説明

カバー装置

本発明は、注入又は積層材料(12)を覆うため、とりわけ腐敗ピットにおける残留廃棄物又は生ゴミ等の有機物を含有する廃棄物の好気性処理に使用される可撓性装置のカバー構成物(10)に関する。カバー構造は、ターポーリンを備えている。ターポーリンは、少なくとも一種の流体を満たすことができ、且つ少なくとも一部分が相互に接続されている多数の支持要素(22)と、少なくとも一つの防水性ガス透過性平面構造(14)を備えている。前記平面構造(14)は、支持要素に接続されている。本発明の装置は、支持要素が充填されているか又はいないかに応じて、組立状態と下がった状態を構成する。平面構造は、材料を覆い、支持要素が充填されたとき、及び空にされたときに、それぞれ上げられ、及び下げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に有機物含有廃棄物、例えばコンポストヒープにおける残留廃棄物又は家庭ごみの好気性処理のための、堆積又は積層された材料をカバーするための可撓性装置における構成物に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物処理の分野では、固形都市ごみの生物学的成分を乾燥及び分解するための種々の装置及びプロセスが知られている。公知の装置に、クローズドシステムがある。この装置では、閉鎖構成のコンパートメント、容器又はボックスにおけるコンポスト化を含む。このクローズドシステムには、このような装置を入手するための資本コストが高いこと、及びシステム内に生成した廃空気を除去及び精製するのにコストがかかるという欠点がある。
【0003】
別のより単純な装置では、オープンエアーにおけるコンポストヒープのオープンコンポスト化を含む。しかしながら、この場合、生成したガスの全てが、何ら妨げられることなく大気中に脱出できるため、微生物の発生及び臭気の制御についての問題が生じる。これらの問題を軽減するために、ここ数年間、コンポストヒープを完全に被覆する大きな透過性カバーが使用されている。これらのカバーの透過度は、コンポストヒープが積極的に通気され、同時に微生物の発生及び臭気の防止がなされるように選択される。例えばDE4231414C2は、防水性且つガス透過性である膜ラミネートを備えたコンポストヒープ用のカバーを記載している。しかしながら、このようなカバーには、種々の欠点がある。第一に、コンポストヒープは、異なる時間に装入、被覆される。すなわち、ヒープを最初に十分に装入してからでないと、カバーをヒープを横断して引き出すことができない。開放されカバーがなされていないヒープの上に空気が自由に流れている間は、このため、望ましくない放出を生じる。さらに、ヒープから材料を除去するために、除去装置がコンポストヒープに対して自由にアクセスし、カバーを損傷しないように、ヒープからカバーを除去しなければならない。カバーを除去することによっても、同様に望ましくない放出が生じる。さらに、カバーの設置及び除去中に少なくとも部分的に手動で取り扱うという複雑さにより、人件費がかなりなものとなる。カバーを取り扱うことは、フィルの高さが大きいと、さらに困難となる。さらに、カバーを押さえつけるためのリムでの重し、例えば水を満たした消防ホース及びサンドバッグを、除去し、その後交換する必要がある。たとえ機械的巻線機を使用したとしても、少なくとも2人が必要である。さらに、カバーを巻き上げたり、広げたりすると、防水シート材料の損傷を生じて、特に膜材料の場合、カバーの機能性が大きく減少することがある。また、仕事中の安全の面で、コンポストヒープ上にカバーをした状態の操作には、関与する作業者に問題を生じないことはない。第一に、ヒープ上での足踏み及びヒープを横断する際に事故を起こす危険性がある。第二に、ヒープにカバーをしていない場合、作業者は、カバーをする材料及び逃散する放出と直接に接触し、作業者の健康を損なう恐れがある。
【0004】
さらに進歩したものでは、コンポストボックスにカバーを設けている。DE29616788U1に記載されている折蓋ボックスの場合、防水性及び空気透過性の膜ラミネートを備えたルーフ構成が開示されている。しかしながら、折蓋ボックスでは、壁及びルーフの構成に高価な材料が必要である。さらに、折蓋を開放して、ホイールローダーの操作が可能なように十分な通路の高さとする必要があることから、充填操作及び空にする操作中に、放出が生じる問題がまだある。
【0005】
放出とは、要約すると、ダスト、エアロゾル、臭気、微生物、カビの胞子、種子等の排出を意味する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、カバーをより単純に且つより静かに取り扱うことができる、カバーを用いて堆積又は積層された材料を覆う改善された方法を提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、装入中及び有機廃棄物からできたヒープから材料を取り出す間、臭気及び微生物の放出を減少させることである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、上記した従来技術の欠点を克服する堆積又は積層された材料の経済的及び安価なカバーを提供することである。
【0009】
上記目的は、請求項1の特徴及びさらに請求項21の装置及び請求項43のプロセスの特徴による本発明により達成される。従属請求項は、本発明の有利な展開を特定する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、堆積又は積層された材料用のカバー構成物であって、前記カバー構成物はカバーを備えており、前記カバーは、少なくとも一種の流体を満たすことができ且つ少なくとも部分的に互いに接続されている多数の支持要素と、少なくとも1枚の防水性且つガス透過性シートであり、前記支持要素に接続されているシートとから形成されている、カバー構成物により達成される。カバー構成物は、フレキシブルな方法で組み立てて、カバー構成物が材料を被覆して堆積又は積層された材料の好気性処理をおこなうことができる装置を構成する。ここで、この装置は、組み立て状態と、下がった状態にできる。
【0011】
装置の組み立て状態は、加圧下で少なくとも一種の流体を充填した支持要素により実行する。その結果、シートは、持ち上げられ、材料からある距離だけ離れた状態となる。組立状態では、カバー構成物は、ホール又は空間を構成し、カバーされるべき材料は、堆積又は積層されることができる。持ち上げられたシートは、特に材料の周囲に車両がアクセスできる空間を構成する。
【0012】
本装置の下がった状態では、支持要素は、実質的に流体を含まず、すなわち、支持要素は、少なくとも一種の流体が空となっており、シートが下がり、材料を覆う。次に、カバーは、従来のヒープカバーのようにカバーされる材料に置かれる。
【0013】
本発明のカバー構成物は、対応する装置により地面に直接固定するか、又はルーフ構成物であるか、又は対応の周囲の壁上にある。
【0014】
支持要素に少なくとも一種の流体を満たして、カバー構成物を組み立てる。支持要素を満たす流体は、ガス、蒸気、液体、又はガス及び液体であることができる。このことは、支持要素に少なくとも一種のガスを満たすか、又は少なくとも一種の液体を満たすか、又は少なくとも一種のガス及び少なくとも一種の液体を満たすことができることを意味する。支持要素は、少なくとも気密性のもので作製する。充填は、加圧下、支持要素が持ち上がり3次元構造、例えばホールを形成するように実施する。支持要素に固定される少なくとも一枚の防水性及びガス透過性シートは、同様に支持要素とともに持ち上がる。
【0015】
構成物のサイズは、十分な高さの空間が形成されて、ホイールローダー、フィードベルト及びコンベアベルト又は類似の輸送機械によりカバーされる材料を導入することができるように選択される。ヒープを直立させた後、少なくとも一種の流体を支持要素からできるだけ除去して、構成物が制御された方法でつぶれ、ヒープを覆うようにする。集合機構を用いて、防水性及びガス透過性シートは、ヒープの表面上に直接横たわる。ヒープを空にするために、再び本発明の装置を、少なくとも一時的に組立状態とする必要がある。
