説明

カッサバのプロトプラストを生産し形質転換させる方法

【課題】本発明は、そのプロトプラストが植物体に再生可能な、カッサバまたは近縁種のプロトプラストを生成する方法に関するものである。
【解決手段】本発明の方法は、カッサバまたは近縁種の外植体から脆性胚形成性カルスを生成し、この脆性胚形成性カルスからプロトプラストを単離することを含む。本発明はまた、当該方法により得られるプロトプラストに関するものである。さらに本発明は、カッサバまたは近縁種のこのようなプロトプラストを形質転換させる方法、およびそれにより得られる形質転換したプロトプラストに関するものである。加えて、本発明は、これらのプロトプラストから植物体を再生させる方法、およびそれにより得られるカッサバ植物体または近縁種に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
遺伝子修飾または形質転換とは、1または数個の遺伝子を商業上興味深い遺伝子型またはクローンに添加する技術である。原則として、成功する形質転換系は、特定の植物部分(茎、葉、節など)から新たな植物が形成される、または、特定の植物部分から誘導される特定組織(体細胞胚、胚形成性カルス、脆性胚形成性カルス)から新たな植物が形成される、または、これらの部分もしくは特定組織から誘導されるプロトプラスト(細胞壁を持たない単一の細胞)から新たな植物が形成される有効な系、その植物部分またはプロトプラストにDNA分子を移行させる系、および、導入された遺伝子を含み且つこれを発現する組織および植物を選択するための系を必要とする。原則としてプロトプラストがDNAデリバリーのための最も理想的な系である。これらは単細胞として培養でき、そこから植物が発育する多細胞コロニーを生成する。プロトプラストから誘導される植物は一般にクローン性の起源である。これはいかなる形質転換系に対しても有用な手段となるが、それは、これがトランスジェニック植物においてキメラ現象を排除するためである。
【0002】
カッサバはプロトプラストの植物再生にとって極めて扱いにくい。カッサバのプロトプラストからの芽の再生の報告はただ一つしかない(ShahinおよびShephard、1980)。彼等はプロトプラストの単離用に、充分に拡大した葉を使用した。以来、少なからぬ努力にも拘わらずプロトプラスト(葉、茎、および根から単離)からの植物再生は再現されていない(著者不詳、1985;Nzoghe、1991;Anthony 他、1995、Sofiari、1996)。論理的アプローチは胚形成細胞を含む組織を使用することであった。このような細胞は、頂端分裂組織、若い葉、またはオーキシン添加培地で培養した体細胞胚で見出される(StampおよびHenshaw、1987a;Raemakers 他、1993a)。しかしながら、これらの組織から単離したプロトプラストはせいぜい緑色カルスおよび不定根を生成したに過ぎなかった(Sofiari、1996)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、新しい型の体細胞胚形成が開発された。このインビトロ系では、胚は(前)球状期を超えて発育することがなく、胚形成性カルスは極めて脆い(Taylor 他、1995)。この脆い胚形成性カルス(FEC)を液体培地に移すと懸濁液様培養が生成した。リーキ(BuitenveldおよびCreemers、1994)、ペチュニア(Power 他、1979)、米(Kyozuka 他、1988)、サトウキビ(Chen 他、1988)、および小麦(Chang 他、1991)においては、このような培養はプロトプラスト再生の優れた供給源であった。ここに本発明者等は、カッサバにおいてFECが、これまでのところ植物に再生できるプロトプラストを単離できる唯一の組織であることを見出した。さらに本発明者等は、FECを使用して、塊茎が実質上アミロースを含有しない澱粉を含有するカッサバ植物体を再生できることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって本発明は、カッサバまたは近縁種のプロトプラスト(このプロトプラストは植物体へと再生できる)を製造する方法であって、カッサバまたは近縁種の外植体から脆性胚形成性カルスを製造し、この脆性胚形成性カルスからプロトプラストを単離することを含む方法を提供する。下に述べるように、適当なプロトプラストを取得するためには、溶液中でのFECの培養がかなり重要である。故に本発明はさらに、脆性胚形成性カルスを液体培地での培養に付す方法を提供する。
【0005】
プロトプラストは、好ましくは植物細胞を酵素による細胞壁破壊に付すことによって製造する。したがって本発明は、細胞壁分解酵素、例えば、セルラーゼ、ペクトリアーゼおよび/またはマセロザイムの混合物を使用してプロトプラストを生成させる方法を提供する。
【0006】
また、本発明に係る方法は、外植体を取得する植物を前処置する場合に最もうまく実施できるようである。よって本発明は、外植体を取得する植物を下記のようにオーキシンで前処置する方法を提供する。
【0007】
この外植体上で好ましくは胚形成が誘導され、その結果、脆性胚形成性カルスが一次、二次または環状胚形成性組織から生成する本発明方法が導かれる。理由は詳細な説明において述べる。上に開示した方法により得られるプロトプラストもまた本発明の一部である。
【0008】
植物へと再生できるプロトプラストの取得が求められる重要な理由は無論、プロトプラストは、容易に形質転換または形質導入でき、または他の何らかの好適な方法による追加の遺伝情報の提供ができるということである。したがってこの場合、カッサバ植物体または近縁種に、興味の持たれる遺伝物質を提供することができる。したがって本発明はさらに、追加の遺伝情報を含む細菌、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)による感染によって、または追加の遺伝情報を含むベクターを提供する電気穿孔または化学的穿孔によって、または粒子が追加の遺伝情報で被覆されている粒子の衝突によって、当該プロトプラストに前記の追加の遺伝情報を提供することにより、カッサバまたは近縁種を形質転換させる方法[ここで、脆性胚形成性カルスから得られるプロトプラストが形質転換される]を提供する(任意の適当な方法で提供すると定義する)ものである。本発明はさらに、このような方法により得られる形質転換したプロトプラストを包含する。
【0009】
下に、植物、例えばカッサバを形質転換させることの有用性に関する短い序論を述べる。
植物遺伝子技術の適用は、有用遺伝子の単離、それらの特性決定および操作から、植物への修飾構築体の再導入に至る、数多くの異なる技術を包含している(Lonsdale、1987)。植物遺伝子技術は、米(Chen 他、1987;Shimamoto 他、1989)、トウモロコシ(Gordon−Kamm 他、1990;Vain 他、1993)、小麦(Marks 他、1989)、および馬鈴薯(De Block、1988;Visser 他、1989)といったトランスジェニック作物の少数の例により例示されるように、植物育種の進歩を誘導するであろう。遺伝子技術の急速な進歩は、植物病原体認識の複雑な分子機構と宿主植物の自然の防御戦略への洞察を可能にした。この技術は、古典的育種の可能性をはるかに凌駕した望ましい遺伝子型の、制御され且つ効率的な同定のために使用できる。
【0010】
例えば、懸濁培養から誘導したプロトプラストの電気穿孔は、トウモロコシ(Rhodes 他、1988)、米(Toriyama 他、1988)およびカモガヤ(Horn 他、1988)の形質転換を導いた。
【0011】
タバコのトバモウイルス(tobamovirus)(Powel Abel 他、1986)、馬鈴薯(Hoekema 他、1989)およびパパイヤ(Fitch 他、1992)のポテックスウイルス(potexvirus)といった病原性ウイルスに対する耐性を改善するための試みが成功を収めた。上記の例では、導入された特性は、外殻蛋白をコードしている単一遺伝子の発現に基づいていた。カッサバでは、アフリカカッサバモザイクウイルス(ACMV)およびカッサバコモンモザイクウイルス(CCMV)は、外殻蛋白の仲介する耐性技術によって制御できる(Fauquet 他、1992)。シアン生成の重要酵素をコードしている遺伝子がクローニングされた(Hughes 他、1994)が、これはアンチセンスアプローチを用いる遺伝的形質転換によるカッサバのシアン生成の操作を可能にするものである。本発明のもう一つの態様は、カッサバ塊茎中の澱粉の操作である。
【0012】
したがって本発明は、追加の遺伝情報がアンチセンス構築体、特にそのアンチセンス構築体がアミロース合成経路を阻害することのできるアンチセンス構築体を含む、形質転換したプロトプラストを提供する。
【0013】
プロトプラストは農地で生育させることも収穫することもできない。プロトプラストは形質転換にとって必要であるが、このプロトプラストを胚および/または植物体にまで再生できなければならない。これは本発明の非常に重要な態様であり、何故ならカッサバはプロトプラストから再生することが困難であることが示されてきたからである。詳細な説明は、これが如何にして達成できるかを説明している。追加の情報についてはE.Sofiariにより記載されたRegeneration and Transformation of Cassava(Manihot Esculenta Crantz.)と題される論文を、本出願にそのコピーを同封し、引用によりこれを本明細書の一部とする。したがって本発明はプロトプラストから植物体を再生する方法を提供するものであり、この方法においては、本発明に係るプロトプラストを誘導して胚を生成させ、その胚を誘導して結果的に植物体を生成させる。
【0014】
当該方法により得られる植物体、特に塊茎が本質的にアミロースを含有しない植物体もまた本発明の一部である。
さらに本発明は、当該カッサバ植物体の塊茎から澱粉を取得する方法を提供する。この方法は馬鈴薯塊茎から澱粉を単離する方法と本質上類似の方法で実施できる。本発明の一つの態様では、この方法は、塊茎を洗浄し、その後それらをすりおろし粉砕する工程を含む。続いてこの澱粉を分離器、例えば遠心分離器または湿式サイクロン中で繊維および汁から分離する。単離した澱粉はその後篩通し、洗浄および乾燥できる。洗浄は湿式サイクロン中で実施できる。乾燥は減圧濾過器および乾燥塔内で実施できる。
