説明

カプシドタンパク質及びその利用

本発明は、融合タンパク質と所望の抗原を含む組成物を提供し、ここで、前記融合タンパク質は、熱ショックタンパク質 65のようなシャペロンタンパク質とHBVコア抗原のようなカプシドタンパク質を含み、抗原キャリアとして免疫原性の巨大分子構造を産生することができる。組成物の調製方法も提供し、ここで、尿素又は塩酸グアニジンのようなカオトロピック剤の存在下で組換えカプシドタンパク質を精製する工程、そして変性組換えカプシドタンパク質を再組織化する工程を含む。前記組成物は、治療又は予防ワクチン接種に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2007年6月18に出願された仮出願第60944780号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、治療及び予防ワクチン接種のための免疫原性組成物の研究開発に関する。
【背景技術】
【0003】
多種類のウイルスカプシドタンパク質は、高度に組織化された粒子に自己組織化する固有の能力を有する。組換えDNA技術を利用することにより、カプシドタンパク質は、異なる宿主、例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母及びE.coliから組換え生産される。通常、産生されたカプシドタンパク質は、宿主中で、ビリオン(virion)に極めて類似した粒子に自己組織化することができる。得られた粒子は、ウイルス様粒子(VLP)と称される。ウイルスゲノムが欠陥するため、VLPは非複製性及び非感染性である(1〜14)。
【0004】
ワクチンとしてウイルスカプシドタンパク質から調製されたVPLを利用する分野、又は、所望のエピトープ又は抗原を運搬するための抗原キャリア又は抗原送達系(又は、賦形剤)として利用し、これにより、運搬されたエピトープ又は抗原の免疫原性を高めることが試みされ、体内でI型制限細胞障害性応答を引き出す分野において、多くの文献検索結果と承認特許がある(1〜14、62〜68)。大部分の抗原送達系は、粒子に形成されるか又は本質的に微粒子である。脂質、タンパク質、多糖類、ポリアクリレート物質又は有機酸を含む様々な物質は、粒子に調製され、抗原送達系として貢献する。それらにおいて、ウイルス様粒子(VLP)を形成するカプシドタンパク質は、他の疾患の異種性抗原を送達する抗原キャリアとして主要候補物を代表し、これは、それらの粒子の理想的な大きさ、単純性と所望のタイプの免疫応答が誘導される能力によるものである(62〜68)。また、相違する粒子状抗原の送達系の相対的な免疫原性の差が大きく、粒子状抗原送達系に基づくカプシドタンパク質は、その他の粒子状抗原の運搬系より更に免疫原性を有する(62〜68、109)。
【0005】
VLPが、組換えDNA技術による様々な発現系において大量に発現されることには、疑問はない。VLPをワクチンとして使用する、又はそれらを増強された免疫応答、特にはキャリア抗原又はエピトープに対する細胞性応答、を誘発するために抗原キャリアとして使用する、予防的又は治療的可能性に非常に小さい疑問がある。それらのマイクロ粒子特性によって、VLPは、通常、例えば、硫酸アンモニウムでの塩析、密度勾配遠心及びゲルろ過のような方法により、粒子で精製することができる。しかしながら、薬剤を作製するためこの技術を使用するには、特にヒトに用いられる場合、依然として解决されていない問題が存在し、これらの問題は、長期間の保存に耐えることができる良好に定められた組成物での発現宿主系から経済的及び複製可能な完璧に均質な粒子を作製することに関する(8)。
【0006】
組換えDNA技術により作製する場合、多くのその他の組換えタンパクと同様にVLPは、宿主タンパク、脂質、核酸等に汚染される。したがって、医療適用の要求に満足するように、これらの夾雑物を除去し、その含有量を非常に低くさせなければならない。しかしながら、VLPから汚染物を除去することは複雑であり、これは、VLPが発現系において発現及び構築された場合に、宿主タンパク質と脂質は、VLP中に組み入れられ、そして、宿主核酸がVLPへ詰め込まれるという事実による(15〜20)。全VLPの精製は、これら組み入れ又は詰め込まれた汚染物を除去することができないであろう。また、V LPは、分子量が通常1000Kdを超える超分子構造体である。モノマータンパク質又はその他の小分子と比べてVLPのサイズが巨大であることから、クロマトグラフィー工程での物質輸送が悪い可能性があり、したがって、吸収樹脂を使用して分離する場合、結合、溶出及び分画は比較的小さい分子のように有効及び効率的ではない。
【0007】
完全に隠れているカプシドタンパク質を精製し得る重要性が、米国特許第6962777号及びその他の文献に言及されている(8、21)。VLPの構築は、カプシドタンパク質を正確にフォールディングした後開始することが要求される。非変性条件下で、VPLの定量的な分解とその後の再組織化のためのインヴィトロでの方法は、個々のカプシドタンパク質毎に高い特異性を持ち、米国特許第6962777号は、この問題を解決するための唯一の公表出版物である可能性があり、その中に、VLPはヒトパピローマウイルス(HPV)L1の主要カプシドタンパク質から調製されたことが記載されている。VLPの形成と安定性のための多くの有意な因子が明らかにされていません。VLPの分解と構築には、多くの因子が影響することができることが一般に知られている。例えば、pH、イオン強度、ウイルスカプシドタンパク質の翻訳後修飾、ジスルフィド結合及び二価陽イオンの結合である。上記問題をさらに複雑化させたのは、VLPの分解及び構築には、しばしばシャペロンの関与が必要であり、またいくつのVLPの形成に、ある特定な構造の核酸分子が必要であることである(8、21〜36)。したがって、カプシドのインヴィトロでの安定性、構築及び分解に影響する関係因子が数多く存在し、関連するウイルスについても広範に変動する。また、インヴィトロで均質かつ安定なVLPを効率的かつ有効的に作製する工程において、部分的に隠れた又は完全に隠れたカプシドタンパク質によって凝集体を形成する傾向も、もう1つの主要な障害である(8)。
【0008】
簡単にVLPを隠れさせるために、高濃度のカオトロピック剤、例えば尿素又は塩酸グアニジン(Gu. HCl)を使用することができ、これらの試薬は、カプシドタンパク質中の非共有結合、例えば水素結合、ファンデルワールス相互作用及び疎水性相互作用を切断することができ、またカプシドタンパク質中のジスルフィド結合を、還元剤又は酸化亜硫酸分解により切断することができる。純粋のカプシドタンパク質だけを作製するならば、高濃度のGu.HClと尿素中にVLPを曝し、さらに必要な試薬を加えて、精製工程においてジスルフィド結合を切断することが有利であり、これは以下の理由による。(1)高濃度の尿素又はGu.HCl中において、カプシドタンパク質が凝集体を形成する可能性が低いため、精製工程がさらに有効かつスケーラブルにすることができる。(2)高濃度の尿素又はGu.HClは、カプシドタンパク質と夾雑物間の相互作用(水素結合、ファンデルワールス相互作用、及び疎水性作用)を弱くすることができるため、夾雑物の除去の観点から、精製工程がさらに有効となる。(3)VLPは、高濃度の尿素又はGu. HCl中で崩壊するため、カプシドタンパク質が精製工程においてさらに均質な特性が示される。(4)崩壊したVLPは、さらに組み入れられ又は詰め込まれた夾雑物を、その精製力で、更に遊離又は暴露させることにより、汚染物を除去する。しかしながら、カオトロピック剤、例えば尿素又はGu. HClも、強力なタンパク質変性剤であり、高濃度の尿素又はGu. HClで処理した後、タンパク質も変性され、また、正確に変性カプシドタンパク質をリフォールディングさせる方法について、依然として知識が足りない。変性カプシドタンパク質が正確にリフォールディングされなければ、VLP中への自己組織化に代わって、通常、凝集体が形成される(8、21)。
