カテーテル組立体
【課題】少なくともガイドワイヤ孔と配送孔を有するカテーテルを提供する。
【解決手段】近位端と遠位端間に延在する長手、及び近位端から遠位端まで延在する配送孔と近位ガイドワイヤ出口ポートを有するガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、近位端から近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位点に延びた近位部配送孔内に配置され、かつ近位点から遠位点へ相対的に硬直から柔軟へ移行する強化管状部材、ならびに少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有する遠位部を含み、遠位部ガイドワイヤ受け孔が近位部ガイドワイヤ受け孔と流体連通し、遠位部配送孔が近位部配送孔と流体連通し、配送孔は遠位部で外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成され、かつ近位ガイドワイヤ出口ポートはカテーテルの遠位部の遠位端から10cm未満または10cmを超えて配置されているカテーテル。
【解決手段】近位端と遠位端間に延在する長手、及び近位端から遠位端まで延在する配送孔と近位ガイドワイヤ出口ポートを有するガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、近位端から近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位点に延びた近位部配送孔内に配置され、かつ近位点から遠位点へ相対的に硬直から柔軟へ移行する強化管状部材、ならびに少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有する遠位部を含み、遠位部ガイドワイヤ受け孔が近位部ガイドワイヤ受け孔と流体連通し、遠位部配送孔が近位部配送孔と流体連通し、配送孔は遠位部で外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成され、かつ近位ガイドワイヤ出口ポートはカテーテルの遠位部の遠位端から10cm未満または10cmを超えて配置されているカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともガイドワイヤ孔と配送孔を有するカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル装置によっていろいろな異なる治療物質を人体内に送り込むことができる。人体内の所望部位への配送のために、膨張バルーン、ステント、及び塞栓フィルターなどの治療装置、及び医薬や放射線源などの治療物質をカテーテルの遠位端又はその近くに配置することができる。
【0003】
従来技術は、血管内カテーテルの多数の例を開示している。このようなカテーテルは、血管形成術やステント留置などの処置に特別な有用性を見出している。最近特に関心が高いのは、経皮経管冠動脈形成(PTCA)処置に使用するためのカテーテルの改良である。典型的なPTCA処置では、ガイディング・カテーテルの遠位先端が所望の冠動脈の口(ostium)に落ち着くまで、患者の血管系にガイディング・カテーテルが進められる。最初にガイドワイヤがガイディング・カテーテルの遠位端から患者の冠動脈の中に、ガイドワイヤの遠位端が膨らませようとする病巣を横切るまで進められる。遠位部に膨張可能なバルーンを有する膨張カテーテルが、患者の冠動脈に、前に導入されたガイドワイヤ上を膨張カテーテルのバルーンが病巣を横切って適切に配置されるまで進められる。いったん適切に配置されたら、膨張バルーンは比較的高い圧力で膨張流体によって一回以上所定のサイズに膨らまされ、狭窄が動脈壁に圧しつけられ、壁が延伸して血管通路を開くようにする。一般に、膨張したバルーンの直径は膨らませている体孔の生来の直径とほぼ同じ直径であり、完全に膨張しても動脈壁を延ばし過ぎることがないようなものである。バルーンが最終的に膨らまされた後、膨らまされた動脈を通って血流が再開され、膨張カテーテルとガイドワイヤを除去することができる。
【0004】
このような血管形成術では、動脈の再狭窄(すなわち、動脈の閉塞の再形成)が起こり、別の血管形成処置、又は他の何らかの方法による広げた区域の修復又は補強が必要になることがある。血管形成術のみの再狭窄発生率を減らし、広げた区域を強化するために、現在では通常、医師は血管内補装具、一般にステントと呼ばれるもの、を動脈内の病巣の場所に埋め込む。ステントは、また、剥離血管壁又は切開を有する血管を修復するために、又は一般に弱くなった血管部分を強化するために、又はその開存性を維持するためにも用いられる。ステントは、通常、冠動脈の所望場所まで、カテーテルのバルーン上に収縮した状態で、多くの点でバルーン血管形成術カテーテルと類似した状態で送り込まれ、患者の動脈内でバルーンの膨張によってより大きな直径に膨張される。バルーンを収縮させてカテーテルを取り出し、ステントは動脈内の膨らまされた病巣部位に留置される。
【0005】
冠動脈カテーテルに関して、二つの主要タイプのカテーテル設計、すなわち、オーバー・ザ・ワイヤ(OTW)及び迅速交換(RX)、がこの用途で主流になっている。これらの各設計はそれぞれの利点と欠点を有する。OTWカテーテルは、その全長にわたってガイドワイヤ上にあり、それによってワイヤを容易に追従することができ、ガイドワイヤ上で長手方向の力の直接伝達を可能にする。さらに、これらのカテーテルは、カテーテルをその位置まで進めた後にガイドワイヤを交換することを可能にするので、異なるガイドワイヤ属性(例えば、先端の曲率又は放射線に不透明なマーカー)が必要な場合に望ましい。しかし、これらのシステムは長いガイドワイヤ(例えば、長さが300cm)を用いる必要があり、一人の人間が効果的に操作することができない。
【0006】
RXカテーテルは、普通、もっと短いガイドワイヤ(例えば、長さが180cm)を用いるので、一人の医師がカテーテルを操作することが可能になる。医師は、ガイド・カテーテルとガイドワイヤを片手で保持しながら彼/彼女のもう一つの手を用いてカテーテルをガイドワイヤに沿って進めたり引っ込めたりすることができる。しかし、RXカテーテルの全長がガイドワイヤ上でスライドするわけではないので、ガイドワイヤの経路に沿った長手方向の力の直接伝達は完全ではなく、近位カテーテル・ガイドワイヤ・ポートが患者の体内に進められてしまうとワイヤ交換はできなくなる。RXカテーテル設計のもう一つの問題は、従来のOTWカテーテルに比較して、この設計では、押し進めやすさが劣り、座屈及び/又はよじれを生じやすい−特に近位(又は迅速交換)ガイドワイヤ出口ポート又はその近くで生じやすいカテーテルになることである。
【0007】
最近導入された冠動脈カテーテルは、OTWとRXカテーテルのハイブリッドであり、“コンバーチブル”カテーテルと呼ばれることもある。例えば、Johnsonに付与されたUS 特許 5,334,147及び5,380,283は、カテーテルの壁を通してガイドワイヤ孔に開いた開口を含む近位部を有するバルーン・カテーテルの構成を教示している。この開口はこわれやすい壁で被われている(例えば、開口部を被う位置でカテーテル・ボデーに封止された薄い壁のチューブ)。この壊れやすい壁は、ガイドワイヤで壊して、開口を通してガイドワイヤをカテーテル・ガイドワイヤ孔から出すことができる。このようにして、迅速交換とオーバー・ザ・ワイヤの両方の能力を与える。
【0008】
Teirsteinに付与されたUS 特許 5,472,425は、実質的にカテーテルの全長にわたって延びる破りやすい膜で被われたガイドワイヤ孔を有するカテーテルを記載しており、膜をガイドワイヤによって所望任意場所で破ることができる。このようにして、迅速交換とオーバー・ザ・ワイヤの両方の能力を与える。このカテーテルの使用と一般的な構成は関連しているが、破れやすい膜の材料や具体的な構成は教示されていない。
【0009】
2003年3月28日に出願されたArmstrong 他により共同される同時係属のUS 特許出願番号10/402,083は、カテーテルに沿って事実上任意の所望点で容易に破いてガイドワイヤ出口ポートを形成できる薄いカバリングを有するガイドワイヤ孔を含むユニークなコンバーチブル・カテーテルを記載している。薄いカバリングは、カテーテル・シャフトと一体であっても、ガイドワイヤ孔の外側部にすぐ隣接するカテーテル・シャフトの部分だけを被う別の構成要素であっても、又はカテーテル・シャフト全体を囲む薄い管状構成物であってもよい。開示された一実施形態では、薄いカバリングは、カテーテル・シャフトの外側に螺旋状に巻かれた多孔性の延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の薄いテープから作られる。巻き付けは、例えば、カテーテル・シャフトに平行な二つの対向する方向に行われ、バイアス−プライ(bias-ply)な構成になる。この薄いカバリングは良好な透明性を付与し、(例えば、ガイドワイヤの端によって)容易に穿孔され、しかも穿孔部位で引裂きに対して抵抗する。薄いカバリングとして開示された他の物質は、例えば、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、などである。多孔性ポリマーに、薄い非多孔性コーティングを選択的に施したものは、その優れた柔軟性により有利に使用できる。最も好ましいのは、ePTFEフィルムから作られ、熱可塑性フッ素ポリマー、好ましくはフッ素化エチレン・プロピレン(FEP)の多孔性又は非多孔性コーティングを施したものである。典型的なePTFEフィルムは、Goreに付与されたUS 特許 3,953,566及び4,187,390に教示されているように作ることができる。さらに好ましくは、Bacinoに付与されたUS 特許 5,476,589に教示されているように作られるePTFEフィルムである。ePTFEフィルム及び熱可塑性コーティングされたePTFEフィルムからの薄い螺旋状に巻かれた管の構成、及びePTFEフィルムにコーティングを施す方法、は、例えばCampbell 他に付与されたUS 特許 6,159,565に教示されている。ガイドワイヤ孔は、カテーテル・シャフトに作られた溝の形で、溝に薄いカバリングを設けたものであってもよい。好ましくは、溝はカテーテルの長さの大部分、又は全長、にわたって延びている。溝は、カテーテル・シャフト全体を同軸的に囲む薄い管状カバリングで、あるいは、溝を被って溝の両側にすぐ隣接するカテーテル・シャフトの表面に接着される薄いテープ状カバリング物質の帯で被うことができる。多数の予め形成された開口を、所望により、薄いカバリングに設けることができる。また、溝を被う材料は、編みひも又はフィラメントの巻き線という形を取ることもできる。この編みひも又はフィラメントの巻き線を、好ましくは露出させたままにして隣接するフィラメントの隙間へガイドワイヤの端を通すことができるようにする溝のすぐ上を除いて、選択により薄いポリマーの管で被うこともできる。
【0010】
血管形成術やステント配送などの血管内の処置のための通常のバルーン・カテーテルについてのもう一つの問題は、このようなカテーテルはしばしば、患者の体孔内でカテーテルを進めやすくするために硬い近位部と、遠位冠動脈や神経動脈などの曲がりくねった解剖構造を孔壁に損傷を与えることなく通過させやすくするために比較的柔軟な遠位シャフト部分を有することである。普通、比較的硬い近位シャフト部分と比較的柔軟な遠位シャフト部分との間に中間シャフト部分又は接合部があって、それによって近位シャフト部分から遠位シャフト部分に移行する。
【0011】
迅速交換性能、良好な押し進めやすさ、近位端から遠位端への滑かで柔軟性のある移行、及び座屈及び/又はよじれに対する良好な抵抗(特に近位(又は迅速交換)ガイドワイヤ出口ポート近くで)をカテーテルに与えるという問題に対して提案されたいろいろな解決方法が試みられている。しかし、これらの問題をすべて克服したカテーテルの探求は続いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US 特許 5,334,147
【特許文献2】US 特許5,380,283
【特許文献3】US 特許 5,472,425
【特許文献4】US 特許出願番号10/402,083
【特許文献5】US 特許 3,953,566
【特許文献6】US 特許4,187,390
【特許文献7】US 特許 5,476,589
