説明

カバー付きコネクタ

【課題】コネクタハウジングにおけるロックアームの過大変位による破損を防止することができ、しかも、コネクタハウジングの成形性を低下させる要因となるコネクタハウジングの構造の複雑化を招くこともないカバー付きコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタハウジング20の後端20aにコネクタカバー40が結合されるカバー付きコネクタ1において、コネクタハウジング20のロック解除用押下部23と対向するコネクタカバー40の端子押し込み突片411上に、ロック解除用押下部23の押下によるロックアーム22の撓み変位量が規定値に達したときにロックアーム22と当接してロックアーム22の変位を規制するアーム変位規制部414を隆起形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手コネクタに嵌合接続されるコネクタハウジングと、該コネクタハウジングの後端に嵌合装着されて前記コネクタハウジングの後端から導出する電線の導出方向を規制するコネクタカバーと、を備えるカバー付きコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
図17及び図18は、下記特許文献1に開示されたカバー付きコネクタを示している。
このカバー付きコネクタ100は、相手コネクタに嵌合接続されるコネクタハウジング110と、該コネクタハウジング110の後端に嵌合装着されてコネクタハウジング110の後端から導出する電線の導出方向を規制するコネクタカバー120と、を備えている。
【0003】
コネクタハウジング110は、複数の端子挿入孔を有するハウジング本体111と、該ハウジング本体111の一側面である上壁面111aに突設されたロックアーム112と、該ロックアーム112の端部に形成されたロック解除用押下部113と、ハウジング本体111の後端111b側の両側壁に備えられたカバー結合手段114と、を備える。
コネクタハウジング110は、収容する端子金具に接続された電線が、ハウジング本体111の後端111bから矢印X1で示す方向に導出する。
【0004】
ロックアーム112は、ハウジング本体111の前端側から立ち上がって後端側に延出して設けられたアーム本体112aの中間部に相手コネクタとの係合部(不図示)を形成したもので、ハウジング本体111を相手コネクタに嵌合接続させた際に相手コネクタの係合手段が前記係合部に係合することで、ハウジング本体111を相手コネクタに結合させる。
【0005】
ロック解除用押下部113は、ロックアーム112の後端に形成されている。このロック解除用押下部113は、ロックアーム112と相手コネクタの係合手段との係合を解除するときに押下操作される。該ロック解除用押下部113を押下操作することで、ロックアーム112がロック解除方向(上壁面111a側)に撓んで、ロックアーム112と相手コネクタの係合手段との係合が解除される。
【0006】
カバー結合手段114は、カバー案内リブ116と、カバー係止部117と、から構成されている。
【0007】
カバー案内リブ116は、ハウジング本体111の後端111bに対するコネクタカバー120の嵌合装着方向(図17の矢印X1方向とは、逆方向)に沿って延在するリブ状に、後端111b側の両外側面111cに形成されている。このカバー案内リブ116は、コネクタカバー120を後端111bに嵌合装着する際に、コネクタカバー120を嵌合方向に誘導する。
【0008】
カバー係止部117は、後端111bに対するコネクタカバー120の嵌合装着が完了したときにコネクタカバー120と係合して、コネクタカバー120を固定する。
【0009】
コネクタカバー120は、コネクタハウジング110の後端に嵌合装着されるハウジング固定部121と、該ハウジング固定部121の後端に一体形成された電線案内壁部122と、を備える。
【0010】
ハウジング固定部121は、ハウジング本体111の後端111bから導出する電線を収容する筒状又は樋状をなしている。このハウジング固定部121は、コネクタハウジング110の後端111bの両側面に被さる両側壁部121aに、リブ係合溝124と、ハウジング係合部125と、を備えている。
【0011】
リブ係合溝124は、カバー案内リブ116が挿入されることで、コネクタハウジング110に対するコネクタカバー120の嵌合装着時におけるコネクタカバー120の移動方向を規制する。
【0012】
ハウジング係合部125は、コネクタカバー120がコネクタハウジング110に対して正規の嵌合完了位置に到達したときに、カバー係止部117と係合することでコネクタカバー120をハウジング本体111の後端111bに固定する係止突起である。
