説明

カスタマイズされた自動チェックリストの作成、実行及び伝達

【課題】チェックリストを実行中に現在のビークルの状態に対して最適化された又はカスタマイズされた新たなチェックリストを生成するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】複数のチェックリスト項目を含むカスタマイズされたチェックリストを動的に作成する(S110)。また、カスタマイズされたチェックリストが利用可能である通知を所定の受信者へ伝送する(S112)。加えて、受信者によってカスタマイズされたチェックリストが選択されたことに応答して、インターフェースデバイス上にカスタマイズされたチェックリストを表示する(S114)。さらに、各チェックリスト項目が実施されたことに応答して、各チェックリスト項目のステータスを更新する。さらに、既存のチェックリストの実行中に新たなチェックリストが利用可能であるか否かを判断し、ユーザが既存のチェックリストを実行中に新たなチェックリストに切り替えることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、航空機又はその他のビークル又はシステム等のビークル又はシステム関連のチェックリストに関し、さらに具体的には、カスタマイズされたチェックリストの作成、実行及びチェックリスト実施作業の伝達方法、システム、及びコンピュータプログラム製品に関するものである。
【0002】
チェックリストは、手順が正しい順序、又はもっとも効果的な順序で行われていることを確実にするためにしばしば使用される。しかしながら、ビークル又はシステムに関連する状態はチェックリストの実施中に変化する可能性があり、このためチェックリストは無効又は期限切れとなりうる。状態の変化のために、不必要でありうる又は悪影響を与えうるチェックリスト項目を実施する可能性があり、この結果、非効率的になる又は逆効果となりうる。現在は、チェックリストを実行中に現在のビークルの状態に対して最適化された又はカスタマイズされた新たなチェックリストを生成するメカニズムは存在しない。現在のシステムにおいては通常、新たなチェックリストが生成される及び/又は実施用に提示される前にチェックリストを実施することが求められており、この結果はまた、特に時宜にかなった動作又は注意を必要としうる状況において非効率的になる、またその他逆効果となる可能性がある。加えて、バックオフィス・システム又はその他の再調査及び解析システムはもちろん、その他の搭載システムとのチェックリストのステータス又は情報の共有又は伝達が行われていない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、チェックリストシステム及び/又は方法により、正常な状態、及び例えば緊急状態等の異常状態にある飛行機又はシステム等のビークルの状態が継続的に判断される。チェックリストシステムは、搭載システムを検査することによってビークルの状態を判断することができる。チェックリストシステムは、一又は複数の必要とするチェックリストと、ビークル又はシステムの実際の状態からカスタマイズされたチェックリストを動的に作成することができる。チェックリストシステムは、カスタマイズされたチェックリストが利用可能であることを、例えばパイロット、又はその他の乗務員等の対象となる受信者に通知することができる。通知の受信者が特定のチェックリストを要求した、又は自動的に生成されたカスタマイズされたチェックリストを表示するオプションを選択したことに応答して、カスタマイズされたチェックリストが表示される。チェックリストシステムは、各チェックリスト項目がいつ実施されたかを判断する。チェックリストシステムは、各チェックリスト項目がいつ実施されたかを、搭載システムから、又はパイロット又は乗務員の手動入力から判断することができる。チェックリストの結果は、カスタマイズされたチェックリストに関連する飛行機のパラメータと共に保存されうる。チェックリストシステムは、チェックリストの情報及びビークルのパラメータを補足情報として、他の搭載ビークルシステムへ伝達することができる。他の搭載システムは、ビークルの操作に必須ではない非必須搭載システム、例えばビークルの健康管理システム、電子航空日誌、及びチェックリスト情報を用いる可能性のあるその他のビークルシステムであってよい。ユーザが一つのチェックリストを実行している間に別のチェックリストが作成された場合、パイロット又は他の乗務員は新たなチェックリストが利用可能であると促される又は通知される。パイロット又は他の乗務員は、既存のチェックリストを継続するか、又は新たにカスタマイズされたチェックリストに切り替えるかを選択することができる。
【0004】
チェックリストシステムはまた、チェックリスト情報とビークルのパラメータを機外の通信リンクを介してバックオフィス・システム又はその他のシステムに伝達することができる。チェックリスト情報はリアルタイムで伝達することができる、又は利用可能な通信性能及び容量が利用可能になるまで遅延させることができる。チェックリスト情報とビークルのパラメータを受信するバックオフィス・システムは必ずしも限定しないが、航空会社のシステム、保守・修理・点検(MRO)システム、及び規制当局システムを含むことができる。これらのバックオフィス・システムは、チェックリスト情報を他のデータと組み合わせて、ビークル又は飛行機の状況認識を作成し、許容範囲を超える状態を判断し、パイロットに連絡して、閉ループシステムを作製することができる。
【0005】
本発明の一態様によれば、カスタマイズされた自動チェックリストを作成、実行及び伝達する方法は、複数のチェックリスト項目を含むカスタマイズされたチェックリストを動的に作成することを含みうる。本方法はまた、カスタマイズされたチェックリストが利用可能であるという通知を所定の受信者に伝送することも含みうる。本方法は、受信者によるカスタマイズされたチェックリストの選択に応答して、インターフェースデバイス上にカスタマイズされたチェックリストを表示することをさらに含みうる。本方法は、各チェックリスト項目が実施されたことに応答して、各チェックリスト項目のステータスを更新することをさらに含みうる。本方法はさらに、既存のチェックリストの実行中に新たなチェックリストが利用可能か否かを判断し、ユーザが既存のチェックリストを実行中に新たなチェックリストに切り替えることを可能にすることを含みうる。
【0006】
本発明の別の態様によれば、カスタマイズされた自動チェックリストを作成、実行及び伝達するシステムは、ビークル又はシステム上の少なくとも一つのシステムに通信可能に連結した自動チェックリストシステムを含みうる。自動チェックリストシステムは、複数のチェックリスト項目を含むカスタマイズされたチェックリストを動的に作成し、カスタマイズされたチェックリストが利用可能である通知を所定の受信者に伝達し、手動入力を含むパラメータの変化に基づき、チェックリスト項目を実施済みとして表示するように構成することができる。システムはまた、受信者のカスタマイズされたチェックリストの選択に応答して、カスタマイズされたチェックリストを表示するインターフェースデバイスも含みうる。各チェックリスト項目のステータスを自動チェックリストシステムによって又は任意の手動入力によって更新することができ、各チェックリスト項目の実施に応答してインターフェースデバイス上に表示することができる。新たなチェックリストが使用可能となった時に、既存のチェックリストの実行中に受信者に通知することができる。受信者には、既存のチェックリストを継続するか、新たなチェックリストに切り替えるかのオプションが提示されうる。
