カチオン性6−アミノインドリン類、それらを含有する染色組成物、方法および使用
本発明は、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン、その酸付加塩、およびその溶媒和物に関し:本発明は、また、このカチオン性6−アミノインドリンの合成方法、組成物、使用、染毛方法、およびこのカチオン性6−アミノインドリンを使用する用具にも関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の対象は、新規なカチオン性6−アミノインドリン類、ケラチン繊維、特に、毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色するためのその使用、このようなカチオン性6−アミノインドリン類を含む染色組成物、ならびにこれらのカチオン性6−アミノインドリン類を使用する方法および用具である。
【背景技術】
【0002】
o−またはp−フェニレンジアミン類、o−またはp−アミノフェノール類、および複素環化合物などの酸化染料前駆体(一般に酸化塩基と称される)を含有する染色組成物を用いて、ケラチン繊維、とりわけヒトの毛髪を染色することは周知の行為である。これらの酸化塩基は無色または僅かに着色した化合物であり、それを酸化剤(oxidizing products)と組み合わせると、酸化縮合プロセスにより着色した化合物を生成することができる。
【0003】
また、これらの酸化塩基で得られる色調は、これらの酸化塩基をカプラーまたは調色剤と組み合わせることにより変化させることができることも知られており、後者は、特に、芳香族芳香族m−ジアミノベンゼン類、m−アミノフェノール類、m−ジフェノール類、および特定の複素環化合物(インドール化合物など)から選択される。
【0004】
酸化塩基およびカプラーとして使用される様々な分子により、広範囲の色を得ることが可能となる。
【0005】
これらの酸化染料により得られる「永久」着色は、さらに、一定数の要求を満たすことが必要である。したがって、それは、毒物学的な欠点がなく、所望の強度の色調が得られ、光、悪天候、洗浄、パーナネントウエーブ処理、発汗、および摩擦などの外的要因に対する耐性が高いものでなければならない。
【0006】
染料はまた、白髪まじりの毛髪を隠すことができるものでなければならず、それらはできるだけ選択性のないものでなければならない、即ち、それらは、一般に先端と根元で感受性(即ち、損傷度)が異なる、同じケラチン繊維房に沿った色差をできるだけ小さくすることができなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】英国特許第1026978号明細書
【特許文献2】英国特許第1153196号明細書
【特許文献3】仏国特許出願公開第2801308号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1792903号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1792606号明細書
【特許文献6】独国特許第2359399号明細書
【特許文献7】特願88−169571
【特許文献8】特開平05−63124
【特許文献9】欧州特許第0770375号明細書
【特許文献10】国際公開第96/15765号パンフレット
【特許文献11】欧州特許出願公開第0847271号明細書
【特許文献12】欧州特許出願公開第0926149号明細書
【特許文献13】欧州特許出願公開第1147109号明細書
【特許文献14】独国特許第3843892号明細書
【特許文献15】独国特許第4133957号明細書
【特許文献16】国際公開第94/08969号パンフレット
【特許文献17】国際公開第94/08970号パンフレット
【特許文献18】仏国特許出願公開第2733749号明細書
【特許文献19】独国特許出願公開第19543988号明細書
【特許文献20】仏国特許出願公開第2866338号明細書
【特許文献21】仏国特許出願公開第2927078号明細書
【特許文献22】国際公開第95/15144号パンフレット
【特許文献23】国際公開第95/01772号パンフレット
【特許文献24】欧州特許出願第714954号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
驚くべきことに、また有利なことに、本出願者は、カチオン性6−アミノインドリン類から生成される新規な複素環系カプラー類を発見した。これらのカプラーにより、多様で強く鮮やかな色調の着色を与えることができる、ケラチン繊維染色用の新規な組成物を製造することが可能となる。
【0009】
これらの組成物はまた、選択性が低く、耐性がある:それらは、繊維が受ける可能性のある様々な攻撃因子に対して優れた耐性がある。
【0010】
さらに、これらの複素環系カプラーは優れた溶解性を示し、十分な色の吸尽が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の対象は、カチオン性6−アミノインドリン系およびそれらの合成方法に関する。
本発明の対象は、また、少なくとも1種類のカチオン性6−アミノインドリンを含有する組成物、本組成物を使用する染色方法、ケラチン繊維、特に、毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色するための本発明による前記組成物の使用、および、特に多区画染色用具または「キット」である。
【0012】
本発明の他の特徴、態様、目的および利点は、以下の説明および実施例を読むことにより、さらに明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン、その酸付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【化1】
(式中、
Bは、共有結合またはカルボニル基COを表し;
AK1およびAK2は、独立して、1つ以上のヒドロキシル基で任意選択により置換された、C1〜C10の直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素をベースにする鎖を表し;
Aは、酸素原子またはNR6基を表し;
p=0、1または2であり;
pが2のとき、A基は同一であってもまたは異なってもよく、AK2基は同一であってもまたは異なってもよく;
CAT+は、
−C1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、またはC1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基から選択される、同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたカチオン性複素環基、
−トリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基、
−C1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはC1〜C4のヒドロキシアルキル基から選択される、同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたカチオン性基で置換された5〜8員環の非カチオン性複素環基、
から選択されるカチオン性基を表す)
【0014】
本発明の目的では、「カチオン性複素環基」という用語は、5〜8員環の複素環基を意味し、その環員の1つは第4級アンモニウムである。
【0015】
カチオン性複素環基の例として、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基、ピリミジニウム基、チアゾリウム基、ベンズイミダゾリウム基、ベンゾチアゾリウム基、オキサゾリウム基、ベンゾトリアゾリウム基、ピラゾリウム基、トリアゾリウム基、ベンゾオキサゾリウム基、およびピペリジニウム基が挙げられる。
【0016】
本発明の目的では、「トリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基」という用語は、1つ以上のアルキルおよび/またはヒドロキシアルキル基で置換されたアンモニウム基を意味する。例として、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、ジメチルエチルアンモニウム基、ジエチルメチルアンモニウム基、ジイソプロピルメチルアンモニウム基、ジエチルプロピルアンモニウム基、β−ヒドロキシエチルジエチルアンモニウム基、ジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基、ジ−β−ヒドロキシ−エチルメチルアンモニウム基およびトリ−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基を挙げることができる。
【0017】
5〜8員環の非カチオン性複素環基の例として、イミダゾール基、ピリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、モルホリン基、ピリミジン基、チアゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、オキサゾール基、ベンゾトリアゾール基、ピラゾール基、トリアゾール基、およびベンゾキサゾール基を挙げることができる。
【0018】
本発明の目的では、「カチオン性基」という用語は、トリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基、カチオン性複素環基、またはトリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基でもしくはカチオン性複素環基で置換されたC1〜C4のアルキル基を意味する。
【0019】
R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して:水素原子、フッ素、塩素または臭素から選択されるハロゲン、およびC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、カルボキシル(−COOH)基、(C1〜C4)アルコキシカルボニル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基または(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基から選択され;
R’4、R’5およびR’7は、互いに独立して:水素原子、フッ素、塩素または臭素から選択されるハロゲン、およびC1〜C4のアルキル基から選択され;
R6は、水素原子、またはC1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基、ベンジル基またはアセチル基である。
【0020】
好ましくは、pは0または1を表す。
【0021】
好ましくは、AK1およびAK2は、同一であってもまたは異なってもよく、C1〜C6の直鎖飽和炭化水素をベースにする鎖を表す。
【0022】
好ましくは、CAT+は、
−C1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはC1〜C4のヒドロキシアルキル基から選択される、同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたイミダゾリウム、ピペラジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウムまたはピペリジニウムから選択される5〜8員のカチオン性複素環基;
−トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、ジエチルプロピルアンモニウムおよびジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムから選択されるトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウム基;
−トリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基でもしくはカチオン性複素環基で置換されたアルキル基で置換された、ピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基、または、C1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはC1〜C4のヒドロキシアルキル基、もしくはトリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基から選択される同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたピロリジニウムカチオン性複素環から選択される5〜8員の複素環基、
から選択されるカチオン性基を表す。
【0023】
さらにより好ましくは、CAT+は、
−同一であってもまたは異なってもよい1つ以上のC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基で任意選択により置換されたイミダゾリウム、ピペラジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウムまたはピペリジニウムから選択されるカチオン性複素環基、
−トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウムおよびジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムから選択されるトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウム基、
−メチルトリメチルアンモニウム基、メチルジエチルメチルアンモニウム基、メチル(N−メチルピロリジニウム)基およびトリメチルアンモニウム基から選択される基で置換されたピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基から選択される5〜8員の複素環基、
から選択されるカチオン性基を表す。
【0024】
本発明の特に好ましい第1の変形形態によれば、Bは共有結合またはカルボニル基COを表し、AK1はC1〜C4の直鎖飽和炭化水素をベースにする鎖を表し、pは0であり、CAT+は、C1〜C2のアルキル基で任意選択により置換されたイミダゾリウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基またはピペリジニウム基;メチルトリメチルアンモニウム基、メチルジエチルメチルアンモニウム基、メチル(N−メチルピロリジニウム)基またはトリメチルアンモニウム基で置換されたピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基;およびトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基またはジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基から選択される。
【0025】
本発明の特に好ましい第2の変形形態によれば、Bは共有結合またはカルボニル基COを表し、AK1はC1〜C4の直鎖飽和炭化水素をベースにする鎖を表し、pは1であり、Aは酸素原子またはNH基を表し、CAT+は、C1〜C2のアルキル基で任意選択により置換されたイミダゾリウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基またはピペリジニウム基;メチルトリメチルアンモニウム基、メチルジメチルエチルアンモニウム基、メチル(N−メチルピロリジニウム)基またはトリメチルアンモニウム基で置換されたピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基、ピペリジン基;およびトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基またはジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基から選択される。
【0026】
好ましくは、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素原子およびC1〜C4のアルキル基から選択される。さらにより好ましくは、R2、R3、R4およびR5は同一であり、水素原子を表す。
【0027】
好ましくは、R’4、R’5およびR’7は、同一であり、水素原子を表す。
【0028】
好ましくは、R6は水素原子である。
【0029】
一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン類は、遊離形態であっても、または塩の形態、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩もしくはリン酸塩から選択される無機酸の付加塩、または、例えば、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、蟻酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの有機酸の付加塩などの形態であってもよい。
【0030】
一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン類はまた、溶媒和物、例えば、水和物、または、エタノールもしくはイソプロパノールなどの直鎖もしくは分岐鎖のアルコールの溶媒和物の形態であってもよい。
【0031】
本発明の文脈では、「式(I)の誘導体」という用語は、任意のメソメリー(mesomeric)または異性体の形態を意味する。
【0032】
式(I)の化合物の電気的中性は、化粧料として許容される有機もしくは無機アニオン、または化粧料として許容される有機もしくは無機アニオンの混合物(An−と表す)により確保される。
【0033】
An−は、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオンまたはヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン;水酸化物イオン;硫酸イオン;硫酸水素イオン;直鎖または分岐鎖のアルキル部分がC1〜C6であるアルキル硫酸イオン、例えば、メチル硫酸イオンまたはエチル硫酸イオン;炭酸イオンおよび炭酸水素イオン;蟻酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、またはシュウ酸塩などのカルボン酸塩;直鎖または分岐鎖のアルキル部分がC1〜C6であるアルキルスルホン酸イオン、例えば、メチルスルホン酸イオン;アリール部分、好ましくはフェニルが1つ以上のC1〜C4のアルキル基で任意選択により置換されているアリールスルホン酸イオン、例えば、4−トルイルスルホン酸イオン;メシレートなどのアルキルスルホニルイオンから選択されるアニオンまたはアニオンの混合物を表す。
【0034】
好ましくは、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン類は、次の化合物から選択される:
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0035】
本出願による一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン類は、様々な合成経路により製造することができる。
【0036】
本出願は、また、式(II):
【化11】
(式中、R2基、R3基、R4基、R5基、R’4基、R’5基、およびR’7基の定義は、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの定義について考えられたものとする)
のインドリンから出発する、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの合成方法にも関し、
前記方法は、少なくとも次の工程:
・式(II)のインドリンをニトロ化して、ニトロインドリンを得る工程、
・窒素原子に結合している水素原子を−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基で置換する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
をこの順番で含む。
【0037】
Bが共有結合を表し、p=0である場合、窒素原子に結合している水素原子の−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基による置換は、次の工程:
・ニトロインドリンをアルキル化して、窒素原子をハロヒドロキシアルキル基で置換する工程、
・アルキルスルホニルハライドまたはアリールスルホニルハライドを用いて、ヒドロキシアルキルのヒドロキシル基をスルホニル基で置換する工程、
・スルホニル基をアミノアルコキシドまたはアミンで置換し、反応物質の性質に応じて、カチオン性基を得るまたはカチオン性基の前駆体を得る工程、
・前工程で行った置換の結果、カチオン性基の前駆体が得られる場合、前駆体をカチオン化する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
