カバー部材のロック構造、及び電子機器
【課題】筐体の開口部に設けるダイアルロック式のカバー部材において、確実にロックできるだけでなく、操作も容易なロック構造を提供する。
【解決手段】筐体3・4に設けられる開口部5・6と、その開口部5・6を覆うカバー部材7と、回転操作によりカバー部材7を開閉動作させるダイアル8と、カバー部材7に係合可能で、カバー部材7が開口部5・6を覆った状態にロック可能なスライド部材9と、ダイアル8の所定角度以上の回転操作でスライド部材9にダイアル8を係合し、スライド部材9をスライド動作させてカバー部材7が開口部5・6を覆ったロック状態を解除させるロック解除機構と、を備える。さらに、ロック解除機構は、ダイアル8に設けた係合爪81と、スライド部材9に設けた係合ピン92と、ダイアル8を戻し方向に付勢するバネ部材15とからなる。
【解決手段】筐体3・4に設けられる開口部5・6と、その開口部5・6を覆うカバー部材7と、回転操作によりカバー部材7を開閉動作させるダイアル8と、カバー部材7に係合可能で、カバー部材7が開口部5・6を覆った状態にロック可能なスライド部材9と、ダイアル8の所定角度以上の回転操作でスライド部材9にダイアル8を係合し、スライド部材9をスライド動作させてカバー部材7が開口部5・6を覆ったロック状態を解除させるロック解除機構と、を備える。さらに、ロック解除機構は、ダイアル8に設けた係合爪81と、スライド部材9に設けた係合ピン92と、ダイアル8を戻し方向に付勢するバネ部材15とからなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の開口部に設けるダイアルロック式のカバー部材のロック構造と、このロック構造によるカバー部材を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
防水カメラにおける電池蓋のダイアルロック式開閉構造に関する技術が特許文献1に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−157240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなダイアルロック式の電池蓋の防水開閉構造の場合、誤動作による電池蓋の開放を防止するためには、ダイアル部を一段奥まった位置に設けるのが常套手段となる。
しかし、このようにダイアル部を一段奥まった位置に設けると、誤操作によるロック解除を防止できるものの、逆に操作がし辛いという欠点がある。
また逆に、操作し易い位置にダイアル部を設けると、不用意な操作されてロックが容易に解除される心配がある。
【0005】
本発明の課題は、筐体の開口部に設けるダイアルロック式のカバー部材において、確実にロックできるだけでなく、操作も容易なロック構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、筐体に設けられる開口部と、移動可能に前記開口部を覆うカバー部材と、回転することにより前記カバー部材の移動を規制及び解除するダイアルと、前記カバー部材に係合可能で、前記カバー部材が前記開口部を覆った状態にロック可能なスライド部材と、前記ダイアルの所定角度以上の回転操作で前記スライド部材に前記ダイアルを係合し、前記スライド部材をスライド動作させて前記カバー部材が前記開口部を覆ったロック状態を解除させるロック解除機構と、を備えるカバー部材のロック構造を特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカバー部材のロック構造であって、前記ロック解除機構は、前記ダイアルに設けた係合爪と、前記スライド部材に設けた係合ピンと、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のカバー部材のロック構造であって、前記ロック解除機構は、前記ダイアルを戻し方向に付勢するバネ部材を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のカバー部材のロック構造であって、前記スライド部材を前記カバー部材との係合方向に付勢するバネ部材を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のロック構造によるカバー部材を備える電子機器を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筐体の開口部に設けるダイアルロック式のカバー部材を、確実にロックできるだけでなく、容易に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した電子機器の一実施形態の構成を示すもので、防水カメラの外装パネル等が装着された状態を示した斜視図である。
