カットコーム
【課題】 形状の異なる数種の櫛歯を組み合わせ客が希望するヘアスタイルに応じられるようにし、理容師や美容師が効率よくカット作業を行うことができるようにしたものである。
【解決手段】 細目の櫛歯と粗目の櫛歯を設けた第1コームと、細目の櫛歯を設けた第2コームと、粗目の櫛歯を設けた第3コームと、挿入口を有した取っ手と、着脱手段を備え、選択により前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの挿入部を単独或いは第2コームと第3コームの軸を重合しその挿入部を前記挿入口に着脱自在にして取り付け、アスタイル、作業状況、カット部分に応じて第1コームと第2コームと第3コームを選択しその軸の挿入部を重合して取っ手に取り付けることができる。
【解決手段】 細目の櫛歯と粗目の櫛歯を設けた第1コームと、細目の櫛歯を設けた第2コームと、粗目の櫛歯を設けた第3コームと、挿入口を有した取っ手と、着脱手段を備え、選択により前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの挿入部を単独或いは第2コームと第3コームの軸を重合しその挿入部を前記挿入口に着脱自在にして取り付け、アスタイル、作業状況、カット部分に応じて第1コームと第2コームと第3コームを選択しその軸の挿入部を重合して取っ手に取り付けることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好みのヘアスタイルに応じて形状の異なる数種の櫛歯、レザーを組み合わせて装着するようにしたカットコームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なカットコームは取っ手を有しておらず、その厚さは比較的薄い形状となっている。理容師や美容師は、一方の手にカットコームを持ち、他方の手にハサミを持ち、カットコームにハサミを沿わせて作業する方法で髪の毛をカットする。このようなカットコームとしては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3124335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、毛髪は、その太さや硬さ、ダメージなど毛質による個人差が大きく異なる。そのために、理容師や美容師は、客から好みのヘアスタイルを聞いた後に希望するヘアスタイルのカットや個人差が異なる毛髪をみながら梳くことができるように、櫛目に通す毛髪の量や長さを変えてカットを行う。それには形状(櫛の長さ等)の異なる櫛目を有した櫛歯をあらかじめ準備しておきカットする場所、カットの長さ、毛質によって使い分けを行っている。その具体的なカットコームとしては、例えば、プラスチックにより成形した薄い基台の上下部に櫛目の異なる(長さなど)櫛目形状の櫛歯を一体形成し、目的に応じて上下部の櫛歯を使い分けている。
【0005】
しかしながら、前述の櫛歯は全体形状が薄いために持ちにくくなり、使い勝手が悪く、カット中に落としてしまうことがあるという問題点があった。また、客の好みのヘアスタイルはかなり多くのスタイルがあり、且つ毛質の個人差が大きいことから多種多様の櫛目形状を有した櫛歯を準備し、理容師や美容師はあらかじめその中で最も使用頻度の高い複数種の櫛歯を準備する必要がある。これらの櫛歯は理容師や美容師の作業服のポケットに入れたり、鏡台の前の棚等におき必要な時に取り出してカットや梳く作業を行うわけであるが、目的に応じて多くの櫛歯を持ち替えることが多くなり間違って必要のない櫛歯を取り出したり簡単に必要とする櫛歯を取り出すことができない欠点があった。そこで、本発明はかかる問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、挿入部を延設した一つの軸の上部に細目の櫛歯を設け下部に粗目の櫛歯を設けた第1コームと、挿入部を延設した軸に細目の櫛歯を設けた第2コームと、挿入部を延設した軸に粗目の櫛歯を設けた第3コームと、前記挿入部を挿入する挿入口を有した取っ手と、
前記挿入部と取っ手の着脱手段を備え、選択により前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの挿入部を単独或いは第2コームと第3コームの軸を重合しその挿入部を前記挿入口に着脱自在にして取り付けたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明は、前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの軸にレザー刃を取り付けたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明は、前記レザー刃は調整子により取り付け、該調整子の操作により前記レザー刃の出代を調節することを特徴とするものである。
