説明

カップリング共重合体及びその製造方法

【課題】カップリング共重合体とその製造方法に関し、良好なゴム機械物性を有するカップリング共重合体を提供する。
【解決手段】該カップリング共重合体は共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体を一含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤と反応して得られ、情況に応じて水素化反応を経由して水素化カップリング共重合体を得ることができる。このカップリング剤は式(1)に示された化学式を有する。


その中R及びRは同一又は不同一のアルキル、Rは含アルケニル官能基、Rはアルキル又はアルケニル、qは1又は0であり;q=0の時、k=j=0、Rはアルコキシ、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3であり;q=1の時、k+j=3、Rは−(CH)r、r=1〜6、m+n=3であり;このカップリング剤は高効率のカップリング効率が有り、カップリング共重合体は高含量の4アーム重合体を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合されたカップリング共重合体及びその製造方法に関し、該共重合体は新規なカップリング剤でカップリングされる。更に特定的に言えば、本発明はカップリング共重合体のカップリング及びこのカップリング重合体の水素化に関し、これにより、高度なカップリング効率及び高含量4アーム比例(high content of four-arm coupling)を含むカップリング共重合体を製造する。
【背景技術】
【0002】
工業上では常に有機アルカリ金属化合物を初期剤と使用してアロマチックビニル及び共役ジエンにより組成された共重合体を重合し、しかる後、更にカップリング剤を使用してこのタイプの重合体をカップリングして線性又は星型構造の共重合体を形成し、この種類のカップリング重合法で熱可塑性弾性体、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、及び水素化反応後得られたスチレン−エチレン/ブテン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/プロプレン−スチレン共重合体を製造することができる。このカップリング重合法には多くの長所があり、例えば、重合時に比較的によくスチレンブロックの大きさ及び比較的低い粘度を制御でき、シーケンシャルプロセスに比べてカップリング重合法は操作時により良好な安定性及び比較的高い効率を有する。
【0003】
しかしながら、従来使用して来たカップリング剤は多くの問題があり、例えばイギリス特許1014999に開示されたカップリング剤にはハロゲン成分を含有しているために抗酸化剤の効能降下を来し、当該カップリング剤を使用して合成された重合物膠粒の透明性はよくなく、カップリング進行時に発生したアルカリ金属ハロゲン化物副産物が管線腐蝕の来源となり、廃水処理中生化細菌の生長を毒化することがある。又、この種類のハロゲンカップリング剤は既に多国で毒性化合物質と列記され、使用を禁止している。したがって、代替性の無アルカリ成分のカップリング剤例えばアメリカ特許7220798に開示されたRx−Si−(OR)、カップリング剤及び台湾特許200307698に開示されたSi(OR)アルコキシシランカップリング剤が陸続開発された。しかしながらこのカップリング剤を使用して製造された共重合体において得られた4アーム重合体の含量は0重量%〜5重量%しかなく、酸化後の重合体における4アーム共重合物含量が比較的低いために加工後製品機械性能モジュールが比較的小さく、接受可能な応力も比較的低くなり、工業上の応用がこれ故に局限されていた。
【0004】
上記に示したように既に多くの既知カップリング剤がアロマチックビニル及び共役ジエンモノマーにより組成された共重合体の重合に応用されているが、本発明により研究発明された含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤は上記カップリング剤の問題を解決でき、本発明で開示された含アルケニル官能基アルコキシシランカップリング剤を使用して重合されたカップリング共重合体はハロゲン化合物の副産物の発生がないばかりでなく、そのカップリング効率は60重量%〜95重量%に達し、その4アーム重合体は10重量%〜30重量%に達する。そして水素化反応後発生した水素化カップリング重合体は、その水素化後/水素前のカップリング効率及び4アーム産物含量比較はいずれも0.7より高い。これから知るように、本発明に開示された含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を使用して重合されたカップリング共重合体は、水素反応を経由したか否かを問わず、その4アーム重合体含量はいずれも明らかに上記従来のアルコシシランカップリング剤よりも高く、その加工後製品機械性能モジュールは比較的大きく、そして剛性が高く、接受応力も比較的高いので、工業上における応用を大幅に提昇することができる。本発明に開示された含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤は高効率のカップリング効率を有しているばかりでなく、製造されたカップリング共重合体の安定性もよく酸化後なお一定のカップリング率及び4アーム共重合体比例を維持しているので良好なゴム機械物性を提供することができる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は含アルケニル基官能基のアルコキシシランカップリング剤を使用してカップリング共重合体を製造することにある。
【0006】
本発明は共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体と含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤との反応により得られたカップリング共重合体を提供する。該含アルケニル基官能基のアルコキシシランカップリング剤は式(1)に示された化学式を有する。
【化1】

【0007】
その中R及びRは同一又は不同一のアルキル、Rは含アルケニル官能基、Rはアルコキシ基、アルキル基およびアルケニル基からなる群から選ばれたものであり、qは1又は0;q=0の時、k=j=0、Rはアルコキシ、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3;q=1の時k+j=3、且つRは−(CH)r、r=1〜6、m+n=3;である。
【0008】
本発明は又カップリング共重合体の製造方法を提供する。該製造方法は以下のステップ:(a)共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーを包含する共重合体を重合する;(b)含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を該共重合体に添加してカップリング反応を進行することにより一カップリング共重合体を形成する;を包含する。該アルコキシシランカップリング剤は下記式(1)に示された化学式を有する:
【化2】

【0009】
その中R及びRは同一又は不同一のアルキル基、Rは含アルケニル官能基、Rはアルコキシ基、アルキル基およびアルケニル基からなる群から選ばれたものであり、qは1又0;q=0の時、k=j=0、Rはアルコキシ、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3;q=1の時、k+j=3、且つRは−(CH)r、r=1〜6、m+n=3;である。
【0010】
本発明は更に、共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体と含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤との反応により得られた水素化カップリング共重合体を提供する。その中該含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤は式(1)に示されるような化学式を有する。
【化3】

【0011】
その中R及びRは同一又は不同一のアルキル基、Rは含アルケニル官能基、Rはアルコキシ基、アルキル基およびアルケニル基からなる群から選ばれたものであり、qは1又は0;q=0の時、k=j=0、Rはアルコキシ、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3;q=1の時、k+j=3、且つRは−(CH)r、r=1〜6、m+n=3;である。
【0012】
本発明は又水素化カップリング重合体の製造方法を提供する。該製造方法は以下のステップ:(a)共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーを包含する共重合体を重合する;(b)含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を該共重合体に添加してカップリング反応を進行することによりカップリング共重合体を形成する;(c)このカップリング共重合体を水素化することにより水素化カップリング共重合体を形成する;を包含する。その中該含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤は下記式(1)に示すような化学式を有する。
【化4】