【図2】図1の外装パネル等を外した状態の筐体を示した図である。
【図3】図2の筐体とカバー部材とそのロック機構及び解除機構の拡大分解図である。
【図4】図3のダイアルを裏側から見た拡大図である。
【図5】ダイアルの正面図(a)、側面図(b)及び背面図(c)である。
【図6】図3のスライド部材を裏側から見た拡大図である。
【図7】スライド部材の正面図(a)、側面図(b)及び背面図(c)である。
【図8】図2の筐体の正面図(a)と側面図(b)である。
【図9】カバー部材の開き過程1を示すもので、図8の矢印A−A線に沿った断面図(a)と、同じく図8の矢印B−B線に沿った断面図(b)である。
【図10】カバー部材の開き過程2を示すもので、図9と同様の断面図(a)、(b)である。
【図11】カバー部材の開き過程3を示すもので、図9と同様の断面図(a)、(b)である。
【図12】カバー部材の閉じ過程1を示すもので、図9(a)と同様の断面図である。
【図13】カバー部材の閉じ過程2を示すもので、図9と同様の断面図(a)、(b)である。
【図14】カバー部材の閉じ過程3を示すもので、図9と同様の断面図(a)、(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1及び図2は本発明を適用した電子機器の一実施形態の構成として防水カメラを示したもので、1はフロントパネル、2はリアパネル、3はフロントケース、4はリアケースである。
【0014】
実施形態において、防水カメラは、図1に示される外装用のフロントパネル1及びリアパネル2等を取り外すと、図2に示される樹脂製のフロントケース3及びリアケース4等による防水筐体が露出する。
【0015】
図3は筐体とカバー部材とそのロック機構及び解除機構を分解して拡大したもので、5はメディアスロット、6はUSBポート、7はカバー部材、8はダイアル、9はスライド部材、11はダイアル取付ネジ、12はダイアル抜け止めワッシャ、13はスライドガイドプレート、14はカバープレート、15はねじりコイルバネ、16は引張バネである。
【0016】
図示のように、フロントケース3及びリアケース4により形成される防水筐体の一側部には、メディアスロット5とUSB(Universal Serial Bus)ポート6がその開口部を上下に並べて形成されている。そして、このメディアスロット5及びUSBポート6を覆う防水蓋を構成するカバー部材7が設けられるとともに、このカバー部材7の上方に、回転操作によりカバー部材7の移動の規制又は解除するためのダイアル8が設けられている。さらに、カバー部材7に係合可能で、カバー部材7がメディアスロット5及びUSBポート6を覆った状態にロック可能なスライド部材9が設けられている。
【0017】
すなわち、カバー部材7は、防水蓋フレーム71をUSBポート6の下方に防水蓋シャフト72で開閉可能に下端部を取り付けたものである。そして、防水蓋フレーム71の内面には、メディアスロット5及びUSBポート6の周囲面に密着して防水する防水蓋ラバーパッキン73が両面テープ74で貼り付けられている。また、防水蓋フレーム71の上端部には、スライド部材9がロックする係合溝75が一体に形成されている。
【0018】
ダイアル8は、防水筐体(フロントケース3、リアケース4)の一側部でメディアスロット5の上方に設けた取付ボス10に、ダイアル取付ネジ11でダイアル抜け止めワッシャ12を介装して回転操作可能に取り付けられる。このダイアル8の内部には、図4及び図5に示すように、スライド部材9に係合する係合爪81と、バネ係合部82が形成されている。
【0019】
そして、取付ボス10の周囲に、スライド部材9、スライドガイドプレート13、カバープレート14、ねじりコイルバネ15が重ねられている。スライド部材9は、防水筐体(フロントケース3、リアケース4)の取付ボス10の上方に係合して固定するスライドガイドプレート13に対し上下方向にスライド可能に保持される。カバープレート14は、ねじりコイルバネ15をダイアル8の内部に収納して保持する。ねじりコイルバネ15は、その一端部を、カバープレート14の切欠部を経て、防水筐体(フロントケース3、リアケース4)の取付ボス10の周囲に形成した孔等の係合部に差し込んで固定される一方、他端部をダイアル8内部のバネ係合部82に差し込んで係合されている。