【特許文献8】US 特許 6,159,565
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこれらの問題を克服することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための本発明によるカテーテルは、位近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを有するガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の近位端から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位な点まで延びた前記近位部の配送孔内に配置され、かつ近位点から遠位点へ相対的に硬直から相対的により柔軟へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有する遠位部を含み、
前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通し、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成され、かつ前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cm未満に配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によるカテーテルの他の形態によれば、近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを有するガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の近位端から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位な点まで延びた前記近位部の配送孔内に配置され、かつ近位点から遠位点へ相対的に硬直から相対的により柔軟へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有する遠位部を含み、
前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通し、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成され、かつ
前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cmを超えて配置されていることを特徴とする。好適形態によれば、前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から24 cm乃至34 cmのところに配置されている。
【0016】
上記カテーテルの好適形態によれば、前記近位部と前記遠位部がジョイントで結合されている。前記カテーテルは、近位部から遠位部へ、スムースなジョイントで、一方が他方に重なることなく移行していることが好ましい。
【0017】
上記カテーテルの好適形態によれば、前記近位部と前記遠位部がプラスチック押出から形成されている。
【0018】
上記カテーテルの好適形態によれば、前記強化管状部材は、近位端から遠位端へ柔軟性が連続的に増大している。前記強化管状部材は、前記強化管状部材の全長にわたって前記近位部の配送孔の内径に等しい外径を有していてよい。
【0019】
上記カテーテルの好適形態によれば、前記強化管状部材は螺旋状にカットされた管を含み、前記螺旋状にカットされた管は、10 mmのピッチから遠位端における1 mmのピッチまで連続的に移行している。同様に、前記強化管状部材は、少なくとも二つの剛性の異なる材料で構成されていてよい。同様に、前記強化管状部材は、近位端から遠位端へ向って減少する壁厚を有してよい。
【0020】
好適形態によれば、前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点における相対的硬直性から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点において相対的により柔軟性へ移行していてよい。
【0021】
選択的形態によれば、前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点まで同じ柔軟性を維持していてよい。
【0022】
他の形態による本発明のカテーテルは、近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端から前記遠位端まで延びたガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部であって、前記ガイドワイヤ受け孔が近位端と遠位端との間に配置された第一近位ガイドワイヤ出口ポートと前記近位端に配置された第二近位ガイドワイヤ・ポートを有する近位部、
前記近位部の配送孔に配置された強化管状部材であって、近位点から遠位点まで相対的硬直性から相対的により柔軟性へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有し、前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通する遠位部を含み、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成されていることを特徴とする。
【0023】
好適形態によれば、前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cm未満に位置している。選択的形態によれば、前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cmを超えて位置している。好適形態によれば、前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から24 cm乃至34 cmに位置している。
【0024】
好適形態によれば、前記近位部と前記遠位部がジョイントで結合されている。好適には、前記カテーテルは、前記近位部から前記遠位部へ、スムースなジョイントで、一方が他方に重なることなく移行している。
【0025】
好適形態によれば、前記強化管状部材が螺旋状にカットされた管を含む。好適には、前記螺旋状にカットされた管は、10 mmのピッチから遠位端における1 mmのピッチまで連続的に移行している。
【0026】
好適形態によれば、前記遠位部ガイドワイヤ受け孔と前記遠位部配送孔が前記遠位部の近位端の近くで平行から同軸へ移行している。
【0027】
好適形態によれば、前記カテーテルの遠位部の遠位端にバルーンが配置されている。好適には、前記バルーンにステントが取り付けられている。
【0028】
好適形態によれば、前記近位部と前記遠位部がプラスチック押出成形により形成されている。
【0029】
好適形態によれば、前記強化管状部材は、近位端から遠位端まで柔軟性が連続的に増大している。好適形態によれば、前記強化管状部材は、前記強化管状部材の全長にわたって前記近位部の配送孔の内径に等しい外径を有する。
【0030】
好適形態によれば、前記強化管状部材は、管が近位端から遠位端へ向うにつれて減少する壁厚を有する。前記強化管状部材は、少なくとも二つの剛性の異なる材料から構成されてよい。
【0031】
好適形態によれば、前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点における相対的硬直性から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点において相対的に柔軟性へ移行している。
【0032】
更に、他の形態による本発明のカテーテルは、近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と、穿刺されて近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを形成することができる薄い物質が設けられかつ長手方向に延びたチャンネルによって形成されたガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の配送孔に配置された強化管状部材であって、近位点から遠位点まで相対的硬直性から相対的により柔軟性へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有し、前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通する遠位部を含み、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成されていることを特徴とする。
【0033】
本発明の概要によれば、少なくとも二つの孔を有するカテーテルが開示される。カテーテルは近位部と遠位部を含む。近位部と遠位部はジョイントで結合される、又はそれらの部は、例えば、プラスチック材料の押出によって形成される単一のピースである。近位部は、少なくとも近位端(又は近位端の近く)から遠位端へ延びる配送孔を含む。近位部配送孔の少なくとも一部分には強化管状部材が配置され、近位部配送孔の少なくとも一部分に強化管状部材が配置され、それは近位部配送孔の壁を構造的に支持するように位置決めされる。強化管状部材は、近位点での相対的硬直(rigid)から、遠位点での相対的により柔軟な状態(flexible)に移行するように構成又は設計されている。本発明の一形態では、強化管状部材は、実質的近位端における相対的硬直状態から遠位点で相対的柔軟なものへ移行する。本発明の一形態では、強化管状部材は近位部の近位端から遠位端(又はその近く)まで延びている。
【0034】
カテーテルの近位部は、また、ガイドワイヤ受け孔を含む。ガイドワイヤ受け孔は近位部の遠位端から近位端の遠位の点まで延びている、又はガイドワイヤ受け孔は近位部の遠位端から近位端まで延びている。ガイドワイヤ受け孔は少なくとも一つの近位ガイドワイヤ出口ポートを近位部の遠位端から近い位置に含む。強化管状部材は近位ガイドワイヤ出口ポートの遠位の点まで延び、近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位に延びる強化管状部材の少なくとも一部分で配送孔の内径にほぼ等しい外径を有する。このような方法により強化管状部材を近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位へ延在させることにより、カテーテルは柱としての強度が改善され(すなわち、所望治療部位へ向けて進められる又は押されるときに座屈に対して抵抗する)、押し進めやすさが改善される。ガイドワイヤ受け孔と配送孔は平行関係になければならない。これによって強化管状部材が近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位に延びることが可能になり、同時に外径を配送孔の内径とほぼ同じに維持して近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位な孔の周囲まわりで構造的な支持を提供することができる。
【0035】
カテーテルの遠位部は、少なくともガイドワイヤ受け孔と配送孔を含む。本発明のある形態では、ガイドワイヤ受け孔は遠位部の近位端から遠位部の遠位端まで延びている。ガイドワイヤ受け孔は遠位部の近位端から遠位端に近位の点まで延びていてもよい。配送孔は遠位部の近位端からその遠位端まで、又は遠位端に近位の点まで延びている。遠位部の配送孔は近位部配送孔と流体により連通しており、遠位部のガイドワイヤ受け孔は近位部のガイドワイヤ受け孔と流体により連通している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるカテーテルの長手方向の図である。
【図2】図1のカテーテルの、図1の線2−2に沿って取った断面図である。
【図3】図1のカテーテルの、図1の線3−3に沿って取った断面図である。
【図4】図1のカテーテルの、図1の線4−4に沿って取った断面図である。
【図5】本発明によるカテーテルの一部の長手方向の断面図である。
【図6】本発明によるカテーテルの長手方向の図である。
【図7】図6のカテーテルの、図6の線7−7に沿って取った断面図である。
