説明

カバノアナタケ薬剤に対する微弱エネルギー処理方法及び雪水その他の健康飲食製品

【課題】カバノアナタケ由来の有効成分を注射、点滴などに使用する薬剤の製造と活性力の付与
【解決手段】カバノアナタケ抽出物を、灰分、特にカリウム及びナトリウム化合物を除去した高純度で含有する、注射、点滴などに使用する薬剤、座薬・錠剤などの固形剤、及び灰分を特に除去しないまま有効成分として含有し、広く諸症状に対する治療活性・作用を有する薬剤と微弱エネルギ−で処理する。
【効果】上記の薬剤は、エイズ、インフルエンザなどに対し抗ウィスル活性、抗腫瘍活性、免疫増強作用等々、多くの生理活性を有する。有効成分を更に活性化するため、遠赤外線やマイナスイオン、高機能水や雪の水、地下水などを電気分解処理して微弱エネルギーを与えることで薬物や薬理効果をあげることができる。優れた健康飲食製品ができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【発明の技術分野】
【0001】
本発明は、カバノアナタケから抽出した有効成分を注射液・点滴液、その他の固体又は粉状などの広く薬剤、さらにドリンク剤・健康食品、麺、つゆ食品などの健康飲食製品としてり利用することに関するものである。特に、注射液・点滴液としての利用面では、カバノアナタケから抽出して高純度に精製した有効成分を液剤とし用いるものであるが、その他の薬剤及びドリンク剤・健康食品類には、高純度であっても高純度でなくてもカバノアナタケの抽出有効成分を利用できる。ここでの健康飲食製品は高純度に精製し、且つ、微弱エネルギ−を付与したカバノアナタケの有効成分を食品等に用いる限定した特定範囲を請求の範囲とする。具体的に、高純度の有効成分とはカバノアナタケの抽出成分から少なくともカリウム及びナトリウムなどの不要成分を除去し、又は少なくとも減少させて、直接的に血管又は筋肉に注入できる注射液として用いるようにする。このような高純度有効成分は、経口摂取したとき消化器系統に良好な影響を与える。本発明に係るカバノアナタケ抽出有効成分は、全般に、エイズウイルス、インフルエンザウイルスなどのウイルスに対する抗ウイルス活性、O−157などに対する抗菌活性、ベンゾピレンなどの変異原物質に対する坑変異原性、ガン細胞に対する抗腫瘍活性、免疫増強活性、その他後述する多くの有用な生理活性を有する。
【発明の背景】
【0002】
キノコの一種であるカバノアナタケ[学名 Fuscopiaoblique(Fr.)Aoshima]には、抗腫瘍活性(特願平1−114665)、抗エイズウイルス活性(特願平8−23208など)及び抗変異原性(特願平8−145218)等の活性があることはすでに本発明者によって確認され、その利用技術が開発されてきたが、これまでは主としてカバノアナタケ抽出成分を例えば健康食品や薬剤などとして経口服用することに主眼が置かれていた、それらの活性成分を例えば注射などによって直接血液に入れることは試みられてこなかった。しかし、カバノアナタケ抽出有効成分を経口服用できない患者などに対しては、注射器、点滴液、或いは座薬等の形の製剤ができれば、医療現場での応用範囲が大いに拡大することが期待できる。またカバノアナタケ抽出成分の経口剤又はドリンク剤・健康食品としては、健康人には従来のままの抽出成分でも特に問題はないが、十二指腸潰瘍などの消化器系疾病患者や肝臓ガン・胃ガン・直腸ガンなどの手術後の患者、痔等の患者に対しては、従来のまま抽出成分ではなく、高純度成分とすれば刺激が少なく服用することができる。微弱エネルギ−を付与すればさらに薬理的機能がアップされる。
【0003】
本発明者の研究によれば、カバノアナタケ抽出物の直接血液又は筋肉への流入又は注入を妨げ、また生体への望ましくない刺激を与える主な原因となっていたものは、カバノアナタケ抽出物中に含まれる灰分であることが確認された。少なくともこれら灰分を有効に除去できれば、カバノアナタケ抽出物をきわめて有用な注射液、点滴液、座薬、さらには体内挿入剤等として、また刺激の少ない経口剤やドリンク剤として活用できる途が開けることが明らかになった。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って本発明は、カバノアナタケ抽出物が不要な灰分を除去又は減少させ、さらに、それ以外の不要成分も場合により減少又は除去させ、人体には動物の血液又は筋肉中に直接注入することが可能な高純度カバノアナタケ抽出物を含有する液剤を提供することが第1の課題とし、第2には、エイズをはじめとする坑ウイルス活性、免疫増強活性など生理活性に特に着眼して使用される薬剤を提供すること、第3には、高純度及び非高純度を含め、カバノアナタケ抽出有効成分を含有する、広く健康の維持増進に資する健康飲食製品(いわゆるドリンク剤、健康食品、麺、つゆなどの食品郡の使用も含めて、明細書に記載)を提供することを課題とするものである。さらに第4に本発明は、カバノアナタケ抽出物に微弱エネルギーを与えてその活性をより強くすることも課題とする。本願は第4の微弱エネルギ−を打ち出すために分割出願することになった為に本文を大幅に変えるわけに行かない。物質のパワ−ばかりでなく雪の水など微弱エネルギ−を吸い込ませ、または帯有している微弱エネルギ−を提供する技術はもうひとつの主役といわれる時代がくると確信する。カバノアナタケの有効成分液や雪の水などに微弱エネルギ−を与えると美味しくなり、人や動物の筋力を強めたり生理活性を高めたり、SOD様物質の効果の値やカバノアナタケの抗エイズウイルスの薬効を高める。カバノアナタケの開発や利用法の中に本願の微弱エネルギ−がどうかかわるかの開示がされ、説明が所々になっている事情がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため本発明は、高純度カバノアナタケ抽出物については、カバノアナタケの抽出物から灰分、特にカリウム化合物とナトリウム化合物、及び必要に応じその他の不要成分、を分子ふるい(例えばゲル濾過、ゲルクロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ)などの技法を用いて除去し又は少なくとも減少させた純度の高い抽出物本体を有効成分として製剤・製品を製造する。製剤の形は、好適にアンプル又はその他の容器に入れた液剤とし、注射液又は点滴液として用いることが望ましいが、その他、座薬、体内挿入物(後に詳説)などの固形剤として用いることもできる。また、経口服用物として錠剤や顆粒の形にするには灰分除去工程を経ないカバノアナタケ抽出成分を使用することもできるし、灰分除去した高純度成分を利用することもできる。また、カバノアナタケ抽出成分の液剤又は粉末には、甘味料・塩分・その他香味料などを添加してドリンク剤や健康食品など、広く「健康飲食製品」と称すべき形にすることもできる。本発明の抗ウイルス剤や免疫増強剤としての態様は、注射液・点滴液などの液財として、また経口服用型の薬剤として、さらに健康食品やドリンク剤などの形として、広く実現することができる。
【0006】
本発明に係るカバノアナタケ抽出成分は、ゲル濾過などの技術を用いて分子量の異なる種々の分画に分別することができる。抽出と分別の手続きを簡単に述べると、1つの具体例においては、カバノアナタケ天然菌核を熱水抽出し(固形分に対し約6倍の水で)、抽出物をフリーズドライして得られた乾燥粉末100mgを10ccの蒸留水に溶解し、この水溶液を遠心分離によりゴミを除去して精製した後カラムに投入し、ゲル濾過により各分画に分別する。
表1に示す各分画ごとの分子量はこのような手続きより得られたものである。
表1のデータを得たゲル濾過においては、分子量マーカーとして、ブルーデキストラン(分子量1,000.000)、フェリチン(分子量450000)が用いられた。ミオグロビン(分子量17,800)、DNP−L−アラニン(分子量255)が用いられた。カバノアナタケは、天然物のほか、人口栽培した菌糸体(固体培地又は液体培地で培養した)を使用しても同等な効果をあげることができる。
また、有効成分の抽出には、熱水抽出のほか、アルコールその他の溶媒による抽出も利用できる。
【0007】
