説明

カセッテ

【課題】 封止構造を用いて封止した記録プレートを収容可能なように省スペース化を実現できるカセッテを提供する。
【解決手段】 このカセッテ1は、フロント部材10とバック部材20で矩形状の記録プレート28を収容しかつフロント部材とバック部材を離脱可能に構成し、フロント部材は、放射線を透過させる放射線透過部材13と、放射線透過部材を保持する矩形状のフレーム部材11と、を有し、バック部材は、記録プレートを内包する矩形状の受容体210を有し、受容体は、フロント部材とバック部材が合体したとき、枠体の記録プレート側内面の当接面80に当接して遮光用の閉じた領域を形成することが可能な係合凸部82を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体である記録プレートを収容し放射線撮影に好適なカセッテに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄積性蛍光体等からなる記録プレートを内部に収容したカセッテにより放射線画像撮影を行い、撮影後の記録媒体から放射線画像を読み取るようにしたカセッテが医療用として用いられている。例えば、カセッテのバック板に記録媒体を一体化させてフロント板と分離し、放射線画像を読み取るカセッテが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
下記特許文献2の2分割タイプカセッテでも、遮光のためのインロー部が記録プレート外周面に設けられている。即ち、図10のように、表板120が周囲で枠体170に保持され、裏板150側に保持された蓄積性螢光体シート130が内部に収容され、裏板5の内面外周を囲繞するリブ50a等によるインロー部131で遮光されている。
【0004】
また、スクリーン・フィルム系でのヒンジ式のカセッテでは、遮光のためのインロー構造がフィルム外周エンクロージャーに設けられている。下記特許文献3のように、一部ヒンジ式でプレートを内蔵するカセッテ構造にも、同様な構造が用いられることが多い。
【0005】
従って、上記2分割式及びヒンジ式のいずれのカセッテでも、記録プレートの外周面に、遮光用のインロー部用のスペースが必要となる。言い換えれば、カセッテの外枠形状の寸法が定められていた場合、記録プレートに使用できる寸法が限られたものとなってしまう。
【0006】
また、蒸着等により形成された蓄積性蛍光体は吸湿性が大きく、空気中の水分を吸収すると、感度低下・劣化の問題が起きるため、記録プレートを封止袋で封止する方法があるが、この場合、封止用の領域(スペース)が新たに必要となるため、記録プレートの外形寸法が同一であると、従来の記録プレートの画像記録領域が確保できなくなることがある。
【特許文献1】特開2002−156717号公報
【特許文献2】特開2003−29363号公報
【特許文献3】特開2001−340325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、封止構造を採用した記録プレートの画像記録領域を確保可能であり、外形寸法を従来のカセッテと同等に維持可能であるカセッテを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によるカセッテは、フロント部材とバック部材で矩形状の記録プレートを収容しかつ前記フロント部材と前記バック部材を離脱可能に構成したカセッテであって、前記フロント部材は、放射線を透過させる放射線透過部材と、前記放射線透過部材を保持する矩形状の枠体と、を有し、前記バック部材は、前記記録プレートを内包する矩形状の受容体を有し、前記受容体は、前記フロント部材と前記バック部材が合体したとき、前記枠体の前記記録プレート側内面の当接面に当接して遮光用の閉じた領域を形成することが可能な係合凸部を有することを特徴とする。
【0009】
このカセッテによれば、フロント部材とバック部材が合体したとき、バック部材の受容体側の係合凸部が枠体の記録プレート側内面の当接面に当接して遮光用の閉じた領域を形成するので、従来のようなインロー構造によらずに、内部に収容された記録プレートの記録面を遮光することができる。このため、封止構造を採用した記録プレートの画像記録領域を確保できるとともに外形寸法を従来のカセッテと同等に維持できる。
【0010】
特に、カセッテのフロント部材及びバック部材が相互に離脱可能な2分割タイプである場合、矩形状の記録プレートの全周に設けられた当接部がフロント部材とバック部材が略平行状態で接近するので、当接部のクリアランスをほぼゼロにすることができ、遮光機能上好ましい。なお、従来のヒンジ式の場合、当該ヒンジの回転中心に近い部分が先に当接すると、他端は開放されたままとなり、遮光を保てなくなる。このため、当接部のクリアランスを比較的大きめに設定する必要があるが、これは遮光性能の低下につながるので、インロー構造で遮光機能を確保していた。
【0011】
上記カセッテにおいて前記バック部材は前記記録プレートを受容する受容部及び前記係合凸部が一体的に成形されて構成されることが好ましい。
【0012】
また、前記当接面と前記フロント部材の内面とのカセッテ厚さ方向の距離は、前記記録プレートの記録面と前記フロント部材の内面とのカセッテ厚さ方向の距離よりも離れていることが好ましい。
【0013】
