説明

カチオン性界面活性剤化合物を含む化粧品組成物、新規化合物、コンディショナーとしての使用、並びに美容処理方法

本願は、2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エタノールから誘導される第四級アンモニウムエステルタイプのカチオン性化合物を含む化粧品組成物、これらカチオン性化合物の、特にコンディショニング剤としての使用、これらカチオン性化合物を用いる、特に髪の美容処理方法、並びに、前記の新規なカチオン性化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール誘導体タイプの第四級アンモニウムエステルの新規な界面活性剤カチオン性化合物、これを含む化粧品組成物、並びにその使用、特に、髪の美容処理のためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
敏感化した髪、特に、環境要因の作用下で、または機械的及び/または化学的処理、例えば、染色操作、漂白操作、パーマ操作の作用下で様々な程度に傷んだ、且つ/または脆化した髪は、しばしばもつれ解き及びスタイリングが困難であり、且つ、柔らかさに欠ける。
【0003】
コンディショニングカチオン性界面活性剤を含む化粧品組成物、例えば、US2006/0078529に記載のものが、既に、ケラチン物質、特に、髪の処理用に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US2006/0078529
【特許文献2】FR2869902
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こうした組成物は、依然として所望の化粧品品質、特に、官能特性、特に、処理後の髪の感触に関する品質を持たない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実際のところ、出願人は、予期せぬことに、且つ驚くべきことに、非常に特殊なカチオン性化合物が、特に、組成物が濡れた髪に適用された場合の髪のしなやかさの改善、及びその後のリンス後にも依然として改善されたしなやかさを呈して、ごわつかない髪の達成に関して、髪に有利なコンディショニング特性を付与できることを見出した。こうした髪のしなやかさの付与は、本発明による組成物について特に注目すべきである。
【0007】
さらにまた、しなやかさに加えて、これらの組成物は、また、もつれ解き、平滑化、櫛とき性能、及び髪の扱い易さを改善することができる。髪の成形はより容易であり、髪の感触は非常に快く、且つ滑らかである。
【0008】
脂肪アルコールの存在下において、従来技術の非四級化アミノ化カチオン性界面活性剤、特に、第三級アミンを含むカチオン性界面活性剤を用いた場合に観察されうるものとは異なり、本発明によるカチオン性界面活性剤は、これを含む組成物、特に、エマルションを不安定化しないことが更に判明している。然るに、本発明の特に驚くべき利点は、脂肪アルコール、特に、C16-C18脂肪アルコールを、特に、アミン化カチオン性界面活性剤の存在下で製剤化する可能性にある。
【0009】
更に、本発明による化合物は、水性化粧品媒質に容易に担持させることができ、このためその使用は容易である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
然るに、本発明の主題は、ケラチン物質の美容処理方法であって、前記物質への、生理学的に許容される媒質中に、以下に定義される式(I)の少なくとも1つの化合物を含む化粧品組成物の適用をすくむ方法である。
【0011】
本発明の別の主題は、以下に定義される式(I)の少なくとも1つの化合物の、コンディショニング剤としての、特に、髪用化粧品組成物中における使用である。
【0012】
本発明の別の主題は、以下に定義される(I)の少なくとも1つの化合物と、噴射剤、水、炭素含有油類、C8-C40エステル類、C8-C40酸類、C1-C40アルコール類、有機溶媒、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、サンスクリーン、保湿剤、フケ防止剤、酸化防止剤、還元剤、酸化ベース、カップラー、酸化剤、直接染料、縮毛矯正剤、パール剤及び乳白剤、可塑剤または凝集剤、ヒドロキシ酸、顔料、充填剤、シリコーン、ポリマー性もしくは非ポリマー性増粘剤、乳化剤、またはポリマー、特に、コンディショニングもしくはスタイリングポリマーから選択される、少なくとも1つの通常の化粧品成分とを含む、化粧品として許容される媒質とを含む化粧品組成物である。
【0013】
本発明の別の主題は、以下に定義される式(Ia)の化合物及びこれを含む化粧品組成物である。
【0014】
然るに、本発明による化合物は、下式(I):
【化1】

[式中、
・nは、1乃至10の整数であり;
・R1、R2、及びR3は、互いに独立に、飽和もしくは不飽和の、直鎖状、環状、もしくは分枝状の炭素含有基、特に、炭化水素基であって、1乃至22の炭素原子を含み(特に、アルキルまたはアルケニルであって)、且つ1つもしくは複数のヒドロキシル(-OH)及び/またはアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)によって任意に置換された基を示し;あるいは、
・R1は、飽和もしくは不飽和の、直鎖状、環状、もしくは分枝状の炭素含有基、特に、炭化水素基であって、1乃至22の炭素原子を含み(特に、アルキルまたはアルケニルであって)、且つ1つもしくは複数のヒドロキシル及び/またはアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)によって任意に置換された基を示し;
・R2及びR3は、これらが結合する窒素原子と共に、5員環もしくは6員環である、飽和もしくは不飽和の炭素含有複素環を形成し、1つもしくは2つの非隣接炭素原子は、酸素、硫黄、もしくは窒素(-NR’’)原子(R” = HまたはC1-C22アルキル)によって置き換えられていて良く、前記複素環は、アリール、C1-C22アルキル、ヒドロキシル、またはアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されていて良く;
・R4は、
−3、4、または5員の炭素含有環が任意に割り込んでいる、且つ/または、(i)それ自体が、C1-C6アルキル、ヒドロキシル(-OH)、及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されたアリールで、及び/または(ii)ヒドロキシル(-OH)及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基で、任意に置換された、直鎖状C1-C30 もしくは分枝状C3-C30アルキル基、
−1つもしくは複数の二重結合、特に1乃至6のC=Cに充血号、更には、1乃至3のC=C二重結合を含み、且つ、ヒドロキシル(-OH)及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換された、直鎖状C2-C30もしくは分枝状C3-C30アルケニル基、
・C1-C22アルキル、C1-C22アルキルカルボニル、ヒドロキシル(-OH)、及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されたアリール、
を示し;
・X-は、式(I)の化合物の電気的中性を確保するための、有機もしくは無機のアニオン、または有機もしくは無機のアニオンの混合物を示す]
に該当する。
【0015】
R1、R2、及び/またはR3と表示される炭素含有基は、特に、直鎖状C1-C22アルキル基、分枝状C3-C22アルキル基、直鎖状C2-C22アルケニル基、または分枝状C3-C22 アルケニル基であってよい。
【0016】
好ましくは、nは、1乃至4の整数、特に、1、2、または3である。
【0017】
好ましくは、R1は、直鎖状C1-C4アルキル基、分枝状C3-C4アルキル基、直鎖状C2-C4アルケニル基、または分枝状C3-C4アルケニル基を示す。好ましくは、R1は、メチルまたはエチルを表す。
【0018】
好ましくは、R2は、直鎖状C1-C4アルキル基、分枝状C3-C4アルキル基、直鎖状C2-C4アルケニル基、または分枝状C3-C4アルケニル基を示す。好ましくは、R2は、メチルまたはエチルを表す。
【0019】
好ましくは、R3は、直鎖状C1-C22アルキル基、分枝状C3-C22アルキル基、直鎖状C2-C22アルケニル基、または分枝状C3-C22アルケニル基を示す。好ましくは、R3は、直鎖状C1-C22アルキル基、特に、直鎖状C1-C18アルキル基を表す。
【0020】
好ましくは、R4は、
−直鎖状もしくは分枝状C6-C24アルキル基、特に、直鎖状もしくは分枝状C8-C22アルキル基であって、前記アルキル基は、3、4、または5員の炭素含有環によって任意に割り込まれ、且つ/または、それ自体が、C1-C6アルキル、ヒドロキシル、及びアミノ基から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換された、アリールによって任意に置換されたものであってよく;
−直鎖状もしくは分枝状C6-C24アルケニル基、特に、直鎖状もしくは分枝状C8-C22アルケニル基;
−C4-C18アルキルカルボニル(-C(O)-R)及び/またはヒドロキシル基から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されたアリール基;
を示す。
【0021】
好ましくは、X-は、アニオン、または、アセテート、ラクテート、タルトレート、シトレート、ハライド、SO42-、HSO4-、MeSO4-、EtSO4-、メシレート、及びトシレート等の混合物、好ましくは、Cl-、Br-、MeSO4-、EtSO4-、メシレート、またはトシレートを示す。
【0022】
式(I)の化合物は、それ自体で、または溶媒和物の形態で、特に、水和物の形態で、使用することができる。
【0023】
好ましい化合物の中で、以下の化合物:
【化2A】