【0013】
その中R及びRは同一又は不同一のアルキル、Rは含アルケニル官能基、Rはアルコキシ基、アルキル基およびアルケニル基からなる群から選ばれたものであり、qは1又は0;q=0の時k=j=0、且つRはアルコキシ、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3;q=1の時、k+j=3、且つRは−(CH)r、r=1〜6、m+n=3;である。
【0014】
本発明は下記の詳細な説明により、より深い了解を得る。
【0015】
実施の態様:
本発明は下記の好適な実施例及び図示の配合により、一歩進んで詳細に説明する。
【0016】
本発明により提供される、共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合されたカップリング共重合体は、共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体を含アルケニル基官能基のアルコキシシランカップリング剤と反応して得られる。その中該共重合体は情況により選択的に少なくとも一個のアロマチックビニルブロックA及び少なくとも一個の共役ジエンブロックBを包含し;該カップリング重合体は60重量%〜95重量%に介するカップリング効率を有することができ、及び10重量%〜30重量%に介する4アーム共重合体を有することができる。その中該アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤は下記式(1)の化学式で示される。
【化5】

【0017】
その中R及びRは同一又は不同一のアルキル、Rは含アルケニル官能基、Rはアルコキシ基、アルキル基およびアルケニル基からなる群から選ばれたものであり、qは1又は0;q=0の時、k=j=0、Rはアルコキシ、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3;q=1の時、k+j=3、且つRは−(CH)r、r=1〜6、m+n=3;である。
【0018】
及びRは同一又は不同一のアルキル基、Rは含アルケニル基のC〜C官能基、RはC〜Cアルキル基、アルコキシ基、又はC〜Cアルケニル基であり、q=0、k=j=0、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3の時、RはC〜Cアルコキシ基であり、q=1,k+j=3, Rは−(CH)rの時、r=1〜6及び m+n=3である。
【0019】
本発明に適用な共重合体を重合するアロマチックビニルはスチレン、α−メチルスチレン、Paraエチルスチレン、シクロヘキシルスチレン、Paraメチルスチレン、orthoメチルスチレン、Metaメチルスチレン、1−ビニル−5−ヘキシルナフタリン、ビニルナフタリン及び上記組成物により組成された群組中から選ばれ、その中好適なのはスチレンである。
【0020】
本発明に適用な共重合体を重合する共役ジエンは1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、イソアミルジエン、Metaアミルジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及び上記組成物により組成された群組中から選ばれ、好適なのは1,3ブタジエン、イソアミルジエン及びその混合物である。
【0021】
本発明のアロマチックビニルモノマーで好適なのはスチレン、共役ジエンモノマーで好適なのはブタジエン、イソアミルジエンであり;その中、アロマチックビニルブロック含量は上記共重合体の約5重量%〜50重量%を占め、好適なのは10重量%〜45重量%である。
【0022】
上記の重合体分子鎖は情況により選択的にA−B、A−B−B、B−A−B又はA−B−A−Bの構造とし、Bの部分をカップリング剤に連結させることができ;又はB−A、A−B−A、B−A−B−Aの構造とし、Aの部分をカップリング剤に連結させることができる。その中はAはアロマチックビニルブロックを代表し、好適にはポリスチレンブロックである。Bはゴム特性のブロックを有し、例えばポリ共役ジエンブロック、又は共役ジエンのコポリマーブロック、共役ジエン及びアロマチックモノマーより組成のブロックが挙げられ、このような重合体は弾性体及び熱可塑性重合体の特性を兼備することができる。したがって、この重合体は熱可塑性重合体を製造する標準作業プロセスを利用して生産することができ、その最終生産物はなお弾性体の特性を有する。
【0023】
共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体の分子量の制御も一重点であり、本発明に適用されるアロマチックビニルブロックAは3,000〜100,000の数量平均分子量があり、共役ジエンBは4,000〜200,000の数量平均分子量があり、アロマチックビニル及び共役ジエンモノマーの共重合体A−Bは7,000〜300,000の数量平均分子量がある。上記共重合体と、本発明により開示された含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤とをカップリング反応後得られたカップリング重合体は30,000〜600,000の数量平均分量があり、これらの中、比較的好適なのは70,000〜500,000の数量平均分子量である。後続して更に水素化反応を経過した後の水素化カップリング共重体は30,000〜600,000の数量平均分子量があり、比較的好適なのは70,000〜500,000の数量平均分子量である。
【0024】
本発明に適用される比較的好適具体実施例のカップリング共重合体は、以下これら重合体の製造方法の説明において詳細に開示される反応及びステップにより得られる。この種類の共重合体は、従来既知の先行技術、例えば陰イオン重合法、陽イオン重合法、自由基重合法、複合体重合法、溶液重合法、乳化重合法等を用いて生産される。その製造プロセスは基本上2ステップにより構成される。ステップ1は有機リチウム化合物を利用してモノマーを重合することによりリチウム末端基を有する共重合体を形成する。ステップ2はリチウム末端基の共重合体と上記定義のカップリング剤とをカップリングする。情況により、更に水素化反応を経由して水素化カップリング重合体を製造できる。
【0025】
本製造プロセスの第一ステップは有機リチウム初期剤で関連のモノマー反応を開始し、モノマーを添加した後、再度重合を進行して分子鎖を成長させ、リチウム末端基を有する共重合体を形成する。この重合ステップは、単一ステップ又は一系列連続ステップで進行され、該重合体分子鎖は単一重合体、2種又は2より多いモノマーのランダム配列又は逐段漸増ブロックの共重合体を包含する。このモノマーは同時に有機リチウム初期剤と重合することができる。そして重合体分子鎖が2個又は2個以上のホモポリマー又は共重合体により組成されると、これら個別の鎖段は順序に逐段分段でモノマーを加え、又は連続的に徐々にポリマーを増加する方式で製産することができる。
【0026】
本発明に適用されるモノマー及び比較的好適なモノマーは、既に前記本発明に関する、共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体中で定義されている。
【0027】
共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体を製造する有機リチウム初期剤は通常P−Liの構造を有し、その中RはC〜C12の炭原子の炭化水基である。本発明に適用される有機リチウム初期剤の例は、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、nプロピルリチウム、secブチルリチウム、tertブチルリチウム、nアミルリチウム、フエニルリチウム、メチルフェニルリチウム等であり、その中比較的好適なのはnブチルリチウム、secブチルリチウムである。重合に用いられる有機リチウム初期剤の用量は得たい重合体の分子量に決定され、通常全部モノマーの実際使用量を基準とし、その重量百分比は0.005ないし5の範囲内にある。
【0028】
重合反応は溶剤媒質の存在中において行われ、この重合に使用された溶剤はその後の水素化反応中に連続使用され得る。この重合反応中に適用される溶剤、例えば重合及び水素化反応において反応に参与しない鈍性有機溶剤は、例えば、ペンタン、n−ペンタン、イソペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、イソヘキサン、n−ヘキサン、イソヘプタン、n−ヘプタン、イソオクタン、n−オクタンの脂肪族炭化水素化合物;又は、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプタン、エチルシクロペンタンのシクロアルキル族;又は、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル及びプロピルフェニルフェニル等のアロマチック化合物等があり、その中本発明に比較的好適に適用されるのはシクロヘキサン及びn−ヘキサンである。一般の情況下においてもし単純に鈍性有機溶剤を重合媒質として使用するならば、アロマチックビニル又は共役ジエンの重合速率は比較的遅く、且つ、両者の重合反応性差異がすこぶる大きい場合、極性溶剤を添加する方式で克服することができる。本発明に適用される極性溶剤の具体例はアミレンオキシド、アミレンオキシド、ジエチルエーテル、シクロアミルエーテル、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジメチルエーテルジエチルエーテル等のエーテル類化合物であり、比較的好適なのはアミレンオキシド及びジエチルエーテルである。
【0029】
極性溶剤の存在は一般にビニルの含量を増加する。本発明に適用されるビニルは5〜85%であり、不同極性溶剤の属性に基づきその用量を調整してそのビニルをこの範囲内に入らせる。
