Array ( [harmful] => 0 [next] => Array ( [id] => A,2010-526804 [meishou] => 5−HTP併用療法 ) [prev] => Array ( [id] => A,2010-526802 [meishou] => ケラチン反応性ポリマー構造体、その合成及び使用 ) ) カチオン光開始剤用増感剤

カチオン光開始剤用増感剤

少なくとも2つの共役芳香族環を有し、その少なくとも1つは環状カルボネート基を含む置換基を有する、多環式芳香族化合物はカチオン性光開始剤、特にはードニウム化合物の増感剤として使用できる。またカチオン開始放射線硬化可能な組成物、特には印刷インキおよびワニスのようなコーティング組成物のモノマーとしても機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一連の新規な化合物に関する。本発明の化合物はカチオン性光開始剤、特にはヨードニウム化合物の増感剤として使用されることができ、また組成物、特にはコーティング組成物中のモノマーとして使用されることができる。該組成物としては、たとえばカチオン性機構を介してエネルギー硬化可能な、たとえばUV硬化可能な印刷インキまたはワニスがあげられる。
【0002】
アントラセン、ナフタレンおよびそれらの誘導体のような多環式芳香族化合物は、エポキシド類のカチオン性開環重合中のヨードニウム光開始剤の増感剤としての使用が長く知られている(例えば米国特許6313188、EP 0927726、WO 2006/073021、米国特許4997717、米国特許6593388およびWO 03/076491を参照)。しかしながら、それらの性質のため、これらの化合物は重合反応に参加せず、したがって、最終生成物において未反応のまま残される。それらが表面へ移動し、ポリマーなどに接する物質を汚染する場合があるので、これは不適当であると一般に考えられている。
【0003】
我々の同時継続するPCT出願WO 2006/093678において、我々はある種の多官能性環状カルボネート、すなわち開環重合プロセスへ参加できる2つ以上の環式カルボネート基を有する化合物が、そのような組成物中でモノマーとして使用でき、これが得られる組成物の優れた硬化に結びつくことを開示している。
【0004】
WO 93/22451は、ナフタレン官能性を有する環式カルボネート構造に基づいた、エナンチオマ的に純粋なβ−遮断薬先駆物質化合物の合成を開示する。
【0005】
GB 1107845は、病害虫防除物質として有用な環式カルボネート基を有するジヒドロナフタレンの誘導体を開示する。
【0006】
米国特許3184503、米国特許3168525および米国特許3042679は、アミノアルコールおよびそれらの対応するベータハロアミン類またはカーバメート類の合成に有用な中間体として、5−置換オキサゾリドン類の合成を記載する。オキサゾリドン置換基は、ナフタレンのような芳香族化合物を含むことができる。
【0007】
JP100045743は、多数の環式カルボネート基を有するカリキサレーンの合成を記述する。
【0008】
我々は、多環式芳香族化合物へ置換基として環式カルボネート基を導入すると、カチオン性光開始剤(特にヨードニウム化合物)用の増感剤として作用するだけではなく、重合反応に参加し、最終的に得られるポリマー内に化学的に組み込まれる一連の新規な化合物が得られることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、少なくとも2つの共役芳香族環を有し、その少なくとも1つは、環式カルボネート基を含む置換基を有している多環式の芳香族化合物に関する。
【0010】
本発明はさらに、カチオン性光開始剤、特にはヨードニウム化合物、および少なくとも2つの共役芳香族環を有し、その少なくとも1つは環式カルボネート基を含む置換基を有している多環式の芳香族化合物を含む組成物を提供する。
【0011】
本発明は、カチオン性光開始剤、特にはヨードニウム化合物、少なくとも2つの共役芳香族環を有し、その少なくとも1つは環式カルボネート基を含む置換基を有している多環式の芳香族化合物、およびカチオン重合可能なモノマーまたはオリゴマーを含む、カチオン硬化可能な組成物を提供する。
【0012】
本発明で使用される多官能性環式カルボネート化合物の好ましいクラスは、式(I)の化合物を含む:
【0013】
【化1】