【0009】
標準VLPを、抗原キャリアとして使用することは、ウイルスへの宿主免疫応答又は免疫寛容に対しても問題を起こすかもしれない。カプシドタンパク質により形成されたVLPは、異種性抗原を送達する抗原キャリアとしての主要な候補物であり、これは、それらの粒子の理想的な大きさ、単純性及び所望のタイプの免疫応答を誘導する能力によるものである(62- 68)。しかしながら、宿主はすでにウイルスに感染された可能性が高く、そして、感染が、宿主に、同じウイルス又は近接するウイルスから調製されたVLPに対する免疫応答を発生することを導き、又は、感染が、宿主に、同じウイルス又は近接するウイルスから調製されたVLPに対する免疫寛容を導くことができる。何れかの状況下においても、これらの宿主において抗原キャリアとしてVLPを使用することの有効性を、大幅に低下させる。
【0010】
自己組織化能力を有するカプシドタンパク質を使用して、抗原キャリアとして標準のVLPとは異なる形態の粒子(巨大分子構造体)を調製することができれば、それは有利である。形態の相違を鑑みて、巨大分子構造体は、標準VLPと比較して異なるエピトープペプチドのセットを示し、又は露出し、また、標準VLPに対して、以下の利点を有する。(1)異なる形態の巨大分子構造体を利用することにより、標準VLPへの先存の免疫を回避し得る。(2)異なる形態の巨大分子構造体を利用することにより、標準カプシドタンパク質への既存の免疫寛容を回避し得る。(3)異なる形態の巨大分子構造体を使用することにより、市販の抗−カプシドタンパク質アッセイでの干渉問題を回避し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、一般的方法として当該技術分野において開発が望まれ、それは、1又は複数の工程により、高濃度のカオトロピック剤(変性条件)及び必要な試薬中でジスルフィド結合を切断し、組換え発現されたカプシドタンパク質の精製を行い、続いて、精製された均質なカプシドタンパク質をリフォールディングと再組織化させる。先存のVLPへの免疫応答又は既存のVLPへの免疫寛容を回避するようにするため、当該分野では、抗原キャリアとして標準VLPとは形態的に異なる粒子(巨大分子構造体)を調製するのにカプシドタンパク質を利用する必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、カプシドタンパク質自身が内在する自己組織化能力とシャペロンタンパク質の、結合及び凝集体からの変性タンパク質を阻止し、それらのフォールディングを促進することによる、免疫原性の巨大分子構造体の調製に関する。
【0013】
本発明では、前記巨大分子構造体が、ウイルスカプシド(又はヌクレオカプシド)タンパク質とシャペロンタンパク質が含まれる融合タンパク質により調製される。前記融合タンパク質をFCCPと称する。前記FCCPが組換え産生され、高濃度のカオトロピック剤溶液中に変性形態で精製される。変性FCCPが巨大分子構造体にリフォールディング又は再組織化される。
【0014】
本発明の主要な目的の1つは、カプシドタンパク質由来のVLPに代えて、FCCP由来の巨大分子構造体を抗原又はエピトープキャリアとして使用し、治療又は予防ワクチン接種のため運搬されたエピトープ又は抗原の免疫原性を増強させることである。
【0015】
異種性抗原又はエピトープが運搬されるFCCP由来の巨大分子構造体の組成物を、以下の工程により調製することができる。(1)異種性抗原又はエピトープが、FCCP又はFCCP由来の巨大分子構造体と化学連結又は抱合する。(2)ペプチド結合を介して異種性抗原又はエピトープに連結され、前記異種性抗原と前記FCCPを含む単一の融合タンパク質を形成し、続いて、異種性抗原-FCCP融合タンパク質が組換え産生され、変性形態の異種性抗原-FCCP融合タンパク質を精製し、その後、変性した異種性抗原-FCCP融合タンパク質をリフォールディング及び再組織化して、巨大分子構造体を形成する。
【0016】
本発明において、所望の免疫応答、特には、運搬される抗原に対する細胞性免疫応答、が誘導されることによって、異種性抗原を運搬するFCCP由来の巨大分子構造体の組成物を、治療及び予防ワクチン接種のために用いることができる。
【0017】
標準VLPの代わりに巨大分子構造体を使用することは、以下の利点を有する。(1)異なる形態の巨大分子構造体を使用することにより、標準VLPへの先存の免疫を回避することができる。(2)異なる形態の巨大分子構造体を使用することにより、標準カプシドタンパク質への既存の免疫寛容を回避することができる。(3)異なる形態の巨大分子構造体を使用することにより、市販の抗−カプシドタンパク質アッセイにおける干渉問題を回避することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
カプシドタンパク質のリフォールディング及び再組織化は、多くの因子の影響を受け、それらの多くが良好に定義付けられず、また一部の因子は未だに知られておらず、関連する因子のいくつかが未知又は良好に定義付けられなれば、変性カプシドタンパク質をリフォールディング及び再組織化させることは難しい。この問題を解決するために、以下の原因に基づいて、融合カプシドシャペロンタンパク質(FCCP)を設計した。(1)ウイルスカプシドタンパク質が粒子に自己組織化される内在性の能力を有する。(2)ウイルスカプシドタンパク質が、そのN末端又はC末端に融合された任意の長さのペプチドを収容することができ、そして粒子に自己組織化される能力を保持する(12、12、36-37)。(3)シャペロンタンパク質が結合し、また凝集体から非天然又は変性タンパクを阻止し、それらのフォールディングを促進することができる(38-59、103-104)。(4)外因性抗原が、本質的に粒子である場合、それらは、I型及びII型経路の双方において可溶性抗原より1000又は10000倍効率が高くなることが示される(5、60-68)。FCCPが、カプシドタンパク質及びシャペロンタンパク質により組み合わせされ、前記シャペロンタンパク質が、ペプチド結合を介してカプシドタンパク質のN末端又はC末端に連結され、単一の分子が形成される。前記設計されたFCCPの目的は以下の通りである。(1)融合タンパク質が宿主系において組換え発現される場合、1つ又は多くの段階において、高濃度のカオトロピック剤中で分離及び精製を行うことができ、例えば、10Mまでの尿素又はGu.HClが精製工程に用いられ、好ましくは4M〜8Mの尿素と3M〜6MのGu.HClである。(2)精製されたサンプル中のカオトロピック剤を徐々に除去することを含む方法で、精製された均質なFCCPをリフォールディングする。(3)リフォールディング工程において、FCCPが、マルチFCCPサブユニットを含有する巨大分子構造体に自己組織化され、構築された巨大分子構造体が、完全に異なる形態を持つVLP構造体又はその他の構造体とすることができる。(4)巨大分子構造体が、抗原又はエピトープの運搬系として用いられ、例えば、抗原又はエピトープに基づいたタンパク又はペプチドが、組換えDNA法によりFCCPに融合され、ペプチド結合で連結された融合タンパク質が産生され、又はFCCPに化学的に連結又は抱合される。