデルが物理的プロトタイプである実施形態では、モデルは、検証のために整形外科医に輸送されてもよい。
【0056】
プロセス工程28においてモデルが検証された後、プロセス工程30において、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具が製作される。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、任意の好適な製作装置及び方法を用いて製作することができる。加えて、カスタマイズされた患者別の整形外科用器具は、例えば、器具の使用目的によって、金属材料、プラスチック材料、又はそれらの組み合わせ等の任意の好適な材料から形成されてもよい。製作された、カスタマイズされた患者別の整形外科用器具は、続いて整形外科医に輸送され、又は別様に提供される。プロセス工程32において、外科医は、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具を使用して、整形外科手術を実施する。上述したように、整形外科医は手術中に、通常は外科医側で、ある程度の推定を要する、整形外科用手術器具の適切な場所を決定する必要がないため、外科医側の当て推量及び/又は手術中の意志決定が低減される。
【0057】
ここで図10〜12を参照すると、一実施形態において、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、脛骨ピンガイド100として具体化され得る。ピンガイド100は、患者の脛骨に連結されるよう構成される。以下に更に詳細に記載されるように、頸骨ピンガイド100は、患者の頸骨上の位置に、特定の患者のためにカスタマイズされている1対のガイドピン160を設置するために使用される。しかしながら、頸骨ピンガイド100は、切断ガイドを欠いている。結果として、いったん頸骨ピンガイド100がガイドピン160を設置するために使用されると、それは患者の頸骨から取り外され、患者共通の切断ブロック162(図20)はガイドピン160上に設置され、その後患者の頸骨を切除するために使用される。これはカスタマイズされた患者別の切断ブロックの製造及び使用と対照をなす。かかる配置は、患者の骨格に対するガイドピン160の配置をカスタマイズすることによって、外科手術のある程度のカスタマイゼーションを可能にすると同時に、再利用可能な患者共通の切断ブロックの使用に関連してコストの利点を享受する。
【0058】
ピンガイド100は、患者の頸骨の前方側、及び本体102から離れて後方に延在する2つのアーム若しくはタブ104、106に連結されるように構成された本体102を含む。タブ104、106は以下で詳述するように、脛骨の近位端の周囲を包囲するよう構成されている。ピンガイド100は、任意の好適な材料から形成されてもよい。例えば、ピンガイド100は、プラスチック又は樹脂材料から形成され得る。特定の一実施形態において、ピンガイド100は、迅速プロトタイプ製作プロセスを使用して、Vero樹脂から形成される。しかしながら、他の実施形態において、ガイドピン100は、他の材料から形成されてもよい。例えば、別の特定の実施形態において、ピンガイド100は、Ultem樹脂等のポリイミド熱可塑性樹脂から形成されており、それはSaudi Basic Industries Corporation Innovative Plastics(Riyhadh,Saudi Arabia)から市販されている。本明細書に記載の例示の実施形態では、ピンガイド100はモノリシックの高分子構造体として形成される。
【0059】
ピンガイド100の本体102は、骨接触面又は骨接面112、及びこの骨接面112に対向する外面114を含む。本体102は、それを通じて画定される多くのガイド穴116を有する。取り外し可能なドリルブッシング118は各ガイド穴116に固定される。以下に更に詳細に記載されるように、取り外し可能なドリルブッシング118は、外科手術に使用するためにピンガイド100に設置され、次いで手術後にピンガイド100から取り外され得る。ピンガイド10(pin guide 10)が、それが使用される患者の上で、その単一の使用後に廃棄される、カスタマイズされた構成要素であるのに対して、取り外されたドリルブッシング118は、殺菌され、後続の外科手術で再使用され得る。
【0060】
ピンガイドの本体102の骨接面112は、対応する輪郭を有する患者の脛骨の前方側の一部、及び任意に患者の脛骨の内側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭138を含む。骨接触面112のカスタマイズされた患者別の凹の輪郭138は、固有の所定の場所及び配向において、患者の脛骨上でピンガイド100の位置決めを可能にする。本明細書に記載される例示の実施形態では、凹の輪郭138は、ピンガイド100が、頸骨の前側表面上で患者の頸骨に連結されるように構成されるよう選択されるが、また患者の頸骨の前側−内側に連結されるように構成されてもよい。
【0061】
タブ104、106は、骨接触面又は骨接面140、142、及び骨接面140、142の反対側の外面144、146をそれぞれ含む。タブ104の骨接面140は、それぞれの対応する輪郭を有する患者の脛骨の近位側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭148を含む。同様に、タブ106の骨接面142は、それぞれの対応する輪郭を有する患者の脛骨の近位側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭150を含む。
【0062】
上記のように、アーム又はタブ104、106は、本体102から後方に延在し、それらの間でU字形開口部を画定する。タブ104、106は、同じ距離又は異なる距離だけ本体102から延在することができる。更に、図11に示されるように、タブ104、106は互いに対して非平行な角度において後方に延びてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、カスタマイズされた患者別のピンガイド100の骨接触面112、140、142の凹の輪郭138、148、150は、患者の骨の対応する輪郭面に一致してもよく、又は一致しなくてもよい。つまり、上記のように、凹の輪郭138、148、150は、患者の軟骨又はその欠乏を補うために拡大縮小されるか、又は別様に大きさを変更(例えば、拡大した)され得る。
【0064】
図13〜15で見ることができるように、取り外し可能なドリルブッシング118は、外科医の指によって把持されるような輪郭のヘッド120を含む。ポスト122はヘッド120から離れて延び、かつその外面上に形成された固定フランジ124を含む。固定フランジ124が使用されて、ピンガイド100のガイド穴116のうちの1つ内にポスト122を固定する。とりわけ、固定スロット126は、ガイド穴116のそれぞれの近位のピンガイドの本体102に形成される。固定スロット126は対向するガイド穴116の軸に平行な方向に延び、ガイド穴116に通じる。図10〜15の例示の実施形態では、取り外し可能なドリルブッシング118の固定フランジ124は、ポスト122の外面の周囲に螺旋状に延在する多くの雄ネジ124として具体化され、ピンガイド100の固定スロット126は、ガイド穴116のそれぞれの外周の周囲に螺旋状に延在する多くの雌ネジとして具体化される。ドリルブッシングの雄ネジ124は、ピンガイド100のガイド穴116に形成される雌ネジ126に螺入するような寸法にされている。
【0065】
細長い孔128は、取り外し可能なドリルブッシング118を通じて延在する。孔128はドリルを受容するような寸法であり、これによってガイドピン160の設置の前に、患者の頸骨が予めドリルされ得る。図15に示されるように、孔128の各端部は皿頭。ドリルブッシングヘッド120上の皿頭開口部は、ドリル及びガイドピン160の孔128への挿入促進のための引き込みとして機能する。
【0066】
取り外し可能なドリルブッシング118は、ピンガイド100から別々に外科医に提供されてもよい。具体的には、取り外し可能なドリルブッシング118の1つ以上は、ピンガイド100を含む殺菌パッケージから別の殺菌パッケージで、外科医に提供されてもよい。単一使用の使い捨て構成要素として設計されているピンガイド100と異なり、取り外し可能なドリルブッシングは各手術の後に殺菌されてもよく、かつ再使用されてもよい。このように、外科医によって新しいピンガイド100が調達される度に、追加のドリルブッシング118が必要とされてなくてもよい。
【0067】
取り外し可能なドリルブッシング118、ステンレス鋼、コバルトクロム又はチタンなどの医療等級の金属から構成され得るが、他の金属又は合金も使用され得る。
【0068】
図16〜20で示されるように、外科医はカスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイド100を使用して、特定の患者のためにカスタマイズされている患者の頸骨上の位置に1対のガイドピン160を設置してもよい。患者共通の切断ブロック162は次いで、カスタム配置されたガイドピン160上に配置され、したがって患者の頸骨を切断するのに使用され得る。かかる配置は、患者の骨格に対するガイドピン160の配置をカスタマイズすることによって、外科手術のある程度のカスタマイゼーションを可能にすると同時に、再利用可能な患者共通の切断ブロック162の使用に関連してコストの利点を享受する。
【0069】
図16で示されるように、外科手術はカスタマイズされた患者別の外科用器具を準備テーブル又は手術室の他の部分上で組み立てることから始まる。そうするためには、外科医はまず、外科医によって治療される特定の患者のために製造された、カスタマイズされた患者別のピンガイド100を入手する。ピンガイド100が図1〜9に関して上記の方式で製造される。いったんカスタマイズ患者特有のピンガイド100が入手されると、外科医は次いで1対の殺菌済みの取り外し可能なドリルブッシング118をとり、それらをピンガイド100に設置する。特に、外科医は前の処置(殺菌された後)から1対の取り外し可能なドリルブッシング118を、又は(製造メーカーの殺菌パッケージから)新しいドリルブッシング118を入手する。したがって、外科医はドリルブッシング118のうちの1つのネジ付きポスト122を、ピンガイド100に形成されたガイド穴116のうちの1つに挿入し、ドリルブッシング118のヘッド120を回転させ、これによってポスト122上に形成された外側ネジ124は、ガイド穴116に形成された雌ネジ126内に螺入される。外科医は次いで、他のドリルブッシング118を入手し、同様な方式で、ピンガイドの他のガイド穴116にそれを設置する。
【0070】
図17に示されるように、組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイド100は次いで、患者の頸骨の近位端部に連結される。ピンガイド100の骨接触面112、140、142は、凹の輪郭138、148、150を含み、ピンガイド100は予め計画した固有の位置において患者の頸骨に連結される。そのように連結されるとき、タブ104、106は患者の頸骨の近位端部の周囲を包囲し、ドリルブッシング118の細長い孔128は、患者の頸骨の前側表面から離れる前側方向/後ろ方向に延在する。
【0071】
外科医は次いでガイドピン160を設置する。そうするために、外科医はまず、ドリルブッシング118のそれぞれのガイド孔128を通じてドリル(図示せず)を前進させることによって、患者の頸骨に案内(pilot)穴をドリルする。外科医は次いで、ドリルブッシング118のそれぞれのガイド孔128を通じてガイドピン160を、ドリルされた案内穴に挿入する。このように、ガイドピン160はカスタマイズされた、患者別のピンガイド100の使用によって作られた、カスタマイズされた患者別の位置において患者の頸骨に設置される。ガイドピン160がタッピングネジである場合、患者の頸骨の事前のドリルは不用であるということは理解されるべき。
【0072】
図18に示されるように、いったんガイドピン160が、カスタマイズされた患者別の位置において、ピンガイド100の使用によって設置されると、ドリルブッシング118は取り外される。とりわけ、外科医はまず、ドリルブッシング118のうちの1つのヘッド120を把持し、それが設置中に回転されたのと反対の方向においてそれを回転させ(例えば、反時計回り)、これによってドリルブッシングのポスト122の外面上に形成された外側ネジ124は、ガイド穴116に形成された雌ネジ126から外される。いったん外されると、ドリルブッシング118はピンガイド100から離れて持ち上げられ得る。外科医は次いで、同様の方式でピンガイドの他のガイド穴116から他のドリルブッシング118を取り外す。ドリルブッシング118は廃棄されず、他の患者のために製造された、カスタマイズされた患者別のピンガイド100と組み合わせて後続の外科手術において使用するために保持及び殺菌される。
【0073】
図19に示されるように、ドリルブッシング118は取り外された状態で、ピンガイド100は患者の頸骨から外され、取り出される。そうすることによって、ガイドピン160は、ピンガイド100の使用によって作られた、カスタマイズされた患者別の位置において患者の頸骨に取り残される。図20に示されるように、患者共通の切断ブロック162は次いで、所望の位置及び向きにおいて患者の頸骨を切断するために使用される。患者共通の切断ブロック162は、切断ガイド164を含み、これは、本明細書に記載の例示の実施形態において、切断ブロック本体168において形成された切断スロット166の形態。患者共通の切断ブロック162の本体168はまた、内部に形成されたガイドピン穴の複数の対を有する。例えば、本明細書に記載の例示の実施形態では、切断ブロックの本体168はガイドピン穴170、172、及び174の3つの異なる、対応する対を有する。以下により詳細に記載されるように、患者共通の切断ブロック162はガイドピン穴170、172、174の使用によって、ガイドピン160上に選択的に位置決めされ、切断スロット166の位置、したがって切除中に取り除かれる骨の量を変えてもよい。例えば、図20において、切断ブロックは、基準、すなわち「ゼロ」設定に対応するガイドピン穴170の対に位置決めされる。さもなければゼロ設定の使用によって取り除かれるよりも多くの骨(例えば+2mm)を取り除くことを外科医が望む場合、外科医はガイドピン160から患者共通の切断ブロック162を取り外すことができ、それを、ガイドピン160がガイドピン穴172内に受容されるように再度設置する。逆に、さもなければゼロ設定の使用によって取り除かれるよりも少ない骨(例えば−2mm)を取り除くことを外科医が望む場合、外科医はガイドピン160から患者共通の切断ブロック162を取り外すことができ、それを、ガイドピン160がガイドピン穴174内に受容されるように再度設置する。
【0074】
図20に示されるように、いったん患者共通の切断ブロック162が、ガイドピン穴(図20の例示の実施例におけるガイド穴170)の所望の対の使用と共に配置されると、外科医は患者共通の切断ブロックを使用して、患者の頸骨の近位端を切断してもよい。そうするために、外科医は切断スロット166内に骨のこぎりを前進させ、頸骨を切断する。必要な場合、外科医は次いで、ガイドピン穴の異なる対の使用と共に切断ブロック162を再位置決めし、第2の切断を実施し、更に骨を取り除いてもよい。いったん患者の近位の頸骨が切断されると、外科医は次いで外科手術を続けることができる。
【0075】
ここで図21〜23を参照すると、本明細書に記載のカスタマイズされた患者別の機器はまた、カスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイド200として具体化されてもよい。ピンガイド200は、患者の大腿骨に連結されるよう構成される。ピンガイド200は、患者の大腿骨の前方側、及び本体202から離れて後方に延在する2つのアーム又はタブ204、206に連結されるように構成された本体202を含む。タブ204、206は、大腿骨の遠位端を包み込むよう構成されている。タブ204、206のそれぞれは、内側に曲がるか、ないしは別の方法で上方に延在する縁208、210をそれぞれ含む。
【0076】
脛骨ピンガイド100のように、大腿骨のピンガイド200は、プラスチック又は樹脂材料などの材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、ピンガイド200は、光硬化性又はレーザー硬化性樹脂から形成されてもよい。特定の一実施形態において、ピンガイド200は、迅速プロトタイプ製作プロセスを使用して、Vero樹脂から形成される。しかしながら、他の実施形態において、ガイドピン200は、他の材料から形成され得る。例えば、別の特定の実施形態において、ピンガイド200は、Ultem樹脂等のポリイミド熱可塑性樹脂から形成される。本明細書に記載の例示の実施形態では、ピンガイド200はモノリシックの構造体として具体化される。
【0077】
本体202は、骨接触又は骨接面212、及び骨接面212の反対側の外面214を含む。本体202は、それを通じて画定される多くのネジ付きガイド穴216を有する。取り外し可能なドリルブッシング118のうちの1つは、ガイド穴216のそれぞれに螺入されてもよい。ピンガイド本体202に形成されるガイド穴216に加えて、他の対のガイド穴216はタブ204、206に形成される。頸骨ピンガイド100に関して上記と同様に、取り外し可能なドリルブッシング118は、外科手術で使用するために大腿骨ピンガイド200に設置され、次いで手術の後にピンガイド200から除去されてもよい。頸骨ピンガイド100のように、大腿骨ピンガイド200は、患者のために作製された大腿骨ピンガイド200が、患者のために単回使用された後に廃棄される、カスタマイズされた構成要素。
【0078】
大腿骨ピンガイドの本体202の骨接面212は、対応する輪郭を有する患者の大腿骨の前方側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭228を含む。上記のように、骨接触面212のカスタマイズされた患者別の凹の輪郭228は、固有の所定の場所及び向きでピンガイド200の位置決めを可能にする。
【0079】
上記で示唆したように、アーム又はタブ204、206は本体202から後方に延在し、それらの間でU字形開口部を画定する。タブ204、206は、同じ距離又は異なる距離だけ本体202から延在することができる。タブ204、206のそれぞれは、内部に形成されるネジ付きガイド穴216を有する。取り外し可能なドリルブッシング118のうちの1つは、タブ204、206の各ガイド穴216内に螺入されてもよい。具体的には、タブ204、206のガイド穴216は、ピンガイドの本体202のガイド穴216、及び頸骨ピンガイド100のガイド穴116と同様の直径及び構成を有する。このため、取り外し可能なドリルブッシング118は、頸骨ピンガイド100と大腿骨ピンガイド200との間で互換性がある。
【0080】
タブ204、206は、骨接触又は骨接面240、242、及び骨接面240、242の反対側の外面244、246をそれぞれ含む。タブ204の骨接面240は、それぞれの対応する輪郭を有する患者の大腿骨の遠位側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭248を含む。同様に、タブ206の骨接面242は、それぞれの対応する輪郭を有する患者の大腿骨の遠位側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭250を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、カスタマイズされた患者別のピンガイド200の骨接触面212、240、242の凹の輪郭228、248、250は、患者の骨の対応する輪郭面に一致してもよく、又は一致しなくてもよい。つまり、上記のように、凹の輪郭228、248、250は、患者の軟骨又はその欠乏を補うために拡大縮小されるか、又は別様に大きさを変更(例えば、拡大した)され得る。
【0082】
図23に示されるように、大腿骨ピンガイド200は、患者の大腿骨の遠位端に連結され得る。ピンガイド200の骨接触面212、240及び242は凹の輪郭228、248、250を含むため、大腿骨ピンガイドは、事前に計画された固有の位置において患者の大腿骨に連結されてもよい。そのように連結される際、タブ204、206は、患者の大腿骨の遠位端の周囲を包囲する。加えて、大腿骨ピンガイド200が患者の大腿骨に連結される場合、大腿骨の前方側の一部は、本体202の凹の輪郭228に受容され、患者の大腿骨の遠位側の一部は、タブ204、206の凹の輪郭248、250にそれぞれ受容される。
【0083】
いったん患者の遠位の大腿骨に連結されると、外科医はカスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイド200を使用して、特定の患者のためにカスタマイズされた位置に、ガイドピン160の2つの対を設置することができる。ガイドピン160の1つの対は、患者の大腿骨の前方側上でカスタム患者別の位置に配置される。ガイドピン160の他方の対は、患者の大腿骨の遠位側上に配置される。ピンガイド200が取り外された状態で、患者共通の切断ブロック(単数)又はブロック(複数)(図示せず)は次いで、カスタム配置されたガイドピン160上に配置され、したがって患者の大腿骨を切断するのに使用され得る。かかる配置は、患者の骨格に対するガイドピン160の配置をカスタマイズすることによって、外科手術のある程度のカスタマイゼーションを可能にすると同時に、再利用可能な患者共通の切断ブロックの使用に関連してコストの利点を享受する。
【0084】
ここで図24〜27を参照すると、ピンガイド100の他の実施形態及び取り外し可能なドリルブッシング118が示される。ピンガイド100のガイド穴116内の取り外し可能なドリルブッシング118を固定する固定機構を除き、図24〜27に示されるピンガイド100及びドリルブッシング118は、ピンガイド100、並びに図10〜20に示されるドリルブッシング118と本質的に同じ。具体的には、ネジの代わりに、ピンガイド100の例示の実施形態において、図24〜27に示される取り外し可能なドリルブッシング118は、カム固定配置を使用する。
【0085】
図24及び25に示されるように、ガイド穴116のそれぞれの近位のピンガイドの本体102に形成される固定スロット126は螺旋状ではないが、むしろ、ガイド穴116の対向する側上に位置決めされる2つの細長いチャネル180、及びピンガイドの本体102内に形成された環状凹部182を含む。チャネル118の外端は、ガイドピンの本体102の外面114を開口し、チャネル180の内端は、環状凹部182に通じる。図25の断面図に見ることができるように、肩部184は、固定スロットの環状凹部182の前方側を画定する。図25でも分かるように、肩部184は角度付きのカム面として具体化される。以下に記載のように、取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジ124は、カム面を係合し、取り外し可能なドリルブッシング118をピンガイド100に固定する。