【0014】
式中:
Qは、少なくとも2つの共役芳香族環を有し、価数xを有している多環式の芳香族化合物の残基を表わす;
Yは、1つ以上の酸素原子、硫黄原子、フェニレン基、カルボニル基、エポキシド基を途中に有することができる脂肪族の炭素鎖、または直鎖もしくは環式カルボネート基である;
pは0または1である;
とRは互いに同じか相違することができ、それぞれ水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、またはYの炭素原子に結合して縮合環を形成するC−C炭素鎖である;
は水素原子またはアルキル基を表わす;
また、mとnは互いに同じか相違することができ、それぞれ0または1から4であり、(m+n)は0または1から4の数である。
【0015】
式(I)の化合物では、Qは、価数x、好ましくは2から4の価数を有する多環式芳香族化合物、好ましくは多価の多環式芳香族化合物の残基である。残基がQで表わされることができる化合物の例としては、ビフェニル、アントラセン、ナフタレン、ペンタレン、インデン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、フルオランスレン、アセフェナンスリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、ヘキサフェン、ヘキサセン、ルビセン、コロネン、トリナフスレン、ヘプタフェン、ヘプタセン、ピランスレンおよびオバレンがあげられる。これらのうち、ナフタレンおよびアントラセンが好ましい。
【0016】
芳香族性が複数の芳香族環にわたって伸びていれば、化合物Qの芳香族環は、縮合環であっても、あるいは1つ以上の結合によって単に連結されたものでもよい。環式カルボネート基の価数xは、好ましくは2である。
【0017】
Qによって表わされる基は、カルボネート含有基以外の基によって置換されていないことができ、あるいはさらに異なる置換基で置換されることができる。カチオン重合を妨害することが当該技術分野において公知である置換基以外であれば、置換基の性質に特別の制限はない。例としては、たとえば以下においてRに関して例示されるアルキル基、アルコキシ基、たとえばメトキシ基、エトキシ基、プロボキシ基またはブトキシ基、および脂肪酸基、たとえばカルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、およびカルボキシブチル基、またはそれらのエステル化された基があげられる。
【0018】
Yが存在する場合、それは1つ以上の酸素原子、硫黄原子、フェニレン基、カルボニル基、エポキシド基を途中に有する脂肪族の炭素鎖、または直鎖もしくは環式のカルボネート基である。それは、好ましくは脂肪族鎖中に1から20の原子が含まれる。
【0019】
これらの化合物のうち、式(Ia)を有する化合物が好ましい:
【0020】
【化2】

【0021】
式中、R、R、n、mおよびQは先に定義されたとおりである。また、Yは1から3の炭素原子を有する脂肪族の基であり、好ましくは1から3の炭素原子を有するアルキレン基を表わす。より好ましくは、Yはメチレン基を表わす。
【0022】
本発明の化合物の特に好ましいクラスは、式(I)または式(Ia)において:Qがアントラセンまたはナフタレン環システムの残基を表わし、それは置換されていないか、または少なくとも1つのアルキル基(例えばC−Cアルキル、特にエチル)を置換基として有し;m+n=1;R、RまたはR[式(I)]はすべて水素原子を表わし;Y[式(I)]はY−(O)であり;Yは、1から3の炭素原子を有するアルキレン基、より好ましくはメチレン基を表す。
【0023】
式(I)および式(II)の化合物において、R、R、RまたはRはアルキル基を表わし、これは直鎖または分岐鎖であることができ、1から20、より好ましくは1から10、さらにより好ましくは1から6、最も好ましくは1から3の炭素原子を有し、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、2−メチルブチル、1−エチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、ペンタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびイコシルがあげられ、好ましくはメチル、エチル、プロピルおよびt−ブチルであり、そして最も好ましくはメチルまたはエチルである。
【0024】
、R、RまたはRがヒドロキシアルキル基を表わす場合、これは1から6、好ましくは1から4の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖であることができ、たとえばヒドロキシメチル、1−もしくは2−ヒドロキシエチル、1−、2−もしくは3−ヒドロキシプロピル、1−もしくは2−ヒドロキシ−2−メチルエチル、1−、2−、3−もしくは4−ヒドロキシブチル、1−、2−、3−、4−もしくは5−ヒドロキシペンチル、1−、2−、3−、4−、5−もしくは6−ヒドロキシヘキシル基である。これらのうち、1から4の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、好ましくはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピルおよび4−ヒドロキシブチルが好ましく、最も好ましくはヒドロキシメチルである。R、R、RまたはRがアルコキシアルキル基を表わす場合、アルコキシおよびアルキル部分は両方とも好ましくは1から6つ炭素原子を有し、たとえばメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、2−メトキシプロピルおよび4−エトキシブチルである。
【0025】
、R、RまたはRがアルコキシカルボニルアルキル基を表わす場合、アルコキシおよびアルキル部分は両方とも好ましくは1から6つ炭素原子を有し、たとえばメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニルエチル、3−メトキシカルボニルプロピル、2−メトキシカルボニルプロピルおよび4−エトキシカルボニルブチルである。
【0026】
式(I)において、RまたはRが、Yの炭素原子と共に縮合環を形成する炭素鎖である場合、これは2から5の炭素原子を有することができ、例えばジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、またはペンチメチレン基であることができる。
【0027】
本発明で使用される好ましい多官能性環式カルボネートの例としては、以下の式の化合物があげられる:
【0028】
【化3】