【0009】
本発明は、前記レザー刃は反転手段を介して第1コームの軸に取り付け、前記レザー刃を細目の櫛歯側或いは粗目の櫛歯側に臨ませたことを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記第1コームと第2コームと第3コームとは別個であって挿入部を延設した軸にレザー刃を設けたレザーコームを備え、前記第2コーム或いは第3コームの挿入部と前記レザーコームの挿入部を重合し着脱手段により前記挿入口に着脱自在にして取り付けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上部に細目の櫛歯と下部に粗目の櫛歯を設けた第1コームと、細目の櫛歯を設けた第2コームと、粗目の櫛歯を設けた第3コームと、挿入口を有した取っ手と、着脱手段を備え、選択により前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかを単独或いは第2コームと第3コームの軸を重合しその挿入部を前記挿入口に着脱自在にして取り付ける構成のため、客の好みのヘアスタイルや個人差が異なる毛髪に応じ、また作業の状況やカット部分に応じて第1コームと第2コームと第3コームを選択しその軸の挿入部を重合して取っ手に取り付けることができる。この結果、それぞれの第1、第2、第3コームを単体で使用する時、第2コームと第3コームを重合して使用する時のいずれの使用状態であってもそれぞれのコームは持ちなれた一つの取っ手により支持され安定した状態でカット作業を行うことができる。
【0012】
即ち、理容師や美容師によるカットでは比較的に使用頻度の高い細目の櫛歯と粗目の櫛歯は一つのコーム(第1コーム)として一体化して取っ手に取り付け、客の好みのヘアスタイルに応じ、例えば毛髪が短いような場合には細目の櫛歯の第2コームを専用のコームとして使用し、毛髪が長いような場合には粗目の櫛歯の第3コームを専用のコームとして使用でき不要なコームを重合しないことから軽量の状態でカット作業を行うことができる。なお、第2コームと第3コームのそれぞれの櫛目は前記第1コームの細目の櫛歯と粗目の櫛歯とは異なる細目と粗目の櫛目に形成することによりあらゆる状態でも使い分けができる。
【0013】
本発明は、前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの軸にレザー刃を取り付けた構成のため、前述のように客の好みのヘアスタイルにカットするに最適なレザー刃と第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの組み合わせを選択することができる。
【0014】
本発明は、前記レザー刃を調整子により取り付け、該調整子の操作により前記レザー刃の出代を調節する構成のため、客のあらゆる好みにも対応できるようにレザー刃の出代を変え大きくカットする場合や小さくカットする場合などに適用できる。
【0015】
本発明は、前記レザー刃は調整子による反転手段を介して第1コームの軸に取り付け、前記レザー刃を細目の櫛歯側或いは粗目の櫛歯側に臨ませる構成のため、客のあらゆる好みにも対応できるように調整子を緩めてレザー刃を反転させ、目的に応じて該レザー刃を細目の櫛歯側或いは粗目の櫛歯側にあてがうことができる。
【0016】
本発明は、前記第1コームと第2コームと第3コームとは別個であって挿入部を延設した軸にレザー刃を設けたレザーコームを備え、前記第2コーム或いは第3コームの挿入部と前記レザーコームの挿入部を重合し着脱手段により前記挿入口に着脱自在にして取り付ける構成のため、取っ手に取り付けた軸の一側には櫛歯、他側にはレザー刃があり、レザー刃でカットや顔剃りの作業を行いつつカット残りの部分があった場合には取っ手を持って反転し一側の櫛歯を毛髪にあてがってカットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカットコームを示す平面図である。
【図2】同じく図1に示した側面図である。
【図3】同じく図1に示した変形例を示す平面図である。
【図4】同じく図1のカットコーム100の形状を基本にして構成したカットコーム(以下第1コームとする)の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる第1コームにレザー刃を設けたレザーコームを取り付けた平面図である。
【図6】同じく図5に示した第1コームの側面図である。
