説明

カバー部材

【課題】部材の開口端面に柱状部材が取付けられてその柱状部材を基準として両側に形成される一対の隙間をいつでも簡単に閉塞できるカバー部材を提供する。
【解決手段】当該カバー部材10は、閉断面をなすクロスメンバ2の開口端面6aにマウント部材7が横切るように取付けられて、マウント部材7が開口端面6aからはみ出した状態になると共にマウント部材7を基準として両側に一対の隙間5aが形成されることになる端部構造に用いられることを前提とする。このカバー部材10は、嵌着部12と壁部13とを一体的に有しており、そのカバー部材10の嵌着部12をマウント部材7に嵌着保持させることに伴って、壁部13により一対の隙間5aを閉塞する。これにより、いつでも一対の隙間5aを簡単に閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉断面をなす部材の開口端面に柱状部材が横切るように取付けられて、該柱状部材を基準として両側に一対の隙間が形成されることになる端部構造に用いられるカバー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
部材には、閉断面構造を形成するため、端面が開口されているものは多々存在する。このような部材の端面開口は、泥、石等の侵入を防止すべく、一般に閉塞される。例えば、車体構造においては、閉断面構造を形成するクロスメンバが一般的に用いられており、そのようなクロスメンバの端面開口は、例えば特許文献1に示すように、車体の側壁パネル(マットガード)とクロスメンバの端部とを連結することにより閉塞されている。
【0003】
ところで、部材の端部構造には、閉断面をなす部材の開口端面に柱状部材が横切るように取付けられて、柱状部材を基準として両側に一対の隙間が形成されるものがある。このような端部構造においても、部材内に一対の隙間を介して泥、石等が入り込むおそれがあることから、その一対の隙間を閉塞することが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−35260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記端部構造においては、部材の開口端面に柱状部材が横切るように取付けられていることから、開口端面から柱状部材の外周部分が外方にはみ出し、その端部構造における一対の隙間を平坦な1枚のパネル部材を用いて閉塞することは容易ではない。
【0006】
これに対して、前記一対の隙間を閉塞すべく、平坦な金属プレートを柱状部材を基準として両側の開口端面部分にのみそれぞれ溶接することが考えられる。しかし、このようにした場合、作業性が好ましくないことに加えて、この後一般に行われる塗装工程(浸漬工程)において新たな問題が生じることになる。
すなわち、部材は、一般に、塗装工程を経る必要があり、塗装時(浸漬時)には、種々の加工穴等から部材内に塗料が入り、その塗装の終了後には、その種々の加工穴等から、余剰の塗料が部材内から排出される。しかし、部材における一対の隙間が金属プレートによりそれぞれ閉塞されている場合には、一旦、部材内に入った塗料は、種々の加工穴等だけでは、容易に排出することができず、塗料だまりが生成されたり、それが生成されない場合であっても、塗料の排出にかなりの時間を要することになる。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その技術的課題は、部材の開口端面に柱状部材が取付けられてその柱状部材を基準として両側にそれぞれ形成される隙間をいつでも簡単に閉塞できるカバー部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
閉断面をなす部材の開口端面に柱状部材が横切るように取付けられて、該柱状部材が該開口端面からはみ出した状態になると共に該柱状部材を基準として両側に隙間がそれぞれ形成されることになる端部構造に用いられるカバー部材であって、
湾曲させた帯材をもってその両端部間に拡縮可能な挿入開口を形成し、その挿入開口から前記柱状部材の外周部分を嵌め込む嵌着部と、
前記嵌着部の外周部分に該嵌着部の径方向外方に拡張するようにそれぞれ設けられて、前記嵌着部が前記柱状部材に嵌着されたとき、前記各隙間をそれぞれ閉塞する壁部と、
