説明

カップ付き女性用衣類

【課題】乳房の周囲の脂肪をカップ部内に掬い寄せる動作を行いやすくすることのできるカップ付き女性用衣類を提供する。
【解決手段】ブラジャー1には、乳房を支持する右カップ11および左カップ12を含むカップ部10と、同カップ部10を下方から支持する支持部20とが設けられている。また、支持部20のうちの右カップ11の下方と対応する部分に右開口部36Rが設けられている。また、支持部20のうちの左カップ12の下方と対応する部分に左開口部36Lが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳房を支持するカップ部と、同カップ部を下方から支持する支持部とを備えるカップ付き女性用衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
上記カップ付き女性用衣類として、特許文献1に記載のブラジャーが知られている。
一般に、ブラジャーを着用するユーザは、乳房の形状を整えるための作業として次のものを行なう。すなわち、ブラジャーを着用した状態においてカップ部の上方からカップ部の裏側と乳房との間に手を差し入れる。次に、カップ部の裏側に差し入れた手を乳房の周囲まで移動させ、乳房の周囲の脂肪をカップ部内に掬い寄せる。これにより、乳房およびその周辺のボディラインを美しくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3145272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のブラジャーにおいては、乳房の下方の部分が支持部により締め付けられている。このため、同ブラジャーを着用したユーザにおいては、乳房の下方の部分の脂肪が乳房の下方からその周囲に分散する。そして、この状態から乳房の下方の脂肪をカップ部内に掬い上げる動作を行なう必要があるため、すなわち分散した脂肪をカップ部内に掬い上げる動作が必要となるため、乳房のかたちを整える作業が行ないにくい。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、乳房の周囲の脂肪をカップ部内に掬い寄せる動作を行いやすくすることのできるカップ付き女性用衣類を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための手段および作用効果を以下に記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、乳房を支持するカップ部と、同カップ部を下方から支持する支持部とを備えるカップ付き女性用衣類において、前記支持部のうちの前記カップ部の下方と対応する部分に開口部が設けられていることを要旨としている。
【0007】
上記発明によれば、支持部に開口部が設けられているため、ユーザが本カップ付き女性用衣類を着用したときに乳房の周囲の脂肪が支持部により押さえ付けられる度合いが小さくなる。これにより、乳房の下方の部分の脂肪が分散しにくいため、乳房の周囲の脂肪をカップ部内に掬い寄せる動作を行ないやすくなる。
【0008】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカップ付き女性用衣類において、前記開口部を覆う被覆部が設けられていることを要旨としている。
本カップ付き女性用衣類においては、支持部に開口部が設けられているため、ユーザが同衣類を着用したときに開口部の縁にボディラインの段差が形成されやすい。上記発明によれば、開口部が被覆部により覆われるため、ボディラインの段差を目立たなくすることができる。
【0009】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のカップ付き女性用衣類において、前記被覆部の伸縮性が前記支持部の伸縮性よりも大きいことを要旨としている。
上記発明によれば、被覆部の伸縮性が支持部の伸縮性よりも大きいため、カップ部の上方からカップ部の裏側を介して支持部の裏側に手を差し入れる動作を行なうとき、手の動きが被覆部により妨げられることが抑制される。
【0010】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のカップ付き女性用衣類において、前記被覆部が前記開口部に対応する身体の表面を押さえ付けることが可能な張力を生じることを要旨としている。
【0011】
上記発明によれば、本カップ付き女性用衣類を着用したユーザにおいて、開口部に対応する部分の身体の表面が被覆部により押さえ付けられるため、ボディラインと開口部の縁との段差が小さくなる。
【0012】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、前記被覆部の右縁および前記被覆部の左縁が前記支持部に接続されていること、ならびに、前記被覆部の上縁が前記支持部および前記カップ部から独立していることを要旨としている。
【0013】
上記発明によれば、被覆部の上縁が支持部およびカップ部から独立しているため、支持部と被覆部の上縁との間から開口部に手を差し入れることが可能となる。すなわち、開口部に脂肪を寄せるための動作の態様の幅が広くなる。
【0014】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のカップ付き女性用衣類において、前記被覆部の下縁が前記支持部から独立していることを要旨としている。