【0020】
スライド部材9には、図6及び図7に示すように、カバー部材7の係合溝75に係合するロック爪91が下端部にネジ止め固定されて、中間部の表側に突出する係合ピン92と、上端部の内側に突出するバネ保持ピン93とが一体に形成されている。そして、係合ピン92は、ダイアル8の回転操作時にその内部の係合爪81に係合する。また、引張バネ16は、バネ保持ピン93と、防水筐体(フロントケース3、リアケース4)の取付ボス10の上方に設けたバネ保持ピン17とに掛け渡されている。
【0021】
以上において、ダイアル8は、図1に示したように、外装パネル(フロントパネル1、リアパネル2)の形状により上下部分が隠されて前後部分のみが露出していて、不用意な操作を回避できるものとなっている。
【0022】
次に、図8は筐体の正面図(a)と側面図(b)を示したもので、図9はカバー部材7の開き過程1(ダイアル回転開始)を示すもので、図9(a)は図8の矢印A−A線に沿った断面を示し、図9(b)は同じく図8の矢印B−B線に沿った断面を示している。
【0023】
図示のように、カバー部材7の係合溝75にスライド部材9のロック爪91が係合したロック状態は、スライド部材9を下方に付勢する引張バネ16により保たれる。そして、このロック状態において、ダイアル8の係合爪81がスライド部材9の係合ピン92に対し下方に離れた位置にある。従って、カバー部材7を閉じた防水ロック状態において、係合爪81と係合ピン92が離間した分の遊びがあるため、ダイアル8を少し回転しても、ねじりコイルバネ15の付勢によりダイアル8は図示の位置に戻される。
【0024】
矢印で示すように、ダイアル8を時計回り方向に回転操作すると、ダイアル8の係合爪81がスライド部材9の係合ピン92に当接して、矢印で示したように、スライド部材9が上方にスライドし始める。
【0025】
図10はカバー部材7の開き過程2(スライド連動開始)を示すもので、図示のように、係合爪81が係合ピン92に当接すると、スライド部材9のバネ保持ピン93と、防水筐体のバネ保持ピン17とに掛け渡した引張バネ16が伸び始め、スライド部材9が上方にスライドし始める。
【0026】
図11はカバー部材7の開き過程3(蓋ロック解除)を示すもので、図示のように、ダイアル8の回転操作により係合爪81が係合ピン92を押し上げ、引張バネ16を伸ばして、スライド部材9が上方にスライドすると、スライド部材9のロック爪91がカバー部材7の係合溝75が外れて、ロックが解除される。従って、カバー部材7は、防水蓋ラバーパッキン73の弾性により下方の防水蓋シャフト72を支点として揺動し、メディアスロット5及びUSBポート6を開放する。
【0027】
このように、ダイアル8に設けた係合爪81と、スライド部材9に設けた係合ピン92と、ダイアル8を戻し方向に付勢するねじりコイルバネ15とにより、ロック解除機構が構成されている。
【0028】
また、図12はカバー部材7の閉じ過程1(蓋閉め開始)を示すもので、スライド部材9は引張バネ16により下方に付勢された状態に保たれ、ダイアル8はねじりコイルバネ15の付勢により元の位置に戻されている。この状態からカバー部材7をワンタッチで閉められる。
【0029】
図13はカバー部材7の閉じ過程2(スライド連動開始)を示すもので、図示のように、カバー部材7の上端部がスライド部材9のロック爪91に当接し、引張バネ16が伸び始め、スライド部材9が上方にスライドし始める。
【0030】
図14はカバー部材7の閉じ過程3(蓋ロック)を示すもので、ロック爪91がカバー部材7の上端部を乗り越えると、図示のように、引張バネ16の付勢によりロック爪91がカバー部材7の係合溝75に係合したロック状態に保たれる。
【0031】
このように、カバー部材7をワンタッチで閉めることができる。
【0032】
以上、実施形態の防水カメラによれば、防水筐体(フロントケース3、リアケース4)の開口部(メディアスロット5、USBポート6)をカバー部材7が覆った状態にロック可能なスライド部材9と、回転操作によりカバー部材7の移動の規制又は解除するためのダイアル8と、ダイアル8の所定角度以上の回転操作でスライド部材9にダイアル8を係合し、スライド部材9をスライド動作させてカバー部材7が開口部を覆ったロック状態を解除させるロック解除機構(ダイアル8の係合爪81、スライド部材9の係合ピン92)と、を備えることで、ダイアルロック式のカバー部材7を確実にロックできるだけでなく、容易に開閉操作することができる。