【図7】同じく図5に示した平面図である。
【図8】同じく第2コームと第3コームのそれぞれの軸を重合して取っ手に取り付けた平面図である。
【図9】同じく図8に示したカットコームの櫛歯を示す説明図である。
【図10】同じくプラスチック製の軸にレザー刃を固定したレザーコームを示す平面図である。
【図11】同じく図8に示した第2コームと第3コームの取り付け状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の実施の形態にかかるカットコームを示す平面図である。図2は、図1に示したカットコームの側面図である。このカットコーム100は、全体をプラスチック製材料で形成し、櫛歯1,2がその両側に設けられており且つ一側の櫛歯1が粗目で他側の櫛歯2が細目であって、それぞれの櫛歯は一定の長さで規則性をもって連設している。また、櫛歯1,2を支持する短冊形状の軸3には取っ手4が一体に設けられている。前記取っ手4は、櫛歯1,2の部分と略同じ厚さのナイフ形状を呈している。また、当該取っ手は、持ちやすさを考慮し図2に示すように、軸3の幅よりも広い幅とすることが好ましい。なお、このカットコーム100の上下の櫛歯は、その櫛目を粗目、細目、中目等の様々な組合せにすることが可能である。
【0019】
このカットコーム100によれば、取っ手4を持って使用するので毛髪を梳かす際やカットする際に手から落とし難い。また、裏返すことによって粗目のコームと細目のコームとを使い分けることができる。更に、取っ手4の幅を大きくした場合、更に持ちやすさが増すので、より落とし難くなる。
【0020】
また、図3に示すように、取っ手4の幅を櫛歯1,2の櫛歯の先端間の幅よりも広くしても良い。このように取っ手4の幅を広くすることにより取っ手を持ちやすくできることは勿論のこと、取っ手を持った手が頭部に触れやすくなる。このことは毛髪を梳かす際やカットする際に櫛歯の先端が強く頭皮に触れることを未然に防止できる。
【0021】
そして、取っ手4には指を差し込む孔5を設けても良い。この孔5を設けた場合は、該孔に指を入れて用いることもできるので、様々な持ち方が可能となり、より手から落とし難くなる。
【0022】
また、取っ手4と櫛歯1,2とを別体として櫛歯1,2を交換できるようにしても良い。図4は、図1のカットコーム100の形状を基本にして構成したカットコーム(以下第1コームとする)の平面図である。この第1コーム150は、櫛歯1,2の短冊形状の軸3を直線状に延設し扁平な挿入部6を一体形成している。前記取っ手4には、前記挿入部6を挿入するための平面形状で奥行きのある挿入口7が設けられる。該挿入口に差し込んだ挿入部6は、図示しないネジやフック等の仮固定手段により固定される。この挿入部6と挿入口7とにより着脱手段を構成する。このようにすれば、他の異なる櫛目を有する櫛歯に交換したり、櫛歯1,2が折れた場合等でも予備の櫛歯に交換して用いることができる。また、前述のように挿入部6を挿入口7に差し込んだ状態では第1コームの挿入部6が扁平でありそれを受ける挿入口7が平面形状であることから取っ手4と第1コームとが回転することがない。
【0023】
図5は、本発明の実施の形態にかかる第1コームにレザー刃を設けたレザーコームを取り付けた平面図である。図6は、図5に示した第1コームの側面図である。この第1コーム150は、上記実施の形態の第1コーム100の基本構成をもとに、櫛歯1,2の軸3にレザー刃を設けたレザーコーム8を取り付けた点が異なる。その他の構造及びその作用・効果は、前述の実施の形態の第1コーム100と同様であるからその説明を省略する。
【0024】
前記レザーコーム8には、前記取っ手4の長手方向と直行する方向にそれぞれが並行する複数の長穴9、9(実施例では2個)が設けられ、この長穴9、9にネジ10、10よりなる調節子(以下ネジという)が通されて軸3に固定される。このネジ10,10と長穴は反転手段を構成している。
【0025】
図5及び図6においては、レザー刃11は粗目の櫛歯1側に臨んでいる。一方、細目の櫛歯2側でレザー刃11を用いる場合、図7に示すように、ネジ10、10を外してレザーコーム8を軸3から取り外し、レザー刃11を反対側に向けて再びネジ10、10を軸3に固定する。前記レザーコーム8を取り付けた第1コーム150によれば、一方の櫛歯で毛髪を梳き、もう一方の櫛歯で毛髪を梳くことができる。また、取っ手4を有するので、毛髪を梳く時に第1コーム150を落とすことがない。
【0026】