【0086】
図26及び27の取り外し可能なドリルブッシング118の固定フランジ124は、そのポスト122の対向する側から外向きに延在する1対のタブとして具体化される。タブ124は、ピンガイドの固定スロット126の対応するチャネル180内に受容されるような寸法であり、かつそのように位置決めされる。とりわけ、取り外し可能なドリルブッシング118をピンガイド100に固定するために、タブ124のそれぞれはまず、チャネル180のうちの1つと整列させ、したがってチャネル180内に前進させる。タブ124が、肩部184を通過するのに十分遠いチャネル180内に前進されたとき、取り外し可能なドリルブッシング118のヘッド120は、おおよそ90°回転され、これによってタブ124を回転することができる。タブ124のかかる回転は、チャネル180との整列からタブを取り外し、これによって環状凹部182内のタブ124を把持する。かかる回転はまた、タブ124の前カム面186を肩部184のカム面に係合させる。このカムは、取り外し可能なドリルブッシング118をドリルガイド100に固定する。
【0087】
取り外し可能なドリルブッシング118をドリルガイド100から取り外すために、取り外し可能なドリルブッシング118のヘッド120は、タブ124がチャネル180と整列される位置まで、配置中にそれが回転された方向と反対に回転されてもよい。いったんタブ124がかかる方式で整列されると、取り外し可能なドリルブッシング118のポスト122は、ガイド穴116の外に摺動されてもよく、これによって取り外し可能なドリルブッシング118をピンガイド100から外す。
【0088】
図24〜27の固定機構が、頸骨のピンガイド100の関連で例示的に記載されているが、大腿骨ピンガイド200もまた、図21〜23に関して上記のネジ付き構成の代わりに、かかるカム固定構成を含むように修正されてもよいということが理解されるべき。
【0089】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更及び改変は全て保護されることが望ましい点が理解されよう。
【0090】
本開示には、ここに述べた装置、システム、及び方法の様々な特徴に基づく複数の利点がある。本開示の装置、システム、及び方法の代替的実施形態は、ここで述べた特徴の全てを含むわけではないが、こうした利点の少なくとも一部から利益を享受するもの。本発明の特徴の1つ以上を取り入れた、添付の「特許請求の範囲」によって定義される本開示の趣旨及び範囲に含まれる装置、システム、及び方法を独自に実現したものを、当業者は容易に考案することができる。
【0091】
〔実施の態様〕
(1) カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具であって、
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドであって、(i)対応する凸の輪郭を有する患者の脛骨の前方側の一部を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面(bone-facing surface)を有する本体であって、前記本体は(a)前記本体内部に形成された第1の穴であって、前記第1の穴は、前記第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備え、前記第1の固定スロットは前記第1の穴に通じる、第1の穴、及び(b)前記本体内部に形成された第2の穴であって、前記第2の穴は、前記第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備え、前記第2の固定スロットは前記第2の穴に通じる、第2の穴を有する、本体と、(ii)前記本体から後方に延在する第1のタブであって、前記第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の脛骨の近位側の第1の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する、第1のタブと、(iii)前記本体から後方に延在する第2のタブであって、前記第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の脛骨の近位側の第2の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する、第2のタブと、を含む、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第1の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の固定スロットに位置決めされる、第1の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第2の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に位置決めされ、これによって前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の固定スロットに位置決めされる、第2の取り外し可能なドリルブッシングと、を含む、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(2) 前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第1の雌ネジを含み、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第1の雄ネジを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1の雄ネジが、前記本体の前記第1の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第2の雌ネジを含み、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第2の雄ネジを含み、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第2の雄ネジが、前記本体の前記第2の雌ネジに螺入される、実施態様1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(3) 前記第1の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第1の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体に形成された第1の環状凹部を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第1のタブを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1タブが、前記本体の前記第1の環状凹部に捕捉され、
前記第2の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第2の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体に形成された第2の環状凹部を画定し、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第2のタブを含み、前記第2のドリルブッシングの前記第2のタブは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に固定するように、前記本体の前記第2の環状凹部に捕捉される、実施態様1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(4) 前記カスタマイズされた患者別の整形外科用脛骨ピンガイドは高分子材料から形成され、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの両方は金属材料から形成される、実施態様1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(5) 前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの構造体を画定する、実施態様4に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【0092】
(6) 前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの使い捨て高分子構造体を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの両方は再利用可能であり、かつ金属材料から形成される、実施態様1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(7) 前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記前方側上に1対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされる、実施態様1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(8) カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具であって、
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドであって、(i)対応する凸の輪郭を有する患者の大腿骨の前方側の一部を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する本体であって、前記本体は(a)前記本体内部に形成された第1の穴であって、前記第1の穴は、前記第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備え、前記第1の固定スロットは前記第1の穴に通じる、第1の穴、及び(b)前記本体内部に形成された第2の穴であって、前記第2の穴は、前記第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備え、前記第2の固定スロットは前記第2の穴に通じる、第2の穴を有する、本体と、(ii)前記本体から後方に延在する第1のタブであって、前記第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の大腿骨の遠位側の第1の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有し、前記第1のタブは、前記第1のタブ内部に形成された第3の穴を有し、前記第3の穴は、前記第3の穴の軸に平行な方向に延在する第3の固定スロットを備え、前記第3の固定スロットは前記第3の穴に通じる、第1のタブと、(iii)前記本体から後方に延在する第2のタブであって、前記第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の大腿骨の前記遠位側の第2の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有し、前記第2のタブは、前記第2のタブ内部に形成された第4の穴を有し、前記第4の穴は、前記第4の穴の軸に平行な方向に延在する第4の固定スロットを備え、前記第4の固定スロットは前記第4の穴に通じる、第2のタブと、を含む、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第1の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の固定スロットに位置決めされる、第1の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第2の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第2の穴に位置決めされ、これによって前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第2の固定スロットに位置決めされる、第2の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第3の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第3の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の固定スロットに位置決めされる、第3の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第4の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第4の穴に位置決めされ、これによって前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第4の固定スロットに位置決めされる、第4の取り外し可能なドリルブッシングと、を含む、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(9) 前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第1の雌ネジを含み、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第1の雄ネジを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1の雄ネジが、前記第1の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第2の雌ネジを含み、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第2の雄ネジを含み、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴に固定するように、前記第2のドリルブッシングの前記第2の雄ネジが、前記第2の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第3の雌ネジを含み、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの第3の固定フランジは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第3の雄ネジを含み、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴に固定するように、前記第3のドリルブッシングの前記第3の雄ネジが、前記第3の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第4の雌ネジを含み、
前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの第4の固定フランジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第4の雄ネジを含み、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記第4の雄ネジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴に固定するように前記第4の雌ネジに螺入される、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(10) 前記第1の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第1の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体に形成された第1の環状凹部を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第1のタブを含み、前記第1のドリルブッシングの前記第1タブは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴に固定するように、前記第1の環状凹部に捕捉され、
前記第2の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第2の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体に形成された第2の環状凹部を画定し、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第2のタブを含み、前記第2のドリルブッシングの前記第2のタブは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴に固定するように、前記第2の環状凹部に捕捉され、
前記第3の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブの外面に通じ、前記第3の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブに形成された第3の環状凹部を画定し、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの第3の固定フランジは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第3のタブを含み、前記第3のドリルブッシングの前記第3のタブは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴に固定するように、前記第3の環状凹部に捕捉され、
前記第4の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2のタブの外面に通じ、前記第4の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2のタブに形成された第4の環状凹部を画定し、
前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの第4の固定フランジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第4のタブを含み、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記第4のタブは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴に固定するように、前記第4の環状凹部に捕捉される、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【0093】
(11) 前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは高分子材料から形成され、
前記第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングのそれぞれは金属材料から形成される、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(12) 前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの構造体を画定する、実施態様11に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(13) 前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの使い捨て高分子構造体を画定し、
前記第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングのそれぞれは再利用可能であり、かつ金属材料から形成される、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(14) 前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブ及び前記第2のタブは、それらの間に開口部を画定する、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(15) 前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記前方側上に第1の対のガイドピンを設置するのを可能するように位置決めされ、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第4の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記遠位側上に第2の対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされる、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【0094】
(16) 患者の骨に整形外科処置を実施する方法であって、
カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、(i)第1の取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別のピンガイドの第1の穴に固定すること、及び(ii)第2の取り外し可能なドリルブッシングを、前記カスタマイズされた患者別のピンガイドの第2の穴に固定することによって組み立てることと、
前記組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の前記骨と接触させて位置決めすることと、
1対のガイドピンを、(i)前記第1の取り外し可能なドリルブッシングを通じて前記1対のガイドピンの第1のガイドピンを前進させること、及び(ii)前記第2の取り外し可能なドリルブッシングを通じて、前記1対のガイドピンの第2のガイドピンを前進させることによって、前記患者の前記骨に挿入することと、
前記カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の前記骨から前記1対のガイドピンを取り外すことなく、前記患者の前記骨から取り外すことと、
