説明

カテーテル

【課題】薬剤投与対象の生体組織を不要に圧迫することなく適切に生体組織に固定できるとともに、生体組織に薬剤を適切に投与できるカテーテルを提供すること。
【解決手段】本発明にかかるカテーテル1は、内部ルーメン3aと、内部ルーメン3aと連通する側孔5,6とを有し、細長い形状をなす躯体3と、躯体3の先端に固着された穿刺針2と、穿刺針2に先端4aが固着されたワイヤ4とを備え、ワイヤ4は、躯体3の側孔5,6に挿通され、少なくとも一部が3躯体の内部ルーメン3aを通過する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生体組織内に導入されるカテーテルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人間を含む哺乳動物の生体組織内に導入されて、直接、生体組織に薬剤を吐出するカテーテルが知られている。このようなカテーテルは、内部にルーメンを有する細長い形状をなしている。ルーメン内を移送された薬剤は、側面や先端に設けられた薬剤吐出口から生体組織内に吐出される(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1には、細胞組織内へと活性物質を直接的に搬送する技術が開示されており、肝臓に対する薬剤投与について具体的な記載がある。
【0003】
また、この特許文献1に記載された技術の類似技術として、腫瘍に抗癌剤などの薬剤を直接投与する方法がある。例えば、すい臓癌の治療方法としてEUS−FNI(Edoscopic Ultrasonography guided Fine Needle Injection:超音波内視鏡下薬液注入)が注目されており、超音波内視鏡によるエコー画像を用いて、腫瘍の位置を確認した上で、針を腫瘍に向けて穿刺し、薬剤を腫瘍に直接注入する治療法が研究されている。
【0004】
このように腫瘍に直接薬剤を投与する場合、悪性度が高くて硬い腫瘍への注入性の悪さが問題となる。実際に本願発明者らが実施した実験によれば、悪性度の高いヒト膵臓がん株細胞への投与を行なった場合、1箇所あたり100マイクロリットル程度の注入が必要であるにもかかわらず、ワンショットで10〜20マイクロリットル程度の抗がん剤注入が限度であり、それを超える量の薬液を注入した場合、注入口からの逆流が発生する場合もあった。
【0005】
従来、組織に相当量の薬剤を注入する方法として、腫瘍内で薬剤が拡散する量を上限として連続的に吐出させる持続投与法が知られている。このように腫瘍に対して薬剤を連続投与するためには、腫瘍に対する薬剤投与経路を安定的に固定することが望ましい。特許文献1に記載のカテーテルを使用する場合には、カテーテルを生体組織に縫い付けることによってカテーテルを生体組織に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4129500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、ポリウレタン、ポリエチレンなどの生体適合性を有する細くしなやかなチューブを用いたカテーテルを生体組織に導入する場合、チューブの軸方向に引っ張り力が発生してチューブに伸びが生じてしまい、チューブが伸びた状態で生体組織に縫い付けてしまうこととなる。しかしながら、伸びた状態でチューブを生体組織に留置するとチューブに応力が残留し、この残留応力によって臓器等の生体組織が圧迫され、生体組織に負担を与えてしまうおそれがあった。
【0008】
また、生体組織内にカテーテルを導入する場合には、チューブを生体組織に留置した後に即時薬剤投与を開始するのではなく、生体組織の炎症反応が治まるまでの一定期間待機する必要がある。しかしながら、カテーテルを生体組織内に留置すると、この待機期間に成長した細胞あるいは他の物質によって、カテーテルの薬剤吐出用の孔が閉塞し、薬剤の生体組織への投与が円滑に開始できないという問題があった。通常、最初に圧力をかけて閉塞した孔を開通させてから薬剤を投与するが、特に薬剤吐出用の孔が複数ある場合には、複数の孔の一つの孔を開通させることができるものの、必ずしも全ての孔を開通させることができるとは限らず、所望の領域全てに薬剤を適切に投与することができない場合があった。
【0009】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、薬剤投与対象の生体組織を不要に圧迫することなく適切に生体組織に固定できるとともに、生体組織に薬剤を適切に投与できるカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかるカテーテルは、生体組織内に導入されるカテーテルであって、内部ルーメンと、前記内部ルーメンと連通する側孔とを有し、細長い形状をなす躯体と、前記躯体の先端に固着された穿刺針と、前記穿刺針に直接あるいは間接的に先端が固着されるとともに、前記躯体の側孔に挿通されて少なくとも一部が前記躯体の前記内部ルーメンを通過するワイヤと、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記ワイヤの先端は、前記躯体の前記内部ルーメンにおいて前記穿刺針と固着されることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