前記記録プレートの記録面の反対面に前記係合凸部に当接する可撓性の補助部材が設けられていることが好ましい。係合凸部に当接する補助部材が記録プレートの裏面(記録面の反対面)に設けられ、係合凸部と協働して外部から異物が記録プレートの記録面側へ進入することを抑えることができるので、カセッテ内ヘの異物の進入を防止でき、記録プレート表面の傷付きを未然に防止できる。なお、前記補助部材は不織布または発泡材から構成されていることが好ましく、補助部材が発泡材の場合、独立気泡タイプが好ましい。
【0014】
この場合、前記フロント部材と前記バック部材をロックするロック爪及び前記ロック爪の受け用開口を有し、前記係合凸部及び前記補助部材は、前記ロック爪及び前記ロック爪の受け用開口よりも前記フロント部材に近いことが好ましい。ロック爪及びロック爪の受け用開口とフロント部材との間に係合凸部及び補助部材が位置するので、ロック爪の受け用開口を通して異物が進入しても補助部材で記録プレートの表面の記録面側への進入を効果的に抑えることができる。
【0015】
また、前記記録プレートは少なくとも前記記録面が封止部材により封止されることで、記録面が空気中の水分を吸収することによる感度低下・劣化を防止できるが、この場合、かかる封止構造のため記録プレート全体の寸法が制限されても、本発明のカセッテ構造によれば、記録プレートの画像記録領域を充分に確保できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のカセッテによれば、封止構造を採用した記録プレートの画像記録領域を確保できるとともに外形寸法を従来のカセッテと同等に維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。
【0018】
図1は本実施の形態による放射線画像撮影用カセッテのフロント部材(A)及びバック部材(B)が分離した状態を示す斜視図である。図2は図1のフロント部材とバック部材とが合体したカセッテの断面を模式的に示す断面図(A)及びカセッテ要部の拡大断面図(B)である。図3は図1のカセッテのロック機構を説明するためのバック部材の内面図(A)及び要部断面を示す側断面図(B)である。図4は図3のロック機構の各状態(A)乃至(H)を示すカセッテの模式的な断面図である。
【0019】
〈基本構造〉
【0020】
最初に、本実施の形態による放射線画像撮影用カセッテの基本構造について説明する。
【0021】
図1(A)、(B)に示すように、放射線画像撮影用カセッテ(以下、単に「カセッテ」とも言う。)1は、フロント部材10と、フロント部材10に対向するように配置されるバック部材20と、から全体として薄形の矩方体状に構成され、バック部材20側の支持板27に固定された状態で蓄積性蛍光体プレート28がその内部空間に収容可能に構成されている。フロント部材10とバック部材20とは脱着可能になっている。
【0022】
カセッテ1は、フロント部材10側から放射線を照射して放射線撮影が行われ、収容された蓄積性蛍光体プレート28に放射線画像を蓄積し記録することができる。即ち、蓄積性蛍光体プレート28は、支持板27上に形成された例えばCsBrやBaFI等の蓄積性蛍光体からなる蓄積性蛍光体層28aを有し、蓄積性蛍光体層28aがシート状画像記録面を構成する。
【0023】
図1(A)のように、フロント部材10は、短辺側のフレーム17と長辺側のフレーム18とを有する外形枠のフレーム部材11と、フレーム部材11の内側面に内接され放射線を透過する前面板13と、を備える。図2(A)に示すように、フレーム部材11は、前面側に面するフレーム前面部114と、フレーム前面部114の端部から略直角に後面側へ屈曲したフレーム側面部110と、フレーム側面部110の端部から更に略垂直に幅方向内側へ屈曲したフレーム後面部111と、フレーム後面部111の端部から所定の角度の傾斜でフレーム前面部114の方向へ屈曲した傾斜面部112と、を有する。
【0024】
また、長辺側のフレーム18のフレーム後面部111と傾斜面部112には、図4(F)、(H)のように、バック部材20側の複数のロック爪に対応して切り込み15が複数形成されている。また、図1(A)、図4(B)、(D)のように、一方の短辺側のフレーム17のフレーム側面部110の長手方向の略中央には、切り欠き部14が設けられ、両フレーム側面部110の幅方向端部側にグリップ用凹部16aがそれぞれ形成されている。
【0025】
図1(B)、図2(A)のように、バック部材20は、バック部材本体21と、蓄積性蛍光体プレート28と、蓄積性蛍光体プレート28を支持する支持板27と、を備える。バック部材本体21は、バック部材後面部210と、バック部材後面部210から前面側に略直角に屈曲したバック部材側面部211と、を有する。また、バック部材後面部210の前面側の内面には、バック部材側面部211と同じ方向に突出する内壁213と複数本のリブ214が設けられている。
【0026】
また、図2(A)のように、バック部材後面部210と両側の内壁213とで囲まれた矩形状の空間内に蓄積性蛍光体プレート28が受容されるようになっている。
【0027】
図1(B)、図3(A)のように、カセッテ1の短辺方向の一端側のバック部材側面部211には挿入孔34がフロント部材10側の切り欠き部14に対応して形成されている。また、バック部材側面部211の長手方向端部側には、開口部31a、31b、31c、31dが、バック部材側面部211の幅方向端部側には、開口部33a、33bが形成されている。