患者共通の切断ブロックを、前記1対のガイドピンが前記患者共通の切断ブロックに画定される1対のガイドピン穴に受容されるように、前記患者の前記骨と接触させて位置決めすることと、
前記患者共通の切断ブロックを用いて、前記患者の前記骨に切れ目を入れることと、を含む、方法。
(17) 前記カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを前記患者の前記骨から取り外すことは、
前記カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、(i)前記第1の取り外し可能なドリルブッシングを前記カスタマイズされた患者別のピンガイドの前記第1の穴から解放すること、及び(ii)前記第2の取り外し可能なドリルブッシングを前記カスタマイズされた患者別のピンガイドの前記第2の穴から解放することによって解体することと、
前記解体されたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の前記骨から前記1対のガイドピンを取り外すことなく、前記患者の前記骨から取り外すことと、を含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記患者の前記骨に切れ目を入れることの前に、前記患者の前記骨から前記患者共通の切断ブロックを取り外すことと、
前記患者の前記骨に切れ目を入れることの前に、前記患者共通の切断ブロックに画定される第2の異なる対のガイドピン穴に、前記1対のガイドピンが受容されるように、前記患者共通の切断ブロックを前記患者の前記骨と接触させて再位置決めすることと、を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記患者共通の切断ブロックを前記患者の前記骨と接触させて再位置決めすることは、
前記患者共通の切断ブロックを前記患者の前記骨と接触させて位置決めすることの後に、前記患者の前記骨から除去されるべき骨の量を決定することと、
前記患者の前記骨から除去されるべき骨の量に対応する、第2の異なるガイドピン穴の対を、複数の対のガイドピン穴から選択することと、
前記患者の前記骨に切れ目を入れることの前に、前記患者共通の切断ブロックに画定される、選択された前記第2の異なる対のガイドピン穴に、前記1対のガイドピンが受容されるように、前記患者共通の切断ブロックを前記患者の前記骨と接触させて再位置決めすることと、含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の前記骨に接触して位置決めすることは、前記組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の大腿骨と接触して位置決めすること、を含み、
前記患者共通の切断ブロックを用いて前記患者の前記骨に切れ目を入れることは、前記患者共通の切断ブロックを用いて、前記患者の前記大腿骨に切れ目を入れることを含む、実施態様16に記載の方法。
【0095】
(21) 前記組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の前記骨に接触して位置決めすることは、前記組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の脛骨と接触して位置決めすること、を含み、
前記患者共通の切断ブロックを用いて前記患者の前記骨に切れ目を入れることは、前記患者共通の切断ブロックを用いて前記患者の前記脛骨に切れ目を入れることを含む、実施態様16に記載の方法。
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具に関し、具体的には、カスタマイズされた患者別の整形外科用ピンガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
関節形成術は、疾患及び/又は損傷した天然関節を人工関節で置き換える周知の外科手術である。典型的な膝プロテーゼは、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、高分子挿入物、又は脛骨トレイと大腿骨コンポーネントとの間に位置決めされる軸受部、場合によっては、高分子膝蓋ボタンを含む。天然関節を人工膝関節で置き換えることを容易にするために、整形外科医は、例えば切断ブロック、ドリルガイド、ミリングガイド、及び他の手術器具等の様々な整形外科用手術器具を使用する。通常、整形外科用手術器具は患者に関して一般的であるため、類似する整形外科手術中に、同一の整形外科用手術器具が多数の異なる患者に使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様によれば、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドを含む。ピンガイドは、対応する凸の輪郭を有する、患者の脛骨の前方側の一部を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する、骨接面を有する本体を含む。この本体は、第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備える、内部に形成された第1の穴を有する。第1の固定スロットは第1の穴に通じる。この本体はまた、第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備える、内部に形成された第2の穴を有する。第2の固定スロットは第2の穴に通じる。カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドは本体から後方に延在する第1のタブを有する。第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する患者の脛骨の近位側の第1の部分を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する、骨接面を有する。カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドはまた本体から後方に延在する第2のタブを有し、第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する患者の脛骨の近位側の第2の部分を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を含む。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具はそこから延在する固定フランジを備えるポストを有する、第1の取り外し可能なドリルブッシングも含む。第1の取り外し可能なドリルブッシングのポストは、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体の第1の穴に配置され、これによって第1の取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジは、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体の第1の固定スロットに位置決めされる。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具はそこから延在する固定フランジを備えるポストを有する、第2の取り外し可能なドリルブッシングを更に含む。第2の取り外し可能なドリルブッシングのポストは、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体の第2の穴に位置決めされ、これによって第2の取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジは、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体の第2の固定スロットに配置される。
【0004】
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの固定スロットは、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの穴の周辺に螺旋状に延在する雌ネジとして具体化されてもよく、取り外し可能なドリルブッシングのポストの周囲に螺旋状に延在する雄ネジとして具体化される取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジを備える。ドリルブッシングの雄ネジは、取り外し可能なドリルブッシングをカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドに固定するように、本体の雌ネジに螺入される。
【0005】
一実施形態では、固定スロットのそれぞれの外端は、骨接面に対向する、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体の外面に通じ、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体に形成された環状凹部を画定する固定スロットのそれぞれの内端を備える。取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジは、取り外し可能なドリルブッシングのポストから外側に延在するタブを含んでもよく、かかるタブは、取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドに固定するように、環状凹部に捕捉される。
【0006】
カスタマイズされた患者別の整形外科用脛骨ピンガイドは高分子材料から形成されてもよく、両方とも金属材料から形成される第1の取り外し可能なドリルブッシング及び第2の取り外し可能なドリルブッシングを備える。
【0007】
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブは、モノリシックの構造体を画定し得る。
【0008】
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブは、使い捨てのモノリシックの構造体を画定し得る。
【0009】
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブはモノリシックの使い捨て高分子構造体を画定し、両方とも、再利用可能であり、かつ金属材料から形成される第1の取り外し可能なドリルブッシング及び第2の取り外し可能なドリルブッシングを備える。
【0010】
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの第1のタブ及び第2のタブは、それらの間に開口部を画定し得る。
【0011】
第1の取り外し可能なドリルブッシング及び第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、患者の脛骨の前方側上に1対のガイドピンを設置するのを可能するように位置決めされる。
【0012】
他の態様によれば、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドを含む。ピンガイドは、対応する凸の輪郭を有する、患者の大腿骨の前方側の一部を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する、骨接面を含む本体を有する。この本体は、第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備える、内部に形成された第1の穴を有する。第1の固定スロットは第1の穴に通じる。この本体はまた、第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備える、内部に形成された第2の穴を有する。第2の固定スロットは第2の穴に通じる。カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドは本体から後方に延在する第1のタブを有する。第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する患者の大腿骨の遠位側の第1の部分を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を含む、骨接面を有する。第1タブは、第3の穴の軸に平行な方向に延在する第3の固定スロットを備える、内部に形成された第3の穴を有する。第3の固定スロットは第3の穴に通じる。カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドはまた、本体から後方に延在する第2のタブを含む。第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する患者の大腿骨の遠位側の第2の部分を受容するように構成された、カスタマイズされた患者別の凹の輪郭を含む、骨接面を有する。第2のタブは、第4の穴の軸に平行な方向に延在する第4の固定スロットを備える、内部に形成された第4の穴を有する。第4の固定スロットは第4の穴に通じる。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、第1の穴に固定されるポストを有する、第1の取り外し可能なドリルブッシングも含む。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、第2の穴に固定されるポストを有する、第2の取り外し可能なドリルブッシングを更に含む。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、第3の穴に固定されるポストを有する、第3の取り外し可能なドリルブッシングも含む。そして最後に、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、第4の穴に固定されるポストを有する、第4の取り外し可能なドリルブッシングを含む。
【0013】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの固定スロットは、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの穴の周辺に螺旋状に延在する雌ネジとして具体化されてもよく、取り外し可能なドリルブッシングのポストの周囲に螺旋状に延在する雄ネジとして具体化される取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジを備える。ドリルブッシングの雄ネジは、取り外し可能なドリルブッシングをカスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドに固定するように、ピンガイドの雌ネジに螺入される。
【0014】
一実施形態では、固定スロットのそれぞれの外端は、骨接面と対向する、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの本体の外面に通じ、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドに形成された環状凹部を画定する固定スロットの内端を備える。取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジは、取り外し可能なドリルブッシングのポストから外側に延在するタブを含んでもよく、かかるタブは、取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドに固定するように、環状凹部に捕捉される。
【0015】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブは高分子材料から形成されてもよく、第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングのそれぞれは金属材料から形成される。
【0016】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブは、モノリシックの構造体を画定し得る。
【0017】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブは、使い捨てのモノリシックの構造体を画定し得る。
【0018】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの本体、第1のタブ、及び第2のタブはモノリシックの使い捨て高分子構造体を画定してもよく、再利用可能であり、かつ金属材料から形成される、各第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングを備える。
【0019】
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの第1のタブ及び第2のタブは、それらの間に開口部を画定し得る。
【0020】
第1の取り外し可能なドリルブッシング及び第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、患者の脛骨の前方側上に第1の対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされ、第3の取り外し可能なドリルブッシング及び第4の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、患者の頸骨の遠位側上に第2の対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされる。
【0021】
他の態様によると、患者の骨上に整形外科手術処置を実施する方法は、第1の取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別のピンガイドの第1の穴内に固定すること、及び、次いで第2の取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別のピンガイドの第2の穴に固定することによって組み立てることを含む。組み立てられた、カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは次いで、患者の骨と接触させて位置決めされる。1対のガイドピンは、第1の取り外し可能なドリルブッシングを通じて1対のガイドピンの第1のガイドピンを前進させること、及び次いで、第2の取り外し可能なドリルブッシングを通じて、1対のガイドピンの第2のガイドを前進させることによって、患者の骨内に挿入される。カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは次いで、患者の骨から1対のガイドピンを取り外すことなく、患者の骨から取り外される。患者共通の切断ブロックは次いで、1対のガイドピンが患者共通の切断ブロックに画定される1対のガイドピンに受容されるように、患者の骨と接触させて位置決めされる。切れ目は次いで、患者共通の切断ブロックを用いて、患者の骨に作られる。
【0022】
カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは、第1の取り外し可能なドリルブッシングをカスタマイズされた患者別のピンガイドの第1の穴から解放すること、及び次いで、第2の取り外し可能なドリルブッシングをカスタマイズされた患者別のピンガイドの第2の穴から解放することによって解体されてもよい。解体されたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは、患者の骨から1対のガイドピンを取り外すことなく、患者の骨から取り外され得る。
【0023】
患者共通の切断ブロックは、患者の骨に切れ目を入れることの前に、患者の骨から取り外されてもよく、その後患者の骨に切れ目を入れることの前に、患者共通の切断ブロックに画定される第2の異なるガイドピン穴の対に、1対のガイドピンが受容されるように、患者共通の切断ブロックを患者の骨と接触させて再位置決めされてもよい。そうすることによって、患者共通の切断ブロックを患者の骨と接触させて最初に位置決めすることの後に、患者の骨から除去されるべき骨の量が決定され得る。患者の骨から取り除かれるべき骨の量に相当する、第2の異なるガイドピン穴の対は次いで、ガイドピン穴の複数の対から選択され、患者共通の切断ブロックは、患者の骨に切れ目を入れることの前に、患者共通の切断ブロックに画定されるガイドピン穴の選択された第2の異なる対内に、1対のガイドピンが受容されるように、患者共通の切断ブロックは患者の骨と接触して再位置決めされる。
【0024】
組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは、大腿骨ピンガイドとして具体化されてもよい。
【0025】
組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリは、頸骨ピンガイドとして具体化されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
発明を実施するための形態は、特に以下の図面を参照する。
【図1】カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具を設計及び製作するためのアルゴリズムの簡略化フローチャート。
【図2】患者別の整形外科用器具のモデルを生成するための方法の簡略化フローチャート。
【図3】基準輪郭を拡大縮小するための方法の簡略化フローチャート。
【図4】患者の脛骨の3次元モデル。
【図5】患者の脛骨の3次元モデル。
【図6】患者の脛骨の3次元モデル。
【図7】患者の大腿骨の3次元モデル。
【図8】患者の大腿骨の3次元モデル。
【図9】患者の大腿骨の3次元モデル。
【図10】カスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドの前方の立面図。
【図11】矢印の方向に見た際の図10の線11−11に沿って取った、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの断面図。
【図12】矢印の方向に見た際の図10の線12−12に沿って取った、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの断面図。
【図13】取り外し可能なドリルブッシングの斜視図。
【図14】図13の取り外し可能なドリルブッシングの正面図。
【図15】図13の取り外し可能なドリルブッシングの断面図。
【図16】患者の頸骨を外科的に切除するために使用される、図10のカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドを示す。