【0013】
ハウジング固定部121には、図17に示すように、端子押し込み突片126が、装備されている。
【0014】
端子押し込み突片126は、コネクタカバー120のハウジング本体111への嵌合に伴ってハウジング本体111の端子挿入孔に挿入されて、前記端子挿入孔内の中途挿入状態の端子金具を正規の挿入完了位置に押し込む。
【0015】
電線案内壁部122は、当該ハウジング固定部121の後端からハウジング本体111における電線の導出方向と直交する方向(図17では、矢印Y1方向)に延出して設けられている。この電線案内壁部122は、ハウジング本体111から導出する電線をハウジング本体111からの導出方向と直交する方向に方向変換して導出させる。
【0016】
特許文献1における電線案内壁部122は、電線の導出方向(矢印Y1方向)と直交する方向には変形し難い剛構造に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2000−348810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、上記特許文献1におけるカバー付きコネクタ100の場合、相手コネクタから離脱させるときには、ロック解除用押下部113を押下して、ロックアーム112を係合解除方向に撓ませる。しかし、特許文献1のカバー付きコネクタ100は、ロック解除用押下部113の押下に伴うロックアーム112の撓み変位量を規制する手段を有していない。
【0019】
そのため、ロック解除用押下部113が強く押下された際に、ロックアーム112が過大に撓み変位して、ロックアーム112の破損が発生するおそれがあった。
【0020】
このような不都合の発生を防止するには、例えば、ハウジング本体111又はロックアーム112に、ロック解除用押下部113が押下操作されたときのロックアーム112の撓み変位量を規制する機構を追加することが考えられる。
【0021】
しかし、ハウジング本体111又はロックアーム112にロックアーム112の撓み変位量を規制する機構を追加すると、コネクタハウジング110の構造が複雑化してしまい、その結果、コネクタハウジング110の製造時における成形性の低下等を招くおそれがあった。
【0022】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、コネクタハウジングにおけるロックアームの過大変位による破損を防止することができ、しかも、コネクタハウジングの成形性を低下させる要因となるコネクタハウジングの構造の複雑化を招くこともないカバー付きコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1)相手コネクタに嵌合接続されるコネクタハウジングと、該コネクタハウジングの後端に結合されて前記コネクタハウジングの後端から導出する電線の導出方向を規制するコネクタカバーと、を備え、
前記コネクタハウジングは、複数の端子挿入孔を有するハウジング本体と、該ハウジング本体の一側面の前端側から立ち上がって後端側に延出して設けられたアーム本体上の係合部が相手コネクタの係合手段と係合することで前記ハウジング本体を相手コネクタに結合させるロックアームと、該ロックアームの後端部に形成されて該ロックアームと相手コネクタの係合手段との係合を解除するときに押下されるロック解除用押下部と、を備え、
前記コネクタカバーは、前記コネクタハウジングの後端に結合されるハウジング固定部と、前記コネクタハウジングの後端への結合に伴い前記端子挿入孔に挿入されて前記端子挿入孔内の中途挿入状態の端子金具を正規の挿入完了位置に押し込む端子押し込み突片と、前記ハウジング本体から導出する電線の導出方向を規制する電線案内壁部と、
を備えるカバー付きコネクタであって、
前記ロック解除用押下部と対向する前記端子押し込み突片上に、前記ロック解除用押下部の押下による前記ロックアームの撓み変位量が規定値に達したときに前記ロックアームと当接して前記ロックアームの変位を規制するアーム変位規制部を隆起形成したことを特徴とするカバー付きコネクタ。
【0024】
上記(1)の構成によれば、当該カバー付きコネクタを相手コネクタから離脱させるために、コネクタハウジングに装備されているロック解除用押下部の押下によってロックアームが係合解除方向に撓み変位させられる場合、ロックアームの撓み変位量が規定値に達したときに、コネクタカバーの端子押し込み突片上に隆起形成されているアーム変位規制部にロックアームが当接することで、ロックアームのそれ以上の変位が規制される。
【0025】
