説明

カッター取付具

【解決手段】カッターの挿嵌部6は支持筒12に嵌め込まれる。ロック操作筒14はロック位置Pとロック解除位置とを取る。可動ロック球20はこのロック位置Pにおけるロック状態RPとこのロック解除位置におけるロック解除状態とを取る。ストッパ体23は、ばね31の弾性力により可動ロック球20をロック解除状態に保持するストッパ状態と、ばね31の弾性力に抗して可動ロック球20から退避するストッパ解除状態UPとを取る。押圧体30は、ばね31の弾性力によりセンター軸10側へ移動する待機状態Mと、センター軸10によりばね31の弾性力に抗して押されて移動する退避状態とを取る。ストッパ体23と押圧体30とを連動部32で相対移動可能に係合させてストッパ体23に用いるばね31と押圧体30に用いるばね31とを互いに兼用している。
【効果】カッター取付具において組み込むばね31の数を減らして構造を簡略化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿孔カッターなどの各種カッター、特に穿孔カッターのシャンクを支持するためのカッター取付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1は、下記のストッパ体(同公報の支承部材2)と押圧体(同公報の弁体11)とを備えている。このストッパ体は、ばね(同公報のスプリング3)の弾性力により移動して可動ロック球(同公報の施錠部材7)をロック解除状態に保持するストッパ状態と、ばねの弾性力に抗して移動してその可動ロック球から退避するストッパ解除状態とを取り得る。この押圧体は、カッター(同公報のカッタ6)の挿嵌部(同公報の挿入部9)を挿嵌した際にセンター軸(同公報のセンターピン8)を当接させることができ、ばね(同公報のスプリング13)の弾性力によりセンター軸側へ移動する待機状態と、センター軸によりばねの弾性力に抗して押されて移動する退避状態とを取り得る。
【特許文献1】特許第2558054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、前記ストッパ体(同公報の支承部材2)に用いるばね(同公報のスプリング3)と前記押圧体(同公報の弁体11)に用いるばね(同公報のスプリング13)とが別々に設けられているため、組み込むばねの数が増える問題があった。
【0004】
この発明は、カッター取付具において組み込むばねの数を減らして構造を簡略化することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態の図面(図1〜6)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかるカッター取付具は、下記のように構成されている。
このカッター取付具1は、下記の支持筒12とロック操作体14と可動ロック体20とストッパ体23と押圧体30とを備えている。前記支持筒12は、カッター2の挿嵌部6が挿脱可能に嵌め込まれる支持孔15を有している。前記ロック操作体14は、この支持筒12に対しロック位置Pとロック解除位置Qとに移動可能に支持されている。前記可動ロック体20は、カッター2の挿嵌部6の外周面8の挿脱軌跡面に面する支持筒12の支持孔15の内周面13bで支持筒12に支持され、ロック操作体14のロック位置Pで前記外周面8の挿脱軌跡面の内側へ入り込むロック状態RPと、ロック操作体14のロック解除位置Qで前記外周面8の挿脱軌跡面の外側へ逃げ得るロック解除状態SQとを取り得る。前記ストッパ体23は、支持筒12に対し移動可能に支持され、ばね31の弾性力により移動して可動ロック体20をロック解除状態SQに保持するストッパ状態DQと、ばね31の弾性力に抗して移動してその可動ロック体20から退避するストッパ解除状態UPとを取り得る。前記押圧体30は、カッター2の挿嵌部6を支持筒12の支持孔15に挿嵌した際に、カッター2の挿嵌部6に対しその回転中心線2a上で回転中心線2aの方向へ移動可能に挿通されたセンター軸10を当接させることができ、ばね31の弾性力によりセンター軸10側へ移動する待機状態Mと、センター軸10によりばね31の弾性力に抗して押されて移動する退避状態Nとを取り得る。このストッパ体23と押圧体30とを連動部32で相対移動可能に係合させて前記ストッパ体23に用いるばね31と押圧体30に用いるばね31とを互いに兼用している。