【0033】
(変形例)
以上の実施形態においては、カメラとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラを備える携帯電話などの機器であってもよい。
また、筐体、開口部、カバー部材、ダイアル、及びスライド部材の形状等も任意であり、その他、ロック解除機構の構成等、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
1 外装パネル
2 外装パネル
3 筐体
4 筐体
5 開口部
6 開口部
7 カバー部材
71 防水蓋フレーム
72 防水蓋シャフト
73 防水蓋ラバーパッキン
75 係合溝
8 ダイアル
81 係合爪
82 バネ係合部
9 スライド部材
91 ロック爪
92 係合ピン
93 バネ保持ピン
11 ダイアル取付ネジ
12 ダイアル抜け止めワッシャ
13 スライドガイドプレート
14 カバープレート
15 バネ部材
16 バネ部材
17 バネ保持ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の開口部に設けるダイアルロック式のカバー部材のロック構造と、このロック構造によるカバー部材を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
防水カメラにおける電池蓋のダイアルロック式開閉構造に関する技術が特許文献1に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−157240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなダイアルロック式の電池蓋の防水開閉構造の場合、誤動作による電池蓋の開放を防止するためには、ダイアル部を一段奥まった位置に設けるのが常套手段となる。
しかし、このようにダイアル部を一段奥まった位置に設けると、誤操作によるロック解除を防止できるものの、逆に操作がし辛いという欠点がある。
また逆に、操作し易い位置にダイアル部を設けると、不用意な操作されてロックが容易に解除される心配がある。
【0005】
本発明の課題は、筐体の開口部に設けるダイアルロック式のカバー部材において、確実にロックできるだけでなく、操作も容易なロック構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、筐体に設けられる開口部と、移動可能に前記開口部を覆うカバー部材と、回転することにより前記カバー部材の移動を規制及び解除するダイアルと、前記カバー部材に係合可能で、前記カバー部材が前記開口部を覆った状態にロック可能なスライド部材と、前記ダイアルの所定角度以上の回転操作で前記スライド部材に前記ダイアルを係合し、前記スライド部材をスライド動作させて前記カバー部材が前記開口部を覆ったロック状態を解除させるロック解除機構と、を備えるカバー部材のロック構造を特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカバー部材のロック構造であって、前記ロック解除機構は、前記ダイアルに設けた係合爪と、前記スライド部材に設けた係合ピンと、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のカバー部材のロック構造であって、前記ロック解除機構は、前記ダイアルを戻し方向に付勢するバネ部材を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のカバー部材のロック構造であって、前記スライド部材を前記カバー部材との係合方向に付勢するバネ部材を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のロック構造によるカバー部材を備える電子機器を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筐体の開口部に設けるダイアルロック式のカバー部材を、確実にロックできるだけでなく、容易に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した電子機器の一実施形態の構成を示すもので、防水カメラの外装パネル等が装着された状態を示した斜視図である。