で行うことができる。
【0038】
本方法を下記のスキームに要約する:
【化12】
【0039】
Rは、例えば、メチル、フェニル、トルイル基を表す。
【0040】
Bが共有結合を表し、p=0である場合、Rは、例えば、メチル、フェニルまたはトリル基を表す。
【0041】
Bがカルボニル基を表し、p=0である場合、窒素原子に結合している水素原子の−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基による置換は、次の工程:
・ハロアセチルハライドを用いてNH基をアシル化する工程、
・その後、ハロゲンをカチオン性基CATで、またはアミノアルコキシドもしくはアミンで置換し、カチオン性基の前駆体を得る工程、
・前工程で得られた生成物がカチオン性でない場合、前駆体をカチオン化する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
で行うことができる。
【0042】
本方法を下記のスキームに要約する:
【化13】
【0043】
Bがカルボニル基を表し、p=1または2である場合、窒素原子に結合している水素原子の−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基による置換は、次の工程:
・ハロアセチルハライドを用いてNH基をアシル化する工程、
・ハロゲンをHA−AK2−X基(Xはハロゲンである)で置換する工程、
・ハロゲンをカチオン性基CATでまたはアミノアルコキシドもしくはアミンで置換し、カチオン性基の前駆体を得る工程、
・前工程で得られた生成物がカチオン性でない場合、前駆体をカチオン化する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
で行うことができる。
【0044】
本方法を下記のスキームに要約する:
【化14】
【化15】
【0045】
Bが共有結合を表し、p=1または2である場合、窒素原子に結合している水素原子の−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基による置換は、次の工程:
・ニトロインドリンをアルキル化して、窒素原子をジハロゲン化アルキルで置換する工程、
・ヒドロキシアルキルアミンで置換する工程、
・アルキルスルホニルハライドまたはアリールスルホニルハライドを用いてヒドロキシアルキルアミンのヒドロキシル基をスルホニル基で置換する工程、
・スルホニル基をアミノアルコキシドまたはアミンで置換し、反応物質の性質に応じて、カチオン性基を得る、またはカチオン性基の前駆体を得る工程、
・前工程で行われる置換の結果、カチオン性基の前駆体が得られる場合、前駆体をカチオン化する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
で行うことができる。
【0046】
本方法を下記のスキームに要約する:
【化16】
【0047】
AK1、AK2およびAは、式(I)におけるのと同じ意味を有する。
【0048】
CAT=前述のカチオン性基であり、電気的中性は前述のAn−により確保される。
【0049】
PRECAT=カチオン化されてカチオン性基CATになり得る基である。
【0050】
Rは、例えば、メチル基、フェニル基またはトリル基を表す。
【0051】
インドリンのニトロ化は、例えば、硫酸/硝酸混合物中、15℃未満の温度で、15分〜20時間行われる。
【0052】
スキーム1では、アルキル化反応は、アセトニトリル、THFなどの双極性溶媒中、またはエタノールなどのアルコール中、例えば、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基の存在下にて、例えば、1〜2当量のヒドロキシアルキルハライドで、1〜24時間、20℃〜溶媒の還流温度までの温度で行う。
【0053】
次いで、このようにして導入されたヒドロキシル官能基を、ハロゲン化物(例えば、ハロゲン化メシルまたはトシル)で、アセトニトリル、THFなどの溶媒中、またはエタノールなどのアルコール中、例えば、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基の存在下にて、例えば、1〜24時間、20℃〜溶媒の還流温度までの温度で置換する。
【0054】
前工程で導入された脱離基の置換は、メチルイミダゾールなどの芳香族第3級アミンと反応させて化合物(A)を得ることにより、または、例えば、N,N−ジメチルエチレンジアミンもしくは2−ピペリジン−1−イルエタンアミンなどの特定の第1級または第2級アミンと反応させて化合物(B)を得ることにより行われる。化合物(B)を少なくとも1当量のハロゲン化アルキルまたは硫酸メチルで、THF、アセトニトリル、ジオキサンまたは酢酸エチルなどの溶媒中、15分〜24時間、15℃〜溶媒の還流温度の範囲の温度でアルキル化することにより、化合物(A)が得られる。
【0055】
化合物(A)のニトロ基の還元は、通常の条件で、例えば、Pd/C、Pd(II)/C、Ni/Raなどの存在下にて不均一系触媒下で水素化反応を行うことにより、あるいは、例えば、亜鉛、鉄、スズなどの金属を用いて還元反応を行うことにより行われる(Advanced Organic Chemistry,3rd Edition,J.March,1985,Wiley Interscience and Reduction in organic Chemistry,M.Hudlicky,1983,Ellis Horwood Series Chemical Scienceを参照されたい)。この方法は、スキーム2、3、4および5の還元工程に適用される。
【0056】
スキーム2、3および4では、アシル化工程は通常の条件で、例えば、ハロアセチルハライドと、アルコール、酢酸アルキル、THF、ジオキサンなどのタイプの極性溶媒中、0℃〜100℃の温度で反応させることにより行われる。ハロアセチルの性質に応じて、化合物(2)または(9)が得られる。
【0057】
後で使用されるアミンの性質に応じて、窒素化合物(3)または(6)が直接得られるか、または化合物(2)のハロゲンをアミンまたはアミノアルコキシドで置換して、誘導体(4)または(7)を得、その後、それをハロゲン化アルキル、硫酸アルキルまたは炭酸アルキルで、CH3CN、CHCl3、THF、ジオキサン、酢酸エチルまたはアセトンのタイプの溶媒中にてカチオン化して、窒素前駆体(5)または(8)を得る必要がある。
【0058】
スキーム5では、アルキル化工程は、通常の条件で、例えば、ジハロゲン化アルキル、例えば、1,2−エチレンジハライドと、アルコール、酢酸アルキル、THF、ジオキサン、DMFなどの極性溶媒中、0℃〜150℃の温度で、有機または無機塩基の存在下にて反応させることにより行われ、所望の化合物が得られる。次いで、得られた化合物を、アルキルヒドロキシタイプのアミン、例えば、2−アミノエタノールで置換する。この工程に続いて、アルコールをメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、またはメチルベンゼンスルホン酸タイプのSO3R基で保護するための反応を行い、SO3Rタイプの脱離基を得るが、それは(A)または(B)に対応するアミンまたはアミノアルコキシドで容易に置換することができる。
【0059】
本出願は、また、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色するためのカプラーとしての使用にも関する。
【0060】
本出願は、また、染色に適した媒体中に一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンを少なくとも1種類含む、特に毛髪などのケラチン繊維用の化粧用染色組成物にも関する。
【0061】
好ましくは、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの濃度は、組成物の全重量に対して0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%である。
【0062】
染色に適した媒体は、一般に、水、または水と少なくとも1種類の有機溶媒(例えば、エタノールおよびイソプロパノールなどのC1〜C4の直鎖または分岐鎖の低級アルコール;例えば、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよびモノエチルエーテル、グリセロールなどのポリオールおよびポリオールエーテル、ならびに、例えば、ベンジルアルコールまたはフェノキシエタノールなどの芳香族アルコール、ならびにこれらの混合物など)との混合物を含む。
【0063】
有利には、化粧用組成物は、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、界面活性剤、調整剤、皮膜形成剤、ポリマー、セラミド、防腐剤、パール剤または乳白剤、ビタミン類またはプロビタミン類からなる群から選択される少なくとも1種類の化粧料用補助剤を含む。
【0064】
上記補助剤は、一般に、それぞれ、組成物の重量に対して0.01重量%〜20重量%の量で存在する。
【0065】
組成物は、また、少なくとも1種類の酸化塩基も含む。これらの塩基は、特に、p−フェニレンジアミン類、ビス−フェニルアルキレンジアミン類、p−アミノフェノール類、o−アミノフェノール類および複素環塩基、およびそれらの付加塩から選択されてもよい。
【0066】
p−フェニレンジアミン類の中で、例として、特に、p−フェニレンジアミン、p−トルエンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチル−アニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルアニリン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−クロロアニリン、2−β−ヒドロキシエチル−p−フェニレン−ジアミン、2−フルオロ−p−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−p−フェニレンジアミン、N,N−(エチル,β−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N−(β−,γ−ジヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−p−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−p−フェニレンジアミン、N−(β−メトキシエチル)−p−フェニレンジアミン、4−アミノフェニルピロリジン、2−チエニル−p−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−アミノトルエン、3−ヒドロキシ−1−(4’−アミノフェニル)ピロリジン、6−(4−アミノフェニルアミノ)ヘキサン−1−オール、N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]アミンおよびN−(4−アミノフェニル)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]−アミン、およびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0067】
前述のp−フェニレンジアミン類の中で、p−フェニレンジアミン、p−トルエンジアミン、2−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−p−フェニレンジアミンおよび2−[(2−[(4−アミノフェニル)アミノ]エチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、およびこれらの酸付加塩が特に好ましい。
【0068】
ビス(フェニル)アルキレンジアミン類の中で、例として、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)―N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(エチル)−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミンおよび1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,6−ジオキサオクタン、およびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0069】
p−アミノフェノール類の中で、例として、p−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−2−クロロフェノール、4−アミノ−3−クロロフェノール、4−アミノ−3−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メトキシメチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(β−ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4−アミノ−2−フルオロフェノール、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノール、4−アミノ−6[((5’−アミノ−2’−ヒドロキシ−3’−メチル)フェニル)メチル]−2−メチルフェノールおよびビス[(5’−アミノ−2’−ヒドロキシ)フェニルメタン、およびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0070】
o−アミノフェノール類の中で、例として、2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノールおよび5−アセトアミド−2−アミノフェノール、およびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0071】
複素環塩基の中で、例として、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体を挙げることができる。
【0072】
ピリジン誘導体の中で、例えば、英国特許第1026978号明細書および英国特許第1153196号明細書に記載の化合物、例えば、2,5−ジアミノピリジン、2−(4−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジンおよび3,4−ジアミノピリジン、ならびにこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0073】
本発明に有用な他のピリジン酸化塩基には、例えば、仏国特許出願公開第2801308号明細書に記載の3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン酸化塩基またはこれらの付加塩がある。例として、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;2−アセチルアミノピラゾロ[1,5−a]−ピリジン−3−イルアミン;2−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸;2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)メタノール;2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル)エタノール;2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)エタノール;(3−アミノピラゾロ[1,5−a]−ピリジン−2−イル)メタノール;3,6−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン;3,4−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン;ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,7−ジアミン;7−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;ピラゾロ−[1,5−a]ピリジン−3,5−ジアミン;5−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−オール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−オール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−オール;およびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0074】
本発明に有用なピリジン塩基の中で、欧州特許出願公開第1792903号明細書および欧州特許出願公開第1792606号明細書に記載の化合物ならびにこれらの付加塩を挙げることもできる。
【0075】
ピリミジン誘導体の中で、例えば、独国特許第2359399号明細書;特願88−169571;特開平05−63124;欧州特許第0770375号明細書、または国際公開第96/15765号パンフレットに記載の化合物、例えば、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、および2,5,6−トリアミノピリミジン、およびこれらの付加塩、およびこれらの互変異性体(互変異性平衡が存在する場合)を挙げることができる。
【0076】
ピラゾロピリミジン誘導体の中で、例えば、欧州特許出願公開第0847271号明細書、欧州特許出願公開第0926149号明細書および欧州特許出願公開第1147109号明細書に記載の化合物ならびにこれらの付加塩を挙げることができる。
【0077】
ピラゾール誘導体の中で、独国特許第3843892号明細書、独国特許第4133957号明細書、および国際公開第94/08969号パンフレット、国際公開第94/08970号パンフレット、仏国特許出願公開第2733749号明細書および独国特許出願公開第19543988号明細書に記載の化合物、例えば、4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4’−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチル−ピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−tert−ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−tert−ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4’−メトキシフェニル)−ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2’−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、3,4,5−トリアミノピラゾール、1−メチル−3,4,5−トリアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−1−メチル−4−メチルアミノピラゾールおよび3,5−ジアミノ−4−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−1−メチルピラゾール、およびこれらの付加塩を挙げることができる。
【0078】
酸素塩基として、式(IV):
【化17】
(式中:
R1、R2、R3およびR4は、同一であってもまたは異なってもよく、以下:
−OR5基、NR6R7基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキサミド基CONR6R7、スルホンアミド基SO2NR6R7、ヘテロアリール、任意選択により(C1〜C4)アルキル基、ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、アミノ、または(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで置換されたアリールからなる群から選択される1つ以上の基で任意選択により置換された、C1〜C6の直鎖または分岐鎖のアルキル基;
−1つ以上の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで任意選択により置換されたアリール基;
−(C1〜C4)アルキルおよび(C1〜C2)アルコキシから選択される1つ以上の基で任意選択により置換された、5〜6員のヘテロアリール基、
を表し;
R3およびR4は、また、水素原子を表してもよく;