【0016】
本発明の構成物及び可撓性装置により、カバーを安価で、単純で静かに取扱うことができる。カバーは、支持要素と、防水性及びガス透過性シートとの組み合わせにより形成される。支持要素に充填及びそれを空にすることにより、シートが、静かに上げ及び下げるように操作される。この上げ下ろし操作を、従来技術におけるカバーをまとめて引っ張るか、又は巻き上げ及び広げる複雑且つ材料を必要とするプロセスの代わりに使用することができる。さらに、ホィールローダー又は他の運搬機械を使用して、カバーを完全に除去する必要性なくコンポストヒープを積み重ねたり、取り除いたりすることができる。代わりに、シートを上げ、そして生じた空間には、ホィールローダー等の材料導入機械がアクセスできる。このように、本発明の構成物は、現場でそのままにしておくことができ、公知のカバーと同様にコンポストヒープを積み重ねたり、取り除いたりするためにパックし移動する必要がない。
【0017】
本発明の装置は、クローズドシステムの利点と公知の単純なヒープカバーの利点とを合わせ持つ。第一に、組み立てた状態であっても、本装置は、環境からほとんど大部分が閉鎖されたままである。これは、本発明の装置のシートは、直立した状態のコンポストヒープの周囲に広がるだけでなく、下げられた状態ではコンポストヒープの上に横たわるか、又はヒープの周囲に積み重なって、ヒープがシートにより常に包囲されることによるものである。したがって、汚染された空気は、実質的に本発明の装置内に存在したままとなる。組み立てた状態においてのみ、装置が、一時的にカバーされる材料を積み重ねたり又は材料を除去する側で開放される。その側が一時的に開放されている間、従来技術において材料が完全に暴露されるのとは対照的に、周囲への臭気及び微生物等の放出が大きく減少する。さらに、排気システムは、初めてヒープカバーに設置し、減圧手段により、カバーが組立状態にあるときにホィールローダートラフィックによりそのまま残っている可能性のある放出を捕捉して、それを、隣接する排気エアークリーンアップシステムに供給できる。第二に、装置により、カバーされるべき材料を高度な機械化により導入及び除去することができ、せいぜいホィールローダーで一人が必要とされるだけであるか、又はその空間に、自動フィードベルトで装入したり、空にするので、労働コストが最小となる。また、この手段により、作業者は、もはやカバーされるべき材料とは直接接触せず、作業上の安全性が向上する。
【0018】
さらに、本発明の装置は、下げられた状態で、通常のヒープカバーに相当する。シートは、カバーされるべき材料上に直接横たわり、水蒸気がシートを介して環境に排出できる。さらに、構成物がコンポストヒープ上に直接横たわるということは、装置全体が風による影響が小さいことを意味する。
【0019】
同時に、シートが内側及び外側に保護バリヤーとしての役割を果たす。内側方向には、水の侵入を防止し、且つ強力な太陽熱が放射したときの乾燥を防止する。外側方向には、シートは、微生物の放出及び臭気が出ないようにし、そしてガス透過性があるので、好気性分解により装置に形成したCO2がシート上に圧力上昇を生じることなくシートを通って逃散することができる。
【0020】
一実施態様によれば、カバー構成物は、少なくとも一つの流体入り口を備えており、それにより、シートが支持要素により上がることができるような圧力で支持要素が流体により充填される。カバー構成物は、さらに少なくとも一つの流体出口を備えており、それにより、支持要素を空にしてシートが支持要素により下がることができるようにする。少なくとも一つの流体入り口は、少なくとも一つの支持要素に設けられた開口であり、加圧下で少なくとも一種の流体が確実に供給できるようにする。このために、流体の入り口を、換気ファン又はコンプレッサーに接続して、加圧下で少なくとも一種の流体が、流体入り口を介して支持要素に強制的に入れられるようにする。各支持要素は、別個の流体入り口を有することができる。好ましくは、一つの支持要素、及び支持要素の間の対応する液体分散路において一つの流体入り口がある。
【0021】
少なくとも一つの流体出口は、通常のバルブを、同様に少なくとも一つの支持要素に位置させて備えることができる。一実施態様によれば、各支持要素は、それ自体のバルブを備えている。
【0022】
さらなる実施態様によれば、流体入り口は、同時に、流体出口でもある。支持要素は、次に換気ファンを介して受動的に、又は換気ファンの吸引動作により積極的に空にする。
【0023】
カバー構成物は、シートが上がった状態で、材料の上に車両がアクセスできる閉じた空間を形成する。ここで、車両がアクセスできる空間とは、人及び/又はいずれかの種類の車両がそこに入ったり、そこに運転されて入って、材料を空間に入れたり又はそこから出したりすることができるような空間が構成されることを意味する。このことは、空間が、十分な高さと幅を有していることを意味している。一実施態様によれば、空間は、高さが地上少なくとも6メートルである。閉じた空間は、カバー、すなわち、支持要素及びシートは、上がることにより広がり、壁及び/又はルーフが形成され、その結果、組立状態であっても、材料は、カバーにより完全に包囲され、且つ周囲とは直接には接触しないことを意味する。さらに、装置は、少なくとも一つの閉鎖可能な開口を有し、そこを通って、材料が空間に搬入されたり搬出されたりすることができる。この開口は、空間に車両がアクセスするのに一時的にのみ開口するが、それ以外では、空間の内部が周囲と直接に接触しないように閉じたままとされる。
【0024】
シートの上げ下げの操作の結果、カバーされるべき材料とシートとの間に可変できる空間が設定できる。要件に応じて、この空間は、シートが、材料上及び周囲にぴったりと横たえて、有機成分が最適に分解プロセスに付されることができるように選択される。また、空間は、しっかりと閉じられ且つ車両がアクセスできる空間が材料の周囲に形成され、材料を空間に入れたり、そこから出したりすることができるように選択することもできる。上げたシートと材料との間の空間は、例えば少なくとも2メートルであることができる。
【0025】
好ましくは、防水性及びガス透過性シートは、少なくとも1層の繊維層に接合された多孔質層を備えたラミネートである。繊維ラミネートを使用することは、高防水性であると同時にガス透過性であることに加えて、多孔質層は、例えば臭気と微生物等の放出を同時に保持するのに特に好適であるので特に有利である。好ましくは、多孔質層は、微孔質膜である。
【0026】
ガス透過性シートの耐水蒸気透過度は20m2Pa/W未満であり、したがって、シートを通っての水蒸気透過度は確実に高くなる。耐水蒸気透過度が低いと、湿った材料が乾燥できたり、存在するプロセス水が除去できたりする。これにより、材料の水分量が過度に増えたり、塊が形成したりするのを、効果的に防止される。さらに、シートの空気透過度は、圧力差200Paで3〜100m3/m2/時間である。この水蒸気透過度及びさらに空気透過度により、確実に、カバーされるべき材料が十分に通気され、すなわち、酸素が十分に供給され、転化生成物が圧力の上昇なく脱出することができる。さらに、シートは、10kPaを超える水侵入圧力で防水性である。これにより、生じた水により水分が増えていくことを確実に防止できる。
【0027】
支持要素を、互いに少なくとも部分的に接続する。好ましくは、支持要素を互いに接続して、共通のフロー断面を有するようにする。さらなる実施態様によれば、支持要素を、流体ディストリビューターにより互いに接続する。その結果、支持要素を充填するために、一つのユニット、例えば換気ファンが必要とされるだけであり、これにより、本発明の構成物の支持要素全体が、少なくとも一種の流体により満たされる。別の実施態様によれば、支持要素は互いに接続されているけれども、各支持要素は充填のための別個のユニットを備えている。
【0028】