が備えられている構成とされている。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2以下の記載の通りとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、当該カバー部材の嵌着部内に柱状部材の外周部分を入れ込めば、嵌着部は、その外周部分に嵌着保持されることになり、それと共に、壁部は、その柱状部材を基準として両側の一対の隙間を閉塞することになる。このため、当該カバー部材を用いることにより、部材の開口端面に柱状部材が取付けられてその柱状部材を基準として両側にそれぞれ形成される隙間をいつでも簡単に閉塞できる。この結果、塗装終了時に余剰塗料の排出に各隙間を利用した後であっても、その各隙間を簡単に閉塞できる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、各壁部に、嵌着部が柱状部材に嵌着されたとき隙間に対面して該隙間を閉塞する閉塞壁部と、閉塞壁部の周縁部から前方に張り出される周壁部と、がそれぞれ備えられ、周壁部が、嵌着部が柱状部材に嵌着されたとき、開口端部の周壁部分を囲うように設定されていることから、開口端部の周壁部分を周壁部により覆いつつ閉塞壁部により隙間を閉塞することができることになり、隙間を介して部材内に泥、石等が入り込むことを確実に防止できる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、部材の開口端面の外周形状が、略四角形状とされることを前提として、周壁部が、閉塞壁部の周縁部のうち、嵌着部の幅方向両側部分から前方にそれぞれ張り出されて互いに対向する一対の対向壁部と、一対の対向壁部を閉塞壁部の外端側において繋ぐ連結壁部と、がそれぞれ備えられたものであり、一対の対向壁部及び連結壁部のうち、使用時に、壁面が上下方向を向くものに、ばね片が設けられ、ばね片は、一対の対向壁部及び連結壁部が開口端部の周壁側方部分を囲ったとき、開口端部により外方に向けて撓められるように設定されていることから、端部構造に寸法の誤差があったとしても、ばね片の付勢力を利用して、当該カバー部材を、特に上下方向にがたつかせることなく安定した状態で端部構造に取付けることができる。
【0012】
請求項4に係る発明によれば、部材における柱状部材の外周部分に、凹部又は該凹部に嵌合される凸部のいずれか一方が設けられていることを前提として、嵌着部の内面に、凹部又は凸部の他方が設けられていることから、凹部と凸部との嵌合に基づき、当該カバー部材の取付け位置を位置決めすることができ、当該カバー部材を適正に(規格通りに)端部構造に取付けることができる。
【0013】
請求項5に係る発明によれば、嵌着部は、その幅が、その周方向中央に向うに従って細幅となるように設定されていることから、嵌着部の延び方向中央部を中心として、当該カバー部材を全体的に容易に拡縮することができ、種々の径からなる柱状部材に対する取付け(嵌着)自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】後部車体構造において用いられるクロスメンバの端部構造に組付けられた実施形態に係るカバー部材を示す斜視図。
【図2】クロスメンバに対する実施形態に係るカバー部材の取付けを説明する説明図。
【図3】クロスメンバにおける開口端面のマウント部材に対する実施形態に係るカバー部材の取付け状態を示す図。
【図4】図3のX4−X4線断面図。
【図5】実施形態に係るカバー部材を示す斜視図。
【図6】実施形態に係るカバー部材を示す正面図。
【図7】実施形態に係るカバー部材を示す一部断面平面図。
【図8】図6の右側面図。
【図9】図7のX9−X9線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は後部車体構造1を示す。この後部車体構造1においては、クロスメンバ2が用いられており、そのクロスメンバ2は、車幅方向に延びるように配設されている。このクロスメンバ2は、図2に示すように、上側部材3と下側部材4とにより構成されている。上側部材3は、車幅方向に延びる上壁部3aと、その上壁部3aの幅方向両側からそれぞれ垂下する側壁部3bとを有しており、下側部材4は、前記上側部材3に対応して車幅方向に延びる下壁部4aと、その下壁部4aの幅方向両側から立ち上がる側壁部4bと、を有している。この上側部材3の各側壁部3bと下側部材4の各側壁部4bとは互いに接合(溶接等)されており、クロスメンバ2は閉断面構造を構成し、そのクロスメンバ2の車幅方向両端面は、横方向(車体前後方向)に幅広とされた矩形形状の開口5を有している。
【0016】