ゲル濾過によって得られた表示1に示す各分画の分子量に対応する抗エイズウイルス活性を調べる試験を行なった。健常人の非感染細胞(Molt 4/c 18細胞)とエイズウイルスに感染した細胞(Molt 4/c HIV III B)とを共培養すると、感染細胞のまわりに非感染細胞が接着し融合して巨大細胞形成が起こる。これはエイズ増殖の1形態である。この共培養系にカバノアナタケ抽出物(水溶液)を添加すると巨大細胞形成が制御される効果のあることが認められた。簡単に説明すると、試験方法は、感染細胞と非感染細胞を1:1の割合(1×10:1×10)で混合して希釈し、この共培養系にカバノアナタケ抽出物の各分画成分を濃度10μl/mlで添加し、24時間培養したのちマルチサイザーにて細胞の直径を測定し、20μm以上のものを巨大細胞とみなし、その出現率をかぞえ、100−出現率(%)を阻止率%とした。結果を表1の阻止率%の欄に示す。
【0008】
【表1】

【0009】
表1の阻止率について説明すると、分子量45万(分画31)以下の各分画に広い範囲にわたって抗エイズ活性がみられる。分子量220,000(分画34)から分子量10,000(分画47)にわたっては、阻止率60〜100%を達成している。特に、分子量62,000(分画39)では100%、分子量50,000(分画40)で80.49%、分子量40,000(分画41)で95.29%、分子量30,000(分画42)で89.30%と非常に高い効力が認められた。分子量11,000(分画46)では83.14%、分子量10,000(分画47)で65.35%である。さらに、分子量1万以下でも、分子量8,000(分画48)で68.16%のエイズ阻止率、分子量2,000(分画55)で86.39%と高い阻止率をあげていることは注目に値する。さらには、もっと低い分子量190(分画68)でも45.87%のエイズ阻止率を達成しているのは、カバノアナタケ抽出物が比較的低分子量でも活性を有することを示すものである。なお、表1の試験においては、分子量45万以上に活性が認められていないが、試験液(カバノアナタケ抽出物)の濃度を変えれば異なる結果が得られる。例えば、試験液の濃度を表1の試験の濃度の数倍(一例として15.6〜65.2μl)とする100%阻止活性試験(エイズウイルスの増殖を100%阻止する最小有効濃度を検出する試験)では、分子量60万から100万以上の抽出成分も有効に作用していることが確認された。こうして、本発明のカバノアナタケ抽出物は、他の物質で通常みられる狭い分子量範囲での有効性となって、有効成分の分子量範囲が特に限定できない不定形の形で幅広く分布していることが特徴である。この見地から、本発明のカバノアナタケ抽出物は種々の分子量に相当する有効成分を個々に取り出すのではなく、むしろすべての分子量(例えば100万を超える高分子から100又はそれ以下の低分子まで)を包括して用いるのが合理的ということができる。カバノアナタケ抽出物が、後に説明するように、エイズウイルスを含むレトロウイルスやその他のウイルスに起因する疾患をはじめ、種々の分子量の多種成分を総合して含有していることに起因するものである。
【0010】
しかし、別の見地からすると、例えば体内組織への吸収をより効果的にするためには、あまり分子量の高い成分は好ましくない場合がある。このような場合には分子量の比較的低い部分を選別し、例えば分子量1万以下、或いは分子量8,000以下の抽出物だけを用いることが、より適切であるといえる。特に、分子量5,000以下(分画50又はそれ以下)の物質は胃腸にもっとも急速有効に吸収されやすいので、特にこの範囲だけを選別して用いることも一法である。なお、このような本発見のカバノアナタケ抽出物は、前記のように、灰分が含まれているので、血液や筋肉に無害な高純度の抽出物を得ようとする場合は、後記のように灰分除去工程を経ることが必要となる。
【0011】
次に、本発明の成立に至る各種実験について説明する。
灰分確認のための燃焼実験本発明の基礎的実験(1)として、カバノアナタケの灰分組成について調べた。具体的に、乾燥したカバノアナタケ(天然物)を用い、これを燃焼させて実験を行った。カバノアナタケの乾燥物を燃やすと完全に燃え尽きるまでカバノアナタケはくすぶり続ける。残った灰は、緑がかった淡青色を呈して柔らかく、吸湿性をもっている。この灰分の量は、出発材料のカバノアナタケ乾燥重量に対し平均して約13%であった。そのうち50%(出発材料の約7%相当)以上がカリウムとナトリウムであった。これは、よく知られているキノコ、例えば椎茸と比較すると、椎茸には乾燥子実体重量の4.7%が灰分であることから、カバノアナタケには通常のキノコに見られない特異的に大量の2.6倍もの灰分が含有されていることが確認されたのである。数次の実験により確認された平均的な灰分組成は以下の表2の通りである。
【表2】
【0012】
陽イオン組成(重量%)陰イオン組成(重量%)Mn1.25P8.79CuO0.004SO0.05 ZnO 0.056 CO40.85 Na09.60 KO42.70 MgO 2.39 CaO 1.92AlO0.16Fe0.16SiO1.80SO5.80上記表2から認められるように、カバノアナタケを燃焼させて残った灰分のうちKOが42.7%、N2Oが9.6%もあり、両者合わせて灰分50%以上がカリウムとナトリウム化合物である。この両化合物は、本発明で期待されている生理活性を有しないだけでなく、血液や筋肉に直接注入するには不適合であり、また経口服用も胃腸に刺激を与える不要物であるから、除去すべきものである。なお、実験はカバノアナタケ天然物を用いて行ったが、人口培養したカバノアナタケ(固体培地によるもの及び液体培地によるもの)の場合も灰分組成にナトリウムとカリウムが多量に含まれる傾向は同様である。従って本発明においてカバノアナタケの天然物と培養物は均等である。
【0013】
抽出液の組成分析、
次に基礎的実験(2)として、カバノアナタケの熱水抽出液中の科学組織を分析した。カバノアナタケの熱水抽出液を濃縮し、この中の灰分の化学組成を分析したところ、全灰分に対する割合はカリウムが一番多く63.2%、ついでナトリウムが13.1%、マグネシウム1.83%であることが認められた。こうしてカバノアナタケを燃焼した時の灰分組成と同様に、熱水抽出液中にもカリウム化合物及びナトリウム化合物が多いことが判明した。この結果を表3に示すが、ここからも高純度の有効成分を得るためにはカバノアナタケ抽出物からカリウム化合物及びナトリウム化合物を除去すべきことが明らかである。ここでも燃焼実験におけると同様、天然産のカバノアナタケと人口培養のカバノアナタケは均等である。
【表3】
【0014】
酸化物名 全灰分に対する重量%NaO13.10 KO63.20 MnO3 1.05 MgO1.83 CaO痕跡 Fe0.39 SiO1.66
【0015】
以上の基礎実験から、血流や筋肉に直接入れる液剤、例えば注射液を作るには、一般的な活性のない不純物を除去することはもとより、高純度のカバノアナタケ有効成分を得るには少なくともKOとNaOを除去するか又は減少させることが必要であることが判明した。もちろん、他の不純成分も支障があるならば取り去ることが必要であるが、KOとNaOは特異的に多量に含まれていることから、そして、本発明においてきたいされている生理活性効果に貢献するところがないから、少なくともこの2成分は除去ないし減少させることが望ましい。なお灰分のうち酸化マンガンMnは肝臓アレルギナーゼ活性によい働きが期待できるので、必ずしも取り去る必要はない。こうして、本発明においては、カバノアナタケから抽出した各種成分混合物から少なくともカリウム及びナトリウム化合物を除去又は減少させたものが高純度有効成分としてのカバノアナタケ抽出物となるが、ドリンク剤・健康食品など経口飲用または服用するものでは、特に支障のない限り灰分除去は行わなくてもよい。
【0016】
次に、本発明の液剤(関連して高純度のドリンク剤及び食品類)を製造する一般的工程の一例を総説的に示す。
(a) 熱水抽出:乾燥し細粒としたカバノアナタケに水(乾燥固体重量の6倍以上)を加えてない抽出液を作る。そのためカバノアナタケ細粒を加えた水を約90℃の温度で約1時間煮沸する。一回では有効成分が十分に抽出されない場合は、最初に煮沸して得た一番液を布袋などで搾った後、好適にもう一度カバノアナタケ抽出後残渣に水を入れて約1時間90〜100℃で煮る。再び搾って、一番液と二番抽出液とを混合する。
(b) 錯体沈殿:前記(a)の工程で得た抽出液に、pH30〜2.5となるように酸(好適に塩酸2%液)を加え、抽出液中に混合している着色錯体を沈殿させる。この沈殿した着色錯体に生理活性作用のある有効成分が含まれている。その沈殿物を採取する。沈殿物は、熱水抽出物の全乾燥重量の約50%、天然カバノアナタケ乾燥物の焼く25%(本工程採取乾燥物量に対して)が得られる。