【0029】
【化4】

【0030】
多環式の芳香族のカルボネート化合物が単純に増感剤として使用される場合、光開始剤および他の反応物に依存して正確な量は広汎に変化することがあるが、好ましくは全体の組成物の0.5から3重量%で含まれる。多環式の芳香族カルボネート化合物がモノマー成分である場合、使用される量に特別の制限はない。しかしそのような化合物は通常ホモポリマーを形成しないので、それらが唯一のモノマー成分でないことが好ましく、一般に重合可能な成分の50%以下であるべきである。この場合、使用される量は、組成物の重合可能な成分の合計の、1から50重量%、より好ましくは10から30重量%、および最も好ましくは15から25重量%である。
【0031】
5員環の環式カルボネートは、工業的に容易に製造することができ、たとえばエポキシド基への二酸化炭素の挿入または他の公知の方法で製造できる。
【0032】
本発明の組成物で使用される好ましい共重合可能なモノマーまたはオリゴマーとしては、エポキシド類、オキセタン類、およびそれらの硫黄類似体、特にはエポキシド類および/またはオキセタン類、特には脂環式エポキシドが好ましい。
【0033】
使用されることができる典型的なエポキシド類としては、脂環式エポキシド類(たとえばCytecからCyracure UVR6105、UVR6107、UVR6110およびUvacure 1500として販売されているもの)、および脂環式エポキシシリコーン物質、たとえばジーイー バイエル シリコーンズ/モーメンティブ(GE Bayer silicones/Momentive)により販売されているものがあげられ、これらは当業者にはよく知られている。
【0034】
使用されることができる他のエポキシド類としては、たとえば、ジ−、トリ−、テトラ−、またはヘキサ官能性であるポリオール[ビスフェノールA、アルキルジオールまたはポリ(アルキレンオキサイド)]のグリシジルエーテルのようなエポキシ官能性オリゴマー/モノマーがあげられる。さらに、不飽和物質のエポキシ化によって誘導されるエポキシド類(例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、またはエポキシ化アルケン)も使用されてもよい。天然由来のエポキシド類、たとえばバーノニア ガラメンシス(Vernonia galamensis)から採取された穀物油を使用してもよい。
【0035】
好適なオキセタン類の例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチル−オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシル)オキシメチル オキセタン、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)メチル]エーテル、オキセタン官能性ノボラックポリマー、およびメチルシリコントリオキセタンがあげられる。
【0036】
エポキシド類および任意のオキセタンとともに使用できる、他の反応性モノマー/オリゴマーとしては、ポリオールのビニルエーテル[たとえばトリエチレングリコール ジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサン ジメタノール ジビニルエーテル、およびポリ(アルキレンオキサイド)のビニルエーテル]があげられる。ビニルエーテル官能性プレポリマーの例としては、アライドシグナルにより提供されるウレタンベースの製品があげられる。同様に、プロペニルエーテル基を含むモノマー/オリゴマーは、上記のビニルエーテル基含有化合物に対応する化合物の代わりに使用されてもよい。
【0037】
他の反応的種としてはスチレン誘導体および環式エステル(たとえばラクトン類およびそれらの誘導体)を含むことができる。
【0038】
本発明の組成物はさらにカチオン性の光開始剤を含む。使用される特定のカチオン性光開始剤に特別の制限はない。当該技術分野で公知の任意のカチオン性光開始剤を使用することができる。そのようなカチオン性光開始剤の例としては、スルホニウム塩類(たとえばダウケミカルから販売される商品名UVI6992で利用可能な化合物の混合物)、チアンスレニウム塩類(たとえばLambertiから利用可能なEsacure 1187)、ヨードニウム塩類(たとえばIGMからのOmnicat 440、チバスペシァルティケミカルからのIrgacure 250、ローディアからのRhodorsil2074および2076、デューテロン(Deuteron)からのUV2257、およびゼネラルエレクトリックからのUV 9380c)、フェナシルスルホニウム塩並びにチオキサントニウム塩類、たとえばWO 03/072567 A1、WO 03/072568 A1およびWO 2004/055000 A1に開示されたものがあげられる。これらの開示は参照として本明細書の一部とされる。