【0006】
請求項1の発明では、ストッパ体23用のばね31と押圧体30用のばね31とを互いに兼用しているので、ストッパ体23及び押圧体30に用いるばね31の数を減らして構造を簡略化することができる。
【0007】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記ストッパ体23と押圧体30とは、前記兼用ばね31の弾性力により連動部32で互いに連動して移動することができるとともに、この兼用ばね31の弾性力に抗してこの連動部32で互いに連動して移動することができ、この押圧体30は前記ストッパ体23との連動部32でストッパ体23に対し相対移動してこの兼用ばね31の弾性力に抗して単独でも移動し得る。例えば、兼用ばね31の弾性力が押圧体30に付与されてさらに連動部32を介してストッパ体23に付与され、カッター2の挿嵌部6によりストッパ体23に付与された押圧力が連動部32により兼用ばね31の弾性力に抗して押圧体30に付与され、センター軸10による押圧力が兼用ばね31の弾性力に抗して押圧体30のみに付与される。請求項2の発明では、ストッパ体23をストッパ状態DQとストッパ解除状態UPとに移動させることができるばかりではなく、押圧体30とともにセンター軸10を退避させることができる。
【0008】
請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記ストッパ体23はカッター2の挿嵌部6の回転中心線2aの方向へ移動可能に支持され、前記押圧体30はこのストッパ体23に対しこの回転中心線2aの方向へ移動可能に支持されている。請求項3の発明では、互いに機能の異なるストッパ体23と押圧体30とをコンパクトにまとめることができる。
【0009】
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、前記ストッパ体23は前記兼用ばね31の弾性力を受けて停止する係止部27を有している。請求項4の発明では、この係止部27によりストッパ体23を所定位置のストッパ状態DQで停止させることができる。
【0010】
請求項4の発明を前提とする請求項5の発明において、前記ストッパ体23は筒状をなし、前記押圧体30はこのストッパ体23の内側に挿通されて前記センター軸10に面する当接部30aを有し、前記兼用ばね31はこの押圧体30に支持されている。請求項5の発明では、互いに機能の異なるストッパ体23と押圧体30と兼用ばね31とをコンパクトにまとめることができる。
【0011】
請求項5の発明を前提とする請求項6の発明において、前記ストッパ体23は、前記可動ロック体20をロック解除状態SQに保持し得るストッパ筒24と、このストッパ筒24からカッター2の回転中心線2aの方向へ延設した係止筒25とを有し、この係止筒25に前記係止部27を設けている。請求項6の発明では、ストッパ体23において互いに機能の異なるストッパ筒24と係止筒25とをコンパクトにまとめることができる。
【0012】
請求項6の発明を前提とする請求項7の発明にかかるストッパ体23において、ストッパ筒24と係止筒25とは互いに螺合されている。請求項7の発明では、互いに機能の異なるストッパ筒24と係止筒25とからなるストッパ体23を容易に設けることができる。
【0013】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項1から請求項7のうちいずれかの請求項の発明を前提とする第8の発明において、前記ロック操作体14は、ロックばね17により付勢され、そのロックばね17の弾性力により回動して前記ロック位置Pとなり、そのロックばね17の弾性力に抗して回動して前記ロック解除位置Qとなる。第8の発明では、ロック操作体14をコンパクトにまとめることができる。
【0014】
第9の発明にかかるカッター取付具は、下記のように構成されている。