(c) 灰分除去:前記(b)で加えた酸と、高含有量のKO及びNaOを除去又は減少させる。カリウム及びナトリウム化合物は、分子ふるい技術(例えば、ゲル濾過など)又はその他の低分子量除去技術を利用して除去すればよい。酸は塩酸の場合はそのままでもよくこの工程で溶液をアンプル詰めの注射等の薬剤とできる。この場合は溶液中の固形分を例えば2%とできるような工程を確立し溶液をアンプルなどの小容器につめ殺菌し保管する。
(d) 乾燥:前記(c)で得た溶液(有効成分が含まれている)を加熱温度は100℃以内で加熱乾燥することができる。100℃以上で乾燥するとポリフェノ−ル錯体の性状に変化を起こし、可溶性が著しく悪くなる。高温にならないフリーズドライ等で乾燥させると良い。
(e) 液剤調製:前記(d)の工程で得た乾燥物(粉末)を、蒸留水又は必要に応じて生理食塩水に固形分割合を定めて混入し溶解して本発明の液剤(注射液等)を調製する。また、粉末のまま各種ドリンク剤(飲料)や食品類の原料素材に混入することもできる。固形分がわかれば(c)の段階の溶液状態で液剤とすることもできる。
(f) 保管:調整した液剤は例えばアンプル(注射液の場合)又はプラスチック袋(点滴液の場合)等の容器に入れて、滅菌保管する。アンプル量は一回で使いきる量が好ましく、保管は冷蔵が望ましい。或いは、乾燥工程(d)の段階で乾燥物を粉末状で保管し又はマイクロカプセルに封入し、必要に応じて溶解し使用することもできる。ドリンク剤や食品類には常法に従い、ビンやパック等の容器詰めにすればよい。上記各工程のうちCは、特に高純度有効成分でなくてよい場合は、当然省略される。
【0017】
以上の一般的工程において、錯体沈殿(b)の工程に入る前に工程(a)の熱水抽出物を好適に遠心処理(例えば3,000rpmの遠心分離機で10分間)してから濾過すると、フィルターの液の通過がよくなり、精製度が高まる。また、熱水抽出(a)〜灰分除去(c)の工程において、ゲル濾過によって特定の或る分子量を取り出して使用することができる。例えば抽出物の中から分子量45万以下を本発明の期待する生理活性を有するカバノアナタケとして取り出し、これを上記(d)以下の工程に入れるようにすることができる。あるいは分子量3万以上を取り出し(d)以下の工程に入れ例えば抗変異原生を強調することもすることができる。分子量8000以下を取り出し(d)以下の工程に入れるようにするとアトピ−性皮膚炎などを効果的に強調する薬剤やクリ−ムにすることができる。同様にして、熱水抽出物の中から特定的に多糖体もしくはリポ多糖体のみを取り出し、免疫増強や抗ガンを強調した薬剤をつくるために(d)以下の工程に入れることもできる。
【0018】
以上総説した以上の(a)〜(f)の熱水抽出−錯体沈殿−灰分除去−液剤(製品)−保管、又は錯体沈殿−灰分除去−乾燥−液剤(製品)調製−保管という工程は、作業規模や使用材料によっても合理的に組み立てられるべきものであって、これに限定されるものではなく、これ以上の工程も適宜行うことができる。抽出媒体としては水以外に、例えばアルコール、アルコール+水などを使用してカバノアナタケの有効成分を抽出することもできる。ただカバノアナタケにはマクロファージ活性を誘起させるLPS(リポ多糖類)が含まれていることから、LPSが出やすい水(熱水)抽出が望ましい。無論、場合により濃度によってはLPSを減少させるなどの処理を加えてもよい。
【0019】
灰分除去の効果を示す比較試験本発明によりカリウム、ナトリウムを除去して得られた処理抽出物(高純度抽出物)と、除去工程を経ないカバノアナタケ抽出物(無処理抽出物)との作用の違いを比較するため試験を行った。すなわち本発明の処理抽出物と無処理抽出物とを小動物(マウス、各6匹ずつ)にそれぞれを注射して実験したところ、無処理抽出物を静脈に注射したものは運動神経の失調をきたし健全でなくなったが、これに対し処理抽出物を静脈注射したものは全数が異常なく元気に生存し続けた。このことから、カバノアナタケの抽出物に特異的に多く含まれるKO及びNaOは生体血液(又は筋肉)に直接注入する液剤としては除去し又は少なくとも減少させることが適切であると認められる。他方、別の6匹のマウスに無処理抽出物をエサに混合して食べさせたところ、全数健康を損なうことなく、元気であり、かつ、過剰な肥大が抑えられた。経口投与又は服用については、本発明のカバノアナタケ抽出物は、灰分除去を必要条件とはしない。
【0020】
このように本発明によるKO・NaO処理(減少)済み抽出剤は、直接的に血液及び筋肉中に安全に入れることができる生活活性物質であるだけでなく、経口服用する場合も刺激の少ない物質として胃炎や十二指腸潰瘍、痔、アトピーなどに有効な物質となる。特に消化器系の手術後に回復を狙った服用には、KO・NaOを減少させた服用剤は刺激を少なくし、出血を止め、免疫を高めるなど良好な働きをする。また本発明による処理済抽出物は、例えば軟膏に混入して刺激の少ない塗布剤とすることもできる。いずれにせよカリウム・ナトリウム化合物の除去がカバノアナタケ抽出物の従来とは違った用途を拡げる効果をもたらすのである。
【0021】
次に、前記に総説した本発明の高純度有効成分の製造工程の具体的実施例について説明する。各工程(a)〜(f)は前記総説の同様工程に対応する。なお、工程(a)においては、天然カバノアナタケのほか、参考的にオガクズ(特にシラカバの)固体培地で培養したカバノアナタケと、液体培地で培養したカバノアナタケについても実験した。
(a) 天然カバノアナタケ200gを1,200mlの水で沸騰した。この溶液から合計60.1gの黒褐色にきらめく乾燥物が得られた。この乾燥物は苦味のある木材臭がした。他方、オガクズ固形培養物の未乾燥のもの2.3kgから合計30gの乾燥物が取れた。これは苦味のある香ばしい味感であった。また、液体培養の溶液300ccから菌糸の熱水抽出物が乾燥で2.3gと同溶液乾燥重1.03gが軽量され、これらの液体培養物から計1.53gとれた。
(b) 天然カバノアナタケの熱水抽出物を酸処理し、沈殿物を採取した。天然カバノアナタケ乾燥抽出物60.1gより30gが得られた。
(c) 上記30gの沈殿物から酸及び不純物KO、NaOをゲル濾過により除去した。
(d) 酸と不純物を濾過して得た有効成分含溶液をフリーズドライにより乾燥させ、天然カバノアナタケの乾燥粉末13.5gを得た。また、ゲル濾過(S300)による分子量45万以下での精製物は乾燥重量で2.9gが得られた。これら種々の分画には、後に説明するように少なくとも抗エイズウイルス活性、抗インフルエンザウイルス活性など、広く抗ウイルス活性等々の生理活性が見られる。
(e) 有効成分液体をそのまま使用することもできるが乾燥したものを液剤にするには乾燥粉末を、0.01〜99%(重量)、実際的には0.05〜50%含有する液剤になるよう、好適には0.1〜5%、より好適には0.7〜3%溶液となるように蒸留水又は生理食塩水に溶解して液剤とする。
(f) 液剤を注射用としてはカプセルに入れ、滅菌し保存する。点滴用とするときはプラスチック袋等の容器に入れ、滅菌、密封保存する。
【0022】
本発明のカバノアナタケ抽出物は、上記のように非経口的に注射又は点滴等の形で直接血液又は筋肉中に投与する高純度のカバノアナタケ含有液剤とすることができるが、このほかに、経口服用物として錠剤、顆粒、カプセル、ドリンク剤(飲料)等々、またカバノアナタケ有効成分含有食品として種々の形で使用することができる。ドリンク剤(飲料)としては、本発明のカバノアナタケ抽出物を広く一般的に重量で0.01〜50%位いまで含有させることができるが、実際的には0.1〜5%含有する溶液とすることが好適である。灰分除去の処理以前の抽出物も含め、また、ドリンク剤を含めた経口剤には、味覚や形状、生理活性を高めるための添加化合物、例えば酸味料、甘味料、乳糖、オリゴン糖、トレファロース、デキストリン、コーンスターチ、ジャガイモでんぷん、薬草類、各種ビタミン剤、アルコール、シラカバ樹液エキス、プロポリス、ローヤルゼリー、コリアンダー(セリ科の香菜)、その他の生理活性物質等を加えることができる。
【0023】
本発明により得られるカバノアナタケ抽出物は、ドリンク剤(液体)であるか錠剤(固体)であるにかかわらず、一般的に体重60kgの人間を基準として抽出物乾燥重量で1日の摂取量0.5〜3gを基準とし、これを例えば1日3回に分けて服用するような形で摂取するとよい。この範囲の摂取量では確実に安全基準内である。人間以外の哺乳動物も同じ体重割合で用いることができる。
【0024】