【図8】図6のカテーテルの、図6の線8−8に沿って取った断面図である。
【図9】本発明によるカテーテルの長手方向の図である。
【図10】図9のカテーテルの、図6の線10−10に沿って取った断面図である。
【図11】図9のカテーテルの、図6の線11−11に沿って取った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、いくつかの好適実施形態を詳細に示した図面を参照することにより最良に理解できるであろう。
【0038】
図1を参照すると、迅速交換タイプのバルーン・カテーテル10が示されている。普通、このようなカテーテルの近位端にはハブ組立体11が設置されている。理解できるように、カテーテル10は近位部と遠位部を含み、この場合それらがジョイント12において当接関係で結合している。近位部と遠位部は、任意適当方法で結合できる、例えば接着剤によって接合したり、融合させたり、溶接したりできる。本発明の一形態では、近位部と遠位部は、突き合わせ溶接、糊付け等によって一緒にされ、一方の部が他方の部と重合することなく、各片中空管等の移行片を取付けることなく、スムース・ジョイントを形成する。図2に示されているように、近位部は外壁材料14(プラスチック材料、又はその他の適当な材料等)と外壁14を支持する強化管状部材15を含む。近位部は、また、近位部の近位端から遠位端へ延びる配送孔16を含む。
【0039】
近位部は、また、図3に示されているように、その遠位端の近くにガイドワイヤ受け孔17を配送孔16と平行関係で含む。ガイドワイヤ受け孔17は、近位ガイドワイヤ出口ポート21から遠位方向に近位部の遠位端へ延びている。ガイドワイヤ受け孔17と配送孔16は近位ガイドワイヤ出口ポート21から近位部の遠位端まで平行である。本発明の一形態では、強化管状部材15が近位端から延び、近位ガイドワイヤ出口ポート21を過ぎて、近位部の遠位端へ延びる。強化管状部材15は、近位端から遠位端まで柔軟性もしくは可撓性(flexibility)を連続的に増大させることができる。強化管状部材15は、近位ガイドワイヤ出口ポート21に対して遠位方向に延びる強化管状部材15の長さの少なくとも一部分で配送孔16の内径にほぼ等しい外径を有する。本発明の一形態では、強化管状部材15は、強化管状部材15の全長にわたって配送孔16の内径にほぼ等しい外径を有する。
【0040】
図4に示されているように、遠位部は、管状部材19によって形成されるガイドワイヤ受け孔17、及び管状部材18と管状部材19との間の円環状スペースによって形成される配送孔16を含む。ガイドワイヤ受け孔17は遠位部の近位端からバルーン13を通って遠位部の遠位端へ延び、遠位ガイドワイヤ出口ポート20で終端する。配送孔16は遠位部の近位端から、バルーン13の近位端まで延びる。配送孔16はバルーン13の内部と流体により連通するので、膨張流体を配送してバルーン13を膨らませることができる。バルーン13は、管状部材18の遠位端及び管状部材19の遠位端に近い点に封止、又はその他の当業者に公知の適当な方法で、結合することができる。
【0041】
図5に示されているように、本発明の一形態では、ガイドワイヤ受け孔17と配送孔16は遠位部の近位端で平行関係にあり、その後各孔が遠位部の遠位端の方へ延びるにつれて平行状態から同軸状態へ移行してよい。さらに、強化管状部材15は配送孔16の内径とほぼ等しい外径を有し、近位ガイドワイヤ出口ポート21を過ぎて遠位方向に延び、配送孔16の周囲の内壁に接触する。
【0042】
代表的には、図1に示されているカテーテルは、全体の長さが約145乃至150 cm(ハブ組立体を含む)になる。近位部は、代表的には、長さが約115乃至125 cmである。遠位部は、代表的には、長さが約20乃至30 cmである。近位ガイドワイヤ出口ポートは、望ましくは、カテーテルの遠位先端から約24乃至34 cmに位置している。当然ながら、所望により、近位ガイドワイヤ出口ポートはカテーテルの遠位先端にもっと近く、又はもっと遠くに配置することができ、カテーテルの遠位先端から約10 cm未満のところにある近位ガイドワイヤ出口ポートを含む。従来技術による迅速交換型カテーテルと異なり、本発明によるカテーテルは、近位ガイドワイヤ出口ポートの場所によって配送可能性に顕著な差がないように製造できる。カテーテルの性能は、強化管状部材の性質によって決まり、近位ガイドワイヤ出口ポートの場所は、装置の機械的構造に欠陥を生じない。
【0043】
冠動脈用の典型的な孔寸法は、ガイドワイヤ孔では0.018″(約0.0457cm)名目ID、配送孔では0.023″(約0.058cm)名目ID、壁厚が0.003″(約0.008cm)最小となるであろう。典型的な材料は、いろいろな等級又はジュロメーター(durometer)のナイロン(Nylon)又はペバックス(Pebax)等である。その場合、304SSの強化管状部材はODが0.022″(約0.056cm)、IDが0.016″(約0.041cm)となり、配送孔のIDに適合する。強化管状部材の柔軟性は、らせんカットを加えることによって段階的に変えることができる。約10 mmというカットのピッチを、約1 mmという最終ピッチまで連続的に減少させ、それを所望任意長にわたって延ばすことが、冠動脈への利用を意図した装置で特に有用である。当業者は、本発明が設計上の柔軟性が大きいことを認識するであろう。0.010″(約0.025cm)、0.014″(約0.036cm)、0.018″(約0.046cm)、0.033″(約0.084cm)、及びその他のガイドワイヤ・サイズのシステムを含む、広範囲の材料とサイズが本発明を用いて設計できる。
【0044】
強化管状部材15は、任意適当材料であってよい。本発明の一形態では、強化管状部材はポリマー物質から成る。本発明の別の形態では、強化管状部材は、ハイポ管等、金属を含む。強化管状部材15は近位部の配送孔内に位置し、近位部の近位端に近い点からそれから遠い点まで延びる。本発明の一形態では、強化管状部材は近位部の近位端から遠位端まで連続的に延びる。さらに、強化管状部材15は、強化管状部材がある近位点からある遠位点まで相対的により一層柔軟になるように設計又は構成又は変更される。本発明の一形態では、強化管状部材15は、硬直から相対的柔軟に連続的に移行する。本発明の別の形態では、強化管状部材15は、近位端から遠位端まで硬直から相対的により柔軟に連続的に移行する。硬直性から相対的により柔軟性への移行は、任意適当方法で遂行できる。例えば、強化管状部材の遠位端は近位端に比べて薄い壁厚を有してよい。さらに、管状部材に螺旋状に刻み目を付け又はカットし(好ましくは、管の壁を通して完全にカットする)、ピッチを管状部材の遠位端の方へ増加させて、近位端に比べて遠位端がより柔軟な管状部材を得る。また、管状部材を全長に沿ってカットし、ピッチを管状部材の一部分で、又は管状部材全体に沿って、変化させることもできる。管状部材は、近位ガイドワイヤ出口ポートの近位点から近位ガイドワイヤ出口ポートに遠位の点まで延びる管状部材の部分が同じ柔軟性を有するように、又はガイドワイヤ出口ポートへ遠位方向に延びるにつれて柔軟性が増大するように構成できる。冠動脈用では、0.022インチ(約0.056cm)OD x 0.016インチ(約0.041cm)IDの304ステンレス鋼ハイポ管を用いることができる。約1 mmという最終ピッチが望ましい柔軟性を提供できる。約10 mmという出発ピッチは特にスムースな移行を提供できる。さらに、管の剛性は、剛性が異なる二つ以上の材料を組み合わせ、それらを結合して異なる剛性の管状部材を形成することによって変えることができる。当然ながら、管壁厚さ、螺旋状に刻み又はカットされた管、ピッチの変化、及び管材料、の任意の組み合わせを用いて近位点から遠位点へ柔軟性の増大する勾配が測定される強化管状部材を得ることができる。本発明の一形態では、強化管状部材を配送孔の内壁に孔の長さに沿って任意個数の点で接着又は付着させる。本発明の別の実施形態では、強化管状部材を配送孔の内壁に一点だけで(例えば配送孔の近位端で)接着又は付着させる。本発明のさらに別の実施形態では、強化管状部材はワイヤの形態であってよく、その管状編みひもは、近位点から遠位点に向って相対的硬直から相対的柔軟なものに移行してよい。ワイヤの、管状編みひもは、カテーテルの近位部の配送孔を形成している壁材に埋め込むことができる。例えば。ワイヤの、管状編みひもは、適当なプラスチックの管材に埋め込むことができる。
【0045】
別の実施形態では、カテーテル10に、カテーテルの近位部の長さ(又は長さの大部分)にわたって延在するガイドワイヤ受け孔が設けられる。この実施形態では、近位部はやはり配送孔16をガイドワイヤ受け孔17と平行関係で含んでいる。しかし、ガイドワイヤ受け孔17には、第一の近位ガイドワイヤ出口ポート21から近位方向に少なくとも第二の近位ガイドワイヤ出口ポートを設けることができる。この実施形態の特徴として、少なくとも第二の近位ガイドワイヤ出口ポートは近位部の近位端に配置され、いわゆる“コンバーチブル・カテーテル”設計となる。いずれにしても、強化管状部材15はやはり第一の近位ガイドワイヤ出口ポート21に対して遠位の点まで延びている。別の形態では、少なくとも第二の近位ガイドワイヤ出口ポートは、DNAガイドワイヤ出口ポート21とカテーテルの近位部の近位端との間に配置される。この形態では、強化管状部材15は、遠位方向に、最も近位のガイドワイヤ出口ポートを過ぎ、最も遠位のガイドワイヤ出口ポートを過ぎ、又はカテーテルの近位部の遠位端まで延在する。
【0046】
図6に目をむけると、“コンバーチブル”型バルーン・カテーテルである本発明によるカテーテルが示されている。このカテーテルは、近位部のガイドワイヤ受け孔17が実質的に近位部の長さに延びているという点を除くと、実質的に図1−4に示されているような近位部と遠位部を含む。さらに、カテーテルの近位端にYコネクタ30が設けられている。第一近位ガイドワイヤ出口ポート21の他に、第二近位ガイドワイヤ出口ポート22及び第三近位ガイドワイヤ出口ポート(図示せず)も設けられている。第二近位ガイドワイヤ出口ポート22は、第一近位ガイドワイヤ出口ポート21から近位方向に配置され、第三近位ガイドワイヤ出口ポートは近位部の近位端に配置される。したがって、この実施形態のカテーテルは、ガイドワイヤを遠位ガイドワイヤ出口ポートに通し、第一及び第二の近位ガイドワイヤ出口ポートを経て第三近位ガイドワイヤ出口ポートから出ることによって、周知の“オーバー・ザ・ワイヤ”(over-the-wire)モードで使用することができる。この実施形態のカテーテルは、また、ガイドワイヤを遠位ガイドワイヤ出口ポートに通し、第一又は第二の近位ガイドワイヤ出口ポートに通すことによって“迅速交換”モードで使用することができる。
【0047】
当然ながら、ガイドワイヤ受け孔に沿って、第一近位ガイドワイヤ出口ポート21と第三近位ガイドワイヤ出口ポートとの間の任意点に別の近位ガイドワイヤ出口ポートを設けることができるということは理解されるであろう。これによって、医師は、“オーバー・ザ・ワイヤ”モードと“迅速交換”モード間で選択することができ、“迅速交換”モードは医師が直面するいろいろな因子に応じて利用できる多くのガイドワイヤ出口ポートを含む。
【0048】
強化管状部材15は配送孔16の内径とほぼ等しい外径を有し、近位部の近位端の近くから、近位ガイドワイヤ出口ポート21に対して遠位の点まで延びている。
【0049】
