説明

カットケーキ包装用袋

【課題】 特にカットケーキを包装するのに適したカットケーキ包装用袋を提供すること。
【解決手段】
2つの長辺Lと、1つの短辺Sとからなる略二等辺三角形状の底面部1を備え、略楔形のカットケーキを包装するのに適した形態を有するカットケーキ包装用袋10であって、折り畳まれた状態の包装用袋の内寸幅の20%以上〜50%未満の折込部2を前記短辺側にのみ備え、折り畳まれた状態の包装用袋の底端部に形成される山形のヒートシールH又は溶断シールの頂角θを120〜130度とすることで、略二等辺三角柱形状の収納空間を展開時に備えることを特徴とするカットケーキ包装用袋10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に略楔形のカットケーキ(三角柱形状のケーキ又は菓子を含む)を包装するのに適したカットケーキ包装用袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来公知の包装用袋としては、液体、粉体、粒体、ゼリー状、ペースト、スティック、固形物などを収納するためのものが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0003】
しかしながら、これらの従来の包装用袋は、カットケーキを収納することを意図して構成されているものではないため、その形状、材質、寸法などの点で、カットケーキを収納するのには適していない。
即ち、カットケーキは、通常、円柱状または円盤状のホールケーキを最小で1/12、最大で1/6にカットすることで得られるものであり、略楔形となっているため、従来の包装用袋を用いてカットケーキを収納すると、無駄な空間が生じてカットケーキを安定的に収納することができず、型崩れしてしまったり、カットケーキが裏返しになってしまったり、収納状態の見栄えが悪いという問題があった。
【0004】
また、家庭で手作りしたケーキを配るには、ラップで包む、三方袋(3辺をシールした袋)に入れる、又は、プラスチック製の硬質容器に入れる、ということになり、ラップや三方袋にケーキの上面が付着してしまったり、プラスチック製の硬質容器が複数必要になったり、プラスチック製の硬質容器の返却が必要となるという問題や、見栄えが悪いという問題がある。
【0005】
さらに、従来の包装用袋においては、カットケーキを入れ難いばかりか、従来の包装用袋を使用してカットケーキを収納すると、収納されたケーキを取り出す際に鋏を用いる必要があったり、開口部付近を締め付けているリボンを取り除く必要があったり、袋を裏返してカットケーキを取り出す必要があるなどの問題があり、収納されたカットケーキを速やかに、かつ、上手に取り出すことができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2694093号公報
【特許文献2】特許第3997717号公報
【特許文献3】実開昭51−62915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、従来の包装用袋においては、略楔形という独特の形状を有するカットケーキを収納するのに適していないこと、及び、収納されたカットケーキを速やかに、かつ、上手に取り出すことができないことであり、本発明の目的は、カットケーキを安定的に見栄え良く収納するのに適した形態を有するカットケーキ包装用袋を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、カットケーキを入れやすく、さらには、収納されたカットケーキを速やかに、かつ、上手に取り出すことができるカットケーキ包装用袋を提供することにある。
【0009】
さらに、本発明の他の目的は、カットケーキ包装用袋を開封した後、包装用袋を皿の代わりにしたり、包装用袋を介することで直接カットケーキに触れることなく、フォークなどを使用することなくそのまま手でカットケーキを食べることができるカットケーキ包装用袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、「2つの長辺と、1つの短辺とからなる略二等辺三角形状の底面部を備え、略楔形のカットケーキを包装するのに適した形態を有するカットケーキ包装用袋であって、折り畳まれた状態の包装用袋の内寸幅の20%以上〜50%未満の折込部を前記短辺側にのみ備え、折り畳まれた状態の包装用袋の底端部に形成される山形のヒートシール又は溶断シールの頂角を約120〜約130度とすることで、略二等辺三角柱形状の収納空間を展開時に備えるカットケーキ包装用袋。」を最も主要な特徴とするものである。
