説明

カッター設備装置

【課題】最終製品の中に含まれ得る、品質が低い紙(平判)を、確実に検出することができるカッター設備装置を提供する。
【解決手段】カッター設備2、繊維配向計測装置5、入力装置7、記憶装置8、繊維配向検査装置9を備える。カッター設備2は、原反1から送り出された紙を裁断する。繊維配向計測装置5は、原反1からの紙の繊維配向情報を、複数の幅方向位置において計測する。入力装置7は、平判の取合せを設定する。記憶装置8には、平判の繊維配向情報の許容範囲が記憶される。繊維配向検査装置9は、原反1からの紙の幅方向に複数の計測範囲を設定し、その計測範囲毎に繊維配向情報の許容範囲を設定する。また、繊維配向検査装置9は、繊維配向計測装置5によって計測された繊維配向情報に基づいて、カッター設備2を使用して切り出される平判の良否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製紙仕上げ工程において使用されるカッター設備装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、抄紙機において繊維配向を計測することが記載されている。特許文献1には、計測された繊維配向に基づいて、原料流出口の開口量を制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−192992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紙を構成する繊維の方向は、カール特性等の紙の品質に大きな影響を及ぼす。
特許文献1に記載の装置では、抄紙機において繊維配向を計測しているが、紙が最終製品として完成するまでには、抄紙機による工程の後に、ワインダ設備による巻取り工程、カッター設備による裁断工程等を行わなければならない。即ち、特許文献1に記載のものでは、抄紙機の後工程における形状変化や時間経過を考慮することができず、最終製品に対する繊維配向の影響を十分に把握することができないといった問題があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、最終製品の中に含まれ得る、品質が低い紙(平判)を、確実に検出することができるカッター設備装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るカッター設備装置は、原反から送り出された紙を裁断するためのカッター設備と、原反から送り出された紙の所定の繊維配向情報を、その紙の複数の幅方向位置において計測する繊維配向計測装置と、カッター設備を使用して原反から切り出す平判の取合せを設定するための入力装置と、平判の繊維配向情報の許容範囲が記憶された記憶装置と、入力装置による設定内容と記憶装置の記憶内容とに基づいて、原反から送り出される紙の幅方向に複数の計測範囲を設定し、その計測範囲毎に繊維配向情報の許容範囲を設定する繊維配向検査装置と、を備え、繊維配向検査装置は、繊維配向計測装置によって計測された繊維配向情報と計測範囲毎に設定した繊維配向情報の許容範囲とに基づいて、カッター設備を使用して切り出される平判の良否を判定するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るカッター設備装置であれば、最終製品の中に含まれ得る、品質が低い紙(平判)を、確実に検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1におけるカッター設備装置の要部の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるカッター設備装置の構成を示す図である。
【図3】平判の例と平判の取合せの例とを示す図である。
【図4】繊維配向情報の許容値の登録方法を説明するための図である。