【化2B】

【化2C】

【化2D】

【化2E】

【化2F】

【化2G】

【化2H】

及びその溶媒和物を挙げてよい。
【0024】
これらの化合物においては、好ましくは、An-(=X-)は、Cl-、Br-、MeSO4-、EtSO4-、SO42-、HSO4-、メシレート、またはトシレート、及びこれらの混合物を表す。
【0025】
これらの化合物の中には、それ自体新規であって、本発明の主題を成すものがある。これらは、下式(Ia):
【化3】

[式中、
・nは、1乃至10の整数であり;
・R1 = R2 = エチル;
・R3は、1つもしくは複数のヒドロキシル(-OH)及び/またはアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)によって任意に置換された、1乃至22の炭素原子を含む直鎖状もしくは分枝状アルキル基を示し;
・R4は、
−3、4、または5員の炭素含有環が任意に割り込んでいる、且つ/または、ヒドロキシル(-OH)及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基で任意に置換された、直鎖状C1-C30 もしくは分枝状C3-C30アルキル基、
−ヒドロキシル(-OH)及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換された、1つもしくは複数の二重結合を含む直鎖状もしくは分枝状C6-C30アルケニル基、
−C1-C22アルキル、C1-C22アルキルカルボニル、ヒドロキシル(-OH)、及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されたアリール基、
を示し、
・X-は、式(Ia)の化合物の電気的中性を確保するための、有機もしくは無機のアニオン、または有機もしくは無機のアニオンの混合物を示す]
の化合物及びその溶媒和物である。
【0026】
好ましくは、nは、1乃至4の整数、特に、1、2、または3である。
【0027】
好ましくは、R3は、直鎖状C1-C22アルキル基、特に、直鎖状C1-C18アルキル基を表す。
【0028】
好ましくは、R4は、
−直鎖状もしくは分枝状C6-C24アルキル基、特に、直鎖状もしくは分枝状C8-C22アルキル基であって、前記アルキル基は、3、4、または5員の炭素含有環によって任意に割り込まれており;
−直鎖状もしくは分枝状C6-C24アルケニル基、特に、直鎖状もしくは分枝状C8-C22アルケニル基;
−C4-C18アルキルカルボニル(-C(O)-R)及び/またはヒドロキシル基から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されたアリール基;
を示す。
【0029】
好ましくは、X-は、アニオン、または、アセテート、ラクテート、タルトレート、シトレート、ハライド、SO42-、HSO4-、MeSO4-、EtSO4-、メシレート、及びトシレートの混合物、特に、Cl-、Br-、MeSO4-、またはEtSO4-、並びにこれらの混合物を示す。
【0030】
本発明による化合物は、当業者の一般的知識によって調製することができる。
【0031】
特に、これらは、以下の合成スキーム:
【化4】

