説明

カストマイズ支援装置

【目的】本発明は、多数の装置に対してキー操作によるカストマイズ作業の支援を行なうカストマイズ支援装置に関し、装置のカストマイズ作業を簡単な構成かつ自動的に実行させることを目的とする。
【構成】装置に対するキー操作を予め記述した制御スクリプトファイルと、制御スクリプトファイルを解析してキー操作用の信号を擬似的に生成する解析手段と、生成した擬似的なキー操作用の信号を送信する手段とを設けた制御パソコンと、制御パソコンから受信した擬似的なキー操作用の信号をもとに、装置に当該擬似的なキー動作用の信号を送信する送信手段を設けた配信装置とを備え、配信装置を構成する送信手段から送信された擬似的なキー操作信号を装置に受信させ、キー操作信号に対応するカストマイズ作業を多数の装置に対して同時かつ並列に効率的に実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置に対してキー操作によるカストマイズ作業の支援を行なうカストマイズ支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、PC/AT互換機で利用されるUSB接続型JISキーボードやシリアル接続型JISキーボードなどを接続する装置(例えば業務用パソコン)について、顧客毎に予め顧客の要望に応じた初期設定や環境設定などのカストマイズ作業は、OSの起動後であれば、当該OS上で動作するソフトウェアを準備し、当該ソフトウェアによりカストマイズ作業や必要な機器の操作を行なうことができる。
【0003】
しかし、上述した従来技術は、いずれもOSが動作後の装置のキー入力操作を行なうものであり、OSの起動前やOSのインストール前の装置のカストマイズ作業には使えないという問題があった。
【0004】
この問題を解決する手段として、例えば操作対象の機器からの情報を解析して保守アクションを決定し、当該機器を操作する技術がある(特許文献1)。
【0005】
また、予めキー入力データを保存し、これを試験対象の装置のアプリケーションプログラムの実行時に繰り返し同じ動作を行なわせるときのキー入力操作に使用し、当該キー入力操作を自動化する技術がある(特許文献2)。
【特許文献1】特開2009−110482号公報
【特許文献2】特開平05−2445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術は、機器個別にキー入力操作を行なうものであり、多数の装置に対して顧客の要望に応じたカストマイズ作業を同時かつ並列に効率的に行なうことができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するため、装置に対してキー操作によるカストマイズ作業の支援を行なうカストマイズ支援装置において、装置に対するキー操作を予め記述した制御スクリプトファイルと、制御スクリプトファイルを解析してキー操作用の信号を擬似的に生成する解析手段と、生成した擬似的なキー操作用の信号を送信する手段とを設けた制御端末と、制御端末から受信した擬似的なキー操作用の信号をもとに、装置に当該擬似なキー操作用の信号を送信する送信手段を設けた配信装置とを備え、配信装置を構成する送信手段から送信された擬似的なキー操作信号を装置に受信させ、キー操作信号に対応するカストマイズ作業を実行させるようにしている。
【0008】
この際、配信装置を構成する送信手段を多数設け、多数の送信手段からカストマイズ対象の装置に擬似的なキー操作信号をそれぞれ並列かつ同時に送信し、カストマイズ作業を並列かつ同時に実行させるようにしている。
【0009】
また、制御スクリプトファイルは、擬似的なキー操作用の信号として、キー操作を行なうまでの待機時間と、キーのアップ信号あるいはキーのダウン信号の組とし、1組あるいは複数組からなるようにしている。
【0010】
また、配信装置を構成する送信手段から装置に送信する擬似的なキー操作用の信号として、キーボードをキー操作したときに送出される、スキャンコードと同じコードとするようにしている。
【0011】
また、多数の装置として、OSの起動前あるいはOSのインストール前の装置も可能とするようにしている。
【0012】
また、制御スクリプトファイルは、擬似的なキー操作用の信号、キー操作用の信号の確認を制御パソコンに表示させるメッセージ、および制御スクリプトファイルのコメントからなるようにしている。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、多数の装置に対して顧客の要望に応じたカストマイズ作業を行う際に、制御パソコンおよび配信装置を用意し、制御パソコンがカストマイズ作業用のキー操作を記述した制御スクリプトを解析して所定のキー操作信号を配信装置に渡して装置にキー操作信号を送信することにより、装置のカストマイズ作業を簡単な構成かつ自動的に実行させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、多数の装置に対して顧客の要望に応じたカストマイズ作業を行う際に、制御パソコンおよび配信装置を用意し、制御パソコンがカストマイズ作業用のキー操作を記述した制御スクリプトを解析して所定のキー操作信号を配信装置に渡して装置にキー操作信号を送信し、装置のカストマイズ作業を簡単な構成かつ自動的に実行させることを実現した。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