従って、コネクタカバーの端子押し込み突片上のアーム変位規制部とロックアームとの当接位置を適宜に設定しておくことで、ロック解除用押下部の押下操作時におけるロックアームの変位量が過大になることを防止することができ、コネクタハウジングにおけるロックアームの過大変位による破損を防止することができる。
【0026】
しかも、ロック解除操作時にロックアームの撓み変位を規制するアーム変位規制部は、コネクタハウジングとは別体で、コネクタハウジングの後端に結合されるコネクタカバーに装備されるため、コネクタハウジングの成形性を低下させる要因となるコネクタハウジングの構造の複雑化を招くこともない。
【発明の効果】
【0027】
本発明によるカバー付きコネクタによれば、当該カバー付きコネクタを相手コネクタから離脱させるために、コネクタハウジングに装備されているロック解除用押下部の押下によってロックアームが係合解除方向に撓み変位させられる場合、ロックアームの撓み変位量が規定値に達したときに、コネクタカバーの端子押し込み突片上に隆起形成されているアーム変位規制部にロックアームが当接することで、ロックアームのそれ以上の変位が規制される。従って、コネクタカバーの端子押し込み突片上のアーム変位規制部とロックアームとの当接位置を適宜に設定しておくことで、ロック解除用押下部の押下操作時におけるロックアームの変位量が過大になることを防止することができ、コネクタハウジングにおけるロックアームの過大変位による破損を防止することができる。
【0028】
しかも、ロック解除操作時にロックアームの撓み変位を規制するアーム変位規制部は、コネクタハウジングとは別体で、コネクタハウジングの後端に結合されるコネクタカバーに装備されるため、コネクタハウジングの成形性を低下させる要因となるコネクタハウジングの構造の複雑化を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るカバー付きコネクタの一実施形態の分解斜視図である。
【図2】図1のコネクタハウジングの側面図である。
【図3】図1のコネクタハウジングを後端側から視た斜視図である。
【図4】図1のコネクタハウジングの縦断面図(図3のA−A断面図)である。
【図5】図1のコネクタカバーの側面図である。
【図6】図1のコネクタカバーの平面図である。
【図7】図1のB部の拡大図である。
【図8】一実施形態のカバー付きコネクタの組立完了状態の斜視図である。
【図9】一実施形態のカバー付きコネクタの組立完了状態における後端面側からの斜視図である。
【図10】図8に示したカバー付きコネクタの正面図である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】図11のD部の拡大図である。
【図13】図10のE−E断面図である。
【図14】図13のF部の拡大図である。
【図15】図9のG部の拡大図である。
【図16】図14に示したロック解除用押下部の押下によって撓み変位したロックアームが、アーム変位規制部に当接してそれ以上の変位が規制されている状態の拡大図である。
【図17】従来のカバー付きコネクタの組立前の状態の側面図である。
【図18】図17に示したカバー付きコネクタの組立後の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係るカバー付きコネクタの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1〜図16は本発明に係るカバー付きコネクタの一実施形態を示したもので、図1は一実施形態のカバー付きコネクタの分解斜視図、図2は図1のコネクタハウジングの側面図、図3は図1のコネクタハウジングを後端側から視た斜視図、図4は図1のコネクタハウジングの縦断面図(図3のA−A断面図)、図5は図1のコネクタカバーの側面図、図6は図1のコネクタカバーの平面図、図7は図1のB部の拡大図、図8は一実施形態のカバー付きコネクタの組立完了状態の斜視図、図9は一実施形態のカバー付きコネクタの組立完了状態における後端面側からの斜視図、図10は図8に示したカバー付きコネクタの正面図、図11は図10のC−C断面図、図12は図11のD部の拡大図、図13は図10のE−E断面図、図14は図13のF部の拡大図、図15は図9のG部の拡大図、図16は図14に示したロック解除用押下部の押下によって撓み変位したロックアームが、アーム変位規制部に当接してそれ以上の変位が規制されている状態の拡大図である。
【0032】
この一実施形態のカバー付きコネクタ1は、相手コネクタに嵌合接続されるコネクタハウジング20と、該コネクタハウジング20の後端20aに結合されてコネクタハウジング20の後端20aから導出する電線(不図示)の導出方向を規制するコネクタカバー40と、を備える。
【0033】