カッサバ塊茎から取得した、アミロペクチン含有量の高い澱粉もまた本発明の一部である。この澱粉は好ましくは本質上アミロースを含有しないが、それは、好ましくはこれが、当該澱粉の(乾燥物質)質量を基準として少なくとも約90質量%、より好ましくは少なくとも約95質量%、最も好ましくは少なくとも約98質量%のアミロペクチン含有量を有することを意味する。本明細書で使用するアミロペクチン澱粉または低アミロース澱粉とは、このような高いアミロペクチン含有量を有する植物体から得られた澱粉を意味することを意図するものである。加えて、この澱粉は、分子量、固有粘度、粒径、および鎖長分布といった幾つかの明瞭な性質を持っており、それらは後に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一次、二次体細胞胚形成、脆性胚形成性カルスの選択、成熟および乾燥、その後の発芽を含む、カッサバの体細胞胚形成の模式的表示。 gd2=20g/l スクロースを加えたGresshoffおよびDoyの塩(1974)およびビタミンを添加した培地。 gd4=40g/l スクロースを加えたGresshoffおよびDoyの塩(1974)およびビタミンを添加した培地。 ms2=20g/l スクロースを加えたMurashigeおよびSkoogの塩およびビタミンを添加した培地。 pic=10mgl/l ピクロラム、NAA=10mg/l ナフタレン酢酸、2,4−D=8mg/l 2,4−ジクロロフェノキシ酢酸。 sh6=60g/lスクロースを加えたSchenkおよびHildebrandt(1972)の塩およびビタミンを添加した培地。
【図2】通常のおよびアミロペクチンタピオカ澱粉の、GPCによる分子量分布。
【図3】通常のおよびアミロペクチンタピオカ澱粉に存在する脱分枝アミロペクチンの、GPCによる分子量分布。
【図4】通常のおよびアミロペクチンタピオカ澱粉の、GPCによる分子量分布。
【図5】通常のおよびアミロペクチンタピオカ澱粉のBrabender粘度。
【発明を実施するための形態】
【0016】
FECの開始
FECを取得する方法を図1に概説する。これは一次胚の誘導から始まる。一次胚は二工程の方法で作成する。第一工程では、塩およびビタミン(好ましくはMurashigeおよびSkoog(1962))、炭水化物源(例えば20g/lのスクロース)およびオーキシン(例えば1〜8mg/lのピクロラム(picloram)、またはジカンバ(dicamba)または2,4−D)を添加した培地上で胚の開始のために外植体を培養する。10〜15日後にこの最初の培地上で二極魚雷形態の胚が形成される。魚雷型の胚は明瞭な胚軸および子葉原基を有する。魚雷型胚を有するこの外植体を第二工程培地(オーキシンを加えず、最終的にサイトカイニンを添加する他は第一工程の培地と同一)に移した後、この魚雷型胚は成熟する。成熟胚は大きな緑色の子葉を有する。
【0017】
接合子の胚(StampおよびHenshaw 1982;Konan 他、1994)、若葉外植体または頂端分裂組織(StampおよびHenshaw、1987a;Szabados 他、1987;MroginskyおよびScocchi、1993;Raemakers 1993a;Narayanaswamy 他、1995)および花組織(Mukherjee、1995、WoodwardおよびPuonti−Kaerlas、2001)を使用して一次胚が得られる。このようにして、一次胚を形成する能力に関して多くの異なる遺伝子型を評価した。このプロトコルでは、一次体細胞胚は固体培地での培養後にのみ形成され、液体培地での培養では全く形成されなかった。さらに、体細胞胚(一次)は、ピクロラム、ジカンバまたは2,4−Dといったオーキシンを使用した場合にのみ観察され、IAA、IBAまたはNAAでは観察されなかった。
【0018】
ここに使用するプロトコルでは、培養された外植体あたりの形成された成熟胚の数に遺伝子型の変異がある。遺伝子型M.Col1505、M.Col22およびGadingは、培養された葉の外植体あたり最大数の成熟胚を与えた(ME/CLE)。しかしながら形成された成熟胚の数は少なかった。M.Col22では、インビトロ生育させた植物体から単離し4mg/lの2,4−Dを添加した第一工程培地で培養した葉の外植体の最大22%がMEを形成し、そのME/CLEの最大数は0.8であった。8mg/lの2,4−Dを添加した第一工程培地では、最大49%の葉の外植体が形成され、ME/CLEの最大数は3.5であった。より高濃度の2,4−Dが外植体の胚形成能をさらに改善することはなかった。
【0019】
葉の外植体が一次体細胞胚を生成する能力を改善するための試みとして、ドナー植物体を異なる条件の下で生育させた。異なる光条件(8、12、16または24時間)の下でのインビトロドナー植物体の生育は、胚形成反応に影響を及ぼさなかった。しかしながら、光強度の低下は正の効果があった。8μEm-2-1で生育させ第一工程培地で培養したドナー植物体から単離された葉の外植体で最良の結果が得られた。
【0020】
他の研究者は、或る種の遺伝子型において、ジカンバ(1〜66mg/l)およびピクロラム(1〜12mg/l)は、一次胚形成の誘発に関して2,4−Dに優っていることを示した(Ng 1992;SudarmonowatiおよびHenshaw、1993;TaylorおよびHenshaw、1993)。Mathews 他(1993)は、15日間の第一工程培地の後に、外植体を0.5%の木炭を添加した成長調整剤を含まない培地に移すことにより、遺伝子型M.Col1505における一次胚形成効率を改善した。この培地では成熟が改善され、結果として成熟胚の数が対照の0.4から3.4のME/CLEに増大した。ドナー植物体を2,4−Dまたはピクロラムまたはジカンバのようなオーキシンで前処置した場合に最良の結果が得られた。この場合、植物体は液体MS20培地で生育させ、生育12日後にオーキシンを添加した(最終濃度8mg/l)。2日後、このドナー植物体から葉の外植体を単離し、8mg/lの2,4−D、ピクロラムまたはジカンバを含有する第一工程培地で培養した。クローンM.Col22では、9.4のME/CLEを導く結果となった。これはH2O処置された対照植物体(ME/CLE 3.5であった)よりも有意に高かった(表3)。
【0021】
オーキシン前処置の一般的応用可能性を幾つかの異なる遺伝子型について試験した。ドナー植物体の前処置無しでは、二つの遺伝子型がMEを形成し、低い頻度であった。ドナー植物体の前処置後には、殆ど全ての遺伝子型の葉の外植体がMEを形成した。
【0022】
最終的に本発明者等は、試験した28の遺伝子型のうち24から成熟した一次体細胞胚を得ることができた(表1。TMS30221、TMS30001、TMS30572およびSao Paoloを除く)。これらのデータは、カッサバの殆ど全ての遺伝子型が体細胞胚形成を受け得るということを示唆しており、現在までに60以上の遺伝子型においてそれらが一次体細胞胚形成を受け得ることが示されている(Thro 他、1999)。
【0023】
接合子胚および葉から誘導される一次体細胞胚を外植体として使用して二次胚を開始させた(StampおよびHenshaw、1987b;Szabados 他、1987;Mathews 他、1993;Raemakers 他、1993bc;Luong 他、1995)。オーキシン添加培地での体細胞胚の連続培養は体細胞胚形成の環状系を産んだ。二次胚形成のための体細胞胚の継代培養の方法は、胚形成組織の形態に影響を及ぼすように思われた。固体2,4D含有培地上で、暗所で毎月再培養した体細胞胚の集塊は、古い胚の上に形成された手指様胚始原細胞に発達した。この胚は魚雷形態の段階を経なかった。
【0024】
胚を含む集塊を光線下の第二工程培地に移すと、追加の発達が起こった(Szabados 1987)。通常、成熟体細胞胚は第一工程培地中、明所で培養し、20日後、成熟のためにこの外植体を第二工程培地に移した。この系では、胚は成熟するまで発達し、大きな緑色の子葉を有する成熟した胚を用いて胚形成の新たなサイクルを開始したが、一方他の系では、魚雷形態の胚を用いて二次体細胞胚形成の新たなサイクルを開始した。
【0025】
成熟胚のこの増殖系を、表1に述べた1420の遺伝子型で試験した。殆どの遺伝子型で成熟一次胚がわずかしか得られなかったという事実にも拘わらず、1つを除く全ての遺伝子型が、一次体細胞胚形成での観察よりもはるかに高い頻度で、2,4−D添加培地での培養後に新たな成熟胚を与えた(Raemakers 他. 1993b、c、2000、2001、Sofiari 他、1996)。胚形成は、成熟胚の通常の継代培養により、1年以上維持された(Szabados 他、1987;Mathews 他、1993;Raemakers、1993)。
【0026】
新たな体細胞胚は液体および固体培地の両方で形成された。全ての遺伝子型において、液体培地では固体培地より多くの胚が形成され、二次体細胞胚形成の新たなサイクルの開始前に胚を断片化すると、全形の胚に比して生産が高まるということが観察された。例えば、M.Col22では、固体培地で培養した全形の胚は、培養胚当たり8個の胚を生成したが、一方、液体培地で培養した断片化胚は、培養胚当たり32の胚を生成した(Raemakers 他、1993c)。2,4−D、ピクロラムおよびジカンバのみならずNAAもまた二次胚形成を誘発する能力を持っていた。IBAおよびIAAは二次胚形成を誘発しなかった。
【0027】
NAAは、Adira 1、Adira 4、Gading、系統 11、M.Col22、M.Col1505、TMS90853およびGadingに使用して成功を収めた(Sofiari、1996)。一般に、NAA添加培地では、2,4−D、ピクロラムまたはジカンバ添加培地よりも多くの成熟胚が生成された。さらに、NAAにより誘導された胚の発達は、2,4−D、ジカンバまたはピクロラムによるものより迅速であった。培養期間の短縮は、特に大規模での稼働では有益な効果を持っている。
組織学的には、2,4−Dにより新たに誘導された二次胚は外植体に垂直に付着していたのに対して、NAAによるものは水平に付着していた。
【0028】
幾人かの科学者は、或る種の遺伝子型のカッサバで胚形成性培養を取得することに、今なお課題を有している(MroginskiおよびScocchi、1992;Taylor 他、1992;Narayanaswamy 他、1995;SudarmonowatiおよびBachtiar、1995)。主たる課題は、一次外植体から胚形成性組織を得ることではなく、二次胚形成によるこの組織の大規模増殖である。この目的のため、魚雷形態の胚または成熟胚のいずれかより成る組織を使用できる。
【0029】
魚雷型胚の増殖は極めて遺伝子型依存性であるが、成熟胚の増殖はほぼ遺伝子型独立性である(Raemakers、1993)。一次および二次体細胞胚形成はいずれも、二極性構造を有する胎芽の形成を特徴とする。この二極性の魚雷型胚は、オーキシン添加第一工程培地で既に形成している。故に、Taylor 他、(1995)は、組織構造化された胚形成という語を提唱した。組織構造化された細胞とは、組織および器官が特徴的な統一体を形成している、活発に分裂しつつある細胞の一群と定義する(Walker、1989)。