R5、R6およびR7は、同一であってもまたは異なってもよく、水素原子;ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、カルボキサミドCONR8R9、スルホニルSO2R8、任意選択により(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで置換されたアリールからなる群から選択される1つ以上の基で任意選択により置換されたC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基;(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで任意選択により置換されたアリールを表し;
R6およびR7は、同一であってもまたは異なってもよく、カルボキサミド基CONR8R9;スルホニルSO2R8を表すこともでき;
R8およびR9は、同一であってもまたは異なってもよく、水素原子;1つ以上のヒドロキシルまたはC1〜C2のアルコキシで任意選択により置換されたC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し;
一方ではR1とR2が、他方ではR3とR4が、それらに結合している窒素原子と共に、ハロゲン原子、アミノ基、(ジ)(C1〜C4)アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキサミド基および(C1〜C2)アルコキシ基、および任意選択により1つ以上のヒドロキシル基、アミノ基、(ジ)アルキルアミノ基、アルコキシ基、カルボキシル基またはスルホニル基で置換されたC1〜C4のアルキル基からなる群から選択される1つ以上の基で任意選択により置換されている、5〜7員環の飽和または不飽和の複素環を形成してもよく;
R3およびR4はまた、それらに結合している窒素原子と一緒に、5または7員の複素環を形成してもよく、その炭素原子は任意選択により置換された酸素原子または窒素原子で置換されていてもよい)
のジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロンの誘導体またはこれらの付加塩または溶媒和物も挙げることができる。
【0079】
これらのジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロン誘導体は、特に、仏国特許出願公開第2866338号明細書に記載されており;特に好ましい誘導体は、2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オンジメタンスルホネートである。
【0080】
酸化塩基として、式(I):
【化18】
(式中:
・Zは、独立して、
−単結合、
−以下から選択される2価の基、
−酸素原子、
−−NR6基(R6は水素原子もしくはC1〜C6のアルキル基を表すか、または、R6はR3と共に、それらに結合している窒素原子と一緒に、N、O、S、SO2および−CO−から選択される1つ以上の他のヘテロ原子または基を任意選択により含有する置換または非置換、飽和または不飽和、芳香族または非芳香族の5〜8員の複素環を形成し、この複素環はカチオン性であってもおよび/またはカチオン性基で置換されていてもよい)、
−−N+R7R8−基(R7およびR8は、独立してアルキル基を表し;アルキル基はOHまたは−Oアルキルで置換されていてもよい)、
を表し、
・R3は、
−水素、
−任意選択により置換されているC1〜C10のアルキル基(アルキル基はO、N、Si、S、SOおよびSO2から選択されるヘテロ原子または基で中断されていてもよい)、
−カチオン性基で置換および/または中断されたC1〜C10のアルキル基、
−ハロゲン、
−SO3H基、
−N、O、S、SO2および−CO−から選択される1つ以上のヘテロ原子または基を任意選択により含有する、置換または非置換、飽和、不飽和または芳香族の5〜8員環(環は、カチオン性であってもおよび/またはカチオン性基で置換されていてもよい)、
を表し、
・R1およびR2は、同一であってもまたは異なってもよく、以下:
−OR5基、NR9R10基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキサミド基CONR9R10、スルホンアミド基SO2NR9R10、ヘテロアリール、任意選択により(C1〜C4)アルキル基、ヒドロキシル基、C1〜C2のアルコキシ基、アミノ基または(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で置換されたアリールから選択される1つ以上の基で任意選択により置換されたC1〜C6の直鎖または分岐鎖のアルキル基;
−1つ以上の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで任意選択により置換されたアリール基;
−OHもしくは−Oアルキルで一置換もしくは多置換された(C1〜C4)アルキル、または(C1〜C2)アルコキシから選択される1つ以上の基で任意選択により置換された5または6員のヘテロアリール基、
を表し;
R1およびR2は、それらに結合している窒素原子と共に、ハロゲン原子、アミノ基、(ジ)(C1〜C4)アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキサミド基および(C1〜C2)アルコキシ基、ならびに任意選択により1つ以上のヒドロキシル基、アミノ基、(ジ)アルキルアミノ基、アルコキシ基、カルボキシル基またはスルホニル基で置換されたC1〜C4のアルキル基からなる群から選択される1つ以上の基で任意選択により置換されている、5〜7員環の飽和または不飽和の複素環を形成してもよく、
An−は、式(I)の化合物の電気的中性を確保することを可能にするアニオンまたはアニオン群を表し、
但し、Z基およびR3基の少なくとも1つはカチオン性基を表す)
のジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロンの誘導体またはその酸付加塩または溶媒和物を挙げることもできる。
【0081】
これらのジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロン誘導体は、仏国特許出願公開第2927078号明細書に記載されている。
【0082】
一般に、1種類または複数種類の酸化塩基の濃度は、組成物の全重量に対して、0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%である。
【0083】
本発明による組成物は、好ましくは、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン以外の少なくとも1種類の追加の酸化カプラーを含有する。
【0084】
これらの酸化カプラーとしては、特に、m−フェニレンジアミン類、m−アミノフェノール類、m−ジフェノール類、ナフタレン系カプラーおよび複素環系カプラーおよびこれらの付加塩が挙げられる。
【0085】
例として、2−メチル−5−アミノフェノール、5−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、6−クロロ−2−メチル−5−アミノフェノール、3−アミノフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン(またはレゾルシノール)、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、4−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2−アミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、3−ウレイドアニリン、3−ウレイド−1−ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1−β−ヒドロキシエチルアミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、α−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、6−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、1−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、2,6−ビス(β−ヒドロキシエチルアミノ)トルエンおよびこれらの付加塩が挙げられる。
【0086】
一般に、1種類または複数種類の酸化カプラーの濃度は、組成物の全重量に対して、0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%である。
【0087】
一般的に言えば、酸化塩基およびカプラーに使用できる酸付加塩は、特に、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩および酢酸塩から選択される。
【0088】
本発明による染色組成物は、1種類以上の直接染料をさらに含んでもよく、それは、特に、中性、酸性またはカチオン性ニトロベンゼン染料、中性、酸性またはカチオン性アゾ直接染料、中性、酸性またはカチオン性キノン、とりわけアントラキノン、直接染料、アジン直接染料、メチン、アゾメチン、トリアリールメタンおよびインドアミン直接染料ならびに天然直接染料から選択されてもよい。本発明による組成物は、好ましくは、カチオン性直接染料および天然直接染料から選択される少なくとも1種類の染料を含む。
【0089】
本発明により使用することができるカチオン性直接染料の中で、国際公開第95/15144号パンフレット、国際公開第95/01772号パンフレットおよび欧州特許出願第714954号明細書に記載のカチオン性アゾ直接染料を挙げることができる。
【0090】
これらの化合物としては、とりわけ、以下の染料が挙げられる:
−1,3−ジメチル−2−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ]−1H−イミダゾリウムクロリド、
−1,3−ジメチル−2−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1H−イミダゾリウムクロリド、
−1−メチル−4−[(メチルフェニルヒドラゾノ)メチル]ピリジニウムメチルサルフェート。
【0091】
本発明により使用することができる直接天然染料としては、ローソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシンおよびアピゲニンが挙げられる。これらの天然染料を含有する抽出物または煎出液、特にヘンナをベースにする湿布剤(poultices)または抽出物を使用してもよい。
【0092】
1種類または複数種類の直接染料は、好ましくは、組成物の全重量の約0.001重量%〜20重量%、さらにより好ましくは約0.005重量%〜10重量%を占める。
【0093】
当業者は、もちろん、意図される1種類または複数種類の添加物が本発明による酸化染色組成物の本質的に有する有利な特性に悪影響を及ぼさないようにまたは本質的に悪影響を及ぼさないように、1種類または複数種類の補助剤、追加の染料前駆体および直接染料が選択されるように留意するであろう。
【0094】
本発明による染色組成物のpHは、一般に、約3〜12、好ましくは約5〜11である。それは、ケラチン繊維の染色に通常使用される酸性化剤もしくはアルカリ化剤で、または通常の緩衝剤系を使用して所望の値に調整されてもよい。
【0095】
酸性化剤としては、例えば、ジカルボン酸以外の無機または有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸(酢酸、酒石酸、クエン酸、および乳酸など)およびスルホン酸が挙げられる。
【0096】
アルカリ化剤としては、例えば、アンモニア、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン(モノ−、ジ−、およびトリエタノールアミンならびにそれらの誘導体)、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、および次式:
【化19】
(式中、Wは、ヒドロキシル基またはC1〜C4のアルキル基で任意選択により置換されたプロピレン残基であり;Ra、Rb、RcおよびRdは、同一であってもまたは異なってもよく、水素原子またはC1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のヒドロキシアルキル基を表す)
の化合物が挙げられる。
【0097】
本発明による化粧用組成物は、液体、クリーム、ゲルの形態、またはケラチン繊維、特にヒトの毛髪の染色を行うのに適切な他の任意の形態などの様々な形態で存在してもよい。
【0098】
本出願は、前述の本発明による組成物を、酸化剤の存在下で所望の色に発色するのに十分な時間、ケラチン繊維に塗布する方法に関し、酸化剤は、組成物の前に、組成物と同時に、または組成物の後に塗布される。
【0099】
色は酸性、中性またはアルカリ性のpHで現れてもよく、ちょうど使用する時に本発明の組成物に酸化剤を添加してもよく、または、酸化剤は、まず酸化剤を含有する酸化組成物の状態にして使用され、それを本発明の組成物と同時にまたは連続して塗布してもよい。
【0100】
特定の一実施形態では、染色に適切な媒体中に少なくとも1種類の酸化剤を含有する組成物に、本発明による組成物を好ましくは使用時に混入するが、この酸化剤は発色するのに十分な量で存在する。
【0101】
この特定の実施形態では、すぐに使用できる組成物が得られるが、それは本発明による組成物と少なくとも1種類の酸化剤との混合物である。得られた混合物を、その後、所望の色に発色するのに十分な時間、ケラチン繊維に塗布する。約3〜50分、好ましくは約5〜30分の放置時間の後、ケラチン繊維をすすぎ、シャンプーで洗浄し、再度すすいだ後、乾燥させる。
【0102】
ケラチン繊維の酸化染色に通常使用される酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩、過酸塩(過ホウ酸塩および過硫酸塩など)、過酸およびオキシダーゼ酵素(ペルオキシダーゼを含む)、2電子酸化還元酵素(ウリカーゼなど)、および4電子オキシゲナーゼ(ラッカーゼなど)がある。過酸化水素が特に好ましい。
【0103】
酸化組成物は、さらに、染毛用の組成物に通常使用される前述のような様々な補助剤を含んでもよい。
【0104】
酸化剤を含有する酸化組成物のpHは、染色組成物と混合した後、ケラチン繊維に塗布される得られた組成物のpHが、好ましくは約3〜12、さらにより好ましくは5〜11の範囲となるようにする。それは、ケラチン繊維の染色に通常使用される前述のような酸性化剤またはアルカリ化剤で所望の値に調整されてもよい。
【0105】
ケラチン繊維に最終的に塗布されるすぐに使用できる組成物は、液体、クリーム、ゲルの形態、またはケラチン繊維、特にヒトの毛髪の染色を行うのに適切な他の任意の形態などの様々な形態で存在してもよい。
【0106】
本出願は、さらに、すぐに使用できる組成物を、所望の色に発色するのに十分な時間、前記繊維に塗布する、ケラチン繊維の染色方法を提供する。
【0107】
所望の色に発色するのに十分な時間は、一般に、約3〜50分、好ましくは約5〜30分の放置時間に対応する。
【0108】
本発明は、さらに、第1の区画が前述の染色組成物を収容し、第2の区画が酸化組成物を収容する、多区画染色用具または「キット」を提供する。この用具は、本出願人の名義の仏国特許第2586913号明細書に記載の用具などの、所望の混合物を毛髪に送達することを可能にする手段を備えてもよい。
【0109】
この用具を使用すると、本発明による染色組成物を前述の酸化剤と混合する工程、および得られた混合物を、所望の色に発色するのに十分な時間ケラチン繊維に塗布する工程を含む方法によりケラチン繊維を染色することが可能である。
【0110】
以下の実施例は、本発明を説明するのに役立つが、決して本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0111】
合成例:
全実施例に共通の2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチルメタンスルホネートの合成
【化20】
*工程1:2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタノールの合成
アセトニトリル500ml、6−ニトロインドリン50g(0.304mol)、2−ブロモエタノール45.1ml(1.36mol)およびトリエチルアミン131.5ml(0.942mol)を、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた1リットルの三口フラスコに連続的に投入し、混合物を24時間還流させる。
【0112】
次いで、赤色油状物質が得られるまで反応媒体を1/10に減圧濃縮し、それをジクロロメタン600mlで抽出する。得られた有機相を4×300mlの水で洗浄し、硫酸ナトリウムNa2SO4で乾燥させる。暗赤色固体(質量64.83g)が得られるまでロータリーエバポレータでジクロロメタンを除去し、それをシリカカラムクロマトグラフィー(溶出液=90/10クロロホルム/メタノール)で精製して、期待される生成物に対応する暗赤色固体41.13g(収率64.8%)を得る。
【0113】
質量分析法による分析で、期待される化合物の構造を確認する:期待される分子C10H12N2O3の準分子イオン[M+H]+、[M+Na]+、[M+Na+CH3OH]+、[2M+Na]+、[M−H]−が主に検出される。
【0114】
*工程2:全実施例に共通の2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチルメタンスルホネートの合成
テトラヒドロフラン150ml、2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタノール15g(72.03mmol)およびトリエチルアミン11.05ml(79.24mmol)を、温度計、冷却器、バブラー、マグネチックスターラーおよび等圧滴下漏斗を備えた0.5リットルの三口フラスコに連続的に投入する。
【0115】
撹拌しながらこの反応媒体を0℃に冷却し、温度が20℃未満に維持されるように、塩化メタンスルホニル6.14ml(79.24mmol)を滴下する。
【0116】
滴下が完了した後、2時間撹拌し続ける。橙色乾燥抽出物が得られるまで、反応媒体を減圧濃縮し、それをジクロロメタン150mlおよび水75mlで抽出する。有機相を2×75mlの水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、期待される化合物に対応する橙色固体(質量20.43g)が得られるまで、減圧濃縮する。
【0117】
分光測定法による分析で、期待される化合物の構造を確認する:期待される分子C11H14N2O5Sの準分子イオン[M+H]+、[M+Na]+、[2M+Na]+が主に検出される。
【0118】
実施例1:2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリド塩酸塩の合成。
【化21】
*N,N−ジメチル−2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタンアミンの合成
【化22】
プロパノール25ml、2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチルメタンスルホネート5g(17.46mmol)およびMeOH中2.0Mのジメチルアミン26.2ml(52.39mmol)を、温度計、冷却器、バブラーおよびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、混合物を2時間還流させる。
【0119】
次いで、橙色油状物質が得られるまで反応媒体を1/10に減圧濃縮し、それをジクロロメタン250mlで抽出する。得られた有機相に100mlの1N水酸化ナトリウムおよび2×100mlの水を添加し、得られた生成物を硫酸ナトリウムNa2SO4で乾燥させる。
【0120】
期待される生成物に対応する、橙色油状物質(質量3.50g(収率85.3%))が得られるまでロータリーエバポレータでジクロロメタンを除去する。
【0121】
質量分析法による分析で、期待される化合物の構造を確認する:期待される分子の準分子イオン[M+H]+、ならびにフラグメントイオン[C10H11N2O2]+(m/z、ESP+=191)が検出される。
【0122】
*N,N,N−トリメチル−2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタンアンモニウムメチルサルフェート
【化23】
テトラヒドロフラン40mlおよびN,N−ジメチル−2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタンアミン5g(17.46mmol)を、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入した後、シリンジを使用してジメチルサルフェート2.96ml(3.12mmol)を滴下する。
【0123】
期待される化合物の沈殿のため、反応媒体は不均一になる。生成した橙色固体をアルゴン下で濾過することにより単離した後、50mlのテトラヒドロフラン、次いで3×150mlの2−プロパノールで洗浄する。
【0124】
