説明

カプセル化香料およびその用途

【課題】
配合される製品中の、例えば、カチオン性物質などの影響を受けることがなく香りの持続性、残香性、香気バランスの安定性などに優れ、且つ、カプセル化香料を調製する際または製品に配合して物理的な作用がかからない状態で、カプセル壁面の崩壊などの問題がなくカプセル化香料の安定性に優れたカプセル化香料及び該カプセル化香料を含有する芳香・消臭剤、洗浄剤、衣類用柔軟仕上剤、皮膚化粧料、頭髪用化粧料、浴用剤組成物などを提供すること。
【解決手段】
芯物質として引火点が50〜130℃の範囲内の香料組成物を含有することを特徴とするカプセル化香料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセル化香料および該カプセル化香料を含有する芳香・消臭剤、洗浄剤、衣類用柔軟仕上剤、皮膚化粧料、頭髪用化粧料および浴用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、芳香・消臭剤、洗浄剤、衣類用柔軟仕上剤、皮膚化粧料、頭髪用化粧料、浴用剤組成物などには芳香を賦与したり、不快な臭いのマスキングなどを目的として香料が使用されている。このような製品に使用される香料は、香りの持続性、残香性を目的として香料をカプセル化して配合する試みがなされている。例えば、マイクロカプセル化された香料及びマイクロカプセル化されていない香料を含有する浴用剤組成物(特開平5−17338号公報)、カプセル封入した臭い中和剤とカプセル封入されていない芳香香料を含有する化粧料(特開平5−148126号公報)、水溶性糖類によりマイクロカプセル化した香料と、ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルとからなる粉末分散剤を含む粉末含有エアゾール組成物(特開平8−208429号公報)、多芯型構造のマイクロカプセルを水性基剤に分散させた徐放性マイクロカプセル含有水性組成物を配合した芳香剤(特開2000−159661号公報)などが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−17338号公報
【特許文献2】特開平5−148126号公報
【特許文献3】特開平8−208429号公報
【特許文献4】特開2000−159661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来提案されているカプセル化された香料を、芳香・消臭剤、洗浄剤、衣類用柔軟仕上剤、皮膚化粧料、頭髪用化粧料、浴用剤組成物などの製品に配合した場合に、製品中に存在する、例えば、カチオン性物質などの影響を受けカプセル化香料どうしが凝集したり、カプセル壁膜が破壊され、香りの持続性、残香性が効果的に発揮されなくなったり、香気バランスが崩れるなどのトラブルがあった。
【0005】
本発明者らは、上記の従来提案のカプセル化香料の欠点乃至トラブルを解決するため、特定の沸点およびCLogP値を有する香料を芯物質として採用し、乳化剤として陰イオン界面活性剤、カプセル壁形成物質として高分子物質を使用し、硬化カプセル壁を有するマイクロカプセルが分散した水性分散液を、非イオン界面活性剤で処理したカプセル化香料を提案した(特開2004−99743号公報)。
【0006】
しかしながら、本発明者らが前回提案したカプセル化香料は、配合される製品中の、例えば、カチオン性物質などの影響を受けることがないため香りの持続性、残香性、香気バランスの安定性などの点では優れているが、カプセル化香料を調製する際または製品に配合して物理的な作用がかからない状態で、カプセル壁面の崩壊などのカプセル化香料の安定性に欠ける問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、配合される製品中の、例えば、カチオン性物質などの影響を受けることがなく香りの持続性、残香性、香気バランスの安定性などに優れ、且つ、カプセル化香料を調製する際または製品に配合して物理的な作用がかからない状態で、カプセル壁面の崩壊などの問題がなくカプセル化香料の安定性に優れたカプセル化香料及び該カプセル化香料を含有する芳香・消臭剤、洗浄剤、衣類用柔軟仕上剤、皮膚化粧料、頭髪用化粧料、浴用剤組成物などを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述した課題を解決するため鋭意検討を行った結果、今回、芯物質である香料として引火点が特定の範囲内にある香料成分を採用することにより、上記課題を一挙に解決できることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0009】