上記発明によれば、被覆部の上縁および下縁がそれぞれ支持部から独立しているため、被覆部の上縁および下縁の少なくとも一方が支持部に接続されている構成と比較して、被覆部を支持部に対してずらすことができる量が大きくなる。このため、被覆部を支持部に対してずらした状態で開口部の脂肪をカップ部に掬い寄せる動作を行なうことができる。
【0015】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、前記カップ部には、右の乳房を覆う右カップと左の乳房を覆う左カップとが設けられていること、前記開口部として、前記右カップに対応する右開口部、および前記左カップに対応する左開口部が設けられていること、ならびに、前記右開口部と前記左開口部との間に設けられて前記右開口部と前記左開口部とを互いに隔てる中間支持部が前記支持部に設けられていることを要旨としている。
【0016】
右カップおよび左カップの双方に対応して開口部が形成される構成として、支持部において右カップの下方の部分から左カップの下方の部分までにわたり連続した1つの開口部を形成するものが考えられる。この構成においては、支持部において右カップおよび左カップの間に対応する部分が開口しているため、ユーザが本カップ付き女性用衣類を着用したときに右カップおよび左カップ位置が安定しないおそれがある。
【0017】
上記発明においては、右開口部と左開口部とを互いに隔てる中間支持部が設けられているため、すなわち支持部において右カップおよび左カップの間に対応する部分が中間支持部により支持されるため、ユーザが本カップ付き女性用衣類を着用したときの右カップおよび左カップの位置を安定させることができる。
【0018】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のカップ付き女性用衣類において、前記右開口部の幅が前記右カップの最大の幅の3分の1以上の大きさに設定されていること、ならびに、前記左開口部の幅が前記左カップの最大の幅の3分の1以上の大きさに設定されていることを要旨としている。
【0019】
上記発明では、右開口部および左開口部の幅がそれぞれ右カップおよび左カップの大きさの3分の1以上に設定されているため、標準的な大きさの手のユーザにおいては、乳房の周囲の脂肪を掬い上げる動作を行なうときに開口部に容易に手を差し入れることができる。
【0020】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、前記開口部の幅が上方から下方に向かうにつれて次第に大きくなることを要旨としている。
【0021】
上記発明によれば、開口部の上部の幅が開口部の下部の幅よりも小さいため、すなわち支持部においてカップ部に近い部分の開口部の幅が小さいため、開口部の上部の幅が開口部の下部の幅よりも大きい構成と比較して、ユーザが本カップ付き女性用衣類を着用したときのカップ部の位置が安定する。
【0022】
(10)請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、前記支持部のうちの前記開口部の縁に対応する部分を補強する補強部材が設けられていることを要旨としている。
【0023】
上記発明によれば、開口部の縁が補強部材により補強されているため、ユーザが本カップ付き女性用衣類を着用したときの支持部の形状が安定する。このため、支持部によりカップ部の位置を安定させる効果が高くなる。
【0024】
(11)請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、前記支持部には、前記カップ部に接続されて前記支持部の主要な部分を形成する基礎支持部と、前記支持部においての前記開口部の下方に対応する部分を形成する下方支持部とが含まれること、ならびに、前記下方支持部の張力が前記基礎支持部の張力よりも大きいことを要旨としている。
【0025】
上記発明においては、下方支持部の張力が基礎支持部の張力よりも大きいため、ユーザが本カップ付き女性用衣類を着用するときに下方支持部が身体の表面にフィットしやすくなる。このため、本カップ付き女性用衣類を着用したユーザの動作にともない支持部が身体から離れることを抑制することができる。
【0026】
(12)請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、前記支持部が前記カップ部の下方からウエストと対応する部分までにわたり設けられていることを要旨としている。
【0027】
上記発明によれば、支持部がカップ部の下方からウエストと対応する部分までにわたり設けられているため、開口部の面積をより大きくすることができる。このため、乳房の周囲の脂肪を掬い寄せる動作がより行いやすくなる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、乳房の周囲の脂肪をカップ部内に掬い寄せる動作が行いやすくすることのできるカップ付き女性用衣類を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態のカップ付き女性用衣類について、その正面構造を示す正面図。
【図2】同実施形態のカップ付き女性用衣類について、被覆部が取り外された状態の正面構造を示す正面図。
【図3】同実施形態のカップ付き女性用衣類について、その背面構造を示す背面図。
【図4】同実施形態のカップ付き女性用衣類について、同衣類を着用するときのユーザの動作を模式的に示す動作図。