【0016】
図1において、制御端末1は、全体を統括制御する端末(例えばパソコン)であって、ここでは、制御アプリケーションプログラム11および制御スクリプトファイル14などから構成されるものである。
【0017】
制御アプリケーションプログラム11は、制御スクリプトファイル14をもとに多数の対象PC3に所定のキー操作信号を送信して当該多数の対象PC3のカストマイズ作業を同時並列に行うためのものであって、解析手段12、実行手段13などから構成されるものである。
【0018】
解析手段12は、制御スクリプトファイル14を解析し、擬似的なキー操作信号、コメント、メッセージなどを判別したりなどするものである。
【0019】
実行手段13は、解析手段12が制御スクリプトファイル14を解析した解析結果をもとに擬似キー操作信号などを生成し、配信装置2に送信したりなどするものである。
【0020】
制御スクリプトファイル14は、擬似的なキー操作用の信号、キー操作用の信号の確認を求めるメッセージ、コメントなどを予め記述したものである(図6参照)。
【0021】
配信装置2は、制御端末1から送信された擬似的なキー操作用の信号などを受信し、多数の対象PC3に同時かつ並列に送信(擬似的なキー操作用の信号を受信して対象PC3用のコード(例えばスキャンコード)に変換して送信してもよい)し、カストマイズ作業を同時かつ並列に実行させるものであって、受信手段21、および各対象PC3用の送信手段22などから構成されるものである(図2から図7参照)。
【0022】
受信手段21は、制御パソコン1から擬似的なキー操作信号を受信するものである(図2から図7参照)。
【0023】
送信手段22は、受信手段21が受信した擬似的なキー操作信号をもとに、対象PC3用のキー操作信号(例えばキーボードから送出されるスキャンコード)に変換して送出し、各対象PC3にカストマイズ作業を同時かつ並列に実行させるものである。
【0024】
対象PC3は、カストマイズ対象のPC(パソコン)であって、OS起動前あるいはOSのインストール前のパソコンも可能である。
【0025】
次に、図2のフローチャートの順番に従い、図1の構成の動作を詳細に説明する。
【0026】
図2は、本発明の処理フローチャートを示す。ここで、上段の制御アプリケーションプログラム11、配信装置2、対象PC3は、図1の制御アプリケーションプログラム11、配信装置2、対象PC3にそれぞれ対応する。
【0027】
図2において、Slは、事前に制御スクリプトファイルを作成する。これは、図1の制御スクリプトファイル14として、例えば後述する図6の(b−1)のスクリプトで記述したファイルを予め作成して登録する。
【0028】
S2は、制御スクリプトファイルを読み込む。これは、Slで予め作成して登録しておいた制御スクリプトファイル14を、図1の制御パソコン1を構成する制御アプリケーションプログラム11が図示外の外部記憶装置から読み込む。
【0029】
S3は、1行を取り出す。
【0030】
S4は、1行を解析して実行する。これらS3、S4は、例えば後述する図6の(b−1)の制御スクリプトファイル14の先頭から1行として、
・0000、キーOnly,#r
を取り出して解析、即ち、”0000”が待機時間0と解析、続く”キーOnly”がキー操作信号であると解析、更に続く”#r”をウインドウズキーとrキーとを同時に押下と解析し(図3参照)、これら解析結果をもとに擬似的キー操作信号を配信装置2に向けて送信する(詳述は、図4を参照)。
【0031】
S5は、制御スクリプトファイル14の終わりか判別する。YESの場合には、終了する。NOの場合には、制御スクリプトファイル14から次の行についてS3以降を繰り返す。
【0032】
以上によって、図1の制御アプリケーションプログラムBllは、制御スクリプトファイル14を読み込み、先頭の行から順に取り出し、解析して擬似的キー操作信号を配信装置2に向けて送信することが可能となる。
【0033】
図3は、本発明の詳細処理フローチャート(制御アプリケーション、その1)を示す。この図3は、既述した図2のS4の制御スクリプトファイル14から取り出した1行分の制御スクリプトを解析して実行するときの詳細処理フローチャートである。
【0034】
図3において、Sllは、1行を解析する。ここでは、図示の
・待機時間:
・機能:
・内容:
について解析、例えば後述する図6の(b−1)の先頭の