次いで、質量が一定になるまで、固体を乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。このようにして、期待される化合物に対応する橙色固体4.90g(収率91.2%)を得る。
【0125】
質量分析法による分析で、期待される化合物の構造を確認する:期待される分子の準分子イオン[M+H]+ならびにフラグメントイオン[C13H20N3O2]が主に検出される。
【0126】
*2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリド塩酸塩の合成
【化24】
エタノール30ml、亜鉛粉末2.7g、および酢酸2.1マイクロリットルを、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、媒体を還流させる。
【0127】
N,N,N−トリメチル−2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタンアンモニウムメチルサルフェート2.7g(7.34mmol)をスパチュラの先端で少量ずつ添加する。
【0128】
添加終了時、アルゴン下で3時間還流し続け、セライトを充填した焼結漏斗および0℃の6.0N塩酸含有2−プロパノール溶液20mlが入った真空フラスコで反応媒体を濾過する。最小限の量のエチルエーテルで亜鉛を洗い流す。
【0129】
撹拌しながら、期待される化合物を真空フラスコ中で、ベージュ色の固体の形態で結晶化させる。焼結漏斗で固体を濾過し、吸引により且つアルゴン下で迅速に乾燥させ、最小限の量の冷iPrOH、次いで3×100mlのiPr2Oで洗浄する。化合物を一定の重量になるまで乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。このようにして、期待される化合物に対応するベージュ色の固体3.44g(収率93.4%)を単離する。
【0130】
NMR(1H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO d6)および質量分析法による分析は、期待される構造と一致する。
【0131】
実施例2:1−[2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムクロリド塩酸塩の合成
【化25】
*工程1:3−メチル−1−[2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−1H−イミダゾール−3−イウムメタンスルホネートの合成
【化26】
n−ブタノール30ml、2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチルメタンスルホネート2.70g(9.43mmol)および1−メチルイミダゾール1.5ml(18.86mmol)を、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、混合物を2時間、100℃にする。
【0132】
反応混合物は不均一であるが、後で均一になる。周囲温度に冷却した後、橙色油状物質が得られるまで反応媒体を1/10に減圧濃縮し、それを5mlの2−プロパノールで抽出し、エチルエーテルを添加すると橙黄色固体が沈殿する。
【0133】
固体を焼結漏斗で吸引することにより乾燥させ、2×50mlのジエチルエーテルで洗浄し、アルゴン下で吸引することにより迅速に乾燥させた(吸湿性生成物)後、一定の重量になるまで乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。
【0134】
このようにして、期待される化合物2.2g(収率63.4%)を橙黄色固体の形態で単離する。
【0135】
質量分析法による分析で、期待される化合物の構造を確認する。期待されるカチオン[C14H17N4O2]+をm/z、ESP+=273で検出する。
【0136】
*工程2:1−[2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムクロリド塩酸塩の合成
【化27】
エタノール40ml、亜鉛粉末4g、および酢酸112マイクロリットルを、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、媒体を還流させる。
【0137】
3−メチル−1−[2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−1H−イミダゾール−3−イウムメタンスルホネート2.20g(19.65mmol)をスパチュラの先端で少量ずつ添加する。
【0138】
添加終了時、アルゴン下で3時間還流し続け、セライトを充填した焼結漏斗および0℃の6.0N塩酸含有2−プロパノール溶液25mlが入った真空フラスコで反応媒体を濾過する。最小限の量のエチルエーテルで亜鉛を洗い流す。
【0139】
撹拌しながら、期待される化合物を真空フラスコ中で、ベージュ色の固体の形態で結晶化させる。焼結漏斗で固体を濾過し、吸引により且つアルゴン下で迅速に乾燥させ、最小限の量の冷iPrOH、次いで3×100mlのiPr2Oで洗浄する。化合物を一定の重量になるまで乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。このようにして、期待される化合物に対応するベージュ色の固体1.66gを単離する。
【0140】
NMR(1H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO d6)および質量分析法による分析は、期待される構造と一致する。
【0141】
実施例3:4−[2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムクロリド塩酸塩の合成
【化28】
*工程1:1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドールの合成
【化29】
プロパノール30ml、2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチルメタンスルホネート5g(17.46mmol)および1−メチルピペラジン5.8ml(52.89mmol)を、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、混合物を2時間還流させる。
【0142】
周囲温度に冷却した後、橙色油状物質が得られるまで反応媒体を1/10に減圧濃縮し、それをジクロロメタン250mlで抽出する。得られた有機相を2×150mlの水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させる。
【0143】
期待される生成物に対応する橙色油状物質(5.72g、定量的収量)が得られるまで、ロータリーエバポレータでジクロロメタンを除去する。
【0144】
質量分析法による分析で、化合物の構造を確認する。期待される分子の準分子イオン[M+H]+、[M+Na]+が主に検出される。
【0145】
*工程2:1,1−ジメチル−4−[2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イウムメチルサルフェートの合成
【化30】
テトラヒドロフラン60mlおよび1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール5.7g(19.69mol)を、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入する。
0℃に冷却した後、シリンジを使用してジメチルサルフェート3.9ml(41.27mmol)を滴下する。
【0146】
橙色固体が迅速に沈殿し、周囲温度で2時間撹拌し続ける。
【0147】
生成した固体を焼結漏斗で濾別し、アルゴン下で吸引することにより乾燥させ、2×120mlのテトラヒドロフラン、次いで3×100mlの2−プロパノールで洗浄する(生成物は吸湿性であるため、常にアルゴン下で)。橙色固体を一定の重量になるまで乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。このようにして、期待される化合物5.86g(収率71.6%)を単離する。
【0148】
質量分析法による分析で、期待される化合物の構造を確認する。期待されるカチオンならびに対イオンCH3OSO3−を検出する。
【0149】
工程3:4−[2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムクロリド塩酸塩の合成
【化31】
エタノール40ml、亜鉛粉末4g、および酢酸112マイクロリットルを、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、媒体を還流させる。
【0150】
1,1−ジメチル−4−[2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イウムメチルサルフェート4g(19.65mmol)をスパチュラの先端で少量ずつ添加する。
【0151】
添加終了時、アルゴン下で3時間還流し続け、セライトを充填した焼結漏斗および0℃の6.0N塩酸含有2−プロパノール溶液25mlが入った真空フラスコで反応媒体を濾過する。最小限の量の2−プロパノールで亜鉛を洗い流す。
【0152】
撹拌しながら、期待される化合物を真空フラスコ中で、ベージュ色の固体の形態で結晶化させる。焼結漏斗で且つアルゴン下で固体を迅速に濾過し、吸引により乾燥させ、最小限の量の冷2−プロパノール、次いで3×100mlのエチルエーテルで洗浄する。化合物を一定の重量になるまで乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。
【0153】
このようにして、期待される化合物に対応するベージュ色の固体3.57g(収率99.7%)を単離する。
【0154】
NMR(1H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO d6)および質量分析法による分析は、期待される構造と一致する。
【0155】
染色例
次の染色組成物を調製する
【0156】
【表1】
【0157】
【表2】
【0158】
【表3】
【0159】
【表4】
【0160】
【表5】
【0161】
【表6】
【0162】
【表7】
【0163】
(1):pH9.5の染色担体:
96°エチルアルコール 20.8g
35%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液 0.23g a.s.
ジエチレン−トリアミン五酢酸五ナトリウム塩の40%水溶液 0.48g a.s.
C8〜C10アルキルポリグルコシドの60%水溶液 3.6g a.s.
ベンジルアルコール 2.0g
8つのエチレンオキサイド単位を含有するポリエチレングリコール 3.0g
NH4Cl 4.32g
NH3を20%含有するアンモニア水 2.94g
ここで、a.s.は、「活性物質」を表す。
【0164】
使用時に、各組成物を同重量の、20倍の容量の過酸化水素(6重量%)と混合する。最終pH9.5が得られる。
【0165】
得られた各混合物を、白髪を90%含む白髪まじりの頭髪に塗布する。30分の放置時間の後、頭髪をすすぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、再度すすいだ後、乾燥させて、前述の色調を得る。
【技術分野】
【0001】
本出願の対象は、新規なカチオン性6−アミノインドリン類、ケラチン繊維、特に、毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色するためのその使用、このようなカチオン性6−アミノインドリン類を含む染色組成物、ならびにこれらのカチオン性6−アミノインドリン類を使用する方法および用具である。
【背景技術】
【0002】
o−またはp−フェニレンジアミン類、o−またはp−アミノフェノール類、および複素環化合物などの酸化染料前駆体(一般に酸化塩基と称される)を含有する染色組成物を用いて、ケラチン繊維、とりわけヒトの毛髪を染色することは周知の行為である。これらの酸化塩基は無色または僅かに着色した化合物であり、それを酸化剤(oxidizing products)と組み合わせると、酸化縮合プロセスにより着色した化合物を生成することができる。
【0003】
また、これらの酸化塩基で得られる色調は、これらの酸化塩基をカプラーまたは調色剤と組み合わせることにより変化させることができることも知られており、後者は、特に、芳香族芳香族m−ジアミノベンゼン類、m−アミノフェノール類、m−ジフェノール類、および特定の複素環化合物(インドール化合物など)から選択される。
【0004】
酸化塩基およびカプラーとして使用される様々な分子により、広範囲の色を得ることが可能となる。
【0005】
これらの酸化染料により得られる「永久」着色は、さらに、一定数の要求を満たすことが必要である。したがって、それは、毒物学的な欠点がなく、所望の強度の色調が得られ、光、悪天候、洗浄、パーナネントウエーブ処理、発汗、および摩擦などの外的要因に対する耐性が高いものでなければならない。
【0006】
染料はまた、白髪まじりの毛髪を隠すことができるものでなければならず、それらはできるだけ選択性のないものでなければならない、即ち、それらは、一般に先端と根元で感受性(即ち、損傷度)が異なる、同じケラチン繊維房に沿った色差をできるだけ小さくすることができなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】英国特許第1026978号明細書
【特許文献2】英国特許第1153196号明細書
【特許文献3】仏国特許出願公開第2801308号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1792903号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1792606号明細書
【特許文献6】独国特許第2359399号明細書
【特許文献7】特願88−169571
【特許文献8】特開平05−63124
【特許文献9】欧州特許第0770375号明細書
【特許文献10】国際公開第96/15765号パンフレット
【特許文献11】欧州特許出願公開第0847271号明細書
【特許文献12】欧州特許出願公開第0926149号明細書
【特許文献13】欧州特許出願公開第1147109号明細書
【特許文献14】独国特許第3843892号明細書
【特許文献15】独国特許第4133957号明細書
【特許文献16】国際公開第94/08969号パンフレット
【特許文献17】国際公開第94/08970号パンフレット
【特許文献18】仏国特許出願公開第2733749号明細書
【特許文献19】独国特許出願公開第19543988号明細書
【特許文献20】仏国特許出願公開第2866338号明細書
【特許文献21】仏国特許出願公開第2927078号明細書
【特許文献22】国際公開第95/15144号パンフレット
【特許文献23】国際公開第95/01772号パンフレット
【特許文献24】欧州特許出願第714954号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
驚くべきことに、また有利なことに、本出願者は、カチオン性6−アミノインドリン類から生成される新規な複素環系カプラー類を発見した。これらのカプラーにより、多様で強く鮮やかな色調の着色を与えることができる、ケラチン繊維染色用の新規な組成物を製造することが可能となる。
【0009】
これらの組成物はまた、選択性が低く、耐性がある:それらは、繊維が受ける可能性のある様々な攻撃因子に対して優れた耐性がある。
【0010】
さらに、これらの複素環系カプラーは優れた溶解性を示し、十分な色の吸尽が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の対象は、カチオン性6−アミノインドリン系およびそれらの合成方法に関する。
本発明の対象は、また、少なくとも1種類のカチオン性6−アミノインドリンを含有する組成物、本組成物を使用する染色方法、ケラチン繊維、特に、毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色するための本発明による前記組成物の使用、および、特に多区画染色用具または「キット」である。
【0012】
本発明の他の特徴、態様、目的および利点は、以下の説明および実施例を読むことにより、さらに明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン、その酸付加塩、およびその溶媒和物に関する。
【化1】
(式中、
Bは、共有結合またはカルボニル基COを表し;
AK1およびAK2は、独立して、1つ以上のヒドロキシル基で任意選択により置換された、C1〜C10の直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素をベースにする鎖を表し;
Aは、酸素原子またはNR6基を表し;
p=0、1または2であり;
pが2のとき、A基は同一であってもまたは異なってもよく、AK2基は同一であってもまたは異なってもよく;
CAT+は、
−C1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、またはC1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基から選択される、同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたカチオン性複素環基、
−トリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基、
−C1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはC1〜C4のヒドロキシアルキル基から選択される、同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたカチオン性基で置換された5〜8員環の非カチオン性複素環基、
から選択されるカチオン性基を表す)
【0014】
本発明の目的では、「カチオン性複素環基」という用語は、5〜8員環の複素環基を意味し、その環員の1つは第4級アンモニウムである。
【0015】
カチオン性複素環基の例として、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基、ピリミジニウム基、チアゾリウム基、ベンズイミダゾリウム基、ベンゾチアゾリウム基、オキサゾリウム基、ベンゾトリアゾリウム基、ピラゾリウム基、トリアゾリウム基、ベンゾオキサゾリウム基、およびピペリジニウム基が挙げられる。
【0016】
本発明の目的では、「トリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基」という用語は、1つ以上のアルキルおよび/またはヒドロキシアルキル基で置換されたアンモニウム基を意味する。例として、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、ジメチルエチルアンモニウム基、ジエチルメチルアンモニウム基、ジイソプロピルメチルアンモニウム基、ジエチルプロピルアンモニウム基、β−ヒドロキシエチルジエチルアンモニウム基、ジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基、ジ−β−ヒドロキシ−エチルメチルアンモニウム基およびトリ−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基を挙げることができる。
【0017】
5〜8員環の非カチオン性複素環基の例として、イミダゾール基、ピリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、モルホリン基、ピリミジン基、チアゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、オキサゾール基、ベンゾトリアゾール基、ピラゾール基、トリアゾール基、およびベンゾキサゾール基を挙げることができる。
【0018】
本発明の目的では、「カチオン性基」という用語は、トリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基、カチオン性複素環基、またはトリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基でもしくはカチオン性複素環基で置換されたC1〜C4のアルキル基を意味する。
【0019】
R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して:水素原子、フッ素、塩素または臭素から選択されるハロゲン、およびC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、カルボキシル(−COOH)基、(C1〜C4)アルコキシカルボニル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基または(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基から選択され;