かくして本発明によれば、芯物質として引火点が50〜130℃の範囲内の香料組成物を含有することを特徴とするカプセル化香料を提供するものである。
【0010】
また本発明は、290℃より低い沸点および1.0〜7.0の範囲内のCLogP値を有する香料成分を香料組成物全体の重量を基準として50重量%以上含有する上記のカプセル化香料が提供される。
【0011】
さらに本発明は、乳化剤として陰イオン界面活性剤、カプセル壁形成物質として高分子物質を使用し、硬化カプセル壁を有するマイクロカプセルが分散した水性分散液を、非イオン界面活性剤で再処理してなる前記のカプセル化香料を提供するものである。
【0012】
また本発明は、上記のカプセル化香料を含有する芳香・消臭剤、洗浄剤、衣類用柔軟仕上剤、皮膚化粧料、頭髪用化粧料および浴用剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、配合される製品中の、例えば、カチオン性物質などの影響を受けることがなく香りの持続性、残香性、香気バランスの安定性などに優れ、且つ、カプセル化香料を調製する際または製品に配合して物理的な作用がかからない状態で、カプセル壁面の崩壊などの問題がなくカプセル化香料の安定性に優れたカプセル化香料及び該カプセル化香料を含有する芳香・消臭剤、洗浄剤、衣類用柔軟仕上剤、皮膚化粧料、頭髪用化粧料、浴用剤組成物などを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0015】
本発明のカプセル化香料は、芯物質として引火点が50〜130℃、好ましくは60〜120℃の範囲内の香料組成物を用いることを特徴とする。香料組成物の引火点が50℃未満では、カプセル化香料を調製する際または製品に配合して物理的な作用がかからない状態で、カプセル壁面の崩壊などの問題が生ずるため好ましくなく、また、130℃を超える範囲では製品での香り立ちがよくない。
【0016】
本発明のカプセル化香料において、芯物質である香料組成物に用いられる香料成分としては、香料組成物の引火点が50〜130℃の範囲内であれば特に制限されないが、好ましくは、290℃より低い沸点および1.0〜7.0のCLogP値を有する香料成分(以下、(A)香料成分という)を香料組成物全体の50重量%以上含有することにより、芳香・消臭剤、洗浄剤、衣類用柔軟仕上剤、皮膚化粧料、頭髪用化粧料、浴用剤組成物などの製品に配合した際に、香りの持続性、残香性、香気バランスの安定性などが効果的に発揮される。ここで、CLogPとは化学物質の1−オクタノール/水分配係数で、f値法(疎水性フラグメント定数法)により計算で求められた値をいう。具体的には、化合物の化学構造を、その構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数(f値)を積算して求められる(CLOG3 Reference Manual DaylightSoftware 4.34,Albert Leo,David Weininger,Version 1,March 1994)。
【0017】
上述した(A)香料成分を具体的に示せば、例えば、カンファー、1,8−シネオール、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、l−メントール、メントン、iso−メントン、l−カルボン、メチルサリシレート、エストラゴール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、リナリルアセテート、ターピネオール、ターピニルアセテート、ターピネン−4−オール、ジメトール、ボルネオール、チモール、p−サイメン、p−メチルアセトフェノン、オイゲノール、エチルアセテート、アリルアミルグリコレート、アリルヘプタノエート、アリルカプロエート、アミルアセテート、iso−アミルアセテート、iso−アミルブチレート、アミルプロピオネート、アニスアルデヒド、アネトール、ベンズアルデヒド、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、cis−3−ヘキセニルアセテート、リモネン、cis−ジャスモン、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、フェンチルアルコール、ヒドロトロピックアルコール、メチルアンスラニレート、フェノキシエタノール、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアルコール、ローズオキサイド、iso−アミルサリシレート、アセチルセドレン、アミルシンナミックアルデヒド、スチラリルアセテート、セドリルアセテート、バニリン、ヘリオトロピン、メチルイオノン、リリアール、γ−ウンデカラクトンなどを挙げることができる。