好ましい実施態様によれば、支持要素は、チューブである。一実施態様によれば、可撓性チューブは、ガス膨張、好ましくは空気によるガス膨張ができ、換気ファンは単に周囲空気を可撓性チューブに供給するだけである。空気を使用するのは、特に経済的である。組み立てた状態で装置の安定性を十分なものとするために、少なくとも一種の流体を、十分な圧力で支持要素に供給する必要があり、好ましくは200Paの内部過剰圧力が存在するようにする。さらなる実施態様によれば、この圧力は、少なくとも10kPaであり、好ましくは12kPaである。可撓性チューブの直径は、80cm超、好ましくは100cmである。可撓性チューブの安定性の面で可能であるならば、より高圧では可撓性チューブの直径をより小さくすることもできることは明らかである。
【0029】
支持要素には、上側と下側があり、下側がカバーされる材料の方向に向いており、上側が周囲の方向に向いている。好ましくは、シートを、支持要素の下側に取付ける。したがって、防水性及びガス透過性シートは、シールされる材料の表面上に直接横たわり、水蒸気及びガスが高レベルで確実に通過できる。同時に、部分的に粗い粒状物バルク材料の場合には、支持要素は、これに食い込むことはない。
【0030】
本発明の装置の組立状態において、カバー構成物は、好ましくはルーフ領域と壁領域を構成し、シートを少なくともルーフ領域に配置する。下がった状態で、主に、ルーフ領域とそこに存在するシートのみが、カバーされる材料の表面に横たわるので、ルーフ領域においてシートを使用することで、ほとんどの場合十分である。これとは対照的に、壁領域におけるカバー構成物は、下がった状態でヒープの周囲に実質的に折り畳まれ、したがって、カバーされる材料に対しては積極的には作用することはできない。この設計の場合、防水性及びガス透過性シートについての材料の量は節約でき、特に膜材料が使用されるときにはかなりのコスト上の利点が得られる。壁領域においては、防水性及びガス透過性シートの代わりに、単に防水性であるが、耐引き裂き及び耐磨耗性である支持層を、支持要素に取付ける。したがって、カバーされる材料のローディング中及びアンローディング中の機械類による装置の損傷を、さらに防止できる。したがって、一実施態様によるカバーは、防水性及びガス透過性であるシートと、防水性保護層とを備えることができる。
【0031】
シートは、好ましくは支持要素に着脱自在に取付けられて、シートが損傷、破損又は汚れた場合に、簡単な方法で取り替えることができる。交換する場合、装置を組立状態にして、交換されるシートに容易にアクセスできるようにする。
【0032】
本発明の装置は、さらに廃棄物処理装置、例えば、スプレー及び水供給チューブ又は排気及び吸引装置を備えることができる。
【0033】
さらに、接近壁を、装置の内部に設けることもできる。接近壁は、好ましくは多数の隣接して配置されるコンクリート要素により形成される。この接近壁は、組立状態において、ホィールローダーによる装置の損傷に対して効果的に保護できる。さらに、ヒープのエッジの境界を定める接近壁は、ホィールローダードライバーのための位置確認の役に立つ。
【0034】
装置のエッジ材料を、単純な手段、例えばソイルネイル、テントペグ又は重り要素をエッジ材料又はチューブ(灌水されるエッジ材料中/上)に組み込む等により、地面に固定できる。さらなる実施態様によれば、装置を、ヒープを直立するための部位を包囲する壁に対してか、又は壁上に取付けられる。このような包囲壁の高さは、1m〜2mであることができる。カバー構成物を壁に取付けるためのさらなる取付け手段は、例えば耐磨耗性及び気密バッグであることができる。このバッグに、支持要素の端部が挿入され、バッグは、壁に直接取付けられる。
【0035】
特に、取付けは、装置がその内部に最大2000Paの圧力を収容でき、それにもかかわらず漏れに対して十分に耐ガス構造であるように気密でおこなわれる。
【0036】
堆積又は積層された材料の好気性処理のための装置を取り扱うための本発明の方法は、以下の工程を含む:カバーを備えたカバー構成物であって、前記カバーが、多数の支持要素であり、少なくとも一種の流体を充填することができ且つ少なくとも部分的に互いに接続されている支持要素と、前記支持要素に接続されている少なくとも一つの防水性且つガス透過性であるシートとを備えている、カバー構成物を準備する工程;前記支持要素に少なくとも一種の流体を、シートを上げさせ且つ空間を形成する圧力で充填することにより前記カバー構成物を組み立てる工程;前記材料を前記空間に導入する工程;少なくとも一種の流体を前記支持要素から排出することにより前記カバー構成物を下げて、前記シートを下げ且つ前記材料を前記シートで覆う工程。
【0037】
材料を導入する前に、空間への開口を開き、この開口を、カバー構成物を下げる前又は下げている間に再び閉じる。
【0038】
定義:
水侵入圧力試験
水侵入圧力試験は、実質的に、水を材料試料の一方の側に対して加圧し、材料試料の他方の側は水が通過するかどうかを観察することに基づいている耐水圧試験である。
【0039】
水圧を、面積100cm2の材料試料上の20±2℃の蒸留水を増大する圧力に暴露させる試験法にしたがって測定する。水の上昇圧力は、60±3cmH2O/分である。そのときの水圧は、水が試料の他の側に現れる圧力である。正確な手順は、ISO規格No.811(1981)に規定されている。「防水性」とは、材料が、少なくとも10kPaの水侵入圧力に耐えることを意味する。
【0040】
「多孔質」とは、材料の内部構造を通る極めて小さな微細孔を有する材料を意味し、これらの細孔は、材料の一方の表面から他方の表面まで、互いに接合した連続した接続又は経路を構成している。細孔の寸法によれば、したがって、材料は空気及び水蒸気を透過させるが、液状水は細孔を通過できない。
【0041】
細孔のサイズは、フロリダ州ハイアリアにあるCoulter Electronics社製のCoulter Porometer(商標)により測定できる。Coulter Porometerは、ASTM規格E1298−89に記載されている方法に準じて多孔質媒体における細孔径分布を自動測定する機器である。
【0042】
しかしながら、細孔サイズは、全ての入手できる多孔質材料についてCoulter Porometerにより測定できるわけではない。このような場合、細孔サイズは、顕微鏡、例えば光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて測定できる。
【0043】
微孔質膜を使用するとき、微孔質膜の平均細孔サイズは、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜10μmである。
【0044】
耐水蒸気透過度Ret
Ret値は、シート又は複合材料の特定の材料特性であり、一定の分圧勾配で所定の表面を通過する潜熱蒸発フラックスを決定する。
【0045】
材料は、耐水蒸気透過度Retが150(m2×Pa)W未満である場合には、「水蒸気透過性」であると定義される。好ましくは、シートのRetは、20(m2×Pa)W未満である。水蒸気透過度は、Hohenstein MDM乾燥法により測定される。MDM乾燥法は、Bekleidungsphysiologisches Institut [Apparel Physiology Institute]e.V.Hohensteinの標準試験法No.BPI1.4(1987)に記載されている。
【0046】
空気透過度
空気透過度は、シート1m2当たりのm3/時間で表され、チューリッヒにあるTextest Instruments社製空気透過度試験器(FX3300)を用いて測定される。空気透過度は、ISO9237(1995)に基づいて測定される。
【0047】
空気透過度が、200Paの加える圧力差で3〜100m3/m2/時間である場合には、材料が「空気透過性」であるとする。
【0048】
用語「可撓性」は、本発明において、折り畳み式組み立て及び折り返し可能三次元構造として装置を特徴づけるのに使用される。
【0049】
以下、本発明を、添付図面に基づいてより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