【図5】本発明のその他の実施形態としてのカップ付き女性用衣類について、その正面構造を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態では、支持部がカップ部からウエストまでにわたり設けられているロングタイプのブラジャー1として本発明を具体化した一例を示している。なお、図1〜図3においては、ユーザに着用されている状態のブラジャー1を示している。また、ブラジャー1を構成する各生地同士の縫い目を実線で示している。また、生地に取り付けられたボーンおよびワイヤーを破線で示している。
【0031】
ここで、身体の方向に関する用語として以下のものを定義する。
・「前方」は、身体の背面から前面に向かう方向を示す。
・「後方」は、身体の前面から背面に向かう方向を示す。
・「上方」は、足から頭に向かう方向を示す。
・「下方」は、頭から足に向かう方向を示す。
・「左方」は、右半身から左半身に向かう方向を示す。
・「右方」は、左半身から右半身に向かう方向を示す。
・「高さ方向」は、上方および下方に沿う方向を示す。
・「幅方向」は、右方および左方に沿う方向を示す。
・「内側」は、幅方向においての身体の中心側を示す。
・「外側」は、幅方向においての身体の中心側とは反対側を示す。
【0032】
また、身体の各部位に関する用語として以下のものを定義する。
・「胸部」は、体幹の前面においてみぞおちよりも上方の部分を示す。
・「脇」は、体幹の側部において上腕の内側と対応する部分を示す。
・「腹部」は、体幹の前面においてみぞおちよりも下方の部分を示す。
・「上腹部」は、腹部のうちのウエストよりも上方の部分を示す。
・「脇腹」は、腹部のうちの外側の部分を示す。
・「肩甲部」は、体幹の背面において肩甲骨と対応する部分を示す。
・「背部」は、体幹の背面においてウエストよりも上方かつ肩甲部を除く部分を示す。
・「バージスライン」は、乳房の下縁およびこれに連続する乳房の側部の縁を示す。
【0033】
また、生地に関する用語として以下のものを定義する。
・「裏側」は、生地において身体の表面と対向する側を示す。
・「表側」は、生地において裏側とは反対側を示す。
【0034】
図1を参照して、ブラジャー1の構成について説明する。
ブラジャー1には、乳房を支持するカップ部10と、身体に対するカップ部10の位置を保持する支持部20と、肩に掛けるためのストラップ70とが設けられている。支持部20には、胸部において乳房の下方の部分を覆う正面支持部30(図1および図2)と、背部および肩甲部を覆う背面支持部60(図3)とが設けられている。ストラップ70には、長さを調整するためのアジャスター71が設けられている。
【0035】
カップ部10の構成について説明する。
カップ部10には、右の乳房を覆う右カップ11と、左の乳房を覆う左カップ12とが設けられている。右カップ11および左カップ12には、接続縁13に沿うようにワイヤー14が設けられている。
【0036】
右カップ11および左カップ12の接続縁13は、それぞれ乳房のバージスラインに対応している。また、右カップ11の接続縁13の一部、および左カップ12の接続縁13の一部は、それぞれ正面支持部30に縫い付けられている。
【0037】
正面支持部30の構成について説明する。
正面支持部30には、右カップ11および左カップ12を支持する中間支持部31と、右カップ11を支持する右側支持部32と、左カップ12を支持する左側支持部33と、中間支持部31と右側支持部32とを互いに接続する右側ヘムベルト34と、中間支持部31と左側支持部33とを互いに接続する左側ヘムベルト35とが設けられている。また正面支持部30には、身体の表面を露出させるための開口部36が形成されている。
【0038】
なお、中間支持部31、右側支持部32、および左側支持部33は「基礎支持部」に相当する。また、右側ヘムベルト34および左側ヘムベルト35は「下方支持部」に相当する。
【0039】
中間支持部31は、胸部においての右乳房および左乳房の間の部分、ならびに上腹部においての幅方向の中央およびその付近の部分に対応して設けられている。また、中間支持部31の下縁31Eはウエストに対応している。
【0040】
右側支持部32は、胸部においての右乳房のバージスラインよりも外側の部分、上腹部の前面においての右脇付近の部分、および右脇を覆う部分に対応して設けられている。また、右側支持部32の下縁32Eはウエストに対応している。
【0041】
左側支持部33は、胸部においての左乳房のバージスラインよりも外側の部分、上腹部の前面においての左脇付近の部分、および左脇を覆う部分に対応して設けられている。また、左側支持部33の下縁33Eはウエストに対応している。
【0042】
開口部36としては、右カップ11の下方に位置する右開口部36Rと、左カップ12の下方に位置する左開口部36Lとが設けられている。右開口部36Rは、中間支持部31、右側支持部32、右側ヘムベルト34、および右カップ11に囲まれた空間として形成されている。左開口部36Lは、中間支持部31、左側支持部33、左側ヘムベルト35、および左カップ12に囲まれた空間として形成されている。
【0043】
被覆部50の構成について説明する。
被覆部50は、右脇と対応する部分から上腹部を介して左脇と対応する部分までにわたり設けられている。すなわち、右開口部36Rおよび左開口部36Lを覆う部分として設けられている。
【0044】
被覆部50の上縁51および下縁52は、カップ部10、正面支持部30、および背面支持部60から独立している。被覆部50の右縁53は、右側支持部32に縫い付けられている。被覆部50の左縁54は、左側支持部33に縫い付けられている。