【図17】患者の頸骨を外科的に切除するために使用される、図10のカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドを示す。
【図18】患者の頸骨を外科的に切除するために使用される、図10のカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドを示す。
【図19】患者の頸骨を外科的に切除するために使用される、図10のカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドを示す。
【図20】患者の頸骨を外科的に切除するために使用される、図10のカスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドを示す。
【図21】カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの斜視図。
【図22】図21のカスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの側面図。
【図23】患者の大腿骨に連結された図21のカスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドを示す。
【図24】カスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイドの別の実施形態の前方の立面図。
【図25】矢印の方向に見た際の図24の線25−25に沿って取った、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの断面図。
【図26】取り外し可能なドリルブッシングの別の実施形態の斜視図。
【図27】図26の取り外し可能なドリルブッシングの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、ここに詳しく述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての改変物、均等物及び代替物を網羅することを意図するものである点を理解すべき。
【0028】
解剖学的参照を表す前部、後部、内側、外側、上、下等の用語は、本開示全体にて、患者の天然の解剖学的構造を伴って、本明細書に記載する整形外科用インプラント及び器具に関して使用され得る。これらの用語は、解剖学的形態の研究及び整形外科の分野の両方にて十分理解される意味を有する。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に言及しない限り、それらの十分理解された意味と一致することが意図される。
【0029】
図1を参照すると、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具を製作するためのアルゴリズム10が示されている。本明細書で用語「カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具」が意味するものは、特定の患者での使用が意図され、その使用のために構成された、整形外科手術の実施において外科医により使用される手術道具。したがって、本明細書で使用されるとき、用語「カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具」は、様々な異なる患者での使用を意図され、いずれか特定の患者のために製造されていない、若しくはカスタマイズされていない、患者別ではない標準的な整形外科用手術器具(すなわち、患者共通の切断ブロックなど、「患者共通の機器」)とは区別されることを理解するべき。加えて、本明細書で使用されるとき、用語「カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具」は、患者別のものであるか一般的なものであるかに関わらず、患者の身体内に外科的に埋め込まれる整形外科用人工関節とは区別されることを理解するべき。むしろ、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、整形外科用人工関節の埋め込みを補助するために整形外科医により使用される。「カスタマイズされた患者別の整形外科用手術機器」の例には、カスタマイズされた患者別のドリル/ピンガイド、カスタマイズされた患者別の頸骨切断ブロック、及びカスタマイズされた患者別の大腿骨切断ブロックが挙げられる。
【0030】
いくつかの実施形態において、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、器具が大腿骨及び/又は脛骨等の患者の1つ以上の骨に連結されるべき器具の場所に基づいて、特定の患者に対してカスタマイズされてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、患者の関連する骨の一部の輪郭に一致するか、又はほぼ一致する凹の輪郭を有する、骨接触面又は骨接面を有してもよい。したがって、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、患者の骨に対して固有の場所及び位置で患者の骨に連結されるよう構成されている。つまり、骨接触面の凹の輪郭は、患者の骨の一部の一致する輪郭表面を受容するよう構成されている。したがって、整形外科用手術器具の配置に関連した整形外科医の当て推量、及び/又は手術中の意志決定が低減される。例えば、整形外科医は、典型的には外科医側で若干の推定を必要とする、整形外科用手術器具の配置を容易にするための患者の骨のランドマークを示す必要がない場合がある。むしろ、整形外科医は、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具を、固有の場所で患者の骨上に単に連結することができる。そのように連結される際、切断面、ドリル穴/ピン留め穴、ミリング穴、及び/又は他のガイドは、骨及び目的とする整形プロテーゼに対して適切な場所内で画定されている。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、例えば、骨切断ブロック、ドリル/ピンガイド、ミリングガイド、又は患者の骨に連結されるよう構成された他の種類の整形外科用手術器具等の、任意の種類の整形外科用手術器具として具体化され得る。
【0031】
図1に示すように、アルゴリズム10は、プロセス工程12及び14を含み、ここで整形外科医は、患者に実施するべき整形外科手術の手術前計画を実施する。プロセス工程12及び14は、任意の順序で、又は互いに同時に実施されてもよい。プロセス工程12で、患者の関連する骨の解剖学的形態又は関節のいくつかの医用画像が生成される。これを行うために、整形外科医又は他の医療提供者は、イメージングシステムを操作して医用画像を生成することができる。医用画像は、患者の骨の解剖学的形態及び関連関節の3次元表現モデルの生成に使用することができる任意の数及び種類の医用画像として具体化され得る。例えば、医用画像は、任意の数のコンピュータ断層撮影(CT)画像、磁気共鳴断層撮影(MRI)画像、又は他の3次元医用画像として具体化され得る。加えて、又は代替的に、プロセス工程18に関して以下に更に詳細に説明するように、医用画像は、いくつかのX線画像又は他の2次元画像として具体化することができ、これらの画像から患者の関連する骨の解剖学的形態の3次元表現モデルが生成され得る。加えて、いくつかの実施形態において、医用画像は、患者の膝関節の軟骨面を強調するように設計された造影剤で強化されてもよい。
【0032】
プロセス工程14では、整形外科医は、任意の追加の術前の制約データを決定することができる。制約データは、整形外科医の嗜好、患者の嗜好、患者の解剖学的様相、医療機関により確立されたガイドライン等に基づくものであってよい。例えば、制約データは、金属対金属界面、埋め込みの傾斜量、切除する骨の厚さ、整形外科用埋め込みの寸法範囲等に対する整形外科医の選好を含むことができる。いくつかの実施形態において、整形外科医の選好は、整形外科医のプロファイルとして保存され、このプロファイルは、更なる手術計画のための初期設定制約値として使用することができる。
【0033】
プロセス工程16において、医用画像及び制約データは、存在する場合、整形外科用手術器具の業者又は製造者に送信され又は別様に提供される。医用画像及び制約データは、例えばネットワーク等の電子手段を介して、業者に送信することができる。ベンダーが医用画像及び制約データを受信した後、ベンダーは工程18で画像を処理する。整形外科用手術器具のベンダー又は製造者は、以下で詳細に説明するように、医用画像を処理して、骨切断面、インプラントの寸法決め、及びカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の製作を容易にする。例えば、プロセス工程20において、ベンダーは、医用画像から3次元画像を変換するか、又は別様に生成することができる。例えば、医用画像がいくつかの2次元画像として具体化される実施形態において、ベンダーは好適なコンピュータアルゴリズムを使用して、このいくつかの2次元画像から1つ以上の3次元画像を生成することができる。加えて、いくつかの実施形態において、医用画像は、例えば医用におけるデジタル画像と通信(Digital Imaging and Communications in Medicine)(DICOM)規格等の確立された規格に基づき生成することができる。エッジ検出、二値化、水域(watershead)、又は形状マッチングアルゴリズムを使用して、画像をコンピュータ支援設計用途又は他の画像処理用途にて許容可能なフォーマットに変換又は再構成することができる。更に、いくつかの実施形態において、アルゴリズムを使用して、生成した医用画像中で識別できない軟骨等の組織を明らかにすることができる。そのような実施形態において、患者別の器具の任意の3次元モデル(例えば、以下のプロセス工程26を参照)を、そのようなアルゴリズムに従って変更して、器具の適合度及び機能を増大させることができる。
【0034】
プロセス工程22において、業者は医用画像、及び/又は工程20からの変換/再構成された画像を処理して、患者の骨の解剖学的形態に関連した多数の様相、例えば患者の骨の解剖上の軸、患者の骨の機械的な軸、他の軸及び様々なランドマーク、並びに/又は患者の骨の解剖学的形態の他の様相等を決定することができる。これを行うために、業者は、任意の好適なアルゴリズムを使用して画像を処理することができる。
【0035】
プロセス工程24において、患者の骨の切断面が決定される。計画された切断面は、整形外科手術中に使用される整形プロテーゼの種類、寸法、及び位置に基づいて、画像で識別される特定のランドマーク等の処理画像に基づいて、またプロセス工程14及び16で整形外科医によって供給された制約データに基づいて決定される。整形プロテーゼの種類及び/又は寸法は、患者の解剖学的形態及び制約データに基づいて決定されてもよい。例えば、制約データは、整形プロテーゼの種類、製造、モデル、寸法、又は他の特性を決定することができる。患者の骨の解剖学的形態に使用でき、また制約データ又は整形外科医の選好に一致する整形プロテーゼが選択されるように、整形プロテーゼの選択はまた、医用画像に基づいても変更されてもよい。
【0036】
整形プロテーゼの種類及び寸法に加えて、患者の骨の解剖学的形態に関連した整形プロテーゼの計画された場所及び位置が決定される。これを行うために、選択された整形プロテーゼのデジタルテンプレートは、1つ以上の処理済み医用画像の上に重ね合わせてもよい。ベンダーは任意の好適なアルゴリズムを使用して、処理済み医用画像(例えば、画像内に画定された患者の骨のランドマーク)、及び/又は制約データに基づいて、患者の骨に関連した整形プロテーゼ(即ち、デジタルテンプレート)の推奨場所及び配向を決定することができる。加えて、患者の骨の解剖学的形態の1つ以上の任意の他の様相を使用して、デジタルテンプレートの適切な位置決めを決定することができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、デジタルテンプレートは、外科的整合パラメータ(surgical alignment parameter)と共に、承認のために整形外科医に提示され得る。承認文書は、大腿骨上顆、後方顆、溝(ホワイトサイド(Whiteside)の線)、並びに股関節、膝、及び/又は足首の中心によって画定される機能軸等の骨のランドマークに対するインプラントの回転を含むことができる。
【0038】
その後、患者の骨に対して計画された切断面は、整形プロテーゼの決定された寸法、場所及び配向に基づいて決定することができる。加えて、工程22で決定された患者の骨の解剖学的形態の他の様相を使用して、計画された切断面を決定するか、又は調整することができる。例えば、患者の大腿骨関連する骨の決定された機械軸、ランドマーク、及び/又は他の決定された様相を使用して、計画された切断面を決定することができる。
【0039】
プロセス工程26で、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具のモデルが生成される。いくつかの実施形態において、モデルは、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の3次元表現として具体化される。他の実施形態において、モデルは、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の原寸模型又は高速プロトタイプとして具体化されてもよい。モデルを作る、また製作されるべき整形外科用手術器具の特定の種類は、実施される整形外科手術、制約データ、及び/又は患者に埋め込まれる整形プロテーゼの種類に基づいて決定され得る。したがって、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、整形外科手術の実施における使用のための、任意の種類の整形外科用手術器具として具体化され得る。例えば、整形外科用手術器具は、骨切断ブロック、ドリル/ピン留めガイド、ミリングガイド、及び/又は任意の他の種類の整形外科用手術工具若しくは器具として具体化されてもよい。
【0040】
カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の特定の形状は、患者の骨の解剖学的形態に関連する整形外科用手術器具の計画された場所に基づいて決定される。患者の骨の解剖学的形態に関連するカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の場所は、整形外科手術中に使用される整形プロテーゼの種類及び決定場所に基づいて決定される。つまり、患者の骨の解剖学的形態に関連するカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の計画された場所は、一部において、工程24で決定される患者の骨の計画された切断面に基づいて選択され得る。例えば、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具が、患者共通の切断ブロックと併用して使用するためのドリル/ピン留めガイド(すなわち、以下、単に「ピンガイド」)として具体化される実施形態では、整形外科用手術器具の位置は、患者共通の切断ブロックが、カスタマイズされた患者別のピンガイドの使用によって骨に配置されるガイドピン上に設置されたとき、プロセス工程24で決定される、予定切断面の1つ以上に一致するように選択される。加えて、整形外科用手術器具の計画された場所は、プロセス工程22で特定された患者の骨の特定されたランドマークに基づくことができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具の特定の形状及び構造は、患者の骨の解剖学的形態に関連する器具の計画された場所に基づいて決定されてもよい。つまり、整形外科用手術器具が、器具のための予め計画された場所に対応する固有の場所で患者の骨の解剖学的形態に連結されるように、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、患者の骨の解剖学的形態の一部の輪郭に一致する凹の輪郭を有する骨接触面を含むことができる。整形外科用手術器具が固有の場所で患者の骨の解剖学的形態に連結される際に、整形外科用手術器具の1つ以上のガイド(例えば、切断又はドリルガイド)は、上記のように骨切断面のうちの1つ以上と整合され得る。
【0042】
コンピュータモデル等の患者別の整形外科用器のモデルを生成するための方法40の説明に役立つ一実施形態を図2〜9に示す。方法40は、軟骨厚さ値が決定されている工程42から開始する。軟骨厚さ値は、患者の骨の軟骨の平均厚さを示す。したがって、一実施形態において、軟骨厚さ値は、患者と同様の特徴を有する個人に対する軟骨の平均厚さと同等。例えば、軟骨厚さ値は、患者と同じ性別、患者と同じ年齢、患者と同じ活動レベルを有する個人の平均厚さ同等であり得る。他の実施形態において、軟骨厚さ値は、プロセス工程16で送信される画像等の患者の骨の1つ以上の医用画像に基づいて決定される。
【0043】
工程44で、患者の関連する骨の基準輪郭が決定される。基準輪郭は、工程20で生成される3次元モデル等の患者の関連する骨の3次元モデルの表面輪郭に基づく。まず、基準輪郭は、患者の骨の領域(即ち、患者の大腿骨の遠位端又は患者の脛骨の近位端等の関心領域)と同一。つまり、いくつかの実施形態において、基準輪郭は、患者の領域の表面輪郭上に並置される。
【0044】
続いて、工程42で決定された軟骨厚さ値を補うために、工程46で基準輪郭は拡大縮小される。これを行うために、一実施形態において、基準輪郭の尺度は、軟骨厚さ値に基づいて増加される。例えば、基準輪郭の尺度は、軟骨厚さ値と同等の量によって増加されるか、又は軟骨厚さ値から決定されてもよい。しかしながら、他の実施形態において、基準輪郭は、基準輪郭が患者の骨上の軟骨の厚さに対して補われる寸法に基準輪郭を拡大縮小するように設計された他の技術を使用して拡大縮小されてもよい。
【0045】
例えば、特定の一実施形態において、基準輪郭は、固定基準点と、基準輪郭上にあり、一部で基準輪郭を画定する点との間の距離を増加させることによって拡大縮小される。これを行うために、一実施形態において、図3に示される基準輪郭を拡大縮小するための方法60を使用することができる。方法60は、内側/外側の線分が患者の関連する骨の3次元モデル上に確立される工程62から開始する。内側/外側線分は、患者の骨の内側面上にある点から患者の骨の外側面上にある点まで延在するように画定されるか、別様に選択される。内側表面点及び外面点は、いくつかの実施形態において、患者の骨のほぼ最大の局所的内側/外側幅を画定するために、選択され得る。
【0046】
工程64で、前方側/後方側の線分は、患者の関連する骨の3次元モデル上に確立される。前方側/後方側の線分は、患者の骨の前方面上のある点から患者の骨の後方面上のある点まで延在するように画定されるか、又は別様に選択される。前方面点及び後方面の点は、いくつかの実施形態において、患者の骨のほぼ最大の局所的前方側/後方側幅を画定するように選択されてもよい。
【0047】
基準輪郭が拡大縮小される基準点は、内側/外側線分及び前方側/後方側線分の交点として工程66で画定される。したがって、当然のことながら、内側表面の点、外面点、前方面の点、及び後方面の点は、同じ平面上にある。基準点が工程66で最初に確立された後、基準点は、患者の骨の末端部に向かって移動され又は別様に平行移動される。例えば、患者の骨が大腿骨として具体化される実施形態において、基準点は、患者の大腿骨の遠位端に向かって下方に移動される。逆に、患者の骨が脛骨として具体化される実施形態において、基準点は、患者の脛骨の近位端に向かって上方に移動される。一実施形態において、基準点は、工程64で決定される前方側/後方側線分の長さの約半分と同等の距離だけ移動される。しかしながら、他の実施形態において、基準点は、患者の骨上に存在する軟骨の厚さに対して基準輪郭を補うために十分な他の距離だけ移動されてもよい。
【0048】
基準点の場所が工程68で決定されると、工程70で、基準点と、基準輪郭上にあり、一部で基準輪郭を画定するそれぞれの点との間の距離を増加させる。これを行うために、特定の一実施形態において、基準輪郭のそれぞれの点は、基準点と基準輪郭上の特定の点との間で画定される最初の距離の割合値に基づいて、基準点から離れる距離だけ移動される。例えば、一実施形態において、基準輪郭上にあり、一部で基準輪郭を画定するそれぞれの点は、基準点と特定の点との間の最初の距離の割合値と同等の距離だけ基準点から離れるように移動される。一実施形態において、割合値は、約5%〜約30%の範囲。特定の一実施形態において、割合値は、約10%。
【0049】
ここで図4〜9を参照すると、別の実施形態において、基準輪郭は、患者の骨の3次元画像の表面輪郭上の局所の「高い」点を手動で選択することによって拡大縮小される。例えば、関連する患者の骨が、図4〜6で示される脛骨として具体化される実施形態において、基準点90は、脛骨モデル92の脛骨プラトー高点上にまず位置する。脛骨プラトーのいずれの側も使用することができる。基準点90が脛骨プラトー高点上に最初に確立されると、基準点を画定するZ軸が、脛骨モデル92の機能軸と平行であるように、基準点90は、図5で示されるプラトーのほぼ中央へ平行移動される。その後、図6で示されるように、基準点は、所定の量だけ遠位方向に移動される。特定の一実施形態において、基準点は、約20ミリメートルだけ遠位方向に移動されるが、他の実施形態において、他の距離が使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、基準点が移動される距離は、軟骨厚さ値に基づいてもよい。
【0050】
逆に、関連する患者の骨が図7〜9で示される大腿骨として具体化される実施形態において、基準点90は、大腿骨モル94の遠位端の最遠位点上に最初に位置する。様々な実施形態において、大腿骨モデル94のどちらの顆も使用することができる。基準点90が最遠位点上に最初に確立されると、基準点90を画定するZ軸が、大腿骨モデル92の機能軸に平行となるように、基準点90は、図8に示される大腿骨モデル94の遠位端のほぼ中央に平行移動される。大腿骨モデル94の遠位端の前方−後方幅96も決定される。その後、図9で示されるように、基準点は、距離98だけ近位又は上方の方向に移動されるか、又は別様に平行移動される。特定の一実施形態において、基準点は、距離96の約半分と同等の距離98だけ遠位又は上方の方向に移動される。したがって、当然のことながら、いくつかの異なる技術のうちの1つを使用して、例えば、骨の種類に基づいて基準点の場所を画定することができる。
【0051】