R’4、R’5およびR’7は、互いに独立して:水素原子、フッ素、塩素または臭素から選択されるハロゲン、およびC1〜C4のアルキル基から選択され;
R6は、水素原子、またはC1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基、ベンジル基またはアセチル基である。
【0020】
好ましくは、pは0または1を表す。
【0021】
好ましくは、AK1およびAK2は、同一であってもまたは異なってもよく、C1〜C6の直鎖飽和炭化水素をベースにする鎖を表す。
【0022】
好ましくは、CAT+は、
−C1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはC1〜C4のヒドロキシアルキル基から選択される、同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたイミダゾリウム、ピペラジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウムまたはピペリジニウムから選択される5〜8員のカチオン性複素環基;
−トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、ジエチルプロピルアンモニウムおよびジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムから選択されるトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウム基;
−トリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基でもしくはカチオン性複素環基で置換されたアルキル基で置換された、ピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基、または、C1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはC1〜C4のヒドロキシアルキル基、もしくはトリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基から選択される同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたピロリジニウムカチオン性複素環から選択される5〜8員の複素環基、
から選択されるカチオン性基を表す。
【0023】
さらにより好ましくは、CAT+は、
−同一であってもまたは異なってもよい1つ以上のC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基で任意選択により置換されたイミダゾリウム、ピペラジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウムまたはピペリジニウムから選択されるカチオン性複素環基、
−トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウムおよびジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムから選択されるトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウム基、
−メチルトリメチルアンモニウム基、メチルジエチルメチルアンモニウム基、メチル(N−メチルピロリジニウム)基およびトリメチルアンモニウム基から選択される基で置換されたピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基から選択される5〜8員の複素環基、
から選択されるカチオン性基を表す。
【0024】
本発明の特に好ましい第1の変形形態によれば、Bは共有結合またはカルボニル基COを表し、AK1はC1〜C4の直鎖飽和炭化水素をベースにする鎖を表し、pは0であり、CAT+は、C1〜C2のアルキル基で任意選択により置換されたイミダゾリウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基またはピペリジニウム基;メチルトリメチルアンモニウム基、メチルジエチルメチルアンモニウム基、メチル(N−メチルピロリジニウム)基またはトリメチルアンモニウム基で置換されたピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基;およびトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基またはジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基から選択される。
【0025】
本発明の特に好ましい第2の変形形態によれば、Bは共有結合またはカルボニル基COを表し、AK1はC1〜C4の直鎖飽和炭化水素をベースにする鎖を表し、pは1であり、Aは酸素原子またはNH基を表し、CAT+は、C1〜C2のアルキル基で任意選択により置換されたイミダゾリウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基またはピペリジニウム基;メチルトリメチルアンモニウム基、メチルジメチルエチルアンモニウム基、メチル(N−メチルピロリジニウム)基またはトリメチルアンモニウム基で置換されたピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基、ピペリジン基;およびトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基またはジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基から選択される。
【0026】
好ましくは、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立して、水素原子およびC1〜C4のアルキル基から選択される。さらにより好ましくは、R2、R3、R4およびR5は同一であり、水素原子を表す。
【0027】
好ましくは、R’4、R’5およびR’7は、同一であり、水素原子を表す。
【0028】
好ましくは、R6は水素原子である。
【0029】
一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン類は、遊離形態であっても、または塩の形態、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩もしくはリン酸塩から選択される無機酸の付加塩、または、例えば、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、蟻酸塩もしくはメタンスルホン酸塩などの有機酸の付加塩などの形態であってもよい。
【0030】
一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン類はまた、溶媒和物、例えば、水和物、または、エタノールもしくはイソプロパノールなどの直鎖もしくは分岐鎖のアルコールの溶媒和物の形態であってもよい。
【0031】
本発明の文脈では、「式(I)の誘導体」という用語は、任意のメソメリー(mesomeric)または異性体の形態を意味する。
【0032】
式(I)の化合物の電気的中性は、化粧料として許容される有機もしくは無機アニオン、または化粧料として許容される有機もしくは無機アニオンの混合物(An−と表す)により確保される。
【0033】
An−は、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオンまたはヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン;水酸化物イオン;硫酸イオン;硫酸水素イオン;直鎖または分岐鎖のアルキル部分がC1〜C6であるアルキル硫酸イオン、例えば、メチル硫酸イオンまたはエチル硫酸イオン;炭酸イオンおよび炭酸水素イオン;蟻酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、またはシュウ酸塩などのカルボン酸塩;直鎖または分岐鎖のアルキル部分がC1〜C6であるアルキルスルホン酸イオン、例えば、メチルスルホン酸イオン;アリール部分、好ましくはフェニルが1つ以上のC1〜C4のアルキル基で任意選択により置換されているアリールスルホン酸イオン、例えば、4−トルイルスルホン酸イオン;メシレートなどのアルキルスルホニルイオンから選択されるアニオンまたはアニオンの混合物を表す。
【0034】
好ましくは、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン類は、次の化合物から選択される:
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0035】
本出願による一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン類は、様々な合成経路により製造することができる。
【0036】
本出願は、また、式(II):
【化11】
(式中、R2基、R3基、R4基、R5基、R’4基、R’5基、およびR’7基の定義は、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの定義について考えられたものとする)
のインドリンから出発する、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの合成方法にも関し、
前記方法は、少なくとも次の工程:
・式(II)のインドリンをニトロ化して、ニトロインドリンを得る工程、
・窒素原子に結合している水素原子を−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基で置換する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
をこの順番で含む。
【0037】
Bが共有結合を表し、p=0である場合、窒素原子に結合している水素原子の−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基による置換は、次の工程:
・ニトロインドリンをアルキル化して、窒素原子をハロヒドロキシアルキル基で置換する工程、
・アルキルスルホニルハライドまたはアリールスルホニルハライドを用いて、ヒドロキシアルキルのヒドロキシル基をスルホニル基で置換する工程、
・スルホニル基をアミノアルコキシドまたはアミンで置換し、反応物質の性質に応じて、カチオン性基を得るまたはカチオン性基の前駆体を得る工程、
・前工程で行った置換の結果、カチオン性基の前駆体が得られる場合、前駆体をカチオン化する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
で行うことができる。
【0038】
本方法を下記のスキームに要約する:
【化12】
【0039】
Rは、例えば、メチル、フェニル、トルイル基を表す。
【0040】
Bが共有結合を表し、p=0である場合、Rは、例えば、メチル、フェニルまたはトリル基を表す。
【0041】
Bがカルボニル基を表し、p=0である場合、窒素原子に結合している水素原子の−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基による置換は、次の工程:
・ハロアセチルハライドを用いてNH基をアシル化する工程、
・その後、ハロゲンをカチオン性基CATで、またはアミノアルコキシドもしくはアミンで置換し、カチオン性基の前駆体を得る工程、
・前工程で得られた生成物がカチオン性でない場合、前駆体をカチオン化する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
で行うことができる。
【0042】
本方法を下記のスキームに要約する:
【化13】
【0043】
Bがカルボニル基を表し、p=1または2である場合、窒素原子に結合している水素原子の−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基による置換は、次の工程:
・ハロアセチルハライドを用いてNH基をアシル化する工程、
・ハロゲンをHA−AK2−X基(Xはハロゲンである)で置換する工程、
・ハロゲンをカチオン性基CATでまたはアミノアルコキシドもしくはアミンで置換し、カチオン性基の前駆体を得る工程、
・前工程で得られた生成物がカチオン性でない場合、前駆体をカチオン化する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
で行うことができる。
【0044】
本方法を下記のスキームに要約する:
【化14】
【化15】
【0045】
Bが共有結合を表し、p=1または2である場合、窒素原子に結合している水素原子の−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基による置換は、次の工程:
・ニトロインドリンをアルキル化して、窒素原子をジハロゲン化アルキルで置換する工程、
・ヒドロキシアルキルアミンで置換する工程、
・アルキルスルホニルハライドまたはアリールスルホニルハライドを用いてヒドロキシアルキルアミンのヒドロキシル基をスルホニル基で置換する工程、
・スルホニル基をアミノアルコキシドまたはアミンで置換し、反応物質の性質に応じて、カチオン性基を得る、またはカチオン性基の前駆体を得る工程、
・前工程で行われる置換の結果、カチオン性基の前駆体が得られる場合、前駆体をカチオン化する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
で行うことができる。
【0046】
本方法を下記のスキームに要約する:
【化16】
【0047】
AK1、AK2およびAは、式(I)におけるのと同じ意味を有する。
【0048】
CAT=前述のカチオン性基であり、電気的中性は前述のAn−により確保される。
【0049】
PRECAT=カチオン化されてカチオン性基CATになり得る基である。
【0050】
Rは、例えば、メチル基、フェニル基またはトリル基を表す。
【0051】
インドリンのニトロ化は、例えば、硫酸/硝酸混合物中、15℃未満の温度で、15分〜20時間行われる。
【0052】
スキーム1では、アルキル化反応は、アセトニトリル、THFなどの双極性溶媒中、またはエタノールなどのアルコール中、例えば、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基の存在下にて、例えば、1〜2当量のヒドロキシアルキルハライドで、1〜24時間、20℃〜溶媒の還流温度までの温度で行う。
【0053】
次いで、このようにして導入されたヒドロキシル官能基を、ハロゲン化物(例えば、ハロゲン化メシルまたはトシル)で、アセトニトリル、THFなどの溶媒中、またはエタノールなどのアルコール中、例えば、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基の存在下にて、例えば、1〜24時間、20℃〜溶媒の還流温度までの温度で置換する。
【0054】
前工程で導入された脱離基の置換は、メチルイミダゾールなどの芳香族第3級アミンと反応させて化合物(A)を得ることにより、または、例えば、N,N−ジメチルエチレンジアミンもしくは2−ピペリジン−1−イルエタンアミンなどの特定の第1級または第2級アミンと反応させて化合物(B)を得ることにより行われる。化合物(B)を少なくとも1当量のハロゲン化アルキルまたは硫酸メチルで、THF、アセトニトリル、ジオキサンまたは酢酸エチルなどの溶媒中、15分〜24時間、15℃〜溶媒の還流温度の範囲の温度でアルキル化することにより、化合物(A)が得られる。
【0055】
化合物(A)のニトロ基の還元は、通常の条件で、例えば、Pd/C、Pd(II)/C、Ni/Raなどの存在下にて不均一系触媒下で水素化反応を行うことにより、あるいは、例えば、亜鉛、鉄、スズなどの金属を用いて還元反応を行うことにより行われる(Advanced Organic Chemistry,3rd Edition,J.March,1985,Wiley Interscience and Reduction in organic Chemistry,M.Hudlicky,1983,Ellis Horwood Series Chemical Scienceを参照されたい)。この方法は、スキーム2、3、4および5の還元工程に適用される。
【0056】
スキーム2、3および4では、アシル化工程は通常の条件で、例えば、ハロアセチルハライドと、アルコール、酢酸アルキル、THF、ジオキサンなどのタイプの極性溶媒中、0℃〜100℃の温度で反応させることにより行われる。ハロアセチルの性質に応じて、化合物(2)または(9)が得られる。
【0057】
後で使用されるアミンの性質に応じて、窒素化合物(3)または(6)が直接得られるか、または化合物(2)のハロゲンをアミンまたはアミノアルコキシドで置換して、誘導体(4)または(7)を得、その後、それをハロゲン化アルキル、硫酸アルキルまたは炭酸アルキルで、CH3CN、CHCl3、THF、ジオキサン、酢酸エチルまたはアセトンのタイプの溶媒中にてカチオン化して、窒素前駆体(5)または(8)を得る必要がある。
【0058】
スキーム5では、アルキル化工程は、通常の条件で、例えば、ジハロゲン化アルキル、例えば、1,2−エチレンジハライドと、アルコール、酢酸アルキル、THF、ジオキサン、DMFなどの極性溶媒中、0℃〜150℃の温度で、有機または無機塩基の存在下にて反応させることにより行われ、所望の化合物が得られる。次いで、得られた化合物を、アルキルヒドロキシタイプのアミン、例えば、2−アミノエタノールで置換する。この工程に続いて、アルコールをメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、またはメチルベンゼンスルホン酸タイプのSO3R基で保護するための反応を行い、SO3Rタイプの脱離基を得るが、それは(A)または(B)に対応するアミンまたはアミノアルコキシドで容易に置換することができる。
【0059】
本出願は、また、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色するためのカプラーとしての使用にも関する。
【0060】
本出願は、また、染色に適した媒体中に一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンを少なくとも1種類含む、特に毛髪などのケラチン繊維用の化粧用染色組成物にも関する。
【0061】
好ましくは、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの濃度は、組成物の全重量に対して0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%である。
【0062】
染色に適した媒体は、一般に、水、または水と少なくとも1種類の有機溶媒(例えば、エタノールおよびイソプロパノールなどのC1〜C4の直鎖または分岐鎖の低級アルコール;例えば、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよびモノエチルエーテル、グリセロールなどのポリオールおよびポリオールエーテル、ならびに、例えば、ベンジルアルコールまたはフェノキシエタノールなどの芳香族アルコール、ならびにこれらの混合物など)との混合物を含む。
【0063】
有利には、化粧用組成物は、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、界面活性剤、調整剤、皮膜形成剤、ポリマー、セラミド、防腐剤、パール剤または乳白剤、ビタミン類またはプロビタミン類からなる群から選択される少なくとも1種類の化粧料用補助剤を含む。
【0064】
上記補助剤は、一般に、それぞれ、組成物の重量に対して0.01重量%〜20重量%の量で存在する。
【0065】
組成物は、また、少なくとも1種類の酸化塩基も含む。これらの塩基は、特に、p−フェニレンジアミン類、ビス−フェニルアルキレンジアミン類、p−アミノフェノール類、o−アミノフェノール類および複素環塩基、およびそれらの付加塩から選択されてもよい。
【0066】
p−フェニレンジアミン類の中で、例として、特に、p−フェニレンジアミン、p−トルエンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチル−アニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルアニリン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−クロロアニリン、2−β−ヒドロキシエチル−p−フェニレン−ジアミン、2−フルオロ−p−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−p−フェニレンジアミン、N,N−(エチル,β−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N−(β−,γ−ジヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−p−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−p−フェニレンジアミン、N−(β−メトキシエチル)−p−フェニレンジアミン、4−アミノフェニルピロリジン、2−チエニル−p−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−アミノトルエン、3−ヒドロキシ−1−(4’−アミノフェニル)ピロリジン、6−(4−アミノフェニルアミノ)ヘキサン−1−オール、N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]アミンおよびN−(4−アミノフェニル)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]−アミン、およびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0067】