【0007】
本発明のさらなる態様によれば、カスタマイズされた自動チェックリストを作成、実行及び伝達するためのコンピュータプログラム製品は、コンピュータで読取可能なプログラムコードが具現化されたコンピュータで読取可能な記憶媒体を含みうる。コンピュータで読取可能なプログラムコードは、複数のチェックリスト項目を含むカスタマイズされたチェックリストを動的に作成するように構成されたコンピュータで読取可能なプログラムコードを含みうる。コンピュータで読取可能なプログラムコードはまた、カスタマイズされたチェックリストが利用可能である通知を所定の受信者に伝送し、受信者がカスタマイズされたチェックリストを選択したことに応答してインターフェースデバイス上にカスタマイズされたチェックリストを表示するように構成されたコンピュータで読取可能なプログラムコードも含みうる。コンピュータで読取可能なプログラムコードはまた、各チェックリスト項目の完了に応答して、各チェックリスト項目のステータスを更新するように構成されたコンピュータで読取可能なプログラムコードも含みうる。コンピュータで読取可能なプログラムコードはさらに、既存のチェックリストの実行中に新たなチェックリストが利用可能であるか否かを判断するように構成されたコンピュータで読取可能なプログラムコードを含みうる。コンピュータで読取可能なプログラムコードはさらに、ユーザが既存のチェックリストの実行中に新たなチェックリストに切り替えることを可能にするように構成されたコンピュータで読取可能なプログラムコードを含みうる。
本発明はさらに、本発明の実施形態の非限定的な例を介して、添付の複数の図面を参照しながら以下にさらに詳細の説明を記載する。幾つかの図面において同じ参照番号は同様のパーツを指している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による実例となるチェックリストシステムを示す、航空機のパラメータを考慮したカスタマイズされたチェックリストを自動的に作成する方法の一例のフロー図である。
【図2】本発明の一実施形態による、カスタマイズされた自動チェックリストを実行し、任意の時点で新たなチェックリストに切り替えるオプションを提供する方法の一例のフロー図である。
【図3】本発明の一実施形態によるカスタマイズされた自動チェックリスト情報を記憶し伝達する方法の一例のフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態によるバックオフィス・システムによりチェックリスト情報を使用する方法の一例のフロー図である。
【図5】本発明の一実施形態によるカスタマイズされた自動チェックリストを作成、実行及び伝達するシステムの一例のブロック略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、正常及び異常動作状態でいつでも必要な時にカスタマイズされたチェックリストを作成し、チェックリストの受信者が任意の時点で新たなチェックリストに切り替えることを可能にし、さらなる処理のために、ビークル搭載及びビークル非搭載のその他のシステムにチェックリスト情報を伝達する方法、システム及びコンピュータプログラム製品を対象としたものである。航空機のエンジン損傷異常動作状態に対する例示の標準チェックリストを以下に示す。
【0010】

【0011】
図からよく分かるように、標準チェックリストは、航空機の状態によってカスタマイズされたチェックリストから除去することができる、又は自動的に実施される項目を含み、これによりパイロットに正確で適切な情報を提供する。例えば、自動チェックリストシステムは、自動スロットルがオンでないことを他の搭載システムから判断できる場合は、「自動スロットルを解除する」項目を含まない。同様に、補助電源装置(APU)が利用可能でない場合、APUを始動させるチェックリスト項目を除去することができる。同様に、防氷が必要でないことを他の搭載システムから判断できる場合、それらのチェックリスト項目は除去されてパイロットに対して表示されない。例えば、チェックリストシステムが、燃料制御スイッチが切断に設定され、エンジン出火スイッチが回されたという通知を受け取ると、これらのタスクはチェックリストシステムによって自動的に実施済みと表示される。さらに、エンジン出火スイッチが停止位置まで回されてから30秒以内に出火警告灯が切れた場合、これらの項目を含まない新たなチェックリストを作成することができる。パイロットは新たなチェックリストに切り替えるか、又は既存のチェックリストを続けて実行するかを選択することができる。
【0012】
エンジンの損傷によりアンコンテインド・エンジンフェイラーが起き、その結果客室に穴が開いて減圧が起きるようなより複雑な異常状態に対しては、チェックリストの優先はインシデントの時点での航空機の高度に依存する。航空機が1万フィートよりも高い場合、まず直ちに乗客の安全を確保することが優先され、エンジン損傷チェックリストを使う前に降下を開始し、酸素マスクを配備する必要がある。航空機の状態はいつも変化しているため、パイロットが正確で最新のチェックリストをいつでも持っていることが非常に望ましい。例えば、航空機が10500フィートにある時にエンジンの損傷と、客室の減圧状態が同時に起こった場合、自動チェックリストシステムはエンジンの損傷項目の前に降下と酸素マスクの配備が記載されたチェックリストを提示する。パイロットがチェックリストの実施を開始した時に航空機が1万フィートを下回るまで降下すると、自動チェックリストシステムは、酸素マスクの配備の必要がなくなったため、エンジンの損傷項目のみを記載した航空機の新たな状態に対して訂正した新たなチェックリストを作成する。パイロットは、新たなチェックリストが利用可能になるとすぐに、新たなチェックリストに切り替える機会が得られる。この状況でこれを実施することによって、頭上の荷物室からの酸素マスクの落下を回避して乗客の大きな不安を和らげることができ、パイロットがより早くエンジン出火の消火を開始することが可能になる。
【0013】
チェックリスト項目、チェックリスト項目の順序、項目を実施することによりチェックリストに応答するユーザ、実施作業、及び全て関連する航空機の状態からなるチェックリスト情報は、チェックリストシステムによって監視及び記憶される。記憶されたこのチェックリスト情報は、さらなる処理のために他の搭載システム、例えば健康管理システムへ配信される。例えば、健康管理システムの情報は、故障が起きた時点で航空機の正常動作状態を含む自動チェックリストシステムからの飛行機の状態情報を追加することによって増補することができる。この補足情報により、故障の状況を得ることができ、また健康管理分析を改善するための素材が得られる。さらに、故障と、パイロットの応答動作のタイミングの関連性により、フライトデッキエフェクトを補完する原因及び結果情報の両方が得られる。