ここで図2を参照すると、工程46で基準輪郭が拡大縮小されると、工程48で基準輪郭の内側/外側が調整される。これを行うために、一実施形態において、基準点と、基準輪郭の内側及び外側上にあり、一部で基準輪郭の内側及び外側を画定するそれぞれの点との間の距離が減少される。例えば、いくつかの実施形態において、基準点と、拡大縮小された基準輪郭の内側及び外側上の点との間の距離は、そのような点の間の本来の距離まで減少される。したがって、当然のことながら、基準輪郭は、患者の骨の前方側に対してオフセットされるか、又は別様に拡大され、患者の骨の内側及び外側に対してほぼ一致するか、又は別様に拡大縮小されない。
【0052】
工程48で、基準輪郭は、軟骨の厚さが少ない患者の骨の箇所に対して調整されることもできる。軟骨厚さの少ないそのような箇所は、医用画像、シミュレーション等において識別される骨と骨との接触の存在に基づいて決定されてもよい。加えて、そのような箇所を示す情報は、整形外科医の経験に基づいて整形外科医によって提供されてもよい。軟骨厚さが少ない1つ以上の箇所が特定される場合、患者の骨のそのような箇所に対応する基準輪郭は減少する(即ち、縮小される)。
【0053】
加えて、いくつかの実施形態において、患者の骨上の1つ以上の骨棘は識別されてもよく、基準輪郭は、骨棘のそのような存在のために補われることができる。そのような骨棘を補うことによって、基準輪郭は、患者の骨の表面輪郭により厳密に一致する。更に、いくつかの実施形態において、基準輪郭の遠位端(患者の骨が脛骨として具体化される実施形態)又は近位端(患者の骨が大腿骨として具体化される実施形態)を調整して、骨の表面輪郭に対する基準輪郭の適合性を増加させてもよい。例えば、患者の骨が大腿骨にある実施形態において、拡大縮小された基準輪郭の上端は、患者の大腿骨上に画定される軟骨境界線より上方に位置する領域で患者の大腿骨の表面輪郭の近くへ減少されるか、又は別様に移動されてもよい。逆に、患者の骨が脛骨として具体化される実施形態では、拡大縮小された基準輪郭の下端は、患者の脛骨の軟骨境界線より下方に位置する領域にある患者の脛骨の表面輪郭の近くへ減少されるか、又は別様に移動させることができる。したがって、当然のことながら、患者の骨上の患者の軟骨の厚さを補うために、拡大縮小された基準輪郭がまず拡大される。その後、拡大縮小された基準輪郭の部分は、元の位置、及び/又は軟骨が不足しているか、少ない、又は別様に存在しないそれらの箇所における基準点へ減少されるか、又は別様に移動される。
【0054】
工程46及び48で基準輪郭が拡大縮小され、調整されると、工程50で切断ガイドの位置が画定される。特に、切断ガイドの位置は、患者の大腿骨の機能軸と患者の脛骨の機能軸との間で定められる角度に基づいて画定される。角度は、患者の大腿骨の遠位端へ患者の大腿骨の近位端から始まる線分又は射線を確立し、患者の足首から患者の脛骨の近位端を通って延在する第2の線分又は射線を画定することによって決定され得る。これら2つの線分/射線によって定められる角度は、患者の大腿骨及び脛骨の機能軸の間において定められる角度と同等。その後、骨切断ガイドの位置は、患者の大腿骨の機能軸と脛骨の機能軸との間の角度に基づいて決定される。以下に更に詳細に記載されるように、切断ガイドの位置は、それがカスタマイズされた患者別のピンガイドの使用によって骨に配置されたガイドピン上に配置されたとき、患者共通の切断ブロックの切断面の位置及び方向を画定する。その後、工程52で、カスタマイズされた患者別のピンガイドの輪郭は、拡大縮小され、調整された基準輪郭、並びに大腿骨及び脛骨の機能軸の間において定められる角度に基づいて画定される。
【0055】
図1に戻って参照すると、プロセス工程26で、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具のモデルが生成された後、プロセス工程28でモデルが検証される。モデルは、例えば、切断ガイド及び平面、ドリルガイド及び計画されたドリル点等の相関を検証するために患者の解剖学的形態の3次元モデルに連結されつつ、表現モデルを分析することによって検証され得る。加えて、モデルは、工程26にて生成したモデルを、再考のために整形外科医に送信し又は別様に提供することにより検証され得る。例えば、モデルが3次元表現モデルである実施形態において、モデルは、患者の関連する骨の3次元画像と共に、再考のために外科医に送信されてよい。モデルが物理的プロトタイプである実施形態では、モデルは、検証のために整形外科医に輸送されてもよい。
【0056】
プロセス工程28においてモデルが検証された後、プロセス工程30において、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具が製作される。カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、任意の好適な製作装置及び方法を用いて製作することができる。加えて、カスタマイズされた患者別の整形外科用器具は、例えば、器具の使用目的によって、金属材料、プラスチック材料、又はそれらの組み合わせ等の任意の好適な材料から形成されてもよい。製作された、カスタマイズされた患者別の整形外科用器具は、続いて整形外科医に輸送され、又は別様に提供される。プロセス工程32において、外科医は、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具を使用して、整形外科手術を実施する。上述したように、整形外科医は手術中に、通常は外科医側で、ある程度の推定を要する、整形外科用手術器具の適切な場所を決定する必要がないため、外科医側の当て推量及び/又は手術中の意志決定が低減される。
【0057】
ここで図10〜12を参照すると、一実施形態において、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具は、脛骨ピンガイド100として具体化され得る。ピンガイド100は、患者の脛骨に連結されるよう構成される。以下に更に詳細に記載されるように、頸骨ピンガイド100は、患者の頸骨上の位置に、特定の患者のためにカスタマイズされている1対のガイドピン160を設置するために使用される。しかしながら、頸骨ピンガイド100は、切断ガイドを欠いている。結果として、いったん頸骨ピンガイド100がガイドピン160を設置するために使用されると、それは患者の頸骨から取り外され、患者共通の切断ブロック162(図20)はガイドピン160上に設置され、その後患者の頸骨を切除するために使用される。これはカスタマイズされた患者別の切断ブロックの製造及び使用と対照をなす。かかる配置は、患者の骨格に対するガイドピン160の配置をカスタマイズすることによって、外科手術のある程度のカスタマイゼーションを可能にすると同時に、再利用可能な患者共通の切断ブロックの使用に関連してコストの利点を享受する。
【0058】
ピンガイド100は、患者の頸骨の前方側、及び本体102から離れて後方に延在する2つのアーム若しくはタブ104、106に連結されるように構成された本体102を含む。タブ104、106は以下で詳述するように、脛骨の近位端の周囲を包囲するよう構成されている。ピンガイド100は、任意の好適な材料から形成されてもよい。例えば、ピンガイド100は、プラスチック又は樹脂材料から形成され得る。特定の一実施形態において、ピンガイド100は、迅速プロトタイプ製作プロセスを使用して、Vero樹脂から形成される。しかしながら、他の実施形態において、ガイドピン100は、他の材料から形成されてもよい。例えば、別の特定の実施形態において、ピンガイド100は、Ultem樹脂等のポリイミド熱可塑性樹脂から形成されており、それはSaudi Basic Industries Corporation Innovative Plastics(Riyhadh,Saudi Arabia)から市販されている。本明細書に記載の例示の実施形態では、ピンガイド100はモノリシックの高分子構造体として形成される。
【0059】
ピンガイド100の本体102は、骨接触面又は骨接面112、及びこの骨接面112に対向する外面114を含む。本体102は、それを通じて画定される多くのガイド穴116を有する。取り外し可能なドリルブッシング118は各ガイド穴116に固定される。以下に更に詳細に記載されるように、取り外し可能なドリルブッシング118は、外科手術に使用するためにピンガイド100に設置され、次いで手術後にピンガイド100から取り外され得る。ピンガイド10(pin guide 10)が、それが使用される患者の上で、その単一の使用後に廃棄される、カスタマイズされた構成要素であるのに対して、取り外されたドリルブッシング118は、殺菌され、後続の外科手術で再使用され得る。
【0060】
ピンガイドの本体102の骨接面112は、対応する輪郭を有する患者の脛骨の前方側の一部、及び任意に患者の脛骨の内側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭138を含む。骨接触面112のカスタマイズされた患者別の凹の輪郭138は、固有の所定の場所及び配向において、患者の脛骨上でピンガイド100の位置決めを可能にする。本明細書に記載される例示の実施形態では、凹の輪郭138は、ピンガイド100が、頸骨の前側表面上で患者の頸骨に連結されるように構成されるよう選択されるが、また患者の頸骨の前側−内側に連結されるように構成されてもよい。
【0061】
タブ104、106は、骨接触面又は骨接面140、142、及び骨接面140、142の反対側の外面144、146をそれぞれ含む。タブ104の骨接面140は、それぞれの対応する輪郭を有する患者の脛骨の近位側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭148を含む。同様に、タブ106の骨接面142は、それぞれの対応する輪郭を有する患者の脛骨の近位側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭150を含む。
【0062】
上記のように、アーム又はタブ104、106は、本体102から後方に延在し、それらの間でU字形開口部を画定する。タブ104、106は、同じ距離又は異なる距離だけ本体102から延在することができる。更に、図11に示されるように、タブ104、106は互いに対して非平行な角度において後方に延びてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、カスタマイズされた患者別のピンガイド100の骨接触面112、140、142の凹の輪郭138、148、150は、患者の骨の対応する輪郭面に一致してもよく、又は一致しなくてもよい。つまり、上記のように、凹の輪郭138、148、150は、患者の軟骨又はその欠乏を補うために拡大縮小されるか、又は別様に大きさを変更(例えば、拡大した)され得る。
【0064】
図13〜15で見ることができるように、取り外し可能なドリルブッシング118は、外科医の指によって把持されるような輪郭のヘッド120を含む。ポスト122はヘッド120から離れて延び、かつその外面上に形成された固定フランジ124を含む。固定フランジ124が使用されて、ピンガイド100のガイド穴116のうちの1つ内にポスト122を固定する。とりわけ、固定スロット126は、ガイド穴116のそれぞれの近位のピンガイドの本体102に形成される。固定スロット126は対向するガイド穴116の軸に平行な方向に延び、ガイド穴116に通じる。図10〜15の例示の実施形態では、取り外し可能なドリルブッシング118の固定フランジ124は、ポスト122の外面の周囲に螺旋状に延在する多くの雄ネジ124として具体化され、ピンガイド100の固定スロット126は、ガイド穴116のそれぞれの外周の周囲に螺旋状に延在する多くの雌ネジとして具体化される。ドリルブッシングの雄ネジ124は、ピンガイド100のガイド穴116に形成される雌ネジ126に螺入するような寸法にされている。
【0065】
細長い孔128は、取り外し可能なドリルブッシング118を通じて延在する。孔128はドリルを受容するような寸法であり、これによってガイドピン160の設置の前に、患者の頸骨が予めドリルされ得る。図15に示されるように、孔128の各端部は皿頭。ドリルブッシングヘッド120上の皿頭開口部は、ドリル及びガイドピン160の孔128への挿入促進のための引き込みとして機能する。
【0066】
取り外し可能なドリルブッシング118は、ピンガイド100から別々に外科医に提供されてもよい。具体的には、取り外し可能なドリルブッシング118の1つ以上は、ピンガイド100を含む殺菌パッケージから別の殺菌パッケージで、外科医に提供されてもよい。単一使用の使い捨て構成要素として設計されているピンガイド100と異なり、取り外し可能なドリルブッシングは各手術の後に殺菌されてもよく、かつ再使用されてもよい。このように、外科医によって新しいピンガイド100が調達される度に、追加のドリルブッシング118が必要とされてなくてもよい。
【0067】
取り外し可能なドリルブッシング118、ステンレス鋼、コバルトクロム又はチタンなどの医療等級の金属から構成され得るが、他の金属又は合金も使用され得る。
【0068】
図16〜20で示されるように、外科医はカスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイド100を使用して、特定の患者のためにカスタマイズされている患者の頸骨上の位置に1対のガイドピン160を設置してもよい。患者共通の切断ブロック162は次いで、カスタム配置されたガイドピン160上に配置され、したがって患者の頸骨を切断するのに使用され得る。かかる配置は、患者の骨格に対するガイドピン160の配置をカスタマイズすることによって、外科手術のある程度のカスタマイゼーションを可能にすると同時に、再利用可能な患者共通の切断ブロック162の使用に関連してコストの利点を享受する。
【0069】
図16で示されるように、外科手術はカスタマイズされた患者別の外科用器具を準備テーブル又は手術室の他の部分上で組み立てることから始まる。そうするためには、外科医はまず、外科医によって治療される特定の患者のために製造された、カスタマイズされた患者別のピンガイド100を入手する。ピンガイド100が図1〜9に関して上記の方式で製造される。いったんカスタマイズ患者特有のピンガイド100が入手されると、外科医は次いで1対の殺菌済みの取り外し可能なドリルブッシング118をとり、それらをピンガイド100に設置する。特に、外科医は前の処置(殺菌された後)から1対の取り外し可能なドリルブッシング118を、又は(製造メーカーの殺菌パッケージから)新しいドリルブッシング118を入手する。したがって、外科医はドリルブッシング118のうちの1つのネジ付きポスト122を、ピンガイド100に形成されたガイド穴116のうちの1つに挿入し、ドリルブッシング118のヘッド120を回転させ、これによってポスト122上に形成された外側ネジ124は、ガイド穴116に形成された雌ネジ126内に螺入される。外科医は次いで、他のドリルブッシング118を入手し、同様な方式で、ピンガイドの他のガイド穴116にそれを設置する。
【0070】
図17に示されるように、組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイド100は次いで、患者の頸骨の近位端部に連結される。ピンガイド100の骨接触面112、140、142は、凹の輪郭138、148、150を含み、ピンガイド100は予め計画した固有の位置において患者の頸骨に連結される。そのように連結されるとき、タブ104、106は患者の頸骨の近位端部の周囲を包囲し、ドリルブッシング118の細長い孔128は、患者の頸骨の前側表面から離れる前側方向/後ろ方向に延在する。
【0071】
外科医は次いでガイドピン160を設置する。そうするために、外科医はまず、ドリルブッシング118のそれぞれのガイド孔128を通じてドリル(図示せず)を前進させることによって、患者の頸骨に案内(pilot)穴をドリルする。外科医は次いで、ドリルブッシング118のそれぞれのガイド孔128を通じてガイドピン160を、ドリルされた案内穴に挿入する。このように、ガイドピン160はカスタマイズされた、患者別のピンガイド100の使用によって作られた、カスタマイズされた患者別の位置において患者の頸骨に設置される。ガイドピン160がタッピングネジである場合、患者の頸骨の事前のドリルは不用であるということは理解されるべき。
【0072】
図18に示されるように、いったんガイドピン160が、カスタマイズされた患者別の位置において、ピンガイド100の使用によって設置されると、ドリルブッシング118は取り外される。とりわけ、外科医はまず、ドリルブッシング118のうちの1つのヘッド120を把持し、それが設置中に回転されたのと反対の方向においてそれを回転させ(例えば、反時計回り)、これによってドリルブッシングのポスト122の外面上に形成された外側ネジ124は、ガイド穴116に形成された雌ネジ126から外される。いったん外されると、ドリルブッシング118はピンガイド100から離れて持ち上げられ得る。外科医は次いで、同様の方式でピンガイドの他のガイド穴116から他のドリルブッシング118を取り外す。ドリルブッシング118は廃棄されず、他の患者のために製造された、カスタマイズされた患者別のピンガイド100と組み合わせて後続の外科手術において使用するために保持及び殺菌される。
【0073】
図19に示されるように、ドリルブッシング118は取り外された状態で、ピンガイド100は患者の頸骨から外され、取り出される。そうすることによって、ガイドピン160は、ピンガイド100の使用によって作られた、カスタマイズされた患者別の位置において患者の頸骨に取り残される。図20に示されるように、患者共通の切断ブロック162は次いで、所望の位置及び向きにおいて患者の頸骨を切断するために使用される。患者共通の切断ブロック162は、切断ガイド164を含み、これは、本明細書に記載の例示の実施形態において、切断ブロック本体168において形成された切断スロット166の形態。患者共通の切断ブロック162の本体168はまた、内部に形成されたガイドピン穴の複数の対を有する。例えば、本明細書に記載の例示の実施形態では、切断ブロックの本体168はガイドピン穴170、172、及び174の3つの異なる、対応する対を有する。以下により詳細に記載されるように、患者共通の切断ブロック162はガイドピン穴170、172、174の使用によって、ガイドピン160上に選択的に位置決めされ、切断スロット166の位置、したがって切除中に取り除かれる骨の量を変えてもよい。例えば、図20において、切断ブロックは、基準、すなわち「ゼロ」設定に対応するガイドピン穴170の対に位置決めされる。さもなければゼロ設定の使用によって取り除かれるよりも多くの骨(例えば+2mm)を取り除くことを外科医が望む場合、外科医はガイドピン160から患者共通の切断ブロック162を取り外すことができ、それを、ガイドピン160がガイドピン穴172内に受容されるように再度設置する。逆に、さもなければゼロ設定の使用によって取り除かれるよりも少ない骨(例えば−2mm)を取り除くことを外科医が望む場合、外科医はガイドピン160から患者共通の切断ブロック162を取り外すことができ、それを、ガイドピン160がガイドピン穴174内に受容されるように再度設置する。
【0074】
図20に示されるように、いったん患者共通の切断ブロック162が、ガイドピン穴(図20の例示の実施例におけるガイド穴170)の所望の対の使用と共に配置されると、外科医は患者共通の切断ブロックを使用して、患者の頸骨の近位端を切断してもよい。そうするために、外科医は切断スロット166内に骨のこぎりを前進させ、頸骨を切断する。必要な場合、外科医は次いで、ガイドピン穴の異なる対の使用と共に切断ブロック162を再位置決めし、第2の切断を実施し、更に骨を取り除いてもよい。いったん患者の近位の頸骨が切断されると、外科医は次いで外科手術を続けることができる。
【0075】
ここで図21〜23を参照すると、本明細書に記載のカスタマイズされた患者別の機器はまた、カスタマイズされた患者別の頸骨ピンガイド200として具体化されてもよい。ピンガイド200は、患者の大腿骨に連結されるよう構成される。ピンガイド200は、患者の大腿骨の前方側、及び本体202から離れて後方に延在する2つのアーム又はタブ204、206に連結されるように構成された本体202を含む。タブ204、206は、大腿骨の遠位端を包み込むよう構成されている。タブ204、206のそれぞれは、内側に曲がるか、ないしは別の方法で上方に延在する縁208、210をそれぞれ含む。
【0076】
脛骨ピンガイド100のように、大腿骨のピンガイド200は、プラスチック又は樹脂材料などの材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、ピンガイド200は、光硬化性又はレーザー硬化性樹脂から形成されてもよい。特定の一実施形態において、ピンガイド200は、迅速プロトタイプ製作プロセスを使用して、Vero樹脂から形成される。しかしながら、他の実施形態において、ガイドピン200は、他の材料から形成され得る。例えば、別の特定の実施形態において、ピンガイド200は、Ultem樹脂等のポリイミド熱可塑性樹脂から形成される。本明細書に記載の例示の実施形態では、ピンガイド200はモノリシックの構造体として具体化される。
【0077】
本体202は、骨接触又は骨接面212、及び骨接面212の反対側の外面214を含む。本体202は、それを通じて画定される多くのネジ付きガイド穴216を有する。取り外し可能なドリルブッシング118のうちの1つは、ガイド穴216のそれぞれに螺入されてもよい。ピンガイド本体202に形成されるガイド穴216に加えて、他の対のガイド穴216はタブ204、206に形成される。頸骨ピンガイド100に関して上記と同様に、取り外し可能なドリルブッシング118は、外科手術で使用するために大腿骨ピンガイド200に設置され、次いで手術の後にピンガイド200から除去されてもよい。頸骨ピンガイド100のように、大腿骨ピンガイド200は、患者のために作製された大腿骨ピンガイド200が、患者のために単回使用された後に廃棄される、カスタマイズされた構成要素。
【0078】
大腿骨ピンガイドの本体202の骨接面212は、対応する輪郭を有する患者の大腿骨の前方側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭228を含む。上記のように、骨接触面212のカスタマイズされた患者別の凹の輪郭228は、固有の所定の場所及び向きでピンガイド200の位置決めを可能にする。
【0079】
上記で示唆したように、アーム又はタブ204、206は本体202から後方に延在し、それらの間でU字形開口部を画定する。タブ204、206は、同じ距離又は異なる距離だけ本体202から延在することができる。タブ204、206のそれぞれは、内部に形成されるネジ付きガイド穴216を有する。取り外し可能なドリルブッシング118のうちの1つは、タブ204、206の各ガイド穴216内に螺入されてもよい。具体的には、タブ204、206のガイド穴216は、ピンガイドの本体202のガイド穴216、及び頸骨ピンガイド100のガイド穴116と同様の直径及び構成を有する。このため、取り外し可能なドリルブッシング118は、頸骨ピンガイド100と大腿骨ピンガイド200との間で互換性がある。