このカッター取付具1は、下記の支持筒12とロック操作筒14とロック機構部18とストッパ体23と押圧体30とを備えている。前記支持筒12においては、カッター2に設けた挿嵌部6がこのカッター2の回転中心線2aの方向へ挿脱可能に嵌め込まれる支持孔15を有し、その挿嵌部6の外周面8がこの支持孔15の内周面13bに対し嵌合する。前記ロック操作体14においては、この支持筒12の外周に対しこのカッター2の回転中心線2aの方向を中心に回動可能に嵌め込まれる案内孔16を有し、この支持筒12の外周面13aがこの案内孔16の内周面16aに面する。前記ロック機構部18においては、この支持筒12に対し支持孔15の外周でこのロック操作筒14の回動方向Xへ並設した複数の収容孔19を有し、この各収容孔19に可動ロック体20を嵌め込んで支持筒12の内外周面13b.13a間で移動可能に支持している。前記ロック操作筒14の案内孔16の内周面16aには、前記支持筒12の外周面13aから突出した可動ロック体20が係入される退避凹部21と、その突出を規制する退避規制面22とをロック操作筒14の回動方向Xへ交互に並設している。このロック操作筒14がロックばね17の弾性力により回動したロック位置Pでは、このロック操作筒14の退避規制面22に当接した可動ロック体20が支持筒12の内周面13bから突出して、支持筒12の支持孔15に挿嵌されたカッター2の挿嵌部6の外周面8でロック操作筒14の回動方向Xへ並設した複数のロック凹部9に係入される。このロック操作筒14をロックばね17の弾性力に抗して回動させて支持筒12の支持孔15からカッター2の挿嵌部6を離脱させたロック解除位置Qでは、支持筒12の外周面13aから突出した可動ロック体20がロック操作筒14の退避凹部21に係入される。前記ストッパ体23は、支持筒12に対し移動可能に支持され、ばね31の弾性力により移動して可動ロック体20をロック解除状態SQに保持するストッパ状態DQと、ばね31の弾性力に抗して移動してその可動ロック体20から退避するストッパ解除状態UPとを取り得る。前記押圧体30は、カッター2の挿嵌部6を支持筒12の支持孔15に挿嵌した際に、カッター2の挿嵌部6に対しその回転中心線2a上で回転中心線2aの方向へ移動可能に挿通されたセンター軸10を当接させることができ、ばね31の弾性力によりセンター軸10側へ移動する待機状態Mと、センター軸10によりばね31の弾性力に抗して押されて移動する退避状態Nとを取り得る。このストッパ体23と押圧体30とを相対移動可能に係合させて前記ストッパ体23に用いるばね31と押圧体30に用いるばね31とを互いに兼用している。
【0015】
第9の発明では、ストッパ体23用のばね31と押圧体30用のばね31とを互いに兼用しているので、ストッパ体23及び押圧体30に用いるばね31の数を減らして構造を簡略化することができるとともに、カッター取付具1の全体をコンパクトにまとめることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、カッター取付具1において組み込むばね31の数を減らして構造を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかるカッター取付具について図面を参照して説明する。
図1に示すように、カッター取付具1に取り付けられるカッター2においては、シャンク3の下半部に形成された連結部4に穿孔刃筒5が螺着され、シャンク3の上半部に形成された挿嵌部6がこの穿孔刃筒5の上側に並設されている。このシャンク3の挿嵌部6及び連結部4には回転中心線2a上で中心孔7が貫設されている。この挿嵌部6の外周面8(挿脱軌跡面)は回転中心線2aを中心とする円形状をなし、この外周面8には複数(3個)のロック凹部9が回転中心線2aに対する周方向へ等間隔で配置されて形成されている。なお、カッター2の挿嵌部とは、前記シャンク3自体を意味する以外に、図示しないが、このシャンク3を挿嵌したスリーブやソケットも含むシャンクを意味する。このシャンク3の中心孔7にはセンター軸10が挿通され、このセンター軸10の上端部に形成された押圧頭部10aがシャンク3の挿嵌部6の上端部に埋め込まれているとともに、このセンター軸10の下端部に形成されたセンター部10bが穿孔刃筒5内を通してその下方へ突出している。
【0018】