記側孔は、複数設けられることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記ワイヤは、複数の前記側孔のうち偶数個の側孔に挿通されることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記ワイヤの先端は、前記躯体外において前記穿刺針と固着されることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記側孔は、複数設けられることを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記ワイヤは、複数の前記側孔のうち奇数個の側孔に挿通されることを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記ワイヤは、前記躯体よりも長いことを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記ワイヤの基端が接続し、前記躯体の先端部が切断され前記穿刺針と前記躯体の先端部とが前記躯体から分離されたときに、前記ワイヤの基端を前記躯体に対し前記躯体の基端から所定長さ引き出す引出し機構をさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記引出し機構は、前記躯体から取外し可能であることを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記躯体を当該躯体の長手方向の中心軸と直交する面で切断した場合の前記躯体の外形形状は、領域によって異なることを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記躯体を当該躯体の長手方向の中心軸と直交する面で切断した場合の躯体の外形形状は、前記ワイヤが前記躯体の前記内部ルーメンを通過していない領域の方が、前記ワイヤが前記躯体の前記内部ルーメンを通過する領域よりも外形が小さいことを特徴とする。
【0022】
また、この発明にかかるカテーテルは、前記ワイヤが前記躯体の前記内部ルーメンを通過していない部分において、前記躯体の長手方向の中心軸と直交する切断面における前記躯体と前記ワイヤとの外縁を滑らかに繋いだ曲線は、略円形であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明にかかるカテーテルにおいては、伸びが生じにくいワイヤが躯体先端から延伸し、ワイヤの少なくとも一部が躯体の内部ルーメンを通過しており、カテーテルの生体組織への導入時にも躯体が伸びることはないため、薬剤投与対象の生体組織を不要に圧迫することなく適切に生体組織に固定可能である上に、ワイヤが側孔に挿通されているため、側孔が完全に閉塞することもなく、生体組織に薬剤を適切に投与できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、実施の形態1にかかるカテーテルの全体図である。
【図2】図2は、図1に示すカテーテルを、当該カテーテルの長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。
【図3】図3は、図1に示す内プラグの側面図である。
【図4】図4は、図3のA矢視図である。
【図5】図5は、図3に示す内プラグを、当該内プラグの長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。
【図6】図6は、図3に示す外プラグを、当該外プラグの長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。
【図7】図7は、図7は、図6のB矢視図である。
【図8】図8は、図6に示す領域W1の拡大図である。
【図9】図9は、図に示す内プラグと外プラグとを、当該内プラグおよび外プラグの長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。
【図10】図10は、図9のC−C線断面図である。
【図11】図11は、図1に示すカテーテルの生体組織への導入を説明する図である。
【図12】図12は、図11に示す基端側ストッパを説明する模式図である。
【図13】図13は、図11に示す先端側ストッパを説明する模式図である。
【図14】図14は、図3に示す内プラグおよび外プラグによって構成される引出し機構によるワイヤ基端の躯体3からの引き出しを説明する図である。
【図15】図15は、図1に示すカテーテルの生体組織の留置を説明する図である。
【図16】図16は、図1に示すカテーテルのポンププラグの接続を説明する図である。
【図17】図17は、実施の形態1における他の躯体を、当該躯体の長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。
【図18】図18は、図1に示すカテーテルの他の例を示す模式図である。
【図19】図19は、図1に示す躯体の他の例を説明する模式図である。
【図20】図20は、実施の形態1における他のカテーテルを、当該カテーテルの長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。