再組織化工程において、精製されたFCCPを、所望の成分、例えば核酸、タンパク、ペプチド、ホルモン、抗癌剤や抗ウイルス剤を巨大分子に組込むために使用することができる。FCCP分子において、カプシドタンパク質は、内在の自己組織化能力を有するため、主に巨大分子構造体の形成を担う構成成分であり、シャペロンタンパク質は、精製工程における高濃度のカオトロピック剤の取込みで変性された形状でのFCCPを処理する可能性を提供する構成成分であり、続いて、リフォールディングと再組織化する。変性カプシドタンパク質が、通常、リフォールディング工程中に単独的に凝集体を形成し、また、凝集体の形成により、変性カプシドタンパク質は、通常、可溶形式で非変性溶液中に保持できない。ありうるメカニズムが、カプシドタンパク質中の疎水性区に関連する可能性がある。カプシドタンパク質の疎水性区が、自己組織化とVLP構造の保持においてとても重要であり、またそれらがVLP構造体中のカプシドタンパク質の内部に包理される(69〜74)。高濃度の変性溶液、例えば、尿素又はGu.HCl、中で、カプシドタンパク質が変性され、包理された疎水性区が溶液に暴露される。リフォールディング工程において、変性剤が溶液から徐々に除去される時、暴露された疎水性区の間の徐々に上昇した相互作用が、カプシドタンパク質を凝集体に形成させる。FCCPを高濃度の尿素又はGu.HClに晒すと、カプシドタンパク質の疎水性区も溶液に暴露されるが、変性剤がリフォールディング工程にて徐々に溶液から除去される時、融合されたシャペロンタンパク質によってカプシドタンパク質中の暴露された疎水性区を保護でき、そして、FCCPが溶液中に保持され、リフォールディングと自己組織化工程を行い、可溶性の巨大分子構造体を形成する。FCCPは、カプシドタンパク質とは相違する分子であり、FCCPの変性製剤中のカオトロピック剤を徐々に除去することにより、リフォールディング及びインヴィトロでの組織化を行う。これは、本質上に、カプシドタンパク質のVLPにフォールディングと自己組織化される天然の工程と異なる。以上の要因を鑑みて、本発明により作製された巨大分子構造体の形態が、標準のVLPとは完全に異なる可能性がある。
【0019】
本発明の1つの知見は、標準VLPの形態を持たない、FCCPの自己組織化により形成された巨大分子構造体が、良好な免疫原性を有し、また、標準のVLPと比べ、以下の利点を有する。(1)異なる形態をもつ巨大分子構造体を使用することにより、標準的なVLPへの先存の免疫を回避することができる。(2)異なる形態をもつ巨大分子構造体を使用することにより、標準的なカプシドタンパク質への既存の免疫寛容を回避することができる。(3)異なる形態をもつ巨大分子構造体を使用することにより、市販の抗カプシドタンパク質アッセイでの干渉問題を回避することができる。(4)巨大分子構造体が溶液中にてより安定する。巨大分子構造体の強い免疫原性は、以下の要因による可能性がある。(1)外来性抗原が本質的に粒子である場合には、それらは、I型とII型経路双方の可溶性抗原より1000又は10000倍高い効率を持ち、そして、巨大分子構造体が粒子状抗原の特徴を有する。(2)先天免疫が、FCCP中のカプシドタンパク質のいくつの保存配列を認識できる可能性があり、強く、かつ、持続的な免疫学応答を相乗的に形成することができる。さらに、FCCP中のカプシドタンパク質が、核酸を詰め込むのに用いることができる。周知の通り、二本鎖RNAやメチル化されていないCpG-DNA等のいくつの核酸は、免疫応答を顕著に増強させることができる(75〜83)。
【0020】
当業者は、FCCP分子において、カプシドタンパク質がタンパクの全体、タンパクの全体の一部、マルチサブユニットを保持する巨大分子構造体に自己組織化される能力を保持しているカプシドタンパク質の化学的変異体又はバリアントであることができることを認識、理解する。これらのバリアントは、アミノ酸(一般的には1〜500個、好ましくは1〜200個、さらに好ましくは1〜50個アミノ酸)の付加、欠失、挿入及び/又は置換を含むが、これらに限定されない。当業者は、開示された方法(106〜108)により、前記カプシドタンパク質のバリアントを形成することができる。自己組織化能力を有する多くの種類のカプシドタンパク質を本発明に用いることができる。一実施形態において、前記カプシドタンパク質は、ヒトB型肝炎(HBV)のコア抗原である。シャペロンタンパク質は、全長タンパク質、機能的等価物、例えば、全シャペロンタンパク質のフラグメント、シャペロンタンパク質の化学変異体又はバリアントであることができ、当業者は、開示された方法(91〜102、104)を使用して前記機能的等価物を産生することができる。多くのシャペロンタンパク質が熱ショックタンパク質であり、すなわち、タンパク質は、上昇された温度又はその他の細胞ストレスに応じるように発現した(38〜59、105)。当該挙動の原因が、フォールディングされたタンパクが熱によって激しく影響を受け、したがって、いくつのシャペロンタンパク質が、ミスフォールディングにより引き起こされた潜在的な障害の修復するよう挙動する。それらがリボソームから伸びるため、いくつのシャペロンタンパク質が新しくフォールディングして形成されたタンパク中に含まれる。
【0021】
多くの異なるシャペロンタンパク質ファミリーが存在する。ファミリーごとに、異なる方式でタンパク質のフォールディングを補助する。E.coliのような細菌において、多くのこのようなタンパク質は、高度ストレス条件下、例えば、高温下に置かれた場合、で高発現する。このため、用語“熱ショックタンパク質 ”は、歴史上にこれらのシャペロンタンパク質の命名に用いられる。接頭辞“Hsp”とは、タンパク質が熱ショックタンパク質であることを意味する。
【0022】
いくつの通常のシャペロンファミリーは、Hsp60、Hsp70、Hsp90、Hsp100、及び低分子量のHspタンパク質ファミリー(38-59)である。シャペロンタンパク質は、Hspタンパクに限定されず、当業者は、現在において未知なシャペロンタンパク質を、それらが発見された場合に、本発明において提供された方法において、FCCPの産生に用いることができることを認識できる。一実施形態において、前記シャペロンタンパク質が、M.bovis BGG hsp65 タンパク質である(84)。本発明において、その発想は、ペプチド結合を介してペプチド又はタンパク質をカプシドタンパク質に連結させ、続いて、融合されたタンパクを、高濃度のカオトロピック剤、例えば、尿素又はGu.HCl溶液中で1又は複数の段階により、変性形態に処理し、その後、精製された融合タンパク質を、サンプルからカオトロピック剤を徐々に除去することにより、リフォールディングと自己組織化工程を経て、巨大分子構造体を形成することである。
【0023】
FCCPにおいて、カプシドタンパク質とシャペロンタンパク質の間にリンカーを設計することができ、通常、リンカーが1〜100個のアミノ酸、好ましくは1〜50個のアミノ酸、さらに好ましくは1〜10個のアミノ酸のペプチドである。特異的な酵素切断部位又は化学的切断部位を、カプシドタンパク質とシャペロンタンパク質間のリンカーに付加させることができる。精製、リフォールディング及び再組織化工程後、前記シャペロンタンパク質が化学的方法又は酵素学的方法によって、FCCPから切り取る。例えば、特異的酵素開裂部位が、カプシドタンパク質とシャペロンタンパク質の結合部に設計され、例えば、asp asp asp asp lysが、エンテロキナーゼにより認識され、また、この配列をカプシドタンパク質とシャペロンタンパク質のリンカーに導入させることができ、リフォールディングと再組織化した後、エンテロキナーゼをシャペロンタンパク質の除去に用いることができる。