【0014】
航空機内に記憶されたチェックリスト情報を、状況認識を提供するために航空会社のバックオフィス・システムに配信することもできる。正常及び異常動作中に一団の全航空機の全てのチェックリスト情報を航空会社に配信することによって、各特定航空機をさらに完全に理解することが可能となる。航空会社は、航空機のチェックリストデータをその型の平均と統合して、パイロットと乗務員の最適な業務を確認し、安全性と有効性を発展させることができる。客室とコックピットのチェックリスト情報を飛行スケジュールと結合させてより精確な遅延時間を予測すれば、航空会社は、出発前の作業においてより正確な情報を取得することができる。航空会社は、パイロット及び乗務員のチェックリストがどれほど会社の手順にのっとったものであるかを知ることができる。航空会社の指令センター、保守指令センター、及び関連ステーションの指令センターは、パイロットの通知を要せずに、異常な動作状況が発生したことを知ることができる。
【0015】
航空機内に記憶されたチェックリスト情報を、規制当局のバックオフィス・システムに配信して状況認識を提供することもできる。 規制当局は、コックピットの作業をより完全に理解することができる。パイロットが新たな高度、又は方向への指図を受けたが、従わない場合、自動警告が発信され、航空管制オペレータは彼らの指令を物理的に監視する義務から開放される。着陸チェックリスト情報を介した全航空機の自己報告位置により、最小間隔距離内の、又は最小間隔距離に近づいている全ての航空機に対して、自動空港衝突防止警告が作成されうる。最小距離を下回り、着陸ギアを展開していない航空機への規制当局からの通報によって、空港航空管制から警告が発信され、着陸復行の命令が出され、事故を防ぐことができる。
【0016】
航空機内に記憶されたチェックリスト情報を、保守・修理・点検会社のバックオフィス・システムにも配信して、状況認識を提供することができる。 保守・修理・点検会社は故障の、またさらに重要なことには、パイロットの応答作業の通報を受けることができる。パイロットのチェックリスト項目の実施及び航空機の状態の変化の原因と結果を観察することによって、保守問題の根本原因のより良い理解を実現し、航空機が到着した時に代替の計画的保守作業に転換することができる。
【0017】
当業者には当然のことであるが、本発明の態様はシステム、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化することができる。したがって、本発明の態様は全体的にハードウェアの実施形態、(ファームウェア、常駐ソフトウェア、及びマイクロコード等を含む)全体的にソフトウェアの実施形態、又はハードウェア及びソフトウェア要素を結合した実施形態の形態をとることができ、これら全てを本明細書において概して「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼ぶことができる。さらに、本発明の態様は、コンピュータによって読取可能なプログラムコードが具現化された一又は複数のコンピュータによって読取可能な媒体において具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0018】
一又は複数のコンピュータによって読取可能な媒体の全ての組み合わせを用いることができる。コンピュータによって読取可能な媒体は、コンピュータによって読取可能な信号媒体又はコンピュータによって読取可能な記憶媒体であってよい。コンピュータによって読取可能な記憶媒体は例えば非限定的に、電気、磁気、光、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、又はデバイス、又は任意の好適な上記の組み合わせであってよい。コンピュータによって読取可能な記憶媒体のさらなる特例(非包括的なリスト)は、一又は複数の配線を有する電気接続、携帯フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM、又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、携帯コンパクトディスク読取専用メモリ(CD−ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又は上記全ての好適な組み合わせを含む。本明細書の目的のために、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用される、或いはそれに接続されて使用されるプログラムを格納、又は記憶する任意の有形装置とすることができる。
【0019】
コンピュータで読み取り可能な信号媒体は、例えば非限定的にベースバンドにおいて又は搬送波の一部として、コンピュータによって読取可能なプログラムコードが具現化された伝播データ信号を含みうる。上記伝播信号は、非限定的に電磁気、光、又は任意の好適なこれらの組み合わせを含む任意の様々な形態であってよい。コンピュータで読み取り可能な信号媒体は、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用される、或いはそれに接続されて使用されるプログラムを通信、伝播、又は運搬する任意のコンピュータで読み取り可能な媒体であってよい。
【0020】
コンピュータで読み取り可能な媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RF等、又は任意の好適な上記組み合わせを非限定的に含む任意の適切な媒体を使用して伝送することができる。本発明の態様の工程を実施するためのコンピュータプログラムコードは、オブジェクト指向のプログラミング言語、例えばJava(登録商標)、Smalltalk、C++等、及び従来の手続き型プログラミング言語、例えば「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語を含む一又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせに非限定的に書き込むことができる。
【0021】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフロー図及び/又はブロック図を参照して以下に説明する。当然ながら、フロー図の各ブロック及び/又はブロック図、及びフロー図及び/又はブロック図のブロックの組み合わせを、コンピュータプログラムの命令によって実行可能である。これらのコンピュータプログラムの命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又はその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに供給して機械を作製し、コンピュータ又はその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令により、フロー図及び/又はブロック図の一つのブロック又は複数のブロックにおいて特定される機能/作業を実行する手段が作製される。