コネクタハウジング20は、複数の端子挿入孔211を有するハウジング本体21と、該ハウジング本体21の一側面であるハウジング上面21aに突設されたロックアーム22と、該ロックアーム22の後端部に形成されたロック解除用押下部23と、を備える。前述のコネクタハウジング20の後端20aは、ハウジング本体21の後端でもある。
【0034】
ハウジング本体21における複数の端子挿入孔211は、図4に示すように、後端20aから前端に向かって、貫通形成されている。端子挿入孔211には、図4に示すように、電線の端部に圧着接続された端子金具31が、挿入装着される。端子挿入孔211内には、図13に示すように、ランス25が設けられている。ランス25は、規定の嵌合完了位置まで挿入された端子金具(不図示)を係止して、端子金具を抜け止めする。
【0035】
ハウジング本体21の後端20a寄りの両外側面には、図1及び図2に示すように、カバー案内リブ26と、カバー係止部27と、が備えられている。
【0036】
カバー案内リブ26は、後端20aに対するコネクタカバー40の嵌合装着方向(図1の矢印X2方向)に沿って延在するリブ状に、後端20aの側面に形成されている。このカバー案内リブ26は、コネクタカバー40をハウジング本体21の後端20aに嵌合装着する際に、コネクタカバー40を嵌合方向に誘導する。
【0037】
カバー係止部27は、後端20aに対するコネクタカバー40の嵌合装着が完了したときにコネクタカバー40と係合して、コネクタカバー40を固定する。
【0038】
ロックアーム22は、図4に示すように、ハウジング本体21におけるハウジング上面21aの前端寄りの位置から立ち上がってハウジング本体21の後端20a側に延出した片持ち梁状の可撓アーム22aの中間部に、係合用の凹み22bを設けた構成である。
【0039】
このロックアーム22は、ハウジング本体21を相手コネクタに嵌合装着した際に、凹み22bに相手コネクタの係合手段が係合することで、ハウジング本体21を相手コネクタに結合させる。
【0040】
ロック解除用押下部23は、ハウジング本体21の後端20a寄りに位置するロックアーム22の後端部に形成された押下部である。このロック解除用押下部23は、ロックアーム22と相手コネクタの係合手段との係合を解除するときに、図1の矢印Y2方向に、押下操作される。ロック解除用押下部23を図1の矢印Y2方向に押下すると、ロックアーム22が下方(ハウジング上面21a側)に撓んで、相手コネクタの係合手段とロックアーム22の凹み22bとの係合を解除することができる。
【0041】
コネクタカバー40は、図5及び図6に示すように、ハウジング固定部41と、このハウジング固定部41の後端に一体形成された電線案内壁部42と、を備えている。
【0042】
ハウジング固定部41は、コネクタハウジング20の後端20aに嵌合装着することにより、後端20aに結合される部位である。このハウジング固定部41は、ハウジング本体21の後端20aの両側面及び下面の3壁面の上に嵌合する略コ字状断面の構造をなしている。本実施形態のハウジング固定部41は、図1及び図5に示すように、その前端側に、端子押し込み突片411と、リブ係合溝412と、ハウジング係合部413と、アーム変位規制部414と、を備えている。
【0043】
端子押し込み突片411は、ハウジング固定部41のコネクタハウジング20への嵌合に伴って、ハウジング本体21の端子挿入孔211に挿入されて、端子挿入孔211内の中途挿入状態の端子金具を正規の挿入完了位置に押し込む。
【0044】
上記のリブ係合溝412とハウジング係合部413は、コネクタハウジング20の後端20aの両側面に被さるハウジング固定部41の両側壁部415に、形成されている。
【0045】
リブ係合溝412は、図8に示すように、カバー案内リブ26が挿入されることで、コネクタハウジング20に対するハウジング固定部41の嵌合装着時におけるハウジング固定部41の移動方向を嵌合方向に規制する。
【0046】
ハウジング係合部413は、図11及び図12に示すように、ハウジング固定部41がコネクタハウジング20に対して正規の嵌合完了位置に到達したときに、カバー係止部27と係合することで、ハウジング固定部41をコネクタハウジング20の後端20aに固定する突起である。
【0047】
コネクタカバー40をコネクタハウジング20の後端に嵌合装着した状態では、ハウジング固定部41において最上位に位置する2つの端子押し込み突片411は、図13〜図15に示すように、ロック解除用押下部23と対向するロック解除用押下部23の下方側に進入している。
【0048】