前記クロスメンバ2の各開口端面6aには、図2に示すように、柱状部材としての円柱状のマウント部材7が上下方向に横切るようにしてそれぞれ取付けられている。マウント部材7は、その上端面側に車体等を取付けるべく、通常通り、アウタパイプ内にブッシュラバー、軸等が入れられて構成される。一方、クロスメンバ2の開口端面6aには、収納凹所部8が形成されており、その収納凹所部8は、上側部材3における上壁部3a端面及び下側部材4における下壁部4a端面に略半円状の切り欠きが形成されることにより構成されている。この収納凹所部8(上側部材3及び下側部材4の略半円状の各切り欠き)にマウント部材7の外周部分の略半分程度が圧入、溶接等を利用して保持されており、マウント部材7の残り略半分の外周部分は、クロスメンバ2の開口端面からはみ出されている。このため、クロスメンバ2の開口端面6aの開口5は、マウント部材7により二分され、このクロスメンバ2の端部構造は、マウント部材7を基準として左右に一対の隙間5aが形成されることになっている(図2参照)。このマウント部材7の外周面には、凹部として位置決め用孔9が形成されている(図2参照)。この位置決め用孔9は、クロスメンバ2の開口端面6aの開口5の中心(上下方向中央且つ車体前後方向中央)に位置するようにマウント部材7に形成されている。
【0017】
前記クロスメンバ2の開口端部6Aには、図1〜図4に示すように、前記一対の隙間5aを閉塞すべくカバー部材10が取付けられる。このカバー部材10の取付けは、クロスメンバ2に対する塗装処理(浸漬処理)終えた後、行われる。クロスメンバ2における種々の穴11だけでなく、一対の隙間5aも塗装後の余剰の塗料の排出に利用するためである。このカバー部材10は、図2,図5〜図9に示すように、樹脂材料を用いて、嵌着部12と、一対の壁部13と、を有するように一体成形されている。
【0018】
前記嵌着部12は、略半円状に湾曲された帯材として成形される嵌着本体部14と、その嵌着本体部14の各端面から前方に略同じ程度の曲率をもって連続的に延びる一対の嵌着脚部15と、を一体的に備えており、これらは、協働して、切欠き隙間を有するリング状部材を構成している。
【0019】
前記嵌着本体部14は、図2〜図8に示すように、その湾曲状態、両端部間の長さが前記マウント部材7の外径を考慮して決められており、その下で、嵌着本体部14の両端部間は拡縮可能となっている。本実施形態においては、この嵌着本体部14における両端部の拡縮性を高めるべく、嵌着本体部14の幅方向(図6中、上下方向)長さは、その各端部において前記クロスメンバ2における開口端面6aの上下長さよりもやや長めの長さとされ、それが嵌着部12の周方向(延び方向)内方に向かうに従って狭まっており、その延び方向中央部の幅が最も狭い幅とされている。この嵌着本体部14の内周面には、その周方向中央において、凸部としての位置決め用ピン16が設けられている。その位置決め用ピン16は、前記マウント部材7の位置決め用孔9に嵌合可能となっており、その両者9,16の嵌合によりマウント部材7に対する嵌着本体部14の嵌着位置が位置決められることになっている。また、嵌着本体部14の外周面には、リブ17が設けられている。このリブ17は、嵌着本体部14の外周面から突出した状態で該嵌着本体部14の周方向全体に亘って延びており、そのリブの突出長さは、延び方向両端部において他の部分よりも長くなっている。
【0020】
前記一対の各嵌着脚部15も、図2,図4〜図9に示すように、湾曲した帯材として成形されている。各嵌着脚部15の幅方向(図6中、上下方向)は嵌着本体部14の幅方向と同じ方向に向けられており、嵌着本体部14及び嵌着脚部15の内周面は連続的に続く滑らかな円弧面とされている。一対の嵌着脚部15の先端部間は、嵌着本体部14の両端部間の長さよりも狭められて、嵌着部12内部への挿入開口18を形成しており、その挿入開口18は、嵌着本体部14の周方向中央部を基準とした該嵌着本体部14及び嵌着脚部15の撓みに基づき拡縮可能となっている。この各嵌着脚部15の幅方向長さは、嵌着本体部14における端部の幅方向長さよりも狭められて、前記クロスメンバ2における開口端面6aの隙間5aの上下長さよりも短い長さとされている。このため、一対の嵌着脚部15は、嵌着本体部14がマウント部材7の外側の(膨出した)外周部分に嵌着されると共にその嵌着本体部14の位置決め用ピン16がマウント部材7の位置決め用孔9内に挿入されたときには、前記一対の隙間5aを介してクロスメンバ2内に入り込んで、そのクロスメンバ2内におけるマウント部材7の外周部分を嵌着することになっている(図4参照)。
この場合、嵌着部12内部へのマウント部材7の挿入を容易にするために、各嵌着脚部15の先端部には案内部19がそれぞれ設けられ、その両案内部19は、前方に向うに従って互いが離間するように設定されている。