“コンバーチブル・カテーテル”実施形態の別の変形例が図9に例示されている。図9は、共有される同時係属のUS 特許 Application No. 10/402,083の教示による、本発明に従って変更されたカテーテルを示している。カテーテル30は、ジョイント12で当接関係で結合された近位部と遠位部を有する。このカテーテル30の近位端にはYコネクタが配置される。図10から理解できるように、近位部は平行に延びるガイドワイヤ受け孔17と配送孔16を含む。ガイドワイヤ受け孔17は長手方向に延びるチャンネルを含み薄いカバー物質31が設けられている、この場合はカテーテルの近位部のまわりに同軸に巻かれている。薄いカバー物質31は、穿刺、穿孔等によってガイドワイヤ出口ポートをそこに形成できる任意適当な物質であってよい。すなわち、医師は近位ガイドワイヤ出口ポートをカテーテルの近位部の長さに沿った事実上任意の点に作ることができる。好ましくは、薄いカバー物質31は、共有される同時係属のUS 特許 Application No. 10/402,083に開示されているものから選択される。配送孔16は強化管状部材15をその中に有して、強化管状部材は、相対的に硬直な近位点から相対的により柔軟な遠位点へ移行している。強化管状部材15は、近位部の近位端の近くから近位部の遠位先端近くまで延在し、かつ全長にわたって配送孔16の内径にほぼ等しい外径を有し、そのようにして本質的に近位部の全長にわたって配送孔16に構造的な支持を提供する。遠位部は、近位端からカテーテルの遠位端に取り付けられたバルーン13の内部と流体により連通して延びる配送孔16を含む。図11から理解できるように、配送孔16の少なくとも一部分は、管状部材18と19の間の環状スペースによって形成される。さらに、遠位部は、同様に、ガイドワイヤ受け孔17を含み、ガイドワイヤ受け孔17は近位端から遠位端まで延びる管状部材19によって形成され、遠位ガイドワイヤ出口ポート20で終端する。遠位部配送孔16及び遠位部ガイドワイヤ受け孔17は遠位部の近位端で平行関係にあり、これらの孔が遠位部の遠位端の方へ延びるにつれて同軸関係に移行してよい。任意適当手段を用いて近位部と遠位部を結合することができる、又はカテーテル組立体は、上述のように単一の押出成形品であってもよい。理解されるように、近位部と遠位部の外径は、近位部から遠位部へスムースな外形移行を達成するような方法で結合される。
【0050】
バルーン血管形成カテーテルについて詳細に記述したが、本発明はバルーン血管形成カテーテル以外のカテーテルも含む。例えば、当業者に周知のように、カテーテルの遠位端のバルーンにステントを設けて、それを治療部位に配送できる。さらに、バルーン延伸可能なステントではなく、自己延伸ステントを本発明のカテーテルを用いて配送できる。このようなカテーテルは、上述のようなガイドワイヤ受け孔と配送孔を有するであろう。しかし、配送孔はバルーンの近位端で終端せずに、カテーテルの遠位先端まで延びてもよい。自己延伸ステントを配送孔へ通して治療部位まで進め、自己延伸ステントが静止して保持されたらカテーテルを引き抜くことができる。すると、カテーテルが引き抜かれるにつれて、ステントは血管壁まで延伸する。さらに、配送孔を用いて、任意の個数の装置又は治療医薬を治療部位に配送できる。例えば、分析装置及び/又は他の治療装置を配送孔へ通して治療部位まで進めることができる。さらに、超音波装置、光ファイバー、ステント移植片、塞栓性フィルター、放射線に不透明な造影剤、医薬等を、本発明のカテーテルの配送孔によって配送できる。
【0051】
本明細書では本発明の特定実施形態について図示して説明したが、本発明はそれらの図示や説明に限定されない。変更や変改を、特許請求の範囲内で本発明の一部として組み込み実施できることは明らかであろう。
【符号の説明】
【0052】
10 バルーン.カテーテル
12 ジョイント
13 バルーン
15 強化管状部材
16 配送孔
17 ガイドワイヤ受け孔
21 近位ガイドワイヤ出口ポート
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともガイドワイヤ孔と配送孔を有するカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル装置によっていろいろな異なる治療物質を人体内に送り込むことができる。人体内の所望部位への配送のために、膨張バルーン、ステント、及び塞栓フィルターなどの治療装置、及び医薬や放射線源などの治療物質をカテーテルの遠位端又はその近くに配置することができる。
【0003】
従来技術は、血管内カテーテルの多数の例を開示している。このようなカテーテルは、血管形成術やステント留置などの処置に特別な有用性を見出している。最近特に関心が高いのは、経皮経管冠動脈形成(PTCA)処置に使用するためのカテーテルの改良である。典型的なPTCA処置では、ガイディング・カテーテルの遠位先端が所望の冠動脈の口(ostium)に落ち着くまで、患者の血管系にガイディング・カテーテルが進められる。最初にガイドワイヤがガイディング・カテーテルの遠位端から患者の冠動脈の中に、ガイドワイヤの遠位端が膨らませようとする病巣を横切るまで進められる。遠位部に膨張可能なバルーンを有する膨張カテーテルが、患者の冠動脈に、前に導入されたガイドワイヤ上を膨張カテーテルのバルーンが病巣を横切って適切に配置されるまで進められる。いったん適切に配置されたら、膨張バルーンは比較的高い圧力で膨張流体によって一回以上所定のサイズに膨らまされ、狭窄が動脈壁に圧しつけられ、壁が延伸して血管通路を開くようにする。一般に、膨張したバルーンの直径は膨らませている体孔の生来の直径とほぼ同じ直径であり、完全に膨張しても動脈壁を延ばし過ぎることがないようなものである。バルーンが最終的に膨らまされた後、膨らまされた動脈を通って血流が再開され、膨張カテーテルとガイドワイヤを除去することができる。
【0004】
このような血管形成術では、動脈の再狭窄(すなわち、動脈の閉塞の再形成)が起こり、別の血管形成処置、又は他の何らかの方法による広げた区域の修復又は補強が必要になることがある。血管形成術のみの再狭窄発生率を減らし、広げた区域を強化するために、現在では通常、医師は血管内補装具、一般にステントと呼ばれるもの、を動脈内の病巣の場所に埋め込む。ステントは、また、剥離血管壁又は切開を有する血管を修復するために、又は一般に弱くなった血管部分を強化するために、又はその開存性を維持するためにも用いられる。ステントは、通常、冠動脈の所望場所まで、カテーテルのバルーン上に収縮した状態で、多くの点でバルーン血管形成術カテーテルと類似した状態で送り込まれ、患者の動脈内でバルーンの膨張によってより大きな直径に膨張される。バルーンを収縮させてカテーテルを取り出し、ステントは動脈内の膨らまされた病巣部位に留置される。
【0005】
冠動脈カテーテルに関して、二つの主要タイプのカテーテル設計、すなわち、オーバー・ザ・ワイヤ(OTW)及び迅速交換(RX)、がこの用途で主流になっている。これらの各設計はそれぞれの利点と欠点を有する。OTWカテーテルは、その全長にわたってガイドワイヤ上にあり、それによってワイヤを容易に追従することができ、ガイドワイヤ上で長手方向の力の直接伝達を可能にする。さらに、これらのカテーテルは、カテーテルをその位置まで進めた後にガイドワイヤを交換することを可能にするので、異なるガイドワイヤ属性(例えば、先端の曲率又は放射線に不透明なマーカー)が必要な場合に望ましい。しかし、これらのシステムは長いガイドワイヤ(例えば、長さが300cm)を用いる必要があり、一人の人間が効果的に操作することができない。
【0006】
RXカテーテルは、普通、もっと短いガイドワイヤ(例えば、長さが180cm)を用いるので、一人の医師がカテーテルを操作することが可能になる。医師は、ガイド・カテーテルとガイドワイヤを片手で保持しながら彼/彼女のもう一つの手を用いてカテーテルをガイドワイヤに沿って進めたり引っ込めたりすることができる。しかし、RXカテーテルの全長がガイドワイヤ上でスライドするわけではないので、ガイドワイヤの経路に沿った長手方向の力の直接伝達は完全ではなく、近位カテーテル・ガイドワイヤ・ポートが患者の体内に進められてしまうとワイヤ交換はできなくなる。RXカテーテル設計のもう一つの問題は、従来のOTWカテーテルに比較して、この設計では、押し進めやすさが劣り、座屈及び/又はよじれを生じやすい−特に近位(又は迅速交換)ガイドワイヤ出口ポート又はその近くで生じやすいカテーテルになることである。
【0007】
最近導入された冠動脈カテーテルは、OTWとRXカテーテルのハイブリッドであり、“コンバーチブル”カテーテルと呼ばれることもある。例えば、Johnsonに付与されたUS 特許 5,334,147及び5,380,283は、カテーテルの壁を通してガイドワイヤ孔に開いた開口を含む近位部を有するバルーン・カテーテルの構成を教示している。この開口はこわれやすい壁で被われている(例えば、開口部を被う位置でカテーテル・ボデーに封止された薄い壁のチューブ)。この壊れやすい壁は、ガイドワイヤで壊して、開口を通してガイドワイヤをカテーテル・ガイドワイヤ孔から出すことができる。このようにして、迅速交換とオーバー・ザ・ワイヤの両方の能力を与える。
【0008】
Teirsteinに付与されたUS 特許 5,472,425は、実質的にカテーテルの全長にわたって延びる破りやすい膜で被われたガイドワイヤ孔を有するカテーテルを記載しており、膜をガイドワイヤによって所望任意場所で破ることができる。このようにして、迅速交換とオーバー・ザ・ワイヤの両方の能力を与える。このカテーテルの使用と一般的な構成は関連しているが、破れやすい膜の材料や具体的な構成は教示されていない。
【0009】
2003年3月28日に出願されたArmstrong 他により共同される同時係属のUS 特許出願番号10/402,083は、カテーテルに沿って事実上任意の所望点で容易に破いてガイドワイヤ出口ポートを形成できる薄いカバリングを有するガイドワイヤ孔を含むユニークなコンバーチブル・カテーテルを記載している。薄いカバリングは、カテーテル・シャフトと一体であっても、ガイドワイヤ孔の外側部にすぐ隣接するカテーテル・シャフトの部分だけを被う別の構成要素であっても、又はカテーテル・シャフト全体を囲む薄い管状構成物であってもよい。開示された一実施形態では、薄いカバリングは、カテーテル・シャフトの外側に螺旋状に巻かれた多孔性の延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の薄いテープから作られる。巻き付けは、例えば、カテーテル・シャフトに平行な二つの対向する方向に行われ、バイアス−プライ(bias-ply)な構成になる。この薄いカバリングは良好な透明性を付与し、(例えば、ガイドワイヤの端によって)容易に穿孔され、しかも穿孔部位で引裂きに対して抵抗する。薄いカバリングとして開示された他の物質は、例えば、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、などである。多孔性ポリマーに、薄い非多孔性コーティングを選択的に施したものは、その優れた柔軟性により有利に使用できる。最も好ましいのは、ePTFEフィルムから作られ、熱可塑性フッ素ポリマー、好ましくはフッ素化エチレン・プロピレン(FEP)の多孔性又は非多孔性コーティングを施したものである。典型的なePTFEフィルムは、Goreに付与されたUS 特許 3,953,566及び4,187,390に教示されているように作ることができる。さらに好ましくは、Bacinoに付与されたUS 特許 5,476,589に教示されているように作られるePTFEフィルムである。ePTFEフィルム及び熱可塑性コーティングされたePTFEフィルムからの薄い螺旋状に巻かれた管の構成、及びePTFEフィルムにコーティングを施す方法、は、例えばCampbell 他に付与されたUS 特許 6,159,565に教示されている。ガイドワイヤ孔は、カテーテル・シャフトに作られた溝の形で、溝に薄いカバリングを設けたものであってもよい。好ましくは、溝はカテーテルの長さの大部分、又は全長、にわたって延びている。溝は、カテーテル・シャフト全体を同軸的に囲む薄い管状カバリングで、あるいは、溝を被って溝の両側にすぐ隣接するカテーテル・シャフトの表面に接着される薄いテープ状カバリング物質の帯で被うことができる。多数の予め形成された開口を、所望により、薄いカバリングに設けることができる。また、溝を被う材料は、編みひも又はフィラメントの巻き線という形を取ることもできる。この編みひも又はフィラメントの巻き線を、好ましくは露出させたままにして隣接するフィラメントの隙間へガイドワイヤの端を通すことができるようにする溝のすぐ上を除いて、選択により薄いポリマーの管で被うこともできる。
【0010】
血管形成術やステント配送などの血管内の処置のための通常のバルーン・カテーテルについてのもう一つの問題は、このようなカテーテルはしばしば、患者の体孔内でカテーテルを進めやすくするために硬い近位部と、遠位冠動脈や神経動脈などの曲がりくねった解剖構造を孔壁に損傷を与えることなく通過させやすくするために比較的柔軟な遠位シャフト部分を有することである。普通、比較的硬い近位シャフト部分と比較的柔軟な遠位シャフト部分との間に中間シャフト部分又は接合部があって、それによって近位シャフト部分から遠位シャフト部分に移行する。
【0011】