【図5】繊維配向検査装置の機能を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。各図において、同一又は相当する部分には、同一の符号を付している。重複する説明については、適宜簡略化或いは省略している。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるカッター設備装置の要部の構成を示す図である。図2はこの発明の実施の形態1におけるカッター設備装置の構成を示す図である。
【0011】
図1及び図2において、1は抄紙機による工程後にワインダ設備によって巻き取られた原反(ロール)である。なお、本分野では、ロール状の巻取りが中間製品の場合、その中間製品のことを、特に原反と呼ぶ。
【0012】
原反1は、例えば、複数本(図2に示す例では、5本)が送り出し機にセットされる。原反1から送り出された紙は、他の原反1からの紙と上下に重ね合わされた状態で、カッター設備2によって所望の形状に裁断される。原反1から送り出された紙は、例えば、固定された刃によってその流れ方向(縦方向)に裁断され、回転するドラムに設けられた刃によってその幅方向(横方向)に裁断される。
【0013】
カッター設備2による1回の裁断により、送り出し機にセットされた本数分(例えば、N枚)の平判(シート状の紙)が出来上がる。カッター設備2によってシート状に裁断された紙(平判)は、N枚単位で搬送装置3によって搬送され、パレット4上に積み上げられる。パレット4に積載された平判は、必要に応じて不良部分がパレット4から取り除かれる。その後、平判は、パレット4毎に規定の枚数に調整された後、包装されて最終製品として出荷される。
【0014】
5は繊維配向計測装置である。繊維配向計測装置5は、原反1から送り出された紙の繊維配向に関する所定の情報(以下、「繊維配向情報」という)を計測する。繊維配向は、平判におけるカールのし易さ(カール特性)等、紙の寸法変形に影響を与える指標となる。
【0015】
繊維配向計測装置5は、製品となる全ての紙(平判)について繊維配向情報を計測するため、各原反1に対応して設けられる。また、繊維配向計測装置5は、オンラインで繊維配向情報を計測するため、例えば、カッター設備2の上流側に設けられ、原反1から送り出された直後(他の原反1からの紙が重ね合わされる前)の紙に、その計測部分が対向するように配置される。
【0016】
繊維配向計測装置5は、例えば、原反1から送り出された紙の表面側の繊維配向角と裏面側の繊維配向角とを測定し、その差(繊維配向角の表裏差)αを計測する。繊維配向計測装置5は、紙の幅方向(原反1から送り出された紙の流れ方向(紙の送り方向)に直交する方向)に多数の計測部分が設けられており、その各幅方向位置(計測点)において、紙の繊維配向角の表裏差αを計測する。繊維配向角の表裏差αの計測点は、例えば、紙の幅方向に等間隔に設定される。繊維配向計測装置5は、計測した繊維配向角の表裏差α(の情報)を、その計測した時の時刻情報tと共に、後述の繊維配向検査装置9に出力する。
【0017】
6は巻径計測装置である。巻径計測装置6は、原反1の巻径(直径)rを計測する。巻径計測装置6は、送り出し機にセットされた全ての原反1について巻径を計測するため、各原反1に対応して設けられる。また、巻径計測装置6は、オンラインで巻径を計測する。巻径計測装置6は、計測した巻径r(の情報)を、その計測した時の時刻情報tと共に、後述の繊維配向検査装置9に出力する。
【0018】
7はオペレーター等が操作する入力装置である。入力装置7は、カッター設備2で裁断する平判(製品)の取合せを設定するためのものである。原反1からは、多数の種類の平判(製品)を切り出すことができる。入力装置7は、平判の種類が入力されると、入力された平判の種類に基づいてその取合せを設定し、後述の繊維配向検査装置9に出力する。
【0019】
図3は平判の例と平判の取合せの例とを示す図である。