図1,2に示すように、前記カッター取付具1においては、図示しない工作機械等に対し着脱自在に支持されるスプラインシャンク11が支持筒12の上側に一体的に形成され、この支持筒12の下半部に形成された口筒部13の外周にロック操作体としてのロック操作筒14がカッター2の回転中心線2aを中心に回動方向Xへ回動可能に挿嵌されている。この支持筒12内には支持孔15が形成されて口筒部13の下側へ開放されている。このロック操作筒14の内側に形成された案内孔16の内周面16aはこの口筒部13の外周面13aに面している。このロック操作筒14の内側でこの口筒部13の外周にはロックばね17(ねじりコイルばね)が巻装され、このロックばね17の一端部17aが支持筒12に引掛けられているとともに、このロックばね17の他端部17bがロック操作筒14に引掛けられている。このロック操作筒14は、図3,4に示すように回動方向Xの両側のうち一方のロック向きXPへこのロックばね17の弾性力により回動するロック位置Pと、図1,2,5に示すように回動方向Xの両側のうち他方のロック解除向きXQへこのロックばね17の弾性力に抗して回動するロック解除位置Qとを取る。
【0019】
図2,3,5に示すように、前記カッター取付具1においては、前記口筒部13とロック操作筒14との間で複数(3個)のロック機構部18がカッター2の回転中心線2aに対する周方向へ等間隔で配置されている。この各ロック機構部18においては、支持孔15の外周で口筒部13に収容孔19がロック操作筒14の回動方向Xへ並設されて口筒部13の外周面13aに対し外側開口19aで開放されているとともに口筒部13の内周面13bに対し内側開口19bで開放され、この各収容孔19に可動ロック体としての可動ロック球20が嵌め込まれてこの内外両開口19b,19a間で移動可能に支持されている。また、ロック操作筒14の案内孔16の内周面16aには複数(3個)の退避凹部21がカッター2の回転中心線2aに対する周方向へ等間隔で配置され、この各退避凹部21とそれらの間の退避規制面22とがロック操作筒14の回動方向Xへ交互に並設されている。
【0020】
前記カッター取付具1において支持筒12の支持孔15にはストッパ体23がカッター2の回転中心線2aの方向へ移動可能に挿嵌されている。このストッパ体23は、前記口筒部13の各収容孔19に面し得るストッパ筒24と、このストッパ筒24の中央部で雌雄ねじ部26により螺合されてカッター2の回転中心線2aの方向へシャンク11側に向けて延設された係止筒25とを備えている。この係止筒25の上端部には係止部としての係止縁部27が形成されている。このシャンク11内にはばね孔28がカッター2の回転中心線2aの方向へ貫設され、このばね孔28と支持孔15との間の境界部で係止部としての係止板29が支持されている。この係止筒25がこの係止板29に対しカッター2の回転中心線2aの方向へ移動可能に挿通され、係止筒25の係止縁部27が係止板29に係止されてストッパ体23の下動を阻止している。この係止筒25内には押圧体30がカッター2の回転中心線2a上でその回転中心線2aの方向へ移動可能に挿入されている。シャンク11のばね孔28で支持された兼用ばね31(圧縮コイルばね)によりこの押圧体30が口筒部13側へ押されてストッパ筒24に対し連動部32で圧接された待機状態Mとなり、その待機状態Mでこの押圧体30の下端部に形成された当接部30aがストッパ筒24の下側から支持孔15へ露出している。このストッパ体23は、図1,2に示すように兼用ばね31の弾性力により下動して前記各ロック機構部18に面するストッパ状態DQと、図3,4,5に示すように兼用ばね31の弾性力に抗して上動してストッパ解除状態UPとを取る。
【0021】
さて、図1に示すようにカッター取付具1からカッター2を取り外した分解状態で、そのカッター取付具1においては、ロック操作筒14が前記ロック解除位置Qにあり、ストッパ体23が前記ストッパ状態DQにある。この分解状態では、図2に示すように、各ロック機構部18において可動ロック球20が口筒部13の外周面13aから突出してロック操作筒14の退避凹部21に係入可能となる。また、各ロック機構部18においては、ストッパ体23のストッパ筒24が可動ロック球20に面し、この可動ロック球20が退避凹部21とストッパ筒24との間に挟まれたロック解除状態SQとなる。このロック解除状態SQでは、可動ロック球20が口筒部13の内周面13bから支持孔15側へ突出するのを阻止することができる。
【0022】