迅速交換性能、良好な押し進めやすさ、近位端から遠位端への滑かで柔軟性のある移行、及び座屈及び/又はよじれに対する良好な抵抗(特に近位(又は迅速交換)ガイドワイヤ出口ポート近くで)をカテーテルに与えるという問題に対して提案されたいろいろな解決方法が試みられている。しかし、これらの問題をすべて克服したカテーテルの探求は続いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US 特許 5,334,147
【特許文献2】US 特許5,380,283
【特許文献3】US 特許 5,472,425
【特許文献4】US 特許出願番号10/402,083
【特許文献5】US 特許 3,953,566
【特許文献6】US 特許4,187,390
【特許文献7】US 特許 5,476,589
【特許文献8】US 特許 6,159,565
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこれらの問題を克服することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための本発明によるカテーテルは、位近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを有するガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の近位端から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位な点まで延びた前記近位部の配送孔内に配置され、かつ近位点から遠位点へ相対的に硬直から相対的により柔軟へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有する遠位部を含み、
前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通し、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成され、かつ前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cm未満に配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によるカテーテルの他の形態によれば、近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを有するガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の近位端から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位な点まで延びた前記近位部の配送孔内に配置され、かつ近位点から遠位点へ相対的に硬直から相対的により柔軟へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有する遠位部を含み、
前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通し、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成され、かつ
前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cmを超えて配置されていることを特徴とする。好適形態によれば、前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から24 cm乃至34 cmのところに配置されている。
【0016】
上記カテーテルの好適形態によれば、前記近位部と前記遠位部がジョイントで結合されている。前記カテーテルは、近位部から遠位部へ、スムースなジョイントで、一方が他方に重なることなく移行していることが好ましい。
【0017】
上記カテーテルの好適形態によれば、前記近位部と前記遠位部がプラスチック押出から形成されている。
【0018】
上記カテーテルの好適形態によれば、前記強化管状部材は、近位端から遠位端へ柔軟性が連続的に増大している。前記強化管状部材は、前記強化管状部材の全長にわたって前記近位部の配送孔の内径に等しい外径を有していてよい。
【0019】
上記カテーテルの好適形態によれば、前記強化管状部材は螺旋状にカットされた管を含み、前記螺旋状にカットされた管は、10 mmのピッチから遠位端における1 mmのピッチまで連続的に移行している。同様に、前記強化管状部材は、少なくとも二つの剛性の異なる材料で構成されていてよい。同様に、前記強化管状部材は、近位端から遠位端へ向って減少する壁厚を有してよい。
【0020】
好適形態によれば、前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点における相対的硬直性から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点において相対的により柔軟性へ移行していてよい。
【0021】
選択的形態によれば、前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点まで同じ柔軟性を維持していてよい。
【0022】
他の形態による本発明のカテーテルは、近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端から前記遠位端まで延びたガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部であって、前記ガイドワイヤ受け孔が近位端と遠位端との間に配置された第一近位ガイドワイヤ出口ポートと前記近位端に配置された第二近位ガイドワイヤ・ポートを有する近位部、
前記近位部の配送孔に配置された強化管状部材であって、近位点から遠位点まで相対的硬直性から相対的により柔軟性へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有し、前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通する遠位部を含み、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成されていることを特徴とする。
【0023】
好適形態によれば、前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cm未満に位置している。選択的形態によれば、前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cmを超えて位置している。好適形態によれば、前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から24 cm乃至34 cmに位置している。
【0024】
好適形態によれば、前記近位部と前記遠位部がジョイントで結合されている。好適には、前記カテーテルは、前記近位部から前記遠位部へ、スムースなジョイントで、一方が他方に重なることなく移行している。
【0025】
好適形態によれば、前記強化管状部材が螺旋状にカットされた管を含む。好適には、前記螺旋状にカットされた管は、10 mmのピッチから遠位端における1 mmのピッチまで連続的に移行している。
【0026】
好適形態によれば、前記遠位部ガイドワイヤ受け孔と前記遠位部配送孔が前記遠位部の近位端の近くで平行から同軸へ移行している。
【0027】
好適形態によれば、前記カテーテルの遠位部の遠位端にバルーンが配置されている。好適には、前記バルーンにステントが取り付けられている。
【0028】
好適形態によれば、前記近位部と前記遠位部がプラスチック押出成形により形成されている。
【0029】
好適形態によれば、前記強化管状部材は、近位端から遠位端まで柔軟性が連続的に増大している。好適形態によれば、前記強化管状部材は、前記強化管状部材の全長にわたって前記近位部の配送孔の内径に等しい外径を有する。
【0030】
好適形態によれば、前記強化管状部材は、管が近位端から遠位端へ向うにつれて減少する壁厚を有する。前記強化管状部材は、少なくとも二つの剛性の異なる材料から構成されてよい。
【0031】
好適形態によれば、前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点における相対的硬直性から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点において相対的に柔軟性へ移行している。
【0032】
更に、他の形態による本発明のカテーテルは、近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と、穿刺されて近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを形成することができる薄い物質が設けられかつ長手方向に延びたチャンネルによって形成されたガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の配送孔に配置された強化管状部材であって、近位点から遠位点まで相対的硬直性から相対的により柔軟性へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有し、前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通する遠位部を含み、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成されていることを特徴とする。
【0033】
本発明の概要によれば、少なくとも二つの孔を有するカテーテルが開示される。カテーテルは近位部と遠位部を含む。近位部と遠位部はジョイントで結合される、又はそれらの部は、例えば、プラスチック材料の押出によって形成される単一のピースである。近位部は、少なくとも近位端(又は近位端の近く)から遠位端へ延びる配送孔を含む。近位部配送孔の少なくとも一部分には強化管状部材が配置され、近位部配送孔の少なくとも一部分に強化管状部材が配置され、それは近位部配送孔の壁を構造的に支持するように位置決めされる。強化管状部材は、近位点での相対的硬直(rigid)から、遠位点での相対的により柔軟な状態(flexible)に移行するように構成又は設計されている。本発明の一形態では、強化管状部材は、実質的近位端における相対的硬直状態から遠位点で相対的柔軟なものへ移行する。本発明の一形態では、強化管状部材は近位部の近位端から遠位端(又はその近く)まで延びている。
【0034】
カテーテルの近位部は、また、ガイドワイヤ受け孔を含む。ガイドワイヤ受け孔は近位部の遠位端から近位端の遠位の点まで延びている、又はガイドワイヤ受け孔は近位部の遠位端から近位端まで延びている。ガイドワイヤ受け孔は少なくとも一つの近位ガイドワイヤ出口ポートを近位部の遠位端から近い位置に含む。強化管状部材は近位ガイドワイヤ出口ポートの遠位の点まで延び、近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位に延びる強化管状部材の少なくとも一部分で配送孔の内径にほぼ等しい外径を有する。このような方法により強化管状部材を近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位へ延在させることにより、カテーテルは柱としての強度が改善され(すなわち、所望治療部位へ向けて進められる又は押されるときに座屈に対して抵抗する)、押し進めやすさが改善される。ガイドワイヤ受け孔と配送孔は平行関係になければならない。これによって強化管状部材が近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位に延びることが可能になり、同時に外径を配送孔の内径とほぼ同じに維持して近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位な孔の周囲まわりで構造的な支持を提供することができる。
【0035】
カテーテルの遠位部は、少なくともガイドワイヤ受け孔と配送孔を含む。本発明のある形態では、ガイドワイヤ受け孔は遠位部の近位端から遠位部の遠位端まで延びている。ガイドワイヤ受け孔は遠位部の近位端から遠位端に近位の点まで延びていてもよい。配送孔は遠位部の近位端からその遠位端まで、又は遠位端に近位の点まで延びている。遠位部の配送孔は近位部配送孔と流体により連通しており、遠位部のガイドワイヤ受け孔は近位部のガイドワイヤ受け孔と流体により連通している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるカテーテルの長手方向の図である。