【0030】
ステップ1における重合反応は幾分間ないし8時間の範囲内に発生し、比較的理想な重合反応時間範囲は20分間ないし4時間である。重合温度に至っては通常0℃〜200℃の範囲内に介在し、比較的好適な範囲は50℃〜120℃である。
【0031】
重合反応が完了したら、第2ステップのカップリング反応を開始進行、即ち、重合したリチウム末端基共重合体をカップリング剤と混合する。このステップは必ず如何なる物質において、重合反応を終止又は重合体分子鎖からリチウム原子の添加の前に実施しなければならない。したがって共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体とカップリング剤との混合は、必ず水、酸、アルコール類等の物質の存在下において活性重合体を除去する前に進行しなければならない。
【0032】
カップリング剤の使用量はカップリング効率及びカップリング重合体の性質に決定され、理想的なカップリング剤用量は該重合体とカップリング剤の用量とのMole比例(molar ratio)であり、リチウム末端を有する該共重合体Li/Si(モル/モル)は1.4〜6.67、比較的好適な比例は3.0〜4.5である。多量のカップリング剤を使用、即ちLi/Si(モル/モル)が1.4よりも低ければ、カップリング効率の降下を来すと共に、カップリング方式を低強度の共重合体産物に向わせる。反対に、比較的少量のカップリング剤を使用、即ちLi/Si(モル/モル)比例が6.67を超過すれば、カップリング方式を強度の高い多アーム産物に向わせる。しかし、カップリング剤含量が少なすぎると、やはりカップリング効率の降下及び多アーム産物含量の不足を来してしまう。したがって、Li/Si(モル/モル)比例は1.4〜6.67の範囲内に制御するのが好ましい。
【0033】
本発明に適用されるカップリング剤は前記式(1)に示された化学式のように含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤である。カップリング剤の具体例は、ビニールトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルエトキシジメトキシシラン、ビニルエトキシトリプロポキシシラン、ビニルエトキシジプロポキシシラン、ビニルジエトキシメトキシシラン、ビニルジエトキシプロポキシシラン、ビニルジエトキシブトキシシラン、プロペニルトリメトキシシラン、プロペニルトリエトキシシラン、プロペニル トリプロポキシシラン、プロペニルトリプロポキシシラン、プロペニルエトキシジメトキシシラン、プロペニルエトキシトリプロポキシシラン、プロペニルエトキシジプロポキシシラン、プロペニルジエトキシメトキシシラン、プロペニルジエトキシプロポキシシラン、プロペニルジエトキシブトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ブテニルトリプロポキシシラン、ブテニル トリプロポキシシラン、ブテニルエトキシジメトキシシラン、ブテニルエトキシジプロポキシシラン、ブテニルエトキシジプロポキシシラン、ブテニルジエトキシメトキシシラン、ブテニルジエトキシプロポキシシラン、ブテニルジエトキシブトキシシラン、ペンテニルトリメトキシシラン、ペンテニルトリエトキシシラン、ペンテニルトリプロポキシシラン、ペンテニルトリプロポキシシラン、ペンテニルエトキシジメトキシシラン、ペンテニルエトキシジプロポキシシラン、ペンテニルエトキシジプロポキシシラン、ペンテニルジエトキシメトキシシラン、ペンテニルジエトキシプロポキシシラン、ペンテニルジエトキシブトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリエトキシシラン、ヘキセニル トリプロポキシシラン、ヘキセニルトリプロポキシシラン、ヘキセニルエトキシジメトキシシラン、ヘキセニルエトキシジプロポキシシラン、ヘキセニルエトキシジプロポキシシラン、ヘキセニルジメトキシメトキシシラン、ヘキセニルジメトキシプロポキシシラン、ヘキセニルジメトキシブトキシシラン、ビス(ビニルはジメトキシシリル)メタン、ビス(ビニルはジメトキシシリル)エタン、ビス(ビニルジメトキシ)プロパンシリル、ビス(ビニルはジメトキシシリル)ブタン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)メタン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)エタン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)プロパン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)ブタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)メタン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)エタン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)プロパン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)ブタン、ビス(プロペニルジエトキシのシリル)メタン、ビス(ジエトキシシリル)エタン、ビス(ジエトキシのシリル)プロパンプロペニル、ビス(ジエトキシのシリル)ブタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)メタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンプロペニル、ビス(プロペニルプロペニルジプロポキシ)ブタン、ビス(ジプロポキシシリル)メタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンプロペニル、ビス(ジメトキシのシリル)メタンブテニル、ビス(ジメトキシのシリルブテニル)シリルエタン、ビス(ブテニルジメトキシのシリル)プロパン、ビス(ブテニルジメトキシのシリル)ブタン、ビス(ブテニルジエトキシのシリル)メタン、ビス(ブテニルジエトキシのシリル)エタン、ビス(ブテニルジエトキシのシリル)プロパン、ビスは(ブテニルジエトキシのシリル)ブタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンブテニル、ビス(ジメトキシのシリル)メタンペンテニル、ビス(ジメトキシのシリル)エタンペンテニル、ビス(ジメトキシのシリル)プロパンペンテニル、ビス(ジメトキシのシリル)ブタンペンテニル、ビス(ペンテニルブテニルジエトキシ)メタン、ビス(ジエトキシのシリル)エタンペンテニル、ビス(ジエトキシのシリル)プロパンペンテニル、ビス(ジエトキシのシリル)ブタンペンテニル、ビス(ジプロポキシシリル)メタンペンテニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンペンテニル、ビス(ジプロポキシシリルペンテニル)シリルプロパン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)ブタン、ビスは(ヘキセニルジメトキシのシリル)メタン、ビス(ヘキセニルジメトキシのシリル)エタン、ビス(ヘキセニルジメトキシのシリル)プロパン、ビス(ヘキセニルジメトキシのシリル)ブタン、ビス(ヘキセニルジエトキシのシリル)メタン、ビス(ヘキセニルジエトキシのシリル)エタン、ビス(ヘキセニルジエトキシのシリル)プロパン、ビス(ジエトキシシリル)ブタン、ビス(ジプロポキシシリル)メタンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)メタンヘキセニル、ビス(ヘキセニルヘキセニルジプロポキシ)エタン、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンヘキセニル)シリル及びその派生物等がある。ここで述べる派生物のアルキルの代替基は主としてC〜C12アルキルである。
【0034】
カップリング反応を進行するとき、温度は広い範囲内において調整でき、比較的好適な範囲は50℃〜120℃の範囲内に維持する。カップリング反応は通常純カップリング剤又は混合カップリング剤(カップリング剤と溶液とを混合する)を一回又は数回定量的に共重合体に添加して実施される。カップリング反応に必要な時間は相当に短かく、正常な反応期間は約1分間ないし1時間の間にあるが、低温下では比較的に長い反応時間を要する。最後は含撹拌器の圧力釜において、炭素ガスのガス密封下で、共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体を各種のカップリング剤と反応して、カップリング共重合体を製造する。
【0035】
上記本発明のカップリング共重合体の製造方法は、図1のフローチャートのように簡化できる。先ずステップ10を進行する:一つの共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーを含む共重合体を重合する;次にステップ12を進行する:式(1)のような化学式の含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を該共重合体に添加し、カップリング反応を進行してカップリング共重合体を形成する。アロマチックビニル及び共役ジエンの共重合体は未飽和アルケニルダブルボンドを含有しているので、その耐熱性、耐紫外線性、耐水素化性、耐オゾン性及び耐候性等の性能表現を不良にさせている。カップリング反応が完了した後カップリング共重合体を回収できるが、情況により該重合体のジアルケニル部分を選択性的に水素化することもでき、水素化により大幅にこの類共重合体に内含する未飽和ダブルボンドを消除でき、そして上記の問題を克服すると共にその性能をして明らかに改善せしむる。この目的を達成するために水素化は数種の先行技術の如何なる水素化又は選択性水素化方法で進行することができ、例えば:下記(1)、(2)を使用する:
(1)Co、Ni、Fe、Crの有機酸塩類又はアセチルアセトン塩類、アルコシキシ塩類を、有機アルミ還元剤と反応して形成されたZiegler−Natta水素化触媒(例えばアメリカ特許3595942、3634549、3670054、3673281、3696088、3700633、3792127、3823203等)を使用する。上記方法はいずれも適合の触媒で含アロマチック族又は未飽和アルケニルダブルボンド重合体を水素化する。この類の触媒であるVIII族金属化合物(例えばNi又はCo)に適当な還元剤(例えばリチウム、マグネシウム又はアルミニウムのアルキル化合物)を加える。本発明に適用される還元剤はアルキルアルミニウムである。この水素化反応条件は50℃〜150℃の温度範囲(比較的好適なのは70℃〜120℃)、及び10kg/cm〜40kg/cm(比較的好適なのは15kg/cm〜30kg/cm)の圧力であり、前記の溶剤中において反応を完成する;及び
(2)シクロアルミジエン金属配合物(III−IV族遷移金属)の酸化主触媒(A)に、有機リチウムの有機マグネシウム、有機あえん又は有機アルミニウム還元剤を触媒(B)により形成された水素化触媒を加える。ここで本発明に適用される還元剤は有機リチウム又は有機アルミニウム還元触媒である。この水素化反応条件は50℃〜180℃の温度範囲(好適には70℃〜120℃)及び5kg/cm〜40kg/cm(好適には10kg/cm〜30kg/cm)の圧力であり、前記の溶剤中にて完成反応される。
【0036】
依据上記方法にて実施された水素化反応は必ず基本的に水素ガス下で進行しなければならず、該水素ガスは気体状態で重合体溶液中に投入するのが好ましい。
【0037】
上記方法により少なくとも50%、好適には90%以上の水素化合物を得ることができ、その水素化過程中主に重要なのは共役ジエン単元(monomer)中のダブルボンドであり、アロマチックビニルの水素化率は10%よりも低い。アロマチックビニル及び共役ジエンの共重合体に水素化を実施すると、その共役ジエン単元(monomer)中のダブルボンドは少なくとも50%、好ましくは90%以上水素化される。
【0038】
上記本発明のカップリング共重合体の製造方法は図2のフローチャートのように簡化して説明できる。先ず一個の、共役ジエン及びアロマチックモノマーの共重合体を重合するステップ20を進行し;しかる後、式(1)に示す化学式のように含アルケニル官能基のアルコキシカップリング剤を該共重合体に添加してカップリング反応を進行することによりカップリング共重合体を形成するステップ22に進行し;最後にこのカップリング共重合体を水素化して水素化カップリング共重合体を形成するステップ24を進行する。
【0039】
水素化後重合体の分離は下記の方法により実施され得る:
(1)水素化後重合体溶液と極性溶剤との混合において、該類の溶剤は水素化後の重合体に対して不良な溶剤(例えばアセトン、アルコール類、水又はその他同一作用を有する類似溶剤)であるので、この類の溶剤により水素化した重合体を沈殿して回収する;
(2)水素化後重合体溶液は液提方式で溶剤を回収して水素化後重合体産物を得る;及び
(3)直接加熱の方式で溶剤を蒸留又は揮発して水素化後重合体を得る。
【0040】
上記重合体の水素化転化率は赤外線スペクトロメータを利用して検測分析を行い、この方面に関する分析方法はアメリカ特許4501857号を参考すればよい。
【0041】
次に、本発明により開示された含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を使用して製造されたカップリング共重合体、及び水素化後のカップリング共重合体についてカップリング効率(Coupling Effciency,CE)の分析を進行する。カップリング効率の定義はカップリング剤を添加した後カップリング反応の終了時にカップリング剤を通して連結した共重合体の比例(percentage)であり、カップリング効率の数値は本実施方法の実施においてゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)データを使用して重合産物のカップリング効率を計算する数値である。カップリング効率の計算方式はすべてのカップリング物種のGPC曲線下面積の和(2アーム+3アーム+4アーム共重合体)を、すべてのカップリング部分のGPC曲線下の面積に初期末コップリング物種曲線下面積の和(線形単アーム+12アーム+3アーム+4アーム共重合体)で割り、この比例を100掛けてカップリング効率を百分比値にする。本発明により開示されたカップリング共重合体は60重量%〜95重量%のカップリング率があり、その中比較的好適のは65重量%〜90重量%である。そして水素化後のカップリング共重合体は60重量%〜95重量%のカップリング率があり、その中比較的好適なのは65重量%〜90重量%のカップリング効率である。この外、多アーム産物含量方面において、本発明により開示されたカップリング共重合体は10重量%〜30重量%の4アーム産物含量を有し、水素化カップリング共重合体は10重量%〜30重量%の4アーム産物含量を有する。
【0042】
本発明により提供された、共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体及びその製造方法と、水素化カップリング共重合体及びその製造方法とによれば、いずれも良好なカップリング効果を有するカップリング剤で共重合体とカップリング反応を進行している。このカップリング剤はカップリング効率が高いばかりでなく、カップリング過程中もハロゲン物腐蝕管線を発生しない。カップリング後産出した4アーム共重合体含量は10重量%〜30重量%に達することができ、水素化後10重量%〜30重量%を得れることから、明らかに従来のアルコキシシランカップリング剤の0重量%〜5重量%よりも高く、且つ高4アーム含量の共重合体は加工後産物機械性能表現が比較的優位であり、工業上の応用が大幅に向上され得る。他の一長所は本発明により開示された含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を使用して製造されたカップリング共重合体の安定性がよく、水素化後依然として一定のカップリング率及び4アーム産物含量を有しているので、良好なゴム機械物性を提供できる。
【0043】
以下、数個の実施例を挙げて本発明の方法、特徴及び長所を説明する。これら実施例は証明に要するだけで、本発明を限制するなんらの観点をも意味せず、又本発明の範囲を限制するためにあるのではなく、本発明の範囲は添付された特許請求の範囲を依据とすべきである。
【実施例】
【0044】
[実施例1−A、B、C、D、E]
20グラムのスチレンを1000グラムのシクロヘキサン中に溶解し、3.6グラムのアミレンオキシドを添加した後定量のn−ブチルリチウム溶液を添加し、初期温度は約50℃、正式に重合反応を開始する。全部のスチレンモノマーが完全反応に接近した時、78グラム、1、3−ブタジエン溶液を重合体混合液中に添加して温度を65℃〜70℃(ここでいう時間と温度は反応タンクの設計、反応物種類及び反応条件等によって適当な調整を行う)までに上昇し、全部の1,3−ブタジエンパリマーがほとんど完全反応すると第1のステップスチレン/ブタジエンブロック共重合体の製造を完成する。定量の含オレファン官能基のアルコキシシランカップリング剤を上記スチレン/ブタジエンブロック共重合体に添加して、カップリング反応を進行し、本実施例における初期剤とカップリング剤のモル比は3.0〜4.5である。別に、カップリング剤は一度に全部添加でき、多回に分けて添加してもよい。添加回数は1〜4回である。カップリング反応が10分間接続した後、ストリッピング方式でストリッピングを進行する。この時乾燥後の重合体分子量を知ることができ、実験結果は表1に示す通りである。カップリング重合体のカップリング効率の比例計算はGPCの分析により知ることができる。
【0045】
実施例1−Aにおいて、ビニルトリメトキシシランをカップリング剤として使用するが、実験の結果から、表1に示すようにビニル−トリメトキシシランにより製造されたカップリング重合体を使用しており、そのカップリング効率は75.2重量%、4アーム産物含量は16.6%であることを発見した。
【0046】
実施例1−Bにおいて、ビニルトリエトキシシランをカップリング剤として使用するが、実験の結果から、表1に示すようにビニル−トリエトキシシランにより製造されたカップリング重合体を使用しており、そのカップリング効率は73.6重量%、4アーム産物含量は21.0重量%であることを発見した。
【0047】
実施例1−Cにおいて、プロペニルトリエトキシシランをカップリング剤として使用するが、実験の結果から表1に示すように、プロペニルトリエトキシシランにより製造されたカップリング重合体を使用しており、そのカップリング効率は73.6重量%、4アーム産物含量は18.3重量%であることを発見した。
【0048】
実施例1−Dにおいて、ブテニルトリメトキシシランをカップリング剤として使用するが、実験の結果から、表1に示すようにブテニルトリメトキシシランにより製造されたカップリング重合体を使用しており、そのカップリング効率は77.7重量%、4アーム産物含量は29.4重量%であることを発見した。
【0049】
実施例1−Eにおいて、ビニルエトキシジメトキシシランをカップリング剤として使用するが、実験の結果から、表1に示すようにビニルエトキシジメトキシシランにより製造されたカップリング重合体を使用しており、そのカップリング効率は76.5重量%、4アーム産物含量は22.3%である。
【表1】