【0030】
より組織構造化されていない型の体細胞胚形成がTaylor 他(1995)によって作り出された。10mg/lのピクロラムを添加したGresshoffおよびDoy(1972)の培地の塩およびビタミン(GD2)上で培養した、組織構造化された胚形成組織は、連続的な選択を行うにつれ、徐々に、より組織構造化していない組織に転換した。この組織は(pro−)球状胚のカルス様塊で構成されており、極めて脆性であった。故に、この組織は脆性胚形成性カルス(FEC)と呼ばれた。FECの細胞は常に集団の制御から離脱する状態にあり、そのためこれらは統一構造へと組織構造化されない。FECは、GresshoffおよびDoy(1972)のビタミンおよび塩、7g/lのDaichin寒天、20g/lのスクロースおよび10mg/lのピクロラム(固体GD2)より成る培地上に維持する。3週間毎に脆性胚を上記の培地上に継代した。
【0031】
液体懸濁培養を開始するため、脆性胚0.5gを、SchenkおよびHildebrandt(1972)の塩およびビタミン、60g/lのスクロースおよび10mg/lのピクロラム(液体SH6)を添加した液体培地50mlを入れた200mlフラスコに移した。培地は2〜7日毎に更新し、14日後に各フラスコの内容物を5個の新しいフラスコに分配した。オートクレーブにかける前にpHを5.7に調節した。生育室の温度は30℃、光周期は12時間、そして40μmolm-2-1の照射とした。FECを6%(w/v)スクロースおよび10mg/l ピクロラムを添加したSchenkおよびHildebrandt(1972)培地(SH6)で培養することにより、懸濁培養を開始した。2〜3日毎にこの培地を更新した。
【0032】
培養を極めて脆性状態に保つため、このFECは2ヶ月に1回篩通しせねばならない。実際には、1mm2のメッシュを有する篩を通したFECの一部を継代培養に使用する。
【0033】
FECはGD2またはSH6培地上では魚雷型胚を殆ど形成しない。魚雷型およびその後の成熟胚は、FECを成熟培地で培養すると形成される。成熟培地は、MurashigeおよびSkoog(1962)の塩およびビタミン、ならびにピクロラム 1mg/lで構成される。この成熟培地は3週間毎に更新した。
【0034】
成熟胚は、2,4−D、ピクロラム、ジカンバまたはNAAを添加したMS20培地で培養することにより、二次体細胞胚形成へと誘導できる。一次および二次体細胞胚形成は、広範囲の遺伝子型において比較的容易に確立される(表1を参照されたい)が、一方FECは現在のところ幾つかの遺伝子型に限定されている。この系をより多くの遺伝子型に応用可能とするためには、追加の研究が必要であるが、体細胞胚形成および遺伝的形質転換の新たな系にとってFECへの期待は有望である。高品質の組織構造化した組織の利用可能性およびこの組織をFECに変換できることが、この目的にとって必須である。Taylor 他(1995)は「組織構造化された胚形成性組織」を使用し、FECを開始するためにこれを魚雷型状態で増幅した。この場合、FECの開始の成功にとっては、二つの工程(組織構造化組織の開始および非組織構造化組織への変換)が決定力を持っている。
【0035】
いずれの工程も遺伝子型依存性である。もしRaemakers(1993)の記載のように、組織構造化組織が成熟状態で増幅するならば、FECへと変換するこの組織の能力のみがFEC開始の決定的工程である。組織構造化された組織を出発材料として使用できるか否かは、尚調査せねばならない。組織構造化された組織が使用できない場合、この組織は、FECの開始に使用する前に未成熟状態でまず増幅させるべきである。これは、外植体を高密度で培養すること、または環状期間を縮小することにより、容易に達成できる。
【0036】
FEC系統はR60、R90、M7、TMS60444およびAdira 4において取得した(Raemakers 他、2000、2001)。FECからの植物体再生は、R60、R90、M7、TMS60444およびAdira 4で達成した(Raemakers 他、2000、2001)。Taylor 他(2000)は遺伝子型系統 2、M.col1505、TMS90853、KataoliおよびBonoua RougeにおいてFEC系統を取得した。
【0037】
プロトプラストからの植物体の再生
プロトプラストの単離
プロトプラストの単離のため、固体GD2または液体SH6上で培養した両方のFECを使用できる。しかしながら、最も高収量のプロトプラストは、液体SH6で1〜3週間培養したFECから得られた。
【0038】
細胞壁消化溶液10mlを入れたペトリ皿(直径9cm)にFEC 2グラムを入れた。細胞壁消化溶液は、細胞壁分解酵素の混合物;10mg/lのペクトリアーゼ、10g/lのセルロース、200mg/lのマセロ(macero)酵素成長調節剤(NAA 1mg/l、2,4−D 1mg/l、ゼアチン 1mg/l);主要塩類(368mg/l CaCl2;34mg/l KH2PO4;740mg/KNO3;492mg/l MgSO4・7H2O);微量塩類(19.2mg/l NA−EDTA;14mg/l FeSO4・7H2O)およびosmoticum(91g/l D−マンニトール)および0.5g/l MESで構成されていた。セルラーゼ(1〜10g/l)にマセロ酵素(200mg/l)を加えた細胞壁分解酵素はうまくプロトプラストを単離した。
【0039】
ペクトリアーゼ(0.001〜0.01g/l)および/またはドリセラーゼ(0.02g/l)の追加の添加はプロトプラストの収量を増加させた。18時間のインキュベーションの後、洗浄培地10mlをこの溶液に加えた。浸透圧モル濃度0.530mOsm/kgの洗浄培地は、主要塩類(細胞壁消化溶液を参照されたい)、45.5g/lマンニトールおよび7.3g/l NaClで構成されていた。消化された組織を73μM孔径フィルター(PA 55/34 Nybolt−スイス)で250mlガラスビーカー中に濾過した。濾液を12mlのねじ蓋付き遠心管2本に均等に分け、600rpmで3分間遠心分離した(Mistral 2000)。上清を除去後に1回洗浄操作を反復した。主要および微量塩類(細胞壁消化溶液を参照されたい)ならびに105g/lのスクロースを含有する溶液9.5ml上に浮遊させることによってプロトプラスト溶液を再懸濁した。pHは5.8、浸透圧モル濃度は0.650mOsmであった。プロトプラストを含む溶液を5分間平衡化させた後、その上に洗浄培地0.5mlを静かに加えた。700rpmで15分間遠心分離(Mistral 2000)した後、このプロトプラストをスクロースと洗浄培地間のバンドで濃縮した。プロトプラスト層をパスツールピペットで集め、標準血球計数計のチェンバーで収量を係数した。
【0040】
プロトプラスト培養
同じ液体培地10mlを入れたペトリ皿中で、アガロース0.2%w/vにより固化した培地中でプロトプラストを培養した(Dons en Bouwer、1986)。以下の培地はミクロカルスの形成を導いた:
− オーキシンのみ(0.1〜10mg/l NAAまたは0.1〜10mg/l ピクロラム、または0.1〜10mg/l IAA、または0.1〜10mg/l 2,4−D、または0.1〜10mg/l ジカンバ)またはサイトカイニン(0.01〜1mg/l ゼアチン、0.01〜1mg/l 2−iP、0.01〜1mg/l BA、0.01〜1mg/l TDZ、0.01〜1mg/g カイネチン)を加えたオーキシンを添加したTM2G培地(Wolters 他、1991)、
【0041】
− オーキシンのみ(0.1〜10mg/l NAAまたは0.1〜10mg/l ピクロラム、または0.1〜10mg/l IAA、または0.110mg/l 2,4−D、または0.1〜10mg/l ジカンバ)+サイトカイニン(0.01〜1mg/l ゼアチン、0.01〜1mg/l 2−iP、0.01〜1mg/l BA、0.01〜1mg/l TDZ、0.01〜1mg/g カイネチン)を添加した培地A(MurashigeおよびSkoog(1962)の塩およびビタミン、4.5g/l ミオイノシトール、4.55g/l マンニトール、3.8g/l キシリトール、4.55g/l ソルビトール、0.098g/l MES、40mg/l 硫酸アデニンおよび150mg/l カゼイン加水分解物、0.5mg/l d−カルシウム−パントテン酸塩、0.1mg/l 塩化コリン、0.5mg/l アスコルビン酸、2.5mg/l ニコチン酸、1mg/l ピリドキシン−HCl、10mg/l チアミン−HCl、0.5mg/l 葉酸、0.05mg/l ビオチン、0.5mg/l グリシン、0.1mg/l L−システインおよび0.25mg/l リボフラビンおよび59.40g/l グルコース)。
【0042】
この培地は9mlを新しい培地に交換することにより10日毎に更新した。最初の培地での2ヶ月間の培養の後、高品質のFECを選択し、追加の増殖用または成熟用いずれかの培地。増殖のため、40g/l スクロース、7g/l Daichin寒天および2mg/l ピクロラムを添加したGresshoffおよびDoy(1994)培地(GD4)にFECを移した。3週間後、20g/l スクロース、7g/l 寒天および10mg/l ピクロラムを添加したGresshoffおよびDoy培地(GD2)にFECを移した。10mg/l ピクロラムを添加した液体SH6%培地にFEC 1.0gを移すことにより、懸濁培養を開始した。2週間後、この懸濁液を、1.0mlの始発充填細胞量で新たなフラスコに分配した。
【0043】
2ヶ月の培養の後、0.5mg/l NAAおよび1mg/l ゼアチンを添加したTM2G中105/mlの密度で培養した104のプロトプラストは1058のミクロカルスを生成し、一方106/mlの密度で培養した104のプロトプラストは64のミクロカルスを生成したに過ぎなかった。
【0044】
TM2G培地を培地Aに交換すると、両方の密度においてミクロカルスの数が有意に減少した。この段階では少なくとも3つの型のカルスが識別できた。1つの型は球形の胚より成り、これは主として106の密度で培養したプロトプラストで観察された。これらのうち幾らかは子葉のような構造を発達させ、淡緑色であった。しかしながら、これらの胚は正常に発芽できなかった。別の型は速やかに生育し、大きくて密なカルスから成り、両方の密度のプロトプラスト培養で観察された。このカルスは胚に発育しなかった。第三の型は極めて脆性のカルスであり、両方の密度で観察された。2〜5x105の密度(培地TM2G)では、カルスの約60%が脆性であり且つ胚形成性であった。FECは追加の増殖または成熟のため、継代培養した。
【0045】
プロトプラストから誘導したFECの増殖