【0080】
タブ204、206は、骨接触又は骨接面240、242、及び骨接面240、242の反対側の外面244、246をそれぞれ含む。タブ204の骨接面240は、それぞれの対応する輪郭を有する患者の大腿骨の遠位側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭248を含む。同様に、タブ206の骨接面242は、それぞれの対応する輪郭を有する患者の大腿骨の遠位側の一部を受容するよう構成された凹の輪郭250を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、カスタマイズされた患者別のピンガイド200の骨接触面212、240、242の凹の輪郭228、248、250は、患者の骨の対応する輪郭面に一致してもよく、又は一致しなくてもよい。つまり、上記のように、凹の輪郭228、248、250は、患者の軟骨又はその欠乏を補うために拡大縮小されるか、又は別様に大きさを変更(例えば、拡大した)され得る。
【0082】
図23に示されるように、大腿骨ピンガイド200は、患者の大腿骨の遠位端に連結され得る。ピンガイド200の骨接触面212、240及び242は凹の輪郭228、248、250を含むため、大腿骨ピンガイドは、事前に計画された固有の位置において患者の大腿骨に連結されてもよい。そのように連結される際、タブ204、206は、患者の大腿骨の遠位端の周囲を包囲する。加えて、大腿骨ピンガイド200が患者の大腿骨に連結される場合、大腿骨の前方側の一部は、本体202の凹の輪郭228に受容され、患者の大腿骨の遠位側の一部は、タブ204、206の凹の輪郭248、250にそれぞれ受容される。
【0083】
いったん患者の遠位の大腿骨に連結されると、外科医はカスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイド200を使用して、特定の患者のためにカスタマイズされた位置に、ガイドピン160の2つの対を設置することができる。ガイドピン160の1つの対は、患者の大腿骨の前方側上でカスタム患者別の位置に配置される。ガイドピン160の他方の対は、患者の大腿骨の遠位側上に配置される。ピンガイド200が取り外された状態で、患者共通の切断ブロック(単数)又はブロック(複数)(図示せず)は次いで、カスタム配置されたガイドピン160上に配置され、したがって患者の大腿骨を切断するのに使用され得る。かかる配置は、患者の骨格に対するガイドピン160の配置をカスタマイズすることによって、外科手術のある程度のカスタマイゼーションを可能にすると同時に、再利用可能な患者共通の切断ブロックの使用に関連してコストの利点を享受する。
【0084】
ここで図24〜27を参照すると、ピンガイド100の他の実施形態及び取り外し可能なドリルブッシング118が示される。ピンガイド100のガイド穴116内の取り外し可能なドリルブッシング118を固定する固定機構を除き、図24〜27に示されるピンガイド100及びドリルブッシング118は、ピンガイド100、並びに図10〜20に示されるドリルブッシング118と本質的に同じ。具体的には、ネジの代わりに、ピンガイド100の例示の実施形態において、図24〜27に示される取り外し可能なドリルブッシング118は、カム固定配置を使用する。
【0085】
図24及び25に示されるように、ガイド穴116のそれぞれの近位のピンガイドの本体102に形成される固定スロット126は螺旋状ではないが、むしろ、ガイド穴116の対向する側上に位置決めされる2つの細長いチャネル180、及びピンガイドの本体102内に形成された環状凹部182を含む。チャネル118の外端は、ガイドピンの本体102の外面114を開口し、チャネル180の内端は、環状凹部182に通じる。図25の断面図に見ることができるように、肩部184は、固定スロットの環状凹部182の前方側を画定する。図25でも分かるように、肩部184は角度付きのカム面として具体化される。以下に記載のように、取り外し可能なドリルブッシングの固定フランジ124は、カム面を係合し、取り外し可能なドリルブッシング118をピンガイド100に固定する。
【0086】
図26及び27の取り外し可能なドリルブッシング118の固定フランジ124は、そのポスト122の対向する側から外向きに延在する1対のタブとして具体化される。タブ124は、ピンガイドの固定スロット126の対応するチャネル180内に受容されるような寸法であり、かつそのように位置決めされる。とりわけ、取り外し可能なドリルブッシング118をピンガイド100に固定するために、タブ124のそれぞれはまず、チャネル180のうちの1つと整列させ、したがってチャネル180内に前進させる。タブ124が、肩部184を通過するのに十分遠いチャネル180内に前進されたとき、取り外し可能なドリルブッシング118のヘッド120は、おおよそ90°回転され、これによってタブ124を回転することができる。タブ124のかかる回転は、チャネル180との整列からタブを取り外し、これによって環状凹部182内のタブ124を把持する。かかる回転はまた、タブ124の前カム面186を肩部184のカム面に係合させる。このカムは、取り外し可能なドリルブッシング118をドリルガイド100に固定する。
【0087】
取り外し可能なドリルブッシング118をドリルガイド100から取り外すために、取り外し可能なドリルブッシング118のヘッド120は、タブ124がチャネル180と整列される位置まで、配置中にそれが回転された方向と反対に回転されてもよい。いったんタブ124がかかる方式で整列されると、取り外し可能なドリルブッシング118のポスト122は、ガイド穴116の外に摺動されてもよく、これによって取り外し可能なドリルブッシング118をピンガイド100から外す。
【0088】
図24〜27の固定機構が、頸骨のピンガイド100の関連で例示的に記載されているが、大腿骨ピンガイド200もまた、図21〜23に関して上記のネジ付き構成の代わりに、かかるカム固定構成を含むように修正されてもよいということが理解されるべき。
【0089】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更及び改変は全て保護されることが望ましい点が理解されよう。
【0090】
本開示には、ここに述べた装置、システム、及び方法の様々な特徴に基づく複数の利点がある。本開示の装置、システム、及び方法の代替的実施形態は、ここで述べた特徴の全てを含むわけではないが、こうした利点の少なくとも一部から利益を享受するもの。本発明の特徴の1つ以上を取り入れた、添付の「特許請求の範囲」によって定義される本開示の趣旨及び範囲に含まれる装置、システム、及び方法を独自に実現したものを、当業者は容易に考案することができる。
【0091】
〔実施の態様〕
(1) カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具であって、
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドであって、(i)対応する凸の輪郭を有する患者の脛骨の前方側の一部を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面(bone-facing surface)を有する本体であって、前記本体は(a)前記本体内部に形成された第1の穴であって、前記第1の穴は、前記第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備え、前記第1の固定スロットは前記第1の穴に通じる、第1の穴、及び(b)前記本体内部に形成された第2の穴であって、前記第2の穴は、前記第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備え、前記第2の固定スロットは前記第2の穴に通じる、第2の穴を有する、本体と、(ii)前記本体から後方に延在する第1のタブであって、前記第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の脛骨の近位側の第1の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する、第1のタブと、(iii)前記本体から後方に延在する第2のタブであって、前記第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の脛骨の近位側の第2の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する、第2のタブと、を含む、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第1の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の固定スロットに位置決めされる、第1の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第2の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に位置決めされ、これによって前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の固定スロットに位置決めされる、第2の取り外し可能なドリルブッシングと、を含む、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(2) 前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第1の雌ネジを含み、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第1の雄ネジを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1の雄ネジが、前記本体の前記第1の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第2の雌ネジを含み、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第2の雄ネジを含み、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第2の雄ネジが、前記本体の前記第2の雌ネジに螺入される、実施態様1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(3) 前記第1の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第1の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体に形成された第1の環状凹部を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第1のタブを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1タブが、前記本体の前記第1の環状凹部に捕捉され、
前記第2の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第2の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体に形成された第2の環状凹部を画定し、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第2のタブを含み、前記第2のドリルブッシングの前記第2のタブは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に固定するように、前記本体の前記第2の環状凹部に捕捉される、実施態様1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(4) 前記カスタマイズされた患者別の整形外科用脛骨ピンガイドは高分子材料から形成され、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの両方は金属材料から形成される、実施態様1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(5) 前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの構造体を画定する、実施態様4に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【0092】
(6) 前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの使い捨て高分子構造体を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの両方は再利用可能であり、かつ金属材料から形成される、実施態様1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(7) 前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記前方側上に1対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされる、実施態様1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(8) カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具であって、
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドであって、(i)対応する凸の輪郭を有する患者の大腿骨の前方側の一部を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する本体であって、前記本体は(a)前記本体内部に形成された第1の穴であって、前記第1の穴は、前記第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備え、前記第1の固定スロットは前記第1の穴に通じる、第1の穴、及び(b)前記本体内部に形成された第2の穴であって、前記第2の穴は、前記第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備え、前記第2の固定スロットは前記第2の穴に通じる、第2の穴を有する、本体と、(ii)前記本体から後方に延在する第1のタブであって、前記第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の大腿骨の遠位側の第1の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有し、前記第1のタブは、前記第1のタブ内部に形成された第3の穴を有し、前記第3の穴は、前記第3の穴の軸に平行な方向に延在する第3の固定スロットを備え、前記第3の固定スロットは前記第3の穴に通じる、第1のタブと、(iii)前記本体から後方に延在する第2のタブであって、前記第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の大腿骨の前記遠位側の第2の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有し、前記第2のタブは、前記第2のタブ内部に形成された第4の穴を有し、前記第4の穴は、前記第4の穴の軸に平行な方向に延在する第4の固定スロットを備え、前記第4の固定スロットは前記第4の穴に通じる、第2のタブと、を含む、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第1の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の固定スロットに位置決めされる、第1の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第2の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第2の穴に位置決めされ、これによって前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第2の固定スロットに位置決めされる、第2の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第3の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第3の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の固定スロットに位置決めされる、第3の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第4の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第4の穴に位置決めされ、これによって前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第4の固定スロットに位置決めされる、第4の取り外し可能なドリルブッシングと、を含む、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(9) 前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第1の雌ネジを含み、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第1の雄ネジを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1の雄ネジが、前記第1の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第2の雌ネジを含み、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第2の雄ネジを含み、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴に固定するように、前記第2のドリルブッシングの前記第2の雄ネジが、前記第2の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第3の雌ネジを含み、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの第3の固定フランジは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第3の雄ネジを含み、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴に固定するように、前記第3のドリルブッシングの前記第3の雄ネジが、前記第3の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第4の雌ネジを含み、
前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの第4の固定フランジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第4の雄ネジを含み、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記第4の雄ネジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴に固定するように前記第4の雌ネジに螺入される、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(10) 前記第1の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第1の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体に形成された第1の環状凹部を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第1のタブを含み、前記第1のドリルブッシングの前記第1タブは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴に固定するように、前記第1の環状凹部に捕捉され、
前記第2の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第2の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体に形成された第2の環状凹部を画定し、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第2のタブを含み、前記第2のドリルブッシングの前記第2のタブは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴に固定するように、前記第2の環状凹部に捕捉され、
前記第3の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブの外面に通じ、前記第3の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブに形成された第3の環状凹部を画定し、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの第3の固定フランジは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第3のタブを含み、前記第3のドリルブッシングの前記第3のタブは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴に固定するように、前記第3の環状凹部に捕捉され、
前記第4の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2のタブの外面に通じ、前記第4の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2のタブに形成された第4の環状凹部を画定し、
前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの第4の固定フランジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第4のタブを含み、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記第4のタブは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴に固定するように、前記第4の環状凹部に捕捉される、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【0093】