【図21】図21は、図1に示す躯体の他の例である躯体を説明する断面図である。
【図22】図22は、図1に示す躯体の他の例である躯体を説明する断面図である。
【図23】図23は、図1に示す躯体の他の例である躯体を説明する断面図である。
【図24】図24は、実施の形態2にかかるカテーテルの全体図である。
【図25】図25は、図24に示すカテーテルを、当該カテーテルの長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。図26は、図25のD−D線断面図である。
【図26】図26は、図25のD−D線断面図である。
【図27】図27は、図24に示すカテーテルの他の例を示す模式図である。
【図28】図28は、実施の形態2における他のカテーテルを、当該カテーテルの長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態として、人間を含む哺乳動物の生体組織に導入されるカテーテルについて説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。図面は模式的なものであり、各部の寸法の関係や比率は、現実と異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
【0026】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。図1は、本実施の形態1にかかるカテーテルの全体図である。図2は、図1に示すカテーテルを、当該カテーテルの長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。
【0027】
図1および図2に示すように、実施の形態1にかかるカテーテル1は、穿刺針2、躯体3、ワイヤ4、内プラグ7および外プラグ8を備える。
【0028】
穿刺針2は、先端が尖り、全体として湾曲した形状をなす。穿刺針2は、例えば、チタンやステンレス等の金属、ポリカーボネート等の樹脂材料によって形成される。
【0029】
躯体3は、細長い管形状をなし、内部ルーメン3aを有する。躯体3の側面には、内部ルーメン3aとそれぞれ連通する二つの側孔5,6が設けられる。躯体3の先端には、穿刺針2の基端が固着される。躯体3は、例えば、シリコンやポリエチレン、ポリウレタン等の生体適合性を有する材料によって形成される。
【0030】
ワイヤ4は、直径0.2〜0.5mm程度の耐食鋼細線単線あるいは撚り線などで形成される。ワイヤ4の先端4aは、躯体3の内部ルーメン3aにおいて、アンカ2aによって穿刺針2の基端面に固着される。先端4aが穿刺針2の基端面に固着されたワイヤ4は、躯体3の内部ルーメン3aを通過し、躯体3の先端側の側孔5に挿通され、側孔5から側孔6までの間は躯体3外を通り、躯体3の基端側の側孔6に挿通して、再度、躯体3の内部ルーメン3aを通過する。したがって、ワイヤ4は、躯体3の側孔5,6に挿通され、側孔5から側孔6までの間以外の少なくとも一部が躯体3の内部ルーメン3aを通過する。そして、ワイヤ4の基端4bは、後述する躯体3基端側の外プラグ8内部の基端部にアンカ8aによって固着される。また、ワイヤ4は、躯体3よりも長い。なお、ワイヤ4は、先端4aが穿刺針2に直接固着された場合に限らず、穿刺針2に間接的に固着されていてもよい。
【0031】
内プラグ7および外プラグ8は、ワイヤ4の基端4bを躯体3に対し躯体3の基端から所定長さ引き出す引出し機構として機能する。内プラグ7および外プラグ8は、躯体3の基端から取外し可能である。この内プラグ7および外プラグ8について、詳細に説明する。
【0032】
まず、内プラグ7について説明する。図3は、図1に示す内プラグ7の側面図である。図4は、図4のA矢視図である。図5は、図3に示す内プラグ7を、当該内プラグ7の長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。図3および図4には、説明のため、内プラグ7とともに躯体3についても示す。
【0033】
図3〜図5に示すように、内プラグ7は、略円筒状形状を有し、躯体3の基端と嵌合する。内プラグ7の先端部7aは、基端部7bよりも外径が大きくなるように形成されている。内プラグ7の内部空洞7cは、躯体3の内径と略同一である。基端部7bには、内プラグ7の軸周りの位置を後述する外プラグ8の軸回りの位置に合わせるために、外側面が長手方向に向かって切り欠かれた切り欠き面7dが形成されている。先端部7aからは、躯体3の基端と嵌合できる嵌合部7eが突出する。内プラグ7の基端部7bの側面には、一つの凹部が形成されており、凹部内には、バネ9aに付勢されて外部で突出可能である突起部9が嵌め込まれている。
【0034】
次に、外プラグ8について説明する。図6は、図3に示す外プラグ8を、当該外プラグ8の長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。図7は、図6のB矢視図である。図8は、図6に示す領域W1の拡大図である。
【0035】