入力装置7には、カッター設備2を使用して原反1から製品として切り出すことができる各平判の情報が、予め登録されている。平判は、紙の種類毎に、幅寸法(紙の流れ方向に対して垂直な方向の寸法)と、流れ寸法(紙の流れ方向に対して平行な方向の寸法)とによって、定義される。例えば、平判aについて、幅(寸法)a1、流れ(寸法)a2の情報が、平判bについて、幅b1、流れb2の情報が、平判cについて、幅c1、流れc2の情報が、予め登録されている。
なお、紙の種類は、概ね、「銘柄」と「坪量」とによって決定される。上記銘柄は、例えば、複数原材料(主として、パルプ)の配合の仕方で決定され、坪量は、例えば、1平米あたりのグラム数で定義された水分の量で決定される。
【0020】
カッター設備2を使用して原反1から送り出された紙を裁断する場合は、様々な寸法の平判を効率良く組み合わせることが重要である。入力された情報に基づいてこの組合せを作成することを、取合せという。また、取合せを設定する時の平判の位置、具体的には、原反1の幅方向に対する位置を、取位置という。取位置は、例えば、オペレーターがいる側からA桝、B桝・・・のように定義される。
【0021】
例えば、原反1から平判aのみを切り出す場合、入力装置7は、取位置A桝及びB桝にそれぞれ平判aを設定し、平判aを幅方向に2丁並べて配置する(図3I参照:平判aの2丁取)。また、原反1から平判bのみを切り出す場合、入力装置7は、取位置A桝、B桝、C桝のそれぞれに平判bを設定し、平判bを幅方向に3丁並べて配置する(図3II参照)。原反1から平判b及び平判cを切り出す場合、入力装置7は、取位置A桝に平判cを、取位置B桝に平判bを設定し、幅方向に2丁並べて配置する(図3III参照)。なお、図3IIIは、b2=c2の場合に可能な取合せを示している。
【0022】
8は記憶装置である。記憶装置8には、カッター設備2を使用して切り出すことができる平判(製品)毎(例えば、平判の種類毎及び寸法毎)に、繊維配向計測装置5が測定する繊維配向情報の許容値(範囲)が記憶されている。なお、記憶装置8には、1つの平判について1つの許容値(範囲)を登録しても良いし、1つの平判について複数の許容値(範囲)を登録しても良い。また、1つの平判をその幅方向に複数の区間に分け、その設定した区間毎に許容値(範囲)を登録しても良い。
以下に、図4も参照し、記憶装置8に登録する内容について具体的に説明する。
【0023】
図4は繊維配向情報の許容値の登録方法を説明するための図である。
平判に反り(カール)が生じるのは、主に平判の端の部分である。平判の中央部に反りは生じ難い。このため、例えば、各平判について繊維配向情報の許容値を登録する場合、平判を幅方向に幾つかの区間に分け、各区間に最適な許容値を設定する。
【0024】
図4に示す例では、平判b及び平判cを、それぞれ、幅方向に3つの区間(一側部、中央部、他側部)に分けている。そして、平判cについては下記表1のように、平判bについては下記表2のように、設定した各区間について、繊維配向情報の許容値を記憶装置8に登録する。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
例えば、平判cについて、中央部の許容値を両側部の許容値よりも低くし、且つ、一側部の許容値と他側部の許容値とを同じにする場合は、u12<u11=u13となるように、記憶装置8に各許容値を登録する。
【0028】
繊維配向検査装置9は、カッター設備2によって裁断される紙(平判)、即ち、製品の繊維配向に基づく評価を行うためのものである。繊維配向検査装置9は、例えば、製造される各製品に対してランク付けを行い、その評価結果をランク別処理装置10等に出力する。以下に、図5も参照し、繊維配向検査装置9が行う繊維配向評価について、具体的に説明する。
【0029】
図5は繊維配向検査装置の機能を説明するための図である。カッター設備2を使用して原反1を平判製品に裁断するにあたり、例えば、オペレーターが、入力装置7から平判b及び平判cを同じ枚数切り出すことを入力する(下記表3参照)。入力装置7は、入力情報に基づいて製品の取合せを例えば図3IIIに示すように設定し、その設定内容を繊維配向検査装置9に送信する。
【0030】
【表3】