【0028】
バック部材20のリブ214には、例えば、鉛箔がPETフィルムでコーティングされた構成である裏板23が固定されている。その裏板23には両面テープや接着剤などによって張り替え可能な強さで支持板27が蓄積性蛍光体層28aの反対面で接着されており、支持板27の前面側には、蓄積性蛍光体層28aが位置する。このようにして、蓄積性蛍光体プレート28はバック部材20側に受容されて収容されている。
【0029】
また、バック部材本体21は、後述する放射線画像読み取り装置内で磁石の磁力により吸着、保持されるため、磁石に磁力で吸着可能なように、バック部材本体21自体を磁性部として、磁性体プラスチックなどで形成することが好ましい。また、バック部材本体21を通常のプラスチックで形成し、鉄箔などの磁性体シート(図示せず)を磁性部としてバック部材20の裏面24に備える構成してもよい。また、バック部材20の裏面24に、磁性体物質を塗布するなどし、磁性部を付与してもよい。
【0030】
上述のように、フロント部材10とバック部材20とは合体し、また脱着可能であるが、通常は図2(A)に示すように合体した状態で遮光状態となり、放射線撮影などが行われる。フロント部材10とバック部材20とが分離・合体するときは、フロント部材10とバック部材20とが相対的に平面同士が離れまた近づくようにして分離しまた合体する。従って、合体したとき、フロント部材10とバック部材20の全面にわたり、近接した状態を再現でき、遮光状態を維持できる。
【0031】
次に、図3、図4を参照してカセッテ1のロック機構について説明する。フロント部材10とバック部材20を合体した状態に保つために、カセッテ1はロック機構を備える。カセッテ1のロック機構として、フロント部材10には、ロック爪用の複数の切り込み15(図4(F)、(H))が形成され、また、バック部材20には、被係止部としての複数のロック爪を備えた第1の連結部材35と第2の連結部材36とピニオン37とを備える。
【0032】
図3(A)のように、第1の連結部材35は、第1横部材35aと、第1横部材35aの中央やや右側からバック部材20の長手方向内側に向かって突出した第1中部材35bと、第1横部材35aの左端部からバック部材20の長手方向内向きに突出した第1左部材35cと、を有する。
【0033】
また、第2の連結部材36は、第2横部材36aと、第2横部材36aの中央やや左側から第1中部材35bと反対側に突出した第2中部材36bと、第2横部材35aの右端部からバック部材20の長手方向内向きに突出した第2左部材36cと、を有している。
【0034】
第1中部材35bの先端部と第2中部材36bの先端部とは、バック部材20のほぼ中央に備えられているピニオン37を挟んで対向し、それぞれの先端側面に設けられたラック部35B、36Bが、ピニオン37と噛合することにより、第1の連結部材35と第2の連結部材36とがピニオン37を介し連結される。
【0035】
また、第1の連結部材35の第1横部材35aの各端部近傍にバック部材側面部211から突出するように被係止部としてのロック爪30a、30bが備えられている。さらに、第1左部材35cの側面外側向きにスライド部材としてのロック爪32aが備えられている。
【0036】
また、図3(A)のように、一端が第1の連結部材35に固定され、他端がバック部材側面部211の内面側に固定されたコイルばね38aが2本設けられている。このコイルばね38aにより、第1の連結部材35は常に矢印Q1方向に移動しようとする付勢力を受けている。
【0037】
また、第1の連結部材35と挿入孔34が形成されたバック部材側面部211との間にはプッシュラッチ部39が設けられている。プッシュラッチ部39は、図1(B)、図3(A)のようにバック部材側面部211から突き出たスライド板50を有し、また、ばね(図示省略)により常に矢印Q1方向に付勢力を受けている。
【0038】
また、第2の連結部材36における第2横部材36aの端部近傍にバック部材側面部211から突出するように被係止部としての被係止部としてのロック爪30c、30dが備えられている。さらに、第2右部材36cの側面外側向きにスライド部材としてのロック爪32bが備えられている。
【0039】
本実施の形態では、第1の連結部材35に設けられたロック爪30a、30b、32aは連動し、一方、第2の連結部材36に設けられたロック爪30c、30d、32bは連動する。さらに、第1の連結部材35と第2の連結部材36とは、それぞれに設けられたラック部35B、36Bと、ピニオン37との動作により連動するので、すべてのロック爪30a、30b、30c、30d、32a、32b、は連動する。
【0040】
本実施の形態におけるカセッテ1では、フロント部材10とバック部材20との合体時にフロント部材10の切り欠き部14がバック部材20の挿入孔34に対応する位置関係にあり、切り欠き部14で挿入部材を挿入してスライド板50をスライドさせてプッシュラッチ部39をプッシュする度に、ロック機構の状態(ロックオン状態/ロックオフ状態)が切り替わる方式(プッシュラッチ方式)を採用している。プッシュラッチ方式は、ボールペンの芯をボールペン外装から出し入れする時に用いられる機構としてよく知られている。