図6〜図8に示すように、外プラグ8は、有底の略円筒形状を有する。ワイヤ4の基端4bは、外プラグ8の内部空洞8bを通り、アンカ8aによって外プラグ8基端側の内部底面に固着されている。このため、外プラグ8がスライド移動することによって、ワイヤ4もスライド移動する。外プラグ8の内形は、内プラグ7の基端部7bの外形と一致しており、内部に内プラグ7の基端部7bを嵌合可能である。外プラグ8の内側面の一部には、外プラグ8の軸周りの位置を内プラグ7の軸回りの位置に合わせるために、先端から底面に渡って平面部8cが形成される。この平面部8cは、内プラグ7の切り欠き面7dと合致するように形成される。また、外プラグ8の側面には、貫通孔である窓10,11が形成される。この窓10,11は、略同一の形状を有し、内プラグ7の突起部9が嵌まるものであり、内プラグ7の突起部9の軸周りの位置に対応して形成される。なお、図8に示すように、窓10は、内壁が、内プラグ7の突起部9がバネ9aによって外側に付勢された場合であっても突起部9全体が窓10,11から飛び出さないように、突起部9の側面に当て付き可能である段差形状となっている。窓11についても、窓10と同様に、突起部9の突起部9の側面に当て付き可能である段差形状を有する。
【0036】
次に、内プラグ7と外プラグ8とが嵌合した状態について説明する。図9は、図3に示す内プラグ7と外プラグ8とを、当該内プラグ7および外プラグ8の長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。図9は、カテーテル1の躯体3の生体組織への留置前の内プラグ7および外プラグ8を示す。図10は、図9のC−C線断面図である。
【0037】
内プラグ7の切り欠き面7dを、外プラグ8の平面部8cに合わせるとともに、内プラグ7の突起部9を内プラグ7の凹部内に押し込みながら、内プラグ7の基端部7bを外プラグ8内部に挿入することによって、図9および図10のように、外プラグ8の内部に内プラグ7の基端部7bが嵌め込まれる。図9は、内プラグ7および外プラグ8によって構成される引出し機構の、カテーテル1を生体組織に留置する前の初期状態を示すものである。図9に示すように、初期状態では、内プラグ7の突起部9は、外プラグ8の二つの窓10,11のうち、基端側の窓10に嵌まりストッパとして機能する。なお、内プラグ7の突起部9が図9の矢印のように図中上方から窓10内に押し込まれると、ストッパと機能していた突起部9が外れるため、内プラグ7の外面に沿って、外プラグ8が長軸方向基端側にスライド可能となる。
【0038】
内プラグ7と外プラグ8とが図9に示す初期状態である状態で、カテーテル1は、生体組織内に導入される。図11は、図1に示すカテーテル1の生体組織への導入を説明する図である。
【0039】
図11に示すように、カテーテル1は、基端側ストッパ12および先端側ストッパ13の二つのストッパを用いて、カテーテル1の臓器Liからの位置ずれや脱落を防ぐように構成される。
【0040】
図12は、図11に示す基端側ストッパ12を説明する模式図である。図12に示すように、基端側ストッパ12の本体部12aは、たとえば、シリコンなどの生体適合性に優れた弾性部材からなる。本体部12a内部には、躯体3を挿通させるための貫通孔14が形成される。貫通孔14の内径は、躯体3の外径よりもやや小さく設定されており、躯体3を貫通孔14に挿通させると両者の間に適度な摩擦が働く。施術者によって躯体3が基端側ストッパ12内に挿通される場合には、躯体3と基端側ストッパ12との相対位置を変えることができるが、蠕動や運動に伴う臓器の動き程度では、躯体3と基端側ストッパ12との相対位置は変わらない。これによって、基端側ストッパ12は、カテーテル1の躯体の臓器Liからの位置ずれや脱落を防ぐことができる。
【0041】
図13は、図11に示す先端側ストッパ13を説明する模式図である。図13に示すように、先端側ストッパ13の本体部13aは、基端側ストッパ12の本体部12aと同様に、たとえば、シリコンなどの生体適合性に優れた弾性部材からなる。また、本体部13a内部には、金属管15を経由する貫通孔16が形成される。貫通孔16および金属管15内部に、躯体3が挿通することが可能である。金属管15は、たとえば、チタンなどに代表される生体適合性の高い金属材料で形成される。本体部13aには、金属管15の側面に対向するように到達する孔17a,17bが形成される。この孔17a,17bを通して、かしめ用の部材を用いて金属管15の対向する側面をそれぞれ内側に潰して塑性変形させる。これによって、金属管15内部を挿通する躯体3の内空を閉塞させるとともに、躯体3に先端側ストッパ13を固定させて、躯体3と先端側ストッパ13との相対位置を固定することができる。
【0042】
カテーテル1を生体組織に導入するには、まず、施術者は、基端側ストッパ12が、基端側ストッパ12による躯体3の固定位置よりも基端側に位置するように、基端側ストッパ12の貫通孔14に穿刺針2および躯体3の先端部を挿通させる。続いて、図11の矢印Y1のように、薬剤投与対象の臓器Liに、穿刺針2を穿刺し、穿刺針2および躯体3の先端部が臓器Liから突出するまでカテーテル1を臓器Li内に挿入する。躯体3の側孔5,6が、臓器Liの薬剤投与目標である腫瘍内に位置するように、躯体3をスライドさせて、躯体3の位置を調整する。カテーテル1は、伸びが生じにくいワイヤ4の少なくとも一部が躯体3の内部ルーメン3aを通過しているため、カテーテル1の臓器Liへの導入時にも躯体3が伸びることはない。その後、基端側ストッパ12を躯体3の固定位置までスライドさせて、基端側ストッパ12の位置を調整する。この基端側ストッパ12によって、躯体3の基端側は、臓器Liに対して固定される。