・0000、キーOnly,#r
について、待機時間ば”0000”であるので、0時間と解析、機能ば”キーOnly”であるのでキー操作信号と解析、内容は”#r”’であるので、ウインドウズキーとrキーとを同時に押下すると解析する。
【0035】
S12は、指定された時間だけ待機する。これは、Sllで解析した待機時間だけ待機する。上述した”0000”の場合には待機時間0であるので、即座にS13に進む。
【0036】
S13は、機能は何か判別する。機能としては、ここでは、例えば
・コメント:
・メッセージ表示:
・キー入力:
のいずれであるか判別する。例えば上述した図6の(b−1)の先頭行の制御スクリプトでは、”キーOnly”でキー操作信号と解析されたのでキー入力と判別し、S17に進む。コメントと判別された場合にはS14、メッセージ表示と判別された場合にはS15に進む。
【0037】
S14は、S13で制御スクリプトがコメントと判別されたので、ここでは、スキップして何も行なわず、終了する。コメントは、制御スクリプトファイル14中で、当該制御スクリプトの意味などを開発者が記述し、当該制御スクリプト自身を他の利用者が見たときに何を意味しているのかが後からわかるようにしたものである。
【0038】
S15は、S13でメッセージ表示と判別されたので、ここでは、制御パソコン1に内容を表示する。
【0039】
S16は、S15の内容表示されたことに対応して、利用者がOK押下か判別する。YESの場合には、終了する。NOの場合には、待機する。これらS15、S16は、例えば後述する図6の(b−2)の機能名”MsgBox”のエントリ(制御スクリプトの1行分)の場合に、制御パソコン1の画面上に”メモ帳が開いたことを確認して下さい。”というメッセージを表示し、利用者が対象PC3の画面上にメモ帳が開かれていることを確認し、OKのときに制御パソコン1上のメッセージ中のOKボタンを押下し、処理を進ませ、ここでは、終了する。
【0040】
以上のS15、S6によって、制御スクリプトファイル14の先頭行から順次解析してキー入力信号を対象PC3に送信して実行させ、その途中で制御パソコン1の画面上に”メモ帳が開いたことを確認して下さい。”のメッセージを表示し、利用者に対象PC3の画面上にメモ帳が開いていることを確認できたときに当該制御パソコン1の画面上のOKボタンを押下して次の処理に進めさせることができ、対象PC3にキー入力操作したことに対する処理結果(中間結果)の確認を行なうことが可能となる。
【0041】
S17は、S13で制御スクリプトがキー入力と判別されたので、内容を字句解析する。
【0042】
S18は、S17で字句解析された結果をもとに、字句に対応するキーに変換する。
【0043】
S19は、キー入力の送信を行なう。これらS17からS19は、例えば後述する図4に示すように、
後述する図6の(b−1)の先頭の制御スクリプト
・0000、キーOnly,#r
中のキー入力”#r”について、”#”がウインドウズキーと解析、”r”をrキーと解析し、これら解析結果をもとに、
・ウインドウズキーをダウンした意味を表すコード:
・rキーをダウンした意味を表すコード:
・rキーをアップした意味を表すコード:
・ウインドウズキーをアップした意味を表すコード:
と対応するキーに変換(各コード間は所定の待機時間を置く)し、これらを配信装置2に送信する。
【0044】
以上のS17からS19によって、制御スクリプトが入力キーと判別された場合には、キーが押下されたと同じコードを擬似的に生成して配信装置2に送信することが可能となる。
【0045】
図4は、本発明の詳細処理フローチャート(制御アプリケーション、その2)を示す。これは、制御スクリプトファイル14から取り出した1行分の制御スクリプト(キー入力)の解析結果をもとに、図3のS19で送信するときの詳細処理フローチャートであって、ここでは、
後述する図6の(b−1)の先頭の制御スクリプト
・0000、キーOnly,#r
中の”#r”(Windows(登録商標)キーとrキーとを同時に押す)を送信する例を挙げて説明する。
【0046】
図4において、S21は、WindowsキーをDownした意味の独自コードを送信する。
【0047】
S22は、暫く待機する。
【0048】
S23は、rキーをDownした意味の独自コードを送信する。
【0049】
S24は、暫く待機する。
【0050】
S25は、rキーをUpした意味の独自コードを送信する。
【0051】
S26は、暫く待機する。
【0052】
S27は、WindowsキーをUpした意味の独自コードを送信する。
【0053】
以上の処理によって、制御スクリプト中のキー操作信号”#r”について、ウインドウズキーとrキーとを同時に押下したときの信号を自動的に生成して配信装置2に送信することが可能となる。
【0054】
