説明

カテプシンKインヒビターのアミド化調製方法

本発明は、式(IIA)又は(IIB)で示されるアミノ酸を活性化し得て、塩基の存在下で、アミンと処理して、光学純度を失うことなく式(I)で示されるアミドを生成させることからなるアミド化方法について記載する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、ペルフルオロ化アミノ酸を活性化し得て、塩基の存在下で、アミンで処理して、光学純度を失うことなくアミドを生成させることからなるアミド化方法について記載する。得られるアミドは選択的カテプシンKインヒビターであり、それは、骨粗しょう症及び転移性骨疾患の治療に使用し得る。
【発明の概要】
【0002】
発明の要旨
本発明により、構造式(I):
【0003】
【化1】

【0004】
で示される化合物の調製方法であって、式(IIA)で示される塩又は式(IIB)で示される酸:
【0005】
【化2】

【0006】
[式中、RはC1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルであり;
はC1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルであり;
はSO(C1−6アルキル)であり;
Xは三級アミン、二級アミン、又は金属塩であり;及び
mは0ないし2の整数である]を、カップリング剤、塩基、及び溶媒の存在下で、l−アミノシクロプロパンカルボニトリルによりアミド化することを特徴とする前記方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は結晶性N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドの特徴的なX線回折パターンである。
【図2】図2は結晶性N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドの典型的な示差走査熱量測定(DSC)曲線である。
【図3】図3は無定形の(アモルファスの)N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドの典型的な示差走査熱量測定(DSC)曲線である。
【0008】
発明の詳細な記載
本発明により、構造式(I):
【0009】
【化3】

【0010】
で示される化合物の調製方法であって、式(IIA)で示される塩又は式(IIB)で示される酸:
【0011】
【化4】

【0012】
[式中、RはC1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルであり;
はC1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルであり;
はSO(C1−6アルキル)であり;
Xは三級アミン、二級アミン、又は金属塩であり;また、
mは0ないし2の整数である]を、カップリング剤、塩基、及び溶媒の存在下で、1−アミノシクロプロパンカルボニトリルによりアミド化することを特徴とする前記方法が提供される。
【0013】
本発明の実施態様において、RはC1−6ハロアルキルである。本発明の一クラスにおいて、Rは(2−フルオロ、2−メチル)プロピルである。
【0014】
本発明の実施態様において、RはC1−6ハロアルキルである。本発明の一クラスにおいて、Rはトリフルオロメチルである。
【0015】
本発明の実施態様において、RはSO(C1−6アルキル)である。本発明の一クラスにおいて、RはSOCHである。
【0016】
本発明の実施態様において、Xは二級アミンである。本発明の一クラスにおいて、XはDCHAである。
【0017】
本発明の実施態様において、式(I)の化合物は下式のN−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドである。
【0018】
【化5】

【0019】
α−アミノ酸又はその対応する塩を活性化し、次いで塩基の存在下で、アミンで処理する。活性化はハロゲン化アシル、混合無水物の形成により、又はカップリング剤での処理により、さらなる活性化剤を用いるか、又は用いずに、適当な塩基の存在下で、適当な溶媒中で、達成してもよい。
【0020】
本発明の実施態様において、カップリング剤はカルボジイミド、ホスホニウム塩、又はウロニウム塩である。本発明の一クラスにおいて、カップリング剤はEDCである。
【0021】
本発明の実施態様において、活性化剤はHOBt、N−ヒドロキシコハク酸イミド、2−ヒドロキシピリジン、N−ヒドロキシフタルイミド、又はCDIである。本発明の一クラスにおいて、活性化剤はHOBtである。
【0022】
本発明の実施態様において、塩基はN−メチルモルホリン、TEA、N−エチルジイソプロピルアミン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、又は1−メチルピペリジンである。本発明の一クラスにおいて、塩基はN−メチルモルホリンである。
【0023】
本発明の実施態様において、溶媒はDMF、DMAc、NMP、アセトニトリル、THF、又はDMSOである。本発明の一クラスにおいて、溶媒はDMFである。
【0024】
本発明の実施態様においては、構造式:
【0025】
【化6】