【図2】図1の外装パネル等を外した状態の筐体を示した図である。
【図3】図2の筐体とカバー部材とそのロック機構及び解除機構の拡大分解図である。
【図4】図3のダイアルを裏側から見た拡大図である。
【図5】ダイアルの正面図(a)、側面図(b)及び背面図(c)である。
【図6】図3のスライド部材を裏側から見た拡大図である。
【図7】スライド部材の正面図(a)、側面図(b)及び背面図(c)である。
【図8】図2の筐体の正面図(a)と側面図(b)である。
【図9】カバー部材の開き過程1を示すもので、図8の矢印A−A線に沿った断面図(a)と、同じく図8の矢印B−B線に沿った断面図(b)である。
【図10】カバー部材の開き過程2を示すもので、図9と同様の断面図(a)、(b)である。
【図11】カバー部材の開き過程3を示すもので、図9と同様の断面図(a)、(b)である。
【図12】カバー部材の閉じ過程1を示すもので、図9(a)と同様の断面図である。
【図13】カバー部材の閉じ過程2を示すもので、図9と同様の断面図(a)、(b)である。
【図14】カバー部材の閉じ過程3を示すもので、図9と同様の断面図(a)、(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1及び図2は本発明を適用した電子機器の一実施形態の構成として防水カメラを示したもので、1はフロントパネル、2はリアパネル、3はフロントケース、4はリアケースである。
【0014】
実施形態において、防水カメラは、図1に示される外装用のフロントパネル1及びリアパネル2等を取り外すと、図2に示される樹脂製のフロントケース3及びリアケース4等による防水筐体が露出する。
【0015】
図3は筐体とカバー部材とそのロック機構及び解除機構を分解して拡大したもので、5はメディアスロット、6はUSBポート、7はカバー部材、8はダイアル、9はスライド部材、11はダイアル取付ネジ、12はダイアル抜け止めワッシャ、13はスライドガイドプレート、14はカバープレート、15はねじりコイルバネ、16は引張バネである。
【0016】
図示のように、フロントケース3及びリアケース4により形成される防水筐体の一側部には、メディアスロット5とUSB(Universal Serial Bus)ポート6がその開口部を上下に並べて形成されている。そして、このメディアスロット5及びUSBポート6を覆う防水蓋を構成するカバー部材7が設けられるとともに、このカバー部材7の上方に、回転操作によりカバー部材7の移動の規制又は解除するためのダイアル8が設けられている。さらに、カバー部材7に係合可能で、カバー部材7がメディアスロット5及びUSBポート6を覆った状態にロック可能なスライド部材9が設けられている。
【0017】
すなわち、カバー部材7は、防水蓋フレーム71をUSBポート6の下方に防水蓋シャフト72で開閉可能に下端部を取り付けたものである。そして、防水蓋フレーム71の内面には、メディアスロット5及びUSBポート6の周囲面に密着して防水する防水蓋ラバーパッキン73が両面テープ74で貼り付けられている。また、防水蓋フレーム71の上端部には、スライド部材9がロックする係合溝75が一体に形成されている。
【0018】
ダイアル8は、防水筐体(フロントケース3、リアケース4)の一側部でメディアスロット5の上方に設けた取付ボス10に、ダイアル取付ネジ11でダイアル抜け止めワッシャ12を介装して回転操作可能に取り付けられる。このダイアル8の内部には、図4及び図5に示すように、スライド部材9に係合する係合爪81と、バネ係合部82が形成されている。
【0019】
そして、取付ボス10の周囲に、スライド部材9、スライドガイドプレート13、カバープレート14、ねじりコイルバネ15が重ねられている。スライド部材9は、防水筐体(フロントケース3、リアケース4)の取付ボス10の上方に係合して固定するスライドガイドプレート13に対し上下方向にスライド可能に保持される。カバープレート14は、ねじりコイルバネ15をダイアル8の内部に収納して保持する。ねじりコイルバネ15は、その一端部を、カバープレート14の切欠部を経て、防水筐体(フロントケース3、リアケース4)の取付ボス10の周囲に形成した孔等の係合部に差し込んで固定される一方、他端部をダイアル8内部のバネ係合部82に差し込んで係合されている。
【0020】