にしたがって調製することができる。
【0032】
アミンAの合成は、特に、特許FR2869902に記載の方法に従って実施することができる。
【0033】
第四級化エステルBは、アミンAとアルキル化剤、例えば、ヨウ化メチル、硫酸ジメチル、ヨウ化エチル、硫酸ジエチル、またはハロアルカン、例えば、ブロモヘキサデカンとを反応させることにより得られる。
【0034】
第三級アミンAとアルキル化剤は、混合し、15乃至140℃に2乃至80時間に亘り加熱してよい。冷却後、過剰のアルキル化剤はジイソプロピルエーテルでの洗浄操作により除去してよい。
【0035】
生じる固体は、好ましくは不活性雰囲気下で、濾過して取り、洗浄し、減圧下で、任意にP2O5の存在下で乾燥させて良い。
【0036】
反応の完了にあたって、イオン交換を、所望の交換によって選択したイオン交換樹脂との接触により行って良い。これらの樹脂は、例えば、IRA402(アルキルスルフェートからクロライドへの交換)またはIRA400(ヨウ化物から塩化物への交換)である。然るに、化合物の水性または(水性)アルコール性溶液をイオン交換樹脂で処理することにより、アニオンを交換することができる。溶媒は除去して良く、生成物は、例えば、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、次いで濾過し、減圧下で、任意にP2O5の存在下で乾燥させて良い。
【0037】
(I)または(Ia)の本発明による化合物は、化粧品または医薬品の分野、特に、髪の分野において、特に、コンディショニング剤として非常に特段の応用を有する。
【0038】
組成物中に存在する、単独で、または混合物としての化合物(I)または(Ia)の量は、むろん組成物のタイプ及び所望の特性に依存し、且つ、組成物全質量に対して、0.01乃至50質量%の非常に広い範囲内、好ましくは、0.1乃至30質量%、特に、0.5乃至25質量%、実際のところ1乃至20質量%、更に好適には、1.5乃至10質量%であってよい。
【0039】
本発明による組成物は、明らかに、式(I)または(Ia)の化合物の混合物を含んで良い。
【0040】
本発明による組成物は、従来使用されている全ての製剤形態で、特に、水性、アルコール性、水性/アルコール性、または油性の溶液または懸濁液の形態、ローションまたはセラムタイプの溶液または分散液の形態、エマルション、特に、液体または半液体の稠度を有するものであって、O/W、W/O、または多相タイプのものの形態、(O/W)または(W/O)クリームタイプの柔らかな稠度を有する懸濁液またはエマルションの形態、水性または無水のゲルの形態、あるいは、別のあらゆる化粧品形態で提供することができる。
【0041】
これらの組成物は、噴霧形態(スプレー)または泡沫形態でのこの組成物の適用を行うために、ポンプ式スプレーまたはエアロゾル溶液中に実装することができる。こうした実装形態は、例えば、髪の処理のために、スプレーまたは泡沫を得ることが所望される場合に示される。こうした場合には、この組成物は、好ましくは、少なくとも1つの噴射剤を含む。
【0042】
好ましくは、この組成物は、式(I)または(Ia)の化合物を、水性相中に分散状態で、あるいは脂肪相中に溶解状態で含むエマルションの形態で提供される。
【0043】
本発明による組成物は、生理学的に許容される媒質、すなわち、ケラチン物質、特に、顔または身体の皮膚、唇、髪、睫毛、眉毛、及び爪と適合性である媒質を含む。前記生理学的に許容される媒質は、好ましくは、化粧品として許容される媒質であり、この組成物は、然るに、特に局所適用を企図した化粧品組成物である。
【0044】
前記生理学的に許容される媒質は、好ましくは、噴射剤、水、炭素含有油類、C8-C40エステル類、C8-C40酸類、C1-C40アルコール類、有機溶媒、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、サンスクリーン、保湿剤、フケ防止剤、酸化防止剤、還元剤、酸化ベース、カップラー、酸化剤、直接染料、縮毛矯正剤、パール剤及び乳白剤、可塑剤または凝集剤、ヒドロキシ酸、顔料、充填剤、シリコーン、ポリマー性もしくは非ポリマー性増粘剤、乳化剤、またはポリマー、特に、コンディショニングもしくはスタイリングポリマーから選択される、少なくとも1つの通常の化粧品成分を含む。前記媒質は、明らかに、以上に列挙される幾つかの化粧品成分を含むことができる。
【0045】
これらの性質及び前記組成物の目的によって、通常の化粧品成分は、当業者によって容易に決定可能な標準的な量で存在して良く、これは、各成分毎に、0.01乃至80質量%であってよい。
【0046】
この組成物は、特に、水及び/または1つもしくは複数のC1-C40アルコール類を含んで良く、特に、C1-C7脂肪族もしくは芳香族モノアルコール類、ポリオール類及びポリオールエーテル類を挙げてよく、これらは、単独で、または水との混合物として使用しても良い。有利には、この組成物は、水/エタノール、水/イソプロパノール、または水/ベンジルアルコール混合物を含む。
【0047】
油、特に、炭素含有油、実際には、炭化水素油は、組成物全質量に対して0.01乃至20質量%、特に、0.02乃至10質量%の割合で存在して良い。特に、植物、動物、または鉱物油であって、水添されているか否かによらない、飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分枝状の、環状もしくは脂肪族の炭化水素合成油、例えば、ポリ-α-オレフィン類、特に、ポリデセン類及びポリイソブテン類、揮発性もしくは不揮発性の、有機変性または非有機変性の、水溶性もしくは水不溶性のシリコーン油、フッ化もしくは過フッ化油、並びにこれらの混合物を挙げてよい。
【0048】
8乃至40の炭素原子を有するアルコール、エステル、及び酸は、組成物全質量に対して0.01乃至50質量%、特に、0.1乃至20質量%の割合で存在して良い。
【0049】
特に、直鎖状もしくは分枝状のC12-C32、特に、C12-C26鎖を有する脂肪アルコール、特に、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール、またはリノレイルアルコールを挙げてよい。
【0050】
オキシアルキレン化された、特に、オキシエチレン化された、C8-C40、特に、C16-C20の脂肪アルコール、好ましくは、10乃至50molのエチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドを含むもの、例えば、オレス-12、セテアレス-12、及びセテアレス-20、オキシプロピレン化ステアリルアルコールであって、特に15molのプロピレンオキシドを含むもの、オキシエチレン化ラウリルアルコールであって、特に7より多くのオキシエチレン基を含むもの、並びにこれらの混合物を、更に挙げてよい。
【0051】
直鎖状もしくは分枝状C16-C40鎖を有する脂肪酸、特に、18-メチルエイコサン酸、ココナッツオイル、または水添ココナッツオイル酸、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ベヘン酸、及びこれらの混合物を更に挙げてよい。
【0052】
直鎖状もしくは分枝状鎖を有し、且つ合計で8乃至40の炭素原子を含む脂肪エステル、例えば、8乃至30の炭素原子を含む脂肪酸のモノアルコールもしくはポリオールのエステル、並びにこれらのオキシアルキレン化された、特にオキシエチレン化された誘導体であって、前記ポリオールが、好ましくは、糖、C2-C6アルキレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、ソルビトール、ソルビタン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びこれらの混合物から選択されるものを更に挙げてよい。モノアルコールのエステルとしては、イソプロピルミリステートもしくはパルミテート、並びに、ミリスチル、セチル、及びステアリルのミリステート、パルミテート、及びステアレートを単独で、または混合物として挙げてよい。
【0053】
この組成物は、炭素含有油として、この組成物中に0.1乃至10質量%、特に、0.2乃至5質量%の割合で存在して良い、植物油、例えば、アボカドオイル、オリーブオイル、アプリコットオイル、アルガンオイル、ホホバオイル、またはシアバターを更に含んで良い。
【0054】
好ましい実施態様では、本発明による組成物は、とりわけ、化粧品組成物中に1乃至15質量%、特に、2.5乃至10質量%、実際に3乃至8質量%の量で存在して良い、C8-C40脂肪アルコールを含む。