なお、図示しないが、レザーコーム8の中央に一つの回転軸を設け当該回転軸を軸3に固定することでレザーコーム8が軸3上を回転し得るようにし、レザーコーム8の一部に設けた穴(回転軸を中心として同じ長さの位置に2つ設ける)に係止する突起を軸に設け、この突起によりレザーコーム8を固定するようにしても良い。このようにすれば、レザーコーム8を回転軸を中心にして反転させ、突起及び穴により所定の櫛歯1,2の根元にレザーコーム8を固定できる。
【0027】
図8は、本発明の実施の形態に係る第2コームと第3コームのそれぞれの軸を重合して取っ手に取り付けた平面図である。即ち、第2コームと第3コームはともにそれぞれの軸に櫛歯を一体成形したものであって、第2コームの櫛歯の櫛目が細目であれば第3コームの櫛歯の櫛目は粗目とする。このような構成から図9の(イ)、(ロ)、(ハ)に示すコームは第2コーム200でもあり第3コーム300でもある。 即ち、細目のコーム(イ)と該コーム(イ)よりも粗目のコーム(ロ)のそれぞれの軸201、301を重合し、それぞれの挿入部202、302を挿入口に差し込んで使用する場合には、コーム(イ)が第1コーム200となり、コーム(ロ)が第2コーム300となる。また、コーム(ロ)と該コーム(ロ)よりも粗目のコーム(ハ)のそれぞれの軸301、401を重合し、それぞれの挿入部302、402、7を挿入口に差し込んで使用する場合には、コーム(ロ)が第2コーム200となり、コーム(ハ)が第3コーム300となる。
【0028】
また、前述では第2コームと第3コームを重合して使用するように説明したが、カット部分やカット作業の手順等で応じて第2コーム或いは第3コームの一方のみを使用することができる。その際は、選択した一つのコームの軸の挿入部を取っ手の挿入口に差し込むことにより取り付ける。
【0029】
前記第2コーム、第3コームとなりうるコーム(イ)、(ロ)、(ハ)のうちの一つ、或いはそのうちの2つのコームを選択し軸を重合して組み合わせて使用する場合は、それぞれのコームの軸から延設した挿入部に設けた切り欠き203、303、403と取っ手の挿入口に設けたピンとの係止よりなる着脱手段により着脱自在に取り付ける。
【0030】
図10は、プラスチック製の軸501にレザー刃504を固定したレザーコーム500の単体を示すものである。このレザーコームは、前記第2、第3コームのそれぞれの軸の挿入部に設けた切り欠きと同様に軸には切り欠き503を設けており、挿入部502を挿入口に着脱自在にして取り付ける。
【0031】
図11は、図8に示した第2コームと第3コームの取り付け状態を示す側面図である。これらのコームは、前述のように櫛目の異なる数種の櫛歯の組合せを自由にできる構造とした点に特徴がある。櫛歯1、2及びレザーコーム500の軸は、図11の点線の円内に示すように、上下で噛み合うような形状(例えば同図に示すような断面Z形状)となっている。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、形状の異なる数種の櫛歯を組み合わせ客が希望するヘアスタイルに応じられるようにし、理容師や美容師が効率よくカット作業を行うことができるようにしたものである。
【符号の説明】
【0033】
100、150 第1コーム
200、300 第2コーム、第3コーム
1、2 櫛歯
40 ピン(着脱手段)
203、303、403、503、 切り欠き(着脱手段)
3、201、301、401、501 軸
4 取っ手
203、303、403、503 切り欠き
10 ネジ(調整子)
【技術分野】
【0001】
本発明は、好みのヘアスタイルに応じて形状の異なる数種の櫛歯、レザーを組み合わせて装着するようにしたカットコームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なカットコームは取っ手を有しておらず、その厚さは比較的薄い形状となっている。理容師や美容師は、一方の手にカットコームを持ち、他方の手にハサミを持ち、カットコームにハサミを沿わせて作業する方法で髪の毛をカットする。このようなカットコームとしては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3124335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、毛髪は、その太さや硬さ、ダメージなど毛質による個人差が大きく異なる。そのために、理容師や美容師は、客から好みのヘアスタイルを聞いた後に希望するヘアスタイルのカットや個人差が異なる毛髪をみながら梳くことができるように、櫛目に通す毛髪の量や長さを変えてカットを行う。それには形状(櫛の長さ等)の異なる櫛目を有した櫛歯をあらかじめ準備しておきカットする場所、カットの長さ、毛質によって使い分けを行っている。その具体的なカットコームとしては、例えば、プラスチックにより成形した薄い基台の上下部に櫛目の異なる(長さなど)櫛目形状の櫛歯を一体形成し、目的に応じて上下部の櫛歯を使い分けている。