【0018】
また、これらの香料成分を主成分とする天然精油でもよく、例えば、セージオイル、バジルオイル、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、ローズマリーオイル、ユーカリプタスオイル、タイムオイル、アニスオイル、ベイオイル、クローブオイル、コリアンダーオイル、ローレルリーフオイル、ラバンジンオイル、ラベンダーオイル、マージョラムオイル、オレンジオイル、レモンオイル、グレープフルーツオイル、ライムオイル、ベルガモットオイル、セダーウッドオイル、パチュリオイル、ゼラニウムオイルなどが挙げられる。
【0019】
上述した(A)香料成分は、通常、香料全体の重量を基準として50重量%以上、特に55重量%以上が好ましい。本発明では、香りの持続性、残香性、香気バランスの安定性などに影響を及ぼさない範囲で、(A)香料成分に属さない香料成分を配合することもできる。かかる香料成分は、例えば、香料化学総覧,1,2,3[奥田治著 廣川書店出版]、Perfume and flavor Chemicals,1,2[Steffen Arctander著]、合成香料[印藤元一著 化学工業日報社出版]などに記載の香料化合物を挙げることができる。
【0020】
本発明のカプセル化香料の調製方法は特に制限されないが、例えば、芯物質として前記した特定の香料組成物、乳化剤として陰イオン界面活性剤、カプセル壁形成物質として高分子物質を使用し、硬化カプセル壁を有するマイクロカプセルが分散した水性分散液を製造した後、該水性分散液を非イオン界面活性剤で再処理することにより得ることができる。
【0021】
前述した硬化カプセル壁を形成する方法は、公知の方法を用いることができ、具体的には、界面重合法、イン・サイチュ(in situ)重合法、液中硬化法、相分離法(コアセルベーション)などを挙げることができる。
【0022】
本発明のカプセル化香料に使用される乳化剤としての陰イオン界面活性剤としては、特に制限されず、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルキルリン酸エステルなどを挙げることができる。かかる陰イオン界面活性剤の使用量は特に制限されないが、通常、芯物質である香料1重量部に対して0.01〜10重量部の範囲とすることができる。
【0023】
本発明のカプセル化香料に用いられるカプセル壁形成物質としての高分子物質は、通常、カプセル壁膜に使用されるものを用いることができ、例えば、アルギン酸ソーダ、寒天、ゼラチン、カラギーナン、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、(メタ)アクリル酸ポリマー、ポリビニルアルコール、コラーゲン、ウレア化合物、ウレタン化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物などを挙げることができる。かかる高分子物質の使用量は特に制限されないが、通常、芯物質である香料1重量部に対して0.01〜10重量部の範囲とすることができる。
【0024】
本発明のカプセル化香料は、上述の高分子物質を使用して硬化カプセル壁を有する1〜300μmの直径を有するマイクロカプセルが分散した水性分散液を、非イオン界面活性剤で再処理することを特徴とする。非イオン界面活性剤としては特に制限されず、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0025】
本発明のカプセル化香料をイン・サイチュ(in situ)重合法で調製する一実施態様を示せば、例えば、エチレン−マレイン酸共重合樹脂などの重合体、陰イオン界面活性剤及び水を混合溶解した後、この溶液1重量部に上記した(A)香料成分を70重量%以上含有する香料約0.1〜約1重量部を加え、高速攪拌機などを使用して乳化させ、O/Wエマルジョン溶液を調製する。次に、別途、メラミンなどの高分子物質、ホルムアルデヒド水溶液からなる水溶液を調製し、前記の乳化液に添加して加熱し、硬化したカプセル壁を有する陰イオン性マイクロカプセルが分散された水性分散液を得る。この水性分散液を非イオン界面活性剤の水溶液に再分散させることにより本発明のカプセル化香料を得ることができる。
【0026】
上述のようにして調製することのできる本発明のカプセル化香料は、例えば、アルキルアンモニウムクロライド、第4級アンモニウム塩界面活性剤などを含有する陽イオン性水溶液組成物中においても優れた分散安定性を示すことができ、配合される香料の持続性、残香性、香気バランスの安定性などを効果的に発揮することができ、且つ、カプセル化香料を調製する際または製品に配合して物理的な作用がかからない状態で、カプセル壁面の崩壊などの問題がなくカプセル化香料の安定性に優れる。従って、本発明のカプセル化香料は、例えば、芳香・消臭剤、洗浄剤、衣類用柔軟仕上剤、頭髪用化粧料、浴用剤組成物などの広汎な製品に適用することができる。本発明のカプセル化香料の使用量は、適用する製品の種類、所望する香気の強さなどにより一概には言えないが、通常、製品の重量を基準として約0.001〜5重量%程度である。