本発明は、堆積又は積層された材料のための改善された被覆方法、及び堆積又は積層された材料の好気性処理のための可撓性装置、並びに上記カバー構成物を用いる対応の方法に関する。用語「堆積又は積層された材料」とは、堆積又は積層された、例えば土、穀物、有機物含有廃棄物、例えば家庭廃棄物、コンポスト、ヘイ、農産物、木材、石、木製の梁又は立方形パック商品であることができる全ての材料を含む。本発明は、特に有機物含有固形都市廃棄物の好気性処理に関するが、この材料の処理においてガスの供給及び除去を必要とし、好気性廃棄物処理の場合において、特に酸素を供給し、CO2を除去する必要がある限りは、他の堆積又は積層された材料に適用できる。また、本発明の構成物及び可撓性装置は、特に材料を乾燥するのに使用できる。
【0051】
以下の図面の説明では、本発明を、コンポスト、残留廃棄物及び家庭廃棄物の処理により例示されており、これら材料は、一般的に用語「カバーされる材料」又は「(コンポスト)ヒープ」でまとめて示す。
【0052】
図1は、本発明の可撓性装置の概略図である。この装置は、カバーを備えたカバー構成物(10)から実質的に構成されている。このカバーは、多数の支持要素(22)を備えており、これらの支持要素には、少なくとも一種の流体が充填されることができ、少なくとも一部分が互いに接続されており、少なくとも1枚の防水性及びガス透過性シート(14)が支持要素(22)に接続されている。カバー構成物(10)は、実質的に気密で、地面(28)に、構成物(10)の末端領域を地面(28)に対応の取付け装置(32)で直接、又は包囲壁(36)上に取付けることにより、取り付けられる(図5参照)。
【0053】
本発明の可撓性装置は、2つの状態をとることができる。第一の状態を、図1に示す。この状態では、構成物(10)が、組立て状態で示されている。組立て状態では、支持要素(22)に、加圧下で少なくとも一種の流体を満たし、ホールの形状で地面(28)上に起立する三次元構造を形成する。支持要素(22)に接続したシート(14)は、同様に充填された支持要素(22)と一緒に地面(28)上に起立する。充填された支持要素(22)とシート(14)との相互作用により、装置が、カバーされる材料が、好ましくはコンポストヒープ(12)の形態で位置している、閉じた車両アクセス可能空間(30)を形成する。一実施態様によれば、換気ファン(50)を、装置の外側で支持要素に取付け、支持要素(22)に少なくとも一種のガスを供給する。
【0054】
第二の状態において、構成物(10)は、図2及び図3に示すように下がった状態にある。下がった状態において、支持要素(22)は、実質的に空、すなわち、もはや少なくとも一種の流体で満たされてはいない。構成物(10)は、下がった状態では潰れており、防水性及びガス透過性シート(14)は、コンポストヒープ(12)の表面上に横たわるようになる。集合機構を用いて、防水性及びガス透過性シート(14)は、コンポストヒープの表面上に横たわるようになる。追加のストラップにより、カバー構成物を突風から保護することができる。一定の状況において、シートとヒープの表面との間に小さな可変距離を設定して、例えばシートがヒープに凍りつくのを防止したり、又はシートの水蒸気透過度についてより大きな耐性を得ることができる。
【0055】
このような構成物により、装置は、支持要素(22)に少なくとも一種の流体を満たしているか又はいないかに応じて、シート(14)を上げ下ろしすることができる。
【0056】
支持要素(22)を満たす流体は、ガス、蒸気、液体、又はガスと液体であることができる。このことは、支持要素(22)に、少なくとも一種のガス、又は少なくとも一種の液体、又は少なくとも一種のガスと少なくとも一種の液体とを充填することができることを意味する。支持要素(22)は、少なくとも気密であるように構成される。
【0057】
図1における設計では、装置は、先端領域(23)と末端領域(25)を備えた半円形トンネルを構成する。支持要素(22)及びシート(14)の設計に応じて、組立状態の装置は、所望の形状、例えば、立方形、ドーム状、円錐形又はピラミッド形に設計できる。
【0058】
図1に示す実施態様によれば、構成物(10)は、ルーフ領域(24)及び少なくとも一つの壁領域(26)を構成する。ルーフ領域(24)は、下がった状態において、コンポストヒープ(12)の表面に直接横たわる構成物(10)の一部分を意味する。壁領域(26)は、装置の横方向の境界を構成する構成物(10)の領域を意味する。下がった状態において、壁領域(26)は、コンポストヒープ(12)の周囲に折り重なった状態となり、完全に閉じた状態となる。組立した状態では、壁領域(26)は、2つの反対のトンネル壁(27)と2つの反対末端壁(29)を構成する。
【0059】
本発明の装置の内部に到達するために、開放される少なくとも一つの末端壁(29)が設けられる。この開口は、少なくともホィールローダーが内部に運転して入れられることができるように十分な大きさでなければならない。好ましくは、空間(30)は、少なくとも一つの閉じることができる開口を有している。この開口は、実際に空間(30)に入る必要があるときにのみ開く。中間の時期では、組立状態においてでさえ、装置は、全周で完全に閉じられている。有利な開口機構を、図1a及び図1bに示す。図1aでは、末端壁(29)は、互いに脱着自在に接続された2つのシート部分により前部領域(23)において閉じられている。シート部分は、気密的に支持要素(22)に取付けられている。開口は、例えばジッパー又はベルクロ(登録商標)ファスナーを介してシート部を開くことにより形成され、各部分は、一緒に集合され、その側でカーテンのように支持要素(22)に固定される。図1bにおいて、末端壁(29)を、シート部分から形成し、集合機構を用いて引き上げ、支持要素(22)の内周に沿って一緒に集合させる。集合は、手動又は自動的に実施できる。一実施態様によれば、末端壁は、カバー構成物の組立操作を介して自動的に集合される。また、組立状態では、開口は、自動的に再閉鎖できる。
【0060】
好ましくは、末端壁(29)を、防水性織物(15)から作製する。勿論、前部領域(23)に末端壁(29)を設け、後部領域(25)に開口機構を備えてもよい。
【0061】
好ましくは、防水性及びガス透過性であるシート(14)を、少なくともルーフ領域(24)に配置する。これは、下げた状態でのこの領域がコンポストヒープ(12)の表面上に横たわり、周囲とガス交換する必要があるからである。この場合、壁領域(26)を、防水性及び折り畳み可能保護層(15)から形成する。この保護層(15)は、強固且つ耐磨耗性の材料を含み、組立状態の装置が機械類及びプラントにより汚染及び損傷されるのを防止する。
【0062】
好ましくは、空間(30)を、カバーされる材料(12)のためのローディング及びアンローディング機械、例えばホィールローダーを、空間に運転して入れることができるように設計する。ホィールローダーが壁領域(26)におけるシート(14)、特に保護層(15)を損傷しないように、トンネル壁(27)の内部に沿って、さらに接近壁を横方向境界として設ける。これらの接近壁は、好ましくは多数の隣接して配置した要素、例えばコンクリート要素(34)から形成する。同時に、接近壁は、ホィールローダードライバー用の位置確認に役立つ。
【0063】
さらなる実施態様によれば、ルーフ領域(24)におけるシート(14)は、半透明材料、例えば透明フィルム、半透明透過性ラミネート又はPVCウインドーを含んでいる。この半透明材料は、ルーフ領域(24)の面積の最大5%を占めているので、シート(14)全体のガス透過性機能は、顕著には損なわれない。
【0064】
本発明の装置は、所望の数の支持要素(22)を備えることができる。しかしながら、少なくとも2つの支持要素(22)は、シート(14)の十分な取付けを可能とすること、及び必要な安定性を装置全体に付与するのに必要とされる。図1において、好ましくは支持要素(22)が垂直及び水平に配置されている(互いに交差するように配置されている)。また、支持要素は、地面に対して規定された角度で傾斜して設けることができる。
【0065】