前述のように、本発明のカバノアナタケ抽出物には、灰分除去した高純度有効成分であるか非高純度成分であるかにかかわらず、すぐれた生理活性や作用があることが認められる。すなわち、本発明はカバノアナタケから抽出した各種成分混合物を、灰分を除去ないし減少した上、又は除去ないし現状せずそのまま、有効成分として含有していて、種々の症状に対して下記の多くの生理活性又は作用を有する薬剤として利用することができるものである:抗ウイルス活性、具体的には抗レトロウイルス活性(エイズウイルスHIV、人T細胞白血球ウイルスHTLV−1などのロトロウイルスを抑制する活性)、及び抗インフルエンザウイルス活性(インフルエンザウイルスを抑制する活性)など、並びに、抗変異原生(変異原物質例えばベンゾピレンなどの有害作用を抑制する活性)、抗腫瘍活性(ガンその他悪性腫瘍を抑制する活性)、LPSによる活性作用(カバノアナタケ抽出物中の特定分子量を占めるリポ多糖体による免疫増給雄作用。後に説明する)、マクロファージ活性(カバノアナタケ抽出物がマクロファージを活性化する作用)、中枢神経活性(ガン患者等或いは健康衰弱者の衰えた中枢神経を活性化する作用)、カタラーゼ活性(酸素カタラーゼの不足を補強し活性化する作用)、プロテアーゼ活性(たんぱく質消化酸素プロテアーゼを増強し活性化する作用)、SOD様活性(活性酸素の毒性を中和する酸素SODと類似の作用。後に説明する)、前立腺治療活性、賛成過多減少活性、食欲増進活性、尿排出促進活性、育毛発毛活性(特に、後述する毛生え薬やパーマ液としての用途)、各種抗菌活性(例えば抗MRSA活性、抗O−157活性等)、止血活性、歯痛抑制活性、免疫増強活性、ヘラ細胞増殖阻止活性(各種ガン細胞の増殖を阻止する活性)、科学的還元活性、酸素吸収活性、着色作用(カバノアナタケが含有している黒色色素による眉毛、白髪などの毛染めや、布や陶器などの着色、色付け用うわ薬組成物、食品用着色料など)、遠赤外線及びその他放射線放射作用、ビタミン生成作用(カバノアナタケはプロビタミンD=エルゴステールを含有していて、太陽光によりビタミンDを合成する)、腹痛・ガス腹及び便秘回復活性、植物腐敗防止作用、好酸素菌の増殖抑止作用、胃潰瘍、前立腺肥大・十二指腸抑止並びにA型、B型、C型肝炎抑止活性、肝臓アレルギナーゼ活性、痔回復作用、悪性白血球増加症の骨髄細胞に対する選択的破壊作用、経口採取される四塩化炭素による栄養失調減少抑活性、性欲回復作用、疲れ回復作用、消化器系疾病(胸やけ・ゲップ・吐き気・下痢等)回復作用、骨粗鬆症におけるカルシウム増進作用(カバノアナタケ抽出物のビタミンD生成によるカルシウム増進)、プロテアーゼ阻害活性(カバノアナタケ抽出物の分子量によりプロテアーゼを阻止する作用)、ボケ回復作用、肥満防止作用、アトピー性皮膚炎治療作用、膠原病諸疾患(進行性全身性硬化症、慢性関節リウマチ、リウマチ熱、結節性多発性動脈炎、皮膚筋炎等)治療作用、その他一般健康増進作用。以上例記した本発明の薬剤はAZT、DDI、通常の抗ガン剤、等々の化学剤や、多くの漢方薬など、その他既存の種々の薬剤と混用又は併用して効果をあげることができる。例えば混用する場合は、一般的に、薬剤総重量の0.01〜20%、好適に0.1〜5%の割合でカバノアナタケ抽出物有効成分を含有することができる。
【0025】
上記の抗ウイルス活性のうち、エイズウイルスについてはすでに触れてあるので、ここでは抗インフルエンザ活性について、試験例を示す。最初の試験はB型インフルエンザ(B/Bankok/163/90)を対象とし、試験液は本発明のカバノアナタケ抽出物(灰分除去前)を用いて行ったものである。対象ウイルス:インフルエンザB型(ウイルス量100TCID)
試験液:カバノアナタケ抽出物20mgを10ml蒸留水に溶解(0.2%溶液)
細胞:MDCK(試験管培養)
観察期間:5日間37℃視権益とウイルスの量はそれぞれ0.2ml、培養液(維持液)の量は1.0mlとして[有効濃度は0.2/(0.2+0.2+1.0)=0.142857ml/ml。重量容積比で285.7μg/ml]。これを12ウエルの1番目のウエルに入れ、順次2倍段階希釈して毎日CPE(細胞変性)を観察する。3ウエル(4倍希釈)までCPEを抑制することが観察されたので、最小有効濃度(MIC)は重量容積比で71.4μg/mlである。こうして本発見のカバノアナタケ抽出成分は、有効にインフルエンザウイルスを抑制することが確認された。本発明のカバノアナタケ抽出物は上記と同様の手続きにより、北海B型、ホンコンA型インフルエンザウイルス(8倍希釈)にも効果があることが認められた。結果を以下の表4に示す。
【0026】
【表4】

【0027】
次に、前記薬剤諸活性の所に述べたSOD様活性について説明する。SODとは、超酸化物不均化酸素をいい(スーパーオキシド・ジムスムターゼ)、最近や哺乳動物などの体内にあって、活性酸素の毒性から生物を保護する作用をする。カバノアナタケ抽出物にもこれと同様な作用があって、これをSOD様活性という。特殊な機器を使用してこの活性度を測定することができる。
測定装置:日本電子株式会社製JES−RE−1X型ESR(電子スピン共鳴)
装置試料:カバノアナタケ抽出物を下記の製氷水に50mg/50mlの濃度に溶解精製水(日本薬局方精製水)
結果:SOD様活性(単位はUnits/ml)は10.96で、顕著なSOD様活性のあることが認められた。水道水(東京都武蔵野市)を使った場合は、なお高いSOD様活性が認められた。雪の水(北海道名寄市の新雪を低温融解した清浄でクラスターの細かい水)でも同様な活性が認められた。これら試料を、本発明者が別に開発している電気石入りのウチワ(マイナスイオンを発生する)であおぐと、約50回あおいだ試料でSOD様活性が高くなることが認められた。カバノアナタケの抽出物を溶解する液体として雪の水が有効であることがこれで認められ、同時に後述する微弱エネルギー付与の効果も証明されたのである。
【0028】
薬剤のところで述べたLPSによる活性について説明する。カバノアナタケが他のキノコ類にない抗菌作用又は抗ウイルス作用を発揮するのは、その含有するLPS(リポ多糖体)によるところが大きいと間がえられる。人体を細菌やウイルスから守る生体活性の1つは免疫増強作用である。免疫に関与する細胞にはリンパ球とマクロファージとがあり、マクロファージを活性化するにはLPS(リポ多糖体)が寄与している。本発明のカバノアナタケ抽出物にはこのようなリポ多糖体が多量に含まれているので、これを確認するための試験を行った。結果を表5に示す。この試験における検体は、カバノアナタケ抽出物のほか、ニンジンエキス(ニンジンの根の部分から抽出した成分)、ニンジン葉エキス(ニンジンの葉から抽出した成分)を用いた。検体の調製は、カバノアナタケ抽出物、ニンジンエキス、ニンジン葉エキスのそれぞれ500mgを精秤し、それぞれに注射用蒸留水を加えて最終濃度100mg/mlとした。これを56℃で3時間水浴中で加湿抽出した後、遠心分離し、その上清を取り、これを測定用検体の原液とした。LPSの測定法は、LPSのみを特異的に測定できる発色基質を用いたリムラステストキット(エンドスペー、生化学工業株)を用いたLPS量は同キットに添付されている大腸菌LPS量として換算した値(μg/ml)である。
【表5】
【0029】
検体名LPS含有量カバノアナタケ抽出物1610ニンジンエキス0.85ニンジン葉エキス29.5上記の表から明らかなように、本発明のカバノアナタケ抽出物には、LPSが圧倒的に多量に含まれている。これは体内に採取された時、マクロファージをよく活性化するので、強い免疫増強作用をもたらす。これにより種々の細菌性又はウイルス性疾患に対する生体の抵抗力を高めることができるので、本発明のカバノアナタケ抽出物はLPS活性剤として、薬剤にも、そして健康食品や飲料(総合して健康飲食品)にも活用することができる。
【0030】
次に、本発明のカバノアナタケ抽出物は、薬剤に限定することなく、広く健康を維持し又は増進するための「健康飲食製品」と称すべき製品(飲むもの、食べるもの)に利用することができる。総じてこれら健康飲食製品の場合、カバノアナタケ抽出物は製品重量の0.01〜50%までの範囲を占める事ができるが具体的割合は健康飲食製品の品質維持や、消費者の嗜好により前記範囲内で種々変化させることができる。健康飲食製品に使用するカバノアナタケ抽出物は、高純度品に限定しエネルギ−を付与したカバノアナタケ有効成分を使用することとする。健康飲食製品の態様のうち、まず、飲料(ドリンク剤)について、実施例を説明する。実施例は例1から例17まである。