【0055】
これらの脂肪アルコールは、飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分枝状であってよく、特に、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、またはリノリルアルコールを単独でまたは混合物として挙げて良く、単独または混合物としての飽和脂肪アルコールが好ましい。
【0056】
式(I)のもの以外の非イオン性、カチオン性、アニオン性、両性、または双性のイオン性界面活性剤、及びこれらの混合物は、組成物の全質量に対して、0.01乃至50質量%、特に、0.1乃至40質量%、実際に0.5乃至30質量%、更に好適には1乃至15質量%の割合で存在してよい。
【0057】
特に、この組成物中の界面活性剤の量に対する脂肪アルコールの量の質量比は、好ましくは、1.5以上、特に、1.5乃至10、更には、1.6乃至8、更に好適には、1.7乃至6である。
【0058】
噴射剤は、この組成物全質量に対して5乃至90質量%の割合で、特に、10乃至60質量%の割合で存在して良い。
【0059】
サンスクリーンは、この組成物全質量に対して0.01乃至20質量%の割合で、特に、0.5乃至10質量%の割合で存在して良い。
【0060】
保湿剤は、この組成物全質量に対して0.01乃至20質量%の割合で、特に、0.1乃至7質量%の割合で存在して良い。
【0061】
フケ防止剤は、この組成物全質量に対して0.001乃至20質量%の割合で、特に、0.01乃至10質量%の割合で、好ましくは、0.1乃至5質量%の割合で、存在して良い。
【0062】
酸化防止剤は、この組成物全質量に対して0.05乃至1.5質量%の割合で存在して良い。
【0063】
還元剤は、この組成物全質量に対して0.1乃至30質量%の割合で、特に、0.5乃至20質量%の割合で存在して良い。
【0064】
酸化ベースは、この組成物全質量に対して0.001乃至10質量%の量で、好ましくは、0.005乃至6質量%の量で存在して良い。
【0065】
カップラーは、この組成物全質量に対して0.001乃至10質量%の量で、好ましくは、0.005乃至6質量%の量で存在して良い。
【0066】
酸化剤は、この組成物全質量に対して1乃至40質量%の量で、好ましくは、1乃至20質量%の量で存在して良い。
【0067】
直接染料は、この組成物全質量に対して0.001乃至20質量%の量で、好ましくは、0.01乃至10質量%の量で存在して良い。
【0068】
縮毛矯正剤は、この組成物全質量に対して0.01乃至3.5質量%の割合で、特に、0.05乃至1.5質量%の割合で存在して良い。
【0069】
パール剤及び乳白剤は、この組成物全質量に対して0.01乃至3質量%の割合で、特に、0.05乃至2.5質量%の割合で存在して良い。
【0070】
可塑剤または凝集剤は、この組成物全質量に対して0.1乃至25質量%の割合で、特に、1乃至10質量%の割合で存在して良い。
【0071】
ヒドロキシ酸は、この組成物全質量に対して1乃至10質量%の割合で、特に、2乃至5質量%の割合で存在して良い。
【0072】
顔料及び充填剤は、この組成物全質量に対して0.01乃至50質量%の割合で、特に、0.02乃至30質量%の割合で存在して良い。
【0073】
シリコーンは、揮発性または不揮発性であって良く、特に、変性であるか否かによらず、ポリオルガノシロキサン類、すなわち、ポリオルガノシロキサンオイル、ガム、及び樹脂のそれ自体を、あるいは、有機溶媒中の溶液の形態、あるいはエマルションまたはマイクロエマルションの形態のものを挙げてよい。これらは、組成物全質量に対して0.01乃至40質量%の割合で、特に、0.05乃至20質量%の量で存在して良い。
【0074】
ポリマー性または非ポリマー性の増粘剤は、この組成物全質量に対して0.01乃至10質量%の割合で、特に、0.1乃至5質量%の割合で存在して良い。
【0075】
ポリマー、特に、水に可溶性、あるいは炭素含有油及び/またはシリコーンオイル中に可溶性であるポリマーは、この組成物全質量に対して0.01乃至20質量%の割合で、特に、0.1乃至10質量%の割合で存在して良い。
【0076】
当業者であれば、この組成物に加えられる成分及びその量を、本発明の組成物の特性を損なうことのないように、選択するであろう。
【0077】
本発明による化粧品組成物は、身体または顔の皮膚、唇、眉毛、睫毛、爪、及び髪のケア、清浄化、及び/またはメイクアップのための製品、抗日光もしくはセルフ・タンニング製品、身体用衛生製品、または髪用製品、特に、髪のケア、清浄化、スタイリング、成形、または染色のための製品の形態で提供してよい。
【0078】
特に、これは、髪の分野において、特に、ヘアスタイルの形状維持または髪の成形のため、あるいはまた、髪のケア、美容処理、または清浄化において特に有利な応用を有する。髪用組成物は、好ましくは、シャンプー、ヘアコンディショナー、スタイリングもしくはケア用ゲル、ケアローションもしくはクリーム、コンディショナー、ヘアセットローション、ブロー乾燥ローション、固定及びスタイリング組成物、例えば、ラッカーもしくはスプレー、髪の再構築ローション、髪の喪失に対抗するためのローションもしくはゲル、抗寄生虫シャンプー、フケ防止ローションもしくはシャンプー、または脂漏症の治療のためのシャンプーである。前記ローションは、この組成物の噴霧形態もしくは泡沫形態での適用を行うために、様々な形態で、特に、噴霧器、ポンプ式スプレーもしくはエアロゾル容器に実装することができる。
【0079】
これはまた、染色、漂白、パーマ、もしくは縮毛矯正操作の前または後に、あるいは、パーマ操作または縮毛矯正操作の2つの工程の間に適用される、髪の染色製品、特に、酸化染色もしくは直接染色製品の形態で、任意に、着色シャンプーの形態で、パーマ、縮毛矯正、もしくは漂白組成物の形態で、あるいは、濯ぎ落とす組成物の形態で提供することができる。
【0080】
本発明による組成物は、身体または顔の皮膚、唇、及び/または身体表面成長物のためのケア組成物、特に、保湿組成物、とりわけ、皮膚の美容処理、特に、皮膚の保湿、平滑化、脱色、栄養付与、日光からの保護、または皮膚への特殊な美容処理を行うことを企図したケア製品の形態で、提供することもできる。然るに、これは、リップケアベース、口紅の固定ベース、抗日光保護もしくは人工日焼け組成物、顔用(日中、夜間、老化防止、または保湿)ケア組成物、マット化組成物、皮膚の清浄化用組成物、例えば、メイクアップ除去製品、またはバスもしくはシャワーゲル、または清浄化バーもしくは石鹸、身体衛生用組成物、特に、デオドラントまたは制汗製品、あるいはまた脱毛組成物、アフターシェーブゲル、またはアフターシェーブローションであってよい。
【0081】
これはまた、身体または顔の皮膚、唇、睫毛、爪、または髪のメイクアップのための製品、特に、ファンデーション、ブラッシャー、フェースパウダー、アイシャドウ、コンシーラー、アイライナー、マスカラ、口紅、リップグロス、リップペンシル、ネイルラッカー、ネイルケア製品、または身体の皮膚のテンポラリータトゥーのための製品の形態で提供することもできる。
とりわけ、本発明による組成物は、ケア及び美容処理において、特に髪の保護、特に、弱った、且つ/または傷んだ髪、例えば、化学的または機械的処理によって弱った、且つ/または傷んだ髪の保護において、有利な応用を有する。特に、本発明による化合物を、髪の染色、漂白、もしくは縮毛矯正の工程後の後処理において使用することができる。
【0082】
このように、本発明の主題は、ケラチン物質、特に、身体または顔の皮膚、唇、爪、髪、及び/または睫毛の美容処理のため、特に、メイクアップ、ケア、清浄化、染色、または成形のための方法であって、本発明による少なくとも1つの化合物を含む化粧品組成物を前記物質に適用する工程を含む方法である。
【0083】
好ましくは、これは、髪のコンディショニングのための美容処理方法であって、特に、髪にしなやかさ、もつれ解き、滑らかさ、及び/または櫛とき性能をもたらすため、あるいは、髪にしなやかさ、もつれ解き、滑らかさ、及び/または櫛とき性能を改善するための美容処理方法である。
【0084】
前記組成物の適用の後には、任意に、リンス工程及び/または熱処理工程を行うことができる。
本発明は、以下の実施例に、より詳細に詳説される。
【実施例】
【0085】
(実施例1:2-[2-(デカノイルオキシ)エトキシ]-N,N,N-トリエチルエタンアミニウム塩化物の合成)
【化5】