【図2】図1のカテーテルの、図1の線2−2に沿って取った断面図である。
【図3】図1のカテーテルの、図1の線3−3に沿って取った断面図である。
【図4】図1のカテーテルの、図1の線4−4に沿って取った断面図である。
【図5】本発明によるカテーテルの一部の長手方向の断面図である。
【図6】本発明によるカテーテルの長手方向の図である。
【図7】図6のカテーテルの、図6の線7−7に沿って取った断面図である。
【図8】図6のカテーテルの、図6の線8−8に沿って取った断面図である。
【図9】本発明によるカテーテルの長手方向の図である。
【図10】図9のカテーテルの、図6の線10−10に沿って取った断面図である。
【図11】図9のカテーテルの、図6の線11−11に沿って取った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、いくつかの好適実施形態を詳細に示した図面を参照することにより最良に理解できるであろう。
【0038】
図1を参照すると、迅速交換タイプのバルーン・カテーテル10が示されている。普通、このようなカテーテルの近位端にはハブ組立体11が設置されている。理解できるように、カテーテル10は近位部と遠位部を含み、この場合それらがジョイント12において当接関係で結合している。近位部と遠位部は、任意適当方法で結合できる、例えば接着剤によって接合したり、融合させたり、溶接したりできる。本発明の一形態では、近位部と遠位部は、突き合わせ溶接、糊付け等によって一緒にされ、一方の部が他方の部と重合することなく、各片中空管等の移行片を取付けることなく、スムース・ジョイントを形成する。図2に示されているように、近位部は外壁材料14(プラスチック材料、又はその他の適当な材料等)と外壁14を支持する強化管状部材15を含む。近位部は、また、近位部の近位端から遠位端へ延びる配送孔16を含む。
【0039】
近位部は、また、図3に示されているように、その遠位端の近くにガイドワイヤ受け孔17を配送孔16と平行関係で含む。ガイドワイヤ受け孔17は、近位ガイドワイヤ出口ポート21から遠位方向に近位部の遠位端へ延びている。ガイドワイヤ受け孔17と配送孔16は近位ガイドワイヤ出口ポート21から近位部の遠位端まで平行である。本発明の一形態では、強化管状部材15が近位端から延び、近位ガイドワイヤ出口ポート21を過ぎて、近位部の遠位端へ延びる。強化管状部材15は、近位端から遠位端まで柔軟性もしくは可撓性(flexibility)を連続的に増大させることができる。強化管状部材15は、近位ガイドワイヤ出口ポート21に対して遠位方向に延びる強化管状部材15の長さの少なくとも一部分で配送孔16の内径にほぼ等しい外径を有する。本発明の一形態では、強化管状部材15は、強化管状部材15の全長にわたって配送孔16の内径にほぼ等しい外径を有する。
【0040】
図4に示されているように、遠位部は、管状部材19によって形成されるガイドワイヤ受け孔17、及び管状部材18と管状部材19との間の円環状スペースによって形成される配送孔16を含む。ガイドワイヤ受け孔17は遠位部の近位端からバルーン13を通って遠位部の遠位端へ延び、遠位ガイドワイヤ出口ポート20で終端する。配送孔16は遠位部の近位端から、バルーン13の近位端まで延びる。配送孔16はバルーン13の内部と流体により連通するので、膨張流体を配送してバルーン13を膨らませることができる。バルーン13は、管状部材18の遠位端及び管状部材19の遠位端に近い点に封止、又はその他の当業者に公知の適当な方法で、結合することができる。
【0041】
図5に示されているように、本発明の一形態では、ガイドワイヤ受け孔17と配送孔16は遠位部の近位端で平行関係にあり、その後各孔が遠位部の遠位端の方へ延びるにつれて平行状態から同軸状態へ移行してよい。さらに、強化管状部材15は配送孔16の内径とほぼ等しい外径を有し、近位ガイドワイヤ出口ポート21を過ぎて遠位方向に延び、配送孔16の周囲の内壁に接触する。
【0042】
代表的には、図1に示されているカテーテルは、全体の長さが約145乃至150 cm(ハブ組立体を含む)になる。近位部は、代表的には、長さが約115乃至125 cmである。遠位部は、代表的には、長さが約20乃至30 cmである。近位ガイドワイヤ出口ポートは、望ましくは、カテーテルの遠位先端から約24乃至34 cmに位置している。当然ながら、所望により、近位ガイドワイヤ出口ポートはカテーテルの遠位先端にもっと近く、又はもっと遠くに配置することができ、カテーテルの遠位先端から約10 cm未満のところにある近位ガイドワイヤ出口ポートを含む。従来技術による迅速交換型カテーテルと異なり、本発明によるカテーテルは、近位ガイドワイヤ出口ポートの場所によって配送可能性に顕著な差がないように製造できる。カテーテルの性能は、強化管状部材の性質によって決まり、近位ガイドワイヤ出口ポートの場所は、装置の機械的構造に欠陥を生じない。
【0043】
冠動脈用の典型的な孔寸法は、ガイドワイヤ孔では0.018″(約0.0457cm)名目ID、配送孔では0.023″(約0.058cm)名目ID、壁厚が0.003″(約0.008cm)最小となるであろう。典型的な材料は、いろいろな等級又はジュロメーター(durometer)のナイロン(Nylon)又はペバックス(Pebax)等である。その場合、304SSの強化管状部材はODが0.022″(約0.056cm)、IDが0.016″(約0.041cm)となり、配送孔のIDに適合する。強化管状部材の柔軟性は、らせんカットを加えることによって段階的に変えることができる。約10 mmというカットのピッチを、約1 mmという最終ピッチまで連続的に減少させ、それを所望任意長にわたって延ばすことが、冠動脈への利用を意図した装置で特に有用である。当業者は、本発明が設計上の柔軟性が大きいことを認識するであろう。0.010″(約0.025cm)、0.014″(約0.036cm)、0.018″(約0.046cm)、0.033″(約0.084cm)、及びその他のガイドワイヤ・サイズのシステムを含む、広範囲の材料とサイズが本発明を用いて設計できる。
【0044】
強化管状部材15は、任意適当材料であってよい。本発明の一形態では、強化管状部材はポリマー物質から成る。本発明の別の形態では、強化管状部材は、ハイポ管等、金属を含む。強化管状部材15は近位部の配送孔内に位置し、近位部の近位端に近い点からそれから遠い点まで延びる。本発明の一形態では、強化管状部材は近位部の近位端から遠位端まで連続的に延びる。さらに、強化管状部材15は、強化管状部材がある近位点からある遠位点まで相対的により一層柔軟になるように設計又は構成又は変更される。本発明の一形態では、強化管状部材15は、硬直から相対的柔軟に連続的に移行する。本発明の別の形態では、強化管状部材15は、近位端から遠位端まで硬直から相対的により柔軟に連続的に移行する。硬直性から相対的により柔軟性への移行は、任意適当方法で遂行できる。例えば、強化管状部材の遠位端は近位端に比べて薄い壁厚を有してよい。さらに、管状部材に螺旋状に刻み目を付け又はカットし(好ましくは、管の壁を通して完全にカットする)、ピッチを管状部材の遠位端の方へ増加させて、近位端に比べて遠位端がより柔軟な管状部材を得る。また、管状部材を全長に沿ってカットし、ピッチを管状部材の一部分で、又は管状部材全体に沿って、変化させることもできる。管状部材は、近位ガイドワイヤ出口ポートの近位点から近位ガイドワイヤ出口ポートに遠位の点まで延びる管状部材の部分が同じ柔軟性を有するように、又はガイドワイヤ出口ポートへ遠位方向に延びるにつれて柔軟性が増大するように構成できる。冠動脈用では、0.022インチ(約0.056cm)OD x 0.016インチ(約0.041cm)IDの304ステンレス鋼ハイポ管を用いることができる。約1 mmという最終ピッチが望ましい柔軟性を提供できる。約10 mmという出発ピッチは特にスムースな移行を提供できる。さらに、管の剛性は、剛性が異なる二つ以上の材料を組み合わせ、それらを結合して異なる剛性の管状部材を形成することによって変えることができる。当然ながら、管壁厚さ、螺旋状に刻み又はカットされた管、ピッチの変化、及び管材料、の任意の組み合わせを用いて近位点から遠位点へ柔軟性の増大する勾配が測定される強化管状部材を得ることができる。本発明の一形態では、強化管状部材を配送孔の内壁に孔の長さに沿って任意個数の点で接着又は付着させる。本発明の別の実施形態では、強化管状部材を配送孔の内壁に一点だけで(例えば配送孔の近位端で)接着又は付着させる。本発明のさらに別の実施形態では、強化管状部材はワイヤの形態であってよく、その管状編みひもは、近位点から遠位点に向って相対的硬直から相対的柔軟なものに移行してよい。ワイヤの、管状編みひもは、カテーテルの近位部の配送孔を形成している壁材に埋め込むことができる。例えば。ワイヤの、管状編みひもは、適当なプラスチックの管材に埋め込むことができる。
【0045】
別の実施形態では、カテーテル10に、カテーテルの近位部の長さ(又は長さの大部分)にわたって延在するガイドワイヤ受け孔が設けられる。この実施形態では、近位部はやはり配送孔16をガイドワイヤ受け孔17と平行関係で含んでいる。しかし、ガイドワイヤ受け孔17には、第一の近位ガイドワイヤ出口ポート21から近位方向に少なくとも第二の近位ガイドワイヤ出口ポートを設けることができる。この実施形態の特徴として、少なくとも第二の近位ガイドワイヤ出口ポートは近位部の近位端に配置され、いわゆる“コンバーチブル・カテーテル”設計となる。いずれにしても、強化管状部材15はやはり第一の近位ガイドワイヤ出口ポート21に対して遠位の点まで延びている。別の形態では、少なくとも第二の近位ガイドワイヤ出口ポートは、DNAガイドワイヤ出口ポート21とカテーテルの近位部の近位端との間に配置される。この形態では、強化管状部材15は、遠位方向に、最も近位のガイドワイヤ出口ポートを過ぎ、最も遠位のガイドワイヤ出口ポートを過ぎ、又はカテーテルの近位部の遠位端まで延在する。
【0046】
図6に目をむけると、“コンバーチブル”型バルーン・カテーテルである本発明によるカテーテルが示されている。このカテーテルは、近位部のガイドワイヤ受け孔17が実質的に近位部の長さに延びているという点を除くと、実質的に図1−4に示されているような近位部と遠位部を含む。さらに、カテーテルの近位端にYコネクタ30が設けられている。第一近位ガイドワイヤ出口ポート21の他に、第二近位ガイドワイヤ出口ポート22及び第三近位ガイドワイヤ出口ポート(図示せず)も設けられている。第二近位ガイドワイヤ出口ポート22は、第一近位ガイドワイヤ出口ポート21から近位方向に配置され、第三近位ガイドワイヤ出口ポートは近位部の近位端に配置される。したがって、この実施形態のカテーテルは、ガイドワイヤを遠位ガイドワイヤ出口ポートに通し、第一及び第二の近位ガイドワイヤ出口ポートを経て第三近位ガイドワイヤ出口ポートから出ることによって、周知の“オーバー・ザ・ワイヤ”(over-the-wire)モードで使用することができる。この実施形態のカテーテルは、また、ガイドワイヤを遠位ガイドワイヤ出口ポートに通し、第一又は第二の近位ガイドワイヤ出口ポートに通すことによって“迅速交換”モードで使用することができる。
【0047】
当然ながら、ガイドワイヤ受け孔に沿って、第一近位ガイドワイヤ出口ポート21と第三近位ガイドワイヤ出口ポートとの間の任意点に別の近位ガイドワイヤ出口ポートを設けることができるということは理解されるであろう。これによって、医師は、“オーバー・ザ・ワイヤ”モードと“迅速交換”モード間で選択することができ、“迅速交換”モードは医師が直面するいろいろな因子に応じて利用できる多くのガイドワイヤ出口ポートを含む。
【0048】
強化管状部材15は配送孔16の内径とほぼ等しい外径を有し、近位部の近位端の近くから、近位ガイドワイヤ出口ポート21に対して遠位の点まで延びている。
【0049】