前述のp−フェニレンジアミン類の中で、p−フェニレンジアミン、p−トルエンジアミン、2−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−p−フェニレンジアミンおよび2−[(2−[(4−アミノフェニル)アミノ]エチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、およびこれらの酸付加塩が特に好ましい。
【0068】
ビス(フェニル)アルキレンジアミン類の中で、例として、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)―N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(エチル)−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミンおよび1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,6−ジオキサオクタン、およびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0069】
p−アミノフェノール類の中で、例として、p−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−2−クロロフェノール、4−アミノ−3−クロロフェノール、4−アミノ−3−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メトキシメチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(β−ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4−アミノ−2−フルオロフェノール、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノール、4−アミノ−6[((5’−アミノ−2’−ヒドロキシ−3’−メチル)フェニル)メチル]−2−メチルフェノールおよびビス[(5’−アミノ−2’−ヒドロキシ)フェニルメタン、およびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0070】
o−アミノフェノール類の中で、例として、2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノールおよび5−アセトアミド−2−アミノフェノール、およびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0071】
複素環塩基の中で、例として、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体を挙げることができる。
【0072】
ピリジン誘導体の中で、例えば、英国特許第1026978号明細書および英国特許第1153196号明細書に記載の化合物、例えば、2,5−ジアミノピリジン、2−(4−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジンおよび3,4−ジアミノピリジン、ならびにこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0073】
本発明に有用な他のピリジン酸化塩基には、例えば、仏国特許出願公開第2801308号明細書に記載の3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン酸化塩基またはこれらの付加塩がある。例として、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;2−アセチルアミノピラゾロ[1,5−a]−ピリジン−3−イルアミン;2−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸;2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)メタノール;2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル)エタノール;2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)エタノール;(3−アミノピラゾロ[1,5−a]−ピリジン−2−イル)メタノール;3,6−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン;3,4−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン;ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,7−ジアミン;7−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;ピラゾロ−[1,5−a]ピリジン−3,5−ジアミン;5−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−オール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−オール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−オール;およびこれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0074】
本発明に有用なピリジン塩基の中で、欧州特許出願公開第1792903号明細書および欧州特許出願公開第1792606号明細書に記載の化合物ならびにこれらの付加塩を挙げることもできる。
【0075】
ピリミジン誘導体の中で、例えば、独国特許第2359399号明細書;特願88−169571;特開平05−63124;欧州特許第0770375号明細書、または国際公開第96/15765号パンフレットに記載の化合物、例えば、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、および2,5,6−トリアミノピリミジン、およびこれらの付加塩、およびこれらの互変異性体(互変異性平衡が存在する場合)を挙げることができる。
【0076】
ピラゾロピリミジン誘導体の中で、例えば、欧州特許出願公開第0847271号明細書、欧州特許出願公開第0926149号明細書および欧州特許出願公開第1147109号明細書に記載の化合物ならびにこれらの付加塩を挙げることができる。
【0077】
ピラゾール誘導体の中で、独国特許第3843892号明細書、独国特許第4133957号明細書、および国際公開第94/08969号パンフレット、国際公開第94/08970号パンフレット、仏国特許出願公開第2733749号明細書および独国特許出願公開第19543988号明細書に記載の化合物、例えば、4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4’−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチル−ピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−tert−ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−tert−ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4’−メトキシフェニル)−ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2’−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、3,4,5−トリアミノピラゾール、1−メチル−3,4,5−トリアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−1−メチル−4−メチルアミノピラゾールおよび3,5−ジアミノ−4−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−1−メチルピラゾール、およびこれらの付加塩を挙げることができる。
【0078】
酸素塩基として、式(IV):
【化17】
(式中:
R1、R2、R3およびR4は、同一であってもまたは異なってもよく、以下:
−OR5基、NR6R7基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキサミド基CONR6R7、スルホンアミド基SO2NR6R7、ヘテロアリール、任意選択により(C1〜C4)アルキル基、ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、アミノ、または(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで置換されたアリールからなる群から選択される1つ以上の基で任意選択により置換された、C1〜C6の直鎖または分岐鎖のアルキル基;
−1つ以上の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで任意選択により置換されたアリール基;
−(C1〜C4)アルキルおよび(C1〜C2)アルコキシから選択される1つ以上の基で任意選択により置換された、5〜6員のヘテロアリール基、
を表し;
R3およびR4は、また、水素原子を表してもよく;
R5、R6およびR7は、同一であってもまたは異なってもよく、水素原子;ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、カルボキサミドCONR8R9、スルホニルSO2R8、任意選択により(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで置換されたアリールからなる群から選択される1つ以上の基で任意選択により置換されたC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基;(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで任意選択により置換されたアリールを表し;
R6およびR7は、同一であってもまたは異なってもよく、カルボキサミド基CONR8R9;スルホニルSO2R8を表すこともでき;
R8およびR9は、同一であってもまたは異なってもよく、水素原子;1つ以上のヒドロキシルまたはC1〜C2のアルコキシで任意選択により置換されたC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し;
一方ではR1とR2が、他方ではR3とR4が、それらに結合している窒素原子と共に、ハロゲン原子、アミノ基、(ジ)(C1〜C4)アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキサミド基および(C1〜C2)アルコキシ基、および任意選択により1つ以上のヒドロキシル基、アミノ基、(ジ)アルキルアミノ基、アルコキシ基、カルボキシル基またはスルホニル基で置換されたC1〜C4のアルキル基からなる群から選択される1つ以上の基で任意選択により置換されている、5〜7員環の飽和または不飽和の複素環を形成してもよく;
R3およびR4はまた、それらに結合している窒素原子と一緒に、5または7員の複素環を形成してもよく、その炭素原子は任意選択により置換された酸素原子または窒素原子で置換されていてもよい)
のジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロンの誘導体またはこれらの付加塩または溶媒和物も挙げることができる。
【0079】
これらのジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロン誘導体は、特に、仏国特許出願公開第2866338号明細書に記載されており;特に好ましい誘導体は、2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オンジメタンスルホネートである。
【0080】
酸化塩基として、式(I):
【化18】
(式中:
・Zは、独立して、
−単結合、
−以下から選択される2価の基、
−酸素原子、
−−NR6基(R6は水素原子もしくはC1〜C6のアルキル基を表すか、または、R6はR3と共に、それらに結合している窒素原子と一緒に、N、O、S、SO2および−CO−から選択される1つ以上の他のヘテロ原子または基を任意選択により含有する置換または非置換、飽和または不飽和、芳香族または非芳香族の5〜8員の複素環を形成し、この複素環はカチオン性であってもおよび/またはカチオン性基で置換されていてもよい)、
−−N+R7R8−基(R7およびR8は、独立してアルキル基を表し;アルキル基はOHまたは−Oアルキルで置換されていてもよい)、
を表し、
・R3は、
−水素、
−任意選択により置換されているC1〜C10のアルキル基(アルキル基はO、N、Si、S、SOおよびSO2から選択されるヘテロ原子または基で中断されていてもよい)、
−カチオン性基で置換および/または中断されたC1〜C10のアルキル基、
−ハロゲン、
−SO3H基、
−N、O、S、SO2および−CO−から選択される1つ以上のヘテロ原子または基を任意選択により含有する、置換または非置換、飽和、不飽和または芳香族の5〜8員環(環は、カチオン性であってもおよび/またはカチオン性基で置換されていてもよい)、
を表し、
・R1およびR2は、同一であってもまたは異なってもよく、以下:
−OR5基、NR9R10基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキサミド基CONR9R10、スルホンアミド基SO2NR9R10、ヘテロアリール、任意選択により(C1〜C4)アルキル基、ヒドロキシル基、C1〜C2のアルコキシ基、アミノ基または(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノ基で置換されたアリールから選択される1つ以上の基で任意選択により置換されたC1〜C6の直鎖または分岐鎖のアルキル基;
−1つ以上の(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、C1〜C2のアルコキシ、アミノまたは(ジ)(C1〜C2)アルキルアミノで任意選択により置換されたアリール基;
−OHもしくは−Oアルキルで一置換もしくは多置換された(C1〜C4)アルキル、または(C1〜C2)アルコキシから選択される1つ以上の基で任意選択により置換された5または6員のヘテロアリール基、
を表し;
R1およびR2は、それらに結合している窒素原子と共に、ハロゲン原子、アミノ基、(ジ)(C1〜C4)アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキサミド基および(C1〜C2)アルコキシ基、ならびに任意選択により1つ以上のヒドロキシル基、アミノ基、(ジ)アルキルアミノ基、アルコキシ基、カルボキシル基またはスルホニル基で置換されたC1〜C4のアルキル基からなる群から選択される1つ以上の基で任意選択により置換されている、5〜7員環の飽和または不飽和の複素環を形成してもよく、
An−は、式(I)の化合物の電気的中性を確保することを可能にするアニオンまたはアニオン群を表し、
但し、Z基およびR3基の少なくとも1つはカチオン性基を表す)
のジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロンの誘導体またはその酸付加塩または溶媒和物を挙げることもできる。
【0081】
これらのジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロン誘導体は、仏国特許出願公開第2927078号明細書に記載されている。
【0082】
一般に、1種類または複数種類の酸化塩基の濃度は、組成物の全重量に対して、0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%である。
【0083】
本発明による組成物は、好ましくは、一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリン以外の少なくとも1種類の追加の酸化カプラーを含有する。
【0084】
これらの酸化カプラーとしては、特に、m−フェニレンジアミン類、m−アミノフェノール類、m−ジフェノール類、ナフタレン系カプラーおよび複素環系カプラーおよびこれらの付加塩が挙げられる。
【0085】
例として、2−メチル−5−アミノフェノール、5−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、6−クロロ−2−メチル−5−アミノフェノール、3−アミノフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン(またはレゾルシノール)、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、4−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2−アミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、3−ウレイドアニリン、3−ウレイド−1−ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1−β−ヒドロキシエチルアミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、α−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、6−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、1−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、2,6−ビス(β−ヒドロキシエチルアミノ)トルエンおよびこれらの付加塩が挙げられる。
【0086】
一般に、1種類または複数種類の酸化カプラーの濃度は、組成物の全重量に対して、0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%である。
【0087】
一般的に言えば、酸化塩基およびカプラーに使用できる酸付加塩は、特に、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩および酢酸塩から選択される。
【0088】
本発明による染色組成物は、1種類以上の直接染料をさらに含んでもよく、それは、特に、中性、酸性またはカチオン性ニトロベンゼン染料、中性、酸性またはカチオン性アゾ直接染料、中性、酸性またはカチオン性キノン、とりわけアントラキノン、直接染料、アジン直接染料、メチン、アゾメチン、トリアリールメタンおよびインドアミン直接染料ならびに天然直接染料から選択されてもよい。本発明による組成物は、好ましくは、カチオン性直接染料および天然直接染料から選択される少なくとも1種類の染料を含む。
【0089】
本発明により使用することができるカチオン性直接染料の中で、国際公開第95/15144号パンフレット、国際公開第95/01772号パンフレットおよび欧州特許出願第714954号明細書に記載のカチオン性アゾ直接染料を挙げることができる。
【0090】
これらの化合物としては、とりわけ、以下の染料が挙げられる:
−1,3−ジメチル−2−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ]−1H−イミダゾリウムクロリド、
−1,3−ジメチル−2−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1H−イミダゾリウムクロリド、
−1−メチル−4−[(メチルフェニルヒドラゾノ)メチル]ピリジニウムメチルサルフェート。
【0091】
本発明により使用することができる直接天然染料としては、ローソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシンおよびアピゲニンが挙げられる。これらの天然染料を含有する抽出物または煎出液、特にヘンナをベースにする湿布剤(poultices)または抽出物を使用してもよい。