【0031】
各平判の幅方向位置と繊維配向情報の許容値との関係は、記憶装置8に予め登録されている。繊維配向検査装置9は、入力装置7から設定内容を受信すると、記憶装置8に記憶されている内容に基づいて、製品の繊維配向に基づく評価を行うための設定を開始する。
【0032】
繊維配向検査装置9は、先ず、原反1から送り出される紙の幅方向に、複数の計測範囲を設定する。上記例では、取位置A桝に平判cが、取位置B桝に平判bが配置される。また、平判c及び平判bは、表1及び表2に示すように、それぞれ、幅方向に3つの区間に分けられている。このため、繊維配向検査装置9は、繊維配向情報を計測する範囲(以下、単に「計測範囲」ともいう)として、下記表4に示すように、紙の幅方向位置(=x)に対して6つの範囲(X01乃至X06)を設定する。
【0033】
【表4】

【0034】
また、繊維配向検査装置9は、記憶装置8に記憶されている内容に基づいて、各計測範囲について、繊維配向情報の許容値(本実施の形態では、繊維配向角の表裏差αの絶対値上限=U1(X)、U2(X))を下記表5のように設定する。
【0035】
【表5】

【0036】
記憶装置8には、計測周期(=Δt)が予め登録されている。繊維配向検査装置9は、記憶装置8から計測周期Δtを取得すると、その計測周期Δt間隔で、繊維配向計測装置5及び巻径計測装置6に対して計測指令を出力する。
【0037】
繊維配向計測装置5は、繊維配向検査装置9から計測指令を受信すると、計測点を通過する紙に光を照射する等して、繊維配向情報(繊維配向角の表裏差α)を計測する。繊維配向計測装置5は、例えば、幅方向位置xで時刻tに計測した繊維配向角の表裏差α(t、x)の情報を、繊維配向検査装置9に出力する。即ち、繊維配向計測装置5から出力される表裏差αの情報には、計測位置(幅方向位置x)と計測時刻(時刻t)の各情報が紐付けられている。
【0038】
巻径計測装置6は、繊維配向検査装置9から計測指令を受信すると、原反1の巻径rを計測する。巻径計測装置6は、例えば、時刻tに計測した巻径r(t)の情報を、繊維配向検査装置9に出力する。即ち、巻径計測装置6から出力される巻径rの情報には、計測時刻(時刻t)の情報が紐付けられている。
【0039】
繊維配向検査装置9は、繊維配向計測装置5から表裏差α(t、x)の情報を受信すると、下記表6に示すように、計測時刻毎及び計測範囲毎に、繊維配向角の表裏差の絶対値平均A(t、X)を算出する。
【0040】
【表6】

【0041】
繊維配向角の表裏差の絶対値平均A(t、X)の算出例を、下記式1に示す。
【0042】
【数1】

【0043】
例えば、図5に示すように、繊維配向計測装置5の計測点が、紙の幅方向に22箇所(p1乃至p22)に設定されている場合を考える。繊維配向計測装置5の各計測点(p1乃至p22)は、紙の一端からの距離(x1乃至x22)が、記憶装置8に予め登録されている。繊維配向検査装置9は、繊維配向計測装置5の各計測点が、どの計測範囲に該当するのかを判断し、計測範囲毎に絶対値平均A(t、X)を算出する。例えば、計測点p1及びp2は、紙の一端からの距離x1及びx2が、0≦x≦L1に含まれる。このため、計測点p1及びp2は、計測範囲X01に該当する。
【0044】
繊維配向計測装置5の計測位置が図5のように設定されている場合、繊維配向角の表裏差の絶対値平均A(t、X)の算出方法は、下記式2に示すようになる。
【0045】
【数2】

【0046】
繊維配向検査装置9は、繊維配向角の表裏差の絶対値平均A(t、X)を算出すると、巻径計測装置6から受信した巻径r(t)の情報も使用して、下記表7に示すように、計測時刻毎及び計測範囲毎に、繊維配向角の表裏差の評価値E(t、X)を算出する。
【0047】
【表7】

【0048】
繊維配向角の表裏差の評価値E(t、X)の算出例を、下記式3に示す。
【0049】
【数3】

【0050】
上記式3において、r(0)は原反1の当初巻径である。また、β及びγは、製品毎に設定された調整係数である。調整係数β及びγは、記憶装置8に予め登録されている。原反1は紙をロール状に巻き取ったものであるため、外側に巻かれている部分と内側に巻かれている部分とでは、その曲率が異なる。このため、原反1のカール特性も、巻かれている位置によって異なることが考えられる。上記式3では、調整係数βの値を適切に設定することにより、巻径の影響を加味した評価値E(t、X)を算出することができる。β=0に設定すれば、巻径の影響を無視した評価値E(t、X)を算出することも可能である。
【0051】
例えば、上記式2のように絶対値平均A(t、X)が算出された場合、繊維配向角の表裏差の評価値E(t、X)の算出方法は、下記式4に示すようになる。
【0052】
【数4】