【0011】
前記包装用袋の少なくとも1つの側辺は、ヒートシール又は溶断シールが施されており、当該ヒートシール又は溶断シールの上部にヒートシール又は溶断シールが形成されていない非シール部、又は、弱くヒートシールが形成された弱シール部を備えていてもよい。
【0012】
前記包装用袋の少なくとも1つの側辺は、ヒートシールが施されており、当該ヒートシールには開封を容易とする易開封部が形成されていてもよい。
【0013】
さらに、本発明は、「三角柱形状の収納空間を展開時に備え、カットケーキを包装するのに適した形態を有するカットケーキ包装用袋であって、折り畳まれた状態の包装用袋の1つの側辺に折込部を備え、当該折込部が形成されていない他の側辺にヒートシール又は溶断シールを備え、折り畳まれた状態の包装用袋の底端部に、山形のヒートシール又は溶断シールを備え、かつ、前記折込部が形成されていない他の側辺の上部には、ヒートシール又は溶断シールが形成されていない非シール部、又は、弱くヒートシールが形成された弱シール部を備えているカットケーキ包装用袋。」を主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記構成により、本発明のカットケーキ包装用袋は、三角柱形状の収納空間を展開時に備え、略楔形のカットケーキを入れて包装するのに適した形態となり、カットケーキを安定した状態で収納でき、カットケーキの収納及び持ち運びの際などにおける取扱性及び利便性に優れたカットケーキ包装用袋として使用できる。
【0015】
本発明によるカットケーキ包装用袋は、その少なくとも1つの側辺上部に、非シール部を備えることで、袋の上部を開いてカットケーキを入れ易くすることができる。カットケーキ包装用袋の側辺上部に、弱シール部を備えている場合には、袋上部の開口付近を持って弱シール部を手で剥がすことで、袋の上部を開いてカットケーキを入れ易くすることができる。
また、このような非シール部又は弱シール部を形成していることにより、その近くの袋の上部を摘み、ヒートシールに沿って袋を引き裂くように開いてカットケーキを取り出し易くすることもできる。
【0016】
さらに、前記包装用袋の少なくとも1つの側辺に形成された易開封部により、カットケーキ包装用袋を切り開いて、袋の内部に収納されたカットケーキを速やかに、かつ、上手に取り出すこともできる。
【0017】
また、このようにカットケーキ包装用袋を切り開いた状態とすることで、カットケーキの下に残っている包装用袋を皿のようにして用い、手やテーブルなどを汚すことなく、カットケーキ包装用袋を介してカットケーキを手で持って食べることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を具体化した実施例1のカットケーキ包装用袋を折り畳んだ状態を示す平面図であって、ヒートシールされた部分を斜線で示す平面図。
【図2】本発明を具体化した実施例1のカットケーキ包装用袋を展開し、カットケーキを収納した状態を示す斜視図。
【図3】本発明を具体化した実施例1のカットケーキ包装用袋を展開してカットケーキを収納した状態を示す底面図。
【図4】本発明を具体化した実施例1のカットケーキ包装用袋にカットケーキを収納した様子を示す斜視図。
【図5】本発明を具体化した実施例1のカットケーキ包装用袋を易開封部から切り開いて開封した様子を示す斜視図。
【図6】本発明を具体化した実施例2のカットケーキ包装用袋を折り畳んだ状態を示す平面図であって、ヒートシールされた部分を斜線で示す平面図。
【図7】本発明を具体化した実施例3のカットケーキ包装用袋を折り畳んだ状態を示す平面図であって、ヒートシールされた部分を斜線で示す平面図。
【図8】本発明を具体化した実施例4のカットケーキ包装用袋を折り畳んだ状態を示す平面図であって、ヒートシールされた部分を斜線で示す平面図。
【図9】本発明を具体化した実施例5のカットケーキ包装用袋を折り畳んだ状態を示す平面図であって、ヒートシールされた部分を斜線で示す平面図。