【0024】
本発明の1つ主要な目的は、カプシドタンパク質由来のVLPに代えて、FCCP由来の巨大分子構造体を、抗原又はエピトープキャリアとして使用することであり、そうして治療又は予防ワクチン接種のキャリアエピトープ又は抗原の免疫原性を増強させることである。
【0025】
異種性抗原又は抗原エピトープを運搬するFCCP由来の巨大分子構造体組成物を、以下の方法により作製することができる。(1)異種性抗原又はエピトープを、FCCP又はFCCP由来の巨大分子構造体に化学連結又は抱合させる。(2)ペプチド結合を介して、異種性抗原又はエピトープをFCCPに連結させ、前記異種性抗原と前記FCCPを含む単一の融合タンパク質を形成する。異種性抗原は、FCCPに、そのN末端又はC末端で連結される。好ましくは、前記異種性抗原を前記カプシドタンパク質に連結させる。本発明では、前記異種性抗原が、任意のタンパク質、ペプチド又は非ペプチド分子又はその何れかの組み合わせであってよく、例えば、抗原又はフラグメント、又は抗原又はそのフラグメントの任意の組み合わせであり、それらは、(a)ウイルス、(b)細菌、(c)寄生虫、(d)プリオン、(e)腫瘍、(f)自己分子(self molecule)、(g)非ペプチドハプテン分子、(h)アレルゲン、(i)ホルモン、及び(j)(a)〜(i)由来の任意の抗原の抗原性フラグメントのグループに由来し、または、エピトープ、又は、以下、(a)ウイルス、(b)細菌、(c)寄生虫、(d)プリオン、(e)腫瘍、(f)自己分子、(g)アレルゲン及び(h)ホルモンからなるグループに由来するエピトープである。
【0026】
一実施形態において、前記異種性抗原は、ヒトパピローマウイルス由来のE7抗原であり、そして、E7抗原が、ペプチド結合を介して、FCCPのカプシドタンパク質のN末端に連結され、E7抗原とFCCPを含む融合タンパク質が形成される。
【0027】
一旦、カプシドタンパク質とシャペロンタンパク質を選択すると、融合タンパク質の配向性が設定され、ある場合にはリンカーも設計され、続いて、抗原又はエピトープに基づいたタンパク質又はペプチドが、FCCPに融合させるように設計することができ、ペプチド結合を介して連結した単一の融合タンパク質が形成される。好ましくは、異種性抗原又はエピトープが、単一の融合タンパク質としてFCCPのカプシドタンパク質に連結される。融合タンパク質の配列をDNA配列に逆翻訳することにより、設計された単一の融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列が含まれるポリヌクレオチドを産生することができる。前記ヌクレオチド配列は、化学的に合成することができ、又は、組換えD NA技術、又は化学合成と組換えDNA技術を組み合わせることにより取得することができる。前記ヌクレオチド配列は、所望の宿主において最適な発現を有するように最適化される。
【0028】
前記ヌクレオチド配列は、選択された系で組換え発現させるために適当な付属配列をもつ単一のオープンリーディングフレームとして、適当な組換え発現ベクターに組み込まれる。発現ベクターで宿主細胞を形質転換又はトランスフェクションする。その後、形質転換又はトランスフェクションされた宿主細胞を培養し、そして必要な融合タンパク質を組換え発現させる。
【0029】
既知の分離及び精製方法を使用して、組換え発現されたFCCP−異種性抗原を分離、精製する。これらの方法は、細胞破壊、遠心、ろ過、塩析、カラムクロマトグラフィー又はその他のクロマトグラフィー法を含むが、これらに限定されない。分離及び精製法において、少なくとも1又は複数の段階において、高濃度のカオトロピック剤、例えば尿素又はGu.HClが適用される。分離及び精製方法に用いられる尿素又はGu.HClの濃度は、10Mまで高くすることができ、尿素について、好ましくは4M〜8M、Gu.HClについて、好ましくは3M〜6Mである。既知の分離及び精製方法を検索することにより、当業者が通常、好適な分離及び精製方法を設定し、高度に精製されたサンプルを得ることができる。
【0030】
精製されたサンプル中のカオトロピック剤を徐々に除去することを含む工程で、精製された均質なFCCP−異種性抗原融合タンパク質を多ユニットのFCCP−異種性抗原含有巨大分子構造体にリフォールディングと再組織化される。精製されたサンプル中に存在するカオトロピック剤を除去するために使用される多くの方法がある。これらの方法には、透析、限外ろ過、及びその他の方法、例えばゲルろ過、を含むが、これらに限定されるものではない。
【0031】
FCCP−異種性抗原融合タンパク質中のカプシドタンパク質が核酸を詰め込むのに用いることができる。ある種の核酸、例えば二本鎖RNA及びメチル化されていないCpG-DNA、が免疫応答を顕著に増強させる能力があることが知られている。したがって、所望の二本鎖RNA又はメチル化されていないCpG-DNAをFCCP−異種性抗原の精製及び変性された融合タンパク質に付加することにより、二本鎖RNAとメチル化されていないCpG-DNAをマルチユニットFCCP−異種性抗原を含む巨大分子構造体に詰め込み、その後、変性融合タンパク質サンプル中のカオトロピック剤を徐々に除去することを含む工程により、FCCP-異種性抗原を巨大分子構造体に再組織化することが高度に予想される。
【0032】
FCCP異種性抗原融合タンパク質において、シャペロンタンパク質がある状況下で変性カプシドタンパク質のリフォールディングを促進する。リフォールディングと再組織化した後、シャペロンタンパク質が除去されることが望ましい。その他の方法により組成物を作製することができ、以下の工程を使用し、最終な組成物からシャペロンタンパク質が除去される。
1.ペプチド結合を介して、異種性抗原とシャペロンタンパク質をカプシドタンパク質に連結させ、カプシドタンパク質とシャペロンタンパク質の連結部位に特有の酵素の切断部位が設計され、前記特有の酵素の切断部位がトロンビン切断部位又はエンテロキナーゼ切断部位又はその他の如何なる特有の酵素の切断部位であることを含む融合タンパク質が設計される。
2.カプシドタンパク質とシャペロンタンパク質の結合部位に特異的な酵素の切断部位が含まれる前記融合タンパク質が発現系により組換え調製される。
3.高濃度のカオトロピック剤の使用、例えば、分離又は精製工程において濃度10Mまでの尿素又はGu.HCl又は緩衝液の使用、好ましくは尿素4〜8M及びGu.HCl 3-6Mである、を含む1又は複数の段階で、変性形態で、組換え発現された融合タンパク質を分離及び精製する。
4.変性融合タンパク質サンプル中に存在するカオトロピック剤を徐々に除去することを含む工程により、前記融合タンパク質を巨大分子構造体にリフォールディング及び再組織化する。
5.所望の酵素、例えば、トロンビン又はエンテロキナーゼを使用することにより、巨大分子構造体からシャペロンタンパク質を切り取る。
6.巨大分子構造体を切り取られたシャペロンタンパク質から分離する。
7.最終的な巨大分子構造体がカプシドタンパク質のマルチサブユニットを含み、その大部分が異種性抗原と融合されている。
【0033】
異種性抗原又はエピトープを運搬するFCCP由来の巨大分子構造体組成物が、その他の異なる方法を使用することにより作製される。
【0034】