【0050】
[実施例2−A]
本実施例の水素化反応はNi/Al水素化触媒系統を使用する。実施例1−Aのカップリング重合体1100グラムを大気を隔絶した水素化タンク内に置き入れ、温度80℃までに向上する。定量の5%オクタンニッケルと15%トリエチルアルミニウムと(モル比は1:2.5)を、0.33phr及び0.27phrの比例(ratio)で混合し、合計0.6phr(phrは100単位重量ごとのモノマー中に含まれる試剤の単位重量)を、窒素ガスで水素化タンク内に圧入する。水素ガス圧力を25kg/cmに調整設定して水素ガスを、タンク圧が設定圧力に等しく反応が終止するまでに、ゆるやかに水素タンクに通させる。水素化反応結果如何により反応時間を終止し、重合体の膠液が常温に至るまでに冷却して洩出する。触媒を除去すると共に水素化重合体の典型ステップに順じて重合体をストリップして回収し、重合体水素化後の結果を分析する。実験結果を表2に示す。
【表2】

【0051】
この実験結果から、実施例1−Aのカップリング重合体はNi/Al触媒を通して水素化した後、水素化後/水素化前のカップリング効果と4アーム産物含量との比例はいずれも0.7より高いことを知る。
【0052】
[実験例3−A]
本実施例の水素化反応はシクロアミルジエン(茂)金属配合物Ti/Al水素化触媒系統;を使用する。実施例1−Aのカップリング産物1,000グラムを大気を隔絶した水素化タンク内に置き入れ、水素化タンクの温度が78℃までに昇温した時、100ppmのビスシクロアミルジエンジ塩素化チタニウムとトリエチルアルミニウムと(モル比例は1:2)を添加すると共に、圧力を25kg/cmに設定する。水素化反応を60分間進行した後、触媒を除去すると共に水素化重合体の典型ステップに順じて重合体をストリップして回収し、サンプリングして赤外線スペクトロメータ検測分析を進行し、その水素化率を決定する。実験結果は表3に示す通りである。
【表3】