【0045】
被覆部50において開口部36に対応する部分の幅を「基準被覆部幅LK」としたとき、この基準被覆部幅LKは、ブラジャー1がユーザに着用されたときに適正範囲内の張力が被覆部50に生じる大きさに設定されている。
【0046】
なお、適正範囲内の張力とは、ブラジャー1を着用したユーザにおいて開口部36に対応する部分の脂肪が被覆部50の張力により適度に押さえ付けられる張力を示す。また、適度に押さえ付けられる張力とは、開口部36の縁に形成されるボディラインの段差を小さくすることが可能であり、かつユーザが過度の圧迫感を覚えない大きさの張力を示す。
【0047】
ブラジャー1の各部位は次の生地により構成されている。
カップ部10は、厚手生地により構成されている。また正面支持部30は、薄手生地により構成されている。また被覆部50は、パワー生地により構成されている。また背面支持部60は、パワー生地およびメッシュ生地により構成されている。
【0048】
厚手生地は、パワー生地およびメッシュ生地よりも伸縮性が低い。薄手生地は、パワー生地およびメッシュ生地よりも伸縮性が低い。パワー生地は、厚手生地および薄手生地よりも伸縮性が高い。メッシュ生地は、パワー生地と同じ伸縮性を有する。
【0049】
図2を参照して、開口部36およびその周辺の部分の構成について説明する。
右開口部36Rの外側の縁は、高さ方向において上方から下方に向かうにつれて幅方向の内側から外側に向けて傾斜している。右開口部36Rの内側の縁は、高さ方向において上方から下方に向かうにつれて幅方向の外側から内側に向けて傾斜している。すなわち、右開口部36Rの幅は、上方から下方に向かうにつれて次第に大きくなる。
【0050】
右開口部36Rの上部の幅を「右開口幅LH1」とし、右カップ11の最大の幅を「右カップ幅LC1」としたとき、右開口幅LH1は右カップ幅LC1の半分の大きさに設定されている。
【0051】
右側支持部32には、右開口部36Rの縁を補強する右外ボーン41および右内ボーン42が設けられている。右外ボーン41および右内ボーン42としては、厚手生地よりも硬い素材により形成されたものが用いられている。
【0052】
右外ボーン41は、右側支持部32において右開口部36Rの外側の縁に沿うように設けられている。すなわち、高さ方向において上方から下方に向かうにつれて幅方向の内側から外側に向けて傾斜している。
【0053】
右内ボーン42は、中間支持部31において右開口部36Rの内側の縁に沿うように設けられている。すなわち、高さ方向において上方から下方に向かうにつれて幅方向の外側から内側に向けて傾斜している。
【0054】
左開口部36Lの外側の縁は、高さ方向において上方から下方に向かうにつれて幅方向の内側から外側に向けて傾斜している。左開口部36Lの内側の縁は、高さ方向において上方から下方に向かうにつれて幅方向の外側から内側に向けて傾斜している。すなわち、左開口部36Lの幅は、上方から下方に向かうにつれて次第に大きくなる。
【0055】
左開口部36Lの上部の幅を「左開口幅LH2」とし、左カップ12の最大の幅を「左カップ幅LC2」としたとき、左開口幅LH2は左カップ幅LC2の半分の大きさに設定されている。
【0056】
左側支持部33には、左開口部36Lの縁を補強する左外ボーン43および左内ボーン44が設けられている。左外ボーン43および左内ボーン44としては、厚手生地よりも硬い素材により形成されたものが用いられている。
【0057】
左外ボーン43は、左側支持部33において左開口部36Lの外側の縁に沿うように設けられている。すなわち、高さ方向において上方から下方に向かうにつれて幅方向の内側から外側に向けて傾斜している。
【0058】
左内ボーン44は、中間支持部31において左開口部36Lの内側の縁に沿うように設けられている。すなわち、高さ方向において上方から下方に向かうにつれて幅方向の外側から内側に向けて傾斜している。
【0059】
支持部20には、右脇および左脇に対応する部分を補強する右脇ボーン45および左脇ボーン46が設けられている。右脇ボーン45および左脇ボーン46としては、厚手生地よりも硬い素材により形成されたものが用いられている。
【0060】
右脇ボーン45は、正面支持部30の右側支持部32と背面支持部60の右側支持部61との境界の部分に設けられている。左脇ボーン46は、正面支持部30の左側支持部33と背面支持部60の左側支持部65との境界の部分に設けられている。
【0061】
図3を参照して、背面支持部60の構成について説明する。
背面支持部60には、右半身の背部および右半身の肩甲部を覆う右側支持部61と、左半身の背部および左半身の肩甲部を覆う左側支持部65とが設けられている。
【0062】
右側支持部61には、右脇付近および背部の右側の部分を覆う右背部支持部62と、右側の肩甲部を覆う右肩甲部支持部63とが設けられている。また、右側支持部61の右縁が図1の右側支持部32の右縁に縫い合わせられている。右肩甲部支持部63には、右側のストラップ70が接続されている。
【0063】
左側支持部65には、左脇付近および背部の左側の部分を覆う左背部支持部66と、左側の肩甲部を覆う左肩甲部支持部67とが設けられている。また、左側支持部65の左縁が図1の左側支持部33の左縁に縫い合わせられている。左肩甲部支持部67には、左側のストラップ70が接続されている。
【0064】