図5は、本発明の配信装置における送受信の処理フローチャートを示す。ここで、受信手段21、送信手段22は、図1の配信装置2を構成する受信手段21、送信手段22に対応する。また、例として上述した”#r”(Windowsキーとrキーとを同時に押下)を例に以下説明する。
【0055】
図5において、S31は、配信装置2を構成する受信手段21がWindowsキーをDownした意味の独自コードを受信する。これは、上述した図4のS21で制御パソコン1を構成する実行手段13から送信信されたものを、配信装置3を構成する受信手段21が受信する。
【0056】
S32は、配信装置2を構成する、対象PC3毎に設けた送信手段22がWindowsキーをDownした意味の独自信号を受信する。
【0057】
S33、S34は、配信装置2を構成する、対象PC3毎に設けた送信手段22がWindowsキーをDownした意味のスキャンコードを送信する。これは、対象PC3毎の送信手段22がWindowsキーをDownしたことを表す独自信号を、対応する同じ意味を持つスキャンコードに変換して対象PC3に送信する。
【0058】
以上のS31からS34によって、配信装置2を構成する受信手段21が制御パソコン1からWindowsキーをDownした意味を表す独自コードを受信し、対象PC3毎に設けた各送信手段22が独自コードをスキャンコード(キーボードをキー操作したことに送出されるコード体系)に変換して該当する対象PC3にそれぞれ送信することが可能となる。これにより、スキャンコードの送信を受けた対象PC3では、送信を受けたスキャンコードによる入力キー(ここでは、WindowsキーのDownを表すスキャンコード)に対応する処理を、キーボードにキー入力されたときに送信されてくるスキャンコードに対応する処理と同一の処理を実行することが可能となる。
【0059】
S41は、配信装置2を構成する受信手段21がrキーをDownした意味の独自コードを受信する。これは、上述した図4のS23で制御パソコン1を構成する実行手段13から送信信されたものを、配信装置3を構成する受信手段21が受信する。
【0060】
S42は、配信装置2を構成する、対象PC3毎に設けた送信手段22がrキーをDownした意味の独自信号を受信する。
【0061】
S43、S44は、配信装置2を構成する、対象PC3毎に設けた送信手段22がrキーをDownした意味のスキャンコードを送信する。これは、対象PC3毎の送信手段22がrキーをDownしたことを表す独自信号を、対応する同じ意味を持つスキャンコードに変換して対象PC3に送信する。
【0062】
以上のS41からS44によって、配信装置2を構成する受信手段21が制御パソコン1からrキーをDownした意味を表す独自コードを受信し、対象PC3毎に設けた各送信手段22が独自コードをスキャンコードに変換して該当する対象PC3にそれぞれ送信することが可能となる。これにより、スキャンコードの送信を受けた対象PC3では、送信を受けたスキャンコードによる入力キーに対応する処理を、キーボードにキー入力されたときに送信されてくるスキャンコードに対応する処理と同一の処理を実行することが可能となる。
【0063】
S51は、配信装置2を構成する受信手段21がrキーをUpした意味の独自コードを受信する。これは、上述した図4のS23で制御パソコン1を構成する実行手段13から送信されたものを、配信装置3を構成する受信手段21が受信する。
【0064】
S52は、配信装置2を構成する、対象PC3毎に設けた送信手段22がrキーをUpした意味の独自信号を受信する。
【0065】
S53、S54は、配信装置2を構成する、対象PC3毎に設けた送信手段22がrキーをUpした意味のスキャンコードを送信する。これは、対象PC3毎の送信手段22がrキーをUpしたことを表す独自信号を、対応する同じ意味を持つスキャンコードに変換して対象PC3に送信する。
【0066】
以上のS51からS54によって、配信装置2を構成する受信手段21が制御パソコン1からrキーをUpした意味を表す独自コードを受信し、対象PC3毎に設けた各送信手段22が独自コードをスキャンコードに変換して該当する対象PC3にそれぞれ送信することが可能となる。これにより、スキャンコードの送信を受けた対象PC3では、送信を受けたスキャンコードによる入力キーに対応する処理を、キーボードにキー入力されたときに送信されてくるスキャンコードに対応する処理と同一の処理を実行することが可能となる。
【0067】
S61は、配信装置2を構成する受信手段21がWindowsキーをUpした意味の独自コードを受信する。これは、上述した図4のS23で制御パソコン1を構成する実行手段13から送信信されたものを、配信装置3を構成する受信手段21が受信する。
【0068】
S62は、配信装置2を構成する、対象PC3毎に設けた送信手段22がWindowsキーをUpした意味の独自信号を受信する。
【0069】