【図10】本発明を具体化した実施例6のカットケーキ包装用袋を折り畳んだ状態を示す平面図であって、溶断シールされた部分を斜線で示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、略楔形のカットケーキ(三角柱形状のケーキ又は菓子を含む)を包装するのに適した形態を有するカットケーキ包装用袋であって、三角柱形状の収納空間を展開時に備えるカットケーキ包装用袋である。
【0020】
本発明のカットケーキ包装用袋を製造する際に使用される胴部フィルム及び折込フィルムとしては、ヒートシール又は溶断シールにより製袋することのできる公知の積層フィルム又は単体フィルムを使用できる。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明を具体化したカットケーキ包装用袋の実施例1について説明する。
図1〜図5に示すように、このカットケーキ包装用袋10は、2つの長辺L(図1に示すAF及びEFに相当)と、1つの短辺S(図1に示すAEに相当)とからなる略二等辺三角形状の底面部1を備えている。
【0022】
前記カットケーキ包装用袋10は、厚さ30ミクロンの二軸延伸ポリプロピレン(OPP)製の単体フィルムから構成されており、折り畳まれた状態のカットケーキ包装用袋10の内寸幅(図1に示すAF間の長さ)の約38%の折込部2を前記短辺側にのみ備えている。
【0023】
前記カットケーキ包装用袋10が折り畳まれた状態でカットケーキ包装用袋10の底端部に形成される山形のヒートシールHの頂角θは約124度であり、略楔形のカットケーキKを包装するのに適した略二等辺三角柱形状の収納空間3を展開時に備えるようになっている(図2〜図5参照)。本実施例1において、前記ヒートシールHの幅は、5mmとしているが、3〜6mm程度の範囲から適宜選択してよい。
【0024】
この実施例1のカットケーキ包装用袋10における折り畳まれた状態のカットケーキ包装用袋10の全幅(外寸)は115mm、折込部2の長さ(図1に示すAC間の長さ)は42mm、展開された状態の内寸幅(図1に示すDF間の長さ)は約102mmとなる。
ここで、前記折込部2が形成されていないカットケーキ包装用袋の側辺4(ヒートシールHの内側)と、底部のヒートシールHとのなす角度を90度+αとする。
すると、展開したカットケーキ包装用袋10の底部に形成される二等辺三角形の頂角の大きさは、約2αとなる(角AFE)。
【0025】
また、前記折込部2が形成されたカットケーキ包装用袋10の側辺5と、底部のヒートシールHとのなす角度を90度+βとする。
すると、三角形ABCと三角形ABDは合同であることから、
2β=90度−α ・・・(式1)となる。
【0026】
折り畳まれた状態のカットケーキ包装用袋10の底端部に形成される山形のヒートシールの頂角θについては、 頂角θ=180度−α−β となる。
これに式1を代入すると、 頂角θ=135度−α/2 ・・・(式2)となる。
【0027】
円柱状のホールケーキを12等分〜6等分にされていることが想定されるカットケーキの中心角に対応できるように、20≦2α≦60とし、これに式2を代入すると、120度≦頂角θ≦130度となる。
【0028】
なお、カットケーキ包装用袋10が折り畳んだ状態における、折込部2の内寸幅に対する割合を20%とすると、展開したカットケーキ包装用袋10の底部に形成される二等辺三角形の頂角(2α)は、約23度となる。
【0029】
前記実施例1のカットケーキ包装用袋10の角度αは約23度、角度βは約33度、頂角θは約124度であり、展開したカットケーキ包装用袋10の底部に形成される二等辺三角形の頂角(2α)は、約45度となる。
従って、8等分されて中心角が45度となっているカットケーキを好適に収納できるが、12等分されて中心角が30度となっているカットケーキについても、大きな隙間を生じることなく比較的安定して見栄え良く収納することができる。
【0030】
前記カットケーキ包装用袋10の側辺4は、サイドシール(側辺におけるヒートシールH)が施されており、当該サイドシールの上部にサイドシールが形成されていない非シール部4aを備えている。
この非シール部4aの上下方向の長さは、20mm〜50mm程度が好ましく、この実施例1においては、30mmとされている。
【0031】
前記折込部2が形成されていないカットケーキ包装用袋10の側辺4のサイドシール(ヒートシールH)には開封を容易とする易開封部6が形成されている。この易開封部6としては、1)サイドシールを部分的に切り欠いたもの、2)単にサイドシールに切り込みを入れたもの、3)ミシン目を入れたもの、4)複数の突き刺し傷を設けたものなど、適宜選択することができる。