【0022】
これらコンピュータプログラムの命令はまた、コンピュータが読取可能な媒体に記憶された命令により、フロー図及び/又はブロック図の一のブロック又は複数のブロックに特定された機能/作業を実行する命令を含む製品が生産されるように、コンピュータ、その他のプログラマブルデータ処理装置、又はその他のデバイスが特定の方法で機能するように仕向けることができるコンピュータが読取可能な媒体に記憶することもできる。
【0023】
コンピュータプログラムの命令をコンピュータ、その他のプログラマブルデータ処理装置、又はその他のデバイスにロードして、コンピュータ、その他のプログラマブル装置、又はその他のデバイス上で一連の作業項目を実施させ、コンピュータ又はその他のプログラマブル装置上で実行される命令により、フロー図及び/又はブロック図の一のブロック又は複数のブロックに特定された機能/作業が実行される工程を提供するように、コンピュータによって実行される工程を作り出すことができる。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態にしたがってカスタマイズされた自動チェックリストを作成する方法100の一例のフロー図である。方法100をブロック102で開始することができる。ブロック104では、チェックリストの作成を誘発する搭載パラメータ値を監視することができる。本明細書に記載する自動チェックリストシステムは、ある状態又は故障を表示しうる少なくとも一つのビークルシステムのパラメータについて、例えば航空機又はその他のビークル等のビークル上の一又は複数のシステムをポーリングして、チェックリストの作成を開始することができる。
【0025】
ブロック106において、新たなチェックリストが必要か否かを判断することができる。 新たなチェックリストが必要でない場合、方法100では、パイロット、乗務員又はシステムオペレータからの手動のチェックリストの要求108に応答して、特定のチェックリストに対する要求がなされたか否かを判断する。特定のチェックリスト108に対する手動の要求がなされていない場合、方法100はブロック104に戻る。搭載パラメータ106の状態又は手動の要求108により新たなチェックリストの作成が要求された場合、方法100はブロック110へ進むことができる。
【0026】
ブロック110において、任意の既存のビークル又はシステムの状態、又は全ての現在のチェックリスト項目のステータス、及び任意のビークル又は航空機システム又はサブシステムに関連する全ての故障又は状態の優先順位を非限定的に含みうるその他の情報を考慮して、カスタマイズされたチェックリストを作成することができる。カスタマイズされたチェックリストは、ビークル又はシステムの一又は複数の標準チェックリストから、ビークル又はシステムの現在の状態を組み込んで動的に生成する又は作成することができる。カスタマイズされたチェックリストは、実施できない全てのチェックリスト項目を除去することによって、最適化することができる。カスタマイズされたチェックリストは、チェックリスト項目を再優先順序付けすることによって、またビークルの現在の状態に基づいてチェックリスト項目を実施することによって最適化することができる。例えば、非稼動の幾つかのビークルシステムに対して複数のチェックリスト項目を除去することができ、チェックリストの優先順位、又はカスタマイズされたチェックリストに残っている項目の優先順位又は重要性に基づき再優先順序付けをすることができ、ビークルシステムからの情報を基に実施することができる。
【0027】
ブロック112において、新たなチェックリストが利用可能であることをパイロット又は乗務員に通知することができる。
【0028】
ブロック114において、(図3を参照して説明した)記憶及び通知ルーティンを実施して、新たなチェックリストと全ての関連情報を記憶させ、他の搭載システムと、バックオフィス・システムへ新たなチェックリストと関連情報を通知する又は伝達することができる。本明細書で説明したように、機外バックオフィス・システムの例には、航空会社システム、保守、修理、点検(MRO)システム、規制当局システム及びその他のシステムを非限定的に含みうる。搭載システムにチェックリスト情報を記憶させる、またチェックリスト情報を他の搭載システム及び機外システム又は施設へ通知する又は伝達するための記憶及び通知ルーティンの例を、図3を参照しながら説明する。
【0029】
方法100は方法200とは別のものである。方法100は、方法200を考慮せずに継続的に実行される。方法100でカスタマイズされたチェックリストを作成した後で、図2に示すようにチェックリストが実行される。
【0030】
図2は、本発明の実施形態にしたがってカスタマイズされた自動チェックリストを実行する方法200の一例のフロー図である。ブロック202において、パイロット、乗務員又はオペレータが既にチェックリストを実行しているか否かを判断することができる。そうでなければ、方法200はブロック204に進むことができる。ブロック204において、パイロット、乗務員又はオペレータがチェックリストを実行することを選択したか否かを判断することができる。そうでない場合、方法200はチェックリストを実行することを選択するように、パイロット、乗務員又はオペレータにポーリングをし続けることができる。パイロット、乗務員又はオペレータがチェックリストの実行を選択した場合、方法200はブロック206へ進むことができる。ブロック206において、搭載システムからのパラメータをポーリングして全ての適用可能なチェックリスト項目を実施することができる。
【0031】
ブロック208において、図3を参照して説明したように、チェックリスト情報を記憶させ、通知を伝送することができる。
【0032】
ブロック210において、カスタマイズされたチェックリストを表示することができる。ブロック212において、搭載システムのパラメータが変化した結果、一又は複数のチェックリスト項目の実施が行われたか否かを判断することができる。この場合、方法200はブロック216へ進み、チェックリスト項目のステータスを更新することができる。
【0033】
ブロック212において搭載システムのパラメータが変化していない場合、方法200はブロック214へ進むことができる。ブロック214において、チェックリストシステムとの手動の関わりにより、一又は複数のチェックリスト項目が実施されたか否かを判断することができる。この場合、方法200はブロック216へ進み、チェックリスト項目のステータスを更新することができる。ブロック214において新たなチェックリストが手動で実施されなかった場合、方法200はブロック210へ進みチェックリストが表示される。
【0034】