スライド部材9には、図6及び図7に示すように、カバー部材7の係合溝75に係合するロック爪91が下端部にネジ止め固定されて、中間部の表側に突出する係合ピン92と、上端部の内側に突出するバネ保持ピン93とが一体に形成されている。そして、係合ピン92は、ダイアル8の回転操作時にその内部の係合爪81に係合する。また、引張バネ16は、バネ保持ピン93と、防水筐体(フロントケース3、リアケース4)の取付ボス10の上方に設けたバネ保持ピン17とに掛け渡されている。
【0021】
以上において、ダイアル8は、図1に示したように、外装パネル(フロントパネル1、リアパネル2)の形状により上下部分が隠されて前後部分のみが露出していて、不用意な操作を回避できるものとなっている。
【0022】
次に、図8は筐体の正面図(a)と側面図(b)を示したもので、図9はカバー部材7の開き過程1(ダイアル回転開始)を示すもので、図9(a)は図8の矢印A−A線に沿った断面を示し、図9(b)は同じく図8の矢印B−B線に沿った断面を示している。
【0023】
図示のように、カバー部材7の係合溝75にスライド部材9のロック爪91が係合したロック状態は、スライド部材9を下方に付勢する引張バネ16により保たれる。そして、このロック状態において、ダイアル8の係合爪81がスライド部材9の係合ピン92に対し下方に離れた位置にある。従って、カバー部材7を閉じた防水ロック状態において、係合爪81と係合ピン92が離間した分の遊びがあるため、ダイアル8を少し回転しても、ねじりコイルバネ15の付勢によりダイアル8は図示の位置に戻される。
【0024】
矢印で示すように、ダイアル8を時計回り方向に回転操作すると、ダイアル8の係合爪81がスライド部材9の係合ピン92に当接して、矢印で示したように、スライド部材9が上方にスライドし始める。
【0025】
図10はカバー部材7の開き過程2(スライド連動開始)を示すもので、図示のように、係合爪81が係合ピン92に当接すると、スライド部材9のバネ保持ピン93と、防水筐体のバネ保持ピン17とに掛け渡した引張バネ16が伸び始め、スライド部材9が上方にスライドし始める。
【0026】
図11はカバー部材7の開き過程3(蓋ロック解除)を示すもので、図示のように、ダイアル8の回転操作により係合爪81が係合ピン92を押し上げ、引張バネ16を伸ばして、スライド部材9が上方にスライドすると、スライド部材9のロック爪91がカバー部材7の係合溝75が外れて、ロックが解除される。従って、カバー部材7は、防水蓋ラバーパッキン73の弾性により下方の防水蓋シャフト72を支点として揺動し、メディアスロット5及びUSBポート6を開放する。
【0027】
このように、ダイアル8に設けた係合爪81と、スライド部材9に設けた係合ピン92と、ダイアル8を戻し方向に付勢するねじりコイルバネ15とにより、ロック解除機構が構成されている。
【0028】
また、図12はカバー部材7の閉じ過程1(蓋閉め開始)を示すもので、スライド部材9は引張バネ16により下方に付勢された状態に保たれ、ダイアル8はねじりコイルバネ15の付勢により元の位置に戻されている。この状態からカバー部材7をワンタッチで閉められる。
【0029】
図13はカバー部材7の閉じ過程2(スライド連動開始)を示すもので、図示のように、カバー部材7の上端部がスライド部材9のロック爪91に当接し、引張バネ16が伸び始め、スライド部材9が上方にスライドし始める。
【0030】
図14はカバー部材7の閉じ過程3(蓋ロック)を示すもので、ロック爪91がカバー部材7の上端部を乗り越えると、図示のように、引張バネ16の付勢によりロック爪91がカバー部材7の係合溝75に係合したロック状態に保たれる。
【0031】
このように、カバー部材7をワンタッチで閉めることができる。
【0032】
以上、実施形態の防水カメラによれば、防水筐体(フロントケース3、リアケース4)の開口部(メディアスロット5、USBポート6)をカバー部材7が覆った状態にロック可能なスライド部材9と、回転操作によりカバー部材7の移動の規制又は解除するためのダイアル8と、ダイアル8の所定角度以上の回転操作でスライド部材9にダイアル8を係合し、スライド部材9をスライド動作させてカバー部材7が開口部を覆ったロック状態を解除させるロック解除機構(ダイアル8の係合爪81、スライド部材9の係合ピン92)と、を備えることで、ダイアルロック式のカバー部材7を確実にロックできるだけでなく、容易に開閉操作することができる。
【0033】
(変形例)