例1 果汁分40%濃厚オレンジジュース味のカバノアナタケ飲料配合例1濃厚オレンジジュース(60°Brix)飲料オレンジジュースベース*2,000mlカバノアナタケ抽出物粉末83g砂糖1,2,021g水6,096mlでき上がり濃厚ジュース(60°Brix)16.65リットル*オレンジジュースベースは下記の配合である。
濃縮果樹(65°Brix、クエン酸重量%)1,000ml50%クエン酸液245ml乳化香料50ml水538ml系2,000mlにオレンジジュースベースを後記の製造法に従い、配合例1のほかの成分と配合することにより、果汁40%(容量)濃厚ジュース16.65リットルができた。でき上がり濃厚ジュースは、オレンジ風味のするカバノアナタケ飲料であって、カバノアナタケ粉末の含有によってもなんら違和感のない、美味な味感のジュースであった。好みによってカバノアナタケ抽出物の量を2分の1にしてもよい。この例ではカバノアナタケ抽出物を粉末にして用いたが、カバノアナタケ液体培養物を用いてもよい。この場合は液体培養物に含まれる水分、固形分を算定して上記と同様配合になるようにする。なお、必要に応じ、カバノアナタケ量は前記安全基準内で増減することができる。
【0031】
例2 15%オレンジジュースタイプのカバノアナタケ飲料配合例2オレンジジュースタイプ飲料飲料ベース*1,000リットルカバノアナタケ抽出粉末10kg砂糖3,273kg水26,050リットルでき上がりオレンジジュース30,000リットル*飲料ベースの配合割合濃縮温州ミカン果汁(65°Brix、クエン酸5.9%、原果汁は12°Brix)1,000ml50%クエン酸溶液(比重1.246、15℃)156ml10%オレンジ乳化香料146ml水204ml1,500mlこの配合割合で飲料ベースを1,000リットル作り、配合例2のように配合すると普通の15%(容量)オレンジジュース風味のカバノアナタケ飲料が約30,000リットルとることができた。好みによりカバノアナタケ粉末は2分の1でもよい。
【0032】
例3 コーヒー牛乳タイプのカバノアナタケ飲料配合例3コーヒー牛乳タイプ飲料カバノアナタケ抽出物0.5kg牛乳40kg脱脂乳20kg(液)砂糖7kgコーヒー抽出液30kg(粉末抽出物のとき10〜15kg)カラメル0.3kgコーヒー香料0.1kg水2.0kg(コーヒーが粉末のとき20〜15kg)でき上がり100kgこれはコーヒー牛乳の中に重量で0.5%のカバノアナタケ抽出物を含有する健康飲料で、カバノアナタケの含有によってもコーヒー牛乳本来の風味を何ら損なわない。カバノアナタケ粉末は好みにより半減してもよい。
【0033】
例4 炭酸飲料タイプのカバノアナタケ飲料配合例4炭酸飲料タイプカバノアナタケ抽出物0.5kgオレンジ果汁2kg砂糖11kg(好みによりクエン酸を適量加える)水86.5kg炭酸ガス適量100kg
【0034】
例5 ヨーグルトタイプのカバノアナタケ飲料配合例5ヨーグルトタイプ発酵脱脂乳40kg(発酵生牛乳でもよい)蔗糖14kg安定剤*0.35kg(*モノグリセライドが好適)香料0.05kg水45.1kgカバノアナタケ抽出物0.5kg100kg
【0035】
例6 ラクトレートタイプのカバノアナタケ飲料配合例6ラクトレートタイプラクトレート10kgカバノアナタケ抽出物0.5kg砂糖0.5〜3kg安定剤*0.05kg(*モノグリセライドが好適)水適量仕上り15kg砂糖の量、従って水の量により甘さが多少異なるが、カバノアナタケ抽出物は約3%強含有されている。これによっても本来の味覚は損なわない。好みによりカバノアナタケ抽出物を2分の1にしてもよい。
【0036】
例7 乳酸菌飲料タイプのカバノアナタケ飲料配合例7乳酸菌タイプミカン6倍濃縮果汁1.5リットルクエン酸650gオレンジ香料150mlカバノアナタケ抽出物0.5kg色素10g安定剤*200g(*モノグリセライドが好適)砂糖24kg100kg
【0037】
例8 牛乳・果汁飲料タイプのカバノアナタケ飲料配合例8牛乳・果汁飲料タイプ(各成分はすべてkg)カバノアナタケ抽出物0.5牛乳20脱脂乳40砂糖11りんご果汁20クエン酸0.2CMC(安定剤)0.3色素0.001水5.51 100kg
【0038】
例9 カバノアナタケ入りジュースタイプ乳酸飲料配合例9ジュースタイプ乳酸飲料(各成分はすべてkg)カバノアナタケ抽出物0.5発酵脱脂乳5砂糖14りんご果汁10安定剤0.20クエン酸0.25アスコルビン酸0.05香料0.10水70.5 100kg
【0039】
例10 樹液タイプカバノアナタケ飲料
配合例10 樹液飲料(各成分はすべてkg)
白樺樹液エキス 40
砂糖 10(オリゴ糖)
カバノアナタケ抽出物 0.25
――――――――――――――――――
50.25kg
場合により0.3%程度のクエン酸又はアスコルビン酸を加えてもよい、白樺液エキスは抗酸化性の甘味液(キシリトール)を含有するから、これとカバノアナタケ抽出物との協働は極めて健康的な飲料を提供する。
【0040】
例3 ミルクコーヒータイプのカバノアナタケ飲料
配合例11 ミルクコーヒータイプ
カバノアナタケ抽出物 0.5kg
牛乳 90リットル
砂糖 13.35kg
ブドウ糖 3.75kg
粉末コーヒー 2kg
安定剤 300ml
カラメル 適量
コーヒーエッセンス 200ml
水 71kg
――――――――――――――――――――――――――――――
仕上がり容量180リットル
カバノアナタケ抽出物は重量で約0.2〜0.3%含有されている。好みによりカバノアナタケの量を半分に減らしてもよい。
【0041】
例12 メロン飲料タイプのカバノアナタケ飲料
配合例12 メロン乳飲料
カバノアナタケ抽出物 0.9kg
脱脂果培棟乳 7kg
砂糖 3.75kg
ブドウ糖 4.3kg
アステルバーム 3.4グラム
クエン酸 450g
乳化安定剤 1.2kg
メロンエッセンス 100ml
メロン色素 2g
水 153.9kg
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・
仕上がり容量180リットル
カバノアナタケ抽出物の含有量は重量で約0.4〜0.5%である。好みによってカバノアナタケの量を減らしてもよい。
【0042】
例13 スポーツドリンクタイプのカバノアナタケ飲料
ミックスパウダーの配合比
カバノアナタケ抽出粉末 10g
精製塩 0.5g
VC 0.03g
VB塩酸塩 0.03g
クエン酸ナトリウム 1.7g
塩化マグネシウム 0.2g
乳酸カルシウム 0.2g
粉末クエン酸 2.4g
粉末天然香料 2.0g
無水ブドウ糖 80g
果糖 12.94g
――――――――――――――――――――――――
110kg
上記配合のミックスパウダーを200〜250mlの水に溶かしてスポーツドリンクとする。これをボトリングし殺菌してBrix6°、酸0.15%、pH3.8のスポーツドリンクが得られた。カバノアナタケ抽出物の含有量は重量で5〜4%である。好みによりカバノアナタケの量を半減してもよい。
【0043】
例14 コーラタイプのカバノアナタケ飲料原液配合例カバノアナタケ抽出粉末9gグラニュウ糖200gコーラベース6gクエン酸1g水144ml360ml・・・この原液と1,440mlの炭酸水とを配合して1,800mlのコーラ飲料ができた。
Brix11°、酸度0.08%、ガス量3.5であった。このコーラ飲料を容器に充填した後、約60℃で30分滅菌する。カバノアナタケ抽出物は重量で約0.4〜0.5%含有されている。カバノアナタケの量は好みにより半減してもよい。
【0044】
例15 サイダータイプのカバノアナタケ飲料
原液配合例
カバノアナタケ抽出粉末 50g
グラニュウ糖 1,020g
クエン酸 8.3g
クエン酸ソーダ 0.5g
サイダーエッセンス 12.5ml
水 908ml
―――――――――――――――――――――――――――
2,000ml
この2,000mlのサイダー原液に炭酸水8,000mlを加えて10,000mlのサイダーができた。Brix10°、酸0.08%、ガス容量3〜4.容器に充填したのち、約60℃で30分滅菌する。好みによりカバノアナタケの量は半減してもよい。
【0045】
例16 アップルソーダタイプのカバノアナタケ飲料
原液配合例
カバノアナタケ抽出粉末 10g
りんご1/5濃縮透明果汁 20g
グラニュウ糖 240g
リンゴ酸 1.3g
クエン酸 1.5g
クエン酸ソーダ 1.5g
カラメル10%溶液 6ml
アップルアロマ 2ml
水 719ml
―――――――――――――――――――――――――――
1,000ml