【0005】
しかしながら、前述の櫛歯は全体形状が薄いために持ちにくくなり、使い勝手が悪く、カット中に落としてしまうことがあるという問題点があった。また、客の好みのヘアスタイルはかなり多くのスタイルがあり、且つ毛質の個人差が大きいことから多種多様の櫛目形状を有した櫛歯を準備し、理容師や美容師はあらかじめその中で最も使用頻度の高い複数種の櫛歯を準備する必要がある。これらの櫛歯は理容師や美容師の作業服のポケットに入れたり、鏡台の前の棚等におき必要な時に取り出してカットや梳く作業を行うわけであるが、目的に応じて多くの櫛歯を持ち替えることが多くなり間違って必要のない櫛歯を取り出したり簡単に必要とする櫛歯を取り出すことができない欠点があった。そこで、本発明はかかる問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、挿入部を延設した一つの軸の上部に細目の櫛歯を設け下部に粗目の櫛歯を設けた第1コームと、挿入部を延設した軸に細目の櫛歯を設けた第2コームと、挿入部を延設した軸に粗目の櫛歯を設けた第3コームと、前記挿入部を挿入する挿入口を有した取っ手と、
前記挿入部と取っ手の着脱手段を備え、選択により前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの挿入部を単独或いは第2コームと第3コームの軸を重合しその挿入部を前記挿入口に着脱自在にして取り付けたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明は、前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの軸にレザー刃を取り付けたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明は、前記レザー刃は調整子により取り付け、該調整子の操作により前記レザー刃の出代を調節することを特徴とするものである。
【0009】
本発明は、前記レザー刃は反転手段を介して第1コームの軸に取り付け、前記レザー刃を細目の櫛歯側或いは粗目の櫛歯側に臨ませたことを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記第1コームと第2コームと第3コームとは別個であって挿入部を延設した軸にレザー刃を設けたレザーコームを備え、前記第2コーム或いは第3コームの挿入部と前記レザーコームの挿入部を重合し着脱手段により前記挿入口に着脱自在にして取り付けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上部に細目の櫛歯と下部に粗目の櫛歯を設けた第1コームと、細目の櫛歯を設けた第2コームと、粗目の櫛歯を設けた第3コームと、挿入口を有した取っ手と、着脱手段を備え、選択により前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかを単独或いは第2コームと第3コームの軸を重合しその挿入部を前記挿入口に着脱自在にして取り付ける構成のため、客の好みのヘアスタイルや個人差が異なる毛髪に応じ、また作業の状況やカット部分に応じて第1コームと第2コームと第3コームを選択しその軸の挿入部を重合して取っ手に取り付けることができる。この結果、それぞれの第1、第2、第3コームを単体で使用する時、第2コームと第3コームを重合して使用する時のいずれの使用状態であってもそれぞれのコームは持ちなれた一つの取っ手により支持され安定した状態でカット作業を行うことができる。
【0012】
即ち、理容師や美容師によるカットでは比較的に使用頻度の高い細目の櫛歯と粗目の櫛歯は一つのコーム(第1コーム)として一体化して取っ手に取り付け、客の好みのヘアスタイルに応じ、例えば毛髪が短いような場合には細目の櫛歯の第2コームを専用のコームとして使用し、毛髪が長いような場合には粗目の櫛歯の第3コームを専用のコームとして使用でき不要なコームを重合しないことから軽量の状態でカット作業を行うことができる。なお、第2コームと第3コームのそれぞれの櫛目は前記第1コームの細目の櫛歯と粗目の櫛歯とは異なる細目と粗目の櫛目に形成することによりあらゆる状態でも使い分けができる。
【0013】
本発明は、前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの軸にレザー刃を取り付けた構成のため、前述のように客の好みのヘアスタイルにカットするに最適なレザー刃と第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの組み合わせを選択することができる。