【0041】
次に、前述のロック機構による、ロックオン/オフ動作について図3及び図4を参照して説明する。
【0042】
ロックオン状態は、被係止部であるロック爪30a、30b、30c、30dの先端が、バック部材側面部211の開口部31a、31b、31c、31dより外側に突出し、フロント部材10のフレーム前面部114と傾斜面部112の内向面113の間に突入した図4(A)の状態である。このとき、プッシュラッチ部39はバック部材側面部211と接し、第1の連結部材35から離れた図4(B)の状態である。また、スライド部であるロック爪32a、32bは、フロント部材10のフレーム前面部114と傾斜面部112の内向面113の間に進入した図4(E)、(F)の状態である。
【0043】
このようなロックオン状態のときに、切り欠き部14から挿入部材を矢印方向Pへ1回だけ挿入し、プッシュラッチ部39のスライド板50を押圧すると、プッシュラッチ部39が第1の連結部材35を矢印方向Q2に押し込む。そして、第1の連結部材35が矢印方向Q2へ所定の距離だけ移動してプッシュラッチ部39は停止し、図4(D)の状態となる。このとき、第1の連結部材35のロック爪30a、30bの先端がバック部材側面部211より内側に入り込んだ図4(C)の状態となる。この図4(C)、(D)の状態がロック機構のロックオフ状態である。
【0044】
また、第1の連結部材35が矢印Q2の方向へ移動すると、第2の連結部材36も矢印R2の方向へ同じ距離だけ移動して停止するので、第2の連結部材36のロック爪30c、30dの先端がバック部材側面部211より内側に入り込んだ図4(C)のロックオフ状態となる。
【0045】
このとき、連結部材35のロック爪32a、連結部材36のロック爪32bも連動して矢印Q2の方向へ同じ距離だけ開口部33a、33bの中を移動して停止し、図4(G)、(H)の状態となる。この状態では、ロック爪32a、32bと、切り込み15(フレーム後面部111とフレーム傾斜面部112に設けられた開口)との位置が合っているので、ロック爪32a、32bが切り込み15から抜け出ることができる。即ち、バック部材20がフロント部材10から分離できる状態である。この図4(G)、(H)の状態がロック機構のロックオフ状態である。
【0046】
上述の図4(C)、(D)、(G)、(H)のようなロック機構のロックオフ状態でフロント部材10とバック部材20が分離可能な状態となり、プッシュラッチ部39を押圧させない限り、このロックオフ状態は継続し維持される。
【0047】
また、図4(C)、(D)のロックオフ状態の時に、挿入部材が切り欠き部14を通してプッシュラッチ部39のスライド板50を押圧すると、プッシュラッチ部39が矢印Q1方向へ戻る。第1の連結部材35が矢印Q1の方向へ所定の距離だけ移動して停止し、図4(B)の状態となる。このとき、ロック爪30a、30bの先端は開口部31a、31bより外側に突出し、フロント部材10のフレーム前面部114と傾斜面部112の内向面113の間に突入し、図4(A)のロックオン状態となる。このとき、ロック爪32a、32bも連動して矢印Q1の方向へ同じ距離だけ開口部33a、33bの中を移動して停止し、図4(E)、(F)のようにロックオン状態となる。
【0048】
また、第1の連結部材35が矢印Q1の方向へ移動すると、第2の連結部材36も矢印R1の方向へ同じ距離だけ移動して停止し、ロック爪30c、30dの先端が開口部31c、31dより外側に突出し、フロント部材10のフレーム前面部114と傾斜面部112の内向面113の間に突入し、図4(A)のロックオン状態となる。このようにして、フロント部材10にバック部材20が係止し固定され、プッシュラッチ部39を押圧させない限り、このロックオン状態は継続し維持される。
【0049】
上述のように、カセッテ1は、ロックオン状態/ロックオフ状態が1回押す度に切り替わるプッシュラッチ機構によりフロント部材10にバック部材20がロックされた状態と分離可能な状態との切り替えが簡単に可能となる。また、プッシュラッチ機構によりカセッテ1のロック機構をロックオフ状態とし、フロント部材10とバック部材20とを後述のカセッテ読取処理装置内で分離し、蓄積性蛍光体プレート28が露出され、蓄積性蛍光体プレート28に蓄積され記録された放射線画像情報を読み取ることができる。
【0050】
〈遮光構造〉
【0051】
次に、上述の放射線画像撮影用カセッテ1の遮光構造について説明する。
【0052】
図5は本実施の形態による遮光構造を説明するための放射線画像撮影用カセッテのバック部材の内面図(図3(A)と対応する)である。図6は図5の破線AAに対応するカセッテの要部断面を示す側断面図(A)、図5の破線BBに対応するカセッテの要部断面を示す側断面図(B)、及び図5の破線CCに対応するカセッテの要部断面を示す側断面図(C)である。
【0053】
上述のカセッテ1では、図2(A)のように、バック部材20とフロント部材10とを組み合わせたとき、本実施の形態では、外光が蓄積性蛍光体プレート28へ到達しないように次のようにして遮光を行っている。
【0054】