【0053】
上記式4において、β1及びγ1は平判製品1、即ち平判cの調整係数である。β2及びγ2は平判製品2、即ち平判bの調整係数である。
【0054】
繊維配向検査装置9は、計測された繊維配向角の表裏差α(t、X)や巻径rから評価値E(t、X)を算出すると、その評価値E(t、X)と対応の許容値(即ち、計測範囲毎に設定された許容値)とを比較して、カッター設備2を使用して切り出される各平判(製品)の良否判定を行う。具体的に、繊維配向検査装置9は、算出した評価値E(t、X)と対応の絶対値上限(=U1(X)、U2(X))とを比較する。そして、繊維配向検査装置9は、比較結果から、計測時刻毎及び計測範囲毎の繊維配向ランクを決定する。
【0055】
繊維配向ランクの決定方法の例を、下記に示す。
・繊維配向ランクA:E(t、X)<U1(t、X)
・繊維配向ランクB:U1(t、X)≦E(t、X)<U2(t、X)
・繊維配向ランクC:U2(t、X)≦E(t、X)
【0056】
繊維配向検査装置9は、時刻tにおける計測範囲(X)毎の繊維配向ランクを、送り出し機にセットされている全ての原反1について決定する。繊維配向検査装置9は、決定した繊維配向ランクを、ランク別処理装置10に送信する。
【0057】
ランク別処理装置10は、繊維配向検査装置9から受信した繊維配向ランク(即ち、良否の判定結果)に基づいて、繊維配向ランクに応じた処理を行う。例えば、ランク別処理装置10は、繊維配向検査装置9から受信した繊維配向ランクを、時刻tから時刻t+Δtの間に発生した平判の繊維配向ランクと認識し、不良と判定された平判に対して、「当該平判を取り除く」といった処理や、「当該平判にマーキングを行う」といった処理を実施する。また、表示器やアナウンス装置等が備えられている場合、ランク別処理装置10は、不良の発生を報知するといった処理を行っても良い。
【0058】
上記構成を有するカッター設備装置であれば、最終製品の中に含まれ得る、品質が低い紙(平判)を、確実に検出することができ、その検出された平判に対してマーキングを行うといった適切な処理を行うことが可能となる。
なお、本カッター設備装置は、製紙仕上げ工程において使用される。このため、従来の装置のように、その後の形状変化や時間経過を考慮する必要がない。
【符号の説明】
【0059】
1 原反
2 カッター設備
3 搬送装置
4 パレット
5 繊維配向計測装置
6 巻径計測装置
7 入力装置
8 記憶装置
9 繊維配向検査装置
10 ランク別処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原反から送り出された紙を裁断するためのカッター設備と、
原反から送り出された紙の所定の繊維配向情報を、その紙の複数の幅方向位置において計測する繊維配向計測装置と、
前記カッター設備を使用して原反から切り出す平判の取合せを設定するための入力装置と、
前記平判の繊維配向情報の許容範囲が記憶された記憶装置と、
前記入力装置による設定内容と前記記憶装置の記憶内容とに基づいて、原反から送り出される紙の幅方向に複数の計測範囲を設定し、その計測範囲毎に繊維配向情報の許容範囲を設定する繊維配向検査装置と、
を備え、
前記繊維配向検査装置は、前記繊維配向計測装置によって計測された繊維配向情報と計測範囲毎に設定した繊維配向情報の許容範囲とに基づいて、前記カッター設備を使用して切り出される平判の良否を判定するカッター設備装置。
【請求項2】
原反の巻径を計測する巻径計測装置と、
を備え、
前記繊維配向検査装置は、前記巻径計測装置によって計測された原反の巻径も考慮して、前記カッター設備を使用して切り出される平判の良否を判定する請求項1に記載のカッター設備装置。
【請求項3】
前記繊維配向検査装置による判定結果に基づいて、所定の処理を行う処理装置と、
を備え、
前記処理装置は、前記繊維配向検査装置によって不良と判定された平判に対し、
その平判を取り除く、
その平判にマーキングを行う、
不良の発生を報知する
の少なくとも何れかの処理を行う請求項1又は請求項2に記載のカッター設備装置。
【請求項4】
前記カッター設備は、複数の原反から送り出された紙を、上下に重ね合わせた状態で裁断し、
前記繊維配向計測装置は、各原反に対応して設けられた
請求項1から請求項3の何れかに記載のカッター設備装置。
【請求項5】
前記記憶装置には、幅方向に複数の区間が設定された1つの平判について、区間毎に繊維配向情報の許容範囲が設定され、
前記繊維配向検査装置は、平判に設定された区間毎に計測範囲を設定する
請求項1から請求項4の何れかに記載のカッター設備装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−111730(P2013−111730A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262433(P2011−262433)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)