【0014】
本発明は、前記レザー刃を調整子により取り付け、該調整子の操作により前記レザー刃の出代を調節する構成のため、客のあらゆる好みにも対応できるようにレザー刃の出代を変え大きくカットする場合や小さくカットする場合などに適用できる。
【0015】
本発明は、前記レザー刃は調整子による反転手段を介して第1コームの軸に取り付け、前記レザー刃を細目の櫛歯側或いは粗目の櫛歯側に臨ませる構成のため、客のあらゆる好みにも対応できるように調整子を緩めてレザー刃を反転させ、目的に応じて該レザー刃を細目の櫛歯側或いは粗目の櫛歯側にあてがうことができる。
【0016】
本発明は、前記第1コームと第2コームと第3コームとは別個であって挿入部を延設した軸にレザー刃を設けたレザーコームを備え、前記第2コーム或いは第3コームの挿入部と前記レザーコームの挿入部を重合し着脱手段により前記挿入口に着脱自在にして取り付ける構成のため、取っ手に取り付けた軸の一側には櫛歯、他側にはレザー刃があり、レザー刃でカットや顔剃りの作業を行いつつカット残りの部分があった場合には取っ手を持って反転し一側の櫛歯を毛髪にあてがってカットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカットコームを示す平面図である。
【図2】同じく図1に示した側面図である。
【図3】同じく図1に示した変形例を示す平面図である。
【図4】同じく図1のカットコーム100の形状を基本にして構成したカットコーム(以下第1コームとする)の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる第1コームにレザー刃を設けたレザーコームを取り付けた平面図である。
【図6】同じく図5に示した第1コームの側面図である。
【図7】同じく図5に示した平面図である。
【図8】同じく第2コームと第3コームのそれぞれの軸を重合して取っ手に取り付けた平面図である。
【図9】同じく図8に示したカットコームの櫛歯を示す説明図である。
【図10】同じくプラスチック製の軸にレザー刃を固定したレザーコームを示す平面図である。
【図11】同じく図8に示した第2コームと第3コームの取り付け状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の実施の形態にかかるカットコームを示す平面図である。図2は、図1に示したカットコームの側面図である。このカットコーム100は、全体をプラスチック製材料で形成し、櫛歯1,2がその両側に設けられており且つ一側の櫛歯1が粗目で他側の櫛歯2が細目であって、それぞれの櫛歯は一定の長さで規則性をもって連設している。また、櫛歯1,2を支持する短冊形状の軸3には取っ手4が一体に設けられている。前記取っ手4は、櫛歯1,2の部分と略同じ厚さのナイフ形状を呈している。また、当該取っ手は、持ちやすさを考慮し図2に示すように、軸3の幅よりも広い幅とすることが好ましい。なお、このカットコーム100の上下の櫛歯は、その櫛目を粗目、細目、中目等の様々な組合せにすることが可能である。
【0019】
このカットコーム100によれば、取っ手4を持って使用するので毛髪を梳かす際やカットする際に手から落とし難い。また、裏返すことによって粗目のコームと細目のコームとを使い分けることができる。更に、取っ手4の幅を大きくした場合、更に持ちやすさが増すので、より落とし難くなる。
【0020】
また、図3に示すように、取っ手4の幅を櫛歯1,2の櫛歯の先端間の幅よりも広くしても良い。このように取っ手4の幅を広くすることにより取っ手を持ちやすくできることは勿論のこと、取っ手を持った手が頭部に触れやすくなる。このことは毛髪を梳かす際やカットする際に櫛歯の先端が強く頭皮に触れることを未然に防止できる。
【0021】
そして、取っ手4には指を差し込む孔5を設けても良い。この孔5を設けた場合は、該孔に指を入れて用いることもできるので、様々な持ち方が可能となり、より手から落とし難くなる。
【0022】
また、取っ手4と櫛歯1,2とを別体として櫛歯1,2を交換できるようにしても良い。図4は、図1のカットコーム100の形状を基本にして構成したカットコーム(以下第1コームとする)の平面図である。この第1コーム150は、櫛歯1,2の短冊形状の軸3を直線状に延設し扁平な挿入部6を一体形成している。前記取っ手4には、前記挿入部6を挿入するための平面形状で奥行きのある挿入口7が設けられる。該挿入口に差し込んだ挿入部6は、図示しないネジやフック等の仮固定手段により固定される。この挿入部6と挿入口7とにより着脱手段を構成する。このようにすれば、他の異なる櫛目を有する櫛歯に交換したり、櫛歯1,2が折れた場合等でも予備の櫛歯に交換して用いることができる。また、前述のように挿入部6を挿入口7に差し込んだ状態では第1コームの挿入部6が扁平でありそれを受ける挿入口7が平面形状であることから取っ手4と第1コームとが回転することがない。