【0039】
本発明の化合物がこれらの化合物への増感剤の役割をすることができるので、好ましい光開始剤はヨードニウム塩類である。
【0040】
本発明の組成物は、紫外線または電子ビームによる放射線により供給されるエネルギーにより硬化されることが意図される、印刷インキ、ワニス、接着剤、ペイントまたは他のコーティング組成物として配合されることができる。そのような組成物は、通常少なくとも重合可能なモノマー、プレポリマーまたはオリゴマー、並びにカチオン性光開始剤、並びに環式カルボネートを含み、さらに当業者に公知の他の成分、たとえば反応性希釈剤、および印刷インキまたはペイントの場合には顔料または染料を含むことができる。
【0041】
さらに、紫外線カチオン硬化可能な配合物中に、連鎖移動反応により硬化を促進する、ポリオールを含むことが一般的である。ポリオールの例としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジ−トリメチロールプロパン、ジ−ペンタエリスリトール、およびソルビタンエステルのようなエトキシル化/プロポキシル化誘導体、並びにより便利なポリ(エチレンオキシド)類およびポリ(プロピレンオキシド)類があげられる。当業者に公知の他のポリオールは、ポリカプロラクトンジオール、トリオールおよびテトラオール、たとえばソルベイ社によって供給されるものがあげられる。
【0042】
本発明のコーティング配合物の主成分と共に使用されることができる添加剤としては、安定剤、可塑剤、顔料、ワックス、滑り助剤、平滑化助剤、接着促進剤、界面活性剤および充填材があげられる。
【0043】
本発明の硬化可能な組成物の様々な成分の量は、広い範囲で変わることができ、一般に、本発明において決定的な要件ではない。しかしながら、好ましくは、重合可能な成分(つまりエポキシド、使用される場合にはオキセタン、使用される場合には他のモノマー、プレポリマーおよびオリゴマー)の量は、合計の組成物の40から90%であるべきである。1つまたは複数のエポキシドは、好ましくは本発明の組成物中の重合可能な成分の30から80%で含まれ、使用される場合にはオキセタン、好ましくは多官能性の1つまたは複数のオキセタンは本発明の組成物中の重合可能な成分の5から40%で含まれる。カチオン性光開始剤の量は、全組成物の重量に基づいて、通常1.0から10重量%、より好ましくは2.0から8重量%である。
【0044】
硬化可能な組成物の他の成分は、当業者に公知の量で含まれることができる。
【0045】
本発明の硬化可能な組成物は様々な種類のコーティング、たとえば保護コーティング、装飾コーティング、絶縁コーティング;リリース・コーティング;コイル・コーティング;ブライマー;ポッティング化合物;シーラント;接着剤;フォトレジスト;織物コーティング;およびラミネートなどの用途に好適である。本発明の組成物は、様々な基体、例えば金属、ゴム、プラスチック、木材、成形物、フィルム、紙、ガラス繊維布、コンクリートおよびセラミックスに適用されることができる。本発明の硬化可能な組成物は特には様々な印刷工程で使用されるインキとして有用であり、これらに限定されるものではないが、たとえばリソグラフィック印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷およびグラビア印刷において有用である。組成物は、インクジェット印刷に特に有用である。そのような印刷工程の詳細、およびそれらに必要とされるインキ特性の詳細は公知であり、例えばThe Printing Ink Manual,第5版、R.H.Leachら編集、1993年発行、Blueprint社に記載されている。この開示は参照され、本明細書の一部として組み込まれる。それらは接着剤、リリース・コーティングおよびプライマーとしても有用である。
【0046】
他の多くのインキ配合物と異なり、本発明のコーティング組成物は粘度を広い範囲で変化させることができ、フレキソ印刷およびインクジェット印刷プロセスに必要な比較的低い粘度から、リソグラフィック印刷およびワニスに必要な比較的高い粘度まで非常に広い範囲に変化させることができる。
【0047】
本発明の組成物がインキに使用される場合、それらは典型的には上記以外のさらなる成分、たとえば”The Printing Ink Manual”に記載されている1つまたは複数の顔料、ワックス、安定剤、流動助剤を含む。
【0048】
したがって、本発明はさらに硬化されたコーティング組成物を調製するプロセスであって、基体へ本発明の組成物を適用し、コーティングを硬化するのに十分な硬化用放射線にコーティングされた基体を暴露することを含むプロセスを提供する。
【0049】
本発明は、以下の非制限的な実施例によってさらに例証される。
【0050】
実施例1
【0051】
【化5】