【0086】
4g(1当量)の2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチルラウレート及び10ml(10.8当量)のヨウ化エチルを混合する。この混合は、25℃にて72時間に亘って行われる。
次に、過剰のアルキル化剤を、ジイソプロピルエーテルでの洗浄により除去する。その後、得られた固体を、窒素雰囲気下で濾過して取り、洗浄し、減圧下、P2O5の存在下で乾燥させる。ヨウ化物アニオンを、この化合物の水性溶液を50gのイオン交換樹脂IRA400で処理することにより交換する。
溶媒を除去した後、この化合物をジイソプロピルエーテルで洗浄し、濾過し、減圧下、P2O5の存在下で乾燥させて、2.8gの所望の生成物を得る。この生成物は、淡褐色粉末の形態で得られる(収率:59%)。
M (m/z):M+ = 372
【0087】
(実施例2:2-[2-(デカノイルオキシ)エトキシ]-N,N,N-トリエチルエタンアミニウム塩化物の合成 )
【化6】

【0088】
8g(1当量)の2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチルデカノエート及び6.6ml(2当量)の硫酸ジエチルを混合する。この混合は、60℃に加熱しつつ7時間に亘って行われる。
次に、過剰のアルキル化剤を、ジイソプロピルエーテルでの洗浄により除去する。その後、得られた固体を、窒素雰囲気下で濾過して取り、洗浄し、減圧下、P2O5の存在下で乾燥させる。アニオンを、この化合物の水性溶液を300gのイオン交換樹脂IRA402で処理することにより交換する。
溶媒を除去した後、この化合物をジイソプロピルエーテルで洗浄し、濾過し、減圧下、P2O5の存在下で乾燥させて、5.6gの所望の生成物を得る。この生成物は、白色粉末の形態で得られる(収率:87%)。
M (m/z): M+ = 344
【0089】
(実施例3:N,N,N-トリエチル-2-[2-(パルミトイルオキシ)エトキシ]エタンアミニウム塩化物の合成)
【化7】

【0090】
7.7g(1当量)の2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチルパルミテート及び5.5ml(2当量)の硫酸ジエチルを混合する。この混合は、65-70℃に加熱しつつ15時間に亘って行われる。
次に、過剰のアルキル化剤を、ジイソプロピルエーテルでの洗浄により除去する。その後、得られた固体を、窒素雰囲気下で濾過して取り、洗浄し、減圧下、P2O5の存在下で乾燥させる。ヨウ化物アニオンを、この化合物の水性溶液を300gのイオン交換樹脂IRA402で処理することにより交換する。
溶媒を除去した後、この化合物をジイソプロピルエーテルで洗浄し、濾過し、減圧下、P2O5の存在下で乾燥させて、7.15gの所望の生成物を得る。この生成物は、白色粉末の形態で得られる(収率:80%)。
M (m/z): M+ = 428
【0091】
(実施例4:2-[2-(ドコサノイルオキシ)エトキシ]-N,N,N-トリエチルエタンアミニウム塩化物の合成)
【化8】

【0092】
5.8g(1当量)の2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチルドコサノエート及び3.15ml(当量)の硫酸ジエチルを混合する。この混合は、65-70℃に加熱しつつ15時間に亘って行われる。
次に、過剰のアルキル化剤を、ジイソプロピルエーテルでの洗浄により除去する。その後、得られた固体を、窒素雰囲気下で濾過して取り、洗浄し、減圧下、P2O5の存在下で乾燥させる。ヨウ化物アニオンを、純水/アセトン溶液(80/20)中に溶解させたこの化合物の、300gのイオン交換樹脂IRA402での処理により交換する。この化合物を、純水/アセトン混合物(80/20)を用いて溶離する。
溶媒を除去した後、この化合物をジイソプロピルエーテルで洗浄し、濾過し、減圧下、P2O5の存在下で乾燥させて、5.5gの所望の生成物を得る。この生成物は、白色粉末の形態で得られる(収率:84%)。
M (m/z): M+ = 512
【0093】
(実施例5:N,N-ジエチル-N-{2-[2-(パルミトイルオキシ)エトキシ]エチル}ヘキサデカン-1-アミニウム臭化物の合成)
【化9】

【0094】
5g(1当量)の2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチルパルミテート及び7.63ml(2当量)のブロモヘキサンを混合する。この混合は、120℃に加熱しつつ48時間に亘って行われる。
次に、過剰のアルキル化剤を、ジイソプロピルエーテルでの洗浄により除去する。その後、得られた固体を、窒素雰囲気下で濾過して取り、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下、P2O5の存在下で乾燥させる。
4gの所望の生成物が産生し、この生成物は、淡褐色粉末の形態で得られる(収率:76%)。
M (m/z): M+ = 625
【0095】
(実施例6:下記の化合物の合成)
【化10】

【0096】
30mlの硫酸ジエチル(2当量)を38.6gの対応する第三級アミンに滴下して加える。反応媒質を、55℃で不活性雰囲気(窒素)下にて、20時間に亘って撹拌しておく。その後、反応媒質をジイソプロピルエーテルで3回洗浄し、過剰の硫酸ジエチルを除去する。得られた生成物を、焼成シリカ管(sintered silica funnel)で精製する。
溶離剤:CH2Cl2/MeOH (98/2)、後に溶離傾斜を付ける。
38gの所望の生成物が産生し、この生成物は、明褐色ペーストの形態で得られる(収率:71%)。
M (m/z): M+ = 372
【0097】
(実施例7)
以下の髪用化粧品組成物を調製する(質量%)
・チコリ根イヌリン(Inutec N25、Orafti社製) 15% AM
・レモンペクチン(CU 201、Herbstreith and Fox社製) 2% AM
・実施例2の化合物 1%
・水 100%とする残量
1gのこの組成物を、予め湿らせた2.5gの毛房(SA20)に適用する。その後この毛房をリンスし、櫛でとかす。この湿った毛房が滑らかな感触を有し、しなやかで且つもつれ解きが容易であることが観察される。
この毛房を、フードドライヤーの下で15分間乾燥させる。乾燥した毛房は、触れると末端まで柔らか且つ滑らかである。これはもつれ解きに優れる。
同様に、実施例1及び3乃至6の化合物を用いて髪用組成物を調製することができる。
【0098】
(実施例8)
以下の髪用化粧品組成物を調製する。
(質量%)
・セテアリルアルコール 7% AM
・セチルエーテル 1.5% AM
・実施例3の化合物 3%
・水 100%とする残量
本発明による化合物を、2-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)エチルパルミテート(3質量%)で置き換えることにより、比較例組成物を調製する。
得られる組成物を25℃で8時間に亘って貯蔵した後、目視により観察したところ、本発明による組成物が安定(均一)である一方で、比較例組成物は安定ではなく、相分離が観察されることが判明する。
【0099】
(実施例9:式(I)において、n=1、R4=C21H43、R1=R2=R3=エチル、及びX-がエト硫酸塩と硫酸水素塩との混合物である化合物の合成)
【化11】