【0023】
図5は、本発明の実施の形態にかかる第1コームにレザー刃を設けたレザーコームを取り付けた平面図である。図6は、図5に示した第1コームの側面図である。この第1コーム150は、上記実施の形態の第1コーム100の基本構成をもとに、櫛歯1,2の軸3にレザー刃を設けたレザーコーム8を取り付けた点が異なる。その他の構造及びその作用・効果は、前述の実施の形態の第1コーム100と同様であるからその説明を省略する。
【0024】
前記レザーコーム8には、前記取っ手4の長手方向と直行する方向にそれぞれが並行する複数の長穴9、9(実施例では2個)が設けられ、この長穴9、9にネジ10、10よりなる調節子(以下ネジという)が通されて軸3に固定される。このネジ10,10と長穴は反転手段を構成している。
【0025】
図5及び図6においては、レザー刃11は粗目の櫛歯1側に臨んでいる。一方、細目の櫛歯2側でレザー刃11を用いる場合、図7に示すように、ネジ10、10を外してレザーコーム8を軸3から取り外し、レザー刃11を反対側に向けて再びネジ10、10を軸3に固定する。前記レザーコーム8を取り付けた第1コーム150によれば、一方の櫛歯で毛髪を梳き、もう一方の櫛歯で毛髪を梳くことができる。また、取っ手4を有するので、毛髪を梳く時に第1コーム150を落とすことがない。
【0026】
なお、図示しないが、レザーコーム8の中央に一つの回転軸を設け当該回転軸を軸3に固定することでレザーコーム8が軸3上を回転し得るようにし、レザーコーム8の一部に設けた穴(回転軸を中心として同じ長さの位置に2つ設ける)に係止する突起を軸に設け、この突起によりレザーコーム8を固定するようにしても良い。このようにすれば、レザーコーム8を回転軸を中心にして反転させ、突起及び穴により所定の櫛歯1,2の根元にレザーコーム8を固定できる。
【0027】
図8は、本発明の実施の形態に係る第2コームと第3コームのそれぞれの軸を重合して取っ手に取り付けた平面図である。即ち、第2コームと第3コームはともにそれぞれの軸に櫛歯を一体成形したものであって、第2コームの櫛歯の櫛目が細目であれば第3コームの櫛歯の櫛目は粗目とする。このような構成から図9の(イ)、(ロ)、(ハ)に示すコームは第2コーム200でもあり第3コーム300でもある。 即ち、細目のコーム(イ)と該コーム(イ)よりも粗目のコーム(ロ)のそれぞれの軸201、301を重合し、それぞれの挿入部202、302を挿入口に差し込んで使用する場合には、コーム(イ)が第1コーム200となり、コーム(ロ)が第2コーム300となる。また、コーム(ロ)と該コーム(ロ)よりも粗目のコーム(ハ)のそれぞれの軸301、401を重合し、それぞれの挿入部302、402、7を挿入口に差し込んで使用する場合には、コーム(ロ)が第2コーム200となり、コーム(ハ)が第3コーム300となる。
【0028】
また、前述では第2コームと第3コームを重合して使用するように説明したが、カット部分やカット作業の手順等で応じて第2コーム或いは第3コームの一方のみを使用することができる。その際は、選択した一つのコームの軸の挿入部を取っ手の挿入口に差し込むことにより取り付ける。
【0029】
前記第2コーム、第3コームとなりうるコーム(イ)、(ロ)、(ハ)のうちの一つ、或いはそのうちの2つのコームを選択し軸を重合して組み合わせて使用する場合は、それぞれのコームの軸から延設した挿入部に設けた切り欠き203、303、403と取っ手の挿入口に設けたピンとの係止よりなる着脱手段により着脱自在に取り付ける。
【0030】
図10は、プラスチック製の軸501にレザー刃504を固定したレザーコーム500の単体を示すものである。このレザーコームは、前記第2、第3コームのそれぞれの軸の挿入部に設けた切り欠きと同様に軸には切り欠き503を設けており、挿入部502を挿入口に着脱自在にして取り付ける。
【0031】
図11は、図8に示した第2コームと第3コームの取り付け状態を示す側面図である。これらのコームは、前述のように櫛目の異なる数種の櫛歯の組合せを自由にできる構造とした点に特徴がある。櫛歯1、2及びレザーコーム500の軸は、図11の点線の円内に示すように、上下で噛み合うような形状(例えば同図に示すような断面Z形状)となっている。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、形状の異なる数種の櫛歯を組み合わせ客が希望するヘアスタイルに応じられるようにし、理容師や美容師が効率よくカット作業を行うことができるようにしたものである。