右側支持部61の右背部支持部62の左縁には、6つのフック64が高さ方向に並べて設けられている。左側支持部65の左背部支持部66の右縁付近には、フック64に対応して6つのフック受部68が高さ方向に並べて設けられている。また、同6つのフック受部68を1列として、幅方向に3列のフック受部68が設けられている(図示略)。着用者は、アンダーバストのサイズに合わせてフック受部68の列を選択することにより、背面支持部60の締め付け度合いを調整することができる。
【0065】
図4を参照して、ブラジャー1を着用するときの動作について説明する。
同図は、左手により右カップ11内にバージスライン周辺の脂肪を掬い寄せる動作(下記の(手順J))を示している。右手により左カップ12内にバージスライン周辺の脂肪を掬い寄せる動作は、左手による動作と同様の態様で行なわれる。このため、右手による動作については図示を省略する。
【0066】
ユーザは、以下の手順によりブラジャー1を着用する。
(手順A)ストラップ70を肩にかける。
(手順B)右カップ11内および左カップ12内のそれぞれに乳房を収める。
(手順C)各フック64を対応するフック受部68にかける。
(手順D)右手により右側ヘムベルト34をめくり上げた状態に保持する。
(手順E)右開口部36Rの周囲の部分の脂肪を右開口部36Rに寄せる。
(手順F)右側ヘムベルト34をもとの状態に戻す。
(手順G)被覆部50を下方にずらして右開口部36Rを露出させる。
(手順H)左手を右カップ11の上方から右カップ11と乳房との間に入れる。
(手順I)左手の指先を右開口部36Rに到達させる。
(手順J)左手の指先により右開口部36Rの脂肪を右カップ11内に掬い寄せる。
(手順K)左手を右カップ11から抜き出す。
(手順L)左カップ12について(手順D)から(手順K)と同様の動作を行なう。
【0067】
上記(手順E)においての右開口部36Rの周囲の部分の脂肪には、右側ヘムベルト34の下方の脂肪、中間支持部31と対向する部分の脂肪、および右側支持部32と対向する部分の脂肪が含まれる。
【0068】
上記(手順I)において右開口部36Rに露出させる指の数は3本以上とすることが好ましい。ブラジャー1においては、右開口幅LH1が右カップ幅LC1の半分以上の大きさに設定されているため、標準的な大きさの手のユーザであれば、3本以上の指を右開口部36Rに露出させることができる。
【0069】
(実施形態の効果)
本実施形態のブラジャー1によれば以下の効果が得られる。
(1)ブラジャー1には、正面支持部30のうちのカップ部10の下方と対応する部分に開口部36が設けられている。この構成によれば、ユーザがブラジャー1を着用したときに乳房の周囲の脂肪が正面支持部30により押さえ付けられる度合いが小さくなる。これにより、乳房の下方の脂肪が分散しにくいため、乳房の周囲の脂肪をカップ部10内に掬い寄せる動作が行ないやすくなる。また、開口部36が設けられない構成と比較して、ユーザが覚える圧迫感が軽減される。
【0070】
(2)また、開口部36を用いてブラジャー1を着用するときの動作として、上記(手順E)の動作を行うことができる。これにより、カップ部10の周囲の脂肪をカップ部10に容易に掬い寄せることができる。
【0071】
(3)また、カップ部10の上方から手を差し入れて脂肪をカップ部10に掬い寄せるとき、開口部36において手を動かしながら脂肪を掬い寄せることができる。これにより、上記(手順J)の動作を容易に行うことができる。
【0072】
(4)また、開口部36が設けられない構成と比較して、カップ部10と正面支持部30とが連動しにくいため、カップ部10により乳房を安定して支持することと、正面支持部30を身体の動きに追従させることとを両立することができる。
【0073】
(5)ブラジャー1においては、正面支持部30に開口部36が設けられているため、ユーザがブラジャー1を着用したときに開口部36の縁にボディラインの段差が形成される。一方、開口部36を覆う被覆部50が設けられているため、同段差を目立たなくすることができる。
【0074】
(6)ブラジャー1においては、被覆部50の伸縮性が正面支持部30の伸縮性よりも大きい。この構成によれば、カップ部10の上方からカップ部10の裏側を介して正面支持部30の裏側に手を差し入れる動作を行なうとき、手の動きが被覆部50により妨げられることが抑制される。また、被覆部50の伸縮性が正面支持部30の伸縮性と同じまたは小さい構成と比較して、ユーザが覚える圧迫感が軽減される。
【0075】
(7)ブラジャー1においては、開口部36に対応する身体の表面を押さえ付けることが可能な張力が生じるように被覆部50が設けられている。この構成によれば、ブラジャー1を着用したユーザにおいて、開口部36に対応する部分の身体の表面が被覆部50により押さえ付けられるため、ボディラインと開口部36の縁との段差を小さくすることができる。
【0076】
(8)ブラジャー1においては、被覆部50の右縁53および被覆部50の左縁54が正面支持部30に縫い付けられている。また、被覆部50の上縁51が正面支持部30およびカップ部10から独立している。この構成によれば、正面支持部30と被覆部50の上縁との間から開口部36に手を差し入れることが可能となる。すなわち、開口部36に脂肪を寄せるための動作の態様の幅が広くなる。
【0077】
(9)ブラジャー1においては、被覆部50の上縁51および下縁52がそれぞれ正面支持部30から独立している。この構成によれば、被覆部50の上縁51および下縁52の少なくとも一方が正面支持部30に接続される構成と比較して、被覆部50を正面支持部30に対してずらすことができる量が大きくなる。このため、被覆部50を正面支持部30に対してずらした状態で開口部36の脂肪をカップ部10に掬い寄せる動作を行なうことができる。