アーム変位規制部414は、図13及び図14に示すように、ロック解除用押下部23と対向する2つの端子押し込み突片411上に隆起形成された凸状部である。このアーム変位規制部414は、ロック解除用押下部23の押下によるロックアーム22の撓み変位量が規定値に達したときに、図16に示すように、ロックアーム22と当接して、ロックアーム22がそれ以上撓み変位しないように、ロックアーム22の変位を規制する。
【0049】
電線案内壁部42は、図13に示すように、前述のハウジング固定部41の後端からハウジング本体21における電線の導出方向(図13における矢印X3方向)と直交する方向(図13における矢印Y3方向)に延出して設けられて、前記ハウジング本体21から導出する電線をハウジング本体21からの導出方向と直交する垂直上方向に方向変換して導出させる。
【0050】
以上に説明した一実施形態のカバー付きコネクタ1の構成によれば、当該カバー付きコネクタ1を相手コネクタから離脱させるために、コネクタハウジング20に装備されているロック解除用押下部23の押下によってロックアーム22が係合解除方向に撓み変位させられる場合、ロックアーム22の撓み変位量が規定値に達したときに、図16に示したように、コネクタカバー40の端子押し込み突片411上に隆起形成されているアーム変位規制部414にロックアーム22が当接することで、ロックアーム22のそれ以上の変位が規制される。
【0051】
従って、コネクタカバー40の端子押し込み突片411上のアーム変位規制部414とロックアーム22との当接位置を適宜に設定しておくことで、ロック解除用押下部23の押下操作時におけるロックアーム22の変位量が過大になることを防止することができ、コネクタハウジング20におけるロックアーム22の過大変位による破損を防止することができる。
【0052】
しかも、ロック解除操作時にロックアーム22の撓み変位を規制するアーム変位規制部414は、コネクタハウジング20とは別体で、コネクタハウジング20の後端に結合されるコネクタカバー40に装備されるため、コネクタハウジング20の成形性を低下させる要因となるコネクタハウジング20の構造の複雑化を招くこともない。
【0053】
なお、本発明のカバー付きコネクタは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良等が可能である。
【0054】
例えば、アーム変位規制部の具体的な隆起形状等は、上記実施形態の構造に限るものではなく、適宜、設計変更可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 カバー付きコネクタ
20 コネクタハウジング
20a 後端
21 ハウジング本体
22 ロックアーム
23 ロック解除用押下部
40 コネクタカバー
41 ハウジング固定部
42 電線案内壁部
411 端子押し込み突片
414 アーム変位規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手コネクタに嵌合接続されるコネクタハウジングと、該コネクタハウジングの後端に結合されて前記コネクタハウジングの後端から導出する電線の導出方向を規制するコネクタカバーと、を備え、
前記コネクタハウジングは、複数の端子挿入孔を有するハウジング本体と、該ハウジング本体の一側面の前端側から立ち上がって後端側に延出して設けられたアーム本体上の係合部が相手コネクタの係合手段と係合することで前記ハウジング本体を相手コネクタに結合させるロックアームと、該ロックアームの後端部に形成されて該ロックアームと相手コネクタの係合手段との係合を解除するときに押下されるロック解除用押下部と、を備え、
前記コネクタカバーは、前記コネクタハウジングの後端に結合されるハウジング固定部と、前記コネクタハウジングの後端への結合に伴い前記端子挿入孔に挿入されて前記端子挿入孔内の中途挿入状態の端子金具を正規の挿入完了位置に押し込む端子押し込み突片と、前記ハウジング本体から導出する電線の導出方向を規制する電線案内壁部と、
を備えるカバー付きコネクタであって、
前記ロック解除用押下部と対向する前記端子押し込み突片上に、前記ロック解除用押下部の押下による前記ロックアームの撓み変位量が規定値に達したときに前記ロックアームと当接して前記ロックアームの変位を規制するアーム変位規制部を隆起形成したことを特徴とするカバー付きコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−110024(P2013−110024A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255340(P2011−255340)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】