【0043】
次に、矢印Y2のように、先端側ストッパ13の貫通孔16に穿刺針2を通し、臓器Liに近接するまで、先端側ストッパ13を躯体3に対してスライドさせる。続いて、臓器Liから突出した躯体3の先端部を切断位置Pcでワイヤ4ごと切断して、穿刺針2と、切断された躯体3の先端部と、切断された一部のワイヤ4とを躯体3から分離する。切断位置Pcは、先端側ストッパ13が位置する箇所よりも先端側に設定される。このときまで、内プラグ7と外プラグ8とによって構成される引出し機構は初期状態を保つ。
【0044】
本実施の形態1においては、先端側ストッパ13によって躯体3内部に残存するワイヤ4の先端まで固定されないように、先端側ストッパ13を固定する前に、ワイヤ4の基端を躯体3に対して所定長さのみ引き出している。具体的には、前述した内プラグ7および外プラグ8によって構成される引出し機構を操作して、ワイヤ4の基端を躯体3に対して所定長さのみ引き出している。このワイヤ4基端の引き出しについて、図14を参照して説明する。図14は、内プラグ7および外プラグ8によって構成される引出し機構によるワイヤ4基端の躯体3からの引き出しを説明する図である。図14は、図3に示す内プラグ7と外プラグ8とを、当該内プラグ7および外プラグ8の長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。
【0045】
施術者は、図14(1)に示すように、初期状態において、内プラグ7の突起部9を矢印Y3のように図中上方から窓10内に押し込み、ストッパとして機能していた突起部9を窓10から外した状態で、内プラグ7の外面に沿って、外プラグ8を矢印Y4のように長軸方向基端側にスライドする。図14(2)の矢印Y5のように、外プラグ8が基端側にスライドし、外プラグ8の窓11が内プラグ7の突起部9の位置に達すると、突起部9は、矢印Y6のようにバネ9aによって外側に付勢され、外プラグ8の窓11内に嵌まる。このとき、ワイヤ4の基端4bは、矢印Y7のように、窓10と窓11との間の距離に対応する所定の長さDだけ、躯体3から基端側に引き出される。ワイヤ4の基端の躯体3基端からの引き出し長さは、先端側ストッパ13の貫通孔16からワイヤ4が完全に退避するように設定される。さらに、ワイヤ4の基端の躯体3基端からの引き出し長さ(図14によける長さD)は、残存するワイヤ4が側孔5,6に挿通した状態を保持できるように、残存するワイヤ4の先端が躯体3の先端側の側孔5よりも先端側に位置するように設定される。したがって、図14(2)の矢印Y7のように、引き出し機構によってワイヤ4の基端4bが躯体3から引き出されると、図15の矢印Y8のように、先端側ストッパ13の貫通孔16から、残存するワイヤ4の先端も引き出されるため、先端側ストッパ13の貫通孔16内の躯体3内部には、ワイヤ4が残存しない。
【0046】
この状態で、先端側ストッパ13の孔17a,17bを介して、かしめ用部材で金属管15の側面を内側に潰すことによってかしめを行う。この結果、残存する躯体3の先端は、臓器Liから引き抜けないように、先端側ストッパ13によって固定され、臓器Li内に躯体3の一部が留置される。引き出し機構によるワイヤ4の引出しによって先端側ストッパ13内部からワイヤ4先端を退避させた状態で先端側ストッパ13による躯体3の留置が行われるため、残存したワイヤ4の先端が先端側ストッパ13によって固定されることはなく、後述するように、残存するワイヤ4は、躯体3から引き抜き可能となる。また、カテーテル1は、伸びが生じにくいワイヤ4が躯体3先端から延伸し、このワイヤ4の少なくとも一部が躯体3の内部ルーメン3aを通過した状態で臓器Liに導入されており、躯体3が伸びることはないため、臓器Liを不要に圧迫することなく適切に臓器Liに固定留置される。
【0047】
一般に、外科的な処置をともなってカテーテル1を生体組織に留置した場合、生体組織の炎症反応が治まる期間、たとえば、一週間ほど待機してから、投薬を開始する。本実施の形態1においても、留置後、約一週間待機後に、投薬を開始する。
【0048】
ここで、実施の形態1においては、投薬開始に先立ち、躯体3の基端からワイヤ4全てを引き抜く処理が行われる。具体的には、施術者は、外プラグ8の窓11に嵌まる突起部9を窓11内に押し込み、突起部9を窓11から外して、外プラグ8をさらに基端側にスライドさせて、内プラグ7から外プラグ8を取り外す。施術者は、内プラグ7から取り外した外プラグ8をさらに基端側に引っ張り、外プラグ8内部に基端4bが固着するワイヤ4を躯体3基端から引き抜く。このとき、躯体3内部に残存するワイヤ4の先端は、躯体3の側孔5および側孔6を通りながら、躯体3から引き抜かれる。このため、成長した細胞等によって側孔5,6が閉塞していた場合であっても、ワイヤ4の側孔5,6からの引き抜きによって、いずれの側孔5,6も開通する。
【0049】
施術者は、ワイヤ4全体を躯体3の基端から引き抜いた後、図16に示すように、内プラグ7の基端側に、図示しない薬剤リザバおよびポンプと接続するポンププラグ18を接続する。施術者は、ポンプを駆動させて、薬剤リザバ内の薬剤を、ポンププラグ、内プラグ7を介して、躯体3に薬剤を供給する。躯体3の側孔5,6は、前述したように、ワイヤ4の躯体3からの引き抜きによって、いずれも適切に開通しているため、二つの側孔5,6から臓器Liに薬剤が適切に投与される。なお、引き出し機構のうち外プラグ8を躯体3から取外すほか、内プラグ7も躯体3から取り外した上で、ポンププラグ18を躯体3基端に直接接続することもできる。