【0078】
(10)ブラジャー1とは正面支持部30の構成が相違し、それ以外については同一の構成を有するブラジャーを「比較例のブラジャー」として、このブラジャーとの対比に基づいてブラジャー1により得られる効果について説明する。
【0079】
比較例のブラジャーにおいては、右カップ11の下方の部分から左カップ12の下方の部分までにわたり連続した1つの開口部が形成されている。この構成においては、正面支持部において右カップ11および左カップ12の間に対応する部分が開口しているため、ユーザがブラジャーを着用したときに右カップ11および左カップ12の位置が安定しないおそれがある。
【0080】
これに対して、本実施形態のブラジャー1においては、右開口部36Rと左開口部36Lとの間に設けられて右開口部36Rと左開口部36Lとを互いに隔てる中間支持部31が正面支持部30に設けられている。この構成によれば、正面支持部30において右カップ11および左カップ12の間に対応する部分が中間支持部31により支持されるため、ユーザがブラジャー1を着用したときの右カップ11および左カップ12の位置を安定させることができる。
【0081】
(11)ブラジャー1においては、右開口幅LH1が右カップ幅LC1の半分に設定されている。また、左開口幅LH2が左カップ幅LC2の半分の大きさに設定されている。この構成によれば、標準的な大きさの手のユーザにおいては、乳房の周囲の脂肪を掬い上げる動作を行なうときに開口部36に容易に手を差し入れることができる。
【0082】
(12)ブラジャー1においては、各開口部36R,36Lの幅が上方から下方に向かうにつれて次第に大きくなる。すなわち、正面支持部30においてカップ部10に近い部分の各開口部36R,36Lの幅が小さい。この構成によれば、各開口部36R,36Lの上部の幅が各開口部36R,36Lの下部の幅よりも大きい構成と比較して、ユーザがブラジャー1を着用したときのカップ部10の位置が安定する。また、開口部36の下部の幅が大きいため、上記(手順E)の動作を行うときにより多くの脂肪を開口部36に寄せることができる。
【0083】
(13)ブラジャー1においては、開口部36の縁を補強するボーン41〜44が設けられている。この構成によれば、ユーザがブラジャー1を着用したときの正面支持部30の形状が安定するため、正面支持部30によりカップ部10の位置を安定させる効果が高くなる。
【0084】
(14)ブラジャー1においては、各ヘムベルト34,35の張力が中間支持部31、右側支持部32、および左側支持部33の張力よりも大きい。この構成によれば、ユーザがブラジャー1を着用するときに各ヘムベルト34,35が身体の表面にフィットしやすくなるため、ブラジャー1を着用したユーザの動作にともない正面支持部30が身体から離れることを抑制することができる。
【0085】
(15)ブラジャー1においては、正面支持部30がカップ部10の下方からウエストと対応する部分までにわたり設けられている。この構成によれば、開口部36の面積をより大きくすることができるため、乳房の周囲の脂肪を掬い寄せる動作がより行いやすくなる。
【0086】
(16)ロングタイプのブラジャーにおいては、正面支持部が高さ方向に長いことによりカップ部周辺の脂肪を掬い寄せる作業が行ないにくい。これに対して、本実施形態のブラジャー1においては、正面支持部30に開口部36が設けられているため、カップ部10周辺の脂肪をカップ部10に掬い寄せる作業が行ないやすくなる。
【0087】
(その他の実施形態)
本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0088】
・上記実施形態のブラジャー1の構成を図5に示されるように変更することもできる。図5のブラジャー100においては、以下の各点が上記実施形態のブラジャー1から変更されている。なお、ブラジャー100において上記実施形態のブラジャー1と共通する構成については、同一の符号を付して説明する。
【0089】
(A)ブラジャー1においては、正面支持部30として下縁がウエストに対応するものが用いられている。これに対して、ブラジャー100においては、下縁が上腹部の中間に対応する正面支持部110が設けられている。
【0090】
(B)ブラジャー1においては、正面支持部30として右側ヘムベルト34および左側ヘムベルト35を有するものが用いられている。これに対して、ブラジャー100においては、ヘムベルトが省略されているとともに全体が薄手生地により構成された正面支持部110が用いられている。
【0091】
(C)ブラジャー1においては、右開口部36Rおよび左開口部36Lとして、右開口幅LH1および左開口幅LH2がそれぞれ右カップ幅LC1および左カップ幅LC2よりも小さいものが形成されている。これに対して、ブラジャー100においては、開口部120として右カップ幅LC1および左カップ幅LC2よりも幅が大きい右開口部121Rおよび左開口部121Lが形成されている。
【0092】
・上記実施形態では、右カップ11および左カップ12の間からウエストに対応する部分までにわたり中間支持部31を設けているが、中間支持部31のうちのカップ部10よりも下方の部分を省略することもできる。この構成においては、右開口部36Rおよび左開口部36Lが連続した1つの開口部が正面支持部30に形成される。
【0093】