【0092】
1種類または複数種類の直接染料は、好ましくは、組成物の全重量の約0.001重量%〜20重量%、さらにより好ましくは約0.005重量%〜10重量%を占める。
【0093】
当業者は、もちろん、意図される1種類または複数種類の添加物が本発明による酸化染色組成物の本質的に有する有利な特性に悪影響を及ぼさないようにまたは本質的に悪影響を及ぼさないように、1種類または複数種類の補助剤、追加の染料前駆体および直接染料が選択されるように留意するであろう。
【0094】
本発明による染色組成物のpHは、一般に、約3〜12、好ましくは約5〜11である。それは、ケラチン繊維の染色に通常使用される酸性化剤もしくはアルカリ化剤で、または通常の緩衝剤系を使用して所望の値に調整されてもよい。
【0095】
酸性化剤としては、例えば、ジカルボン酸以外の無機または有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸(酢酸、酒石酸、クエン酸、および乳酸など)およびスルホン酸が挙げられる。
【0096】
アルカリ化剤としては、例えば、アンモニア、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン(モノ−、ジ−、およびトリエタノールアミンならびにそれらの誘導体)、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、および次式:
【化19】
(式中、Wは、ヒドロキシル基またはC1〜C4のアルキル基で任意選択により置換されたプロピレン残基であり;Ra、Rb、RcおよびRdは、同一であってもまたは異なってもよく、水素原子またはC1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のヒドロキシアルキル基を表す)
の化合物が挙げられる。
【0097】
本発明による化粧用組成物は、液体、クリーム、ゲルの形態、またはケラチン繊維、特にヒトの毛髪の染色を行うのに適切な他の任意の形態などの様々な形態で存在してもよい。
【0098】
本出願は、前述の本発明による組成物を、酸化剤の存在下で所望の色に発色するのに十分な時間、ケラチン繊維に塗布する方法に関し、酸化剤は、組成物の前に、組成物と同時に、または組成物の後に塗布される。
【0099】
色は酸性、中性またはアルカリ性のpHで現れてもよく、ちょうど使用する時に本発明の組成物に酸化剤を添加してもよく、または、酸化剤は、まず酸化剤を含有する酸化組成物の状態にして使用され、それを本発明の組成物と同時にまたは連続して塗布してもよい。
【0100】
特定の一実施形態では、染色に適切な媒体中に少なくとも1種類の酸化剤を含有する組成物に、本発明による組成物を好ましくは使用時に混入するが、この酸化剤は発色するのに十分な量で存在する。
【0101】
この特定の実施形態では、すぐに使用できる組成物が得られるが、それは本発明による組成物と少なくとも1種類の酸化剤との混合物である。得られた混合物を、その後、所望の色に発色するのに十分な時間、ケラチン繊維に塗布する。約3〜50分、好ましくは約5〜30分の放置時間の後、ケラチン繊維をすすぎ、シャンプーで洗浄し、再度すすいだ後、乾燥させる。
【0102】
ケラチン繊維の酸化染色に通常使用される酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩、過酸塩(過ホウ酸塩および過硫酸塩など)、過酸およびオキシダーゼ酵素(ペルオキシダーゼを含む)、2電子酸化還元酵素(ウリカーゼなど)、および4電子オキシゲナーゼ(ラッカーゼなど)がある。過酸化水素が特に好ましい。
【0103】
酸化組成物は、さらに、染毛用の組成物に通常使用される前述のような様々な補助剤を含んでもよい。
【0104】
酸化剤を含有する酸化組成物のpHは、染色組成物と混合した後、ケラチン繊維に塗布される得られた組成物のpHが、好ましくは約3〜12、さらにより好ましくは5〜11の範囲となるようにする。それは、ケラチン繊維の染色に通常使用される前述のような酸性化剤またはアルカリ化剤で所望の値に調整されてもよい。
【0105】
ケラチン繊維に最終的に塗布されるすぐに使用できる組成物は、液体、クリーム、ゲルの形態、またはケラチン繊維、特にヒトの毛髪の染色を行うのに適切な他の任意の形態などの様々な形態で存在してもよい。
【0106】
本出願は、さらに、すぐに使用できる組成物を、所望の色に発色するのに十分な時間、前記繊維に塗布する、ケラチン繊維の染色方法を提供する。
【0107】
所望の色に発色するのに十分な時間は、一般に、約3〜50分、好ましくは約5〜30分の放置時間に対応する。
【0108】
本発明は、さらに、第1の区画が前述の染色組成物を収容し、第2の区画が酸化組成物を収容する、多区画染色用具または「キット」を提供する。この用具は、本出願人の名義の仏国特許第2586913号明細書に記載の用具などの、所望の混合物を毛髪に送達することを可能にする手段を備えてもよい。
【0109】
この用具を使用すると、本発明による染色組成物を前述の酸化剤と混合する工程、および得られた混合物を、所望の色に発色するのに十分な時間ケラチン繊維に塗布する工程を含む方法によりケラチン繊維を染色することが可能である。
【0110】
以下の実施例は、本発明を説明するのに役立つが、決して本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0111】
合成例:
全実施例に共通の2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチルメタンスルホネートの合成
【化20】
*工程1:2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタノールの合成
アセトニトリル500ml、6−ニトロインドリン50g(0.304mol)、2−ブロモエタノール45.1ml(1.36mol)およびトリエチルアミン131.5ml(0.942mol)を、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた1リットルの三口フラスコに連続的に投入し、混合物を24時間還流させる。
【0112】
次いで、赤色油状物質が得られるまで反応媒体を1/10に減圧濃縮し、それをジクロロメタン600mlで抽出する。得られた有機相を4×300mlの水で洗浄し、硫酸ナトリウムNa2SO4で乾燥させる。暗赤色固体(質量64.83g)が得られるまでロータリーエバポレータでジクロロメタンを除去し、それをシリカカラムクロマトグラフィー(溶出液=90/10クロロホルム/メタノール)で精製して、期待される生成物に対応する暗赤色固体41.13g(収率64.8%)を得る。
【0113】
質量分析法による分析で、期待される化合物の構造を確認する:期待される分子C10H12N2O3の準分子イオン[M+H]+、[M+Na]+、[M+Na+CH3OH]+、[2M+Na]+、[M−H]−が主に検出される。
【0114】
*工程2:全実施例に共通の2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチルメタンスルホネートの合成
テトラヒドロフラン150ml、2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタノール15g(72.03mmol)およびトリエチルアミン11.05ml(79.24mmol)を、温度計、冷却器、バブラー、マグネチックスターラーおよび等圧滴下漏斗を備えた0.5リットルの三口フラスコに連続的に投入する。
【0115】
撹拌しながらこの反応媒体を0℃に冷却し、温度が20℃未満に維持されるように、塩化メタンスルホニル6.14ml(79.24mmol)を滴下する。
【0116】
滴下が完了した後、2時間撹拌し続ける。橙色乾燥抽出物が得られるまで、反応媒体を減圧濃縮し、それをジクロロメタン150mlおよび水75mlで抽出する。有機相を2×75mlの水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、期待される化合物に対応する橙色固体(質量20.43g)が得られるまで、減圧濃縮する。
【0117】
分光測定法による分析で、期待される化合物の構造を確認する:期待される分子C11H14N2O5Sの準分子イオン[M+H]+、[M+Na]+、[2M+Na]+が主に検出される。
【0118】
実施例1:2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリド塩酸塩の合成。
【化21】
*N,N−ジメチル−2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタンアミンの合成
【化22】
プロパノール25ml、2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチルメタンスルホネート5g(17.46mmol)およびMeOH中2.0Mのジメチルアミン26.2ml(52.39mmol)を、温度計、冷却器、バブラーおよびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、混合物を2時間還流させる。
【0119】
次いで、橙色油状物質が得られるまで反応媒体を1/10に減圧濃縮し、それをジクロロメタン250mlで抽出する。得られた有機相に100mlの1N水酸化ナトリウムおよび2×100mlの水を添加し、得られた生成物を硫酸ナトリウムNa2SO4で乾燥させる。
【0120】
期待される生成物に対応する、橙色油状物質(質量3.50g(収率85.3%))が得られるまでロータリーエバポレータでジクロロメタンを除去する。
【0121】
質量分析法による分析で、期待される化合物の構造を確認する:期待される分子の準分子イオン[M+H]+、ならびにフラグメントイオン[C10H11N2O2]+(m/z、ESP+=191)が検出される。
【0122】
*N,N,N−トリメチル−2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタンアンモニウムメチルサルフェート
【化23】
テトラヒドロフラン40mlおよびN,N−ジメチル−2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタンアミン5g(17.46mmol)を、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入した後、シリンジを使用してジメチルサルフェート2.96ml(3.12mmol)を滴下する。
【0123】
期待される化合物の沈殿のため、反応媒体は不均一になる。生成した橙色固体をアルゴン下で濾過することにより単離した後、50mlのテトラヒドロフラン、次いで3×150mlの2−プロパノールで洗浄する。
【0124】
次いで、質量が一定になるまで、固体を乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。このようにして、期待される化合物に対応する橙色固体4.90g(収率91.2%)を得る。
【0125】
質量分析法による分析で、期待される化合物の構造を確認する:期待される分子の準分子イオン[M+H]+ならびにフラグメントイオン[C13H20N3O2]が主に検出される。
【0126】
*2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリド塩酸塩の合成
【化24】
エタノール30ml、亜鉛粉末2.7g、および酢酸2.1マイクロリットルを、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、媒体を還流させる。
【0127】
N,N,N−トリメチル−2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタンアンモニウムメチルサルフェート2.7g(7.34mmol)をスパチュラの先端で少量ずつ添加する。
【0128】
添加終了時、アルゴン下で3時間還流し続け、セライトを充填した焼結漏斗および0℃の6.0N塩酸含有2−プロパノール溶液20mlが入った真空フラスコで反応媒体を濾過する。最小限の量のエチルエーテルで亜鉛を洗い流す。
【0129】
撹拌しながら、期待される化合物を真空フラスコ中で、ベージュ色の固体の形態で結晶化させる。焼結漏斗で固体を濾過し、吸引により且つアルゴン下で迅速に乾燥させ、最小限の量の冷iPrOH、次いで3×100mlのiPr2Oで洗浄する。化合物を一定の重量になるまで乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。このようにして、期待される化合物に対応するベージュ色の固体3.44g(収率93.4%)を単離する。
【0130】
NMR(1H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO d6)および質量分析法による分析は、期待される構造と一致する。
【0131】
実施例2:1−[2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムクロリド塩酸塩の合成
【化25】
*工程1:3−メチル−1−[2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−1H−イミダゾール−3−イウムメタンスルホネートの合成
【化26】
n−ブタノール30ml、2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチルメタンスルホネート2.70g(9.43mmol)および1−メチルイミダゾール1.5ml(18.86mmol)を、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、混合物を2時間、100℃にする。
【0132】
反応混合物は不均一であるが、後で均一になる。周囲温度に冷却した後、橙色油状物質が得られるまで反応媒体を1/10に減圧濃縮し、それを5mlの2−プロパノールで抽出し、エチルエーテルを添加すると橙黄色固体が沈殿する。
【0133】
固体を焼結漏斗で吸引することにより乾燥させ、2×50mlのジエチルエーテルで洗浄し、アルゴン下で吸引することにより迅速に乾燥させた(吸湿性生成物)後、一定の重量になるまで乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。
【0134】
このようにして、期待される化合物2.2g(収率63.4%)を橙黄色固体の形態で単離する。
【0135】
質量分析法による分析で、期待される化合物の構造を確認する。期待されるカチオン[C14H17N4O2]+をm/z、ESP+=273で検出する。
【0136】
*工程2:1−[2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムクロリド塩酸塩の合成
【化27】
エタノール40ml、亜鉛粉末4g、および酢酸112マイクロリットルを、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、媒体を還流させる。
【0137】
3−メチル−1−[2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−1H−イミダゾール−3−イウムメタンスルホネート2.20g(19.65mmol)をスパチュラの先端で少量ずつ添加する。
【0138】
添加終了時、アルゴン下で3時間還流し続け、セライトを充填した焼結漏斗および0℃の6.0N塩酸含有2−プロパノール溶液25mlが入った真空フラスコで反応媒体を濾過する。最小限の量のエチルエーテルで亜鉛を洗い流す。
【0139】
撹拌しながら、期待される化合物を真空フラスコ中で、ベージュ色の固体の形態で結晶化させる。焼結漏斗で固体を濾過し、吸引により且つアルゴン下で迅速に乾燥させ、最小限の量の冷iPrOH、次いで3×100mlのiPr2Oで洗浄する。化合物を一定の重量になるまで乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。このようにして、期待される化合物に対応するベージュ色の固体1.66gを単離する。
【0140】
NMR(1H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO d6)および質量分析法による分析は、期待される構造と一致する。
【0141】
実施例3:4−[2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムクロリド塩酸塩の合成
【化28】
*工程1:1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドールの合成
【化29】
プロパノール30ml、2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチルメタンスルホネート5g(17.46mmol)および1−メチルピペラジン5.8ml(52.89mmol)を、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、混合物を2時間還流させる。
【0142】
周囲温度に冷却した後、橙色油状物質が得られるまで反応媒体を1/10に減圧濃縮し、それをジクロロメタン250mlで抽出する。得られた有機相を2×150mlの水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させる。
【0143】
期待される生成物に対応する橙色油状物質(5.72g、定量的収量)が得られるまで、ロータリーエバポレータでジクロロメタンを除去する。
【0144】
質量分析法による分析で、化合物の構造を確認する。期待される分子の準分子イオン[M+H]+、[M+Na]+が主に検出される。
【0145】
*工程2:1,1−ジメチル−4−[2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イウムメチルサルフェートの合成
【化30】
テトラヒドロフラン60mlおよび1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール5.7g(19.69mol)を、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入する。
0℃に冷却した後、シリンジを使用してジメチルサルフェート3.9ml(41.27mmol)を滴下する。
【0146】
橙色固体が迅速に沈殿し、周囲温度で2時間撹拌し続ける。
【0147】
生成した固体を焼結漏斗で濾別し、アルゴン下で吸引することにより乾燥させ、2×120mlのテトラヒドロフラン、次いで3×100mlの2−プロパノールで洗浄する(生成物は吸湿性であるため、常にアルゴン下で)。橙色固体を一定の重量になるまで乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。このようにして、期待される化合物5.86g(収率71.6%)を単離する。
【0148】
質量分析法による分析で、期待される化合物の構造を確認する。期待されるカチオンならびに対イオンCH3OSO3−を検出する。
【0149】
工程3:4−[2−(6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムクロリド塩酸塩の合成
【化31】
エタノール40ml、亜鉛粉末4g、および酢酸112マイクロリットルを、温度計、冷却器、バブラー、およびマグネチックスターラーを備えた100mlの三口フラスコに連続的に投入し、媒体を還流させる。
【0150】
1,1−ジメチル−4−[2−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イウムメチルサルフェート4g(19.65mmol)をスパチュラの先端で少量ずつ添加する。
【0151】
添加終了時、アルゴン下で3時間還流し続け、セライトを充填した焼結漏斗および0℃の6.0N塩酸含有2−プロパノール溶液25mlが入った真空フラスコで反応媒体を濾過する。最小限の量の2−プロパノールで亜鉛を洗い流す。
【0152】
撹拌しながら、期待される化合物を真空フラスコ中で、ベージュ色の固体の形態で結晶化させる。焼結漏斗で且つアルゴン下で固体を迅速に濾過し、吸引により乾燥させ、最小限の量の冷2−プロパノール、次いで3×100mlのエチルエーテルで洗浄する。化合物を一定の重量になるまで乾燥剤の存在下、50℃で減圧乾燥させる。
【0153】
このようにして、期待される化合物に対応するベージュ色の固体3.57g(収率99.7%)を単離する。
【0154】
NMR(1H 400MHzおよび13C 100.61MHz DMSO d6)および質量分析法による分析は、期待される構造と一致する。
【0155】
染色例
次の染色組成物を調製する
【0156】
【表1】
【0157】
【表2】
【0158】
【表3】
【0159】
【表4】
【0160】
【表5】
【0161】
【表6】
【0162】
【表7】
【0163】
(1):pH9.5の染色担体:
96°エチルアルコール 20.8g
35%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液 0.23g a.s.