【0026】
で示される化合物の調製方法であって、式:
【0027】
【化7】

【0028】
で示される塩を、EDC、HOBt、N−メチルモルホリン、及びDMFの存在下で、1−アミノシクロプロパンカルボニトリルでアミド化することを特徴とする前記方法である。
【0029】
本明細書にて使用する場合、「アルキル」という用語は、直鎖若しくは分枝鎖の鎖状の飽和炭化水素から1個の水素原子を概念的に除去することによって誘導された置換し得る一価の基を意味する(すなわち、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCHCHCH、−CHCH(CH、−C(CHなど)。
【0030】
当業者が正しく認識するものとして、「ハロ」又は「ハロゲン」は、本明細書にて使用する場合、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードを包含するものとする。「ケト」という用語は、カルボニル(C=O)を意味する。用語「アルコキシ」は、本明細書にて使用する場合、アルキルが上記定義のように、酸素原子を介して該分子の残りの部分に結合しているアルキル部分を意味する。アルコキシの例は、メトキシ、エトキシなどを包含する。
【0031】
用語「ハロアルキル」とは、別に特定しない限り、1個ないし5個、好ましくは1個ないし3個のハロゲンにより置換された上記定義のアルキル基を意味する。代表的な例は、限定されるものではないが、トリフルオロメチル、ジクロロエチルなどである。
【0032】
用語「三級アミン」とは、限定されるものではないが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、及びビス−トリスである。
【0033】
用語「二級アミン」とは、限定されるものではないが、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエタノールアミン、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、及びジシクロヘキシルアミン(DCHA)である。
【0034】
用語「金属塩」とは、限定されるものではないが、アルミニウム、アンチモン、カルシウム、銅、金、鉄、鉛、リチウム、マグネシウム、白金、カリウム、ナトリウム、銀、ストロンチウム、スズ、チタン、タングステン、及び亜鉛の塩である。好適な金属塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、及び亜鉛の塩である。
【0035】
用語「カルボジイミド」とは、カルボン酸をアミドの生成に向けて活性化するためにしばしば使用される一群のカップリング剤をいう。限定するものではないカルボジイミドの例は:DCC(N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DIC(N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド)、及びEDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)である。
【0036】
ホスホニウム塩という用語は、カップリング剤として有用なホスホニウムイオン(PH)を含む塩をいう。限定するものではないホスホニウム塩の例は、ヨウ化ホスホニウム、ヨウ化テトラメチルホスホニウム、PyBrOP(ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、及びPyAOP((7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)である。
【0037】
ウロニウム塩(uronium salt)という用語はウロニウムイオンを含む塩をいう。限定されるものではないウロニウム塩の例は、HBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HATU(2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、TATU((O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロボレート)、及びTBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロボレート)である。
【0038】
結晶性N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドについて、銅Kα放射線を用いて集めた、19.7、20.1、及び17.6度での特徴的な反射ピークに相当するX線粉末回折(XRPD)パターンにより特徴づけられる。このパターンはさらに23.6、17.9、及び19.1度での特徴的な反射ピークにより特徴づけられる。このパターンはさらに24.8、11.7、及び11.9度での特徴的な反射ピークにより特徴づけられる。XRPDパターンは、シンタッグ(Scintag)XDS−2000、Si(Li)ペルティエ−冷却ソリッドステート検出計、CuKα源(発生器電力:45kV及び40mA)、及び拡散ビーム(2mm及び4mm)及び受ビームスリット(0.5mm及び0.2mm)により測定する。走査範囲はステップサイズ0.02°及び計測時間2秒として2−40°2θにセットする。標品はポテンシャル面内配向効果を減少させるために回転させながら、石英ディスク上で測定する。ピーク位置は標準のコランダムプレート(NIST SRM1976)を用いて、毎週、正確さを確かめる。
【0039】
上記のX線粉末回折パターンに加えて、結晶性N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドは、214℃での融解開始点により特徴づけられる。DSC熱挙動はセイコーロボットDSC(RDC−220)を用いて検討する。DSC分析(n=2)はひだ状アルミニウムパン中で実施する(2、10、及び20℃/分、80mL/分の窒素)。DSCはガリウム(グッドフェロー、99.99%純度)、インジウム(グッドフェロー、99.999%純度)、及びスズ(NIST SRM2220)での温度と熱流について校正する。
【0040】
無定形のN−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドも観察し得る。無定形フォームのガラス転移温度は温度サイクリングにより評価し、その中間点で測定する。標品を10℃/分で−30℃から75℃に加熱し、次いで10℃/分で−30℃まで冷却し、次いで、その標品を10℃/分で180℃まで再加熱する(n=1)。約64℃のガラス転移温度(Tg)(中間点、10℃/分)とそれに引き続くピーク温度101℃での発熱転移(無定形物質の再結晶化による)が主として無定形(アモルファス)である標品について得られる。DSC熱挙動はセイコーロボットDSC(RDC−220)を用いて検討する。DSC分析(n=2)はひだ状アルミニウムパン中で実施する(2、10、及び20℃/分、80mL/分の窒素)。DSCはガリウム(グッドフェロー、99.99%純度)、インジウム(グッドフェロー、99.999%純度)、及びスズ(NIST SRM2220)での温度と熱流量について測定される。
【0041】
下記反応工程図及び実施例において、種々の試薬の記号及び略号は、以下の意味を有する:
【0042】
【化8】