(11) 前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは高分子材料から形成され、
前記第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングのそれぞれは金属材料から形成される、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(12) 前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの構造体を画定する、実施態様11に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(13) 前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの使い捨て高分子構造体を画定し、
前記第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングのそれぞれは再利用可能であり、かつ金属材料から形成される、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(14) 前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブ及び前記第2のタブは、それらの間に開口部を画定する、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
(15) 前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記前方側上に第1の対のガイドピンを設置するのを可能するように位置決めされ、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第4の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記遠位側上に第2の対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされる、実施態様8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【0094】
(16) 患者の骨に整形外科処置を実施する方法であって、
カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、(i)第1の取り外し可能なドリルブッシングを、カスタマイズされた患者別のピンガイドの第1の穴に固定すること、及び(ii)第2の取り外し可能なドリルブッシングを、前記カスタマイズされた患者別のピンガイドの第2の穴に固定することによって組み立てることと、
前記組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の前記骨と接触させて位置決めすることと、
1対のガイドピンを、(i)前記第1の取り外し可能なドリルブッシングを通じて前記1対のガイドピンの第1のガイドピンを前進させること、及び(ii)前記第2の取り外し可能なドリルブッシングを通じて、前記1対のガイドピンの第2のガイドピンを前進させることによって、前記患者の前記骨に挿入することと、
前記カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の前記骨から前記1対のガイドピンを取り外すことなく、前記患者の前記骨から取り外すことと、
患者共通の切断ブロックを、前記1対のガイドピンが前記患者共通の切断ブロックに画定される1対のガイドピン穴に受容されるように、前記患者の前記骨と接触させて位置決めすることと、
前記患者共通の切断ブロックを用いて、前記患者の前記骨に切れ目を入れることと、を含む、方法。
(17) 前記カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを前記患者の前記骨から取り外すことは、
前記カスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、(i)前記第1の取り外し可能なドリルブッシングを前記カスタマイズされた患者別のピンガイドの前記第1の穴から解放すること、及び(ii)前記第2の取り外し可能なドリルブッシングを前記カスタマイズされた患者別のピンガイドの前記第2の穴から解放することによって解体することと、
前記解体されたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の前記骨から前記1対のガイドピンを取り外すことなく、前記患者の前記骨から取り外すことと、を含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記患者の前記骨に切れ目を入れることの前に、前記患者の前記骨から前記患者共通の切断ブロックを取り外すことと、
前記患者の前記骨に切れ目を入れることの前に、前記患者共通の切断ブロックに画定される第2の異なる対のガイドピン穴に、前記1対のガイドピンが受容されるように、前記患者共通の切断ブロックを前記患者の前記骨と接触させて再位置決めすることと、を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記患者共通の切断ブロックを前記患者の前記骨と接触させて再位置決めすることは、
前記患者共通の切断ブロックを前記患者の前記骨と接触させて位置決めすることの後に、前記患者の前記骨から除去されるべき骨の量を決定することと、
前記患者の前記骨から除去されるべき骨の量に対応する、第2の異なるガイドピン穴の対を、複数の対のガイドピン穴から選択することと、
前記患者の前記骨に切れ目を入れることの前に、前記患者共通の切断ブロックに画定される、選択された前記第2の異なる対のガイドピン穴に、前記1対のガイドピンが受容されるように、前記患者共通の切断ブロックを前記患者の前記骨と接触させて再位置決めすることと、含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の前記骨に接触して位置決めすることは、前記組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の大腿骨と接触して位置決めすること、を含み、
前記患者共通の切断ブロックを用いて前記患者の前記骨に切れ目を入れることは、前記患者共通の切断ブロックを用いて、前記患者の前記大腿骨に切れ目を入れることを含む、実施態様16に記載の方法。
【0095】
(21) 前記組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の前記骨に接触して位置決めすることは、前記組み立てられたカスタマイズされた患者別のピンガイドアセンブリを、前記患者の脛骨と接触して位置決めすること、を含み、
前記患者共通の切断ブロックを用いて前記患者の前記骨に切れ目を入れることは、前記患者共通の切断ブロックを用いて前記患者の前記脛骨に切れ目を入れることを含む、実施態様16に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具であって、
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドであって、(i)対応する凸の輪郭を有する患者の脛骨の前方側の一部を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する本体であって、前記本体は(a)前記本体内部に形成された第1の穴であって、前記第1の穴は、前記第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備え、前記第1の固定スロットは前記第1の穴に通じる、第1の穴、及び(b)前記本体内部に形成された第2の穴であって、前記第2の穴は、前記第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備え、前記第2の固定スロットは前記第2の穴に通じる、第2の穴を有する、本体と、(ii)前記本体から後方に延在する第1のタブであって、前記第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の脛骨の近位側の第1の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する、第1のタブと、(iii)前記本体から後方に延在する第2のタブであって、前記第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の脛骨の近位側の第2の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する、第2のタブと、を含む、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第1の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の固定スロットに位置決めされる、第1の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第2の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に位置決めされ、これによって前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の固定スロットに位置決めされる、第2の取り外し可能なドリルブッシングと、を含む、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項2】
前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第1の雌ネジを含み、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第1の雄ネジを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1の雄ネジが、前記本体の前記第1の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第2の雌ネジを含み、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第2の雄ネジを含み、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第2の雄ネジが、前記本体の前記第2の雌ネジに螺入される、請求項1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項3】
前記第1の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第1の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体に形成された第1の環状凹部を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第1のタブを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1タブが、前記本体の前記第1の環状凹部に捕捉され、
前記第2の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第2の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体に形成された第2の環状凹部を画定し、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第2のタブを含み、前記第2のドリルブッシングの前記第2のタブは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に固定するように、前記本体の前記第2の環状凹部に捕捉される、請求項1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項4】
前記カスタマイズされた患者別の整形外科用脛骨ピンガイドは高分子材料から形成され、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの両方は金属材料から形成される、請求項1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項5】
前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの構造体を画定する、請求項4に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項6】
前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの使い捨て高分子構造体を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの両方は再利用可能であり、かつ金属材料から形成される、請求項1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項7】
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記前方側上に1対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされる、請求項1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項8】
カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具であって、
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドであって、(i)対応する凸の輪郭を有する患者の大腿骨の前方側の一部を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する本体であって、前記本体は(a)前記本体内部に形成された第1の穴であって、前記第1の穴は、前記第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備え、前記第1の固定スロットは前記第1の穴に通じる、第1の穴、及び(b)前記本体内部に形成された第2の穴であって、前記第2の穴は、前記第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備え、前記第2の固定スロットは前記第2の穴に通じる、第2の穴を有する、本体と、(ii)前記本体から後方に延在する第1のタブであって、前記第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の大腿骨の遠位側の第1の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有し、前記第1のタブは、前記第1のタブ内部に形成された第3の穴を有し、前記第3の穴は、前記第3の穴の軸に平行な方向に延在する第3の固定スロットを備え、前記第3の固定スロットは前記第3の穴に通じる、第1のタブと、(iii)前記本体から後方に延在する第2のタブであって、前記第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の大腿骨の前記遠位側の第2の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有し、前記第2のタブは、前記第2のタブ内部に形成された第4の穴を有し、前記第4の穴は、前記第4の穴の軸に平行な方向に延在する第4の固定スロットを備え、前記第4の固定スロットは前記第4の穴に通じる、第2のタブと、を含む、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第1の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の固定スロットに位置決めされる、第1の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第2の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第2の穴に位置決めされ、これによって前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第2の固定スロットに位置決めされる、第2の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第3の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第3の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の固定スロットに位置決めされる、第3の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第4の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第4の穴に位置決めされ、これによって前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第4の固定スロットに位置決めされる、第4の取り外し可能なドリルブッシングと、を含む、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項9】
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第1の雌ネジを含み、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第1の雄ネジを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1の雄ネジが、前記第1の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第2の雌ネジを含み、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第2の雄ネジを含み、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴に固定するように、前記第2のドリルブッシングの前記第2の雄ネジが、前記第2の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第3の雌ネジを含み、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの第3の固定フランジは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第3の雄ネジを含み、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴に固定するように、前記第3のドリルブッシングの前記第3の雄ネジが、前記第3の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第4の雌ネジを含み、
前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの第4の固定フランジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第4の雄ネジを含み、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記第4の雄ネジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴に固定するように前記第4の雌ネジに螺入される、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項10】
前記第1の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第1の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体に形成された第1の環状凹部を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第1のタブを含み、前記第1のドリルブッシングの前記第1タブは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴に固定するように、前記第1の環状凹部に捕捉され、
前記第2の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第2の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体に形成された第2の環状凹部を画定し、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第2のタブを含み、前記第2のドリルブッシングの前記第2のタブは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴に固定するように、前記第2の環状凹部に捕捉され、
前記第3の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブの外面に通じ、前記第3の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブに形成された第3の環状凹部を画定し、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの第3の固定フランジは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第3のタブを含み、前記第3のドリルブッシングの前記第3のタブは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴に固定するように、前記第3の環状凹部に捕捉され、
前記第4の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2のタブの外面に通じ、前記第4の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2のタブに形成された第4の環状凹部を画定し、