また、この各嵌着脚部15の外周面にも、補強を図るべく、リブが突出した状態でそれぞれ設けられており、その各リブは、各嵌着脚部15の周方向(延び方向)全長に亘って形成されている。
【0021】
前記一対の各壁部13は、図1〜図9に示すように、前記嵌着本体部14における各端部(嵌着本体部14と嵌着脚部15との連結部)からその径方向外方にそれぞれ張り出されている。各壁部13は、本実施形態においては、閉塞壁部21と、一対の対向壁部としての上壁部22及び下壁部23と、連結壁部としての側壁部24と、を備えている。閉塞壁部21は、前記隙間5aに対面して該隙間5aを閉塞すべく、その板面を前方に向けた状態で嵌着本体部14の端部からその端部の幅方向と同じ長さを維持しつつ径方向外方に張り出されており、その正面形状は、横方向長さよりも上下方向長さが長い矩形形状とされている。この閉塞壁部21には、前記リブ17の端面が接続されており、このリブ17により閉塞壁部21は支えられている。上壁部22は閉塞壁部21の上端部から前方に張り出されており、その板面は上下方向に向けられている。下壁部23は閉塞壁部21の上端から前方に張り出されており、この下壁部23の板面も上下方向に向けられている。側壁部24は、上、下壁部22,23を閉塞壁部21の外端側において繋いでおり、その側壁部24の内壁面は前方に向うに従って嵌着部12から離間するように傾斜されている。この上壁部22、下壁部23及び側壁部24が、閉塞壁部21の周縁部から前方に張り出す周壁部25を構成しており、嵌着部12がクロスメンバ2の開口端面6aにおけるマウント部材7に嵌着されたときには、図3,図4に示すように、各閉塞壁部21が各隙間5aに対面して閉塞すると共に、上壁部22、下壁部23及び側壁部24が周壁部25としてクロスメンバ2の開口端部6aの周壁側方部分を外側から囲うことになる。
【0022】
前記各壁部13における上壁部22には、図2,図5〜図7,図9に示すように、ばね片26がそれぞれ設けられている。ばね片26は、壁部13の上壁部22に切り欠きやスリットを入れることにより形成されており、そのばね片26は、上壁部22の前部から閉塞壁部21に向うに従って下方(周壁部25内)に傾斜するように片持ち状をもって延びている。これにより、ばね片26を上方に向けて撓ませたときには、そのばね片26に下方に向けた弾発力が生じることになっており、その弾発力は、前記マウント部材7に嵌着部12が嵌着されるときに周壁部25内に進入するクロスメンバ2の上壁部3aによりばね片26が撓ませられることにより生じることになる。このばね片26の弾発力は、ばね片26の幅長さを調整すること等により簡単に調整される。
【0023】
このようなカバー部材10をクロスメンバ2の開口端部6Aに取付けるに際しては、カバー部材10における一対の嵌着脚部15が、図2に示すように、クロスメンバ2における開口端面6aのマウント部材7に押し付けられる。これにより、挿入空間18が拡張して、嵌着部12の内部にマウント部材7が入り込み、マウント部材7の外周面に嵌着部12が嵌着保持される(いわゆるワンタッチ取付け:図3,図4参照)。これに伴い、周壁部25内にクロスメンバ2の開口端部6Aの周壁側方部分が入り込み、マウント部材7両側の各隙間5aが閉塞壁部21によりそれぞれ閉塞されると共に、クロスメンバ2の開口端部の周壁側方部分が周壁部25により囲われる。これにより、各隙間5aから泥、石等がクロスメンバ2内に入り込むことが確実に防止される。
したがって、このようなカバー部材10を用いれば、いつでも一対の隙間5aを簡単に閉塞することができ、塗装工程を経て一対の隙間5aを利用して余剰塗料の排出を行った後においても、一対の隙間5aの閉塞に関し、的確に対処できることになる。
【0024】
また、カバー部材10がクロスメンバ2の開口端部6Aに取付けられた場合、そのカバー部材10の周壁部25内に進入することになるクロスメンバ2の開口端部6Aの上壁部3aにより各ばね片26が上方に撓められ、その撓みに基づく弾発力によりクロスメンバ2の開口端部6Aに対するカバー部材10の上下方向のがたつきが防止されることになる。このため、クロスメンバ2の寸法誤差に対しても適切に対応できることになる。
【0025】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次の態様を包含する。
(1)部材(クロスメンバ2)の端部構造として、開口端面(6a)が柱状部材(マウント部材7)の外周部の一部を包み込むようにして取付けるものに限らず、平坦な開口端面(6a)に対して柱状部材(マウント部材7)を取付けるようにしたものにも、当該カバー部材10を用いること。