さらに、前記易開封部6から水平方向にカットケーキ包装用袋10を開封するのを確実に行うために、易開封部6の延長上の非シール部に水平方向に沿った開封案内手段6aを設けるのが好ましい(図1参照)。
この開封案内手段6aは、水平方向に1)ミシン目を入れる、2)レーザー加工をする、3)直線カット性のあるテープを貼る、4)傷痕加工を施すことなどで設けることができる。
【0032】
前記易開封部6は、カットケーキ包装用袋10に入れられるカットケーキKの上面位置付近からカットケーキ包装用袋10を開封できるように、カットケーキ包装用袋10の中央部〜下部に形成されることが望まれるものであり、本実施例においては、カットケーキ包装用袋10の底面部1(点F)の上方約35mm〜45mmの位置に形成されている。
なお、この前記易開封部6の形成位置は、上記範囲に限られるものではなく、カットケーキ包装用袋10に入れられるカットケーキKを取り出し易い位置であればよく、カットケーキ包装用袋の底面部(点F)の上方約25mm〜60mm程度の位置から適宜選択して形成可能である。
【0033】
次に、本発明のカットケーキ包装用袋10を製造する方法について図1に基づいて説明する。
本発明のカットケーキ包装用袋10を製造するには、長尺状のフィルムを2つ折りとし、さらにその中央部(図1において右側)を折り曲げることで、折込部2とする。
そして、フィルムの左側の側辺4にヒートシールH(サイドシール)を施すとともに、底端部には山形のヒートシールHを施し、型抜きして個々の包装用袋とする。
【0034】
このようにして製造されたカットケーキ包装用袋10を使用する際には、図1に示すように折り畳まれた状態から、図2〜図4に示すように展開して略二等辺三角柱形状の収納空間3を形成し、カットケーキ包装用袋10の上端部に形成される開口7からカットケーキKを入れる。
【0035】
ここで、カットケーキ包装用袋10の側辺4の上端部には、非シール部4aが設けられているため、図4に示すように非シール部4aの両側のフィルムを開くことで、開口7からカットケーキKを入れ易くなっている。
【0036】
そして、リボン8又はテープなどで開口7周辺を締め付けることで、カットケーキKを入れた状態でカットケーキ包装用袋10を封止することができる。
このカットケーキ包装用袋10からカットケーキKを取り出す際には、図5に示すように易開封部6からカットケーキ包装用袋10を水平方向に切り開くことで、簡単にカットケーキKを取り出すことができる。
【0037】
また、図5に示す状態のまま、(フィルムを皿のようにして)手やテーブルなどを汚すことなくカットケーキKを手で食べることもできる。
なお、リボン8を外し、カットケーキ包装用袋10上部の非シール部4a付近を摘み、ヒートシールHに沿って袋を上から下へ引き裂くようにしてカットケーキ包装用袋10を開き、カットケーキKを取り出すこともできる。
【実施例2】
【0038】
次に、本発明を具体化した図6に示す実施例2のカットケーキ包装用袋20について説明する。なお、この実施例2のカットケーキ包装用袋20において、前記実施例1のカットケーキ包装用袋10と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
この本実施例2のカットケーキ包装用袋20は、易開封部6を省略しているが、非シール部4a近くの袋の上部を摘んで開き、サイドシールに沿って袋を上から下へ引き裂いてカットケーキKを容易に取り出すことができる。
そして、カットケーキ包装用袋20においては、角度αが約15度、角度βが約37度、頂角θが約128度であり、展開したカットケーキ包装用袋20の底部に形成される二等辺三角形の頂角(2α)は、約30度となる。
従って、12等分されて中心角が30度となっているカットケーキKを好適に収納できる。
【実施例3】
【0040】
次に、本発明を具体化した図7に示す実施例3のカットケーキ包装用袋30について説明する。なお、この実施例3のカットケーキ包装用袋30において、前記実施例1のカットケーキ包装用袋10と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
この実施例3のカットケーキ包装用袋30は、折込部32が形成されているカットケーキ包装用袋30の側辺35においてもヒートシール(サイドシール)Hが施されており、当該サイドシールにも開封を容易とする易開封部6が形成されている。