【0053】
この実験結果から、実施例1−Aのカップリング重合体はTi/Al触媒を通して水素化した後水素化後/水素化前のカップリング効率と4アーム産物含量比例はいずれも0.7より高いことを知り、水素化過程を経由した後なお一定のカップリング効率及び4アーム共重合体比率を維持していることを顕示している。
【0054】
[比較例1]
20グラムのスチレン溶液を1,000グラムのシクロヘキサン中に溶解し、3.6グラムのアミレンオキシドを添加した後定量のn−ブチルリチウム溶液を添加し、初期温度が約50℃で、正式に重合反応を開始する。全部のスチレンモノマーが完全反応に接近した時に78グラムの1,3ブタジエン溶液を重合体混合液中に添加し、温度を65〜70℃(ここでいう時間と温度は反応タンクの設計、反応物種類及び反応条件の如何により、適当に調整する)までに上昇して全部の1,3−ブタジエンモノマー、がほとんど完全に反応した時に第1のステップであるスチレン/ブタジエン共重合体の製造を完成する。このブロック共重合体と各類不同一のカップリング剤がカップリング反応を進行し、余のステップは実施例の方式に順じてストリップ回収する。この時乾燥後の重合体の分子量が分り、そして重合体のカップリング比例計算はGPCの分析で知り得、更に実施例2−3記載のステップに順じて水素化反応を進行する。不同一種類のカップリング前の実験結果は表4に示す通りである。
【0055】
実験結果の表4から、比較例中に使用されたトリアセトキシメチルシランは、カップリング剤により製造されたカップリング重合体であり、そのカップリング効率が僅かに53.0重量%、4アーム産物含量が僅かに6.5重量%であり、実施例2Aに記載されたTi/Al水素化触媒系統を使用して水素化を行うのは無効である、ことを発見した。
【0056】
[比較例2]
比較例の実験ステップを重複してカップリング重合体の製造を進行した。この場合メチルメトキシシランをカップリング剤として使用した。実験の結果表4から、この比較例2において、メチルメトキシシランにより製造されたカップリング重合体を使用したが、そのカップリング効率は64.9重量%、4アーム産物含量は僅かに1.7重量%、カップリング効率及び4アーム産物含量はいずれも不良であることを発見した。
【0057】
[比較例3]
比較例1の実験ステップを重複してカップリング重合体の製造を進行し、ヘキサエトキシジシランをカップリング剤として使用した。実験結果表4から「この比較例3において、b−エトキシジシランにより製造されたカップリング重合体を使用したが、そのカップリング効率は80.1重量%で、なお相当な程度を有しているが、その4アーム産物含量は僅かに4.0重量%しかなく、表現は本発明で開示したカップリング剤に及ばない。このことから、カップリング剤が二つのカップリング中心があり6個のカップリングがあるとしても、やはりカップリング効率及び4アーム産物含量を提昇することができない」ことを発見した。
【0058】
[比較例4]
比較例1の実験ステップを重複してカップリング重合体の製造を進行し、4メトキシシランをカップリング剤として使用した。実験結果表4から「この比較例4において4メトキシシランにより製造されたカップリング重合体を使用したが、そのカップリング効率は75.3重量%、4アーム産物含量は僅かに5.3重量%、同一のカップリング条件において4メトキシシランカップリング剤を使用したカップリング重合体は、本発明に開示された含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を使用して製造されたカップリング重合体と同様に高い4アーム産物含量を得ることができないことを発見した。
【表4】

【0059】
[実施例4、比較例5]
表5は本発明により開示されたエチル−トリエトキシシランカップリング剤を使用して製造された水素化カップリング重合体と、従来カップリング剤テトラメトキシシランを使用して製造された水素化重合体とがそれぞれ進行した機械性質テスト結果である。油添加のないカップリング重合体、及び油を一倍加えた後の油状カップリング重合体(本実験に使用された油品はアメリカShell石油会社が出品したStar−4拡展油)の引張強度、伸張率及びモジュールは、表5に示すように、従来のテトラメトキシシランを使用して製造されたカップリング重合体に比べて、加油したか否かを問わずいずれも比較的大きなモジュールを有し、全体的に言えば引張時の表現がもっとも顕現である。
【表5】

【0060】
上記表5において、未加油及び一倍加油情況下におけるモジュール値はそれぞれ図3及び図4に顕示してあり、その中実施例4において使用した本発明のカップリング剤、ビニルトリエトキシシランはカップリング剤Aと標示しており、そして実施例5において使用した本発明のカップリング剤(テトラメトキシシラン)はカップリング剤Bと標示している。図3及び図5から明らかに見えるように、本発明のカップリング剤を使用して製造された水素化カップリング重合体のモジュールは、従来のカップリング剤を使用して製造された水素化カップリング重合体のモジュールよりも遥かに高い。
【0061】
要するに、本発明の実験は以下の結果を帰納できる。即ち、実施例1A〜Eのカップリング重合体は本発明開示の含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を使用して製造されたもので、そのカップリング効率は75.2、73.8、73.6、77.7、76.5重量%、4アーム産物含量は16.6、21.0、18.3、29.4、22.3重量%であり;そして比較例1〜4は従来のカップリング剤を使用して製造されたカップリング重合体であり、そのカップリング効率は53.0、64.9、80.1、75.3重量%、4アーム産物含量は6.5、1.7、4.0、5.3重量%である。この実験は;含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を使用して製造された重合体は高カップリング効率及び高含量の4アーム産物を得ることができ、従来カップリング剤よりも強大な系統であることを証明した。この外、含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を使用して製造された重合体は、Ni/Al水素化触媒又はTi/Al水素化触媒系統を通して水素化反応を進行したか否かを問わず、そのカップリング効率及び4アーム産物含量はいずれも高い値を維持している。機械性能テスト方面では、ビニルトリエトキシシランカップリング剤を使用して製造されたカップリング重合体の引張強さ及びモジュール値はいずれもテトラメトキシシランを使用して製造された重合体よりも高い。この実験は「本発明に開示されたビニルトリエトキシシランを使用して製造された重合体は機械性能上の表現が従来テトラメトキシシランで製造された重合体よりも優位である」と証明した。これにより良好なゴム機械物性を提供することができる。
【0062】
以上のように本発明は既に比較的好適な実施例を開示したが、これらは本発明の技術的思想を限定するものでなく、付加した特許請求の範囲に準ずるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は本発明のカップリング共重合体製造方法のフローチャートである。
【図2】図2は本発明の水素化カップリング共重合体製造方法のフローチャートである。
【図3】図3は本発明カップリング剤を使用して生産された重合体Aと従来カップリング剤を使用して生産された重合体Bとの未加油情況下の張力及び引張量の関係座標図である。
【図4】図4は本発明カップリング剤を使用して生産された重合体Aと従来カップリング剤を使用して生産された重合体Bとの一倍加油情況下の張力及び引張量の関係座標図である。
【符号の説明】
【0064】
10,12,20,22,24…反応ステップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体と一含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤との反応により得られるカップリング共重合体であって、その中該含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤の化学式は式(1)で示される共重合体:
【化1】