とされている、
ことを特徴とするカバー部材。
(2)各隙間5a,5aの形状、大きさが非対称であるとき(異なるとき)には、それに応じて、各壁部13(閉塞壁部21,上壁部22,下壁部23,側壁部24)の形状、大きさが設定されること。
(3)上記実施形態におけるカバー部材10をサスペンションアームの連結部位等に用いること。すなわち、図1において、サスペンションアームの一つであるトレーリングアーム27が示されているが、このトレーリングアーム27は、閉断面構造をなすと共に、その開口端面に、内部に引っ込む収納凹所部が形成されている。このトレーリングアーム27の収納凹所部に柱状の支持部材28が一対の隙間5a(図示略)を形成するように保持され、その支持部材28は、車体側に対して回動可能に支持されている。このため、このようなトレーリングアーム27の連結部位においても、カバー部材10を用いることができる。
(4)上記実施形態において、ばね片26を、上壁部22だけでなく、上、下壁部22,23の両方又は下壁部23だけに設けること。
(5)カバー部材10における壁部13の両側壁部24を上下に配置される使用態様を採る場合には、ばね片26を側壁部24の少なくとも一方に設けること。このような使用態様においても、カバー部材10の上下方向のがたつきを防止するためである。
(6)位置決め孔9及ぶ位置決めピン16を用いないこと。
【符号の説明】
【0026】
2 クロスメンバ(部材)
5a 隙間
6A 開口端部
6a 開口端面
7 マウント部材(柱状部材)
8 収納凹所部
9 位置決め用孔(凹部)
10 カバー部材
12 嵌着部
16 位置決め用ピン(凸部)
18 挿入開口
21 閉塞壁部
22 上壁部
23 下壁部
24 側壁部
25 周壁部
26 ばね片
27 トレーリングアーム(サスペンションアーム)
28 支持部材(柱状部材)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉断面をなす部材の開口端面に柱状部材が横切るように取付けられて、該柱状部材が該開口端面からはみ出した状態になると共に該柱状部材を基準として両側に隙間がそれぞれ形成されることになる端部構造に用いられるカバー部材であって、
湾曲させた帯材をもってその両端部間に拡縮可能な挿入開口を形成し、その挿入開口から前記柱状部材の外周部分を嵌め込む嵌着部と、
前記嵌着部の外周部分に該嵌着部の径方向外方に拡張するようにそれぞれ設けられて、前記嵌着部が前記柱状部材に嵌着されたとき、前記各隙間をそれぞれ閉塞する壁部と、
が備えられている、
ことを特徴とするカバー部材。
【請求項2】
請求項1において、
前記各壁部に、前記嵌着部が前記柱状部材に嵌着されたとき前記隙間に対面して該隙間を閉塞する閉塞壁部と、該閉塞壁部の周縁部から前方に張り出される周壁部と、がそれぞれ備えられ、
前記周壁部が、前記嵌着部が前記柱状部材に嵌着されたとき、前記開口端部の周壁側方部分を囲うように設定されている、
ことを特徴とするカバー部材。
【請求項3】
請求項2において、
前記部材の開口端面の外周形状が、略四角形状とされることを前提として、
前記周壁部が、前記閉塞壁部の周縁部のうち、前記嵌着部の幅方向両側部分から前方にそれぞれ張り出されて互いに対向する一対の対向壁部と、該一対の対向壁部を前記閉塞壁部の外端側において繋ぐ連結壁部と、がそれぞれ備えられたものであり、
前記一対の対向壁部及び前記連結壁部のうち、使用時に、壁面が上下方向を向くものに、ばね片が設けられ、
前記ばね片は、前記一対の対向壁部及び前記連結壁部が前記開口端部の周壁側方部分を囲ったとき、該開口端部により外方に向けて撓められるように設定されている、
ことを特徴とするカバー部材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
前記部材における柱状部材の外周部分に、凹部又は該凹部に嵌合される凸部のいずれか一方が設けられていることを前提として、
前記嵌着部の内面に、前記凹部又は凸部の他方が設けられている、
ことを特徴とするカバー部材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、
前記嵌着部は、その幅が、その周方向中央に向うに従って細幅となるように設定されている、
ことを特徴とするカバー部材。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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