支持要素(22)は、少なくとも一つの流体入り口(51)と少なくとも一つの流体出口(52)を備えている。一実施態様によれば、流体入り口(51)は、同時に流体出口(52)でもある。各支持要素は、別個の流体入り口(51)及び流体出口(52)を有するか、又は支持要素が、流体が全ての支持要素を流れることができるように互いに接続されている場合には、全ての支持要素について、一つの流体入り口(51)と一つの流体出口(52)で十分である。流体入り口(51)は、支持要素における開口であり、この開口内又は開口上に、換気ファン(50)への接続ピースを溶接する。接続ピースは、例えばPVCチューブであることができる。流体出口(52)は、市販の従来のバルブ、例えばイタリアのミラノにあるScoprega S.p.A社製である。
【0066】
支持要素(22)を、少なくとも部分的に互いに接続する。これは、支持要素(22)がそれらの接触点で互いに直接接続される態様、支持要素(22)が個々の接触点で互いに接続される態様、個々の支持要素のみが互いに接続されている態様、又は支持要素(22)が補助材、例えば接続ストリップ、接続レール又は接続コードを介して互いに間接的に接続する態様の全てを含んでいる。支持要素(22)は、例えばシートを介してのみ互いに接続できる。好ましくは、各支持要素(22)を、個々の接触点で隣接する支持要素(22)に接続する。支持要素(22)の接続により、組み立てた状態で、安定且つ自立した構成が形成される。一実施態様によれば、支持要素(22)は、それらの交差する点又は接触点で互いに折り重なり、水平及び垂直支持要素(22)の接触表面を互いに糊で接着、裁縫、溶接するか、又は別の方法で互いに接続する。
【0067】
別の実施態様によれば、支持要素(22)を、それらの交差する点又は接触点で、水平支持要素の断面が垂直支持要素の断面に食い込むように互いに接続する。この手段により、少なくとも一種の流体が、支持要素(22)の構成物全体を通って一つの点から流れることができる。このことは、一つの換気ファン(50)のみを本発明の装置に接続すればよいので、特に有利である。さらに、この構造は、有利な圧力分布が設定されるので、特に安定である。
【0068】
さらなる実施態様によれば、水平流体チューブを介して互いに接続する個々の縦に直立した支持要素のみが設けられる。流体チューブは、切り妻壁に延びるように設けるか、又は地面に隣接して設けることができ、流体入り口(51)を介して全ての支持要素に流入する流体を分配する。流体チューブは、好ましくは流体入り口(51)に存在する圧力に耐える硬質プラスチック又は金属チューブである。しかしながら、流体チューブは、可撓性気密材料から加工することもできる。
【0069】
最後に、組立状態で、三次元構造が形成される限り、支持要素(22)を所望の配列で互いに配置することができる。
【0070】
支持要素(22)に、液体又はガス等の少なくとも一種の流体を満たすことができる。すなわち、支持要素(22)は、ガス又は液体が流れることができる断面を有する必要がある。支持要素(22)の内部における補強要素は、流れが通過する能力を顕著には損なわないものとする。シート(14)に十分な安定性及び支持領域を確保するために、支持要素(22)の断面は、直径が少なくとも10cmでなければならない。好ましくは、直径は、50cmである。さらに好ましい実施態様によれば、支持要素は、直径が、少なくとも80cm、好ましくは直径が90cm〜110cmである。
【0071】
支持要素は、いずれかの三次元構造、例えば可撓性チューブ又は他の中空体であることができる。支持要素(22)は、好ましい実施態様によれば、可撓性チューブである。支持要素(22)は、所望の断面形状を有することができ、丸断面が特に好ましい。丸断面を製造するのは単純であり、且つ支持要素(22)内の圧力分布が最適とすることができる。また、支持要素は、例えば卵形断面でもよい。
【0072】
一実施態様によれば、支持要素(22)は、ガス膨張性可撓性チューブである。使用されるガスは、好ましくは支持要素(22)において少なくとも200Paの過剰な圧力を有する空気である。好ましくは、空気は、過剰圧力が少なくとも10kPaである。空気の他に、ヘリウム又は他の有効なガスを使用することもできる。
【0073】
さらなる実施態様によれば、支持要素(22)に、液体、例えば水を満たすことができる。
【0074】
また、支持要素(22)に、液体及びガスを満たすことができ、この場合、次に、好ましくは、液体を、支持要素(22)の下部に導入し、ガスを支持要素(22)の上部に導入する。この場合、下部は、地面に近い支持要素(22)の領域、例えば壁領域(26)を含み、上部は、地面から遠く離れている領域、例えばルーフ領域(24)を含む。このことは、液体が、同時に地面(28)上の装置を安定化する利点がある。
【0075】
支持要素において、過剰の圧力を防止するために、少なくとも一つの過剰圧力バルブ(54)を設ける。この少なくとも一つの過剰圧力バルブ(54)は、例えば25kPaを超える内部圧力で開き、したがって過剰圧力により支持要素が破壊される恐れを防止する。例えば米国フロリダ州のセントピーターズバーグにあるHalkey Roberts製の過剰圧力バルブを使用できる。
【0076】
支持要素(22)に使用される材料は、防水性及び気密性である材料、例えばPVCをコーティングした支持シートである。この材料は、長寿命であるのに十分な程度に耐候性及び耐磨耗性であることが必要である。好ましくは、下がった状態で、支持要素(22)が潰れた状態となることができるように、材料は、可撓性及び、したがって、折り畳み可能又は垂れ下がることができるものである。ドレープ性の特徴は、支持要素(22)を空にする間及び空にした後の装置の潰れを制御して、コンポストヒープの表面上に防水性及びガス透過性シート(14)を正確に配置することができることから、本発明にとっては重要である。
【0077】
支持要素(22)は、上側(16)及び下側(18)を有し、下側(18)は、組立状態において空間内部の方向を示す、支持要素(22)の表面であり、上側(16)は、周囲の方向を示す、支持要素(22)の表面の反対側である。本発明の装置(10)の防水性及びガス透過性であるシート(14)を、支持要素(22)の上側(16)か、又は下側(18)に配置する。
【0078】
さらなる実施態様によれば、シート(14)を、支持要素(22)の間、より正確には、周辺方向における支持要素(22)により境界が定められている表面を、シート(14)により満たすように配置する。
【0079】
好ましくは、シート(14)を、支持要素(22)の下面(18)に位置させる。シート(14)を、公知の固定法により支持要素(22)に固定することができる。これらには、プレススタッド又は磁気ボタンを用いるか、ベルクロ(登録商標)ファスナーを用いるか、ホック又はチャックを用いた、結束、裁縫、糊つけ、溶接等の可能な固定法が含まれる。この際、防水性シート(14)を固定することにより防水性が損なわれることのないようにする必要がある。好ましくは、シート(14)を、支持要素(22)に脱着自在に取付けて、汚染又は損傷したときにシート(14)を容易且つ迅速に変更できるようにする。
【0080】
一実施態様によれば、防水性及びガス透過性であるシート(14)により、支持要素(22)の下面全体を覆う。
【0081】
別の実施態様によれば、シートにより、ルーフ領域(24)の下のみを覆う。この特に経済的な設計では、壁領域に固定される防水性保護層(15)をさらに使用する。この防水性保護層(15)は、一般的にシート(14)よりも経済的であり、且つ強固な耐磨耗性材料、例えばPVCをコーティングした支持シートを有している。これにより、本発明の装置が、充填された状態で機械及び車両により側壁が損傷されないようにさらに保護される。
【0082】
コンポストヒープの十分なエアレーションのために、防水性及びガス透過性シート(14)は、十分な空気透過性を有する必要がある。コンポストヒープの場合には、これにより、有機成分の好気性分解プロセスが確実におこなわれる。好ましくは、シート(14)の空気透過性は、印加圧力差200Paで3〜100m3/m2/時間である。シート(14)は、水侵入圧力が10kPa超、好ましくは50kPa超で液密である。この場合、水侵入圧力は、1MPaまで上昇できる。
【0083】
シート(14)の耐水蒸気透過度Retは、15m2Pa/W未満、好ましくは10m2Pa/W未満である。