【0050】
このように、実施の形態1にかかるカテーテル1においては、伸びが生じにくいワイヤ4が躯体3先端から延伸し、ワイヤ4の少なくとも一部が躯体3の内部ルーメン3aを通過している。このため、カテーテル1においては、細くしなやかな材料で躯体3を形成した場合であっても、カテーテル1の生体組織への導入時にワイヤ4が芯となって躯体3が伸びることはないため、躯体3に応力が残留することもない。したがって、カテーテル1によれば、躯体3が薬剤投与対象の生体組織を不要に圧迫することなく、適切に生体組織に躯体3を固定可能である。
【0051】
また、実施の形態1にかかるカテーテル1においては、ワイヤ4が躯体3の側孔5,6の双方に挿通されているため、薬剤投与開始に先立って、このワイヤ4を躯体3の基端から引き抜くことによって、側孔5,6が閉塞していた場合であっても開通させることができ、全ての側孔5,6から生体組織に薬剤を適切に投与できる。
【0052】
なお、内プラグ7および外プラグ8によって構成される引き出し機構のワイヤ4の引き出し長さは、カテーテル1を導入する臓器の大きさ等によって適宜設定すればよい。さらに、本実施の形態1では、外プラグ8に二つの窓10,11を設けた場合を例に説明したが、三つ以上の窓を設けて、突起部9に対する外プラグ8のスライド長さを複数の長さの中から選択できるようにしてもよい。
【0053】
また、図17の躯体31に示すように、側孔51,61に、ワイヤ4の挿通ガイドのため、ワイヤ4の経路に対応して傾斜する傾斜面51a,61aを設けて、ワイヤ4の挿通の円滑化を図ってもよい。
【0054】
また、実施の形態1においては、二つの側孔5,6を有する躯体3を例に説明したが、もちろんこれに限らず、躯体に形成する側孔は、三つ以上であってもよい。また、実施の形態1においては、二つの側孔5,6が躯体長手方向に延伸する同一の軸上に形成された場合を説明したが、もちろんこれに限らず、図18の躯体32のように、四つの側孔52a〜52dが螺旋状に形成されていてもよい。このように形成した場合には、躯体32の全周に渡って薬剤を投与することができる。
【0055】
この場合、側孔から躯体外に出たワイヤ4がその次の側穴にたわみなく入るように、図19に示す躯体33のように、さらに、ワイヤ4のガイドとして機能する溝33a,33bを、躯体33外表面に形成してもよい。溝33aは、側孔52aから躯体33外に出たワイヤ4が、次の側孔52bにたわみなく入るように、側孔52aと側孔52bを繋ぐように形成される。また、溝33bは、側孔52bから躯体33内に入り、側孔52cから再度躯体33外に出たワイヤ4が、次の側孔52dにたわみなく入るように、側孔52cと側孔52dを繋ぐように形成される。
【0056】
もちろん、躯体に形成する側孔は、偶数に限らず奇数でもよく、この場合には、ワイヤ4は、複数の側孔のうち偶数個の側孔に挿通されると、ワイヤ4の先端およびワイヤ4の基端は、躯体3の内部ルーメン3aを通り、躯体3外に位置するワイヤ4の長さが短くなる。
【0057】
さらに、実施の形態1においては、複数の側孔を有する躯体に限らず、図20のカテーテル1Aに示すように、一つの側孔5のみを有する躯体34を用いてもよい。この場合に、側孔5から躯体34外に出るワイヤ4の基端4bは、躯体34外表面に沿って躯体34の基端まで延伸し、外プラグ8の外表面に、アンカ8aによって固着される。
【0058】
また、実施の形態1においては、カテーテルを構成する躯体を当該躯体の長手方向の中心軸と直交する面で切断した場合の躯体の外形形状を、領域によって異なる形状としてもよい。たとえば、図21は、図1に示す躯体の他の例である躯体35を説明する図であり、ワイヤ4が躯体35の内部ルーメン3aを通過する領域において、躯体35を当該躯体35の長手方向の中心軸と直交する面で切断した場合の断面図である。図22は、図21に示す躯体35を、ワイヤ4が躯体35の内部ルーメン3aを通過しない領域において、当該躯体35の長手方向の中心軸と直交する面で切断した場合の断面図である。すなわち、図22は、図21に示す躯体35を、ワイヤ4が躯体35外表面に沿う領域において、当該躯体35の長手方向の中心軸と直交する面で切断した場合の断面図である。
【0059】
図21に示すように、躯体35は、ワイヤ4が躯体35の内部ルーメン3aを通過する領域においては、外形形状がほぼ円形である。これに対し、図22に示すように、躯体35は、ワイヤ4が躯体35外表面を沿う領域においては、ワイヤ4が躯体35の内部ルーメン3aを通過する領域よりも外形形状が小さく、ワイヤ4に対応した窪みを有する。すなわち、ワイヤ4が躯体35の内部ルーメン3aを通過していない部分において、躯体35の長手方向の中心軸と直交する切断面における躯体35とワイヤ4との外縁を滑らかに繋いだ曲線は、略円形Cになっている。このように、ワイヤ4が躯体35外表面を沿う領域では、躯体35とワイヤ4との外縁を滑らかに繋いだ曲線を、ワイヤ4が躯体35の内部ルーメン3aを通過する領域の躯体の35の外形形状である円形と同等の形状にすることによって、躯体35全長にわたって、躯体35およびワイヤ4が生体組織に引っかかりにくくなり、躯体3の体内組織への導入を円滑化することができる。なお、他にも、図23の躯体35Aのように、ワイヤ4が躯体35A外表面を沿う領域においては、躯体35Aとワイヤ4との外縁を滑らかに繋いだ曲線が略円形Cとなるように、躯体35Aの断面形状の外形形状を、ワイヤ4に対応させて円を切り欠いた形状にしてもよい。