例えば、既知の技術、例えば、共有結合を含む標準技術、を使用し、調製された異種性抗原又はエピトープとFCCP又はFCCP分子により調製された巨大分子構造体を、例えば、暴露されているチロシン残基、又はリジン残基のε-アミノ基又はアスパラギン酸塩又はグルタミン酸塩のカルボキシル基で、化学抱合又は連結させる。FCCPにより調製された異種性抗原と巨大分子構造体又はFCCPも、アフィニティー相互作用により非共有結合的に抱合される。任意の既知の高アフィニティー相互作用が、異種性抗原とFCCPにより調製された巨大分子構造体又はFCCPとを非共有結合的に連結させる。例えば、ビオチン基をFCCPにより調製された巨大分子構造体又はFCCPに付加させ、異種性抗原をアビチン−抗原融合タンパク質として発現させることができる。アビチン−抗原融合タンパク質が、ビオチン化された巨大分子構造体又はFCCPに強く結合することができる。
【0035】
異種性抗原が組換え発現され、その後、精製又は化学合成され、又は天然源から分離及び精製される。
【0036】
FCCPを含む巨大分子構造体がFCCP分子により作製される。一旦カプシドタンパク質とシャペロンタンパク質が選択されると、融合タンパク質の方向性が設計され、ある場合にはリンカーも設計され、続いて、融合タンパク質配列をヌクレオチド配列に逆翻訳することによって、設計されたFCCPをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを産生することができる。前記ヌクレオチド配列は、化学的に合成されるか、又は、組換えDNA技術又は化学的合成と組換えDNA技術との組み合わせを使用することにより取得することができる。前記ヌクレオチド配列を、必要な宿主において最適な発現を有するように最適化することができる。
【0037】
前記ヌクレオチド配列は、選択された系で組換え発現させるために適当な付属配列をもつ単一のオープンリーディングフレームとして、適当な組換え発現ベクターに組み込まれる。発現ベクターで宿主細胞を形質転換又はトランスフェクションする。その後、形質転換又はトランスフェクションされた宿主細胞を培養し、そして必要な融合タンパク質を組換え発現させる。
【0038】
既知の分離及び精製方法を使用して、組換え発現されたFCCPを分離、精製する。これらの方法は、細胞破壊、遠心、ろ過、塩析、カラムクロマトグラフィー又はその他のクロマトグラフィー法を含むが、これらに限定されない。分離及び精製法において、少なくとも1又は複数の段階において、高濃度のカオトロピック剤、例えば尿素又はGu.HClが適用される。分離及び精製方法に用いられる尿素又はGu.HClの濃度は、10Mまで高くすることができ、尿素について、好ましくは4M〜8M、Gu.HClについて、好ましくは3M〜6Mである。既知の分離及び精製方法を検索することにより、当業者が通常、好適な分離及び精製方法を設定し、高度に精製されたFCCPサンプルを得ることができる。
【0039】
精製されたサンプル中のカオトロピック剤を徐々に除去することを含む工程で、精製された均質なFCCPを多ユニットのFCCP含有巨大分子構造体にリフォールディングと再組織化される。精製されたサンプル中に存在するカオトロピック剤を除去するために使用される多くの方法がある。これらの方法には、透析、限外ろ過、及びその他の方法、例えばゲルろ過、を含むが、これらに限定されるものではない。
【0040】
FCCP中のカプシドタンパク質が核酸を詰め込むのに用いることができる。ある種の核酸、例えば二本鎖RNA及びメチル化されていないCpG-DNA、が免疫応答を顕著に増強させる能力があることが知られている。したがって、所望の二本鎖RNA又はメチル化されていないCpG-DNAをFCCPの精製及び変性された融合タンパク質に付加することにより、二本鎖RNAとメチル化されていないCpG-DNAをマルチユニットFCCP含有巨大分子構造体に詰め込み、その後、変性融合タンパク質サンプル中のカオトロピック剤を徐々に除去することを含む工程により、FCCP抗原を巨大分子構造体に再組織化することが高度に予想される。
【0041】
FCCPにおいて、シャペロンタンパク質がある状況下で変性カプシドタンパク質のリフォールディングを促進する。リフォールディングと再組織化した後、シャペロンタンパク質が除去されることが望ましい。その他の方法により組成物を作製することができ、以下の工程を使用し、最終的な組成物からシャペロンタンパク質が除去される。
1.カプシドタンパク質とシャペロンタンパク質の連結部位に特有の酵素の切断部位が設計され、前記特有の酵素の切断部位がトロンビン切断部位又はエンテロキナーゼ切断部位、又は、その他の如何なる特有の酵素の切断部位であることを含む融合タンパク質が設計される。
2.カプシドタンパク質とシャペロンタンパク質の結合部位に特異的な酵素の切断部位が含まれる前記融合タンパク質が発現系により組換え調製される。
3.高濃度のカオトロピック剤の使用、例えば、分離又は精製工程において濃度10Mまでの尿素又はGu.HCl又は緩衝液の使用、好ましくは尿素4〜8M及びGu.HCl 3〜6Mである、を含む1又は複数の段階で、変性形態で、組換え発現された融合タンパク質を分離及び精製する。
4.変性融合タンパク質サンプル中に存在するカオトロピック剤を徐々に除去することを含む工程により、前記融合タンパク質を巨大分子構造体にリフォールディング及び再組織化する。
5.所望の酵素、例えば、トロンビン又はエンテロキナーゼを使用することにより、巨大分子構造体からシャペロンタンパク質を切り取る。
6.巨大分子構造体を切り取られたシャペロンタンパク質から分離する。
7.最終的な巨大分子構造体がカプシドタンパク質のマルチサブユニットを含む。
【0042】
本発明の方法に従って調製された巨大分子構造体の粒度分布を確認するために多くの方法が利用可能である。これらの方法が、分子ふるいクロマトグラフィー、限外ろ過を含むが、これらに限定されない。例えばMalvern Instruments Ltd の供給業者からの粒度測定器(http ://www. malvern. com)を使用できる。
【0043】
このように、本発明の目的は、従来技術の問題を解決し、前記巨大分子構造体、又は異種性抗原又はエピトープを運搬する前記巨大分子構造体が含まれる新規な免疫原性の組成物を提供する。
【0044】
具体的には、本発明の目的は、カプシドタンパク質とシャペロンタンパク質を使用して、巨大分子構造体を作製する新規な方法を提供する。前記巨大分子構造体がFCCPによって自己組織化をされ、ここで、それは、シャペロンタンパク質又はそれらに一体に融合される機能性フラグメントに融合されたカプシドタンパク質である。
【0045】
さらに具体的には、本発明の目的は、増強された免疫応答、特に、運搬された抗原又はエピトープに対する細胞性免疫応答を誘導するため、抗原キャリアとして巨大分子構造体を使用することである。例えば、抗原又はエピトープに基づくタンパク又はペプチドが、組換えDNA技術によってFCCPに融合されるか、又は所望の抗原又はエピトープがFCCPに化学連結又は抱合され、又は必要抗原又は抗原エピトープがアフィニティー相互作用により非共有結合的に連結され得る。
【0046】
本発明のもう1つの目的は、1又は複数の段階において高濃度のカオトロピック剤、例えば尿素又はGu. HCl、を使用し変性形態のFCCPが精製され、その後、変性FCCPサンプルからカオトロピック剤を徐々に除去し、精製された均質なFCCPを巨大分子構造体にリフォールディングまた再組織化させる方法を提供する。
【0047】
本発明のもう1つの目的は、巨大分子構造体中の必要な成分を詰め込む又はカプセル化する方法を提供し、例えば、治療剤又は診断剤である。
【0048】
本発明のもう1つの目的は、再組織化中に、所望の成分、例えば核酸、タンパク、ペプチド、ホルモン、抗癌剤及び抗ウイルス剤を巨大分子構造体へ取り込ませるための新規な運搬システムを提供する。
【0049】
本発明のもう1つの目的は、スケーラブルな工程において、均質かつ十分に定義付けされた免疫原性組成物を調製する能力を持つ新規な方法を提供する。