その中R及びRは同一又は不同一のアルキル、Rは含アルケニル官能基、Rはアルコキシ基、アルキル基およびアルケニル基からなる群から選ばれたものであり、qは1又は0であり;q=0の時、k=j=0;Rはアルコキシ、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3であり;q=1の時、k+j=3、Rは−(CH)r、r=1〜6、m+n=3である。
【請求項2】
前記アロマチックビニルはスチレン、α−メチルスチレン、Paraエチルスチレン、シクロヘキシルスチレンParaメチルスチレン、orthoメチルスチレンMetaメチルスチレン、1−ビニル−5−ヘキシルナフタリン、ビニルナフタリン及び上記組成物により組成された群組から選ばれ、前記共役ジエンは1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3ブタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、イソアミルジエン、Metaアミルジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン及び上記組成物により組成された群組中から選ばれる、請求範囲1記載のカップリング共重合体。
【請求項3】
前記カップリング共重合体は30,000〜600,000の数量平均分子量を有し;
該カップリング共重合体のカップリング効率は60重量%〜95重量%であり;
該カップリング共重合体の4アーム共重合体含量は10重量%〜30重量%であり;及び
該共重合体と該カップリング剤とのモル比は1.4〜6.67である、請求項1記載のカップリング共重合体。
【請求項4】
前記含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤は、ビニールトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルエトキシジメトキシシラン、ビニルエトキシトリプロポキシシラン、ビニルエトキシジプロポキシシラン、ビニルジエトキシメトキシシラン、ビニルジエトキシプロポキシシラン、ビニルジエトキシブトキシシラン、プロペニルトリメトキシシラン、プロペニルトリエトキシシラン、プロペニル トリプロポキシシラン、プロペニルトリプロポキシシラン、プロペニルエトキシジメトキシシラン、プロペニルエトキシトリプロポキシシラン、プロペニルエトキシジプロポキシシラン、プロペニルジエトキシメトキシシラン、プロペニルジエトキシプロポキシシラン、プロペニルジエトキシブトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ブテニルトリプロポキシシラン、ブテニル トリプロポキシシラン、ブテニルエトキシジメトキシシラン、ブテニルエトキシジプロポキシシラン、ブテニルエトキシジプロポキシシラン、ブテニルジエトキシメトキシシラン、ブテニルジエトキシプロポキシシラン、ブテニルジエトキシブトキシシラン、ペンテニルトリメトキシシラン、ペンテニルトリエトキシシラン、ペンテニルトリプロポキシシラン、ペンテニルトリプロポキシシラン、ペンテニルエトキシジメトキシシラン、ペンテニルエトキシジプロポキシシラン、ペンテニルエトキシジプロポキシシラン、ペンテニルジエトキシメトキシシラン、ペンテニルジエトキシプロポキシシラン、ペンテニルジエトキシブトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリエトキシシラン、ヘキセニル トリプロポキシシラン、ヘキセニルトリプロポキシシラン、ヘキセニルエトキシジメトキシシラン、ヘキセニルエトキシジプロポキシシラン、ヘキセニルエトキシジプロポキシシラン、ヘキセニルジメトキシメトキシシラン、ヘキセニルジメトキシプロポキシシラン、ヘキセニルジメトキシブトキシシラン、ビス(ビニルはジメトキシシリル)メタン、ビス(ビニルはジメトキシシリル)エタン、ビス(ビニルジメトキシ)プロパンシリル、ビス(ビニルはジメトキシシリル)ブタン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)メタン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)エタン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)プロパン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)ブタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)メタン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)エタン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)プロパン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)ブタン、ビス(プロペニルジエトキシのシリル)メタン、ビス(ジエトキシシリル)エタン、ビス(ジエトキシのシリル)プロパンプロペニル、ビス(ジエトキシのシリル)ブタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)メタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンプロペニル、ビス(プロペニルプロペニルジプロポキシ)ブタン、ビス(ジプロポキシシリル)メタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンプロペニル、ビス(ジメトキシのシリル)メタンブテニル、ビス(ジメトキシのシリルブテニル)シリルエタン、ビス(ブテニルジメトキシのシリル)プロパン、ビス(ブテニルジメトキシのシリル)ブタン、ビス(ブテニルジエトキシのシリル)メタン、ビス(ブテニルジエトキシのシリル)エタン、ビス(ブテニルジエトキシのシリル)プロパン、ビスは(ブテニルジエトキシのシリル)ブタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンブテニル、ビス(ジメトキシのシリル)メタンペンテニル、ビス(ジメトキシのシリル)エタンペンテニル、ビス(ジメトキシのシリル)プロパンペンテニル、ビス(ジメトキシのシリル)ブタンペンテニル、ビス(ペンテニルブテニルジエトキシ)メタン、ビス(ジエトキシのシリル)エタンペンテニル、ビス(ジエトキシのシリル)プロパンペンテニル、ビス(ジエトキシのシリル)ブタンペンテニル、ビス(ジプロポキシシリル)メタンペンテニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンペンテニル、ビス(ジプロポキシシリルペンテニル)シリルプロパン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)ブタン、ビスは(ヘキセニルジメトキシのシリル)メタン、ビス(ヘキセニルジメトキシのシリル)エタン、ビス(ヘキセニルジメトキシのシリル)プロパン、ビス(ヘキセニルジメトキシのシリル)ブタン、ビス(ヘキセニルジエトキシのシリル)メタン、ビス(ヘキセニルジエトキシのシリル)エタン、ビス(ヘキセニルジエトキシのシリル)プロパン、ビス(ジエトキシシリル)ブタン、ビス(ジプロポキシシリル)メタンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)メタンヘキセニル、ビス(ヘキセニルヘキセニルジプロポキシ)エタン、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンヘキセニル)シリル及びその派生物により組成された群組の中から選ばれる、請求項1記載のカップリング共重合体。
【請求項5】
ステップ(a)共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーを包含する共重合体を重合する;及び
ステップ(b)含アルケニル官能基のアルコシシランカップリング剤を該共重合体に添加してカップリング反応を進行することによりカップリング共重合体を形成してカップリング共重合体を形成する;
を包含してなるカップリング共重合体の製造方法であって、その中該含アルケニル官能基のアルコキシシランは下記式(1)の化学式を有する方法:
【化2】

その中R及びRは同一又は不同一のアルキル、Rは含アルケニル官能基、Rはアルコキシ基、アルキル基およびアルケニル基からなる群から選ばれたものであり、qは1又は0であり;q=0の時、k=j=0、Rはアルコキシ、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3であり;q=1の時k+j=3;Rはアルコシ基、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3であり;q=1の時、k+j=3、Rは−(CH)r、r=1〜6、m+n=3である。
【請求項6】
前記カップリング共重合体のカップリング効率は60重量%〜95重量%であり、該カップリング共重合体の4アーム共重合体含量は10重量%〜30重量%である請求項5記載の方法。
【請求項7】
共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーにより重合された共重合体と一含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤とが反応し、さらに水素化反応を経由して得られる、水素化カップリング共重合体であって、該含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤は下記式(1)に示される化学式を有する共重合体:
【化3】