・上記実施形態では、右側ヘムベルト34および左側ヘムベルト35としてパワー生地により構成されたものを用いているが、各ヘムベルト34,35の少なくとも一方の素材をゴムまたは薄手生地に変更することもできる。
【0094】
・上記実施形態では、右開口部36Rについて右開口幅LH1を右カップ幅LC1の半分の大きさに設定しているが、右開口幅LH1の大きさを以下のように変更することもできる。なお、左開口部36Lについても同様に左開口幅LH2の大きさを変更することができる。
(A)右開口幅LH1を右カップ幅LC1の3分の1の大きさに設定する。
(B)右開口幅LH1を右カップ幅LC1の4分の3の大きさに設定する。
(C)右開口幅LH1を右カップ幅LC1と同じ大きさに設定する。
(D)右開口幅LH1を右カップ幅LC1よりも大きいものに設定する。
(E)右開口幅LH1を右カップ幅LC1の3分の1未満に設定する。
【0095】
・上記実施形態では、右開口部36Rにおいて上方から下方に向かうにつれて右開口部36Rの幅を次第に大きくしているが、右開口部36Rの幅の大きさを以下のように変更することもできる。なお、左開口部36Lについても同様に幅の大きさを変更することができる。
(A)高さ方向の全体にわたり右開口部36Rの幅を同じ大きさにする。
(B)上方から下方に向かうにつれて右開口部36Rの幅を小さくする。
【0096】
・上記実施形態では、カップ部10の接続縁13、右側支持部32の左縁、中間支持部31の右縁、およびヘムベルト34の上縁の4つの縁により右開口部36Rが形成されているが、例えば以下の形状の開口部を形成することもできる。なお、左開口部36Lについても同様に開口部の形状を変更することができる。
【0097】
(A)右側ヘムベルト34を省略するとともに、右側支持部32の左縁の下部と中間支持部31の右縁の下部とを互いに接続する。この構成によれば、カップ部10の接続縁13、右側支持部32の左縁、および中間支持部31の右縁の3つの縁により右開口部が形成される。
【0098】
(B)右側支持部32の左縁の上部と中間支持部31の右縁の上部とを互いに接続する。この構成によれば、右側支持部32の左縁、中間支持部31の右縁、およびヘムベルト34の上縁の3つの縁により右開口部が形成される。
【0099】
(C)右側支持部32の左縁、中間支持部31の右縁、および右側ヘムベルト34の上縁の各縁を上記実施形態の直線形状から曲線形状に変更する。この構成によれば、カップ部10の接続縁13、右側支持部32の左縁、中間支持部31の右縁、および右側ヘムベルト34の上縁の4つの縁により右開口部が形成される。
【0100】
・上記実施形態では、1枚の被覆部50により右開口部36Rおよび左開口部36Lを覆う構成を採用しているが、右開口部36Rおよび左開口部36Lのそれぞれを覆う2枚の被覆部を設けることもできる。
【0101】
この構成においては、右開口部36Rに対応する被覆部の右縁が右側支持部32に縫い付けられる。また、右開口部36Rに対応する被覆部の左縁が中間支持部31に縫い付けられる。また、左開口部36Lに対応する被覆部の左縁が左側支持部33に縫い付けられる。また、左開口部36Lに対応する被覆部の右縁が中間支持部31に縫い付けられる。
【0102】
・上記実施形態では、被覆部50の上縁51を支持部20およびカップ部10から独立させているが、被覆部50の上縁51の少なくとも一部を支持部20およびカップ部10の少なくとも一方に接続することもできる。
【0103】
・上記実施形態では、被覆部50の下縁52を支持部20から独立させているが、被覆部50の下縁52の少なくとも一部を支持部20に接続することもできる。
・上記実施形態では、被覆部50の右縁53および左縁54をそれぞれ右側支持部32および左側支持部33に縫い付けているが、被覆部50に右縁53および左縁54と各支持部32,33との接続態様を次のように変更することもできる。
(A)面ファスナにより各縁53,54と各支持部32,33とを接続する。
(B)フックにより各縁53,54と各支持部32,33とを接続する。
【0104】
・上記実施形態では、被覆部50を薄手生地よりも伸縮性の大きいパワー生地により構成しているが、薄手生地よりも伸縮性の小さい生地により被覆部50を構成することもできる。また、パワー生地よりも伸縮性の大きい生地により被覆部50を構成することもできる。
【0105】
・上記実施形態では、ブラジャー1がユーザに着用されたときに適正範囲内の張力が被覆部50に生じるように基準被覆部幅LKが設定されているが、ブラジャー1がユーザに着用されたときに被覆部50に張力が生じないように基準被覆部幅LKを設定することもできる。この場合の基準被覆部幅LKは、少なくとも上記実施形態の基準被覆部幅LKよりも大きい幅となる。
【0106】
・上記実施形態では、支持部20の長さをカップ部10からウエストに対応する部分までに設定しているが、支持部20の長さを以下のように変更することもできる。
(A)カップ部10からみぞおちに対応する部分までの長さに設定する。
(B)カップ部10から下腹部に対応する部分までの長さに設定する。
【0107】
・上記実施形態では、カップ付き女性用下着としてのブラジャーに対して本発明を適用しているが、他のカップ付き女性用下着に対して本発明を適用することもできる。本発明を適用することができる他の女性用下着としては、例えばコルセット、ボディースーツ、および水着が挙げられる。
【符号の説明】
【0108】