【0100】
(工程1:下式の2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチルドコサノエートの合成)
【化12】

【0101】
45mlのトリエチルアミン(0.32mol)を、500mlのジクロロメタン中に溶解させた、25gの2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール(0.155mol)の溶液に加えた。周囲温度で30分間に亘って撹拌した後、ベヘン酸の酸塩化物55gの溶液を滴下して加えた。8℃の僅かな発熱が起こる。添加が完了したところで、反応混合物を8時間に亘って撹拌し続ける。ガラス漏斗で濾過した後、反応媒質を500mlの水に注ぎ、その後有機相を、pH9が達成されるまで水で洗浄する。硫酸ナトリウムでの乾燥及び濾過の後、有機相を減圧下で蒸発させて、70gの目標化合物を、白色ペーストの形態で、93%の収率で得た。
融点:88.7°C
1H NMRスペクトル 400MHz及び13C NMRスペクトル 100MHz:合致
マススペクトル:合致
M (m/z):[M+H]+ = 484
【0102】
(工程2:2-[2-(ドコサノイルオキシ)エトキシ]-N,N,N-トリエチルエタンアミニウムエト硫酸塩/硫酸水素塩混合物の合成)
【化13】

【0103】
41mlの硫酸ジエチル(0.312mol)を、反応器に仕込んだ65gの2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチルドコサノエート(0.134mol)に一度に加えた。次に、反応媒質を、撹拌しつつ48時間に亘って40℃とした。その後、50mlのアセトンを加え、反応媒質が溶解するまで撹拌を維持した。次いで、この媒質を、撹拌が継続され、且つアルゴン下にある、2リットルのイソプロピルエーテルに注いだ。その後、生成した沈殿物をガラス漏斗で濾過して取り、真空中で乾燥させて、71gの2-[2-(ドコサノイルオキシ)エトキシ]-N,N,N-トリエチルエタンアミニウムを、 エト硫酸塩/硫酸水素塩混合物の形態で得た。NMRによって測定されるそのパーセンテージは、0.52/0.48である。硫酸水素塩のパーセンテージは、沈殿媒質に存在する水の含量によって相違して良い。
生成物は、白色粉末の形態で得られ、その収率は83%である。
融点:76.3°C
1H NMRスペクトル 400MHz及び13C NMR スペクトル 100MHz:合致
マススペクトル:合致:M (m/z): [M]+ = 512; [M]- = 97及び125
【0104】
(実施例10:式(I)において、n=1、R4=C21H43、R1=R2=R3=エチル、及びX-が硫酸水素塩である化合物の合成)
0.1mlの36%濃硫酸を、100mlのアセトン中の、実施例9の2gの2-[2-(ドコサノイルオキシ)エトキシ]-N,N,N-トリエチルエタンアミニウム硫酸水素塩/エト硫酸塩混合物の懸濁液に加えた。次に、反応混合物を、5時間還流させ、5℃に冷却した後に、沈殿物が生成した。濾過して取り、真空下で乾燥させた後、1.2gの目標生成物が、全て硫酸水素塩の形態で得られた。
1H NMR スペクトル 400MHz及び13C NMR スペクトル 100MHz:合致
マススペクトル 合致:M (m/z): [M]+ = 512; [M]- = 97
【0105】
(実施例11:式(I)において、n=1、R4=C21H43、R1=R2=R3=エチル、及びX-がメタンスルホネート(メシレート)である化合物の合成)
実施例11及び12についての一般的な合成経路
【化14】

【0106】
(工程1:2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルドコサノエートの合成)
250mlのジエチレングリコール(2.6mol)を、250mlのジクロロメタンの溶液に加え、反応媒質をアイスバスを用いて5℃に冷却した。次いで、45gのN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.348mol)を)加え、この混合物を30分間撹拌し続けた。次に、予め250mlのジクロロメタンに溶解させた84g(0.233mol)のベヘン酸の酸塩化物の溶液を、温度が5℃乃至10℃に維持されるように、滴下して加えた。添加が完了したところで、反応媒質を周囲温度で6時間に亘って撹拌し続けた。次に、反応媒質を2リットルの水に注ぎ、有機相を300mlの水で3回洗浄した後、最後に、200mlの飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムでの乾燥及び濾過の後、有機相を減圧下で蒸発させて、92gの目標化合物を、白色粉末の形態で、91%の収率で得た。
1H NMR スペクトル 400MHz及び13C NMR スペクトル 100MHz:合致
マススペクトル: M (m/z): [M + H]+ = 429
【0107】
(工程2:2-{2-[(メチルスルホニル)オキシ]エトキシ}エチルドコサノエートの合成)
1.7gのN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.013mol)を、5gの2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルドコサノエート(0.0116mol)の、100mlのジクロロメタン中に溶解させ、5℃に冷却した溶液に加えた。次に、50mlのジクロロメタン中に溶解させた1.33gのメタンスルホン酸塩化物(0.0166mol)の溶液を、温度が10℃未満に維持されるように滴下して加えた。添加が完了したところで、反応混合物を周囲温度で5時間に亘って撹拌し続けた。次に、反応混合物を300mlの水に注ぎ、有機相を150mlの水で2回洗浄した後、100mlの飽和塩化アンモニウム溶液で1回洗浄した。硫酸ナトリウムでの乾燥、濾過、及び減圧下での蒸発の後、得られた粗製の生成物を、ジクロロメタン/メタノール混合物のシリカカラムで精製した。
3.5gの目標化合物が、白色粉末の形態で、収率60%で得られた。
1H NMR スペクトル 400MHz及び13C NMR スペクトル 100MHz:合致
マススペクトル: M (m/z): [M+Na]+ = 529
【0108】
(工程3:2-[2-(ドコサノイルオキシ)エトキシ]-N,N,N-トリエチルエタンアミニウムメタンスルホネートの合成)
25mlのトリエチルアミン(0.179mol)を、100mlのアセトニトリル中の3.4gの2-{2-[(メチルスルホニル)オキシ]エトキシ}エチルドコサノエート(0.00691mol)の懸濁液に加えた。次に、この反応媒質を、72時間に亘って還流させた。減圧下で蒸発させた後、残渣を100mlのアセトン中に取り、生成した沈殿物を濾過して取った。
減圧下で乾燥させた後、3gの目標化合物が白色粉末の形態で、71%の収率で得られた。
1H NMR スペクトル 400MHz及び 13C NMR スペクトル 100MHz:合致
マススペクトル: M (m/z): [M]+ = 512; [M]- = 95
【0109】
(実施例12:式(I)において、n=1、R4=C21H43、R1=R2=R3=エチル、及びX-がパラトルエンスルホネート(トシレート)である化合物の合成)
【0110】
(工程1:2-(2-{[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}エトキシ)エチルドコサノエートの合成)
17gのトリエチルアミン(0.168mol)を、70gの2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルドコサノエート(0.1633mol)の、500mlのジクロロメタン中に溶解させ、5℃に冷却した溶液に加えた。次に、250mlのジクロロメタン中に溶解させた32gのパラトルエンスルホン酸塩化物(0.1678mol)の溶液を、温度が10℃未満に維持されるように滴下して加えた。添加が完了したところで、反応混合物を周囲温度で12時間に亘って撹拌し続けた。次に、反応混合物を2リットルの水に注ぎ、有機相を300mlの水で3回洗浄した後、200mlの飽和炭酸水素アンモニウム溶液で3回洗浄し、200mlの飽和塩化アンモニウム溶液で1回洗浄した。硫酸ナトリウムでの乾燥、濾過、及び減圧下での蒸発の後、得られた粗製の生成物を、ジクロロメタン/メタノール混合物のシリカカラムで精製した。こうして、70gの目標化合物が、白色粉末の形態で、74%の収率で得られた。
1H NMR スペクトル 400MHz及び 13C NMR スペクトル 100MHz:合致
マススペクトル: M (m/z): [M + Na]+ = 605
【0111】
(工程2:2-[2-(ドコサノイルオキシ)エトキシ]-N,N,N-トリエチルエタンアミニウム 4-メチルベンゼンスルホネートの合成)
25mlのトリエチルアミン(0.179mol)を、100mlのアセトン中の10.66gの2-(2-{[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}エトキシ)エチルドコサノエート(0.0182mol)の懸濁液に加えた。次に、この反応媒質を、36時間還流させた。減圧下で蒸発させた後、残渣を100mlのアセトン中に取り、生成した沈殿物を濾過して取った。減圧下で乾燥させた後、11gの目標化合物が、白色粉末の形態で、88%の収率で得られた。
1H NMR スペクトル 400MHz及び 13C NMR スペクトル 100MHz:合致
マススペクトル: M (m/z): [M]+ = 512; [M]- = 171
【0112】
(実施例13)
様々な化粧品組成物が、実施例9乃至12で調製した化合物(質量%)を含んで調製される。
これら組成物のうち数種を、以下の方法で髪に適用する。1gの化粧品組成物を、2.5gの漂白した毛房(SA20)に適用する。
【0113】
(組成物1)
【表1】