【0050】
本発明のもう1つの目的は、標準VLPに対する先存の免疫性を回避し得る巨大分子構造体を調製できる新規な方法を提供する。
【0051】
本発明のもう1つの目的は、標準カプシドタンパク質に対する既存の免疫寛容を回避し得る巨大分子構造体を調製できる新規な方法を提供する。
【0052】
本発明のさらなる目的が、標準VLPの市販の抗カプシドタンパク質のアッセイとの干渉の問題を回避し得る新規な方法を提供する。
【0053】
上記の本発明の免疫原性の組成物が、好ましくは治療用ワクチン接種に用いられる。しかしながら、前記組成物は予防用ワクチン接種にも用いることができる。本発明の組成物が、注射及びその他の投与経路及び方法に適合し、標準的な筋肉内、皮下、皮層内、静脈内、経口投与又は直腸の経路と方法を含むが、これらに限定されない。また、本発明の組成物は、その他の薬理学上に許容し得る成分を含むか、又は一緒に投与することができる。本発明の組成物も、アジュバンド又はその他の補助性物質、例えば、治療用ワクチンとして効果を増強させ、そして受容体である宿主内に好ましいタイプの免疫応答を刺激するための免疫刺激分子と組み合わせることによって製剤化することができる。有用なアジュバンドとしては以下を含むが、これらに限定されるものではない。二本鎖RNA、メチル化されていないCpG-DNA、水酸化アルミニウムを含む。これらのアジュバンド及び/又はその他の補助性物質が、単独又は必要に応じて組み合わせて使用される。
【0054】
治療又は予防目的に用いる本発明の組成物の量が、投与したときに、対象体の体内において有効な免疫応答が誘導できる量である。さらに、対象体に投与される組成物の量が複数な要因により変化するが、これらの因子としては以下を含むがこれらに限定されるものではない。組成物の処方、アジュバンド及その用量、対象体のサイズ、年齢、体重、性別、一般的な健康と免疫応答状况。当業者がその能力範囲内で、患者に有効量を投与することができ、設定された投与量範囲を調整及び操作することができる。例えば、組成物の有効量は、0.1μg〜約10mg/kg体重で、好ましくは1μg〜1mg/kg体重であることができる。間隔をおいて、1又は複数の投与量のワクチンを投与することができる。対象体における投与計画は、当業者によって容易に最適することができる。
【0055】
以下の実施例は、本発明を解釈し、また詳細に説明するために提供される。しかし、これらは、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0056】
HPV抗原を運搬するFCCP分子
マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium Bovis)の BCG hsp65遺伝子(84) 由来のシャペロンタンパク質-Hsp65をB型肝炎ウイルス(HBV)サブタイプADW2(85-86)の核カプシドタンパク質(コア抗原)のC末端に融合させ、FCCP分子を形成した。ヒトパピローマウイルスタイプ16(87)由来のE7抗原をFCCP分子のN末端に融合させた。N末端からスタートする単一融合タンパク質がE7タンパクであり、E7抗原のC末端がカプシドタンパク質のN末端に融合され、そして、カプシドタンパク質のC末端がHsp65タンパクのN末端に融合されている。前記融合タンパク質の理論的な分子量が89.2KDであり、E7-コア-Hsp65として示される。GenBankのDNA配列に基づき、何れのバリエーションを使用せず、E7-コア-Hsp65融合タンパク質をコードするDNA配列を化学合成した(86〜87、110)。
【0057】
合成されたDNA配列をAnkegens 2479bpと命名し、Stratagene (88)からのSmaI消化されたpBluescript II SK (+/-)にクローニングし、pBSK-Ankegens-2479bpを産生した。
【実施例2】
【0058】
E7-コア-Hsp65融合タンパク質の発現と精製
NdeIとEcoRIにより、pBSK-Ankegens-2479bpからE7-コア-Hsp65 DNAフラグメントを切り出し、その後、pET-23aの対応部位にサブクローニングし、pET-23a-2479を形成した(89)。pET-23a-2479をNovagenからのRosetta-gami(DE3)に形質転換した。Novagen社のpETシステムマニュアルに基づき、0.5mMイソプロピル−チオ−ガラクトピラノシドでの形質転換されたRosetta-gami(DE3)細胞の発酵及び誘導により、E7-コア-BCG65融合タンパク質をE.coil細胞において発現させた。発酵した後、遠心分離により細胞を回収した。100gの細胞ペーストを1000mlの緩衝液A(100mM Tris-HCl pH9.0;5mM EDTA)に懸濁させ、細胞を1回洗浄し、その後、8500rpm、30分間遠心分離した。上清を捨て、その後、再びペレット状の細胞を1000mlの緩衝液B(50mM 酢酸ナトリウム;2mM EDTA)に再懸濁させた。760barの圧力下で、ホモジナイズ工程により懸濁された細胞を破砕し、続いて、8500rpm、30分間遠心分離した。上清を収集し、その容積を測定した。上清1mlに対して尿素0.7gの割合で、尿素を上清に添加し、その後、塩化ナトリウムを添加して、その最終濃度を100mMにさせ、さらにL-システインを最終濃度が20mMになるまで添加した。室温で前記溶液を攪拌し、全ての尿素を溶解させ、その後4℃下で一晩攪拌した。一晩攪拌した後、サンプルをSP-アガロース樹脂(GE Health)300mlを含有するXK-50カラム(GE Health)にアプライし、前記SP-アガロース樹脂の前に、塩化ナトリウム1Mで洗浄して緩衝液C(50mM 酢酸ナトリウム、100mM NaCl、2mM EDTA、8M 尿素、10mM L-システイン)で平衡化した。サンプルをロードした後、10カラム容積の緩衝液D(50 mM 酢酸ナトリウム、100mM NaCl、2mM EDTA、8M 尿素、10 mM L-システイン、2.5% Triton-X-100)でカラムを一晩洗浄し、エンドトキシンを除去した。緩衝液Dで一晩洗浄した後、5カラム容積の緩衝液Cで前記カラムを洗浄してTriton-X-100を除去し、続いて、3カラム容積の緩衝液E(50mM 酢酸ナトリウム、300mM NaCl、2mM EDTA、8M 尿素、10mM L-システイン)でカラムを洗浄して夾雑物を除去した。緩衝液D(50mM 酢酸ナトリウム、800mM NaCl、2mM EDTA、8M尿素、10mM L-システイン)で、カラムからE7-コア-BCG65融合タンパク質を溶出した。貯留した溶出タンパク質を、4×40容積の緩衝液F(50mM 酢酸ナトリウム、6M 尿素)で透析し、NaClとL-システインを除去した。透析後、それぞれ最終濃度200 mMと50 mMである亜硫酸ナトリウムとテトラチオン酸ナトリウムを添加することにより、酸化的に亜硫酸分解を行い、室温下で一晩インキュベートした。亜硫酸分解されたサンプルを緩衝液Fで5倍容積に希釈し、続いて、予め1M塩化ナトリウムで洗浄し、緩衝液Fで平衡化したQ-アガロース樹脂(GE Health)150 ml含有するXK-50カラム(GE Health)にアプライした。サンプルをロードした後、2カラム容積の95%の緩衝液Fと50%の緩衝液G(50mM 酢酸ナトリウム、1M 塩化ナトリウム、6M 尿素)でカラムを洗浄し、そして、8カラム容積を超える95%の緩衝液F及び5%の緩衝液G-50%の緩衝液Gから50%の緩衝液Fへの直線勾配溶液で、E7-コア-BCG65融合タンパク質を溶出した。溶出されたE7-コア-BCG65融合タンパク質を貯留し、そして、1×40容積のTris.HCl pH9.0、100mM NaClを含有する1×40 容積の Tris.HCl pH7.5で透析して尿素を除去し、続いて、E7-コア-BCG65融合タンパク質をリフォールディングした。最終調製物(100mM NaClを含有するTris.HCl pH7.5中のE7-コア-BCG65)におけるエンドトキシン含量は、5 EU/mgタンパク質より低かった。