S63、S64は、配信装置2を構成する、対象PC3毎に設けた送信手段22がWindowsキーをUpした意味のスキャンコードを送信する。これは、対象PC3毎の送信手段22がWindowsキーをUpしたことを表す独自信号を、対応する同じ意味を持つスキャンコードに変換して対象PC3に送信する。
【0070】
以上のS61からS64によって、配信装置2を構成する受信手段21が制御パソコン1からWindowsキーをUpした意味を表す独自コードを受信し、対象PC3毎に設けた各送信手段22が独自コードをスキャンコードに変換して該当する対象PC3にそれぞれ送信することが可能となる。これにより、スキャンコードの送信を受けた対象PC3では、送信を受けたスキャンコードによる入力キーに対応する処理を、キーボードにキー入力されたときに送信されてくるスキャンコードに対応する処理と同−の処理を実行することが可能となる。
【0071】
図6は、本発明の制御スクリプトファイルの例を示す。
【0072】
図6の(a)は、Windowsキーとrキーを同時に押下する制御スクリプトファイルの例を示す。
【0073】
図6の(a−1)は制御スクリプトファイルの例を示し、図6の(a−2)は制御スクリプトファイルの各項目例を示す。図6の(a−1)に図示の制御スクリプトファイル
・0000,キーOnly,#r
は、図6の(a−2)に示すように、
待機時間 機能名 内容
0000 キーOnly #r
である。即ち、制御スクリプトの先頭の”0000”は待機時間が0時間である記述を表す。次の”キーOnly”は機能名がキーOnlyであって、キー入力を表す記述である。更に次の”#r”は内容であって、ウインドウズキーとrキーとを同時に押下する記述を表す。
【0074】
図6の(b)は、機能が3種類(キーOnly・メッセージ・コメント)の例を示す。
【0075】
図6の(b−1)は制御スクリプトファイルの例を示し、図6の(b−2)は制御スクリプトファイルの各項目例を示す。図6の(b−1)に図示の先頭の制御スクリプトファイル
・0000,キーOnly,#r
は上述した図6の(a−1)、(a−2)と同じものである。
【0076】
図6の(b−2)の図示の2行目の制御スクリプトファイル
・0005,キーOnly,Notepad.exe[ENTER]
は、図6の(b−2)の2行目に示すように、
待機時間 機能名 内容
0005 キーOnly Notepad.exe[ENTER]
である。即ち、先頭の”0005”は待機時間が5秒である記述を表す。次の”キーOn
ly”は機能名がキーOnlyであって、キー入力を表す記述である。更に次の”Not epad.exe[ENTER]”は内容であって、ファイル名を指定して実行の入力欄に”Notepad.exe”(メモ帳のプログラム名)をキー入力し、最後に”実行キー”をキー入力するという記述を表す。
【0077】
図6の(b−2)の図示の3行目の制御スクリプトファイル
・0000,MsgBox,メモ帳が開いたことを確認して下さい。
は、図6の(b−2)の3行目に示すように、
待機時間 機能名 内容
0000 MsgBox メモ帳が開いたことを確認して下さい。
である。即ち、先頭の”0000”は待機時間が0秒である記述を表す。次の”MsgBox”は機能名がメッセージ表示を表す記述である。更に次の”メモ帳が開いたことを確認して下さい。”は内容であって、制御パソコンの画面上にメッセージ表示、即ち”メモ帳が開いたことを確認して下さい。”を表示するという記述を表す。そして、制御パソコン1の画面に表示された”メモ帳が開いたことを確認ください。”の下段にOKボタンを表示し、利用者に該当対象PC3の表示装置上にメモ帳が開かれていることを確認したときに、OKボタンを押下すると、次の処理に進み、制御スクリプトファイルの4行目に進む(図3のS16のOK押下について参照)。
【0078】
図6の(b−2)の図示の4行目の制御スクリプトファイル
・0000,/コメント/,これはコメントです。
は、図6の(b−2)の4行目に示すように、
待機時間 機能名 内容
0000 /コメント/ これはコメントです。
である。即ち、先頭の”0000”は待機時間が0秒である記述を表す。次の”/コメン
ト/”は機能名がコメント(制御スクリプトの各種説明)であって、処理は行なわず、スキップして次の行に進むを表す記述である。
【0079】
図7は、本発明の応用例を示す。これは、図1を実際の装置に適用した応用例を示す。
【0080】
図7において、制御パソコン1は、図1の制御パソコン1に対応する。
【0081】
制御アプリケーションプログラム11は、図1の制御アプリケーションプログラム11
に対応する。
【0082】
ドライバ15は、制御アプリケーションプログラム11とOS16との間でデータの送
受信を行なうためのドライバである。
【0083】
OS16は、オペレーティングシステムであって、全体を統括制御する制御プログラムである。
【0084】