図2に示すように、前記分解状態でカッター2の挿嵌部6を口筒部13の支持孔15に挿入してストッパ筒24に押し当て、さらにこの挿嵌部6の外周面8をこの支持孔15の内周面13bに嵌合させると、図3,4に示すように、ストッパ体23と押圧体30とは、連動部32で互いに連動して兼用ばね31の弾性力に抗して押し上げられ、係止筒25の係止縁部27がばね孔28内の段差部33に当接して停止し、前記ストッパ状態DQから前記ストッパ解除状態UPとなる。また、ロック操作筒14は前記ロック解除位置Qからロックばね17の弾性力によりロック向きXPへ回動して前記ロック位置Pとなる。その際、各ロック機構部18において、可動ロック球20は、ロック操作筒14の退避規制面22に押されて口筒部13の内周面13bから支持孔15側へ突出し、挿嵌部6のロック凹部9に係入されたロック状態RPとなる。
【0023】
図5に示すように、前記ロック状態RPでロック操作筒14を前記ロック位置Pからロックばね17の弾性力に抗してロック解除向きXQへ回動させて前記ロック解除位置Qにすると、各ロック機構部18において可動ロック球20はロック操作筒14の退避凹部21に係入可能となるために収容孔19内で自由に動き得る。その直後、カッター2の挿嵌部6が兼用ばね31の弾性力により押圧体30とストッパ体23との間の連動部32を介して押し下げられると、各ロック機構部18において可動ロック球20が挿嵌部6のロック凹部9から離脱して挿嵌部6が口筒部13の支持孔15から抜け、ストッパ体23が前記ストッパ状態DQに戻るとともに、各可動ロック球20が前記ロック解除状態SQに戻る。
【0024】
図3,4に示すようにカッター2をカッター取付具1に取り付けた状態で、図6に示すようにセンター軸10のセンター部10bを被切削物Wに押し当てながらカッター2の穿孔刃筒5により被切削物Wを切削すると、センター軸10の押圧頭部10aが押圧体30の当接部30aに当接してセンター軸10が押圧体30とともに兼用ばね31の弾性力に抗して押し上げられる。前記シャンク11内のばね孔28には切削油が供給され、押圧体30の待機状態Mでその当接部30aがストッパ筒24を閉塞する弁体として機能するため、切削油がカッター2側へ流出するのを阻止する。その当接部30aがストッパ筒24から上方へ離間して押圧体30が退避状態Nになると、ストッパ筒24が開放されるため、切削油がセンター軸10の外周にある隙間を通って穿孔刃筒5に供給される。
【0025】
本実施形態は下記の効果を有する。
* ストッパ体23と押圧体30とを連動部32で相対移動可能に係合させるとともにストッパ体23及び押圧体30に用いるばね31を兼用してその数を減らすことができる。
【0026】
* 互いに機能の異なるストッパ体23と押圧体30と兼用ばね31とをコンパクトにまとめることができ、ひいてはカッター取付具1の全体をコンパクトにまとめることができる。
【0027】
* ストッパ体23において互いに機能の異なるストッパ筒24と係止筒25とをコンパクトにまとめることができる。
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
【0028】
・ 前記実施形態ではセンター軸10の上端部に形成された押圧頭部10aがカッター2の挿嵌部6の上端部に埋め込まれているが、この押圧頭部10aを挿嵌部6の上端部から突出させてもよい。この場合には、挿嵌部6を支持筒12の支持孔15に挿入すると、まずこの押圧頭部10aが前記押圧体30の当接部30aに当接して押圧体30を兼用ばね31の弾性力に抗して持ち上げ、その後にこの挿嵌部6がストッパ筒24に当接してストッパ体23と押圧体30とが連動部32で互いに連動して兼用ばね31の弾性力に抗して押し上げられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(a)は本実施形態にかかるカッター取付具からカッターを取り外した状態を示す正面図であり、(b)は同じく正面側から見た断面図であり、(c)はこのカッター取付具の横断面図であり、(d)はこのカッターの横断面図である。
【図2】(a)は上記カッターを上記カッター取付具に取り付ける途中状態を正面側から見た部分断面図であり、(b)は同じく横断面図である。
【図3】(a)は上記カッターを上記カッター取付具に取り付けた状態を正面側から見た部分断面図であり、(b)は同じく横断面図である。
【図4】(a)は上記カッターを上記カッター取付具に取り付けた状態を示す正面図であり、(b)は同じく正面側から見た断面図である。