【0027】
以下実施例により本発明の実施の態様をさらに具体的に説明する。
【実施例】
【0028】
実施例1及び比較例1、2:in−situ法によるカプセル化香料の調製
エチレン−マレイン酸共重合樹脂(商品名:EMA−31、Monsanto Co.製)を5重量%含み、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(Alfa Aesar製;陰イオン界面活性剤)の水溶液300gに、下記に示したそれぞれの香料150gを加え、ホモミキサーで2500rpmの速度で攪拌してO/Wエマルジョンを作製した。次に、別途、メラミン30g、35重量%のホルムアルデヒド水溶液100g、水100に少量の水酸化ナトリウムを加えてpHを約9に調節し、80℃で30分間攪拌して、メチロールメラミン水溶液を調製した。このメチロールメラミン水溶液を前記のエマルジョンに添加して70℃で約2時間攪拌してカプセル壁を硬化し、硬化したカプセル壁を有する陰イオン性マイクロカプセルが分散した水性分散液を調製した。次に、この水性分散液に、デカグリン1−O(日光ケミカルズ製、グリセリン脂肪酸エステルの商品名;非イオン界面活性剤)10重量%の水溶液250gを添加混合して、陰イオン性マイクロカプセルを再分散させた。
(本発明品1)
下記表1の香料組成物Aを上記の方法によりカプセル化し、本発明品1のカプセル化香料を得た。
香料組成物Aの引火点:99.0℃
なお、引火点は「危険物確認試験実施マニュアル」(監修:消防庁危険物規制課、編集:危険物技術研究会,新日本法規出版)に記載されている引火点測定試験にしたがって測定した。
(比較品1)
下記表2の香料組成物Bを上記の方法によりカプセル化し、比較品1のカプセル化香料を得た。
香料組成物Bの引火点:40.0℃
(比較品2)
下記表3の香料組成物Cを上記の方法によりカプセル化し、比較品2のカプセル化香料を得た。
香料組成物Cの引火点:148.0℃
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【0032】
試験例1〜6
下記の試験例の香料賦香試験では、前記した本発明品1、比較品1および比較品2のカプセル化香料を配合して評価した。
【0033】
試験例1:水性ゲル芳香剤
配合成分 配合量(g)
カラギーナン 3
プロピレングリコール 5
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 1
精製水 残量
計 100
香料賦香率:5%
(賦香結果)
本発明品1を配合したものは、比較品1を配合したものに比べ香気の持続時間の点で優れ、また、比較品2を配合したものに比べ香り立ちがよかった。
【0034】
試験例2:液体衣料用洗剤
配合成分 配合量(g)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO=2) 30
ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム 8
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2
モノエタノールアミン 5
エタノール 5
プロピレングリコール 5
精製水 残量
計 100
香料賦香率:0.5%
(賦香結果)
上記した本発明品1、比較品1および比較品2のカプセル化香料を配合して衣類を洗浄し、乾燥後香気の残存および香り立ちを比較した。その結果、本発明品1を配合したものは、比較品1を配合したものに比べ香気の持続時間の点で優れ、また、比較品2を配合したものに比べ香り立ちがよかった。
【0035】
試験例3:ソフナー
配合成分 配合量(g)
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 7
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 3
プロピレングリコール 3
ステアリルベタイン 0.2
精製水 残量
計 100
香料賦香率:0.7%
(賦香結果)
上記した本発明品1、比較品1および比較品2のカプセル香料を配合して衣類を処理し、乾燥後香気の残存および香り立ちを比較した。その結果、本発明品1を配合したものは、比較品1を配合したものに比べ香気の持続時間の点で優れ、また、比較品2を配合したものに比べ香り立ちがよかった。