図5のハッチング及び図6(A)〜(C)のように、カセッテ1のバック部材20内の蓄積性蛍光体プレート28の受容体を構成するバック部材後面部210には、密閉補助部材81がその外周に沿ってほぼ全周にわたって設けられている。密閉補助部材81は蓄積性蛍光体プレート28の裏面28bにその外周端部において当接している。また、密閉補助部材81の更に外周に遮光のための遮光部82が密閉補助部材81と対応してほぼ全周にわたって凸状に設けられている。凸状の遮光部82はフロント部材10の外周内面側のほぼ全周にわたって設けられた当接部80と当接することで、カセッテ1内の蓄積性蛍光体プレート28とフロント部材10の前面板13との間の空間Wを遮光する。
【0055】
なお、遮光部82は、蓄積性蛍光体プレート28の受容体・受容部を構成するバック部材後面部210と複数のリブ214等とともに一体成形で形成できる。また、密閉補助部材81は、不織布または発泡材から構成でき、発泡材の場合は独立気泡タイプが好ましい。
【0056】
図6(A)〜(C)のように、蓄積性蛍光体プレート28の蓄積性蛍光体層28aの表面は封止部材28bにより覆われて封止されている。蓄積性蛍光体プレート28の外周端部では封止部材28bが蓄積性蛍光体層28aの端部から延びて支持板27の端部27aに融着等により接着されている。これにより、蓄積性蛍光体プレート28は封止構造に構成され、内部の蓄積性蛍光体層28aは空気中の水分を吸収し難くなっており、蓄積性蛍光体層28aの感度低下・劣化を防止する。
【0057】
上述の図6(A)〜(C)のように、フロント部材10とバック部材20が合体しカセッテ1を構成したとき、バック部材20側の凸状の遮光部82とフロント部材10側の当接部80との当接・係合で形成される遮光構造により、カセッテ1の空間Wは遮光され遮光用の閉じた領域を形成するので、外部からの光が蓄積性蛍光体プレート28の蓄積性蛍光体層28aに到達しない。このように、本実施の形態では、図2(A)のようなインロー構造によらずに、内部に収容された蓄積性蛍光体プレート28の蓄積性蛍光体層28aを遮光することができる。このため、比較的幅サイズを要するインロー構造に対し、カセッテ1内の遮光構造について省スペース化を実現できる。
【0058】
図6(A)〜(C)のように、蓄積性蛍光体プレート28は蓄積性蛍光体層28aの吸湿防止のため蓄積性蛍光体層28aの表面を封止部材28bで覆うことで封止する封止構造を有し、かかる封止構造によると、蓄積性蛍光体プレート28の外周端部において支持板27の端部27aでの封止部材28bの端部長さxが融着等の接着のためにある程度長く必要であるが、本実施の形態では、インロー構造よりも省スペース化を実現した遮光構造であるので、封止構造のために蓄積性蛍光体プレート28全体のサイズが制限されても、遮光構造の省スペース化により蓄積性蛍光体プレート28の画像記録領域を充分に確保できる。
【0059】
また、カセッテの厚さ方向において、凸状の遮光部82と当接するフレーム部材11内の当接部80の当接面とフロント部材10の前面板13との距離は、蓄積性蛍光体層28aの表面とフロント部材10の前面板13との距離よりも離れていることが好ましい。
【0060】
また、カセッテ1では、バック部材後面部210の密閉補助部材81が蓄積性蛍光体プレート28の裏面28bに当接するとともに、フロント部材10の外周内面側の当接部80に当接する遮光部82と協働してカセッテ1内の蓄積性蛍光体プレート28とフロント部材10の前面板13との間の空間Wを略密閉する密閉構造が構成されている。
【0061】
上述の略密閉構造により、カセッテ1の空間Wは、可動部であるロック爪30a、30b、30c、30d、32a、32b及びスライド板50の近傍においてほぼ密閉されている。従って、図6(B)、(C)のように、人皮、塵等の異物が方向mに開口部31a、31b、31c、31d、33a、33b及び挿入孔34から進入しようとしても、上記密閉構造によりカセッテ1の内部空間Wに進入できない。このようにして、カセッテ1の内部空間Wヘの人皮、塵等の異物の進入を防止できるので、蓄積性蛍光体層28aの表面の傷付きを未然に防止でき、また、異物による画質劣化を防止できるので、撮影不良による再撮影を減らすことができる。
【0062】
また、図6(A)のようにロック機構のプッシュラッチ部39が蓄積性蛍光体プレート28よりもバック部材後面部210に位置し、また図6(C)のようにロック爪32bが蓄積性蛍光体プレート28よりもバック部材後面部210に位置しているので、各ロック爪等を通して異物が進入しても密閉補助部材81により蓄積性蛍光体層28aの表面側への進入を効果的に抑えることができる。
【0063】
従来のカセッテでは図7のように、人皮、塵等の異物が方向nに開口部を通してカセッテの内部空間W’に容易に進入してしまい、蓄積性蛍光体シートの表面を傷付けてしまい、蓄積性蛍光体シートの交換が必要になってしまっていたが、本実施の形態のカセッテ1では蓄積性蛍光体層28aの表面の傷付きを防止できるので、比較的高価な蓄積性蛍光体プレート28を比較的長期間使用することができ、交換期間が長くなり、コスト的に有利である。
【0064】
次に、上述の放射線画像撮影用カセッテ1を取り込んでフロント部材10とバック部材20とを完全に分離し、放射線撮影により蓄積性蛍光体プレート28に蓄積し記録された放射線画像を読み取るカセッテ読取処理装置について図8、図9を参照して説明する。
【0065】
図8はカセッテ読取処理装置の概略的構成を示す側面図、図9は図8のカセッテ読取処理装置の概略的な平面図である。