“コンバーチブル・カテーテル”実施形態の別の変形例が図9に例示されている。図9は、共有される同時係属のUS 特許 Application No. 10/402,083の教示による、本発明に従って変更されたカテーテルを示している。カテーテル30は、ジョイント12で当接関係で結合された近位部と遠位部を有する。このカテーテル30の近位端にはYコネクタが配置される。図10から理解できるように、近位部は平行に延びるガイドワイヤ受け孔17と配送孔16を含む。ガイドワイヤ受け孔17は長手方向に延びるチャンネルを含み薄いカバー物質31が設けられている、この場合はカテーテルの近位部のまわりに同軸に巻かれている。薄いカバー物質31は、穿刺、穿孔等によってガイドワイヤ出口ポートをそこに形成できる任意適当な物質であってよい。すなわち、医師は近位ガイドワイヤ出口ポートをカテーテルの近位部の長さに沿った事実上任意の点に作ることができる。好ましくは、薄いカバー物質31は、共有される同時係属のUS 特許 Application No. 10/402,083に開示されているものから選択される。配送孔16は強化管状部材15をその中に有して、強化管状部材は、相対的に硬直な近位点から相対的により柔軟な遠位点へ移行している。強化管状部材15は、近位部の近位端の近くから近位部の遠位先端近くまで延在し、かつ全長にわたって配送孔16の内径にほぼ等しい外径を有し、そのようにして本質的に近位部の全長にわたって配送孔16に構造的な支持を提供する。遠位部は、近位端からカテーテルの遠位端に取り付けられたバルーン13の内部と流体により連通して延びる配送孔16を含む。図11から理解できるように、配送孔16の少なくとも一部分は、管状部材18と19の間の環状スペースによって形成される。さらに、遠位部は、同様に、ガイドワイヤ受け孔17を含み、ガイドワイヤ受け孔17は近位端から遠位端まで延びる管状部材19によって形成され、遠位ガイドワイヤ出口ポート20で終端する。遠位部配送孔16及び遠位部ガイドワイヤ受け孔17は遠位部の近位端で平行関係にあり、これらの孔が遠位部の遠位端の方へ延びるにつれて同軸関係に移行してよい。任意適当手段を用いて近位部と遠位部を結合することができる、又はカテーテル組立体は、上述のように単一の押出成形品であってもよい。理解されるように、近位部と遠位部の外径は、近位部から遠位部へスムースな外形移行を達成するような方法で結合される。
【0050】
バルーン血管形成カテーテルについて詳細に記述したが、本発明はバルーン血管形成カテーテル以外のカテーテルも含む。例えば、当業者に周知のように、カテーテルの遠位端のバルーンにステントを設けて、それを治療部位に配送できる。さらに、バルーン延伸可能なステントではなく、自己延伸ステントを本発明のカテーテルを用いて配送できる。このようなカテーテルは、上述のようなガイドワイヤ受け孔と配送孔を有するであろう。しかし、配送孔はバルーンの近位端で終端せずに、カテーテルの遠位先端まで延びてもよい。自己延伸ステントを配送孔へ通して治療部位まで進め、自己延伸ステントが静止して保持されたらカテーテルを引き抜くことができる。すると、カテーテルが引き抜かれるにつれて、ステントは血管壁まで延伸する。さらに、配送孔を用いて、任意の個数の装置又は治療医薬を治療部位に配送できる。例えば、分析装置及び/又は他の治療装置を配送孔へ通して治療部位まで進めることができる。さらに、超音波装置、光ファイバー、ステント移植片、塞栓性フィルター、放射線に不透明な造影剤、医薬等を、本発明のカテーテルの配送孔によって配送できる。
【0051】
本明細書では本発明の特定実施形態について図示して説明したが、本発明はそれらの図示や説明に限定されない。変更や変改を、特許請求の範囲内で本発明の一部として組み込み実施できることは明らかであろう。
【符号の説明】
【0052】
10 バルーン.カテーテル
12 ジョイント
13 バルーン
15 強化管状部材
16 配送孔
17 ガイドワイヤ受け孔
21 近位ガイドワイヤ出口ポート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを有するガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の近位端から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位な点まで延びた前記近位部の配送孔内に配置され、かつ近位点から遠位点へ相対的に硬直から相対的により柔軟へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有する遠位部を含み、
前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、
前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通し、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成され、かつ
前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cm未満に配置されているカテーテル。
【請求項2】
近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを有するガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の近位端から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位な点まで延びた前記近位部の配送孔内に配置され、かつ近位点から遠位点へ相対的に硬直から相対的により柔軟へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有する遠位部を含み、
前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、
前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通し、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成され、かつ
前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cmを超えて配置されているカテーテル。
【請求項3】
前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から24 cm乃至34 cmのところに配置されている請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記近位部と前記遠位部がジョイントで結合されている請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記カテーテルは、近位部から遠位部へ、スムースなジョイントで、一方が他方に重なることなく移行している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記近位部と前記遠位部がプラスチック押出から形成されている請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記強化管状部材は、近位端から遠位端へ柔軟性が連続的に増大している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記強化管状部材は、前記強化管状部材の全長にわたって前記近位部の配送孔の内径に等しい外径を有する請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記強化管状部材は螺旋状にカットされた管を含み、前記螺旋状にカットされた管は、10 mmのピッチから遠位端における1 mmのピッチまで連続的に移行している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記強化管状部材は、近位端から遠位端へ向って減少する壁厚を有する請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記強化管状部材は、少なくとも二つの剛性の異なる材料で構成されている請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点における相対的硬直性から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点において相対的により柔軟性へ移行している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点まで同じ柔軟性を維持している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項14】
近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端から前記遠位端まで延びたガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部であって、前記ガイドワイヤ受け孔が近位端と遠位端との間に配置された第一近位ガイドワイヤ出口ポートと前記近位端に配置された第二近位ガイドワイヤ・ポートを有する近位部、
前記近位部の配送孔に配置された強化管状部材であって、近位点から遠位点まで相対的硬直性から相対的により柔軟性へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有し、前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通する遠位部を含み、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成されている、カテーテル。
【請求項15】
前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cm未満に位置している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cmを超えて位置している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から24 cm乃至34 cmに位置している請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記近位部と前記遠位部がジョイントで結合されている請求項14に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記強化管状部材が螺旋状にカットされた管を含む請求項14に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記カテーテルは、前記近位部から前記遠位部へ、スムースなジョイントで、一方が他方に重なることなく移行している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記遠位部ガイドワイヤ受け孔と前記遠位部配送孔が前記遠位部の近位端の近くで平行から同軸へ移行している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記カテーテルの遠位部の遠位端にバルーンが配置されている請求項14に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記バルーンにステントが取り付けられている請求項22に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記近位部と前記遠位部がプラスチック押出成形により形成されている請求項14に記載のカテーテル。
【請求項25】
前記強化管状部材は、近位端から遠位端まで柔軟性が連続的に増大している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項26】
前記強化管状部材は、前記強化管状部材の全長にわたって前記近位部の配送孔の内径に等しい外径を有する請求項14に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記螺旋状にカットされた管は、10 mmのピッチから遠位端における1 mmのピッチまで連続的に移行している請求項19に記載のカテーテル。
【請求項28】
前記強化管状部材は、管が近位端から遠位端へ向うにつれて減少する壁厚を有する請求項14に記載のカテーテル。
【請求項29】
前記強化管状部材は、少なくとも二つの剛性の異なる材料から構成されている請求項14記載のカテーテル。
【請求項30】