【0036】
試験例4:ミルクローション
配合成分 配合量(g)
流動パラフィン 4
2−エチルヘキサン酸セチル 2
スクワラン 2
マカダミアンナッツオイル 1
ステアリン酸 0.6
メチルポリシロキサン 0.5
セタノール 0.5
ベヘニルアルコール 0.3
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 1.2
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.5
ソルビタンモノステアレート 0.3
1,3−ブチレングリコール 8
カルボキシビニルポリマー 0.15
トリエタノールアミン 0.15
精製水 残量
計 100
香料賦香率:0.2%
(賦香結果)
上記した本発明品1、比較品1および比較品2のカプセル化香料を配合して使用し、使用後の香気の持続性および香り立ちを比較した。その結果、本発明品1を配合したものは、比較品1を配合したものに比べ香気の持続時間の点で優れ、また、比較品2を配合したものに比べ香り立ちがよかった。
【0037】
試験例5:ヘアリンス
配合成分 配合量(g)
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1
セタノール 3
メチルポリシロキサン 1
流動パラフィン 0.5
パルミチン酸セチル 0.5
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 0.5
プロピレングリコール 5
95%エタノール 2
精製水 残量
計 100
香料賦香率:0.7%
(賦香結果)
上記した本発明品1、比較品1および比較品2のカプセル化香料を配合して洗浄し、乾燥後の香気の持続性および香り立ちを比較した。その結果、本発明品1を配合したものは、比較品1を配合したものに比べ香気の持続時間の点で優れ、また、比較品2を配合したものに比べ香り立ちがよかった。
【0038】
試験例6:浴用剤
配合成分 配合量(g)
流動パラフィン 40
グリセリン 15
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 10
精製水 残量
計 100
香料賦香率:1.0%
(賦香結果)
上記した本発明品1、比較品1および比較品2のカプセル化香料を配合して使用し、揮散する香気の持続性および香り立ちを比較した。その結果、本発明品1を配合したものは、比較品1を配合したものに比べ香気の持続時間の点で優れ、また、比較品2を配合したものに比べ香り立ちがよかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯物質として引火点が50〜130℃の範囲内の香料組成物を含有することを特徴とするカプセル化香料。
【請求項2】
290℃より低い沸点および1.0〜7.0の範囲内のCLogP値を有する香料成分を香料組成物全体の重量を基準として50重量%以上含有する請求項1に記載のカプセル化香料。
【請求項3】
乳化剤として陰イオン界面活性剤、カプセル壁形成物質として高分子物質を使用し、硬化カプセル壁を有するマイクロカプセルが分散した水性分散液を、非イオン界面活性剤で再処理してなる請求項1または2のいずれかに記載のカプセル化香料。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のカプセル化香料を含有する芳香・消臭剤。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のカプセル化香料を含有する洗浄剤。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のカプセル化香料を含有する衣類用柔軟仕上剤。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載のカプセル化香料を含有する皮膚化粧料。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれかに記載のカプセル化香料を含有する頭髪用化粧料。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれかに記載のカプセル化香料を含有する浴用剤組成物。

【公開番号】特開2006−249326(P2006−249326A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−69658(P2005−69658)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000214537)長谷川香料株式会社 (176)
【Fターム(参考)】