【0052】
ナフタレンジグリシジルエーテル(大日本インキアンドケミカル社(日本)からのEPICLON HP−4032D)の50.74gおよびテトラブチル臭化アンモニウムの0.50gが、磁気撹拌機を備えた0.5リットルのParrの圧力反応器中で混合された。反応器は密封され、炭酸ガスにより室温でほぼ350psiの初期圧力へ反応器を加圧した。その後、反応器はほぼ150℃の温度に加熱された。温度/圧力プロフィールが完全にモニタされた。温度は150℃で一定に保持され、それ以上圧力の変化がないように見えた時、反応器は冷却され、圧力が解放された。生成物が反応器から取り除かれた。
ガラス質の固形物が58g得られた。
生成物はIRによって分析され、1790cm−1に非常に強いカルボネート・ピークを示した。
【0053】
実施例2
【0054】
【化6】

【0055】
9,10−ジグリシジルアントラセン(IGM Resins BV製)の12.05gおよびテトラブチル臭化アンモニウムの0.12gが、磁気撹拌機を備えた0.5リットルのParrの圧力反応器中で混合された。反応器は密封され、炭酸ガスにより室温でほぼ350psiの初期圧力へ反応器を加圧した。その後、反応器はほぼ150℃の温度に加熱された。温度/圧力プロフィールが完全にモニタされた。温度は150℃で一定に保持され、それ以上圧力の変化がないように見えた時、反応器は冷却され、圧力が解放された。生成物が反応器から取り除かれた。
明るい褐色の粉末が14.05g得られた。
生成物はIRによって分析され、1781cm−1に非常に強いカルボネート・ピークを示した。
【0056】
比較例1
【0057】
【化7】

【0058】
レゾルシノールジグリシジルエーテルの50.64gおよびテトラブチル臭化アンモニウムの0.50gが、磁気撹拌機を備えた0.5リットルのParrの圧力反応器中で混合された。反応器は密封され、炭酸ガスにより室温でほぼ350psiの初期圧力へ反応器を加圧した。その後、反応器はほぼ150℃の温度に加熱された。温度/圧力プロフィールが完全にモニタされた。温度は150℃で一定に保持され、それ以上圧力の変化がないように見えた時、反応器は冷却され、圧力が解放された。生成物が反応器から取り除かれた。
ガラス質の固形物が65g得られた。
生成物はIRによって分析され、1793cm−1に非常に強いカルボネート・ピークを示した。
【0059】
実施例3
ワニス配合物が以下に基づいて調製された。
Omnicat 440 光開始剤、IGM製 2.0%
Tegorad 2100 湿潤剤 TEGO製 0.1%
増感剤 2%
UVACURE 1500 脂環式エポキシド CYTEC製 95.9%
【0060】
増感剤を使用せずに、脂環式エポキシドをさらに2%加えた同様の配合物が調製された。すべての配合物はレネタ(Lenetta)チャート上にNo.0Kバーを使用して印刷され、半分の電力で作動させた300W/インチの中圧力水銀アーク灯の下で硬化された。タックのないコーティングが照射直後に得られる最大のライン速度についてテストされた。結果は表1に示される。
【0061】
【表1】