この1,000mlの原液に炭酸水1,000mlを加えて、Brix12°、酸度0.3%、ガス量2.0〜2.2のアップルソーダタイプの飲料ができた。容器に充填後、約80℃で20〜30分殺菌する。好みによりカバノアナタケの量は半減してもよい。
【0046】
例17 グレープソーダタイプのカバノアナタケ飲料
原液配合例
カバノアナタケ抽出粉末 10g
グレープ1/5濃縮果汁 20g
グラニュウ糖 240g
クエン酸ソーダ 0.2g
グレープエッセンス 2ml
色素 適量
粉末クエン酸 2.4g
水 725ml
――――――――――――――――――――――――――
1,000ml
1,000mlのグレープソーダ原液に炭酸水1,000mlを加えて2,000mlのカバノアナタケ飲料ができた。容器につめたのち、80℃で20〜30分殺菌する。好みによりカバノアナタケの量は半減してもよい。
【0047】
カバノアナタケ飲料の製造について(一般的説明)
(イ)前途配合列1又は2に示したオレンジジュースベースを作るには、原料を撹拌器つき調合タンクに投入し、よく混合する。この調合タンクは、密閉式とし真空状態で撹拌混合を行う。開放式だと空気が混入してジュースの風味を損なうおそれがある。もし、開放式のタンクを使うなら、撹拌後に真空処理をする。調製が終わったジュースベースは容器につけて0℃〜−4℃に冷蔵して数日間熟成させるとよい。このときに、後述する微弱エネルギー(例えば、遠赤外線又はマイナスイオンの照射)を加えてもよい。貯蔵中は細菌類の抑制に留意する。必要に応じて抗菌天然物や防腐剤も考慮し、使用する。
(ロ)びん詰めオレンジジュースの処理シロップを調製するため、タンクに水を入れ、処方に従って砂糖を投入し、撹拌溶解する。必要ならば圧搾機又は石綿濾過器で濾過した後、飲料ベースを加えて、撹拌してもよい。
(ハ)加熱殺菌処理瞬間殺菌機を使用して93〜96℃に加熱し、5〜10秒間保持したものをそのまま又は77〜82℃に急冷して充填機に送り、洗浄・加熱したビンに充填し、キャップをし、シールを貼り、製品とする。
【0048】
カバノアナタケ飲料についての一般的留意事項:a.乳製品などタンパクが多量に含有していなければ、最終pHは4.3以下に抑えるのが枯草菌類(例えば、バチルスズブチルス)等の雑菌の繁殖を抑制するので、好ましい。好適に、75℃、20分で低温殺菌するとよい。逆に、タンパクが入っている場合はpH5.7でないと、凝固する。
b.カバノアナタケ抽出物はpH3.0以下になると沈殿する性質があるから、pHは3.0以上保つのが望ましい。
c.糖質は、マルトース、グルコース、オリゴ糖、蜂蜜、トレファロースなどを目的に応じて使うことができるが、腸内細菌類の増殖のためには、オリゴ糖が好ましい。また、特殊なシュガーレスタイプ(低カロリーで甘い)としてアスパルペーム、ステピア等も使用できるが、味覚的にはグルコース等と混入して用いるとよい場合が多い。
d.カバノアナタケの炭酸飲料にするには、できるだけH2Oを多く、果汁等は少なくして4℃以下の冷却原液中に炭酸ガスを注入する。高温度及び水以外の物質が多いほど、炭酸ガスは一般的には泡になって、外気に出てしまい、目的を達成しない。そこで、オレンジ果汁を3%以下程度とし、カバノアナタケを0.5%入れてpH及び糖分を調節し、カバノアナタケ炭酸飲料とするのがよい。加熱は120℃以下に抑えることが望ましい。
e.以上に例示したドリンク剤の他、飲料ベースとして、雪の水(後述)、ミネラル水、又は海の深層の水を用い、これにカバノアナタケ抽出物、及び必要により甘味料、香味料などその他の添加物を加えて、ドリンク剤とすることができる。また、緑茶、紅茶、麦茶、ウーロン茶、サフラン茶、ハーブ茶、ジャスミン茶、薬草茶、その他の茶をベースとしてこれにカバノアナタケ抽出物、及び必要に応じ上記同様のその他の添加物、を加えて茶飲料とすることができる。さらには、コリアンダー(セリ科の香菜)をカバノアナタケ抽出物に加えた飲料とすることもできる。
【0049】
本発明に係るカバノアナタケ抽出物は、上記した飲料以外の形の健康飲料製品として、アメなど菓子類に混入した食品、清涼飲料水・コーヒー・ココア・酒アルコール類に混入した飲料、調味料(液体・固体)に混入したもの、氷菓(アイスリーム・シャーベット)やハンバーグに混入した食品、食物繊維(例えばコンニャク)・デンプン・タンパクなどの液体にカバノアナタケ抽出物を混入した飲料などの形にすることができる。また、飲食品以外の製品としては、例えば、ココアバターなどの油脂に混入して形状づけた座薬、座薬注入剤としたり、包帯やナプキンにカバノアナタケ抽出物をしみ込ませた衛生品や、うがい薬、膣の洗浄剤(後述の「体内挿入剤」を参照)、軟膏、ワセリン湿布剤などとすることができ、或いはさらに、クリーム、シャンプー、リンス、毛生え薬、パーマ液等にカバノアナタケ抽出物を混入した製品とすることができる。特に、毛生え薬、パーマ液について説明すると、カバノアナタケ抽出物の水溶液(濃度は、例えば0.01〜99%、好適に0.1〜50%)をそのまま使用することができるが、より一層効果を高めるには抽出物水溶液を電気分解した上で使用するとよい。水溶液の電気分解の代わりに、カバノアナタケ抽出物を電気分解水に加えて水溶液としてもよい。電気分解により水溶液は、アルカリ側(pH11〜12)と酸性側(pH2〜2.5)に分かれて取り出されるが、それらを別々に(例えば、先にアルカリ側、次に酸性側)使用してもよいし、合体して使用してもよい。また、水としては、水道水、地下水を蒸留して、また雪の水を用いることができる。カバノアナタケ抽出物と電気分解の組合せにより水溶液に電気的微弱エネルギーが与えられるから皮膚及び髪への浸透を助長し、育毛・発毛の効果を一層高めることができる。また、カバノアナタケは、黒色色素を豊富に含有しているから、髪に対する染色効果がある。
【0050】
座薬などの固形剤に関連して、本発明のカバノアナタケ抽出物、特に灰分を除去した高純度抽出物は、エイズ防止のための「体内挿入剤」という固形剤にすることができる。これは、特に婦女暴行によるエイズ感染を回避予防するために開発されたものである。製造の一例を述べると、賦形剤としてココアバターを使用し、これにカバノアナタケ抽出物(好適には灰分を除去したもの)を一定割合(例えば重量で30:1)で混入する。まずココアバターを湯せんにより40℃以下で溶かし、これにカバノアナタケ抽出物を混入撹拌し、23℃に下げてココアバターを結晶化させる。その後、32℃で結晶を溶かし、型(例えば弾丸状の形の製品とするための型)に流し込み、冷却して固形化させる。固体化した製品は、熱で融けて崩れることがないように、断熱性素材製の包装材で包んで保存する。固体化した弾丸状製品1個は約2〜6gの範囲の大きさとするが、実際上好適には約3gとし、カバノアナタケ抽出有効成分0.1gを含有させる。(簡易的にはココナッツバタ−でも良く23℃以上にして溶解した液に有効成分0.1gを含有させ23℃以下の低温に置くと固形化する。溶解性容易なカプセルにこの流動混入液を注入してカプセル状の製品もできる。)この固形化製品の実用使用における抗エイズ活性を確認するため試験を行った。固形化製品を女性の体(膣)内に挿入し、一定時間を経過した後に体温で融けた流動物を6×4cmのガーゼで拭き取り、このガーゼを水10ccで濡らし、そのガーゼをしぼって含浸成分液を採取する。採取した液を蒸留水で希釈液にMT−4細胞を用いてエイズウイルスを添加し、96ウエルプレートのウエル内でエイズウイルス増殖抑制度(100%阻止)を確認した。結果を表6に示す。
【表6】
【0051】
*時間*有効量**20(時間)1,000μl/ml35 100070 1,000*時間は、体内に挿入して経過した時間**エイズウイルス増殖を100%制御した最小有効濃度(1ウエル)ここから明らかなように、挿入後70時間を経過したのちもなおカバノアナタケ有効成分はエイズウイルスの増殖を100%制止した。また、長時間挿入したままでも、灰分を除去した刺激性のない有効成分であるから、粘膜にタダレや炎症などの障害は生じなかった。こうして、この体内挿入剤は、未に装着して約3日間は有効であり、不本意なエイズ感染を回避予防するのに効果がある。また、賦形剤がココアバターであるから、この体内挿入剤は口に入れることもでき、これによりエイズの経口感染の防止にも役立つ。なお、本発明の体内挿入剤は、上記した弾丸状流し込み成型品に代え、例えば体温で融ける低温溶融型素材で作ったカプセルに有効成分を注入した形に実施することもできる。
【0052】
以上、具体的な配合を示した飲料のほか、種々のつゆ・スープ類や食品などにカバノアナタケ抽出物を混入することができる。実際例をいくつか例示する。
(1.〜24.)