【0043】
反応工程図1は、カップリング剤、活性化剤、及び塩基の存在下で、置換α−アミノ酸又はその塩とアミンとを反応させ、α−立体中心(α−stereocenter)のエピマー化を起こさずに、対応するα−アミノ酸産物を生成させることを示す。
【0044】
【化9】

【0045】
以下の実施例は、本発明化合物の調製についてさらにその詳細を説明する。当業者は以下の調製手法の条件と工程の既知の変更が、これらの化合物を調製するために使用し得ることを容易に理解しよう。温度は他の方法を示さない限り、すべて摂氏(degree Celsius)である。
実施例1
【0046】
4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシン・ジシクロへキシルアミン塩
【0047】
【化10】

【0048】
ビフェニル酸(20.74g)を2−プロパノール(186mL)/水(20.7mL)に溶解した。2−プロパノール(21mL)/水(2mL)中のN,N−ジシクロヘキシルアミン(9.82mL)の溶液を加え(約10%容量)、この溶液にDCHA塩(10mg)を種として加えた。形成された重みのある種晶床(seed bed)とスラリーを室温で30分間攪拌した。DCHAの添加は20〜30分間継続した。スラリーを室温で一夜攪拌し、濾過した。濾過ケーキを2−プロパノール/水(2×30mL、10:1)及びMTBE(2×30mL)で洗浄した。DCHA塩を白色固体として得た。24.4g(84%収率)。H NMR(CDOD)δ8.07(d,2H,J=8.0),7.94(d,2H,J=8.0),7.75(d,2H,J=8.0),7.61(d,2H,J=8.0),4.31(m,1H),3.46(bq,1H,J=4),3.22(m,2H),3.19(s,3H),2.11(bm,5H),1.91(bm,5H),1.75(bm,2H),1.49(d,3H,J=21.6),1.48(d,3H,J=21.6),1.35(m,9H);19FNMR(CDOD)δ−72.9,−129.4;mp209−211℃,[α]20+18.7(c=0.29,MeOH)。
実施例2
【0049】
N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド
【0050】
【化11】

【0051】
酸(1.9g)をDMAc(10mL)に溶解し、0℃に冷却した。1−アミノシクロプロパンカルボニトリル塩酸塩(0.57g)及びHATU(1.85g)を加えた。得られるスラリーを15分間攪拌し、DIEA(2.12mL)を1.5時間で加えた。反応液を1時間熟成させた。水(11.2mL)を滴下漏斗から70分を要して加え、そのスラリーを20℃で1時間熟成させた。混合物を濾過し、濾過ケーキをDMAc:水の溶液(9.4mL、1:1.2)、水(18.7mL)、2−プロパノール(9.3mL)で洗った。バッチを乾燥して対応するアミド(1.67g;79%収率)を得た。
【0052】
アミド(2.56g)を30℃でTHF(30.7mL)に溶かした。水(19mL)は滴下漏斗から加えた。バッチに種晶を加え、20℃で1時間熟成させた。追加の水(40.9mL)を1.5時間かけて加え、そのバッチを16時間熟成させた。バッチを濾過し、水(15mL)で洗浄した。固形物は一定重量となるまで乾燥し、純アミド(2.50g;97%収率)を得た。H NMR(CDOD)δ8.17(bs,1H),8.05(d,2H,J=8.5),7.96(d,2H,J=8.5),7.80(d,2H,J=8.0),7.64(d,2H,J=8.0),4.43(m,1H),3.55(ddd,1H,J=5.0,8.5,8.0),3.18(s,3H),2.84(bm,1H),2.02(m,2H),1.46(d,3H,J=21.5),1.43(d,3H,J=22.0),1.36(m,2H),1.07(m,1H),0.94(m,1H);13CNMR(CDOD)δ;19FNMR(CDOD)δ−73.2,−136.8;IR(cm−1)3331,2244,1687,1304,1152;mp223−224℃,[α]20+23.3(c=0.53,MeOH)。
実施例3
【0053】
N−(1−シアノシクロプロピル)−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド
【0054】
【化12】