FECの選択の後、その0.1gを、2mg/l ピクロラムを加えたGD4で3週間培養すると、0.7gの組織に増加した。この組織の95%以上は高品質のFECで構成されていた。続いてこの組織を、10mg/l ピクロラムを添加したGD2培地で3週間継代培養することにより維持した。懸濁培養を開始するため、FECを液体培地に移した。この材料の充填細胞量(PVC)の増加は、元の材料のそれより僅かに高かった(データは示していない)。
【0046】
プロトプラストから誘導したFECの成熟
胚の成熟を誘導する試みにおいて、TM2G中2ヶ月の培養後に単離したFECを成熟培地上で培養した。成熟培地は、MurashigeおよびSkoog(1962)の塩およびビタミン、10g/l Daichin寒天、0.1g/l ミオイノシトール、20g/l スクロース、18.2g/l マンニトール、0.48g/l MES、0.1g/l カゼイン加水分解物、0.08g/l 硫酸アデニン、0.5mg/l d−カルシウム−パントテン酸塩、0.1mg/l 塩化コリン、0.5mg/l アスコルビン酸、2.mg/l ニコチン酸、1mg/l ピリドキシン−HCl、10mg/l チアミン−HCl、0.5mg/l 葉酸、0.05mg/l ビオチン、0.5mg/l グリシン、0.1mg/l L−システイン、0.25mg/l リボフラビンおよび1mg/l ピクロラムで構成されていた。この成熟培地は3週間毎に更新した。
【0047】
この培地上では増殖から成熟への緩徐な移行がある。その結果、2週間の液体成熟培地での培養の後、充填細胞量は係数4で増加していた。固体成熟培地への移行後にも増殖はある。固体培地上で2週間の後、胚の殆どは球形に到達し、これらの球形胚のうち少数のみがさらに発達した。最初の魚雷型胚は、固体成熟培地上で1ヶ月培養後に見えるようになった。成熟胚および魚雷型胚の数は、平板培養効率ではなく、最初に培養したプロトプラストの密度に相関していた。成長調節剤無しのTM2Gでプロトプラストを培養した場合、このような胚は得られなかった。最大数の成熟および魚雷型胚は、0.5mg/l NAAおよび1mg/l ゼアチンを添加したTM2Gで培養したプロトプラストから形成された。NAAをピクロラムに交換すると、魚雷型および成熟胚の数は著しく低下した(表2)。試験したピクロラム濃度では2mg/lが最良の結果を与えた。3ヶ月の培養の後、アガロース1滴あたり60〜200の魚雷型および成熟胚が単離された。魚雷型胚は、これを新鮮な成熟培地またはMS2プラス0.1mg/l BAPで培養すると高頻度で成熟した。
【0048】
二次体細胞胚形成およびプロトプラストから誘導した成熟胚の発芽
10mg/l NAAまたは8mg/l 2,4−Dを添加した液体または固体MS2培地で培養した場合、少数の魚雷型胚が二次胚を形成したに過ぎなかった(データは示していない)。成熟胚は二次胚形成のためのよりよい外植体であった。液体および固体培地の両者において、2,4−Dは二次胚形成の誘導に関してNAAよりも優っていた。成熟胚を最初に2,4−Dで、そして次に液体NAAで培養した場合、その反応は2,4−D単独での培養に匹敵するものであった。さらに、最初に2,4−Dを含む培地で二次体細胞胚形成を1サイクル受けた胚は、10mg/l NAAを添加したMS20において高い効率で二次胚を生成した。
【0049】
オーキシン2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)またはナフタレン酢酸(NAA)により液体培地中で誘導した環状または二次体細胞胚の発芽を比較した。全ての遺伝子型において、乾燥が、NAAにより誘導された胚の正常な発芽を刺激した。しかしながら乾燥した胚は、高率の発芽のためにベンジタミノプリン(BAP)のようなサイトカイニンを添加した培地を必要とした。得られた苗の形態はBAPの濃度に依存していた。1mg/lのBAPでは、太く短い主根と、節間の短い分岐した芽を持つ植物体が形成された。0.1mg/lのBAPでは、主根は細く貧弱であり、芽は1または2個の頂端分裂組織しか持っていなかった。胚を最適となるまで乾燥させなかった場合、発芽を刺激するためには、最適に乾燥させた場合よりも高濃度のBAPを要した。また、暗所で培養した乾燥胚はより低濃度のBAPしか必要とせず、さらに、これらの胚は明所で培養した胚よりも早く発芽した。完全な植物体は、体細胞胚の誘導開始の4週間後に得られた。2,4−Dにより誘導した胚は異なる反応を示した。ただ一つの遺伝子型において、乾燥が2,4−D誘導胚の発芽を向上させ、他の三つの遺伝子型はそうでなかった。全ての遺伝子型において乾燥は根の形成を刺激した。暗所で培養した胚は専ら不定根を形成し、明所で培養した胚は専ら主根を形成した。
【0050】
遺伝子転移系
過去数年にわたり、DNAを植物プロトプラストに転移させる幾つかの技術、例えばシリコン繊維(Kaeppler 他、1990)、マイクロ注入(De LaatおよびBlaas、1987)および電気泳動(GriesbachおよびHammond、1993)が開発されてきた。最も一般的に使用されそして最も応用可能性の高い技術は、アグロバクテリウム仲介遺伝子デリバリー、ミクロ発射体/粒子衝突およびプロトプラスト電気穿孔である。
【0051】
アグロバクテリウム・ツメファシエンス DNAデリバリー系は最も一般的に使用されている技術である。それは恐らくこの方法による植物におけるDNAデリバリーの最初の発明に関連している。当初これはカランコエ(Kalanchoe)およびソラナシエ(Solanaceae)、特にタバコに限られていた。近年このアグロバクテリウム仲介形質転換の用途は劇的に変化し、トウモロコシおよび米といった殆どの重要な単子葉植物を包含する広範囲の植物を、単子葉植物に限って形質転換させることが可能である(WordragenおよびDons、1992により総説されている)。
【0052】
カッサバはアグロバクテリウムのための宿主であるが、これに極めてよく反応する訳ではないことが分かっている。
【0053】
カッサバ由来のFECはまた、アグロバクテリウム・ツメファシエンスにより効率的に形質転換された(Raemakers 他、2000、Schreuder 他、2001)。Raemakers 他、2000およびSchreuder 他、2001により記載された方法を使用して、CaMVプロモーターの調節下に、アンチセンスgbss遺伝子を持つ遺伝子型Abira 4およびTMS604444から遺伝子改変された植物体がうまく生成された。
【0054】
原則としてプロトプラストがDNAデリバリーのための最も理想的な外植体である。これらは、そこから植物体が発達する多細胞コロニーを生成する単一細胞として培養できる。プロトプラストから誘導される植物体は一般にその起源がクローン性である。これはいかなる形質転換系に対しても有用な手段を提供するが、それは、トランスジェニック植物においてキメラ現象を排除するためである。しかしながらプロトプラストの使用は、高度に種依存性である再生系によって妨げられる。形質転換のために、プロトプラストをPEGと組み合わせて使用して原形質膜を変化させることができ、それにより、例えば、ロリウム・マルチフォーム(Lolium multiform)(Potrykus 他、1985)およびトリチクム・モノコックム(Triticum monococcum)(Lorz 他、1985)で証明されたように、DNAが細胞質に入ることを可能にする可逆的透過性が導かれる。DNAに対する原形質膜および細胞壁の透過性さえをも増大させるもう一つの技術は電気穿孔によるものである(総説としてJones 他、1987を参照されたい)。この方法では、電気的パルスが、DNAが細胞に入るのを可能にする。米は、受精能力のあるトランスジェニック植物がプロトプラスト電気穿孔から得られた最初の作物であった(Shimamoto 他、1989)。
【0055】
外来DNAを運搬するための粒子衝突またはbiolisticの使用はカッサバの形質転換に代替方法を提供する。粒子衝突は、殆ど全ての組織においてDNAを細胞内に運搬できる唯一の方法である。この方法を用いて得られた最初のトランスジェニック植物はタバコであった(Klein 他、1989)。この形質転換法の成功に続いて、粒子衝突はアグロバクテリウム感染の影響をより受けにくい植物、とりわけ単子葉植物に広く使用されている。粒子(マイクロ発射体)を加速するための幾つかのDNAデリバリー機器の改善は、最も最近のモデルBiolistic(登録商標)PDS−1000(Bio−Rad Laboratories、リッチモンド、Ca)を産んだ。これらの機器は市販品が入手可能であるが、現在のところ価格が比較的高い。DNAで被覆したタングステンまたは金粒子が、標的組織中にDNAを運搬するミクロ発射体として一般に使用されている(Songstad 他、1995に総説がある)。
【0056】
遺伝子改変に使用する選択およびリポーター遺伝子
形質転換した細胞を同定可能とするために、興味の持たれる遺伝子を選択マーカー遺伝子とカップリングする。このマーカー遺伝子は形質転換した細胞の選択に必要である。選択は、形質転換した細胞/組織の視覚的特徴に基づくことができる。一つの例は蛍から単離したルシフェラーゼ遺伝子である。この遺伝子を発現し且つ基質(ルシフェリン)が供給された植物細胞は、特別な装置で検出できる光を発する(Ow 他、1986)。形質転換した組織を選択するもう一つの方法は、抗生物質または除草剤に対する耐性をコードしている遺伝子の導入である(Thompson 他、1987;Gordon−Kamm 他、1990)。
【0057】
幾つかの抗生物質および除草剤が植物の形質転換における選択剤として使用されてきた。穀物においては、除草剤フォスフィノトリシン(PPT)に対する耐性がトランスジェニック植物の選択に選ばれた(Cao 他、1990)。カリカ・パパイヤ(Carica papaya)(Fitch 他、1994)、ビティス・ビニフェラ(Vitis vinifera)(Nakano 他、1994;Scorza 他、1995)、トウモロコシ(Rhodes 他、1988)および米(Chen 他、1987)では、カナマイシンおよび関連抗生物質に対する耐性を付与するネオマイシンフォスフォトランスフェラーゼ(NPTII)遺伝子(Fraley 他、1986)が選択マーカーとして使用された。
【0058】
カッサバでは上記の選択系が全て使用できるが、PPTに基づく選択は、成熟胚を形成するFECの能力を改善し、このようにして植物の再生を増強するという利点を持っている。
【0059】
以下の部分は、塊根中のアミロペクチン含有量の高いカッサバ植物体を作り出すという目的でいかにしてカッサバ植物体を遺伝的に改変するかを記載するものである。
【0060】