ブロック218において、各チェックリスト項目のステータスの更新によって、図3で説明したように、記憶及び通知が行われる。記憶及び通知218を行った後で、方法200はブロック220へ進む。ブロック220において、新たなチェックリストが図1を参照して以前説明した方法100にしたがって作成されたか否かを判断することができる。新たなチェックリストが利用可能でない場合、ブロック222において、チェックリストが実施済みか否かを判断することができる。チェックリストがブロック222において実施済みでない場合、更新されたチェックリストをブロック210に表示しうる。チェックリストがブロック222において実施済みの場合、方法200はブロック224へ進むことができる。ブロック224において、図3を参照して説明したように、記憶及び通知を行うことができる。ブロック230において、チェックリストの表示を閉じることができる。
【0035】
ブロック202及び220において任意の時点で新たなチェックリストが利用可能になった時にユーザがチェックリストを現在実行している場合、方法200は、ブロック226においてユーザが新たなチェックリストを実行することを選択したか否かを判断することができる。ブロック226においてユーザが既存のチェックリストを実行することを選択した場合、ブロック210において既存のチェックリストが表示される。ブロック226においてユーザが新たなチェックリストを実行することを選択した場合、ブロック228において古いチェックリストが新たなチェックリストに入れ替わる。方法200では、ブロック206において搭載システムからパラメータをポーリングして、全ての適用可能なチェックリスト項目を実施する。図3を参照して説明したように、ブロック208においてチェックリスト情報の記憶及び通知が行われる。ブロック210においてカスタマイズされたチェックリストが表示される。ブロック212において搭載システムのパラメータが変化したため、一又は複数のチェックリスト項目が実施された場合、次にブロック216においてチェックリスト項目のステータスが更新される。ブロック214においてチェックリストシステムとの手動でのやり取りにより、一又は複数のチェックリスト項目が実施された場合、次にブロック216においてチェックリスト項目のステータスが更新される。新たなチェックリスト項目が手動で実施されていない場合、次にブロック210においてチェックリストが表示される。図3を参照して説明したように、ブロック218において各チェックリスト項目のステータスの更新の結果、記憶及び通知が行われる。ブロック218での記憶及び通知の後で、方法200では、図1を参照して上に前述した方法100にしたがって新たなチェックリストが作成されたか否かが判断される。新たなチェックリストが利用可能でない場合、ブロック222においてチェックリストが実施済みであるか否かが判断される。ブロック222においてチェックリストが実施済みでない場合、ブロック210において更新されたチェックリストが表示される。ブロック222においてチェックリストが実施済みである場合、方法200では、図3を参照して説明したように、ブロック224において記憶及び通知が行われ、その後ブロック230においてチェックリストの表示が閉じられる。
【0036】
方法200はマルチスレッドであり、各パイロット及び乗務員が多数のチェックリストを同時に実行することが可能である。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態にしたがってチェックリスト情報を記憶し伝達する方法300の一例のフロー図である。方法300は、図1のブロック114、及び図2のブロック208、218、及び224の一部として行うことができる。方法300はブロック302において開始できる。ブロック304において、チェックリスト、チェックリスト項目のステータス、チェックリストに関連するビークルのパラメータ又は状態、及びチェックリストに関するその他全ての情報を、チェックリストシステムの搭載記憶デバイスに記憶させることができる。ブロック306において、ブロック304に記憶されたチェックリスト情報を、非必須の搭載システム等の他の搭載システムへ伝送することができる。非必須の搭載システムの例には、必ずしも限定しないが電子ログブック、健康管理システム、又は類似の電子記録管理又は保守システムを含みうる。システムは、ビークル又はシステムの正常動作に必要でないシステムを含むことができる。これらのその他非必須システムにより、既存の情報に受信チェックリスト情報が補完されうる。その他のシステム情報と結合したチェックリスト情報は、ビークル又はシステムの保守、ビークルに関連する健康管理システムの助けとなり、例えば故障及びパイロットの応答情報等の航空機の解析を向上させうる。ブロック308において、チェックリスト情報をリアルタイムで又は遅延してバックオフィス・システムへ伝達することもできる。前述したように、非搭載システムの例には、航空会社のシステム、MROシステム、規制当局システム又はその他類似のシステムを非限定的に含むことができる。チェックリスト情報は、各航空機に空港のゲートにおいて誘導路上及び滑走路上にいる間、又は全ての飛行段階において供給されうる。チェックリスト情報をその他のデータと結合させて、航空会社の業務、MROの業務及びATCの業務を改善するために監視し解析することができるビジネス情報を作成することができる。
【0038】
図4は本発明の一実施形態によるチェックリスト情報を使用する方法400の一例のフロー図である。ブロック404において、ビークルのチェックリスト情報を受け取ることができる。チェックリスト情報は必ずしも限定しないが、チェックリスト項目、チェックリスト項目のステータス、チェックリスト又は類似の情報又はデータに関連する補足的なビークル又はシステム情報を含むことができる。
【0039】
ブロック406において、受け取ったチェックリスト情報を全ての認定受信者へ配信することができる。ブロック408において、他の保守、修理、点検のビジネス情報と結合させれば、受けとったチェックリスト情報を使用して、保守、修理、点検に状況認識を提供することができる。例えば、チェックリスト情報をその機体の保守履歴と結合させて、航空機の到着前に特定の保守作業とスペアパーツの利用可能性を表示することができる。ブロック408において、MRO情報のチェックリスト情報との結合及び状況認識の作成が完了した後で、方法400は終了418において終了しうる。
【0040】
ブロック410において、その他の航空管制情報と結合させれば、受信したチェックリスト情報を使用して、航空管制に状況認識を提供することができる。例えば、チェックリスト情報を、特定の航空管制の着陸命令を表示しうる最終進入滑走路の割当てと結合させることができる。
【0041】
ブロック412において、その他の航空会社の情報を結合させれば、チェックリスト情報を使用して航空会社に状況認識を提供することができる。例えば、チェックリスト情報を、特定の航空会社の業務制御の修正措置を表示しうる飛行計画及び乗客の接続情報と結合させることができる。
【0042】
ブロック414において、規制当局410又は航空会社412からパイロットへ通知するか否かを判断することができる。その場合、方法400はブロック416へ進み、ビークルへメッセージを伝送することができる、又は生の人間がビークルに連絡することができる。ブロック414において、パイロットに通知する必要がないと判断した場合、方法400は終了418において終了することができる。
【0043】