1.濃縮めんつゆ:醤油、砂糖、水あめ、化学調味料、鯖節等々で総量10リットルの濃縮めんつゆに100gのカバノアナタケ抽出物(好みによっては、50g)を混入した。
2.まんつゆ(つけ汁):醤油、砂糖、合成調味料、水等からなる約29kgのまんつゆに280gのカバノアナタケ抽出物(好みにより140gでもよい)を入れた。
3.そばつゆ:醤油、砂糖、その他種々添加成分で総量1.0リットルに仕上げたそばつゆに10gのカバノアナタケ抽出物を入れた。(好みにより5gでもよい)
4.即席うどんスープ:食塩、ビーフだし汁、カツオ風味、粉末砂糖、醤油等々で10.6gにした即席うどんスープに0.1gのカバノアナタケ抽出物を混入してカバノアナタケ入りスープとした。カバノアナタケ抽出物は好みにより半減してもよい。
5.ラーメンスープ:エビヲスミート、ポークパウダー等をベースにするラーメンスープ、又は醤油その他の添加成分からなる生中華スープなどはその1リットル当たり10g(又は好みにより5g)のカバノアナタケ抽出物を入れて作った。
6.パースト状ラーメンスープ:粉末醤油、食塩、砂糖、その他の成分などで350gになるペーストにカバノアナタケ抽出物3.5g(好みにより半減可)
7.やきそばソース:食塩、砂糖、粉末醤油、ブドウ糖、ビーフ粉末調味料、トマトパウダー、オニオンパウダー、ペパー等で100gになる焼きそばソースにカバノアナタケ抽出物1g(好みにより半減可)を混入した。
8.ジンギスカンのたれ:醤油、玉ねぎ、炎口味液、しょうが、りんご、砂糖等々の成分からなる1リットルの‘たれ’に10gのカバノアナタケ抽出物を入れて、ジンギスカンのたれを作った。たれが、重量ベースの時は約2,000gに対し20g(好みにより半減可)のカバノアナタケ抽出物を入れればよい。
9.焼肉のたれ:醤油、炎口味液、食塩、ソルビットK、MSG、トナトピューレ、玉ねぎ等々からなる10リットルのたれに100g(好みにより半減可)のカバノアナタケ抽出物を入れて焼き肉のたれとした。
10.ウスターソース:トマトエキス、ニンジンエキス、砂糖、液糖、食塩、醸造酢等々からなる1,000リットルのソースにカバノアナタケ抽出物10リットルを入れてウスターソースとした。トンカツソースの場合は1リットルに対し10g(好みにより半減可)のカバノアナタケ抽出物を入れる。
11.スパゲティー用ソース:ニンジン、ミンチ肉、ケチャップ、トマトピューレ、リンゴボイル等々からなる120gのレトルトパック用ソースにカバノアナタケ抽出物1g(好みにより半減可)を入れた。
12.トマトケチャップ:トマトピューレ、丁字、肉桂、メース、とうがらし、砂糖等々からなる役108gのケチャップにカバノアナタケ抽出物1.0kg(好みにより半減可)を入れてトマトケチャップとした。
13.マヨネーズ:サラダ油、食酢、卵黄、食塩、香料、MSGアミフレックスA−1、などからなる100kgにカバノアナタケ抽出物1kgを加えてマヨネーズを作った。
フレンチドレッシング:サラダ油、洋酢、食塩、玉ねぎ汁、レモン汁などからなるドレッシングに1%(重量)のカバノアナタケ抽出物を加えてフレンチドレッシングを作った。サラダ油、卵黄、食酢、コーンスターチ、食塩、水などからなるサラダドレッシングには0.5%を加えてサラダドレッシングを作った。カバノアナタケ抽出物には好みにより半減してもよい。
15.各種醤油:低塩増酸型大根漬液(炎口醤油、炎口アミノ酸、食塩、MSG、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、50%乳酸、氷酢酸、ソルビット等々からなる)といわれる醤油ベースの液100リットルに対して1.0リットルのカバノアナタケ抽出物(好みにより半減可)を加えた。その他、野菜醤油漬、山吹漬などに使用される醤油ベースの液の場合、液重10kgに対し約100gのカバノアナタケ抽出物を入れることができる。
16.朝鮮漬液:新炎口味液、MSG、ソルビット、乾燥ニンニク、50%乳酸、とうがらし、おろししょうが、食塩などからなる朝鮮漬液約960gに10gのカバノアナタケ抽出物(好みにより半減可)を入れた。
17.餃子:キャベツ、豚挽肉、青ネギ、大豆蛋白肉、濃口しょう油、ゴマ油、ニンニク、しょうが汁などからなる餃子原料に約1%(重量)のカバノアナタケ抽出物を入れた。好みにより0.5%のカバノアナタケ抽出物でもよい。
18.コンビーフ:蒸煮牛肉、マトン、玉ねぎ粉末、にんにくなどに香辛料を加えたコンビーフ素材約9.7kgにカバノアナタケ抽出物100gを入れて、コンビーフを作った。コンビーフハッシュの場合も素材重量の約1%のカバノアナタケ抽出物を入れる。好みによりカバノアナタケは半減してもよい。
19.ハンバーグ:合挽肉(馬肉、牛肉など)、調味料(食塩、醤油など)、パン粉、玉ねぎ、香辛料などからなる素材約100kgに対し0.1%〜5%のカバノアナタケ抽出物を入れてハンバーグを作った。
20.福神漬:福神漬の液(醤油、淡口味液、ソルビット、砂糖、50%乳酸、色素などからなる)約1リットルに50gのカバノアナタケ抽出物を入れて、福神漬を作った。漬液の重量の0.1〜5%のカバノアナタケが適量と認められる。
21.粉末スープ:粉末豆(或いはトマト)、綿実硬化油、食塩、MSG、燻製肉香料などからなる豆スープ素材に重量の約10%のカバノアナタケ抽出物を入れて粉末スープを調製した。粉末コンソメスープの場合も0.1%〜10%の重量比でカバノアナタケ抽出物を入れることができる。
22.缶詰濃縮野菜スープ:ニンジン(細かく切った)、玉ねぎ(輪切り)、乾燥エンドウ豆、小麦粉、じゃがいも、ヌードル、塩・砂糖その他調味料からなる素材に重量で0.1%〜10%のカバノアナタケ抽出物を入れて、缶詰濃縮野菜スープとすることができた。濃縮トマトクリームスープ、牛肉入りスープ、洋茸クリームスープ、セロリークリームスープ、玉ねぎスープなど缶詰スープの場合も同様である。
23.その他、パン、クッキー、ビスケット、カンパン等々、その他うどんやそば等デンプン性食品、タンパク性食品にも1〜10%、又は場合により1〜5%の本発明のカバノアナタケ抽出物を入れて、健康食品とすることができる。ビタミンE等油性食品についても同様である。また、それらに香辛料や薬草類を混合添加することもできる。
24.さらに、カバノアナタケ抽出物を電気分解水に溶解した水溶液(又はカバノアナタケ抽出物の水溶液を電気分解したものでも同じ)は、高い抗菌活性(例えば、抗O−157活性)を有することが認められているので、これを利用して生野菜やその他の生で食する食品に対し、吹きかけたり、垂れかけたりして使用する食用抗菌液とすることができる。これも本発明に係る健康飲食製品の一形態である。具体的に、カバノアナタケ抽出物の電気分解水溶液は、そのまま、又は適宜調味料や香料などを添加して、例えば生野菜(サラダ)の上からスプレー状に吹きかけたり、液として流しかけたりして、万一付着しているかもしれない病原性細菌類を抑制することができる。これは抗菌性ドレッシングということもできる。ただし、用途は野菜に限らず、ケーキの生クリーム、生菓子、魚介類(サシミやタタキ)、生肉(牛や馬肉)などにも及ぶ。抗菌液をかける対象によっては、液が垂れ流れて逸失しないように増粘剤としてグルコース、マルトース、トレファロース等々を添加するとよい。
【0053】
微弱エネルギーの付与本発明は、1つの態様として、前述のように高純度カバノアナタケ抽出物を用いて有効性を高めることを意図しているが、本発明はこれとは別の異なる態様として、抽出した有効成分に微弱エネルギー、例えばマイナスイオンや遠赤外線(波長約4〜14ミクロンの範囲)を照射する処理工程を行うことにより抽出諸成分の有効性を高めることを意図している。微弱エネルギー処理工程は、遠赤外線、マイナスイオンのほか、後述する雪の水(純枠・高エネルギー)を抽出物に加えることによっても行われる。微弱エネルギーの付与により、カバノアナタケ有効成分はその本来具有する内部エネルギーを増強され、生理活性作用がさらに向上することが認められる。具体的に、微弱エネルギーの付与の方法としては、本発明者が別に出願中(平成9年7月17日出願「生体活性化器材」)の電気石を利用した送風機材又は接触器材又は環境活性器材等により行うことができる。簡単に説明すれば、電気石を利用した送風器材、例えば、あおぎ面の中に電気石の細粒を封入したウチワで、カバノアナタケ抽出物(液又は固体)を数10回から数100回あおぐことで、カバノアナタケ抽出物の活性度が高まるすなわち内部エネルギーが増強され諸活性が一層高まる。電気石ウチワのあおぎ面から、マイナスイオンが放出され、また遠赤外線なども放射される。遠赤外線の照射を強めるには遠赤外線グリル(調理用)や、炭素繊維を内蔵する面状ヒーターを併用してもよい。内部エネルギーの増強は、いわゆるO−リングテストや握力テストなどにより確認することができ、微弱エネルギーを照射されたカバノアナタケ有効成分を摂取した人間は、照射前の試料を摂取した場合より指の力や握力が強まることが認められた。照射後の有効成分は、生体の細胞膜への吸収がスムーズに行われ、体内吸収性が高まるのである。
【0054】