【0084】
シート(14)は、ガス透過性及び防水性である織物、ガス透過性及び防水性である膜、又はガス透過性及び防水性である膜とのラミネートである。使用される織物は、高密度にプレス又は高密度に織った織物、例えば高強度ポリエステルシートであることができる。
【0085】
また、シート(14)は、下がった状態で、コンポストヒープ(12)の表面上に配置でき、またシート(14)及び支持要素(22)の過剰な材料を、コンポストヒープ(12)の周囲に折り畳むことができるように、可撓性及び、したがって、折り畳み可能且つドレープ性の材料から作製する必要がある。
【0086】
好ましくは、使用される液体不透過性及びガス透過性であるシート(14)は、多孔質層(42)と少なくとも1層の繊維層(44)とを備えたラミネート(40)である。多孔質層の細孔は、必要なガススループットを可能とするのに十分な大きさでなければならない。例えば、多孔質層は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリウレタン又はフルオロポリマーからなる群から選択された材料である。好ましくは、多孔質層は、微孔質膜である。膜は、薄く、軽く、可撓性で、且つドレープ性である。さらに、膜は、水蒸気透過性、空気透過性及び防水性である。
【0087】
好ましい微孔質膜は、フルオロポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン;ポリオレフィン、例えばポリエチレン又はポリプロピレン;ポリアミド、ポリエステル;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びそれらの組み合わせ;ポリカーボネート;ポリウレタンを含む。好ましくは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)製の膜を使用する。ePTFE製の膜の厚さは、5〜500μm、好ましくは15〜60μmである。
【0088】
この材料は、互いに接続された非常に多数の開放キャビティ、大きなキャビティ容積及び大きな強度により特徴付けられる。延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)は、柔らかく、可撓性があり、安定な化学的性質を有し、ガス及び蒸気に対して大きな透過性を有し、且つ表面が良好な不純物排除性を有する。
【0089】
さらに、この材料は、ガス透過性である。気孔率及び細孔サイズは、ガスの拡散が妨げられないように選択される。平均細孔サイズは、上記したCoulter試験により測定したときに、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜10μmであることができる。気孔率は、30〜90%、好ましくは50〜80%である。同時に、材料は、防水性である。延伸PTFEからこのような多孔質膜を製造する方法は、例えば米国特許第3953566号及び米国特許第4187390号に開示されている。
【0090】
好ましくは、微孔質膜には、膜にさらなる保護及び強度を付与する織物支持材料を設ける。支持材料を、連続又は不連続な接着層を介して膜の表面の少なくとも一方にラミネートすることができる。支持材料は、織材料又は編材料、天然又は合成繊維材料から作製した繊維シートであるのが有利である。格子状及び不織布も、使用できる。好適な繊維材料は、特にポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ガラス繊維;フルオロポリマー、又はPTFE製織布である。支持材料を、大気と向かい合った外側に配置する。別法として、さらなる繊維シートを、他の膜表面上に配置できる。
【0091】
さらなる実施態様によれば、シート(14)を、疎油性とする。膜を、膜の気孔率が顕著に減少しないように疎油性とする。好ましくは、膜のオイルレートは>1、理想的には>5であり、これにより有機物質による湿り及び汚れを恒久的に回避できる。疎油化は、例えばDE43083692に記載されている。疎油化されたePTFE膜は、本発明に使用するのに特に好ましい。疎油性微孔質膜は、少なくとも1層のラミネート繊維支持層を備えることができる。
【0092】
繊維支持材料の場合、市販のフルオロカーボンコーティングを用いることにより、同等の高オイルレートが得られる。通常、液状の疎油剤を、例えば浸漬、含浸、噴霧、コーティング、塗装、ローリングにより、疎油化される材料に適用する。
【0093】
3層ラミネートの形態の特に好ましいシート(14)を、図4に示す。2つの繊維支持材料(44)の間に、防水性水蒸気透過性機能層(42)を配置する。機能層は、微孔質膜、好ましくはePTFE製の微孔質膜を含む。膜の細孔サイズは、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜10μmである。このような低細孔サイズでは、微生物及びバイオエアロゾルが外部に到達できない。同時に、周囲との十分なガス交換が確保される。
【0094】
このようなラミネートは、例えば、WO01/21394A1に記載されており、ドイツ国ミュンヘンPutzbrunn beiにあるW.L.Gore & Associates社からGore(登録商標)−Coverの商品名で入手可能である。
【0095】
図1は、装置(10)の好ましい実施態様を示す。この装置(10)では、縦方向及び水平方向の支持要素(22)が、互いに交差するように配置され、互いに直接接続される。支持要素(22)は、空気膨張性可撓性チューブであり、支持要素(22)の組立状態において、これらは、半円形断面を有する三次元トンネルを構成する。縦方向に配置した可撓性チューブは、組立状態において、トンネル周囲に沿って半円形経路に設けられ、縦方向に配置した可撓性チューブの各それぞれの可撓性チューブ末端を、固定化装置(32)により地面(28)に固定する。
【0096】
縦方向の可撓性チューブを、例えば互いに少なくとも3メートルの距離を開けて配置し、地面に固定する。一つの縦方向可撓性チューブは、前部領域(23)を構成し、一つは、装置の後部領域(25)を構成する。また、前部領域(23)は、歩行者及び/又は車両が装置の内部にアクセスするための開口を備えている。開口は、組立状態において伸び、次に操作できるシートにおける別個のゲートとして設けることができる。
【0097】
縦方向の可撓性チューブの数及びさらに互いの距離を、装置の大きさにより求める。
【0098】
水平方向の可撓性チューブは、縦方向可撓性チューブに対して横に設けられており、好ましくは、水平可撓性チューブは、縦方向可撓性チューブの間に90度の角度で設けられている。縦方向可撓性チューブの間の水平方向の可撓性チューブの配置は固定されていないが、好ましくは水平方向可撓性チューブが、装置の前部領域(23)から後部領域(25)に列をなして設けられている。一実施態様によれば、一列の水平方向の可撓性チューブが、トンネルの最も高い点に沿って設けられ、ルーフ支持要素を構成している。さらに、さらなる水平方向の可撓性チューブの各一列は、装置のルーフ領域(24)と壁領域(26)との間の境界を構成している。また、水平方向の可撓性チューブの数は、本発明の装置のサイズに依存している。
【0099】
可撓性チューブは、好ましくは直径が500mmである。膨張性可撓性チューブ構成物は、例えばドイツ国レーゲンスブルグにあるHS−Behaeltertechnik社、またはオーストリア国クラーゲンフルトにあるMontfort Fahnen社から入手可能である。
【0100】