【0059】
SDS-PAGEは、精製されたサンプルが97.4Kdマーカー付近下で移動する単一の主要バンドを含有することを示した。精製されたサンプルがN末端アミノ酸シークエンシングされ、また、N末端のアミノ酸配列がMHGDTPTLHEYMLDであることに決定され、 それが理論上のE7-コア-BCG65のN末端の配列に相応した。SDS-PAGE とN末端シークエンスの結果に基づいて、精製されたサンプルがE7-コア-BCG65融合タンパク質であると確認された。
【0060】
Malvern Instruments LtdからのMalvern Zetasizer Nano ZS (http://www.malvern.com)により、リフォールディングされたE7-コア-BCG65の粒度分布が分析された。測定されたサンプルのZ-平均粒度は61.3nm、PDI<0.2、産物の品質:良好、である。
【0061】
分子ふるいクロマトグラフィーが、リフォールディングされたE7-コア-BCG65、牛血清アルブミン(BSA、分子量が67Kdであるモノマータンパク質)、及び、組換え発現されたヒトパピローマウイルス(Wison Bioengineering Ltd. 上海)からのL1カプシドタンパク質により調製された標準VLP間の相対分子質量を比較するため使用された。カラムの直径が1.5cm;カラムの容積が180ml セファロース 4B FF(GE Healthcare);ランニング緩衝液が100mM PB、0.4M NaCl、pH6.5;流速が2ml/分;サンプル容積がサンプル毎1mlである。70 mlの溶出容積で、リフォールディングされたE7-コア-BCG65を溶出し、それが、HPV L1カプシドタンパク質由来の標準VLPと同じであり、BSAの溶出容積が150mlに近かった。
【0062】
電子顕微鏡下で観察されたリフォールディングされたE7-コア-BCG65は、アモルファス構造であった。
【0063】
ウエスタンブロット実験では、Abcam由来のB型肝炎ウイルスコア抗原に対する抗体が、リフォールディングされたE7-コア-BCG65のコア抗原を検出ができず、そして、当該結果は、サンプルが、先存の抗HBV免疫応答をもつ宿主に投与できることが示される。
【実施例3】
【0064】
マウスにおけるE7-コア-BCG65治療の治療及び予防効果
E7-コア-BCG65がHPVタイプ16のE7抗原を運搬するFCCPであり、そして、TC-1腫瘍細胞を発現するE7が、TC-1腫瘍を有する又はTC-1腫瘍に曝露されたマウスに対するE7-コア-BCG65の治療と予防適用を評価するために使用された。
【0065】
上海SLAC実験動物有限公司から6〜8週齢(20.0±2.0g)の雌C57BL/6マウスを購入した。品質コントロール番号:SCXK(上海)2003-0003。
【0066】
Linら(90)に記載されたように、HPV16 E7遺伝子及び活性化ヒトC -Ha-ras遺伝子での不死化及び形質転換により、C57BL/6マウスの初代肺細胞からHPV16 E7 タンパク質が発現されたTC-1細胞系が得られた。TC-1細胞を、10% ウシ胎仔血清、2 mM 非必須アミノ酸、2mM L-グルタミン、1mM ピルビン酸、及びペニシリン/ストレプトマイシンが補充されたRPMI1640培地で増殖させ、トリプシン処理により細胞を収集し、PBSで前記細胞を3回洗浄し、その後、PBSに再懸濁させた。1×105個のTC-1細胞をマウスに皮下接種し、マウスを、それらの実験グループに従って、皮下適用によりE7-コア-BCG65又は生理食塩水で処置した。
【0067】
【表1】

【0068】
触診により、マウスに腫瘍が存在するかどうかについてモニターし、週2回、ノギス(Vernier Caliber)で2方向の直交性直径により、腫瘍の体積を確認した。これらの測定結果がmm3に推定され、平均の腫瘍体積±標準誤差の平均で表示された。マウスの寿命を記録した。
【0069】
コントロール群において、TC-1接種4日後に腫瘍の存在が観察され、接種10日後、腫瘍の平均体積が40 mm3まで増殖し、そして、接種36日後、7499.84mm3まで成長した。接種後60日以内に、コンロロール群のすべてのマウスが死亡した。
【0070】
治療グループにおいて、マウスは、TC-1接種48時間と16日後に、E7-核-BCG65で処置された。接種36日後、腫瘍の平均体積が181.89 mm3(500μg)、671.34mm3(100μg)及び2148.57mm3(20μg)まで増殖した。接種後60日間、すべてのマウスが生存した。
【0071】
予防グループにおいて、14日内にE7-コア-BCG65でマウスを2回処置し、2回目治療した後、マウスにTC-1を接種した。接種36日後、腫瘍の平均体積が22.43mm3(100μg)と89.08mm3(20μg)まで増殖した。接種後60日間、すべてのマウスが生存した。
【0072】
【表2】

【0073】
当業者は、本発明の基本構成を変えて、本発明の方法を使用するその他の実施形態を得ることができることを認識又は確認すべきである。したがって、本発明の範囲が付加された請求項により限定され、実施例の形態に示された特定の実施形態により決定されることではないことを理解すべきである。
【0074】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
融合タンパク質を含む組成物であって、前記融合タンパク質がカプシド(又はヌクレオカプシド)タンパク質、シャペロンタンパク質及び所望の抗原を含み、ペプチド結合によって共に連結されている組成物。
【請求項2】
前記所望の抗原が、ペプチド結合により請求項1に記載の融合タンパク質中のカプシドタンパク質と連結されている請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1つの所望抗原と、ペプチド結合によりシャペロンタンパク質に連結したカプシドタンパク質の融合タンパク質を含有することを特徴とする組成物。
【請求項4】
前記所望抗原が、請求項3に記載の融合タンパク質に化学的に連結又は抱合され、又は、前記所望抗原が、アフィニティー相互作用により請求項3に記載の融合タンパク質に非共有結合的に連結されている請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記カプシドタンパク質が、
(a)全長タンパク質、
(b)全長タンパク質の一部、又は、
(c)(a)又は(b)のタンパク質の変異体又はバリアントであり、自己組織化の能力を保持している、請求項1又は3に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記カプシドタンパク質が、B型肝炎ウイルスのコア抗原である請求項5に記載のカプシドタンパク質。
【請求項7】
前記シャペロンタンパク質が、シャペロンファミリーのメンバーであり、そして、前記シャペロンタンパク質が全長タンパク質、その機能等価物、例えば、全シャペロンタンパク質のフラグメント、シャペロンタンパク質の化学的変異体又はバリアントである請求項1又は3に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記シャペロンタンパク質が、M.bovis BCG Hps65タンパク質である請求項7に記載のシャペロンタンパク質。