この易開封部6の形成される位置は、図中左側の側辺4(点Fからの距離)と図中右側の側辺35(点Aからの距離)とで同じ高さ位置としてもよいが、図7に示すように異なる高さ位置とし、カットケーキKの高さに応じて開封位置を適宜選択できるようにしてもよい。
この実施例3のカットケーキ包装用袋30は、2枚のフィルムの一側に別体の折込フィルムを折込み、その側辺35をヒートシールすることで形成される。
【実施例4】
【0042】
次に、本発明を具体化した図8に示す実施例4のカットケーキ包装用袋40について説明する。なお、この実施例4のカットケーキ包装用袋40において、前記実施例1のカットケーキ包装用袋10と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
この実施例4のカットケーキ包装用袋40は、前記実施例3のカットケーキ包装用袋30と同様に、カットケーキ包装用袋40の両側辺44,45にヒートシール(サイドシール)Hが施されている。
さらに、折込部42が設けられていない側の側辺44の上部には、ヒートシール幅を他の部分の約半分程度とすることで、手にて引き裂き易くした弱シール部44aが設けられている。
従って、この弱シール部44aのヒートシールを剥がすか、弱シール部44aに沿ったフィルムを引き裂くことで、非シール部4aを設けた場合と同様にこのカットケーキ包装用袋40を使用することができる。
【0044】
即ち、剥がされた(又は引き裂かれた)弱シール部44a近くの袋の上部を摘んで開き、サイドシールに沿って袋を上から下へ引き裂いてカットケーキKを容易に取り出すことができる。
この実施例4のカットケーキ包装用袋40は、ヒートシール(サイドシール)Hに易開封部が設けられていないが、適宜少なくとも1つの側辺44,45に易開封部を形成することも勿論可能である。
【実施例5】
【0045】
次に、本発明を具体化した図9に示す実施例5のカットケーキ包装用袋50について説明する。なお、この実施例5のカットケーキ包装用袋50において、前記実施例1のカットケーキ包装用袋10と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
この実施例5のカットケーキ包装用袋50は、カットケーキ包装用袋50の両側辺54,55の全長にヒートシール(サイドシール)Hが施されており、非シール部が設けられていない。また、このカットケーキ包装用袋50は、図中左側の側辺54のサイドシールには易開封部6が設けられているが、折込部52が設けられている側のサイドシールには易開封部が設けられていない。
【実施例6】
【0047】
次に、本発明を具体化した図10に示す実施例6のカットケーキ包装用袋60について説明する。
なお、この実施例6のカットケーキ包装用袋60は、図10に示す右側に折込部62を備えており、両側辺64,65及び底部に溶断シールYを施すことで製袋している。この溶断シールYによるシール幅は、1mm程度であり、手にて容易に引き裂き可能である。
【0048】
この実施例6のカットケーキ包装用袋60は、カットケーキ包装用袋60の側辺64上部に溶断シールYが施されていない、非シール部64aが設けられている。
この実施例6のカットケーキ包装用袋60は、薄いフィルム(30ミクロン厚のOPP)を用いてカットケーキ包装用袋60を製造することで、非シール部64a付近の袋を手で摘み、溶断シールYに沿って上から下へ切り開いてカットケーキKを容易に取り出すことができる。
また、このカットケーキ包装用袋60には易開封部が設けられていないが、図5に示すように袋を水平方向に手で切り開き、カットケーキKの下に残っている包装用袋を皿のようにして用い、手やテーブルなどを汚すことなくカットケーキを食べることもできる。
【0049】
本発明は上記実施例1〜6に限定されるものではなく、本発明の各部(ヒートシール、溶断シール、易開封部、非シール部又は弱シール部など)の形状(長さ、幅、大きさ、角度(α、β、θ)、位置や数など)を適宜変更して実施してもよい。
例えば、展開した状態の包装用袋の内寸幅を50〜170mm程度の範囲で適宜変更することも可能であり、より好ましくは、包装用袋の内寸幅を60〜150mm程度の範囲又は70mm〜130mm程度の範囲にて選択することもできる。
【0050】