【図5】(a)は上記カッターを上記カッター取付具から取り外す途中状態を正面側から見た部分断面図であり、(b)は同じく横断面図である。
【図6】(a)は上記カッターの使用状態を示す正面図であり、(b)は同じく正面側から見た断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1…カッター取付具、2…カッター、2a…カッターの回転中心線、6…カッターの挿嵌部、8…挿嵌部の外周面、10…センター軸、12…支持筒、13b…支持筒の内周面、14…ロック操作体としてのロック操作筒、15…支持筒の支持孔、20…可動ロック体としての可動ロック球、23…ストッパ体、24…ストッパ体のストッパ筒、25…ストッパ体の係止筒、27…係止筒の係止部としての係止縁部、30…押圧体、30a…押圧体の当接部、31…兼用ばね、32…ストッパ体と押圧体との間の連動部、P…ロック操作筒のロック位置、Q…ロック操作筒のロック解除位置、RP…可動ロック球のロック状態、SQ…可動ロック球のロック解除状態、DQ…ストッパ体のストッパ状態、UP…ストッパ体のストッパ解除状態、M…押圧体の待機状態、N…押圧体の退避状態。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッターの挿嵌部が挿脱可能に嵌め込まれる支持孔を有する支持筒と、この支持筒に対しロック位置とロック解除位置とに移動可能に支持したロック操作体と、カッターの挿嵌部の外周面の挿脱軌跡面に面する支持筒の支持孔の内周面で支持筒に支持され、ロック操作体のロック位置で前記外周面の挿脱軌跡面の内側へ入り込むロック状態と、ロック操作体のロック解除位置で前記外周面の挿脱軌跡面の外側へ逃げ得るロック解除状態とを取り得る可動ロック体と、支持筒に対し移動可能に支持され、可動ロック体をロック解除状態に保持するストッパ状態と、その可動ロック体から退避するストッパ解除状態とを取り得るストッパ体と、カッターの挿嵌部を支持筒の支持孔に挿嵌した際に、カッターの挿嵌部に対しその回転中心線上で回転中心線方向へ移動可能に挿通されたセンター軸を当接させることができる押圧体とを備えたカッター取付具において、このストッパ体は、ばねの弾性力により移動してストッパ状態となり、ばねの弾性力に抗して移動してストッパ解除状態となり、この押圧体は、ばねの弾性力によりセンター軸側へ移動する待機状態と、センター軸によりばねの弾性力に抗して押されて移動する退避状態とを取り、このストッパ体と押圧体とを連動部で相対移動可能に係合させて前記ストッパ体に用いるばねと押圧体に用いるばねとを互いに兼用したことを特徴とするカッター取付具。
【請求項2】
前記ストッパ体と押圧体とは、前記兼用ばねの弾性力により連動部で互いに連動して移動することができるとともに、この兼用ばねの弾性力に抗してこの連動部で互いに連動して移動することができ、この押圧体は前記ストッパ体との連動部でストッパ体に対し相対移動してこの兼用ばねの弾性力に抗して単独でも移動し得ることを特徴とする請求項1に記載のカッター取付具。
【請求項3】
前記ストッパ体はカッターの挿嵌部の回転中心線方向へ移動可能に支持され、前記押圧体はこのストッパ体に対しこの回転中心線方向へ移動可能に支持されていることを特徴とする請求項2に記載のカッター取付具。
【請求項4】
前記ストッパ体は前記兼用ばねの弾性力を受けて停止する係止部を有していることを特徴とする請求項3に記載のカッター取付具。
【請求項5】
前記ストッパ体は筒状をなし、前記押圧体はこのストッパ体の内側に挿通されて前記センター軸に面する当接部を有し、前記兼用ばねはこの押圧体に支持されていることを特徴とする請求項4に記載のカッター取付具。
【請求項6】
前記ストッパ体は、前記可動ロック体をロック解除状態に保持し得るストッパ筒と、このストッパ筒からカッターの回転中心線方向へ延設した係止筒とを有し、この係止筒に前記係止部を設けていることを特徴とする請求項5に記載のカッター取付具。
【請求項7】
前記ストッパ体においてストッパ筒と係止筒とは互いに螺合されていることを特徴とする請求項6に記載のカッター取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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