カッサバgbss遺伝子の単離および植物形質転換ベクターの組み立て 過去の研究では、gbss遺伝子は馬鈴薯gbss遺伝子(Visser 他、1989)をプローブに使用してカッサバから単離された(Salehuzzaman 他、1993)。このgbss遺伝子をpUC19の馬鈴薯gbssプロモーター(Visser 他、1991)およびノパリンシンターゼターミネーターの間にアンチセンス方向にサブクローニングし、ベクターpAG61を得た(Salehuzzaman 他、1993)。その他の好ましくは塊根特異的なプロモーター、例えばカッサバ由来の蛋白合成伸長因子1−アルファ(Suhandono 他、2001)、カッサバgbssまたはCaMVのようなより一般的なプロモーターもまた、gbssのような遺伝子の発現を指令するために使用できる。
【0061】
完全なルシフェラーゼ遺伝子(BglIIフラグメント)をpJIT100(Guerineau 他、1993)から単離し、pAG61のBamHI部位に挿入した。これにより二つの異なるベクター:pGBSSas2およびpGBSSas7(この二つのベクターの相違はルシフェラーゼとアンチセンスgbss遺伝子の相互の向きであった)が生成した。いずれの構築体も、高アミロペクチン含有量を有するカッサバ植物体の生成に成功裏に使用された。
【0062】
使用した植物材料および組織培養培地
遺伝子型TMS60444の植物を、 MurashigeおよびSkoog(1962)の塩およびビタミンならびに40g/l スクロースを添加した培地(MS4)上で、一節の挿し木を毎月継代培養することにより維持した。脆性胚形成性カルス(FEC)系統を以下のように開始した:
− ドナー植物体からの分裂組織または未熟な葉の単離
− 分裂組織/葉を、6mg/l NAAおよび6mg/l ピクロラムを添加したMS40で培養
− 密な胚形成性組織を単離し、GresshoffおよびDoy(1974)の塩およびビタミン、60g/l スクロースおよび10mg/l ピクロラム(GD6)を添加した培地で培養
− GD6培地で培養したFEC(凝集した球形ユニットの小さな集塊)の単離。FECはGD6培地上での3週間の継代培養により維持した。FEC 0.5gを、SchenkおよびHildebrandt(1972)の塩およびビタミン、60g/l スクロースおよび10mg/l ピクロラムを添加した液体培地(SH6)50mlを入れた200mlのフラスコに移すことにより、液体培養を開始した。この培地は週に2回更新し、2週間後、各フラスコの内容物を5個の新しいフラスコに分配した。このフラスコを120rpmの回転振盪機(LAB−line Instruments Inc. Model 3519)上で培養した。
【0063】
粒子上のDNAの被覆
Cade 他(1988)を調整した方法を用いて粒子上のDNAを被覆した。80μgのDNA(ベクターpGBSSas2およびpGBSSas7から、PromegaのWizardTM Maxipreps DNA精製系を用いて単離)を、10mgの金粒子(1.6μm、BioRad)、30μlの5M NaCl、5μlの2M トリス HCl pH8.0、965μlの H2 O、100μlの 25% PEG 1550、100μlの0.1M スペルミジンおよび50μlの2.5M CaCl2 と混合した。遠心分離した後、ペレットを無水アルコール10mlに再懸濁し、短時間超音波処理した。160μlの懸濁液をマクロキャリアー上に逆さまに置いたマクロキャリアーホルダーの孔にピペットで入れた。5分後、マクロキャリアーホルダーを取り去った。金ビーズの薄層で覆われたマクロキャリアーを乾燥機で乾燥し(10分間、40℃)、衝突に使用した。
【0064】
FECの衝突およびトランスジェニック植物の選択
液体SH6培地で少なくとも5週間培養したFECを篩通し(1mmメッシュ)集めた。FEC 100mgをGD6培地上に広げ、BioRad PDS−1000He biolistic装置を用いて衝突させた(ヘリウム圧1100psi、破壊ディスクとマクロキャリアーとの間およびマクロキャリアーとストッパー板との間の距離は0.5cm、ストッパー板とFECとの間の距離は5.0cm、27インチHg減圧)。
【0065】
TMS60444由来のFECを入れた計212および184個のペトリ皿を、それぞれ構築体GBSSas2またはGBSSas7と衝突させた。衝突後、衝突させたFECを液体SH6培地を満たしたプラスチックポットで培養した。2週間後、FECを固体GD6培地上に集め、ルシフェラーゼ活性について検定した。各々のルシフェラーゼ(LUC)スポットを個別系統として継代培養した。構築体GBSSas2を用いて合計186のlucスポットが、そしてGBSS7を用いて222のlucスポットが生成した。どのFECユニットがLUC活性を持っているのかを正確に位置決定してトランスジェニック組織の損失を回避することは不可能であったため、LUCスポットの周囲の半径0.5〜1cmの組織を液体SH6培地に移した。2週間後、このFECをルシフェラーゼ活性について検定した。ルシフェラーゼ活性を持たない系統は廃棄し、4またはそれ以上のスポットを有する系統を小集塊分割に使用した。1〜3のスポットを有する系統を再度液体SH6培地に移し、2週間後、スポットの数が4以上に増加していた系統を小集塊分割に使用し、他のものは廃棄した。
【0066】
pGBSSas2を用いた衝突から44の系統が、そしてpGBSSas7を用いた衝突から40の系統が得られた。トランスジェニック組織を単離し小集塊分割(Raemakers 他、2000)と呼ばれる方法によって精製した。小集塊分割は、ルシフェラーゼ陽性スポットの周囲(直径0.5〜1cm)の組織を継代培養することで開始した。この組織をGD6培地上でできる限り細かく分割した。2週間後、ペトリ皿はFEC組織の小さな集塊で覆われた。LUC陽性塊のみを継代培養した。このために、集塊を小集塊に分割し、GD6培地で培養した。
【0067】
この選択操作をさらに1〜2回反復した後、組織を植物体再生のために培養した。このために、84のFEC系統を成熟培地(1mg/l ピクロラムを添加したMS4)上で2〜3週間毎に継代しながら10〜12週間培養した。魚雷型体細胞胚をFECから単離し、0.1mg/l BAPを添加したMS4で培養し、これにより追加の成熟が起こった。成熟体細胞胚はまず液体培地で2週間、その後固体発芽培地(MS4 + 1mg/l BAP)で培養した。植物はMS4培地上で根付いた。44のGBSSas7培養系統のうち31から、そして40のGBSSas7培養系統のうち27から植物体が得られた。
【0068】
これらの植物体は最初に8%スクロースを添加したMurashigeおよびSkoog培地で生育させ、カッサバ植物体の茎に澱粉を貯留させた(Salehuzzaman 他、1994)。アミロース/アミロペクチン比は、インビトロの肥厚した茎の断面をルゴール液(I2:KI)で沃素染色することによって視覚化した。染色した茎の切片を顕微鏡で視覚化した。合計9個の系統(GBSSas2から3個、GBSSas7から6個)が、染色パターンの異なる植物体を生成したが、これは、当該植物体の茎が異なる澱粉組成を持つことを意味している。これらの植物体を温室に移して塊根を形成させた。3ヶ月後、根を剥皮し、貯蔵根の中央円筒部を、少量のNa225を加えた水中で実験用ブレンダー中で粉砕した。このスラリーを澱粉単離のためにSanamatに移した。この水−澱粉顆粒懸濁液を遠心管に移して遠心分離した。澱粉を摂氏20度で3日間乾燥した。
【0069】
Hovenkamp−Hermelink 他(1988)により記載のプロトコルを用いてアミロペクチン/アミロース含有量を決定した。
【0070】
合計2個の系統(1個はGBSSas2から、そして1個はGBSSas7から)が植物体を生成し、これらは両方の試験で高いアミロペクチン含有量を持っていた。1年後、同じ植物体を再度温室に移した。二つの系統の合計30の植物体の澱粉を沃素染色および分光測光法によって分析した。全ての植物体が高いアミロペクチン含有量の澱粉を持っていた。同時に3000以上の植物体から澱粉を単離した。この澱粉を三つの異なる実験室で分析したが、やはりこの澱粉は高いパーセンテージのアミロペクチンを含有することが示された。
【0071】
材料および方法
試料
タピオカ澱粉 対照試料
アミロペクチンタピオカ澱粉 Wageningen由来のAFC3KD
馬鈴薯澱粉 Oostermoer 1998
アミロペクチン馬鈴薯澱粉 Oostermoer 1996
コーンスターチ Meritena A
ワキシーコーンスターチ Meritena 300
【0072】
方法
窒素含有量(Ntotal
ISO 5378(1978)、澱粉および誘導製品 − ケルダール法による窒素の測定 − 分光測光法。
粒子径分布
粒子径は、Coulter校正標準P.D.V.B.で校正し、Latex lot F.34、直径測定管140μm、測定クラスの数256、測定範囲3.1−107.7μm(馬鈴薯澱粉)および2.8−82.0μm(他の澱粉)のCoulter Multisizer IIで測定する。試料を等張塩溶液(DiluidTMアジド無し、J.T.Baker)に懸濁し、超音波浴(Branson 5510)でホモジナイズする。
【0073】
示差熱量測定法
示差熱量測定実験はPerkin−Elmer DSC−7を用いて実施する。少なくとも10mgの澱粉および40mgの脱イオン水をステンレススチールDSC−皿に入れて80%の水分とし、それにより澱粉の水分を考慮する。DSC−皿を溶接密閉し、平衡化するため室温で一夜保存する。翌日、試料を10℃/分の速度で5から130℃まで加熱する。
【0074】
乾燥物質含有量
ISO 1666(1997)、澱粉および澱粉由来製品 − 含水量の測定
− 乾燥機乾燥法。
灰分含有量
ISO 5984(1978)、動物飼料 − 粗灰分含有量の測定。
【0075】
固有粘度(IV)
固有粘度は、1M水酸化ナトリウムを溶媒としUbbelohde粘度計を用いて既知の方法で測定し、g/dlで表す。H.W.Leach、Cereal Chemistry、40巻595頁(1963)に記載の通りである。
【0076】
燐含有量(P)
ISO 3946(1982)、澱粉および澱粉由来製品 − 総燐含有量の測定 − 分光測光法。
粘度の挙動
Newport ScientificのRapid Visco Analyser(RVA)で測定した。測定は、脱イオン水中6%濃度、400rpmで実施する。温度サイクル:45℃2分間、1分あたり14゜で90゜まで加熱、90゜5分間、そして1分あたり14゜で30゜まで冷却。
【0077】
鎖長分布
アミロペクチン澱粉をイソアミラーゼで脱分枝し、得られた直線状のアルファ−1,4マルト−オリゴ糖をPulsed Amperometric Detection Systemを用いる高性能アニオン交換クロマトグラフィーによって測定する。
【0078】
結果
結果を以下の表に示す。
【0079】
【表1】