【符号の説明】
【0033】
100、150 第1コーム
200、300 第2コーム、第3コーム
1、2 櫛歯
40 ピン(着脱手段)
203、303、403、503、 切り欠き(着脱手段)
3、201、301、401、501 軸
4 取っ手
203、303、403、503 切り欠き
10 ネジ(調整子)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部を延設した一つの軸の上部に細目の櫛歯を設け下部に粗目の櫛歯を設けた第1コームと、挿入部を延設した軸に細目の櫛歯を設けた第2コームと、挿入部を延設した軸に粗目の櫛歯を設けた第3コームと、前記挿入部を挿入する挿入口を有した取っ手と、前記軸と取っ手の着脱手段を備え、選択により前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかを単独或いは第2コームと第3コームの軸を重合しその挿入部を前記挿入口に着脱自在にして取り付けたことを特徴とするカットコーム。
【請求項2】
前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの軸にレザー刃を取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のカットコーム。
【請求項3】
前記レザー刃は調整子により取り付け、該調整子の操作により前記レザー刃の出代を調節することを特徴とする請求項2に記載のカットコーム。
【請求項4】
前記レザー刃は反転手段を介して第1コームの軸に取り付け、前記レザー刃を細目の櫛歯側或いは粗目の櫛歯側に臨ませたことを特徴とする請求項1、2に記載のカットコーム。
【請求項5】
前記第1コームと第2コームと第3コームとは別個であって挿入部を延設した軸にレザー刃を設けたレザーコームを備え、前記第2コーム或いは第3コームの挿入部と前記レザーコームの挿入部を重合し着脱手段により前記挿入口に着脱自在にして取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のカットコーム。
【請求項1】
挿入部を延設した一つの軸の上部に細目の櫛歯を設け下部に粗目の櫛歯を設けた第1コームと、挿入部を延設した軸に細目の櫛歯を設けた第2コームと、挿入部を延設した軸に粗目の櫛歯を設けた第3コームと、前記挿入部を挿入する挿入口を有した取っ手と、前記軸と取っ手の着脱手段を備え、選択により前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかを単独或いは第2コームと第3コームの軸を重合しその挿入部を前記挿入口に着脱自在にして取り付けたことを特徴とするカットコーム。
【請求項2】
前記第1コームと第2コームと第3コームのいずれかの軸にレザー刃を取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のカットコーム。
【請求項3】
前記レザー刃は調整子により取り付け、該調整子の操作により前記レザー刃の出代を調節することを特徴とする請求項2に記載のカットコーム。
【請求項4】
前記レザー刃は反転手段を介して第1コームの軸に取り付け、前記レザー刃を細目の櫛歯側或いは粗目の櫛歯側に臨ませたことを特徴とする請求項1、2に記載のカットコーム。
【請求項5】
前記第1コームと第2コームと第3コームとは別個であって挿入部を延設した軸にレザー刃を設けたレザーコームを備え、前記第2コーム或いは第3コームの挿入部と前記レザーコームの挿入部を重合し着脱手段により前記挿入口に着脱自在にして取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のカットコーム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−187338(P2012−187338A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55057(P2011−55057)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(309033426)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(309033426)
【Fターム(参考)】
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