配信装置2は、キー入力信号を対象PC3にそれぞれ配信する図1の配信装置に対応するものであって、制御ボード23、データコンバータ24、および複数のキーボードLSI25などから構成されるものである。
【0085】
制御ボード23は、制御パソコン1との間でデータの送受信を行なうものであって、例えばUSB接続でデータ(メーカ独自のコードデータ)の送受信を行なうものである。
【0086】
データコンバータ24は、制御ボード23で受信したデータを変換して各キーボードLSI25に渡すものである。
【0087】
キーボードLSI25は、対象PC3毎に設け、制御スクリプトファイルに記述されたキー操作を、スキャンコードとして対象PC3にそれぞれ送信するものである。
【0088】
対象PC3は、カストマイズ作業を同時かつ並列に行なう対象のPCである。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、多数の装置に対して顧客の要望に応じたカストマイズ作業を行う際に、制御パソコンおよび配信装置を用意し、制御パソコンがカストマイズ作業用のキー操作を記述した制御スクリプトを解析して所定のキー操作信号を配信装置に渡して装置にキー操作信号を送信し、装置のカストマイズ作業を簡単な構成かつ自動的に実行させるカストマイズ支援装置に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明の処理フローチャートである。
【図3】本発明の詳細処理フローチャート(制御アプリケーション、その1)である。
【図4】本発明の詳細処理フロニチャート(制御アプリケーション、その2)である。
【図5】本発明の配信装置における送受信の処理フローチャートである。
【図6】本発明の制御スクリプトファイルの例である。
【図7】本発明の応用例である。
【符号の説明】
【0091】
1:制御端末(制御パソコン)
11:制御アプリケーションプログラム
12:解析手段
13:実行手段
14:制御スクリプトファイル
2:配信装置
21:受信手段
22:送信手段
3:対象PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に対するキー操作によるカストマイズ作業の支援を行なうカストマイズ支援装置において、
前記装置に対する、擬似的なキー操作用の信号として、キー操作を行なうまでの待機時間と当該キーのアップ信号あるいは当該キーのダウン信号との組とし、1組あるいは複数組からなるキー操作を予め記述した制御スクリプトファイルと、前記制御スクリプトファイルを解析して前記キー操作用の信号を擬似的に生成する解析手段と、前記生成した擬似的なキー操作用の信号を送信する手段とを設けた制御端末と、
前記制御端末から受信した擬似的なキー操作用の信号をもとに、前記装置に当該擬似的なキー操作用の信号を送信する送信手段を設けた配信装置と
を備え、
前記配信装置を構成する送信手段から送信された擬似的なキー操作用の信号を前記装置に受信させ、当該キー操作用の信号に対応するカストマイズ作業を実行させることを特徴とするカストマイズ支援装置。
【請求項2】
前記配信装置を構成する送信手段を多数設け、当該多数の送信手段から前記カストマイズ対象の装置に擬似的なキー操作用の信号をそれぞれ並列かつ同時に送信し、カストマイズ作業を並列かつ同時に実行させることを特徴とする請求項1記載のカストマイズ支援装置。
【請求項3】
前記配信装置を構成する送信手段から装置に送信する擬似的なキー操作用の信号として、キーボードをキー操作したときに送出される、スキャンコードと同じコードとしたことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載のカストマイズ支援装置。
【請求項4】
前記多数の装置として、OSの起動前あるいはOSのインストール前の装置も可能としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のカストマイズ支援装置。
【請求項5】
前記制御スクリプトファイルは、前記擬似的なキー操作用の信号、キー操作用の信号の確認を前記制御端末に表示させるメッセージ、および当該制御スクリプトファイルのコメントからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のカストマイズ支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−230709(P2012−230709A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−162742(P2012−162742)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【分割の表示】特願2010−64680(P2010−64680)の分割
【原出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】