【0080】
【表2】

【0081】
【表3】

【0082】
【表4】

【0083】
【表5】

【0084】
ワキシートウモロコシ澱粉と比較して異なっているアミロペクチンカッサバ澱粉の特性:
・低Tg
・速やかに溶解する澱粉(糊化Tと最高Tの差)
・約20%高い粘度
・より少ない蛋白、低不純物レベル
アミロペクチン馬鈴薯澱粉と比較したアミロペクチンカッサバ澱粉の特性:
・ 幾分低いTg(<1C)
・ 速やかに溶解する澱粉、しかしながらAPSの粘度はより高い(デルタC=6 C−BU=1400)
・ 約30%低い粘度レベル
・ 小さな顆粒
・ 結晶性
【0085】
【表6】

【0086】
【表7】

a,b 同一文字を有する平均値は、それぞれカイ二乗法(p<0.1)およびLSD法(p<0.1)で有意に相違していない。
【0087】
【表8】

a) 3回の実験の平均(合計48〜74の葉の外植体)、b) 2回の実験の平均(合計24〜48のME外植体)。
【0088】
したがって本発明はさらに、天然および誘導体化されたアミロペクチンカッサバ(タピオカ)澱粉、ならびにかかる澱粉を含有する組成物を含むことを意図するものである。この澱粉は、化学的修飾を施してまたは施さずに、多岐にわたる食品、医薬品、および工業上の適用に有用である。
【0089】
本明細書中使用するアミロペクチン澱粉とは、通常のカッサバ澱粉より実質上高い、特に少なくとも約90%、より特別には少なくとも約95%、最も特別には少なくとも約98%(質量)のアミロペクチン含有量を有する澱粉または粉末を意味することを意図している。
【0090】
アミロペクチンカッサバ澱粉は、上記のFEC法によって得られる。やはり本発明に包含されるのは、天然に見出し得るアミロペクチンカッサバ植物体、標準的育種および雑種形成技術により得られるアミロペクチンカッサバ植物体、または、転座、逆位、形質転換またはその他の遺伝子もしくは染色体組換えの方法(それらの変形を包含する)であって、それにより本発明に係る澱粉の性質が得られる方法によって得られるアミロペクチンカッサバ植物体に由来するアミロペクチンカッサバ澱粉である。加えて、突然変異育種に関する既知の標準法により生成できる上の包括的組成物の人為的突然変異および変異から生育させた植物体から抽出した澱粉もまた本発明に適用可能である。
【0091】
実質上純粋な澱粉が、アミロペクチンカッサバ植物体の根から抽出できる。抽出は当分野で知られる任意の方法によることができ、その根を微粉砕し、水抽出により残りの成分から澱粉を分離することを包含するが、これに限定される訳ではない。
【0092】
アミロペクチンカッサバ澱粉は低レベルのアミロースおよび高レベルのアミロペクチンを有している。アミロペクチンカッサバ澱粉は特に、通常のカッサバ澱粉より高い粘度、特に、通常のカッサバ澱粉より少なくとも約30%、より特別には少なくとも50%、そして最も特別には少なくとも約80%高い粘度を持っている。特に好適なアミロペクチンカッサバ澱粉は、下記実施例3aの方法を用いてRapid Visco Analyzerで測定した場合、少なくとも約1200、より特別には少なくとも約1300のピーク粘度を有する澱粉である。
【0093】
得られる天然澱粉は、多くの適用において特異な且つ望ましい性質および機能性を有する。このような天然澱粉は、化学的修飾をすることなく所望の機能性を達成できるという追加の利点を持っている。しかしながら、本発明に係る澱粉はまた、それらの性質および機能性をさらに高めるために修飾することもできる。化学的、物理的、または酵素的修飾を包含する、当分野で既知の任意の修飾を用いることができる。
【0094】
化学的誘導体形成は、エーテル、エステルまたは半エステル、例えば、ヒドロキシアルキルエーテル、酢酸エステル、燐酸エステル、琥珀酸エステル、即ち琥珀酸オクテニル、第三および第四アミンエーテル等を形成するもの、または、当分野で既知のその他任意の修飾技術によるものを包含する。
【0095】
本発明に係る澱粉の化学的修飾は架橋を包含する。当分野で既知の任意の架橋剤をこの目的のために使用でき、エピクロロヒドリン、直線状二カルボン酸無水物、クエン酸アクロレイン、オキシ塩化燐、アジピン酸/酢酸混合酸無水物、トリメタ燐酸塩、ホルムアルデヒド、塩化シアヌル、ジイソシアネート、およびジビニルスルホンを包含するが、これらに限定されない。
【0096】
本発明に係る澱粉は、例えばWO95/04082号(1995年2月9日公開)に記載の熱阻害または剪断によって物理的に修飾できる。
【0097】
本発明に係る澱粉はまた、アルファアミラーゼ、ベータアミラーゼ、グルコアミラーゼ、マルトゲナーゼ、イソアミラーゼおよびプルラナーゼを包含するがこれらに限定されない当分野で既知の1以上の酵素によって酵素的に修飾できる。
【0098】
この澱粉はアルファ化できる。アルファ化澱粉の製造方法の例は、米国特許第4280851号(Pitchon 他.)、米国特許第4465702号(Eastman 他.)、米国特許第5037929号(Rajagopalan)、米国特許第5131953号(Kasica 他.)および米国特許第5149799号(Rubens)に開示されている。澱粉をアルファ化する常法は当業者に周知であり、第XXII章「Production and Use of Pregelatinized Starch」、Starch:Chemistry and Technology、第III巻、Industrial Aspects、R.L.WhistlerおよびE.F.Paschall編、Academic Press、ニューヨーク、1967のような論文に記載されている。
【0099】
この澱粉は、酸化、酵素的変換、とりわけα−アミラーゼによる酵素的変換、酸加水分解、または熱およびまたは酸デキストリン化によって製造される、特に流動性または低粘性変性澱粉を生成させるために変換することができる。
【0100】
本発明に係る澱粉は当分野で知られる任意の方法により精製して、当該澱粉の本来持つ、または澱粉化工過程で作り出される臭気および色を除去することができる。
【0101】
当業者は、所望の澱粉の性質および機能性を得るため、任意の単一または組み合わせた修飾を使用することができる。これらの方法は当分野で周知であり、得られる澱粉の性質および機能性は、とりわけ、使用する修飾の型、修飾の程度、および反応条件に応じて変化するであろう。
【0102】
本発明に係るアミロペクチンカッサバ澱粉を用いて得られる機能性は、封入および乳化、濃厚化および高粘度化、ゲル化および薄膜形成を包含するがこれらに限定されない。
【0103】
本発明に係るアミロペクチンカッサバ澱粉は様々な工業的応用に使用でき、それらは紙製品、食品、医薬品および栄養製品、身体ケア製品およびその他の工業製品を包含するが、これらに限定される訳ではない。
【0104】
紙製品は、紙、板紙、ライナーボード、波付け、ボール紙、袋、および封筒の包含を意図するがこれらに限定されない。
【0105】
食品は、任意の食用製品を意味することを意図し、シリアル、パンおよびパン製品、チーズおよび模造チーズ製品、薬味、菓子、注ぐことのできるドレッシングおよびスプーンでかけることのできるドレッシングを包含するドレッシング、果物およびクリームフィリングを包含するパイフィリング、ホワイトソースおよび乳製品を基礎とするソース(例えばチーズソース)を包含するソース類、グレービー、模造およびライトシロップ、プディング、カスタード、ヨーグルト、サワークリーム、パスタ、乳製品を基礎とする飲み物を包含する飲み物類、グレーズ、スープおよびベビーフードを包含するがこれらに限定されない。
【0106】
医薬品および栄養製品は、薬用賦形剤、発泡性錠剤を包含する錠剤、散布用澱粉および粉末、ならびに前生物的製品の包含を意図している。
【0107】
身体ケア製品は、消臭剤および制汗剤、毛髪固定剤(スプレー、ゲル、ムース、ローションおよびポマードを包含する)、石鹸およびクレンザー、メークアップ(アイシャドウ、パウダー、ファウンデーションおよび頬紅を包含する)、シャンプーおよびコンディショナー、ならびに口内洗浄剤、口臭清涼剤および練り歯磨きの包含を意図している。
【0108】
その他の工業製品は、洗浄剤および生物分解性泡入り製品(ルースフィル、シートおよび形材を包含する)の包含を意図するがこれらに限定されない。
【0109】