また、請求項4に記載の本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施例1〜6における折り畳まれた状態の包装用袋の内寸幅の50%以上の折込部を備えるようにして実施し、より中心角の大きなカットケーキに対応できるようにしてもよい。
この場合においては、折り畳まれた状態の包装用袋の底端部に形成される山形のヒートシール又は溶断シールの頂角が約120〜約130度の範囲を超えることもあり得る。
【0051】
さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でカットケーキ包装用袋を構成するフィルムの材質、厚さ、形状などを適宜変更して実施してもよい。
カットケーキ包装用袋の材料としては、上記にて説明した材料の他、加工性に優れ、適度な強度を備えた合成樹脂から適宜選択可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、カットケーキを安定的に見栄え良く収納することができ、カットケーキの運搬や出し入れの際の取扱性に優れるばかりか、カットケーキを食べる際の利便性にも優れたカットケーキ包装用袋として用いることができ、ケーキ店にて又は手作りケーキを包装する際に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 底面部
2 折込部
3 収納空間
4 側辺
4a 非シール部
5 側辺
6 易開封部
6a 開封案内手段
7 開口
8 リボン
10 カットケーキ包装用袋(実施例1)
20 カットケーキ包装用袋(実施例2)
30 カットケーキ包装用袋(実施例3)
32 折込部
35 側辺
40 カットケーキ包装用袋(実施例4)
42 折込部
44 側辺
44a 弱シール部
45 側辺
50 カットケーキ包装用袋(実施例5)
52 折込部
54 側辺
55 側辺
60 カットケーキ包装用袋(実施例6)
62 折込部
64a 非シール部
H ヒートシール
K カットケーキ
L 長辺
S 短辺
Y 溶断シール
θ 頂角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの長辺と、1つの短辺とからなる略二等辺三角形状の底面部を備え、略楔形のカットケーキを包装するのに適した形態を有するカットケーキ包装用袋であって、
折り畳まれた状態の包装用袋の内寸幅の20%以上〜50%未満の折込部を前記短辺側にのみ備え、
折り畳まれた状態の包装用袋の底端部に形成される山形のヒートシール又は溶断シールの頂角を約120〜約130度とすることで、
略二等辺三角柱形状の収納空間を展開時に備えることを特徴とするカットケーキ包装用袋。
【請求項2】
包装用袋の少なくとも1つの側辺は、ヒートシール又は溶断シールが施されており、当該ヒートシール又は溶断シールの上部にヒートシール又は溶断シールが形成されていない非シール部、又は、弱くヒートシールが形成された弱シール部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のカットケーキ包装用袋。
【請求項3】
前記包装用袋の少なくとも1つの側辺は、ヒートシールが施されており、当該ヒートシールに開封を容易とする易開封部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカットケーキ包装用袋。
【請求項4】
三角柱形状の収納空間を展開時に備え、カットケーキを包装するのに適した形態を有するカットケーキ包装用袋であって、
折り畳まれた状態の包装用袋の1つの側辺に折込部を備え、
当該折込部が形成されていない他の側辺にヒートシール又は溶断シールを備え、
折り畳まれた状態の包装用袋の底端部に、山形のヒートシール又は溶断シールを備え、かつ、前記折込部が形成されていない他の側辺の上部には、ヒートシール又は溶断シールが形成されていない非シール部、又は、弱くヒートシールが形成された弱シール部を備えていることを特徴とするカットケーキ包装用袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−14340(P2013−14340A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146588(P2011−146588)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(393015184)カウパック株式会社 (9)
【Fターム(参考)】