これらの組成物は、湿った髪に滑らかな感触を与え、かかる毛房はしなやか且つもつれ解きが容易となる。髪を乾燥させると、毛房はもつれ解きが容易であり、且つ感触は滑らかである。
同様の化粧品組成物が、実施例10及び11の化合物を含んで調製可能である。
【0114】
(組成物2)
【表2】

これらの組成物は、湿った髪に滑らかな感触を与え、かかる毛房はしなやか且つもつれ解きが容易となる。髪を乾燥させると、毛房はもつれ解きが容易であり、且つ感触は滑らかである。
同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0115】
(組成物3)
【表3】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0116】
(組成物4)
【表4】

同様の化粧品組成物が、実施例10乃至12の化合物を含んで調製可能である。
【0117】
(組成物5)
【表5】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0118】
(組成物6)
【表6】

これらの組成物は、湿った髪に滑らかな感触を与え、かかる毛房はしなやか且つもつれ解きが容易となる。髪を乾燥させると、毛房はもつれ解きが容易であり、且つ感触は滑らかである。
同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0119】
(組成物7)
【表7】

これらの組成物は、湿った髪に滑らかな感触を与え、かかる毛房はしなやか且つもつれ解きが容易となる。髪を乾燥させると、毛房はもつれ解きが容易であり、且つ感触は滑らかである。
同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0120】
(組成物8)
【表8】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0121】
(組成物9)
【表9】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0122】
(組成物10)
【表10】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0123】
(組成物11)
【表11】

これらの組成物は、湿った髪に滑らかな感触を与え、かかる毛房はしなやか且つもつれ解きが容易となる。髪を乾燥させると、毛房はもつれ解きが容易であり、且つ感触は滑らかである。
同様の化粧品組成物が、実施例10及び11の化合物を含んで調製可能である。
【0124】
(組成物12)
【表12】

これらの組成物は、湿った髪に滑らかな感触を与え、かかる毛房はしなやか且つもつれ解きが容易となる。髪を乾燥させると、毛房はもつれ解きが容易であり、且つ感触は滑らかである。
同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0125】
(組成物13)
【表13】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0126】
(組成物14)
【表14】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0127】
(組成物15)
【表15】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0128】
(組成物16)
【表16】

これらの組成物は、湿った髪に滑らかな感触を与え、かかる毛房はしなやか且つもつれ解きが容易となる。髪を乾燥させると、毛房はもつれ解きが容易であり、且つ感触は滑らかである。
同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0129】
(組成物17)
【表17】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0130】
(組成物18)
【表18】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0131】
(組成物19)
【表19】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0132】
(組成物20)
【表20】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0133】
(組成物21)
【表21】

これらの組成物は、湿った髪に滑らかな感触を与え、かかる毛房はしなやか且つもつれ解きが容易となる。髪を乾燥させると、毛房はもつれ解きが容易であり、且つ感触は滑らかである。
同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0134】
(組成物22)
【表22】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0135】
(組成物23)
【表23】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0136】
(組成物24)
【表24】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0137】
(組成物25)
【表25】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0138】
(組成物26)
【表26】

これらの組成物は、湿った髪に滑らかな感触を与え、かかる毛房はしなやか且つもつれ解きが容易となる。髪を乾燥させると、毛房はもつれ解きが容易であり、且つ感触は滑らかである。
同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0139】
(組成物27)
【表27】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0140】
(組成物28)
【表28】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0141】
(組成物29)
【表29】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。
【0142】
(組成物30)
【表30】

同様の化粧品組成物が、実施例10、11、及び12の化合物を含んで調製可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン物質の美容処理方法であって、前記物質への、生理学的に許容される媒質中に、式(I):
【化1】