以上の微弱エネルギーの照射に代わる微弱エネルギー付与方法として、1つの方法は、もともと微弱エネルギーを帯有している「雪の水」(後述)或いは同様に微弱エネルギーを帯有している岩水の湧き水などを使って有効成分の溶液を作っても同様な生理活性の増強が得られる。例えば、アトピー性皮膚炎などは、カバノアナタケ有効成分を「雪の水」と共に飲用することにより、普通の水に対し、非常によい治療効果が得られた。さらに、2番目の方法として、人為的に微弱エネルギーをイオン化や遠赤外線照射により与えた水(水道水とか地下水)をカバノアナタケ有効成分と一緒に服用することによってもほゞ同様な効果が得られる。これは水に含まれている微弱のエネルギーとしてのマイナスイオンや遠赤外線の働きがカバノアナタケ抽出物に付与されるからである。このことから、3番目の方法として、経口服用物については、こうした働き(微弱エネルギー)をもつ無害な岩石鉱物(漢方でいう食滑石、トルマリン=電気石など)や植物(中国の“らふま”などの微粉末を本発明のカバノアナタケ抽出物に添加混合して服用してもよい結果が得られる。これら添加物は、混合物中で主役の有効成分に微弱エネルギーを与え続け、また体内においては微弱エネルギー含有物が感受性の高い口に触れることにより全身にその情報が伝わり、生理作用の活性化を行ない、これにより胃壁や腸からも信号を送り、大脳の本来の働きを活性化させるのである。これら添加物は消化器系内に入ったときは水分と接触して水分子に微弱エネルギーを与え、かつ水分子のクラスターを細分化するから、主役有効成分の組織への有効な吸収を促進する。さらに、4番目の方法として、カバノアナタケ抽出物を電気分解水と共に用いる方法がある。種々の電気分解水(表7参照)にカバノアナタケ抽出物を溶かして水溶液としたものを使って抗HIV試験(100%阻止)をしたところ下記表7の通りの結果を得た。
【表7】
【0055】
カバノアナタケ抽出物+電気分解水のHIV阻止活性100%阻止活性を呈したウエル番号電気分解した水の種類3日培養6日培養雪水超酸性水13ウエル12ウエル雪水強アルカリ性水13”12”地下水超酸性水13”12”地下水強アルカリ性水13”12”注:3日培養、6日培養のすべてにつき、細胞障害が8ウエルに見られた。コントロ−ルの地下水無処理13”11”細胞障害が8ウエル、カバノアナタケ抽出物の初発濃度は、300μl/ml(1g/10cc)で、これを2ウエル目から順次2倍段階希釈する。各ウエルには、カバノアナタケ電気分解水溶液とエイズウイルスと健全細胞を含有し、培養3日目と6日目に各ウエルを観察してエイズ感染を100%阻止しているウエルを特定した。表7に見られる通り、6日培養では、活性が1ウエル上がっている。電気分解により、水は酸性側とアルカリ性側に分かれるが、それだけでなく、水自身に電気的微弱エネルギーが付与されていることが活性増進の一因であるとみられる。
【0056】
一般に、これまでは治療薬の本体有効成分にのみ医学者の目が注がれているのが実情であるが、実は有効成分をサポートする微弱エネルギーの価値と、これら微弱エネルギーを含んでいる水分にも注目することが薬効を論じるときは重要になる。なぜなら、人体に水分がないといくらよい薬を飲んでも各臓器に薬効成分が吸収されないのだから、水、特に微弱エネルギーを帯有している水を除外して薬本体だけを論じてみても無意味だからである。水は人体の60%を占め、微弱エネルギーを蓄え、体内の細胞に伝える媒体でもある。人体内の水が各種老廃物で汚れると尿となって排泄されるが、肝臓や腎臓が弱っていると良好な排泄が行われず、体のむくみを生じる。ところが、上記のような様々な方法で人体に微弱エネルギーを与えると、尿道から勢い良く尿が排出され(尿排出促進活性)、同時にウイルスも排泄される効果(前立腺治療活性)があり、また、脳から伝達される神経細胞の命令を感受しやすくする(中枢神経の活性化)。微弱エネルギー付与の原理は、例えば主役成分であるカバノアナタケ抽出物を抽出する過程で、含有する水や成分に微弱エネルギーを発生させながら基本工程を行っても実現することができる。例えば、カバノアナタケ有効成分を抽出分離する工程でカバノアナタケ抽出液を通過させるゲル濾過器の周囲から微弱エネルギー(遠赤外線やマイナスイオンや電気石エネルギ−)を放射しながらゲル濾過工程を行ってもよい。この場合には分子量が小さくなることが認められる。付与された微弱エネルギーは有効成分を媒体として体内にもたされ、例えば体内でエネルギー不足により組織の酸性化が進んでコリなどを発生することを抑止する作用が発揮される(酸性過多減少活性)。このような作用は人間以外の哺乳動物、特に家畜に対しても有効である。
【0057】
微弱エネルギーについてさらに触れると、カバノアナタケ抽出諸成分のうち高分子量の部分が微弱エネルギーを付与することにより切断されて低分子量の成分が増え、また与えられたエネルギーを成分内に保持する。そのため、カバノアナタケ抽出物の中に相対的に低分子量が増加するとき、いままで(エネルギー付与前は)低分子量領域では起こらなかった生理活性効果があらたに発見することが認められ、またそれらのエネルギー付与された比較的低分子量成分(例えば分子量5千以下)は、きわめて速やかに体内に有効に吸収される。なお、分子量の切断には、酸素、カビその他科学的方法を用いることもでき、微弱エネルギーの照射と当時併用してもよい前記した本発明の高純度抽出物を得る態様や抽出物すべてを包括的に利用する態様に、これら微弱エネルギー処理を加えることにより消化器系が元来弱く、消化器内で分子量切断がスムースに行われない人の疾病回復に一層適した製剤や、飲料・食品類などの健康製品を提供することができる。
【0058】
水と微弱エネルギーの関係についてさらに述べると、天然でエネルギーを含んでいる水、例えば「雪の水」(本発明者が開発製造研究している高機能水で、特に北海道名寄地方で採取される新鮮で不純物のない雪の結晶を比較的低温で溶かした水。高空で天然のエネルギーを受けて結晶化している雪から得られる水)や自然な湧き水を使って本発明のカバノアナタケ抽出物の液剤を調製すると、経口服用する場合に、体内で有効成分の吸収が高められる効果がある。同様に、カバノアナタケの高純度抽出液剤を血流又は筋肉に直接に入れる場合には、不純物の少ない雪の濾過水を使用して本発明の液剤を調製し、注射液又は点滴液とすると有効成分の生理活性が強化される。もちろん、雪の水などの微弱エネルギー付与は高純度抽出物に限らず、灰分除去を行わないカバノアナタケ抽出物についても行える。雪の水や培地に前記微弱エネルギ−を加えたカバノアナタケ抽出物を注射液や経口剤、抗エイズウイルス等を予防治療する体内挿入物、各種食品や健康飲食製品、化粧品、雑貨製品等に使用できる。
【発明の効果】
【0059】
以上詳説したように本発明によれば、抗ウィルス活性、抗腫瘍活性、免疫増強活性等々の、多くの有用な生理活性を有するカバノアナタケ抽出物から、一面においては、カリウム及びナトリウムなど灰分を除去した高純度の液剤が提供されるから、カバノアナタケ抽出物を注射液や点滴液として使用する途があらたに開ける。
健康飲食製品(健康飲料及び健康食品、麺、つゆ等の食品郡を含めて)として高純度を必要とする時は灰分など不要成分を除去して単位量あたりの有効性を高め、胃腸や手術痕に刺激を与えることがない安全な薬剤・飲料・食品類を提供することができ、医療面のみならず一般的な健康面でも多大な福音的貢献ができる効果がある。さらに、雪の水やカバノアナタケ抽出物に微弱エネルギー付与工程を組み合わせることにより、生体への有効作用を従来より一層高めることができる効果がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバノアナタケ抽出物から得られた有効成分に、又は有効成分を得る過程で、微弱エネルギーを付与することにより有効成分の諸生理活性をより高めることを特徴とするカバノアナタケ抽出物の処理方法。
【請求項2】
前記微弱エネルギーの付与が、遠赤外線照射又はマイナスイオン照射、雪の水の添加、電気分解水の添加、又はカバノアナタケ抽出物水溶液の電気分解、のいずれか又は全部により行われる請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記微弱エネルギーの付与が、高純度のカバノアナタケ抽出物について行われる請求項1に記載の処理方法。
【請求項4】
前記微弱エネルギーの付与が、灰分除去ないし減少を行なわないカバノアナタケ抽出物について行われる請求項1に記載の処理方法。
【請求項5】
前記雪の水が、新鮮で汚れのない雪を融解して得られるものである請求項2に記載の処理方法。
【請求項6】
雪の水が例えば野菜貯蔵庫の冷暖房等に使用後の雪であっても濾過などの処理を施し、汚れを減少させて浄化され得られたものである請求項2に記載の処理方法からなる健康飲食製品
【請求項7】
雪の水が▲1▼各種製品や健康飲食製品のための助剤となること、▲2▼又はそのための遠赤外線照射、▲3▼マイナスイオン照射、▲4▼電気石エネルギ−照射、▲5▼電気分解水の添加のいずれか又は全部により行われる雪水の処理方法
【請求項8】
前記請求項2,3,4,5の中から1以上の請求項からできたカバノアナタケ抽出物を明細書記載の健康食品、飲料、つゆ、各種の食品に使用したことからなる健康飲食製品
【請求項9】
前記請求項2,3,4,5の中から1以上の請求項からできたカバノアナタケ抽出物を有効成分とし、それをカプセル中に包含するタイプも含む体内挿入用抗エイズウイルス固形治療薬剤
【請求項10】
前記7記載のカバノアナタケ抽出物を有効成分とした抗エイズウイルス治療剤
【請求項11】
前記微弱エネルギーの付与がカバノアナタケから抽出した各種成分混合物を、灰分を除去ないし減少した上、又は除去ないし減少しないまま、多くの生理活性を有する有効成分として総重量の0.01〜99%含有し、毛生薬、又はパーマ液として調整されたカバノアナタケ抽出よりなる理美容薬剤
【請求項12】
微弱エネルギーの付与がカバノアナタケから抽出した各種成分混合物を、灰分を除去ないし減少した上、又は除去ないし減少しないまま、多くの生理活性を有する有効成分の水溶液を電気分解し、又は電気分解水に前記有効成分を加えて水溶液とする請求項11に記載の理美容薬剤

【公開番号】特開2009−137981(P2009−137981A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−336261(P2008−336261)
【出願日】平成20年12月30日(2008.12.30)
【分割の表示】特願平9−309391の分割
【原出願日】平成9年10月23日(1997.10.23)
【出願人】(592142496)
【Fターム(参考)】