前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの第4の固定フランジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第4のタブを含み、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記第4のタブは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴に固定するように、前記第4の環状凹部に捕捉される、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項11】
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは高分子材料から形成され、
前記第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングのそれぞれは金属材料から形成される、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項12】
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの構造体を画定する、請求項11に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項13】
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの使い捨て高分子構造体を画定し、
前記第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングのそれぞれは再利用可能であり、かつ金属材料から形成される、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項14】
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブ及び前記第2のタブは、それらの間に開口部を画定する、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項15】
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記前方側上に第1の対のガイドピンを設置するのを可能するように位置決めされ、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第4の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記遠位側上に第2の対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされる、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項1】
カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具であって、
カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドであって、(i)対応する凸の輪郭を有する患者の脛骨の前方側の一部を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する本体であって、前記本体は(a)前記本体内部に形成された第1の穴であって、前記第1の穴は、前記第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備え、前記第1の固定スロットは前記第1の穴に通じる、第1の穴、及び(b)前記本体内部に形成された第2の穴であって、前記第2の穴は、前記第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備え、前記第2の固定スロットは前記第2の穴に通じる、第2の穴を有する、本体と、(ii)前記本体から後方に延在する第1のタブであって、前記第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の脛骨の近位側の第1の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する、第1のタブと、(iii)前記本体から後方に延在する第2のタブであって、前記第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の脛骨の近位側の第2の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する、第2のタブと、を含む、カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第1の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の固定スロットに位置決めされる、第1の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第2の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に位置決めされ、これによって前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の固定スロットに位置決めされる、第2の取り外し可能なドリルブッシングと、を含む、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項2】
前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第1の雌ネジを含み、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第1の雄ネジを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1の雄ネジが、前記本体の前記第1の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第2の雌ネジを含み、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第2の雄ネジを含み、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第2の雄ネジが、前記本体の前記第2の雌ネジに螺入される、請求項1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項3】
前記第1の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第1の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体に形成された第1の環状凹部を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第1のタブを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1タブが、前記本体の前記第1の環状凹部に捕捉され、
前記第2の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第2の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体に形成された第2の環状凹部を画定し、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第2のタブを含み、前記第2のドリルブッシングの前記第2のタブは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体の前記第2の穴に固定するように、前記本体の前記第2の環状凹部に捕捉される、請求項1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項4】
前記カスタマイズされた患者別の整形外科用脛骨ピンガイドは高分子材料から形成され、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの両方は金属材料から形成される、請求項1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項5】
前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの構造体を画定する、請求項4に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項6】
前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの使い捨て高分子構造体を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの両方は再利用可能であり、かつ金属材料から形成される、請求項1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項7】
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記前方側上に1対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされる、請求項1に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項8】
カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具であって、
カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドであって、(i)対応する凸の輪郭を有する患者の大腿骨の前方側の一部を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有する本体であって、前記本体は(a)前記本体内部に形成された第1の穴であって、前記第1の穴は、前記第1の穴の軸に平行な方向に延在する第1の固定スロットを備え、前記第1の固定スロットは前記第1の穴に通じる、第1の穴、及び(b)前記本体内部に形成された第2の穴であって、前記第2の穴は、前記第2の穴の軸に平行な方向に延在する第2の固定スロットを備え、前記第2の固定スロットは前記第2の穴に通じる、第2の穴を有する、本体と、(ii)前記本体から後方に延在する第1のタブであって、前記第1のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の大腿骨の遠位側の第1の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有し、前記第1のタブは、前記第1のタブ内部に形成された第3の穴を有し、前記第3の穴は、前記第3の穴の軸に平行な方向に延在する第3の固定スロットを備え、前記第3の固定スロットは前記第3の穴に通じる、第1のタブと、(iii)前記本体から後方に延在する第2のタブであって、前記第2のタブは、対応する凸の輪郭を有する前記患者の大腿骨の前記遠位側の第2の部分を受容するように構成されたカスタマイズされた患者別の凹の輪郭を有する骨接面を有し、前記第2のタブは、前記第2のタブ内部に形成された第4の穴を有し、前記第4の穴は、前記第4の穴の軸に平行な方向に延在する第4の固定スロットを備え、前記第4の固定スロットは前記第4の穴に通じる、第2のタブと、を含む、カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第1の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の固定スロットに位置決めされる、第1の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第2の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第2の穴に位置決めされ、これによって前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第2の固定スロットに位置決めされる、第2の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第3の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第3の穴に位置決めされ、これによって前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第1の固定スロットに位置決めされる、第3の取り外し可能なドリルブッシングと、
ポストから延在する固定フランジを備える前記ポストを有する第4の取り外し可能なドリルブッシングであって、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第4の穴に位置決めされ、これによって前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記固定フランジは、前記カスタマイズされた患者別の脛骨ピンガイドの前記第4の固定スロットに位置決めされる、第4の取り外し可能なドリルブッシングと、を含む、カスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項9】
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第1の雌ネジを含み、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第1の雄ネジを含み、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴に固定するように、前記第1のドリルブッシングの前記第1の雄ネジが、前記第1の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第2の雌ネジを含み、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第2の雄ネジを含み、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴に固定するように、前記第2のドリルブッシングの前記第2の雄ネジが、前記第2の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第3の雌ネジを含み、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの第3の固定フランジは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第3の雄ネジを含み、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴に固定するように、前記第3のドリルブッシングの前記第3の雄ネジが、前記第3の雌ネジに螺入され、
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の固定スロットは、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴の外周の周囲に螺旋状に延在する第4の雌ネジを含み、
前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの第4の固定フランジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストの周囲に螺旋状に延在する第4の雄ネジを含み、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記第4の雄ネジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴に固定するように前記第4の雌ネジに螺入される、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項10】
前記第1の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第1の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体に形成された第1の環状凹部を画定し、
前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの第1の固定フランジは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第1のタブを含み、前記第1のドリルブッシングの前記第1タブは、前記第1の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1の穴に固定するように、前記第1の環状凹部に捕捉され、
前記第2の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体の外面に通じ、前記第2の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体に形成された第2の環状凹部を画定し、
前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの第2の固定フランジは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第2のタブを含み、前記第2のドリルブッシングの前記第2のタブは、前記第2の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2の穴に固定するように、前記第2の環状凹部に捕捉され、
前記第3の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブの外面に通じ、前記第3の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブに形成された第3の環状凹部を画定し、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの第3の固定フランジは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延びる第3のタブを含み、前記第3のドリルブッシングの前記第3のタブは、前記第3の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第3の穴に固定するように、前記第3の環状凹部に捕捉され、
前記第4の固定スロットの外端は、前記骨接面に対向する、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2のタブの外面に通じ、前記第4の固定スロットの内端は、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第2のタブに形成された第4の環状凹部を画定し、
前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの第4の固定フランジは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストから外側に延在する第4のタブを含み、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記第4のタブは、前記第4の取り外し可能なドリルブッシングの前記ポストを、前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第4の穴に固定するように、前記第4の環状凹部に捕捉される、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項11】
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは高分子材料から形成され、
前記第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングのそれぞれは金属材料から形成される、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項12】
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの構造体を画定する、請求項11に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項13】
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記本体、前記第1のタブ、及び前記第2のタブは、モノリシックの使い捨て高分子構造体を画定し、
前記第1、第2、第3、及び第4の取り外し可能なドリルブッシングのそれぞれは再利用可能であり、かつ金属材料から形成される、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項14】
前記カスタマイズされた患者別の大腿骨ピンガイドの前記第1のタブ及び前記第2のタブは、それらの間に開口部を画定する、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【請求項15】
前記第1の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第2の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記前方側上に第1の対のガイドピンを設置するのを可能するように位置決めされ、
前記第3の取り外し可能なドリルブッシング及び前記第4の取り外し可能なドリルブッシングは、外科医が、前記患者の脛骨の前記遠位側上に第2の対のガイドピンを設置するのを可能にするように位置決めされる、請求項8に記載のカスタマイズされた患者別の整形外科用手術器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2013−13727(P2013−13727A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−146560(P2012−146560)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−146560(P2012−146560)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】
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