アミロペクチンタピオカ澱粉は一般に任意の所望レベルで使用でき、その量は、得ようとする機能性に依存する。一般に、アミロペクチンカッサバ澱粉は、製品の約1%〜約95%、特に約5%〜約60%、より特別には約10%〜約40%(質量)の量で使用する。
【0110】
実施例
以下の実施例は本発明をさらに例示し説明するために供するものであるが、いかなる点においても本発明を限定するものと解してはならない。使用するパーセントは全て質量/質量ベースである。
【0111】
下記の実施例において、使用したタピオカ試料は以下の通りである:
カッサバ1=National Starch and Chemical Company(Bridgewater、NJ、米国)より市販品が入手可能な、タイで生育した通常のカッサバ澱粉。
【0112】
カッサバ2=Avebe B.A.(Foxhol、オランダ)より市販品が入手可能な、インドネシアで生育した通常のカッサバ澱粉。
【0113】
ACS 1−3=GBSS遺伝子をアンチセンス方式で導入しFEC(ここからカッサバ植物体を再生させる)を使用することにより、遺伝学的に生成させたアミロペクチンカッサバ澱粉。
【0114】
馬鈴薯=Avebe B.A.(Foxhol、オランダ)より市販品が入手可能な通常の馬鈴薯澱粉。
【0115】
AMF馬鈴薯=Avebe B.A.(Foxhol、オランダ)より市販品が入手可能な、低アミロース馬鈴薯澱粉。
【0116】
トウモロコシ=National Starch and Chemical Company(Bridgewater、NJ、米国)より市販品が入手可能な通常のコーンスターチ。
【0117】
ワキシー= National Starch and Chemical Company(Bridgewater、NJ、米国)より市販品が入手可能なワキシー(低アミロース)コーンスターチ。
【0118】
実施例1アミロース含有量
a. アミロース含有量を電位差滴定により測定した。澱粉試料およそ0.5gを濃塩化カルシウム(約30質量%)10ml中で30分間95℃に加熱した。試料を室温まで冷却し、2.5%酢酸ウラニル溶液5mlで希釈し、よく混合し、2000rpmで5分間遠心分離した。次いで試料を濾過して透明な溶液を得た。
【0119】
澱粉濃度を1cmの偏光セルを用いる偏光分析によって測定した。次に試料の全アリコート(通常5ml)を、KCl基準電極を用いる白金電極を使用して電位を記録しながら、標準化した0.01N沃素溶液で直接滴定した。変曲点に到達するまでに要した沃素の量を、結合した沃素として直接測定した。アミロース1.0グラムが沃素200ミリグラムと結合すると考えることによりアミロースの量を算出した。
この電位差滴定の結果を表9に示す。
【0120】
表9
基準の澱粉 アミロース含有量(%)
カッサバ1 20%
カッサバ2 17.4%
ACS1 2.0%
ACS2 2.8%
ACS3 2.7%
表9から確定できるように、アミロペクチンカッサバ澱粉は通常のカッサバ澱粉よりも著しく少ないアミロースを含有している。
【0121】
b. アミロース含有量をゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって調べた。硝酸ナトリウム5mMを含有するジメチルスルホキシド(DMSO)4g中で澱粉4〜8mgをスラリーとし、100℃で2時間加熱することにより分析用試料を調製した。必要ならばこの試料を濾過し、GPC 150Cクロマトグラフ(Waters Corporation、Amherst、MA)中に注入した(300ml)。このゲル透過クロマトグラフは4本のカラムを使用した(保護カラム、105、103、102ミクロン(公称)孔径カラム、全てPolymer Laboratories、Amherst、MAより)。移動相は5mM硝酸ナトリウムを含有するジメチルスルホキシドであった。機器は温度80℃で操作し、流速0.7ml/分を使用した。カラムは分子量5800〜850,000の範囲のプルラン標準(Showa Denko K.K、日本)で検定した。図2は通常のおよびアミロペクチンカッサバ澱粉のGPCによる相対分子量分布を示す。この図から判断できるように、3種のアミロペクチンカッサバ澱粉は、約6.83の相対log(分子量)におけるピークによって分かるような、著しく多量のアミロペクチンを有している。さらに、これは唯一の主たるピークである。対照的に通常の澱粉は、約6の相対log(分子量)に、追加のアミロースピークをそれぞれ示している。
【0122】
実施例2構造
この実施例では、以下の方法によって脱分枝を達成した。90%DMSO(10%水)2mLに澱粉20mgを加え、溶解するまで攪拌した(95℃で)。mM酢酸緩衝液7.980ml(pH4.8)をこのバイアルに加え、攪拌した。幾らかのアミロースが溶液から沈殿するようならば、溶液が透明となるまで短時間煮沸した。試料が完全に溶解したならば、純粋なイソアミラーゼ20μlを加えた。このバイアルを38℃の恒温槽で16時間インキュベートした。完了したならば、鎖長分布評価のため試料1mlを2mlバイアルにピペットで移した。残りの試料をアセトン50ml中で沈殿させた。沈殿した物質を0.2ミクロンナイロンフィルターを用いて濾過することにより集め、GPC用に準備した。
【0123】
理想的には、b部分はa部分の前にすべきである。脱分枝したアミロペクチン(a)の構造は、全体の脱分枝澱粉クロマトグラム(b)を取得し、次いでアミロペクチンピークのみをまとめることによって得る。
【0124】
a. 高アミロースおよび通常のタピオカ澱粉の脱分枝アミロペクチンの分子量分布を実施例1bのようにGPCを用いて決定した。図3は、得られたカッサバ澱粉の脱分枝アミロペクチンの分子量分布を示す。わかるように、アミロペクチン構造は異なるカッサバ澱粉に関して実質上同一である。
【0125】
b. 脱分枝アミロペクチンおよび通常のカッサバ澱粉の分子量分布を上記aのようにして決定した。図4は、得られたカッサバ澱粉の分子量分布を示す。この図から、アミロペクチンの構造は似通っているが、約3.0および4.0の実質上同じ(相対)log(分子量)ピークに多量が存在することが確認できる。さらにこの図は、約5.81に(相対)log(分子量)ピークが無いことによって証明できるように、アミロペクチンカッサバ澱粉には実質量のアミロースが無いことを示している。
【0126】
実施例3粘度
a. RVA Series 4 Rapid Visco Analyzer(Newport Scientific、New South Wales、オーストラリア)を用いて粘度を測定した。乾燥質量ベースで5%の澱粉を含有するスラリーを調製し、1分間あたり3.0℃の速度で50℃から95℃に加熱した。次にこの試料を5分間95℃に維持した。最後に試料を1分間あたり6.0℃の割合で35℃まで冷却した。160rpmで粘度測定を行い、結果(ピーク粘度)を下の表10に示す。
【0127】
表10
基準の澱粉 粘度(RVA単位)
カッサバ1 600
カッサバ2 1015
ACS1 1230
ACS2 1360
ACS3 1330
表10から分かるように、アミロペクチンカッサバ澱粉は著しく高いピーク粘度を有し、それはインドネシアの通常のカッサバ澱粉よりも約30%高く、タイの通常のカッサバ澱粉の約2倍である。
【0128】
b. さらにVisco/amylo/graph、Model VA−1A(C.W.Brabender Instrument Co.、Hackensack、NJ、米国07606)を使用して粘度を測定した。乾燥質量ベースで5%澱粉のスラリーを調製し、クエン酸/クエン酸三ナトリウム緩衝溶液を用いてpH3に調節した。合計賦課質量460グラムを1分間あたり1.5℃の速度で50℃から92℃に加熱した。次にこのスラリーを30分間92℃に維持した。Visco/amylo/graphでペーストを加熱しながら熱粘度を測定し、得られた粘度プロフィールを図5に示す。この図によって、アミロペクチンカッサバ澱粉が通常のカッサバ澱粉よりも高いピーク粘度を有することが確認できる。
【0129】
実施例4糊化温度
a. 示差熱量測定法を用いて糊化温度を測定した。澱粉試料を、水:澱粉比2:1、加熱速度10℃/分で5℃から140℃まで走査する。2回の測定を行い平均値を報告する。結果を第11表に示す。
【0130】
【表9】