前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点における相対的硬直性から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点において相対的に柔軟性へ移行している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項31】
近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と、穿刺されて近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを形成することができる薄い物質が設けられかつ長手方向に延びたチャンネルによって形成されたガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の配送孔に配置された強化管状部材であって、近位点から遠位点まで相対的硬直性から相対的により柔軟性へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有し、前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通する遠位部を含み、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成されている、カテーテル。
【請求項1】
近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを有するガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の近位端から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位な点まで延びた前記近位部の配送孔内に配置され、かつ近位点から遠位点へ相対的に硬直から相対的により柔軟へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有する遠位部を含み、
前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、
前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通し、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成され、かつ
前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cm未満に配置されているカテーテル。
【請求項2】
近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを有するガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の近位端から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位な点まで延びた前記近位部の配送孔内に配置され、かつ近位点から遠位点へ相対的に硬直から相対的により柔軟へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有する遠位部を含み、
前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、
前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通し、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成され、かつ
前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cmを超えて配置されているカテーテル。
【請求項3】
前記近位ガイドワイヤ出口ポートは、前記カテーテルの遠位部の遠位端から24 cm乃至34 cmのところに配置されている請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記近位部と前記遠位部がジョイントで結合されている請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記カテーテルは、近位部から遠位部へ、スムースなジョイントで、一方が他方に重なることなく移行している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記近位部と前記遠位部がプラスチック押出から形成されている請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記強化管状部材は、近位端から遠位端へ柔軟性が連続的に増大している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記強化管状部材は、前記強化管状部材の全長にわたって前記近位部の配送孔の内径に等しい外径を有する請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記強化管状部材は螺旋状にカットされた管を含み、前記螺旋状にカットされた管は、10 mmのピッチから遠位端における1 mmのピッチまで連続的に移行している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記強化管状部材は、近位端から遠位端へ向って減少する壁厚を有する請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記強化管状部材は、少なくとも二つの剛性の異なる材料で構成されている請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点における相対的硬直性から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点において相対的により柔軟性へ移行している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点まで同じ柔軟性を維持している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項14】
近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と前記近位端から前記遠位端まで延びたガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部であって、前記ガイドワイヤ受け孔が近位端と遠位端との間に配置された第一近位ガイドワイヤ出口ポートと前記近位端に配置された第二近位ガイドワイヤ・ポートを有する近位部、
前記近位部の配送孔に配置された強化管状部材であって、近位点から遠位点まで相対的硬直性から相対的により柔軟性へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有し、前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通する遠位部を含み、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成されている、カテーテル。
【請求項15】
前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cm未満に位置している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から10 cmを超えて位置している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記第一近位ガイドワイヤ出口ポートは前記カテーテルの遠位部の遠位端から24 cm乃至34 cmに位置している請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記近位部と前記遠位部がジョイントで結合されている請求項14に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記強化管状部材が螺旋状にカットされた管を含む請求項14に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記カテーテルは、前記近位部から前記遠位部へ、スムースなジョイントで、一方が他方に重なることなく移行している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記遠位部ガイドワイヤ受け孔と前記遠位部配送孔が前記遠位部の近位端の近くで平行から同軸へ移行している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記カテーテルの遠位部の遠位端にバルーンが配置されている請求項14に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記バルーンにステントが取り付けられている請求項22に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記近位部と前記遠位部がプラスチック押出成形により形成されている請求項14に記載のカテーテル。
【請求項25】
前記強化管状部材は、近位端から遠位端まで柔軟性が連続的に増大している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項26】
前記強化管状部材は、前記強化管状部材の全長にわたって前記近位部の配送孔の内径に等しい外径を有する請求項14に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記螺旋状にカットされた管は、10 mmのピッチから遠位端における1 mmのピッチまで連続的に移行している請求項19に記載のカテーテル。
【請求項28】
前記強化管状部材は、管が近位端から遠位端へ向うにつれて減少する壁厚を有する請求項14に記載のカテーテル。
【請求項29】
前記強化管状部材は、少なくとも二つの剛性の異なる材料から構成されている請求項14記載のカテーテル。
【請求項30】
前記強化管状部材は、前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して近位の点における相対的硬直性から前記近位ガイドワイヤ出口ポートに対して遠位の点において相対的に柔軟性へ移行している請求項14に記載のカテーテル。
【請求項31】
近位端と遠位端間に延在する長手、及び前記近位端から前記遠位端まで延びた内径を有する配送孔と、穿刺されて近位端に対して遠位の場所に近位ガイドワイヤ出口ポートを形成することができる薄い物質が設けられかつ長手方向に延びたチャンネルによって形成されたガイドワイヤ受け孔とを含む少なくとも二つの平行に延びた孔を有する近位部、
前記近位部の配送孔に配置された強化管状部材であって、近位点から遠位点まで相対的硬直性から相対的により柔軟性へ移行する強化管状部材、ならびに
少なくとも遠位部ガイドワイヤ受け孔と遠位部配送孔を有し、前記遠位部ガイドワイヤ受け孔が前記近位部のガイドワイヤ受け孔の遠位端と流体により連通し、前記遠位部配送孔が前記近位部の配送孔の遠位端と流体により連通する遠位部を含み、
前記配送孔は、前記遠位部で、外管状部材と内管状部材との間の環状スペースによって形成されている、カテーテル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−81864(P2013−81864A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−27182(P2013−27182)
【出願日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【分割の表示】特願2011−21949(P2011−21949)の分割
【原出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【分割の表示】特願2011−21949(P2011−21949)の分割
【原出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
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