本発明の装置のエッジ領域を、固定化装置(32)を用いて地面(28)に固定する。エッジ領域とは、組み立て状態で、地面(28)上に直接横たわる装置の領域を意味する。これは、縦方向の支持要素(22)の末端だけでなく、シート(14)又は保護層(15)の周辺エッジに関わる。固定化装置(32)とは、磁力又は他の重力増強力を生じさせるためのエッジ領域又は装置中/上で水で灌水するエッジ領域の可撓性チューブに組み込むか、又はその上に位置されるソイルネイル、テントペグ、スクリュー、ネイル、重り要素を意味する。固定化の可能なバリエーションが、DE19842887A1に記載されている。特に有利な固定化は、漏れ電流が逃げないように装置の内部を防水性及び気密性にシールするものである。図1cは、装置を固定化するための好ましいバリエーションを示す。この場合に、可撓性チューブの末端を、テントペグ(33)を用いて地面(28)に固定する。装置(18)のエッジ領域(17)を、それが地面(28)の上に平らに横たわるように折り畳む。水ホース、サンドバッグ、重り又はビーム等の重り要素(32)は、折り畳まれたエッジ領域(17)上に置かれ、したがって構成物(10)を地面(28)にしっかりと保持する。
【0101】
本発明の装置の寸法は、それぞれの意図する用途に依存する。好ましくは、充填した装置は、40〜600m2の地面上を起立する。装置の高さは、6メートルにまでも達することができる。好ましい実施態様によれば、装置の高さは、8メートル以上であることができる。
【0102】
さらなる実施態様によれば、第一装置の後部領域(25)を、第二装置の前部領域(23)に連結することができる。これには、複数の本発明の装置を、互いに接合して、より大きな装置を得ることができる利点がある。これらは、例えばジッパー又はベルクロ(登録商標)型ファスナーにより接合でき、そのときには、装置の間の末端壁(29)は不要である。
【0103】
図2は、下がった状態の装置の詳細側面図である。この状態では、支持要素(22)は空である。すなわち、これらには、実質的に流体が入っていない。シート(14)は、コンポストヒープ(12)の表面を実質的に覆い、シート(14)は、カバーされる材料上に直接位置する。
【0104】
例えば換気ファンのスイッチを切ることにより、支持要素を自動的に空にして下がった状態とする。加えた圧力が少なくなると、流体が支持要素から流れだし、構成物は、潰れた状態となる。別の実施態様によれば、支持要素を、少なくとも一つの流体出口(51)を介して空にすることができる。
【0105】
装置の壁領域(26)は、保護層(15)により形成される。この防水性保護層(15)は、コンポストヒープ(12)上には直接位置するようにはならず、コンポストヒープ(12)と周囲との間の空気及びガス交換には重要ではない。保護層(15)は、構成物が潰れていく間、コンポストヒープ(12)の周囲にそれ自体大部分自発的に折り畳まれる。保護層(15)を、規則的に、集合機構を用いるか、又は保護層材料を一緒に引っ張る弾性材料を用いて折り畳み、それにより防水性及びガス透過性であるシート(14)がコンポストヒープ(12)の表面に位置する。集合機構は、バンド、ストラップ、トラクションロープ、プーリブロック又はベルト及びさらには弾性バンドを備えることができる。装置は、一般的にコンポストヒープの好気性分解プロセスが完了するまで、下がった状態で数週間そのままである。
【0106】
図3は、下がった状態の本発明の装置の断面図である。防水性及びガス透過性シート(14)を、支持要素(22)の下側(18)に固定する。ルーフ領域(24)においては、シート(14)を、3層多孔質ラミネート(40)から形成する。壁領域(26)は、防水性保護層(15)からなる。下がった状態では、ラミネート(40)は、コンポストヒープ(12)の表面上に直接位置し、十分なガス及び空気交換が確保される。支持要素(22)は、ルーフ領域(24)において、ラミネート(40)上に平らに置かれ、コンポストヒープ(12)の側に保護層(15)と一緒に互いに折り重なる。折り畳みは、装置を再び組み立てたときに、構成物の材料が、何ら抵抗なく簡単に広がることができるようにおこなう。
【0107】
図5は、さらなる実施態様を示している。この実施態様では、本発明の装置を、U字状ベース(36)の形態の包囲壁上に取り付ける。ベース(36)は、例えばレンガで形成するか、又はコンクリートを注入して形成し、図1の実施態様における接近壁(34)の代わりとする。ベースの高さは、好ましくは0.5m〜1.5mである。別法では、装置は、図1〜図4に記載の装置に相当する。さらなる設計では、支持要素の可撓性チューブ末端を、バッグに位置させ、バッグを包囲壁に固定できる。
【0108】
さらなる実施態様によれば、既存のホール上に取り付けられるカバー構成物が提供される。このために、ホールは、少なくとも一つの側開口、例えば気密ローリングゲート又はローリングドアを備えている。装置の前部領域を、開口に気密固定する。装置の組立状態においては、ホールの開口のみを開いて材料を装置に導入するか、又は材料をそこから除去する。この実施態様の利点は、装置を開いたときに、微生物及び胞子で汚染された空気がホールに入り、そこから系統的に吸引できるので、周囲との接触が大部分防止されることである。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】組立状態の本発明の装置の概略図である。
【図1a】本発明の装置の末端壁における第一開口機構の概略図である。
【図1b】本発明の装置の末端壁における第二開口機構の概略図である。
【図1c】図1の拡大詳細図を、地面上の本発明の好ましい取付け装置とともに示す。
【図2】下がった状態における本発明の装置の詳細側面図である。
【図3】下がった状態における本発明の装置の断面図である。
【図4】シートの実施態様の断面図である。
【図5】組立状態の本発明の装置のさらなる実施態様を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーを備えた、堆積され且つ積層された材料(12)用カバー構成物(10)であって、
a)少なくとも一種の流体を満たすことができ且つ少なくとも部分的に互いに接続されている多数の支持要素(22)と、
b)少なくとも1枚の防水性且つガス透過性シート(14)であり、前記支持要素(22)に接続されているシート(14)と、
を備えているカバー構成物(10)。
【請求項2】
前記防水性且つガス透過性シート(14)が、多孔質層(42)を有するラミネート(40)を備え、前記多孔質層(42)が少なくとも1層の繊維層(44)に接合されている、請求項1に記載のカバー構成物(10)。
【請求項3】
前記多孔質層(42)が微孔質膜を備えている、請求項2に記載のカバー構成物(10)。
【請求項4】
前記多孔質層(42)が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン又はフルオロポリマーからなる群から選択されたものである、請求項2に記載のカバー構成物(10)。
【請求項5】
前記多孔質層(42)が、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項2〜4に記載のカバー構成物(10)。
【請求項6】
前記繊維層(44)が、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ガラス繊維又はフルオロポリマーを含む、請求項2に記載のカバー構成物(10)。
【請求項7】
前記防水性且つガス透過性シート(14)の通気度が、圧力差200Paで3〜100m3/m2/時間である、請求項1に記載のカバー構成物(10)。
【請求項8】
前記防水性且つガス透過性シート(14)の水侵入圧力が10kPaを超える、請求項1に記載のカバー構成物(10)。
【請求項9】
前記防水性且つガス透過性シート(14)の耐水蒸気透過度Retが、20m2Pa/W未満である、請求項1に記載のカバー構成物(10)。
【請求項10】
前記支持要素(22)が、膨張性可撓性チューブである、請求項1に記載のカバー構成物(10)。
【請求項11】
前記可撓性チューブの直径が、>80cmである、請求項10に記載のカバー構成物(10)。
【請求項12】
前記可撓性チューブが、少なくとも10kPaの圧力に耐えるものである、請求項10に記載のカバー構成物(10)。
【請求項13】
前記少なくとも一種の流体が、ガス、蒸気、液体である、請求項1に記載のカバー構成物(10)。
【請求項14】
前記ガスが、空気である、請求項13に記載のカバー構成物(10)。
【請求項15】
前記流体の圧力が、少なくとも200Paである、請求項1に記載のカバー構成物(10)。
【請求項16】