ジエチレン−トリアミン五酢酸五ナトリウム塩の40%水溶液 0.48g a.s.
C8〜C10アルキルポリグルコシドの60%水溶液 3.6g a.s.
ベンジルアルコール 2.0g
8つのエチレンオキサイド単位を含有するポリエチレングリコール 3.0g
NH4Cl 4.32g
NH3を20%含有するアンモニア水 2.94g
ここで、a.s.は、「活性物質」を表す。
【0164】
使用時に、各組成物を同重量の、20倍の容量の過酸化水素(6重量%)と混合する。最終pH9.5が得られる。
【0165】
得られた各混合物を、白髪を90%含む白髪まじりの頭髪に塗布する。30分の放置時間の後、頭髪をすすぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、再度すすいだ後、乾燥させて、前述の色調を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】
(式中、
Bは、共有結合またはカルボニル基COを表し;
AK1およびAK2は、独立して、1つ以上のヒドロキシル基で任意選択により置換された、C1〜C10の直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素をベースにする鎖を表し;
Aは、酸素原子またはNR6基を表し;
p=0、1または2であり;
pが2のとき、A基は同一であってもまたは異なってもよく、AK2基は同一であってもまたは異なってもよく;
CAT+は、
−C1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、またはC1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基から選択される、同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたカチオン性複素環基、
−トリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基、
−C1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはC1〜C4のヒドロキシアルキル基から選択される、同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたカチオン性基で置換された5〜8員環の非カチオン性複素環基、
から選択されるカチオン性基を表し;
An−は、化粧料として許容される有機もしくは無機アニオン、または化粧料として許容される有機もしくは無機アニオンの混合物を表す)
のカチオン性6−アミノインドリン、その酸付加塩、およびその溶媒和物。
【請求項2】
前記カチオン性基が、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、ジメチルエチルアンモニウム基、ジエチルメチルアンモニウム基、ジイソプロピルメチルアンモニウム基、ジエチルプロピルアンモニウム基、β−ヒドロキシエチルジエチルアンモニウム基、ジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基、ジ−β−ヒドロキシエチルメチルアンモニウム基およびトリ−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基から選択されるトリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基である、請求項1に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項3】
前記カチオン性基が、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基、ピリミジニウム基、チアゾリウム基、ベンズイミダゾリウム基、ベンゾチアゾリウム基、オキサゾリウム基、ベンゾトリアゾリウム基、ピラゾリウム基、トリアゾリウム基、ベンゾオキサゾリウム基およびピペリジニウム基から選択されるカチオン性複素環基である、請求項1に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項4】
Bが共有結合またはカルボニル基COを表し、AK1がC1〜C4の直鎖飽和炭化水素をベースにする鎖を表し、pが0であり、CAT+が、C1〜C2のアルキル基で任意選択により置換されたイミダゾリウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基またはピペリジニウム基;メチルトリメチルアンモニウム基、メチルジエチルメチルアンモニウム基、メチル(N−メチルピロリジニウム)基またはトリメチルアンモニウム基で置換された、ピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基;およびトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基またはジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項5】
Bは共有結合またはカルボニル基COを表し、AK1は、C1〜C4の直鎖飽和炭化水素をベースにする鎖を表し、pは1であり、Aは酸素原子またはNH基を表し、CAT+は、C1〜C2のアルキル基で任意選択により置換されたイミダゾリウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基またはピペリジニウム基;メチルトリメチルアンモニウム基、メチルジメチルエチルアンモニウム基、メチル(N−メチルピロリジニウム)基またはトリメチルアンモニウム基で置換されたピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基、ピペリジン基;およびトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基またはジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項6】
R2、R3、R4およびR5が、互いに独立して:水素原子およびC1〜C4のアルキル基から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項7】
R’4、R’5およびR’7が、同一であり、水素原子を表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項8】
R6が水素原子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項9】
以下の化合物から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【請求項10】
式(II):
【化10】
(式中、R2基、R3基、R4基、R5基、R’4基、R’5基、およびR’7基の定義は、請求項1、6または7のいずれか1項で考えられたものとする)
のインドリンから出発する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの合成方法であって、
少なくとも次の工程:
・式(II)のインドリンをニトロ化して、ニトロインドリンを得る工程、
・窒素原子に結合している水素原子を−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基で置換する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
をこの順番で含む、方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色するためのカプラーとしての使用。
【請求項12】
染色に適した媒体中に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)のカチオン性6−アミノインドリンを少なくとも1種類含む、化粧用染色組成物。
【請求項13】
過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩、過酸塩、過酸およびオキシダーゼ酵素から選択される少なくとも1種類の酸化剤を含む、すぐに使用できる組成物であることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項12に記載の組成物を、酸化剤の存在下で所望の色に発色するのに十分な時間、前記繊維に塗布し、前記酸化剤が前記組成物の前に、前記組成物と同時に、または前記組成物の後に塗布されることを特徴とする、ケラチン繊維の染色方法。
【請求項15】
第1の区画が請求項12に記載のケラチン繊維を染色するための化粧用組成物を収容し、第2の区画が酸化剤を収容する、多区画用具。
【請求項1】
一般式(I)
【化1】
(式中、
Bは、共有結合またはカルボニル基COを表し;
AK1およびAK2は、独立して、1つ以上のヒドロキシル基で任意選択により置換された、C1〜C10の直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素をベースにする鎖を表し;
Aは、酸素原子またはNR6基を表し;
p=0、1または2であり;
pが2のとき、A基は同一であってもまたは異なってもよく、AK2基は同一であってもまたは異なってもよく;
CAT+は、
−C1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、またはC1〜C4の直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基から選択される、同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたカチオン性複素環基、
−トリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基、
−C1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはC1〜C4のヒドロキシアルキル基から選択される、同一であってもまたは異なってもよい1つ以上の基で任意選択により置換されたカチオン性基で置換された5〜8員環の非カチオン性複素環基、
から選択されるカチオン性基を表し;
An−は、化粧料として許容される有機もしくは無機アニオン、または化粧料として許容される有機もしくは無機アニオンの混合物を表す)
のカチオン性6−アミノインドリン、その酸付加塩、およびその溶媒和物。
【請求項2】
前記カチオン性基が、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、ジメチルエチルアンモニウム基、ジエチルメチルアンモニウム基、ジイソプロピルメチルアンモニウム基、ジエチルプロピルアンモニウム基、β−ヒドロキシエチルジエチルアンモニウム基、ジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基、ジ−β−ヒドロキシエチルメチルアンモニウム基およびトリ−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基から選択されるトリ(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキルアンモニウム基である、請求項1に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項3】
前記カチオン性基が、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基、ピリミジニウム基、チアゾリウム基、ベンズイミダゾリウム基、ベンゾチアゾリウム基、オキサゾリウム基、ベンゾトリアゾリウム基、ピラゾリウム基、トリアゾリウム基、ベンゾオキサゾリウム基およびピペリジニウム基から選択されるカチオン性複素環基である、請求項1に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項4】
Bが共有結合またはカルボニル基COを表し、AK1がC1〜C4の直鎖飽和炭化水素をベースにする鎖を表し、pが0であり、CAT+が、C1〜C2のアルキル基で任意選択により置換されたイミダゾリウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基またはピペリジニウム基;メチルトリメチルアンモニウム基、メチルジエチルメチルアンモニウム基、メチル(N−メチルピロリジニウム)基またはトリメチルアンモニウム基で置換された、ピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基;およびトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基またはジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項5】
Bは共有結合またはカルボニル基COを表し、AK1は、C1〜C4の直鎖飽和炭化水素をベースにする鎖を表し、pは1であり、Aは酸素原子またはNH基を表し、CAT+は、C1〜C2のアルキル基で任意選択により置換されたイミダゾリウム基、ピペラジニウム基、ピロリジニウム基、モルホリニウム基またはピペリジニウム基;メチルトリメチルアンモニウム基、メチルジメチルエチルアンモニウム基、メチル(N−メチルピロリジニウム)基またはトリメチルアンモニウム基で置換されたピペリジン基、ピロリジン基、モルホリン基、ピペリジン基;およびトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基またはジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム基から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項6】
R2、R3、R4およびR5が、互いに独立して:水素原子およびC1〜C4のアルキル基から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項7】
R’4、R’5およびR’7が、同一であり、水素原子を表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項8】
R6が水素原子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【請求項9】
以下の化合物から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン性6−アミノインドリン。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【請求項10】
式(II):
【化10】
(式中、R2基、R3基、R4基、R5基、R’4基、R’5基、およびR’7基の定義は、請求項1、6または7のいずれか1項で考えられたものとする)
のインドリンから出発する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の一般式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの合成方法であって、
少なくとも次の工程:
・式(II)のインドリンをニトロ化して、ニトロインドリンを得る工程、
・窒素原子に結合している水素原子を−B−AK1−(A−AK2)p−CAT+基で置換する工程、
・ニトロ基を還元する工程、
をこの順番で含む、方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)のカチオン性6−アミノインドリンの、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色するためのカプラーとしての使用。
【請求項12】
染色に適した媒体中に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式(I)のカチオン性6−アミノインドリンを少なくとも1種類含む、化粧用染色組成物。
【請求項13】
過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩、過酸塩、過酸およびオキシダーゼ酵素から選択される少なくとも1種類の酸化剤を含む、すぐに使用できる組成物であることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項12に記載の組成物を、酸化剤の存在下で所望の色に発色するのに十分な時間、前記繊維に塗布し、前記酸化剤が前記組成物の前に、前記組成物と同時に、または前記組成物の後に塗布されることを特徴とする、ケラチン繊維の染色方法。
【請求項15】
第1の区画が請求項12に記載のケラチン繊維を染色するための化粧用組成物を収容し、第2の区画が酸化剤を収容する、多区画用具。
【公表番号】特表2013−521254(P2013−521254A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555408(P2012−555408)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053081
【国際公開番号】WO2011/107501
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053081
【国際公開番号】WO2011/107501
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】
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