[式中、
・nは、1乃至10の整数であり;
・R1、R2、及びR3は、互いに独立に、飽和もしくは不飽和の、直鎖状、環状、もしくは分枝状の炭素含有基、特に、炭化水素基であって、1乃至22の炭素原子を含み、且つ1つもしくは複数のヒドロキシル及び/またはアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)によって任意に置換された基を示し;あるいは、
・R1は、飽和もしくは不飽和の、直鎖状、環状、もしくは分枝状の炭素含有基、特に、炭化水素基であって、1乃至22の炭素原子を含み、且つ1つもしくは複数のヒドロキシル及び/またはアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)によって任意に置換された基を示し;
・R2及びR3は、これらが結合する窒素原子と共に、5員環もしくは6員環である、飽和もしくは不飽和の炭素含有複素環を形成し、1つもしくは2つの非隣接炭素原子は、酸素、硫黄、もしくは窒素(-NR’’)原子(R” = HまたはC1-C22アルキル)によって置き換えられていて良く、前記複素環は、アリール、C1-C22アルキル、ヒドロキシル、またはアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されていて良く;
・R4は、
−3、4、または5員の炭素含有環が任意に割り込んでいる、且つ/または、(i)それ自体が、C1-C6アルキル、ヒドロキシル、及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されたアリールで、及び/または(ii)ヒドロキシル及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基で、任意に置換された、直鎖状C1-C30 もしくは分枝状C3-C30アルキル基、
−1つもしくは複数の二重結合を含み、且つ、ヒドロキシル及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換された、直鎖状C2-C30もしくは分枝状C3-C30アルケニル基、
・C1-C22アルキル、C1-C22アルキルカルボニル、ヒドロキシル、及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されたアリール、
を示し;
・X-は、式(I)の化合物の電気的中性を確保するための、有機もしくは無機のアニオン、または有機もしくは無機のアニオンの混合物を示す]
の少なくとも1つの化合物を含む化粧品組成物の適用を含む方法。
【請求項2】
前記化合物が、式(I)において、
・R1 = R2 = エチル;
・R3は、1つもしくは複数のヒドロキシル及び/またはアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)によって任意に置換された、1乃至22の炭素原子を含む直鎖状もしくは分枝状アルキル基を示し;
・R4は、
−3、4、または5員の炭素含有環が任意に割り込んでいる、且つ/または、ヒドロキシル及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基で任意に置換された、直鎖状C1-C30 もしくは分枝状C3-C30アルキル基、
−ヒドロキシル(-OH)及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換された、1つもしくは複数の二重結合を含む直鎖状C6-C30アルケニル基、
−C1-C22アルキル、C1-C22アルキルカルボニル、ヒドロキシル(-OH)、及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されたアリール基、
を示すものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(I)の化合物が、単独でまたは混合物として、組成物全重量に対して0.01乃至50質量%、好ましくは、0.1乃至30質量%、特に、0.5乃至25質量%、実際に1乃至20質量%、更に好適には、1.5乃至10質量%の量で前記組成物中に存在する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
式(I)の化合物が、以下の化合物:
【化2A】

【化2B】

【化2C】

【化2D】

【化2E】

【化2F】

【化2G】

【化2H】

及びこれらの溶媒和物から選択される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
髪のコンディショニングのための、特に、髪にしなやかさ、もつれ解き、滑らかさ、及び/または櫛とき性能をもたらすため、あるいは、髪にしなやかさ、もつれ解き、滑らかさ、及び/または櫛とき性能を改善するための美容処理方法であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1、2、及び4に規定される式(I)の少なくとも1つの化合物の、コンディショニング剤としての、特に、髪用化粧品組成物中における使用。
【請求項7】
請求項1、2、及び4に規定される式(I)の少なくとも1つの化合物と、特に、噴射剤、水、炭素含有油類、C8-C40エステル類、C8-C40酸類、C1-C40アルコール類、有機溶媒、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、サンスクリーン、保湿剤、フケ防止剤、酸化防止剤、還元剤、酸化ベース、カップラー、酸化剤、直接染料、縮毛矯正剤、パール剤及び乳白剤、可塑剤または凝集剤、ヒドロキシ酸、顔料、充填剤、シリコーン、ポリマー性もしくは非ポリマー性増粘剤、乳化剤、またはポリマー、特に、コンディショニングもしくはスタイリングポリマーから選択される、少なくとも1つの通常の化粧品成分を含む、化粧品として許容される媒質とを含む、化粧品組成物。
【請求項8】
式(Ia):
【化3】

[式中、
・nは、1乃至10の整数であり;
・R1 = R2 = エチル;
・R3は、1つもしくは複数のヒドロキシル(-OH)及び/またはアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)によって任意に置換された、1乃至22の炭素原子を含む直鎖状もしくは分枝状アルキル基を示し;
・R4は、
−3、4、または5員の炭素含有環が任意に割り込んでいる、且つ/または、ヒドロキシル(-OH)及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基で任意に置換された、直鎖状C1-C30 もしくは分枝状C3-C30アルキル基、
−ヒドロキシル(-OH)及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換された、1つもしくは複数の二重結合を含む直鎖状もしくは分枝状C6-C30アルケニル基、
−C1-C22アルキル、C1-C22アルキルカルボニル、ヒドロキシル(-OH)、及びアミノ(-NRR’)基(R及びR’は、互いに独立に、H及びC1-C6アルキルから選択される)から選択される、1つもしくは複数の同一もしくは相違する基によって任意に置換されたアリール基、
を示し、
・X-は、式(Ia)の化合物の電気的中性を確保するための、有機もしくは無機のアニオン、または有機もしくは無機のアニオンの混合物を示す]
の化合物。
【請求項9】
生理学的に許容される媒質中に、請求項8に記載の式(Ia)の少なくとも1つの化合物を含む、化粧品組成物。
【請求項10】
生理学的に許容される媒質が、噴射剤、水、炭素含有油類、C8-C40エステル類、C8-C40酸類、C1-C40アルコール類、有機溶媒、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、サンスクリーン、保湿剤、フケ防止剤、酸化防止剤、還元剤、酸化ベース、カップラー、酸化剤、直接染料、縮毛矯正剤、パール剤及び乳白剤、可塑剤または凝集剤、ヒドロキシ酸、顔料、充填剤、シリコーン、ポリマー性もしくは非ポリマー性増粘剤、乳化剤、またはポリマー、特に、コンディショニングもしくはスタイリングポリマーから選択される、少なくとも1つの通常の化粧品成分を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
式(I)または(Ia)の化合物が、単独でまたは混合物として、組成物全重量に対して0.01乃至50質量%、好ましくは、0.1乃至30質量%、特に、0.5乃至25質量%、実際に1乃至20質量%、更に好適には、1.5乃至10質量%の量で前記組成物中に存在する、請求項7、9、及び10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
式(I)または(Ia)の化合物が、以下の化合物:
【化4A】

【化4B】

【化4C】

【化4D】

【化4E】

【化4F】

【化4G】

【化4H】

及びこれらの溶媒和物から選択される、請求項7及び9乃至11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
化粧品組成物中に、1乃至15質量%、特に、2.5乃至10質量%、実際に3乃至8質量%の量で存在するC8-C40脂肪アルコールを含む、請求項7及び9乃至12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
身体または顔の皮膚、唇、眉毛、睫毛、爪、及び髪のケア、清浄化、及び/またはメイクアップのための製品、抗日光もしくはセルフ・タンニング製品、身体用衛生製品、または髪用製品、特に、髪のケア、清浄化、スタイリング、成形、または染色のための製品の形態で提供される、請求項7及び9乃至13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
髪の、特に、弱った、且つ/または傷んだ髪、例えば、化学的または機械的処理によって弱った、且つ/または傷んだ髪の、ケア及び美容処理、特に、保護のための髪用組成物の形態で提供される、請求項7及び9乃至14のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2011−525475(P2011−525475A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544768(P2010−544768)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050164
【国際公開番号】WO2009/101322
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】