以上の実施形態においては、カメラとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラを備える携帯電話などの機器であってもよい。
また、筐体、開口部、カバー部材、ダイアル、及びスライド部材の形状等も任意であり、その他、ロック解除機構の構成等、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
1 外装パネル
2 外装パネル
3 筐体
4 筐体
5 開口部
6 開口部
7 カバー部材
71 防水蓋フレーム
72 防水蓋シャフト
73 防水蓋ラバーパッキン
75 係合溝
8 ダイアル
81 係合爪
82 バネ係合部
9 スライド部材
91 ロック爪
92 係合ピン
93 バネ保持ピン
11 ダイアル取付ネジ
12 ダイアル抜け止めワッシャ
13 スライドガイドプレート
14 カバープレート
15 バネ部材
16 バネ部材
17 バネ保持ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に設けられる開口部と、
移動可能に前記開口部を覆うカバー部材と、
回転することにより前記カバー部材の移動を規制及び解除するダイアルと、
前記カバー部材に係合可能で、前記カバー部材が前記開口部を覆った状態にロック可能なスライド部材と、
前記ダイアルの所定角度以上の回転操作で前記スライド部材に前記ダイアルを係合し、前記スライド部材をスライド動作させて前記カバー部材が前記開口部を覆ったロック状態を解除させるロック解除機構と、を備えることを特徴とするカバー部材のロック構造。
【請求項2】
前記ロック解除機構は、
前記ダイアルに設けた係合爪と、
前記スライド部材に設けた係合ピンと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のカバー部材のロック構造。
【請求項3】
前記ロック解除機構は、前記ダイアルを戻し方向に付勢するバネ部材を備えることを特徴とする請求項2に記載のカバー部材のロック構造。
【請求項4】
前記スライド部材を前記カバー部材との係合方向に付勢するバネ部材を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のカバー部材のロック構造。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のロック構造によるカバー部材を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
筐体に設けられる開口部と、
移動可能に前記開口部を覆うカバー部材と、
回転することにより前記カバー部材の移動を規制及び解除するダイアルと、
前記カバー部材に係合可能で、前記カバー部材が前記開口部を覆った状態にロック可能なスライド部材と、
前記ダイアルの所定角度以上の回転操作で前記スライド部材に前記ダイアルを係合し、前記スライド部材をスライド動作させて前記カバー部材が前記開口部を覆ったロック状態を解除させるロック解除機構と、を備えることを特徴とするカバー部材のロック構造。
【請求項2】
前記ロック解除機構は、
前記ダイアルに設けた係合爪と、
前記スライド部材に設けた係合ピンと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のカバー部材のロック構造。
【請求項3】
前記ロック解除機構は、前記ダイアルを戻し方向に付勢するバネ部材を備えることを特徴とする請求項2に記載のカバー部材のロック構造。
【請求項4】
前記スライド部材を前記カバー部材との係合方向に付勢するバネ部材を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のカバー部材のロック構造。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のロック構造によるカバー部材を備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−95548(P2011−95548A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250222(P2009−250222)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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