図5は、本発明の一実施形態にしたがって、チェックリストを作成し、伝達し、使用し、チェックリストのフィードバックを受信するシステム500の一例を示す図である。方法100、200、300、及び400をシステム500において、又はシステム500の特定のコンポーネントにおいて具現化することができる。図5に示す実施形態では、システム500の一部はビークル(例:飛行機)502に配備される。システム500は、搭載システム504一式、チェックリストシステム506、チェックリストインターフェース508、非必須システム(例:健康管理システム)を含む一又は複数の他のシステム510、通信システム512、衛星514、衛星地上局516、無線送信機/受信機518、セルラー方式の送信機/受信機520、データネットワーク522、航空会社のバックオフィス状況認識システム524、保守、修理、点検バックオフィス状況認識システム526、及び規制当局バックオフィス状況認識システム528を含むことができる。
【0044】
搭載システム504は、例えば航空機の高度、フラップの角度、エンジンの状態、客室の気圧、又は飛行機の状態の他の態様を監視し伝達する個別のシステムである。図5に示す例示のシステム500は、3つの搭載システム504のみが示されている。この例示目的においては、第1の搭載システム504はエンジンの状態であり、第2の搭載システム504はフラップの角度であり、第3の搭載システム504は客室の気圧である。図5には3つの搭載システム504のみが示されているが、当然ながら図5に示す実施形態は3つよりも少ない、そして3つよりも多い搭載システム504を含むように構成することができ、各々がチェックリストシステム506と連通しており、上述したようにチェックリストの作成及びチェックリスト項目の実施と関連している。各搭載システム504は、プロセッサ、ビジネスロジック、及びデータストレージを含むことができる。代替実施形態において、全ての搭載システム504のプロセッサ、ビジネスロジック及びデータストレージは中心に位置していてよい。
【0045】
工程において、チェックリストシステム506はチェックリストの必要に関連する情報を読み出すことができる。加えて、チェックリストシステム506は、搭載システム504から、またチェックリストインターフェース508からチェックリスト項目の実施に関する情報を読み出すことができる。加えて、チェックリストシステム506はチェックリストインターフェース508を介して特定のチェックリストの手動要求を受信することができる。具体的には、チェックリストシステム506は、チェックリスト項目と、どのチェックリストユーザが必要とし、カスタマイズされたチェックリストを受信する権限があるかの優先順序づけを定義するデータパラメータのセットを含み、データはそれぞれの搭載システム504から継続的にポーリングされる。読み出されたデータは、チェックリストシステム506における業務ルールを考慮して関連付けされる。業務ルールは搭載システム504から受信したデータに関連し、チェックリストシステム506内でどのようにデータを処理するかを制御するエンティティによって定義されるルールに基づくものである。例えば、搭載システム504からの高度等の他の搭載データによっては、チェックリスト項目の異なる優先順序が必要となりうる。さらに、異なる航空会社は、異なるタスクのセット、又はチェックリストシステム506内でのタスクの実行の異なる優先順序を有しうる。
【0046】
チェックリストシステム506は、非必須システム510へ変更されるときに、チェックリストデータを伝送し、非必須システム510は各システムの機能を考慮してチェックリストデータを更に処理する。チェックリストシステム506は、通信システム512へ変更されるときに、チェックリストデータを伝送し、通信システム512はチェックリストデータを機外に伝送する。衛星514は通信システム512からチェックリストデータを受信し、このデータを衛星地上局516へ再伝送する。 無線送信/受信局518は通信システム512からチェックリストデータを受信する。セルラー方式の送信/受信局520は、通信システム512からチェックリストデータを受信する。衛星地上局516、無線送信/受信局518及びセルラー方式の送信/受信局520はデータネットワーク522へチェックリストデータを配信する。航空会社のバックオフィス状況認識システム524、保守、修理、点検のバックオフィス状況認識システム526、及び規制当局のバックオフィス状況認識システム528はデータネットワーク522からチェックリストデータをそれぞれ受信する。航空会社のバックオフィス状況認識システム524、及び規制当局のバックオフィス状況認識システム528は、データネットワーク522、衛星地上局516、衛星514、無線送信機/受信機518、セルラー方式の送信機/受信機520、及び通信システム512を通して航空機と通信することができる。
【0047】
システム500又はシステム500のコンポーネントをビークル又はその他のシステムに含むことができる。システム500は航空機502の一部のシステムとともに説明するが、当業者にはシステム500を例えば複雑な機械又は電気システム又は機械等のその他の種類のビークル又はシステムにも使用可能であることを認識するだろう。
【0048】
システム500は自動チェックリストシステム506を含みうる。図1の方法100及び図2の方法200は、自動チェックリストシステム506において具現化する、又は自動チェックリストシステム506によって行うことが可能である。図3の方法300は、チェックリストシステム506及ぶ通信システム512のコンポーネントにおいて具現化する、又はチェックリストシステム506及ぶ通信システム512のコンポーネントによって行うこともできる。自動チェックリストシステム506は、例えば緊急状態等の正常及び異常状態に他の搭載システム504からパラメータ又はその他の情報を受信して、チェックリストが必要か否か、また現在の航空機のシステムの様子又は状態に対応するために任意のカスタマイズ化が必要か否かを判断し、チェックリスト項目が実施済みであるかを判断することができる。自動チェックリストシステム506は、チェックリストインターフェース508からチェックリストと、チェックリストの作業項目の実施の手動要求を受信して、前述したものと同様のカスタマイズされたチェックリストを作成することもできる。自動チェックリストシステム506は、単数の故障又は複数の故障が生じる正常状態、異常又は緊急状態に対してカスタマイズされたチェックリストを作成することができる。自動チェックリストシステム506は、チェックリストを実施まで管理する。受信者がすでにチェックリスト506を実行中に、チェックリストシステム506によって新たなチェックリストが作成された場合、受信者は既存のチェックリストを継続するか、あるいはチェックリストインターフェース508上の新たなチェックリストに変更するかをすぐに選択することができる。
【0049】
自動チェックリストシステム506はチェックリストの作成とチェックリスト項目の実施の結果を解析の補足情報として搭載システム510へ供給することができる。
【0050】