【請求項9】
前記必要抗原が、(a)ウイルス、(b)細菌、(c)寄生虫、(d)プリオン、(e)腫瘍、(f)自己分子、(g)非ペプチド性ハプテン分子、(h)アレルゲン、(i)ホルモン、及び(j)(a)から(i)までの何れかの抗原のフラグメント、からなるグループから選択される由来の抗原、又は抗原とそれらのフラグメントのいずれかの組み合わせであり、前記所望の抗原が、(a)ウイルス、(b)細菌、(c)寄生虫、(d)プリオン、(e)腫瘍、(f)自己分子、(g)アレルゲン及び(h)ホルモンからなるグループに由来する1又は複数のエピトープを有する、請求項1又は3に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の組成物の調製方法であって、以下の工程:
a)発現系により請求項1に記載の融合タンパク質を組換え生産する工程、
b)カオトロピック剤の存在下で、前記融合タンパク質を分離して精製し、これにより変性形態の精製融合タンパク質を得る工程、
c)前記変性融合タンパク質のサンプル中に存在するカオトロピック剤を徐々に除去することを含む過程により、マルチユニットの融合タンパク質を含む巨大分子構造体に前記変性融合タンパク質をリフォールディング及び再組織化する工程、を含む請求項1に記載の組成物の調製方法。
【請求項11】
請求項3に記載の組成物の調製方法であって、以下の工程:
a)発現系により請求項3に記載の融合タンパク質を組換え生産する工程、
b)カオトロピック剤の存在下で、前記融合タンパク質を分離して精製し、これにより変性形態の精製融合タンパク質を得る工程、
c)前記変性融合タンパク質のサンプルに存在するカオトロピック剤を徐々に除去することを含む過程により、マルチユニットの融合タンパク質を含む巨大分子構造体に前記融合タンパク質をリフォールディング及び再組織化する工程、
d)所望の抗原を巨大分子構造体に化学的に連結又は抱合させる、又は、所望の抗原をアフィニティー相互作用により巨大分子構造体に非共有結合的に連結させる工程を含む請求項3に記載の組成物の調製方法。
【請求項12】
請求項3に記載の組成物の調製方法であって、以下の工程:
a)発現系により請求項3に記載の融合タンパク質を組換え生産する工程、
b)カオトロピック剤の存在下で、前記融合タンパク質を分離して精製し、これにより変性形態の精製融合タンパク質を得る工程、
c)所望の抗原を前記変性融合タンパク質に化学的に連結又は抱合させる工程、
d)前記変性融合タンパク質のサンプル中に存在するカオトロピック剤を徐々に除去することを含む過程により、所望の抗原に連結又は抱合されたマルチユニットの融合タンパク質を含む巨大分子構造体に前記融合タンパク質をリフォールディング及び再組織化する工程、を含む請求項3に記載の組成物の調製方法。
【請求項13】
前記工程b)が、10Mまでの尿素又は塩酸グアニジン溶液(又は緩衝溶液)を使用すること、好ましくは、カオトロピック剤として4〜8Mの尿素又は3〜6Mの塩酸グアニジン緩衝溶液を使用することを含む請求項10〜12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
上述の巨大分子構造体の調製方法であって、前記融合タンパク質のカプシドタンパク質とシャペロンタンパク質の間に、特異的な酵素の切断開裂部位が作製され、そして、前記方法が、以下の工程:(a)前記特異的な酵素の切断開裂部位を認識する酵素で前記巨大分子構造体を処理する工程、及び(b)酵素的に処理した巨大分子構造体を収集する工程、を含む巨大分子構造体の調製方法。
【請求項15】
前記巨大分子構造体が、標準VLPとは異なる形態を有する請求項10〜12、及び14の何れか一項に記載の巨大分子構造体。
【請求項16】
a)上述の何れか1つの組成物、
b)少なくとも1つの免疫刺激物質、を含む組成物。
【請求項17】
前記免疫刺激物質が、メチル化されていないCpG含有オリゴヌクレオチド、又は二本鎖RNAであり、前記巨大分子構造体と結合又は前記巨大分子構造体内に詰め込まれる請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
有効量の上述の何れか1つの組成物由来の組成物を投与する工程を含む宿主内において所望の抗原に対する免疫応答を産生する方法。
【請求項19】
予防又は治療ワクチン接種の方法であって、処置の必要な宿主に有効量の上述の何れか1つの組成物由来の組成物を投与する工程を含み、所望の抗原に対する免疫応答に関連する状態の阻害又は治療的処置である、予防又は治療ワクチン接種の方法。
【請求項20】
前記巨大分子構造体の少なくとも1つを含む組成物であって、前記組成物が、前記組成物を投与された宿主内でカプシドタンパク質に対する所望の免疫応答を誘導する組成物。
【請求項21】
a)請求項20に記載の組成物、
b)少なくとも1つの免疫刺激物質、を含有する組成物。
【請求項22】
前記免疫刺激物質が、メチル化されていないCpG含有オリゴヌクレオチド、又は二本鎖RNAであって、そして、前記巨大分子構造体へ結合又は前記巨大分子構造体内に詰め込まれる請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
有効量の上述の何れか1つの組成物由来の組成物を投与する工程を含む、宿主内でカプシドタンパク質に対する所望の免疫応答を誘導する方法。
【請求項24】
予防又は治療ワクチン接種の方法であって、有効量の上述の何れか1つの組成物由来の組成物を処置の必要な宿主に投与する工程を含み、カプシドタンパク質に対する免疫応答に関連する状態の阻害又は治療的処置である、予防又は治療ワクチン接種の方法。
【請求項25】
宿主に投与するため上述の何れか1つの組成物由来の組成物を使用することにより、標準VLPに対する先存の免疫を回避する方法であって、ここで、前記組成物は標準VLPとは異なる形態を有する巨大分子構造体を含む、標準VLPに対する先存の免疫を回避する方法。
【請求項26】
宿主に投与するため上述の何れか1つの組成物由来の組成物を使用することにより、標準VLPに対する既存の免疫寛容を回避する方法であって、ここで、前記組成物は標準VLPとは異なる形態を有する巨大分子構造体を含む、標準VLPに対する既存の免疫寛容を回避する方法。
【請求項27】
宿主に投与するため上述の何れか1つの組成物由来の組成物を使用することにより、市販の抗カプシドタンパク質検出分析での標準VLPの干渉に関連する問題を回避する方法であって、ここで、前記組成物は標準VLPとは異なる形態を有する巨大分子構造体を含む、市販の抗カプシドタンパク質分析での標準VLPの干渉に関連する問題を回避する方法。

【公表番号】特表2011−510909(P2011−510909A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512497(P2010−512497)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/CN2008/071347
【国際公開番号】WO2008/154868
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(509348856)
【出願人】(509348878)上海▲沢▼▲潤▼安珂生物▲製▼▲薬▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】