* 配合物は幾分かの不溶性物質を含んでいる
【0062】
これらの結果は、本発明の多環式の増感剤物質を、増感剤を含んでいない配合物に比較してカチオン性硬化コーティングの硬化速度を改善し、公知の市販の増感剤のITX(IGM resins BV製)、ジブトキシアントラセン(Kawasaki Kasei製)、Irgacure 184およびIrgacure 2959(チバ スペシャリティ ケミカルズ製)と等価な特性を得るために使用できることを示した。
【0063】
実施例4
黒色インク配合物が以下に基づいて調製された。
Omnicat 440 光開始剤 IGM製 2.0%
Special black 250 顔料 15.0%
OXT 221 ジオキセタンモノマー10.0%
Solsperse 32000 顔料分散物 1.25%
増感剤 2%
UVACURE 1500 脂環式エポキシド CYTEC製 69.75%
【0064】
増感剤を使用せずに、脂環式エポキシドをさらに2%加えた同様の配合物が調製された。すべての配合物が白いOPPプラスチック基体上に”エピソプルーフ(Easiproof)”手動のアニロックスコーターを使用して印刷され、半分の電力で作動させた300W/インチの中圧力水銀アーク灯の下で硬化された。タックのないコーティングが照射直後に得られる最大のライン速度についてテストされた。結果は表2に示される。
【0065】
【表2】

【0066】
これらの結果は、本発明の多環式の増感剤物質を、増感剤を含んでいない配合物または、Irgacure 184を使用した化合物に比較してカチオン性硬化コーティングの硬化速度を著しく改善し、公知の市販の増感剤のジブトキシアントラセン(Kawasaki Kasei製)と等価な特性を得るために使用できることを示した。
【0067】
実施例5
ワニス塗料が以下に基づいて調製された。
Omnicat 440 光開始剤 IGM製 1.0%
Tegorad 2100 湿潤剤 TEGO製 0.1%
実施例1 0―20%
UVACURE 1500 脂環式エポキシド CYTEC製 残部
【0068】
すべての配合物はレネタチャート上にNo.0Kバーを使用して印刷され、半分の電力で作動させた300W/インチの中圧力水銀アーク灯の下で硬化された。タックのないコーティングが照射直後に得られる最大のライン速度についてテストされた。結果は表3に示される。
【0069】
【表3】

【0070】
これらの結果は、実施例1のような本発明の多環式増感剤物質が、増感剤物質および反応性モノマーの両方として配合物内で機能できることを実証する。ジブトキシアントラセンのような非反応性の増感剤は、1−2%の量でのみ典型的に使用される。これらの結果は、本発明の反応性増感剤は非常に多量に使用することができ、ヨードニウム塩光開始剤の非常に低量においてさえ速い硬化を維持することを実証する。
【0071】
実施例6
白色フレキソ印刷インキが以下に基づいて調製された;
二酸化チタン(FINNITITAN RDI/S Kemira製)40.0%
UVACURE 1500 脂環式エポキシド CYTEC製 40.3%
プロピレンカーボネート 12%
Omnicat 440 光開始剤 IGM製 2%
増感剤 2%
Solsperse 32000 顔料分散剤溶液 2.5%
ポリエチレン・ワックス 1.2%
【0072】
増感剤を使用せずに、脂環式エポキシドをさらに2%加えた同様の配合物が調製された。すべての配合物はレネタチャート上にNo.0Kバーを使用して印刷され、半分の電力で作動させた300W/インチの中圧力水銀アーク灯の下で硬化された。UV照射の5秒後に親指ツイスト試験によりタックのないコーティングが得られる最大のライン速度についてテストされた。結果は表4に示される。
【0073】
【表4】

【0074】
結果は、白色フレキソインキ配合物の硬化速度を増加させるために環式カルボネート増感剤を使用できることを実証する。本発明の実施例1は硬化の際に着色または黄色化しないので、黄色化の問題のためにITXとジブトキシアントラセンの両者が適当ではない白色インキに容易に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの共役芳香族環を有し、その少なくとも1つは環状カルボネート基を含む置換基を有する、多環式芳香族化合物。
【請求項2】
以下の式(I)を有する請求項1記載の化合物:
【化1】