【0060】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。図24は、本実施の形態2にかかるカテーテルの全体図である。図25は、図24に示すカテーテルを、当該カテーテルの長手方向の中心軸に沿って切断した断面図である。
【0061】
図24および図25に示すように、実施の形態2にあっかるカテーテル201は、図1および図2に示す実施の形態1にかかるカテーテル1と比して、ワイヤ204の先端204aが、細長い管形状をなす躯体203の内部ルーメン203aではなく、躯体203外において穿刺針2と固着される。ワイヤ204の先端204aは、アンカ2aによって、穿刺針2基端の外表面に固着される。
【0062】
また、先端204aが穿刺針2基端の外表面に固着されたワイヤ204は、躯体203の側面に沿って側孔5まで延伸し、躯体203の先端側の側孔5に挿通され、側孔5から側孔6までの間は躯体203内の内部ルーメン203aを通り、躯体203の基端側の側孔6に挿通して、再度、躯体203外に出て、躯体203の側面に沿って延伸する。したがって、ワイヤ204は、躯体203の側孔5,6に挿通され、少なくとも側孔5から側孔6までの間の部分が躯体203の内部ルーメン203aを通過する。そして、ワイヤ204の基端204bは、躯体203基端側の外プラグ8外表面にアンカ8aによって固着される。
【0063】
施術者は、カテーテル201においても、実施の形態1にかかるカテーテル1と同様の処理手順を行うことによって、カテーテル201を、薬剤投与対象の臓器に導入および留置することができる。すなわち、まず、施術者は、基端側ストッパ12に穿刺針2および躯体203の先端部を挿通させてから、穿刺針2および躯体203の先端部が臓器から突出するまでカテーテル201を臓器内に挿入し、臓器から突出した躯体203の先端部を切断して穿刺針2と躯体203の先端部とを躯体203から分離する。続いて、施術者は、内プラグ7の突起部9を窓10内に押し込みながら外プラグ8を基端側にスライド移動させることによって、ワイヤ204の基端204bを躯体203に対し所定距離のみ引き出してから、残存する躯体203の先端に先端側ストッパ13を固定させて、残存する躯体203の一部を臓器に留置する。その後、一定の待機時間経過後に、施術者は、外プラグ8を内プラグ7から取り外すことによって、ワイヤ204全体を躯体203の基端から引き抜いてから、ポンププラグ18を躯体203に接続して、薬剤投与を開始すればよい。
【0064】
したがって、実施の形態2にかかるカテーテル201においても、実施の形態1にかかるカテーテル1と同様に、カテーテル201の生体組織への導入時にワイヤ204が芯となって躯体3が伸びることはないため、躯体203に応力が残留せず、躯体3が薬剤投与対象の生体組織を不要に圧迫することはない。また、実施の形態2にかかるカテーテル201においても、ワイヤ204が躯体203の側孔5,6の双方に挿通されているため、薬剤投与開始に先立って、このワイヤ204を躯体203の基端から引き抜くことによって、側孔5,6を開通させることができ、全ての側孔5,6から生体組織に薬剤を適切に投与できる。
【0065】
また、図26は、図25のD−D線断面図である。この図26に示すように、躯体203の外形形状を、ワイヤ4が躯体203外表面を沿う領域においては、ワイヤ204が躯体203の内部ルーメン203aを通過する領域よりも小さくし、さらに、ワイヤ204の断面を楕円形状にして、躯体203とワイヤ204との外縁を滑らかに繋いだ曲線を略円形Cになるように躯体203およびワイヤ204の外形形状を設定してもよい。ワイヤ204が躯体35の内部ルーメン203aを通過する領域では、躯体203の外形形状は、ほぼ円形である。このように、ワイヤ204が躯体203外表面を沿う領域では、躯体203とワイヤ204との外縁を滑らかに繋いだ曲線を、ワイヤ204が躯体203の内部ルーメン203aを通過する領域の躯体203の外形形状である円形と同等の形状とすることによって、躯体203全長にわたって、躯体35およびワイヤ4が生体組織に引っかかりにくくなるようにしてもよい。
【0066】
また、実施の形態2においても、躯体に形成する側孔は、二つに限らず、三つ以上であってもよく、図27の躯体2032のように、三つの側孔52a〜52cが螺旋状に形成されていてもよい。また、ワイヤ204は、複数の側孔のうち奇数個の側孔に挿通されると、ワイヤ204の基端は、躯体2032の内部ルーメンを通るため、躯体2032外に位置するワイヤ204の長さを短くすることができる。
【0067】
もちろん、実施の形態2においても、図28のカテーテル201Aに示すように、一つの側孔5のみを有する躯体2034を用いてもよい。この場合に、側孔5から躯体2034内に入るワイヤ204の基端204bは、躯体2034の内部ルーメン203aを通って、躯体2034の基端まで延伸し、外プラグ8内部の基端部にアンカ8aによって固着される。