【0131】
表11に示すように、3種のアミロペクチンカッサバ澱粉は全て、タイの通常のカッサバ澱粉より僅かに高くインドネシアの通常のカッサバ澱粉より僅かに低い糊化開始温度を持っている。3種のアミロペクチンカッサバ澱粉は全て通常のカッサバ澱粉より高い糊化エンタルピーを持っている。
【0132】
b.糊化開始温度を実施例3bの方法を用いてBrabenderによりさらに調べた。図5から分かるように、アミロペクチンカッサバ澱粉の糊化開始温度は通常のタイ産カッサバよりも低い。
【0133】
【表10】

【0134】
【表11】

【0135】
【表12】

【0136】
【表13】

【0137】
【表14】

【0138】
【表15】

【0139】
【表16】

【0140】
【表17】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのプロトプラストが植物体に再生可能な、カッサバまたは近縁種のプロトプラストを生産する方法であって、カッサバまたは近縁種の外植体から脆性胚形成性カルスを生産し、この脆性胚形成性カルスからプロトプラストを単離することを含む方法。
【請求項2】
脆性胚形成性カルスを液体培地での培養に付す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
細胞壁分解酵素の混合物を用いてプロトプラストを単離する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
外植体を取得する植物をオーキシンで前処置する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
脆性胚形成性カルスを魚雷型一次または成熟胚から生成させる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
一次外植体上で胚が誘導される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法により得られるプロトプラスト。
【請求項8】
カッサバまたは近縁種のプロトプラストを形質転換させる方法であって、追加の遺伝情報を含む細菌による感染によって前記プロトプラストに前記追加の遺伝情報を提供することにより、または、前記追加の遺伝情報を含むベクターを提供する電気穿孔もしくは化学的穿孔により、または、前記追加の遺伝情報で被覆されている粒子の衝突により、請求項7に記載のプロトプラストを形質転換させる前記方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法により得られる形質転換したプロトプラスト。
【請求項10】
追加の遺伝情報が、関心のある遺伝子を含む、請求項9に記載の形質転換したプロトプラスト。
【請求項11】
追加の遺伝情報がアンチセンス構築体を含む、請求項9に記載の形質転換したプロトプラスト。
【請求項12】
アンチセンス構築体がアミロース合成経路を阻害することのできる、請求項11に記載の形質転換したプロトプラスト。
【請求項13】
請求項7または9〜12のいずれか1項に記載のプロトプラストが胚を生産するよう誘導され、この胚は結果的に植物体を生産するよう誘導される、プロトプラストから植物体を再生するための方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法により得られるカッサバ植物体またはその近縁種。
【請求項15】
塊茎が本質上アミロースを含有しない、請求項12に記載のプロトプラストから得られる、請求項14に記載の植物体。
【請求項16】
− 塊茎を洗浄し、その後これをすりおろし粉砕し;
− 分離機内で繊維および汁から澱粉を分離し;
− その澱粉を篩通しし;
− その澱粉を洗浄し;そして、
− その澱粉を乾燥する、
工程を含む、請求項14または15に記載の植物体の塊茎から澱粉を単離する方法。
【請求項17】
澱粉を湿式サイクロン中で洗浄する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
澱粉を減圧濾過器で乾燥し、その後乾燥塔で乾燥する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法により得られる澱粉。
【請求項20】
澱粉の(乾燥物質)質量を基準として少なくとも95質量%のアミロペクチン含有量を有する、請求項19に記載の澱粉。
【請求項21】
澱粉の(乾燥物質)質量を基準として少なくとも98質量%のアミロペクチン含有量を有する、請求項20に記載の澱粉。
【請求項22】
天然のアミロペクチンカッサバ澱粉。
【請求項23】
澱粉が少なくとも約90(質量)%のアミロペクチン含有量を有する、請求項22に記載の澱粉。
【請求項24】
澱粉が少なくとも約95(質量)%のアミロペクチン含有量を有する、請求項22に記載の澱粉。
【請求項25】
澱粉が少なくとも約98(質量)%のアミロペクチン含有量を有する、請求項22に記載の澱粉。
【請求項26】
澱粉の粘度が通常のカッサバ澱粉の粘度よりも少なくとも約30%大きい、請求項22に記載の澱粉。
【請求項27】
澱粉の粘度が通常のカッサバ澱粉の粘度よりも少なくとも約50%大きい、請求項22に記載の澱粉。
【請求項28】
澱粉の粘度が通常のカッサバ澱粉の粘度よりも少なくとも約80%大きい、請求項22に記載の澱粉。
【請求項29】
物理的、化学的または酵素的に修飾された、請求項22に記載の澱粉。
【請求項30】
請求項22に記載の澱粉を含む組成物。
【請求項31】
当該組成物が、紙製品、食品、医薬品、栄養製品、身体ケア製品、洗浄剤、乳化剤、封入剤、および生物分解性発泡製品より成る群から選ばれる、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
常套的に使用される澱粉の代わりに請求項22に記載の澱粉を使用することを含む、請求項30に記載の組成物を製造する方法。
【請求項33】
請求項29に記載の澱粉を含む組成物。
【請求項34】
当該組成物が、紙製品、食品、医薬品、栄養製品、身体ケア製品、洗浄剤、乳化剤、封入剤、および生物分解性発泡製品より成る群から選ばれる、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
常套的に使用される澱粉の代わりに請求項29に記載の澱粉を使用することを含む、請求項33に記載の組成物を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−63073(P2013−63073A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−246357(P2012−246357)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2011−45386(P2011−45386)の分割
【原出願日】平成14年4月11日(2002.4.11)
【出願人】(512035620)コーンプロダクツ ディベロップメント インコーポレーテッド (6)
【出願人】(502129678)
【Fターム(参考)】