式中、
Qは、少なくとも2つの共役芳香族環を有し、価数xを有している多環式の芳香族化合物の残基を表わす;
Yは、1つ以上の酸素原子、硫黄原子、フェニレン基、カルボニル基、エポキシド基を途中に有することができる脂肪族の炭素鎖、または直鎖もしくは環式カルボネート基である;
pは0または1である;
とRは互いに同じか相違することができ、それぞれ水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、またはYの炭素原子に結合して縮合環を形成するC−C炭素鎖である;
は水素原子またはアルキル基を表わす;
また、mとnは互いに同じか相違することができ、それぞれ0または1から4であり、(m+n)は0または1から4の数である。
【請求項3】
以下の式(Ia)を有する請求項1記載の化合物:
【化2】


式中、
Qは、少なくとも2つの共役芳香族環を有し、価数xを有している多環式の芳香族化合物の残基を表わす;
とRは互いに同じか相違することができ、それぞれ水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、またはYの炭素原子に結合して縮合環を形成するC−C炭素鎖である;
mとnは互いに同じか相違することができ、それぞれ0または1から4であり、(m+n)は0または1から4の数である;
は1から3の炭素原子を有する脂肪族の基であり、好ましくは1から3の炭素原子を有するアルキレン基を表わす。
【請求項4】
はメチレン基を表す、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Qの共役芳香族環は縮合環である、請求項1から4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
共役芳香族環は、置換されるか置換されていないナフタレンまたはアントラセン環システムである、請求項1から5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
Qがアントラセンまたはナフタレン環システムの残基を表わし、それは置換されていないか、または少なくとも1つのアルキル置換基を有し;
m+n=1;
、RおよびRはすべて水素原子を表わし;
YはY−O−であり;
は、1から3の炭素原子を有するアルキレン基を表す、請求項2記載の化合物。
【請求項8】
Qがアントラセンまたはナフタレン環システムの残基を表わし、それは置換されていないか、または少なくとも1つのアルキル置換基を有し;
m+n=1;
およびRは両者とも水素原子を表わし;
は、1から3の炭素原子を有するアルキレン基を表す、請求項3記載の化合物。
【請求項9】
共役芳香族環がビフェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
以下の式を有する化合物:
【化3】

【請求項11】
以下の式を有する化合物:
【化4】

【請求項12】
カチオン性光開始剤および請求項1から11のいずれか1項記載の化合物を含む組成物。
【請求項13】
前記の光開始剤がヨードニウム塩である、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
カチオン性光開始剤、請求項1から11のいずれか1項記載の化合物、およびカチオン重合可能なモノマーまたはオリゴマーを含む、カチオン硬化可能な組成物。
【請求項15】
前記の光開始剤がヨードニウム塩である、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
請求項1から11のいずれか1項記載の化合物が、組成物の合計の重合可能な成分の1から50重量%を構成する、請求項14または15記載の組成物。
【請求項17】
請求項1から11のいずれか1項記載の化合物が、組成物の合計の0.5から3重量%を構成する、請求項14または15記載の組成物。
【請求項18】
コーティング組成物として配合される、請求項14から17のいずれか1項記載の組成物。
【請求項19】
印刷インキとして配合される、請求項14から17のいずれか1項記載の組成物。
【請求項20】
インクジェットインキとして配合される、請求項14から17のいずれか1項記載の組成物。
【請求項21】
接着剤、リリースコーティング、またはプライマーとして配合される、請求項14から17のいずれか1項記載の組成物。
【請求項22】
硬化されたコーティング組成物を調製するプロセスであって、基体へ請求項14から21のいずれか1項記載の組成物を適用し、コーティングを硬化するのに十分な硬化用放射線にコーティングされた基体を暴露することを含むプロセス。
【請求項23】
硬化用放射線が紫外線である、請求項22記載のプロセス。

【公表番号】特表2010−526803(P2010−526803A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507021(P2010−507021)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001187
【国際公開番号】WO2008/139315
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(507148168)サン ケミカル リミテッド (3)
【Fターム(参考)】