ルーフ領域(24)と壁領域(26)とを備え、前記防水性且つガス透過性シート(14)が、少なくともルーフ領域(24)に配置されている、 請求項1に記載のカバー構成物(10)。
【請求項17】
防水性保護層(15)が、前記壁領域(26)における前記支持要素(22)に接合されている、請求項16に記載のカバー構成物(10)。
【請求項18】
前記支持要素(22)及び前記シート(14)が、可撓性材料を含む、請求項1に記載のカバー構成物(10)。
【請求項19】
堆積され且つ積層された材料(12)用カバー構成物(10)であって、前記カバー構成物(10)がカバーを備え、前記カバーが、
a)膨張性であり且つ互いに接続されている多数の可撓性チューブ(22)と、
b)延伸ポリテトラフルオロエチレンからなる微孔質膜を備えた防水性且つガス透過性シート(14)であり、前記可撓性チューブ(22)に接合されているシート(14)と、
により形成されている、カバー構成物(10)。
【請求項20】
コンポストヒープ(12)用のヒープカバーとしての、請求項1に記載のカバー構成物(10)の使用。
【請求項21】
堆積又は積層された材料(12)をカバーするカバー構成物(10)を備えた堆積又は積層された材料(12)の好気性処理用装置であって、
前記カバー構成物がカバーを備えており、前記カバーが、少なくとも一種の流体を充填でき且つ少なくとも一部分で互いに接続されている多数の支持要素(22)と、前記支持要素(22)に接続されている少なくとも1枚の防水性且つガス透過性シート(14)とを備えており、
前記装置が、組み立てられた状態と下げられた状態を有し、
組み立てられた状態では、前記支持要素(22)に少なくとも一種の流体が、前記シート(14)が持ち上げられ且つ前記材料から一定の距離離れて位置するように圧力下で充填されており、
そして下げられた状態では、前記支持要素(22)には、少なくとも一種の流体がなく、前記シート(14)が下げられ且つ前記材料(12)をカバーする、
装置。
【請求項22】
持ち上げられたシート(14)と材料(12)との間の距離が、少なくとも2メートルである、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記持ち上げられたシート(14)が、前記材料(12)の周囲の車両がアクセスできる空間(30)を形成する、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記空間(30)の高さが、少なくとも6メートルである、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記装置が、少なくとも一つの閉じることができる開口を有している、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記材料(12)を包囲する少なくとも一つのエンクロージャ壁(36)を備え、前記カバー構成物(10)が前記少なくとも一つのエンクロージャ壁(36)に固定されている、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記防水性且つガス透過性シート(14)が、ラミネート(40)であり、前記ラミネート(40)が、少なくとも1層の繊維層(44a、44b)に接合した多孔質層(42)を備えている、請求項21に記載の装置。
【請求項28】
前記多孔質層(42)が微孔質膜を備えている、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記多孔質層(42)が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリウレタン及びフルオロポリマーからなる群から選択されたものである、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記多孔質層(42)が、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項27〜29に記載の装置。
【請求項31】
前記繊維層(44a、44b)が、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ガラス繊維又はフルオロポリマーを含む、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
前記防水性且つガス透過性シート(14)のガス透過度が、圧力差200Paで3〜100m3/m2/時間である、請求項21に記載の装置。
【請求項33】
前記防水性且つガス透過性シート(14)の液体侵入圧力が、10kPa超である、請求項21に記載の装置。
【請求項34】
前記防水性且つガス透過性シート(14)の耐水蒸気透過度Retが、20m2Pa/W未満である、請求項21に記載の装置。
【請求項35】
前記支持要素(22)が、膨張性可撓性チューブである、請求項21に記載の装置。
【請求項36】
前記可撓性チューブの直径が、>80cmである、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記可撓性チューブが、少なくとも10kPaの圧力に耐える、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記少なくとも一種の流体が、ガス、蒸気、液体である、請求項21に記載の装置。
【請求項39】
前記ガスが、空気である、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記少なくとも一種の流体の圧力が、少なくとも200Paである、請求項21に記載の装置。
【請求項41】
ルーフ領域(24)と壁領域(26)とを備え、前記防水性且つガス透過性シート(14)が、少なくともルーフ領域(24)に配置されている、 請求項21に記載の装置。
【請求項42】
防水性保護層(14)が、前記壁領域(26)における前記支持要素(22)に接続されている、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
堆積又は積層された材料(12)の好気性処理用装置の取扱い方法であって、
a)カバーを備えたカバー構成物(10)であって、前記カバーが、多数の支持要素(22)であり、少なくとも一種の流体を充填することができ且つ少なくとも部分的に互いに接続されている支持要素(22)と、前記支持要素(22)に接続されている少なくとも一つの防水性且つガス透過性シート(14)とを備えている、カバー構成物(10)を準備する工程と、
b)前記支持要素(22)に少なくとも一種の流体を、シート(14)を持ち上げ且つ空間(30)を形成する圧力で充填することにより前記カバー構成物(10)を組み立てる工程と、
c)前記材料(12)を前記空間(30)に導入する工程と、
d)少なくとも一種の流体を前記支持要素(22)から空にすることにより前記カバー構成物(10)を下げて、前記シート(14)を下げ且つ前記材料(12)に前記シート(14)を被覆する工程と、
を含む方法。
【請求項44】
好気性処理の完了後、工程b)を反復して、材料(12)を空間(30)から除去する、請求項43に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−508284(P2006−508284A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554442(P2004−554442)
【出願日】平成15年11月24日(2003.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013186
【国際公開番号】WO2004/048719
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(391018178)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (40)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】