システム500はまた通信システム512も含みうる。図3の方法300は、飛行機/地上の通信のために通信システム512において具現化する、又は通信システム512によって行うことができる。自動チェックリストシステム506は、チェックリストの作成とチェックリスト項目の実施の結果を通信システム512を介してバックオフィス状況認識システム524、526、及び528へ供給することができる。
【0051】
システム500はまた、通信受信衛星514及び衛星地上局516、無線送信機/受信機518及びセルラー方式の送信機/受信機520も含みうる。 図4の方法400は、飛行機/地上の通信のために通信受信衛星514及び衛星地上局516、無線送信機/受信機518及びセルラー方式の送信機/受信機520において具現化する、又は通信受信衛星514及び衛星地上局516、無線送信機/受信機518及びセルラー方式の送信機/受信機520によって行うことができる。通信受信衛星514及び衛星地上局516、無線送信機/受信機518及びセルラー方式の送信機/受信機520は情報をデータネットワーク522に配信することができ、この情報はデータネットワーク522において、規制当局のバックオフィス状況認識システム528、航空会社のバックオフィス状況認識システム524、及び保守、修理、点検のバックオフィス状況認識システム526へ配信される。規制当局のバックオフィス状況認識システム528、及び航空会社のバックオフィス状況認識システム524は、データネットワーク522、衛星地上局516、及び衛星514、無線送信機/受信機518及びセルラー方式の送信機/受信機520及び搭載通信システム512を介して航空機へ返信することができる。図4の方法400は、規制当局のバックオフィス状況認識システム528、航空会社のバックオフィス状況認識システム524、及び保守、修理、点検のバックオフィス状況認識システム526において具現化する、又は規制当局のバックオフィス状況認識システム528、航空会社のバックオフィス状況認識システム524、及び保守、修理、点検のバックオフィス状況認識システム526によって行うことができる。
【0052】
図面のフロー図及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の可能な実装態様のアーキテクチャ、機能性、及び操作を示すものである。その際、フロー図及びブロック図の各ブロックは、特定の一又は複数の論理機能を実装するための一又は複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、又は部分を表しうる。幾つかの代替実装態様では、ブロックに記載された複数の機能は、図に記載の順序を逸脱して行われてよい。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックをほぼ同時に実行してもよい、又は時には含まれる機能によってはブロックを逆順に実行してもよい。ブロック図及び/又はフロー図の各ブロック、及びブロック図及び/又はフロー図のブロックの組み合わせを、特定機能又は作業を行う特殊用途のハードウェアベースのシステム、又は特殊用途のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実行可能である。
【0053】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明するのみのためであり、本発明の実施形態を限定するためのものではない。本明細書で用いられる単数の形態「一つの」及び「単数の」には、他に明らかに指定のない限り、複数の形態も含まれる。この明細書において使用される「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するものであるが、これらの一又は複数のその他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント、及び/又はグループの存在又は追加を除外するものではない。
【0054】
全ての手段又はステップの対応する構造、材料、作業、及び同等物と、下記の請求項の機能要素には、具体的に主張されるその他の請求項の要素と結合した機能を行うための任意の構造、材料、又は作業を含むものである。本発明の説明は、例示及び説明を目的として提示されているものであり、網羅的な説明であること、又は開示された形態に本発明を限定することを意図していない。当業者には本発明の実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく多数の修正及び変更を加えることが可能であることが理解されるであろう。実施形態は、本発明の実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施形態の開示と、考慮される特定の用途に適した様々な修正との理解を促すために選択及び記述されている。
【0055】
本明細書に特定の実施形態を例示し説明してきたが、当業者は示した特定の実施形態を同じ目的を達成するように計算された任意の配置構造に置き換えることができ、本発明の実施形態は他の環境の他の用途を有することを理解する。例えば、本発明は、航空機の使用に限定されず、チェックリストが使用される全ての環境において使用可能である。有人ビークルは航空機だけでなく、例えば船、ドローン、ヘリコプター、及びロケットが含まれる。その他のチェックリスト環境には、例えばユティリティー、生産工程、及びサービス業、及び医療が含まれる。この用途は、本発明の全ての構成及び変形例を網羅するものである。下記の請求項は、本発明の実施形態の範囲を本明細書に説明した特定の実施形態に限定するものではない。
【符号の説明】
【0056】
100 カスタマイズされた自動チェックリストを作成する方法
200 カスタマイズされた自動チェックリストを実行する方法
300 チェックリスト情報を記憶し伝達する方法
400 チェックリスト情報を使用する方法
500 チェックリストを作成し、伝達し、使用し、チェックリストのフィードバックを受信するシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタマイズされた自動チェックリストを作成し、実行し、伝達する方法であって、
複数のチェックリスト項目を含むカスタマイズされたチェックリストを動的に作成し、
前記カスタマイズされたチェックリストが利用可能である通知を所定の受信者に伝送し、
前記受信者が前記カスタマイズされたチェックリストを選択したことに応答して、インターフェースデバイス上に前記カスタマイズされたチェックリストを表示し、
各前記チェックリスト項目が実施されたことに応答して、各前記チェックリスト項目のステータスを更新し、
既存のチェックリストを実行中に、新たなチェックリストが利用可能であるか否かを判断し、
前記既存のチェックリストの実行中に、ユーザが新たなチェックリストに切り替えることを可能にする
ことを含む方法。
【請求項2】