1…ブラジャー、10…カップ部、11…右カップ、12…左カップ、13…接続縁、14…ワイヤー、20…支持部、30…正面支持部、31…中間支持部(基礎支持部)、31E…下縁、32…右側支持部(基礎支持部)、32E…下縁、33…左側支持部(基礎支持部)、33E…下縁、34…右側ヘムベルト(下方支持部)、35…左側ヘムベルト(下方支持部)、36…開口部、36R…右開口部、36L…左開口部、41…右外ボーン(補強部材)、42…右内ボーン(補強部材)、43…左外ボーン(補強部材)、44…左内ボーン(補強部材)、45…右脇ボーン、46…左脇ボーン、50…被覆部、51…上縁、52…下縁、53…右縁、54…左縁、60…背面支持部、61…右側支持部、62…右背部支持部、63…右肩甲支持部、64…フック受部、65…左側支持部、66…左背部支持部、67…左肩甲支持部、68…フック、70…ストラップ、71…アジャスター、100…ブラジャー、110…正面支持部、120…開口部、121R…右開口部、121L…左開口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳房を支持するカップ部と、同カップ部を下方から支持する支持部とを備えるカップ付き女性用衣類において、
前記支持部のうちの前記カップ部の下方と対応する部分に開口部が設けられていること
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項2】
請求項1に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記開口部を覆う被覆部が設けられていること
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項3】
請求項2に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記被覆部の伸縮性が前記支持部の伸縮性よりも大きいこと
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項4】
請求項2または3に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記被覆部が前記開口部に対応する身体の表面を押さえ付けることが可能な張力を生じること
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記被覆部の右縁および前記被覆部の左縁が前記支持部に接続されていること、
ならびに、前記被覆部の上縁が前記支持部および前記カップ部から独立していること
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項6】
請求項5に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記被覆部の下縁が前記支持部から独立していること
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記カップ部には、右の乳房を覆う右カップと左の乳房を覆う左カップとが設けられていること、
前記開口部として、前記右カップに対応する右開口部、および前記左カップに対応する左開口部が設けられていること、
ならびに、前記右開口部と前記左開口部との間に設けられて前記右開口部と前記左開口部とを互いに隔てる中間支持部が前記支持部に設けられていること
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項8】
請求項7に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記右開口部の幅が前記右カップの最大の幅の3分の1以上の大きさに設定されていること、
ならびに、前記左開口部の幅が前記左カップの最大の幅の3分の1以上の大きさに設定されていること
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記開口部の幅が上方から下方に向かうにつれて次第に大きくなること
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記支持部のうちの前記開口部の縁に対応する部分を補強する補強部材が設けられていること
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記支持部には、前記カップ部に接続されて前記支持部の主要な部分を形成する基礎支持部と、前記支持部においての前記開口部の下方に対応する部分を形成する下方支持部とが含まれること、
ならびに、前記下方支持部の張力が前記基礎支持部の張力よりも大きいこと
を特徴とするカップ付き女性用衣類。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のカップ付き女性用衣類において、
前記支持部が前記カップ部の下方からウエストと対応する部分までにわたり設けられていること
を特徴とするカップ付き女性用衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−188778(P2012−188778A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53130(P2011−53130)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000131555)株式会社シャルレ (16)
【Fターム(参考)】