【0068】
(付記)
内部ルーメンと、前記内部ルーメンと連通する側孔とを有し、細長い形状をなす躯体と、前記躯体の先端に固着された穿刺針と、前記穿刺針に先端が固着されたワイヤと、を備え、前記ワイヤは、前記躯体の側孔に挿通され、少なくとも一部が前記躯体の前記内部ルーメンを通過するカテーテルを生体組織内に導入して留置するカテーテル留置方法であって、
基端側ストッパに前記穿刺針および前記躯体の先端部を挿通させてから、前記穿刺針および前記躯体の先端部が前記生体組織から突出するまで前記カテーテルを生体組織内に挿入する挿入ステップと、
前記生体組織から突出した前記躯体の先端部を切断して前記穿刺針と前記躯体の先端部とを前記躯体から分離する切断ステップと、
前記ワイヤの基端を前記躯体に対し所定距離のみ引き出す引き出しステップと、
残存する前記躯体の先端に先端側ストッパを固定させて、前記残存する躯体の一部を前記生体組織に留置する留置ステップと、
前記ワイヤを前記躯体の基端から引き抜くワイヤ引き抜きステップと、
を含むことを特徴とするカテーテル留置方法。
【符号の説明】
【0069】
1,1A,201,201A カテーテル
2 穿刺針
2a,8a アンカ
3,31〜35,35A,203,2032,2034 躯体
3a,203a 内部ルーメン
4,204 ワイヤ
5,6,51,52a〜52d,61 側孔
7 内プラグ
8 外プラグ
9 突起部
10,11 窓
12 基端側ストッパ
13 先端側ストッパ
14,16 貫通孔
15 金属管
17a,17b 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織内に導入されるカテーテルであって、
内部ルーメンと、前記内部ルーメンと連通する側孔とを有し、細長い形状をなす躯体と、
前記躯体の先端に固着された穿刺針と、
前記穿刺針に直接あるいは間接的に先端が固着されるとともに、前記躯体の側孔に挿通されて少なくとも一部が前記躯体の前記内部ルーメンを通過するワイヤと、
を備えたことを特徴とするカテーテル。
【請求項2】
前記ワイヤの先端は、前記躯体の前記内部ルーメンにおいて前記穿刺針と固着されることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記側孔は、複数設けられることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記ワイヤは、複数の前記側孔のうち偶数個の側孔に挿通されることを特徴とする請求項3に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記ワイヤの先端は、前記躯体外において前記穿刺針と固着されることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記側孔は、複数設けられることを特徴とする請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記ワイヤは、複数の前記側孔のうち奇数個の側孔に挿通されることを特徴とする請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記ワイヤは、前記躯体よりも長いことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記ワイヤの基端が接続し、前記躯体の先端部が切断され前記穿刺針と前記躯体の先端部とが前記躯体から分離されたときに、前記ワイヤの基端を前記躯体に対し前記躯体の基端から所定長さ引き出す引出し機構をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記引出し機構は、前記躯体から取外し可能であることを特徴とする請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記躯体を当該躯体の長手方向の中心軸と直交する面で切断した場合の前記躯体の外形形状は、領域によって異なることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記躯体を当該躯体の長手方向の中心軸と直交する面で切断した場合の躯体の外形形状は、前記ワイヤが前記躯体の前記内部ルーメンを通過していない領域の方が、前記ワイヤが前記躯体の前記内部ルーメンを通過する領域よりも小さいことを特徴とする請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記ワイヤが前記躯体の前記内部ルーメンを通過していない部分において、前記躯体の長手方向の中心軸と直交する切断面における前記躯体と前記ワイヤとの外縁を滑らかに繋いだ曲線は、略円形であることを特徴とする請求項12に記載のカテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−217(P2013−217A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132207(P2011−132207)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】