【0066】
図8に示すように、装置本体2は、カセッテ1の挿入口3と、カセッテ1の排出口4と、カセッテ挿入排出部2a及び搬送読取部2bの2つのユニットと、を備える。カセッテ挿入排出部2aは、搬送読取部2bから簡単に取り外し可能な構造になっている。また、搬送読取部2bとカセッテ挿入排出部2aとの間には防振ゴム73が配してあり、カセッテ挿入または排出時の振動が搬送読取部2bへ伝わり難い防振構造となっている。
【0067】
また、搬送読取部2b内の副走査部500とカセッテの回動搬送部40は、同一の基板710上に構築されている。この基板710と底板700の間に防振ゴム720を配置することで、カセッテ挿入排出部2aの振動を副走査部500に伝搬させない防振構造を実現している。また、副走査部500の上端と図示しない装置フレームの間は、防振ゴム74が配してあり、副走査部500に対する防振構造を強化している。
【0068】
このような防振構造により、搬送読取部2bで蓄積性蛍光体プレート28から画像情報を読み取っている最中に、挿入口3へカセッテを挿入したり、排出口4からカセッテを取り出したり、装置本体2を振動させたりしても、読み取った画像情報中に振動によるノイズが生じるのを防止できる。また、副走査部500と回動搬送部40が同じ基板710上に構築されているので、回動搬送部40から副走査部500へバック部材20を受け渡す際に、受け渡し位置がぶれることが無い。これにより、フロント部材10とバック部材20の分離・合体作業が安定的に精度良く実施できる。
【0069】
次に、カセッテ読取処理装置の構成及び動作について説明する。なお、カセッテ1は半切サイズのカセッテを想定しているが、これに限定されるものではなく、複数サイズのカセッテから画像読取処理を行うことができる。
【0070】
放射線画像撮影が行われた蓄積性蛍光体プレート28が収容されたカセッテ1を図8のように、矢印A1の方向で挿入口3へ挿入する。このとき、カセッテ1の図1の切り欠き部14及び挿入孔34が下側になり、かつ、フロント部材10の前面板13が斜め下側を向くように挿入する。即ち、蓄積性蛍光体プレート28の読み取り面が斜め下側を向くように挿入する。カセッテ1が挿入口3に挿入されると、カセッテ検出センサ(図示省略)によってカセッテ1の存在が認識され、バック部材20の外面の貼付されたコード記憶素子とコード読取部45の位置が合致し、コード記憶素子に記録されているコードがコード読取部45によって読み取られる。
【0071】
コード読取部45がコードを正確に読みとると、読み取られたコードからカセッテサイズを検出し、回動搬送部40の幅をカセッテサイズに合わせて調整を開始する。即ち、図7の幅寄せ部401a、401bが矢印Mの方向にカセッテ1のサイズに合わせて移動を開始する。
【0072】
次に、挿入ローラ42を動作させてカセッテ1を点線aに沿って矢印A2の方向に装置本体2の中ヘ取り込む。回動搬送部40は、挿入ローラ42が動作した時点には、既に点線aの位置に待機しており、挿入口3から挿入ローラ42によって搬入されるカセッテ1を受け取る。昇降台402(回動搬送部40に沿って動作する)上のカセッテグリップ402a、402bがカセッテ1の下端をキャッチすると、昇降台402は回動搬送部40に沿って矢印A2の方向へカセッテ1を搬送し、図9のようにカセッテ1の上端が矢印Zで示される位置で停止するように制御される。この搬送のとき、カセッテ1の下向きの面はガイド部430によってガイドされ支持される。
【0073】
カセッテ1が矢印Zで示される位置で停止すると、グリップ爪403a、403bの先端が、図1の両フロント部材側面110上に存在するグリップ用凹部16aの窪みに挿入され、回動搬送部40に対してフロント部材10を固定し保持状態にする。
【0074】
回動搬送部40は、回転軸404を有し、この回転軸404を回転中心として、少なくとも点線aから点線cの範囲を自由に回動することができる。カセッテ1が回動搬送部40によって装置本体2の内部に取り込まれると、回動搬送部40は、モータ(図示省略)等で回転軸404を中心に回動することで、図8の点線aの位置から矢印A3の方向に点線cの位置まで回動する。
【0075】
回動搬送部40が図8の点線cの位置まで回動すると、磁性体を有するカセッテ1のバック部材20の外面が磁石540に当接し、更に回動搬送部40がカセッテ1を所定量回動させる。これにより、カセッテ1はガイド部材430及び弾性部材430aを介してフロント部材10側からバック部材20側に向け磁石540に押し付けられることで、バック部材20が磁石540に吸着され確実に保持される。また、バック部材20は、適度な柔軟性を有しているので、磁石540の平面に吸着されたときにその平面性がその磁石540の平面性に従う。上述のように、装置側の磁石540の平面にカセッテ1のバック部材20を倣わし平面的に密着させることで、副走査時の物像間距離を確実に維持できる。
【0076】
昇降台402には、カセッテ1のロック機構をオン/オフするためのロックピン(挿入部材)402cが配置してあり、ロックピン402cが上下運動することによって、カセッテ1のロック機構をオン/オフすることができる。また、カセッテ1の上端(上側基準位置Z)は、副走査時にカセッテ1の上端もしくは側端を検出する目的で、カセッテ1の上端が副走査部500の副走査移動板530よりも上側に突出するように構成されている。