チェックリスト情報を、前記チェックリスト情報が関連しているシステム以外の少なくとも一つのシステムへ伝送することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カスタマイズされたチェックリストを動的に作成するステップは、別のチェックリストが実行されている間に前記カスタマイズされたチェックリストを動的に作成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記別のチェックリストが実行されている間に前記カスタマイズされたチェックリストを動的に作成するステップは、正常な動作状態の間に前記カスタマイズされたチェックリストを作成することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記別のチェックリストが実行されている間に前記カスタマイズされたチェックリストを動的に作成するステップは、少なくとも一つの故障状態に応答して、前記カスタマイズされたチェックリストを作成することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記カスタマイズされたチェックリストを動的に作成するステップは、ビークル又はシステムの状態の変化に応答して、前記カスタマイズされたチェックリストを動的に作成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カスタマイズされたチェックリストを動的に作成するステップは、前記ビークル又はシステムの現在の状態に応答して、前記カスタマイズされたチェックリストを最適化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記カスタマイズされたチェックリストが利用可能であるという通知を前記所定の受信者に伝送するステップは、チェックリストを実行する認定ユーザを判断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記カスタマイズされたチェックリストが利用可能であるという通知を前記所定の受信者に伝送するステップは、前記カスタマイズされたチェックリストを表示できる認定インターフェースデバイスを判断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
各前記チェックリスト項目が実施されたことに応答して、各前記チェックリスト項目のステータスを更新するステップは、インターフェースデバイス上でチェックリストのユーザから通知を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
各前記チェックリスト項目が実施されたことに応答して、各前記チェックリスト項目のステータスを更新するステップは、複数の搭載システムのうちの少なくとも一つからチェックリスト項目の実施情報を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記チェックリスト情報を他のシステムへ伝送するステップは、前記チェックリスト情報と前記航空機の状態に関するパラメータをバックオフィスビジネスシステムへさらなる処理のために伝送することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
既存のチェックリストを実行中に、新たなチェックリストが利用可能であるか否かを判断するステップは、
以前のチェックリストが前記受信者によって実行されている間に前記ビークル又はシステムの状態の変化に応答して、新たなカスタマイズされたチェックリストを動的に作成し、
前記受信者に前記新たなカスタマイズされたチェックリストが利用可能であることを通知し、
前記受信者に、現在のチェックリストの実行を継続する、又は前記新たなカスタマイズされたチェックリストの実行に切り替えることのうちの一つを選択するオプションを提示する
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記航空機が空港のゲート、ハンガーにいる間、又は飛行の全ての段階において、航空機のチェックリストの実施作業の情報を提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記チェックリストの実施作業の情報及び前記航空機に関するパラメータのセットを航空会社のバックオフィスビジネスシステムへ提供することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
カスタマイズされた自動チェックリストを作成、実行、及び伝達するシステムであって、 ビークル又はシステム上の少なくとも一つのシステムに通信可能に連結し、複数のチェックリスト項目を含むカスタマイズされたチェックリストを動的に作成し、前記カスタマイズされたチェックリストが利用可能であるという通知を所定の受信者に伝送し、手動入力を含むパラメータの変化に基づいてチェックリスト項目が実施済みであることを表示するように構成された自動チェックリストシステムと、
前記受信者による前記カスタマイズされたチェックリストの選択に応答して、前記カスタマイズされたチェックリストを表示するインターフェースデバイスであって、各チェックリスト項目のステータスは自動チェックリストシステムによって、又は任意の手動入力によって更新され、各チェックリスト項目が実施されたことに応答して前記インターフェースデバイス上に表示され、新たなチェックリストが利用可能となった時に既存のチェックリストの実行中に受信者に通知が送られ、前記既存のチェックリストを継続するか、又は前記新たなチェックリストに切り替えるかのオプションが前記受信者に提示可能であるインターフェースデバイス
を含むシステム。
【請求項17】
前記自動チェックリストシステムは、前記受信者によって以前のチェックリストが実施されている間に、前記ビークル又はシステムの状態の変化に応答して新たなカスタマイズされたチェックリストを動的に作成するモジュールと、
前記新たなカスタマイズされたチェックリストが利用可能であることを前記受信者に通知し、前記既存のチェックリストの実施を継続するか、又は前記新たなカスタマイズされたチェックリストに切り替えるかのうちの一つを選択するオプションを前記受信者に提示するモジュール
を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記カスタマイズされたチェックリストが、前記受信者の仕事量を減らすために実施できない全てのチェックリスト項目を除去することによって最適化される、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記航空機が空港のゲート、ハンガーにいる間、又は飛行の各段階において、航空機のチェックリスト項目の実施作業の情報を伝送し、航空機に関するパラメータのセットを伝送する通信デバイスをさらに含む、請求項16に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−112343(P2013−112343A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−261532(P2012−261532)
【出願日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company