【0055】
丸底フラスコにビフェニル酸・DCHA塩(76.6g;99.2%ee;ジアステレオマー比342:1)及びDMF(590g)を満たした。固形のアミノシクロプロパンカルボニトリルHCl(15.2g)、HOBt・HO(17.9g)、及びEDC・HCl(29.1g)すべてを加えると、白色スラリーが形成された。次いで、バッチを38〜42℃に加熱し、5時間熟成した。次いで、バッチを20〜25℃に冷却し、一夜保持した。HPLC分析は99.4%の変換を示した。このバッチを38〜42℃に加熱し、水(375g)を2時間かけてバッチに加えた。バッチは水添加の間中、スラリー状に維持した。次いで、バッチを58〜62℃に加熱し、1時間熟成した。熟成の後、水(375g)を2.1g/分の速度で3時間かけて加えた。次いで、バッチを15〜25℃に冷却し、一夜熟成した。バッチを濾過し、39%DMF/水(2×300g)と2−プロパノール(180g)で洗った。固形物をフィルター中、40〜60℃で24時間乾燥した。所望の粗生成物を白色固体として単離した(57g、92%収率、99.4wt%)。粗生成物(57g)及びアセトン/水溶液(324g、88/12)を丸底フラスコに満たした。次いで、このスラリーを40℃に加熱すると、この時点でバッチが溶液となった;これを1時間熟成した。次いで、水(46g)を30分間かけて加えた。次いで、バッチに種晶(1.7g、3.0wt%)を加え、バッチを40℃で1時間熟成し、その後、結晶化を続行した。水(255g)を4.5時間かけて加えた。次いで、バッチを1.5時間で23℃に冷やし、4時間熟成し、濾過した。固形物をアセトン/水(158g、45/55)及び水(176g)で洗った。濾過ケーキを55℃の窒素の掃引/減圧により乾燥した。所望の生成物(57.2g、99.9wt%、99.8A%(エナンチオマーND))を94.9%収率で得た。HNMR(CDOD)δ8.17(bs,1H),8.05(d,2H,J=8.5),7.96(d,2H,J=8.5),7.80(d,2H,J=8.0),7.64(d,2H,J=8.0),4.43(m,1H),3.55(ddd,1H,J=5.0,8.5,8.0),3.18(s,3H),2.84(bm,1H),2.02(m,2H),1.46(d,3H,J=21.5),1.43(d,3H,J=22.0),1.36(m,2H),1.07(m,1H),0.94(m,1H);13CNMR(CDOD)δ;19FNMR(CDOD)δ−73.2,−136.8;IR(cm−1)3331,2244,1687,1304,1152;mp223−224℃,[α]20+23.3(c=0.53,MeOH)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

で示される化合物の調製方法であって、式(IIA)で示される塩又は式(IIB)で示される酸:
【化2】

[式中、RはC1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルであり;
はC1−6アルキル又はC1−6ハロアルキルであり;
はSO(C1−6アルキル)であり;
Xは三級アミン、二級アミン、又は金属塩であり;及び
mは0ないし2の整数である]を、カップリング剤、塩基、及び溶媒の存在下で、1−アミノシクロプロパンカルボニトリルによりアミド化することを特徴とする前記方法。
【請求項2】
カップリング剤が、カルボジイミド、ホスホニウム塩、又はウロニウム塩である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
塩基が、N−メチルモルホリン、TEA、N−エチルジイソプロピルアミン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、又は1−メチルピペリジンである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
溶媒が、DMF、DMAc、NMP、アセトニトリル、THF、又はDMSOである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
さらに活性化剤を含んでなる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
活性化剤が、N−ヒドロキシコハク酸イミド、2−ヒドロキシピリジン、N−ヒドロキシフタルイミド、CDI、又はHOBtである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
カップリング剤がEDCであり、活性化剤がHOBtであり、塩基がN−メチルモルホリンであり、溶媒がDMFである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
がC1−6ハロアルキルであり、RがC1−6ハロアルキルであり、RがSO(C1−6アルキル)である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
が(2−フルオロ、2−メチル)プロピルであり、Rがトリフルオロメチルであり、RがSOCHである、請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−523500(P2010−523500A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501337(P2010−501337)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000605
【国際公開番号】WO2008/119176
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】