【0077】
バック部材20が磁石540に吸着されると、昇降台402内に収納されていたロックピン402cが上昇し、図1のフロント部材10の切り欠き部14を通してバック部材20の挿入孔34にロックピン402cの先端が挿入される(図9参照)。この動作により、ロックオン状態にあったカセッテ1のロックが解除され、ロックオフ状態に移行する。即ち、バック部材20とフロント部材10が分離可能な状態となる。カセッテ1がロックオフ状態に移行すると、ロックピン402cが下降し、再び昇降台402内に収納される。
【0078】
カセッテ1のロックが解除され、ロックオフ状態に移行すると、回動搬送部40は矢印A6の方向へ回動して例えば図8の点線bの待避位置で停止する。この操作により、バック部材20とフロント部材10を完全に分離する。
【0079】
バック部材20とフロント部材10を完全に分離し、回動搬送部40が待避位置で停止し、フロント部材10をバック部材20から十分な角度で待避させることで、バック部材20が副走査動作した時に、バック部材20とフロント部材10とが干渉することを防止することができる。
【0080】
上述のように、バック部材20がフロント部材10から完全に分離されると、駆動部(図示省略)が作動し、バック部材20が矢印A4の方向(上方向)へ搬送(副走査)される。この副走査の動作中に、蓄積性蛍光体プレート28がレーザ走査ユニット121から射出されるレーザ光Bによって副走査方向と垂直な方向に主走査される。
【0081】
蓄積性蛍光体プレート28にレーザ光が作用すると、蓄積性蛍光体プレート28に蓄積された放射線エネルギーに比例した輝尽光(画像情報)が放出され、この輝尽光が光ガイド122を通って集光管123に集められた後、フォトマルチプラーヤ等の光電変換素子(図示省略)により輝尽光を電気信号に変換する。電気信号に変換された輝尽光は、画像データとして所定の信号処理を施された後に別の装置である画像出力装置(図示せず)ヘ出力される。
【0082】
上述のようにして、蓄積性蛍光体プレート28から画像情報の読取りが完了すると、駆動部(図示省略)が、図8のようにバック部材20の矢印A5の方向(下方向)ヘの搬送を開始する。バック部材20が矢印A5の方向ヘ搬送されている間、消去手段124から消去光Eが発光され、蓄積性蛍光体プレート28に残存する画像情報を消去する。
【0083】
次に、バック部材20が、磁石540に受け渡された位置まで下降した時点で、駆動部(図示省略)は、副走査部500によるバック部材20の移動を停止する。バック部材20が、磁石540に受け渡された位置で停止すると、待避位置に待避していた回動搬送部40が、再び点線cの位置まで回動し、バック部材20とフロント部材10を合体させる。バック部材20とフロント部材10が合体すると、昇降台402内に収納されていたロックピン402cが上昇し、フロント部材10の切り欠き部14を通して挿入孔34にロックピン402cの先端が挿入される。この動作により、ロックオフ状態にあったカセッテ1にロックがかかり、ロックオン状態に移行する。バック部材20とフロント部材10が分離不可能な状態となる。カセッテ1がロックオン状態に移行すると、ロックピン402cが下降し、再び昇降台402内に収納される。
【0084】
上述のようにバック部材20とフロント部材10とが合体しロックオンとされたカセッテ1はバック部材20が磁石540に吸着された状態であるが、回動搬送部40が図6の矢印A6の方向に回動を開始し、磁石540による吸着力に抗してカセッテ1を磁石540から容易かつ撓みなく引き離すことができる。
【0085】
次に、カセッテ1を保持した回動搬送部40が点線bの位置まで回動して停止する。回動搬送部40が点線bの位置で停止すると、グリップ爪403a、403bによるフロント部材10の固定保持状態が解除され、カセッテ1が回動搬送部40上を搬送可能な状態となる。
【0086】
フロント部材10の固定保持状態が解除されると、昇降台402は回動搬送部40に沿って矢印A7の方向に排出口4へカセッテ1を搬送し、カセッテ1を排出ローラ43ヘ受け渡す。排出ローラ43は、カセッテ1を受け取ると、カセッテ1が排出口4ヘ完全に排出されるまで排出動作を行う。カセッテ1が排出口4へ完全に排出されると、回動搬送部40は、矢印A6の方向に点線aの位置まで回動して停止し、次のカセッテ1を受け取り可能な状態へと移行する。
【0087】
以上のようにして、図8、図9に示すカセッテ読取処理装置でカセッテ1内の蓄積性蛍光体プレート28を非接触方式で取り出して放射線画像情報の読み取りを行い、またカセッテ内に戻して再収納することができる。
【0088】
また、読取処理のためにカセッテ1をバック部材20側で磁石540に吸着させる際に、カセッテ1を磁石540に当接させて更に所定量回動させるので、バック部材20を磁石540に確実に吸着させ保持することができ、蓄積性蛍光体プレート28から画像情報の読取りのときの副走査時に物像間距離を保証できるので、画像が安定する。
【0089】
また、カセッテ1をバック部材20で磁石540に確実に保持できかつカセッテ1のフロント部材10とバック部材20とがロック爪により一体的に結合できるので、装置内でカセッテ位置が常に定まり、相対的にフリーになることがなく、カセッテ1を装置内で正確に位置決めできる。