その中R及びRは同一又は不同一のアルキル、Rは含アルケニル官能基、Rはアルコキシ基、アルキル基およびアルケニル基からなる群から選ばれたものであり、qは1又は0であり;q=0の時、k=j=0、Rはアルコキシ、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3であり;q=1の時、k+j=3、Rは−(CH)r、r=1〜6、m+n=3である。
【請求項8】
前記アロマチックビニルはスチレン、α−メチルスチレン、Paraエチルスチレン、シクロヘキシルスチレン、Paraメチルスチレン、orthoメチルスチレン、Metaメチルスチレン、1−ビニル−5ヘキシルナフタリン、ビニルナルフタリン及び上記組成物により組成された群中から選ばれ、前記共役ジエンは1,3−フタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、イソアミルジエン、Metaアミルジエン、2−フェニル−1,3ブタジエン及び上記組成物より組成された群組中から選ばれる請求項7記載の水素化カップリング共重合体。
【請求項9】
前記水素化カップリング共重合体は30,000〜600,000の数量平均分子量を有し;該水素化カップリング共重合体のカップリング効率は60重量%〜95重量%であり;該水素化カップリング共重合体の4アーム共重合体含量は10重量%〜30重量%であり;且つ該共重合体と該カップリング剤用量のモル比は1.4〜6.67である、請求項7記載の水素化共重合体。
【請求項10】
前記含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤は、ビニールトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルエトキシジメトキシシラン、ビニルエトキシトリプロポキシシラン、ビニルエトキシジプロポキシシラン、ビニルジエトキシメトキシシラン、ビニルジエトキシプロポキシシラン、ビニルジエトキシブトキシシラン、プロペニルトリメトキシシラン、プロペニルトリエトキシシラン、プロペニル トリプロポキシシラン、プロペニルトリプロポキシシラン、プロペニルエトキシジメトキシシラン、プロペニルエトキシトリプロポキシシラン、プロペニルエトキシジプロポキシシラン、プロペニルジエトキシメトキシシラン、プロペニルジエトキシプロポキシシラン、プロペニルジエトキシブトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ブテニルトリプロポキシシラン、ブテニル トリプロポキシシラン、ブテニルエトキシジメトキシシラン、ブテニルエトキシジプロポキシシラン、ブテニルエトキシジプロポキシシラン、ブテニルジエトキシメトキシシラン、ブテニルジエトキシプロポキシシラン、ブテニルジエトキシブトキシシラン、ペンテニルトリメトキシシラン、ペンテニルトリエトキシシラン、ペンテニルトリプロポキシシラン、ペンテニルトリプロポキシシラン、ペンテニルエトキシジメトキシシラン、ペンテニルエトキシジプロポキシシラン、ペンテニルエトキシジプロポキシシラン、ペンテニルジエトキシメトキシシラン、ペンテニルジエトキシプロポキシシラン、ペンテニルジエトキシブトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリエトキシシラン、ヘキセニル トリプロポキシシラン、ヘキセニルトリプロポキシシラン、ヘキセニルエトキシジメトキシシラン、ヘキセニルエトキシジプロポキシシラン、ヘキセニルエトキシジプロポキシシラン、ヘキセニルジメトキシメトキシシラン、ヘキセニルジメトキシプロポキシシラン、ヘキセニルジメトキシブトキシシラン、ビス(ビニルはジメトキシシリル)メタン、ビス(ビニルはジメトキシシリル)エタン、ビス(ビニルジメトキシ)プロパンシリル、ビス(ビニルはジメトキシシリル)ブタン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)メタン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)エタン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)プロパン、ビス(ビニルはジエトキシシリル)ブタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ビニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)メタン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)エタン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)プロパン、ビス(プロペニルジメトキシのシリル)ブタン、ビス(プロペニルジエトキシのシリル)メタン、ビス(ジエトキシシリル)エタン、ビス(ジエトキシのシリル)プロパンプロペニル、ビス(ジエトキシのシリル)ブタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)メタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンプロペニル、ビス(プロペニルプロペニルジプロポキシ)ブタン、ビス(ジプロポキシシリル)メタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンプロペニル、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンプロペニル、ビス(ジメトキシのシリル)メタンブテニル、ビス(ジメトキシのシリルブテニル)シリルエタン、ビス(ブテニルジメトキシのシリル)プロパン、ビス(ブテニルジメトキシのシリル)ブタン、ビス(ブテニルジエトキシのシリル)メタン、ビス(ブテニルジエトキシのシリル)エタン、ビス(ブテニルジエトキシのシリル)プロパン、ビスは(ブテニルジエトキシのシリル)ブタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ブテニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンブテニル、ビス(ジメトキシのシリル)メタンペンテニル、ビス(ジメトキシのシリル)エタンペンテニル、ビス(ジメトキシのシリル)プロパンペンテニル、ビス(ジメトキシのシリル)ブタンペンテニル、ビス(ペンテニルブテニルジエトキシ)メタン、ビス(ジエトキシのシリル)エタンペンテニル、ビス(ジエトキシのシリル)プロパンペンテニル、ビス(ジエトキシのシリル)ブタンペンテニル、ビス(ジプロポキシシリル)メタンペンテニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンペンテニル、ビス(ジプロポキシシリルペンテニル)シリルプロパン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)ブタン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)メタン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)エタン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)プロパン、ビス(ペンテニルジプロポキシシリル)ブタン、ビスは(ヘキセニルジメトキシのシリル)メタン、ビス(ヘキセニルジメトキシのシリル)エタン、ビス(ヘキセニルジメトキシのシリル)プロパン、ビス(ヘキセニルジメトキシのシリル)ブタン、ビス(ヘキセニルジエトキシのシリル)メタン、ビス(ヘキセニルジエトキシのシリル)エタン、ビス(ヘキセニルジエトキシのシリル)プロパン、ビス(ジエトキシシリル)ブタン、ビス(ジプロポキシシリル)メタンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)エタンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)メタンヘキセニル、ビス(ヘキセニルヘキセニルジプロポキシ)エタン、ビス(ジプロポキシシリル)プロパンヘキセニル、ビス(ジプロポキシシリル)ブタンヘキセニル)シリル及びその派生物により組成された群組の中から選ばれる、請求項7記載の水素化カップリング共重合体。
【請求項11】
前記共役ジエン単元(monomer)の水素化率は50%よりも高く、そしてアロマチックビニル単元(monomer)水素化率は10%よりも低い、請求項7記載の水素化カップリング共重合体。
【請求項12】
水素化後重合体カップリング率/水素化前重合体カップリング率の比例(ratio)及び水素化後重合体4アーム産物含量/水素化前重合体4アーム産物含量の比例(ratio)は0.7よりも大きい、請求項7記載の水素化カップリング共重合体。
【請求項13】
ステップ(a)共役ジエン及びアロマチックビニルモノマーを包含する共重合体を重合する;
ステップ(b)含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤を該共重合体に添加してカップリング反応を進行することによりカップリング共重合体を形成する;及び
ステップ(c)このカップリング共重合体を水素化することにより水素化カップリング共重合体を形成する;を包含する水素化カップリング共重合体の製造方法であって、
その中該含アルケニル官能基のアルコキシシランカップリング剤は次の式(1)に示すような化学式を有する方法:
【化4】

式中R及びRは同一又は不同一のアルキル、Rは含アルケニル官能基、Rはアルコキシ基、アルキル基およびアルケニル基からなる群から選ばれたものであり、q=1又は0であり;q=0の時、k=j=0、Rはアルコキシ、1≦n≦3、0≦m≦2、m+n=3であり;q=1の時、k+j=3、Rは−(CH)r、r=1〜6、m+n=3である。
【請求項14】
前記水素化カップリング共重合体のカップリング効率は60重量%〜95重量%であり;且つ該水素化カップリング共重合体含量は10重量%〜30重量%である、
請求項13記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−16997(P2011−16997A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145156(P2010−145156)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(506156595)台橡股▲ふん▼有限公司 (6)
【Fターム(参考)】