【0090】
以上のようにして、カセッテ1を読取処理装置内に取り込んでフロント部材10からバック部材20を完全に分離し、放射線撮影により蓄積性蛍光体プレート28に蓄積し記録された放射線画像を読み取ることができる。
【0091】
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、蓄積性蛍光体プレート28の蓄積性蛍光体として、蒸着やスパッタリング等により形成される例えばCsX(Xは、Cl、BrまたはIを表す。)等の蒸着型の蓄積性蛍光体を用いることができるが、吸湿性が問題となる場合には、図6のように、蓄積性蛍光体プレート28を封止構造にすることが好ましい。
【0092】
また、封止構造にする場合、図6では、蓄積性蛍光体プレート28の蓄積性蛍光体層28aの表面を封止部材で覆い支持板27の端部で接着するようにしたが、蓄積性蛍光体プレート28全体を支持板27も含めて袋状の封止部材で覆うような封止構造にしてもよく、また、蓄積性蛍光体層28a全体を袋状の封止部材で覆い、その蓄積性蛍光体層28aを支持板27で支持するような封止構造としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】図1は本実施の形態による放射線画像撮影用カセッテのフロント部材(A)及びバック部材(B)が分離した状態を示す斜視図である。
【図2】図1のフロント部材とバック部材とが合体したカセッテの断面を模式的に示す断面図(A)及びカセッテ要部の拡大断面図(B)である。
【図3】図1のカセッテのロック機構を説明するためのバック部材の内面図(A)及び要部断面を示す側面図(B)である。
【図4】図3のロック機構の各状態(A)乃至(H)を示すカセッテの断面図である。
【図5】第2の実施の形態による放射線画像撮影用カセッテのバック部材の内面図である。
【図6】図5の破線AAに対応するカセッテの要部断面を示す側断面図(A)、図5の破線BBに対応するカセッテの要部断面を示す側断面図(B)、及び図5の破線CCに対応するカセッテの要部断面を示す側断面図(C)である。
【図7】従来のカセッテの図6(C)と対応する位置における要部断面を示す側断面図である。
【図8】図1の放射線画像撮影用カセッテ1から放射線画像を読み取ることのできるカセッテ読取処理装置の概略的構成を示す側面図である。
【図9】図8のカセッテ読取処理装置の概略的な平面図である。
【図10】従来の2分割タイプカセッテの要部断面図である。
【符号の説明】
【0094】
1 放射線画像撮影用カセッテ、カセッテ
10 フロント部材
11 フレーム部材(枠体)
13 前面板(放射線透過部材)
20 バック部材
28 蓄積性蛍光体プレート(記録プレート)
28a 蓄積性蛍光体層
28b 封止部材
30a、30b、30c、30d、32a、32b ロック爪
50 スライド板
31a、31b、31c、31d、33a、33b 開口部
34 挿入孔
80 当接部
81 密閉補助部材
82 遮光部(係合凸部)
210 バック部材後面部(受容体、受容部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロント部材とバック部材で矩形状の記録プレートを収容しかつ前記フロント部材と前記バック部材を離脱可能に構成したカセッテであって、
前記フロント部材は、放射線を透過させる放射線透過部材と、前記放射線透過部材を保持する矩形状の枠体と、を有し、
前記バック部材は、前記記録プレートを内包する矩形状の受容体を有し、
前記受容体は、前記フロント部材と前記バック部材が合体したとき、前記枠体の前記記録プレート側内面の当接面に当接して遮光用の閉じた領域を形成することが可能な係合凸部を有することを特徴とするカセッテ。
【請求項2】
前記バック部材は前記記録プレートを受容する受容部及び前記係合凸部が一体的に成形されていることを特徴とする請求項1に記載のカセッテ。
【請求項3】
前記当接面と前記フロント部材の内面とのカセッテ厚さ方向の距離は、前記記録プレートの記録面と前記フロント部材の内面とのカセッテ厚さ方向の距離よりも離れていることを特徴とする請求項1または2に記載のカセッテ。
【請求項4】
前記記録プレートの記録面の反対面に前記係合凸部に当接する可撓性の補助部材が設けられていることを特徴とする請求項1,2または3に記載のカセッテ。
【請求項5】
前記フロント部材と前記バック部材をロックするロック爪及び前記ロック爪の受け用開口を有し、前記係合凸部及び前記補助部材は、前記ロック爪及び前記ロック爪の受け用開口よりも前記フロント部材に近いことを特徴とする請求項4に記載のカセッテ。
【請求項6】
前記記録プレートは少なくとも前記記録面が封止部材により封止されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカセッテ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−3483(P2006−3483A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177808(P2004−177808)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】